JP2002295696A - トラニオン型ボールバルブ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 きわめて簡単な構造で、すぐれたシール性
を発揮しうるトラニオン型ボール弁を提供する。 【解決手段】 ボディ１におけるボール弁体４が収容さ
れるキャビティ２と流路５との接続部に、シートリテー
ナ８を流路５の軸線方向に摺動しうるようにして設ける
とともに、ボディ１とシートリテーナ８の外側面との間
に、シールリング１２を設け、ボール弁体４が閉の状態
において、キャビティ２内の流体圧力が流路内よりも高
いときには、シールリング１２が縮径して、そのシール
点が、シートリテーナ８に設けたリング状シート１１と
ボール弁体４とのシール点よりも径方向の内方となり、
かつ流路内の流体圧力がキャビティ２内の圧力よりも高
いときには、シールリング１２が拡径して、そのシール
点が、シートリテーナ８に設けたリング状シート１１と
ボール弁体４とのシール点よりも径方向の外方となるよ
うにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、改良されたシール
部を備えるトラニオン型ボールバルブに関する。

【０００２】

【従来の技術】図３〜図５は、従来のトラニオン型ボー
ルバルブの代表的なものの要部を示す。

【０００３】各図において、バルブボディ(21)のキャビ
ティ(22)内には、ステム(23)と一体をなすボール弁体(2
4)が装入され、かつキャビティ(22)と流路(25)との接続
部には、それぞれ異なる構成のシール部(30)(40)(50)が
設けられている。

【０００４】図３に示すシール部(30)の構成は次の如く
である。

【０００５】バルブボディ(21)の内側におけるキャビテ
ィ(22)と流路(25)との接続部に、外側方からキャビティ
(22)の中心側へ向かって、流路(25)の軸線を中心とし、
かつ順次大径となる第１〜第４の４個の段孔(31)(32)(3
3)(34)を設けてある。

【０００６】第２の段孔(32)には、円筒状のシートリテ
ーナ(35)が摺動自在に嵌合され、シートリテーナ(35)の
外周面は第２の段孔(32)に、同じく内周において外側方
へ延びている環状片(35a)の外側端部の外周面は、第１
の段孔(31)に摺動自在に当接している。

【０００７】シートリテーナ(35)の内側面には、外側方
を向く環孔(35b)が設けられ、この環孔(35b)内には、リ
ング状シート(36)が嵌合されている。

【０００８】シートリテーナ(35)の外周面内側端には、
径方向に外方へ突出する係止突縁(35c)が形成され、外
周縁が第４の段孔(34)の内側角部に当接係止している環
状板ばね(37)の内周縁を、係止突縁(35c)の外側面に当
接係止して、シートリテーナ(35)を内側方へ付勢してい
る。

【０００９】第２の段孔(32)内におけるシートリテーナ
(35)の外側方には、Ｏリング(38)が嵌合されている。

【００１０】図４に示すシール部(40)の構成は次の如く
である。

【００１１】バルブボディ(21)の内側におけるキャビテ
ィ(22)と流路(25)の接続部には、外側方から順次大径と
なる第１〜第３の３個の段孔(41)(42)(43)が設けられて
いる。

【００１２】図３におけるのとほぼ同様の、内側端にリ
ング状シート(44)を備えるシートリテーナ(45)を第１の
段孔(41)へ嵌合し、シートリテーナ(45)の外周面内側端
に設けた外周方向へ突出する係止突縁(45a)の外側と第
３の段孔(43)とにまたがって、環状板ばね(46)を係止し
てある。

【００１３】第１の段孔(41)内において、シートリテー
ナ(45)の内周における環状片(45a)の外周には、Ｏリン
グリテーナ(47)を軸線方向に摺動自在に嵌合し、かつＯ
リングリテーナ(47)の内外周面に設けた保持溝には、環
状片(45a)の外周面、および第１の段孔(41)の内周面と
の間をシールするＯリング(48)(49)を嵌挿してある。

【００１４】図５に示すシール部(50)の構成は次の如く
である。

【００１５】バルブボディ(21)の内側におけるキャビテ
ィ(22)と流路(25)との接続部には、外側方から、順次大
径となる第１〜第３の３個の段孔(51)(52)(53)を設けて
ある。

【００１６】内側端にリング状シート(54)を備えるシー
トリテーナ(55)を第１の段孔(51)へ嵌合し、シートリテ
ーナ(55)の外周面内側端に設けた外周方向へ突出する係
止突縁(55a)の外側と第３の段孔(53)にまたがって、環
状板ばね(56)を係止してある。

【００１７】シートリテーナ(55)の外周面に設けた保持
溝には、シートリテーナ(55)と第１の段孔(51)との間を
シールするＯリング(57)が嵌合されている。

【００１８】上記各図に示したものにおいては、各部材
におけるキャビティ(22)内および流路(25)内の流体の圧
力を受けるべき面積の差を所要に定めてあることによ
り、流路(25)内またはキャビティ(22)内の流体の圧力差
に応じて、リング状シート(36)(44)(54)をボール状弁体
(24)へ押し付けてシールしたり、リング状シートをボー
ル状弁体(24)から離して、キャビティ(22)の圧力を逃が
したりすることができる。

【００１９】

【発明が解決しようとする課題】しかし、これら従来の
ものは、いずれも、部品点数が多くて、構造が複雑であ
り、ひいてはコスト高となるのを免がれ得なかった。

【００２０】本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑
み、構造が極めて簡単で、安価に製造しうるにもかかわ
らず、従来のものと同様の機能を発揮しうるようにした
トラニオン型ボールバルブを提供することを目的とする
ものである。

【００２１】

【課題を解決するための手段】上記課題は、本発明によ
ると、次のようにして解決される。 (１) ボディにおけるボール弁体が収容されるキャビテ
ィと流路との接続部に、シートリテーナを流路の軸線方
向に摺動しうるようにして設けるとともに、ボディとシ
ートリテーナの外側面との間に、シールリングを設け、
ボール弁体が閉の状態において、キャビティ内の流体圧
力が流路内よりも高いときには、前記シールリングが縮
径して、そのシール点が、シートリテーナに設けたリン
グ状シートとボール弁体とのシール点よりも径方向の内
方となり、かつ流路内の流体圧力がキャビティ内の圧力
よりも高いときには、前記シールリングが拡径して、そ
のシール点が、シートリテーナに設けたリング状シート
とボール弁体とのシール点よりも径方向の外方となるよ
うにする。

【００２２】(２) 上記(１)項において、キャビティと
流路との接続部に段孔を設け、この段孔にシートリテー
ナを摺動自在に設ける。

【００２３】(３) 上記(２)項において、キャビティ内
の圧力は、段孔の内周面とシートリテーナの外周面との
間を経て、シートリテーナの外側面へ伝えられるように
する。

【００２４】

【発明の実施の形態】図１に示すように、バルブボディ
(１)のキャビティ(２)内には、ステム(３)と一体をなす
ボール弁体(４)が装入されている。

【００２５】キャビティ(２)と流路(５)との接続部に
は、外側方からキャビティ(２)の中心側へ向かって、流
路の軸線を中心とし、かつ順次大径となる第１、第２の
段孔(６)(７)が形成されている。

【００２６】第２の段孔(７)には、円筒状のシートリテ
ーナ(８)が摺動自在に嵌合され、シートリテーナ(８)の
内周において外側方へ延びている環状片(９)の外側端部
の外周面は、第１の段孔(６)の内周面に摺動自在に当接
している。

【００２７】シートリテーナ(８)の内側面には、外側方
を向く環孔(10)が設けられ、環孔(10)内には、リング状
シート(11)が嵌合されている。

【００２８】シートリテーナ(８)の外側面と第２の段孔
(７)の内側面との間には、ゴム等よりなる拡径可能なシ
ールリング(12)が、やや収縮状態で嵌入されている。

【００２９】しかして、図１に示すように、シールリン
グ(12)が内周方向に最大限変形して環状片(９)に当接し
ている際における、シールリング(12)と第２の段孔(７)
の内側面およびシートリテーナ(８)の外側面との当接部
であるシール点と、流路(５)の中心までの半径を(Ａ)、
リング状シート(11)とボール弁体(４)との当接部と流路
(５)の中心までの半径を(Ｂ)、図２に示すように、シー
ルリング(12)が外周方向に最大限変形して、第２の段孔
(７)の内側面に当接している際のシール点と、流路(５)
の中心までの半径を(Ｃ)とすると、Ｃ＞Ｂ＞Ａとなるよ
うにしてある。

【００３０】ボール弁体(４)が閉の状態において、キャ
ビティ(２)内の流体圧力が、流路(５)内の圧力よりも高
い場合、図１に示すように、キャビティ(２)内の圧力
は、第２の段孔(７)の内周面とシートリテーナ(８)の外
周面との間を経て、シートリテーナ(８)の外側面に作用
する。

【００３１】そのため、シートリテーナ(８)はボール弁
体(４)方向へ押されるとともに、シールリング(12)は求
心方向に収縮し、環状片(９)に当接するとともに、第２
の段孔(７)とシートリテーナ(８)の外側面で挾圧され
る。

【００３２】そのため、前記したようにＢ＞Ａとなり、
シートリテーナ(８)は、流路(５)内の流体の圧力によっ
て、キャビティ(２)方向に押され、リング状シート(11)
はボール弁体(４)を押圧する。

【００３３】逆に、流路(５)内の流体の圧力がキャビテ
ィ(２)内の圧力よりも高くなると、図２に示すように、
シールリング(12)は拡径させられて、第２の段孔(７)の
内周面に当接するとともに、第２の段孔(７)の内側面と
シートリテーナ(８)の外側面との間で挾圧される。

【００３４】しかしてこの際、Ｃ＞Ｂとなるから、シー
トリテーナ(８)は、流路(５)内の流体によってボール弁
体(４)を押圧する。

【００３５】

【発明の効果】きわめて簡単な構造で、部品点数も少い
にも拘わらず、キャビティ内および流路内の流体の圧力
によって、高いシール性が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のトラニオン型ボールバルブの一実施形
態の要部を、キャビティ内の圧力が流路内の圧力より高
い状態において略示する縦断面図である。

【図２】同じく、キャビティ内の圧力が流路内の圧力よ
り低い状態における縦断面図である。

【図３】それぞれ、従来のトラニオン型ボール弁の代表
的な例の要部を示す縦断面図である。

【図４】それぞれ、従来のトラニオン型ボール弁の代表
的な例の要部を示す縦断面図である。

【符号の説明】

(１)バルブボディ (２)キャビティ (３)ステム (４)ボール弁体 (５)流路 (６)第１の段孔 (７)第２の段孔 (８)シートリテーナ (９)環状片 (10)環孔 (11)リング状シート (12)シールリング (21)バルブボディ (22)キャビティ (23)ステム (24)ボール弁体 (25)流路 (30)シート装置 (31)第１の段孔 (32)第２の段孔 (33)第３の段孔 (34)第４の段孔 (35)シートリテーナ (35a)環状片 (35b)環孔 (35c)係止突縁 (36)リング状シート (37)環状板ばね (38)Ｏリング (40)シート装置 (41)第１の段孔 (42)第２の段孔 (43)第３の段孔 (44)リング状シート (45)シートリテーナ (45a)係止突縁 (45a)環状片 (46)環状板ばね (47)Ｏリングリテーナ (48)(49)Ｏリング (50)シート装置 (51)第１の段孔 (52)第２の段孔 (53)第３の段孔 (54)リング状シート (55)シートリテーナ (55a)係止突縁 (56)環状板ばね (57)Ｏリング

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ボディにおけるボール弁体が収容される
   キャビティと流路との接続部に、シートリテーナを流路
   の軸線方向に摺動しうるようにして設けるとともに、ボ
   ディとシートリテーナの外側面との間に、シールリング
   を設け、ボール弁体が閉の状態において、キャビティ内
   の流体圧力が流路内よりも高いときには、前記シールリ
   ングが縮径して、そのシール点が、シートリテーナに設
   けたリング状シートとボール弁体とのシール点よりも径
   方向の内方となり、かつ流路内の流体圧力がキャビティ
   内の圧力よりも高いときには、前記シールリングが拡径
   して、そのシール点が、シートリテーナに設けたリング
   状シートとボール弁体とのシール点よりも径方向の外方
   となるようにしたことを特徴とするトラニオン型ボール
   バルブ。
2. 【請求項２】 キャビティと流路との接続部に段孔を設
   け、この段孔にシートリテーナを摺動自在に設けてなる
   請求項１記載のトラニオン型ボールバルブ。
3. 【請求項３】 キャビティ内の圧力は、段孔の内周面と
   シートリテーナの外周面との間を経て、シートリテーナ
   の外側面へ伝えられるようにしたことを特徴とする請求
   項２記載のトラニオン型ボールバルブ。