JP2023030323A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Yuto Ikeda
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Abstract

【課題】全気筒に対して燃料供給を行う場合のベース開度から乖離した値にベース開度が変更されることを防止する。【解決手段】制御装置は、内燃機関のアイドル運転中、実際の機関回転速度と目標機関回転速度との差が縮小するようにスロットルバルブの開度をフィードバック補正するフィードバック処理と、内燃機関のアイドル運転中、ベース開度を、フィードバック補正による補正量が小さくなるように学習する学習処理と、燃焼行程を迎える気筒の順にM個連続して気筒への燃料供給を停止する停止パターン、及び、燃焼行程を迎える気筒の順にN個連続して気筒への燃料供給を行う燃焼パターン、を内燃機関の運転を継続させつつ交互に繰り返す燃料カット処理と、を実行可能である。制御装置は、内燃機関のアイドル運転中に燃料カット処理を実行する場合(ステップS100:YES)、学習処理の実行を禁止する(ステップS110)。【選択図】図2

Description

この発明は、内燃機関の制御装置に関する。
特許文献1に開示された内燃機関は、複数の気筒、吸気通路、スロットルバルブ、及び制御装置を有する。吸気通路は、複数の気筒に接続している。スロットルバルブは、吸気通路を流れる吸気の流量を調節する。
制御装置は、内燃機関のアイドル運転中、所謂アイドルスピードコントロールを行う。すなわち、制御装置は、実際の機関回転速度と目標機関回転速度との差を縮小するようにスロットルバルブの開度をフィードバック補正する。また、制御装置は、内燃機関のアイドル運転中、上記のフィードバック補正の結果に基づいて、実際の機関回転速度が目標機関回転速度に一致するようなスロットルバルブの開度を学習値として記憶する。
特開2012-197688号公報
内燃機関に関する技術として、内燃機関のアイドル運転中、複数の気筒のうち、特定の気筒でのみ燃料供給を停止し、他の気筒では燃料供給を継続する制御が知られている。この制御を実行した場合、特定の気筒で燃料供給を停止することに伴い、機関回転速度が低下することがある。したがって、上記制御の実行中に、実際の機関回転速度を目標機関回転速度に近づけるためには、全気筒に対して燃料供給を行う場合よりもスロットルバルブの開度を大きくして吸気の吸入量を増やすことになる。
しかし、上記制御の実行中に、特許文献1に記載のスロットルバルブの開度の学習を実行すると、スロットルバルブの開度の学習値は、全気筒に対して燃料供給を行う場合に実際の機関回転速度を目標機関回転速度に一致させるのに必要な開度から大きく乖離する。この場合、全気筒への燃料供給を再開したときに実際の機関回転速度を目標機関回転速度に速やかに一致させるためには、フィードバック補正による補正量を大きくしたり、スロットルバルブの開度の学習値を元の値に戻したりする等の複雑な制御が必要になる。
上記課題を解決するための内燃機関の制御装置は、複数の気筒と、複数の前記気筒に吸気を導入する吸気通路と、前記吸気通路を流れる吸気の流量を調節するスロットルバルブとを有する内燃機関に適用され、前記内燃機関のアイドル運転中、実際の機関回転速度と目標機関回転速度との差が縮小するように前記スロットルバルブの開度をフィードバック補正するフィードバック処理と、前記内燃機関のアイドル運転中、前記フィードバック補正する前の値であるベース開度を、前記フィードバック補正による補正量が小さくなるように学習する学習処理と、「M」及び「N」を1以上の整数としたとき、燃焼行程を迎える前記気筒の順にM個連続して前記気筒への燃料供給を停止する停止パターン、及び、燃焼行程を迎える前記気筒の順にN個連続して前記気筒への燃料供給を行う燃焼パターン、を前記内燃機関の運転を継続させつつ交互に繰り返す燃料カット処理と、を実行可能であり、前記内燃機関のアイドル運転中に前記燃料カット処理を実行する場合、前記学習処理の実行を禁止する。
上記構成では、内燃機関のアイドル運転中に燃料カット処理を実行する場合、ベース開度の学習を禁止する。このことにより、ベース開度が、全気筒に対して燃料供給を行う場合のベース開度から大きく乖離した値に変更されることを防止できる。
図1は、車両の概略構成図である。 図2は、禁止処理の処理手順を表したフローチャートである。 図3は、燃料カット処理の実行前後における、(a)機関回転速度、(b)スロットル開度、及び(c)学習フラグの時間変化の例を表したタイムチャートである。
以下、内燃機関の制御装置の一実施形態を、図面を参照して説明する。
<内燃機関の概略構成>
図1に示すように、車両500は、内燃機関10を有する。内燃機関10は、車両500の駆動源である。
内燃機関10は、機関本体10A、クランク軸31、クランク角センサ64、及び水温センサ63を有する。機関本体10Aは、4つの気筒11を有する。各気筒11は、機関本体10Aに区画された空間である。図示は省略するが、各気筒11はピストンを収容している。気筒11内において、ピストンは往復動可能である。ピストンは、コネクティングロッドを介してクランク軸31に連結している。ピストンの往復動に応じてクランク軸31は回転する。クランク角センサ64は、クランク軸31の近傍に位置している。クランク角センサ64は、クランク軸31の回転位置CRを検出する。なお、本明細書では、4つの気筒11を総称して説明するときはこれらを気筒11と呼称し、これらを区別して説明するときは第1気筒#1、第2気筒#2、第3気筒#3、及び第4気筒#4と呼称する。
機関本体10Aは、ウォータージャケット18を有する。ウォータージャケット18は、冷却水が流通する通路である。ウォータージャケット18は、4つの気筒11の周囲に位置している。水温センサ63は、ウォータージャケット18の出口に位置している。水温センサ63は、冷却水の温度TWを検出する。
内燃機関10は、4つの点火プラグ19を有する。点火プラグ19は、気筒11毎に設けられている。点火プラグ19の先端は、気筒11内に位置している。点火プラグ19は、火花放電によって、吸気と燃料との混合気に点火を行う。
内燃機関10は、吸気通路15、エアフロメータ61、スロットルバルブ16、開度センサ62、及び4つの燃料噴射弁17を有する。吸気通路15は、各気筒11に吸気を導入するための通路である。吸気通路15は、各気筒11に接続している。エアフロメータ61は、吸気通路15の途中に位置している。エアフロメータ61は、吸気通路15を流れる吸気の流量GAを検出する。スロットルバルブ16は、吸気通路15における、エアフロメータ61から視て下流側に位置している。スロットルバルブ16は、吸気通路15を流れる吸気の流量GAを調節する。開度センサ62は、スロットルバルブ16の近傍に位置している。開度センサ62は、スロットルバルブ16の開度(以下、スロットル開度と記す。)SQを検出する。4つの燃料噴射弁17は、吸気通路15における、スロットルバルブ16から視て下流側に位置している。燃料噴射弁17は、気筒11毎に設けられている。燃料噴射弁17は、燃料を噴射して気筒11内へ燃料を供給する。
内燃機関10は、排気通路21、三元触媒22、及びガソリンパティキュレートフィルタ(以下、GPFと記す。)23を有する。排気通路21は、各気筒11から排気を排出するための通路である。排気通路21は、各気筒11に接続している。三元触媒22は、排気通路21の途中に位置している。三元触媒22は、排気を浄化する。三元触媒22は、酸素吸蔵能力を有する。GPF23は、排気通路21における、三元触媒22から視て下流側に位置している。GPF23は、排気に含まれるパティキュレート・マター(以下、PMと記す。)を捕集する。
車両500は、ディスプレイ501を有する。ディスプレイ501は、各種情報を表示可能である。なお、ディスプレイ501は、タッチパネル式になっており、外部からの入力操作が可能である。
<制御装置の概略構成>
車両500は、制御装置110を有する。制御装置110は、コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って各種処理を実行する1つ以上のプロセッサとして構成し得る。なお、制御装置110は、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する、特定用途向け集積回路(ASIC)等の1つ以上の専用のハードウェア回路、またはそれらの組み合わせを含む回路(circuitry)として構成してもよい。プロセッサは、CPU及び、RAM並びにROM等のメモリを含む。メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。制御装置110は、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリである記憶装置を有する。
制御装置110は、ディスプレイ501を制御対象とする。制御装置110は、ディスプレイ501に各種の表示信号を出力する。また、制御装置110は、ディスプレイ501に対して入力操作がなされた際、その入力操作に係る信号を受信する。
制御装置110は、内燃機関10を制御対象とする。制御装置110は、内燃機関10における各種センサからの検出信号を受信する。具体的には、制御装置110は、次の各パラメータについての検出信号を受信する。
・エアフロメータ61が検出する吸気の流量GA
・開度センサ62が検出するスロットル開度SQ
・水温センサ63が検出する冷却水の温度TW
・クランク角センサ64が検出するクランク軸31の回転位置CR
制御装置110は、各種センサからの受信した検出信号に基づいて、機関運転状態を示す各種パラメータを随時算出する。具体的には、制御装置110は、クランク軸31の回転位置CRに基づいて、機関回転速度NEを算出する。また、制御装置110は、機関回転速度NE及び吸気の流量GAに基づいて、機関負荷KLを算出する。さらに、制御装置110は、機関負荷KL及び冷却水の温度TWに基づいて、GPF23に捕集されたPMの堆積量Wを算出する。
制御装置110は、スロットル制御部111と燃焼制御部113とを有する。スロットル制御部111は、主として、スロットルバルブ16の制御に関する処理を担う機能部である。燃焼制御部113は、主として、混合気の燃焼に関する処理を担う機能部である。燃焼制御部113は、混合気の燃焼の態様と関連したフラグの設定の処理も担う。
なお、制御装置110は、ディスプレイ501に対する入力操作に応じて、通常モードと整備モードとに切り替わる。通常モードは、通常時にユーザが車両500を使用する際の処理モードである。整備モードは、例えば整備工場で車両500の整備を行うとき専用の処理モードである。制御装置110は、整備モードが選択されると、内燃機関10をアイドル運転状態にする。すなわち、内燃機関10は、自立して駆動可能な最小限度の機関回転速度NEで動作する機関運転状態になる。また、制御装置110は、整備モードが選択されると、後述の燃料カット処理を実行するための実行用アイコンをディスプレイ501に表示する。
<燃料カット処理>
燃焼制御部113は、燃料カット処理を実行可能である。燃料カット処理は、GPF23によって捕集されたPMを燃焼させて、当該GPF23から除去するための処理である。4つの気筒11が1度ずつ燃焼行程を迎える一連の過程、すなわちクランク軸31が2回転する期間を1燃焼サイクルと呼称する。燃焼制御部113は、燃料カット処理では、1燃焼サイクルの中で4つの気筒11のうちの1つに対しては燃料供給を停止する一方で残りの3つに対しては燃料供給を行う処理を、連続する複数の燃焼サイクルで繰り返す。したがって、燃料カット処理では、1つの気筒11への燃料供給を停止する停止パターン、及び、燃焼行程を迎える気筒11の順に3個の気筒11に連続して燃料供給を行う燃焼パターンを、内燃機関10の運転を継続させつつ交互に繰り返すことになる。本実施形態において、燃料カット処理中に燃料供給を停止する気筒11(以下、停止気筒と記す。)は第2気筒#2である。また、燃料カット処理中に燃料供給を行う気筒11(以下、燃焼気筒と呼称する。)は、第1気筒#1、第3気筒#3、及び第4気筒#4の3つである。
燃焼制御部113は、燃料カット処理では、燃焼気筒に対して、当該燃焼気筒内の混合気の空燃比が理論空燃比よりも燃料リッチになるように燃料供給を行う。このような空燃比リッチな雰囲気での混合気の燃焼に伴って、燃焼気筒は未燃燃料を排気通路21に排出する。一方、停止気筒は、酸素を排気通路21に排出する。停止気筒が排気通路21に排出した酸素、及び燃焼気筒が排気通路21に排出した未燃燃料は、やがて三元触媒22に至る。すると、三元触媒22において未燃燃料が燃焼し、排気の温度が上昇する。そして、この高温の排気がGPF23に至ると、当該GPF23の温度が上昇する。この状態で、停止気筒が排気通路21に排出した酸素がGPF23に至ると、GPF23が捕集したPMが燃焼して消失する。こうした過程を通じて、GPF23からPMを除去できる。
燃焼制御部113は、制御装置110が整備モードであるときに、ディスプレイ501の実行用アイコンが操作されると、燃料カット処理を開始する。燃焼制御部113は、燃料カット処理の開始後、GPF23におけるPMの堆積量Wが規定量WE以下になると、燃料カット処理を終了する。規定量WEは、GPF23におけるPMの堆積量Wが十分に小さくなり、燃料カット処理を終了してもよい値として、例えば実験で定めてある。なお、燃焼制御部113は、燃料カット処理の実行中は、混合気の燃焼に係る通常処理をキャンセルする。通常処理とは、4つの気筒11の全てで混合気の燃焼を行う処理である。燃焼制御部113は、燃料カット処理を終了すると、通常処理を再開する。
<フィードバック処理>
スロットル制御部111は、フィードバック処理を実行可能である。フィードバック処理は、内燃機関10のアイドル運転中に、実際の機関回転速度NEを目標アイドル回転速度ENA近傍の値に維持するための処理である。目標アイドル回転速度NEAとは、内燃機関10のアイドル運転中における目標機関回転速度である。スロットル制御部111は、目標アイドル回転速度NEAを予め記憶している。
スロットル制御部111は、フィードバック処理での具体的な処理として、スロットル開度SQの目標値である目標開度SQ1を繰り返し算出する。そして、スロットル制御部111は、実際のスロットル開度SQが目標開度SQ1になるように、スロットルバルブ16を制御する。スロットル制御部111は、つぎの式(1)で示すように、ベース開度SQ2に補正値SQ3を加算して目標開度SQ1を算出する。
SQ1=SQ2+SQ3 ・・・(1)
ベース開度SQ2は、実際の機関回転速度NEを目標アイドル回転速度NEAに一致させることができるとみなせるスロットル開度SQである。ここで、例えば燃料噴射量の誤差等により、目標開度SQ1としてベース開度SQ2を設定しても、実際の機関回転速度NEと目標アイドル回転速度NEAとにはずれが生じ得る。補正値SQ3は、ベース開度SQ2によって得られる実際の機関回転速度NEと目標アイドル回転速度NEAとのずれを補償するために必要なスロットル開度SQの変更値である。
スロットル制御部111は、フィードバック処理を開始して初回に目標開度SQ1を算出する際、補正値SQ3をゼロとして算出する。つまり、このときの目標開度SQ1はベース開度SQ2になる。一方、スロットル制御部111は、目標開度SQ1を算出するのが2回目以降の場合、実際の機関回転速度NEと目標アイドル回転速度NEAとの差を縮小するように補正値SQ3を算出する。具体的には、スロットル制御部111は、補正値SQ3の算出にあたり、次の式(2)で示すように、補正値SQ3の前回値SQ3Aに対して調整値PHを加算した値を最新の補正値SQ3として算出する。
SQ3=SQ3A+PH ・・・(2)
調整値PHは、現状の機関回転速度NEと目標アイドル回転速度NEAとの差を解消するのに必要なスロットル開度SQの変更値である。目標アイドル回転速度NEAから実際の機関回転速度NEを減じた値を差分値ΔNEと呼称する。例えば現状の機関回転速度NEが目標アイドル回転速度NEAよりも低く、上記差分値ΔNEが正の値になる場合、スロットル制御部111は、調整値PHを正の値とする。その際、スロットル制御部111は、差分値ΔNEの絶対値が大きい程、調整値PHの絶対値を大きくする。一方、実際の機関回転速度NEが目標アイドル回転速度NEAよりも高く、上記差分値ΔNEが負の値になる場合、スロットル制御部111は、調整値PHを負の値とする。その際、スロットル制御部111は、差分値ΔNEの絶対値が大きい程、調整値PHの絶対値を大きくする。スロットル制御部111は、このようにして調整値PHを大小させることによって、実際の機関回転速度NEと目標アイドル回転速度NEAとの差を縮小するようにスロットル開度SQをフィードバック補正する。なお、上記のとおり、スロットル制御部111は、フィードバック処理の開始後の初回の目標開度SQ1をベース開度SQ2とする。すなわち、ベース開度SQ2は、フィードバック補正を行う前の目標開度SQ1である。
スロットル制御部111は、処理モードに拘わらず、内燃機関10がアイドル運転を開始すると、フィードバック処理を開始する。スロットル制御部111は、内燃機関10のアイドル運転中はフィードバック処理を実行し続ける。スロットル制御部111、内燃機関10がアイドル運転を終了すると、フィードバック処理を終了する。
<ガード情報>
スロットル制御部111は、フィードバック処理で利用する情報として、第1ガード情報J1を予め記憶している。第1ガード情報J1は、4つの気筒11の全てで混合気の燃焼を行う上記通常処理の実行中において、スロットル制御部111がフィードバック処理で利用する情報である。第1ガード情報J1は、第1調整上限値、第1調整下限値、第1目標上限値、及び第1目標下限値の4つのパラメータを含んでいる。第1調整上限値は、正の値である。第1調整上限値は、スロットル制御部111が各タイミングで算出する調整値PHの上限を規定する値である。つまり、スロットル制御部111は、差分値ΔNEに応じて算出した調整値PHが第1調整上限値よりも大きい場合、調整値PHを第1調整上限値に置き換える。そして、第1調整上限値を最終的な調整値PHとする。第1調整下限値は、負の値であり、その絶対値は第1調整上限値と同じである。第1調整下限値は、スロットル制御部111が各タイミングで算出する調整値PHの下限を規定する値である。つまり、スロットル制御部111は、差分値ΔNEに応じて算出した調整値PHが第1調整下限値よりも小さい場合、この第1調整下限値を最終的な調整値PHとする。第1目標上限値は、正の値である。第1目標上限値は、スロットル制御部111が各タイミングで算出する目標開度SQ1の上限を規定する値である。つまり、スロットル制御部111は、ベース開度SQ2に補正値SQ3を加算して算出した目標開度SQ1が第1目標上限値よりも大きい場合、この第1目標上限値を最終的な目標開度SQ1とする。第1目標下限値は、正の値である。第1目標下限値は、スロットル制御部111が各タイミングで算出する目標開度SQ1の下限を規定する値である。つまり、スロットル制御部111は、ベース開度SQ2に補正値SQ3を加算して算出した目標開度SQ1が第1目標下限値よりも小さい場合、この第1目標下限値を最終的な目標開度SQ1とする。
ここで、目標開度SQ1の過度な急変を避けることができる調整値PHの最大値を調整最大値と呼称する。調整最大値は、例えば実験で定めてある。第1調整上限値は、調整所定値よりも十分に小さい値として定めてある。また、第1目標上限値及び第1目標下限値は、内燃機関10に異常が生じていない状況下で通常処理を実行したときに目標開度SQ1が取り得る値の最大値及び最小値として、例えば実験で定めてある。
スロットル制御部111は、フィードバック処理で利用する情報として、第2ガード情報J2を予め記憶している。第2ガード情報J2は、燃料カット処理の実行中において、スロットル制御部111がフィードバック処理で利用する情報である。第2ガード情報J2は、第2調整上限値、第2調整下限値、第2目標上限値、及び第2目標下限値の4つのパラメータを含んでいる。第2調整上限値は、第1調整上限値と同様、正の値である。第2調整上限値は、第1調整上限値と同様、スロットル制御部111が各タイミングで算出する調整値PHの上限を規定する値である。第2調整上限値は、第1調整上限値よりも大きい。第2調整下限値は、第1調整下限値と同様、負の値である。第2調整下限値の絶対値は、第2調整上限値と同じである。第2調整下限値は、第1調整下限値と同様、スロットル制御部111が各タイミングで算出する調整値PHの下限を規定する値である。第2目標上限値は、第1目標上限値と同様、正の値である。第2目標上限値は、第1目標上限値と同様、スロットル制御部111が各タイミングで算出する目標開度SQ1の上限を規定する値である。第2目標上限値は、第1目標上限値よりも大きい。第2目標下限値は、第1目標下限値と同様、正の値である。第2目標下限値は、第1目標下限値と同様、スロットル制御部111が各タイミングで算出する目標開度SQ1の下限を規定する値である。第2目標下限値は、第1目標下限値よりも小さい。このように、第2ガード情報J2では、第1ガード情報J1に比べ、許容される調整値PHの範囲、及び許容される目標開度SQ1の範囲がそれぞれ大きくなっている。
なお、後述の作用の欄で説明するとおり、通常処理と燃料カット処理とのに切り替え時には、機関回転速度NEの急変が生じる。第2調整上限値及び第2調整下限値は、このときの機関回転速度NEの急変に応じたスロットル開度SQのフィードバック補正を許容できる値となっている。第2調整上限値、すなわち第2調整下限値の絶対値は、例えば、上記の調整所定値として定めてある。また、第2目標上限値及び第2目標下限値は、内燃機関10に異常が生じていない状況下で燃料カット処理を実行したときに目標開度SQ1が取り得る値の最大値及び最小値として、例えば実験で定めてある。
スロットル制御部111は、フィードバック処理の実行にあたって、後述するガードフラグFGに応じて、第1ガード情報J1と第2ガード情報J2のいずれかを選択する。そして、スロットル制御部111は、選択したガード情報で規定される上限・下限を基に、フィードバック処理を行う。
<学習処理>
スロットル制御部111は、学習処理を実行可能である。学習処理は、フィードバック処理の実行に合わせて行う処理である。学習処理は、ベース開度SQ2を、上記フィードバック補正による補正量が小さくなるように学習する処理である。ここでいうフィードバック補正による補正量とは、フィードバック処理で算出する補正値SQ3の絶対値のことである。スロットル制御部111は、学習処理では、実際の機関回転速度NE、及びフィードバック処理で算出する目標開度SQ1、補正値SQ3、及び調整値PHを時系列で記憶する。スロットル制御部111は、例えば、最新のデータで最古のデータを上書きしつつ、ある一定期間のデータを記憶する。そして、スロットル制御部111は、各パラメータの時系列を参照し、補正値SQ3の絶対値が相応に大きく、且つ後述の安定状態が予め定められた判定期間継続した場合に、当該判定期間における目標開度SQ1の平均値を新たなベース開度SQ2として学習する。そして、スロットル制御部111は、新たなベース開度SQ2によって、それまで記憶していたベース開度SQ2を上書きする。上記の安定状態は、実際の機関回転速度NEが判定範囲内に収まった状態であって、且つ調整値PHの絶対値が判定値以下の状態である。なお、スロットル制御部111は、判定範囲、判定値、及び判定期間を予め記憶している。判定範囲は、実際の機関回転速度NEが目標アイドル回転速度NEAに略等しいとみなすことができる機関回転速度NEの範囲として定めてある。判定値は、調整値PHの絶対値が相当に小さいとみなせる値として定めてある。そして、判定期間は、実際の機関回転速度NEが判定範囲である状態が継続したときに、実際の機関回転速度NEが目標アイドル回転速度NEAに収束しているとみなすことができる時間の長さとして定めてある。また、判定期間は、調整値PHの絶対値が判定値以下である状態が継続したときに、補正値SQ3ひいては目標開度SQ1が安定しているとみなすことができる時間の長さとして定めてある。スロットル制御部111は、フィードバック処理の実行中、すなわち内燃機関10のアイドル運転中、後述の学習フラグFKがオフであることを条件に、学習処理を実行する。
<禁止処理>
燃焼制御部113は、禁止処理を実行可能である。禁止処理は、学習処理の実行可否、及びフィードバック処理で利用すべきガード情報を指定するための処理である。具体的には、燃焼制御部113は、禁止処理では、燃料カット処理を実行中である場合、学習処理の実行を禁止する。一方、燃焼制御部113は、燃料カット処理の実行中ではない場合、すなわち通常処理の実行中は、学習処理の実行を許可する。燃焼制御部113は、上記のような学習処理の実行の可否を示すためのフラグとして、学習フラグFKを設定する。燃焼制御部113は、学習フラグFKを「1」または「2」に設定する。学習フラグFKが「1」であることは、学習処理の実行許可を意味する。学習フラグFKが「2」であることは、学習処理の実行禁止を意味する。
また、燃焼制御部113は、禁止処理では、燃料カット処理を実行中である場合、フィードバック処理で利用するガード情報として第2ガード情報J2を指定する。一方、燃焼制御部113は、燃料カット処理の実行中ではない場合、すなわち通常処理の実行中は、フィードバック処理で利用するガード情報として第1ガード情報J1を指定する。燃焼制御部113は、指定するガード情報を示すためのフラグとして、ガードフラグFGを設定する。燃焼制御部113は、ガードフラグFGとして「1」又は「2」を設定する。ガードフラグFGが「1」であることは、フィードバック処理において第1ガード情報J1を利用すべきことを意味する。ガードフラグFGが「2」であることは、フィードバック処理において第2ガード情報J2を利用すべきことを意味する。
なお、燃焼制御部113は、燃料カット処理の終了後、予め定められた規定期間Hが経過するまでは、学習処理の実行を禁止する。また、燃焼制御部113は、燃料カット処理の終了後、上記の規定期間Hが経過するまでは、フィードバック処理で利用するガード情報として第2ガード情報J2を指定する。後述の作用の欄で記載するとおり、燃料カット処理の終了後に通常処理を再開すると、実際の機関回転速度NEが目標アイドル回転速度NEAよりも大きい状態が暫く継続する。規定期間Hは、燃料カットの終了後、実際の機関回転速度NEが目標アイドル回転速度NEAに収束するのに要する時間の長さとして例えば実験で予め定めてある。燃焼制御部113は、規定期間Hを予め記憶している。
<禁止処理の具体的な処理手順>
燃焼制御部113は、ディスプレイ501に対する入力操作によって整備モードが選択されると、禁止処理を開始する。禁止処理の開始時点では、学習フラグFKは「1」になっている。また、禁止処理の開始時点では、ガードフラグFGは「1」になっている。なお、禁止処理の実行途中で制御装置110が通常モードに切り替えられた場合、又はイグニッションスイッチがオフにされた場合、燃焼制御部113はその時点で禁止処理を終了する。
図2に示すように、燃焼制御部113は、禁止処理を開始すると、先ずステップS100の処理を実行する。ステップS100において、燃焼制御部113は、燃料カット処理を開始したか否かを判定する。燃焼制御部113は、燃料カット処理を開始していない場合(ステップS100:NO)、禁止処理の一連の処理を一旦終了する。この場合、燃焼制御部113は、ステップS100の処理を再度実行する。
一方、ステップS100において、燃焼制御部113は、燃料カット処理を開始した場合(ステップS100:YES)、処理をステップS110に進める。
ステップS110において、燃焼制御部113は、学習処理の実行を禁止する。このステップS110の具体的な処理として、燃焼制御部113は、学習フラグFKを「2」に設定する。この後、燃焼制御部113は、処理をステップS120に進める。
ステップS120において、燃焼制御部113は、フィードバック処理において利用すべきガード情報として第2ガード情報J2を指定する。このステップS120の具体的な処理として、燃焼制御部113は、ガードフラグFGを「2」に設定する。この後、燃焼制御部113は、処理をステップS130に進める。
ステップS130において、燃焼制御部113は、燃料カット処理を終了したか否かを判定する。燃焼制御部113は、燃料カット処理を終了していない場合(ステップS130:NO)、ステップS130の処理を再度実行する。燃焼制御部113は、燃料カット処理を終了するまでステップS130の処理を繰り返す。そして、燃焼制御部113は、燃料カット処理を終了すると(ステップS130:YES)、処理をステップS140に進める。
ステップS140において、燃焼制御部113は、ステップS130の処理を終了してから規定期間Hが経過したか否かを判定する。燃焼制御部113は、ステップS130の処理を終了してから規定期間Hが経過していない場合(ステップS140:NO)、ステップS140の処理を再度実行する。燃焼制御部113は、ステップS130の処理を終了してから規定期間Hが経過するまでステップS140の処理を繰り返す。そして、燃焼制御部113は、ステップS130の処理を終了してから規定期間Hが経過すると(ステップS140:YES)、処理をステップS150に進める。
ステップS150において、燃焼制御部113は、学習処理の実行を許可する。このステップS150の具体的な処理として、燃焼制御部113は、学習フラグFKを「1」に設定する。この後、燃焼制御部113は、処理をステップS160に進める。
ステップS160において、燃焼制御部113は、フィードバック処理において利用すべきガード情報として第1ガード情報J1を指定する。このステップS160の具体的な処理として、燃焼制御部113は、フィードバック処理で利用するガード情報を示すフラグであるガードフラグFGを「1」に設定する。この後、燃焼制御部113は、禁止処理の一連の処理を一旦終了する。そして、燃焼制御部113は、ステップS100の処理を再度実行する。
<実施形態の作用>
図3に示すように、時刻T1において、整備モードが選択されていて、内燃機関10がアイドル運転中であるものとする。なお、時刻T1において、燃焼制御部113は、燃料カット処理を実行していないものとする。内燃機関10がアイドル運転中であることから、スロットル制御部111は、フィードバック処理を実行している。すなわち、スロットル制御部111は、図3(b)に示すように、スロットル開度SQをベース開度SQ2近傍で微調整する。このことにより、図3(a)に示すように、スロットル制御部111は、実際の機関回転速度NEを目標アイドル回転速度NEAに近い値に維持する。
時刻T1よりも後の時刻T2で実行用アイコンが操作されたものとする。この実行用アイコンの操作に伴い、燃焼制御部113は、燃料カット処理を開始する(ステップS100:YES)。燃焼制御部113は、燃料カット処理の開始に伴い、図3(c)に示すように、学習処理の実行を禁止する(ステップS110)。すなわち、燃焼制御部113は、学習フラグFKを「2」に設定する。また、スロットル制御部111は、燃料カット処理の開始に伴い、フィードバック処理において利用すべきガード情報を第2ガード情報J2に切り替える(ステップS120)。つまり、フィードバック処理において許容される調整値PHの範囲が拡大する。また、図3(b)の二点鎖線で示すように、フィードバック処理で許容される目標開度SQ1の範囲が拡大する。
さて、図3(a)に示すように、燃焼制御部113が燃料カット処理を開始すると、実際の機関回転速度NEは急減する。これは、停止気筒における混合気の燃焼の停止に伴う機関回転速度NEの減少分が、燃焼気筒を空燃比リッチな雰囲気にしたことに伴う機関回転速度NEの増加分を上回るからである。スロットル制御部111は、燃焼カット処理の開始に伴って実際の機関回転速度NEが急減すると、当該機関回転速度NEと目標アイドル回転速度NEAとの差を解消すべく、フィードバック処理を通じてスロットル開度SQを調整する。具体的には、スロットル制御部111は、実際の機関回転速度NEを現状よりも大きくすべく、フィードバック補正のための調整値PHを正の値とする。そして、図3(b)に示すように、スロットル制御部111は、スロットル開度SQを、ベース開度SQ2よりも大きくする。これに伴う吸気の流量GAの増加に伴い、図3(a)に示すように、実際の機関回転速度NEは大きくなる。そして、実際の機関回転速度NEは、目標アイドル回転速度NEAに近くなる。この後、スロットル制御部111は、図3(b)に示すように、スロットル開度SQを、ベース開度SQ2よりも大きい一定値近傍で微調整する。このことにより、図3(a)に示すように、スロットル制御部111は、実際の機関回転速度NEを目標アイドル回転速度NEAに近い値に維持する。
時刻T2よりも後の時刻T3において、燃焼制御部113が燃料カット処理を終了し、通常処理を再開したものとする(ステップS130:YES)。この時刻T3の時点で、スロットル開度SQは、ベース開度SQ2よりも大きくなっている。ここで、ベース開度SQ2は、通常処理の実行中に学習した値である。つまり、ベース開度SQ2は、4つの気筒11の全てで燃料の燃焼を行ったときに、実際の機関回転速度NEを目標アイドル回転速度NEAに略一致させるためのスロットル開度SQである。仮に、スロットル開度SQがベース開度SQ2よりも大きい状態で通常処理を行うと、実際の機関回転速度NEを目標アイドル回転速度NEAとするのに必要な吸気の流量GAに対して実際の吸気の流量GAが多くなる。この結果として、実際の機関回転速度NEは、目標アイドル回転速度NEAよりも大きくなる。上記のとおり、時刻T3でのスロットル開度SQは、ベース開度SQ2よりも大きい。そのため、時刻T3で通常処理を再開すると、上記の理由に因り、実際の機関回転速度NEは目標アイドル回転速度NEAに対して急増する。
スロットル制御部111は、通常処理の再開後に実際の機関回転速度NEが急増すると、当該機関回転速度NEと目標アイドル回転速度NEAとの差を解消すべく、フィードバック処理を通じてスロットル開度SQを調整する。具体的には、スロットル制御部111は、実際の機関回転速度NEを現状よりも小さくすべく、フィードバック補正のための調整値PHを負の値とする。そして、図3(b)に示すように、スロットル制御部111は、スロットル開度SQをベース開度SQ2に近い値にする。これに伴う吸気の流量GAの減少に伴い、図3(a)に示すように、実際の機関回転速度NEは減少する。そして、実際の機関回転速度NEは、目標アイドル回転速度NEAに近くなる。そして、時刻T3から規定期間Hが経過した時刻T4になると(ステップS140:YES)、実際の機関回転速度NEは、目標アイドル回転速度NEAに略収束した状態になる。
時刻T4において、燃焼制御部113は、学習処理を許可する(ステップS150)。また、時刻T4において、スロットル制御部111は、フィードバック処理において利用すべきガード情報を第1ガード情報J1に切り替える(ステップS160)。つまり、フィードバック処理において許容される調整値PHの範囲は縮小する。また、図3(b)の二点鎖線で示すように、フィードバック処理において許容される目標開度SQ1の範囲は縮小する。
時刻T4以降、スロットル制御部111は、図3(b)に示すように、スロットル開度SQをベース開度SQ2近傍で微調整する。このことにより、図3(a)に示すように、スロットル制御部111は、実際の機関回転速度NEを目標アイドル回転速度NEAに近い値に維持する。
<実施形態の効果>
(1)上記作用に記載したとおり、本実施形態では、燃料カット処理の実行中、スロットル開度SQをベース開度SQ2よりも大きい状態に維持する。仮に、このときのスロットル開度SQをベース開度SQ2として学習してしまうと、通常処理を再開したときに、フィードバック処理における補正量を大きくしたり、ベース開度SQ2を学習し直したりするといった種々の複雑な処理が必要になる。
この点、本実施形態では、燃料カット処理の実行中は、学習処理の実行を禁止する。そのため、燃料カット処理を実行することに伴って、ベース開度SQ2が、通常処理の実行中に目標アイドル回転速度NEAを実現するのに必要なスロットル開度SQから大きく乖離してしまうことを防止できる。具体的には、図3に示す時刻T2でのベース開度SQ2が、燃料カット処理の終了後、規定期間Hが経過した時刻T4でのベース開度SQ2として引き継がれる。そのため、燃料カット処理中のスロットル開度SQがベース開度SQ2に影響を与えることがなく、時刻T4以降の通常処理において、実際の機関回転速度NEが目標アイドル回転速度NEAに速やかに収束する。
(2)上記作用に記載したとおり、燃料カット処理を終了して通常処理を再開した後、実際の機関回転速度NEが目標アイドル回転速度NEAに収束するまでには相応に時間がかかる。この期間に、仮に、偶発的に機関回転速度NE及びスロットル開度SQが安定し、ベース開度SQ2を更新する条件が整ったとしても、この状況下では信頼性の高い学習値を得られない。
この点、本実施形態では、燃料カット処理の終了後、規定期間Hが経過するまでは、学習処理を禁止する。したがって、燃料カット処理の終了後、実際の機関回転速度NEが目標アイドル回転速度NEAに収束するまでの期間に、不適切な値をベース開度SQ2として学習してしまうことを防止できる。
(3)上記作用に記載したとおり、燃料カット処理を開始すると、実際の機関回転速度NEが急減する。このとき、実際の機関回転速度NEを速やかに目標アイドル回転速度NEA近傍の値に戻すためには、スロットル開度SQを急増させる必要がある。
本実施形態では、燃料カット処理の開始に伴って、フィードバック処理において許容される調整値PHの範囲を拡大している。このことにより、スロットル開度SQを、目標アイドル回転速度NEAを実現できる開度に急増させることが許容される。また、本実施形態では、フィードバック処理において許容される目標開度SQ1の範囲そのものも拡大している。このことにより、調整値PHを大きくしても、目標開度SQ1を許容範囲に収めることができる。したがって、燃料カット処理の開始後、実際の機関回転速度NEを速やかに目標アイドル回転速度NEA近傍の値に戻すことができる。
(4)上記作用に記載したとおり、燃料カット処理を終了して通常処理を再開すると、実際の機関回転速度NEが急増する。このとき、実際の機関回転速度NEを速やかに目標アイドル回転速度NEA近傍の値に戻すためには、スロットル開度SQを急減させる必要がある。
本実施形態では、燃料カット処理の終了後、規定期間Hが経過するまでは、フィードバック処理において許容される調整値PHの範囲の拡大を継続する。このことにより、燃料カット処理の終了後も、スロットル開度SQを、目標アイドル回転速度NEAを実現できる開度に急減させることが許容される。したがって、燃料カット処理の終了後、実際の機関回転速度NEを速やかに目標アイドル回転速度NEA近傍の値に戻すことができる。
<変更例>
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、スロットル制御部111がフィードバック処理と学習処理を担い、燃焼制御部113が燃料カット処理と禁止処理とを担っている。しかし、制御装置110におけるどの機能部がどの処理を担うかは、適宜変更可能である。スロットル制御部111及び燃焼制御部113以外の機能部が、上記の処理を行ってもよい。それぞれの処理を適切に行うことができるように制御装置110が機能すればよい。
・実行用アイコンを、ディスプレイ501に表示することは必須ではない。例えば、ディスプレイ501を用いて特定のコマンドを入力することにより燃料カット処理が実行されるようにしてもよい。また、例えば、車室内に、燃料カット処理の実行用のプッシュスイッチを設けてもよい。
・処理モードに拘わらず、内燃機関10のアイドル運転中に燃料カット処理を実行できるようにしてもよい。例えば、上記変更例のように、車室内にプッシュスイッチを設け、内燃機関10のアイドル運転中にプッシュスイッチを操作したときに、処理モードに拘わらず燃料カット処理を実行するようにしてもよい。この場合でも、燃料カット処理の実行中は、学習処理を禁止すればよい。
・通常モードと整備モードという2つの処理モードを設けることは必須ではない。内燃機関10のアイドル運転中に燃料カット処理を実行できればよい。そして、そのときに学習処理を禁止すればよい。
・車両500の走行途中に内燃機関10がアイドル運転になったときに、燃料カット処理を実行してもよい。内燃機関10がアイドル運転中であるときであって、且つGPF23におけるPMの堆積量Wが相応に多いときに自動的に燃料カット処理を実行するように制御装置110の処理内容を設定しておけば、走行途中での燃料カット処理の実行も可能である。車両500の走行途中のアイドル運転中に燃料カット処理を行う場合でも、当該燃料カット処理の実行中は学習処理を禁止すればよい。
・内燃機関10がアイドル運転中ではないときに燃料カット処理を行ってもよい。内燃機関10がアイドル運転中ではないときに燃料カット処理を行うことができるように、制御装置110の処理内容を適宜設定すればよい。
・第1ガード情報J1で規定する調整値PH及び目標開度SQ1の範囲は、上記実施形態の例に限定されない。目標開度SQ1の過度な急変を避けることができ、且つ、目標開度SQ1を適切な値の範囲に収めることができるように各パラメータの上限・下限を定めればよい。第2ガード情報J2についても同様である。ただし、第2ガード情報J2で規定する調整値PH及び目標開度SQ1の範囲は、燃料カット処理と通常処理との切り替え時における機関回転速度NEの急変に応じたスロットル開度SQのフィードバック補正を許容できるものにする必要がある。
・燃料カット処理が終了したタイミングで学習処理の禁止を解除してもよい。具体的には、図3に示す例において、時刻T3で学習フラグFKを「1」に切り替えてもよい。少なくとも燃料カット処理中に学習処理を禁止できれば、燃料カット処理がベース開度SQ2に与える影響を低減できる。
・燃料カット処理中と通常処理中とでガード情報を切り替えることは必須ではない。ガード情報で規定する調整値PH及び目標開度SQ1の範囲として、燃料カット処理でも通常処理でも利用できる汎用的な上限・下限を定めておけば、ガード情報を切り替える必要はない。
・学習処理の態様は、上記実施形態の例に限定されない。学習処理は、内燃機関10のアイドル運転中、ベース開度SQ2を、フィードバック補正による補正量が小さくなるように学習できるものであればよい。
・フィードバック処理の態様は、上記実施形態の例に限定されない。フィードバック処理は、実際の機関回転速度NEと目標アイドル回転速度NEAとの差が縮小するようにスロットル開度SQをフィードバック補正するものであればよい。
・停止気筒及び燃焼気筒は、上記実施形態の例に限定されない。すなわち、4つの気筒11のうちのどの気筒11を停止気筒にしてもよいし、どの気筒11を燃焼気筒にしてもよい。また、燃焼サイクル毎に停止気筒及び燃焼気筒を変更してもよい。
・1燃焼サイクルにおける停止気筒の数、及び燃焼気筒の数を上記実施形態の例から変更してもよい。また、燃焼サイクル毎に、停止気筒の数、及び燃焼気筒の数を変更してもよい。つまり、停止気筒及び燃焼気筒は、燃料カット処理がつぎの内容になるように設定してあればよい。「M」及び「N」を1以上の整数とする。そして、燃焼行程を迎える気筒11の順にM個連続して気筒11への燃料供給を停止するパターンを停止パターンとする。また、燃焼行程を迎える気筒11の順にN個連続して気筒11への燃料供給を行うパターンを燃焼パターンとする。燃料カット処理は、停止パターン及び燃焼パターンを、内燃機関10の運転を継続させつつ交互に繰り返すものになっていればよい。なお、M及びNの合計値は、気筒11の数と一致している必要はない。M及びNの合計値が気筒11の数と一致していない場合、燃焼サイクル毎に、停止気筒及び燃焼気筒が変更されたり、一部の燃焼サイクルにおいて停止気筒が存在しなくなったりすることもある。
・燃料カット処理を実行する用途は、上記実施形態の例に限定されない。燃料カット処理の用途に応じて停止気筒及び燃焼気筒を適宜設定すればよい。
・燃焼気筒における混合気を空燃比よりもリッチにすることは必須ではない。燃料カット処理の用途に応じて、燃焼気筒における混合気の空燃比を適宜設定すればよい。
・内燃機関10の構成は、上記実施形態の例に限定されない。例えば、気筒11の数を変更してもよい。内燃機関は、複数の気筒と、複数の気筒に吸気を導入する吸気通路と、吸気通路を流れる吸気の流量を調節するスロットルバルブとを有していればよい。
・車両500の構成は、上記実施形態の例に限定されない。例えば、車両は、当該車両の駆動源として内燃機関とモータジェネレータとを有するハイブリッド車両として構成されていてもよい。
11…気筒
15…吸気通路
16…スロットルバルブ
110…制御装置

Claims (1)

  1. 複数の気筒と、複数の前記気筒に吸気を導入する吸気通路と、前記吸気通路を流れる吸気の流量を調節するスロットルバルブとを有する内燃機関に適用され、
    前記内燃機関のアイドル運転中、実際の機関回転速度と目標機関回転速度との差が縮小するように前記スロットルバルブの開度をフィードバック補正するフィードバック処理と、
    前記内燃機関のアイドル運転中、前記フィードバック補正する前の値であるベース開度を、前記フィードバック補正による補正量が小さくなるように学習する学習処理と、
    「M」及び「N」を1以上の整数としたとき、燃焼行程を迎える前記気筒の順にM個連続して前記気筒への燃料供給を停止する停止パターン、及び、燃焼行程を迎える前記気筒の順にN個連続して前記気筒への燃料供給を行う燃焼パターン、を前記内燃機関の運転を継続させつつ交互に繰り返す燃料カット処理と、
    を実行可能であり、
    前記内燃機関のアイドル運転中に前記燃料カット処理を実行する場合、前記学習処理の実行を禁止する
    内燃機関の制御装置。
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