JP2023030635A - ドラム式洗濯機 - Google Patents
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Abstract
Description
外槽の振動を低減するために外槽にサスペンションを4本備えて、外槽の振動低減を行うことが考えられる。サスペンション2本とサスペンション4本とでは、衣類の片寄りで発生するアンバランスで外槽の振動状態が異なる。このため、サスペンションの本数に合わせた外槽振動の検知が必要となる。
本実施形態におけるドラム式洗濯機の外槽は、4本のサスペンションで支持される。ドラム式洗濯機の制御手段は、外槽の上下変位の大きさに基づいて同相アンバランスが発生しているか否かを判定する。同相アンバランスと判定された場合に制御手段は、外槽の左右変位の大きさに基づいてアンバランスの有無を判定する。同相アンバランスが発生していない場合に制御手段は、外槽の前後変位(前後方向の変位)の大きさに基づいてアンバランスの有無を判定する。
なおアンバランスの大きさ(アンバランス量)について、本来は衣類の片寄り具合を示す数値であるが、実際の計測が難しい。このため、アンバランス量を外槽の振動変位で示す場合がある。
図1は、本実施形態に係るドラム式洗濯機100の外観図である。ドラム式洗濯機100の外郭を構成する筐体101は、左右の側板101A、前面カバー101B、背面カバー101C(後記する図2参照)、上面カバー101D、下ステー111(図2参照)を含んで構成される。なお、図1では右の側板101Aのみを図示しており、左の側板101Aは右の側板と同様に形成されている。
図2は、本実施形態に係るドラム式洗濯機100を右側面側から見た断面図である。図2を参照しながら、ドラム式洗濯機100の内部構成を説明する。外枠は側板101A、背面カバー101C、上ステー107、前上ステー(不図示)、前ステー(不図示)、下前ステー(不図示)、および下ステー111を含んで構成される。上述した補強部材は、上ステー107、前上ステー、前ステー、下前ステー、および下ステー111を含んで構成される。
外槽117は、衣類を収納するためのドラム121を内包する。外槽117の後方には、ドラム121を回転させるためのモータ122が配置される。モータ122は、回転軸となるシャフト122Aが外槽117を貫通し、ドラム121と結合されている。
外槽117の下部に備えられた排水ホース134の排水経路には、排水弁134Aが設けられる。排水弁134Aを閉じると外槽117内に給水した水が外槽117内に溜まり、排水弁134Aを開くと、外槽117内の洗濯水が排水ホース134からドラム式洗濯機100の機外に排水される。
利用者が操作・表示パネル103にある電源スイッチを押すことで、ドラム式洗濯機100が起動する。次に利用者は、ドア開放取手102Aを引き、ドア102を開いてドラム121内に衣類を投入する。続いて利用者は、ドア102を閉じた後に操作・表示パネル103にある操作スイッチを操作して運転開始を指示する。
最終脱水工程の後、制御装置113は乾燥工程を実行する。乾燥工程のドラム121の回転速度は、洗い工程時よりもさらに低速に設定される。乾燥工程ではドラム121を低速で回転させながら、送風ユニット(図示せず)からドラム121内の衣類に温風を吹き付けて、衣類のシワを低減しながら衣類を乾燥させる。
次に、外槽117に備えた振動センサ128によるアンバランス判定に関する例を説明する。脱水工程において制御装置113は、ドラム121の回転速度を段階的に上昇させて、外槽117の振動が増加する共振回転速度域を通過し、目標回転速度まで到達させる。外槽117の共振回転速度域では、外槽117の振動を振動センサ128で検知し、制御装置113はアンバランス判定を行いながらドラム121の回転速度を上昇させる。外槽117の共振回転速度域で、外槽117の振動(振動振幅)が予め設定した閾値よりも小さい場合には、制御装置113は目標回転速度に向けてドラム121の回転速度を上昇させる。外槽117の共振回転速度域で、外槽117の振動が前記した閾値よりも大きい場合には、制御装置113はドラム121の回転を停止して、リトライ(ほぐし動作)を行う。
図4は、本実施形態に係るドラム式洗濯機100において、ドラム121の後側に錘1000gがあるときの同相アンバランスにおける外槽117の前後変位のグラフ221、およびドラム121の前側と後側にそれぞれに錘600gがあるときの対向アンバランスにおける外槽117の前後変位のグラフ222を示す。本実施形態に係るドラム式洗濯機100は、ドラム121の大容量化を行うために外槽117の前後にサスペンション126A,126Bを4本備える防振構造となる。
図5は、本実施形態のドラム式洗濯機100における同相アンバランス(ドラム121の後側に錘1000g)における前後変位のグラフ231、上下変位のグラフ232、および左右変位のグラフ233を示す。グラフ221,231は、同相アンバランスの前後変位のグラフである。図6は、本実施形態のドラム式洗濯機100における対向アンバランス(ドラム121の前側と後側にそれぞれ錘600g)における前後変位のグラフ241、上下変位のグラフ242、および左右変位のグラフ243を示す。グラフ222,241は、対向アンバランスの前後変位のグラフである。
図7は、本実施形態に係る脱水工程におけるアンバランス判定処理のフローチャートである。なお以下では、ドラム121の回転速度を単に回転速度と記す。
ステップS11において制御装置113は、回転速度を300rpmまで上げる。
なお、ここでの上下変位における「所定の閾値」や上下変位の変化率における「所定の閾値」(第1閾値)は、例えばドラム式洗濯機の機種ごとに定められる、ミリメートル単位やパーセント単位の値であるものとする。
ステップS14において制御装置113は、回転速度を目標回転速度まで上げて所定時間継続して、脱水を行う。
ステップS15において制御装置113は、左右変位が所定の閾値以上であれば(ステップS15→YES)ステップS16に進み、当該閾値未満であれば(ステップS15→NO)ステップS14に進む。
ステップS17において制御装置113は、ほぐし動作を実行してステップS11に戻る(リトライ)。
ドラム式洗濯機100は、回転速度が300rpm付近での外槽117の上下変位を用いて同相アンバランスと対向アンバランス(バランスを含む)とを判別(ステップS12参照)した後に、アンバランスが発生しているか否かを判定(ステップS13,S15参照)している。このようにすることで制御装置113は、同相アンバランスおよび対向アンバランスの当否の判定(変位の方向と閾値)を適正化して、共振回転速度域を通過するときのアンバランス量である通過アンバランス量を適正化することができる。延いては目標回転速度での外槽117の前後変位が過大となることを防止し、ベローズ119の破損を防ぐことができる。また、通過アンバランス量を適正化することでドラム式洗濯機100は、リトライ回数の増加を抑制でき、運転時間の増加防止と脱水完了せずに運転が終了することを防止できる。なお本実施形態に示したアンバランス判定処理は、ドラム式洗濯乾燥機にも適用できる。
衣類から水が抜けた場合に、同相アンバランスが対向アンバランスに、または対向アンバランスが同相アンバランスに変化する場合がある。水抜けを考慮したアンバランス判定処理を以下に説明する。
ステップS34,S35を除くS31~S39は、図7記載のS11~S17とそれぞれ同様である。以下ではステップS34,S35を説明する。
ステップS35において制御装置113は、回転速度が400rpmに到達すればステップS36(ステップS35→YES)に進み、未到達ならば(ステップS35→NO)ステップS32に戻りアンバランス判定を繰り返す。
上記した実施形態において制御装置113は、同相アンバランスの判定後は左右変位(ステップS15)で、対向アンバランスの判定後は前後変位(ステップS13参照)でアンバランスを判定している。これに替えて制御装置113は、同相アンバランスの判定後は前後変位で、対向アンバランスの判定後は左右変位でアンバランスを判定してもよい。
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明はその他の様々な実施形態を取ることが可能であり、さらに、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等種々の変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、本明細書等に記載された発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
101 筐体
113 制御装置(制御手段)
117 外槽
121 ドラム
126A,126B サスペンション(防振部材)
128 振動センサ(振動検出手段)
Claims (5)
- 筐体と、
前記筐体内に4つの防振部材を含む部材により支持され、内部に液体を貯溜可能な外槽と、
前記外槽の内部に設けられた回転可能なドラムと、
前記外槽に設置され、振動の変位を検出する振動検出手段と、
制御手段とを備え、
前記制御手段は、
脱水動作における前記ドラムの回転速度の上昇過程において、
前記外槽の上下変位が所定の第1閾値より大きい場合には、同相アンバランスと判定し、
前記外槽の上下変位が前記所定の第1閾値より小さい場合には、対向アンバランスまたはバランスと判定する
ことを特徴とするドラム式洗濯機。 - 筐体と、
前記筐体内に4つの防振部材を含む部材により支持され、内部に液体を貯溜可能な外槽と、
前記外槽の内部に設けられた回転可能なドラムと、
前記外槽に設置され、振動の変位を検出する振動検出手段と、
制御手段とを備え、
前記制御手段は、
脱水動作における前記ドラムの回転速度の上昇過程において、
前記外槽の上下変位の変化率が所定の第1閾値より大きい場合には、同相アンバランスと判定し、
前記外槽の上下変位の変化率が前記所定の第1閾値より小さい場合には、対向アンバランスまたはバランスと判定する
ことを特徴とするドラム式洗濯機。 - 前記制御手段は、
前記同相アンバランスと判定された場合に、前記外槽の左右変位が所定の第2閾値より大きい場合にはアンバランスと判定し、
前記対向アンバランスまたはバランスと判定された場合に、前記外槽の前後変位が所定の第2閾値より大きい場合にはアンバランスと判定する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のドラム式洗濯機。 - 前記制御手段は、
前記同相アンバランスと判定された場合に、前記外槽の前後変位が所定の第2閾値より大きい場合にはアンバランスと判定し、
前記対向アンバランスまたはバランスと判定された場合に、前記外槽の左右変位が所定の第2閾値より大きい場合にはアンバランスと判定する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のドラム式洗濯機。 - 前記制御手段は、
アンバランスと判定されず、前記ドラムの回転速度が所定の回転速度閾値より低い場合には、前記同相アンバランスか、前記対向アンバランスまたは前記バランスかの判定を再び行う
ことを特徴とする請求項3または4に記載のドラム式洗濯機。
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