JP2023026144A - 異質ガラス排出装置及びガラス物品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】異質ガラスを含む表面層の排出を容易に行うことのできる異質ガラス排出装置及びガラス物品の製造方法を提供する。
【解決手段】異質ガラス排出装置11は、溶融ガラスMGの表面層MG1に含まれる異質ガラスを排出する排出路12を備える。異質ガラス排出装置11は、排出路12内の溶融ガラスMGの流量を調整する流量調整部材13を備える。流量調整部材13は、排出路12内において溶融ガラスMGの表面層よりも下方に配置される流量調整部13bを有する。異質ガラス排出装置11は、流量調整部13bを加熱又は冷却するための温度調整機構15、及び、流量調整部13bを昇降可能に支持する可動部13aの少なくとも一方を有する。
【選択図】図2
【解決手段】異質ガラス排出装置11は、溶融ガラスMGの表面層MG1に含まれる異質ガラスを排出する排出路12を備える。異質ガラス排出装置11は、排出路12内の溶融ガラスMGの流量を調整する流量調整部材13を備える。流量調整部材13は、排出路12内において溶融ガラスMGの表面層よりも下方に配置される流量調整部13bを有する。異質ガラス排出装置11は、流量調整部13bを加熱又は冷却するための温度調整機構15、及び、流量調整部13bを昇降可能に支持する可動部13aの少なくとも一方を有する。
【選択図】図2
Description
本発明は、異質ガラス排出装置及びガラス物品の製造方法に関する。
ガラス物品を成形するための溶融ガラスには、ガラス中の成分の揮発を要因として、異質ガラスを含む表面層が形成される場合がある。異質ガラスは、例えば、溶融ガラスから得られるガラス物品の品位を低下させる要因となるため、ガラス物品に成形される前に除去されることが好ましい。
上記のように形成された異質ガラスを除去する装置として、溶融ガラスの表面層を排出する排出路を有する異質ガラス排出装置が知られている(特許文献1)。特許文献1の異質ガラス排出装置は、排出路の上方で支持され、排出路内で昇降可能な堰部材を備えている。この異質ガラス排出装置では、堰部材を上昇又は下降させることで、溶融ガラスの排出量を調整することができる。
上記のような異質ガラス排出装置において、溶融ガラスの表面層の排出を容易に行うという観点で未だ改善の余地がある。
本発明の目的は、異質ガラスを含む表面層の排出を容易に行うことのできる異質ガラス排出装置及びガラス物品の製造方法を提供することにある。
本発明の目的は、異質ガラスを含む表面層の排出を容易に行うことのできる異質ガラス排出装置及びガラス物品の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決する異質ガラス排出装置は、溶融ガラスの表面層に含まれる異質ガラスを排出する排出路を備える異質ガラス排出装置であって、前記排出路内の前記溶融ガラスの流量を調整する流量調整部材を備え、前記流量調整部材は、前記排出路内において前記溶融ガラスの表面層よりも下方に配置される流量調整部を有し、前記流量調整部を加熱又は冷却するための温度調整機構、及び、前記流量調整部を昇降可能に支持する可動部の少なくとも一方を有する。
上記のように流量調整部は、排出路内において溶融ガラスの表面層よりも下方に配置されるため、流量調整部よりも上方において溶融ガラスの表面層を通過させることができる。これにより、流量調整部を要因として溶融ガラスの表面層の流れが乱れることを抑えることができる。また、流量調整部を加熱又は冷却するための温度調整機構を備えることで、流量調整部の周囲の溶融ガラスの温度調整により、溶融ガラスの粘度を調整することができる。これにより、流量調整部よりも下流側に流れる溶融ガラスの流量、すなわち溶融ガラスの排出量の調整が可能となる。また、流量調整部を昇降可能に支持する可動部を備えている。これにより、流量調整部よりも下流側に流れる溶融ガラスの流量、すなわち溶融ガラスの排出量の調整が可能となる。
上記異質ガラス排出装置において、前記流量調整部の材料は、金属であってもよい。この構成によれば、流量調整部材において溶融ガラスと接触する流量調整部の耐久性を容易に高めることが可能となる。
上記異質ガラス排出装置は、前記可動部が挿入され、前記可動部の昇降動作を案内する筒状部材をさらに備えてもよい。この構成によれば、流量調整部材の可動部の昇降動作が筒状部材によって案内されることで、流量調整部の動作を安定させることが可能となる。また、筒状部材により流量調整部材の昇降動作に伴う摺動抵抗を小さく抑えることも可能となる。従って、例えば、流量調整部材の動作の信頼性を高めることができる。
ガラス物品の製造方法は、溶融ガラス供給装置から供給された溶融ガラスを成形装置により成形する成形工程を備えるガラス物品の製造方法であって、前記溶融ガラス供給装置は、前記溶融ガラスを収容する容器と、前記容器に接続され、前記溶融ガラスの表面層に含まれる異質ガラスを排出する排出路を備える異質ガラス排出装置と、を備え、前記異質ガラス排出装置は、前記排出路内の前記溶融ガラスの流量を調整する流量調整部材を備え、前記流量調整部材は、前記排出路内において前記溶融ガラスの表面層よりも下方に配置される流量調整部を有し、前記流量調整部を加熱又は冷却するための温度調整機構、及び、前記流量調整部を昇降可能に支持する可動部の少なくとも一方を有し、前記製造方法は、前記温度調整機構により前記流量調整部を加熱又は冷却する温度調整工程、及び、前記排出路内において前記流量調整部を前記溶融ガラスの表面層よりも下方位置で上昇又は下降させる位置調整工程の少なくとも一方の工程を備える。
本発明によれば、異質ガラスを含む表面層の排出を容易に行うことができる。
以下、異質ガラス排出装置及びガラス物品の製造方法の一実施形態について図面を参照して説明する。なお、図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率についても、実際と異なる場合がある。
<異質ガラス排出装置の全体構成>
図1及び図2に示すように、異質ガラス排出装置11は、溶融ガラスMGの表面層MG1に含まれる異質ガラスを排出する排出路12を備えている。異質ガラス排出装置11の排出路12は、内底面12aと、内底面12aの両側に位置する一対の内側面12bとを有している。排出路12において、溶融ガラスMGの表面層MG1は、図面に示すX方向に向かって排出される。
図1及び図2に示すように、異質ガラス排出装置11は、溶融ガラスMGの表面層MG1に含まれる異質ガラスを排出する排出路12を備えている。異質ガラス排出装置11の排出路12は、内底面12aと、内底面12aの両側に位置する一対の内側面12bとを有している。排出路12において、溶融ガラスMGの表面層MG1は、図面に示すX方向に向かって排出される。
異質ガラス排出装置11は、排出路12内の溶融ガラスMGの流量を調整する流量調整部材13を備えている。本実施形態の異質ガラス排出装置11は、筒状部材14と、温度調整機構15と、オーバーフロー調整用ブロック16とをさらに備えている。
異質ガラス排出装置11の排出路12は、溶融ガラスMGを収容する容器Cに接続されている。排出路12の内底面12aの高さは、容器Cの内底面C1の高さよりも高い。排出路12には、容器C内から表面層MG1を含む溶融ガラスMGが流入される。
容器Cと異質ガラス排出装置11の排出路12とは、耐火壁から構成されている。耐火壁を構成する耐火物としては、例えば、電鋳煉瓦、デンス焼成煉瓦等が挙げられる。電鋳煉瓦としては、例えば、ジルコニア系電鋳煉瓦、アルミナ系電鋳煉瓦、アルミナ・ジルコニア系電鋳煉瓦、アルミナ・ジルコニア・シリカ系電鋳煉瓦等が挙げられる。デンス焼成煉瓦としては、デンスジルコン煉瓦、デンスクロム煉瓦等が挙げられる。
異質ガラス排出装置11は、容器Cとともに溶融ガラスMG供給設備を構成している。容器Cとしては、例えば、フォアハース、清澄槽等が挙げられる。容器C内の溶融ガラスMGは、成形装置に供給される。成形装置におけるガラス成形法としては、例えば、ダウンドロー法、ロールアウト法、フロート法、ブロー成形法、プレス成形法、繊維成形法、及びダンナー法が挙げられる。ダウンドロー法としては、オーバーフローダウンドロー法、及びスロットダウンドロー法が挙げられる。
<流量調整部材13>
図2に示すように、異質ガラス排出装置11の流量調整部材13は、可動部13aと、可動部13aの上端に接続され、排出路12内において溶融ガラスMGの表面層MG1よりも下方に配置される流量調整部13bとを有している。流量調整部材13は、排出路12の底壁部Wが有する貫通孔Hに挿通されている。流量調整部材13の可動部13aは、昇降可能に支持されている。詳述すると、可動部13aは、可動部13aを昇降させる駆動装置17に連結されている。駆動装置17は、例えば、モーター等を備え、回転運動を直線運動に変換することにより、流量調整部材13の可動部13aの昇降動作を行う。流量調整部材13の可動部13aは、図面に示すZ軸に沿って昇降する。このような可動部13aは、流量調整部13bを昇降可能に支持している。
図2に示すように、異質ガラス排出装置11の流量調整部材13は、可動部13aと、可動部13aの上端に接続され、排出路12内において溶融ガラスMGの表面層MG1よりも下方に配置される流量調整部13bとを有している。流量調整部材13は、排出路12の底壁部Wが有する貫通孔Hに挿通されている。流量調整部材13の可動部13aは、昇降可能に支持されている。詳述すると、可動部13aは、可動部13aを昇降させる駆動装置17に連結されている。駆動装置17は、例えば、モーター等を備え、回転運動を直線運動に変換することにより、流量調整部材13の可動部13aの昇降動作を行う。流量調整部材13の可動部13aは、図面に示すZ軸に沿って昇降する。このような可動部13aは、流量調整部13bを昇降可能に支持している。
流量調整部材13の流量調整部13bは、底壁部Wが有する貫通孔Hから排出路12内に突出している。流量調整部材13の流量調整部13bの材料としては、例えば、金属、セラミックス等が挙げられる。流量調整部材13の材料は、金属であることが好ましい。金属としては、モリブデン、白金、白金合金等が挙げられる。白金合金としては、例えば、白金ロジウム合金が挙げられる。本実施形態の流量調整部材13は、可動部13aと流量調整部13bとの一体成形品である。なお、流量調整部材13は、互いに異なる材料から構成された可動部13aと流量調整部13bとが接続された構造を有していてもよい。
本実施形態の流量調整部13bの横断面の形状は、円形状であるが、例えば、三角形状、四角形状、六角形状等の多角形状、楕円形状等であってもよい。流量調整部材13の全体形状としては、例えば、上下方向に延びる柱状、筒状等が挙げられる。
図1に示す排出路12の幅方向に沿った流量調整部13bの寸法D1は、例えば、排出路12の幅寸法D2の1/4以上であることが好ましく、より好ましくは、1/3以上である。
<筒状部材14>
図1及び図2に示すように、異質ガラス排出装置11の筒状部材14は、流量調整部材13の可動部13aが挿入され、可動部13aの昇降動作を案内する。筒状部材14の少なくとも一部は、排出路12の底壁部Wが有する貫通孔H内に配置される。筒状部材14は、底壁部Wの貫通孔Hに対して所定の位置となるように固定されている。筒状部材14の材料としては、例えば、ステンレス鋼等の金属、セラミックス等が挙げられる。
図1及び図2に示すように、異質ガラス排出装置11の筒状部材14は、流量調整部材13の可動部13aが挿入され、可動部13aの昇降動作を案内する。筒状部材14の少なくとも一部は、排出路12の底壁部Wが有する貫通孔H内に配置される。筒状部材14は、底壁部Wの貫通孔Hに対して所定の位置となるように固定されている。筒状部材14の材料としては、例えば、ステンレス鋼等の金属、セラミックス等が挙げられる。
<温度調整機構15>
異質ガラス排出装置11の温度調整機構15は、流量調整部材13の流量調整部13bを加熱又は冷却する。温度調整機構15は、流量調整部材13内に設けられる熱媒体流路15aと、熱媒体流路15aに熱媒体を供給する熱媒体供給装置15bとを備えている。
異質ガラス排出装置11の温度調整機構15は、流量調整部材13の流量調整部13bを加熱又は冷却する。温度調整機構15は、流量調整部材13内に設けられる熱媒体流路15aと、熱媒体流路15aに熱媒体を供給する熱媒体供給装置15bとを備えている。
熱媒体供給装置15bで供給する熱媒体としては、例えば、水等の液体、空気等の気体が挙げられる。熱媒体供給装置15bは、熱媒体の流量を調整する流量調整バルブ、溶融ガラスMGの温度、流量調整部材13の温度等を測定する温度センサー等を備えていてもよい。熱媒体供給装置15bは、温度センサーの測定結果に基づいて熱媒体の流量を制御する制御部を有していてもよい。
温度調整機構15は、図示を省略するが、流量調整部13bに接続される電極と、電極に接続される電源とを備えていてもよい。すなわち、温度調整機構15は、流量調整部13bを通電により加熱するように構成することもできる。
<オーバーフロー調整用ブロック16>
異質ガラス排出装置11のオーバーフロー調整用ブロック16は、排出路12内において、流量調整部材13の下流側に配置されている。オーバーフロー調整用ブロック16は、溶融ガラスMGをオーバーフローさせるための高さ位置を調整する。オーバーフロー調整用ブロック16上を通過した溶融ガラスMGは、排出路12から外部に排出される。
異質ガラス排出装置11のオーバーフロー調整用ブロック16は、排出路12内において、流量調整部材13の下流側に配置されている。オーバーフロー調整用ブロック16は、溶融ガラスMGをオーバーフローさせるための高さ位置を調整する。オーバーフロー調整用ブロック16上を通過した溶融ガラスMGは、排出路12から外部に排出される。
本実施形態のオーバーフロー調整用ブロック16は、排出路12の内底面12aにおいて上方に突出する棚部18に載置されている。詳述すると、棚部18は、流量調整部材13側である上流側に位置し、上面が平坦面となる上流棚部18aと、上流棚部18aの下流側に隣接し、上面が下流に向かうほど高さの低い傾斜面となる下流棚部18bとを有している。オーバーフロー調整用ブロック16は、上流棚部18aの上面に載置される。
オーバーフロー調整用ブロック16は、複数を積み上げて使用することができる。積み上げるオーバーフロー調整用ブロック16の数を変更することで、オーバーフロー調整用ブロック16により形成される構造体の高さ寸法を調整することができる。
また、異なる高さ寸法を有する複数のオーバーフロー調整用ブロック16を準備し、オーバーフロー調整用ブロック16を交換することによっても、オーバーフロー調整用ブロック16により形成される構造体の高さ寸法を調整することができる。この場合、複数のオーバーフロー調整用ブロック16を積み上げてもよいし、一つのオーバーフロー調整用ブロック16を配置してもよい。
オーバーフロー調整用ブロック16の劣化を抑えるという観点から、オーバーフロー調整用ブロック16の外周面の全体は、白金又は白金合金から構成されることが好ましい。なお、オーバーフロー調整用ブロック16は、外周面のみではなく、全体が白金又は白金合金から構成されていてもよい。また、オーバーフロー調整用ブロック16は、例えば、耐火物からなる本体部と、白金又は白金合金からなり、本体部を被覆する金属箔とを備えていてもよい。
<溶融ガラスMG>
溶融ガラスMGのガラスとしては、例えば、ホウケイ酸ガラス、アルミノシリケートガラス、無アルカリガラス、石英ガラス、結晶性ガラス等が挙げられる。上記異質ガラス排出装置11は、ホウケイ酸ガラスに好適に用いることができる。ホウケイ酸ガラスは、ガラス組成として、質量%で、SiO2:50~80%、Al2O3:1~15%、B2O3:5~20%、Li2O+Na2O+K2O:5%以上を含有し、BaOを実質的に含有しないことが好ましい。
溶融ガラスMGのガラスとしては、例えば、ホウケイ酸ガラス、アルミノシリケートガラス、無アルカリガラス、石英ガラス、結晶性ガラス等が挙げられる。上記異質ガラス排出装置11は、ホウケイ酸ガラスに好適に用いることができる。ホウケイ酸ガラスは、ガラス組成として、質量%で、SiO2:50~80%、Al2O3:1~15%、B2O3:5~20%、Li2O+Na2O+K2O:5%以上を含有し、BaOを実質的に含有しないことが好ましい。
<異質ガラス排出装置11の使用状態>
次に、異質ガラス排出装置11の使用状態を主な作用とともに説明する。
図3及び図4には、異質ガラス排出装置11における流量調整部材13の昇降動作の一例を示している。異質ガラス排出装置11の流量調整部材13を図3に示す位置から図4に示す位置に上昇させることで、排出路12の流路の断面積を小さくすることができる。これにより、排出路12を流通する溶融ガラスMGの流量を減少させることができる。例えば、図4に示す溶融ガラスMGの表面層MG1の厚さは、図3に示す溶融ガラスMGの表面層MG1の厚さよりも薄い。図4に示すように、溶融ガラスMGの表面層MG1の厚さが薄くなった場合、流量調整部13bを上昇させることで、溶融ガラスMGの下層MG2が排出路12から排出されることを抑えることができる。
次に、異質ガラス排出装置11の使用状態を主な作用とともに説明する。
図3及び図4には、異質ガラス排出装置11における流量調整部材13の昇降動作の一例を示している。異質ガラス排出装置11の流量調整部材13を図3に示す位置から図4に示す位置に上昇させることで、排出路12の流路の断面積を小さくすることができる。これにより、排出路12を流通する溶融ガラスMGの流量を減少させることができる。例えば、図4に示す溶融ガラスMGの表面層MG1の厚さは、図3に示す溶融ガラスMGの表面層MG1の厚さよりも薄い。図4に示すように、溶融ガラスMGの表面層MG1の厚さが薄くなった場合、流量調整部13bを上昇させることで、溶融ガラスMGの下層MG2が排出路12から排出されることを抑えることができる。
また、異質ガラス排出装置11の流量調整部材13を図4に示す位置から図3に示す位置に下降させることで、排出路12の流路の断面積を大きくすることができる。これにより、排出路12を流通する溶融ガラスMGの流量を増大させることができる。例えば、図3に示す溶融ガラスMGの表面層MG1の厚さは、図4に示す溶融ガラスMGの表面層MG1の厚さよりも厚い。図3に示すように、溶融ガラスMGの表面層MG1の厚さが厚くなった場合、流量調整部13bを下降させることで、溶融ガラスMGの表面層MG1を排出路12から効率的に排出させることができる。
このように流量調整部材13の昇降動作によって排出路12から排出される溶融ガラスMGの排出量を調整することができる。ここで、上記の流量調整部材13の流量調整部13bは、排出路12内において溶融ガラスMGの表面層MG1よりも下方に配置される。この構成によれば、流量調整部材13の流量調整部13bよりも上方において溶融ガラスMGの表面層MG1を通過させることができる。これにより、流量調整部13bを要因として溶融ガラスMGの表面層MG1の流れが乱れることを抑えることができる。
また、本実施形態の異質ガラス排出装置11は、温度調整機構15により流量調整部13bを加熱又は冷却することで、流量調整部13bの周囲の溶融ガラスMGの温度を調整することができる。これにより、流量調整部13bの周囲の溶融ガラスMGの粘度を調整することができるため、流量調整部13bよりも下流側に流れる溶融ガラスMGの流量、すなわち溶融ガラスMGの排出量を容易に調整することができる。
<ガラス物品の製造方法>
ガラス物品の製造方法は、溶融ガラス供給装置から供給された溶融ガラスMGを成形装置により成形する成形工程を備えている。ガラス物品の製造方法の成形工程は、上述したガラス成形法を用いた成形装置により行うことができる。成形工程で得られるガラス物品としては、例えば、板ガラス、ブロー成形品、プレス成形品、ガラス繊維、管ガラス等が挙げられる。
ガラス物品の製造方法は、溶融ガラス供給装置から供給された溶融ガラスMGを成形装置により成形する成形工程を備えている。ガラス物品の製造方法の成形工程は、上述したガラス成形法を用いた成形装置により行うことができる。成形工程で得られるガラス物品としては、例えば、板ガラス、ブロー成形品、プレス成形品、ガラス繊維、管ガラス等が挙げられる。
ガラス物品の製造方法で用いる溶融ガラス供給装置は、溶融ガラスMGを収容する容器Cと、上記異質ガラス排出装置11とを備えている。図3及び図4に示すように、ガラス物品の製造方法では、異質ガラス排出装置11の排出路12内における溶融ガラスMGの流量を調整する。ガラス物品の製造方法は、位置調整工程を備える。位置調整工程では、流量調整部材13の流量調整部13bを、排出路12内において溶融ガラスMGの表面層MG1よりも下方位置で上昇又は下降させる。これにより、異質ガラスの混入を抑えた溶融ガラスMGを用いて成形工程を行うことができる。ガラス物品の製造方法の位置調整工程では、流量調整部材13の上昇及び下降のいずれか一方を行ってもよいし、流量調整部材13の上昇及び下降のいずれも行ってもよい。位置調整工程では、溶融ガラスMGの表面層MG1の厚さに応じて流量調整部材13の上昇及び下降を繰り返し行うことが好ましい。
本実施形態のガラス物品の製造方法は、流量調整部材13の流量調整部13bを温度調整機構15により加熱又は冷却する温度調整工程を備えている。これにより、排出路12から排出される表面層MG1の排出量を容易に調整することができる。ガラス物品の製造方法では、例えば、温度調整工程を断続的に行うことで、溶融ガラスMGの排出量を増減させることが可能である。また、ガラス物品の製造方法では、例えば、流量調整部材13内の熱媒体流路15aに供給する熱媒体の流量又は温度を調整することで、溶融ガラスMGの排出量を増減させることが可能である。また、温度調整工程において、流量調整部13bを通電により加熱することで、溶融ガラスMGの排出量を容易に増大させることが可能である。
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)異質ガラス排出装置11は、溶融ガラスMGの表面層MG1に含まれる異質ガラスを排出する排出路12を備えている。異質ガラス排出装置11は、排出路12内の溶融ガラスMGの流量を調整する流量調整部材13を備えている。流量調整部材13は、可動部13aと流量調整部13bとを有している。可動部13aは、流量調整部13bを昇降可能に支持している。流量調整部13bは、排出路12内において溶融ガラスMGの表面層MG1よりも下方に配置される。
(1)異質ガラス排出装置11は、溶融ガラスMGの表面層MG1に含まれる異質ガラスを排出する排出路12を備えている。異質ガラス排出装置11は、排出路12内の溶融ガラスMGの流量を調整する流量調整部材13を備えている。流量調整部材13は、可動部13aと流量調整部13bとを有している。可動部13aは、流量調整部13bを昇降可能に支持している。流量調整部13bは、排出路12内において溶融ガラスMGの表面層MG1よりも下方に配置される。
この構成によれば、流量調整部材13の流量調整部13bよりも上方において溶融ガラスMGの表面層MG1を通過させることができる。これにより、流量調整部13bを要因として溶融ガラスMGの表面層MG1の流れが乱れることを抑えることができる。また、流量調整部13bを昇降可能に支持する可動部13aにより、流量調整部13bよりも下流側に流れる溶融ガラスMGの流量、すなわち溶融ガラスMGの排出量の調整が可能となる。従って、異質ガラスを含む表面層MG1の排出を容易に行うことができる。
(2)異質ガラス排出装置11は、流量調整部13bを加熱又は冷却するための温度調整機構15を備えている。この場合、流量調整部13bを加熱又は冷却することで、流量調整部13bの周囲の溶融ガラスMGの温度を調整することができる。これにより、流量調整部13bの周囲の溶融ガラスMGの粘度を調整することができるため、流量調整部13bよりも下流側に流れる溶融ガラスMGの流量、すなわち溶融ガラスMGの排出量を容易に調整することができる。例えば、流量調整部13bを冷却することにより表面層MG1の下側に位置する下層MG2の排出を容易に抑えることができる。これにより、ガラス物品の歩留まりの低下を容易に抑えることができる。
(3)異質ガラス排出装置11における流量調整部13bの材料が金属である場合、流量調整部材13において溶融ガラスMGと接触する流量調整部13bの耐久性を容易に高めることが可能となる。
(4)異質ガラス排出装置11は、流量調整部材13の可動部13aが挿入され、可動部13aの昇降動作を案内する筒状部材14をさらに備えている。この場合、流量調整部材13の可動部13aの昇降動作が筒状部材14によって案内されることで、流量調整部13bの動作を安定させることが可能となる。また、筒状部材14により流量調整部材13の昇降動作に伴う摺動抵抗を小さく抑えることも可能となる。従って、例えば、流量調整部材13の動作の信頼性を高めることができる。また、筒状部材14は、排出路12を構成する底壁部Wから取り外して容易に交換することが可能であるため、異質ガラス排出装置11のメンテナンスが容易となる。
(5)流量調整部材13の流量調整部13bは、流量調整部材13の可動部13aの上端に接続されている。この場合、流量調整部13bの上方に可動部13aが存在しないため、流量調整部材13の可動部13aを要因として溶融ガラスMGの表面層MG1の流れが乱れることを回避することができる。従って、異質ガラスを含む表面層MG1の排出をさらに容易に行うことができる。
また、上記の可動部13aは、流量調整部13bの上方に設けられていない。このため、流量調整部材13の昇降動作に伴って溶融ガラスMGの液面よりも上方から異物が落下することを抑えることができる。これにより、溶融ガラスMGへの異物の混入を抑えることも可能となる。
(6)異質ガラス排出装置11は、排出路12内において流量調整部材13の下流側に配置されるオーバーフロー調整用ブロック16を備えている。オーバーフロー調整用ブロック16は、溶融ガラスMGをオーバーフローさせるための高さ位置を調整する。この場合、オーバーフロー調整用ブロック16を用いて溶融ガラスMGの排出量を大まかに調整した後、さらに流量調整部材13を用いて溶融ガラスMGの排出量を微調整することができる。これにより、流量調整部材13を用いた溶融ガラスMGの排出量の微調整を容易に行うことができる。
(7)ガラスの中でも、ホウケイ酸ガラスは、揮発性を有する成分を比較的多く含むため、容器C内の溶融ガラスMGがホウケイ酸ガラスである場合、異質ガラスを含む表面層MG1が形成され易い。このようなホウケイ酸ガラスの用途に上記異質ガラス排出装置11を用いることは、表面層MG1の排出を円滑に行い、かつ排出量を容易に調整できることから特に有利である。
(8)ガラス物品の製造方法は、溶融ガラス供給装置から供給された溶融ガラスMGを成形装置により成形する成形工程と、排出路12内において流量調整部13bを溶融ガラスMGの表面層MG1よりも下方位置で上昇又は下降させる位置調整工程を備えている。
この方法によれば、上記(1)欄で述べた効果が得られる。これにより、成形工程に供給される溶融ガラスMGにおいて、異質ガラスの混入を容易に抑えることができる。このように異質ガラスの混入を抑えた溶融ガラスMGを用いて成形工程を行うことで、異質ガラスの混入を要因としたガラス物品の品位の低下を抑えることが可能となる。このため、例えば、ガラス物品の歩留まりを容易に向上させることが可能となる。
(9)ガラス物品の製造方法は、温度調整機構15により流量調整部13bを加熱又は冷却する温度調整工程を備えている。この場合、上記(2)欄で述べたように、例えば、表面層MG1の下側に位置する下層MG2の排出を容易に抑えることができる。これにより、ガラス物品の歩留まりの低下を容易に抑えることができる。
(変更例)
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・異質ガラス排出装置11において、筒状部材14を省略することもできる。
・異質ガラス排出装置11において、流量調整部13bを加熱又は冷却するための温度調整機構15を省略することもできる。
・異質ガラス排出装置11において、流量調整部13bを加熱又は冷却するための温度調整機構15を省略することもできる。
・上記実施形態の異質ガラス排出装置11では、流量調整部13bを可動部13aにより昇降可能に支持しているが、流量調整部13bを昇降不能に設けることもできる。この場合、温度調整機構15により流量調整部13bを加熱又は冷却することで溶融ガラスMGの流量を調整すればよい。
・上記実施形態の異質ガラス排出装置11では、流量調整部13bを流量調整部材13の可動部13aの上端に接続しているが、流量調整部13bを流量調整部材13の可動部13aの上端に接続する構成に変更してもよい。
・異質ガラス排出装置11の流量調整部材13の数は、単数であってもよいし、複数であってもよい。例えば、図5及び図6に示すように、流量調整部材13は、第1流量調整部材19と、第1流量調整部材19よりも排出路12の下流側に配置される第2流量調整部材20とを含んでもよい。第1流量調整部材19と第2流量調整部材20とは、互いに独立して昇降可能に支持される可動部13aを有している。この場合、例えば、第1流量調整部材19と第2流量調整部材20とを用いて溶融ガラスMGの排出量をより精密に調整することが可能となる。
また、上記変更例において、温度調整機構15は、例えば、第1流量調整部材19の流量調整部13bと第2流量調整部材20の流量調整部13bとを独立して加熱又は冷却するように設けることができる。なお、第1流量調整部材19の流量調整部13bにおける熱媒体流路15aと、第2流量調整部材20の流量調整部13bにおける熱媒体流路15aを連結し、共通の熱媒体供給装置15bから熱媒体を供給することもできる。また、第1流量調整部材19と第2流量調整部材20とのいずれか一方を加熱又は冷却するように温度調整機構15を設けてもよい。
・図7に示すように、異質ガラス排出装置11において、オーバーフロー調整用ブロック16を省略してもよい。
・異質ガラス排出装置11の棚部18を省略してもよい。例えば、排出路12の内底面12aは、上流端から下流端まで平坦面となるように形成されてもよいし、下流側に向かうにしたがって下方に傾斜する傾斜面となるように形成されてもよい。
・異質ガラス排出装置11の棚部18を省略してもよい。例えば、排出路12の内底面12aは、上流端から下流端まで平坦面となるように形成されてもよいし、下流側に向かうにしたがって下方に傾斜する傾斜面となるように形成されてもよい。
・異質ガラス排出装置11の流量調整部材13は、上記実施形態のように棚部18と離間して配置されてもよいし、図8に示すように、棚部18に隣り合うように配置されてもよい。また、図8に示すように、流量調整部材13の流量調整部13bの上端がオーバーフロー調整用ブロック16の上面位置よりも高い位置となるまで上昇させた状態で流量調整部材13を用いることもできる。
・異質ガラス排出装置11では、流量調整部材13の昇降させるための駆動装置17を備えているが、駆動装置17を用いずに手動で流量調整部材13の昇降させる構成に変更してもよい。
11…異質ガラス排出装置
12…排出路
13…流量調整部材
13a…可動部
13b…流量調整部
14…筒状部材
15…温度調整機構
19…第1流量調整部材
20…第2流量調整部材
C…容器
MG…溶融ガラス
MG1…表面層
12…排出路
13…流量調整部材
13a…可動部
13b…流量調整部
14…筒状部材
15…温度調整機構
19…第1流量調整部材
20…第2流量調整部材
C…容器
MG…溶融ガラス
MG1…表面層
Claims (4)
- 溶融ガラスの表面層に含まれる異質ガラスを排出する排出路を備える異質ガラス排出装置であって、
前記排出路内の前記溶融ガラスの流量を調整する流量調整部材を備え、
前記流量調整部材は、前記排出路内において前記溶融ガラスの表面層よりも下方に配置される流量調整部を有し、
前記流量調整部を加熱又は冷却するための温度調整機構、及び、前記流量調整部を昇降可能に支持する可動部の少なくとも一方を有する、異質ガラス排出装置。 - 前記流量調整部の材料は、金属である、請求項1に記載の異質ガラス排出装置。
- 前記可動部が挿入され、前記可動部の昇降動作を案内する筒状部材をさらに備える、請求項1又は請求項2に記載の異質ガラス排出装置。
- 溶融ガラス供給装置から供給された溶融ガラスを成形装置により成形する成形工程を備えるガラス物品の製造方法であって、
前記溶融ガラス供給装置は、前記溶融ガラスを収容する容器と、前記容器に接続され、前記溶融ガラスの表面層に含まれる異質ガラスを排出する排出路を備える異質ガラス排出装置と、を備え、
前記異質ガラス排出装置は、前記排出路内の前記溶融ガラスの流量を調整する流量調整部材を備え、
前記流量調整部材は、前記排出路内において前記溶融ガラスの表面層よりも下方に配置される流量調整部を有し、
前記流量調整部を加熱又は冷却するための温度調整機構、及び、前記流量調整部を昇降可能に支持する可動部の少なくとも一方を有し、
前記製造方法は、前記温度調整機構により前記流量調整部を加熱又は冷却する温度調整工程、及び、前記排出路内において前記流量調整部を前記溶融ガラスの表面層よりも下方位置で上昇又は下降させる位置調整工程の少なくとも一方の工程を備える、ガラス物品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021131854A JP2023026144A (ja) | 2021-08-13 | 2021-08-13 | 異質ガラス排出装置及びガラス物品の製造方法 |
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JP2021131854A JP2023026144A (ja) | 2021-08-13 | 2021-08-13 | 異質ガラス排出装置及びガラス物品の製造方法 |
Publications (1)
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JP2023026144A true JP2023026144A (ja) | 2023-02-24 |
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JP2021131854A Pending JP2023026144A (ja) | 2021-08-13 | 2021-08-13 | 異質ガラス排出装置及びガラス物品の製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
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-
2021
- 2021-08-13 JP JP2021131854A patent/JP2023026144A/ja active Pending
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