JP2023034841A - 原点設定装置、原点設定方法 - Google Patents

原点設定装置、原点設定方法 Download PDF

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隆 河野
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Abstract

【課題】原点を短時間で設定する。【解決手段】原点設定装置は、リニアモータを異なる2つの駆動方式で駆動させることにより、リニアモータの可動部の原点を設定する制御部を備える。【選択図】図2

Description

本技術は原点設定装置、原点設定方法に関し、特に、リニアモータの原点を設定する技術に関する。
従来、リニアモータでは、可動部の位置を検出するためにインクリメンタル型の位置検出センサが設けられている。位置検出センサは、等間隔に配置された磁気マークまたは光学的マークを検出する度にカウンタを加算または減算していくことで、可動部の相対的な位置を検出することが可能となる。しかしながら、インクリメンタル型の位置検出センサでは、可動部の絶対位置を検出することができない。
そこで、リニアモータでは、インクリメンタル型の位置検出センサに加えて、可動部の原点を検出するための原点検出センサが設けられている。そして、リニアモータの始動時には、例えば特許文献1に記載されているように、原点検出センサで検出される信号が変化するように可動部を複数回に亘って往復移動させた後、最終的に原点となる位置に可動部を移動停止させることで、その位置を原点として設定する。これにより、リニアモータでは、原点を基準とした可動部の絶対位置を検出することが可能になる。
特開2008-289345号公報
しかしながら、上記したような原点の設定方法では、可動部を複数回に亘って往復移動させた後に、原点となる位置に可動部を停止させる必要があるため、原点を短時間で設定することが困難であった。
そこで本技術は、原点を短時間で設定することを目的とする。
本技術に係る原点設定装置は、リニアモータを異なる2つの駆動方式で駆動させることにより、前記リニアモータの可動部の原点を設定する制御部を備える。
これにより、原点設定装置は、リニアモータを相対的に高速でかつ低精度で移動させて原点を大まかに仮設定した後に、リニアモータを相対的に低速で高精度で移動させて原点を設定することが可能となる。
本技術に係る実施形態としてのリニアモータの構成を説明する図である。 リニアモータシステムの構成を説明する図である。 原点設定処理の流れを示すフローチャートである。 仮原点設定処理の流れを示すフローチャートである。 初期励磁パターンを説明する図である。 初期励磁パターンを説明する図である。 初期励磁パターンを説明する図である。 初期励磁パターンを説明する図である。 本原点設定処理の流れを示すフローチャートである。 原点設定処理の具体例を説明する図である。 モータシステムの適用例である撮像装置の構成を説明する図である。
以下、実施の形態を次の順序で説明する。
<1.リニアモータ>
[1.1 リニアモータの構成]
[1.2 リニアモータシステムの構成]
[1.3 リニアモータの制御]
[1.4 原点設定処理]
[1.5 仮原点設定処理]
[1.6 本原点設定処理]
[1.7 原点設定処理の具体例]
<2.リニアモータシステムの適用例>
<3.変形例>
<4.実施形態のまとめ>
<5.本技術>
<1.リニアモータ>
[1.1 リニアモータの構成]
図1は、本技術に係る実施形態としてのリニアモータ1の構成を説明する図である。図1に示すように、リニアモータ1は、固定部2および可動部3を備える。可動部3は、固定部2に対して相対的に移動可能となっている。なお、以下では、可動部3の移動方向を可動方向と表記することがある。また、実施形態においては、可動部3は、図1において左右方向に移動するものとする。
固定部2は、固定支持部11、永久磁石12、規制部材13a、13b、原点検出センサ14および位置検出センサ15を備える。固定支持部11は、固定部2の他の部品を支持するための部材であり、永久磁石12、規制部材13a、13b、原点検出センサ14および位置検出センサ15を支持している。なお、原点検出センサ14および位置検出センサ15は、可動部3に備えられるようにしてもよい。
永久磁石12は、N極が固定部2側に配置される永久磁石(以下、N極磁石と表記する)と、S極が固定部2側に配置される永久磁石(以下、S極磁石と表記する)とが設けられている。
永久磁石12は、N極磁石とS極磁石とが可動方向に沿って交互に配置されている。なお、永久磁石12の数は、図1において6個設けられているが、その数はいくつであってもよい。また、永久磁石12は、N極とS極とを可動方向に沿って交互に発生させられるのであれば、他の配置であってもよい。
規制部材13a、13bは、可動方向において可動部3に対向して配置されており、所謂メカ端として機能する。規制部材13aは、可動部3が図1において左方向に移動した際に当接して左方向へのさらなる移動を規制する。規制部材13bは、可動部3が図1において右方向に移動した際に当接して右方向へのさらなる移動を規制する。すなわち、可動部3は、規制部材13aと規制部材13bとの間の可動範囲において可動方向に移動することが可能となっている。
原点検出センサ14は、例えば1対の発光素子および受光素子を有するフォトインタラプタであり、可動方向における所定の位置において可動部3と対向するように配置され、所定の位置を境にした可動部3の位置によって異なる値(ハイ、ロー)の原点検出信号を出力する。
例えば、原点検出センサ14は、可動部3が所定の位置よりも図1において左側にあるときにハイの原点検出信号を出力し、可動部3が所定の位置よりも図1において右側にあるときにローの原点検出信号を出力する。なお、原点検出センサ14は、所定の位置を境にした可動部3の位置によって異なる値の原点検出信号を出力することができるのであれば、フォトインタラプタ以外のセンサであってもよい。
位置検出センサ15は、例えば、インクリメンタル型のセンサであり、可動方向における所定の位置において可動部3と対向するように配置されている。可動部3には、位置検出センサ15と対向する面に、所定間隔ごとに磁気マークが設けられたマグネットシートが取り付けられている。
位置検出センサ15は、可動部3が規制部材13a側から規制部材13b側に移動する際には、マグネットシートの磁気マークから発せられる磁気を検出する度にカウンタを加算する。また、位置検出センサ15は、可動部3が規制部材13b側から規制部材13a側に移動する際には、マグネットシートの磁気マークから発せられる磁気を検出する度にカウンタを減算する。そして、位置検出センサ15は、加算または減算したカウンタのカウンタ値を位置検出信号として出力する。
なお、位置検出センサ15は、インクリメンタル型のセンサであればよく、例えば光学的マークを検出する度に位置検出信号を出力するセンサであってもよい。また、位置検出センサ15が光学的マークを検出する場合、可動部3には、所定間隔ごとに光学的マークが設けられた光学スケールが取り付けられるようにすればよい。
可動部3は、可動支持部21およびコイル22を備える。可動部3は、例えば不図示の案内レールによって、永久磁石12との間隔を保って可動方向にのみ移動可能に支持されている。
可動支持部21は、コイル22を支持する。また、可動支持部21は、位置検出センサ15と対向する面にマグネットシートが取り付けられている。
コイル22には、PWM(Pulse Width Modulation)制御されることで、正弦波形状における所定の電気角(位相)の電流が通電される。具体的には、コイル22は、正弦波形状における所定の電気角に対応する励磁パターンの励磁信号が入力され、入力された励磁信号に基づく励磁パターンで通電される。
コイル22は、電気角が90°異なる励磁パターン(図5参照)の励磁信号が入力されるA相コイル22aおよびB相コイル22bが設けられている。A相コイル22aおよびB相コイル22bは、永久磁石12に対向し、かつ、可動方向に並ぶように可動支持部21に支持されている。コイル22は、励磁信号が入力されることにより通電して磁化するとともに磁場を発生させる。
可動部3は、コイル22が励磁パターンで通電されることにより発生する磁場または電流と、永久磁石12によって発生する磁場とによって可動方向に移動する。
[1.2 リニアモータシステムの構成]
図2は、リニアモータシステム30の構成を説明する図である。図2に示すように、リニアモータ1を含む、実施形態における原点設定装置の一例であるリニアモータシステム30は、上位制御部31、モータ駆動制御部32および電気回路33を備える。
上位制御部31は、リニアモータシステム30を統括制御する集積回路(IC:Integrated Circuit)であり、リニアモータ1を統括的に駆動制御する。
モータ駆動制御部32は、上位制御部31とともにリニアモータ1を駆動制御する集積回路(IC:Integrated Circuit)であり、ステッパ駆動信号生成部41、リニア駆動信号生成部42、選択部43、位置検出部44および位置制御部45として機能する。
モータ駆動制御部32は、上位制御部31に接続されており、上位制御部31から出力される各種信号に基づいてリニアモータ1を駆動制御する。なお、上位制御部31は、モータ駆動制御部32と同一の集積回路内に設けられていてもよい。
ステッパ駆動信号生成部41は、上位制御部31から入力されるターゲット位置信号に基づいた励磁パターンのステッパ駆動信号を選択部43に出力する。なお、ターゲット位置信号は、可動部3の移動目標となるターゲット位置を示す信号である。
ステッパ駆動信号に基づく励磁パターンでコイル22に通電されると、可動部3は、コイル22が発生させる磁場と、永久磁石12が発生させる磁場との吸引反発力が釣り合う安定位置に引き込まれて停止する。このように、ステッパ駆動信号に基づいてリニアモータ1を駆動させる駆動方式をステッパ駆動と表記する。
ステッパ駆動は、ステッピングモータと同じ駆動原理であり、予め決められた励磁パターンでコイル22を通電させるオープンループ制御で可動部3をターゲット位置へ移動させることができるため、可動部3の位置が不定のときでも駆動させることができる。また、ステッパ駆動は、後述するリニア駆動と比較して、移動精度は低いものの高速で可動部3を移動させることができる。
リニア駆動信号生成部42は、上位制御部31から入力されるターゲット位置信号と、位置検出センサ15によって検出される可動部3の位置とに基づく、コイル22に発生するローレンツ力が最大となる励磁パターンのリニア駆動信号を選択部43に出力する。リニア駆動信号に基づく励磁パターンでコイル22に通電されると、可動部3は、コイル22に発生するローレンツ力によって移動する。このように、リニア駆動信号に基づいてリニアモータ1を駆動させる駆動方式をリニア駆動と表記する。
リニア駆動は、クローズドループ制御(フィードバック制御)で可動部3をターゲット位置へ移動させることができるため、ステッパ駆動と比較して、移動精度は高い一方で可動部3を低速で移動させることになる。そのため、リニア駆動は、後述する原点設定処理において、原点検出信号が切り替わる位置で可動部3を制御された速度で位置精度も高く交差させることができる。
選択部43は、上位制御部31から入力される選択信号に基づいて、ステッパ駆動信号生成部41から入力されるステッパ駆動信号、および、リニア駆動信号生成部42から入力されるリニア駆動信号の一方を、制御信号として電気回路33に出力する。
位置検出部44は、後述する信号処理回路52から入力される原点検出信号および位置検出信号を取得すると、取得した原点検出信号および位置検出信号を上位制御部31に出力する。
また、位置検出部44は、原点検出信号および位置検出信号に基づいて絶対座標系での可動部3の位置(原点を基準としたカウンタ値に基づく位置)を算出し、算出した位置を示す位置信号を位置制御部45に出力する。
さらに、位置検出部44は、算出した絶対座標系での可動部3の位置に応じて電気角を算出し位相信号としてリニア駆動信号生成部42に出力する。
位置制御部45は、上位制御部31からターゲット信号を取得するとともに、位置検出部44から位置検出信号を取得すると、ターゲット信号および位置検出信号に基づいてターゲット位置と絶対座標系での可動部3の位置との偏差を算出する。そして、位置制御部45は、算出した偏差を最小化するためにコイル22に印加する電圧の振幅(正弦波の振幅)を決定し、決定した振幅を示す振幅信号をリニア駆動信号生成部42に出力する。
したがって、リニア駆動信号生成部42では、位置検出部44から取得した位相信号が示す電気角で、かつ、位置制御部45から取得した振幅信号に応じた振幅の励磁パターンを決定することになる。
電気回路33は、駆動回路51および信号処理回路52を備える。駆動回路51は、モータ駆動制御部32の選択部43から入力される制御信号を取得すると、制御信号に示される励磁パターンでコイル22を駆動するための励磁信号を生成してコイル22に出力する。これにより、コイル22は、励磁パターンで通電されることになる。
信号処理回路52は、原点検出センサ14から原点検出信号を取得するとともに、位置検出センサ15から位置検出信号を取得し、これらの信号を増幅して位置検出部44に出力する。
[1.3 リニアモータの制御]
リニアモータシステム30では、可動部3の原点が設定されると、上位制御部31からリニア駆動を選択するための制御信号が選択部43に入力される。したがって、リニアモータシステム30では、選択部43が選択信号に基づいて、リニア駆動信号を選択して制御信号として電気回路33に出力することになるため、リニアモータ1はリニア駆動されることになる。これにより、リニアモータ1は、精度よく可動部3を移動させることが可能となる。
しかしながら、電源の投入時など可動部3の原点が設定されていない場合、リニア駆動でリニアモータ1を駆動させことができないため、まず、可動部3の原点を設定する必要がある。
そこで、本実施形態のリニアモータシステム30では、原点を設定する際に、以下に示す原点設定処理を実行する。
[1.4 原点設定処理]
図3は、原点設定処理の流れを示すフローチャートである。リニアモータシステム30では、電源が投入されると図3に示す原点設定処理を実行する。
ステップS1で上位制御部31は、リニアモータ1をステッパ駆動させて仮原点を設定する仮原点設定処理を実行する。なお、仮原点設定処理について詳しくは後述する。
仮原点設定処理が終了すると、ステップS2で上位制御部31は、リニアモータ1の駆動をステッパ駆動からリニア駆動に切り替える駆動モード切替処理を実行する。
駆動モード切替処理が終了すると、ステップS3で上位制御部31は、リニアモータ1をリニア駆動させて原点を設定する本原点設定処理を実行する。なお、本原点設定処理について詳しくは後述する。
[1.5 仮原点設定処理]
図4は、仮原点設定処理の流れを示すフローチャートである。仮原点設定処理を開始すると、ステップS11で上位制御部31は、ステッパ駆動を選択させるための選択信号を選択部43に出力する。これにより、リニアモータシステム30では、ステッパ駆動信号生成部41で生成されたステッパ駆動信号に基づいてリニアモータ1を駆動させることが可能となる。
続いて、ステップS12で上位制御部31は、予め決められた初期ターゲット位置を示すターゲット位置信号をステッパ駆動信号生成部41に出力する。ステッパ駆動信号生成部41では、ターゲット位置信号を受信すると、ターゲット位置信号によって示される初期ターゲット位置に可動部3を移動させるための初期励磁パターンを決定する。
ここで、初期励磁パターンは、原点検出センサ14で検出される原点検出信号の値(ハイ、ロー)に応じて異なる。
図5~図9は、初期励磁パターンを説明する図である。なお、図5~図9では、A相コイル22aの電気角(位相)を細線で示し、B相コイル22bの電気角(位相)を太線で示す。図5に示すように、原点検出センサ14で検出される原点検出信号の値、すなわち、可動部3の位置によって、初期ターゲット位置が予め決められている。
そして、初期ターゲット位置は、規制部材13a、13bから可動範囲側に電気角が180°未満に対応する位置にそれぞれ設定される。したがって、初期励磁パターンは、規制部材13a、13bから可動範囲側に電気角で180°未満ずれた値に設定される。
上記したように、電源投入時には可動部3がどこに位置しているか不明である。そのため、初期励磁パターンは、コイル22に通電したときに規制部材13a、13bに可動部3が衝突しないように、すなわち、可動部3が移動範囲内に引き込まれるように設定されている。
そして、図5に示すように、可動部3の可動範囲が電気角の1周期未満であり、規制部材13a、13bから電気角が90°以上の位置で原点検出信号が切り替わる場合、原点検出信号がハイであるときの初期励磁パターン(初期ターゲット位置)は、規制部材13aから可動範囲側(右側)に電気角で90°ずれた値に設定されている。なお、電気角90°は、コイル22の励磁によって可動部3に最も推力を発生させられる角度である。
また、原点検出信号がローであるときの初期励磁パターンは、規制部材13bから可動範囲側(左側)に電気角で90°ずれた値に設定されている。
このように初期励磁パターンを設定することで、可動部3がどこに位置していても、規制部材13a、13bから可動範囲側に電気角が90°ずれた位置に可動部3が引きつけられることになる。
また、図6に示すように、コイル22の可動範囲が電気角の1周期未満であり、規制部材13aから電気角が90°未満の位置で原点検出信号が切り替わる場合、原点検出信号がハイであるときの初期励磁パターンは、規制部材13aから可動範囲側(右側)に電気角が90°ずれた値に設定されている。
また、原点検出信号がローであるときの初期励磁パターンは、規制部材13bから可動範囲側(左側)に電気角が180°未満で、かつ、原点検出信号が切り替わる位置(所定の位置)から規制部材13b側に電気角が180°未満の値に設定されている。つまり、原点検出信号がローであるときの初期励磁パターンは、可動部3がいずれの位置にあっても初期ターゲット位置に引き込まれる値に設定されている。
このように初期励磁パターンを設定することで、可動部3がどこに位置していても、可動範囲内に可動部3が移動されることになる。
また、図7に示すように、コイル22の可動範囲が電気角の1周期未満であり、規制部材13a、13bの双方から電気角が90°ずれた位置がクロスする場合、原点検出信号がハイであるときの初期励磁パターンは、規制部材13aから可動範囲側(右側)に電気角が90°ずれた値に設定されている。
また、原点検出信号がローであるときの初期励磁パターンは、規制部材13bから可動範囲側(左側)に電気角が90°ずれた値に設定されている。
このように初期励磁パターンを設定することで、可動部3がどこに位置していても、規制部材13a、13bから可動部3側に電気角が90°ずれた位置に可動部3が移動されることになる。
また、図8に示すように、コイル22の可動範囲が電気角の1周期以上である場合、原点検出信号がハイであるときの初期励磁パターンは、規制部材13aから可動範囲側(右側)に電気角が90°ずれた値に設定されている。
また、原点検出信号がローであるときの初期励磁パターンは、規制部材13bから可動範囲側(左側)に電気角が90°ずれた値に設定されている。
このように初期励磁パターンを設定することで、可動部3がどこに位置していても、規制部材13a、13bから可動範囲側に電気角が90°ずれた位置、または、可動範囲内において初期ターゲット位置から電気角で360°ずれた位置に可動部3が移動されることになる。
図4に戻り、ステップS13で上位制御部31は、原点検出センサ14で検出される原点検出信号の値が切り替わったかを判定する。ここでは、初期励磁によって可動部3が原点検出センサ14の前を通過したかが判定されることになる。
そして、原点検出信号の値が切り替わった場合(ステップS13でYes)、上位制御部31は、原点検出信号の値が切り替わったときのカウンタ値(位置検出センサ15で検出されるカウンタ値)を記憶し、ステップS14~ステップS16の処理をスキップしてステップS17に処理を移す。
一方、原点検出信号の値が切り替わっていない場合(ステップS13でNo)、ステップS14で上位制御部31は、可動部3を原点検出センサ14が設けられた方向(原点検出センサ14から出力される値が異なるようになる方向)に移動するような位置を示すターゲット位置信号をステッパ駆動信号生成部41に出力する。これにより、リニアモータ1は、ステッパ駆動で可動部3を高速に原点検出センサ14側に移動させる。なお、ステッパ駆動では、脱調しない速度で可動部3が駆動させる。
続いて、ステップS15で上位制御部31は、原点検出センサ14で検出される原点検出信号の値が切り替わったかを判定する。ここでは、ステッパ駆動によって可動部3が原点検出センサ14の前を通過したかが判定されることになる。
そして、原点検出信号が切り替わるまで(ステップS15でNo)、ステップS14、ステップS15を繰り返し行い、原点検出信号の値が切り替わった場合(ステップS15でYes)、ステップS16で上位制御部31は、原点検出信号の値が切り替わったときのカウンタ値を記憶し、リニアモータ1を停止させるようターゲット信号および選択信号をステッパ駆動信号生成部41および選択部43に出力する。これにより、リニアモータ1は停止する。
ステップS17で上位制御部31は、原点検出信号が切り替わったときのカウンタ値に対応する可動部3の位置を仮原点に設定するとともに、仮原点を基準としてリニア駆動において使用される仮位相を設定し、仮原点設定処理を終了する。その後、上記したように、ステップS2で駆動モード切替処理が行われた後、ステップS3で本原点設定処理が行われる。
[1.6 本原点設定処理]
図9は、本原点設定処理の流れを示すフローチャートである。本原点設定処理を開始すると、ステップS21で上位制御部31は、可動部3を原点検出センサ14が設けられた方向に移動するような位置を示すターゲット位置信号をリニア駆動信号生成部42に出力する。これにより、リニアモータ1は、リニア駆動で可動部3を原点検出センサ14側に移動させる。
続いて、ステップS22で上位制御部31は、原点検出センサ14で検出される原点検出信号の値が切り替わったかを判定する。ここでは、リニア駆動によって可動部3が原点検出センサ14の前を通過したかが判定されることになる。
そして、原点検出信号の値が切り替わるまで(ステップS22でNo)、ステップS21を繰り返し行い、原点検出信号の値が切り替わった場合(ステップS22でYes)、ステップS23で上位制御部31は、原点検出信号が切り替わったときのカウンタ値を記憶し、リニアモータ1を停止させるようターゲット信号および選択信号をリニア駆動信号生成部42および選択部43に出力する。これにより、リニアモータ1は停止する。
ステップS24で上位制御部31は、原点検出信号の値が切り替わったときのカウンタ値に対応する可動部3の位置を原点に設定するとともに、原点を基準としてリニア駆動において使用される位相(絶対座標系での位相)を設定し、本原点設定処理を終了する。
[1.7 原点設定処理の具体例]
図10は、原点設定処理の具体例を説明する図である。図10に示すように、電源投入時に可動部3は規制部材13a側に位置しており、原点検出センサ14からの検出信号がハイであるとする。
このような場合に、原点設定処理が開始され、仮原点設定処理において初期励磁パターンでリニアモータ1が駆動されると、矢印A1に示すように、可動部3が原点検出センサ14側(原点検出信号の値が切り替わる方向)に移動する。その後、矢印A2に示すように、ステッパ駆動によって可動部3が原点検出センサ14側に移動され、原点検出信号の値が切り替わると、可動部3を停止させる。そして、原点検出信号の値が切り替わったときの位置が仮原点P1として設定される。ただし、仮原点P1は、ステッパ駆動により可動部3が高速で移動制御されているため、精度はあまりよくない。
その後、ステッパ駆動からリニア駆動に切り替えられると、矢印A3に示すように、可動部3は若干移動することがある。そして、矢印A4に示すように、リニア駆動によって可動部3が原点検出センサ14側に移動され、原点検出信号の値が切り替わると、可動部3を停止させる。このとき、原点検出信号の値が切り替わったときの位置が原点P2として設定される。ただし、原点P2は、リニア駆動により可動部3が低速で精度よく移動制御されているため、精度はよい。
このように、リニアモータシステム30では、ステッパ駆動によって高速にリニアモータ1を駆動させて仮原点P1を設定した後に、リニア駆動によって低速で高精度にリニアモータ1を駆動させて原点P2を設定する。これにより、リニアモータシステム30は、早期に精度よく原点を設定することが可能となる。
<2.リニアモータシステムの適用例>
図11は、リニアモータシステム30の適用例である撮像装置の構成を説明する図である。上記したリニアモータ1は、デジタルスチルカメラのような撮像装置のレンズ、具体的にはフォーカスレンズ、ズームレンズ、絞り機構、手ブレ補正レンズ等を移動させるためのアクチュエータとして適応することが考えられる。ここでは、カメラのフォーカスレンズを駆動するためのアクチュエータとしてリニアモータ1を適応する場合について説明する。
図11に示すように、撮像装置100は、本体部101および交換レンズ102を備える。撮像装置100は、本体部101に対して交換レンズ102を脱着可能である。なお、撮像装置100は、本体部101に対して交換レンズ102が脱着できない一体型であってもよい。
本体部101は、被写体を撮像して画像データを生成し、生成された画像データを画像コンテンツ(静止画コンテンツまたは動画コンテンツ)として記録する。
交換レンズ102は、本体部101に取り付けられる交換レンズユニットである。交換レンズ102は、ズームレンズ211、ズーム位置検出部212、フォーカスレンズ221、フォーカスレンズ駆動モータ222、絞り機構231、絞り駆動モータ232、モータドライバ240、レンズ制御部250を備える。また、ROM260(Read Only Memory)、および、RAM(Random Access Memory)270を備える。また、インターフェース部201を備える。
ズームレンズ211は、電動または手動の何れかの駆動により光軸方向に移動して焦点距離を調整するレンズである。すなわち、ズームレンズ211は、撮像画像に含まれる被写体を拡大または縮小させるため、被写体に対して前後に駆動するレンズである。また、ズームレンズ211により、ズーム機能が実現される。
ズーム位置検出部212は、ユーザによるズーム操作に駆動されたズームレンズ211の位置を検出するものであり、検出結果をレンズ制御部250に出力する。
フォーカスレンズ221は、フォーカスレンズ駆動モータ222の駆動により光軸方向に移動してフォーカスを調整するレンズである。すなわち、フォーカスレンズ221は、被写体に焦点を合わせる(合焦させる)ために使用されるレンズである。また、フォーカスレンズ221により、オートフォーカス機能が実現される。
フォーカスレンズ駆動モータ222は、モータドライバ240の制御に基づいて、フォーカスレンズ221を駆動する。
絞り機構231は、ズームレンズ211およびフォーカスレンズ221を通過する入射光の光量を調整するものであり、その調整後の光が撮像素子111に供給される。絞り機構231は、絞り駆動モータ232により駆動され、絞りの開度が調節される。
絞り駆動モータ232は、モータドライバ240の制御に基づいて、絞り機構231を駆動する。
すなわち、ズームレンズ211およびフォーカスレンズ221は、被写体からの入射光を集光するレンズ群であり、これらのレンズ群により集光された光が絞り機構231を介して撮像素子111に入射される。
モータドライバ240は、レンズ制御部250の制御に基づいて、フォーカスレンズ駆動モータ222および絞り駆動モータ232を駆動する。
レンズ制御部250は、交換レンズ102を構成する各部(フォーカスレンズ221、絞り機構231等)を制御する。レンズ制御部250は、例えばCPU(Central Processing Unit)により構成される。
ROM260は、交換レンズ102を構成する各部材に関する固有の情報、および、レンズ制御部250としてのCPUに実行させるべきプログラムなどが記憶される。RAM270は、レンズ制御部250が演算処理を実行する際の作業領域として利用される。インターフェース部201は、本体部101と通信を行う。
次に、本体部101は、システムバス180、撮像素子111、アナログ信号処理部112、および、A/D(Analog/Digital)変換部113を備える。また、本体部101は、デジタル信号処理部114、表示部115、および、記録デバイス116を備える。また、本体部101は、垂直ドライバ117、タイミングジェネレータ118、操作部120、および、制御部130を備える。また、本体部101は、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)140、ROM(Read Only Memory)150、および、RAM(Random Access Memory)160を備える。また、本体部101は、およびインターフェース部119を備える。また、本体部101は、検波部170を備える。
なお、デジタル信号処理部114、垂直ドライバ117、タイミングジェネレータ118、操作部120、および、検波部170は、システムバス180を介して、例えば制御部130等と通信可能となるように接続されている。また、EEPROM140、ROM150およびRAM160もシステムバス180を介して制御部130等と通信可能となるように接続されている。
撮像素子111は、ズームレンズ211、フォーカスレンズ221および絞り機構231を介して供給される光(入射光)を受光し、この入射光を電気信号に変換させる光電変換素子であり、変換された電気信号をアナログ信号処理部112に供給する。また、撮像素子111は、垂直ドライバ117により駆動される。なお、撮像素子111として、例えば、CCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等を用いることができる。
アナログ信号処理部112は、タイミングジェネレータ118により指示されるタイミングにしたがって、撮像素子111から供給される電気信号についてノイズ除去処理等のアナログ信号処理を施す。アナログ信号処理部112にてアナログ信号処理が施されたアナログ信号は、A/D変換部113に供給する。
A/D変換部113は、タイミングジェネレータ118により指示されるタイミングにしたがって、アナログ信号処理部112から供給されたアナログ信号をデジタル信号に変換し、変換したデジタル信号をデジタル信号処理部114に供給する。
デジタル信号処理部114は、制御部130の制御に基づいて、A/D変換部113から供給されるデジタル信号について、黒レベル補正、ホワイトバランス調節、γ補正等の画像処理を行う。そして、デジタル信号処理部114は、画像処理が施された画像データを、表示部115および記録デバイス116に供給する。例えば、デジタル信号処理部114は、画像処理が施された画像データについて圧縮処理を施し、この圧縮処理が施された画像データ(圧縮画像データ)を記録デバイス116に供給する。なお、圧縮方式として、例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式を採用することができる。また、圧縮処理を施さないRAWデータ形式の画像データを記録デバイス116に供給することも可能である。また、デジタル信号処理部114は、記録デバイス116に記録されている圧縮画像データについて伸張処理を施し、この伸張処理が施された画像データを表示部115に供給する。なお、デジタル信号処理部114は、DSP(Digital Signal Processor)としての信号処理デバイスにより実現することができる。
表示部115は、デジタル信号処理部114から供給される画像データを表示する表示装置である。表示部115は、例えば、デジタル信号処理部114により画像処理が施された画像データをスルー画として表示する。また、例えば、表示部115は、記録デバイス116に記録されている画像データを一覧画像として表示する。表示部115として、例えば、有機EL(Electro Luminescence)パネル、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示パネルを用いることができる。
記録デバイス116は、デジタル信号処理部114により画像処理が施された画像データが記録される。また、記録デバイス116に記録されている画像データはデジタル信号処理部114に供給される。なお、記録デバイス116は、本体部101に内蔵するようにしてもよく、本体部101から着脱可能とするようにしてもよい。また、記録デバイス116として、半導体メモリ、光記録媒体、磁気ディスク、HDD(Hard Disk Drive)等の種々のものを用いることができる。なお、光記録媒体として、例えば、記録可能なDVD(Digital Versatile Disc)、記録可能なCD(Compact Disc)、ブルーレイディスク(BlurayDisc(登録商標))等を用いることができる。
垂直ドライバ117は、制御部130の制御に基づいて、撮像素子111を駆動する。タイミングジェネレータ118は、制御部130から供給される基準クロックに基づいて、アナログ信号処理部112およびA/D変換部113のそれぞれにおける動作タイミングを指示する。具体的に、この動作タイミングの指示は、例えば上記基準クロックに基づいて生成したタイミング信号をアナログ信号処理部112およびA/D変換部113に出力することで行われる。
操作部120は、各種操作を行うためのボタン、スイッチ等の操作部材を備え、ユーザからの操作入力を受け付け、受け付けられた操作入力の内容をシステムバス180を介して制御部130に出力する。なお、本体部101の外面に配置されるボタン等の操作部材以外に、表示部115上にタッチパネルを設け、ユーザからの操作入力をタッチパネルにおいて受け付けるようにしてもよい。
EEPROM140は、本体部101が電源オフの間もデータを保持するメモリであり、各種設定条件等が記録される。ROM150は、制御部130に実行させるプログラムや各種データを記憶する不揮発性メモリである。RAM160は、制御部130が動作する際に一時的に保持すべきデータや書き換え可能なデータを保持する揮発性メモリであり、例えば、制御部130が動作する際に作業用のメモリとして用いられる。
インターフェース部119は、本体部101に装着されている交換レンズ102側のインターフェース部201と接続されることで、交換レンズ102との通信を実行する。
制御部130は、例えばROM150に記憶されるプログラムを実行するCPUなどから成り、ROM150に記憶されている各情報に基づいて、本体部101の各部を制御する部位である。制御部130は、例えば、露出、ホワイトバランス、フォーカス、閃光発光等を制御する。また、例えば、制御部130は、撮像時には、操作部120からのユーザの操作入力、デジタル信号処理部114からの画像情報に基づいて、制御信号を生成する。そして、生成された制御信号をモータドライバ240、垂直ドライバ117およびタイミングジェネレータ118等に出力し、フォーカスレンズ221や絞り機構231等を動作させることにより、露出、ホワイトバランス、フォーカス、閃光等の制御を行う。
また、制御部130は、デジタル信号処理部114により画像処理が施された画像データを記録する場合には、操作部120からのユーザの操作入力に基づいて、デジタル信号処理部114に制御信号を出力する。そして、デジタル信号処理部114により圧縮処理が施された画像データを静止画像ファイルとして記録デバイス116に記録させる。また、制御部130は、記録デバイス116に記録されている静止画像ファイルを表示する場合には、操作部120からのユーザの操作入力に基づいて、デジタル信号処理部114に制御信号を出力する。そして、記録デバイス116に記録されている静止画像ファイルに対応する画像を表示部115に表示させる。
検波部170は、本体部101が採用するコントラスト方式によるオートフォーカス制御に対応して、画像信号からコントラスト成分を抽出する検波を行い、コントラストについての評価値を求める。制御部130は、検波部170により生成された評価値に基づいて合焦状態となるようにしてフォーカスレンズ221を移動させるためのオートフォーカス制御を実行する。なお、実際において、検波部170は、例えばデジタル信号処理部114が実行する1つの機能として構成されてもよい。または、その信号処理機能の少なくとも一部を制御部130が実行するようにして構成されてもよい。
このような構成でなる撮像装置100では、フォーカスレンズ221を駆動させるフォーカスレンズ駆動モータ222としてリニアモータ1を適応することができる。具体的には、リニアモータ1の可動部3にフォーカスレンズ221を固定して可動部3とともにフォーカスレンズ221を移動させる。
また、撮像装置100では、モータドライバ240を電気回路33の駆動回路51として適応することができる。さらに、撮像装置100では、レンズ制御部250を上位制御部31およびモータ駆動制御部32として適応することができる。
このようにすることで、撮像装置100の起動時に、高速でかつ精度よくフォーカスレンズ221の原点を設定することが可能となる。撮像装置100では、電源のオンオフが繰り返して行われ、早期に原点を設定することが望まれており特に有用である。
<3.変形例>
なお、実施形態としては上記により説明した具体例に限定されるものではなく、多様な変形例としての構成を採り得るものである。
例えば、実施形態においては撮像装置100にリニアモータシステム30を適応したが、他の装置にリニアモータシステム30を適応するようにしてもよい。
また、実施形態においては、上位制御部31およびモータ駆動制御部32が別々の機能部として設けられており、これらが実施形態の制御部として機能するようにした。しかしながら、上位制御部31およびモータ駆動制御部32が1つの機能部として設けられ、実施形態の制御部として機能するようにしてもよい。
また、実施形態においては、固定部2に永久磁石12が設けられ、可動部3にコイル22が設けられるようにした。しかしながら、固定部2にコイル22が設けられ、可動部3に永久磁石12が設けられるようにしてもよい。
<4.実施形態のまとめ>
上記のように実施形態の原点設定装置(リニアモータシステム30)においては、リニアモータ1を異なる2つの駆動方式で駆動させることにより、リニアモータ1の可動部3の原点を設定する制御部(上位制御部31、モータ駆動制御部32)を備えるものである。
これにより、原点設定装置は、リニアモータ1を相対的に高速でかつ低精度で移動させて仮原点を大まかに設定した後に、リニアモータ1を相対的に低速でかつ高精度で移動させて原点を設定することが可能となる。
したがって、原点設定装置は、可動部3の原点を短時間でかつ高精度に設定することができる。
また、駆動方式は、リニアモータ1をオープンループ制御で駆動させる第1駆動方式(ステッパ駆動)と、リニアモータ1をクローズドループ制御で駆動させる第2駆動方式(リニア駆動)とを含むことが考えられる。
これにより、原点設定装置は、リニアモータ1を相対的に高速でかつ低精度のオープンループ制御で移動させて仮原点を大まかに設定した後に、リニアモータ1を相対的に低速でかつ高精度のクローズドループ制御で移動させて原点を設定することが可能となる。
また、第1駆動方式は、予め決められた励磁パターンでリニアモータ1のコイル22を通電させ、第2駆動方式は、可動部3の位置に応じた励磁パターンでリニアモータ1のコイル22を通電させることが考えられる。
これにより、原点設定装置は、リニアモータ1を相対的に高速でかつ低精度の励磁パターンで移動させて仮原点を大まかに設定した後に、リニアモータ1を相対的に低速でかつ高精度の励磁パターンで移動させて原点を設定することが可能となる。
また、制御部(上位制御部31、モータ駆動制御部32)は、第1駆動方式でリニアモータ1を駆動させた後、第2駆動方式でリニアモータを駆動させることが考えられる。
これにより、リニアモータ1をステッパ駆動で移動させた後に、リニアモータ1をリニア駆動で移動させることが可能となる。
また、第1駆動方式の初期励磁パターンは、可動部3の移動を制限する規制部材13a、13bから可動部3の移動が可能な可動範囲側に電気角で180°未満ずれた値に設定されることが考えられる。
これにより、コイル22が初期励磁パターンで通電されたときに、可動部3が規制部材13a、13bに衝突してしまうことを低減することができる。
また、所定の位置を境にした可動部3の位置によって異なる値を出力する原点検出センサ14を備え、初期励磁パターンは、原点検出センサの出力値ごとにそれぞれ設定されることが考えられる。
これにより、原点検出センサの出力値がどちらであったとしても、コイル22が初期励磁パターンで通電されたときに、可動部3が規制部材13a、13bに衝突してしまうことを低減することができる。
また、制御部(上位制御部31、モータ駆動制御部32)は、初期励磁パターンでリニアモータ1のコイル22を通電させ、通電前後で原点検出センサ14から出力される値が同じ場合、原点検出センサ14から出力される値が異なるようになる方向に第1駆動方式でリニアモータ1を駆動させ、原点検出センサ14から出力される値が異なった場合、第1駆動方式を終了させてリニアモータ1を停止させることが考えられる。
これにより、初期励磁パターンでコイル22を通電させたときに原点検出センサ14から出力される値が切り替わらなければ、第1駆動方式(ステッパ駆動)でリニアモータ1を駆動させて仮原点を設定することが可能となる。
これにより、早期に可動部3の原点を設定することができる。
また、制御部(上位制御部31、モータ駆動制御部32)は、初期励磁パターンでリニアモータ1のコイル22を通電させ、通電前後で原点検出センサ14から出力される値が異なる場合、第1駆動方式を終了させてリニアモータ1を停止させることが考えられる。
これにより、初期励磁パターンでコイル22を通電させたときに原点検出センサ14から出力される値が切り替われば、第1駆動方式(ステッパ駆動)を行わずに、切り替わった位置を仮原点として設定することが可能となる。
これにより、より早期に可動部3の原点を設定することができる。
また、制御部(上位制御部31、モータ駆動制御部32)は、第1駆動方式を終了させた後、原点検出センサ14から出力される値が異なるようになる方向に可動部を移動させるように、第2駆動方式でリニアモータを駆動させることが考えられる。
これにより、第2駆動方式でリニアモータを駆動させることで、精度よく原点を設定することが可能となる。
また、制御部(上位制御部31、モータ駆動制御部32)は、第2駆動方式でリニアモータ1を駆動させている間に、原点検出センサ14から出力される値が異なった位置を原点として設定することが考えられる。
これにより、第2駆動方式でリニアモータを駆動させることで、精度よく原点を設定することが可能となる。
また、制御部(上位制御部31、モータ駆動制御部32)は、第2駆動方式でリニアモータ1を駆動させている間に、原点検出センサ14から出力される値が異なった場合、第2駆動方式を終了させリニアモータ1を停止させることが考えられる。
これにより、早期に原点設定処理を終了することが可能となる。
また、第1駆動方式の初期励磁パターンは、可動部3の移動を制限する規制部材13a、13bから可動部3の移動が可能な可動範囲側に電気角が90°ずれた値に設定されることが考えられる。
これにより、可動部3を最も効率よく初期ターゲット位置に引き込むことが可能となる。
また、リニアモータ1は、撮像装置100のレンズユニット(交換レンズ102)に設けられたアクチュエータ(フォーカスレンズ駆動モータ222)であることが考えられる。
これにより、レンズユニットに設けられたアクチュエータの原点を早期にかつ高精度に設定することができる。
また、リニアモータ1は、撮像装置100のレンズ(フォーカスレンズ221)を駆動する事が考えられる。
これにより、撮像装置100のレンズを駆動するアクチュエータの原点を早期にかつ高精度に設定することができる。
上記のように実施形態の原点設定方法は、リニアモータ1を異なる2つの駆動方式で駆動させることにより、リニアモータ1の可動部3の原点を設定するものである。
なお、本明細書に記載された効果はあくまでも例示であって限定されるものではなく、また他の効果があってもよい。
<5.本技術>
本技術は以下のような構成も採ることができる。
(1)
リニアモータを異なる2つの駆動方式で駆動させることにより、前記リニアモータの可動部の原点を設定する制御部
を備える原点設定装置。
(2)
前記駆動方式は、
前記リニアモータをオープンループ制御で駆動させる第1駆動方式と、前記リニアモータをクローズドループ制御で駆動させる第2駆動方式とを含む
(1)に記載の原点設定装置。
(3)
前記第1駆動方式は、予め決められた励磁パターンで前記リニアモータのコイルを通電させ、
前記第2駆動方式は、前記可動部の位置に応じた励磁パターンで前記リニアモータのコイルを通電させる
(2)に記載の原点設定装置。
(4)
前記制御部は、前記第1駆動方式で前記リニアモータを駆動させた後、前記第2駆動方式で前記リニアモータを駆動させる
(3)に記載の原点設定装置。
(5)
前記第1駆動方式の初期励磁パターンは、前記可動部の移動を制限する規制部材から前記可動部の移動が可能な可動範囲側に電気角で180°未満ずれた値に設定される
(3)または(4)に記載の原点設定装置。
(6)
所定の位置を境にした前記可動部の位置によって異なる値を出力する原点検出センサを備え、
前記初期励磁パターンは、前記原点検出センサの出力値ごとにそれぞれ設定される
(5)に記載の原点設定装置。
(7)
前記制御部は、
前記初期励磁パターンで前記リニアモータのコイルを通電させ、通電前後で前記原点検出センサから出力される値が同じ場合、前記原点検出センサから出力される値が異なるようになる方向に前記第1駆動方式で前記リニアモータを駆動させ、前記原点検出センサから出力される値が異なった場合、前記第1駆動方式を終了させて前記リニアモータを停止させる
(6)に記載の原点設定装置。
(8)
前記制御部は、
前記初期励磁パターンで前記リニアモータのコイルを通電させ、通電前後で前記原点検出センサから出力される値が異なる場合、前記第1駆動方式を終了させて前記リニアモータを停止させる
(6)または(7)に記載の原点設定装置。
(9)
前記制御部は、
前記第1駆動方式を終了させた後、前記原点検出センサから出力される値が異なるようになる方向に前記可動部を移動させるように、前記第2駆動方式で前記リニアモータを駆動させる
(6)から(8)のいずれかに記載の原点設定装置。
(10)
前記制御部は、
前記第2駆動方式で前記リニアモータを駆動させている間に、前記原点検出センサから出力される値が異なった位置を原点として設定する
(9)に記載の原点設定装置。
(11)
前記制御部は、
前記第2駆動方式で前記リニアモータを駆動させている間に、前記原点検出センサから出力される値が異なった場合、前記第2駆動方式を終了させ前記リニアモータを停止させる
(10)に記載の原点設定装置。
(12)
前記第1駆動方式の初期励磁パターンは、前記可動部の移動を制限する規制部材から前記可動部の移動が可能な可動範囲側に電気角が90°ずれた値に設定される
(5)から(9)のいずれかに記載の原点設定装置。
(13)
前記リニアモータは、撮像装置のレンズユニットに設けられたアクチュエータである
(1)から(12)のいずれかに記載の原点設定装置。
(14)
前記リニアモータは、前記撮像装置のレンズを駆動する
(13)に記載の原点設定装置。
(15)
リニアモータを異なる2つの駆動方式で駆動させることにより、リニアモータの可動部の原点を設定する
原点設定方法。
1 リニアモータ
3 可動部
13 規制部材
22 コイル
30 リニアモータシステム
31 上位制御部
32 モータ駆動制御部

Claims (15)

  1. リニアモータを異なる2つの駆動方式で駆動させることにより、前記リニアモータの可動部の原点を設定する制御部
    を備える原点設定装置。
  2. 前記駆動方式は、
    前記リニアモータをオープンループ制御で駆動させる第1駆動方式と、前記リニアモータをクローズドループ制御で駆動させる第2駆動方式とを含む
    請求項1に記載の原点設定装置。
  3. 前記第1駆動方式は、予め決められた励磁パターンで前記リニアモータのコイルを通電させ、
    前記第2駆動方式は、前記可動部の位置に応じた励磁パターンで前記リニアモータのコイルを通電させる
    請求項2に記載の原点設定装置。
  4. 前記制御部は、前記第1駆動方式で前記リニアモータを駆動させた後、前記第2駆動方式で前記リニアモータを駆動させる
    請求項3に記載の原点設定装置。
  5. 前記第1駆動方式の初期励磁パターンは、前記可動部の移動を制限する規制部材から前記可動部の移動が可能な可動範囲側に電気角で180°未満ずれた値に設定される
    請求項3に記載の原点設定装置。
  6. 所定の位置を境にした前記可動部の位置によって異なる値を出力する原点検出センサを備え、
    前記初期励磁パターンは、前記原点検出センサの出力値ごとにそれぞれ設定される
    請求項5に記載の原点設定装置。
  7. 前記制御部は、
    前記初期励磁パターンで前記リニアモータのコイルを通電させ、通電前後で前記原点検出センサから出力される値が同じ場合、前記原点検出センサから出力される値が異なるようになる方向に前記第1駆動方式で前記リニアモータを駆動させ、前記原点検出センサから出力される値が異なった場合、前記第1駆動方式を終了させて前記リニアモータを停止させる
    請求項6に記載の原点設定装置。
  8. 前記制御部は、
    前記初期励磁パターンで前記リニアモータのコイルを通電させ、通電前後で前記原点検出センサから出力される値が異なる場合、前記第1駆動方式を終了させて前記リニアモータを停止させる
    請求項6に記載の原点設定装置。
  9. 前記制御部は、
    前記第1駆動方式を終了させた後、前記原点検出センサから出力される値が異なるようになる方向に前記可動部を移動させるように、前記第2駆動方式で前記リニアモータを駆動させる
    請求項6に記載の原点設定装置。
  10. 前記制御部は、
    前記第2駆動方式で前記リニアモータを駆動させている間に、前記原点検出センサから出力される値が異なった位置を原点として設定する
    請求項9に記載の原点設定装置。
  11. 前記制御部は、
    前記第2駆動方式で前記リニアモータを駆動させている間に、前記原点検出センサから出力される値が異なった場合、前記第2駆動方式を終了させ前記リニアモータを停止させる
    請求項10に記載の原点設定装置。
  12. 前記第1駆動方式の初期励磁パターンは、前記可動部の移動を制限する規制部材から前記可動部の移動が可能な可動範囲側に電気角が90°ずれた値に設定される
    請求項5に記載の原点設定装置。
  13. 前記リニアモータは、撮像装置のレンズユニットに設けられたアクチュエータである
    請求項1に記載の原点設定装置。
  14. 前記リニアモータは、前記撮像装置のレンズを駆動する
    請求項13に記載の原点設定装置。
  15. リニアモータを異なる2つの駆動方式で駆動させることにより、リニアモータの可動部の原点を設定する
    原点設定方法。
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