JP2023029118A - 車輪用軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】保持器の射出成形における樹脂の充填性を向上させるとともに、軸受トルクの増加を抑制できる車輪用軸受装置を提供する。【解決手段】環状に形成される円環部7aと円環部7aから周方向に一定の間隔で軸方向に延びる複数の柱部7bを有し、隣り合う柱部7bと円環部7aとによって転動体(ボール8)の外周面に沿う曲面7eを有するポケットPtが形成され、ポケットPtに転動体(8)を保持する樹脂製の保持器7を備え、柱部7bが切り欠き部7kによって内径側と外径側とに分岐して形成される車輪用軸受装置1であって、柱部7bと軸方向反対側の円環部7aの端部7pを始点として、内径側の柱部7cの軸方向長さaは、転動体(8)の中心位置P1までの軸方向長さbよりも短く、切り欠き部7kの円環部7a側の端部位置P2までの軸方向長さcよりも長い、とした。【選択図】図5
Description
本発明は、車輪用軸受装置に関する。
従来、自動車等の懸架装置において車輪を回転自在に支持する車輪用軸受装置が知られている。車輪用軸受装置は、複数の転動体(ここでは、ボール)を介してハブ輪を含む内方部材が外方部材に回転自在に支持されている。複数のボールは、保持器によって周方向に等配されるとともに、隣り合うボール同士の接触が防止された状態で保持されている。
このような車輪用軸受装置において、隣り合うボール同士を仕切っている保持器の柱部の周方向の厚さを薄くするとともに、柱部に切り欠き部を形成してボールの個数を増やすことで、保持器を強度不足の問題ないものとしつつ、軸受寿命の増大を可能としたものが知られている。例えば、特許文献1及び特許文献2に記載の如くである。
特許文献1及び特許文献2に記載の保持器には、保持器のうち柱部の周方向の厚さを薄くするとともに、隣り合うボール同士が最も近接している部分に切り欠き部が形成されている。つまり、隣り合うボール同士は、最も近接している部分に柱部が介在していない。これにより、保持器は、周方向のボール間距離を短くすることで、組み込めるボール数を増やした構造となっている。
上記特許文献1及び特許文献2に記載の保持器において、柱部は、切り欠き部によって内径側と外径側の二股に分岐している。特許文献1において、図7(A)に示すように、柱部と軸方向反対側の円環部の端部を始点として、内径側の柱部の軸方向長さa1は、ボールの中心位置までの軸方向長さb1とほぼ同じである。特許文献2において、図7(B)に示すように、柱部と軸方向反対側の円環部の端部を始点として、内径側の柱部の軸方向長さa2は、ボールの中心位置までの軸方向長さb2よりも長い。このような内径側の柱部の形状は、保持器の射出形成時に、柱部の先端まで樹脂が到達しないことによる樹脂の充填不良が懸念され、保持器の品質が安定しない可能性がある。
また、近年の車両の低燃費化に伴い、車輪用軸受装置にも低トルク化が求められている。保持器においては、車輪用軸受装置の回転時に保持器とボールとの間でグリースのせん断抵抗が発生し、軸受トルクの増加に繋がるため、改善が求められている。
そこで、本発明においては、保持器の射出成形における樹脂の充填性を向上させるとともに、軸受トルクの増加を抑制できる車輪用軸受装置を提供することを目的とする。
即ち、第一の発明は、内周に複列の外側軌道面が形成された外方部材と、前記複列の外側軌道面に対向する複列の内側軌道面が形成された内方部材と、前記外方部材と前記内方部材との両軌道面間に転動自在に介装された複列の転動体と、環状に形成される円環部と前記円環部から周方向に一定の間隔で軸方向に延びる複数の柱部とを有し、隣り合う前記柱部と前記円環部とによって前記転動体の外周面に沿う曲面を有するポケットが形成され、前記ポケットに前記転動体を保持する樹脂製の保持器と、を備え、前記柱部が切り欠き部によって内径側と外径側とに分岐して形成される車輪用軸受装置であって、前記柱部と軸方向反対側の前記円環部の端部を始点として、前記内径側の柱部の軸方向長さは、前記転動体の中心位置までの軸方向長さよりも短く、前記切り欠き部の前記円環部側の端部位置までの軸方向長さよりも長い、としたものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、第一の発明によれば、柱部への樹脂の充填性が向上するとともに、ボールと柱部との間におけるグリースのせん断抵抗が減少する。従って、保持器の射出成形における樹脂の充填性を向上させるとともに、軸受トルクの増加を抑制できる。
以下に、図1及び図2を用いて、本発明に係る車輪用軸受装置の一実施形態である車輪用軸受装置1について説明する
図1に示すように、車輪用軸受装置1は、自動車等の車両の懸架装置において車輪を回転自在に支持するものである。車輪用軸受装置1は、外方部材である外輪2、内方部材であるハブ輪3、内輪4、転動列である二列のインナー側ボール列5、アウター側ボール列6、シール部材であるインナー側シール部材9、シール部材であるアウター側シール部材10を具備する。ここで、本明細書において、インナー側とは、車輪用軸受装置1を車体に取り付けた際の車輪用軸受装置1の車体側を表し、アウター側とは、車輪用軸受装置1を車体に取り付けた際の車輪用軸受装置1の車輪側を表す。また、車輪用軸受装置1の回転軸と平行な方向を「軸方向」、車輪用軸受装置1の回転軸に直交する方向を「径方向」、車輪用軸受装置1の回転軸を中心とする円弧に沿う方向を「周方向」と表す。また、回転軸に沿って軸受内部から遠ざかる側を「軸方向外側」、回転軸に沿って軸受内部に近づく側を「軸方向内側」と表す。
外輪2は、インナー側ボール列5及びアウター側ボール列6を介してハブ輪3と内輪4を支持するものである。外輪2は、略円筒状に形成されている。外輪2のインナー側端部には、インナー側シール部材9が嵌合可能なインナー側開口部2aが形成されている。外輪2のアウター側端部には、アウター側シール部材10が嵌合可能なアウター側開口部2bが形成されている。
外輪2の内径面には、インナー側の外側軌道面2cとアウター側の外側軌道面2dとが設けられている。外輪2の外周面には、懸架装置のナックルに取り付けるための車体取り付けフランジ2eが一体に形成されている。
ハブ輪3は、車両の車輪を回転自在に支持するものである。ハブ輪3は、円柱状に形成されている。ハブ輪3のインナー側端部には、外周面に縮径された小径段部3aが形成されている。ハブ輪3のアウター側端部には、車輪を取り付けるための車輪取り付けフランジ3bが一体的に形成されている。車輪取り付けフランジ3bには、円周等配位置にハブボルト3dが挿通されている。また、ハブ輪3は、アウター側の内側軌道面3cが外輪2のアウター側の外側軌道面2dに対向するように配置されている。ハブ輪3には、小径段部3aに内輪4が嵌合されている。
内輪4は、インナー側ボール列5とアウター側ボール列6とに予圧を与えるものである。内輪4の外周面には、周方向に環状の内側軌道面4aが形成されている。内輪4は、かしめによりハブ輪3のインナー側端部に固定されている。つまり、ハブ輪3のインナー側には、内輪4によって内側軌道面4aが構成されている。内輪4は、その内側軌道面4aが外輪2のインナー側の外側軌道面2cに対向するように配置されている。
インナー側ボール列5とアウター側ボール列6とは、転動体である複数のボール8が樹脂製の保持器7によって環状に保持されている。インナー側ボール列5は、内輪4の内側軌道面4aと、外輪2のインナー側の外側軌道面2cとの間に転動自在に介装されている。アウター側ボール列6は、ハブ輪3の内側軌道面3cと、外輪2のアウター側の外側軌道面2dとの間に転動自在に介装されている。
保持器7は、ボール8を保持するものである。保持器7は、耐油性、耐摩耗性、潤滑性に優れた合成樹脂であるポリアミド46(PA46)、ポリアミド66(PA66)、ポリアミド9T(PA9T)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等から構成されている。また、補強材として、樹脂の中にグラスファイバ又はカーボンファイバ等が含まれていてもよい。
図2に示すように、保持器7は、環状の円環部7aと複数の柱部7bとを有している。柱部7bは、円環部7aから軸方向外側に延びている。柱部7bは、円環部7aの周方向に沿って等間隔に配置されている。保持器7には、ボール8を独立して保持するポケットPtが隣り合う柱部7bの間に等間隔で形成されている(図3参照)。
ボール8は、高炭素クロム軸受鋼SUJ2からなる鋼球等から構成されている。複数のボール8は、保持器7のポケットPtに回転自在に保持されている。
図1に示すように、インナー側シール部材9は、外輪2のインナー側開口部2aと内輪4との隙間を塞ぐものである。インナー側シール部材9は、例えば二枚のシールリップを接触させる2サイドリップタイプのパックシールから構成されている。インナー側シール部材9は、略円筒状のシール板と略円筒状のスリンガとを具備する。
アウター側シール部材10は、外輪2のアウター側開口部2bとハブ輪3との隙間を塞ぐものである。アウター側シール部材10は、シール板と同じ材質の鋼板を略円筒状に形成された芯金に例えばNBR(アクリロニトリル-ブタジエンゴム)等の合成ゴムからなる複数のシールリップが固着されている。
次に、図2から図4を用いて、保持器7について詳しく説明する。
図2に示すように、円環部7aは、ボール8の中心位置P1よりも軸方向内側に位置している。柱部7bは、円環部7aの内径側と外径側とにそれぞれ設けられている。内径側の柱部7cは、円環部7aから軸方向に沿って延びている。外径側の柱部7dは、円環部7aから当該円環部7aの外周面よりも外径側に離れるように傾斜して延びる第1部分7fと、第1部分7fから軸方向に沿って延びる第2部分7gとを有している。
内径側の柱部7cの軸方向端面S1は、外径側の柱部7dの軸方向端面S2よりも円環部7a側に形成されている。つまり、内径側の柱部7cは、外径側の柱部7dよりも軸方向に短く形成されている。
図3及び図4に示すように、隣り合う柱部7bの対向する側面の円環部7a側と、その間の円環部7aとから構成される部分には、ボール8の外周面に沿う曲面7eが円環部7aを底部とする略半球状に形成されている。また、外径側の柱部7dには、半球状の曲面7eの縁から柱部7bの先端に向かって軸方向にストレートに延びる案内面7hが形成されている(図6参照)。案内面7hは、ボール8を柱部7bの先端から曲面7eに囲まれた空間に導くように構成されている。これにより、保持器7には、隣り合う柱部7bの間に曲面7eと案内面7hとからボール8を保持するポケットPtが等間隔に形成されている。
ボール8が柱部7bの内面に接することで、ピッチ円PCD上における隣り合うボール8間の最小間隔が規制される。柱部7bの厚さは、ピッチ円PCD上で最も薄く、それよりも内径側及び外径側に離れるにしたがい、次第に厚くなっている。
柱部7bの曲面7eは、隣り合う柱部7bの略中央部分を底として湾曲している。隣り合う柱部7b同士の間隔は、内径側端部同士の間隔Wiと径方向外側端同士の間隔Woとが径方向略中央同士の間隔Wcよりも小さくなるように形成されている。これにより、柱部7bは、ポケットPtの内部に配置されているボール8の径方向内側及び径方向外側への移動を規制している。外径側の柱部7dの先端部分には、周方向の両側に隣接する柱部7bに向かって突出している爪部7jがそれぞれ形成されている(図6参照)。
図2に示すように、柱部7bの径方向幅の略中央部分には、所定半径の曲面を有する切り欠き部7kが形成されている。切り欠き部7kは、内径側の柱部7cと外径側の柱部7dとを分岐させるものであり、柱部5bの径方向幅の略中央部分における部材を除去して形成されている。例えば、切り欠き部7kは、曲面7e及び案内面7h(図6参照)によって柱部7bの厚さが最も薄くなる部分を中心に、必要な強度を有していない部分を除去するように形成されている。なお、切り欠き部7kの形状は特に限定されるものではなく、内径側の柱部7cの先端部において、内径側の柱部7cと外径側の柱部7dの対向する面が平行に延びるように、柱部5bの部材を除去して形成されてもよい。切り欠き部7kの円環部5a側の端部位置P2は、ボール8の中心位置P1よりも円環部7a側に位置している。また、切り欠き部7kの径方向幅W(図5参照)の範囲内にボール8の中心位置P1が位置している。つまり、柱部7bは、ボール8の中心位置P1と周方向に重ならないように形成されている。このように構成することで、保持器7は、ボール8の間隔が小さくなり、保持するボール8の個数を増やすことができる。
次に、図5及び図6を用いて、車輪用軸受装置1の特徴点とその効果について説明する。以下において、軸方向長さは、柱部7cと軸方向反対側の円環部7aの端部7pを始点として説明する。
図5に示すように、保持器7は、切り欠き部7kによって内径側の柱部7cと外径側の柱部7dとに二股に分岐されている。内径側の柱部7cは、その軸方向長さaが、ボール8の中心位置P1までの軸方向長さbよりも短く形成されている。また、内径側の柱部7cは、その軸方向長さaが、切り欠き部7kの円環部5a側の端部位置P2までの軸方向長さcよりも長く形成されている。つまり、内径側の柱部7cの軸方向長さaは、ボール8の中心位置P1までの軸方向長さbよりも短く、切り欠き部7kの円環部5a側の端部位置P2までの軸方向長さcよりも長い。
なお、外径側の柱部7dは、その軸方向長さが、ボール8の中心位置P1までの軸方向長さbよりも長く形成されている。これにより、外径側の柱部7dは、爪部7jによってボール8の軸方向への移動を規制している(図6参照)。
このように、車輪用軸受装置1において、内径側の柱部7cの軸方向長さaが従来よりも短く形成されているため、柱部7bへの樹脂の充填性が向上する。また、ボール8と保持器7の接近面積が減少することにより、柱部7bとボール8との間におけるグリースのせん断抵抗が減少する。従って、保持器7の射出成形における樹脂の充填性を向上させるとともに、軸受トルクの増加を抑制できる。また、柱部7bへの樹脂の充填性が向上するため、保持器7の成形性が向上するとともに、保持器7の強度を確保できる。また、内径側の柱部7cの軸方向長さaが従来よりも短く形成されるため、保持器7の軽量化が可能となる。
保持器7は、樹脂の射出成形体である。保持器7は、射出形成時に金型のゲートから当該金型内に樹脂が注入される。保持器7は、ゲート部7mを有し、金型のゲートに対応する箇所にゲート部7mが位置する。保持器7は、ゲート部7mから充填された樹脂が合流して形成されたウエルド7nを有している。
図6に示すように、ゲート部7mは、円環部7aの内径面に設けられ、内径側の柱部7cの軸方向の延長上に位置している。つまり、ゲート部7mは、円環部7aに設けられ、柱部7bの軸方向の延長上に位置している。また、ウエルド7nは、柱部7b同士の中間に位置している。ゲート部7mは、数箇所に設けられ、その設置数は保持器7に応じて定まっている。なお、ウエルド7nは、ウエルド7nが形成されていない他の部分よりも低強度となっている。ゲート部7mの設置数に応じてウエルド7nの形成数が増加するため、樹脂の充填が可能な範囲でゲート部7mの設置数を最小にすることが好ましい。
このように、車輪用軸受装置1において、樹脂が充填されるゲート部7mが、円環部7aに設けられ、柱部7bの軸方向の延長上に位置するため、柱部7bへの樹脂の充填性を向上できる。また、柱部7bにウエルド7nが形成されないようにすることにより、保持器7の成形性を向上できる。
次に、図2を用いて、車輪用軸受装置1の他の特徴点とその効果について説明する。
車輪用軸受装置1は、ボール8が設けられた軸受内部にグリースが封入されている。グリースの動粘度は、30mm2/s~200mm2/sが好ましい。グリースの動粘度が低すぎると、油膜形成が不十分となり、保持器7等が損傷するおそれがある。一方、グリースの動粘度が高すぎると、粘性抵抗が大きくなり温度上昇や摩擦損失が増大する。車輪用軸受装置1において、上記のように動粘度を30mm2/s~200mm2/sとすることにより、グリースの動粘度が最適化される。
また、ポケットPtとボール8との間にポケットすきまeが設けられている。ポケットすきまeは、0.05mm~0.45mmが好ましい。保持器7は、ポケットすきまeの範囲内でボール8に対して自由に移動することができる。ポケットすきまeが小さすぎると、ポケットPtとボール8が互いに干渉し、損傷するおそれがある。一方、ポケットすきまeが大きすぎると、ポケットPt内でボール8のガタツキが発生して音響特性が悪化する。車輪用軸受装置1において、上記のようにポケットすきまeを0.05mm~0.45mmとすることにより、ポケットすきまeが最適化される。
以上、本発明の実施形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、更に種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、更に特許請求の範囲に記載の均等の意味、及び範囲内のすべての変更を含む。また、本実施形態において、車輪用軸受装置1は、ハブ輪3の外周に内側軌道面3cが直接形成されている第3世代構造の車輪用軸受装置として構成されているがこれに限定するものではなく、ハブ輪に一対の内輪が圧入固定された第2世代構造、又は、ナックルとハブ輪との間に複列のアンギュラ玉軸受を嵌合させた第1世代構造であってもよい。
1 車輪用軸受装置
2 外輪(外方部材)
2c 外側軌道面
2d 外側軌道面
3 ハブ輪(内方部材)
3c 内側軌道面
4 内輪(内方部材)
4a 内側軌道面
5 インナー側ボール列
6 アウター側ボール列
7 保持器
7a 円環部
7b 柱部
7c 内径側の柱部
7d 外径側の柱部
7e 転動体の外周面に沿う曲面
7m ゲート部
7n ウエルド
7p 柱部と軸方向反対側の円環部の端部
8 ボール(転動体)
a 内径側の柱部の軸方向長さ
b 転動体の中心位置までの軸方向長さ
c 切り欠き部の円環部側の端部位置までの軸方向長さ
e ポケットすきま
P1 ボールの中心位置
P2 切り欠き部の円環部側の端部位置
Pt ポケット
W 切り欠き部の径方向幅
2 外輪(外方部材)
2c 外側軌道面
2d 外側軌道面
3 ハブ輪(内方部材)
3c 内側軌道面
4 内輪(内方部材)
4a 内側軌道面
5 インナー側ボール列
6 アウター側ボール列
7 保持器
7a 円環部
7b 柱部
7c 内径側の柱部
7d 外径側の柱部
7e 転動体の外周面に沿う曲面
7m ゲート部
7n ウエルド
7p 柱部と軸方向反対側の円環部の端部
8 ボール(転動体)
a 内径側の柱部の軸方向長さ
b 転動体の中心位置までの軸方向長さ
c 切り欠き部の円環部側の端部位置までの軸方向長さ
e ポケットすきま
P1 ボールの中心位置
P2 切り欠き部の円環部側の端部位置
Pt ポケット
W 切り欠き部の径方向幅
Claims (7)
- 内周に複列の外側軌道面が形成された外方部材と、
前記複列の外側軌道面に対向する複列の内側軌道面が形成された内方部材と、
前記外方部材と前記内方部材との両軌道面間に転動自在に介装された複列の転動体と、
環状に形成される円環部と前記円環部から周方向に一定の間隔で軸方向に延びる複数の柱部とを有し、隣り合う前記柱部と前記円環部とによって前記転動体の外周面に沿う曲面を有するポケットが形成され、前記ポケットに前記転動体を保持する樹脂製の保持器と、を備え、前記柱部が切り欠き部によって内径側と外径側とに分岐して形成される車輪用軸受装置であって、
前記柱部と軸方向反対側の前記円環部の端部を始点として、前記内径側の柱部の軸方向長さは、前記転動体の中心位置までの軸方向長さよりも短く、前記切り欠き部の前記円環部側の端部位置までの軸方向長さよりも長い、ことを特徴とする車輪用軸受装置。 - 前記切り欠き部の前記円環部側の端部位置は、前記転動体の中心位置よりも前記円環部側に位置している、ことを特徴とする請求項1に記載の車輪用軸受装置。
- 前記切り欠き部の径方向幅の範囲内に前記転動体の中心位置が位置している、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車輪用軸受装置。
- 前記保持器は、ゲート部を有する射出成形体であり、前記ゲート部は、射出形成時に樹脂が注入される金型のゲートと対応して位置しており、
前記ゲート部は、前記円環部に設けられ、前記柱部の軸方向の延長上に位置する、ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の車輪用軸受装置。 - 前記保持器は、前記ゲート部から充填された前記樹脂が合流することにより形成されたウエルドを有し、
前記ウエルドは、前記柱部同士の中間に位置する、ことを特徴とする請求項4に記載の車輪用軸受装置。 - 前記転動体が配された軸受内部にグリースが封入されており、
前記グリースは、動粘度が30mm2/s~200mm2/sである、ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の車輪用軸受装置。 - 前記転動体と前記ポケットとの間のポケットすきまは、0.05mm~0.45mmである、ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の車輪用軸受装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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