JP2022057026A - β型サイアロン蛍光体の製造方法 - Google Patents
β型サイアロン蛍光体の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2022057026A JP2022057026A JP2020165077A JP2020165077A JP2022057026A JP 2022057026 A JP2022057026 A JP 2022057026A JP 2020165077 A JP2020165077 A JP 2020165077A JP 2020165077 A JP2020165077 A JP 2020165077A JP 2022057026 A JP2022057026 A JP 2022057026A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- phosphor
- type sialon
- compound
- producing
- firing step
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Luminescent Compositions (AREA)
Abstract
【課題】内部量子効率に優れるβ型サイアロン蛍光体を製造可能なβ型サイアロン蛍光体の製造方法を提供すること。【解決手段】本開示の一側面は、ストロンチウム化合物を含む原料組成物を加熱処理してβ型サイアロンを形成し、上記β型サイアロンを含む焼成体を得る焼成工程と、希ガスを含む雰囲気下で、上記焼成体を1000~1700℃で加熱処理して蛍光体を得る低温熱処理工程と、を有する、β型サイアロン蛍光体の製造方法を提供する。【選択図】なし
Description
本開示は、β型サイアロン蛍光体の製造方法に関する。
酸窒化物蛍光体は、温度上昇に伴う輝度の低下が小さく、耐久性に優れた蛍光体として知られている。酸窒化物蛍光体の中でも、ユーロピウムを賦活したβ型サイアロンは、紫外光又は可視光線等によって励起することが可能である緑色蛍光体として知られている。
β型サイアロン蛍光体は、例えば、窒化ケイ素粉末、窒化アルミニウム粉末、及び酸化ユーロピウム粉末を含む原料混合物を窒素雰囲気下で加熱することで得られる。
β型サイアロン蛍光体の実用化検討の中で、発光効率をより向上させる検討もなされている。例えば、特許文献1には、β型Si3N4の結晶構造を有し、組成式Si6-zAlzOzN8-z:Eua、Mb(ここで、MはSrとBaのうちから選択される少なくとも1種であり、Eu添加量(a)は0.1~5mol%の範囲であり、M添加量(b)は0.1~10mol%の範囲であり、Al組成比(z)は0.1<z<1を満足する)で表される酸窒化物蛍光体を製造するために、Si含有酸化物又は窒化物、Al含有酸化物又は窒化物、Eu含有化合物、及びM含有化合物を含む原料物質を測量する段階と、上記M含有化合物を除いた上記原料物質を混合して1次混合物を製造する段階と、上記1次混合物を1次焼成し、該1次焼成の結果物を粉砕する段階と、上記粉砕された1次焼成の結果物に上記M含有化合物を混合して2次混合物を製造する段階と、上記2次混合物を1次焼成温度より低い温度で2次焼成し、該2次焼成の結果物を粉砕する段階と、を有することを特徴とする蛍光体の製造方法が開示されている。
本開示は、内部量子効率に優れるβ型サイアロン蛍光体を製造可能なβ型サイアロン蛍光体の製造方法を提供することを目的とする。
本開示の一側面は、ストロンチウム化合物を含む原料組成物を加熱処理してβ型サイアロンを形成し、上記β型サイアロンを含む焼成体を得る焼成工程と、希ガスを含む雰囲気下で、上記焼成体を1000~1700℃で加熱処理して蛍光体を得る低温熱処理工程と、を有する、β型サイアロン蛍光体の製造方法を提供する。
上記β型サイアロン蛍光体の製造方法は、β型サイアロンを形成する原料となる元素を構成元素とする化合物をストロンチウム化合物の存在下で加熱処理し、焼成体を得て、更に希ガスを含む雰囲気中で、得られた焼成体を1000~1700℃で加熱処理することによって、内部量子効率に優れる蛍光体を製造することができる。上述のような効果が得られる理由は定かではないが、ストロンチウム化合物の存在下で焼成を行うことで、ストロンチウムの少なくとも一部が結晶相に固溶され電荷補償されることによって、β型サイアロンの結晶性が改善され、続く1000~1700℃での加熱処理によって更に結晶性が改善できることから、内部量子効率に優れる蛍光体を製造することができるものと本発明者らは推定する。
本開示の一側面は、ストロンチウム化合物を含む原料組成物を加熱処理してβ型サイアロンを形成し、上記β型サイアロンを含む第一焼成体を得る第一焼成工程と、上記第一焼成体を1750~2500℃で加熱処理して第二焼成体を得る第二焼成工程と、を有する、β型サイアロン蛍光体の製造方法を提供する。
上記β型サイアロン蛍光体の製造方法は、β型サイアロンを形成する原料となる元素を構成元素とする化合物を少なくとも二つの焼成処理を行い、初期の焼成工程(第一焼成工程)において、ストロンチウム化合物をともに加熱処理することで、第一焼成体を得て、更に1750~2500℃の加熱温度で加熱処理することによって、内部量子効率に優れる蛍光体を製造することができる。上述のような効果が得られる理由は定かではないが、ストロンチウム化合物の存在下で、第一焼成を行うことで、ストロンチウムの少なくとも一部が結晶相に固溶され電荷補償されることによって、β型サイアロンの結晶性が改善され、続く第二焼成を行うことによって更に結晶性が改善できることから、内部量子効率に優れる蛍光体を製造することができるものと本発明者らは推定する。
上記製造方法は、希ガスを含む雰囲気下で、上記第二焼成体を1000~1700℃で加熱処理して蛍光体を得る低温熱処理工程を更に有してもよい。
上述の製造方法において、上記ストロンチウム化合物は炭酸ストロンチウムを含有してよい。
上記ストロンチウム化合物の配合量は、上記原料組成物の全量を基準として、0.3質量%以上であってよい。
本開示によれば、内部量子効率に優れるβ型サイアロン蛍光体を製造可能なβ型サイアロン蛍光体の製造方法を提供できる。
以下、本開示の実施形態について説明する。ただし、以下の実施形態は、本開示を説明するための例示であり、本開示を以下の内容に限定する趣旨ではない。
本明細書において例示する材料は特に断らない限り、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。組成物中の各成分の含有量は、組成物中の各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。本明細書における「工程」とは、互いに独立した工程であってよい。
β型サイアロン蛍光体の製造方法の一実施形態は、ストロンチウム化合物を含む原料組成物を加熱処理してβ型サイアロンを形成し、上記β型サイアロンを含む第一焼成体を得る第一焼成工程と、上記第一焼成体を1750~2500℃で加熱処理して第二焼成体を得る第二焼成工程と、希ガスを含む雰囲気下で、第二焼成体を1000~1700℃で加熱処理して蛍光体を得る低温熱処理工程と、を有する、β型サイアロン蛍光体の製造方法を提供する。上記β型サイアロン蛍光体の製造方法においては、第一焼成工程と、第二焼成工程及び低温熱処理工程の少なくとも一方とを必須工程とし、第二焼成工程及び低温熱処理工程の一方を有してもよく、また両方を有してもよいが、好ましくは第二焼成工程及び低温熱処理工程の両方を有する。なお、第二焼成工程を必須工程としない場合には、第一焼成工程及び第一焼成体をそれぞれ単に焼成工程及び焼成体といい、低温熱処理工程は、第二焼成体に代えて上記焼成体を熱処理の対象とする。
ストロンチウム化合物は、ストロンチウムを構成元素として有する化合物である。ストロンチウム化合物は、例えば、炭酸ストロンチウム、酸化ストロンチウム、又は窒化ストロンチウム等であってよく、好ましくは炭酸ストロンチウムを含み、より好ましくは炭酸ストロンチウムである。
ストロンチウム化合物の配合量の下限値は、原料組成物の全量を基準として、例えば、0.3質量%以上、0.4質量%以上、又は0.5質量%以上であってよい。ストロンチウム化合物の配合量の下限値を上記範囲内とすることで、得られるβ型サイアロン蛍光体の内部量子効率をより向上させることができる。ストロンチウム化合物の配合量の上限値は、原料組成物の全量を基準として、例えば、3.0質量%以下、2.5質量%以下、2.0質量%以下、1.5質量%以下、又は1.0質量%以下であってよい。ストロンチウム化合物の配合量の上限値を上記範囲内とすることで、得られるβ型サイアロン蛍光体の発光強度の低下等をより十分に抑制できる。ストロンチウム化合物の配合量は上述の範囲内で調整でき、原料組成物の全量を基準として、例えば、0.3~3.0質量%であってよい。
原料組成物は、ストロンチウム化合物に加えて、例えば、β型サイアロンの構成元素となる元素を有する化合物、及び賦活元素となる元素を有する化合物等を含んでよい。原料組成物は、例えば、ケイ素化合物、ケイ素単体、アルミニウム化合物、アルミニウム単体、及びユーロピウム化合物等を含んでよい。ケイ素化合物、アルミニウム化合物及びユーロピウム化合物は、窒化物、酸化物、酸窒化物、及び水酸化物であってよく、ケイ素化合物、アルミニウム化合物及びユーロピウム化合物の少なくともいずれかは、窒化物であってよい。
ケイ素化合物は、ケイ素を構成元素として有する化合物である。ケイ素化合物は、例えば、窒化ケイ素(Si3N4)、及び酸化ケイ素(SiO2)等が挙げられる。ケイ素化合物は、好ましくは窒化ケイ素を含む。窒化ケイ素としては、α分率の高いものを用いることが好ましい。窒化ケイ素のα分率は、例えば、80質量%以上、90質量%以上又は95質量%以上であってよい。窒化ケイ素のα分率が上記範囲内であると、一次粒子成長を促進することができる。窒化ケイ素としては、酸素含有量の小さなものを用いることが好ましい。窒化ケイ素の酸素含有量は、例えば、3.0質量%以下、1.3質量%以下であってよい。窒化ケイ素の酸素含有量が上記範囲内であると、β型サイアロンの結晶における欠陥の発生を抑制できる。
アルミニウム化合物は、アルミニウムを構成元素として有する化合物である。アルミニウム化合物は、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al2O3)、及び水酸化アルミニウム(Al(OH)3)等が挙げられる。アルミニウム化合物は、好ましくは窒化アルミニウムを含む。
ユーロピウム化合物は、ユーロピウムを構成元素として有する化合物である。ユーロピウム化合物は、例えば、ユーロピウムの酸化物(Eu2O3)、ユーロピウムの窒化物(EuN)及びユーロピウムのハロゲン化物等が挙げられる。ユーロピウムのハロゲン化物は、例えば、フッ化ユーロピウム、塩化ユーロピウム、臭化ユーロピウム、及びヨウ化ユーロピウム等が挙げられる。ユーロピウムの化合物は、好ましくは酸化ユーロピウムを含む。ユーロピウム化合物におけるユーロピウムの価数は、2価又は3価であってよく、好ましくは2価である。
原料混合物は、各化合物を秤量し、混合することによって調製できる。混合には、乾式混合法又は湿式混合法を用いてもよい。乾式混合法は、例えば、V型混合機等を用いて各成分を混合する方法であってよい。湿式混合法は、例えば、水等の溶媒又は分散媒を加えて溶液又はスラリーを調製し各成分を混合して、その後、溶媒又は分散媒を除去する方法であってよい。
第一焼成工程における加熱温度は、例えば、1750~2500℃、1800~2500℃、1800~2400℃、1850~2100℃、1900~2100℃、1900~2050℃、又は1920~2050℃であってよい。第一焼成工程における加熱温度を1750℃以上とすることによって、β型サイアロンの粒成長を促進するとともに、ユーロピウムの固溶量をより十分なものとすることができる。第一焼成工程における加熱温度を2500℃以下とすることによって、β型サイアロンの結晶が分解されることを十分に抑制することができる。
第一焼成工程における加熱時間は、例えば、1~20時間、3~20時間、又は5~20時間であってよい。第一焼成工程における加熱時間は、β型サイアロンの一次粒子成長を促進する観点から、例えば、5~20時間、又は10~20時間であってよい。
第一焼成工程における原料混合物の加熱は、例えば、窒素ガスを含む雰囲気下で行ってもよく、窒素ガス雰囲気で行ってもよい。第一焼成工程における原料混合物の加熱は、例えば、加圧下で行ってもよい。この際の圧力は、例えば、0.010~200MPaG、0.020~200MPaG、0.1~200MPaG、0.1~100MPaG、0.1~50MPaG、0.1~15MPaG、又は0.1~5MPaGであってよい。
第二焼成工程では第一焼成体を1750~2500℃で加熱処理して第二焼成体を形成する。第一焼成体はβ型サイアロンを含み、原料組成物に含まれ反応に消費されなかった未反応物が更に含まれていてもよい。第一焼成体におけるストロンチウム化合物の含有量は、原料組成物におけるストロンチウム化合物の含有量よりも少ない。
第二焼成工程において、第一焼成体に対して、更にストロンチウム化合物を配合して熱処理してもよいが、第二焼成工程以降の焼成処理では、ストロンチウム化合物を追加で配合しないことがより好ましい。第二焼成工程において、ストロンチウム化合物を配合し、第一焼成体と、追加で加えるストロンチウム化合物とを含む混合物を熱処理する場合、第二焼成工程で追加するストロンチウム化合物の配合量は、第一焼成工程における原料組成物中のストロンチウム化合物の配合量と同一又は少なくなるように設定する。第二焼成工程においてストロンチウム化合物を追加で配合する場合には、上述の原料組成物におけるストロンチウム化合物の配合量に関する説明は、原料組成物及び上記混合物におけるストロンチウム化合物の合計の配合量として読み替え、原料組成物の全量は、原料組成物及び第二工程で追加するストロンチウム化合物の合計量と読み替えて適用するものとする。
第二焼成工程において、本開示の趣旨を損なわない限り、第一焼成体を、β型サイアロンの構成元素となる元素を有する化合物、及び賦活元素となる元素を有する化合物等と共に加熱処理してもよい。すなわち、第二焼成工程は、上記第一焼成体と、β型サイアロンの構成元素となる元素を有する化合物、及び賦活元素となる元素を有する化合物等とを含む混合物を、1750~2500℃で加熱処理して第二焼成体を得る工程であってもよい。この際、混合物に配合される、β型サイアロンの構成元素となる元素を有する化合物、及び賦活元素となる元素を有する化合物等の配合量は、得られるβ型サイアロン蛍光体の用途等に応じて適宜調整することができる。
第二焼成工程における加熱温度、加熱時間、雰囲気、及び圧力の条件は、上述の第一焼成工程について説明した内容を適用できる。第二焼成工程における加熱温度、加熱時間、雰囲気、及び圧力の条件は、第一焼成工程と同一であっても、異なってもよい。第二焼成工程における加熱温度、加熱時間、雰囲気、及び圧力の条件は、好ましくは第一焼成工程と同一である。
上述の焼成工程において得られる焼成体は、β型サイアロンの結晶を有し、その一部に発光中心となる元素が固溶した固溶体であり、それ自体が蛍光を発し得るものである。焼成工程によって得られる焼成体は、塊状となる場合があり、低温熱処理工程の前に、解砕等によって粒度を調整してもよい。
低温熱処理工程は、希ガスを含む雰囲気下で、第二焼成体を1000~1700℃で加熱処理して蛍光体を形成する。なお、第二焼成工程を行わない場合には、低温熱処理工程は、希ガスを含む雰囲気下で、焼成体を1000~1700℃で加熱して蛍光体を形成する工程である。
低温熱処理工程における加熱処理の温度は、焼成工程における加熱処理の温度よりも低く設定する。低温熱処理工程における加熱処理の温度の上限値は、例えば、1700℃以下、又は1680℃であってよい。加熱処理の温度の上限値を上記範囲内とすることで、焼成体中で更なる粒成長が進行し固溶体間で凝集、二次粒子の形成などが生じ粒子が粗大化することを抑制できる。低温熱処理工程における加熱処理の温度の下限値は、例えば、1000℃以上、1100℃以上、1200℃以上、1300℃以上、又は1400℃以上であってよい。加熱処理の温度の下限値を上記範囲内とすることで、焼成体に含まれるβ型サイアロンの結晶欠陥密度を減少させ、内部量子効率をより向上させることができる。低温熱処理工程における加熱処理の温度は上述の範囲内で調整でき、例えば、1000~1700℃、又は1100~1680℃であってよい。
希ガスを含む雰囲気は、希ガスのみからなる雰囲気であってよく、還元性ガスとの混合ガス雰囲気であってもよい。希ガスを含む雰囲気で、焼成工程によって得られた焼成体を加熱処理することで、固溶体中のユーロピウムにおける2価のユーロピウムの割合を高めることができる。
上記希ガスは、例えば、アルゴン、及びヘリウム等を含有してよく、アルゴンを含有してよく、アルゴンからなってもよい。上記還元性ガスは、例えば、アンモニア、炭化水素、一酸化炭素、及び水素等を含有してよく、水素を含有してよく、水素からなってもよい。低温熱処理工程における雰囲気が希ガス及び還元性ガスの混合ガスとする場合、上記還元性ガスの含有量は、混合ガスの全体積を基準として、例えば、1~60体積%、1~50体積%、又は4~20体積%であってよい。
低温熱処理工程における圧力は、例えば、0.01~10MPaG、0.05~10MPaG、0.1~10MPa、0G.1~5MPaG、又は0.1~1MPaGであってよい。低温熱処理工程における圧力は、大気圧(0.1MPa)であってもよく、加圧下であってもよいが、好ましくは大気圧である。
低温熱処理工程における加熱処理の時間(加熱時間)は、例えば、1~20時間、3~20時間、又は5~20時間であってよい。低温熱処理工程における加熱時間は、蛍光体における結晶欠陥をより減少させる観点から、例えば、5~20時間、又は10~20時間であってよい。
β型サイアロン蛍光体の製造方法は、焼成工程及び低温熱処理工程に加えて、その他の工程を有していてもよい。その他の工程としては、例えば、低温熱処理工程において得られる蛍光体を酸及びアルカリの少なくともいずれか一方で処理する工程、低温熱処理工程において得られる蛍光体若しくは酸処理等を経た蛍光体の粒度を調整する分級工程等を有してもよい。蛍光体を酸で処理する工程を酸処理工程といい、蛍光体をアルカリで処理する工程をアルカリ処理工程という。
酸処理工程又はアルカリ処理工程によって、例えば、蛍光体に含まれる蛍光体における結晶欠陥密度の減少、β型サイアロンの熱分解等によって生成した固溶体表面に存在するケイ素化合物の除去、及び焼成体の調製時に副生した窒化アルミニウム(AlN)の疑似多形であるAlNポリタイポイド等の除去ができる。酸は、例えば、フッ化水素酸及び硝酸を含んでよい。酸はフッ化水素酸及び硝酸の混酸であってよい。アルカリは、例えば、水酸化ナトリウムを含んでよい。
分級工程は、例えば、湿式分級法及び乾式分級法のいずれで行ってもよい。湿式分級としては、例えば、第二焼成体をイオン交換水及び分散剤(例えば、ヘキサメタリン酸ナトリウム等)を含む混合溶媒、又はイオン交換水及びアンモニア水を含む混合溶媒中に加えて撹拌した後に静置することで粒子径が小さい微粒子を除去する水簸分級法等を挙げることができる。
上述の製造方法によって得られるβ型サイアロン蛍光体は、β型サイアロンを主結晶として含んでよく、β型サイアロンのみからなってもよい。β型サイアロン蛍光体は、本開示の趣旨を損なわない範囲で異相を含み得る。β型サイアロン蛍光体は、Si6-ZAlZOZN8-Z:Eu、Srの組成式で表される組成を有してもよい。上記組成式中、zは、0.0<z≦4.2であってよく、又は0.0<z≦0.5であってよい。β型サイアロン蛍光体の組成は、原料組成物の成分及び組成比を変更することで、調整することができる。
β型サイアロン蛍光体の組成において、窒素原子(N)及び酸素原子(O)の含有量は酸素窒素分析装置によって定量することができる。酸素窒素分析装置としては、例えば、堀場製作所製の「EMGA-920」(製品名)等を使用できる。β型サイアロン蛍光体の組成において、ユーロピウム(Eu)、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、及びストロンチウム(Sr)の含有量は加圧酸分解法によって蛍光体を溶解させ、試料溶液を調製し、得られた試料溶液を対象として、ICP発光分光分析装置を用いて元素の定量分析を行うことによって確認できる。ICP発光分光分析装置としては、例えば、株式会社リガク製の「CIROS-120」(製品名)等を使用できる。
上述の製造方法によって得られるβ型サイアロン蛍光体の体積基準の累積粒度分布における50%累積径(D50)は、蛍光体の用途等に応じて調整してよい。β型サイアロン蛍光体の体積基準の累積粒度分布における50%累積径(D50)は、例えば、0.1~10μm、0.3~9.0μm、又は0.5~8.0μmであってよい。D50は、例えば、蛍光体製造の際の加熱温度及び加熱時間等の条件を調整すること、並びに分級等によって制御できる。
本明細書におけるD50は、レーザ回折・散乱法によって測定される体積基準の粒子径の分布曲線において、小粒径からの積算値が全体の50%に達した時の粒子径をいう。蛍光体の粒子径に関する分布曲線は、JIS R 1629:1997「ファインセラミックス原料のレーザ回折・散乱法による粒子径分布測定方法」に記載のレーザ回折・散乱法による粒子径分布測定方法に準拠して行う。測定には、粒子径分布測定装置を用いることができる。具体的には、まず、測定対象となる蛍光体0.1gをイオン交換水100mLに投入し、超音波ホモジナイザーを用いて3分間、分散処理を行ったものを測定サンプルとし、粒子径分布測定装置を用いて粒度を測定して、得られた粒度分布からD50を決定する。D50は、メディアン径とも呼ばれ、対象となる粒子の平均粒径を意味する。なお、粒子径分布測定装置としては、例えば、マイクロトラック・ベル株式会社製の「Microtrac MT3300EX II」(製品名)を使用できる。超音波ホモジナイザーとしては、例えば、株式会社日本精機製作所製の「Ultrasonic Homogenizer US-150E」(製品名、チップサイズ:φ20、Amplitude:100%、発振周波数:19.5KHz、振幅:約31μm)を使用できる。
上述の製造方法によって得られるβ型サイアロン蛍光体は、内部量子効率に優れる。β型サイアロン蛍光体の内部量子効率は、例えば、80%超、81%以上、82%以上、83%以上、又は84%以上とすることができる。
本明細書における内部量子効率は、波長が455nmの近紫外光を用いて蛍光体を励起した場合に得られる量子効率を意味する。内部量子効率は、具体的には本明細書の実施例に記載の方法で測定して求める。
β型サイアロン蛍光体は、単独で用いてもよく、その他の蛍光体と組み合わせて用いることもできる。β型サイアロン蛍光体は内部量子効率に優れることから、例えば、LED等の発光装置に好適に使用できる。蛍光体を硬化樹脂中に分散させて使用してもよい。硬化樹脂は、特に制限されず、例えば、発光装置等の封止樹脂として使用される樹脂等を用いることができる。
以上、幾つかの実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に何ら限定されるものではない。また、上述した実施形態についての説明内容は、互いに適用することができる。
以下、実施例及び比較例を参照して本開示の内容をより詳細に説明する。ただし、本開示は、下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
[β型サイアロン蛍光体の調製]
容器に、窒化ケイ素(Si3N4)、窒化アルミニウム(AlN)、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化ユーロピウム(Eu2O3)、及び炭酸ストロンチウム(SrCO3)をそれぞれ表1に示す割合となるように測り取り、V型混合機(筒井理化学機械株式会社製)によって混合し、混合物を得た。得られた混合物を目開き250μmの篩を全通させ凝集物を取り除くことで、原料組成物を得た。篩を通らない凝集物は粉砕し、篩を通るように粒径を調整した。上記原料組成物の配合は、β型サイアロン蛍光体の組成式Si6-ZAlZOZN8-Z:Eu、Srにおいて、アルミニウムの組成比zが0.25となるように調整した。
[β型サイアロン蛍光体の調製]
容器に、窒化ケイ素(Si3N4)、窒化アルミニウム(AlN)、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化ユーロピウム(Eu2O3)、及び炭酸ストロンチウム(SrCO3)をそれぞれ表1に示す割合となるように測り取り、V型混合機(筒井理化学機械株式会社製)によって混合し、混合物を得た。得られた混合物を目開き250μmの篩を全通させ凝集物を取り除くことで、原料組成物を得た。篩を通らない凝集物は粉砕し、篩を通るように粒径を調整した。上記原料組成物の配合は、β型サイアロン蛍光体の組成式Si6-ZAlZOZN8-Z:Eu、Srにおいて、アルミニウムの組成比zが0.25となるように調整した。
蓋付き円筒型窒化ホウ素容器(デンカ株式会社製、窒化ホウ素(商品名:デンカ ボロンナイトライド N-1)を主成分とする成型品、内径:10cm、高さ:10cm)に、上述のとおり調製した原料組成物を200g測り取った。その後、この容器を、カーボンヒーターを備える電気炉中に配置し、窒素ガス雰囲気下(圧力:0.90MPaG)で2020℃まで昇温し、2020℃の加熱温度で、5時間加熱を行った(第一焼成工程)。加熱後、上記容器内で、緩く凝集した塊状となった試料を乳鉢に採り解砕した。解砕後、目開きが250μmの篩に通して粉末(第一焼成体)を得た。
上記粉末を蓋付き円筒型窒化ホウ素容器に充填し、この容器を、カーボンヒーターを備える電気炉中に配置し、窒素雰囲気下(圧力:0.90MPaG)で2000℃まで昇温し、2000℃の加熱温度で、7時間加熱を行った(第二焼成工程)。加熱後、上記容器内で、緩く凝集した塊状となった試料を乳鉢に採り解砕した。解砕後、目開きが250μmの篩に通して焼成体(第二焼成体)を得た。
次に、上記第一焼成体を円筒型窒化ホウ素容器に充填して、この容器を、金属ヒーターを備える電気炉内に配置した。アルゴンガス雰囲気下(圧力:0.10MPaG)で15300℃まで昇温し、1530℃の加熱温度で、3時間加熱を行った(低温熱処理工程)。加熱後、上記容器内で粒子が緩く凝集した塊状物を乳鉢で解砕し、250μmの篩に通すことによって粉末状の第二焼成体を得た。
次に、上記第二焼成体を、フッ化水素酸(濃度:50質量%)及び硝酸(濃度:70質量%)の混酸(フッ化水素酸と硝酸とを体積比で1:1となるように混合したもの)に添加し、75℃の温度下で撹拌させながら30分間酸処理を行った。酸処理後、撹拌を終了し粉体を沈殿させて、上澄み及び酸処理で精製した微粉を除去した。その後、蒸留水を更に加え再度撹拌した。撹拌を終了し粉体を沈殿させ上澄み及び微粉を除去した。かかる操作を水溶液のpHが8以下で、上澄み液が透明になるまで繰り返し、得られた沈殿物をろ過、乾燥することで、β型サイアロン蛍光体を得た。
(実施例2)
炭酸ストロンチウムの配合量を表1に記載のとおり変更したこと以外は、実施例1と同様にして、β型サイアロン蛍光体を得た。
炭酸ストロンチウムの配合量を表1に記載のとおり変更したこと以外は、実施例1と同様にして、β型サイアロン蛍光体を得た。
(比較例1)
炭酸ストロンチウムを配合しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、β型サイアロン蛍光体を得た。
炭酸ストロンチウムを配合しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、β型サイアロン蛍光体を得た。
(比較例2)
炭酸ストロンチウムを配合せずに原料組成物を調製し、これを焼成して焼成体を調製して、調製された上記焼成体を炭酸ストロンチウムの存在下で更に焼成することでβ型サイアロン蛍光体を得た。より具体的にはまず、炭酸ストロンチウムを含有しない原料組成物を実施例1と同様の条件で調製した。蓋付き円筒型窒化ホウ素容器(デンカ株式会社製、窒化ホウ素(商品名:デンカ ボロンナイトライド N-1)を主成分とする成型品、内径:10cm、高さ:10cm)に、上述のとおり調製した原料組成物を200g測り取った。その後、この容器を、カーボンヒーターを備える電気炉中に配置し、窒素ガス雰囲気下(圧力:0.90MPaG)で2020℃まで昇温し、2020℃の加熱温度で、5時間加熱を行った(第一焼成工程)。加熱後、上記容器内で、緩く凝集した塊状となった試料を乳鉢に採り解砕した。解砕後、目開きが250μmの篩に通して第一の粉末を得た。
炭酸ストロンチウムを配合せずに原料組成物を調製し、これを焼成して焼成体を調製して、調製された上記焼成体を炭酸ストロンチウムの存在下で更に焼成することでβ型サイアロン蛍光体を得た。より具体的にはまず、炭酸ストロンチウムを含有しない原料組成物を実施例1と同様の条件で調製した。蓋付き円筒型窒化ホウ素容器(デンカ株式会社製、窒化ホウ素(商品名:デンカ ボロンナイトライド N-1)を主成分とする成型品、内径:10cm、高さ:10cm)に、上述のとおり調製した原料組成物を200g測り取った。その後、この容器を、カーボンヒーターを備える電気炉中に配置し、窒素ガス雰囲気下(圧力:0.90MPaG)で2020℃まで昇温し、2020℃の加熱温度で、5時間加熱を行った(第一焼成工程)。加熱後、上記容器内で、緩く凝集した塊状となった試料を乳鉢に採り解砕した。解砕後、目開きが250μmの篩に通して第一の粉末を得た。
上記第一の粉末に対して炭酸ストロンチウムを配合して混合物を得た。炭酸ストロンチウムの配合量は、上記第一の粉末及び炭酸ストロンチウムの合計量(混合物の全量)を基準として、0.5質量%とした。得られた混合物を蓋付き円筒型窒化ホウ素容器に充填して、この容器を、カーボンヒーターを備える電気炉内に配置し、窒素雰囲気下(圧力:0.90MPaG)で2000℃の加熱温度で7時間加熱を行った(第二焼成工程)。加熱後、上記容器内で、緩く凝集した塊状となった試料を乳鉢に採り解砕した。解砕後、目開きが250μmの篩に通して、第二の粉末を得た。
次に、上記第二の粉末を円筒型窒化ホウ素容器に充填して、この容器を、金属ヒーターを備える電気炉内に配置した。アルゴンガス雰囲気下(圧力:0.10MPaG)で1530℃まで昇温し、1530℃の加熱温度で、3時間加熱を行った。加熱後、上記容器内で粒子が緩く凝集した塊状物を乳鉢で解砕し、250μmの篩に通すことによって、第三の粉末を得た。
次に、上記第三の粉末を、フッ化水素酸(濃度:50質量%)及び硝酸(濃度:70質量%)の混酸(フッ化水素酸と硝酸とを体積比で1:1となるように混合したもの)に添加し、75℃の温度下で撹拌させながら30分間酸処理を行った。酸処理後、撹拌を終了し粉体を沈殿させて、上澄み及び酸処理で精製した微粉を除去した。その後、蒸留水を更に加え再度撹拌した。撹拌を終了し粉体を沈殿させ上澄み及び微粉を除去した。かかる操作を水溶液のpHが8以下で、上澄み液が透明になるまで繰り返し、得られた沈殿物をろ過、乾燥することで、β型サイアロン蛍光体を得た。
[β型サイアロン蛍光体の評価]
実施例1、2、及び比較例1、2で調製した各β型サイアロン蛍光体について、波長455nmの励起光を照射した場合の励起光に対する吸収率、内部量子効率、外部量子効率、及び発光強度、及び蛍光のピーク波長を、後述する方法で評価した。結果を表1に示す。表1には、参考例として、β型サイアロン蛍光体の標準試料(株式会社サイアロン製、NIMS Standard Green lot No.NSG1301)の測定結果を示した。
実施例1、2、及び比較例1、2で調製した各β型サイアロン蛍光体について、波長455nmの励起光を照射した場合の励起光に対する吸収率、内部量子効率、外部量子効率、及び発光強度、及び蛍光のピーク波長を、後述する方法で評価した。結果を表1に示す。表1には、参考例として、β型サイアロン蛍光体の標準試料(株式会社サイアロン製、NIMS Standard Green lot No.NSG1301)の測定結果を示した。
<発光強度、吸収率、内部量子効率、及び外部量子効率>
波長455nmの励起光を照射した場合の蛍光体の発光強度、吸収率(励起光に対する吸収率)、内部量子効率、及び外部量子効率は、以下の手順で算出した。まず、測定対象である蛍光体を、凹型セルに表面が平滑になるように充填し、積分球の開口部に取り付けた。発光光源であるXeランプから455nmの波長に分光した単色光を、光ファイバーを用いて蛍光体の励起光として上記積分球内に導入した。この励起光である単色光を測定対象である蛍光体に照射し、蛍光スペクトルを測定した。測定には、分光光度計(大塚電子株式会社製、商品名:MCPD-7000)を用いた。
波長455nmの励起光を照射した場合の蛍光体の発光強度、吸収率(励起光に対する吸収率)、内部量子効率、及び外部量子効率は、以下の手順で算出した。まず、測定対象である蛍光体を、凹型セルに表面が平滑になるように充填し、積分球の開口部に取り付けた。発光光源であるXeランプから455nmの波長に分光した単色光を、光ファイバーを用いて蛍光体の励起光として上記積分球内に導入した。この励起光である単色光を測定対象である蛍光体に照射し、蛍光スペクトルを測定した。測定には、分光光度計(大塚電子株式会社製、商品名:MCPD-7000)を用いた。
得られた蛍光スペクトルのデータから、蛍光体の発光強度を決定した。また得られた蛍光スペクトルのデータから、励起反射光フォトン数(Qref)及び蛍光フォトン数(Qem)を算出した。励起反射光フォトン数は、励起光フォトン数と同じ波長範囲で、蛍光フォトン数は465~800nmの範囲で算出した。また同じ装置を用い、積分球の開口部に反射率が99%の標準反射板(Labsphere社製、スペクトラロン(登録商標))を取り付けて、波長が455nmの励起光のスペクトルを測定した。その際、450~465nmの波長範囲のスペクトルから励起光フォトン数(Qex)を算出した。
上述の算出結果から、以下に示す計算式に基づいて、測定対象である蛍光体の波長455nmの励起光に対する吸収率、内部量子効率、及び外部量子効率を求めた。
波長455nmの励起光に対する吸収率=((Qex-Qref)/Qex)×100
内部量子効率=(Qem/(Qex-Qref))×100
外部量子効率=(Qem/Qex)×100
なお、上記式から外部量子効率と、波長455nmの励起光に対する吸収率、及び内部量子効率との関係式は以下のように表すことができる。
外部量子効率=波長455nmの励起光に対する吸収率×内部量子効率
波長455nmの励起光に対する吸収率=((Qex-Qref)/Qex)×100
内部量子効率=(Qem/(Qex-Qref))×100
外部量子効率=(Qem/Qex)×100
なお、上記式から外部量子効率と、波長455nmの励起光に対する吸収率、及び内部量子効率との関係式は以下のように表すことができる。
外部量子効率=波長455nmの励起光に対する吸収率×内部量子効率
<蛍光のピーク波長>
蛍光スペクトルは、分光蛍光光度計(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、商品名:F-7000)を用いて測定した。測定には、光度計に付属の固体試料ホルダーを使用し、波長455nmの励起光に対する蛍光スペクトルを測定した。得られた蛍光スペクトルから、発光ピーク波長を決定した。
蛍光スペクトルは、分光蛍光光度計(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、商品名:F-7000)を用いて測定した。測定には、光度計に付属の固体試料ホルダーを使用し、波長455nmの励起光に対する蛍光スペクトルを測定した。得られた蛍光スペクトルから、発光ピーク波長を決定した。
蛍光体の発光強度、吸収率、内部量子効率、外部量子効率、及び蛍光のピーク波長に関する各測定値は、測定装置のメーカー、製造ロットナンバーなどが変わると値が変動する場合がある。したがって、各種測定値としては、本明細書に記載の測定方法によって測定する値を採用する。しかし、測定装置のメーカー、製造ロットナンバー等を変更する場合は、上述したβ型サイアロン蛍光体の標準試料による測定値を基準値として、各測定値の補正を行うこともできる。基準値を得るための標準試料としては、上記参考例1として挙げたβ型サイアロン蛍光体の標準試料を用いることができる。
本開示によれば、内部量子効率に優れるβ型サイアロン蛍光体を製造可能なβ型サイアロン蛍光体の製造方法を提供できる。
Claims (5)
- ストロンチウム化合物を含む原料組成物を加熱処理してβ型サイアロンを形成し、前記β型サイアロンを含む焼成体を得る焼成工程と、
希ガスを含む雰囲気下で、前記焼成体を1000~1700℃で加熱処理して蛍光体を得る低温熱処理工程と、を有する、β型サイアロン蛍光体の製造方法。 - ストロンチウム化合物を含む原料組成物を加熱処理してβ型サイアロンを形成し、前記β型サイアロンを含む第一焼成体を得る第一焼成工程と、
前記第一焼成体を1750~2500℃で加熱処理して第二焼成体を得る第二焼成工程と、を有する、β型サイアロン蛍光体の製造方法。 - 希ガスを含む雰囲気下で、前記第二焼成体を1000~1700℃で加熱処理して蛍光体を得る低温熱処理工程を更に有する、請求項2に記載のβ型サイアロン蛍光体の製造方法。
- 前記ストロンチウム化合物は炭酸ストロンチウムを含有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のβ型サイアロン蛍光体の製造方法。
- 前記ストロンチウム化合物の配合量は、前記原料組成物の全量を基準として、0.3質量%以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載のβ型サイアロン蛍光体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020165077A JP2022057026A (ja) | 2020-09-30 | 2020-09-30 | β型サイアロン蛍光体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020165077A JP2022057026A (ja) | 2020-09-30 | 2020-09-30 | β型サイアロン蛍光体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022057026A true JP2022057026A (ja) | 2022-04-11 |
Family
ID=81110251
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020165077A Pending JP2022057026A (ja) | 2020-09-30 | 2020-09-30 | β型サイアロン蛍光体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2022057026A (ja) |
-
2020
- 2020-09-30 JP JP2020165077A patent/JP2022057026A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPWO2020054351A1 (ja) | 蛍光体及び発光装置 | |
JP7515353B2 (ja) | ユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の製造方法 | |
JP5854051B2 (ja) | 酸窒化物蛍光体粉末及びその製造方法 | |
JPWO2020054350A1 (ja) | 蛍光体及び発光装置 | |
JP7515352B2 (ja) | ユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の製造方法 | |
JP5388699B2 (ja) | α型サイアロン蛍光体およびそれを用いた発光素子 | |
CN116018388B (zh) | 铕活化β型塞隆荧光体和发光装置 | |
JP7515351B2 (ja) | ユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の製造方法 | |
JP2022057026A (ja) | β型サイアロン蛍光体の製造方法 | |
TW202225378A (zh) | 螢光體粉末、發光裝置、圖像顯示裝置及照明裝置 | |
JP5782778B2 (ja) | 窒化物蛍光体粉末の製造方法および窒化物蛍光体粉末 | |
WO2023153157A1 (ja) | ユウロピウム賦活βサイアロン蛍光体 | |
JP7497206B2 (ja) | リチウム含有α-サイアロン蛍光体の製造方法 | |
JP2022136795A (ja) | ユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体、及び発光装置 | |
JP2023030277A (ja) | ユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体の製造方法 | |
WO2022209178A1 (ja) | ユウロピウム賦活β型サイアロン蛍光体、及び発光装置 | |
JP7335112B2 (ja) | 酸窒化物蛍光体の製造方法 | |
WO2023171504A1 (ja) | Eu賦活β型サイアロン蛍光体粒子、β型サイアロン蛍光体粉末および発光装置 | |
TWI812859B (zh) | 螢光體粉末及發光裝置 | |
JP2022064478A (ja) | β型サイアロン蛍光体の製造方法 | |
WO2022080097A1 (ja) | ユーロピウム賦活β型サイアロン蛍光体 | |
KR20240137689A (ko) | 유로퓸 부활 β 사이알론 형광체 | |
JP2023082287A (ja) | 蛍光体粉末の製造方法 | |
JP2022116885A (ja) | 蛍光体粉末の製造方法 | |
CN116769475A (zh) | 包含荧光体粒子的粉末的制造方法 |