JP2023035476A - 耐折り曲げ性試験装置及び耐折り曲げ性試験方法 - Google Patents

耐折り曲げ性試験装置及び耐折り曲げ性試験方法 Download PDF

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Abstract

【課題】FPCの90度曲げに対する耐性を正確に評価できる耐折り曲げ性試験装置及び耐折り曲げ性試験方法を提供する。【解決手段】FPC10の耐折り曲げ性を評価するための耐折り曲げ性試験装置100は、折り曲げ機構部20、押圧機構部40、計測部50及び制御部60を備えている。折り曲げ機構部20は、テープ状をなすFPC10を固定するとともに、固定されたFPC10をほぼ90度に折り曲げる折り曲げ動作と、折り曲げたFPC10を展開する展開動作と、を交互に行う。押圧機構部40は、折り曲げた状態のFPC10の折り曲げ部位に圧力を加える押圧動作を行う。計測部50は、FPC10の折り曲げ部位を通過するように設けられた配線に接続されて電気的パラメータの変化を検出する。制御部60は、折り曲げ動作と展開動作との組み合わせを基本動作として繰り返し実行させ、計測部50によって電気的パラメータの変化を検出するよう制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、耐折り曲げ性試験装置及び耐折り曲げ性試験方法に関し、詳細には、フレキシブルプリント配線板などの耐折り曲げ性を評価する耐折り曲げ性試験装置及び耐折り曲げ性試験方法に関する。
近年、電子機器の小型化、軽量化、省スペース化の進展に伴い、薄く軽量で、可撓性を有し、屈曲を繰り返しても優れた耐久性を持つフレキシブルプリント配線板(FPC;Flexible Printed Circuits)の需要が増大している。FPCは、限られたスペースでも立体的かつ高密度の実装が可能であるため、例えば、HDD、DVD、携帯電話、スマートフォン等の電子機器の可動部分の配線や、ケーブル、コネクター等の部品にその用途が拡大しつつある。このようなFPCには、高い耐屈曲性や高い耐折り曲げ性が要求される。例えば、FPCをスマートフォンなどのモバイル端末内のミリ波用のRFケーブルに適用する場合、端末の設計上、ミリ波アンテナ基板の向きに応じてFPCをほぼ直角に折り曲げて収納することがある。ほぼ直角に近い角度で折り曲げた状態では、折り曲げ部位に大きな応力が加わり、配線の破断などの損傷が生じやすくなる。そのため、FPCについて、ほぼ直角に折り曲げた状態(以下、「90度曲げ」と記すことがある)に対する耐性を正確に評価することが必要となっている。
FPCの耐屈曲性や耐折り曲げ性を評価するための試験としては、IPC規格による耐屈曲性試験(IPC試験)とJIS(日本工業規格)で規定されたMIT法による耐折り曲げ性試験(MIT試験)が知られている。IPC試験は、U字形状に屈曲させたFPCの長手方向の一端部を固定し、他端部をFPCの長手方向に往復運動させることによって行われる。MIT試験は、引っ張り荷重を加えた状態のFPCの折り曲げ動作を繰り返すことによって行われる。
また、特許文献1では、FPCを折り曲げる動作と、折り曲げたFPCを展開する動作との組み合わせを基本動作とし、折り曲げ動作の後で、折り曲げたFPCの折り曲げ部をステージと接触子によって挟み込む第1の挟み込み動作と、展開動作の後で、FPCのうち展開前に折り曲げ部であった部分を前記ステージと接触子によって挟み込む第2の挟み込み動作とを可能とする耐折り曲げ性試験装置が提案されている。
しかし、特許文献1で想定されている折り曲げは、「はぜ折り」または「180°折り曲げ」と呼ばれる折り曲げ方法であるため、90度曲げに対する耐性を正確に評価するには不向きあった。
特開2015-125096号公報
本発明の目的は、FPCの90度曲げに対する耐性を正確に評価できる耐折り曲げ性試験装置及び耐折り曲げ性試験方法を提供することである。
本発明の耐折り曲げ性試験装置は、テープ状をなすフレキシブルプリント配線板を固定してほぼ90度に折り曲げる折り曲げ動作と、折り曲げた前記フレキシブルプリント配線板を展開する展開動作と、を交互に行う折り曲げ機構部と、
折り曲げた状態の前記フレキシブルプリント配線板の折り曲げ部位に圧力を加える押圧動作を行う押圧機構部と、
前記フレキシブルプリント配線板の前記折り曲げ部位を通過するように設けられた配線に接続されて電気的パラメータの変化を検出する計測部と、
前記折り曲げ動作と前記展開動作との組み合わせを基本動作として繰り返し実行するとともに、前記計測部によって前記電気的パラメータの変化を検出するように制御する制御部と、
を備えている。
本発明の耐折り曲げ性試験装置において、前記制御部は、前記基本動作を1回実行する毎もしくは複数回繰り返し実行する毎に、前記折り曲げ動作と前記展開動作との間に前記押圧動作を挿入して実行させるとともに、前記計測部によって前記電気的パラメータの変化を検出するように制御してもよい。
本発明の耐折り曲げ性試験装置において、前記折り曲げ機構部は、前記折り曲げ部位を基準にして前記フレキシブルプリント配線板の一端側の部位を固定する第1のクランプと、他端側の部位を固定する第2のクランプと、を有していてもよい。この場合、前記第2のクランプを回動させることによって前記折り曲げ動作と前記展開動作を実行するようにしてもよい。
本発明の耐折り曲げ性試験装置において、前記第2のクランプは、ほぼ90度に形成された角部と、該角部を挟んで互いにほぼ直角をなす2つの規制面と、を有する直方体形状の固定部材を有していてもよい。この場合、前記折り曲げた状態において、前記角部を前記フレキシブルプリント配線板の前記折り曲げ部位に当接させるとともに、前記2つの規制面に前記折り曲げ部位の両側部分をそれぞれ当接させてもよい。
本発明の耐折り曲げ性試験装置は、前記電気的パラメータが、抵抗値、電流値、又は電圧値であってもよい。
本発明の耐折り曲げ性試験方法は、フレキシブルプリント配線板の耐折り曲げ性を評価するである。
本発明の耐折り曲げ性試験方法は、テープ状をなすフレキシブルプリント配線板を固定してほぼ90度に折り曲げる折り曲げ動作と、折り曲げた前記フレキシブルプリント配線板を展開する展開動作と、を交互に行う折り曲げ機構部と、
折り曲げた状態の前記フレキシブルプリント配線板の折り曲げ部位に圧力を加える押圧動作を行う押圧機構部と、
前記フレキシブルプリント配線板の前記折り曲げ部位を通過するように設けられた配線に接続されて電気的パラメータの変化を検出する計測部と、
を備えた耐折り曲げ性試験装置を用いる。
そして、本発明の耐折り曲げ性試験方法は、以下の工程a~工程e;
工程a)テープ状をなすフレキシブルプリント配線板を前記折り曲げ機構部に固定する工程、
工程b)前記折り曲げ機構部に固定された前記フレキシブルプリント配線板をほぼ90度に折り曲げる工程、
工程c)折り曲げた状態の前記フレキシブルプリント配線板の折り曲げ部位に前記押圧機構部によって圧力を加える工程、
工程d)前記折り曲げ部位に加えられた圧力を解除する工程、
工程e)折り曲げた前記フレキシブルプリント配線板を展開する工程、
のうち、前記工程b及び工程eの組み合わせを基本動作として繰り返し実行するとともに、該基本動作を1回実行する毎もしくは複数回繰り返し実行する毎に、前記工程bと工程eの間に前記工程c及び工程dを実行し、前記計測部によって前記電気的パラメータの変化を検出することを特徴とする。
本発明の耐折り曲げ性試験装置及び耐折り曲げ性試験方法は、FPCについて、電子機器内における現実の使用状態を模した条件で90度曲げに対する耐性を正確に評価することができる。従って、本発明の耐折り曲げ性試験装置及び耐折り曲げ性試験方法を使用してFPCの耐折り曲げ性を評価することによって、FPCの信頼性を高め、さらにはFPCを使用する電子機器の動作信頼性の向上を図ることができる。
本発明の一実施の形態の耐折り曲げ性試験装置の概略構成図である。 図1の耐折り曲げ性試験装置の動作説明図である。 図2に続く状態を示す耐折り曲げ性試験装置の動作説明図である。 図3に続く状態を示す耐折り曲げ性試験装置の動作説明図である。 図4に続く状態を示す耐折り曲げ性試験装置の動作説明図である。 図5に続く状態を示す耐折り曲げ性試験装置の動作説明図である。 FPCを折り曲げた状態の説明図である。 FPCにおける配線構造の一例を示す説明図である。
以下、適宜図面を参照しながら本発明の一実施の形態の耐折り曲げ性試験装置について説明する。図1は、本実施の形態の耐折り曲げ性試験装置100の概略構成図である。図2から図6は、図1の耐折り曲げ性試験装置100の要部を拡大してその動作を示す説明図である。図7は、FPC10を折り曲げた状態の説明図である。図8は、FPC10の配線11の構造の一例を示す説明図である。なお、図1~図6において、X方向及びY方向は、ベース部70の上面70aに平行で、且つ互いに直交する方向である。X方向は、図1における左右方向である。Y方向は、図1における紙面に垂直な方向である。Z方向は、ベース部70の上面70aに垂直な方向である。
本実施の形態の耐折り曲げ性試験装置100は、FPC10の耐折り曲げ性を評価するための試験装置であり、折り曲げ機構部20、押圧機構部40、計測部50及び制御部60を備えている。また、耐折り曲げ性試験装置100は、ベース部70と、このベース部70から立設されている支持壁80を備えている。
折り曲げ機構部20は、テープ状をなすFPC10を固定するとともに、固定されたFPC10をほぼ90度に折り曲げる折り曲げ動作と、折り曲げたFPC10を展開する展開動作と、を交互に行う。なお、本発明において「ほぼ90度」、「ほぼ直角」とは、90°±0.1°を意味する。
押圧機構部40は、折り曲げた状態のFPC10の折り曲げ部位10a(図7参照)に圧力を加える押圧動作を行う。
計測部50は、FPC10の折り曲げ部位10aを通過するように設けられた配線11に接続されて電気的パラメータの変化を検出する。
制御部60は、耐折り曲げ性試験装置100の各構成部を制御し、折り曲げ動作と展開動作との組み合わせを基本動作として繰り返し実行させるとともに、計測部50によって前記電気的パラメータの変化を検出するように制御する。制御部60は、好ましくは、前記基本動作を1回実行する毎もしくは複数回繰り返し実行する毎に、折り曲げ動作と展開動作との間に押圧動作を挿入して実行させるとともに、計測部50によって前記電気的パラメータの変化を検出するように制御してもよい。
以下、耐折り曲げ性試験装置100の各構成部について、詳細に説明する。
<試料>
本実施の形態の耐折り曲げ性試験装置100において、試験対象となる試料は、長尺なテープ状をなすFPC10である。FPC10は、公知の構成であり、詳細は省略するが、樹脂層と配線層とを有する可撓性の回路基板である。本実施の形態の耐折り曲げ性試験装置100は、試料であるFPC10として、片面に配線11を有する片面FPC、両面に配線11を有する両面FPCのほか、複数の絶縁樹脂層と金属層との積層構造体に配線11が内蔵されており、全体の厚みが80μm以上、例えば80μm~300μm程度のストリップラインについても対象とすることができる。
<折り曲げ機構部>
折り曲げ機構部20は、上部クランプ21、下部クランプ24及び回転装置30を有している。上部クランプ21は、支持壁80に付属してX方向に突出している張出し支持部81の下端に固定されている。下部クランプ24は、回転装置30に連結されており、回転装置30は、図示は省略するが任意の固定手段によってベース部70に固定されている。
上部クランプ21及び下部クランプ24は、FPC10を着脱自在に固定できるように構成されている。上部クランプ21及び下部クランプ24に固定された状態で、FPC10は長手方向に一定のテンションが加えられた状態で保持される。テンションの大きさは、FPC10の配線11に破断等の悪影響を与えないように、例えば0.98N~49N程度の荷重とすることが好ましい。この場合、FPC10にテンションが加わるように十分に伸ばした状態で上部クランプ21及び下部クランプ24に固定してもよいし、FPC10を固定した状態で、上部クランプ21又は下部クランプ24のいずれか片方または両方を相手側から離れる方向に変位させる機構を設けてテンションを加えてもよい。なお、二つのクランプの配置は、上下方向(Z方向)に限らず、例えば左右方向(X方向)でもよい。
上部クランプ21は、FPC10を挟持して固定できればその構成は問わない。本実施の形態では、例えば、図2から図6に示すように、2つの板状の固定部材22,23の間にFPC10を挟み込み、ねじ、ばね等の機構で固定する構成とすることができる。
下部クランプ24は、FPC10を挟持して固定する。本実施の形態では、例えば、2つの固定部材25,26の間にFPC10を挟み込み、ねじ、ばね等の機構で固定する構成とすることができる。また、下部クランプ24は、回転装置30に連結されており、FPC10を挟持した状態で、回転装置30によって図1中矢印で示すように90度回転し、FPC10をほぼ90度に折り曲げた折り曲げ状態と、下部クランプ24を反対方向に90度回転させることによって折り曲げたFPC10を展開して元の状態に復帰させた展開状態の2つの状態に保持する。
また、下部クランプ24は、折り曲げ状態でFPC10の折り曲げ角度をほぼ90度に保つことができるように、固定部材25,26が厚みの大きなブロック状(直方体形状)をしている。
具体的には、図7に示すように、少なくとも片側の固定部材25は、全体が直方体形状をなし、ほぼ90度に形成された角部25aと、該角部25aを挟んで互いにほぼ直角をなす2つの規制面25b及び規制面25cと、を有している。
折り曲げ状態では、この角部25aがFPC10に当接し、FPC10の折り曲げ部位10aを位置決めする。また、折り曲げ状態では、2つの規制面25b及び規制面25cが、それぞれ、FPC10の折り曲げ部位10aの両側部分に面接触し、FPC10をほぼ90度折り曲げた状態に規制する。
角部25aの先端は、鋭角であるとFPC10の配線11に破断などの影響を与える可能性があるため、一定の曲率半径を有する程度に丸め加工されていてもよい。
上部クランプ21の固定部材22,23、下部クランプ24の固定部材25,26としては、例えばアルミニウムなどの金属部材にウレタン樹脂、ポリアセタール樹脂、シリコーン樹脂などの材質の樹脂層を積層した構造とすることが好ましい。固定部材22,23及び固定部材25,26がFPC10と当接する面を樹脂層で形成することによって、十分な絶縁性を確保できる。
なお、下部クランプ24を回動可能とする替りに、上部クランプ21を回動可能な構成としてもよく、上部クランプ21と下部クランプ24の両方を回動可能な構成としてもよい。
回転装置30は、ベース部70に支持されている。回転装置30は、全体が円柱状をなす本体31を有している。本体31は、駆動源と、この駆動源によって回動可能に設けられている軸部を有している(いずれも図示省略)。また、回転装置30は、軸部と下部クランプ24とを連結する連結部33を有している。回転装置30の軸部が回転することによって、連結部33が軸部を中心にして公転し、下部クランプ24の向きを90度変化させる。具体的には、固定部材25と固定部材26との境界がZ方向に平行である位置(図2)から、X方向に平行となる位置(図3)まで下部クランプ24を変位させる。下部クランプ24の変位によって、下部クランプ24に固定されているFPC10は、交互に、展開状態(図2)と折り曲げ状態(図3)の2つの状態をとることができる。なお、回転装置30の駆動源としては、軸部を回転運動させ得るものであれば特に限定されないが、ステッピングモータなどが例示される。
<押圧機構部>
押圧機構部40は、ベース部70に設けられており、図示しない駆動源によってX方向に移動可能な移動体41、この移動体41の上部であって下部クランプ24に対向する側に設けられている圧接体43、圧接体43によって印加される圧力を検出する荷重センサ45、及び、移動体41の移動を案内するガイド47を有している。なお、押圧機構部40の駆動源としては、移動体41をX方向に往復移動させ得るものであれば特に限定されないが、リニアモータ、エアシリンダー、ボールねじなどが例示される。
移動体41は、ガイド47に沿ってX方向に移動し、下部クランプ24に近接する方向と退避する方向に往復移動可能に構成されている。図4に示すように、移動体41は、FPC10が折り曲げ状態にあるときに、下部クランプ24に向けて進出し、下部クランプ24に挟持されているFPC10の折り曲げ部位10aに対し、圧接体43の押圧面43aを所定の圧力で押し当てる。移動体41は、FPC10の折り曲げ部位10aに圧接体43を押し当てた状態で一定時間その位置を保持する。圧接体43によってFPC10の折り曲げ部位10aに対して加えられる圧力は、例えば0.98N~49N程度の荷重とすることが好ましい。この圧力の大きさは、荷重センサ45によって把握することができる。また、荷重の大きさは、圧力値として設定してもよいし、圧接体43の押し込み量(押し込み距離)によって設定してもよい。
圧接体43は、均等に圧力をかけられるように、例えば樹脂などの材質で構成されており、下部クランプ24に対向する平らな押圧面43aを有している。押圧面43aは、Y-Z平面に対して平行に形成されている。
<計測部>
計測部50は、耐折り曲げ試験の間、折り曲げ機構部20に固定されたFPC10に連続的又は間欠的に電流を流し、電気的パラメータの変化を検出する。計測部50で検出する電気的特性としては、例えば抵抗値、電流値、電圧値などを挙げることができる。これらの中でも、配線11の断線等による変化を検出しやすい抵抗値を検出することが好ましい。
計測部50は、複数のリード線51(図1~図6では、1本のみ図示)によってFPC10の配線11に接続される。FPC10における配線構造の一例を図8に示す。この例では、配線11は、FPC10の長手方向に延びる複数の直線状部分11aと、パターン化された配線11の全体が蛇行した形状となるように、隣接する2つの直線状部分11aの端部どうしを連結する複数の連結部分11bとを有している。このように、配線11は、FPC10の基端側(図8の紙面に向かって右側)から、折り曲げ部位10a(図8では図示せず)を通って基端側に戻るような経路を有している。したがって、配線11の2つの端部にそれぞれリード線51を接続しておくことによって、折り曲げ部位10aを含むFPC10の電気的パラメータを検出することができる。
具体例として、抵抗値を測定する場合、FPC10の配線11に、例えば直流1.0V/10mA以下の電流を通電し、計測部50では、初期抵抗値に対する計測値の比率を演算する。制御部60では、計測部50で得られた前記計測値の比率を所定のしきい値と比較することによって、FPC10の耐久性についての判定を行い、その結果を例えばディスプレイに表示する。例えば、初期抵抗値に対する計測値の比率がしきい値を超えた場合、FPC10の折り曲げ部位10aにおいて配線11の損傷が発生したと推認できるので、しきい値を超えるまでの折り曲げ回数によってFPC10の耐折り曲げ性を評価できる。
なお、FPC10が両面に配線11を有する両面FPCである場合は、両面のそれぞれに形成された配線11に個別にリード線51を接続することができる。これにより、計測部50は、両面の配線11の電気的パラメータの変化を個別に検出することができる。
<制御部>
制御部60は、典型的にはコンピュータであり、図示は省略するが、CPU(中央処理装置)やRAM(ランダムアクセスメモリ)を有する主制御部と、キーボード、マウス等の入力装置と、プリンタ等の出力装置と、ディスプレイ等の表示装置と、ハードディスクなどの記憶装置と、を備えている。
制御部60は、耐折り曲げ性試験装置100においてFPC10に対する耐折り曲げ性試験が実行されるように、耐折り曲げ性試験装置100の各構成部(例えば、折り曲げ機構部20、押圧機構部40、計測部50等)を制御する。これらは、制御部60のCPUが、RAMを作業領域として用いて、記憶装置に格納されたソフトウエア(プログラム)を実行することによって実現される。
以上の構成を有する耐折り曲げ性試験装置100では、折り曲げ状態と展開状態の時間間隔、FPC10の折り曲げ部位10aに対して圧接体43を押し当てる時間、そのときの圧力などを適切に設定してFPC10への耐折り曲げ性試験を実施できる。
<耐折り曲げ性試験方法>
次に、耐折り曲げ性試験装置100において実施される本実施の形態の耐折り曲げ性試験方法の手順の一例について説明する。ここでは、電気的パラメータとして抵抗値を測定する場合を例に挙げる。
本実施の形態の耐折り曲げ性試験方法は、次の工程a)~e)を含むことができる。
工程a)
本工程では、テープ状をなすFPC10を折り曲げ機構部20に固定する。具体的には、図2に示すように、上部クランプ21及び下部クランプ24によって、長手方向に一定のテンションが加えられた状態になるようにFPC10を固定する。
工程b)
本工程では、折り曲げ機構部20に固定されたFPC10をほぼ90度に折り曲げる。具体的には、図3に示すように、下部クランプ24にFPC10を固定した状態で、回転装置30によって下部クランプ24を90度回転させて、FPC10をほぼ90度に折り曲げた折り曲げ状態に保持する。
工程c)
本工程では、折り曲げ状態のFPC10の折り曲げ部位10aに圧力を加える。具体的には、図4に示すように、下部クランプ24によって折り曲げ状態に保持されているFPC10の折り曲げ部位10aに対し、押圧機構部40の移動体41を進出させて、圧接体43の押圧面43aを所定の圧力で押し当てる。このとき、FPC10の折り曲げ部位10aに折り目がつくような強さで圧力を加えてもよい。移動体41は、FPC10の折り曲げ部位10aに圧接体43を押し当てた状態で一定時間その位置を保持する。
工程d)
本工程では、折り曲げ状態のFPC10の折り曲げ部位10aに加えられていた圧力を解除する。具体的には、図5に示すように、工程c(図4)の状態から押圧機構部40の移動体41を退避させて、圧接体43をFPC10の折り曲げ部位10aから離間させる。なお、移動体41は、工程a(図2)の位置まで戻してもよいし、途中の位置で待機させてもよい。
工程e)
本工程では、折り曲げたFPC10を展開する。具体的には、図6に示すように、下部クランプ24にFPC10を固定した状態で、回転装置30によって下部クランプ24を工程b(図3)と反対方向に90度回転させてFPC10を展開し、工程aの状態に復帰させる。
本実施の形態の耐折り曲げ性試験方法は、以上の工程a~工程eのうち、工程b及び工程eの組み合わせを基本動作として繰り返し実行するとともに、この基本動作を1回実行する毎もしくは複数回繰り返し実行する毎に、工程bと工程eの間に、工程c及び工程dを挿入して実行し、計測部50によって抵抗値の変化を検出することが好ましい。つまり、工程c及び工程dは間欠的に実行してもよい。
計測部50では、連続的又は間欠的に抵抗値を計測し、計測された抵抗値と初期抵抗値との比率(変動比率)を演算する。そして、制御部60では、得られた抵抗値の変動比率を所定のしきい値と比較し、変動比率がしきい値を超えた場合にFPC10に断線などの不具合が生じたと判定する。一方、予め設定された回数で上記基本動作を繰り返しても変動比率がしきい値以下である場合には、FPC10の耐折り曲げ性を合格と判定することができる。
耐折り曲げ性の評価においては、検出された抵抗値から得られる種々の情報によって、評価を行うことができる。例えば、上記変動比率をしきい値と比較することに替えて、抵抗値を予め適切に設定されたしきい値と直接比較してもよいし、あるいは、所定時間内における抵抗値の変化率をモニタし、該変化率をしきい値と比較して評価を行ってもよい。また、上記の変動比率もしくは変化率がしきい値を超えるまでの上記基本動作の繰り返し回数によって、耐折り曲げ性を評価してもよい。なお、電気的パラメータとして、抵抗値以外のパラメータを用いる場合についても同様である。
以上のように、本実施の形態の耐折り曲げ性試験装置100では、電気的パラメータの変化を検出することによって、簡易な構成であるにも関わらず、90度曲げによって応力が集中しやすいFPC10の折り曲げ部位10aにおける配線11の損傷を検出できる。そのため、本実施の形態の耐折り曲げ性試験装置100及び耐折り曲げ性試験方法によれば、電子機器内における現実の使用状態を模した条件でFPC10の耐折り曲げ性を確実に評価できる。
また、本実施の形態の耐折り曲げ性試験装置100は、片面に配線11を有する片面FPCだけでなく、両面に配線11を有する両面FPCにも対応可能であり、両面の配線11の電気的パラメータを同時に検出できる。さらに、複数の絶縁樹脂層と金属層との積層構造体に配線11が内蔵されている高周波伝送用のストリップラインなどにも適用可能である。
このように、本実施の形態の耐折り曲げ性試験装置100を使用してFPC10の耐折り曲げ性を評価することによって、FPC10の信頼性を高め、さらにはFPC10を使用する電子機器の動作信頼性の向上を図ることができる。
以上、本発明の実施の形態を例示の目的で詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に制約されることはない。
10…フレキシブルプリント配線板(FPC)、10a…折り曲げ部位、20…折り曲げ機構部、21…上部クランプ、22,23…固定部材、24…下部クランプ、25,26…固定部材、30…回転装置、31…本体、33…連結部、40…押圧機構部、41…移動体、43…圧接体、45…荷重センサ、47…ガイド、50…計測部、51…リード線、60…制御部、70…ベース部、70a…上面、80…支持壁、81…張出し支持部、100…(FPC用)耐折り曲げ性試験装置

Claims (6)

  1. テープ状をなすフレキシブルプリント配線板を固定してほぼ90度に折り曲げる折り曲げ動作と、折り曲げた前記フレキシブルプリント配線板を展開する展開動作と、を交互に行う折り曲げ機構部と、
    折り曲げた状態の前記フレキシブルプリント配線板の折り曲げ部位に圧力を加える押圧動作を行う押圧機構部と、
    前記フレキシブルプリント配線板の前記折り曲げ部位を通過するように設けられた配線に接続されて電気的パラメータの変化を検出する計測部と、
    前記折り曲げ動作と前記展開動作との組み合わせを基本動作として繰り返し実行するとともに、前記計測部によって前記電気的パラメータの変化を検出するように制御する制御部と、
    を備えている耐折り曲げ性試験装置。
  2. 前記制御部は、前記基本動作を1回実行する毎もしくは複数回繰り返し実行する毎に、前記折り曲げ動作と前記展開動作との間に前記押圧動作を挿入して実行させるとともに、前記計測部によって前記電気的パラメータの変化を検出するように制御する請求項1に記載の耐折り曲げ性試験装置。
  3. 前記折り曲げ機構部は、前記折り曲げ部位を基準にして前記フレキシブルプリント配線板の一端側の部位を固定する第1のクランプと、他端側の部位を固定する第2のクランプと、を有しており、
    前記第2のクランプを回動させることによって前記折り曲げ動作と前記展開動作を実行する請求項1又は2に記載の耐折り曲げ性試験装置。
  4. 前記第2のクランプは、ほぼ90度に形成された角部と、該角部を挟んで互いにほぼ直角をなす2つの規制面と、を有する直方体形状の固定部材を有し、
    前記折り曲げた状態において、前記角部を前記フレキシブルプリント配線板の前記折り曲げ部位に当接させるとともに、前記2つの規制面に前記折り曲げ部位の両側部分をそれぞれ当接させる請求項3に記載の耐折り曲げ性試験装置。
  5. 前記電気的パラメータが、抵抗値、電流値、又は電圧値である請求項1から4のいずれか1項に記載の耐折り曲げ性試験装置。
  6. フレキシブルプリント配線板の耐折り曲げ性を評価する耐折り曲げ性試験方法であって、
    テープ状をなすフレキシブルプリント配線板を固定してほぼ90度に折り曲げる折り曲げ動作と、折り曲げた前記フレキシブルプリント配線板を展開する展開動作と、を交互に行う折り曲げ機構部と、
    折り曲げた状態の前記フレキシブルプリント配線板の折り曲げ部位に圧力を加える押圧動作を行う押圧機構部と、
    前記フレキシブルプリント配線板の前記折り曲げ部位を通過するように設けられた配線に接続されて電気的パラメータの変化を検出する計測部と、
    を備えた耐折り曲げ性試験装置を用いて、以下の工程a~工程e;
    工程a)テープ状をなすフレキシブルプリント配線板を前記折り曲げ機構部に固定する工程、
    工程b)前記折り曲げ機構部に固定された前記フレキシブルプリント配線板をほぼ90度に折り曲げる工程、
    工程c)折り曲げた状態の前記フレキシブルプリント配線板の折り曲げ部位に前記押圧機構部によって圧力を加える工程、
    工程d)前記折り曲げ部位に加えられた圧力を解除する工程、
    工程e)折り曲げた前記フレキシブルプリント配線板を展開する工程、
    のうち、前記工程b及び工程eの組み合わせを基本動作として繰り返し実行するとともに、該基本動作を1回実行する毎もしくは複数回繰り返し実行する毎に、前記工程bと工程eの間に前記工程c及び工程dを実行し、前記計測部によって前記電気的パラメータの変化を検出することを特徴とする耐折り曲げ性試験方法。

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