JP2023034939A - インクジェット記録装置 - Google Patents

Abstract

【課題】用紙から発生する紙粉を簡易な構成で効果的に除去可能なインクジェット記録装置を提供する。【解決手段】インクジェット記録装置は、搬送部と、記録部と、装置本体と、制御部と、を備える。搬送部は、空気吸引用の通気孔が多数形成される無端状の搬送ベルトと用紙吸引部とを含み、用紙を搬送する。用紙吸引部は、搬送ベルトの周方向内側に配置され、通気孔を介して空気を吸引するファンと、ファン駆動モーターとを有し、搬送ベルトに用紙を吸着保持する。記録部は、搬送ベルトの外周面に対向配置される記録ヘッドを有し、記録ヘッドのインク吐出ノズルから搬送ベルトに吸着保持された用紙にインクを吐出する。制御部は、非画像記録時に、用紙の搬送時に比べて大きい出力でファン駆動モーターを回転させて装置本体内の紙粉を除去する紙粉除去モードを実行可能である。【選択図】図５

Description

本発明は、記録ヘッドに設けられたインク吐出ノズルからインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置に関するものである。

ファクシミリ、複写機、プリンターのような記録装置として、記録ヘッドに設けられたノズルからインクを吐出して画像を形成するインクジェット記録装置が、高精細な画像を形成できることから広く用いられている。

このようなインクジェット記録装置では、記録媒体として使用される用紙から発生する紙粉がノズルに詰まることで、ノズルの吐出不良（抜けピン）が発生し、画像品質を低下させるという問題がある。

そこで、紙粉によるノズルの目詰まりを抑制する方法が種々提案されており、例えば特許文献１には、記録紙を搬送経路に沿って搬送する搬送ユニットと、搬送される記録紙に画像を形成するヘッドユニットと、ヘッドユニットと対向配置されて記録紙を裏面から支持するプラテン（支持部材）と、搬送経路においてヘッドユニットよりも搬送方向下流側であってプラテンの搬送方向下流端近傍に設けられた１以上の吸引口から紙粉を吸引する紙粉回収ダクトを含む紙粉回収機構（吸引手段）とを、備えるインクジェット記録装置が開示されている。

特許文献２には、複数枚の用紙からなる用紙束に所定形状の切り込みべろ部と切り込み孔を形成し、切り込み孔に切り込みべろ部を差し込んで用紙束の各用紙相互を結合させて用紙束をスティプルするスティプル部と、切り込みべろ部と切り込み孔を形成する際に生じる紙粉を収納する収納部と、紙粉を収納部に集める集塵手段としてのファンとを備えた用紙後処理装置が開示されている。

特開２０１２－１７６８４６号公報 特開２０１４－１１３７４６号公報

特許文献１、２の方法では、紙粉を除去するための機構を別途設けているため、装置の大型化、高コスト化に繋がるという問題点があった。

本発明は、上記問題点に鑑み、用紙から発生する紙粉を簡易な構成で効果的に除去可能なインクジェット記録装置を提供することを目的とする。

上記目的を達成するために本発明の第１の構成は、搬送部と、記録部と、装置本体と、制御部と、を備えたインクジェット記録装置である。搬送部は、搬送ベルトと用紙吸引部とを含み、用紙を搬送する。搬送ベルトは、無端状であって空気吸引用の通気孔が多数形成される。用紙吸引部は、搬送ベルトの周方向内側に配置され、通気孔を介して空気を吸引するファンと、ファンを回転するファン駆動モーターとを有し、搬送ベルトに用紙を吸着保持する。記録部は、搬送ベルトの外周面に対向配置される記録ヘッドを有し、記録ヘッドのインク吐出ノズルから搬送ベルトに吸着保持された用紙にインクを吐出する。装置本体は、搬送部および記録部を収納する。制御部は、搬送部および記録部を制御する。制御部は、非画像記録時に、用紙の搬送時に比べて大きい出力でファン駆動モーターを回転させて装置本体内の紙粉を除去する紙粉除去モードを実行可能である。

本発明の第１の構成によれば、非画像記録時に紙粉除去モードを実行することにより、装置本体内に浮遊する紙粉を低減することができ、紙粉によるインク吐出ノズルの目詰まりを抑制することができる。

本発明の一実施形態に係るプリンター１００の概略構造を示す側面断面図 本実施形態のプリンター１００の第１ベルト搬送部５、記録部９、第２ベルト搬送部１２周辺の構造を示す側面断面図 本実施形態のプリンター１００の第１ベルト搬送部５および記録部９を上方から見た平面図 本実施形態のプリンター１００の制御経路の一例を示すブロック図 本実施形態のプリンター１００において実行される紙粉除去モードの制御例を示すフローチャート

以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図１は、本発明の一実施形態に係るインクジェット記録式のプリンター１００の概略構成を示す図、図２は、図１のプリンター１００の第１ベルト搬送部５、記録部９、第２ベルト搬送部１２周辺の構造を示した断面図、図３は、図１のプリンター１００の第１ベルト搬送部５および記録部９を上方から見た平面図である。

図１に示すように、プリンター１００は、プリンター本体１の内部下方に用紙収容部である給紙カセット２ａが配置されており、プリンター本体１の右側面外部には手差し給紙トレイ２ｂが備えられている。給紙カセット２ａの用紙搬送方向下流側、すなわち図１における給紙カセット２ａの右側の上方には給紙装置３ａが配置されている。また、手差し給紙トレイ２ｂの用紙搬送方向下流側、すなわち図１における手差し給紙トレイ２ｂの左側には給紙装置３ｂが配置されている。この給紙装置３ａ、３ｂにより、用紙（シート）Ｐは１枚ずつ分離されて送り出される。

また、プリンター１００の内部には第１用紙搬送路４ａが設けられている。第１用紙搬送路４ａは、給紙カセット２ａに対して右上方に位置し、手差し給紙トレイ２ｂに対して左方に位置する。給紙カセット２ａから送り出された用紙Ｐは第１用紙搬送路４ａを通ってプリンター本体１の側面に沿って垂直上方に、手差し給紙トレイ２ｂから送り出された用紙は第１用紙搬送路４ａを通って略水平左方に向けて搬送される。

用紙搬送方向に対し第１用紙搬送路４ａの下流端にはレジストローラー対１３が設けられている。さらにレジストローラー対１３の下流側直近には第１ベルト搬送部（搬送部）５および記録部９が配置されている。レジストローラー対１３は用紙Ｐの斜め送りを矯正しつつ記録部９が実行するインク吐出動作とのタイミングを計り、第１ベルト搬送部５に向かって用紙Ｐを送り出す。

また、レジストローラー対１３と第１ベルト搬送部５との間には、用紙Ｐの幅方向（用紙搬送方向に対して垂直方向）の端部の位置を検出するためのシート検出センサーであるＣＩＳ（Contact Image Sensor）２０が配置されている。

第１ベルト搬送部５は、第１駆動ローラー６と第１従動ローラー７とに巻き掛けられた無端状の第１搬送ベルト８（図２参照）を備えている。レジストローラー対１３から送り出された用紙Ｐは第１搬送ベルト８の搬送面８ａに吸着保持された状態で記録部９の下方を通過する。

第１搬送ベルト８の内側であって第１搬送ベルト８の搬送面８ａの裏側に対向する箇所には第１用紙吸引部３０が備えられている。第１用紙吸引部３０は、上面に多数の空気吸引用の孔３０ａが設けられ、内部には第１ファン３０ｂを備えており、上面から下方に向かって空気を吸引することができる。また、第１搬送ベルト８にも多数の空気吸引用の通気孔８ｂ（図３参照）が設けられている。上記の構成により、第１ベルト搬送部５は第１搬送ベルト８の搬送面８ａに用紙Ｐを吸着保持しながら搬送する。第１用紙吸引部３０には排気ダクト３１（図１参照）が連結されている。排気ダクト３１は、第１用紙吸引部３０で吸引された空気をプリンター本体１の外部に排出する。排気ダクト３１の下流側端部には集塵フィルター３３が設けられている。

記録部９は、第１搬送ベルト８の搬送面８ａに吸着保持されて搬送される用紙Ｐに画像の記録を行うラインヘッド１１Ｃ、１１Ｍ、１１Ｙおよび１１Ｋを備えている。外部コンピューター等から受信した画像データの情報に対応して、第１搬送ベルト８に吸着された用紙Ｐに向かって各ラインヘッド１１Ｃ～１１Ｋからそれぞれのインクを順次吐出することにより、用紙Ｐにはシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの４色のインクが重ね合わされたフルカラー画像が記録される。なお、プリンター１００ではモノクロ画像を記録することも可能である。

図３に示すように、記録部９はヘッドハウジング１０と、ヘッドハウジング１０に保持されたラインヘッド１１Ｃ、１１Ｍ、１１Ｙ、および１１Ｋを備えている。これらのラインヘッド１１Ｃ～１１Ｋは、搬送される用紙Ｐの幅以上の記録領域を有しており、第１搬送ベルト８の搬送面８ａに対して所定の間隔（例えば１ｍｍ）が形成されるような高さに支持され、用紙搬送方向と直交する用紙幅方向（図３の上下方向）に沿って３つの記録ヘッド１７ａ～１７ｃが千鳥状に配列されている。記録ヘッド１７ａ～１７ｃのインク吐出面にはインク吐出ノズル１８が多数配列されている。

各ラインヘッド１１Ｃ～１１Ｋを構成する記録ヘッド１７ａ～１７ｃには、それぞれインクタンク（図示せず）に貯留されている４色（シアン、マゼンタ、イエローおよびブラック）のインクがラインヘッド１１Ｃ～１１Ｋの色毎に供給される。

各記録ヘッド１７ａ～１７ｃは、外部コンピューター等から受信した画像データに応じて、第１搬送ベルト８の搬送面８ａに吸着保持されて搬送される用紙Ｐに対して、印字位置に対応したインク吐出ノズル１８からインクを吐出できるようになっている。これにより、第１搬送ベルト８上の用紙Ｐにはシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの４色のインクが重ね合わされたカラー画像が形成される。

用紙搬送方向に対し第１ベルト搬送部５の下流側（図１の左側）には第２ベルト搬送部１２が配置されている。記録部９において画像が記録された用紙Ｐは第２ベルト搬送部１２へと送られ、第２ベルト搬送部１２を通過する間に用紙Ｐの表面に吐出されたインクが乾燥される。

第２ベルト搬送部１２は、第２駆動ローラー４１と第２従動ローラー４２とに巻き掛けられた無端状の第２搬送ベルト４０を備えている。第２搬送ベルト４０は第２駆動ローラー４１により図２において反時計回り方向に回転する。記録部９によって画像が記録され、第１ベルト搬送部５によって矢印Ｘ方向へ搬送された用紙Ｐは第２搬送ベルト４０に受け渡され、図２の矢印Ｚ方向へと搬送される。

第２搬送ベルト４０の内側であって第２搬送ベルト４０の搬送面４０ａの裏側に対向する箇所には第２用紙吸引部４３が備えられている。第２用紙吸引部４３は、上面に多数の空気吸引用の孔４３ａが設けられ、内部には第２ファン４３ｂを備えており、上面から下方に向かって空気を吸引することができる。また、第２搬送ベルト４０にも多数の空気吸引用の通気孔（図示せず）が設けられている。上記の構成により、第２ベルト搬送部１２は第２搬送ベルト４０の搬送面４０ａに用紙Ｐを吸着保持しながら搬送する。なお、ここでは図示しないが、第２用紙吸引部４３も排気ダクト３１に連結されており、第２用紙吸引部４３で吸引された空気は排気ダクト３１および集塵フィルター３３を通過してプリンター本体１の外部に排出される。

また、第２搬送ベルト４０の搬送面４０ａに対向する位置には、搬送ガイド部５０が設けられている。搬送ガイド部５０は、第２搬送ベルト４０の搬送面４０ａと共に用紙搬送経路を構成しており、第２用紙吸引部４３によって搬送面４０ａに吸着保持された用紙Ｐの反りやばたつきを抑制する。

用紙搬送方向に対し第２ベルト搬送部１２の下流側であってプリンター本体１の左側面近傍にはデカーラー部１４が備えられている。第２ベルト搬送部１２にてインクが乾燥された用紙Ｐはデカーラー部１４へと送られ、用紙Ｐに生じたカールが矯正される。

用紙搬送方向に対しデカーラー部１４の下流側（図１の上方）には第２用紙搬送路４ｂが備えられている。デカーラー部１４を通過した用紙Ｐは両面記録を行わない場合、第２用紙搬送路４ｂから排出ローラー対を介してプリンター１００の左側面外部に設けられた用紙排出トレイ１５に排出される。用紙Ｐの両面に記録を行う場合は、片面への記録が終了して第２ベルト搬送部１２およびデカーラー部１４を通過した用紙Ｐが第２用紙搬送路４ｂを通過して反転搬送路１６へ搬送される。反転搬送路１６へ送られた用紙Ｐは、表裏を反転させるために搬送方向が切り替えられ、プリンター１００の上部を通過してレジストローラー対１３に搬送される。その後、画像の記録されていない面を上向きにした状態で再度第１ベルト搬送部５へと搬送される。

また、第２ベルト搬送部１２の下方にはメンテナンスユニット１９が配置されている。メンテナンスユニット１９は、記録ヘッド１７ａ～１７ｃのメンテナンスを実行する際に記録部９の下方に移動し、記録ヘッド１７ａ～１７ｃのインク吐出ノズル１８（図３参照）から押出（パージ）されたインクを拭き取り、拭き取られたインクを回収する。

図４は、本実施形態のプリンター１００の制御経路の一例を示すブロック図である。プリンター１００は、上記の構成に加えて、ベルト駆動モーター２１、２２と、ファン駆動モーター２３、２４と、操作パネル２７と、記憶部２８と、通信部２９と、をさらに備えている。

ベルト駆動モーター２１、２２は、それぞれ第１駆動ローラー６および第２駆動ローラー４１を回転させることにより、第１搬送ベルト８および第２搬送ベルト４０を回転させる。ファン駆動モーター２３、２４は、それぞれ第１用紙吸引部３０の第１ファン３０ｂ、および第２用紙吸引部４３の第２ファン４３ｂを回転駆動する。

操作パネル２７は、各種の設定入力を受け付けるための操作部である。例えば、ユーザーは、操作パネル２７を操作して、給紙カセット２にセットする用紙Ｐのサイズ、つまり、第１搬送ベルト８によって搬送する用紙Ｐのサイズの情報を入力することができる。また、ユーザーは、操作パネル２７を操作して、印刷する用紙Ｐの枚数の入力や、印刷ジョブの開始を指示することもできる。また、操作パネル２７は、プリンター１００の動作状況（画像記録や後述する紙粉除去モード）に関する通知を行う通知装置としての機能も有する。

記憶部２８は、制御装置１１０の動作プログラムを記憶するとともに、各種の情報を記憶するメモリであり、ＲＯＭ（Read Only Memory）、ＲＡＭ（Random Access Memory）、不揮発性メモリなどを含んで構成されている。操作パネル２７によって設定された情報は、記憶部２８に記憶される。

通信部２９は、外部機器（例えばパーソナルコンピュータ（ＰＣ））との間で情報を送受信するための通信インターフェースである。例えば、ユーザーがＰＣを操作し、プリンター１００に対して画像データとともに印刷コマンドを送信すると、上記の画像データおよび印刷コマンドが通信部２９を介してプリンター１００に入力される。プリンター１００では、主制御部１１０ａが上記画像データに基づいて記録ヘッド１７ａ～１７ｃを制御してインクを吐出させることにより、用紙Ｐに画像を記録することができる。

また、本実施形態のプリンター１００は、制御装置１１０を備えている。制御装置１１０は、例えばＣＰＵ（Central Processing Unit）とメモリとを含んで構成されている。具体的には、制御装置１１０は、主制御部１１０ａと、用紙吸引制御部１１０ｂと、用紙供給制御部１１０ｃと、メンテナンス制御部１１０ｄと、を備える。

主制御部１１０ａは、プリンター１００の各部の動作を制御する。例えば、プリンター１００の内部の各ローラーの駆動、画像記録時の記録ヘッド１７ａ～１７ｃからのインク吐出等は、主制御部１１０ａによって制御される。用紙吸引制御部１１０ｂは、ファン駆動モーター２３に制御信号を送信して第１ファン３０ｂ、第２ファン４３ｂの回転を制御することにより、第１搬送ベルト８および第２搬送ベルト４０への用紙Ｐの吸着保持状態を制御する。また用紙吸引制御部１１０ｂは、第１ファン３０ｂ、第２ファン４３ｂの回転を制御することにより、後述する紙粉除去モードを実行する。

用紙供給制御部１１０ｃは、記録媒体供給部としてのレジストローラー対１３を制御する記録媒体供給制御部である。例えば、用紙供給制御部１１０ｃは、ＣＩＳ２０による用紙Ｐの後端の検出タイミングに基づいてレジストローラー対１３を制御することにより、後続の用紙Ｐの搬送タイミングを制御する。

メンテナンス制御部１１０ｄは、各インク吐出ノズル１８からインクを強制的に押し出す上述のパージを記録ヘッド１７ａ～１７ｃに実行させる制御を行う。メンテナンス制御部１１０ｄは、記録ヘッド１７ａ～１７ｃにパージを実行させるときに、上述したメンテナンスユニット１９の駆動（例えば記録部９の下方への移動および退避）も制御する。

なお、制御装置１１０は、必要な演算を行う演算部や、時間を計時する計時部をさらに備えていてもよい。また、主制御部１１０ａが、上記の演算部や計時部を兼ねていてもよい。

前述したように、用紙Ｐから発生する紙粉がインク吐出ノズル１８に詰まることで、インク吐出ノズル１８からのインクの吐出不良（抜けピン）が発生し、画像品質を低下させるという問題がある。そこで、本実施形態のプリンター１００では、非画像記録時に第１用紙吸引部３０および第２用紙吸引部４３を用いてプリンター本体１の内部に浮遊する紙粉を吸引する紙粉除去モードを実行することとしている。

紙粉除去モードでは、ファン駆動モーター２３、２４を用紙Ｐの搬送時（吸着時）よりも大きい出力で回転駆動させる。例えば、ファン駆動モーター２３、２４の出力をＤｕｔｙで表すとき、用紙Ｐの搬送時におけるファン駆動モーター２３、２４のＤｕｔｙを５０％～７０％とし、紙粉除去モードにおけるファン駆動モーター２３、２４のＤｕｔｙを１００％（最大出力）とする。

その結果、第１ファン３０ｂ、第２ファン４３ｂも用紙Ｐの搬送時より速い回転速度で回転し、プリンター本体１の内部に浮遊する紙粉を第１用紙吸引部３０および第２用紙吸引部４３によって吸引する。吸引された紙粉は空気流と共に排気ダクト３１を通過し、集塵フィルター３３に捕集される。

紙粉除去モードの実行により、プリンター本体１内に浮遊する紙粉を低減することができ、紙粉によるインク吐出ノズル１８の目詰まりを抑制することができる。また、第１搬送ベルト８および第２搬送ベルト４０を回転させた状態で紙粉除去モードを実行することで、第１搬送ベルト８および第２搬送ベルト４０の全周に亘って付着した紙粉を吸引して除去できるため好ましい。

紙粉除去モードの実行タイミングとしては、画像記録終了時、プリンター１００の電源オン時、省電力（スリープ）モードからの復帰時、インク吐出ノズル１８から増粘インクを押し出す記録ヘッド１７ａ～１７ｃの回復動作（パージ動作）時等が挙げられる。

なお、画像記録が終了する毎に紙粉除去モードを実行すると、紙粉除去モードの実行間隔（インターバル）が短くなり、印字待機時間が長くなって画像形成効率（生産性）が低下する。そこで、印字枚数（若しくは印字時間）を累積してカウントし、印字枚数（若しくは印字時間）が所定値に到達する毎に紙粉除去モードを実行するようにすれば、画像形成効率（生産性）の低下を抑制しつつ、プリンター本体１内に浮遊する紙粉を低減することができる。

紙粉除去モードの継続時間は、プリンター本体１の内容積や紙粉除去モードの実行タイミング、第１用紙吸引部３０および第２用紙吸引部４３の吸引力（ファン駆動モーター２３、２４の最大出力）等に応じて適宜設定可能であるが、３０秒程度が好ましい。また、パージ動作時に紙粉除去モードを実行する場合は、印字待機時間を極力短縮するためにパージ動作に要する時間よりも短い時間とすることが好ましい。

図５は、本実施形態のプリンター１００において実行される紙粉除去モードの制御例を示すフローチャートである。必要に応じて図１～図４を参照しながら、図５のステップに沿ってプリンター１００による紙粉除去モードの実行手順について説明する。

主制御部１１０ａは、通信部２９を介してパソコン等の上位機器からの印字命令を受信したか否かを判定する（ステップＳ１）。印字命令が受信されない場合は（ステップＳ１でＮｏ）印字待機状態を継続する。印字命令を受信した場合は（ステップＳ１でＹｅｓ）、主制御部１１０ａは用紙Ｐへの印字を開始する（ステップＳ２）。

具体的には、用紙供給制御部１１０ｃによりレジストローラー対１３を介して第１搬送ベルト８に用紙Ｐが供給され、用紙吸引制御部１１０ｂにより第１搬送ベルト８上に用紙Ｐが吸着保持される。主制御部１１０ａは、通信部２９を介して入力された画像データに基づいて記録ヘッド１７ａ～１７ｃから用紙Ｐへインクを吐出させる。また、主制御部１１０ａは印字枚数ｎを累積してカウントする（ステップＳ３）。

次に、主制御部１１０ａは印字が終了したか否かを判定する（ステップＳ４）。印字が継続している場合は（ステップＳ４でＮｏ）ステップＳ３に戻り、用紙Ｐへのインク吐出および印字枚数ｎのカウントを継続する。印字が終了した場合は（ステップＳ４でＹｅｓ）、印字枚数ｎが所定枚数Ｎ（例えば１００枚）以上であるか否かを判定する（ステップＳ５）。ｎ＜Ｎである場合は（ステップＳ５でＮｏ）ステップＳ１に戻り、印字待機状態を継続する。

ｎ≧Ｎである場合は（ステップＳ５でＹｅｓ）、紙粉除去モードを実行する（ステップＳ６）。具体的には、用紙吸引制御部１１０ｂからベルト駆動モーター２１、２２に制御信号を送信して、第１搬送ベルト８および第２搬送ベルト４０を回転させる。この状態で用紙吸引制御部１１０ｂからファン駆動モーター２３に制御信号を送信して、ファン駆動モーター２３、２４を用紙Ｐの搬送時（吸着時）よりも大きい出力（例えば最大出力）で回転駆動させる。その結果、第１ファン３０ｂ、第２ファン４３ｂも最大回転速度で回転し、プリンター本体１の内部に浮遊する紙粉が第１用紙吸引部３０および第２用紙吸引部４３に吸引される。

次に、主制御部１１０ａは紙粉除去モードの開始から所定時間（例えば３０秒）が経過したか否かを判定する（ステップＳ７）。所定時間が経過していない場合は（ステップＳ７でＮｏ）紙粉除去モードを継続する。所定時間が経過した場合は（ステップＳ７でＹｅｓ）第１搬送ベルト８、第２搬送ベルト４０、第１ファン３０ｂ、第２ファン４３ｂの回転を停止して紙粉除去モードを終了する（ステップＳ８）。そして、印字枚数ｎをリセット（ｎ＝０）した後（ステップＳ９）、ステップＳ１に戻り印字待機状態を継続する。

図５に示した制御例によれば、印字枚数ｎが所定枚数Ｎに到達する毎に紙粉除去モードが実行されるため、画像形成効率（生産性）の低下を抑制しつつ、プリンター本体１内に浮遊する紙粉を低減することができる。その結果、紙粉によるインク吐出ノズル１８の目詰まりを効果的に抑制することができる。

なお、図５では印字枚数ｎが所定枚数Ｎに到達したとき紙粉除去モードを実行しているが、印字時間ｔを累積して計測（カウント）し、印字時間ｔが所定時間Ｔに到達したとき紙粉除去モードを実行するようにしてもよい。

また、図５では第１搬送ベルト８および第２搬送ベルト４０を回転させた状態で紙粉除去モードを実行しているが、第１搬送ベルト８および第２搬送ベルト４０の少なくとも一方を停止させて紙粉除去モードを実行してもよい。

その他本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、記録ヘッド１７ａ～１７ｃのインク吐出ノズル１８の個数やノズル間隔等はプリンター１００の仕様に応じて適宜設定することができる。また、記録ヘッドの数も特に限定されるものではなく、例えば各ラインヘッド１１Ｃ～１１Ｋにつき記録ヘッドを１個、２個、若しくは４個以上配置することもできる。

また、上記実施形態では、インクジェット記録装置として多数のインク吐出ノズル１８がシートの幅方向に沿って並ぶ記録ヘッド１７ａ～１７ｃを備えたラインヘッド１１Ｃ～１１Ｋにより記録を行うラインヘッド型のプリンター１００について説明したが、本発明は、記録ヘッド１７がシート上を走査しながら記録を行うシリアル型のインクジェット記録装置にも全く同様に適用可能である。

本発明は、記録ヘッドに設けられたインク吐出ノズルからインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置に利用可能である。本発明の利用により、用紙から発生する紙粉を簡易な構成で効果的に除去可能なインクジェット記録装置を提供することができる。

５ 第１ベルト搬送部（搬送部）
８ 第１搬送ベルト
８ｂ 通気孔
９ 記録部
１２ 第２ベルト搬送部（搬送部）
１７ａ～１７ｃ 記録ヘッド
１８ インク吐出ノズル
１９ メンテナンスユニット
２１、２２ ベルト駆動モーター
２３、２４ ファン駆動モーター
３０ 第１用紙吸引部
３０ｂ 第１ファン
３１ 排気ダクト
３３ フィルター
４０ 第２搬送ベルト
４３ 第２用紙吸引部
４３ｂ 第２ファン
１１０ 制御装置（制御部）
１００ プリンター（インクジェット記録装置）
Ｐ 用紙

Claims (7)

1. 空気吸引用の通気孔が多数形成された無端状の搬送ベルトと、
   前記搬送ベルトの周方向内側に配置され、前記通気孔を介して空気を吸引するファンと、前記ファンを回転するファン駆動モーターとを有し、前記搬送ベルトに前記用紙を吸着保持する用紙吸引部と、
   を含み、前記用紙を搬送する搬送部と、
   前記搬送ベルトの外周面に対向配置される記録ヘッドを有し、前記記録ヘッドのインク吐出ノズルから前記搬送ベルトに吸着保持された前記用紙にインクを吐出する記録部と、
   前記搬送部および前記記録部を収納する装置本体と、
   前記搬送部および前記記録部を制御する制御部と、
   を備えたインクジェット記録装置において、
   前記制御部は、非画像記録時に、前記用紙の搬送時に比べて大きい出力で前記ファン駆動モーターを回転させて前記装置本体内の紙粉を除去する紙粉除去モードを実行可能であることを特徴とするインクジェット記録装置。
2. 前記制御部は、前記搬送ベルトを回転させた状態で前記紙粉除去モードを実行することを特徴とする請求項１に記載のインクジェット記録装置。
3. 前記制御部は、前記ファン駆動モーターを最大出力で回転させて前記紙粉除去モードを実行することを特徴とする請求項１又は請求項２に記載のインクジェット記録装置。
4. 前記制御部は、前回の紙粉除去モードの実行タイミングからの累積印字枚数または累積印字時間が所定値に到達する毎に前記紙粉除去モードを実行することを特徴とする請求項１乃至請求項３のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
5. 前記制御部は、前記装置本体の電源オン時、または省電力モードからの復帰時に前記紙粉除去モードを実行することを特徴とする請求項１乃至請求項４のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
6. 前記インク吐出ノズルから押し出された前記インクを拭き取るとともに、拭き取られた前記インクを回収する前記記録ヘッドの回復動作を行うメンテナンスユニットを備え、
   前記制御部は、前記記録ヘッドの回復動作時に前記紙粉除去モードを実行することを特徴とする請求項１乃至請求項５のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
7. 前記紙粉除去モードの実行時間は、前記記録ヘッドの回復動作に要する時間よりも短いことを特徴とする請求項６に記載のインクジェット記録装置。

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