JP2023028437A - 防錆剤組成物及び防錆処理方法 - Google Patents

防錆剤組成物及び防錆処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】防錆処理を行うことで、発錆するまでの時間を長くし、流動性が上がり施工性が向上する防錆剤組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】セメント及び亜硝酸塩を含有し、さらにγ-2CaO・SiO、3CaO・2SiO、α-CaO・SiO及びカルシウムマグネシウムシリケートからなる群から選ばれる1種又は2種以上の非水硬性化合物を含有してなる防錆剤組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、防錆剤組成物およびその防錆処理方法、特に、鉄筋、鉄骨、鋼板、プレストコンクリート内部の鋼線等、コンクリート内部の鋼材の腐食を抑制し、錆の発生を防止する防錆剤組成物およびその防錆処理方法に関する。
コンクリート構造物の補修工事では、劣化した部分を除去し、新たに補修モルタルを打ち継ぐ断面修復工事が行われている。
その際、露出した鉄筋等の鋼材の発錆を防止することを目的に防錆処理が行われている。
従来の防錆剤は、無機系では、亜硝酸塩、クロム酸塩、ケイ酸塩、及びリン酸塩等があり、有機系では、有機リン酸エステル、エステル塩、有機酸類、スルホン酸類、アミン類、アルキルフェノール類、メルカプタン類、及びニトロ化合物等が知られている(非特許文献1参照)。
断面修復工法を行う場合の鉄筋の防錆剤としては、亜硝酸塩系防錆剤を多く使用しており、直接鉄筋に塗布したり、ポリマーエマルジョンと混合したものを塗布したり、セメントのような水硬性物質と混合したものを塗布したりして使用されている。
セメント類と混合して使用する場合は、亜硝酸塩を長期間鉄筋表面に保持することと、塩化物イオンや酸素の透過性を低減させてより防錆効果を維持することを目的にセメント混和用ポリマーを配合したものを塗布している場合がある。
「IX 防錆剤」、コンクリート混和剤の開発技術、pp.119~134、シーエムシー出版、2000年
しかしながら、断面修復工法で多く用いられる亜硝酸塩系防錆剤は、そのまま鉄筋に塗布できるが、塗布して直ぐに断面修復しないと錆が発生することがあった。
また、セメントとセメント混和用ポリマーとを配合したものは塗布して直ぐに断面修復しなくても鉄筋に錆が発生しにくい点で好ましいが、十分な効果は得られない。
さらに、練り混ぜ後の粘性が上昇し流動性が低下することで、施工性に劣る課題があった。
そこで、本発明は、防錆処理を行うことで、発錆するまでの時間を長くし、流動性が上がり施工性が向上する防錆剤組成物を提供することを課題とする。
本発明者は、前記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、セメント、亜硝酸塩、さらにγ-2CaO・SiO、3CaO・2SiO、α-CaO・SiO及びカルシウムマグネシウムシリケートからなる群から選ばれる1種又は2種以上の非水硬性化合物を含有する防錆剤組成物を使用することで、発錆までの時間を長くし、流動性が上がることで施工性が向上することを見出した。
本発明は、セメント、亜硝酸塩、さらにγ-2CaO・SiO、3CaO・2SiO、α-CaO・SiO及びカルシウムマグネシウムシリケートからなる群から選ばれる1種又は2種以上の非水硬性化合物を含有してなる防錆剤組成物であり、さらに、非水硬性化合物中にLiを含有してなる防錆剤組成物であり、さらに、セメント混和用ポリマーを含有してなる該防錆剤組成物であり、該防錆剤組成物を用いる防錆処理方法である。
本発明の防錆剤組成物は、それを用いて防錆処理を行うことで、発錆までの時間を長くし、流動性が上がり施工性が向上する。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明における部や%は特に規定しない限り質量基準で示す。
本発明の防錆剤組成物は、セメント及び亜硝酸塩を含有し、さらにγ-2CaO・SiO、3CaO・2SiO、α-CaO・SiO及びカルシウムマグネシウムシリケートからなる群から選ばれる1種又は2種以上の非水硬性化合物を含有してなる。
また、前記防錆剤組成物は、さらに非水硬性化合物中にLiを含有し、非水硬性化合物中のLiの含有率が酸化物換算で0.001~1.0質量%とすることが好ましい。この所定量のLiにより、C-S-H(ケイ酸カルシウム水和物)の炭酸化のうち、炭酸カルシウムの1種であるバテライトの生成が促進されると推定され、炭酸(塩)化によってより緻密な硬化状態が得られ、防錆効果が得られやすくなると考えられる。
また、前記防錆剤組成物は、さらにセメント混和ポリマーを含有することが好ましい。
ここで、「非水硬性化合物中にLiを含有」しているとは、非水硬性化合物中に化学組成としてLiOを含む(ICP発光分光分析で存在を確認できる)が、X線回折測定ではLiOが同定されない(LiOの明確なピークが見られない)状態をいい、単に、非水硬性化合物とLi化合物とが物理的に混合された状態ではないことをいう。このような状態は、それぞれの原料を混合して1,000℃以上の高温での熱処理をすることで得られる。
本発明の防錆処理方法は上記のいずれかに記載の防錆剤組成物を用いる防錆処理方法である。
以下に、上記防錆剤組成物の各成分等について説明する。
[セメント]
本発明で使用するセメントとしては特に限定されるものではないが、普通、早強、超早強、低熱、及び中庸熱等の各種ポルトランドセメントや、これらポルトランドセメントに、高炉スラグ、フライアッシュ又はシリカを混合した各種混合セメント、石灰石粉末や石膏や高炉徐冷スラグ微粉末等を混合したフィラーセメント、ならびに、都市ゴミ焼却灰や下水汚泥焼却灰を原料として製造された環境調和型セメント(エコセメント)等のポルトランドセメント、ならびに、市販されている地盤改良工事で用いられるセメント系固化材、市販されている微粒子セメント等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上が使用可能である。また、通常セメントに使用されている成分量を増減して調整されたものも使用可能である。
[亜硝酸塩]
本発明で使用する亜硝酸塩とは、防錆効果を付与する物質であり、例えば、亜硝酸リチウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸カルシウム、亜硝酸マグネシウム、及び亜硝酸バリウムが挙げられ、これらのうち、価格や、アルカリ骨材反応に対して影響のない亜硝酸リチウムや亜硝酸カルシウムの使用が好ましい。亜硝酸塩は、固形分40質量%の水溶液として、セメント100質量部に対して5~30質量部が好ましく、10~25質量部がより好ましく、15~20質量部であることがより好ましい。5%以上30%以下とすることで十分な防錆効果が得られ、好ましい。
[非水硬性化合物]
本発明で使用する非水硬性化合物は、γ-2CaO・SiO、3CaO・2SiO、α-CaO・SiO及びカルシウムマグネシウムシリケートからなる群から選ばれる1種又は2種以上であり、これらを混和することで流動性が上がり、自然炭酸化が促進され緻密となり、防錆効果に優れる。
(γ-2CaO・SiO
γ-2CaO・SiOとは、2CaO・SiOで表される化合物のうちで、低温相として知られるものであり、高温相であるα-2CaO・SiOやα’-2CaO・SiO、β-2CaO・SiOとは全く異なるものである。これらはいずれも、2CaO・SiOで表されるが、結晶構造や密度は異なっている。
(3CaO・2SiO
3CaO・2SiOとは、偽ケイ灰石にCaOを含有する鉱物でランキナイトと呼ばれる。水和活性は無く化学的に安定な鉱物であるが、炭酸(塩)化促進効果が大きく防錆効果に優れる。
(α-CaO・SiO
α-CaO・SiO(α型ワラストナイト)とは、CaO・SiOで表される化合物のうちで、高温相として知られるものであり、低温相であるβ-CaO・SiOとは全く異なるものである。これらはいずれも、CaO・SiOで表されるが、結晶構造や密度は異なっている。
天然に産出するワラストナイトは低温相のβ-CaO・SiOである。β-CaO・SiOは針状結晶を有し、ワラストナイト繊維等のような無機繊維質物質として利用されてはいるが、本実施形態に係るα-CaO・SiOのような炭酸(塩)化促進効果はない。
(カルシムマグネシウムシリケート)
カルシムマグネシウムシリケートとは、CaO-MgO-SiO系化合物を総称するものであるが、本実施形態では、3CaO・MgO・2SiO(CMS)で表されるメルヴィナイト(Merwinite)であることが好ましく、メルヴィナイトによれば大きい炭酸(塩)化促進効果が達成される。
[Li]
上記のような非水硬性化合物は1種でも2種以上でもよいが、当該非水硬性化合物中のLiの含有率は酸化物換算で0.001~1.0%であり、0.005~1.0%であることが好ましく、0.010~0.90%であることがより好ましく、0.015~0.80%であることがさらに好ましい。Liの含有率が酸化物換算で0.001%未満であると炭酸化促進効果が得られない。1.0%を超えるとコストが高くなってしまう。酸化物換算のLiの含有率は、実施例に記載の方法にて測定することができる。
なお、非水硬性化合物が2種以上である場合、Liの含有率は、2種以上の非水硬性化合物の合計に対する該Liの酸化物換算での含有率をいう。
上記の非水硬性化合物の中でも、特にγ-2CaO・SiOは、製造時にダスティングと呼ばれる粉化現象をともなうため他化合物に比べて粉砕に要するエネルギーが少ないこと、長期にわたって炭酸(塩)化促進効果が大きいこと、一方、低水結合材比で高炉セメントと組み合わせた場合には防錆効果が大きい点で好ましい。
本実施形態に係る非水硬性化合物は、CaO原料、SiO原料、MgO原料及び、必要に応じてLi原料を所定のモル比で配合して熱処理することによって得られる。CaO原料としては、例えば、石灰石などの炭酸カルシウム、消石灰などの水酸化カルシウム、アセチレン副生消石灰などの副生消石灰、廃コンクリート塊から発生する微粉末、などが挙げられる。SiO原料としては、例えば、ケイ石や粘土、さらには、シリカフュームやフライアッシュに代表されるような産業副産物として発生する様々なシリカ質ダストなどが挙げられる。MgO原料としては、例えば、水酸化マグネシウムや塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイトなどを挙げることができる。また、Li原料としては、炭酸リチウムなどを挙げることができる。なお、CaO原料、SiO原料、MgO原料にLiが含まれる場合は、Li原料を新たに加える必要はない。熱処理時の非エネルギー由来CO排出量の削減からも、副生消石灰、廃コンクリート塊から発生する微粉末、都市ゴミ焼却灰や下水汚泥焼却灰など、CaOを含む産業副産物から選ばれる1種又は2種以上を利用できる。中でも他の産業副産物に比べて不純物量が少ない副生消石灰の使用がさらに好ましい。
副生消石灰としては、カルシウムカーバイド法によるアセチレンガスの製造工程で副生される副生消石灰(アセチレンガス製造方法の違いで、湿式品と乾式品がある)、カルシウムカーバイド電気炉の湿式集塵工程で捕獲されるダスト中に含まれる副生消石灰といったアセチレン副生消石灰等が挙げられる。副生消石灰は、例えば、水酸化カルシウムが65~95%(好ましくは、70~90%)で、その他に、炭酸カルシウムを1~10%、酸化鉄を0.1~6.0%(好ましくは、0.1~3.0%)含む。これらの割合は蛍光X線測定、及び示差熱重量分析(TG-DTA)で求まる質量減量分(Ca(OH):405℃~515℃付近、CaCO:650℃~765℃付近)にて確認することができる。レーザー回折・散乱法で測定する体積平均粒子径は、50~100μm程度である。さらに、JIS K 0068「化学製品の水分測定方法」中、乾燥減量法で測定される水分率は、10%以下であることが好ましい。また、CaS、A1、及びCaC・CaSなどイオウ化合物を含んでもよいが、2%以下であることが好ましい。
既述の1,000℃以上の高温での熱処理は、特に限定されるものではないが、例えば、ロータリーキルンや電気炉などによって行うことができる。その熱処理温度は、一義的に定められるものではないが、通常、1,000~1,800℃程度の範囲で行われ、1,200~1,600℃程度の範囲で行われることが多い。
本実施形態は、既述の非水硬性化合物を含む産業副産物を用いることもできる。この際には不純物が共存する。このような産業副産物として、製鋼スラグ等が挙げられる。
CaO原料、SiO原料、MgO原料には不純物を含む場合があるが、本発明の効果を阻害しない範囲内では特に問題とはならない。不純物の具体例としては、例えば、Al、Fe、TiO、MnO、NaO、KO、S、P、F、B、塩素などが挙げられる。また、共存する化合物としては、遊離酸化カルシウム、水酸化カルシウム、カルシウムアルミネート、カルシウムアルミノシリケート、カルシウムフェライトやカルシウムアルミノフェライト、カルシウムフォスフェート、カルシウムボレート、マグネシウムシリケート、リューサイト(KO、NaO)・Al・SiO、スピネルMgO・Al、マグネタイトFe、前述のCaS、A1、及びCaC・CaSなどイオウ化合物などが挙げられる。
これらの不純物のうち、非水硬性化合物中のS(硫黄)の含有率は酸化物(SO)換算で1.0%以下であることが好ましく、0.7%以下であることがより好ましく、さらに0.5%以下であることが好ましい。1.0%以下であることで、十分な炭酸(塩)化促進効果が得られ、また、凝結や硬化性状を適切な範囲にすることができる。酸化物(SO)換算でのSの含有率は、蛍光X線測定により測定することができる。なお、非水硬性化合物中のS(硫黄)は、酸化物換算で2%程度であれば存在していてもよい。
本防錆剤組成物において、非水硬性化合物の含有率(複数種含む場合は合計量に占める含有率)は、セメント100質量部に対して1~50%であることが好ましく、2~25%がより好ましく、3~15%であることがより好ましい。なお、γ-2CaO・SiO以外の水硬性の2CaO・SiOが混在していることも可能であり、最大35%まで混在可能である。
非水硬性化合物におけるγ-2CaO・SiOの含有率は、35%以上が好ましく、45%以上がより好ましい。また、γ-2CaO・SiOの含有率の上限値は特に限定されない。製鋼スラグの中では、γ-2CaO・SiO含有率が多い電気炉還元期スラグ又はステンレススラグが好ましい。
また、非水硬性化合物においてはその効果をより発現しやすくする観点から、化学成分として、非水硬性化合物100質量部中、LiOを0.001~1.0質量部、CaOを45~70質量部、SiOを30~55質量部、Alを0~10質量部含むことが好ましい。LiOの含有量は後述の実施例に記載の方法により測定することができる。また、CaO、SiO、Alは蛍光X線分析により測定することができる。
化学成分としては、防錆剤用混和剤(非水硬性化合物)100質量部中、LiOは0.002~0.5質量部、CaOは60~70質量部、SiOは30~45質量部、Alは0.5~5質量部含むことがより好ましい。
さらに、化学成分として、非水硬性化合物100質量部中、LiO、CaO、SiO、及びAlの合計は、90質量部以上であることが好ましく、95~100質量部であることがより好ましい。
本防錆剤組成物中の非水硬性化合物を定量する方法として、粉末X線回折法によるリートベルト法等が挙げられる。
本防錆剤組成物のブレーン比表面積は特に限定されるものではないが、1,500cm/g以上が好ましく、また上限は8,000cm/g以下が好ましい。なかでも、2,000~6,000cm/gがより好ましく、4,000~6,000cm/gが最も好ましい。ブレーン比表面積が2,000cm/g以上であることで、良好な流動性が得られ、炭酸(塩)化促進効果が大きくなり十分な防錆効果が得られる。また、8,000cm/g以下であることで粉砕する際の粉砕動力が大きくならず経済的であり、また、風化が抑制され品質の経時的な劣化を抑えることができる。
[セメント混和用ポリマー]
本発明で使用するセメント混和用ポリマー(以下、セメントポリマーという。)とは、セメント混和用として、一般的に使用されてきたポリマーであり、中性化、塩害、及び凍害等の耐久性を向上させる目的で使用するものである。例えば、アクリロニトリル-ブタジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、及び天然ゴムなどのゴムラテックス、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニルバーサテート系共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体等の合成樹脂エマルジョン、並びに、エポキシ樹脂や不飽和ポリエステル樹脂に代表される液状ポリマーなどが挙げられ、これらのうちの一種又は二種以上の混合物も使用可能である。
セメントポリマーの使用量は、セメント100質量部に対して、5~70質量部が好ましく、10~60質量部がより好ましい。5質量部以上ではセメントと併用した場合の防錆効果に優れ、70質量部以下では施工性に優れている。
[混合物]
本発明の防錆剤組成物には、セメント以外の水硬性物質であるアルカリにより刺激され硬化するポゾラン物質、急硬性を付与することができるカルシウムアルミネート類、これらの混合物を品質に悪影響を与えない範囲で併用可能である。
[骨材]
さらに、骨材として、砂を用い、砂を適度に混合してモルタルとした防錆剤組成物として使用することも可能である。
[その他]
また、本発明の防錆剤組成物には品質に悪影響を与えない範囲で、炭酸カルシウム、珪酸マグネシウム、スラグ粉末、クレー粉、カーボンブラック、界面活性剤、繊維類、増粘剤、粘土鉱物、凝結促進剤、凝結遅延剤、防水剤、減水剤、消泡剤、急硬材、気泡剤、顔料、ガス発砲物質、膨張材、収縮低減剤、及びエチレンジアミン四酢酸ナトリウム等のキレート化剤、水溶性含硫黄有機化合物又はその塩、香料、消臭剤、抗菌剤、防腐剤等の各種添加剤を併用することが可能である。
本発明の防錆剤組成物の施工方法は特に限定されるものではないが、例えば、噴霧機を用い鉄筋に吹き付けてもよく、刷毛で塗りつけてもよい。
以下、本発明の実験例に基づいて、本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実験例1
セメント100質量部に対して、表1に示す配合で防錆剤組成物を調製した。得られた防錆剤組成物100質量部に対して、水セメント比が一定(水セメント比:53%)となるように水を加えて防錆剤を調製した。
調製した防錆剤についての流動性及び、調製した防錆剤を用いて、発錆するまでの時間について試験した。以下に、その結果を表1に示す。
[使用材料]
・セメント:普通ポルトランドセメント(市販品)
・亜硝酸塩水溶液:亜硝酸リチウム水溶液、固形分40質量%(市販品)
・非水硬性化合物A:Li含有γ-2CaO・SiO。試薬1級の炭酸カルシウムと試薬1級の二酸化ケイ素とをモル比2:1で混合し、さらに、その混合物に対してLiの含有量が酸化物(LiO)換算で0.0005~1.1%(内割置換)となるように試薬1級の炭酸リチウムを混合した。その混合物を1,400℃で2時間熱処理し、室温まで放冷した後、粉砕して、ブレーン比表面積を4,000cm/gとした。
・防錆剤用混和剤B:Li含有α-CaO・SiO。試薬1級の炭酸カルシウムと試薬1級の二酸化ケイ素とを1:1のモル比で混合し、さらに混合物に対してLiの含有量が酸化物(LiO)換算で0.0005~1.1%(内割置換)となるように試薬1級の炭酸リチウムを混合した。その混合物を1,500℃で2時間熱処理し、室温まで放冷した後、粉砕して、ブレーン比表面積を4,000cm/gとした。
・防錆剤用混和剤C:β-2CaO・SiO。試薬1級の炭酸カルシウムと試薬1級の二酸化ケイ素とをモル比2:1で混合した。その混合物を1,400℃で2時間熱処理し、室温まで放冷した後、粉砕してXRDを行い、γ-2CaO・SiOのピークが確認されなくなるまで同様の熱処理を繰り返した。β-2CaO・SiOのみのピークが確認された後、粉砕して、ブレーン比表面積を4,000cm/gとした。
なお、防錆剤用混和剤A~Cにおける酸化物換算のLi含有量は、ICP発光分光分析装置(日立ハイテクサイエンス社製、VISTA-PRO)によって測定した。そして、ICP用混合液(SPEX社製、XSTC-22)を希釈して用いた絶対検量線法から、仕込み量と同量のLi含有量であることを確認した。なお、測定条件は下記のとおりである。
・Li測定波長:670.783nm
・BG補正:フィッティングカーブ法
・検量線用標準溶液:ICP用混合液(SPEX社製、XSTC-22)を希釈して使用
・検量線範囲:0~5mg/L(0mg/L,0.1mg/L,0.5mg/L,1mg/L,5mg/Lの5点検量線)
・絶対検量線法で定量
・セメント混合用ポリマー:酢酸ビニル・ビニルバーサテート系共重合体(粉末・市販品)
・水:水道水
[測定方法]
<流動性>
JISフロー:JIS R 5201に準拠。
<発錆するまでの時間>
D16の鉄筋(JIS規格品のSD295)の表面に、調製した防錆剤を塗布量が略150g/mとなるように刷毛で塗布し、温度20℃、相対湿度100%の恒温高湿室に設置し、塗布したときから鉄筋に錆が目視で確認されるまでの時間を計測した。試験数を1つの例につき3個とし、計測した時間の平均値を発錆するまでの時間とした。
Figure 2023028437000001
表1の結果より、特定の非水硬性材料を含む防錆剤用混和剤を含有することで、流動性をより高めることができ、発錆までの時間が向上することを確認した。
本発明の防錆剤組成物は、特定の非水硬性材料を含有することで、流動性が上がり、発錆までの時間を向上でき、鉄筋、鉄骨、鋼板、プレストコンクリート内部の鋼線等、コンクリート内部の鋼材の腐食抑制、錆の発生防止等、広範囲に利用できる。

Claims (4)

  1. セメント及び亜硝酸塩を含有し、さらにγ-2CaO・SiO、3CaO・2SiO、α-CaO・SiO及びカルシウムマグネシウムシリケートからなる群から選ばれる1種又は2種以上の非水硬性化合物を含有してなる防錆剤組成物。
  2. 前記非水硬性化合物中にLiを含有し、前記非水硬性化合物中のLiの含有率が酸化物換算で0.001~1.0質量%である請求項1に記載の防錆剤組成物。
  3. さらに、セメント混和用ポリマーを含有してなる請求項1又は2に記載の防錆剤組成物。
  4. 請求項1~3のうちのいずれか1項に記載の防錆剤組成物を用いる防錆処理方法。
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