JP2023025867A - 画像読み取り装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】原稿がカールしていても精度よくAE(Automatic Exposure)処理を施すことができる画像読み取り装置及び画像形成装置を提供する。【解決手段】画像形成装置である複合機は、原稿Dを読み取ったバンド601を複数の部分領域700に分割して、部分領域700毎に明度ヒストグラムの最頻値を求める。更に、原稿Dの先端側から順に部分領域700どうしで明度ヒストグラムの最頻値の変化量を算出し、当該変化量が所定の閾値以下になった部分領域700の明度ヒストグラムの最頻値を下地調整用明度に設定し、当該下地調整用明度を用いて原稿DにAE処理を施す。【選択図】図7

Description

本開示は、画像読み取り装置および画像形成装置に関し、特に、原稿の先端部分がカールしていても精度よく下地処理を行う技術に関する。
画像読み取り装置は、原稿を読み取って画像データを生成する装置である。画像読み取り装置が読み取る原稿は、必ずしも下地が白色であるとは限らず、下地が色付きである場合には、画像データにおいて下地を白色など、ユーザーの指定色に変更するAE(Automatic Exposure)処理が実行されることもある。
画像読み取り装置が所謂シートスルー方式で原稿を読み取る場合には、原稿の読み取りと並行してAE処理を実行すれば、原稿全体を読み取り終えてからAE処理を施す場合と比較して、ユーザー所望の画像データを速やかに生成することができる。
このような並行処理を実行するためには、原稿の先端部分の読み取りデータから下地色(階調)を特定する必要がある。具体的には、原稿の先端部分の読み取りデータから色(階調)毎の画素数(度数)を計数して、度数が最も高い色を下地色とし、原稿全体のAE処理を実行する。
特開2008-074522号公報
画像読み取り装置が読み取る原稿はカールしている場合がある。例えば、図18(a)に示すように、原稿Dが背景板1801と読み取りガラス1802に挟まれた読み取り位置1803において、目線位置から読み取りガラス1802側にカールしていると、原稿Dを照明する発光部1804から原稿Dの先端部分1805までの距離が短くなるので、原稿Dがカールしていない場合と比較して、原稿Dの先端部分1805を照明する光量が増加する。
また、原稿Dの先端部分1805から反射光の原稿読み取りセンサー1806までの光路長が短くなることも相俟って、原稿Dの先端部分1805で反射され、原稿読み取りセンサー1806に入射する光量が増加する。
このため、原稿Dの反射率と、原稿読み取りセンサー1806が検出する階調値との関係が、図18(b)に例示するように、原稿Dの位置に応じて変化する。例えば、原稿Dが目線位置にある場合には、原稿Dの反射率と、原稿読み取りセンサー1806が検出する読み取り階調値(明度)との関係はグラフ1812のようになる。
カールしている原稿Dの先端部分1805については、上述のような理由から反射率が同じであれば原稿Dが目線位置にある場合よりも明るくなって、読み取り階調値が大きくなるので、原稿Dの反射率と読み取り階調値との関係はグラフ1811のようになる。
一方、原稿Dが背景板の位置にある場合には、逆に、発光部1804から原稿Dまでの距離が遠くなり、かつ原稿Dから原稿読み取りセンサー1806までの距離も遠くなる。このため、反射率が同じであれば原稿Dが目線位置にある場合よりも暗くなって、読み取り階調値が小さくなるので、原稿Dの反射率と読み取り階調値との関係はグラフ1813のようになる。
このように、目線位置に対して原稿Dがどのような位置にあるかによって、原稿Dの反射率がおなじであっても、読み取り階調値が変化する。したがって、原稿Dを読み取って生成した画像データに関する読み取り階調値のヒストグラム(読み取り階調値ごとの画素数の度数分布)もまた目線位置に対する原稿Dの位置に応じてシフトする。
図18(c)に示す例では、カールした原稿Dの先端部分1805の読み取り階調値のヒストグラム1822は、カールしておらず、したがって、目線位置にある原稿Dの先端部分1805の読み取り階調値のヒストグラム1821を階調値が高くなる方へシフトしたものになっている。
このため、AE処理に用いる下地色は、上述のように、度数が最も高い読み取り階調値であるが、カールした原稿Dの下地色(読み取り階調値P2)は、カールしていない原稿Dの下地色(読み取り階調値P1)よりも明るくなるので、下地色P2を用いてAE処理を施すと下地がかぶり気味になってしまい、精度良くAE処理を施すことができない。
以上においては、図18(a)に示すように、原稿Dが読み取りガラス1802側にカールしている場合について説明したが、原稿Dは背景板1801側にカールする場合もある。そのような場合には、原稿Dがカールしておらず、目線位置にある場合と比較して、読み取り階調値のヒストグラムの最頻値(ピーク値)が、読み取り階調値の低い方へシフトするので、やはりAE処理を精度良く施すことができない。
原稿Dが、背景板1801側にカールしているか、読み取りガラス1802側にカールしているかを判定する従来技術は知られているが(例えば、特許文献1を参照)、原稿Dのカールの程度によっても読み取り階調値のヒストグラムの最頻値が異なり得るので、原稿Dのカールの向きだけを用いて下地色を精度良く特定することは困難である。
本開示は、上述のような問題に鑑みて為されたものであって、原稿Dがカールしていても精度よくAE処理を施すことができる画像読み取り装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本開示の一形態に係る画像読み取り装置は、原稿を搬送しながら画像を読み取る画像読み取り装置であって、原稿を読み取る読み取り部と、原稿先端部分の読み取りデータを複数の主走査ライン単位で部分領域に分割する分割部と、部分領域毎に読み取りデータの明度ヒストグラムを作成して最頻値を求める最頻値検出部と、原稿搬送方向に隣接する部分領域における最頻値の変化量を検出する変化量検出部と、変化量の絶対値が所定の閾値以下の部分領域における最頻値を下地調整用明度として、下地調整を行う下地調整部と、を備えることを特徴とする。
この場合において、前記読み取り部は、2次元センサーを用いて、原稿搬送方向についてバンド単位に複数主走査ラインずつ原稿を読み取り、前記分割部は、前記原稿先端部分のバンドの読み取りデータを用いるのが望ましい。
また、前記下地調整部は、前記部分領域のうち、原稿搬送方向に沿って、原稿先端の部分領域から、前記変化量の絶対値が所定の閾値以下になる前の部分領域までについては、前記下地調整用明度と、当該部分領域毎の最頻値とを用いて明度を補正してもよい。
また、原稿を搬送する原稿搬送部を備え、当該原稿搬送部は、原稿搬送方向について、搬送中の原稿を読み取ることができる読み取り幅が規定されており、前記読み取り部に係る1バンドは、原稿搬送部に係る読み取り幅に相当してもよい。
また、原稿を搬送する速度は、前記読み取り部に係る1バンドに相当する読み取り幅を前記読み取り部に係るバンド単位の読み取り周期で除算した速度に等しくてもよい。
また、前記変化量検出部は、前記最頻値が、原稿搬送方向に単調増加か単調減少かを検出してもよい。
また、前記下地調整部は、前記変化量の絶対値が所定の閾値以下になったか否かによって、原稿搬送方向における、前記最頻値の単調増加および単調減少が停止したか否かを判定してもよい。
また、前記下地調整部は、前記最頻値の単調増加および単調減少が停止する前に、最頻値の変化量の傾きが変動した場合、前記部分領域のうち、前記傾きが変動する直前の部分領域における最頻値を下地調整用明度としてもよい。
また、前記部分領域毎に彩度ヒストグラムを作成して最頻値を求める彩度最頻値検出部と、前記部分領域のうち、前記変化量の絶対値が所定の閾値以下の部分領域と、他の部分領域との間で、彩度ヒストグラムの最頻値の差が所定の閾値よりも大きい場合に、前記下地調整を禁止する第1の禁止部と、を備えてもよい。
また、前記変化量の絶対値が所定の閾値以下の部分領域が無い場合に、前記下地調整を禁止する第2の禁止部を備えてもよい。
また、前記分割部は、原稿搬送方向において、原稿先端から遠いほど、部分領域毎の主走査ライン数が少なくなるように、前記バンドを分割してもよい。
原稿の坪量を検出する坪量検出部を備え、前記分割部は、原稿の坪量に応じて、部分領域毎の主走査ライン数を決定してもよい。
また、前記分割部は、前記変化量の絶対値が所定の閾値以下の部分領域よりも原稿の先端側の部分領域については、原稿の坪量が大きいほど主走査ライン数を多くしてもよい。
また、前記部分領域毎に、当該部分領域の最頻値Aと、前記下地調整用明度Bとの比B/Aを用いて、読み取りデータを補正する補正部を備えてもよい。
また、前記部分領域毎に彩度ヒストグラムを作成して最頻値を求める彩度最頻値検出部と、前記部分領域のうち、前記変化量の絶対値が所定の閾値以下の部分領域と、他の部分領域との間で、彩度ヒストグラムの最頻値の差が所定の閾値よりも大きい場合に、前記読み取りデータの補正を禁止する第3の禁止部と、を備えてもよい。
また、原稿の坪量を検出する坪量検出部を備え、前記補正部は、更に、前記坪量に応じて当該部分領域の最頻値と、前記下地調整用明度との比を修正して、前記補正を行ってもよい。
また、本開示の一形態に係る画像形成装置は、本開示の一形態に係る画像読み取り装置と、前記画像読み取り装置で原稿を読み取って生成した画像データを用いて画像を形成する画像形成部と、を備えることを特徴とする。
このようにすれば、隣接する部分領域どうしで明度ヒストグラムの最頻値の変化量が閾値以下となった場合に、当該最頻値を下地調整用明度とするので、カールが終了しているかどうかに関係なく読み取りデータ全体の明度ヒストグラムの最頻値を用いて下地調整用明度を設定する場合と比較して、下地調整用明度を精度良く設定することができる。
複合機1の主要な構成を示す外観斜視図である。 複合機1が備えるシステムコントローラー106の主要な構成を説明するブロック図である。 システムコントローラー106が画像読み取り部100を制御するための主要な構成を説明するブロック図である。 画像読み取り部100の主要な構成を説明するブロック図である。 システムコントローラー106がAE処理に用いる下地調整用明度を設定する処理を説明するフローチャートである。 (a)は画像読み取り部100が原稿Dの先頭部分のバンド601を読み取る様子を示す概略構成図であり、(b)は原稿Dの読み取りデータが先頭から順にバンド611に分割されている様子を示す図である。 (a)は目線位置から読み取りガラス401側へカールした原稿Dとバンド601の部分領域の関係を示す図であり、(b)は分割領域ごとの明度ヒストグラムとその最頻値を模式的に例示するグラフであり、(c)は分割領域ごとの明度ヒストグラムの最頻値を例示するグラフである。 (a)は目線位置から背景板430側へカールした原稿Dとバンド601の部分領域の関係を示す図であり、(b)は分割領域ごとの明度ヒストグラムを例示するグラフであり、(c)は分割領域ごとの明度ヒストグラムの最頻値を例示するグラフである。 (a)はバンド601に対応する原稿Dの先端部分に含まれている下地領域901および画像領域902とバンド601の部分領域を例示する図であり、(b)は分割領域ごとの明度ヒストグラムの最頻値を特に下地領域901と画像領域902との関係に着目して例示するグラフである。 変形例に係るシステムコントローラー106が、バンド601に対応する原稿Dの先端部分に画像領域902が含まれている場合に、下地調整用明度を設定するための処理を説明するフローチャートである。 (a)はバンド601に対応する原稿Dの先端部分に含まれている彩度が異なる領域1102とバンド601の部分領域を例示する図であり、(b)は当該バンド601に係る明度ヒストグラムの最頻値を例示するグラフであり、(c)は当該バンド601に係る彩度ヒストグラムの最頻値を例示するグラフである。 バンド601に対応する原稿Dの先端部分に彩度が異なる領域1102が含まれている場合において、本開示の変形例に係るシステムコントローラー106が下地調整用明度を設定するための処理を説明するフローチャートである。 (a)はバンド601を等分割して部分領域とする場合の、部分領域ごとの明度ヒストグラムの最頻値と原稿Dの反射率との関係を例示するグラフであり、(b)は原稿Dの先端から離れるに従って部分領域毎の主走査線のライン数を減少させた場合の、部分領域ごとの明度ヒストグラムの最頻値と原稿Dの反射率との関係を例示するグラフである。 (a)は坪量が小さい原稿Dの先端から離れるに従って部分領域毎の主走査線のライン数を減少させた場合の、部分領域ごとの明度ヒストグラムの最頻値と原稿Dの反射率との関係を例示するグラフであり、(b)は坪量が大きい原稿Dの先端から離れるに従って部分領域毎の主走査線のライン数を減少させ、かつ原稿Dの坪量が小さい時よりもカール部分の部分領域毎の主走査線のライン数を少なくし、カールしていない部分の部分領域毎の主走査線のライン数を多くした場合の、部分領域ごとの明度ヒストグラムの最頻値と原稿Dの反射率との関係を例示するグラフである。 カール部分に対応する部分領域の画素の明度を、当該部分領域の明度ヒストグラムの最頻値に応じて補正する前後における、部分領域毎の明度ヒストグラムの最頻値を例示するグラフである。 変形例に係るシステムコントローラー106が、カール部分に対応する部分領域の画素の明度を、当該部分領域の明度ヒストグラムの最頻値に応じて補正する処理を説明するフローチャートである。 (a)は坪量の大小に応じて変化する原稿Dのカールを例示する図であり、(b)は原稿Dの坪量の大小に応じて変化する部分領域ごとの明度ヒストグラムの最頻値のグラフを例示する図である。 (a)はシートスルー方式で原稿Dを読み取る場合における原稿Dの先端のカールを例示する図であり、(b)は原稿Dの反射率と読み取り階調値との関係を原稿Dの位置ごとに例示するグラフであり、(c)は原稿Dの先端部分の読み取り階調値のヒストグラムを、原稿Dの先端部分のカールの有無に応じて例示したグラフである。
以下、本開示に係る画像読み取り装置の実施の形態について、プリント機能やスキャン機能、コピー機能、ファクシミリ機能、ネットワーク機能、BOX機能といった複数の機能を兼ね備えた複合機(MFP: Multi-Function Peripheral)を例にとり、図面を参照しながら説明する。
[1]複合機1の構成
まず、本実施の形態に係る複合機1の構成について説明する。
図1に示すように、複合機1は、画像読み取り部100、自動原稿搬送部(ADF: Automatic Document Feeder)101、操作パネル102、画像形成部103および給紙部104を備えている。
画像読み取り部100は、複合機1の上部に配置されており、原稿を光学的に読み取って画像データを生成する。画像読み取り部100は、シートスルー方式とプラテンセット方式との2つの方式で原稿を読み取ることができる。
シートスルー方式で読み取り場合には、画像読み取り部100は、画像読み取り部100の上部に配置された自動原稿搬送装部101に原稿束から1枚ずつ原稿を搬送させ、読み取り位置を通過する原稿を読み取る。また、プラテンセット方式で読み取る場合には、画像読み取り部100は、不図示のプラテンガラス上に載置されている原稿を読み取る。
操作パネル102は、複合機1の前面側(ユーザーが対向する側)に装着されており、液晶ディスプレイにタッチパッドを重畳したタッチパネルや、ハードキー等を備えている。操作パネル102は、液晶ディスプレイに様々な画面を表示することによって、複合機1のユーザーに対して情報の提示を行ったり、タッチパネルの押圧位置やハードキーの押下を検出することによって、ユーザーから指示入力を受け付けたりする。
ユーザーからの指示入力は、例えば、原稿の読み取り指示や、原稿を読み取る際のカラーモードの指定などである。複合機1の正面に立つユーザーが操作パネル102を操作し易いように、操作パネル102は操作面が傾斜している。操作面の傾斜角は調整できるようになっていてもよい。このようにすれば、複合機1のユーザーの身長の高低に関係なく操作パネル102の操作性を向上させることができる。また、ユーザーが車椅子に座った状態であっても、操作パネル102が使い易くなる。
画像形成部103は画像形成処理を実行する。例えば、原稿を読み取って生成した画像データや、他の装置から受け付けた画像データを用いて、給紙部104から供給された記録シートに画像を形成する。画像を形成した記録シートは排紙トレイ105に排出される。
複合機1の下部には複数の給紙部104が配置されている。複数の給紙部104は互い異なるサイズや紙種の記録シートを収容することができる。複合機1のユーザーは、操作パネル102による操作や、複合機1へ送信する印刷ジョブによって、画像形成に用いる記録シートをどの給紙部104から供給するかを指定することができる。
複合機1は、システムコントローラー106を備えている、システムコントローラー106は、複合機1の各部の動作を監視したり制御したりする。これによって、複合機1が備える各種の機能が実現される。
本実施の形態においては、画像形成部103は電子写真方式で画像を形成するが、インクジェット方式など電子写真方式以外の方式で画像を形成してもよい。また、本実施の形態においては、複合機1がいわゆる胴内排紙方式を採用しており、画像読み取り部100と画像形成部103との間に排紙トレイ105が設けられているが、本開示がこれに限定されないのは言うまでもなく、例えば、画像形成部103の側面から突出するように排紙トレイ105を設ける等、胴内排紙方式以外の排紙方式を採用してもよい。
[2]複合機1の制御系統
次に、複合機1の制御系統について、特に、システムコントローラー106に着目して説明する。
システムコントローラー106は、図2に示すように、システムコントローラー106は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、HDD(Hard Disk Drive)204、NIC(Network Interface Card)205、タイマー206、入力画像処理部207および出力画像処理部208を備えており、これらは内部バス209によって相互に通信可能に接続されている。
システムコントローラー106は、画像読み取り部100、自動原稿搬送部101、操作パネル102、画像形成部103および給紙部104に接続されている。CPU201は内部バス209を経由してこれらにアクセスすることができる。
CPU201は、複合機1に電源が投入される等によってリセットされると、ROM202からブートプログラムを読み出して起動し、RAM203を作業用記憶領域として、HDD204からOS(Operating System)や制御プログラム等を読み出して実行する。これらのプログラムが動作するための設定パラメーターもまた予めHDD204に記録しておき、必要に応じて読み出してもよい。
また、上述のようなプログラムや設定パラメーターは、HDD204に代えて、ROM202に記憶させておいて、読み出してもよい。これによって、システムコントローラー106は、スキャンジョブ、コピージョブ、メール送信ジョブ、及びプリントジョブなどの各種ジョブについて、複合機1の各部の制御を行う。
HDD204は、上記の他、操作パネル102の液晶ディスプレイに表示させる画像データを記憶している。また、HDD204には、画像読み取り部100が生成した画像データや、画像形成部103が画像を形成するために用いる画像データを記憶するためにも用いられる。
NIC(Network Interface Card)205は、システムコントローラー106が、LAN(Local Area Network)やインターネットといった通信ネットワークを経由して、パーソナル・コンピューター(PC)といった他の装置と通信するための処理を実行する。
タイマー206は、CPU201によって設定された時間が経過したことをCPU201に通知したり、CPU201の制御の下、経過時間を計時したりするのに用いられる。本実施の形態においては、特に、原稿Dの先頭部分を読み取るタイミングをCPU201に通知するために用いられる。
入力画像処理部207は、画像読み取り部100が原稿を読み取って生成したビットマップ形式の画像データのデータ形式を、例えば、ビットマップ形式からPDF(Portable Document Format)、TIFF(Tagged Image File Format)、JPEG(Joint Photographic Experts Group)、XPS(XML (Extensible Markup Language) Paper Specification)、PPTX(PowerPoint形式)等に変換する処理を行う。
出力画像処理部208は、印刷対象の画像データに対して所定の画像処理を施す。所定の画像処理とは、例えば、画像データの色表現をRGB形式からCMYK形式に変換する処理や、画像データのデータ形式をビットマップ形式(ラスター形式)に変換する処理などである。出力画像処理部208によって処理された画像データは、画像形成部103によって画像形成処理に用いられる。
[3]画像読み取り部100の構成
次に、画像読み取り部100の構成について説明する。なお、本実施の形態においては、縮小光学系を採用した場合を例にとって説明するが、本開示がこれに限定されないのは言うまでもなく、縮小光学系に代えて密着光学系(CIS: Contact Imaging Sensor)を採用してもよい。
図3に示すように、画像読み取り部100は、発光部301、駆動部302、原稿読み取りセンサー303およびA/D(Analogue to Digital)変換部304を備えており、システムコントローラー106の制御を受けて動作する。
発光部301は、システムコントローラー106のCPU201から制御信号の入力を受けて点消灯し、原稿の読み取り位置を照明する。
駆動部302は、CPU201から制御信号の入力を受けて、原稿読み取りセンサーの動作を制御する。
原稿読み取りセンサー303は、駆動部302の制御の下、原稿Dからの反射光を受光し、画素ごとに受光量に応じたアナログ信号を出力する。
A/D変換部304は、原稿読み取りセンサー303が出力したアナログ信号をデジタル信号に変換する。A/D変換部304が出力したデジタル信号は、システムコントローラー106の入力画像処理部207に入力され、画像処理される。
図4に示すように、自動原稿搬送部101は、原稿トレイ431および排紙トレイ432を備えており、原稿トレイ431に載置されている原稿束433の最上位から1枚ずつ原稿Dを送り出して搬送して、排紙トレイ432上に順次、排出する。原稿Dは、原稿トレイ431から排紙トレイ432まで搬送される途中で、シートスルー方式での読み取り位置を通過する。
また、原稿Dの搬送方向における読み取り位置の上流側には、シートセンサー435が配設されている。シートセンサー435は、原稿Dの先端を検出するためのセンサーである。シートセンサー435は、原稿Dの先端を光学的に検出してもよいし、機械的なセンサーであってもよい。
シートセンサー435は原稿Dの先端を検出すると、その旨をシステムコントローラー106に通知する。システムコントローラー106は原稿Dの先端の検出タイミングから所定時間を経過してから原稿Dの読み取りを開始する。
シートスルー方式での読み取り位置においては、記録シートの搬送経路の上方に、白色の背景板430が配設されており、背景板430は原稿Dの搬送経路を規定する。プラテンセット方式で読み取る際に原稿Dが載置されるプラテンガラス402の上方にも白色の背景板434が配設されており、背景板434は原稿Dを背後からプラテンガラス402に向かって押圧する。
背景板430、434は基準となる白色を示す白色板としても使用される。具体的には、原稿Dが無い状態で背景板430、434読み取って、その階調値を白色とする。
画像読み取り部100は、読み取りガラス401、プラテンガラス402、スライダー411、412、ワイヤー413、モーター414、光学素子424、425および原稿読み取りセンサー303等を備えている。
読み取りガラス401は、画像読み取り部100の上面に開けられたスリットを塞ぐように配設されており、シートスルー方式で原稿Dを読み取る場合における原稿Dの搬送経路のうち原稿読み取り位置に対向している。
プラテンガラス402は、画像読み取り部100の上面に開けられた開口部分を塞ぐように配設されており、プラテンセット方式で原稿Dを読み取る場合に原稿Dが載置される。
スライダー411は発光部301とミラー421を有しており、スライダー412はミラー422および423を有している。スライダー411、412にはワイヤー413が取着されている。
モーター414が矢印A方向に回転したり、矢印B方向に回転したりすることによって、ワイヤー413を牽引すると、スライダー411、412が副走査方向に往復移動する。これによって、スライダー411は、読み取りガラス401の直下から、読み取りガラス401から見てプラテンガラス402の遠端までの範囲内を移動することができる。
シートスルー方式で原稿Dを読み取る場合には、システムコントローラー106は、スライダー411を読み取りガラス401の直下へ移動させ、発光部301を点灯させる。これによって、原稿Dが読み取り位置を通過する際に、その読み取り面を照明することができる。
発光部301はいわゆる線光源であって、原稿Dの読み取り面上の主走査方向に長尺な線状領域を照明する。スライダー411のミラー421は、原稿Dの読み取り面からの反射光(以下、「読み取り光」という。)を反射して、スライダー412のミラー422に向かわせる。
スライダー412のミラー422および423はスライダー411から入射した読み取り光を反射して、原稿読み取りセンサー303に向かわせる。なお、ミラー421、422および423は主走査方向に長尺なミラーである。
また、ミラー421、422および423における読み取り光の入射角および反射角は、プラテンセット方式で原稿Dを読み取る場合も、シートスルー方式の場合と同じである。
ミラー422および423によって原稿読み取りセンサー303へ向かう読み取り光は、ミラー423から原稿読み取りセンサー303に至る光路上で、光学素子321、322を経由する。光学素子321、322は入射した読み取り光を集束させて出射する。
ミラー421、422および423と光学素子321、322とは縮小光学系を構成する。
光学素子322から出射した読み取り光は、原稿読み取りセンサー303に入射する。原稿読み取りセンサー303は、画素単位で入射光量を検出する。画素ごとの入射光量は、原稿Dの読み取り目における当該画素に対応する位置の光反射率(換言すると色)に応じて変化する。
原稿読み取りセンサー303は、2次元CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサー(エリアセンサーとも言う。)であって、主走査方向に7,680画素、副走査方向に4,320画素の受光素子を有している。原稿Dの読み取り面から原稿読み取りセンサー303に至る反射光の光路上には、上述のような縮小光学系が配設されており、解像度が600dpi(dot per inch)相当になっている。
原稿読み取りセンサー303は、駆動部302の制御の下、画素ごとに入射光量に応じた検出信号(アナログ信号)を生成して、出力する。A/D変換部304は、アナログ検出信号をデジタル検出信号にA/D変換する。これによって、画像データが生成される。生成された画像データは、システムコントローラー106に入力される。
[4]AE処理
次に、システムコントローラー106が実行するAE処理について、特に、下地調整用のデータを設定するための処理に注目して説明する。
システムコントローラー106は、図5に示すように、ユーザー指示などを契機として、シートスルー方式で原稿Dの読み取りを開始すると(S501:YES)、自動原稿搬送部101を制御して、原稿トレイ431に載置されている原稿Dの読み取り位置への搬送を開始する(S502)。
シートセンサー435で原稿Dの先端を検出したら(S503:YES)、原稿Dがシートセンサー435による検出位置から読み取り位置まで移動するために要する時間をタイマー206に設定して、タイマー206を起動する(S504)。
その後、タイマー206でタイムアウトが発生したら(S505:YES)、原稿読み取りセンサー303で原稿Dの先端部分を読み取る(S506)。
本実施の形態において、画像読み取り部100は、原稿読み取りセンサー303を用いて、原稿Dを先端から副走査方向(原稿搬送方向)に所定幅(本実施の形態においては10mm)ずつ読み取る。この所定幅の読み取り領域を「バンド」という。以下、原稿D上の当該所定幅の読み取り領域と、原稿Dを読み取って生成した画像データ上において、当該原稿D上の当該所定幅の読み取り領域に対応する領域と、をともにバンドと称する。
図6(a)では、原稿先端部分のバンド601からの読み取り光が、縮小光学系602、603を経由して原稿読み取りセンサー303の読み取り領域604に入射する。解像度600dpi相当で原稿を読み取る場合、読み取り幅10mmのバンドは主走査線230ラインに相当する。自動原稿搬送部101が原稿Dを搬送する速度は、1バンドに相当する読み取り幅を原稿読み取りセンサー303の読み取り周期で除算した速度に等しい。
原稿読み取りセンサー303は、図6(b)に示すように、原稿Dを副走査方向に230ラインのバンド601、611単位で読み取る。次に、システムコントローラー106は、原稿Dの先頭部分に対応するバンド(先端バンド)601を更に主走査線10ラインの部分領域(小バンド)に分割する(S507)。
バンド601は主走査線230ラインを含むので、図7(a)に示すように、バンド601にはB1からB23までの23個の部分領域を含むことになる。
なお、バンド単位の読み取り幅が10mmに限定されないのは言うまでもなく、10mmより大きくても小さくてもよい。
また、部分領域ごとの主走査線の数は10ラインに限定されず、10ライン以外のライン数であってもよい。ただし、後述のように、明度ヒストグラムの最頻値を精度良く求めるためには、2ライン以上であるのが望ましい。
次に、部分領域毎に明度ヒストグラムを作成する(S508)。図7(a)のように、原稿Dがカールすることによって、原稿Dの先端が発光部301に近づいている場合には、部分領域どうしで読み取り面の反射率が同じならば、原稿Dの先端に近い部分領域ほど明度が高くなる。
このため、図7(b)に示すように、原稿Dの先端に最も近い部分領域B1の明度ヒストグラム701が、他の部分領域の明度ヒストグラムよりも明度が高い領域に位置する。また、部分領域B1の次に原稿Dの先端に近い部分領域B2の明度ヒストグラム702は、部分領域B1に係る明度ヒストグラム701の次に明度が高い領域に位置する。
図7(a)に示すように、原稿Dは先端からある程度離れると目線位置に落ち着く。このため、図7(b)に示すように、原稿Dの先端から最も遠い部分領域B23や次に遠い部分領域B22等は明度ヒストグラム723が概ね共通になる。
次に、部分領域ごとに明度ヒストグラムの最頻値(mode)を特定する(S509)。図7(b)の例では、部分領域B1の明度ヒストグラム701の最頻値はm1であり、部分領域B2の明度ヒストグラム702の最頻値はm2である。同様に、部分領域B3の明度ヒストグラム703の最頻値はm3である。
原稿Dがカールしている場合には、原稿Dの先端に近い部分領域どうしは明度ヒストグラムが位置する明度領域が互いに異なっているので、最頻値もまた互いに異なる。具体的には、図7(c)に例示するように、原稿Dの先端から離れるに従って、概ね一定の傾きで最頻値が低くなってゆく。
一方、原稿Dがカールしておらず、目線位置にある読み取り領域どうしは発光部301からの距離が同じなので、部分領域B23、B22等は明度ヒストグラムが概ね共通になり、したがって最頻値m23、m22等もまた概ね共通になる。このため、図7(c)に例示するように、最頻値のグラフは平坦になる。
次に、隣り合う部分領域どうしで最頻値の変化量(差の絶対値)を算出する(S510)。上述のように、原稿Dの先端に近い部分領域どうしでは、原稿Dの先端から離れるに従って最頻値が低くなるので、隣り合う部分領域どうしでの最頻値の変化量は大きくなる。
一方、原稿Dの先端から離れた部分領域どうしでは、最頻値の変化量は小さくなる。
したがって、原稿Dの先端に近い部分領域どうしから順に最頻値の変化量を参照すると(S511)、原稿Dのカールが終わった箇所で最頻値の変化量が所定の閾値以下になる。
そこで、最頻値の変化量が所定の閾値以下になったら(S512:YES)、当該最頻値の変化量を算出するために用いた最頻値を特定し(S514)、特定した最頻値を下地調整用明度に設定する(S515)。
最頻値の変化量を算出するために用いた最頻値を特定するに際しては、当該算出に用いた隣接する2つの部分領域700の最頻値は変化量(差の絶対値)が小さいので、どちらの最頻値を用いてもよい。
その後、当該下地調整用明度を用いて、当該バンドおよび引き続くバンドのAE処理を順次実行する(S516)。言い換えると、原稿Dの先端部分に対応するバンドの読み取りデータを用いて下地調整用明度を設定し、この設定に基づいて原稿Dのうちカールが終了した部分領域以降の部分のAE処理を実行する。
このようにすれば、原稿Dがカールしていても、原稿Dのカールしていない箇所を特定して、当該特定した箇所の明度ヒストグラムの最頻値を下地調整用明度に設定するので、AE処理を精度良く実行することができる。
なお、原稿Dが目線位置から読み取りガラス401側へカールしている場合には、原稿Dの先端に近い部分領域に係る明度ヒストグラムの最頻値から、原稿Dの先端から遠い部分領域に係る明度ヒストグラムの最頻値を差し引いた差分値は符号が正になるので、敢えて絶対値を求めなくても、差分値をそのまま変化量として用いることができる。
また、図8(a)に示すように、原稿Dが目線位置から背景板430側へカールしている場合にも、図8(b)に示すように、部分領域B1~B23について明度ヒストグラム801~823を求めて、最頻値を特定することができる。
この場合には、原稿Dの先端が発光部301から最も遠くなるので、原稿Dの先端に近い部分領域に係る明度ヒストグラムの最頻値から、原稿Dの先端から遠い部分領域に係る明度ヒストグラムの最頻値を差し引いた差分値は符号が負になる。
しかしながら、上述のように部分領域間の変化量として差分値の絶対値を用いれば、原稿Dが目線位置から読み取りガラス401側へカールしている場合と同様の処理によって、下地調整用明度を設定することができるので、AE処理を精度良く実行することができる。
したがって、画像読み取り部100は、原稿Dを読み取って優れた品質の画像データを生成することができる。また、このような画像データを用いれば、複合機1は、優れた品質の画像を形成したり、ファクシミリ送信したりすることができる。
[5]変形例
以上、本開示を実施の形態に基づいて説明してきたが、本開示が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
(5-1)上記実施の形態においては、原稿Dの先頭部分に画像領域が含まれておらず、したがってバンド全体が下地領域である場合を例にとって説明したが、本開示がこれに限定されないのは言うまでもなく、原稿Dの先頭部分に画像領域が含まれている場合には次のようにしてもよい。
例えば、図9(a)に示すように、下地領域901と画像領域902とを有する原稿Dが読み取りガラス401側へカールしており、原稿Dの先端部分を読み取ったバンド601を分割した部分領域700のうち、部分領域B1~B3が下地領域に対応し、他の部分領域B4~B23に対応する場合について説明する。
図9(a)の例では、原稿Dのカールが終了して、部分領域700ごとの明度ヒストグラムの最頻値が概ね一定になっており、したがって最頻値の変化量が小さい箇所が、画像領域902にかかっている。
このため、最頻値の変化量が小さい箇所の部分領域700に係る明度ヒストグラムの最頻値は、下地領域901の最頻値ではなく、画像領域902の最頻値になるため、AE処理に用いることができない。
そこで、図9(b)のグラフを詳しく参照すると、部分領域700ごとの明度ヒストグラムの最頻値について、下地領域901に対応する部分領域700どうしの変化量921と、画像領域902に対応する部分領域700どうしの変化量923は、図9(b)に示すように、原稿Dのカールに応じた値になる。
一方、下地領域901と画像領域902とでは明度が異なっているので、下地領域901に対応する部分領域B3と、画像領域902に対応する部分領域B4との間の変化量922は、原稿Dのカールに起因する明度の変化に、下地領域901と画像領域902との違いに起因する明度の変化が加わるので、変化量921、923よりも大きくなる。
したがって、原稿Dの搬送方向(副走査方向)に沿って、原稿Dの先端部分から順に最頻値の変化量を参照してゆき、最頻値の変化量が大きく変動した場合には、画像領域902になったと判断することができる。
図9(b)においては、部分領域B3、B4の間で最頻値の変化量が大きくなっているため、部分領域B1~B3が下地領域901に対応し、部分領域B4~B23が画像領域902に対応していると判断することができる。
そして、部分領域B1~B3に係る各最頻値のうち、原稿Dの先端から最も遠い部分領域B3に係る最頻値が、原稿Dのカールが終了した位置以降の下地部分の明度に最も近いと考えられる。これは、図9(a)のように、原稿Dが読み取りガラス401側へカールしている場合だけでなく、原稿Dが背景板430側へカールしている場合も同じである。
このような特徴に着目して、本変形例では、図10に示すようにして下地調整用明度を設定する。すなわち、上記実施の形態と同様に部分領域700の最頻値の変化量を算出してから(S1010)、原稿の先頭から順に最頻値の変化量を参照して(S1011)、最頻値の変化量が所定の閾値以下になる前に(S1012:NO)、最頻値の差が所定の閾値よりも大きいかどうか確認する。
例えば、図9(b)の例では、部分領域B2、B3の変化量(|m2-m3|)と、部分領域B3、B4の変化量(|m3-m4|)と、を比較して、その差の絶対値(||m2-m3|-|m3-m4||)が所定の閾値よりも大きい場合には、部分領域700に対応する読み取り領域が下地領域901から画像領域902に移行したと判断することができる。
最頻値の変化量の差が所定の閾値よりも大きい場合には(S1013:YES)、最頻値の変化量の差が所定の閾値よりも大きくなった2つの変化量に共通の最頻値を特定する(S1016)。
上の例では、最頻値の変化量の差が所定の閾値よりも大きくなった2つの変化量は、部分領域B2、B3の変化量(|m2-m3|)と、部分領域B3、B4の変化量(|m3-m4|)とであって、これら2つの変化量に共通の最頻値は部分領域B3の最頻値m3である。
その後、特定した最頻値(上の例では部分領域B3の最頻値m3)を下地調整用明度に設定して(S1017)、AE処理を実行する(S1018)。
このようにすれば、原稿Dのカールが終了する前に画像領域が始まったために、カールが終了して以降の位置における明度ヒストグラムを用いて下地調整用明度を特定することができない場合であっても、下地領域のうち原稿Dのカールの影響がもっとも小さい箇所に対応する部分領域700の明度ヒストグラムの最頻値を用いることによって、下地調整用明度の精度を向上させることができる。
(5-2)上記実施の形態においては、原稿Dからの読み取り光の明度のみに着目して下地調整用明度を設定する場合を例にとって説明したが、本開示がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに加えて以下のようにしてもよい。
すなわち、原稿Dからの読み取り光の明度が同じであっても、彩度が変化する場合がある。図11に示す例では、バンド601に対応する原稿Dの先端部分において、下地領域1101に続いて下地領域1101とは彩度が異なっている領域1102がある。
このように、原稿Dにおいて読み取り光の彩度が変化した領域1102は下地領域1101でない可能性があるため、当該領域1102の明度ヒストグラムの最頻値を下地調整用明度に設定すると、精度よくAE処理を実行することができなくなる恐れがある。
このような問題に対して、図12に示すように、部分領域700ごとに彩度ヒストグラムを作成し(S1211)、部分領域700ごとの彩度ヒストグラムの最頻値を特定しておく(S1212)。
部分領域700ごとの彩度ヒストグラムは、例えば、当該部分領域700の各画素のRGB各色の階調値のうち、次式(1)のように、最大の階調値と最小の階調値との差分値を当該画素の彩度とすることによって作成する。
(彩度)=Max(R,G,B)-Min(R,G,B) …(1)
ただし、R、GおよびBは赤、緑および青の各色の階調値である。言うまでもなく、他の方法によって画素ごとの彩度を求めてもよいことは言うまでもない。
その後、原稿Dの先端から順に明度ヒストグラムの最頻値の変化量を参照して(S1213)、明度ヒストグラムの最頻値の変化量が所定の閾値以下である場合には(S1214:YES)、原稿Dのカールが終了したと判断されるので、次のような処理を実行する。
すなわち、ステップS1212で特定した彩度ヒストグラムの最頻値のうち、ステップS1214で明度ヒストグラムの最頻値の変化量が所定の閾値以下であるとの判断に係る2つの部分領域(以下、「カール終了後の部分領域」という。)700の彩度ヒストグラムの最頻値と、当該2つの部分領域700よりも原稿Dの先端側の部分領域(以下、「カール終了前の部分領域」という。)700の彩度ヒストグラムの最頻値と、を比較する。
なお、カール終了後の部分領域700は、上述のように2つ部分領域700であってもよいし、当該2つの部分領域700のどちらか一方だけであってもよい。
また、カール終了前の部分領域700は、カール終了後の部分領域700よりも原稿Dの先端側の部分領域700であれば、どの部分領域700を採用してもよい。本実施の形態においては、カール終了前の部分領域700として、原稿Dの最も先端側の部分領域B1を採用する。
カール終了後の部分領域700とカール終了前の部分領域700とで、言い換えると、カール終了の前後で彩度ヒストグラムの最頻値の差が所定の閾値よりも大きい場合には(S1216:YES)、下地調整用明度を精度良く設定することができないので、操作パネル102を用いたマニュアル設定によって下地調整用明度を受け付けて、AE処理を実行する(S1220)。
一方、カール終了の前後で彩度ヒストグラムの最頻値の差が所定の閾値よりも大きい場合には(S1216:NO)、当該明度ヒストグラムの最頻値の変化量が所定の閾値以下になった最頻値を特定する(S1217)。そして、特定した最頻値を下地調整用明度に設定して(S1218)、設定した下地調整用明度を用いてAE処理を実行する(S1219)。
このようにすれば、下地調整用明度を精度良く設定することができない場合にはAE処理を実行しないので、不正なAE処理が実行されるのを防止することができる。
(5-3)上記実施の形態においては、バンド601を副走査方向に等間隔に分割した部分領域を用いる場合を例にとって説明したが、本開示がこれに限定されないのは言うまでもなく、次のようにしてもよい。
例えば、原稿Dの先端に近いほど部分領域の主走査線のライン(主走査ライン)数を多くし、言い換えると、副走査方向の幅を大きくし、原稿Dの先端から遠いほど部分領域の主走査線のライン数を少なくしてもよい。
原稿Dが読み取りガラス401側へカールしていると、図13(a)に示すように、部分領域1301、1302、1303、1304および1305に対応する原稿Dの読み取り面の反射率と明度ヒストグラムの最頻値との関係を表すグラフ1301g、1302g、1303g、1304gおよび1305gの傾きが、当該部分領域1301、1302、1303、1304および1305が原稿Dの先端から離れるに従って緩やかになる。なお、グラフ1304、1305は重なり合っている。
これは、部分領域1301、1302、1303、1304および1305に対応する原稿Dの読み取り領域が目線位置に近づくにつれて、発光部301からの照明光量が減少するためである。
このような場合に、バンド601を等間隔に分割していると、グラフ1301g、1302g、1303g、1304gおよび1305gの傾きは概ね一定のペースで緩やかになってゆく。
一方、図13(b)に示すように、原稿Dの先端に近いほど部分領域の主走査線のライン数を多くし、言い換えると、副走査方向の幅を大きくし、原稿Dの先端から遠いほど部分領域の主走査線のライン数を少なくした場合には、原稿Dのカール部分に係るグラフ1311g、1312gとカールしていない部分に係るグラフ1313g、1314gおよび1315gと傾きの差が大きくなる。
したがって、バンド601に含まれる部分領域の数が同じであれば、バンド601を等分割して原稿Dのカールが終了していない範囲を幾つにも分割するよりは、上述のように部分領域毎に主走査線のライン数を異ならせて、特に副走査方向において原稿Dのカールが終了しそうない位置よりも原稿Dの先端から遠い領域を細かく分割した方が、原稿Dのカールが終了した位置を精度良く検出することができる。
また、図13(b)では、バンド601に係る原稿Dの読み取り領域内に画像領域が含まれていない場合を例示しているが、当該読み取り領域に画像領域が含まれている場合には、原稿Dの先端から離れた部分領域に画像領域がかかることになる。
このため、原稿Dのカールが終了した位置よりも原稿Dの先端から離れた領域を細かく分割した方が、等分割する場合と比較して、部分領域が画像領域にかかり難くなるので、下地調整用明度を精度良く特定することができる。
バンド601をどのように分割するかについては、上記実施の形態であっても、本変形例であっても、あらかじめ部分領域ごとの主走査線のライン数を設定したテーブルを用意しておき、当該テーブルを参照してバンド601を部分領域に分割することができる。
また、他の方法でバンド601を部分領域分割しても本開示の効果は同じである。
(5-4)上記変形例(5-3)においては、バンド601を分割した部分領域700ごとの主走査線のライン数を、当該部分領域700に対応する原稿Dの読み取り領域から原稿Dの先端までの距離に応じて決定する場合を例にとって説明したが、本開示がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに加えて次のようにしてもよい。
原稿Dのカールのしかたは、原稿Dのコシの強さによって変動する。また、原稿Dのコシの強さは主として原稿Dの坪量に比例する。そこで、原稿Dを読み取るのに先立って、原稿Dの坪量を検出し、当該坪量に応じてバンド601を分割した部分領域700ごとの主走査線のライン数を決定してもよい。
例えば、図14(a)に示すように、原稿Dの坪量が小さい場合には、原稿Dのコシが弱いので、原稿Dは大きくカールして、カール終了位置が原稿Dの先端から遠くなる。
このため、原稿Dのカール終了位置よりも原稿Dの先端側にある読み取り領域に対応する部分領域1401、1402の主走査線のライン数を多くするとともに、原稿Dのカール終了位置よりも原稿Dの先端とは反対側にある読み取り領域に対応する部分領域1403、1404および1405の主走査線のライン数を少なくする。
一方、図14(b)に示すように、原稿Dの坪量が大きい場合には、原稿Dのコシが強いので、原稿Dはあまりカールせず、カール終了位置が原稿Dの先端に近くなる。
このため、原稿Dのカール終了位置よりも原稿Dの先端側にある読み取り領域に対応する部分領域1411、1412の主走査線のライン数を少なくするとともに、原稿Dのカール終了位置よりも原稿Dの先端とは反対側にある読み取り領域に対応する部分領域1403、1404および1405の主走査線のライン数を多くする。
このようにすれば、原稿Dのカール終了位置付近から原稿Dの先端から遠い側について、バンド601を細かく分割することができるので、上記変形例のように、下地調整用明度を精度良く設定することができる。
(5-5)上記実施の形態においては、原稿Dのカールが終了した位置から原稿Dの後端側にだけAE処理を施す場合を例にとって説明したが、本開示がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに加えて次のようにしてもよい。
すなわち、原稿Dのカールが終了した位置よりも原稿Dの先端側の読み取り領域に対応する部分領域については、当該部分領域の明度ヒストグラムの最頻値Aと、下地調整用明度Bと、を用いて、原稿Dの先端側の読み取り領域に対応する部分領域の各画素の明度Cを次式(2)のように補正してもよい。
(補正後のC)=(補正前のC)×(B/A) …(2)
このようにすれば、補正後の当該部分領域の明度ヒストグラムの最頻値がBになる。
例えば、図15に示すように、原稿Dの先端の読み取り領域に対応する部分領域B1は、明度ヒストグラムの最頻値がm1なので、下地調整用明度m23を最頻値m1で除算した補正係数(m23/m1)を部分領域B1の各画素の明度に乗算する補正を行えば、補正後の明度ヒストグラムの最頻値は下地調整用明度と同じm23になる。
部分領域B1に隣接する部分領域B2も同様に、明度ヒストグラムの最頻値がm2なので、下地調整用明度m23を最頻値m2で除算した補正係数(m23/m2)を部分領域B2の各画素の明度に乗算する補正を行えば、補正後の明度ヒストグラムの最頻値は下地調整用明度と同じm23になる。
部分領域B3以下も同様である。
このようにすれば、原稿Dのカールが終了した位置よりも原稿Dの後端側の部分領域と同じ下地調整用明度を用いてAE処理を施すことができる。
したがって、原稿Dの全領域にAE処理を施すことができるので、原稿Dの画像品質を更に向上させることができる。
(5-6)上記変形例(5-5)においては、原稿Dのカールが終了する前の読み取り領域に対応する部分領域の各画素の明度Cを無条件に補正する場合を例にとって説明したが、本開示がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて次のようにしてもよい。
例えば、図16に示すように、原稿Dのカールが終了する前後で彩度ヒストグラムの最頻値の差が所定の閾値よりも大きい場合には(S1616:YES)、明度ヒストグラムの最頻値が所定の閾値以下になった最頻値を特定する(S1617)。
そして、特定した最頻値を下地調整用明度に設定した後(S1618)、原稿Dのカール終了位置より先端側の部分領域の画素の明度を補正して(S1619)、原稿Dのカール終了位置より先端側の部分を含む原稿D全体にAE処理を施して(S1620)、処理を終了する。
一方、原稿Dのカールが終了する前後で彩度ヒストグラムの最頻値の差が所定の閾値以下である場合には(S1616:YES)、ステップS1617からステップS1620までの処理を実行しない。
下地調整用明度を精度良く設定することができない場合には、原稿Dのカール終了位置より先端側の部分領域の画素の明度を精度良く補正することができない。このため、原稿Dのカール終了位置より先端側の部分領域の画素の明度を行なわず、読み取った状態のままを維持する。
このようにすれば、原稿Dのカール終了位置より先端側の部分領域の画素の明度が不正に補正されることによって、画像品質が低下するのを防止することができる。
(5-7)上記変形例(5-5)において、原稿Dのカール終了位置より先端側の部分領域の画素の明度を、明度ヒストグラムの最頻値の比を用いて補正する場合を例にとって説明したが、本開示がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに加えて次のようにしてもよい。
例えば、基準となる坪量の原稿Dについて部分領域毎の明度ヒストグラムの最頻値Aと、当該原稿Dについての下地調整用明度Bの比R(=B/A)を、部分領域ごとの画素の明度の補正係数として予め求めておき、読み取り対象の原稿Dの坪量に応じて当該補正係数を修正したものを用いて部分領域ごとの画素の明度を補正してもよい。
図17(a)に示すように、坪量が大きい原稿Dは、コシが強いためカールし難く、曲線1701のようになだらかになる。したがって、目線位置に近い位置に留まって、発光部301にあまり近づいたり、遠ざかったりしないので、明度が高くなったり低くなったりし難い。
一方、坪量が小さい原稿Dは、コシが弱いため、曲線1703のように大きくカールし易い。したがって、目線位置から大きく外れて、発光部301に近づいたり、逆に大きく遠ざかったりするので、明度が大幅に高くなったり低くなったりする。
これに対して、例えば、曲線1702のようにカールする原稿(以下、「基準原稿」という。)Dの坪量γ0を基準として、基準原稿Dの部分領域ごとに画素の明度ヒストグラムの最頻値と、下地調整用明度(カール終了位置より先端側の部分領域の明度ヒストグラムの最頻値)との比Rを補正係数として求めておく。
そして、坪量γ1の原稿Dの部分領域ごとに、当該部分領域に対応する補正係数Rに坪量の比(γ1/γ0)を乗算したものを、画素の明度Cに乗算することによって当該画素の明度Cを次式(3)のように補正する。
(補正後のC)=(補正前のC)×R×(γ1/γ0) …(3)
このようにすれば、原稿Dのカール終了位置より先端側についても、カール終了位置より後端側と同様に、AE処理を施すことができる。
なお、基準原稿は図17(a)に例示したような中程度にカールする原稿に限定されないのは言うまでもなく、大きくカールする原稿を基準原稿にしてもよいし、あまりカールしない原稿を基準原稿にしてもよい。また、原稿Dの坪量γ1は、センサーを用いて検出してもよい。
原稿Dの坪量を検出するセンサーとしては、例えば、原稿Dに光や超音波を照射して、その透過量を検出するセンサーを用いることができる。坪量γ1が小さく、したがって薄い原稿Dほど、光や超音波の透過量が多いので、当該透過量から原稿Dの坪量γ1を推定することができる。
また、複合機1のユーザーに操作パネルを用いて原稿Dの紙種を指定させ、指定された紙種から原稿Dの坪量γ1を特定してもよい。
(5-8)上記実施の形態においては、2次元センサーを用いて原稿Dの先端領域を読み取ったバンド601から下地調整用明度を求めて、当該バンド601および引き続くバンドのAE処理を逐次的に実行する場合を例にとって説明したが、原稿Dの読み取りと並行してAE処理を実行し、AE処理を早期に完了させるのでなければ、次のようにすることもできる。
例えば、ラインセンサーを用いてプレスキャンを行った結果を用いてAE処理を実行する場合についても、原稿Dの先頭部分がカールしているときには、本開示を適用することによって同様の効果を得ることができる。
(5-9)上記実施の形態においては、明度ヒストグラムの最頻値の変化量として、副走査方向に隣り合う部分領域どうしでの明度ヒストグラムの最頻値の差の絶対値を用いる場合を例にとって説明したが、本開示がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて次のようにしてもよい。
例えば、原稿Dは滑らかにカールするため、部分領域ごとの明度ヒストグラムの最頻値は副走査方向に沿って単調に増加または減少する。
このことに着目して、副走査方向において原稿Dの先端側の部分領域の明度ヒストグラムの最頻値から、後端側の部分領域の明度ヒストグラムの最頻値を減算した差分値の符号が正である場合には単調減少と判断し、当該符号が不である場合には単調増加と判断することができる。
このような原稿搬送方向における部分領域ごとの明度ヒストグラムの最頻値の単調減少および単調増加が停止したかどうかは、上記実施の形態のように変化量が所定の閾値よりも小さくなったかどうかによって判断することができる他、単調減少の場合には、当該差分値が所定の正の閾値よりも小さくなったかどうかによって判断してもよい。
また、この所定の正の閾値は、変化量として差分値の絶対値を用いる場合における所定の閾値と同じ値であってもよい。
同様に、単調増加の場合には、当該差分値が所定の負の閾値よりも大きくなったかどうかによって、単調増加が停止したかどうかを判断してもよい。
(5-10)上記実施の形態においては、原稿読み取りセンサー303の読み取り周期毎に、自動原稿搬送部101が原稿Dを搬送する距離と、原稿読み取りセンサー303が読み取る1バンドの幅が同じ場合を例にとって説明したが、本開示がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて次のようにしてもよい。
例えば、原稿読み取りセンサー303の読み取り周期毎に、自動原稿搬送部101が原稿Dを搬送する距離よりも、原稿読み取りセンサー303が読み取る1バンドの幅の方が長くてもよい。
この場合には、副走査方向に隣り合うバンドどうしで原稿D上の読み取り範囲が一部重複することになるので、バンド毎の読み取りデータから画像データを生成する場合には、重複部分を編集すればよい。
このようにすれば、1バンドの幅を大きくすることができるので、先頭バンド内で原稿Dのカールが確実に必ず終了する。したがって、先頭バンド内に原稿Dのカール終了位置よりも後端側が確実に含まれるので、下地調整用明度を精度良く設定することができる。
また、先頭バンド内で部分領域ごとの明度ヒストグラムの最頻値の変化量が所定の閾値以下にならず、先頭バンド内に原稿Dのカール終了位置が含まれていないと判断される場合には、下地調整用明度を設定することができないので、AE処理を禁止するのが望ましい。
(5-11)上記実施の形態においては、複合機を例にとって説明したが、本開示これに限定されないのは言うまでもなく、画像読み取り装置、コピー装置およびファクシミリ装置のような画像読み取り機能を備えた単機能機であっても、本開示を適用することによって同様の効果を得ることができる。
(5-12)本開示は、上記実施の形態および変形例に限定されないのは言うまでもなく、上記実施の形態および変形例の組み合わせであってもよいし、それらを等価な周知技術に置き換えたものも含むものである。
本開示に係る画像読み取り装置および画像形成装置は、原稿の先端部分がカールしていても精度よく下地処理を行うことができる装置として有用である。
1………複合機
100…画像読み取り部
101…自動原稿搬送部
102…操作パネル
103…画像形成部
104…給紙部
105…排紙トレイ
106…システムコントローラー
301、1804…発光部
302…駆動部
303、1806…原稿読み取りセンサー(2次元センサー)
304…A/D変換部
401、1802…読み取りガラス
430、434、1801…背景板
411、412…スライダー
421、422、423…ミラー
424,425…光学素子
435…シートセンサー
601、611…バンド
700…部分領域
701~723、801~823、1821、1822…明度ヒストグラム
901、1101…下地領域
902…画像領域
921、922、923…最頻値のグラフの一部
1102…下地領域1101とは彩度ヒストグラムの最頻値が異なる領域

Claims (17)

  1. 原稿を搬送しながら画像を読み取る画像読み取り装置であって、
    原稿を読み取る読み取り部と、
    原稿先端部分の読み取りデータを複数の主走査ライン単位で部分領域に分割する分割部と、
    部分領域毎に読み取りデータの明度ヒストグラムを作成して最頻値を求める最頻値検出部と、
    原稿搬送方向に隣接する部分領域における最頻値の変化量を検出する変化量検出部と、
    変化量の絶対値が所定の閾値以下の部分領域における最頻値を下地調整用明度として、下地調整を行う下地調整部と、を備える
    ことを特徴とする画像読み取り装置。
  2. 前記読み取り部は、2次元センサーを用いて、原稿搬送方向についてバンド単位に複数主走査ラインずつ原稿を読み取り、
    前記分割部は、前記原稿先端部分のバンドの読み取りデータを用いる
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像読み取り装置。
  3. 前記下地調整部は、前記部分領域のうち、原稿搬送方向に沿って、原稿先端の部分領域から、前記変化量の絶対値が所定の閾値以下になる前の部分領域までについては、前記下地調整用明度と、当該部分領域毎の最頻値とを用いて、当該部分領域毎の明度を補正する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像読み取り装置。
  4. 原稿を搬送する原稿搬送部を備え、
    当該原稿搬送部は、原稿搬送方向について、搬送中の原稿を読み取ることができる読み取り幅が規定されており、
    前記読み取り部に係る1バンドは、原稿搬送部に係る読み取り幅に相当する
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像読み取り装置。
  5. 原稿を搬送する速度は、前記読み取り部に係る1バンドに相当する読み取り幅を前記読み取り部に係るバンド単位の読み取り周期で除算した速度に等しい
    ことを特徴とする請求項4に記載の画像読み取り装置。
  6. 前記変化量検出部は、前記最頻値が、原稿搬送方向に単調増加か単調減少かを検出する
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の画像読み取り装置。
  7. 前記下地調整部は、前記変化量の絶対値が所定の閾値以下になったか否かによって、原稿搬送方向における、前記最頻値の単調増加および単調減少が停止したか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項6に記載の画像読み取り装置。
  8. 前記下地調整部は、前記最頻値の単調増加および単調減少が停止する前に、最頻値の変化量の傾きが変動した場合、前記部分領域のうち、前記傾きが変動する直前の部分領域における最頻値を下地調整用明度とする
    ことを特徴とする請求項7に記載の画像読み取り装置。
  9. 前記部分領域毎に彩度ヒストグラムを作成して最頻値を求める彩度最頻値検出部と、
    前記部分領域のうち、前記変化量の絶対値が所定の閾値以下の部分領域と、他の部分領域との間で、彩度ヒストグラムの最頻値の差が所定の閾値よりも大きい場合に、前記下地調整を禁止する第1の禁止部と、を備える
    ことを特徴とする請求項7に記載の画像読み取り装置。
  10. 前記変化量の絶対値が所定の閾値以下の部分領域が無い場合に、前記下地調整を禁止する第2の禁止部を備える
    ことを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の画像読み取り装置。
  11. 前記分割部は、原稿搬送方向において、原稿先端から遠いほど、部分領域毎の主走査ライン数が少なくなるように、前記バンドを分割する
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像読み取り装置。
  12. 原稿の坪量を検出する坪量検出部を備え、
    前記分割部は、更に原稿の坪量に応じて、部分領域毎の主走査ライン数を決定する
    ことを特徴とする請求項11に記載の画像読み取り装置。
  13. 前記分割部は、前記変化量の絶対値が所定の閾値以下の部分領域よりも原稿の先端側の部分領域については、原稿の坪量が大きいほど主走査ライン数を多くする
    ことを特徴とする請求項12に記載の画像読み取り装置。
  14. 前記部分領域毎に、当該部分領域の最頻値Aと、前記下地調整用明度Bとの比B/Aを用いて、当該部分領域の明度を補正する補正部を備える、
    ことを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の画像読み取り装置。
  15. 前記部分領域毎に彩度ヒストグラムを作成して最頻値を求める彩度最頻値検出部と、
    前記部分領域のうち、前記変化量の絶対値が所定の閾値以下の部分領域と、他の部分領域との間で、彩度ヒストグラムの最頻値の差が所定の閾値よりも大きい場合に、前記読み取りデータの補正を禁止する第3の禁止部と、を備える
    ことを特徴とする請求項14に記載の画像読み取り装置。
  16. 原稿の坪量を検出する坪量検出部を備え、
    前記補正部は、更に、前記坪量に応じて当該部分領域の最頻値と、前記下地調整用明度との比を修正して、前記補正を行う
    ことを特徴とする請求項14または15に記載の画像読み取り装置。
  17. 請求項1から16のいずれかに記載の画像読み取り装置と、
    前記画像読み取り装置で原稿を読み取って生成した画像データを用いて画像を形成する画像形成部と、を備える
    ことを特徴とする画像形成装置。
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