JP2023030277A - ユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の製造方法 - Google Patents

ユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】内部量子効率に優れるユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を製造可能な製造方法を提供すること。【解決手段】本開示の一側面は、ユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の製造方法であって、一以上の加熱処理によって、ケイ素源、アルミニウム源、及びユウロピウム源を含有し、それらのうちの少なくとも1種を窒化物として含む原料組成物から焼成体を得る焼成工程と、希ガス、還元性ガス、及び不活性ガスからなる群より選択される少なくとも一種を含む雰囲気下で、一以上のアニール処理によって、上記焼成体と、Sr及びBaの少なくとも一方の元素を構成元素とするハロゲン化合物と、を含む混合物からアニール処理体を得るアニール工程と、を有する、製造方法を提供する。【選択図】なし

Description

本開示は、ユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の製造方法に関する。
酸窒化物蛍光体は、温度上昇に伴う輝度の低下が小さく、耐久性に優れた蛍光体として知られている。酸窒化物蛍光体の中でも、ユウロピウムを賦活したβ型サイアロンは、紫外光、又は可視光線等によって励起することが可能である緑色蛍光体として知られている。
ユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体は、例えば、窒化ケイ素粉末、窒化アルミニウム粉末、及び酸化ユウロピウム粉末を含む原料混合物を窒素雰囲気下で加熱することで得られる。β型サイアロン蛍光体の実用化検討の中で、輝度を向上させる検討もなされている。
例えば、特許文献1には、アルミニウム化合物と第一のユウロピウム化合物と窒化ケイ素とを含む混合物を熱処理して第一の熱処理物を得る第一熱処理工程と、第一の熱処理物と第二のユウロピウム化合物とを希ガス雰囲気中で熱処理して第二の熱処理物を得る第二熱処理工程と、を含むβ型サイアロン蛍光体の製造方法が記載されている。また特許文献2には、β型サイアロン蛍光体の原料混合物を窒素雰囲気下で1820℃~2200℃の温度で焼成して焼成物を得る焼成工程と、上記焼成物を還元性雰囲気下で1100℃以上の温度でアニールするアニール工程を備えるβ型サイアロン蛍光体の製造方法が提案されている。
特開2017-002278号公報 国際公開第2010/143590号
本開示は、内部量子効率に優れるユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を製造可能な製造方法を提供することを目的とする。
本開示の一側面は、ユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の製造方法であって、一以上の加熱処理によって、ケイ素源、アルミニウム源、及びユウロピウム源を含有し、それらのうちの少なくとも1種を窒化物として含む原料組成物から焼成体を得る焼成工程と、希ガス、還元性ガス、及び不活性ガスからなる群より選択される少なくとも一種を含む雰囲気下で、一以上のアニール処理によって、上記焼成体と、Sr及びBaの少なくとも一方の元素を構成元素とするハロゲン化合物と、を含む混合物からアニール処理体を得るアニール工程と、を有する、製造方法を提供する。
上記ユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の製造方法では、アニール工程において、Sr及びBaの少なくとも一方の元素を構成元素とするハロゲン化合物を配合し、希ガス、還元性ガス、及び不活性ガスからなる群より選択される少なくとも一種を含む雰囲気下でアニール処理を行うことによって、内部量子効率に優れるユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を製造できる。このような効果が得られる理由は定かではないが、本発明者らは以下のように推測する。すなわち、焼成体に対して、一般には不純物となり得るハロゲン化物を敢えて配合し、焼成することによって、ハロゲン化物が溶融し液相を形成することで、上記焼成体中の蛍光体における不純物を抽出することができ、同時に、Sr(ストロンチウム)やBa(バリウム)が上記焼成体中の蛍光体において生じる欠陥に取り込まれることによって、不純物の含有量、及び結晶の欠陥を低減することができ、このような作用によって、得られるユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の内部量子効率が向上させられるものと推測する。
上記ハロゲン化物の融点は1500℃以下であってよい。ハロゲン化物として、融点の比較的低い化合物を用いることで、アニール処理の温度を低下させることができ、また、比較的低温で上述のような液相を形成することができるため、上記焼成体に含まれる蛍光体中の不純物をより抽出しやすく、ユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の内部量子効率をより向上し得る。
上記アニール工程における上記ハロゲン化合物の合計の配合量は、上記混合物の全量を基準として、0.001~15質量%であってよい。
上記製造方法において、上記雰囲気が希ガスを含む場合、上記希ガスはアルゴンを含有してよく、上記雰囲気が還元性ガスを含む場合、上記還元性ガスは水素を含有してよく、上記雰囲気が不活性ガスを含む場合、上記不活性ガスは窒素を含有してよい。
上記アニール処理の温度が1000~1700℃であってよい。
本開示によれば、内部量子効率に優れるユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を製造可能な製造方法を提供できる。ここで、内部量子効率に優れるとは、一般に、蛍光体に照射された励起光の光量子数に対する、蛍光の光量子数の割合が大きいことを意味する。そして、内部量子効率に優れるユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体は、外部量子効率が改善され、ひいては蛍光体として高輝度化され得る。
以下、本開示の実施形態について説明する。ただし、以下の実施形態は、本開示を説明するための例示であり、本開示を以下の内容に限定する趣旨ではない。
本明細書において例示する材料は特に断らない限り、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。組成物中の各成分の含有量は、組成物中の各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
ユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の一実施形態は、ユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の製造方法であって、一以上の加熱処理によって、ケイ素源、アルミニウム源、及びユウロピウム源を含有し、それらのうちの少なくとも1種を窒化物として含む原料組成物から焼成体を得る焼成工程と、希ガス、還元性ガス、及び不活性ガスからなる群より選択される少なくとも一種を含む雰囲気下で、一以上のアニール処理によって、上記焼成体と、Sr及びBaの少なくとも一方の元素を構成元素とするハロゲン化合物と、を含む混合物からアニール処理体を得るアニール工程と、を有する。
原料組成物は、ユウロピウム賦活β型サイアロンの構成元素となる元素を有する化合物を含み、少なくとも、ケイ素源、アルミニウム源、及びユウロピウム源を含有する。原料組成物において、ケイ素源、アルミニウム源、及びユウロピウム源の少なくとも一種は窒化物である。当該窒化物は、ユウロピウム賦活β型サイアロンの構成元素となる窒素を有することから窒素源でもある。ケイ素源とは、ケイ素を構成元素とする化合物又は単体を意味し、アルミニウム源とは、アルミニウムを構成元素とする化合物又は単体を意味し、ユウロピウム源とは、ユウロピウムを構成元素とする化合物又は単体を意味する。本明細書では、ケイ素を構成元素とする化合物をケイ素化合物ともいい、アルミニウムを構成元素とする化合物をアルミニウム化合物ともいい、ユウロピウムを構成元素とする化合物をユウロピウム化合物ともいう。ケイ素化合物、アルミニウム化合物及びユウロピウム化合物はそれぞれ、窒化物、酸化物、酸窒化物、及び水酸化物のいずれかであってよい。また、原料組成物は、β型サイアロン又はユウロピウムで賦活されたβ型サイアロンを更に含有してもよい。ここで、β型サイアロン又はユウロピウムで賦活されたβ型サイアロンは、骨材又は核となる材料である。
ケイ素化合物は、例えば、窒化ケイ素(Si)、及び二酸化ケイ素(SiO)等が挙げられる。窒化ケイ素としては、α分率の高いものを用いることが好ましい。窒化ケイ素のα分率は、例えば、80質量%以上、90質量%以上、又は95質量%以上であってよい。窒化ケイ素のα分率が上記範囲内であると、一次粒子成長を促進することができる。窒化ケイ素としては、酸素含有量の小さなものを用いることが好ましい。窒化ケイ素の酸素含有量は、例えば、3質量%以下、又は1.3質量%以下であってよい。窒化ケイ素の酸素含有量が上記範囲内であると、β型サイアロンの結晶及びユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の主結晶相における欠陥の発生を抑制できる。
アルミニウム化合物は、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al)、及び水酸化アルミニウム(Al(OH))等が挙げられる。
ユウロピウム化合物は、例えば、ユウロピウムの酸化物(酸化ユウロピウム)、ユウロピウムの窒化物(窒化ユウロピウム)、及びユウロピウムのハロゲン化物等が挙げられる。ユウロピウムのハロゲン化物は、例えば、フッ化ユウロピウム、塩化ユウロピウム、臭化ユウロピウム、及びヨウ化ユウロピウム等が挙げられる。ユウロピウムの化合物は、好ましくは酸化ユウロピウムを含む。ユウロピウムの化物におけるユウロピウムの価数は、2価又は3価であってよく、好ましくは2価を含む。
原料混合物は、各化合物を秤量し、混合することによって調製できる。混合には、乾式混合法又は湿式混合法を用いてもよい。乾式混合法は、例えば、V型混合機等を用いて各成分を混合する方法であってよい。湿式混合法は、例えば、水等の溶媒又は分散媒を加えて溶液又はスラリーを調製し各成分を混合して、その後、溶媒又は分散媒を除去する方法であってよい。
焼成工程における加熱温度は、例えば、1800~2500℃、1800~2400℃、1850~2100℃、1900~2100℃、1900~2050℃、又は1920~2050℃であってよい。焼成工程における加熱温度を1800℃以上とすることによって、β型サイアロン及びユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の主結晶相の粒成長を促進するとともに、ユウロピウムの固溶量をより十分なものとすることができる。焼成工程における加熱温度を2500℃以下とすることによって、β型サイアロンの結晶及びユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の主結晶相が分解されることを十分に抑制することができる。
焼成工程における加熱時間は、β型サイアロン及びユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の主結晶相の一次粒子成長を促進する観点では長い方がよいが、加熱時間が長過ぎると結晶欠陥が増加し得るため、例えば、1~30時間、3~25時間、又は5~20時間であってよい。
焼成工程における原料混合物の加熱は、例えば、窒素雰囲気下で行ってもよい。窒素分圧が高い条件で加熱することによって高温時の窒化ケイ素の分解を抑制できる。また高温で処理することで粒子成長を促進できる。焼成工程における原料混合物の加熱は、例えば、加圧下で行ってもよい。この際の圧力は、例えば、0.01~200MPaG、0.02~200MPaG、0.05~200MPaG、0.1~100MPaG、0.5~100MPaG、0.5~50MPaG、0.5~15MPaG、又は0.5~5MPaGであってよい。
焼成工程における加熱処理の回数は、1回であってもよいが、例えば、2回以上であってよく、2~5回、又は2~4回であってよい。複数回の加熱処理を行うことによって、より発光輝度に優れるユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を得ることができる。
焼成工程では一以上の加熱処理を行うが、複数回の加熱処理を行う場合、順次、第一加熱処理、第二加熱処理等といい、各加熱処理を行う工程を、順次、第一焼成工程、第二焼成工程等といってよい。例えば、上述の製造方法が、焼成工程において2回の加熱処理を行う場合、当該焼成工程は、窒化物を含む原料組成物を第一加熱処理して第一の加熱処理体を得る工程と、上記第一の加熱処理体を第二加熱処理して第二の加熱処理体を得る第二焼成工程とを含むともいう。そして、この場合、第二の加熱処理体が、上記β型サイアロンを含む焼成体に該当する。複数回の加熱処理を行う前に、ケイ素源、アルミニウム源、及びユウロピウム源を更に混合して、加熱処理を行ってもよい。
焼成工程が2以上の加熱処理を行う場合、第一焼成工程の加熱温度、加熱時間、加熱の際の雰囲気、及び加熱の際の圧力は上述の加熱工程における加熱温度、加熱時間、加熱の際の雰囲気、及び加熱の際の圧力をそれぞれ適用できる。そして、第二焼成工程以降の加熱温度、加熱時間、加熱際の雰囲気、及び加熱の際の圧力は、第一焼成工程と同じであってよく、異なってもよい。ただし、第二焼成工程以降における加熱温度、加熱時間、加熱際の雰囲気、及び加熱の際の圧力が第一焼成工程と異なる場合であっても、上述の加熱工程に関して示した条件の範囲内であるものとする。
焼成工程において得られる焼成体は、β型サイアロンの結晶を有し、その一部に発光中心となる元素が固溶した固溶体であり、それ自体が蛍光を発し得るものであってよい。すなわち、上記焼成体は、ユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を含んでもよい。焼成工程によって得られる焼成体は、塊状となる場合があり、アニール工程に先んじて、解砕等によって粒度を調整してもよい。
次にアニール工程を行う。本明細書においてアニール工程とは、上述の焼成工程で得られた焼成体と、Sr(ストロンチウム)及びBa(バリウム)の少なくとも一方の元素を構成元素とするハロゲン化合物と、を含む混合物からアニール処理体を得る工程をいう。アニール工程において、一以上の加熱処理によって混合物からアニール処理体が得られる。上記焼成体に含まれ得る及びユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体も、アニール工程を経ることによって内部量子効率がより改善され得る。
Sr(ストロンチウム)及びBa(バリウム)の少なくとも一方の元素を構成元素とするハロゲン化合物は、複数を併用して用いてもよく、単独で用いてもよいが、アニール処理中の反応系の制御が容易であることから、好ましくは単独で用いる。上記ハロゲン化合物を構成するハロゲン元素としては、例えば、F(フッ素)、及びCl(塩素)等が挙げられる。上記ハロゲン化合物を構成するハロゲン元素としては、上記ハロゲン化合物の融点をより低減させ、内部量子効率をより向上させる観点からは、好ましくはClである。
上記ハロゲン化合物の融点の上限値は、例えば、1500℃以下、1450℃以下、1400℃以下、1350℃以下、1300℃以下、1250℃以下、1200℃以下、1150℃以下、又は1000℃以下であってよい。上記ハロゲン化合物として、融点の比較的低い化合物を用いることで、アニール処理の温度を低下させることができ、また、比較的低温で上述のような液相を形成することができるため、上記焼成物におけるユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体中の不純物をより抽出しやすく、これによって得られるユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の内部量子効率をより向上し得る。上記ハロゲン化合物の融点の下限値は、例えば、800℃以上、又は900℃以上であってよい。
上記ハロゲン化物の沸点は、例えば、1200~2500℃、1200~2400℃、1200~2300℃、又は1300~2300℃であってよい。上記ハロゲン化合物として、沸点が上述の範囲となるような化合物を用いることで、アニール処理時に上記ハロゲン化物が系外に除去されることをより十分に抑制することができる。
上記ハロゲン化合物の合計の配合量は、上記混合物の全量を基準として、例えば、0.001~15質量%であってよい。上記ハロゲン化合物の合計の配合量の下限値は、上記混合物の全量を基準として、例えば、0.01質量%以上、0.05質量%以上、0.1質量%以上、0.15質量%以上、又は0.3質量%以上であってよい。上記ハロゲン化合物の合計の配合量の下限値が上記範囲内であることで、得られるユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の内部量子効率をより向上し得る。上記ハロゲン化合物の合計の配合量の上限値は、上記混合物の全量を基準として、例えば、13質量%以下、12質量%以下、又は10質量%以下であってよい。上記ハロゲン化合物の合計の配合量の上限値が上記範囲内であることで、ハロゲン等が多く残存することによるユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の光学特性の低下をより十分に抑制できる。
アニール処理は、希ガス、還元性ガス、及び不活性ガスからなる群より選択される少なくとも一種を含む雰囲気下で行う。アニール処理を希ガス、還元性ガス又は不活性ガスを含む雰囲気下で行うことによって、固溶体中のユウロピウムにおける2価のユウロピウムの割合を高めることができる。
上記希ガスは、例えば、アルゴン、及びヘリウム等を含有してよく、アルゴンを含有してよく、アルゴンからなってもよい。上記還元性ガスは、例えば、アンモニア、炭化水素、一酸化炭素、及び水素等を含有してよく、水素を含有してよく、水素からなってもよい。不活性ガスは、例えば、窒素等を含有してよく、窒素からなってもよい。アニール工程の雰囲気は、上記希ガス、上記還元性ガス、及び不活性ガスの2種以上の混合ガスであってもよい。アニール工程の雰囲気を上記混合ガスとする場合、上記還元性ガスの含有量は、混合ガスの標準状態における全体積を基準として、例えば、1~50体積%、又は4~20体積%であってよい。上記不活性ガスの含有量は、混合ガスの標準状態における全体積を基準として、例えば、1~50体積%、又は4~20体積%であってよい。
アニール処理の際の圧力は、焼成工程における圧力と同じであってもよいが、好ましくは焼成工程における圧力条件よりも低く、より好ましくは大気圧である。この際の圧力は、具体的には例えば、0.01~100MPaG、0.02~100MPaG、0.02~50MPaG、0.02~30MPaG、0.02~15MPaG、0.02~10MPaG、又は0.02~5MPaGであってよい。
アニール処理の温度は、焼成工程における加熱温度よりも低く設定する必要がある。アニール処理の温度の上限値は、例えば、1700℃以下、1650℃以下、1600℃以下、1550℃以下、又は1500℃以下であってよい。アニール処理の温度の上限値を上記範囲内とすることで、上記ハロゲン化合物が系外に除去されること、及び、焼成体中で更なる粒成長が進行し固溶体間で凝集、二次粒子の形成などが生じ粒子が粗大化することを抑制できる。アニール処理の温度の下限値は、例えば、1000℃以上、1100℃以上、1200℃以上、1300℃以上、又は1400℃以上であってよい。アニール処理の温度の下限値を上記範囲内とすることで、上記ハロゲン化合物を溶融させ液相を形成し、上記焼成体を含む混合物中の不純物の液相への抽出をより十分なものとすることができる。アニール処理の温度の下限値を上記範囲内とすることでまた、アニール処理体に含まれる結晶欠陥の密度を減少させることができる。これによって得られるユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の内部量子効率をより向上させることができる。アニール処理の温度は上述の範囲内で調整することができ、例えば、1000~1700℃、又は1100~1680℃であってよい。
アニール処理における加熱時間は、上記混合物中の不純物の抽出をより十分なものとし、アニール処理体に含まれる蛍光体における結晶欠陥をより減少させる観点から例えば、1~30時間、2~25時間、又は3~20時間であってよい。
アニール工程では一以上のアニール処理を行うが、複数回のアニール処理を行う場合、順次、第一アニール処理、第二アニール処理等といい、各アニール処理を行う工程を、順次、第一アニール工程、第二アニール工程等といってよい。例えば、上述の製造方法が、アニール工程において2回のアニール処理を行う場合、当該アニール工程は、焼成体を第一アニール処理して第一のアニール処理体を得る工程と、上記第一のアニール処理体を第二アニール処理して第二のアニール処理体を得る第二アニール工程とを含むともいう。そして、この場合、第二のアニール処理体が上述のアニール処理体に該当する。
アニール工程が2以上のアニール処理を行う場合、第一アニール工程のアニール処理の温度、加熱時間、及び加熱の際の圧力は上述のアニール工程におけるアニール処理の温度、加熱時間、及び加熱の際の圧力をそれぞれ適用できる。そして、第二アニール工程以降のアニール処理の温度、加熱時間、及び加熱の際の圧力は、第一アニール工程と同じであってよく、異なってもよい。ただし、第二アニール工程以降におけるアニール処理の温度、加熱時間、及び加熱の際の圧力が第一アニール工程と異なる場合であっても、上述のアニール工程に関して示した条件の範囲内であるものとする。
アニール工程におけるアニール処理の回数は、1回であってもよいが、例えば、2回以上であってよく、2~5回、又は2~4回であってよい。複数回のアニール処理を行うことによって、アニール処理体に含まれる結晶中の不純物の抽出をより十分なものとし、結晶中の欠陥密度を減少させ、より内部量子効率に優れるユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を得ることができる。
アニール工程においてアニール処理を複数回行う場合、上述のハロゲン化合物は、第一アニール工程において一括して配合してもよく、また複数回のアニール工程に分割して配合してもよいが、好ましくは第一アニール工程において一括して配合する。なお、上述のハロゲン化合物を分割して配合する場合、上述のハロゲン化合物の配合量に関する説明は、複数のアニール工程において配合するハロゲン化合物の総量として読み替えて適用するものとする。
ユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の製造方法は、焼成工程及びアニール工程に加えて、その他の工程を有していてもよい。その他の工程としては、例えば、アニール工程において得られるアニール処理体を酸及びアルカリの少なくともいずれか一方で処理する工程、アニール処理体若しくは酸処理等を経たアニール処理体の粒度を調整する分級工程等を有してもよい。アニール処理体を酸で処理する工程を酸処理工程といい、アニール処理体をアルカリで処理する工程をアルカリ処理工程という。
酸処理工程又はアルカリ処理工程によって、例えば、アニール処理体に含まれる蛍光体における結晶欠陥密度の減少、β型サイアロンの熱分解等によって生成した固溶体表面に存在するケイ素の除去、及び焼成体の調製時に副生した窒化アルミニウム(AlN)の疑似多形であるAlNポリタイポイド等の除去ができる。酸は、例えば、フッ化水素酸及び硝酸等を含んでよい。酸はフッ化水素酸及び硝酸の混酸であってよい。アルカリは、例えば、水酸化ナトリウム等を含んでよい。
分級工程は、例えば、湿式分級法及び乾式分級法のいずれで行ってもよい。湿式分級としては、例えば、アニール処理体をイオン交換水及び分散剤(例えば、ヘキサメタリン酸ナトリウム等)を含む混合溶媒、又はイオン交換水及びアンモニア水を含む混合溶媒中に加えて撹拌した後に静置することで粒子径が小さい粒子を除去する水簸分級法等を挙げることができる。
上述の製造方法によって得られるユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体は、β型サイアロンと同一の結晶構造を有する結晶を主結晶として含んでよく、β型サイアロンと同一の結晶構造を有する結晶からなってもよい。ユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体は、本開示の趣旨を損なわない範囲で異相を含み得る。ユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体は、Si6-ZAl8-Z:Euの組成式で表される組成を有してもよい。上記組成式中、zは、0.0<z<4.2であってよく、0.0<z<2.0であってよく、又は0.0<z≦0.5であってよい。ユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の組成は、原料組成物の成分及び組成比を変更することで、調整することができる。
ユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の組成において、窒素原子(N)及び酸素原子(O)の含有量は酸素窒素分析装置によって定量することができ、ユウロピウム(Eu)、ケイ素(Si)、及びアルミニウム(Al)の含有量はICP発光分光分析装置を用いて元素の定量分析を行うことによって確認できる。
上述の製造方法によって得られるユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の体積基準の累積粒度分布における50%累積径(D50)は、蛍光体の用途等に応じて調整してよい。ユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の体積基準の累積粒度分布における50%累積径(D50)は、例えば、0.1~50μm、3~40μm、又は6~30μmであってよい。D50は、例えば、蛍光体製造の際の加熱温度及び加熱時間等の条件を調整すること、並びに分級等によって制御できる。
本明細書におけるD50は、レーザ回折・散乱法によって測定される体積基準の粒子径の分布曲線において、小粒径からの積算値が全体の50%に達した時の粒子径をいう。蛍光体の粒子径に関する分布曲線は、JIS R 1629:1997「ファインセラミックス原料のレーザ回折・散乱法による粒子径分布測定方法」に記載のレーザ回折・散乱法による粒子径分布測定方法に準拠して行う。測定には、粒子径分布測定装置を用いることができる。具体的には、まず、測定対象となる蛍光体0.1gをイオン交換水100mLに投入し、ヘキサメタリン酸Naを少量添加し、超音波ホモジナイザーを用いて3分間、分散処理を行ったものを測定サンプルとし、粒子径分布測定装置を用いて粒度を測定して、得られた粒度分布からD50を決定する。D50は、メディアン径とも呼ばれ、対象となる粒子の平均粒径を意味する。なお、粒子径分布測定装置としては、例えば、マイクロトラック・ベル株式会社製の「Microtrac MT3300EX II」(製品名)を使用できる。超音波ホモジナイザーとしては、例えば、株式会社日本精機製作所製の「Ultrasonic Homogenizer US-150E」(製品名、チップサイズ:φ20、Amplitude:100%、発振周波数:19.5KHz、振幅:約31μm)を使用できる。
上述の製法によって得られるユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体は、不純物が低減され、結晶欠陥の割合も十分に低減されていることから、455nmの波長の光に対する吸収率にも優れる。455nmの波長の光に対する上記蛍光体の吸収率は、例えば、74%以上、76%以上、又は78%以上とすることができる。
上述の製法によって得られるユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体は、不純物が低減され、結晶欠陥の割合も十分に低減されていることから、800nmの波長の光に対する上記蛍光体の吸収は低く抑制されている。ユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の、800nmの波長の光に対する拡散反射率の下限値は、95%以上、96%以上、又は97%以上とすることができる。当該ユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体は、800nmの波長の光に対する吸収が抑制されており、欠陥や非発光成分である異相の影響が少ないため、内部量子効率により優れたものとなり得る。
本明細書における拡散反射率は、紫外可視分光光度計を用いて測定されるユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の拡散反射スペクトルから決定される値を意味する。拡散反射率は、具体的には本明細書の実施例に記載の操作によって測定して求める。なお、紫外可視分光光度計としては、例えば、日本分光株式会社製の「V-550」(製品名)等を使用できる。
上述の製造方法によって得られるユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体は、内部量子効率に優れる。ユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の内部量子効率は、例えば、82%超、83%以上、84%以上、85%以上、86%以上、又は87%以上とすることができる。
本明細書における内部量子効率は、波長が455nmの光を用いて蛍光体を励起した場合に得られる量子効率を意味する。内部量子効率は、具体的には本明細書の実施例に記載の方法で測定して求める。
ユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体は、単独で用いてもよく、その他の蛍光体と組み合わせて用いることもできる。ユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体は内部量子効率に優れることから、例えば、LED等の発光装置に好適に使用できる。蛍光体を硬化樹脂中に分散させて使用してもよい。硬化樹脂は、特に制限されず、例えば、発光装置等の封止樹脂として使用される樹脂等を用いることができる。
以上、幾つかの実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に何ら限定されるものではない。また、上述した実施形態についての説明内容は、互いに適用することができる。
以下、実施例及び比較例を参照して本開示の内容をより詳細に説明する。ただし、本開示は、下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
[ユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の調製]
容器に、窒化ケイ素(Si)が96.0質量%、窒化アルミニウム(AlN)が2.8質量%、酸化アルミニウム(Al)が0.5質量%、及び酸化ユウロピウム(Eu)が0.7質量%となるように各原材料を測り取り、V型混合機(筒井理化学機械株式会社製)によって混合し、混合物を得た。得られた混合物を目開き250μmの篩を全通させ凝集物を取り除くことで、原料組成物を得た。篩を通らない凝集物は粉砕し、篩を通るように粒径を調整した。
蓋付き円筒型窒化ホウ素容器(デンカ株式会社製、窒化ホウ素(商品名:デンカ ボロンナイトライド N-1)を主成分とする成型品、内径:10cm、高さ:10cm)に、上述のとおり調製した原料組成物を200g測り取った。その後、この容器を、カーボンヒーターを備える電気炉中に配置し、窒素ガス雰囲気下(圧力:0.90MPaG)で2020℃まで昇温し、2020℃の加熱温度で、8時間加熱を行った(焼成工程)。加熱後、上記容器内で、緩く凝集した塊状となった試料を乳鉢に採り解砕した。解砕後、目開きが250μmの篩に通して粉末状の焼成体を得た。
次に、上記焼成体に対して、フッ化ストロンチウム(SrF)を配合して混合物を調製した。フッ化ストロンチウムの配合量は、上記混合物全量を基準として、0.100質量%となるように調整した。得られた混合物を円筒型窒化ホウ素容器に充填して、この容器を、カーボンヒーターを備える電気炉内に配置した。アルゴンガス雰囲気下(圧力:0.025MPaG)で1450℃まで昇温し、1450℃の加熱温度で、3時間加熱を行った(アニール工程)。加熱後、上記容器内で粒子が緩く凝集した塊状物を乳鉢で解砕し、250μmの篩に通すことによって粉体を得た。
次に、得られた粉体を、フッ化水素酸(濃度:50質量%)及び硝酸(濃度:70質量%)の混酸(フッ化水素酸と硝酸とを体積比で1:1となるように混合したもの)に添加し、75℃の温度下で撹拌させながら30分間酸処理を行った。酸処理後、撹拌を終了し粉体を沈殿させて、上澄み及び酸処理で精製した微粉を除去した。その後、蒸留水を更に加え再度撹拌した。撹拌を終了し粉体を沈殿させ上澄み及び微粉を除去した。かかる操作を水溶液のpHが8以下で、上澄み液が透明になるまで繰り返し、得られた沈殿物をろ過、乾燥することで、ユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を得た。
(実施例2,3)
フッ化ストロンチウムの配合量を表1に示すとおりに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を得た。
(実施例4~6)
フッ化ストロンチウムに代えて塩化ストロンチウム無水物(SrCl)を用い、塩化ストロンチウムの配合量を表1に示すとおり変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を得た。
(実施例7~9)
フッ化ストロンチウムに代えてフッ化バリウム(BaF)を用い、フッ化バリウムの配合量を表1に示すとおり変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を得た。
(実施例10~12)
フッ化ストロンチウムに代えて塩化バリウム無水物(BaCl)を用い、塩化バリウムの配合量を表1に示すとおり変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を得た。
(比較例1)
アニール工程において、フッ化ストロンチウムを配合しないようにして、焼成体のみをアニール処理したこと以外は、実施例1と同様にして、ユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を得た。
(比較例2,3)
フッ化ストロンチウムに代えてフッ化マグネシウム(MgF)を用い、フッ化マグネシウムの配合量を表1に示すとおり変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を得た。
(比較例4,5)
フッ化ストロンチウムに代えてフッ化カルシウム(CaF)を用い、フッ化カルシウムの配合量を表1に示すとおり変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を得た。
(比較例6)
フッ化ストロンチウムに代えて酸化ストロンチウム(SrO)を用い、酸化ストロンチウムの配合量を表1に示すとおり変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を得た。
(比較例7)
フッ化ストロンチウムに代えて酸化バリウム(BaO)を用い、酸化バリウムの配合量を表1に示すとおり変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を得た。
<吸収率、内部量子効率>
波長455nmの励起光を照射した場合のユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の光の吸収率(励起光吸収率)、及び内部量子効率は、以下の手順で算出した。結果を表1に示す。
まず、測定対象である蛍光体を、凹型セルに表面が平滑になるように充填し、積分球の開口部に取り付けた。発光光源であるXeランプから455nmの波長に分光した単色光を、光ファイバーを用いて蛍光体の励起光として上記積分球内に導入した。この励起光である単色光を測定対象である蛍光体に照射し、蛍光スペクトルを測定した。測定には、分光光度計(大塚電子株式会社製、商品名:MCPD-7000)を用いた。
得られた蛍光スペクトルのデータから、蛍光体の発光強度を決定した。また得られた蛍光スペクトルのデータから、励起反射光フォトン数(Qref)及び蛍光フォトン数(Qem)を算出した。励起反射光フォトン数は、励起光フォトン数と同じ波長範囲で、蛍光フォトン数は465~800nmの範囲で算出した。また同じ装置を用い、積分球の開口部に反射率が99%の標準反射板(Labsphere社製、スペクトラロン(登録商標))を取り付けて、波長が455nmの励起光のスペクトルを測定した。その際、450~465nmの波長範囲のスペクトルから励起光フォトン数(Qex)を算出した。
上述の算出結果から、以下に示す計算式に基づいて、測定対象である蛍光体の455nmの励起光の吸収率、及び内部量子効率を求めた。
455nmの励起光の吸収率=((Qex-Qref)/Qex)×100
内部量子効率=(Qem/(Qex-Qref))×100
外部量子効率=(Qem/Qex)×100
なお、上記式から外部量子効率と、455nmの励起光の吸収率、及び内部量子効率との関係式は以下のように表すことができる。
外部量子効率=455nm光吸収率×内部量子効率
<800nmの光に対する拡散反射率>
ユウロピウム賦活β型サイアロンの拡散反射率は、紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、商品名:V-550)に、積分球装置(商品名:ISV-469)を取り付けて測定した。標準反射板(スペクトラロン(登録商標))でベースライン補正を行った後、測定対象となる蛍光体粉末を充填した固体試料ホルダーを分光光度計に取り付けて、500~850nmの波長範囲で拡散反射率を測定した。測定結果のうち、特に、800nmにおける拡散反射率の値を採用した。結果を表1に示す。
Figure 2023030277000001
参考のため、実施例及び比較例において用いたハロゲン化合物等の融点及び沸点を表2に記載する。
Figure 2023030277000002
本開示によれば、内部量子効率に優れるユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体を製造可能な製造方法を提供できる。

Claims (5)

  1. ユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の製造方法であって、
    一以上の加熱処理によって、ケイ素源、アルミニウム源、及びユウロピウム源を含有し、それらのうちの少なくとも1種を窒化物として含む原料組成物から焼成体を得る焼成工程と、
    希ガス、還元性ガス、及び不活性ガスからなる群より選択される少なくとも一種を含む雰囲気下で、一以上のアニール処理によって、前記焼成体と、Sr及びBaの少なくとも一方の元素を構成元素とするハロゲン化合物と、を含む混合物からアニール処理体を得るアニール工程と、を有する、製造方法。
  2. 前記ハロゲン化合物の融点が1500℃以下である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記アニール工程における前記ハロゲン化合物の合計の配合量は、前記混合物の全量を基準として、0.001~15質量%である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記雰囲気が希ガスを含む場合、前記希ガスはアルゴンを含有し、
    前記雰囲気が還元性ガスを含む場合、前記還元性ガスは水素を含有し、
    前記雰囲気が不活性ガスを含む場合、前記不活性ガスは窒素を含有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記アニール処理の温度が1000~1700℃である、請求項1~4のいずれか一項に記載の製造方法。
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