JP2023032277A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】無駄なトナー消費を抑制するとともに、良好にフィルミングが除去されることができる画像形成装置を提供する。【解決手段】記録媒体に転写しないトナー像パターンたる掻き取り用トナーパターンKpは、像担持体たる中間転写ベルト17の表面移動方向と直交する直交方向で複数の領域K1~K8に区分けされている。そして、掻き取り用トナーパターンKpのクリーニング部材へ入力する各領域の入力トナー量は、前回のトナー像パターンがクリーニング部材に入力されてから現時点までに領域に対応するクリーニング部材の箇所に入力された累計トナー量に基づいて設定されている。【選択図】図5
Description
本発明は、画像形成装置に関するものである。
従来、像担持体と、像担持体上のトナー像を記録媒体に転写する転写部材と、像担持体の表面をクリーニングするクリーニング部材とを備え、記録媒体に転写しないトナー像パターンを像担持体に形成する画像形成装置が知られている。
特許文献1には、形成するトナー像パターンとしてのベタのトナー帯のトナー量を、前回、ベタのトナー帯を形成した時点から現時点までの記録媒体に転写するトナー像の形成で消費されたトナー量に基づいて設定するものが記載されている。
しかしながら、無駄なトナー消費を抑えて、十分なフィルミングの除去ができないという課題があった。
上述した課題を解決するために、本発明は、像担持体と、前記像担持体上のトナー像を記録媒体に転写する転写部材と、前記像担持体の表面をクリーニングするクリーニング部材とを備え、前記記録媒体に転写しないトナー像パターンを前記像担持体に形成する画像形成装置において、前記トナー像パターンは、前記像担持体の表面移動方向と直交する直交方向で複数の領域に区分けされており、前記トナー像パターンの前記クリーニング部材へ入力する各領域の入力トナー量は、前回の前記トナー像パターンが前記クリーニング部材に入力されてから現時点までに前記領域に対応するクリーニング部材の箇所に入力された累計トナー量に基づいて、設定されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、無駄なトナー消費を抑制するとともに、良好にフィルミングが除去されることができる。
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置であるタンデム型カラー複写機(以下、単に複写機という)の概略構成図である。
図1において、画像形成装置としてのタンデム型カラー複写機1(以下、単に複写機という)は、原稿を原稿読込部に搬送する原稿搬送部3、原稿の画像情報を読み込む原稿読込部4を備えている。また、複写機は、出力画像が積載される排紙トレイ5、記録媒体たる用紙Pが収容される給紙部7を備えている。
図1において、画像形成装置としてのタンデム型カラー複写機1(以下、単に複写機という)は、原稿を原稿読込部に搬送する原稿搬送部3、原稿の画像情報を読み込む原稿読込部4を備えている。また、複写機は、出力画像が積載される排紙トレイ5、記録媒体たる用紙Pが収容される給紙部7を備えている。
また、複写機1は、用紙Pの搬送タイミングを調整するレジストローラ9(タイミングローラ)、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される潜像担持体たる感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKを備えている。また、複写機1は、各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面を一様帯電する帯電装置12、入力画像情報に基づいたレーザー光を発し、各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に静電潜像を書き込む書込み部(露光部)6を備えている。また、複写機1は、各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に書き込まれた静電潜像を現像する現像装置13を備えている。また、複写機1は、各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成されたトナー像を用紙P上に重ねて転写する一次転写バイアスローラ14を備えている。
また、複写機1は、複数色のトナー像が重ねて転写される像担持体としての中間転写ベルト17、中間転写ベルト17上のカラートナー像を用紙P上に転写するための転写部材としての二次転写ローラ18を備えている。また、複写機1は、用紙P上の未定着画像を定着する定着装置20、現像装置13に供給するための各色(イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック)のトナーが収容されたトナー容器28を備えている。また、複写機1は、中間転写ベルト17の表面に付着したトナー(未転写トナー)を除去するベルトクリーニング装置30を備えている。さらに、複写機1は、ベルトクリーニング装置30などにより除去された未転写トナーが廃トナーとして回収される廃トナー回収容器80を備えている。
以下、画像形成装置における、通常のカラー画像形成時の動作について説明する。
まず、原稿は、原稿搬送部3の搬送ローラによって、原稿台から搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス上に載置された原稿の画像情報が光学的に読み取られる。
まず、原稿は、原稿搬送部3の搬送ローラによって、原稿台から搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス上に載置された原稿の画像情報が光学的に読み取られる。
詳しくは、原稿読込部4は、コンタクトガラス上の原稿の画像に対して、照明ランプから発した光を照射しながら走査させ、原稿にて反射した光を、ミラー群及びレンズを介して、カラーセンサに結像する。原稿のカラー画像情報は、カラーセンサにてRGB(レッド、グリーン、ブルー)の色分解光ごとに読み取られた後に、電気的な画像信号に変換される。さらに、RGBの色分解画像信号をもとにして画像処理部で色変換処理、色補正処理、空間周波数補正処理等の処理をおこない、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラー画像情報を得る。
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報は、書込み部6に送信される。そして、書込み部6から各色の画像情報に基づいたレーザ光L(図2を参照)が、それぞれ、対応する感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面に向けて発せられる。
一方、4つの感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKは、それぞれ、図1の時計方向に回転している。そして、まず、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、帯電装置12との対向部で、一様に帯電される(帯電工程である)。こうして、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面には、帯電電位が形成される。その後、帯電された感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、それぞれのレーザ光の照射位置に達する。
書込み部6において、4つの光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応してそれぞれ射出される。各レーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程である)。
イエロー成分に対応したレーザ光は、紙面左側から1番目の感光体ドラム11Yの表面に照射される。このとき、イエロー成分のレーザ光は、高速回転するポリゴンミラーにより、感光体ドラム11Yの回転軸方向(主走査方向)に走査される。こうして、帯電装置12にて帯電された後の感光体ドラム11Yの表面には、イエロー成分に対応した静電潜像が形成される。
同様に、マゼンタ成分に対応したレーザ光は、紙面左から2番目の感光体ドラム11Mの表面に照射されて、マゼンタ成分に対応した静電潜像が形成される。シアン成分のレーザ光は、紙面左から3番目の感光体ドラム11Cの表面に照射されて、シアン成分の静電潜像が形成される。ブラック成分のレーザ光は、紙面左から4番目の感光体ドラム11BKの表面に照射されて、ブラック成分の静電潜像が形成される。
その後、各色の静電潜像が形成された感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、それぞれ、現像装置13との対向位置に達する。そして、各現像装置13から感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に各色のトナーが供給されて、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の潜像が現像される(現像工程である)。
現像工程後の感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、それぞれ、像担持体としての中間転写ベルト17との対向部に達する。ここで、それぞれの対向部には、中間転写ベルト17の内周面に当接するように一次転写バイアスローラ14が設置されている。そして、一次転写バイアスローラ14の位置で、中間転写ベルト17上に、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて一次転写される(一次転写工程である)。
転写工程後の感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、それぞれ、クリーニング部15との対向位置に達する。そして、クリーニング部15で、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に残存する未転写トナーが除去され回収される(クリーニング工程である)。なお、クリーニング部15によって除去され回収された未転写トナーは、搬送経路を介して、廃トナーとして廃トナー回収容器80に搬送され回収される。その後、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、除電部を通過して、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKにおける一連の作像プロセスが終了する。
他方、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の各色のトナーが重ねて一次転写(担持)された中間転写ベルト17(像担持体)は、図1の反時計方向に走行して、二次転写ローラ18との対向位置に達する。二次転写ローラ18は、中間転写ベルト17当接して、転写ニップたる二次転写ニップを形成している。この二次転写ニップにおいて、用紙P上に中間転写ベルト17上に担持されたカラーのトナー像が二次転写される(二次転写工程である)。
二次転写ローラ18に中間転写ベルト17を介して対向する対向ローラ18Aに二次転写バイアスが印加され、二次転写ローラ18は、電気的に接地されている。中間転写ベルト17のカラーのトナー像を用紙Pに二次転写するときは、トナーの正規帯電極性であるマイナス極性の転写バイアスを対向ローラ18Aに印加し、中間転写ベルト上のマイナス極性の正規帯電トナーを用紙Pの斥力転写する。
二次転写工程後の中間転写ベルト17の表面は、ベルトクリーニング装置30の位置に達する。ベルトクリーニング装置30は、クリーニング部材たるクリーニングブレード31を有している。このクリーニングブレード31により中間転写ベルト17上に付着したトナー(未転写トナー)が除去される。クリーニングブレードにより除去されたトナーは、搬送経路を介して、廃トナーとして廃トナー回収容器80に搬送され回収される。
ここで、中間転写ベルト17と二次転写ローラ18との間(二次転写ニップである)に搬送される用紙Pは、給紙部7からレジストローラ9等を経由して搬送されるものである。
詳しくは、用紙Pを収納する給紙部7から、給紙ローラ8により給送された用紙Pが、搬送ガイドを通過した後に、レジストローラ9に導かれる。レジストローラ9に達した用紙Pは、タイミングを合わせて、二次転写ニップに向けて搬送される。
詳しくは、用紙Pを収納する給紙部7から、給紙ローラ8により給送された用紙Pが、搬送ガイドを通過した後に、レジストローラ9に導かれる。レジストローラ9に達した用紙Pは、タイミングを合わせて、二次転写ニップに向けて搬送される。
二次転写工程でフルカラー画像が転写された用紙Pは、その後に定着装置20に導かれる。定着装置20では、定着ローラと加圧ローラとのニップにて、カラー画像が用紙P上に定着される。そして、定着工程後の用紙Pは、排紙ローラによって装置本体外に出力画像として排出されて、排紙トレイ5上にスタックされて、一連の画像形成プロセスが完了する。
本複写機は、環境変動や経時における画像品質の安定化を図るために、所定のタイミングでプロセスコントロールと呼ばれる制御を実施する。
図2は、中間転写ベルト上の画質調整用パターンを説明する模式図である。
図2は、中間転写ベルト上の画質調整用パターンを説明する模式図である。
画質調整用パターンは、階調パターンであり、画像濃度が互いに異なる複数のトナーパッチからなる。画質調整用パターンは、中間転写ベルト17の光学センサとの対向位置(幅方向中央と、両端)に形成される。図2に示す例では、上からブラック、シアン、マゼンタ、イエローの画質調整用パターンが形成されている。
光学センサユニット40は、中間転写ベルト17のベルト幅方向に所定の間隔をおいて並ぶ複数の付着量検知手段としての光学センサ40R,40C,40Fを有している。それぞれの光学センサは、中間転写ベルト17や中間転写ベルト17上の画質調整用パターンPtK,PtC,PtM,PtYの光反射率に応じた信号を出力し、トナー付着量を検出する。複写機1は、検出したトナー付着量に基づいて現像バイアスVbなどの作像条件を調整する。
中間転写ベルト17の幅方向端部領域に対向するように配置された光学センサ40R,40Fは、通紙領域よりも外側に配置されている。そのため、複写機は、印刷動作中に画像濃度調整等の画質調整を行うことができる。具体的には、図3に示すように、通紙領域よりも外側に画質調整用パターンを形成し、その画質調整用パターンのトナー付着量を光学センサ40R,40Fにて検知する。そして、光学センサ40R,40Fで検知したトナー付着量に基づいて、現像バイアス等を調整して画像濃度等を調整する。
トナーの母体成分や、トナーに添加されたシリカや酸化チタン、その他、いわゆるトナーの外添剤が感光体ドラム11から中間転写ベルト17へ転移する。この中間転写ベルト17へ転移したトナーの外添剤が中間転写ベルト17に固着して、中間転写ベルト17にフィルミングが発生することがある。また、感光体ドラム11の表面に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布部を有する場合は、トナーの外添剤に加えて、潤滑剤に含まれる各種成分も感光体ドラム11から中間転写ベルト17へ転移する。そして、トナーの外添剤と潤滑剤とがお互いに相互作用して、中間転写ベルト17のフィルミングが悪化する場合がある。さらに、二次転写ニップにおいて、用紙Pから紙紛が中間転写ベルト17に転移し、中間転写ベルト17に固着して紙紛フィルミングが発生することがある。
このような中間転写ベルト17のフィルミングは、中間転写ベルト17への外部からの圧力(主に感光体ドラムとの接触圧)によって、シリカなどのトナー外添剤および潤滑剤に含まれる各種成分などのフィルミング物質が固着して発生する。中間転写ベルト17にフィルミングが発生すると、全ベタ画像やハーフトーン画像を出力するとフィルミングに対応する部分にトナーが載らず、白く抜ける所謂白抜けなどの異常画像が発生してしまう。
また、フィルミングが発生すると、ベルトの光沢度が低下する。そのため、中間転写ベルト17の光学センサ40R,40C,40Fとの対向領域にフィルミングが発生すると、出力信号が変化し、中間転写ベルト上の階調パターンの付着量を良好に検知することができなくなる。また、フィルミング状態のムラにより、光学センサの出力が安定せず正しく画像調整できないという問題もある。
さらに、フィルミングによりクリーニングブレード31のクリーニング性が低下するおそれがある。ベルト幅方向において、クリーニングブレード31の光学センサ40R,40C,40Fの配置位置に対応する位置には、単位面積当たりの付着量が多い階調パターンが入力される機会が多い。そのため、中間転写ベルト17の光学センサ40R,40C,40Fとの対向領域にフィルミングが発生すると、階調パターンがクリーニングブレード31に入力されたときに、クリーニング不良(トナーのすり抜け)が発生するリスクが高くなる。
上記フィルミングは、クリーニングブレード31と中間転写ベルト17の表面との当接箇所(以下「クリーニング箇所」という)に滞留するトナーによって掻き取られ、中間転写ベルト17表面上から除去することができる。具体的には、クリーニング箇所に滞留するトナー表面の凹凸とトナーにかかるクリーニングブレード31の圧により中間転写ベルト表面のフィルミングが掻き取られる。
そのため、本複写機1は、中間転写ベルト17のフィルミングを抑制するために、所定のタイミングで中間転写ベルト17上に掻き取り用トナーパターンを形成する。そして、この掻き取り用トナーパターンをクリーニングブレード31に入力することで、クリーニング箇所に十分な量のトナーが滞留するようにしている。
図4は、通常の画像形成動作で3枚連続印刷した場合に中間転写ベルト17に形成されるトナーパターンの形成位置について説明する図である。
図4に示すように、トナーパターンの形成位置としては、
1.二次転写ニップに通紙される1枚目の用紙よりも前の位置
2.二次転写ニップに通紙される用紙幅よりも外側
3.紙間
4.最終紙が二次転写ニップを通過した後の位置
などを挙げることができる。
上記2.は、画質調整用パターンたる階調パターンが形成される位置であり、上記1.、3.、4.が、掻き取り用トナーパターンの形成位置である。掻き取り用トナーパターンは、ベルト幅方向(主走査方向)に長い帯状パターンであり、中間転写ベルト17のトナー像が形成可能なトナー像形成可能領域の幅と同じ幅を有している。本実施形態では、中間転写ベルト17のトナー像形成可能領域の幅は、現像装置13の感光体ドラム上にトナー供給可能な主走査方向の長さであり、中間転写ベルトのベルト幅よりも短い。
図4に示すように、トナーパターンの形成位置としては、
1.二次転写ニップに通紙される1枚目の用紙よりも前の位置
2.二次転写ニップに通紙される用紙幅よりも外側
3.紙間
4.最終紙が二次転写ニップを通過した後の位置
などを挙げることができる。
上記2.は、画質調整用パターンたる階調パターンが形成される位置であり、上記1.、3.、4.が、掻き取り用トナーパターンの形成位置である。掻き取り用トナーパターンは、ベルト幅方向(主走査方向)に長い帯状パターンであり、中間転写ベルト17のトナー像が形成可能なトナー像形成可能領域の幅と同じ幅を有している。本実施形態では、中間転写ベルト17のトナー像形成可能領域の幅は、現像装置13の感光体ドラム上にトナー供給可能な主走査方向の長さであり、中間転写ベルトのベルト幅よりも短い。
中間転写ベルト上の掻き取り用トナーパターンが二次転写ニップを抜けるときは、対向ローラ18Aにプラス極性のバイアスを印加する。対向ローラ18Aにプラス極性のバイアスを印加することで、掻き取り用トナーパターンを中間転写ベルト17に静電的に引き付け、掻き取り用トナーパターンが二次転写ローラ18や用紙Pに転写されないようにしている。
クリーニングブレード31には、用紙に二次転写されずに中間転写ベルトに残留した転写残トナーが入力される。このクリーニングブレード31に入力された転写残トナーによっても、中間転写ベルトのフィルミングが掻き取られる。クリーニングブレード31に入力される転写残トナーは、ベルト幅方向(主走査方向)で均一ではない。ベルト幅方向で、用紙に転写される画像の画像面積率が高い箇所では、多くの転写残トナーが入力されるが、画像面積率が低い箇所は、転写残トナーの入力量が少ない。その結果、中間転写ベルトのベルト幅方向で、転写残トナーによるフィルミングの除去量が異なり、中間転写ベルト上のフィルミング量が、ベルト幅方向で異なる。
従来の掻き取り用トナーパターンは、ベルト搬送方向(副走査方向)長さがベルト幅方向で一定、かつ、単位面積当たりのトナー付着量もベルト幅方向で一定であった。そのため、クリーニングブレード31への入力トナー量がベルト幅方向で一定となっていた。よって、ベルト幅方向で転写残トナーの入力が多くフィルミング量が少ない箇所では、掻き取り用トナーパターンによって過剰なトナーがクリーニングブレード31に入力され、無駄なトナー消費となっていた。一方、ベルト幅方向で転写残トナーの入力が少なくフィルミング量が多い箇所では、掻き取り用トナーパターンによるクリーニングブレードへの入力トナー量が不足し、十分なフィルミング除去ができないおそれがあった。
そこで、本複写機は、図5に示すように、掻き取り用トナーパターンKpを複数の領域に分割し、各領域のクリーニングブレード31へのトナー入力量を、その領域に対応するクリーニングブレードの箇所に入力されたトナー量に基づいて設定している。
この図5に示す例は、掻き取り用トナーパターンを8つの領域K1~K8に分割し、各領域におけるベルト搬送方向(副走査方向)長さを、その領域に対応するクリーニングブレード31の箇所に入力されたトナー量に応じて変更するものである。
図5では、掻き取り用トナーパターンKpの両端の領域K1,K8に対応する中間転写ベルト17の箇所は、用紙に転写するトナー像が形成されていない。そのため、クリーニングブレード31の領域K1、K8に対応する箇所に入力される転写残トナーは無い。従って、これらの領域K1、K8に対応する箇所では、転写残トナーによるフィルミングの掻き取りが行われないため、フィルミングが多く発生しているおそれがある。よって、領域K1、K8は、クリーニングブレード31へ入力トナー量を最大値とし、掻き取り用トナーパターンの領域K1、K8のベルト幅方向長さを最も長くする。
図5では、掻き取り用トナーパターンKpの両端の領域K1,K8に対応する中間転写ベルト17の箇所は、用紙に転写するトナー像が形成されていない。そのため、クリーニングブレード31の領域K1、K8に対応する箇所に入力される転写残トナーは無い。従って、これらの領域K1、K8に対応する箇所では、転写残トナーによるフィルミングの掻き取りが行われないため、フィルミングが多く発生しているおそれがある。よって、領域K1、K8は、クリーニングブレード31へ入力トナー量を最大値とし、掻き取り用トナーパターンの領域K1、K8のベルト幅方向長さを最も長くする。
中間転写ベルト17の掻き取り用トナーパターンKpの領域K5~K7に対応する箇所には、画像面積率の高い写真トナー像G2が形成されている。そのため、これらの箇所では、転写残トナーが多く発生し、クリーニングブレード31へ入力された転写残トナー量が多い。よって、これらの箇所では、クリーニングブレード31へ入力された転写残トナーにより中間転写ベルト17のフィルミングが有る程度、掻き取られている。そのため、中間転写ベルト17のフィルミング量は少ない。よって、これらの箇所では、クリーニングブレード31に入力する入力トナー量が少なくても、中間転写ベルト17のフィルミングを十分に除去できる。よって、掻き取り用トナーパターンKpの領域K5~K7は、入力トナー量を少なく設定し、ベルト幅方向長さを短くする。
中間転写ベルト17の掻き取り用トナーパターンKpの領域K2~K3に対応する箇所には、画像面積率の低い文字トナー像G1が形成されている。そのため、これらの箇所では、転写残トナーは少ない。よって、これらの箇所では、クリーニングブレード31へ入力された転写残トナーにより中間転写ベルト17のフィルミングはあまり除去されない。そのため、掻き取り用トナーパターンの領域K2~K3は、入力トナー量を多めに設定し、ベルト幅方向長さを領域K1、K8と、領域K5~K7の間に設定する。
中間転写ベルト17の掻き取り用トナーパターンKpの領域K4に対応する箇所には、文字トナー像G1の一部と、写真トナー像G2の一部とが形成されている。そのため、その箇所の画像面積率は、領域K2~K3に対応する箇所よりかは高く、領域K5~K7に対応する箇所よりかは低くなる。そのため、クリーニングブレード31に入力される転写残トナー量も、領域K2~K3に対応する箇所の転写残トナー量と領域K5~K7に対応する箇所の転写残トナー量の間の量となる。従って、掻き取り用トナーパターンKpの領域K4については、入力トナー量を領域K2~K3の入力トナー量と領域K5~K7の入力トナー量の間に設定する。
掻き取り用トナーパターンKpを形成するために用いるトナーは、Y,M,C,Kのトナーのうち、フィルミングの掻き取り効果が最も高いトナーとするのが好ましい。フィルミングの掻き取り効果に差がなければ、Y,M,C,Kの少なくとも1つのトナーを用いればよい。また、劣化の少ないトナーの方が、外添剤などの脱落がなく掻き取り効果が高いため、使用頻度が高く、現像装置内に長く留まるトナーが少なく劣化したトナーが少ないK色トナーで掻き取り用トナーパターンを形成するのが好ましい。
このように、クリーニングブレード31の掻き取り用トナーパターンの各領域K1~K8に対応する箇所に入力された転写残トナー量に基づいて、領域K1~K8の入力トナー量を設定することで、以下の効果を得ることができる。すなわち、トナー消費の無駄を抑制し、かつ、中間転写ベルト17上のフィルミングを良好に抑制することができるという効果である。
図6は、掻き取り用トナーパターンKpの各領域の入力トナー量設定に関するブロック図である。
図6に示すように、制御部100は、作像コントローラ101、累計入力トナー量算出部102、記憶部103、入力トナー量設定部104、掻き取り用トナーパターン設定部105などを備えている。
図6に示すように、制御部100は、作像コントローラ101、累計入力トナー量算出部102、記憶部103、入力トナー量設定部104、掻き取り用トナーパターン設定部105などを備えている。
作像コントローラ101は、書込み部6、各色の帯電装置や現像装置などを制御するものであり、これらを制御して入力された画像データに基づいてトナー像を作像する。記憶部103は、HDDやフラッシュメモリなどの公知の不揮発性メモリで構成される。記憶部103には、前回の掻き取り用トナーパターン形成から現時点までの、クリーニングブレード31の掻き取り用トナーパターンの各領域K1~K8に対応する箇所に入力された各箇所の累計入力トナー量が記憶されている。
累計入力トナー量算出部102は、クリーニングブレード31の掻き取り用トナーパターンKpの各領域に対応する箇所の、前回の掻き取り用トナーパターン形成から現時点までの累計入力トナー量を算出する。この累計入力トナー量算出部102には、用紙に形成する画像データが入力される。累計入力トナー量算出部102は、この画像データに基づいて、クリーニングブレード31の掻き取り用トナーパターンKpの各領域K1~K8に対応する箇所の画像面積率を求める。そして、求めた各箇所の画像面積率、予め求めた中間転写ベルト上のベタトナー像のトナー付着量、および想定2次転写率から、各箇所の転写残トナー量を推定する。この推定された各箇所の転写残トナー量を、今回の画像形成動作でクリーニングブレードの各箇所に入力される入力トナー量として、記憶部103に記憶されている各箇所の累計入力トナー量に積算する。
上記中間転写ベルト上のベタトナー像のトナー付着量は、中間転写ベルト上にベタトナー像を形成し、光学センサによってベタトナー像の付着量を検知することで求めることができる。想定二次転写率は、予め求めた一定値を使用いてもよいし、トナーの劣化度合い、使用環境、画像面積率など、二次転写率に影響を及ぼす要因に基づいて、変更するようにしてもよい。また、定期的に用紙にベタ画像からなるテストパターンを形成し、用紙に形成されたテストパターンをスキャナ等で読み込んで2次転写率を求めてもよい。また、二次転写ニップとクリーニングブレード31との間に光学センサをアレイ状に配置し、クリーニングブレード31の各領域K1~K8に対応する各箇所に入力される転写残トナー量を光学センサで検知するようにしてもよい。
クリーニングブレード31には、転写残トナーの他に、階調パターンなどの画質調整用パターンが入力される。そのため、累計入力トナー量算出部102は、クリーニングブレード31に入力された画質調整用パターンのトナー量も、累計入力トナー量に積算する。画質調整用パターンのトナー量は、次のように把握する。累計入力トナー量算出部102は、画質調整用パターンの形成位置から、画質調整用パターンが、掻き取り用トナーパターンKpのどの領域に対応する箇所に形成されたか把握する。例えば、図3に示したように、画質調整用パターンが、リア側の光学センサ40Rに対向する箇所と、フロント側の光学センサ40Fに対向する箇所に形成されたときは、画質調整用パターンが領域K1と領域K8に対応する箇所に形成されたと把握する。
画質調整用パターンは、二次転写されずにそのままクリーニングブレード31に入力される。そのため、光学センサが検知した画質調整用パターンの単位面積当たりのトナー付着量と、画質調整用パターンの面積とから入力トナー量を算出し、累計入力トナー量に積算する。また、画質調整用パターンを作像する際の作像条件(帯電バイアス、露光量、現像バイアス等)から、画質調整用パターンの単位面積当たりのトナー付着量を推定してもよい。
入力トナー量設定部104は、掻き取り用トナーパターンKpの各領域K1~K8の入力トナー量を設定する。具体的には、入力トナー量設定部104は、掻き取り用トナーパターンKpを形成する際に、記憶部103から各箇所の累計入力トナー量を読み出す。そして、読み出した各箇所の累計入力トナー量に基づいて、掻き取り用トナーパターンKpの各領域K1~K8の入力トナー量を設定する。例えば、掻き取り用トナーパターンの目標のトナー量に対して、累計入力トナー量を減算して、各領域K1~K8のクリーニングブレード31への入力トナー量を設定する。
掻き取り用トナーパターン設定部105は、入力トナー量設定部104で設定された各領域K1~K8の入力トナー量に基づいて、各領域K1~K8のベルト搬送方向長さを設定する。そして、領域毎にベルト搬送方向長さが設定された掻き取り用トナーパターンデータを構築し、その掻き取り用トナーパターンデータを作像コントローラ101へ送信する。作像コントローラ101は、掻き取り用トナーパターンデータに基づいて、書込み部6などを制御して、中間転写ベルト17に図5に示したような掻き取り用トナーパターンKpを形成する。また、掻き取り用トナーパターンKpを形成したら、記憶部103に記憶されている累計入力トナー量をリセットする。
図7は、紙間と、最終紙が二次転写ニップを通過した後の位置とに掻き取り用トナーパターンKpを形成する実施例について説明する図である。
図7に示すように、1枚目の用紙に転写される画像は、図5に示した画像と同様であるが、この図7では、通紙領域の外側に画質調整用パターンPtが形成されている。そのため、掻き取り用トナーパターンKpの領域K1と領域K8に対応する箇所の累計入力トナー量には、この画質調整用パターンPtのトナー量が積算される。従って、1枚目と2枚目の紙間に形成される掻き取り用トナーパターンKpの領域K1と領域K8のベルト搬送方向長さは、図5に比べて短くなっており、領域K1、K8の入力トナー量は、少なくなっている。
図7に示すように、1枚目の用紙に転写される画像は、図5に示した画像と同様であるが、この図7では、通紙領域の外側に画質調整用パターンPtが形成されている。そのため、掻き取り用トナーパターンKpの領域K1と領域K8に対応する箇所の累計入力トナー量には、この画質調整用パターンPtのトナー量が積算される。従って、1枚目と2枚目の紙間に形成される掻き取り用トナーパターンKpの領域K1と領域K8のベルト搬送方向長さは、図5に比べて短くなっており、領域K1、K8の入力トナー量は、少なくなっている。
前回の掻き取り用トナーパターンの形成から2枚目と3枚目の紙間に形成される掻き取り用トナーパターンの形成までにクリーニングブレード31に入力されるのは、2枚目の用紙に転写されるトナー像の転写残トナーのみである。クリーニングブレード31の領域K1、K7、K8に対応する箇所は、前回から今回までにクリーニングブレード31に入力されたトナーがない。そのため、領域K1、K7、K8の入力トナー量は、目標の入力トナー量となり、ベルト搬送方向長さが最大となっている。また、領域K2、K3に対応する箇所の文字トナー像G1の画像面積率が、領域K5、K6に対応する箇所の文字トナー像G1の画像面積率よりも高い。そのため、クリーニングブレード31の領域K2、K3に対応する箇所に入力される転写残トナーが、領域K5、K6に対応する箇所に入力される転写残トナーよりも多くなる。従って、領域K2、K3に対応する箇所の累計トナー量が、領域K5、K6に対応する箇所よりも多くなるため、領域K2、K3のベルト搬送方向長さは、領域K5、K6のベルト搬送方向長さよりも短くなる。
3枚目の用紙には、領域K6と領域K7に対応する箇所にしか画像が形成されていない。そのため、前回の掻き取り用トナーパターンKpの形成から今回の掻き取り用トナーパターンの形成時までにクリーニングブレード31の領域K6と領域K7に対応する箇所のみトナーが入力される。よって、最終紙が二次転写ニップを通過した後の位置に形成する掻き取り用トナーパターンについては、領域K6と領域K7のみ設定される入力トナー量が目標の入力トナー量よりも少なくなり、ベルト搬送方向の長さが短くなる。
図8は、最終紙が二次転写ニップを通過した後の位置に掻き取り用トナーパターンKpを形成する実施例について、説明する図である。
図8に示す構成では、図7に示す構成に比べて、掻き取り用トナーパターンKpの形成頻度が少ない。そのため、図7に示す構成に比べて、設定される目標の入力トナー量は、多くなっている。
図8に示す構成では、図7に示す構成に比べて、掻き取り用トナーパターンKpの形成頻度が少ない。そのため、図7に示す構成に比べて、設定される目標の入力トナー量は、多くなっている。
この図8においては、1~3枚目までの用紙に転写されるトナー像の転写残トナー量および画質調整用パターンPtのトナー量が、累計入力トナー量として積算される。掻き取り用トナーパターンKpの形成は、各領域に対応する箇所の累計入力トナー量と、目標の入力トナー量とに基づいて、各領域K1~K8の入力トナー量が設定される。そして、設定された各領域の入力トナー量に基づいて各領域のベルト搬送方向長さが設定され、図8に示すような掻き取り用トナーパターンKpが形成される。
図9は、二次転写ニップに通紙される1枚目の用紙よりも前の位置に掻き取り用トナーパターンを形成する実施例について説明する図である。
図9に示す場合は、前回の印刷動作時にクリーニングブレード31に入力された転写残トナー量や画質調整用パターンPtが、累計入力トナー量として積算され、この累計入力トナー量に基づいて、各領域K1~K8の入力トナー量が設定される。そして、設定された各領域K1~K8の入力トナー量に基づいて各領域K1~K8のベルト搬送方向長さが設定され、図9に示すような掻き取り用トナーパターンKpが形成される。
図9に示す場合は、前回の印刷動作時にクリーニングブレード31に入力された転写残トナー量や画質調整用パターンPtが、累計入力トナー量として積算され、この累計入力トナー量に基づいて、各領域K1~K8の入力トナー量が設定される。そして、設定された各領域K1~K8の入力トナー量に基づいて各領域K1~K8のベルト搬送方向長さが設定され、図9に示すような掻き取り用トナーパターンKpが形成される。
図9に示す1~3枚目までの用紙に転写される画像の転写残トナー量および画質調整用パターンPtのトナー量が、累計入力トナー量として積算される。この累計入力トナー量は、次の印刷動作時に1枚目の用紙よりも前の位置に形成される掻き取り用トナーパターンKpの各領域K1~K8の入力トナー量の設定に用いられる。
フィルミングによる光学センサ40R,40C,40Fの付着量検知精度の低下は、フィルミングによる白抜けなどの異常画像よりもフィルミングの影響度が高く、少しのフィルミングでも付着量検知精度が低下してしまうおそれがある。そのため、中間転写ベルト17の光学センサ40R,40C,40Fが対向する箇所は、それ以外の箇所に比べて、クリーニングブレード31に入力するトナー量を多くして、より多くのフィルミングを掻き取るのが好ましい。そこで、掻き取り用トナーパターンKpの光学センサ40R,40C,40Fの配置位置に対応する領域の入力トナー量については、トナー量が多くなるような重み付けを行うのが好ましい。
図10は、掻き取り用トナーパターンKpの光学センサ40R,40C,40Fの配置位置に対応する領域の入力トナー量について、トナー量が多くなるように重み付けを行った実施例について説明する図である。
図10では、掻き取り用トナーパターンKpの領域K1と、領域K4と、領域K8が光学センサ40R,40C,40Fの配置位置に対応している。
図10に示す例における累計入力トナー量は、図8に示す例と同様であるが、光学センサ40R,40C,40Fの配置位置に対応する領域K1と、領域K4と、領域K8のベルト搬送方向長さが、図8に示す掻き取り用トナーパターンに比べて長くなっている。これは、領域K1と、領域K4と、領域K8については、累計入力トナー量と、目標の入力トナー量とに基づいて算出された入力トナー量に対して、予め設定された重み付け係数α(α>1)を乗算して、入力トナー量を多くしたためである。これにより、これら領域K1,K4,K8については、累計入力トナー量が他の領域と同量であったとしても、設定される入力トナー量は他の領域よりも多くなり、ベルト搬送方向長さが長くなる。
図10では、掻き取り用トナーパターンKpの領域K1と、領域K4と、領域K8が光学センサ40R,40C,40Fの配置位置に対応している。
図10に示す例における累計入力トナー量は、図8に示す例と同様であるが、光学センサ40R,40C,40Fの配置位置に対応する領域K1と、領域K4と、領域K8のベルト搬送方向長さが、図8に示す掻き取り用トナーパターンに比べて長くなっている。これは、領域K1と、領域K4と、領域K8については、累計入力トナー量と、目標の入力トナー量とに基づいて算出された入力トナー量に対して、予め設定された重み付け係数α(α>1)を乗算して、入力トナー量を多くしたためである。これにより、これら領域K1,K4,K8については、累計入力トナー量が他の領域と同量であったとしても、設定される入力トナー量は他の領域よりも多くなり、ベルト搬送方向長さが長くなる。
このように、領域K1と、領域K4と、領域K8について、入力トナー量が多くなるような重み付けを行うことで、中間転写ベルト17の光学センサ40R,40C,40Fと対向する箇所は、他の箇所に比べて、よりフィルミングが抑制される。よって、フィルミングによるトナー付着量の検知精度の低下を抑制することができる。
なお、掻き取り用トナーパターンKpの領域K1と、領域K4と、領域K8の目標の入力トナー量を、他の領域の目標のトナー入力量よりも多くすることで、これら領域K1、K4と、K8の入力トナー量が多くなるようにしてもよい。
図11は、設定された入力トナー量に基づいて、掻き取り用トナーパターンKpの各領域K1~K8の単位面積当たりのトナー付着量を設定した実施例について説明する図である。
図11に示す構成としても、クリーニングブレード31の各領域K1~K8に対応する箇所には、フィルミング量に応じたトナー量が入力され、トナーの無駄な消費を抑制し、かつ、フィルミングを良好に除去することができる。
図11に示す構成としても、クリーニングブレード31の各領域K1~K8に対応する箇所には、フィルミング量に応じたトナー量が入力され、トナーの無駄な消費を抑制し、かつ、フィルミングを良好に除去することができる。
なお、上述では、掻き取り用トナーパターンを8つの領域に区分けているが、区分けする領域の数は、装置の構成などにより適宜決めればよい。
また、上述では、中間転写方式の画像形成装置に本発明を適用した実施形態について説明したが、感光体ドラム上のトナー像を直接、記録媒体たる用紙に転写する直接転写方式の画像形成装置にも本発明を適用することができる。この直接転写方式の画像形成装置については、像担持体が、感光体ドラムに対応し、転写部材が、感光体ドラムに当接して転写ニップを形成する転写ローラに対応する。そして、クリーニング部材が、感光体表面をクリーニングする感光体クリーニングブレードに対応する。
また、上述では、中間転写方式の画像形成装置に本発明を適用した実施形態について説明したが、感光体ドラム上のトナー像を直接、記録媒体たる用紙に転写する直接転写方式の画像形成装置にも本発明を適用することができる。この直接転写方式の画像形成装置については、像担持体が、感光体ドラムに対応し、転写部材が、感光体ドラムに当接して転写ニップを形成する転写ローラに対応する。そして、クリーニング部材が、感光体表面をクリーニングする感光体クリーニングブレードに対応する。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
中間転写ベルト17などの像担持体と、像担持体上のトナー像を用紙などの記録媒体に転写する二次転写ローラ18などの転写部材と、像担持体の表面をクリーニングするクリーニングブレード31などのクリーニング部材とを備え、掻き取り用トナーパターンKpなどの記録媒体に転写しないトナー像パターンを像担持体に形成する画像形成装置において、トナー像パターンは、像担持体の表面移動方向と直交する直交方向で複数の領域K1~K8に区分けされており、トナー像パターンのクリーニング部材へ入力する各領域の入力トナー量は、前回のトナー像パターンがクリーニング部材に入力されてから現時点までに領域に対応するクリーニング部材の箇所に入力された累計入力トナー量などの累計トナー量に基づいて、設定されている。
クリーニング部材の像担持体との当接部にトナーが滞留することで、滞留したトナーにより像担持体のフィルミングが掻き取られ、像担持体のフィルミングが除去される。
記録媒体に画像を形成するときは、記録媒体に転写されずに像担持体に残留した転写残トナーがクリーニング部材に入力され、このクリーニング部材に入力された転写残トナーによりフィルミングが掻き取られる。しかしながら、記録媒体に転写されるトナー像のトナー量は、像担持体の表面移動方向と直交する直交方向で互いに異なることが多く、その結果、クリーニング部材に入力される転写残トナー量が、直交方向で互いに異なってくる。そのため、直交方向において、クリーニング部材に入力される転写残トナー量に応じて、像担持体表面のフィルミング量が直交方向で異なってしまう。
トナー像パターンをベタのトナー帯とし、直交方向でトナー量が一定の特許文献1では、前回のトナー像パターンがクリーニング部材に入力されてから現時点までのクリーニング部材へ入力されるトナー量が多くフィルミングが少ない箇所では、フィルミング量に対して入力されるトナーが過剰であり、トナーの無駄な消費が発生してしまう。一方、前回のトナー像パターンがクリーニング部材に入力されてから現時点までのクリーニング部材へ入力されたトナー量が少なく、フィルミングが十分除去できてない箇所では、フィルミング量に対して入力されるトナー量が不足し、十分なフィルミング除去ができないという課題が生じる。
これに対し、本態様では、トナー像パターンを複数の領域に区分けし、区分けした各領域のクリーニング部材への入力トナー量を、前回のトナー像パターンがクリーニング部材に入力されてから現時点までのクリーニング部材の各領域に対応する箇所に入力されたトナー量に基づいて設定している。
これにより、トナー像パターンにより、像担持体の直交方向の各箇所のフィルミング量に応じたトナー量を、クリーニング部材に入力することができ、無駄なトナー消費を抑制するとともに、良好に像担持体の表面のフィルミングの除去を行うことができる。
(態様1)
中間転写ベルト17などの像担持体と、像担持体上のトナー像を用紙などの記録媒体に転写する二次転写ローラ18などの転写部材と、像担持体の表面をクリーニングするクリーニングブレード31などのクリーニング部材とを備え、掻き取り用トナーパターンKpなどの記録媒体に転写しないトナー像パターンを像担持体に形成する画像形成装置において、トナー像パターンは、像担持体の表面移動方向と直交する直交方向で複数の領域K1~K8に区分けされており、トナー像パターンのクリーニング部材へ入力する各領域の入力トナー量は、前回のトナー像パターンがクリーニング部材に入力されてから現時点までに領域に対応するクリーニング部材の箇所に入力された累計入力トナー量などの累計トナー量に基づいて、設定されている。
クリーニング部材の像担持体との当接部にトナーが滞留することで、滞留したトナーにより像担持体のフィルミングが掻き取られ、像担持体のフィルミングが除去される。
記録媒体に画像を形成するときは、記録媒体に転写されずに像担持体に残留した転写残トナーがクリーニング部材に入力され、このクリーニング部材に入力された転写残トナーによりフィルミングが掻き取られる。しかしながら、記録媒体に転写されるトナー像のトナー量は、像担持体の表面移動方向と直交する直交方向で互いに異なることが多く、その結果、クリーニング部材に入力される転写残トナー量が、直交方向で互いに異なってくる。そのため、直交方向において、クリーニング部材に入力される転写残トナー量に応じて、像担持体表面のフィルミング量が直交方向で異なってしまう。
トナー像パターンをベタのトナー帯とし、直交方向でトナー量が一定の特許文献1では、前回のトナー像パターンがクリーニング部材に入力されてから現時点までのクリーニング部材へ入力されるトナー量が多くフィルミングが少ない箇所では、フィルミング量に対して入力されるトナーが過剰であり、トナーの無駄な消費が発生してしまう。一方、前回のトナー像パターンがクリーニング部材に入力されてから現時点までのクリーニング部材へ入力されたトナー量が少なく、フィルミングが十分除去できてない箇所では、フィルミング量に対して入力されるトナー量が不足し、十分なフィルミング除去ができないという課題が生じる。
これに対し、本態様では、トナー像パターンを複数の領域に区分けし、区分けした各領域のクリーニング部材への入力トナー量を、前回のトナー像パターンがクリーニング部材に入力されてから現時点までのクリーニング部材の各領域に対応する箇所に入力されたトナー量に基づいて設定している。
これにより、トナー像パターンにより、像担持体の直交方向の各箇所のフィルミング量に応じたトナー量を、クリーニング部材に入力することができ、無駄なトナー消費を抑制するとともに、良好に像担持体の表面のフィルミングの除去を行うことができる。
(態様2)
態様1において、各箇所の累計入力トナー量などの累計トナー量は、少なくとも記録媒体に転写されずに像担持体に残留した各箇所の転写残トナー量に基づいて、算出される。
これによれば、実施形態で説明したように、前回のトナー像パターンがクリーニング部材に入力されてから現時点までに領域に対応するクリーニング部材の箇所に入力されるトナーとしては、転写残トナーがある。よって、転写残トナー量を用いることで、累計トナー量を良好に把握することができる。
態様1において、各箇所の累計入力トナー量などの累計トナー量は、少なくとも記録媒体に転写されずに像担持体に残留した各箇所の転写残トナー量に基づいて、算出される。
これによれば、実施形態で説明したように、前回のトナー像パターンがクリーニング部材に入力されてから現時点までに領域に対応するクリーニング部材の箇所に入力されるトナーとしては、転写残トナーがある。よって、転写残トナー量を用いることで、累計トナー量を良好に把握することができる。
(態様3)
態様2において、各箇所の転写残トナー量は、記録媒体に転写されるトナー像の各箇所の画像面積情報、像担持体上のベタトナー像の単位面積当たりのトナー付着量、および、転写率に基づいて算出される。
これによれば、実施形態で説明したように、クリーニング部材に入力される各箇所の転写残トナー量を推定できる。
態様2において、各箇所の転写残トナー量は、記録媒体に転写されるトナー像の各箇所の画像面積情報、像担持体上のベタトナー像の単位面積当たりのトナー付着量、および、転写率に基づいて算出される。
これによれば、実施形態で説明したように、クリーニング部材に入力される各箇所の転写残トナー量を推定できる。
(態様4)
態様2または3において、各箇所の累計入力トナー量などの累計トナー量は、中間転写ベルト17などの像担持体に形成された画質調整用パターンPtの各箇所のトナー量と、各箇所の転写残トナーとの合計値である。
これによれば、累計トナー量を良好に把握することができる。
態様2または3において、各箇所の累計入力トナー量などの累計トナー量は、中間転写ベルト17などの像担持体に形成された画質調整用パターンPtの各箇所のトナー量と、各箇所の転写残トナーとの合計値である。
これによれば、累計トナー量を良好に把握することができる。
(態様5)
態様4において、画質調整用パターンの各箇所のトナー量は、画質調整用パターンの直交方向の形成位置、画質調整用パターンの画像面積率、および、画質調整用パターンの単位面積当たりのトナー付着量に基づいて、算出される。
実施形態で説明したように、クリーニング部材に入力される各箇所の画質調整用パターンのトナー量を推定できる。
態様4において、画質調整用パターンの各箇所のトナー量は、画質調整用パターンの直交方向の形成位置、画質調整用パターンの画像面積率、および、画質調整用パターンの単位面積当たりのトナー付着量に基づいて、算出される。
実施形態で説明したように、クリーニング部材に入力される各箇所の画質調整用パターンのトナー量を推定できる。
(態様6)
態様1乃至5いずれかにおいて、掻き取り用トナーパターンKpなどのトナー像パターンの直交方向の長さは、中間転写ベルト17などの像担持体のトナー像が形成可能なトナー像形成領域の直交方向の長さである。
これによれば、像担持体のトナー像形成領域のフィルミングを除去することができる。
態様1乃至5いずれかにおいて、掻き取り用トナーパターンKpなどのトナー像パターンの直交方向の長さは、中間転写ベルト17などの像担持体のトナー像が形成可能なトナー像形成領域の直交方向の長さである。
これによれば、像担持体のトナー像形成領域のフィルミングを除去することができる。
(態様7)
態様1乃至6いずれかにおいて、中間転写ベルト17などの像担持体の表面に対向して配置され、トナー像のトナー付着量を検知する光学センサ40R,40C,40Fなどの付着量検知手段を備え、付着量検知手段の付着量検知領域に対応するトナー像パターンの領域(本実施形態では、領域K1、K4、K8)の累計トナー量に対する入力トナー量が、他の領域よりも多い。
これによれば、実施形態で説明したように、中間転写ベルト17などの像担持体の光学センサ40R,40C,40Fなどの付着量検知手段に対向する箇所のフィルミングを、それ以外の箇所よりも、クリーニング部材に入力されたトナー像パターンのトナーにより掻き取ることができる。これにより、像担持体の付着量検知手段に対向する箇所のフィルミングを良好に除去することができ、付着量検知手段の検知誤差を抑制することができる。
態様1乃至6いずれかにおいて、中間転写ベルト17などの像担持体の表面に対向して配置され、トナー像のトナー付着量を検知する光学センサ40R,40C,40Fなどの付着量検知手段を備え、付着量検知手段の付着量検知領域に対応するトナー像パターンの領域(本実施形態では、領域K1、K4、K8)の累計トナー量に対する入力トナー量が、他の領域よりも多い。
これによれば、実施形態で説明したように、中間転写ベルト17などの像担持体の光学センサ40R,40C,40Fなどの付着量検知手段に対向する箇所のフィルミングを、それ以外の箇所よりも、クリーニング部材に入力されたトナー像パターンのトナーにより掻き取ることができる。これにより、像担持体の付着量検知手段に対向する箇所のフィルミングを良好に除去することができ、付着量検知手段の検知誤差を抑制することができる。
(態様8)
態様1乃至7いずれかにおいて、設定された入力トナー量に基づいて、トナー像パターンの各領域の像担持体の表面移動方向の長さを決定する。
これによれば、掻き取り用トナーパターンKpなどのトナー像パターンの各領域に対応するクリーニング部材の箇所に入力されるトナー量を、設定された入力トナー量にすることができる。
態様1乃至7いずれかにおいて、設定された入力トナー量に基づいて、トナー像パターンの各領域の像担持体の表面移動方向の長さを決定する。
これによれば、掻き取り用トナーパターンKpなどのトナー像パターンの各領域に対応するクリーニング部材の箇所に入力されるトナー量を、設定された入力トナー量にすることができる。
(態様9)
態様1乃至7いずれかにおいて、設定された入力トナー量に基づいて、トナー像パターンの各領域の単位面積当たりのトナー付着量を設定する。
これによれば、掻き取り用トナーパターンKpなどのトナー像パターンの各領域に対応するクリーニング部材の箇所に入力されるトナー量を、設定された入力トナー量にすることができる。
態様1乃至7いずれかにおいて、設定された入力トナー量に基づいて、トナー像パターンの各領域の単位面積当たりのトナー付着量を設定する。
これによれば、掻き取り用トナーパターンKpなどのトナー像パターンの各領域に対応するクリーニング部材の箇所に入力されるトナー量を、設定された入力トナー量にすることができる。
1 :複写機
17 :中間転写ベルト
18 :二次転写ローラ
18A :対向ローラ
30 :ベルトクリーニング装置
31 :クリーニングブレード
40 :光学センサユニット
40C :光学センサ
40F :光学センサ
40R :光学センサ
100 :制御部
101 :作像コントローラ
102 :累計入力トナー量算出部
103 :記憶部
104 :入力トナー量設定部
105 :掻き取り用トナーパターン設定部
G1 :文字トナー像
G2 :写真トナー像
Kp :掻き取り用トナーパターン
P :用紙
Pt :画質調整用パターン
17 :中間転写ベルト
18 :二次転写ローラ
18A :対向ローラ
30 :ベルトクリーニング装置
31 :クリーニングブレード
40 :光学センサユニット
40C :光学センサ
40F :光学センサ
40R :光学センサ
100 :制御部
101 :作像コントローラ
102 :累計入力トナー量算出部
103 :記憶部
104 :入力トナー量設定部
105 :掻き取り用トナーパターン設定部
G1 :文字トナー像
G2 :写真トナー像
Kp :掻き取り用トナーパターン
P :用紙
Pt :画質調整用パターン
Claims (9)
- 像担持体と、
前記像担持体上のトナー像を記録媒体に転写する転写部材と、
前記像担持体の表面をクリーニングするクリーニング部材とを備え、
前記記録媒体に転写しないトナー像パターンを前記像担持体に形成する画像形成装置において、
前記トナー像パターンは、前記像担持体の表面移動方向と直交する直交方向で複数の領域に区分けされており、
前記トナー像パターンの前記クリーニング部材へ入力する各領域の入力トナー量は、前回の前記トナー像パターンが前記クリーニング部材に入力されてから現時点までに前記領域に対応するクリーニング部材の箇所に入力された累計トナー量に基づいて、設定されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、
各箇所の前記累計トナー量は、少なくとも前記記録媒体に転写されずに前記像担持体に残留した各箇所の転写残トナー量に基づいて、算出されることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2に記載の画像形成装置において、
各箇所の転写残トナー量は、記録媒体に転写されるトナー像の各箇所の画像面積情報、像担持体上のベタトナー像の単位面積当たりのトナー付着量、および、転写率に基づいて算出されることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2または3に記載の画像形成装置において、
各箇所の前記累計トナー量は、前記像担持体に形成された画質調整用パターンの各箇所のトナー量と、各箇所の転写残トナーとの合計値であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項4に記載の画像形成装置において、
前記画質調整用パターンの各箇所のトナー量は、前記画質調整用パターンの直交方向の形成位置、前記画質調整用パターンの画像面積率、および、前記画質調整用パターンの単位面積当たりのトナー付着量に基づいて、算出されることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至5いずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記トナー像パターンの前記直交方向の長さは、前記像担持体の前記トナー像が形成可能なトナー像形成領域の前記直交方向の長さであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至6いずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記像担持体の表面に対向して配置され、前記トナー像のトナー付着量を検知する付着量検知手段を備え、
前記付着量検知手段の付着量検知領域に対応する前記トナー像パターンの領域の前記累計トナー量に対する前記入力トナー量が、他の領域よりの多いことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至7いずれか一項の画像形成装置において、
設定された入力トナー量に基づいて、トナー像パターンの各領域の前記像担持体の表面移動方向の長さを設定することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至7いずれか一項の画像形成装置において、
設定された入力トナー量に基づいて、トナー像パターンの各領域の単位面積当たりのトナー付着量を設定することを特徴とする画像形成装置。
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