JP2023027909A - コンクリート床下地の仕上げ方法及びコンクリート床下地の仕上げ構造 - Google Patents

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Ryoya Matsuzaki
祐司 齋藤
Yuji Saito
一平 森
Ippei Mori
宏一 鈴木
Koichi Suzuki
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Abstract

Figure 2023027909000001
【課題】床を多彩なテクスチュアに仕上げることができるコンクリート床下地の仕上げ方法及びコンクリート床下地の仕上げ構造を提供する。
【解決手段】水系塗材組成物を塗付して乾燥させ、研磨剤の粒度がP60~P150の研磨手段にて乾燥した水系塗材組成物の塗材表面を研磨し、樹脂のガラス転移温度が10℃~50℃のシリコーン・アクリル共重合体樹脂エマルジョンと、成膜助剤と、を含む主剤と、シランカップリング剤を含む硬化剤とから成るトップコート組成物を塗付して仕上げることを特徴とするコンクリート床下地の仕上げ方法及びこれにより形成されたコンクリート床下地の仕上げ構造である。
【選択図】図1

Description

本発明は、コンクリート床下地を、左官工が仕上げたような多彩で変化に富んだテクスチュアを有した意匠性の高い仕上がりとすることが出来る、コンクリート床下地の仕上げ方法及びコンクリート床下地の仕上げ構造に関する。
従来、自然石状の模様を得ることが出来る塗床施工法として、噴出構造を、複数個併設し、噴出孔の軸線が装置外部の一定点で交叉する多頭式スプレーガンを用いてセルフレベリング性を有する異なる色調の塗材を同時に床面に吹き付け、ニュートン流動のレオロジカルな特性により自然石様の斑脈状模様を得る複合色塗床施工法(特許文献1)が提案されている。
また、模様を形成することが出来る塗り床の製造方法として、塗り床が形成される下地の表面に、形成すべき模様に対応した凹部を設け、この凹部内に、樹脂バインダーと、この樹脂バインダーより比重の小さい、着色された軽量骨材とを含む下塗り材を充填した後、下地の表面全体に、上記下塗り材に含まれる軽量骨材より比重の大きい樹脂バインダーを含む上塗り材を塗付し、軽量骨材と樹脂バインダーとの比重の差によって、下塗り材の軽量骨材を上塗り塗膜の表面近傍まで浮き上がらせて、凹部に対応した模様を形成することを特徴とする塗り床の製造方法(特許文献2)が提案されている。
また、表面に任意の凹模様や文字ないし図形等を有する新規な塗床構造を簡単かつ確実に得ることが出来る表面凹模様出し方法として、「下記工程を有することを特徴とする土間コンクリート、モルタル床、樹脂モルタル床等のセメント系塗床材ないし樹脂厚付塗床材の表面凹模様出し方法。1)土間打ちし、ある程度の仕上げをした後のセメント系塗床材ないし樹脂厚付塗床材の表面に、水溶性固形物を散布する。2)水溶性固形物をコテで押え、セメント系塗床材ないし樹脂厚付塗床材面を平滑に整える。3)セメント系塗床材ないし樹脂厚付塗床材の硬化後、表面に水を流して上記水溶性固形物を除去する。」(特許文献3)が、提案されている。
また、御影石面状模様塗床を得ることが出来る塗床材として、顔料を水溶性または水分散性の糊材で練り合わせたペーストを非被着性面に塗布し、乾燥、剥離した塗膜を片砕・篩工程を経て鱗片状に形成した彩色片を単色また複数色組み合わせて透明性の高分子液状樹脂に混和、塗布、硬化して成る御影石面状模様塗床材(特許文献4)が提案されている。
特公平4-64384号公報 特開平6-93708号公報 特開平10―96321号公報 特開2002―206075号公報
しかしながら、特許文献1に係る複合色塗床施工法は、多頭式スプレーガンにより色調の異なる複数色の塗材を同時に床面に吹き付ける必要があるため、壁面等を比較的大掛かりに養生することが必要となる課題があり、また得られる塗膜表面は塗材のセルフレベリング性により凹凸の変化に乏しい場合があり、また得られる自然石様の斑脈状模様は、塗材がセルフレベリング後に硬化しなければ確認できない場合があるという課題がある。
また、特許文献2に係る塗り床の製造方法は、下地に予め凹部を設ける必要があって手間が掛かりコスト高となる課題があり、得られる模様は軽量骨材を浮き上がらせるものであるため、施工時の気温によって樹脂バインダーの粘度が変化すると、軽量骨材の浮き上がりも変化するため一定した模様が得られない場合があるという課題がある。
また、特許文献3に係る表面凹模様出し方法は、セメント系塗床材ないし樹脂厚付塗床材の硬化後に、表面に水を流して水溶性固形物を除去するため、床に比較的多量の水を流す必要があり、手間が掛かると共に該方法を適用できる部位が限定される場合があるという課題がある。
また、特許文献4に係る御影石面状模様塗り床材は、鱗片状の彩色片を別途作成し、透明性の高分子液状樹脂に混和、塗布、硬化させることにより得られる御影石面状模様であるため、鱗片状の彩色片が樹脂との混和時に不揃いに砕かれると、模様の大きさが一定とならない場合があり、また樹脂中に彩色片が均一に分散していないと、得られる模様も不均一となる場合があるという課題がある。
本発明の課題は、吹き付けによる塗付を行わずに床を多彩なテクスチュアに仕上げることができ、これにより吹き付け施工の際の壁面等の養生を不要とし、また、水系塗材組成物の塗付により、塗付後、直ちに、得られる模様を確認することが出来るため床全体をほぼ一定の模様で仕上げることが出来、また模様を得るために、下地に凹部を予め設けたり、床面に水を流す必要の無い、コンクリート床下地の仕上げ方法及びコンクリート床下地の仕上げ構造を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、コンクリート床下地に必要によりプライマーまたは下地調整材を塗付して乾燥させ、この上に、アクリル樹脂系エマルジョンと、充填剤と、骨材と、顔料と、増粘剤と、成膜助剤と、から成る水系塗材組成物を塗付して乾燥させ、
研磨剤の粒度がP60~P150の研磨手段にて乾燥した水系塗材組成物の塗材表面を研磨し、
樹脂のガラス転移温度が10℃~50℃のシリコーン・アクリル共重合体樹脂エマルジョンと、成膜助剤と、を含む主剤と、シランカップリング剤を含む硬化剤とから成るトップコート組成物を塗付して仕上げることを特徴とするコンクリート床下地の仕上げ方法を提供する。
また、請求項2記載の発明は、コンクリート床下地に必要によりプライマーまたは下地調整材を塗付して乾燥させ、この上に、アクリル樹脂系エマルジョンと、充填材と、骨材と、顔料と、増粘剤と、成膜助剤と、から成り、充填材と骨材の重量比が充填材:骨材=1:2.8~15.0である水系塗材組成物Iを、
厚み0.3mm~0.7mmのステンレスから成る金鏝にて、1m当り0.6kg~1.0kgの塗付量で、且つ、塗膜断面視にて波間隔が70~500mmの鏝波が連続して形成されるように塗付して乾燥させ、
この上に前記水系塗材組成物Iを、前記金鏝にて1m当り0.6kg~1.0kgの塗付量で、且つ、塗膜断面視にて波間隔が1~10mmの鏝ビビリ波が連続して形成されるように塗付して乾燥させ、
この上にアクリル樹脂系エマルジョンと、充填材と、骨材と、顔料と、増粘剤と、成膜助剤と、から成り、充填材と骨材の重量比が充填材:骨材=1:1.3~2.7である水系塗材組成物IIを、
1m当り0.2kg~0.4kgの塗付量でローラー刷毛を使用して配り塗りした後、厚み0.3mm~0.7mmのステンレスから成る金鏝又はヘラにて、前記鏝ビビリ波の進行方向に対して略直角方向にシゴキ塗りして乾燥させ、
研磨材の粒度がP60~P150の研磨手段にて乾燥した水系塗材組成物IIの塗材表面を研磨し、
樹脂のガラス転移温度が10℃~50℃のシリコーン・アクリル共重合体樹脂エマルジョンと、成膜助剤と、を含む主剤と、シランカップリング剤を含む硬化剤とから成るトップコート組成物を塗付して仕上げることを特徴とするコンクリート床下地の仕上げ方法を提供する。
また、請求項3記載の発明は、コンクリート床下地の上に必要によりプライマー層または下地調整材層を設け、
この上に、アクリル樹脂系エマルジョンと、充填剤と、骨材と、顔料と、増粘剤と、成膜助剤と、から成る水系塗材組成物を塗付して乾燥させ、該水系塗材組成物の表面を研磨剤の粒度がP60~P150の研磨手段にて研磨された水系塗材組成物層を設け、
この上に樹脂のガラス転移温度が10℃~50℃のシリコーン・アクリル共重合体樹脂エマルジョンと、成膜助剤と、を含む主剤と、シランカップリング剤を含む硬化剤とから成るトップコート組成物を塗付して仕上げられたトップコート組成物層を設けたことを特徴とするコンクリート床下地の仕上げ構造を提供する。
本発明のコンクリート床下地の仕上げ方法は、アクリル樹脂系エマルジョンと、充填剤と、骨材と、顔料と、増粘剤と、成膜助剤と、から成る水系塗材組成物(水系塗材組成物I、水系塗材組成物II)を、金鏝、ヘラ、パターンローラ、ローラー刷毛等を使用して塗付することで塗面に多彩なテクスチュアを得ることが出来る効果がある。このため、吹き付け施工等で必要な壁面等の養生が不要となる効果がある。
また、多彩なテクスチュアは、金鏝、ヘラ、パターンローラ、ローラー刷毛等による所謂左官工によって得ることができるため、床下地に不陸があっても、また全体的に水平でなくても所望の模様等であるテクスチュアを得ることが出来る効果がある。また、得られるテクスチュアはセルフレベリング効果によって得るものではなく、水系塗材組成物(水系塗材組成物I、水系塗材組成物II)が有する、塗材がそこに留まろうとする効果等による塗膜表面の微妙な凹凸の変化があって施工直後にこのテクスチュアは確定するため、広い床面積であっても都度、一定模様等のテクスチュアであることを確認しながら水系塗材組成物(水系塗材組成物I、水系塗材組成物II)の塗付を進めることができ、床全体をほぼ一定のテクスチュアで仕上げることが出来る効果がある。
また、従来の塗り床の製造方法や模様出し方法のように、下地に予め凹部を設ける必要が無く、また塗り床材の硬化後に、その表面に水を流す必要がない、という効果があり、結果としてこれらに要する手間が掛からず、コスト高にはならないという効果がある。
特に本発明の請求項2に係るコンクリート床下地の仕上げ方法は、水系塗材組成物I及び水系塗材組成物IIによって得られる塗面のテクスチュアが、塗膜断面視にて波間隔が70~500mmの大き目の鏝波に沿って波間隔が1~10mmの細かな鏝ビビリ波が形成された仕上げ表面となる効果があり、また、塗材表面をやや粗めの研磨材粒度(P60~P150)を有する研磨手段で研磨することで、水系塗材組成物IIによって仕上げられた表面のざらつきを無くすると共に、一定量以上の樹脂をバインダーとして含有することによって生じる、所謂、樹脂艶特有の光沢、が消えた無機質なテクスチャとなり、またトップコート組成物はその塗付される下地塗膜である水系塗材組成物Iまたは水系塗材組成物IIの塗膜内に十分に含侵して硬化するため、その全体の仕上がりは従来のセメントモルタルを塗布してそのまま仕上げた様な無機質の質感を有するテクスチュア(仕上げ)となる効果がある。
また、本発明のコンクリート床下地の仕上げ方法は、アクリル樹脂系エマルジョンと、充填材と、骨材と、顔料と、増粘剤と、成膜助剤と、から成る水系塗材組成物(水系塗材組成物I、水系塗材組成物II)と、樹脂のガラス転移温度が10℃~50℃のシリコーン・アクリル共重合体樹脂エマルジョンと、成膜助剤と、を含む主剤と、水と、シランカップリング剤を含む硬化剤とから成るトップコート組成物を使用するため、各組成物にはセメントを含んでおらず、このためコンクリート下地中の水分が硬化後の水系塗材組成物(水系塗材組成物I、水系塗材組成物II)中に移動してくることがあっても、仕上げられた床表面に白華が生じることが無いという効果がある。
また、繰り返しになるが、トップコート組成物に樹脂のガラス転移温度が10℃~50℃のシリコーン・アクリル共重合体樹脂エマルジョンと、成膜助剤と、を含む主剤と、シランカップリング剤を含む硬化剤とから成るトップコート組成物を塗付して仕上げるため、該トップコート組成物が既に塗付された水系塗材組成物(水系塗材組成物I、水系塗材組成物II)のアクリル樹脂と相溶性が良く、水系塗材組成物(水系塗材組成物II)の塗材表面に十分に含侵し水系塗材組成物とトップコート組成物とが一体化すると共に、シリコーン・アクリル共重合体樹脂の主鎖であるシリコーン樹脂が、本発明の床表面に表面摺動性を付与する効果があり、また該シリコーン樹脂の撥水性により生活で使用する多くの汚染物質に対して良好な耐汚染性を有するという効果がある。また本発明により形成された床表面にこれらの汚染物質が付着しても該床表面が汚染されることが無いという効果がある。
また、本発明のコンクリート床下地の仕上げ方法は、アクリル樹脂系エマルジョンがバインダーとして配合された水系塗材組成物(水系塗材組成物I、水系塗材組成物II)を使用するため、硬化した塗材には可とう性があり、また、トップコート組成物に含まれるシリコーン・アクリル共重合体樹脂エマルジョンの樹脂のガラス転移温度が50℃未満と低いため、水系塗材組成物とトップコート組成物によって形成された本発明の床は、建物の地震や風圧、車両の通過等による振動や該振動により生じることがある下地のひび割れに追従することが出来る、という効果がある。
また、本発明のコンクリート床下地の仕上げ方法に使用する水系塗材組成物(水系塗材組成物I、水系塗材組成物II)には少なくとも増粘剤が配合されているため、下地への施工に当って良好な鏝塗り作業性を有し、熟練した職人でなくても、容易に様々なテクスチュアに仕上げることが出来る効果がある。
また、請求項3記載のコンクリート床下地の仕上げ構造は、上記請求項1又は請求項2のコンクリート床下地の仕上げ方法によって仕上げられることによって形成されるものであるため、上記と同様に、多彩なテクスチュアである効果があり、また床全体がほぼ一定のテクスチュアである効果がある。
また、同様に、コンクリート床下地の仕上げ構造を形成する各組成物には、セメントを含んでおらず仕上がった床表面に白華が生じることが無いという効果があり、また、本発明により形成された床表面にこれらの汚染物質が付着しても該床表面が汚染されることが無いという効果がある。
また、請求項3記載のコンクリート床下地の仕上げ構造を形成する水系塗材組成物は、アクリル樹脂系エマルジョンがバインダーとして配合された水系塗材組成物であるため、硬化した塗材層は可とう性があり、建物の地震や風圧、車両の通過等による振動や該振動により生じた下地のひび割れに追従することが出来る、という効果がある。
本発明のコンクリート床下地の仕上げ方法(後述の実施例の水系塗材組成物Iと同水系塗材組成物IIとトップコート組成物)によって仕上げられた塗膜表面(200×260mm)の平面写真である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明である請求項1に記載のコンクリート床下地の仕上げ方法は、コンクリート下地に必要によりプライマーまたは下地調整材を塗付して乾燥させ、この上に、アクリル樹脂系エマルジョンと、充填剤と、骨材と、顔料と、増粘剤と、成膜助剤と、から成る水系塗材組成物を塗付して乾燥させ、
研磨剤の粒度がP60~P150の研磨手段にて乾燥した水系塗材組成物の塗材表面を研磨し、
樹脂のガラス転移温度が10℃~50℃のシリコーン・アクリル共重合体樹脂エマルジョンと、成膜助剤と、を含む主剤と、シランカップリング剤を含む硬化剤とから成るトップコート組成物を塗付して仕上げることを特徴とするコンクリート床下地の仕上げ方法であり、使用する水系塗材組成物及びトップコート組成物には、上記成分のほか必要に応じて消泡剤や分散剤等を配合することが出来る。
また本発明である請求項2に記載のコンクリート床下地の仕上げ方法は、下地に必要によりプライマーまたは下地調整材を塗付して乾燥させ、この上に、アクリル樹脂系エマルジョンと、充填材と、骨材と、顔料と、増粘剤と、成膜助剤と、から成り、充填材と骨材の重量比が充填材:骨材=1:2.8~15.0である水系塗材組成物Iを、
厚み0.3mm~0.7mmのステンレスから成る金鏝にて、1m当り0.6kg~1.0kgの塗付量で、且つ、塗膜断面視にて波間隔が70~500mmの鏝波が連続して形成されるように塗付して乾燥させ、
この上に前記水系塗材組成物Iを、前記金鏝にて1m当り0.6kg~1.0kgの塗付量で、且つ、塗膜断面視にて波間隔が1~10mmの鏝ビビリ波が連続して形成されるように塗付して乾燥させ、
この上にアクリル樹脂系エマルジョンと、充填材と、骨材と、顔料と、増粘剤と、成膜助剤と、から成り、充填材と骨材の重量比が充填材:骨材=1:1.3~2.7である水系塗材組成物IIを、
1m当り0.2kg~0.4kgの塗付量でローラー刷毛を使用して配り塗りした後、厚み0.3mm~0.7mmのステンレスから成る金鏝又はヘラにて、前記鏝ビビリ波の進行方向に対して略直角方向にシゴキ塗りして乾燥させ、
研磨材の粒度がP60~P150の研磨手段にて乾燥した水系塗材組成物IIの塗材表面を研磨し、
樹脂のガラス転移温度が10℃~50℃のシリコーン・アクリル共重合体樹脂エマルジョンと、成膜助剤と、を含む主剤と、シランカップリング剤を含む硬化剤とから成るトップコート組成物を塗付して仕上げることを特徴とするコンクリート床下地の仕上げ方法であり、使用する水系塗材組成物及びトップコート組成物には、上記成分のほか必要に応じて消泡剤や分散剤等を配合することが出来る。
また、本発明である請求項3に記載のコンクリート床下地の仕上げ構造は、コンクリート床下地の上に必要によりプライマー層または下地調整材層を設け、
この上に、アクリル樹脂系エマルジョンと、充填剤と、骨材と、顔料と、増粘剤と、成膜助剤と、から成る水系塗材組成物を塗付して乾燥させ、該水系塗材組成物の表面を研磨剤の粒度がP60~P150の研磨手段にて研磨された水系塗材組成物層を設け、
この上に樹脂のガラス転移温度が10℃~50℃のシリコーン・アクリル共重合体樹脂エマルジョンと、成膜助剤と、を含む主剤と、シランカップリング剤を含む硬化剤とから成るトップコート組成物を塗付して仕上げられたトップコート組成物層を設けたことを特徴とするコンクリート床下地の仕上げ構造であり、該仕上げ構造を形成する水系塗材組成物及びトップコート組成物には、必要に応じて消泡剤や分散剤等を配合することが出来る。
まず、本発明であるコンクリート床下地の仕上げ方法に使用する水系塗材組成物、水系塗材組成物I及び水系塗材組成物II、及びコンクリート床下地の仕上げ構造の形成に使用する水系塗材組成物について説明する。
<アクリル樹脂系エマルジョン>
本発明に使用する水系塗材組成物、水系塗材組成物I及び水系塗材組成物IIを構成するアクリル樹脂系エマルジョンには、アクリル酸エステル系共重合樹脂、酢酸ビニル・アクリル酸エステル系共重合樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂等のアクリル樹脂系エマルジョンを使用することができる。アクリル樹脂とするアクリル系単量体としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、sec-ブチルアクリレート、t-ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、n-アミルアクリレート、イソアミルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、n-アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシプロピル(メタ)アクリレート、エトキシプロピル(メタ)アクリレート、等を使用することが出来る。
他の不飽和単量体としては、スチレン、α-メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン、メトキシスチレン等のスチレン誘導体;(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、及びクロトン酸等のカルボキシル基含有単量体;(メタ)アクリル酸や、クロトン酸、イタコン酸;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートや、2(3)-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、アリルアルコール、多価アルコールのモノ(メタ)アクリル酸エステル等の水酸基含有単量体;(メタ)アクリルアミドや、マレインアミド等のアミド基含有単量体;2-アミノエチル(メタ)アクリレートや、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、3-アミノプロピル(メタ)アクリレート、2-ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ビニルピリジン等のアミノ基含有単量体;グリシジル(メタ)アクリレートや、アリルグリシジルエーテル、2個以上のグリシジル基を有するエポキシ化合物と活性水素原子を有するエチレン性不飽和単量体との反応により得られるエポキシ基含有単量体やオリゴノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、2-(メタ)アクリロキシエチルトリメトキシシラン、2-(メタ)アクリロキシエチルトリエトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルメチルジプロポキシシラン、3-(メタ)アクリロキシブチルフェニルジメトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、及び3-(メタ)アクリロキシプロピルジエチルメトキシシラン等の;その他、酢酸ビニル、塩化ビニル、更には、エチレン、ブタジエン、アクリロニトリル、ジアルキルフマレート等を使用することが出来る。
アクリル樹脂系エマルジョン中の樹脂のガラス転移温度は-30~40℃が好ましい。ガラス転移温度が-30℃未満の場合は仕上がり表面にタックが生じて汚れやすくなり、40℃超の場合は成膜不良となる。本発明の水系塗材組成物、水系塗材組成物I及び水系塗材組成物IIの組成物全体中の樹脂固形分は5.0~20.0重量%が好ましく、5.0重量%未満では粘着性、塗付作業性が低下し、また20.0重量%超では粘度が低下し塗付作業性が低下する。市販のアクリル樹脂系エマルジョンとしては、アクロナールPS743(BASF社製、固形分55重量%)がある。
<充填材>
本発明に使用する水系塗材組成物、水系塗材組成物I及び水系塗材組成物IIを構成する充填材は、平均粒径D50(重量による積算50%の粒径)が100μm未満のものを言い、組成物の粘度や塗付性の調整を目的として配合し、重質炭酸カルシウム、クレー、カオリン、タルク、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、硅砂粉等が使用でき、重質炭酸カルシウムが安価でコスト的負担を軽減させることが出来る。充填材の配合量は、水系塗材組成物においては、組成物全体に対して3~25重量%、好ましくは4~21重量%であり、3重量%未満では下地の色が透けるなどの隠蔽性が不足し、25重量%超では塗材粘度が高くなって塗付作業性が不良となる場合がある。4重量%未満では色調によっては隠蔽性が低下する場合があり、21重量%超では冬季等の低温度下では塗付作業性が低下する傾向にある。
特に請求項2のコンクリート床下地の仕上げ方法に使用する水系塗材組成物Iにおいては組成物全体に対して3~20重量%、好ましくは4~12重量%であり、3重量%未満では下地の色が透けるなどの隠蔽性が不足し、20重量%超では塗材粘度が高くなって塗付作業性が不良となる。4重量%未満では色調によっては隠蔽性が低下する場合があり、12重量%超では冬季等の低温度下では塗付作業性が低下する傾向にある。
また請求項2のコンクリート床下地の仕上げ方法に使用する水系塗材組成物IIにおける充填材の配合量は組成物全体に対して10~25重量%、好ましくは13~21重量%であり、10重量%未満では下地の色が透けるなどの隠蔽性が不足し、25重量%超では塗材粘度が高くなって塗付作業性が不良となる。13重量%未満では色調によっては隠蔽性が低下する場合があり、21重量%超では冬季等の低温度下では塗付作業性が低下する傾向にある。
<骨材>
本発明に使用する水系塗材組成物、水系塗材組成物I及び水系塗材組成物IIを構成する骨材は、平均粒径D50(重量による積算50%の粒径)が100μm以上のものを言い、仕上がり表面に凹凸を付与することを目的として配合されるが、平均粒径が100μm以上であればその粒子径は任意に選択することができ、例えば硅砂、ガラス、シリカ、タルク、重質炭酸カルシウムなどが使用可能である。市販の平均粒径が200μmの重質炭酸カルシウムとしてはK-250(商品名,旭鉱末(株)製)がある。骨材の配合量は、水系塗材組成物においては組成物全体に対して20~60重量%であり20重量%未満では意匠性(塗材の凹凸感)が不足し、60重量%超では作業性が低下する場合がある。
特に請求項2のコンクリート床下地の仕上げ方法に使用する水系塗材組成物Iにおいては組成物全体に対して40~60重量%であり40重量%未満では意匠性(塗材の凹凸感)が不足し、60重量%超では作業性が低下する。
また請求項2のコンクリート床下地の仕上げ方法に使用する水系塗材組成物IIにおける骨材の配合量は組成物全体に対して20~40重量%であり20重量%未満では意匠性(塗材の凹凸感)が不足し、40重量%超では作業性が低下する。
<充填材と骨材の重量比>
本発明に使用する水系塗材組成物、水系塗材組成物I及び水系塗材組成物IIをそれぞれ構成する上記充填材と上記骨材の重量比は、水系塗材組成物においては、充填材:骨材=1:1.3~15.0であり、1:1.3未満では塗材として凹凸感の無い仕上がりとなり、15.0超では塗付作業性が不十分となる。ここでいう「塗材としての」の意義は、具体的には、1m当り0.2kg~1.0kgの塗付量である際、と言い換えることができる。
特に請求項2のコンクリート床下地の仕上げ方法に使用する水系塗材組成物Iにおいては充填材:骨材=1:2.8~15.0であり、1:2.8未満では塗材として凹凸感の無い仕上がりとなり、15.0超では塗付作業性が不十分となる。同様に請求項2のコンクリート床下地の仕上げ方法に使用する水系塗材組成物IIにおける充填材:骨材の重量比は、充填材:骨材=1:1.3~2.7であり、1.3未満では砂壁状の風合いを出す水系塗材組成物IIとしての凹凸感が不足し、2.7超では隠ぺい性が低下する。ここでいう「塗材として」と「砂壁状の風合いを出す水系塗材組成物II」の違いであるが、具体的には「塗材として」とは1m当り0.6kg~1.0kgの塗付量である際、と言い換えることができ、「砂壁状の風合いを出す水系塗材組成物II」とは1m当り0.2kg~0.4kgの塗付量である際、と言い換えることが出来る。
なお、請求項2のコンクリート床下地の仕上げ方法に使用する水系塗材組成物IIにおいては、充填材と骨材の重量比が、充填材:骨材=1:1.3~2.7となるような、好ましい充填材の平均粒径と骨材の平均粒径の組合わせは、充填材は平均粒径D50が10μmと同20μmとから成り、骨材は平均粒径D50が200μmから成る場合である。
<顔料>
本発明に使用する水系塗材組成物、水系塗材組成物I及び水系塗材組成物IIを構成する顔料には、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、酸化第二鉄(弁柄)、クロム酸鉛、黄鉛、黄色酸化鉄等の無機系顔料等が使用できるが、中でも酸化チタンは下地の隠蔽性に優れ、白色であるため主たる顔料として使用することが出来る。
<増粘剤>
本発明に使用する水系塗材組成物、水系塗材組成物I及び水系塗材組成物IIを構成する増粘剤は、鏝塗り作業性や保水性の向上を目的として配合し、水溶性セルロースエーテル、ウレタン変性ポリエーテル、ポリカルボン酸等が使用できる。水溶性セルロースエーテルとしてはhiメトローズ90SH15000(信越化学株式会社製、商品名)がある。増粘剤の配合量は組成物全体に対して0.1~5.0重量%が好ましく、0.1重量%未満では十分な増粘効果が得られず塗材の凹凸模様が不十分となり、5.0重量%超では塗付作業性が低下する。
<成膜助剤>
本発明に使用する水系塗材組成物、水系塗材組成物I及び水系塗材組成物IIを構成する成膜助剤には、エマルジョンのポリマー粒子の融着を促進し、ポリマーによる均一な皮膜を形成させることを目的で配合し、エチレングリコールジエチルエーテル、ベンジルアルコール、ブチルセロソルブ、エステルアルコール等を使用することが出来る。成膜助剤の配合量は組成物全体に対して0.5~10重量%が好ましく、0.5重量%未満では低温での成膜が不十分となる場合があり、10重量%超では塗材の表面に汚れが付着し易くなる場合がある。
次に、本発明であるコンクリート床下地の仕上げ方法に使用するトップコート組成物について説明する。
本発明に使用するトップコート組成物は、樹脂のガラス転移温度が10℃~50℃のシリコーン・アクリル共重合体樹脂エマルジョンと、成膜助剤と、を含む主剤と、シランカップリング剤を含む硬化剤とから成る。
ここでいうガラス転移温度は、示差走査熱量計(Differential scanning calorimetry、DSC)によって測定される値である。ガラス転移温度が10℃未満では本発明の仕上げ方法で仕上げられた床表面の耐摩耗性が低下し、50℃超では同床の下地追従性が低下する。
本発明のトップコート組成物の主剤に含まれるシリコーン・アクリル共重合体樹脂エマルジョンは、主鎖がシリコーン樹脂であり、少なくとも側鎖または末端のいずれかに有機重合体基であるアクリル基を有するシリコーン・アクリル共重合体樹脂のエマルジョンである。本発明ではテクスチュアを付与する水系塗材組成物(水系塗材組成物I、水系塗材組成物II)にアクリル樹脂系エマルジョンを含んでいるため、このアクリル樹脂と相溶させる目的で有機重合体基はアクリル基が好ましい。また、水系塗材組成物との付着を強固なものとするため、トップコート組成物の硬化剤としてシランカップリング剤を使用し、トップコート組成物として塗付する直前に、シリコーン・アクリル共重合体樹脂エマルションと成膜助剤とを含む主剤と、シランカップリング剤を含む硬化剤を均一に混合し、研磨手段にて研磨された水系塗材組成物の塗材表面に塗付する。
本発明のトップコート組成物の硬化剤に含まれるシランカップリング剤は、水分により加水分解されるものであればどのようなものでも使用でき、例えば2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランや3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等を使用することが出来る。
シリコーン・アクリル共重合体樹脂エマルジョン中の固形分であるシリコーン・アクリル共重合体樹脂は、トップコート組成物100重量部中の25~55重量部であり、より好ましくは35~45重量部である。25重量部未満では本発明で形成された床の耐摩耗性が低下し、55重量部超では、下地コンクリートから上昇することがある水分に係る蒸気透過性が低下し、同床に膨れが発生する場合がある。35重量部未満では同耐摩耗性が低下する傾向があり、45重量部超では同蒸気透過性が低下する傾向がある。
トップコート組成物の主剤中の成膜助剤は上記成膜助剤と同様のものを使用することができ、成膜助剤の配合量は組成物全体に対して0.5~10重量%が好ましく、0.5重量%未満では低温での成膜が不十分となる場合があり、10重量%超ではトップコート組成物の塗膜表面に汚れが付着し易くなる場合がある。
トップコート組成物の硬化剤に含まれるシランカップリング剤の配合量は、トップコート組成物100重量部中の1~10重量部であり、より好ましくは3~8重量部である。1重量部未満では水系塗材組成物とトップコート組成物との密着性が低下し、10重量部超では主剤との相溶性が不良となる。3重量部未満では同密着性が低下する傾向があり、8重量部超では同相溶性が不良となる傾向がある。
トップコート組成物には、上記シリコーン・アクリル共重合体樹脂エマルジョン、成膜助剤、シランカップリング剤のほかにこれらと相溶性のよい有機溶媒を配合することが出来、さらには消泡剤やレベリング剤等の塗料添加剤を添加することが出来る。
有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール等の低級脂肪族アルコール類、エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコール誘導体、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のジエチレングリコールの誘導体、及び、ジアセトンアルコール等が挙げられ、これらの1種、もしくは2種以上が用いられる。さらに、親水性の有機溶媒と併用してトルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトオキシム等も用いることができる。なお、使用する有機溶媒についてはトップコート組成物を塗付する際に使用するローラー刷毛等の塗装具の部材等を溶解させないものを使用することが望ましい。
トップコート組成物100重量中の固形分の含有量は、塗膜硬度の発現及び塗付作業性を良好な状態とするために、25~55重量部が好ましく、より好ましくは35~45重量部である。
本発明のコンクリート床下地の仕上げ方法は、コンクリート下地に塗付することが出来、十分な付着性を保持するため、該下地に適したプライマーまたは下地調整材を塗付して乾燥させる。その上で、請求項1に記載のコンクリート床下地の仕上げ方法では、水系塗材組成物を金鏝、ヘラ、パターンローラ等を使用して所望のテクスチュアで塗付する。該水系塗材組成物の塗付厚みは、0.5mm~1.5mmで、1m当り0.8kg~2.0kgの塗付量にて塗付することが好ましい。
特に請求項2に記載のコンクリート下地の仕上げ方法は、上記説明により構成される水系塗材組成物Iを、厚み0.3mm~0.7mmのステンレスから成る金鏝にて、1m当り0.6kg~1.0kgの塗付量で、且つ、塗膜断面視にて波間隔が70~500mmの鏝波が連続して形成されるように塗付して乾燥させ、次にこの上に同水系塗材組成物Iを、同金鏝にて1m当り0.6kg~1.0kgの塗付量で、且つ、塗膜断面視にて波間隔が1~10mmの鏝ビビリ波が連続して形成されるように塗付して乾燥させる。鏝ビビリ波とは、塗付量が1m当り0.6kg~1.0であるため、実際の施工に当っては金鏝のエッジが立った状態で該金鏝を移動させる態様となり、その際金鏝が振動する状態となって、所謂ビビった状態で塗膜表面が凹凸状となる状態を表したものである。
次に水系塗材組成物IIを、1m当り0.2kg~0.4kgの塗付量でローラー刷毛を使用して配り塗りした後、同金鏝又は厚み0.3mm~0.7mmのステンレスから成るヘラにて、前記鏝ビビリ波の進行方向に対して略直角方向にシゴキ塗りして乾燥させ、次に研磨材の粒度がP60~P150の研磨手段にて塗材表面を研磨する。ここで研磨手段とは、直接的にはJIS R 6251に規定する研磨布、JIS R 6252に規定する研磨紙、JIS R 6253に規定する耐水研磨紙、及びJIS R 6256に規定する研磨ベルトを指すが、研磨材の粒度がP60~P150であれば、どのような形態であっても良いという意義である。
最後にトップコート組成物を塗付して仕上げるが、トップコート組成物を塗付する前に上記研磨手段で研磨した塗材表面に研磨粉が付着している場合は、布ウエス等に水を含ませて水拭きして乾燥させるか、高圧空気等にて塗膜表面の研磨粉を除去する。トップコート組成物を塗付する際の塗付量は1m当り0.1kg~0.2kgが好ましく、短毛のローラー刷毛等で1回塗布する。なお、水系塗材組成物の塗材表面の状態によっては、塗付したトップコート組成物が該塗材表面から吸い込まれる場合があり、この場合は2回塗付しても良い。2回塗付する場合は、1回目は1m当り0.08~0.15kgとし、2回目は同0.05~0.12kgとする。
以下、実施例にて具体的に説明する。
<材料の作製>
表1の配合に従って、実施例の水系塗材組成物I、水系塗材組成物IIを作製した。表1において、アクリル樹脂系エマルジョンはアクロナールPS743(固形分:55重量%、樹脂のガラス転移温度:30℃、スチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの共重合体、BASF社製、商品名)を使用し、充填剤Aは硅砂粉#300(平均粒径D5025μm、株式会社トウチュウ製、商品名)を、充填材Bは平均粒径D50が10μmの重質炭酸カルシウムBF-200(備北粉化社製、商品名)を、充填材Cは平均粒径D50が20μmの重質炭酸カルシウムSFT-2000(三共製粉製、商品名)を使用し、骨材Aは、東北硅砂7号(比重1.5、平均粒径D50150μm、東北硅砂株式会社製、商品名)を、骨材Bは、平均粒径D50が200μmの重質炭酸カルシウムK-250(旭鉱末社製、商品名)を使用し、顔料には酸化チタンR-820(石原産業株式会社製、商品名)を使用し、増粘剤は水溶性セルロースエーテルhiメトローズ90SH-15000(信越化学株式会社製、商品名)を、成膜助剤はテキサノールCS-12(チッソ株式会社製、商品名)を、使用した。また、トップコート組成物は、主剤として、JC-40A(シリコーン・アクリル共重合体樹脂エマルジョン(固形分45重量%)60重量部、成膜助剤 3重量部、水22重量部、その他添加剤15重量部、アイカ工業社製)を、硬化剤として、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランを3重量部の合計100重量部を塗付直前に均一に混合して使用した。水系塗材組成物I、水系塗材組成物IIでは、その他の添加剤として消泡剤及び分散剤等を添加したが、これらは水系塗材用の市販品より適宜選択されるものを使用することが出来る。
水系塗材組成物I、水系塗材組成物IIについては、上記原料を均一に混合分散させて使用した。水系塗材組成物Iと水系塗材組成物IIとトップコート組成物を使用して本発明の請求項2に係るコンクリート床下地の仕上げ方法により仕上げたものを実施例とし、水系塗材組成物Iと水系塗材組成物IIを使用し、トップコート組成物を塗付しないものを比較例とした。
Figure 2023027909000002


<評価方法>
実施例の水系塗材組成物I、水系塗材組成物II及びトップコート組成物(比較例についてはトップコート組成物の塗付無し)を使用して、本発明である請求項2記載のコンクリート床下地の仕上げ方法に従い下地に塗付して仕上げ、以下に示す評価項目について評価した。
<意匠性>
下地としてJISA5430規定のフレキシブルボード(150×210mm厚さ10mm)を使用し、気温23℃湿度50%RHで、プライマーとして固形分40重量%の水系エポキシ樹脂プライマーJDE-921(商品名,アイカ工業(株)製)を0.1kg/m塗付し、温度23℃湿度50%RHで16時間養生する。乾燥後表1の水系塗材組成物Iを厚み0.5mmのステンレス製金鏝にて1m当り0.8kgの塗付量で、且つ、塗膜断面視にて波間隔が70~500mmの鏝波が連続して形成されるように塗付して乾燥させる。次に塗付した材料と同一の水系塗材組成物Iを、同ステンレス製金鏝にて1m当り0.8kgの塗付量で、且つ、塗膜断面視にて波間隔が1~10mmの鏝ビビリ波が連続して形成されるように塗付して乾燥させる。
次に、上記水系塗材組成物IIを、1m当り0.3kgの塗付量でローラー刷毛を使用して配り塗りした後、同ステンレス製金鏝にて鏝ビビリ波の進行方向に対して略直角方向にシゴキ塗りして乾燥させる。次に研磨材の粒度がP80の研磨紙にて塗材表面を研磨し、その後トップコート組成物を1m当り0.15kgの塗付量で塗付して仕上げた。無機質の意匠性に富むテクスチュアに仕上がっているものを○と評価し、そうでないものを×と評価した。実施例の塗膜表面の状態を図1に示す。
<ゼロスパン引張伸び>
下地としてJISA5430規定のフレキシブルボード(100×100mm厚さ8mm)を使用し、当該下地2枚の木口同士を突き付け、その裏面を養生テープで仮止めする。下地のオモテ面に上記と同様に水系エポキシ樹脂プライマーJDE-921、水系塗材組成物I、水系塗材組成物II、トップコート組成物を塗付して仕上げ、気温23℃湿度50%RHで7日間養生して試験体とした。その後裏面の仮止めの養生テープをはがし、インストロン万能試験機にて、試験体の両端を2mm/分で引張り、突きつけ部にピンホールが発生した距離が0.5mm以上を○、0.5mm未満を×と評価した。
<耐摩耗性>
下地としてJISA5430規定のフレキシブルボード(100×100mm厚さ10mm)を使用し、上記と同様に水系エポキシ樹脂プライマーJDE-921、水系塗材組成物I、水系塗材組成物II、トップコート組成物を塗付して仕上げ、気温23℃湿度50%RHで7日間養生して試験体とした。該試験体についてJIS K 7204(摩耗輪CS-17、荷重4.9N、1000回転)で摩耗試験を行い、摩耗量が100mg未満を〇、100mg以上を×と評価した。
<防滑性(すべり抵抗係数(C.S.R))>
下地としてJISA5430規定のフレキシブルボード(300×300mm厚さ10mm)を使用し、上記と同様に水系エポキシ樹脂プライマーJDE-921、水系塗材組成物I、水系塗材組成物II、トップコート組成物を塗付して仕上げ、気温23℃湿度50%RHで7日間養生して試験体とした。該試験体について塗り床材のすべり試験方法(NNK-003)に準拠して滑り抵抗係数(C.S.R)を測定し、0.6以上を〇、0.6未満を×と評価した。
<耐ヒールマーク性>
下地としてJISA5430規定のフレキシブルボード(150×150mm厚さ10mm)を使用し、上記と同様に水系エポキシ樹脂プライマーJDE-921、水系塗材組成物I、水系塗材組成物II、トップコート組成物を塗付して仕上げ、気温23℃湿度50%RHで7日間養生して試験体とした。該試験体についてJIS K 3920に準拠して耐ヒールマーク性試験を行い、試験後の試験体と試験前の試験体の色差ΔEを色彩色差計CR-410(コニカミノルタセンシング社製)にて測定した。ΔEが3以下を〇、3超を×と評価した。
<生活物質に対する耐汚染性>
下地としてJISA5430規定のフレキシブルボード(80×265mm厚さ4mm)を使用し、上記と同様に水系エポキシ樹脂プライマーJDE-921、水系塗材組成物I、水系塗材組成物II、トップコート組成物を塗付して仕上げ、気温23℃湿度50%RHで7日間養生して試験体とした。各試験体の塗膜面にJIS A 5705に準拠して塗膜面に汚染物質を滴下し、48時間後に該汚染物質をふき取り評価した。評価は以下のように判断した。〇:異常なし、△:若干の軟化、膨潤、僅かな外観の変化、×:軟化、膨潤、著しい外観の変化。
<耐衝撃性>
下地としてJIS A 5371規定の舗道板(300×300×60mm)を使用し、20℃湿度50%RHで、上記と同様に水系エポキシ樹脂プライマーJDE-921、水系塗材組成物I、水系塗材組成物II、トップコート組成物を塗付して仕上げ、それぞれの温度及び湿度にて14日間養生して試験体とした。該試験体についてNNK-0002に準拠し、落球衝撃試験を行い、舗道板にクラックが発生する落球回数を測定し、30回以上を〇、30回未満を×と評価した。
<付着性>
下地としてJIS A 5371規定の舗道板(300×300×60mm)を使用し、上記と同様に水系エポキシ樹脂プライマーJDE-921、水系塗材組成物I、水系塗材組成物II、トップコート組成物を塗付して仕上げ、気温23℃湿度50%RHまたは40℃または5℃にて14日間養生する。その後、各温度下で建研式引張試験機にて付着性試験を行い、その際の破壊形態がいずれの温度下においても舗道板の凝集破壊であるものを〇、それ以外を×と評価した。
<耐ふくれ性>
下地としてJIS A 6909 7.3試験用基板(b)付着強さ試験及び温冷繰返し試験用基板 に規定のセメントモルタル板(70×70×20mm)を使用し、上記と同様に水系エポキシ樹脂プライマーJDE-921、水系塗材組成物I、水系塗材組成物II、トップコート組成物を塗付して仕上げ、気温23℃湿度50%RHまたは40℃または5℃にて14日間養生する。その後試験体の4側面をエポキシパテで止水処理し、23℃水中に18時間浸漬→-20℃3時間静置→50℃3時間静置→23℃水中18時間浸漬→を繰り返し、該繰返しを10回行う。その後塗膜に剥がれ、ふくれ等の不具合が無いものを〇、それ以外を×と評価した。
<評価結果>
評価結果を表2に示す。
Figure 2023027909000003

Claims (3)

  1. コンクリート床下地に必要によりプライマーまたは下地調整材を塗付して乾燥させ、この上に、アクリル樹脂系エマルジョンと、充填剤と、骨材と、顔料と、増粘剤と、成膜助剤と、から成る水系塗材組成物を塗付して乾燥させ、
    研磨剤の粒度がP60~P150の研磨手段にて乾燥した水系塗材組成物の塗材表面を研磨し、
    樹脂のガラス転移温度が10℃~50℃のシリコーン・アクリル共重合体樹脂エマルジョンと、成膜助剤と、を含む主剤と、シランカップリング剤を含む硬化剤とから成るトップコート組成物を塗付して仕上げることを特徴とするコンクリート床下地の仕上げ方法。
  2. コンクリート床下地に必要によりプライマーまたは下地調整材を塗付して乾燥させ、この上に、アクリル樹脂系エマルジョンと、充填材と、骨材と、顔料と、増粘剤と、成膜助剤と、から成り、充填材と骨材の重量比が充填材:骨材=1:2.8~15.0である水系塗材組成物Iを、
    厚み0.3mm~0.7mmのステンレスから成る金鏝にて、1m当り0.6kg~1.0kgの塗付量で、且つ、塗膜断面視にて波間隔が70~500mmの鏝波が連続して形成されるように塗付して乾燥させ、
    この上に前記水系塗材組成物Iを、前記金鏝にて1m当り0.6kg~1.0kgの塗付量で、且つ、塗膜断面視にて波間隔が1~10mmの鏝ビビリ波が連続して形成されるように塗付して乾燥させ、
    この上にアクリル樹脂系エマルジョンと、充填材と、骨材と、顔料と、増粘剤と、成膜助剤と、から成り、充填材と骨材の重量比が充填材:骨材=1:1.3~2.7である水系塗材組成物IIを、
    1m当り0.2kg~0.4kgの塗付量でローラー刷毛を使用して配り塗りした後、厚み0.3mm~0.7mmのステンレスから成る金鏝又はヘラにて、前記鏝ビビリ波の進行方向に対して略直角方向にシゴキ塗りして乾燥させ、
    研磨材の粒度がP60~P150の研磨手段にて乾燥した水系塗材組成物IIの塗材表面を研磨し、
    樹脂のガラス転移温度が10℃~50℃のシリコーン・アクリル共重合体樹脂エマルジョンと、成膜助剤と、を含む主剤と、シランカップリング剤を含む硬化剤とから成るトップコート組成物を塗付して仕上げることを特徴とするコンクリート床下地の仕上げ方法。
  3. コンクリート床下地の上に必要によりプライマー層または下地調整材層を設け、
    この上に、アクリル樹脂系エマルジョンと、充填剤と、骨材と、顔料と、増粘剤と、成膜助剤と、から成る水系塗材組成物を塗付して乾燥させ、該水系塗材組成物の表面を研磨剤の粒度がP60~P150の研磨手段にて研磨された水系塗材組成物層を設け、
    この上に樹脂のガラス転移温度が10℃~50℃のシリコーン・アクリル共重合体樹脂エマルジョンと、成膜助剤と、を含む主剤と、シランカップリング剤を含む硬化剤とから成るトップコート組成物を塗付して仕上げられたトップコート組成物層を設けたことを特徴とするコンクリート床下地の仕上げ構造。
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