JP2023028558A - メカニカルシール - Google Patents

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太希 福村
Taiki Fukumura
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Abstract

【課題】機内空間が機外空間よりも高圧となったり低圧となったりする場合に、静止密封環を回転密封環に押し付ける力を所望の範囲で確保することを可能とする。【解決手段】メカニカルシール10は、回転密封環11と、静止密封環12と、ケース13と、を備え、回転機器7の内部の機内空間A1と回転機器7の外部の機外空間A2とを区画する。メカニカルシール10は、静止密封環12の機外空間A2側とケース13の一部との間に設けられシールされている背圧室K1と、機内空間A1と背圧室K1とを繋ぐ接続流路40と、を備える。接続流路40は、機内空間A1が機外空間A2よりも高圧である場合に機内空間A1と背圧室K1とを連通させ、機内空間A1が機外空間A2よりも低圧である場合に機内空間A1と背圧室K1とを遮断する切り替え部41を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、メカニカルシールに関する。
各種回転機器において、その機器ケーシングと回転軸との間で内部の流体をシールする装置として、メカニカルシールが知られている(例えば、特許文献1参照)。メカニカルシールは、回転軸と一体回転する回転密封環と、機器ケーシング側に設けられ回転密封環との間でシールするための静止密封環とを備える。
特許第3192152号公報
図5は、従来のメカニカルシールの断面図である。このメカニカルシール90は、回転軸99と一体回転する回転密封環91と、回転密封環91との間でシールするための静止密封環92と、静止密封環92を支持すると共に回転機器100に取り付けられるケース93とを備える。メカニカルシール90は、回転機器100の内部の機内空間A1と、回転機器100の外部の機外空間A2とを区画する。
静止密封環92の機外側(図5では左側)とケース93の一部93aとの間に、背圧室K1が設けられている。背圧室K1は、静止密封環92とケース93との間に設けられているOリング94,95によってシールされている。静止密封環92に、機内空間A1と背圧室K1とを繋ぐ流路96が設けられており、機内空間A1と背圧室K1とは同じ圧力(内圧)となる。
機内空間A1が機外空間A2よりも高圧の場合、機内空間A1と繋がる背圧室K1の流体圧によって、静止密封環92を回転密封環91に押し付けることができる。これにより、静止密封環92と回転密封環91との間のシール性能を確保することが可能となる。
回転機器100の種類によっては、機内空間A1の圧力が変化する。機内空間A1が機外空間A2よりも高圧から低圧になる場合があり、この場合、背圧室K1も低圧となる。すると、機外空間A2の流体圧(大気圧)によって、静止密封環92を回転密封環91から離す方向の力が生じる。メカニカルシール90は、図示しないが、静止密封環92を回転密封環91に押し付けるための弾性部材(圧縮コイルばね)を備える。前記弾性部材の弾性付勢力を大きく設定すれば、機内空間A1が低圧となっても、静止密封環92を回転密封環91に押し付ける力を確保することが可能である。しかし、機内空間A1が高圧になると、静止密封環92を回転密封環91に押し付ける力が過大となる可能性がある。
そこで、本開示は、機内空間が機外空間よりも高圧となったり低圧となったりする場合に、静止密封環を回転密封環に押し付ける力を所望の範囲で確保することが可能となるメカニカルシールを提供することを目的とする。
(1)本開示のメカニカルシールは、回転軸と一体回転する回転密封環と、前記回転密封環との間でシールするための静止密封環と、前記静止密封環を支持すると共に回転機器に取り付けられるケースと、を備え、前記回転機器の内部の機内空間と前記回転機器の外部の機外空間とを区画するメカニカルシールであって、前記静止密封環の機外空間側と前記ケースの一部との間に設けられシールされている背圧室と、前記機内空間と前記背圧室とを繋ぐ接続流路と、を備え、前記接続流路は、前記機内空間が前記機外空間よりも高圧である場合に前記機内空間と前記背圧室とを連通させ、前記機内空間が前記機外空間よりも低圧である場合に前記機内空間と前記背圧室とを遮断する切り替え部を有する。
本開示のメカニカルシールによれば、接続流路が有する切り替え部によって、機内空間が機外空間よりも高圧である場合、機内空間と背圧室とが連通し、背圧室の流体圧によって、静止密封環を回転密封環に押し付けることが可能となる。これに対して、機内空間が機外空間よりも低圧である場合、機内空間の流体圧が背圧室に及ばず、静止密封環を回転密封環から引き離す力が作用しない。以上より、機内空間が機外空間よりも高圧となったり低圧となったりする場合でも、静止密封環を回転密封環に押し付ける力を所望の範囲で確保することが可能となる。
(2)また、前記切り替え部は、前記静止密封環に設けられていてもよいが、好ましくは、前記切り替え部は、前記ケースに設けられている。これは、静止密封環よりもケースの方が切り替え部を容易に構成することが可能なためである。
(3)また、好ましくは、前記切り替え部は、キャビティが形成されているブロック部と、前記キャビティを第一位置と第二位置との間で移動するピストンと、を有し、前記ピストンが前記第一位置にある状態で、前記キャビティの一部を通じて前記機内空間と前記背圧室とが連通し、前記ピストンが前記第二位置にある状態で、前記ピストンが前記キャビティの前記一部に存在することにより前記機内空間と前記背圧室とを遮断する。
この場合、ピストンが第一位置にあると、機内空間と背圧室とがキャビティの一部を通じて繋がり、ピストンが第二位置にあると、機内空間側と背圧室側とが遮断される。
(4)また、好ましくは、前記接続流路は、前記キャビティの前記一部である第一室と前記機内空間とを繋ぐ第一流路と、前記ピストンが前記第二位置にある状態で形成される前記キャビティの第二室と前記背圧室とを繋ぐ第二流路と、を有し、前記ブロック部に、前記第二室と前記機外空間とを連通する開放穴が設けられている。
この場合、機内空間が機外空間よりも低圧になると、機内空間と機外空間との圧力差によって、機外空間から開放穴を通じてキャビティの第二室に流体が侵入すると共に、ピストンが第一位置から第二位置に移動する。機内空間が機外空間よりも高圧になると、機内空間と機外空間との圧力差によってピストンが第二位置から第一位置に移動する。
(5)また、好ましくは、前記ピストンは、移動方向の一方側の第一端面に、前記キャビティの第一内面に部分的に接触する第一部分接触面と、前記第一内面に非接触である第一受圧面と、を有し、前記第一内面と前記第一受圧面との間に形成される第一内部空間が、前記開放穴を通じて前記機外空間と連通する。
この構成により、前記開放穴が細くても、ピストンの第一端面における受圧面積を確保することが可能となる。機内空間が機外空間よりも低圧となった場合に、機外空間と繋がる前記第一内部空間の流体圧によってピストンの推力が得られ、ピストンは移動可能となる。
(6)また、好ましくは、前記ピストンは、移動方向の他方側の第二端面に、前記キャビティの第二内面に部分的に接触する第二部分接触面と、前記第二内面に非接触である第二受圧面と、を有し、前記第二内面と前記第二受圧面との間に形成される第二内部空間が、前記第一流路を通じて前記機内空間と連通する。
この構成により、前記第一流路が細くても、ピストンの第二端面における受圧面積を確保することが可能となる。機内空間が機外空間よりも高圧となった場合に、機内空間と繋がる前記第二内部空間の流体圧によってピストンの推力が得られ、ピストンは移動可能となる。
本開示のメカニカルシールによれば、機内空間が機外空間よりも高圧となったり低圧となったりする場合に、静止密封環を回転密封環に押し付ける力を所望の範囲で確保することが可能となる。
メカニカルシールの断面図である(ピストンが第一位置にある)。 メカニカルシールの断面図である(ピストンが第二位置にある)。 図1に示す切り替え部、およびその周囲を示す拡大図である。 図2に示す切り替え部、およびその周囲を示す拡大図である。 従来のメカニカルシールの断面図である。
〔メカニカルシール全体について〕
図1は、メカニカルシール10の断面図である。このメカニカルシール10は、例えば撹拌機等の回転機器7に用いられる。回転機器7は、回転軸8と、その回転軸8を包囲する機器ケーシング9とを備える。メカニカルシール10は、回転軸8と機器ケーシング9との間において、回転機器7の内部の流体をシールする。回転軸8は、回転機器7が有する図外の軸受によって回転可能に支持されている。
本開示の発明における方向について定義する。回転軸8の軸線Lに沿った方向及びその軸線Lに平行な方向を「軸方向」と定義する。その軸方向に関して、回転機器7の外部側(図1の左側)が軸方向一方側であり、これを「機外側」と称する。これに対して、回転機器7の内部側(図1の右側)が軸方向他方側であり、これを「機内側」と称する。機器ケーシング9と回転軸8との間となる回転機器7の内部の空間を「機内空間A1」と称し、回転機器7の外部の空間を「機外空間A2」と称する。前記軸線Lに直交する方向を「径方向」と定義する。前記軸線Lを中心とする円に沿った方向を「周方向」と定義する。つまり、回転軸8の回転方向が周方向となる。
メカニカルシール10は、機内空間A1と機外空間A2とを区画する。本実施形態では、機外空間A2に大気が存在していて、機外空間A2は大気圧にある。機内空間A1は、例えば回転機器7の運転状態によって、機外空間A2(大気圧)よりも高圧となったり低圧となったりする。メカニカルシール10は、機内空間A1側の被密封流体が機外空間A2側へ流出するのを防ぎ、機外空間A2側のガス(大気)が機内空間A1側に流入するのを防ぐ。
そのために、メカニカルシール10は、一つの回転密封環11と、一つの静止密封環12とを備える。回転密封環11と静止密封環12との間が、被密封流体の流出および大気の流入を防ぐシール部Sとなる。回転密封環11は機外側に環状のシール面11aを有する。静止密封環12は機内側に、前記シール面11aと対向する環状のシール面12aを有する。シール部Sの径方向内側及び軸方向一方側が、機外空間A2と繋がる。シール部Sの径方向外側及び軸方向他方側が、機内空間A1と繋がる。後に説明するが、本実施形態では、対向するシール面11a,12a間にシールガスが供給される。
メカニカルシール10は、回転機器7に取り付けられるケース13を備える。ケース13は、機器ケーシング9に取り付けられる筒状の第一ケース14と、第一ケース14の機外側に取り付けられる筒状の第二ケース15とを有する。第二ケース15は、第一ケース14よりも内径が小さい。第二ケース15は、径方向外側の外周部16と、外周部16から径方向内方に延びて設けられている内周部17と、内周部17の径方向内側部から機内側に延びて設けられている筒部18とを有する。第一ケース14と第二ケース15との間はOリングなどのシール部材33によってシールされている。
メカニカルシール10は、回転密封環11を含む回転ユニット21を備える。回転ユニット21は、回転密封環11の他に、スリーブ22、及び円筒状の固定部材23を有する。固定部材23は、スリーブ22を回転軸8と一体とするための部材である。固定部材23は、回転軸8の一部に外嵌した状態となり、セットスクリュ24によって回転軸8に固定される。
スリーブ22は、円筒状であり、回転軸8の他部に外嵌して設けられている。スリーブ22は、固定部材23と回転軸8との間で径方向について挟まれた状態となる円筒部22aと、円筒部22aの機内側の端部から径方向に延びて設けられている円環部22bとを有する。回転密封環11は、円筒部22aに外嵌して設けられている。回転密封環11は、スリーブ22にピン等(図示せず)によって回り止めされていて、スリーブ22と一体回転可能である。以上より、回転密封環11は、回転軸8と一体回転する。回転密封環11とスリーブ22との間はOリング25によってシールされている。スリーブ22と回転軸8との間はOリング26によってシールされている。
静止密封環12は、環状の部材であり、回転密封環11との間でシールするための部材である。静止密封環12は、第二ケース15が有する筒部18の外周側に設けられており、ケース13によって支持される。静止密封環12と筒部18との間は、Oリング27によってシールされている。第二ケース15が有する内周部17は、機内側に突出するピン30を有する。静止密封環12に穴31が設けられている。ピン30が穴31に挿入した状態となることで、ケース13に対して静止密封環12は回転不能となる。図示しないが、内周部17と静止密封環12との間に弾性部材が設けられている。弾性部材は、圧縮コイルばねであり、静止密封環12を回転密封環11に押し付ける方向の力を発生させる。
静止密封環12にシール用流路32が形成されている。シール用流路32は、静止密封環12の外周面12bとシール面12aとを繋ぐ。静止密封環12の外周面12bと、ケース13(第一ケース14)の内周面13aとの間に、機内側のOリング28、および機外側のOリング29が設けられている。静止密封環12の外周面12bと、ケース13の内周面13aとの間であって、二つのOリング28,29の間に、環状の密閉空間K2が形成されている。
ケース13(第一ケース14)に、図示しないが、シールガス(例えば窒素ガス)が供給されるシールガス流路が設けられている。そのシールガス流路は、密閉空間K2で開口し、シールガスが密閉空間K2に供給される。密閉空間K2に供給されたシールガスは、シール用流路32を通じて、回転密封環11のシール面11aと静止密封環12のシール面12aとの間、つまり、シール部Sに供給される。シール部Sに供給されたシールガスによって、シール面11a,12a間に静圧の流体膜が形成される。このように、本実施形態のメカニカルシール10は、シール面11a,12a間を非接触状態とする非接触型のシール装置である。
静止密封環12の機外側(機外空間A2側)と、ケース13の一部との間に、環状の背圧室K1が設けられている。背圧室K1は、静止密封環12の外周側のOリング29と静止密封環12の内周側のOリング27とによって、シールされている。背圧室K1は、後述する接続流路40と繋がっているが、閉じた空間である。後に説明するが、背圧室K1の内圧が機外空間A2の圧力(大気圧)よりも高くなると、背圧室K1の流体圧力によって、静止密封環12を回転密封環11に押し付ける推力が発生する。
静止密封環12において、背圧室K1の内圧を受ける受圧領域は、機外空間A2の圧力(大気圧)を受ける受圧領域よりも広くなっている。背圧室K1が機外空間A2よりも高圧である場合、静止密封環12を回転密封環11に押し付ける力が作用するように、背圧室K1は構成されている。
メカニカルシール10は、機内空間A1と背圧室K1とを繋ぐ接続流路40を備える。接続流路40は、流路の状態を切り替える切り替え部41を有する。図1に示す形態では、接続流路40および切り替え部41は、ケース13に設けられている。切り替え部41は、キャビティ43が形成されているブロック部42と、キャビティ43に設けられているピストン44とを有する。ブロック部42は、ケース13の一部により構成されている。具体的に説明すると、第二ケース15の外周部16の一部がブロック部42であり、その一部にキャビティ43が形成されている。
〔切り替え部41について〕
ピストン44は、キャビティ43を第一位置P1と第二位置P2との間で移動する。図1および図3が、一方のストロークエンドとなる第一位置P1にピストン44が存在する状態を示し、図2および図4が、他方のストロークエンドとなる第二位置P2にピストン44が存在する状態を示す。図3は、図1に示す切り替え部41、およびその周囲を示す拡大図である。図4は、図2に示す切り替え部41、およびその周囲を示す拡大図である。図3に示すように、ピストン44が第一位置P1にある状態で、キャビティ43の一方側(図3では右側)に第一室Q1が形成される。図4に示すように、ピストン44が第二位置P2にある状態で、キャビティ43の他方側(図4では左側)に第二室Q2が形成される。
ピストン44の外周に、キャビティ43の内周面に滑り接触するシール部材(Oリング)45が設けられている。シール部材45によって、キャビティ43が第一室Q1と第二室Q2とに区画される。
接続流路40は、第一流路46と第二流路47とを有する。図1に示すように、第一流路46は、キャビティ43の一部である第一室Q1と機内空間A1とを繋ぐ。図2に示すように、第二流路47は、キャビティ43の他部である第二室Q2と背圧室K1とを繋ぐ。ケース13の一部であるブロック部42に、第二室Q2と機外空間A2とを常時連通する開放穴48が設けられている。
図3および図1に示すように、ピストン44が第一位置P1にある状態で、第一室Q1を通じて機内空間A1と背圧室K1とが連通する。図4および図2に示すように、ピストン44が第二位置P2にある状態で、そのピストン44が第一室Q1に存在し、第一流路46を塞ぐ。これにより、機内空間A1と背圧室K1との間の流路が、ピストン44によって遮断される。
ピストン44の移動は、機内空間A1と機外空間A2との圧力差によって自動的に行われる。以下、そのメカニズムについて説明する。前記のとおり、機外空間A2は、大気環境にあり、大気圧でほぼ一定である。機内空間A1は、回転機器7の運転状態によって、機外空間A2よりも高圧(大気圧に対して正圧)となったり低圧(大気圧に対して負圧)となったりする。
機内空間A1が機外空間A2よりも高圧となる場合、機内空間A1の流体圧が、第一流路46を通じて、キャビティ43の第一室Q1に作用し、ピストン44を第一位置P1側に向かって押す。ピストン44が第二位置P2に存在する場合であっても、機内空間A1が機外空間A2よりも高圧になると、機内空間A1と機外空間A2との圧力差によってピストン44が第二位置P2から第一位置P1に自動的に移動する。ピストン44の第一端面51の一部が、キャビティ43の第一内面56に接触し、ピストン44は第一位置P1で停止する(図3参照)。
この状態で、機内空間A1と背圧室K1とが、第一流路46、第一室Q1、および第二流路47を通じて連通する。すると、背圧室K1が機内空間A1と同じ圧力(大気圧に対して正圧)となる。その結果、背圧室K1の流体圧によって静止密封環12を回転密封環11に押し付ける方向の力が作用する。機内空間A1の圧力に応じて前記押し付ける方向の力が変化し、機内空間A1の圧力が高くなるほど、前記押し付ける方向の力が大きくなる。
機内空間A1が機外空間A2よりも低圧となる場合、つまり、機内空間A1が大気圧に対して負圧に変化した場合、キャビティ43の第一室Q1も低圧(負圧)となる。すると、機外空間A2の流体圧(大気圧)が、開放穴48を通じて、第二室Q2に作用し、ピストン44を第二位置P2側に向かって押す。ピストン44が第一位置P1に存在する場合であっても、機内空間A1が機外空間A2よりも低圧になると、機内空間A1と機外空間A2との圧力差によって、機外空間A2から開放穴48を通じて第二室Q2に流体(大気)が侵入すると共に、ピストン44が第一位置P1から第二位置P2に自動的に移動する。ピストン44の第二端面52の一部が、キャビティ43の第二内面57に接触し、ピストン44は第二位置P2で停止する(図4参照)。
これにより、機内空間A1と背圧室K1との間の流路がピストン44によって遮断される。さらに、機外空間A2と背圧室K1とが、開放穴48、第二室Q2、および第二流路47を通じて連通する。すると、背圧室K1が機外空間A2と同じ圧力(大気圧)になる。その結果、大気圧である機外空間A2および背圧室K1よりも、機内空間A1は低圧であり、背圧室K1の流体圧(大気圧)によって静止密封環12を回転密封環11に押し付ける方向の力が作用する。
以上のように、ピストン44を含んで構成される切り替え部41は、機内空間A1が機外空間A2よりも高圧である場合に、機内空間A1と背圧室K1とを連通させ、機内空間A1が機外空間A2よりも低圧である場合に、機内空間A1と背圧室K1とを遮断する。
なお、機内空間A1が機外空間A2よりも高圧となる場合であっても低圧となる場合であっても、静止密封環12には前記弾性部材(図示せず)によって回転密封環11側に対して押し付ける力が付与されている。
キャビティ43に繋がる開放穴48および第一流路46それぞれは、キャビティ43よりも流路断面積が小さい。開放穴48および第一流路46が細くても、ピストン44の受圧面積を確保するために、本実施形態のメカニカルシール10は、次の第一構成F1および第二構成F2を備える。
第一構成F1として(図3参照)、ピストン44は、機外側となる移動方向の一方側の第一端面51に、第一部分接触面61と、第一受圧面62とを有する。第一部分接触面61は、第一端面51の中央から突出する突起51aの先端面により構成されている。第一受圧面62は、第一端面51のうち突起51a以外の面により構成されていて、第一部分接触面61よりも広く設定されている。第一部分接触面61は、キャビティ43の第一内面56に部分的に接触可能となる。第一受圧面62は、第一内面56に非接触となる。ピストン44が第一位置P1にある状態で、第一内面56と第一受圧面62との間に環状となる第一内部空間53形成される。第一内部空間53が、開放穴48を通じて機外空間A2と連通する。
この構成により、開放穴48が細くても、ピストン44の第一端面51における受圧面積を確保することが可能となる。このため、機内空間A1が機外空間A2よりも低圧となった場合に、機外空間A2と繋がる第一内部空間53の流体圧(大気圧)によってピストン44の推力が得られ、ピストン44は第一位置P1から第二位置P2に移動可能となる。
第二構成F2について説明する(図4参照)。キャビティ43の第二内面57に凹部65が形成されている。凹部65は、キャビティ43に向かって開口すると共に、第一流路46と繋がる。キャビティ43に対する凹部65の開口面積は、キャビティ43の断面積、およびピストン44の第二端面52よりも小さい。凹部65に対する第一流路46の開口面積は、凹部65の断面積よりも小さい。
ピストン44は、機内側となる移動方向の他方側の第二端面52に、第二部分接触面63と、第二受圧面64とを有する。第二部分接触面63は、キャビティ43の第二内面57に部分的に接触する面である。図4に示す形態では、第二部分接触面63は、第二端面52の一部である環状の外周部により構成されている。第二受圧面64は、第二内面57に非接触となる面であり、第二端面52の残りの他部である中央部により構成されている。第二受圧面64は、第二部分接触面63よりも広く設定されている。ピストン44が第二位置にある状態で、第二内面57の凹部65と第二受圧面64との間に第二内部空間54が形成される。第二内部空間54が、第一流路46を通じて機内空間A1(図2参照)と連通する。
この構成により、第一流路46が細くても、ピストン44の第二端面52における受圧面積を確保することが可能となる。このため、機内空間A1が機外空間A2よりも高圧となった場合に、機内空間A1と繋がる第二内部空間54の流体圧によってピストン44の推力が得られ、ピストン44は第二位置P2から第一位置P1に移動可能となる。ピストン44の移動の際、第二室Q2の気体(大気)は、開放穴48を通じて機外空間A2に排出される。
前記のような第一構成F1および第二構成F2に関して、機内側と機外側とで構成が反対であってもよい。つまり、機内側に第一構成F1が設けられ、機外側に第二構成F2が設けられていてもよい。また、第一構成F1および第二構成F2に関する別の変形例として、機内側と機外側とが同じ構成であってもよい。さらに別の変形例として、ピストン44の受圧面積を確保するために、キャビティ43に開口する凹部65を設ける代わりに、ピストン44の端面に凹部を設けたり、ピストン44の端面に突起51aを設ける代わりに、キャビティ43の内面に突起を設けてもよい。
〔本実施形態のメカニカルシール10について〕
以上のように、図1および図2に示す本実施形態のメカニカルシール10は、回転軸8と一体回転する回転密封環11と、回転密封環11との間でシールするための静止密封環12と、静止密封環12を支持すると共に回転機器7に取り付けられるケース13とを備える。メカニカルシール10は、背圧室K1、および機内空間A1と背圧室K1とを繋ぐ接続流路40を備える。背圧室K1は、静止密封環12の機外側と、ケース13の一部である第二ケース15の内周部17との間に設けられており、Oリング27,29によってシールされている空間である。接続流路40は、切り替え部41を有する。切り替え部41は、機内空間A1が機外空間A2よりも高圧である場合に機内空間A1と背圧室K1とを連通させ、機内空間A1が機外空間A2よりも低圧である場合に機内空間A1と背圧室K1とを遮断する。
このメカニカルシール10によれば、切り替え部41によって、機内空間A1が機外空間A2よりも高圧である場合、機内空間A1と背圧室K1とが連通し、背圧室K1の流体圧によって、静止密封環12を回転密封環11に押し付けることが可能となる。これに対して、機内空間A1が機外空間A2よりも低圧である場合、機内空間A1の流体圧が背圧室K1に及ばず、従来の構成では生じる静止密封環12を回転密封環11から引き離す力が作用しない。背圧室K1が機外空間A2と同じ圧力(大気圧)となり、静止密封環12を回転密封環11に押し付けることが可能となる。以上より、機内空間A1が機外空間A2よりも高圧となったり低圧となったりする場合でも、静止密封環12を回転密封環11に押し付ける力を所望の範囲で確保することが可能となる。
図1に示す形態では、切り替え部41はケース13に設けられている。このため、切り替え部41の形成が比較的容易となり、また、既に設計されているメカニカルシールに対しても追加的に切り替え部41を適用することが容易である。
切り替え部41は、キャビティ43が形成されているブロック部42と、キャビティ43を第一位置P1と第二位置P2との間で移動するピストン44とを有する。ピストン44が第一位置P1にある状態で(図1および図3参照)、キャビティ43の一部(第一室Q1)を通じて機内空間A1と背圧室K1とが連通する。ピストン44が第二位置P2にある状態で(図2および図4参照)、ピストン44がキャビティ43の前記一部(第一室Q1)に存在することにより、機内空間A1と背圧室K1とをピストン44が遮断する。
接続流路40は、キャビティ43の第一室Q1と機内空間A1とを繋ぐ第一流路46と、キャビティ43の第二室Q2と背圧室K1とを繋ぐ第二流路47とを有する。キャビティ43が設けられているブロック部42に、第二室Q2と機外空間A2とを連通する開放穴48が設けられている。
この構成により、機内空間A1が機外空間A2よりも低圧になると、機内空間A1と機外空間A2との圧力差によって、機外空間A2から開放穴48を通じてキャビティ43の第二室Q2に流体(大気)が侵入すると共に、ピストン44が第一位置P1から第二位置P2に、自動的に移動する。機内空間A1が機外空間A2よりも高圧になると、機内空間A1と機外空間A2との圧力差によってピストン44が第二位置P2から第一位置P1に、自動的に移動する。
〔その他〕
切り替え部41は、図示する構成以外であってもよい。切り替え部41は、例えば、マニホールドバルブ、またはチェックバルブなどを用いて構成されていてもよい。
図1に示す形態では、接続流路40の全体がケース13内に設けられているが、その一部が、配管により構成されていて、ケース13外に設けられていてもよい。また、切り替え部41(キャビティ43が形成されているブロック部42)もケース13と別に設けられていてもよい。
前記実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は、前記実施形態ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更を含む。
7 回転機器
8 回転軸
10 メカニカルシール
11 回転密封環
12 静止密封環
13 ケース
40 接続流路
41 切り替え部
42 ブロック部
43 キャビティ
44 ピストン
46 第一流路
47 第二流路
48 開放穴
51 第一端面
52 第二端面
53 第一内部空間
54 第二内部空間
56 第一内面
57 第二内面
61 第一部分接触面
62 第一受圧面
63 第二部分接触面
64 第二受圧面
A1 機内空間
A2 機外空間
K1 背圧室
P1 第一位置
P2 第二位置
Q1 第一室
Q2 第二室

Claims (6)

  1. 回転軸と一体回転する回転密封環と、前記回転密封環との間でシールするための静止密封環と、前記静止密封環を支持すると共に回転機器に取り付けられるケースと、を備え、前記回転機器の内部の機内空間と前記回転機器の外部の機外空間とを区画するメカニカルシールであって、
    前記静止密封環の機外空間側と前記ケースの一部との間に設けられシールされている背圧室と、
    前記機内空間と前記背圧室とを繋ぐ接続流路と、
    を備え、
    前記接続流路は、前記機内空間が前記機外空間よりも高圧である場合に前記機内空間と前記背圧室とを連通させ、前記機内空間が前記機外空間よりも低圧である場合に前記機内空間と前記背圧室とを遮断する切り替え部を有する、
    メカニカルシール。
  2. 前記切り替え部は、前記ケースに設けられている、請求項1に記載のメカニカルシール。
  3. 前記切り替え部は、キャビティが形成されているブロック部と、前記キャビティを第一位置と第二位置との間で移動するピストンと、を有し、
    前記ピストンが前記第一位置にある状態で、前記キャビティの一部を通じて前記機内空間と前記背圧室とが連通し、
    前記ピストンが前記第二位置にある状態で、前記ピストンが前記キャビティの前記一部に存在することにより前記機内空間と前記背圧室とを遮断する、
    請求項1または請求項2に記載のメカニカルシール。
  4. 前記接続流路は、前記キャビティの前記一部である第一室と前記機内空間とを繋ぐ第一流路と、前記ピストンが前記第二位置にある状態で形成される前記キャビティの第二室と前記背圧室とを繋ぐ第二流路と、を有し、
    前記ブロック部に、前記第二室と前記機外空間とを連通する開放穴が設けられている、
    請求項3に記載のメカニカルシール。
  5. 前記ピストンは、移動方向の一方側の第一端面に、前記キャビティの第一内面に部分的に接触する第一部分接触面と、前記第一内面に非接触である第一受圧面と、を有し、
    前記第一内面と前記第一受圧面との間に形成される第一内部空間が、前記開放穴を通じて前記機外空間と連通する、請求項4に記載のメカニカルシール。
  6. 前記ピストンは、移動方向の他方側の第二端面に、前記キャビティの第二内面に部分的に接触する第二部分接触面と、前記第二内面に非接触である第二受圧面と、を有し、
    前記第二内面と前記第二受圧面との間に形成される第二内部空間が、前記第一流路を通じて前記機内空間と連通する、請求項4または請求項5に記載のメカニカルシール。
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