JP2023032450A - 光学積層体 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023032450000001
【課題】帯電防止層を有する剥離フィルムが偏光板に積層された光学積層体であって、検品性に優れた光学積層体を提供する。
【解決手段】光学積層体は、直線偏光層を含む偏光板、第1粘着剤層、及び、第1粘着剤層に対して剥離可能である剥離フィルムがこの順に積層されている。剥離フィルムは、第1粘着剤層側から順に、離型処理層、第1基材フィルム、及び、帯電防止剤を含む第1帯電防止層を有する。剥離フィルムの波長550nmにおける平均の面内位相差値は、1000nm以上である。剥離フィルムの波長550nmにおける面内位相差値の最大値と最小値との差は、150nm以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学積層体に関する。
直線偏光層を含む偏光板は、液晶表示装置や有機EL表示装置等の表示装置を構成する光学部品の一つとして用いられている。偏光板を表示装置に組み入れる場合、通常、偏光板は粘着剤層を介して表示パネル等の画像表示素子に貼合される。表示装置に偏光板を組み入れる作業を行いやすくするために、あらかじめ偏光板に粘着剤層及びこの粘着剤層に対して剥離可能な剥離フィルムを積層しておくことが知られている。粘着剤層及び剥離フィルムが積層された偏光板から剥離フィルムを剥離し、露出した粘着剤層を画像表示素子に貼合すれば、表示装置に偏光板を組み入れることができる。
特許文献1には、光学部材や電子部材等に剛性や耐衝撃性を付与するための補強用フィルムの表面の傷付き防止のために、表面保護フィルムを用いることが開示されている。偏光板においても、加工、組立、検査、輸送等によって表面に傷等が生じることを抑制するために、偏光板の表面に、偏光板に対して剥離可能な表面保護フィルムを貼合することが知られている。
剥離フィルム及び表面保護フィルムとして、樹脂フィルムを延伸した延伸フィルムを用いることがある。延伸フィルムは面内位相差を有する。そのため、延伸フィルムの遅相軸と直線偏光層の吸収軸とが平行又は直交するように延伸フィルムと偏光板とを積層することにより、この積層物を用いたクロスニコルでの光の透過観察によって偏光板を検品することができる。
偏光板と延伸フィルムとの積層物は、これを複数枚重ね合わせた重畳体の状態で保管等がなされるため、偏光板の検品にあたっては積層物の重畳体から1枚ずつ積層物を取り出す。このとき、静電気の影響により2枚以上の積層物が同時に取り出されてしまう、いわゆる多重取りが発生することがあった。このような多重取りを抑制するために、表面に帯電防止層が形成された樹脂フィルムを用いることにより、静電気を抑制することが考えられる。
特開2020-116762号公報
しかしながら、帯電防止層を備えた延伸フィルムは面内位相差にムラが生じることがある。このような延伸フィルムを偏光板に積層した積層物を用いたクロスニコルでの光の透過観察では、偏光板の検品が行いにくくなる。
本発明は、帯電防止層を有する剥離フィルム及び帯電防止層を有する表面保護フィルムのうちの少なくとも一方が偏光板に積層された光学積層体であって、検品性に優れた光学積層体の提供を目的とする。
本発明は、以下の光学積層体を提供する。
〔1〕 直線偏光層を含む偏光板、第1粘着剤層、及び、前記第1粘着剤層に対して剥離可能である剥離フィルムがこの順に積層された光学積層体であって、
前記剥離フィルムは、前記第1粘着剤層側から順に、離型処理層、第1基材フィルム、及び、帯電防止剤を含む第1帯電防止層を有し、
前記剥離フィルムの波長550nmにおける平均の面内位相差値は、1000nm以上であり、
前記剥離フィルムの波長550nmにおける面内位相差値の最大値と最小値との差は、150nm以下である、光学積層体。
〔2〕 さらに、前記偏光板の前記第1粘着剤層側とは反対側に、前記偏光板に対して剥離可能である表面保護フィルムを有し、
前記表面保護フィルムは、前記偏光板側から順に、第2基材フィルム、及び、帯電防止剤を含む第2帯電防止層を有する、〔1〕に記載の光学積層体。
〔3〕 前記表面保護フィルムの波長550nmにおける平均の面内位相差値は、1000nm以上であり、
前記表面保護フィルムの波長550nmにおける面内位相差値の最大値と最小値との差は、150nm以下である、〔2〕に記載の光学積層体。
〔4〕 第1粘着剤層、直線偏光層を含む偏光板、及び、前記偏光板に対して剥離可能である表面保護フィルムがこの順に積層された光学積層体であって、
前記表面保護フィルムは、前記偏光板側から順に、第2基材フィルム、及び、帯電防止剤を含む第2帯電防止層を有し、
前記表面保護フィルムの波長550nmにおける平均の面内位相差値は、1000nm以上であり、
前記表面保護フィルムの波長550nmにおける面内位相差値の最大値と最小値との差は、150nm以下である、光学積層体。
〔5〕 前記表面保護フィルムは、さらに、前記第2基材フィルムの前記偏光板側に第2粘着剤層を有する、〔2〕~〔4〕のいずれかに記載の光学積層体。
〔6〕 さらに、前記第1粘着剤層の前記偏光板側とは反対側に、前記第1粘着剤層に対して剥離可能である剥離フィルムを有し、
前記剥離フィルムは、前記第1粘着剤層側から順に、離型処理層、第1基材フィルム、及び、帯電防止剤を含む第1帯電防止層を有する、〔4〕又は〔5〕に記載の光学積層体。
〔7〕 さらに、前記第1粘着剤層の前記偏光板側とは反対側に、前記第1粘着剤層に対して剥離可能である剥離フィルムを有し、
前記剥離フィルムは、前記第1粘着剤層側から順に、離型処理層、第1基材フィルム、及び、帯電防止剤を含む第1帯電防止層を有し、
前記剥離フィルムの温度23℃、相対湿度55%RHにおける表面抵抗値は、1.0×10Ω/□以上5.0×1014Ω/□以下である、〔1〕~〔6〕に記載の光学積層体。
〔8〕 さらに、前記偏光板の前記第1粘着剤層側とは反対側に、前記偏光板に対して剥離可能である表面保護フィルムを有し、
前記表面保護フィルムは、前記偏光板側から順に、第2基材フィルム、及び、帯電防止剤を含む第2帯電防止層を有し、
前記表面保護フィルムの温度23℃、相対湿度55%RHにおける表面抵抗値は、1.0×10Ω/□以上1.0×1011Ω/□以下である、〔1〕~〔7〕のいずれかに記載の光学積層体。
〔9〕 前記偏光板は、前記直線偏光層の片面又は両面に保護層を有する、〔1〕~〔8〕のいずれかに記載の光学積層体。
〔10〕 直線偏光層を含む偏光板、第1粘着剤層、及び、前記第1粘着剤層に対して剥離可能である剥離フィルムをこの順に有する光学積層体の製造方法であって、
前記剥離フィルムは、前記第1粘着剤層側から順に、離型処理層、第1基材フィルム、及び、帯電防止剤を含む第1帯電防止層を有し、
前記剥離フィルムの波長550nmにおける平均の面内位相差値は、1000nm以上であり、
前記第1基材フィルムに、前記帯電防止剤を含む塗工液を塗布して第1塗工層を形成する工程と、
前記第1塗工層を温度60℃以下で乾燥して前記第1帯電防止層を形成する工程と、を含む、光学積層体の製造方法。
〔11〕 第1粘着剤層、直線偏光層を含む偏光板、及び、前記偏光板に対して剥離可能である表面保護フィルムがこの順に積層された光学積層体の製造方法であって、
前記表面保護フィルムは、前記偏光板側から順に、第2基材フィルム、及び、帯電防止剤を含む第2帯電防止層を有し、
前記表面保護フィルムの波長550nmにおける平均の面内位相差値は、1000nm以上であり、
前記第2基材フィルムに、前記帯電防止剤を含む塗工液を塗布して第2塗工層を形成する工程と、
前記第2塗工層を温度60℃以下で乾燥して前記第2帯電防止層を形成する工程と、を含む、光学積層体の製造方法。
本発明によれば、帯電防止層を有する剥離フィルム及び帯電防止層を有する表面保護フィルムのうちの少なくとも一方が偏光板に積層された光学積層体であっても、優れた検品性を有することができる。
本発明の一実施形態に係る光学積層体を模式的に示す断面図である。 図1に示す光学積層体のクロスニコルでの検品方法の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の他の一実施形態に係る光学積層体を模式的に示す断面図である。 図3に示す光学積層体のクロスニコルでの検品方法の一例を模式的に示す断面図である。
以下、図面を参照して本発明の光学積層体の実施形態について説明する。以下に示す各実施形態は任意に組み合わせてもよい。各実施形態及び各図面において、先に説明した部材と同一の又は相当する部材には、同一の又は対応する参照符号を付し、その説明を繰り返さない場合がある。
〔実施形態1〕
(光学積層体1)
図1は、本発明の一実施形態に係る光学積層体を模式的に示す断面図である。図2は、図1に示す光学積層体のクロスニコルでの検品方法の一例を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、光学積層体1は、直線偏光層を含む偏光板10、第1粘着剤層11、及び、第1粘着剤層11に対して剥離可能である剥離フィルム20がこの順に積層されている。図1に示す光学積層体1では、偏光板10と第1粘着剤層11とが直接接し、第1粘着剤層11と剥離フィルム20とが直接接している。
光学積層体1は、さらに、偏光板10の第1粘着剤層11側とは反対側に、偏光板10に対して剥離可能である表面保護フィルム30を有していてもよい。
光学積層体1の偏光板10は、表示装置に組み入れて用いることができる。表示装置に偏光板10を組み込む際には、光学積層体1から剥離フィルム20を剥離し、露出した第1粘着剤層11を表示装置の画像表示素子に貼合した後、表面保護フィルム30を剥離すればよい。表示装置としては、例えば液晶表示装置及び有機EL表示装置等が挙げられ、画像表示素子としては、例えば液晶表示素子及び有機EL表示素子等が挙げられる。
(偏光板)
光学積層体1は、偏光板10を有する。偏光板10は、少なくとも直線偏光層を含んでいればよく、直線偏光層以外の層を含んでいてもよい。偏光板10は、例えば、直線偏光層の片面又は両面に保護層を有していてもよく、保護層の表面に表面機能層を有していてもよい。偏光板10が保護層を有する場合、直線偏光層に保護層が直接接するように積層されていてもよく、直線偏光層と保護層とが貼合層を介して積層されていてもよい。貼合層は、粘着剤層又は接着剤層である。各層の詳細は後述する。
(第1粘着剤層)
光学積層体1は、第1粘着剤層11を有する。第1粘着剤層11は、偏光板10を画像表示素子等に貼合するための粘着剤層として用いることができる。第1粘着剤層11は、偏光板10に直接接するように積層されることが好ましい。第1粘着剤層11の詳細は後述する。
(剥離フィルム20)
光学積層体1は、剥離フィルム20を有する。剥離フィルム20は、第1粘着剤層11を被覆保護するためのものであり、光学積層体1では、第1粘着剤層11に対して剥離可能に積層されている。剥離フィルム20は、後述する大きさの面内位相差値を有し、光学積層体1において、剥離フィルム20の遅相軸と直線偏光層の吸収軸とは実質的に平行である又は実質的に直交する。ここで、実質的に平行であるとは、剥離フィルム20の遅相軸と直線偏光層の吸収軸とのなす角度が0°±10°以内であることをいい、当該角度は、好ましくは0°±5°以内であり、より好ましくは0°である。実質的に直交するとは、剥離フィルム20の遅相軸と直線偏光層の吸収軸とのなす角度が90°±10°以内であることをいい、当該角度は、好ましくは90°±5°以内であり、より好ましくは90°である。
剥離フィルム20は、図1に示すように、光学積層体1の第1粘着剤層11側から順に、離型処理層22、第1基材フィルム21、及び、帯電防止剤を含む第1帯電防止層23を有する。離型処理層22と第1基材フィルム21とは直接接していることが好ましい。第1基材フィルム21と第1帯電防止層23とは直接接していることが好ましい。各層の詳細は後述する。
剥離フィルム20の波長550nmにおける平均の面内位相差値ReA1は1000nm以上である。上記平均の面内位相差値ReA1は、1500nm以上であってもよく、1800nm以上であってもよく、2000nm以上であってもよい。上記平均の面内位相差値ReA1は、通常5000nm以下であり、4000nm以下であってもよく、3000nm以下であってもよい。
剥離フィルム20の上記平均の面内位相差値ReA1は、例えば、第1基材フィルム21の面内位相差値によって調整することができる。第1基材フィルム21の面内位相差値は、例えば、第1基材フィルム21を構成する樹脂の種類、延伸倍率等によって調整することができる。上記平均の面内位相差値ReA1は、後述する実施例に記載の方法によって決定することができる。
剥離フィルム20の波長550nmにおける面内位相差値の最大値をRema1とし、剥離フィルム20の波長550nmにおける面内位相差値の最小値をRemi1とするとき、両者の差ΔRe1(=Rema1-Remi1)は、150nm以下である。差ΔRe1は、130nm以下であってもよく、110nm以下であってもよく、100nm以下であってもよく、80nm以下であってもよく、60nm以下であってもよい。差ΔRe1は、通常5nm以上であり、10nm以上であってもよく、20nm以上であってもよい。
剥離フィルム20の上記差ΔRe1は、第1基材フィルム21上での第1帯電防止層23の形成方法等によって調整することができる。例えば後述するように、第1基材フィルム21上に帯電防止剤を含む塗工液を塗布して形成した塗布層を乾燥する温度等によって調整することができる。上記差ΔRe1は、後述する実施例に記載の方法によって決定することができる。
光学積層体1に含まれる剥離フィルム20は、複数枚の光学積層体1を重畳した重畳体から1枚ずつ光学積層体1を取り出す場合に2枚以上の光学積層体1が同時に取り出される多重取り等を抑制するために、第1帯電防止層23を有する。帯電防止層を有する剥離フィルムでは、剥離フィルムの面内位相差値が面内において均一にならず、ばらつくことがある。偏光板10の検品は、光学積層体1を用いたクロスニコルでの光の透過観察によって行われることがある。この場合、剥離フィルムの面内において面内位相差値のばらつきが大きくなると、偏光板と剥離フィルムとを含む光学積層体を用いたクロスニコルでの光の透過観察において位相差のムラが視認され、欠陥等に対する偏光板の検品を適切に行いにくくなる。この現象は特に、図2に示すように、クロスニコルとなるように配置した検査用の偏光板60の直線偏光層と光学積層体1の直線偏光層との間に、光学積層体1の剥離フィルム20が配置される場合に顕著となりやすい。図2中の矢印は、偏光板10の検品にあたり、光源61からの光を観察する方向を示す。
これに対し、光学積層体1では、第1帯電防止層23を有していても、剥離フィルム20の上記差ΔRe1が上記の範囲内にあるため、面内位相差値の変動量が小さく、光学積層体1を用いたクロスニコルでの光の透過観察において位相差のムラが視認されにくい。それゆえ、光学積層体1を用いたクロスニコルでの光の透過観察によって偏光板10の検品を行うことができるため、光学積層体1は検品性に優れる。
剥離フィルム20の温度23℃、相対湿度55%RHにおける表面抵抗値は、1.0×10Ω/□以上5.0×1014Ω/□以下であることが好ましい。剥離フィルム20の上記表面抵抗値は、1.0×10Ω/□以上であってもよく、1.0×1010Ω/□以上であってもよく、また、1.0×1014Ω/□以下であってもよく、5.0×1013Ω/□以下であってもよく、1.0×1013Ω/□以下であってもよい。
剥離フィルム20の上記表面抵抗値は、例えば、第1帯電防止層23に含まれる帯電防止剤の種類、量等によって調整することができる。一般に、第1帯電防止層23に含まれる帯電防止剤の量が多いほど、第1帯電防止層23の導電性が向上するため、剥離フィルム20の表面抵抗値が小さくなる傾向にある。剥離フィルム20の上記表面抵抗値は、剥離フィルム20の第1帯電防止層23側の表面抵抗値であり、後述する実施例に記載の方法によって測定することができる。
剥離フィルム20の上記表面抵抗値が上記の範囲内であることにより、複数枚の光学積層体1を重畳した重畳体から1枚ずつ光学積層体1を取り出す場合にも、2枚以上の光学積層体1が同時に取り出される多重取りを抑制することができる。
(表面保護フィルム30)
光学積層体1は、表面保護フィルム30を有していてもよい。表面保護フィルム30は、偏光板10の表面を被覆保護するために用いられる。光学積層体1では、偏光板10の表面に対して剥離可能に貼合される。
表面保護フィルム30は、後述する大きさの面内位相差値を有していてもよい。表面保護フィルム30が面内位相差を有する場合、光学積層体1において、表面保護フィルム30の遅相軸と直線偏光層の吸収軸とが実質的に平行である又は実質的に直交することが好ましい。ここで、実質的に平行であるとは、表面保護フィルム30の遅相軸と直線偏光層の吸収軸とのなす角度が0°±10°以内であることをいい、当該角度は、好ましくは0°±5°以内であり、より好ましくは0°である。実質的に直交するとは、表面保護フィルム30の遅相軸と直線偏光層の吸収軸とのなす角度が90°±10°以内であることをいい、当該角度は、好ましくは90°±5°以内であり、より好ましくは90°である。
表面保護フィルム30は、光学積層体1の偏光板10側から順に、第2基材フィルム31、及び、帯電防止剤を含む第2帯電防止層33を有する。表面保護フィルム30は、図1に示すようにさらに、光学積層体1の偏光板10側に第2粘着剤層32を有し、第2粘着剤層32が偏光板10に対して剥離可能になっていてもよい。第2粘着剤層32と第2基材フィルム31とは直接接していることが好ましい。図1では、表面保護フィルム30が第2粘着剤層32を有する場合について示しているが、第2基材フィルム31が自己粘着性を有する場合は、表面保護フィルム30は第2粘着剤層32を有していなくてもよい。第2基材フィルム31が自己粘着性を有する場合、光学積層体1において、第2基材フィルム31と偏光板10とは直接接していることが好ましい。
表面保護フィルム30は、さらに、第2基材フィルム31の第2粘着剤層32側とは反対側に、帯電防止剤を含む第2帯電防止層33を有していてもよい。第2基材フィルム31と第2帯電防止層33とは直接接していることが好ましい。各層の詳細は後述する。
表面保護フィルム30の波長550nmにおける平均の面内位相差値ReA2は1000nm以上であってもよい。上記平均の面内位相差値ReA2は、1500nm以上であってもよく、1800nm以上であってもよく、2000nm以上であってもよい。上記平均の面内位相差値ReA2は、通常5000nm以下であり、4000nm以下であってもよく、3000nm以下であってもよい。
表面保護フィルム30の上記平均の面内位相差値ReA2は、例えば、第2基材フィルム31の面内位相差値によって調整することができる。第2基材フィルム31の面内位相差値は、例えば、第2基材フィルム31を構成する樹脂の種類、延伸倍率等によって調整することができる。上記平均の面内位相差値ReA2は、後述する実施例に記載の剥離フィルムの平均の面内位相差値ReA1を決定する方法に準じて決定することができる。
表面保護フィルム30の波長550nmにおける面内位相差値の最大値をRema2とし、表面保護フィルム30の波長550nmにおける面内位相差値の最小値をRemi2とするとき、両者の差ΔRe2(=Rema2-Remi2)は、150nm以下であってもよい。差ΔRe2は、130nm以下であってもよく、110nm以下であってもよく、100nm以下であってもよく、80nm以下であってもよく、60nm以下であってもよい。差ΔRe2は、通常5nm以上であり、10nm以上であってもよい。上記差ΔRe2は、150nmを超えていてもよい。
表面保護フィルム30の上記差ΔRe2は、第2基材フィルム31上での第2帯電防止層33の形成方法等によって調整することができる。例えば後述するように、第2帯電防止層33を形成するために第2基材フィルム31上に塗布形成した塗布層の乾燥条件等によって調整することができる。上記差ΔRe2は、後述する実施例に記載の剥離フィルムについての差ΔRe1を決定する方法に準じて決定することができる。
光学積層体1に含まれる表面保護フィルム30は、複数枚の光学積層体1を重畳した重畳体から光学積層体1を取り出す際の多重取り等を抑制するために、第2帯電防止層33を有する。帯電防止層を有する表面保護フィルムでは、表面保護フィルムの面内位相差値が面内において均一にならず、ばらつくことがある。偏光板10の検品にあたり、表面保護フィルムの面内において面内位相差値のばらつきが大きくなると、光学積層体を用いたクロスニコルでの光の透過観察において位相差のムラが視認され、欠陥等に対する偏光板の検品を適切に行いにくくなることがある。この現象は特に、クロスニコルとなるように配置した検査用の偏光板の直線偏光層と光学積層体1の直線偏光層との間に、光学積層体1の表面保護フィルム30が配置された場合に顕著になりやすい。
これに対し、光学積層体1は、第2帯電防止層33を有していても、表面保護フィルム30の上記差ΔRe2が150nm以下であれば、面内位相差値の変動量が小さく、光学積層体1を用いたクロスニコルでの光の透過観察において位相差のムラが視認されにくい。これにより、光学積層体1の剥離フィルム20及び表面保護フィルム30のいずれを、検査用の偏光板の直線偏光層と光学積層体1の直線偏光層との間に配置した場合であっても、光学積層体1を用いたクロスニコルでの光の透過観察によって、偏光板10の検品を行うことができるため、より一層検品性に優れた光学積層体1を提供することができる。
表面保護フィルム30の温度23℃、相対湿度55%RHにおける表面抵抗値は、1.0×10Ω/□以上1.0×1011Ω/□以下であることが好ましい。表面保護フィルム30の上記表面抵抗値は、5.0×10Ω/□以上であってもよく、1.0×10Ω/□以上であってもよく、また、5.0×1010Ω/□以下であってもよく、1.0×1010Ω/□以下であってもよく、5.0×10Ω/□以下であってもよい。
表面保護フィルム30の上記表面抵抗値は、例えば、第2帯電防止層33に含まれる帯電防止剤の種類、量等によって調整することができる。一般に、第2帯電防止層33に含まれる帯電防止剤の量が多いほど、第2帯電防止層33の導電性が向上するため、表面保護フィルム30の表面抵抗値が小さくなる傾向にある。表面保護フィルム30の上記表面抵抗値は、表面保護フィルム30の第2帯電防止層33側の表面抵抗値であり、後述する実施例に記載の方法によって測定することができる。
表面保護フィルム30の上記表面抵抗値が上記の範囲内であることにより、複数枚の光学積層体1を重畳した重畳体から1枚ずつ光学積層体1を取り出す場合にも、2枚以上の光学積層体1が同時に取り出される多重取りをより一層抑制しやすくなる。
表面保護フィルム30の温度23℃、相対湿度55%における偏光板10に対する剥離力は、0.01N/25mm以上であることが好ましく、0.03N/25mm以上であってもよく、0.08N/25mm以上であってもよく、また、0.5N/25mm以下であることが好ましく、0.4N/25mm以下であってもよく、0.3N/25mm以下であってもよい。
上記剥離力は、次の手順で測定することができる。表面保護フィルムを含む光学積層体1を150mm×25mmの矩形に裁断したものから剥離フィルム20を剥離し、第1粘着剤層11により無アルカリガラス基板(厚さ0.7mm、コーニング社製「Eagle XG」)に貼合して試験片とする。この試験片を内部温度50℃、内部圧力490.3kPa(ゲージ圧)のオートクレーブ中に20分間投入して加熱加圧環境下に曝した後、温度23℃、相対湿度55%RHの雰囲気下に24時間保管して評価用サンプルとする。この評価用サンプルについて、JIS K6854-2:1999「接着剤-剥離接着強さ試験方法-第2部:180°剥離」に準拠して、剥離装置(島津製作所社製「オートグラフAGS-50NX」)を用い、表面保護フィルムを移動速度300mm/分にて180°剥離する剥離試験を行って剥離力を測定する。
(光学積層体1の製造方法)
光学積層体1は、上記した光学積層体1の層構造となるように、各層を積層することによって製造することができる。例えば、光学積層体1は、偏光板10、第1粘着剤層11、剥離フィルム20、及び、必要に応じて表面保護フィルム30を積層することによって製造することができる。光学積層体1は、例えば、剥離フィルム20の離型処理層22側に第1粘着剤層11を積層した積層体に、偏光板10、又は、表面保護フィルム30と偏光板10とを積層した積層体を積層することによって得てもよい。あるいは、光学積層体1は、第1基材フィルム21及び離型処理層22の積層体と偏光板10とを、第1粘着剤層11を介して積層した後に、第1基材フィルム21の離型処理層22側とは反対側に第1帯電防止層23を形成することによって得てもよい。
光学積層体1の製造方法では、第1基材フィルム21に、帯電防止剤を含む塗工液を塗布して第1塗工層を形成する工程と、第1塗工層を乾燥して、剥離フィルム20の第1帯電防止層23を形成する工程とを含むことが好ましい。第1基材フィルム21に塗工液を塗布することにより、第1基材フィルム21上に帯電防止剤を均一に配置しやすくなる。塗工液は、後述する帯電防止剤と、水又は有機溶剤等の溶剤とを含むことが好ましい。
第1塗工層を形成する第1基材フィルム21には、離型処理層22が形成されていてもよい。あるいは、第1帯電防止層23が形成された第1基材フィルム21に、離型処理層22を形成してもよい。上記したように、第1塗工層を形成する第1基材フィルム21には、離型処理層22、第1粘着剤層11、及び偏光板10が積層されていてもよい。
剥離フィルムの面内位相差のばらつきを低減し、上記した差ΔRe1の範囲内とする観点から、塗工液を塗布して形成した第1塗工層を乾燥する際の温度は、60℃以下であることが好ましく、50℃以下であってもよく、40℃以下であってもよく、通常5℃以上であり、10℃以上であることが好ましく、15℃以上であることがより好ましい。第1塗工層の乾燥時間は、乾燥温度、塗工層に含まれる溶剤の量及び種類等に応じて設定すればよく、例えば1分以上とすることができ、5分以上であってもよく、10分以上であってもよく、通常100分以下であり、60分以下であってもよく、30分以下であってもよい。
上記したように、剥離フィルム20は、波長550nmにおける平均の面内位相差値ReA1が1000nm以上である。このような剥離フィルム20では、通常、第1基材フィルム21は高度に延伸された延伸フィルムであるため、第1帯電防止層23を形成するために、第1塗工層を加熱乾燥すると、第1基材フィルム21の延伸緩和により位相差にムラが生じると考えられる。本実施形態の光学積層体1の製造方法では、第1帯電防止層23を形成する際に、第1塗工層の乾燥温度を60℃以下に設定しているため、第1基材フィルム21の延伸緩和を抑制することができ、剥離フィルム20の上記した差ΔRe1を例えば上記した150nm以下のように小さくすることができると推測される。
光学積層体1の製造方法では、第2基材フィルム31に、帯電防止剤を含む塗工液を塗布して第2塗工層を形成する工程と、第2塗工層を乾燥して、表面保護フィルム30の第2帯電防止層33を形成する工程とを含んでいてもよい。第2基材フィルム31に塗工液を塗布することにより、第2基材フィルム31上に帯電防止剤を均一に配置しやすくなる。塗工液は、後述する帯電防止剤と、水又は有機溶剤等の溶剤とを含むことができる。
第2塗工層を形成する第2基材フィルム31には、第2粘着剤層32が形成されていてもよい。あるいは、第2帯電防止層33が形成された第2基材フィルム31に、第2粘着剤層32を形成してもよい。第2塗工層を形成する第2基材フィルム31は、偏光板10が積層されていてもよく、第2基材フィルム31側から順に第2粘着剤層及び偏光板10が積層されていてもよい。
特に、表面保護フィルム30の面内位相差のばらつきを低減し、上記したΔRe2を150nm以下とする観点から、塗工液を塗布して乾燥する際の温度は、60℃以下であることが好ましく、50℃以下であってもよく、40℃以下であってもよく、通常5℃以上であり、10℃以上であることが好ましく、15℃以上であることがより好ましい。第2塗工層の乾燥時間は、乾燥温度、塗工層に含まれる溶剤の量及び種類等に応じて設定すればよく、例えば1分以上とすることができ、5分以上であってもよく、10分以上であってもよく、通常100分以下であり、60分以下であってもよく、30分以下であってもよい。
表面保護フィルム30の波長550nmにおける平均の面内位相差値ReA2が1000nm以上である場合、通常、第2基材フィルム31は高度に延伸された延伸フィルムである。そのため、第2帯電防止層33を形成するために、第2塗工層を加熱乾燥すると、第2基材フィルム31の延伸緩和により位相差にムラが生じると考えられる。本実施形態の光学積層体1の製造方法では、第2帯電防止層33を形成する際に、第2塗工層の乾燥温度を60℃以下に設定しているため、第2基材フィルム31の延伸緩和を抑制することができ、表面保護フィルム30の上記した差ΔRe2を例えば150nm以下のように小さくすることができると推測される。
〔実施形態2〕
(光学積層体2)
図3は、本発明の一実施形態に係る光学積層体を模式的に示す断面図である。図4は、図3に示す光学積層体のクロスニコルでの検品方法の一例を模式的に示す断面図である。
図3に示すように、光学積層体2は、第1粘着剤層11、直線偏光層を含む偏光板10、及び、偏光板10に対して剥離可能である表面保護フィルム50がこの順に積層されている。図3に示す光学積層体2では、第1粘着剤層11と偏光板10とが直接接し、偏光板10と表面保護フィルム50とが直接接している。光学積層体2に含まれる偏光板10及び第1粘着剤層11については、上記で説明したものを用いることができる。
光学積層体2は、さらに、第1粘着剤層11の偏光板10側とは反対側に、第1粘着剤層11に対して剥離可能である剥離フィルム40を有していてもよい。光学積層体2の偏光板10は、先の実施形態で説明したように表示装置に組み入れて用いることができる。
(表面保護フィルム50)
光学積層体2は、表面保護フィルム50を有する。表面保護フィルム50は、偏光板10の表面を被覆保護するために用いられる。光学積層体2では、偏光板10の表面に対して剥離可能に貼合される。表面保護フィルム50は、後述する大きさの面内位相差値を有し、光学積層体2において、表面保護フィルム50の遅相軸と直線偏光層の吸収軸とは実質的に平行である又は実質的に直交する。実質的に平行である場合及び実質的に直交する場合の、上記遅相軸と上記吸収軸とのなす角度については、先の実施形態で説明したとおりである。
表面保護フィルム50は、光学積層体2の偏光板10側から順に、第2基材フィルム51、及び、帯電防止剤を含む第2帯電防止層53を有する。表面保護フィルム50は、図3に示すようにさらに、光学積層体1の偏光板10側に第2粘着剤層52を有し、第2粘着剤層52が偏光板10に対して剥離可能になっていてもよい。第2粘着剤層52と第2基材フィルム51とは直接接していることが好ましい。第2基材フィルム51と第2帯電防止層53とは直接接していることが好ましい。図3では、表面保護フィルム50が第2粘着剤層52を有する場合について示しているが、第2基材フィルム51が自己粘着性を有する場合は、表面保護フィルム50は第2粘着剤層52を有していなくてもよい。第2基材フィルム51が自己粘着性を有する場合、光学積層体2において、第2基材フィルム51と偏光板10とは直接接していることが好ましい。
表面保護フィルム50の波長550nmにおける平均の面内位相差値ReA2は1000nm以上である。上記平均の面内位相差値ReA2は、1500nm以上であってもよく、1800nm以上であってもよく、2000nm以上であってもよい。上記平均の面内位相差値ReA2は、通常5000nm以下であり、4000nm以下であってもよく、3000nm以下であってもよい。表面保護フィルム50の上記平均の面内位相差値ReA2は、先の実施形態で説明した方法によって調整することができ、先の実施形態で説明した方法によって決定することができる。
表面保護フィルム50の波長550nmにおける面内位相差値の最大値をRema2とし、表面保護フィルム50の波長550nmにおける面内位相差値の最小値をRemi2とするとき、両者の差ΔRe2(=Rema2-Remi2)は、150nm以下である。差ΔRe2は、130nm以下であってもよく、110nm以下であってもよく、100nm以下であってもよく、80nm以下であってもよく、60nm以下であってもよい。差ΔRe2は、通常5nm以上であり、10nm以上であってもよく、20nm以上であってもよい。表面保護フィルム50の上記差ΔRe2は、先の実施形態で説明した方法によって調整することができ、先の実施形態で説明した方法によって決定することができる。
光学積層体2に含まれる表面保護フィルム50は、多重取り等を抑制するために第2帯電防止層53を有する。帯電防止層を有する表面保護フィルムでは、表面保護フィルムの面内位相差値が面内において均一にならず、ばらつくことがある。偏光板10の検品は、光学積層体2を用いたクロスニコルでの光の透過観察によって行われることがある。この場合、表面保護フィルムの面内において面内位相差値のばらつきが大きくなると、偏光板と表面保護フィルムとを含む光学積層体を用いたクロスニコルでの光の透過観察において位相差のムラが視認され、欠陥等に対する偏光板の検品を適切に行いにくくなる。この現象は特に、図4に示すように、クロスニコルとなるように配置した検査用の偏光板60の直線偏光層と光学積層体2の直線偏光層との間に、光学積層体2の表面保護フィルム50が配置される場合に顕著となりやすい。図4中の矢印は、偏光板10の検品にあたり、光源61からの光を観察する方向を示す。
これに対し、光学積層体2では、第2帯電防止層53を有していても、表面保護フィルム50の上記差ΔRe2が上記の範囲内にあるため、面内位相差値の変動量が小さく、光学積層体2を用いたクロスニコルでの光の透過観察において位相差のムラが視認されにくい。それゆえ、光学積層体2を用いたクロスニコルでの光の透過観察によって偏光板10の検品を行うことができるため、光学積層体2は検品性に優れる。
表面保護フィルム50の温度23℃、相対湿度55%RHにおける表面抵抗値は、先の実施形態で説明した表面保護フィルムの表面抵抗値の範囲とすることができる。表面保護フィルム50の表面抵抗値を上記した範囲とすることにより、光学積層体の多重取りを抑制しやすくなる。
表面保護フィルム50の温度23℃、相対湿度55%における偏光板10に対する剥離力は、先の実施形態で説明した表面保護フィルムの範囲とすることができる。
(剥離フィルム40)
光学積層体2は、剥離フィルム40を有していてもよい。剥離フィルム40は、第1粘着剤層11を被覆保護するために用いられる。光学積層体2では、第1粘着剤層11に対して剥離可能に積層される。剥離フィルム40は、後述するように面内位相差を有していてもよい。剥離フィルム40は面内位相差を有する場合、光学積層体2において、剥離フィルム40の遅相軸と直線偏光層の吸収軸とが実質的に平行である又は実質的に直交していることが好ましい。実質的に平行する及び実質的に直交している場合の、上記遅相軸と上記吸収軸とのなす角度については、先の実施形態で説明したとおりである。
剥離フィルム40は、図3に示すように、光学積層体2の第1粘着剤層11側から順に、離型処理層42及び第1基材フィルム41を有する。離型処理層42と第1基材フィルム41とは直接接していることが好ましい。
剥離フィルム40は、さらに、第1基材フィルム41の離型処理層42側とは反対側に、帯電防止剤を含む第1帯電防止層43を有していてもよい。第1基材フィルム41と第1帯電防止層43とは直接接していることが好ましい。
剥離フィルム40の波長550nmにおける平均の面内位相差値ReA1は1000nm以上である。上記平均の面内位相差値ReA1は、1500nm以上であってもよく、1800nm以上であってもよく、2000nm以上であってもよい。上記平均の面内位相差値ReA1は、通常5000nm以下であり、4000nm以下であってもよく、3000nm以下であってもよい。剥離フィルム40の上記平均の面内位相差値ReA1は、先の実施形態で説明した方法によって調整することができ、先の実施形態で説明した方法によって決定することができる。
剥離フィルム40の波長550nmにおける面内位相差値の最大値をRema1とし、剥離フィルム40の波長550nmにおける面内位相差値の最小値をRemi1とするとき、両者の差ΔRe1(=Rema1-Remi1)は、150nm以下である。差ΔRe1は、130nm以下であってもよく、110nm以下であってもよく、100nm以下であってもよく、80nm以下であってもよく、60nm以下であってもよい。差ΔRe1は、通常5nm以上であり、10nm以上であってもよく、20nm以上であってもよい。上記差ΔRe1は、150nmを超えていてもよい。剥離フィルム40の上記差ΔRe1は、先の実施形態で説明した方法によって調整することができ、先の実施形態で説明した方法によって決定することができる。
光学積層体2に含まれる剥離フィルム40は、多重取り等を抑制するために第1帯電防止層43を有する。帯電防止層を有する剥離フィルムでは、剥離フィルムの面内位相差値が面内において均一にならず、ばらつくことがある。偏光板10の検品にあたり、検査用の偏光板の直線偏光層と光学積層体2の直線偏光層との間に形成されるクロスニコルの中に、光学積層体2の剥離フィルム40を配置することがある。この場合、剥離フィルムの面内において面内位相差値のばらつきが大きくなると、光学積層体を用いたクロスニコルでの光の透過観察において位相差のムラが視認され、欠陥等に対する偏光板の検品が適切に行いにくくなる。この現象は特に、クロスニコルとなるように配置した検査用の偏光板の直線偏光層と光学積層体2の直線偏光層との間に、光学積層体2の剥離フィルム40が配置された場合に顕著になりやすい。
これに対し、光学積層体2は、第1帯電防止層43を有していても、剥離フィルム40の上記差ΔRe1が150nm以下であれば、面内位相差値の変動量が小さく、光学積層体2を用いたクロスニコルでの光の透過観察において位相差のムラが視認されにくい。これにより、光学積層体2の表面保護フィルム50及び剥離フィルム40のいずれを、検査用の偏光板の直線偏光層と光学積層体1の直線偏光層との間に配置した場合であっても、光学積層体2を用いたクロスニコルでの光の透過観察によって偏光板10の検品を行うことができるため、より一層検品性に優れた光学積層体2を提供することができる。
剥離フィルム40の温度23℃、相対湿度55%RHにおける表面抵抗値は、先の実施形態で説明した剥離フィルムの表面抵抗値の範囲とすることができる。剥離フィルム40の表面抵抗値を上記した範囲とすることにより、光学積層体の多重取りをより一層抑制しやすくなる。
(光学積層体2の製造方法)
光学積層体2は、上記した光学積層体2の層構造となるように、各層を積層することによって製造することができる。例えば、光学積層体2は、上記した第1粘着剤層11、偏光板10、表面保護フィルム50、及び、必要に応じて剥離フィルム40を積層することによって製造することができる。光学積層体2は、表面保護フィルム50と偏光板10とを積層した積層体に、第1粘着剤層11、又は、剥離フィルム40の離型処理層42側に第1粘着剤層11を積層した積層体を積層することによって得てもよい。あるいは、光学積層体2は、第2基材フィルム51及び偏光板10を積層した積層体を得た後に、又は、第2基材フィルム51、第2粘着剤層52、及び偏光板10をこの順に積層した積層体を得た後に、第2基材フィルム51の偏光板10側とは反対側に第2帯電防止層53を形成して得てもよい。
光学積層体2の製造方法において、第2基材フィルム51に第2帯電防止層53を形成して表面保護フィルム50を形成する方法、及び、第1基材フィルム41に第1帯電防止層43を形成して剥離フィルム40を形成する方法としては、先の実施形態で説明した方法が挙げられる。各方法において、塗工液を乾燥する温度についても、面内位相差のばらつきを低減する観点から、先の実施形態で説明した範囲の温度で行うことが好ましい。
以下、上記で説明した光学積層体を構成する層等について、より詳細に説明する。
(第1基材フィルム)
剥離フィルムに含まれる第1基材フィルムは、熱可塑性樹脂から形成されたフィルムを用いることができ、通常、延伸処理が施された延伸フィルムである。第1基材フィルムを形成する熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等のポリオレフィン樹脂;シクロ系及びノルボルネン構造を有する環状ポリオレフィン樹脂(ノルボルネン系樹脂ともいう);(メタ)アクリル樹脂;ポリアリレート樹脂;ポリスチレン樹脂;ポリビニルアルコール樹脂;トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂;ポリエーテルスルホン樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリカーボネート樹脂;ナイロンや芳香族ポリアミド等のポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂等が挙げられる。第1基材フィルムは、ポリエステル樹脂フィルムであることが好ましく、延伸処理が施された延伸ポリエステル樹脂フィルムであることがより好ましい。「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルから選択される少なくとも一方を意味する。
第1基材フィルムの波長550nmにおける平均の面内位相差値は、通常1000nm以上であり、1500nm以上であってもよく、1800nm以上であってもよく、2000nm以上であってもよく、また、通常5000nm以下であり、4000nm以下であってもよく、3000nm以下であってもよい。上記平均の面内位相差値は、後述する実施例に記載の剥離フィルムの平均の面内位相差値ReA1を決定する方法に準じて決定することができる。
第1基材フィルムの厚みは、例えば5μm以上であり、10μm以上であってもよく、50μm以上であってもよく、70μm以上であってもよく、また、例えば300μm以下であり、200μm以下であってもよく、150μm以下であってもよく、120μm以下であってもよく、100μm以下であってもよい。
(離型処理層)
剥離フィルムに含まれる離型処理層は、第1基材フィルムの一方の表面に対して離型処理を施すことによって形成された層である。離型処理層は、例えば、第1基材フィルムの表面に、フッ素化合物、シリコーン化合物、長鎖アルキル系化合物、脂肪酸アミド系化合物等の公知の離型剤を含む離型剤組成物をコーティングして形成されたコーティング層である。
離型処理層の厚みは、10nm以上2000nm以下であることができるが、好ましくは10nm以上1000nm以下であり、より好ましくは10nm以上500nm以下である。
(第1帯電防止層)
剥離フィルムが含んでいてもよい第1帯電防止層は、帯電防止剤を含む。帯電防止剤としては、公知の帯電防止剤を用いることができ、例えば導電性ポリマー;金属微粒子、金属酸化物微粒子、又は金属等をコーティングした微粒子等の導電性の微粒子;電解質塩とオルガノポリシロキサンとからなるイオン導電性組成物;イオン性化合物;界面活性剤(カチオン性、アニオン性及び両性の界面活性剤);加水分解性有機珪素化合物及びその縮重合体のうちの少なくとも一方等が挙げられる。第1帯電防止層は、上記した帯電防止剤のうちの1種又は2種以上を含むことができる。帯電防止層が帯電防止剤を含むことにより、帯電防止層の電気抵抗が低下するので、剥離フィルム、ひいては光学積層体に帯電防止性能を付与することができる。
導電性ポリマーとしては、ポリアセチレン、パラ位もしくはメタ位で結合したポリフェニレン、2価の基を介してフェニル基が繋がった高分子(例えば、-CH=CH-を介してフェニル基が繋がったポリフェニレンビニレン、-S-を介してフェニル基が繋がったポリフェニレンサルファイド、-O-を介してフェニル基が繋がったポリフェニレンオキサイドが挙げられる。)、五員環を構成する元素がCとH以外の元素を一つ含み2,5位で繋がった高分子(例えば、NHを含む五員環が2,5位で繋がったポリピロール、Sを含む五員環が2,5位で繋がったポリチオフェン、Oを含む五員環が2,5位で繋がったポリフラン、Seを含む五員環が2,5位で繋がったポリセレノフェン、Teを含む五員環が2,5位で繋がったポリテルロフェンが挙げられる。)、芳香族アミン類を重合して得られる高分子(例えば、ポリアニリン、ポリアミノピレンが挙げられる。)、ポリスチレンスルホン酸等が挙げられる。
導電性の微粒子としては、例えば、銀粉、銅粉、ニッケル粉、酸化亜鉛(ZnO)、酸化錫(SnO)、アンチモンドープした酸化錫(ATO)、スズドープした酸化インジウム(ITO)等が挙げられる。
イオン導電性組成物としては、例えば、電解質塩と下記式で示されるオルガノポリシロキサンが挙げられる。
Figure 2023032450000002

[式中、
11は1価の有機基、R12~R14はアルキレン基、R15は水素又は1価の有機基を表す。
mは0~100の整数、nは1~100の整数である。
-(-Si(R1111)O-)-単位と-(-Si(R1112)O-)-単位の配列順序は任意である。
a及びbはそれぞれ0~100の整数であり、同時に0であることはない。
-(-R13O-)-と-(-R14O-)-の配列順序は任意である。]
電解質塩としては、その陽イオンが周期律表の第I族又は第II族に属する金属の陽イオンである電解質塩が挙げられる。陽イオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム等の陽イオンが挙げられる。
イオン性化合物は、例えば、無機カチオン又は有機カチオンと、無機アニオン又は有機アニオンとを有する化合物である。
無機カチオンとしては、例えば、リチウムカチオン〔Li〕、ナトリウムカチオン〔Na〕、カリウムカチオン〔K〕のようなアルカリ金属イオンや、ベリリウムカチオン〔Be2+〕、マグネシウムカチオン〔Mg2+〕、カルシウムカチオン〔Ca2+〕のようなアルカリ土類金属イオン等が挙げられる。
有機カチオンとしては、例えば、イミダゾリウムカチオン、ピリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、アンモニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン等が挙げられる。
無機アニオンとしては、例えば、クロライドアニオン〔Cl〕、ブロマイドアニオン〔Br〕、ヨーダイドアニオン〔I〕、テトラクロロアルミネートアニオン〔AlCl 〕、ヘプタクロロジアルミネートアニオン〔AlCl 〕、テトラフルオロボレートアニオン〔BF 〕、ヘキサフルオロホスフェートアニオン〔PF 〕、パークロレートアニオン〔ClO 〕、ナイトレートアニオン〔NO 〕、ヘキサフルオロアーセネートアニオン〔AsF 〕、ヘキサフルオロアンチモネートアニオン〔SbF 〕、ヘキサフルオロニオベートアニオン〔NbF 〕、ヘキサフルオロタンタレートアニオン〔TaF 〕、ジシアナミドアニオン〔(CN)〕等が挙げられる。
有機アニオンとしては、例えば、アセテートアニオン〔CHCOO〕、トリフルオロアセテートアニオン〔CFCOO〕、メタンスルホネートアニオン〔CHSO 〕、トリフルオロメタンスルホネートアニオン〔CFSO 〕、p-トルエンスルホネートアニオン〔p-CHSO 〕、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン〔(FSO〕、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン〔(CFSO〕、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタニドアニオン〔(CFSO〕、ジメチルホスフィネートアニオン〔(CHPOO〕、(ポリ)ハイドロフルオロフルオライドアニオン〔F(HF)n〕(nは1~3程度)、チオシアンアニオン〔SCN〕、パーフルオロブタンスルホネートアニオン〔CSO 〕、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドアニオン〔(CSO〕、パーフルオロブタノエートアニオン〔CCOO〕、(トリフルオロメタンスルホニル)(トリフルオロメタンカルボニル)イミドアニオン〔(CFSO)(CFCO)N〕、パーフルオロプロパン-1,3-ジスルホネートアニオン〔S(CFSO 〕、カーボネートアニオン〔CO 2-〕等が挙げられる。
イオン性化合物の具体例は、上記カチオン成分とアニオン成分の組み合わせから適宜選択することができる。有機カチオンを有するイオン性化合物の例を有機カチオンの構造ごとに分類して掲げると、次のものが挙げられる。
ピリジニウム塩:
N-ヘキシルピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、
N-オクチルピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、
N-オクチル-4-メチルピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、
N-ブチル-4-メチルルピリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、
N-デシルピリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
N-ドデシルピリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
N-テトラデシルピリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
N-ヘキサデシルピリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
N-ドデシル-4-メチルピリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
N-テトラデシル-4-メチルピリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
N-ヘキサデシル-4-メチルピリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
N-ベンジル-2-メチルピリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
N-ベンジル-4-メチルピリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
N-ヘキシルピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N-オクチルピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N-オクチル-4-メチルピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
N-ブチル-4-メチルルピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド。
イミダゾリウム塩:
1-エチル-3-メチルイミダゾリウム ヘキサフルオロホスフェート、
1-エチル-3-メチルイミダゾリウム p-トルエンスルホネート、
1-エチル-3-メチルイミダゾリウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
1-エチル-3-メチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム メタンスルホネート、
1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム ビス(フルオロスルホニル)イミド。
ピロリジニウム塩:
N-ブチル-N-メチルピロリジニウム ヘキサフルオロホスフェート、
N-ブチル-N-メチルピロリジニウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
N-ブチル-N-メチルピロリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド。
4級アンモニウム塩:
テトラブチルアンモニウム ヘキサフルオロホスフェート、
テトラブチルアンモニウム p-トルエンスルホネート、
(2-ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
(2-ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウム ジメチルホスフィネート。
また、無機カチオンを有するイオン性化合物の例を挙げると、次のものが挙げられる。
リチウム ブロマイド、
リチウム ヨーダイド、
リチウム テトラフルオロボレート、
リチウム ヘキサフルオロホスフェート、
リチウム チオシアネート、
リチウム パークロレート、
リチウム トリフルオロメタンスルホネート、
リチウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
リチウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
リチウム ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、
リチウム トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メタニド、
リチウム p-トルエンスルホネート、
ナトリウム ヘキサフルオロホスフェート、
ナトリウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
ナトリウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
ナトリウム p-トルエンスルホネート、
カリウム ヘキサフルオロホスフェート、
カリウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、
カリウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
カリウム p-トルエンスルホネート。
これらのイオン性化合物は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤としては、炭化水素系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等が挙げられる。
加水分解性有機珪素化合物は、非加水分解性の有機基と加水分解性の有機又は無機の基がケイ素原子に結合した化合物であるか、加水分解性の有機基がケイ素原子に結合した化合物である。ここで、有機基は、炭素原子が結合位置にあるものであってもよいし、他の原子が結合位置にあるものであってもよい。加水分解性有機珪素化合物は、具体的には、下式で表すことができる。
Si(T(T4-q
[式中、Tは水素原子又は非加水分解性の有機基を表し、Tは加水分解性の基を表し、qは0~3の整数を表す。]
上記式において、Tで表される非加水分解性の有機基として、典型的には、炭素数1~4程度のアルキル基、炭素数2~4程度のアルケニル基、フェニル基等のアリール基等が挙げられる。Tで表される加水分解性の基としては、例えば、メトキシ基やエトキシ基等の炭素数1~5程度のアルコキシ基、アセトキシ基やプロピオニルオキシ基等のアシロキシ基、塩素原子や臭素原子等のハロゲン原子、トリメチルシリルアミノ基等の置換シリルアミノ基等が挙げられる。加水分解性有機珪素化合物は、アルコキシシラン化合物、ハロゲン化シラン化合物、アシロキシシラン化合物、シラザン化合物等であってもよい。これらの加水分解性有機珪素化合物は、上記式におけるT又はTの一部として、アリール基、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、フルオロアルキル基等の置換基を有していてもよい。「(メタ)アクリロイル」とは、アクリロイル及びメタクリロイルから選択される少なくとも一方を意味する。
具体的な加水分解性有機珪素化合物としては、例えば、メチルトリクロロシラン等のハロゲン化シラン化合物;テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物;ヘキサメチルジシラザン等のシラザン化合物等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で、又は2種以上混合して用いることができる。
加水分解性有機珪素化合物として、上記のような加水分解性有機珪素化合物が部分的に加水分解された加水分解生成物を用いてもよい。また、加水分解性有機珪素化合物として、上記加水分解生成物を縮合して、オリゴマー又はポリマーとなった多量体を用いてもよい。これらの加水分解生成物や多量体は、加水分解性有機珪素化合物に、塩酸、リン酸、酢酸、硫酸等の酸、又は水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウム等の塩基を加えることにより、生成させることができる。
帯電防止剤として、上記のような加水分解性有機珪素化合物を加水分解、重縮合反応させて得られる縮重合体を用いてもよい。上記加水分解性有機珪素化合物を加水分解する方法は、公知の方法によって行うことができる。具体的には、所定量の有機溶媒中に加水分解性有機珪素化合物を、所定の固形分濃度が要求される量を溶解して均一な溶液とし、触媒の存在下に加水分解すればよい。有機溶媒を使用しない場合は、水と触媒の均一溶液に、加水分解性有機珪素化合物を所定の固形分濃度が要求される量を添加して加水分解すればよい。一般的には、酸又はアルカリ触媒の存在下に、所望の加水分解率に要求される量の水を添加して加水分解すればよい。前記した加水分解用の触媒としては、塩酸、リン酸、硫酸、酢酸等の酸、例えばLiOH、NaOH、KOH等の塩基性の水酸化物触媒があり、加水分解性有機珪素化合物に対して0.01~10重量%が使用される。加水分解の反応温度は、室温から50℃の温度で十分であり、反応時間は反応温度、触媒量により異なるが、一般には1~24時間である。以上の加水分解反応により加水分解性有機珪素化合物の縮重合体が調製される。なお、加水分解性有機珪素化合物の縮重合体は塗布面でゲル化するとき、表面に水酸基を含有するシラノール基(Si-OH)を多く有するようになり、これが静電防止性能の発現に有効なものとなる。加水分解性有機珪素化合物の縮重合体は加水分解により調製されるため、該縮重合体の末端基にはOH基が含まれ、これも静電防止性能の発現に有効なものとなる。
加水分解性有機珪素化合物及びその縮重合体は、それぞれ単独で用いてもよいし、加水分解性有機珪素化合物とその縮合体との混合物の状態で用いてもよい。
第1帯電防止層は、例えば、帯電防止剤を含む塗工液を第1基材フィルムの表面に塗布することによって形成できる。塗工液には通常、帯電防止剤や溶剤(水も含む)、必要に応じて(メタ)アクリル化合物等の熱又は活性エネルギー線の照射により硬化する硬化性樹脂が含まれる。第1基材フィルムの表面には、必要に応じて、コロナ処理、プラズマ処理、プライマー処理、アンカーコーティング処理等の表面活性化処理を行ってもよい。これにより、第1帯電防止層と第1基材フィルムとの密着性の向上や、塗工液の第1基材フィルムへの濡れ性が良好となる。
溶剤は、塗工液の濃度や粘度、塗工層の膜厚等を調整するために使用される。用いる溶剤は、適宜選択すればよいが、例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、2-ブタノール、イソブタノール、tert-ブタノールのようなアルコール類;2-エトキシエタノール、2-ブトキシエタノール、3-メトキシプロパノール、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール等のアルコキシアルコール類;ジアセトンアルコール等のケトール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類等が挙げられる。溶剤の使用量は、第1基材フィルムの材質、形状、塗布方法、目的とする第1帯電防止層の厚み等に応じて適宜選択されるが、通常は、帯電防止剤の合計量100重量部に対し、20~100000重量部程度である。
第1基材フィルムの表面に塗工液を塗布する方法としては、例えば、マイクログラビアコート法、ロールコート法、ディッピングコート法、フローコート法、スピンコート法、ダイコート法、キャスト転写法、スプレーコート法等が挙げられる。
第1帯電防止層は、第1基材フィルムの表面に塗工液を塗布して形成された塗工層を乾燥することによって形成することが好ましい。乾燥温度は、剥離フィルムの面内位相差のばらつきを低減する観点から、上記したように60℃以下とすることが好ましい。
第1帯電防止層の厚みは、10nm以上1000nm以下であることができるが、光学積層体の薄膜化の観点から、好ましくは800nm以下であり、700nm以下であってもよく、また、50nm以上であってもよく、100nm以上であってもよい。第1帯電防止層の厚みが10nm未満であると、密着性、帯電防止性、強度が十分でないことがあり、1000nmを超えると、密着性や透明性が十分でなく、ひび割れ等の不良が発生する可能性もある。
(第1粘着剤層)
第1粘着剤層は、粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層である。粘着剤組成物又は粘着剤組成物の反応生成物は、それ自体を金属層等の被着体に張り付けることで接着性を発現するものであり、いわゆる感圧型接着剤と称されるものである。また、後述する活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層は、活性エネルギー線を照射することにより、架橋度や接着力を調整することができる。
粘着剤組成物としては、従来公知の光学的な透明性に優れる粘着剤を特に制限なく用いることができ、例えば、アクリルポリマー、ウレタンポリマー、シリコーンポリマー、ポリビニルエーテル等のベースポリマーを含有する粘着剤組成物を用いることができる。また、粘着剤組成物は、活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物、又は、熱硬化型粘着剤組成物等であってもよい。これらの中でも、透明性、粘着力、再剥離性(リワーク性)、耐候性、耐熱性等に優れるアクリル樹脂をベースポリマーとした粘着剤組成物が好適である。粘着剤層は、(メタ)アクリル樹脂、架橋剤、シラン化合物を含む粘着剤組成物の反応生成物から構成されることが好ましく、その他の成分を含んでいてもよい。
第1粘着剤層を形成するための粘着剤組成物は、例えば、アクリルポリマー、ウレタンポリマー、シリコーンポリマー、ポリビニルエーテル等のベースポリマーを含むことができる。粘着剤組成物は、活性エネルギー線硬化型粘着剤、熱硬化型粘着剤等であってもよい。これらの中でも、透明性、粘着力、再剥離性(リワーク性)、耐候性、耐熱性等に優れる(メタ)アクリル樹脂をベースポリマーとした粘着剤が好適である。粘着剤層は、(メタ)アクリル樹脂、架橋剤、シラン化合物を含む粘着剤の反応生成物から構成されることが好ましく、その他の成分を含んでいてもよい。
第1粘着剤層は、活性エネルギー線硬化型粘着剤を用いて形成してもよい。活性エネルギー線硬化型粘着剤は、上記した粘着剤組成物に、多官能性アクリレート等の紫外線硬化性化合物を配合し、これを用いて層を形成した後に紫外線を照射して硬化させることにより、より硬い粘着剤層を形成することができる。活性エネルギー線硬化型粘着剤は、紫外線や電子線等のエネルギー線の照射を受けて硬化する性質を有している。活性エネルギー線硬化型粘着剤は、エネルギー線照射前においても粘着性を有しているため、被着体に密着し、エネルギー線の照射により硬化して密着力を調整することができる性質を有する。
第1粘着剤層の厚みは特に限定されないが、好ましくは5μm以上であり、10μm以上であってもよく、15μm以上であってもよく、20μm以上であってもよく、25μm以上であってもよく、通常300μm以下であり、250μm以下であってもよく、100μm以下であってもよく、50μm以下であってもよい。
(直線偏光層)
偏光板に含まれる直線偏光層は、無偏光の光を入射させたとき、吸収軸に直交する振動面をもつ直線偏光を透過させる性質を有する。直線偏光層は、ヨウ素が吸着配向しているポリビニルアルコール系樹脂フィルム(以下、「PVA系フィルム」ということがある。)であってもよく、吸収異方性及び液晶性を有する化合物を含む組成物を基材フィルムに塗布して形成した液晶性の偏光層を含むフィルムであってもよい。吸収異方性及び液晶性を有する化合物は、吸収異方性を有する色素と液晶性を有する化合物との混合物であってもよく、吸収異方性及び液晶性を有する色素であってもよい。
直線偏光層は、ヨウ素が吸着配向しているPVA系フィルムであることが好ましい。PVA系フィルムである直線偏光層は、例えば、ポリビニルアルコールフィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコールフィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等のPVA系フィルムに、ヨウ素による染色処理、及び延伸処理が施されたもの等が挙げられる。必要に応じて、染色処理によりヨウ素が吸着配向したPVA系フィルムをホウ酸水溶液で処理し、その後に、ホウ酸水溶液を洗い落とす洗浄工程を行ってもよい。各工程には公知の方法を採用できる。
ポリビニルアルコール系樹脂(以下、「PVA系樹脂」ということがある。)は、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化することにより製造できる。ポリ酢酸ビニル系樹脂は、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニルと酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体との共重合体であることもできる。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、アンモニウム基を有するアクリルアミド類等が挙げられる。
PVA系樹脂のケン化度は、通常85~100モル%程度であり、好ましくは98モル%以上である。PVA系樹脂は変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマールやポリビニルアセタール等も使用可能である。PVA系樹脂の平均重合度は、通常1,000~10,000程度であり、好ましくは1,500~5,000程度である。PVA系樹脂のケン化度及び平均重合度は、JIS K 6726(1994)に準拠して求めることができる。平均重合度が1000未満では好ましい偏光性能を得ることが困難であり、10000超ではフィルム加工性に劣ることがある。
PVA系フィルムである直線偏光層の製造方法は、基材フィルムを用意し、基材フィルム上にPVA系樹脂等の樹脂の溶液を塗布し、溶媒を除去する乾燥等を行って基材フィルム上に樹脂層を形成する工程を含むものであってもよい。なお、基材フィルムの樹脂層が形成される面には、予めプライマー層を形成することができる。基材フィルムとしては、後述する第1保護フィルムを形成するために用いる熱可塑性樹脂として説明する樹脂材料を用いたフィルムを使用できる。プライマー層の材料としては、直線偏光層に用いられる親水性樹脂を架橋した樹脂等を挙げることができる。
次いで、必要に応じて樹脂層の水分等の溶媒量を調整し、その後、基材フィルム及び樹脂層を一軸延伸し、続いて、樹脂層をヨウ素で染色してヨウ素を樹脂層に吸着配向させる。次に、必要に応じてヨウ素が吸着配向した樹脂層をホウ酸水溶液で処理し、その後に、ホウ酸水溶液を洗い落とす洗浄工程を行う。これにより、ヨウ素が吸着配向された樹脂層、すなわち、直線偏光層となるPVA系フィルムが製造される。各工程には公知の方法を採用できる。
ヨウ素が吸着配向したPVA系フィルム又は樹脂層を処理するホウ酸含有水溶液におけるホウ酸の量は、通常、水100質量部あたり、2~15質量部程度であり、5~12質量部が好ましい。このホウ酸含有水溶液はヨウ化カリウムを含有することが好ましい。ホウ酸含有水溶液におけるヨウ化カリウムの量は、通常、水100質量部あたり、0.1~15質量部程度であり、5~12質量部程度が好ましい。ホウ酸含有水溶液への浸漬時間は、通常、60~1,200秒程度であり、150~600秒程度が好ましく、200~400秒程度がより好ましい。ホウ酸含有水溶液の温度は、通常、50℃以上であり、50~85℃が好ましく、60~80℃がより好ましい。
PVA系フィルム、並びに、基材フィルム及び樹脂層の一軸延伸は、染色の前に行ってもよいし、染色中に行ってもよいし、染色後のホウ酸処理中に行ってもよく、これら複数の段階においてそれぞれ一軸延伸を行ってもよい。PVA系フィルム、並びに、基材フィルム及び樹脂層は、MD方向(フィルム搬送方向)に一軸延伸してもよく、この場合、周速の異なるロール間で一軸に延伸してもよいし、熱ロールを用いて一軸に延伸してもよい。また、PVA系フィルム、並びに、基材フィルム及び樹脂層は、TD方向(フィルム搬送方向に垂直な方向)に一軸延伸してもよく、この場合、いわゆるテンター法を使用することができる。また、上記延伸は、大気中で延伸を行う乾式延伸であってもよいし、溶剤にてPVA系フィルム又は樹脂層を膨潤させた状態で延伸を行う湿式延伸であってもよい。直線偏光層の性能を発現するためには延伸倍率は4倍以上であり、5倍以上であることが好ましく、特に5.5倍以上が好ましい。延伸倍率の上限は特にないが、破断等を抑制する観点から8倍以下が好ましい。
基材フィルムを用いる製造方法で作製した直線偏光層は、保護層を積層した後に基材フィルムを剥離することによって得ることができる。
PVA系フィルムである直線偏光層の厚みは、1μm以上であることが好ましく、2μm以上であってもよく、5μm以上であってもよく、また、30μm以下であることが好ましく、15μm以下であることがより好ましく、10μm以下であってもよく、8μm以下であってもよい。
液晶性の偏光層を含むフィルムは、液晶性及び吸収異方性を有する色素を含む組成物、又は、吸収異方性を有する色素と重合性液晶とを含む組成物を基材フィルムに塗布して得られる直線偏光層が挙げられる。基材フィルムとしては、例えば後述する保護層を形成するために用いる熱可塑性樹脂として説明する樹脂材料を用いたフィルムが挙げられる。液晶性の偏光層を含むフィルムとしては、例えば特開2013-33249号公報等に記載の偏光層が挙げられる。
上記のようにして形成した基材フィルムと直線偏光層との合計厚みは小さい方が好ましいが、小さすぎると強度が低下し、加工性に劣る傾向があるため、通常50μm以下であり、好ましくは30μm以下であり、より好ましくは0.5μm以上25μm以下である。
(保護層)
偏光板が含んでいてもよい保護層は、保護層は、直線偏光層に直接接するように積層されていてもよいが、貼合層を介して積層されることが好ましい。保護層は、樹脂層であることが好ましく、樹脂フィルムであることがより好ましい。樹脂フィルムとしては、例えば、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性、延伸性等に優れる熱可塑性樹脂から形成されたフィルムが挙げられる。熱可塑性樹脂の具体例としては、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂;ポリエーテルスルホン樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリカーボネート樹脂;ナイロンや芳香族ポリアミド等のポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等のポリオレフィン樹脂;シクロ系及びノルボルネン構造を有する環状ポリオレフィン樹脂(ノルボルネン系樹脂ともいう);(メタ)アクリル樹脂;ポリアリレート樹脂;ポリスチレン樹脂;ポリビニルアルコール樹脂、並びにこれらの混合物を挙げることができる。
保護層は、反射防止特性、防眩特性、ハードコート特性等を有するものであってもよい(以下、当該特性を有する保護フィルムを「機能性保護フィルム」ということがある。)。保護層が機能性保護フィルムではない場合、直線偏光層又は保護層に、反射防止層、防眩層、ハードコート層等の表面機能層を積層してもよい。表面機能層は、保護層に直接接するように設けられることが好ましい。表面機能層は、保護層の直線偏光層側とは反対側に設けられることが好ましく、偏光板の第1粘着剤層側とは反対側に設けられることが好ましい。
保護層は、3μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましく、また、50μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましい。
(貼合層)
偏光板が有していてもよい貼合層としては、粘着剤層又は接着剤層が挙げられる。粘着剤層としては、上記した第1粘着剤層で説明する粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層が挙げられる。粘着剤層の厚みは特に限定されないが、好ましくは5μm以上であり、10μm以上であってもよく、15μm以上であってもよく、20μm以上であってもよく、25μm以上であってもよく、通常300μm以下であり、250μm以下であってもよく、100μm以下であってもよく、50μm以下であってもよい。
接着剤層は、接着剤組成物中の硬化性成分を硬化させることによって形成することができる。接着剤層を形成するための接着剤組成物としては、感圧型接着剤(粘着剤)以外の接着剤であって、例えば、水系接着剤、活性エネルギー線硬化型接着剤が挙げられる。
水系接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール樹脂を水に溶解、又は分散させた接着剤が挙げられる。水系接着剤を用いた場合の乾燥方法については特に限定されるものではないが、例えば、熱風乾燥機や赤外線乾燥機を用いて乾燥する方法が採用できる。
活性エネルギー線硬化型接着剤としては、例えば、紫外線、可視光、電子線、X線のような活性エネルギー線の照射によって硬化する硬化性化合物を含む無溶剤型の活性エネルギー線硬化型接着剤が挙げられる。無溶剤型の活性エネルギー線硬化型接着剤を用いることにより、層間の密着性を向上させることができる。
活性エネルギー線硬化型接着剤としては、良好な接着性を示すことから、カチオン重合性の硬化性化合物、ラジカル重合性の硬化性化合物のいずれか一方又は両方を含むことが好ましい。活性エネルギー線硬化型接着剤は、上記硬化性化合物の硬化反応を開始させるための光カチオン重合開始剤等のカチオン重合開始剤、又はラジカル重合開始剤をさらに含むことができる。
カチオン重合性の硬化性化合物としては、例えば、脂環式環に結合したエポキシ基を有する脂環式エポキシ化合物、2個以上のエポキシ基を有し芳香環を有さない多官能脂肪族エポキシ化合物、エポキシ基を1つ有する単官能エポキシ基(但し、脂環式エポキシ化合物に含まれるものを除く)、2個以上のエポキシ基を有し芳香環を有する多官能芳香族エポキシ化合物等のエポキシ系化合物;分子内に1個又は2個以上のオキセタン環を有するオキセタン化合物;これらの組み合わせを挙げることができる。
ラジカル重合性の硬化性化合物としては、例えば、(メタ)アクリル化合物(分子内に1個又は2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物)、ラジカル重合性の二重結合を有するその他のビニル系化合物、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。
活性エネルギー線硬化型接着剤は、必要に応じて、光増感助剤等の増感剤を含有することができる。増感剤を使用することにより、反応性が向上し、接着剤層の機械強度や接着強度をさらに向上させることができる。増感剤としては、公知のものを適宜適用することができる。増感剤を配合する場合、その配合量は、活性エネルギー線硬化型接着剤の総量100質量部に対し、0.1~20質量部の範囲とすることが好ましい。
活性エネルギー線硬化型接着剤は、必要に応じて、イオントラップ剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、粘着付与剤、熱可塑性樹脂、充填剤、流動調整剤、可塑剤、消泡剤、帯電防止剤、レベリング剤、溶媒等の添加剤を含有することができる。
活性エネルギー線硬化型接着剤を用いた場合は、紫外線、可視光、電子線、X線等の活性エネルギー線を照射し、接着剤の塗布層を硬化させて接着剤層を形成することができる。活性エネルギー線としては、紫外線が好ましく、この場合の光源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等を用いることができる。
接着剤層の厚みは、0.1μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であってもよく、また10μm以下であることが好ましく、5μm以下であってもよい。
(第2基材フィルム)
表面保護フィルムに含まれる第2基材フィルムは、熱可塑性樹脂から形成されたフィルムを用いることができ、通常、延伸処理が施された延伸フィルムである。第1基材フィルムを形成する熱可塑性樹脂としては、第1基材フィルムを形成する熱可塑性樹脂として説明したものが挙げられる。
第2基材フィルムが自己粘着性を有する場合、第2基材フィルムは、自己粘着性フィルムで形成されていてもよい。自己粘着性フィルムは、第2粘着剤層等の付着のための手段を設けることなくそれ自身で付着し、かつ、その付着状態を維持することが可能なフィルムである。自己粘着性フィルムは、例えばポリプロピレン系樹脂及びポリエチレン系樹脂等を用いて形成することができる。
第2基材フィルムの厚みは、例えば5μm以上であり、10μm以上であってもよく、50μm以上であってもよく、70μm以上であってもよく、また、例えば300μm以下であり、200μm以下であってもよく、150μm以下であってもよく、120μm以下であってもよく、100μm以下であってもよい。
第2基材フィルムの波長550nmにおける平均の面内位相差値は、通常1000nm以上であり、1500nm以上であってもよく、1800nm以上であってもよく、2000nm以上であってもよく、また、通常5000nm以下であり、4000nm以下であってもよく、3000nm以下であってもよい。上記平均の面内位相差値は、後述する実施例に記載の剥離フィルムの平均の面内位相差値ReA1を決定する方法に準じて決定することができる。
(第2粘着剤層)
表面保護フィルムに含まれる第2粘着剤層は、粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層である。粘着剤組成物としては、第1粘着剤層を形成するための粘着剤組成物として説明したものが挙げられる。
第2粘着剤層の厚みは特に限定されないが、好ましくは5μm以上であり、10μm以上であってもよく、15μm以上であってもよく、20μm以上であってもよく、25μm以上であってもよく、通常300μm以下であり、250μm以下であってもよく、100μm以下であってもよく、50μm以下であってもよい。
(第2帯電防止層)
表面保護フィルムが含んでいてもよい第2帯電防止層は、帯電防止剤を含む。帯電防止剤としては、第1帯電防止層を形成するために用いた帯電防止剤が挙げられる。第2帯電防止層は、上記した帯電防止剤のうちの1種又は2種以上を含むことができる。帯電防止層が帯電防止剤を含むことにより、帯電防止層の電気抵抗が低下するので、表面保護フィルム、ひいては光学積層体に帯電防止性能を付与することができる。
第2帯電防止層は、例えば、第1基材フィルムに代えて第2基材フィルムを用いること以外は、第1帯電防止層と同様の方法で形成することができる。第2帯電防止層は、第2基材フィルムの表面に塗工液を塗布して形成された塗工層を乾燥することによって形成することが好ましい。乾燥温度は、表面保護フィルムの面内位相差のばらつきを低減する観点から、上記したように60℃以下とすることが好ましい。
第2帯電防止層の厚みは、10nm以上1000nm以下であることができるが、光学積層体の薄膜化の観点から、好ましくは800nm以下であり、700nm以下であってもよく、また、50nm以上であってもよく、100nm以上であってもよい。第2帯電防止層の厚みが10nm未満であると、密着性、帯電防止性、強度が十分でないことがあり、1000nmを超えると、密着性や透明性が十分でなく、ひび割れ等の不良が発生する可能性もある。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。実施例、比較例中の「%」及び「部」は、特記しない限り、質量%及び質量部である。
[位相差値の測定]
実施例及び比較例で用いた剥離フィルムについて、位相差測定装置(王子計測機器(株)製、KOBRA-WPR)を用いて、波長550nmでの面内位相差値を次の手順で測定した。剥離フィルムの300mm四方の領域について面内位相差値の測定を行い、測定された面内位相差値を平均して平均の面内位相差値ReA1を算出し、測定された面内位相差値の最大値Rema1と最小値Remi1との差ΔRe1(=Rema1-Remi1)を算出した。結果を表1に示す。
[表面抵抗値の測定]
実施例及び比較例で用いた剥離フィルム、及び、実施例及び比較例で用いた表面保護フィルムの表面抵抗値を、(株)三菱化学アナリテック製「MCP-HT450」を用いて測定した。各表面抵抗値は、温度23℃、相対湿度55%RHの条件下で、剥離フィルムの第1帯電防止層側の表面、及び、表面保護フィルムの第2帯電防止層側の表面において測定した。結果を表1に示す。
〔実施例1〕
(剥離フィルム(1)の作製)
片面に離型処理を施して離型処理層が形成されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(リンテック(株)製:商品名「PLR-382190」)を準備した。このPETフィルムの離型処理層側とは反対側の面に、帯電防止剤を含む塗工液(コルコート(株)製:商品名「コルコートWAS-15SF」)を塗布し、温度23℃で10分間乾燥して第1帯電防止層を形成することにより、剥離フィルム(1)を得た。剥離フィルム(1)の層構造は、離型処理層/PETフィルム(第1基材フィルム)/第1帯電防止層であった。
(第1粘着剤層の形成)
冷却管、窒素導入管、温度計、及び撹拌機を備えた反応容器に、溶媒として酢酸エチル81.8部、アクリル酸ブチル96部、アクリル酸2-ヒドロキシエチル3部、及びアクリル酸1部の混合溶液を仕込み、窒素ガスで反応容器内の空気を置換して酸素不含としながら内温を55℃に上げた。その後、アゾビスイソブチロニトリル(重合開始剤)0.14部を酢酸エチル10部に溶かした溶液を全量添加した。重合開始剤の添加後1時間この温度で保持し、次いで内温を54~56℃に保ちながら酢酸エチルを添加速度17.3部/hrで反応容器内へ連続的に加え、アクリル樹脂の濃度が35%となった時点で酢酸エチルの添加を止め、さらに酢酸エチルの添加開始から12時間経過するまでこの温度で保温した。最後に酢酸エチルを加えてアクリル樹脂の濃度が20%となるように調節し、アクリル系樹脂の酢酸エチル溶液を調製した。
得られたアクリル樹脂は、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量Mwが147万、Mw/Mnが5.5であった。重量平均分子量及び数平均分子量の測定は、GPC装置にカラムとして「TSK gel XL(東ソー(株)製)」を4本、及び「Shodex GPC KF-802(昭和電工(株)製)」を1本、計5本を直列につないで配置し、溶出液としてテトラヒドロフランを用いて、試料濃度5mg/mL、試料導入量100μL、温度40℃、流速1mL/分の条件で行い、標準ポリスチレン換算により算出した。
上記で調製したアクリル系樹脂の酢酸エチル溶液(樹脂濃度:20%)の固形分100部に対して、架橋剤(東ソー株式会社製:商品名「コロネートL」、イソシアネート系化合物の酢酸エチル溶液、有効成分75%)0.3部、シラン化合物(信越化学工業株式会社製:商品名「KBM403」)0.5部を混合し、さらに固形分濃度が14%となるように酢酸エチルを添加して粘着剤組成物を得た。なお、上記架橋剤の配合量は、有効成分としての質量部数である。
上記で得た粘着剤組成物を、剥離フィルム(1)の離型処理層側の面に、アプリケーターを用いて乾燥後の厚みが25μmとなるように塗布し、温度50℃で60分間乾燥して、剥離フィルム(1)の離型処理層側に第1粘着剤層が形成された粘着剤層付き剥離フィルム(1)を得た。
(偏光板の作製)
保護層として、厚み20μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム、及び、片面にハードコート層が形成された厚み29μmのノルボルネン系樹脂フィルムを準備した。直線偏光層として、PVA系樹脂フィルムに二色性色素であるヨウ素が吸着配向したものを準備した。直線偏光層の厚みは8μmであった。
水100重量部に対し、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール((株)クラレ製:商品名「KL-318」)を3部溶解し、その水溶液に水溶性エポキシ樹脂であるポリアミドエポキシ系添加剤(田岡化学工業(株)製:商品名「スミレーズレジン(登録商標) 650(30)」、固形分濃度30%の水溶液)を1.5部添加して、水系接着剤を調製した。
上記で準備したTACフィルムにケン化処理を施した。上記で準備したノルボルネン系樹脂フィルムのハードコート層側とは反対側、及び、上記で準備した直線偏光層の両面にコロナ処理を施した。直線偏光層の一方の面に、上記で得た水系接着剤を介してケン化処理を施したTACフィルムを貼合し、直線偏光層の他方の面に、上記で得た水系接着剤を介して、ノルボルネン系樹脂フィルムのコロナ処理面(ハードコート層側とは反対側)を貼合し、乾燥処理を行って接着剤層を形成することにより、偏光板を得た。偏光板の層構造は、TACフィルム(保護層)/接着剤層/直線偏光層/接着剤層/ノルボルネン系樹脂フィルム(保護層)/ハードコート層であった。
(光学積層体(1)の作製)
第2帯電防止層を表面に有するポリエステル系樹脂フィルム(第2基材フィルム、厚み38μm)の第2帯電防止層側とは反対側にアクリル系粘着剤層(厚み15μm)を形成した表面保護フィルム(厚み53μm)を準備した。表面保護フィルムの層構造は、第2帯電防止層/第2基材フィルム/アクリル系粘着剤層(第2粘着剤層)であった。この表面保護フィルムのアクリル系粘着剤層を、上記で得られた偏光板のノルボルネン系樹脂フィルムのハードコート層側に貼合し、表面保護フィルム付き偏光板を得た。
上記で得た表面保護フィルム付き偏光板のTACフィルム側に、上記で得た粘着剤層付き剥離フィルム(1)の第1粘着剤層側を積層し、光学積層体(1)を得た。光学積層体(1)の層構造は、表面保護フィルム(第2帯電防止層/第2基材フィルム/第2粘着剤層)/偏光板(ハードコート層/保護層/接着剤層/直線偏光層/接着剤層/保護層)/第1粘着剤層/剥離フィルム(離型処理層/第1基材フィルム/第1帯電防止層)であった。表面保護フィルムの遅相軸と直線偏光層の吸収軸とは直交しており、剥離フィルムの遅相軸と直線偏光層の吸収軸とは直交していた。光学積層体(1)について、下記の検品性の評価及び多重取りの評価を行った。結果を表1に示す。
〔実施例2~4〕
帯電防止剤を含む塗布液の塗布量を変更して第1帯電防止層を形成したこと以外は、実施例1の剥離フィルム(1)の作製と同様にして、剥離フィルム(2)~(4)を得た。
剥離フィルム(1)に代えて上記で得た剥離フィルム(2)~(4)を用いたこと以外は、実施例1の光学積層体(1)の作製と同様にして、光学積層体(2)~(4)を得た。光学積層体(2)~(4)について、下記の検品性の評価及び多重取りの評価を行った。結果を表1に示す。
〔比較例1〕
片面に離型処理が施されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(リンテック(株)製:商品名「PLR-382190」)を準備した。このPETフィルムの離型処理が施された面とは反対側の面に、帯電防止剤を含む塗布液(高松油脂(株)製:商品名「ASA-2050」)を塗布し、温度130℃で10分間の加熱乾燥して第1帯電防止層を形成して、剥離フィルム(5)を得た。
剥離フィルム(1)に代えて上記で得た剥離フィルム(5)を用いたこと以外は、実施例1の光学積層体(1)の作製と同様にして、光学積層体(5)を得た。光学積層体(5)について、下記の検品性の評価及び多重取りの評価を行った。結果を表1に示す。
[検品性の評価]
バックライト光源(蛍光灯ランプ、10000cd)に、検査用の偏光板(直線偏光板;ノルボルネン系樹脂フィルムにポリビニルアルコール(PVA)偏光子を貼合したもの)を、PVA偏光子側を視認側に向けた状態で設置し、実施例及び比較例で得た光学積層体の直線偏光層の吸収軸方向が、検査用の偏光板の直線偏光層の吸収軸方向に対してクロスニコルになるよう配置して、目視による光の透過観察によってムラの視認性を確認した。目視による光の透過観察により、ムラが強く視認されるものについては欠陥等に対する検品性に劣り、ムラが弱く視認されるものについては検品性に優れていたことから、以下の基準で検品性の評価を行った。
A:視認されたムラが弱く、検品性に優れていた。
B:ムラが視認されたが、検品性は良好であった。
C:視認されたムラが強く、検品性に劣っていた。
[多重取りの評価]
評価用の積層体(40mm×40mm)として、帯電防止層を有する表面保護フィルム、偏光板、粘着剤層、及び剥離フィルムがこの順に積層された積層体を準備した。帯電防止層は、表面保護フィルムの偏光板とは反対側に形成されている。ゴム製の基台上に、剥離フィルム側が基台と対向するように評価用の積層体を載置し、この評価用の積層体の表面保護フィルム側に、当該表面保護フィルムと実施例及び比較例で得た光学積層体の剥離フィルム側とが対向するように、光学積層体を積層した。積層した光学積層体側に1000gの荷重を加えた状態で、評価用の積層体と光学積層体とを3往復摺り合わせた。荷重は、光学積層体と接する部分がゴム製のものを用いて加えた。摺り合わせ動作の後、評価用の積層体と光学積層体とが重なった状態で、評価用の積層体及び光学積層体の面が水平面に対して垂直となるように傾け、光学積層体の脱落の有無を確認した。この試験を3回行い、以下の基準で多重取りの評価を行った。
a:3回の試験において、光学積層体が3回とも脱落した。
b:3回の試験において、光学積層体が2回脱落した。
c:3回の試験において、光学積層体が1回脱落した。
d:3回の試験において、光学積層体は1回も脱落しなかった。
Figure 2023032450000003
1,2 光学積層体、10 偏光板、11 第1粘着剤層、20,40 剥離フィルム、21,41 第1基材フィルム、22,42 離型処理層、23,43 第1帯電防止層、30,50 表面保護フィルム、31,51 第2基材フィルム、32,52 第2粘着剤層、33,53 第2帯電防止層、60 検査用の偏光板、61 光源。

Claims (11)

  1. 直線偏光層を含む偏光板、第1粘着剤層、及び、前記第1粘着剤層に対して剥離可能である剥離フィルムがこの順に積層された光学積層体であって、
    前記剥離フィルムは、前記第1粘着剤層側から順に、離型処理層、第1基材フィルム、及び、帯電防止剤を含む第1帯電防止層を有し、
    前記剥離フィルムの波長550nmにおける平均の面内位相差値は、1000nm以上であり、
    前記剥離フィルムの波長550nmにおける面内位相差値の最大値と最小値との差は、150nm以下である、光学積層体。
  2. さらに、前記偏光板の前記第1粘着剤層側とは反対側に、前記偏光板に対して剥離可能である表面保護フィルムを有し、
    前記表面保護フィルムは、前記偏光板側から順に、第2基材フィルム、及び、帯電防止剤を含む第2帯電防止層を有する、請求項1に記載の光学積層体。
  3. 前記表面保護フィルムの波長550nmにおける平均の面内位相差値は、1000nm以上であり、
    前記表面保護フィルムの波長550nmにおける面内位相差値の最大値と最小値との差は、150nm以下である、請求項2に記載の光学積層体。
  4. 第1粘着剤層、直線偏光層を含む偏光板、及び、前記偏光板に対して剥離可能である表面保護フィルムがこの順に積層された光学積層体であって、
    前記表面保護フィルムは、前記偏光板側から順に、第2基材フィルム、及び、帯電防止剤を含む第2帯電防止層を有し、
    前記表面保護フィルムの波長550nmにおける平均の面内位相差値は、1000nm以上であり、
    前記表面保護フィルムの波長550nmにおける面内位相差値の最大値と最小値との差は、150nm以下である、光学積層体。
  5. 前記表面保護フィルムは、さらに、前記第2基材フィルムの前記偏光板側に第2粘着剤層を有する、請求項2~4のいずれか1項に記載の光学積層体。
  6. さらに、前記第1粘着剤層の前記偏光板側とは反対側に、前記第1粘着剤層に対して剥離可能である剥離フィルムを有し、
    前記剥離フィルムは、前記第1粘着剤層側から順に、離型処理層、第1基材フィルム、及び、帯電防止剤を含む第1帯電防止層を有する、請求項4又は5に記載の光学積層体。
  7. さらに、前記第1粘着剤層の前記偏光板側とは反対側に、前記第1粘着剤層に対して剥離可能である剥離フィルムを有し、
    前記剥離フィルムは、前記第1粘着剤層側から順に、離型処理層、第1基材フィルム、及び、帯電防止剤を含む第1帯電防止層を有し、
    前記剥離フィルムの温度23℃、相対湿度55%RHにおける表面抵抗値は、1.0×10Ω/□以上5.0×1014Ω/□以下である、請求項1~6のいずれか1項に記載の光学積層体。
  8. さらに、前記偏光板の前記第1粘着剤層側とは反対側に、前記偏光板に対して剥離可能である表面保護フィルムを有し、
    前記表面保護フィルムは、前記偏光板側から順に、第2基材フィルム、及び、帯電防止剤を含む第2帯電防止層を有し、
    前記表面保護フィルムの温度23℃、相対湿度55%RHにおける表面抵抗値は、1.0×10Ω/□以上1.0×1011Ω/□以下である、請求項1~7のいずれか1項に記載の光学積層体。
  9. 前記偏光板は、前記直線偏光層の片面又は両面に保護層を有する、請求項1~8のいずれか1項に記載の光学積層体。
  10. 直線偏光層を含む偏光板、第1粘着剤層、及び、前記第1粘着剤層に対して剥離可能である剥離フィルムをこの順に有する光学積層体の製造方法であって、
    前記剥離フィルムは、前記第1粘着剤層側から順に、離型処理層、第1基材フィルム、及び、帯電防止剤を含む第1帯電防止層を有し、
    前記剥離フィルムの波長550nmにおける平均の面内位相差値は、1000nm以上であり、
    前記第1基材フィルムに、前記帯電防止剤を含む塗工液を塗布して第1塗工層を形成する工程と、
    前記第1塗工層を温度60℃以下で乾燥して前記第1帯電防止層を形成する工程と、を含む、光学積層体の製造方法。
  11. 第1粘着剤層、直線偏光層を含む偏光板、及び、前記偏光板に対して剥離可能である表面保護フィルムがこの順に積層された光学積層体の製造方法であって、
    前記表面保護フィルムは、前記偏光板側から順に、第2基材フィルム、及び、帯電防止剤を含む第2帯電防止層を有し、
    前記表面保護フィルムの波長550nmにおける平均の面内位相差値は、1000nm以上であり、
    前記第2基材フィルムに、前記帯電防止剤を含む塗工液を塗布して第2塗工層を形成する工程と、
    前記第2塗工層を温度60℃以下で乾燥して前記第2帯電防止層を形成する工程と、を含む、光学積層体の製造方法。
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