JP2023033708A - タッチセンサおよびタッチセンサの製造方法 - Google Patents

タッチセンサおよびタッチセンサの製造方法 Download PDF

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Katsuyuki Nukui
大悟 澤木
Daigo Sawaki
哲朗 三ツ井
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Abstract

【課題】タッチ操作に対する検知信号のノイズを抑制しながらもスパークによるタッチセンサの故障を抑制できるタッチセンサおよびタッチセンサの製造方法を提供する。【解決手段】タッチセンサ(1)は、絶縁基材(2)と、絶縁基材(2)の両面(2A、2B)上にそれぞれ配置された導電層(3A、3B)を有し、導電層(3A、3B)は、複数の検知電極(11、21)と、複数の検知電極(11、21)のそれぞれから引き出された複数の引き出し配線(13、23)と、絶縁基材(2)の他方の面(2A、2B)上に配置された複数の引き出し配線(13、23)に対して平面視において重なる位置に配置されたシールドパターン部(15、25)を含み、シールドパターン部(15、25)は、複数の検知電極(11、21)の厚みおよび複数の引き出し配線(13、23)の厚みに対して2倍以上の厚みを有する。【選択図】図2

Description

この発明は、静電容量式のタッチセンサおよびタッチセンサの製造方法に関する。
近年、携帯情報機器を始めとした各種の電子機器において、液晶表示装置等の表示装置と組み合わせて用いられ、画面に接触することによる電子機器への入力操作を検知するタッチセンサの普及が進んでいる。
例えば、特許文献1には、絶縁基材の両面上に、タッチ操作を検知するためのメッシュ形状の複数の検知電極と、複数の検知電極のそれぞれから引き出される複数の引き出し配線を有するタッチセンサが開示されている。一般的に、絶縁基材の両面に検知電極と引き出し配線が配置されている場合には、絶縁基材の一方の面上に配置された引き出し配線における電気信号が、絶縁基材の他方の面上に配置された検知電極で得られた、タッチ操作に対する検知信号に電気的に干渉することにより、検知信号にノイズが生じ、タッチセンサが誤作動をする場合があることが知られている。特許文献1では、絶縁基材の両面上において、他方の面上の引き出し配線と平面視で重なる位置にシールドパターン部を配置することにより、絶縁基材の両面上に配置された複数の検知電極および複数の引き出し配線における電気信号同士の電気的な干渉を抑制している。
特開2018-014145号公報
一般的に、例えばタッチセンサの製造時におけるいわゆるロールトゥロール方式の巻き取りの工程等で複数のタッチセンサが互いに重ね合わされることがある。この状態からタッチセンサ同士が剥離すると、タッチセンサにおける複数の検知電極および複数の引き出し配線等を含む導電パターンが帯電し、導電パターン内で電位差が生じることがある。この電位差により導電パターン内でスパークが生じ、導電パターンが焼き切れる等の故障が生じる場合があった。
また、近年では、複数の検知電極の外側の領域を狭くすることにより、いわゆる狭額縁化が試みられている。狭額縁化が行われる場合には、複数の引き出し配線間の間隔および引き出し配線と検知電極との間隔が狭くなり、導電パターンにおいてさらにスパークが発生しやすくなるという問題があった。
特許文献1では、絶縁基材の両面上に配置されたシールドパターン部により絶縁基材の一方の面上に配置された導電パターン内の電気信号と他方の面上に配置された導電パターン内の電気信号との電気的な干渉を抑制できるが、複数のタッチセンサが互いに重ね合わされ且つ剥離された場合に、導電パターン内でスパークが生じることがあり、この点において改善の余地があった。
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、タッチ操作に対する検知信号のノイズを抑制しながらもスパークによるタッチセンサの故障を抑制できるタッチセンサおよびそのタッチセンサの製造方法を提供することを目的とする。
この発明に係るタッチセンサは、絶縁基材と、絶縁基材の両面上にそれぞれ配置された導電層を有し、導電層は、複数の検知電極と、複数の検知電極のそれぞれから引き出された複数の引き出し配線と、絶縁基材の一方の面の、絶縁基材の他方の面上に配置された複数の引き出し配線に対して平面視において重なる位置に配置されたシールドパターン部を含み、シールドパターン部は、複数の検知電極の厚みおよび複数の引き出し配線の厚みに対して2倍以上の厚みを有することを特徴とする。
複数の検知電極は、メッシュ形状を有することができる。
シールドパターン部は、可視光に対して100%の遮蔽率を有することができる。
また、シールドパターン部は、メッシュ形状を有し、可視光に対して0.5%以上100%未満の遮蔽率を有することもできる。
本発明に係るタッチセンサの製造方法は、絶縁基材の両面上に、それぞれ、複数の検知電極と、複数の検知電極のそれぞれから引き出された複数の引き出し配線とを同時に形成し、絶縁基材の両面上の、それぞれ絶縁基材の反対側の面上に配置された複数の引き出し配線に対して平面視において重なる位置に、複数の検知電極の厚みおよび複数の引き出し配線の厚みに対して2倍以上の厚みを有するシールドパターン部を形成することを特徴とする。
複数の検知電極および複数の引き出し配線の形成方法とシールドパターン部の形成方法とは、互いに異なることができる。
シールドパターン部の形成方法は、フォトリソグラフィ法、インクジェット法、スクリーン印刷法および凸版印刷法のいずれかであることができる。
この発明によれば、タッチセンサが、絶縁基材と、絶縁基材の両面上にそれぞれ配置された導電層を有し、導電層は、複数の検知電極と、複数の検知電極のそれぞれから引き出された複数の引き出し配線と、絶縁基材の他方の面上に配置された複数の引き出し配線に対して平面視において重なる位置に配置されたシールドパターン部を含み、シールドパターン部は、複数の検知電極の厚みおよび複数の引き出し配線の厚みに対して2倍以上の厚みを有するため、タッチ操作に対する検知信号のノイズを抑制しながらもスパークによるタッチセンサの故障を抑制できる。
本発明の実施の形態にタッチセンサの部分断面図である。 本発明の実施の形態に係るタッチセンサを示す平面図である。 本発明の実施の形態における第1検知電極を拡大して示す平面図である。 本発明の実施の形態における第1検知電極と第1シールドパターン部の部分断面図である。 本発明の実施の形態における絶縁基材の第1面上に配置された複数の第1検知電極、複数の第1引き出し配線および複数の第1電極パッドを示す平面図である。 本発明の実施の形態における絶縁基材の第2面上に配置された複数の第2検知電極、複数の第2引き出し配線および複数の第2電極パッドを示す平面図である。
以下に、添付の図面に示す好適な実施の形態に基づいて、この発明に係るタッチパネル用導電部材を詳細に説明する。
なお、以下において、数値範囲を示す表記「~」は、両側に記載された数値を含むものとする。例えば、「sが数値t1~数値t2である」とは、sの範囲は数値t1と数値t2を含む範囲であり、数学記号で示せばt1≦s≦t2である。
「直交」および「平行」等を含め角度は、特に記載がなければ、技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含むものとする。
「透明」とは、光透過率が、波長400nm~800nmの可視光波長域において、少なくとも40%以上のことであり、好ましくは75%以上であり、より好ましくは80%以上、さらにより好ましくは90%以上のことである。光透過率は、JIS K 7375:2008に規定される「プラスチック-全光線透過率および全光線反射率の求め方」を用いて測定されるものである。
実施の形態
図1に、本発明の実施の形態に係るタッチセンサ1の構成を示す。
タッチセンサ1は、透明で且つ絶縁性を有する絶縁基材2と、絶縁基材2の第1面2A上に配置された第1導電層3Aと、第1面2Aとは反対側の面である絶縁基材2の第2面2B上に配置された第2導電層3Bを有する。
図2に示すように、絶縁基材2の第1面2A上に配置された第1導電層3Aは、一定の方向に沿って延び且つその方向に対して直交する方向に沿って配列された複数の第1検知電極11と、複数の第1検知電極11のそれぞれから引き出された複数の第1引き出し配線13と、複数の第1引き出し配線13に電気的に接続された複数の第1電極パッド14と、一対の第1シールドパターン部15とを有している。一対の第1シールドパターン部15は、複数の第1検知電極11、複数の第1引き出し配線13および複数の第1電極パッド14と離れて配置されている。
ここで、説明のために、複数の第1検知電極11が延びる一定の方向をY方向と呼び、Y方向に直交する複数の第1検知電極11の配列方向をX方向と呼び、X方向およびY方向に直交する複数の第1検知電極11の厚み方向をZ方向と呼ぶ。
複数の第1引き出し配線13は、それぞれ、その一端部が対応する第1検知電極11のY方向の片側に連結され、他端部が第1電極パッド14に連結されている。
また、第1検知電極11は、いわゆるタッチ操作を検知するためのセンサ電極として機能するものであり、図3に示すように、複数の金属細線MWにより構成されており、複数の金属細線MWにより、ひし形のメッシュ形状のパターンMPが形成されている。
また、複数の第1検知電極11、複数の第1引き出し配線13および複数の第1電極パッド14は、同時に形成される。
一対の第1シールドパターン部15は、絶縁基材2の第2面2B上に配置された後述する複数の第2引き出し配線23と平面視において重なる位置に配置されている。ここで、平面視とは、タッチセンサ1をZ方向から見た視点のことをいう。また、一対の第1シールドパターン部15は、例えば複数の第1検知電極11、複数の第1引き出し配線13および複数の第1電極パッド14を形成する工程とは別の工程で形成され、図4に示すように、複数の第1検知電極11、複数の第1引き出し配線13および複数の第1電極パッド14の厚みT1の2倍以上の厚みT2を有する。
図2に示すように、絶縁基材2の第2面2B上に配置された第2導電層3Bは、X方向に沿って延び且つY方向に沿って配列された複数の第2検知電極21と、複数の第2検知電極21のX方向の両側からそれぞれ引き出された複数の第2引き出し配線23と、複数の第2引き出し配線23に電気的に接続された複数の第2電極パッド24と、第2シールドパターン部25とを有している。第2シールドパターン部25は、複数の第2検知電極21、複数の第2引き出し配線23および複数の第2電極パッド24と離れて配置されている。
複数の第2引き出し配線23は、それぞれ、その一端部が対応する第2検知電極21のX方向の片側に連結され、他端部が第2電極パッド24に連結されている。
また、第2検知電極21は、第1検知電極11と同様にタッチ操作を検知するためのセンサ電極として機能するものであり、図示しないが、第1検知電極11と同様に、複数の金属細線MWにより構成されており、複数の金属細線MWにより、ひし形のメッシュ形状のパターンMPが形成されている。
また、複数の第2検知電極21、複数の第2引き出し配線23および複数の第2電極パッド24は、同時に形成される。
第2シールドパターン部25は、絶縁基材2の第1面2A上に配置された複数の第1引き出し配線13と平面視において重なる位置に配置されている。また、第2シールドパターン部25は、例えば複数の第2検知電極21、複数の第2引き出し配線23および複数の第2電極パッド24を形成する工程とは別の工程で形成され、一対の第1シールドパターン部15と同様に、複数の第2検知電極21、複数の第2引き出し配線23および複数の第2電極パッド24の厚みの2倍以上の厚みを有する。
ここで、一般的に、絶縁基材の第1面上に複数の第1検知電極および複数の第1引き出し配線が配置され、且つ、絶縁基材の第2面上に複数の第2検知電極および複数の第2引き出し配線が配置されている場合に、絶縁基材の第1面上に配置された複数の第1引き出し配線を伝導する電気信号が、第2面上に配置された複数の第2検知電極で検知された、タッチ操作に対する検知信号に対して電気的に干渉することがあった。また、絶縁基材の第2面上に配置された複数の第2引き出し配線を伝導する電気信号が第1面上に配置された複数の第1検知電極で検知された検知信号に対して電気的に干渉することもあった。これにより、複数の第1検知電極および複数の第2検知電極で検知されたタッチ操作に対する検知信号にノイズが発生し、タッチセンサが誤作動をすることがあった。
実施の形態のタッチセンサ1においては、絶縁基材2の第2面2B上に配置された複数の第2引き出し配線23と平面視で重なる第1面2A上の位置に一対の第1シールドパターン部15が配置され、第1面2A上に配置された複数の第1引き出し配線13と平面視で重なる第2面2B上の位置に第2シールドパターン部25が配置されている。そのため、絶縁基材2の第1面2A上に配置される複数の第1引き出し配線13を伝導する電気信号が絶縁基材2の第2面2B側に電気的に干渉することが抑制され、絶縁基材2の第2面2B上に配置される複数の第2引き出し配線23を伝導する電気信号が絶縁基材2の第1面2A側に電気的に干渉することが抑制される。したがって、タッチセンサ1では、複数の第1検知電極11および複数の第2検知電極21で検知されたタッチ操作に対する検知信号にノイズが発生することが抑制される。
また、一般的に、タッチセンサは、例えば製造時におけるいわゆるロールトゥロール方式の巻き取りの工程等で他のタッチセンサと重ね合わされることがある。この状態からタッチセンサ同士が剥離すると、第1導電層および第2導電層が帯電して、第1導電層内および第2導電層内でそれぞれ電位差が生じることがある。この電位差により、第1導電層内および第2導電層内でスパークが生じ、複数の第1検知電極、複数の第1引き出し配線および複数の第1電極パッドを含む第1導電層の導電パターンと、複数の第2検知電極、複数の第2引き出し配線および複数の第2電極パッドを含む第2導電層の導電パターンが焼き切れる等の故障が生じることがあった。
また、近年では、複数の検知電極の外側の領域を狭くすることにより、いわゆる狭額縁化が試みられている。狭額縁化が行われる場合には、複数の引き出し配線間の間隔および引き出し配線と検知電極との間隔が狭くなり、導電パターンにおいてさらにスパークが発生しやすくなるという問題があった。
実施の形態のタッチセンサ1においては、一対の第1シールドパターン部15が複数の第1検知電極11、複数の第1引き出し配線13および複数の第1電極パッド14の厚みT1の2倍以上の厚みT2を有し、第2シールドパターン部25が複数の第2検知電極21、複数の第2引き出し配線23および複数の第2電極パッド24の厚みの2倍以上の厚みを有する。
そのため、複数のタッチセンサ1が互いに重ね合わされた場合に、第1シールドパターン部15および第2シールドパターン部25により、複数のタッチセンサ1間の複数の第1検知電極11上および複数の第2検知電極21上に隙間が形成され、複数のタッチセンサ1間の接触面積を小さくして、タッチセンサ1の帯電を抑制できる。そのため、タッチセンサ1によれば、例えば狭額縁化のために複数の第1引き出し配線13の間隔を狭くし、複数の第1引き出し配線13と複数の第1検知電極11との間隔を狭くし、複数の第2引き出し配線23の間隔を狭くし、複数の第2引き出し配線23と複数の第2検知電極21との間隔を狭くしたとしても、第1導電層3A内および第2導電層3B内におけるスパークの発生を抑制し、スパークによるタッチセンサ1の故障を抑制できる。
以上から、実施の形態のタッチセンサ1によれば、タッチ操作に対する検知信号のノイズを抑制しながらもスパークによるタッチセンサ1の故障を抑制できる。
ここで、タッチセンサ1を製造する際には、絶縁基材2の第1面2A上で、複数の第1検知電極11、複数の第1引き出し配線13および複数の第1電極パッド14と、一対の第1シールドパターン部15とは、互いに別の工程により形成される。
例えば、図5に示すように、絶縁基材2の第1面2A上に複数の第1検知電極11、複数の第1引き出し配線13および複数の第1電極パッド14を形成し、さらに、図6に示すように、絶縁基材2の第2面2B上に複数の第2検知電極21、複数の第2引き出し配線および複数の第2電極パッド24を形成した後で、第2面2B側の複数の第2引き出し配線23と平面視で重なる第1面2A上の領域R1に、一対の第1シールドパターン部15が形成されることができる。
この場合に、例えば製造者は、一対の第1シールドパターン部15が形成される前に、絶縁基材2の第1面2A側から複数の第2引き出し配線23を観察して、複数の第2引き出し配線23に断線等の故障が発生しているか否かを検査できる。
また、絶縁基材2の第2面2B上で、複数の第2検知電極21、複数の第2引き出し配線23および複数の第2電極パッド24と、第2シールドパターン部25とは、互いに別の工程により形成される。
例えば、絶縁基材2の第1面2A上に複数の第1検知電極11、複数の第1引き出し配線13および複数の第1電極パッド14を形成し、さらに、絶縁基材2の第2面2B上に複数の第2検知電極21、複数の第2引き出し配線および複数の第2電極パッド24を形成した後で、第1面2A側の複数の第1引き出し配線13と平面視で重なる第2面2B上の領域R2に、第2シールドパターン部25が形成されることができる。
この場合に、例えば製造者は、第2シールドパターン部25が形成される前に、絶縁基材2の第2面2B側から複数の第1引き出し配線13を観察して、複数の第1引き出し配線13に断線等の故障が発生しているか否かを検査できる。
このように、複数の第1検知電極11、複数の第1引き出し配線13および複数の第1電極パッド14と、一対の第1シールドパターン部15とを別の工程で形成し、複数の第2検知電極21、複数の第2引き出し配線23および複数の第2電極パッド24と、第2シールドパターン部25とを別の工程で形成することにより、製造者は、複数の第1引き出し配線13および複数の第2引き出し配線23が故障しているか否かを検査できるため、タッチセンサ1の製造効率を向上できる。
なお、第1検知電極11を構成する複数の金属細線MWおよび第2検知電極21を構成する複数の金属細線MWの線幅は、観察者に視認されにくくするように、すなわち、視認性を確保するために、0.5μm以上10.0μm以下の範囲内に設定されることが好ましく、特に、1.0μm以上5.0μm以下の範囲内に設定されることがより好ましく、1.5μm以上3.0μm以下の範囲内に設定されることが特に好ましい。
また、第1引き出し配線13および第2引き出し配線23の線幅は、十分な導電性を確保するために、5.0μm以上100.0μm以下、より好ましくは3.0μm以上20.0μm以下の範囲内に設定されることが好ましい。
また、第1検知電極11、第1引き出し配線13および第1電極パッド14の厚みと、第2検知電極21、第2引き出し配線23および第2電極パッド24の厚みは、前駆体フィルム1またはタッチセンサフィルム41を折り曲げた場合に断線等の故障を防止する観点と、十分な導電性を得る観点から、0.01μm~10.00μmが好ましく、0.05μm~3.00μmがより好ましく、0.10μm~1.00μmがさらに好ましい。
一対の第1シールドパターン部15および第2シールドパターン部25の厚みは、複数の第1引き出し配線13または複数の第2引き出し配線23を伝導する電気信号による電気的な干渉を抑制し、複数のタッチセンサ1が重ね合わされた場合に、複数のタッチセンサ1間の複数の第1検知電極11上および複数の第2検知電極21上に十分な隙間を形成するために、2.0μm以上20.0μm以下が好ましい。
第1検知電極11および第2検知電極21は、ひし形のメッシュ形状のパターンMPを有していることが説明されているが、メッシュの開口形状は、ひし形に限るものではなく、正三角形、正四角形、正六角形、その他の正多角形、または、ランダムな形状を有する多角形でもよく、さらに、曲線を含む形状とすることもできる。
また、第1検知電極11および第2検知電極21は、いずれもメッシュ状に配置された複数の金属細線MWからなることが説明されているが、タッチセンサフィルム用の検知電極として使用できるものであれば、その形状と材料は特に限定されない。例えば、第1検知電極11および第2検知電極21は、板状の酸化インジウムスズ(ITO:Indium Tin Oxide)等の透明導電性酸化物により形成されることもできる。
また、一対の第1シールドパターン部15および第2シールドパターン部25は、可視光に対する遮蔽率が100%、すなわち、可視光を透過しない板形状を有することができる。
また、一対の第1シールドパターン部15および第2シールドパターン部25は、複数の第1引き出し配線13および複数の第2引き出し配線23を伝導する電気信号による電気的な干渉を抑制することができれば、複数の第1検知電極11および複数の第2検知電極21と同様に、メッシュ形状を有することもできる。この場合に、一対の第1シールドパターン部15および第2シールドパターン部25のメッシュ形状は、特に限定されず、例えば、ひし形、正三角形、正四角形、正六角形、その他の正多角形、ランダムな形状を有する多角形、または、曲線を含む形状のいずれでもよい。
一対の第1シールドパターン部15および第2シールドパターン部25がメッシュ形状を有する場合に、複数の第1引き出し配線13および複数の第2引き出し配線23を伝導する電気信号による電気的な干渉を十分に抑制するため、一対の第1シールドパターン部15および第2シールドパターン部25は、可視光に対して0.5%以上100%未満の遮蔽率を有することが好ましい。
ここで、一対の第1シールドパターン部15における可視光に対する遮蔽率は、図5に示す一対の第1シールドパターン部15が配置される領域R1の面積に対する一対の第1シールドパターン部15のXY面における面積の比率により算出される。また、第2シールドパターン部25における可視光に対する遮蔽率は、図6に示す第2シールドパターン部25が配置される領域R2の面積に対する第2シールドパターン部25のXY面における面積の比率により算出される。
また、一対の第1シールドパターン部15の設置範囲は、複数の第2引き出し配線23を伝導する電気信号による電気的な干渉を抑制できれば、複数の第2引き出し配線23が占有する領域のすべてを平面視で覆う範囲である必要はない、すなわち、複数の第2引き出し配線23が占有する領域の100%未満を覆っていればよい。複数の第2引き出し配線23を伝導する電気信号による電気的な干渉を抑制する目的においては、一対の第1シールドパターン部15の設置範囲は、平面視において、複数の第2引き出し配線23が占有する領域の50%以上を覆うことが好ましく、75%以上を覆うことが好ましく、90%以上を覆うことがさらに好ましい。
また、一対の第1シールドパターン部15の設置範囲は、複数の第2引き出し配線23が占有する領域よりも広くてもよい。一対の第1シールドパターン部15の設置範囲は、複数の第2引き出し配線23を伝導する電気信号による電気的な干渉を抑制する目的においては広い方が好ましく、複数の第2引き出し配線23が占有する領域よりも周囲10μm以上広い範囲であることが好ましい。
また、第2シールドパターン部25の設置範囲は、一対の第1シールドパターン部15と同様に、複数の第1引き出し配線13を伝導する電気信号による電気的な干渉を抑制できれば、複数の第1引き出し配線13が占有する領域のすべてを平面視で覆う範囲である必要はない、すなわち、複数の第1引き出し配線13が占有する領域の100%未満を覆っていればよい。第2シールドパターン部25の設置範囲は、平面視において、複数の第2引き出し配線23が占有する領域の50%以上を覆うことが好ましく、75%以上を覆うことが好ましく、90%以上を覆うことがさらに好ましい。
また、第2シールドパターン部25の設置範囲は、複数の第1引き出し配線23が占有する領域よりも広くてもよい。第2シールドパターン部25の設置範囲は、一対の第1シールドパターン部15の設置範囲と同様に、複数の第1引き出し配線13が占有する領域よりも周囲10μm以上広い範囲であることが好ましい。
以下では、実施の形態のタッチセンサ1を構成する各部材について説明する。
<絶縁基材>
絶縁基材2は、透明で電気絶縁性を有し、第1導電層3Aと第2導電層3Bとを支持することができれば、特に限定されるものではないが、例えば、樹脂基板またはガラス基板等が用いられる。より具体的に、絶縁基材2を構成する材料として、例えば、ガラス、強化ガラス、無アルカリガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET:polyethylene terephthalate)、ポリエチレンナフタレート(PEN:polyethylene naphthalate)、シクロオレフィンポリマー(COP:cyclo-olefin polymer)、環状オレフィン・コポリマー(COC:cyclic olefin copolymer)、ポリカーボネート(PC:polycarbonate)、アクリル樹脂、ポリエチレン(PE:polyethylene)、ポリプロピレン(PP:polypropylene)、ポリスチレン(PS:polystylene)、ポリ塩化ビニル(PVC:polyvinyl chloride)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC:polyvinylidene chloride)、トリアセチルセルロース(TAC:cellulose triacetate)等を使用することができる。透明絶縁基板5の厚みは、例えば、20μm~1100μmが好ましく、20μm~500μmがより好ましい。特に、PETのような有機樹脂基板の場合は、厚み20μm~200μmであることが好ましく、30μm~100μmであることがより好ましい。
絶縁基材2の全光線透過率は、40%~100%であることが好ましい。全光透過率は、例えば、JIS K 7375:2008に規定される「プラスチック-全光線透過率および全光線反射率の求め方」を用いて測定されるものである。
絶縁基材2の好適態様の1つとしては、大気圧プラズマ処理、コロナ放電処理および紫外線照射処理からなる群から選択される少なくとも1つの処理が施された処理済基板が挙げられる。上述の処理が施されることにより、処理された透明絶縁基板5の表面にOH基等の親水性基が導入される。これにより、絶縁基材2と第1導電層3Aとの密着性および絶縁基材2と第2導電層3Bとの密着性が向上する。また、上述の処理の中でも、絶縁基材2と第1導電層3Aとの密着性および絶縁基材2と第2導電層3Bとの密着性がより向上する点で、大気圧プラズマ処理が好ましい。
<下塗り層>
絶縁基材2と第1導電層3Aとの密着性および絶縁基材2と第2導電層3Bとの密着性を向上させるために、絶縁基材2と第1導電層3Aとの間および絶縁基材2と第2導電層3Bとの間に、それぞれ、下塗り層を配置することもできる。この下塗り層は、高分子を含んでおり、絶縁基材2と第1導電層3Aとの密着性および絶縁基材2と第2導電層3Bとの密着性がより向上する。
下塗り層の形成方法は特に限定されるものではないが、例えば、高分子を含む下塗り層形成用組成物を基板上に塗布して、必要に応じて加熱処理を施す方法が挙げられる。また、高分子を含む下塗り層形成用組成物として、ゼラチン、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、無機または高分子の微粒子を含むアクリル・スチレン系ラテックス等を使用してもよい。
なお、必要に応じて、タッチセンサ1は、絶縁基材2と第1導電層3Aとの間および絶縁基材2と第2導電層3Bとの間に、それぞれ、他の層として、上述の下塗り層以外に、屈折率調整層を備えていてもよい。屈折率調整層として、例えば、屈折率を調整する酸化ジルコニウム等の金属酸化物の粒子が添加された有機層を使用できる。
<導電層>
複数の第1検知電極11、複数の第1引き出し配線13、複数の第1電極パッド14および一対の第1シールドパターン部15を有する第1導電層3Aと、複数の第2検知電極21、複数の第2引き出し配線23、複数の第2電極パッド24および第2シールドパターン部25を有する第2導電層3Bは、金属または合金を形成材料とし、例えば、銅、アルミニウムまたは銀から形成することができる。合金としては、例えば、金、銀および銅等の金属が含まれていてもよい。また、第1導電層3Aおよび第2導電層3Bは、金属銀およびゼラチンまたはアクリル・スチレン系ラテックス等の高分子バインダーが含有されたものでもよい。その他の好ましいものとして、アルミニウム、銀、モリブデン、チタンの金属およびその合金である。また、これらの積層構造であってもよく、例えば、モリブデン/銅/モリブデン、モリブデン/アルミニウム/モリブデン等の積層構造が使用できる。また、第1導電層3Aおよび第2導電層3Bは、金属酸化物粒子、銀ペーストおよびは銅ペースト等の金属ペースト、並びに銀ナノワイヤおよび銅ナノワイヤ等の金属ナノワイヤ粒子を含むものであってもよい。
また、第1検知電極11および第2検知電極21を構成する金属細線MWの視認性を向上させるために、観察者に視認される金属細線MWの表面に黒化層を形成してもよい。黒化層としては、金属酸化物、金属窒化物、金属酸窒化物または金属硫化物等が使用され、代表的には、酸窒化銅、窒化銅、酸化銅または酸化モリブデン等が使用できる。
次に、第1導電層3Aおよび第2導電層3Bの形成方法について説明する。第1導電層3Aおよび第2導電層3Bとしては、例えば、スパッタ法、めっき法、銀塩法および印刷法等が適宜利用可能である。
スパッタ法による第1導電層3Aおよび第2導電層3Bの形成方法について説明する。まず、スパッタにより、導電材料の層を形成し、フォトリソグラフィおよびエッチングにより導電材料の層から配線を形成することにより、第1導電層3Aおよび第2導電層3Bを形成することができる。なお、スパッタの代わりに、いわゆる蒸着により導電材料の層を形成することもできる。導電材料の層は、スパッタまたは蒸着以外にも、電解金属箔が利用可能である。より具体的には、特開2014-29614号公報に記載の銅配線を形成する工程を利用することができる。
めっき法による第1導電層3Aおよび第2導電層3Bの形成方法について説明する。例えば、第1導電層3Aおよび第2導電層3Bは、無電解めっき下地層に無電解めっきを施すことにより下地層上に形成される金属めっき膜を用いて構成することができる。この場合、第1導電層3Aおよび第2導電層3Bは、少なくとも金属微粒子を含有する触媒インクを基材上にパターン状に形成した後に、基材を無電解めっき浴に浸漬し、金属めっき膜を形成することにより形成される。より具体的には、特開2014-159620号公報に記載の金属被膜基材の製造方法を利用することができる。
また、第1導電層3Aおよび第2導電層3Bは、少なくとも金属触媒前駆体と相互作用し得る官能基を有する樹脂組成物を基材上にパターン状に形成した後、触媒または触媒前駆体を付与し、基材を無電解めっき浴に浸漬し、金属めっき膜を形成することにより形成される。より具体的には、特開2012-144761号公報に記載の金属被膜基材の製造方法を応用することができる。
また、第1導電層3Aおよび第2導電層3Bは、銀塩法で形成した配線パターンに無電解めっきを施して形成してもよい。この場合に、第1導電層3Aおよび第2導電層3Bは、写真感材が塗布された膜を露光および現像する工程、場合によってはさらにゼラチンを除去する工程を含む方法で形成された銀粒子からなるパターンに対し、無電解めっきまたは銅めっきを施すことで金属めっき膜を形成することにより、形成される。より具体的には。国際公開第2020/158494号、国際公開第2021/059812号または国際公開第2021/065226号に記載の製造方法を適用することができる。
銀塩法による第1導電層3Aおよび第2導電層3Bの形成方法について説明する。まず、ハロゲン化銀が含まれる銀塩乳剤層に、第1導電層3Aおよび第2導電層3Bとなる露光パターンを用いて露光処理を施し、その後現像処理を行うことで、第1導電層3Aおよび第2導電層3Bを形成することができる。より具体的には、特開2012-6377号公報、特開2014-112512号公報、特開2014-209332号公報、特開2015-22397号公報、特開2016-192200号公報および国際公開第2016/157585号に記載の第1導電層3Aおよび第2導電層3Bの製造方法を利用することができる。
印刷法による第1導電層3Aおよび第2導電層3Bの形成方法について説明する。まず、導電性粉末を含有する導電性ペーストを第1導電層3Aおよび第2導電層3Bと同じパターンとなるように基板に塗布し、その後、加熱処理を施すことにより第1導電層3Aおよび第2導電層3Bを形成することができる。導電性ペーストを用いたパターン形成は、例えば、インクジェット法、スクリーン印刷法または凸版印刷法によりなされる。導電性ペーストとしては、より具体的には、特開2011-28985号公報に記載の導電性ペーストを利用することができる。
一対の第1シールドパターン部15と第2シールドパターン部25は、複数の第1検知電極11、複数の第1引き出し配線13および複数の第1電極パッド14が絶縁基材2の第1面2Aに形成され、且つ、複数の第2検知電極21、複数の第2引き出し配線23および複数の第2電極パッド24が絶縁基材2の第2面2B上に形成された後で、それぞれ形成される。
一対の第1シールドパターン部15と第2シールドパターン部25は、スパッタ法、蒸着法、めっき法、および印刷法等の他に、例えば、いわゆるフォトリソグラフィ法を用いて形成できる。
この場合に、まず、複数の第1検知電極11、複数の第1引き出し配線13および複数の第1電極パッド14が形成された絶縁基材2の第1面2A上、および、複数の第2検知電極21、複数の第2引き出し配線23および複数の第2電極パッド24が形成された絶縁基材2の第2面2B上に感光性のレジスト液を塗布し、第1面2Aと第2面2Bにそれぞれ一対の第1シールドパターン部15と第2シールドパターン部25に対応するパターンが形成されたフォトマスクを配置して露光処理を行い、現像処理を行ってレジスト層を形成した後、第1面2A上と第2面2B上にスパッタまたは蒸着により導電材料を積層し、最後にレジスト層を除去することにより、一対の第1シールドパターン部15と第2シールドパターン部25を形成できる。
また、一対の第1シールドパターン部15と第2シールドパターン部25は、複数の第1検知電極11、複数の第1引き出し配線13、複数の第1電極パッド14、複数の第2検知電極21、複数の第2引き出し配線23および複数の第2電極パッド24の形成方法とは異なる形成方法により形成されることができる。例えば、複数の第1検知電極11、複数の第1引き出し配線13、複数の第1電極パッド14、複数の第2検知電極21、複数の第2引き出し配線23および複数の第2電極パッド24が銀塩法により形成された後で、一対の第1シールドパターン部15と第2シールドパターン部25が、例えば、フォトリソグラフィ法、インクジェット法、スクリーン印刷法および凸版印刷法のいずれかにより形成されることができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容および処理手順は、本発明の主旨を逸脱しない限り適宜変更することができ、本発明の範囲は、以下の実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
<実施例1>
(ハロゲン化銀乳剤の調製)
38℃、pH4.5に保たれた下記1液に、下記の2液および3液の各々90%に相当する量を攪拌しながら同時に20分間にわたって加え、0.16μmの核粒子を形成した。続いて下記4液および5液を8分間にわたって加え、更に、下記の2液および3液の残りの10%の量を2分間にわたって加え、0.21μmまで成長させた。更に、ヨウ化カリウム0.15gを加え、5分間熟成し粒子形成を終了した。
1液:
水 750ml
ゼラチン 8.6g
塩化ナトリウム 3g
1,3-ジメチルイミダゾリジン-2-チオン 20mg
ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 10mg
クエン酸 0.7g
2液:
水 300ml
硝酸銀 150g
3液:
水 300ml
塩化ナトリウム 38g
臭化カリウム 32g
ヘキサクロロイリジウム(III)酸カリウム
(0.005%KCl 20%水溶液) 5ml
ヘキサクロロロジウム酸アンモニウム
(0.001%NaCl 20%水溶液) 7ml
4液:
水 100ml
硝酸銀 50g
5液:
水 100ml
塩化ナトリウム 13g
臭化カリウム 11g
黄血塩 5mg
その後、常法にしたがってフロキュレーション法によって水洗した。具体的には、温度を35℃に下げ、硫酸を用いてハロゲン化銀が沈降するまでpHを下げた(pH3.6±0.2の範囲であった)。次に、上澄み液を約3リットル除去した(第一水洗)。更に3リットルの蒸留水を加えてから、ハロゲン化銀が沈降するまで硫酸を加えた。再度、上澄み液を3リットル除去した(第二水洗)。第二水洗と同じ操作を更に1回繰り返して(第三水洗)、水洗・脱塩工程を終了した。水洗・脱塩後の乳剤をpH6.4、pAg7.5に調整し、ゼラチン2.5g、ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム10mg、ベンゼンチオスルフィン酸ナトリウム3mg、チオ硫酸ナトリウム15mgと塩化金酸10mgを加え55℃にて最適感度を得るように化学増感を施し、安定剤として1,3,3a,7-テトラアザインデン100mg、防腐剤としてプロキセル(商品名、ICI Co.,Ltd.製)100mgを加えた。最終的に得られた乳剤は、沃化銀を0.08モル%含み、塩臭化銀の比率を塩化銀70モル%、臭化銀30モル%とする、平均粒子径0.22μm、変動係数9%のヨウ塩臭化銀立方体粒子乳剤であった。
(感光性層形成用組成物の調整)
上述の乳剤に1,3,3a,7-テトラアザインデン1.2×10-4モル/モルAg、ハイドロキノン1.2×10ー2モル/モルAg、クエン酸3.0×10ー4モル/モルAg、2,4-ジクロロ-6-ヒドロキシ-1,3,5-トリアジンナトリウム塩0.90g/モルAg、微量の硬膜剤を添加し、クエン酸を用いて塗布液pHを5.6に調整した。
上述の塗布液に、含有するゼラチンに対して、下記式(P-1)で表されるポリマーとジアルキルフェニルPEO硫酸エステルからなる分散剤を含有するポリマーラテックス(分散剤/ポリマーの質量比が2.0/100=0.02)とをポリマー/ゼラチン(質量比)=0.5/1になるように添加した。
さらに、架橋剤としてEPOXY RESIN DY 022(商品名:ナガセケムテックス社製)を添加した。なお、架橋剤の添加量は、後述するハロゲン化銀含有感光性層中における架橋剤の量が0.09g/mとなるように調整した。
以上のようにして感光性層形成用組成物を調製した。
なお、下記式(P-1)で表されるポリマーは、特許第3305459号および特許第
3754745号を参照して合成した。
Figure 2023033708000002
(感光性層形成工程)
絶縁基材にコロナ放電処理を施した後、絶縁基材の両面に、下塗層として厚み0.1μmのゼラチン層、さらに下塗層上に光学濃度が約1.0で現像液のアルカリにより脱色する染料を含むアンチハレーション層を設けた。上記アンチハレーション層の上に、上記感光性層形成用組成物を塗布し、さらに厚み0.15μmのゼラチン層を設け、両面に感光性層が形成された絶縁基材を得た。両面に感光性層が形成された絶縁基材をフィルムAとする。形成された感光性層は、銀量6.0g/m、ゼラチン量1.0g/mであった。
(露光現像工程)
上記フィルムAの一方の面に、図2に示す実施の形態における複数の第1検知電極11、複数の第1引き出し配線13および複数の第1電極パッド14のパターンに対応したフォトマスクを配置し、フィルムAの他方の面に、複数の第2検知電極21、複数の第2引き出し配線23および複数の第2電極パッド24のパターンに対応したフォトマスクを配置し、フィルムAの両面側からそれぞれ、高圧水銀ランプを光源とした平行光を用いて露光を行った。露光後、下記の現像液で現像し、さらに定着液(商品名:CN16X用N3X-R、富士フィルム社製)を用いて現像処理を行った。さらに、純水でリンスし、乾燥することで、両面にAg線からなる導電部材とゼラチン層とが形成された絶縁基材を得た。ゼラチン層はAg線間に形成されていた。得られたフィルムをフィルムBとする。
(現像液の組成)
現像液1リットル(L)中に、以下の化合物が含まれる。
ハイドロキノン 0.037mol/L
N-メチルアミノフェノール 0.016mol/L
メタホウ酸ナトリウム 0.140mol/L
水酸化ナトリウム 0.360mol/L
臭化ナトリウム 0.031mol/L
メタ重亜硫酸カリウム 0.187mol/L
(ゼラチン分解処理)
フィルムBに対して、タンパク質分解酵素(ナガセケムテックス社製ビオプラーゼAL-15FG)の水溶液(タンパク質分解酵素の濃度:0.5質量%、液温:40℃)への浸漬を120秒間行った。フィルムBを水溶液から取り出し、温水(液温:50℃)に120秒間浸漬し、洗浄した。ゼラチン分解処理後のフィルムをフィルムCとする。
(低抵抗化処理)
フィルムCに対して、金属製ローラを備えたカレンダ装置を用いて、30kNの圧力でカレンダ処理を行った。このとき、線粗さRa=0.2μm、Sm=1.9μm(株式会社キーエンス製形状解析レーザ顕微鏡VK-X110にて測定(JIS-B-0601-1994))の粗面形状を有するポリエチレンテレフタレートフィルム2枚を、これらの粗面がフィルムCの表面および裏面と向き合うように共に搬送して、フィルムCの表面および裏面に粗面形状を転写形成した。カレンダ処理後、フィルムCを温度150℃の過熱蒸気槽を120秒間かけて通過させて、加熱処理を行った。加熱処理後のフィルムをフィルムDとする。このフィルムDにおいて、絶縁基材の第1面上に複数の第1検知電極、複数の第1引き出し配線および複数の第1電極パッドが形成され、絶縁基材の第2面上に複数の第2検知電極、複数の第2引き出し配線および複数の第2電極パッドが形成されていた。
(銀インクの作製)
Carey-Leaの銀ゾル調製法(M.CareyLea,Brit.J.Photog.,24巻297頁(1877)および27巻279頁(1880)参照)に準拠して、硝酸銀溶液を還元し、金属銀粒子を含む溶液を調製した。その後、得られた溶液に塩化金酸溶液を加え、銀を主成分とする銀金粒子を含む溶液を調製し、限外ろ過を行って、副生成する塩を除いた。得られた粒子の粒子サイズは、電子顕微鏡観察の結果、ほぼ10nmであった。導電性成分であるこの粒子およびラテックスを混合し、銀インクを作製した。
(シールドパターン部の形成)
フィルムDに対してインクジェット法により、図5に示すような、絶縁基材の第2面上に配置された複数の第2引き出し配線と平面視で重なる第1面上の領域R1に上記の銀インクを塗布し、さらに、図6に示すような、絶縁基材の第1面上に配置された複数の第1引き出し配線と平面視で重なる第2面上の領域R2に上記の銀インクを塗布した。次に、銀インクが塗布されたフィルムDを150℃60分加熱処理し、絶縁基材の第1面の領域R1上に板状の一対の第1シールドパターン部を形成し、絶縁基材の第2面の領域R2上に板状の第2シールドパターン部を形成した。このようにして実施例1のタッチセンサを得た。
実施例1のタッチセンサにおいて、一対の第1シールドパターン部と第2シールドパターン部はいずれも可視光に対して100.0%の遮蔽率を有している。
また、複数の第1検知電極の厚みの平均値に対する一対の第1シールドパターン部の厚みの平均値の比率と、複数の第2検知電極の厚みの平均値に対する第2シールドパターン部の厚みの比率との平均値を第1厚み比率として算出し、複数の第1引き出し配線の厚みの平均値に対する一対の第1シールドパターン部の厚みの平均値の比率と、複数の第2引き出し配線の厚みの平均値に対する第2シールドパターン部の厚みの比率との平均値を第2厚み比率として算出した。実施例1のタッチセンサにおける第1厚み比率は2.10であり、第2厚み比率は2.00であった。なお、各部の厚みの平均値の算出は、該当するパターンの任意の位置の10箇所の厚みを断面SEM(Scanning Electron Microscope:走査電子顕微鏡)法で観察および測定を行い、その10箇所の測定結果の平均値で求めた。
<実施例2>
シールドパターン部の形成の工程において、インクジェット法の代わりにスクリーン印刷法を用いる以外は実施例1と同様にして実施例2のタッチセンサを製造した。実施例2のタッチセンサにおいて、一対の第1シールドパターン部と第2シールドパターン部はいずれも可視光に対して100.0%の遮蔽率を有し、第1厚み比率は7.90であり、第2厚み比率は7.50であった。
<実施例3>
シールドパターン部の形成の工程において、インクジェット法の代わりに凸版印刷法を用いる以外は実施例1と同様にして実施例3のタッチセンサを製造した。実施例3のタッチセンサにおいて、一対の第1シールドパターン部と第2シールドパターン部はいずれも可視光に対して100.0%の遮蔽率を有し、第1厚み比率は6.10であり、第2厚み比率は5.80であった。
<実施例4>
一対の第1シールドパターン部と第2シールドパターン部を以下に示すフォトリソグラフィ法により形成した以外は実施例1と同様にして実施例4のタッチセンサを製造した。
(フォトリソグラフィ法によるシールドパターン部の形成)
実施例1のフィルムDの両面に、スピンコータを用いて感光性のレジスト液OFFR-800(東京応化社製ポジ型フォトレジスト)を塗布し、80℃10分加熱処理をしてレジスト層を形成した。次に、一対の第1シールドパターン部に対応する露光パターンを有するフォトマスクを絶縁基材の第1面側のレジスト層上に配置し、第2シールドパターン部に対応する露光パターンを有するフォトマスクを絶縁基材の第2面側のレジスト層上に配置した。
この状態で、フィルムDの両面側からそれぞれ、高圧水銀ランプを光源とした平行光を用いて露光を行った。露光後、濃度2.4重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて現像処理を行うことにより、絶縁基材の第1面上に一対の第1シールドパターン部に対応するパターンを有する第1レジスト層を形成し、絶縁基材の第2面上に第2シールドパターン部に対応するパターンを有する第2レジスト層を形成した。次に、フィルムDの両面にそれぞれ銀を蒸着した後、高圧水銀ランプを用いてフィルムDの両面の全面に露光を行い、フィルムDを重量3.5重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に浸漬して第1レジスト層と第2レジスト層を除去することにより、絶縁基材の第1面上に板状の一対の第1シールドパターン部を形成し、絶縁基材の第2面上に板状の第2シールドパターン部を形成した。
このようにして製造された実施例4のタッチセンサにおいて、一対の第1シールドパターン部と第2シールドパターン部はいずれも可視光に対して100.0%の遮蔽率を有し、第1厚み比率は6.10であり、第2厚み比率は5.80であった。
<比較例1>
一対の第1シールドパターン部と第2シールドパターン部を、露光現像工程において、複数の第1検知電極、複数の第1引き出し配線、複数の第1電極パッド、複数の第2検知電極、複数の第2引き出し配線および複数の第2電極パッドと同時に形成する以外は実施例1と同様にして比較例1のタッチセンサを製造した。比較例1のタッチセンサにおいて、一対の第1シールドパターン部と第2シールドパターン部はいずれも可視光に対して100.0%の遮蔽率を有し、第1厚み比率は1.05であり、第2厚み比率は1.01であった。
<実施例5>
一対の第1シールドパターン部と第2シールドパターン部を、可視光に対して50.0%の遮蔽率を有する、図3に示すようなメッシュ形状のパターンMPを有するように形成する以外は、実施例1と同様にして実施例5のタッチセンサを製造した。実施例5のタッチセンサにおいて、第1厚み比率は2.10であり、第2厚み比率は2.00であった。
<実施例6>
一対の第1シールドパターン部と第2シールドパターン部を、可視光に対して50.0%の遮蔽率を有する、図3に示すようなメッシュ形状のパターンMPを有するように形成する以外は、実施例2と同様にして実施例6のタッチセンサを製造した。実施例6のタッチセンサにおいて、第1厚み比率は7.90であり、第2厚み比率は7.50であった。
<実施例7>
一対の第1シールドパターン部と第2シールドパターン部を、可視光に対して50.0%の遮蔽率を有する、図3に示すようなメッシュ形状のパターンMPを有するように形成する以外は、実施例3と同様にして実施例7のタッチセンサを製造した。実施例7のタッチセンサにおいて、第1厚み比率は6.10であり、第2厚み比率は5.80であった。
<実施例8>
一対の第1シールドパターン部と第2シールドパターン部を、可視光に対して50.0%の遮蔽率を有する、図3に示すようなメッシュ形状のパターンMPを有するように形成する以外は、実施例4と同様にして実施例8のタッチセンサを製造した。実施例8のタッチセンサにおいて、第1厚み比率は5.50であり、第2厚み比率は5.20であった。
<比較例2>
一対の第1シールドパターン部と第2シールドパターン部を、可視光に対して50.0%の遮蔽率を有する、図3に示すようなメッシュ形状のパターンMPを有するように形成する以外は、比較例1と同様にして比較例2のタッチセンサを製造した。比較例2のタッチセンサにおいて、第1厚み比率は1.05であり、第2厚み比率は1.01であった。
<実施例9>
一対の第1シールドパターン部と第2シールドパターン部を、可視光に対して0.6%の遮蔽率を有する、図3に示すようなメッシュ形状のパターンMPを有するように形成する以外は、実施例1と同様にして実施例9のタッチセンサを製造した。実施例9のタッチセンサにおいて、第1厚み比率は2.10であり、第2厚み比率は2.00であった。
<実施例10>
一対の第1シールドパターン部と第2シールドパターン部を、可視光に対して0.6%の遮蔽率を有する、図3に示すようなメッシュ形状のパターンMPを有するように形成する以外は、実施例2と同様にして実施例10のタッチセンサを製造した。実施例10のタッチセンサにおいて、第1厚み比率は7.90であり、第2厚み比率は7.50であった。
<実施例11>
一対の第1シールドパターン部と第2シールドパターン部を、可視光に対して0.6%の遮蔽率を有する、図3に示すようなメッシュ形状のパターンMPを有するように形成する以外は、実施例3と同様にして実施例11のタッチセンサを製造した。実施例11のタッチセンサにおいて、第1厚み比率は6.10であり、第2厚み比率は5.80であった。
<実施例12>
一対の第1シールドパターン部と第2シールドパターン部を、可視光に対して0.6%の遮蔽率を有する、図3に示すようなメッシュ形状のパターンMPを有するように形成する以外は、実施例4と同様にして実施例12のタッチセンサを製造した。実施例12のタッチセンサにおいて、第1厚み比率は5.50であり、第2厚み比率は5.20であった。
<比較例3>
一対の第1シールドパターン部と第2シールドパターン部を、可視光に対して0.6%の遮蔽率を有する、図3に示すようなメッシュ形状のパターンMPを有するように形成する以外は、比較例1と同様にして比較例3のタッチセンサを製造した。比較例3のタッチセンサにおいて、第1厚み比率は1.05であり、第2厚み比率は1.01であった。
<実施例13>
一対の第1シールドパターン部と第2シールドパターン部を、可視光に対して0.4%の遮蔽率を有する、図3に示すようなメッシュ形状のパターンMPを有するように形成する以外は、実施例1と同様にして実施例13のタッチセンサを製造した。実施例13のタッチセンサにおいて、第1厚み比率は2.10であり、第2厚み比率は2.00であった。
<実施例14>
一対の第1シールドパターン部と第2シールドパターン部を、可視光に対して0.4%の遮蔽率を有する、図3に示すようなメッシュ形状のパターンMPを有するように形成する以外は、実施例2と同様にして実施例14のタッチセンサを製造した。実施例14のタッチセンサにおいて、第1厚み比率は7.90であり、第2厚み比率は7.50であった。
<実施例15>
一対の第1シールドパターン部と第2シールドパターン部を、可視光に対して0.4%の遮蔽率を有する、図3に示すようなメッシュ形状のパターンMPを有するように形成する以外は、実施例3と同様にして実施例15のタッチセンサを製造した。実施例15のタッチセンサにおいて、第1厚み比率は6.10であり、第2厚み比率は5.80であった。
<実施例16>
一対の第1シールドパターン部と第2シールドパターン部を、可視光に対して0.4%の遮蔽率を有する、図3に示すようなメッシュ形状のパターンMPを有するように形成する以外は、実施例4と同様にして実施例16のタッチセンサを製造した。実施例16のタッチセンサにおいて、第1厚み比率は5.50であり、第2厚み比率は5.20であった。
<比較例4>
一対の第1シールドパターン部と第2シールドパターン部を、可視光に対して0.4%の遮蔽率を有する、図3に示すようなメッシュ形状のパターンMPを有するように形成する以外は、比較例1と同様にして比較例4のタッチセンサを製造した。比較例4のタッチセンサにおいて、第1厚み比率は1.05であり、第2厚み比率は1.01であった。
以上のようにして得られた実施例1~16および比較例1~4のタッチセンサに対して、以下に示す導通評価を行った。
(導通評価)
前駆体フィルムを200枚重ね合わせ、その状態で1日経過させた。その後、前駆体フィルムを1枚ずつ取り出し、第1検知電極の端部と第1電極パッドとの間の抵抗値、および、第2検知電極の端部と第2電極パッドとの間の抵抗値を測定した。この際に、抵抗値が測定できない(オーバーロード)箇所が1つでも存在するタッチセンサを導通不良のタッチセンサと判定し、200枚のすべてのタッチセンサに対する導通不良のタッチセンサの数の割合を不良品発生率として算出した。この際に、不良品発生率が3.0%未満の場合に優れた製造効率が得られたと判定し、不良品発生率が3.0%以上の場合に十分な製造効率が得られなかったと判定した。
以下の表1に、実施例1~16および比較例1~4に対する導通評価の結果を示す。
なお、表1において、「シールドパターン部の形成時期」は、一対の第1シールドパターン部と第2シールドパターン部がいつ形成されたかを表し、「シールドパターン部の形成方法」は、一対の第1シールドパターン部と第2シールドパターン部の形成方法を表し、「シールドパターン部の遮蔽率」は、一対の第1シールドパターン部と第2シールドパターン部の可視光に対する遮蔽率を表す。
また、「シールドパターン部の形成時期」が「露光現像工程の後」とは、露光現像工程で複数の第1検知電極、複数の第1引き出し配線、複数の第1電極パッド、複数の第2検知電極、複数の第2引き出し配線および複数の第2電極パッドが形成された後に一対の第1シールドパターン部と第2シールドパターン部が形成されることを表す。また、「シールドパターン部の形成時期」が「露光現像工程中」とは、露光現像工程で複数の第1検知電極、複数の第1引き出し配線、複数の第1電極パッド、複数の第2検知電極、複数の第2引き出し配線および複数の第2電極パッドと同時に一対の第1シールドパターン部と第2シールドパターン部が形成されることを表す。
Figure 2023033708000003
表1に示すように、実施例1~16は、不良品発生率がいずれも3.0%未満であり、優れた製造効率が得られた。これは、実施例1~16では第1厚み比率と第2厚み比率がいずれも2.00以上であるため、複数のタッチセンサが重ね合わされた場合に複数のタッチセンサ間の複数の第1検知電極上および複数の第2検知電極上に十分な隙間が形成されて、タッチセンサにおける帯電が抑制され、スパークによる断線等の故障が抑制されたためと考えられる。また、これらの結果から、一対の第1シールドパターン部および第2シールドパターン部が、複数の第1検知電極、複数の第1引き出し配線、複数の第1電極パッド、複数の第2検知電極、複数の第2引き出し配線および複数の第2電極パッドの厚みの2倍以上の厚みを有していれば、その形成方法に関わらず、優れた製造効率が得られることが分かる。
一方、比較例1~4は、不良品発生率がそれぞれ16.5%、14.9%、12.7%、12.7%と高く、十分な製造効率が得られなかった。比較例1~4では第1厚み比率と第2厚み比率がいずれも約1であり、一対の第1シールドパターン部および第2シールドパターン部が、複数の第1検知電極、複数の第1引き出し配線、複数の第1電極パッド、複数の第2検知電極、複数の第2引き出し配線および複数の第2電極パッドの厚みと概ね等しい厚みを有しているため、複数のタッチセンサが重ね合わされた場合に複数のタッチセンサ間の複数の第1検知電極上および複数の第2検知電極上に十分な隙間が形成されず、タッチセンサが帯電し、スパークによる断線等の故障が発生しやすいと考えられる。
なお、実施例9~16は、比較例1~4と比べて不良品発生率が低いものの、実施例1~8よりも不良品発生率が高い。これは、シールドパターン部の遮蔽率に起因していると推察される。シールドパターン部の遮蔽率が低いほど、複数のタッチセンサが積み重なって加重された状態でタッチセンサ間の複数の第1検知電極上および複数の第2検知電極上に隙間が形成されにくく、その分、外部接続端子にかかる面圧が上昇することにより、タッチセンサが剥離した際に生じる帯電が大きくなったと推定される。
1 タッチセンサ、2 絶縁基材、2A 第1面、2B 第2面、3A 第1導電層、3B 第2導電層、11 第1検知電極、13 第1引き出し配線、14 第1電極パッド、15 第1シールドパターン部、21 第2検知電極、23 第2引き出し配線、24 第2電極パッド、25 第2シールドパターン部、MP パターン、MW 金属細線、R1,R2 領域、T1,T2 厚み。

Claims (7)

  1. 絶縁基材と、
    前記絶縁基材の両面上にそれぞれ配置された導電層を有し、
    前記導電層は、
    複数の検知電極と、
    前記複数の検知電極のそれぞれから引き出された複数の引き出し配線と、
    前記絶縁基材の一方の面の、前記絶縁基材の他方の面上に配置された前記複数の引き出し配線に対して平面視において重なる位置に配置されたシールドパターン部を含み、
    前記シールドパターン部は、前記複数の検知電極の厚みおよび前記複数の引き出し配線の厚みに対して2倍以上の厚みを有する
    タッチセンサ。
  2. 前記複数の検知電極は、メッシュ形状を有する請求項1に記載のタッチセンサ。
  3. 前記シールドパターン部は、可視光に対して100%の遮蔽率を有する請求項1または2に記載のタッチセンサ。
  4. 前記シールドパターン部は、メッシュ形状を有し、可視光に対して0.5%以上100%未満の遮蔽率を有する請求項1または2に記載のタッチセンサ。
  5. 絶縁基材の両面上に、それぞれ、複数の検知電極と、前記複数の検知電極のそれぞれから引き出された複数の引き出し配線とを同時に形成し、
    絶縁基材の両面上の、それぞれ前記絶縁基材の反対側の面上に配置された前記複数の引き出し配線に対して平面視において重なる位置に、前記複数の検知電極の厚みおよび前記複数の引き出し配線の厚みに対して2倍以上の厚みを有するシールドパターン部を形成する
    タッチセンサの製造方法。
  6. 前記複数の検知電極および前記複数の引き出し配線の形成方法と前記シールドパターン部の形成方法とは、互いに異なる請求項5に記載のタッチセンサの製造方法。
  7. 前記シールドパターン部の形成方法は、フォトリソグラフィ法、インクジェット法、スクリーン印刷法および凸版印刷法のいずれかである請求項5または6に記載のタッチセンサの製造方法。
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