JP2023025380A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】多重露光に伴うスイッチングノイズを低減する。【解決手段】複数の発光素子から形成される第1、第2発光素子列を順に配置したチップを有し、第1発光素子列で露光した箇所を第2発光素子列で多重露光する露光装置と、露光装置を制御するための信号を送信するコントローラと、を備え、露光装置は、ライン同期信号の入力タイミングから発光を開始する第1開始タイミングまでの第1遅延時間と、第1開始タイミングから発光を終了する第1終了タイミングまでの第1パルス幅とを基に第1発光素子列を発光させるための第1パルス信号を設定し、ライン同期信号の入力タイミングから発光を開始する第2開始タイミングまでの第1遅延時間とは異なる第2遅延時間と、第2開始タイミングから発光を終了する第2終了タイミングまでの第1パルス幅と同じ第2パルス幅とを基に第2発光素子列を発光させるための第2パルス信号を設定する。【選択図】 図8

Description

本発明は、感光体を露光する露光装置を備えた画像形成装置に関する。
プリンタなどの電子写真方式の画像形成装置においては、LEDや有機ELなどを用いた露光装置を用いて、感光ドラムを露光し、潜像形成を行う方式が一般的に知られている。前記露光装置は、感光ドラムの回転軸線方向(長手方向)に配列した発光素子列と、前記発光素子列の光を感光ドラム上に結像するロッドレンズアレイで構成される。前記LEDや有機ELは、発光面からの光の照射方向がロッドレンズアレイと同一方向となる面発光形状を有する構成が知られている。
ここで、発光素子列の長手方向の長さは感光ドラムにおける画像領域幅に応じて決まり、発光素子の間隔はプリンタの解像度に応じて決まる。例えば、1200dpiのプリンタの場合、画素の間隔が21.16μm(小数点3桁以降は省略)であるため、発光素子の間隔も21.16μmとなる。このような露光装置を用いたプリンタでは、レーザビームをポリゴンモータで偏向走査するレーザ走査方式のプリンタと比較して、使用する部品数が少ないため、装置の小型化、低コスト化が容易である。
有機ELはレーザやLEDと比較すると発光強度が小さい。そのため、感光ドラムの長手方向に複数の発光素子を配置して形成した発光素子列を、感光ドラムの長手方向に垂直な回転方向にも複数配置し、複数の発光素子列によって感光ドラム上の同一箇所を多重露光することで必要な光量を確保するものがある。例えば、特許文献1では2次元に発光点を配列させ、多重露光させるために発光点の配置に特徴を持つ。このような構成は低光量の有機ELでも感光ドラムに潜像を形成することを可能にする。
特開2016-124264号公報
しかしながら、多重露光を行うプリンタでは、ライン同期信号に合わせて感光ドラムの長手方向及び長手方向に垂直な方向に配置された複数の発光素子が一斉に点灯する。すると、複数の発光素子を点灯させる信号が一斉に変化するため、同時に変化する信号数が多く、スイッチングノイズが大きくなるという課題がある。
そこで、本発明の目的は、多重露光に伴うスイッチングノイズを低減することである。
上記目的を達成するための本発明の代表的な構成は、感光体と、前記感光体の回転軸線方向である第1の方向に沿って配置した複数の発光素子から形成される第1発光素子列と、前記第1の方向に沿って配置した複数の発光素子から形成される第2発光素子列とを前記第1の方向と直交する第2の方向に順に配置したチップを有し、前記感光体に対して前記第1発光素子列で露光した露光位置を前記第2発光素子列で多重露光する露光装置と、前記露光装置に対して、前記露光装置を制御するための信号を送信するコントローラと、を備え、前記露光装置は、ライン同期信号の入力タイミングから発光を開始する第1開始タイミングまでの第1遅延時間と、前記第1開始タイミングから前記ライン同期信号の次のライン同期信号の入力タイミングまでに前記発光を終了する第1終了タイミングまでの第1パルス幅とを基に前記第1発光素子列を発光させるための第1パルス信号を設定し、ライン同期信号の入力タイミングから発光を開始する第2開始タイミングまでの前記第1遅延時間とは異なる第2遅延時間と、前記第2開始タイミングから前記ライン同期信号の次のライン同期信号の入力タイミングまでに前記発光を終了する第2終了タイミングまでの前記第1パルス幅と同じ第2パルス幅とを基に前記第2発光素子列を発光させるための第2パルス信号を設定し、設定にしたがって各発光素子列の発光を開始し、終了する、ことを特徴とする。
本発明によれば、多重露光に伴うスイッチングノイズを低減することができる。
画像形成装置の全体構成を示す模式断面図 (a)(b)は露光ヘッドと感光ドラムの位置関係を示す図 (a)(b)(c)プリント基板の説明図 発光素子アレイチップの構成の説明図 発光部の構成の説明図 (a)(b)発光素子の配列を説明する図、(c)(d)発光素子のスポットの様子を示す図 画像コントローラ部とプリント基板のブロック図 実施例1の発光素子アレイチップ内の回路ブロック図 画像データ格納部のブロック図 画像データ格納部の動作を表すタイミングチャート 画像データ格納部の動作を表すタイミングチャート (a)実施例1のパルス信号生成部のブロック図、(b)パルス信号生成部のタイミングチャート (a)アナログ部のブロック図、(b)駆動部回路の説明図 実施例1の点灯制御部のブロック図 実施例1のパルス信号生成部に設定される設定値の表図 実施例2の発光素子アレイチップ内の回路ブロック図 (a)実施例2のパルス信号生成部のブロック図、(b)実施例2のパルス信号生成部に設定される設定値の表図 (a)、(b)多重露光による画素の説明図 (a)、(b)実施例2のパルス信号生成部のタイミングチャート (a)、(b)、(c)実施例2のチップ内の発光素子列の発光区間の説明図
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
〔実施例1〕
(画像形成装置全体の構成)
本実施例における電子写真方式の画像形成装置について簡単に説明する。図1に、画像形成装置全体の構成を示す。本画像形成装置は、スキャナ部100、作像部103、定着部104、給紙/搬送部105及び、これらを制御するプリンタ制御部(不図示)から構成される。
スキャナ部100は、原稿台に置かれた原稿に対して、照明を当てて原稿画像を光学的に読み取り、その像を電気信号に変換して画像データを作成する。作像部103では、像担持体(感光体)としての感光ドラム102を回転駆動し、帯電器107によって感光ドラム102を帯電させる。露光装置としての露光ヘッド106は、前記画像データに応じて発光し、配列された発光素子群のチップ面で発光した光を感光ドラム102に集光し、静電潜像を形成する。現像器108は、感光ドラム102に形成された静電潜像に対してトナーを現像する。現像されたトナー像は、転写ベルト111上に搬送された紙上に転写される。作像部は、前記一連の電子写真プロセス(帯電、露光、現像、転写)を行う作像ユニットを4連持ち、各々シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の順に並べることで、フルカラーの画像を形成する。前記4連の作像ユニットは、シアンの作像ユニットの作像開始から所定時間経過後に、マゼンタ、イエロー、ブラックの作像動作を順次実行していく。
給紙/搬送部105では、本体内給紙ユニット109a、109b、外部給紙ユニット109c、手差し給紙ユニット109dのうち、予め指示された給紙ユニットから記録媒体としての紙を給紙し、給紙された紙はレジローラ110まで搬送される。レジローラ110は、前述した作像部103において形成されたトナー像が紙上に転写されるタイミングで、転写ベルト111上に紙を搬送する。転写ベルト111の対向位置には、光学センサ113が配置されており、各作像ユニット間の色ズレ量を導出するため、転写ベルト111上に印字されたテストチャートの位置検出を行う。ここで導出された色ズレ量は、画像コントローラ部700(図7参照)に通知され、各色の画像位置が補正される。この制御によって、紙上に色ずれのないフルカラートナー像が転写される。定着部104は、ローラの組み合わせによって構成され、ハロゲンヒータ等の熱源を内蔵し、前記転写ベルト111上からトナー像が転写された紙上のトナーを、熱と圧力によって溶解、定着する。画像が定着された紙を、排紙ローラ112にて画像形成装置外部に排紙する。
プリンタ制御部(不図示)は、MFP全体を制御するMFP制御部と通信して、その指示に応じて制御を実行すると共に、前述のスキャナ、作像、定着、給紙/搬送の各部の状態を管理しながら、全体が調和を保って円滑に動作できるよう指示を行う。なお、MFPとはマルチファンクションプリンタの略であり、MFP全体とは画像形成装置全体を指す。ここでは、画像形成装置として、プリンタ、コピー、画像読取、FAXの機能を1台に持たせた多機能複合機(マルチファンクションプリンタ)を例示しているが、これに限定されるものではない。
(露光ヘッドの構成)
図2を用いて、感光ドラム102に露光を行う露光装置としての露光ヘッド106について説明する。図2(a)、図2(b)に感光ドラム102に対する露光ヘッド106の配置の様子と、発光素子群201から出射した光が、ロッドレンズアレイ203により感光ドラム102に集光する様子を示す。
露光ヘッド106及び感光ドラム102は、不図示の取り付け部材によって、各々、画像形成装置に取り付けられている。露光ヘッド106は、発光素子群201と、発光素子群201を実装したプリント基板202、ロッドレンズアレイ203と、ロッドレンズアレイ203とプリント基板202を取り付けるハウジング204で構成されている。露光ヘッド106は、工場では露光ヘッド106単体で組み立て調整作業を行い、集光位置でのスポットを所定サイズに調整するピント調整、光量調整が行われる。ここで、感光ドラム102とロッドレンズアレイ203の間の距離、ロッドレンズアレイ203と発光素子群201の間の距離は、所定の間隔となるように配置されることで発光素子群201からの出射光が感光ドラム102上に結像される。このため、ピント調整時においては、ロッドレンズアレイ203と発光素子群201との距離が所望の値となるように、ロッドレンズアレイ203の取り付け位置の調整が行われる。また、光量調整時においては、各発光素子を個別に順次発光させていき、ロッドレンズアレイ203を介して集光させた光が、所定光量になるように各発光素子の駆動電流が調整される。
(基板の構成)
図3に発光素子群201を配列したプリント基板202を示す。図3(a)は発光素子群201が実装されている面とは反対の面(以降、発光素子非実装面と呼称)、図3(b)は発光素子群201が実装されている面(以降、発光素子実装面と呼称)を示す。プリント基板202は、図3(a)に示す非実装面、及び図3(b)に示す実装面の両面に部品を実装可能な基板である。
図3(b)に示すように、プリント基板202の発光素子実装面には、複数の発光素子からなる発光素子群201が実装されている。発光素子群201は、20個の発光素子アレイチップ400-1~400-20を千鳥状に配列した構成から成る。各発光素子アレイチップ内には、発光素子がチップの第1の方向である長手方向に748個、第1の方向に直交する第2の方向である短手方向に6列、所定の解像度ピッチで配列されている。本実施例では、チップ長手方向及び短手方向に隣接する発光素子のピッチは、ともに1200dpiの解像度のピッチ(約21.16μm)となっており、チップ内における長手方向748個の発光点の端から端までの間隔は、約15.8mmである。発光素子群201は、20個のチップが配列されることで、感光ドラム102の長手方向に露光可能な発光素子数は14960素子となり、約316mmの画像幅に対応した画像形成が可能となる。発光素子アレイチップ400-1~400-20は千鳥状に2列に配置されており、各列はプリント基板202の長手方向に沿って配置される。図3(c)に、発光素子アレイチップ400のチップ間の境界部の様子を示す。チップ間の境界部においても、発光素子の長手方向のピッチは、1200dpiの解像度のピッチ(約21.16μm)となっている。また、前記2列のチップの発光点の間隔(図中S)は、約105μm(1200dpiで5画素分)となるように配置される。
また、露光ヘッド106の長手方向の発光点の間隔(図中L)は、約21.16μm(1200dpiで1画素分)となっている。なお、本発明においては、前記発光素子アレイチップ間の間隔S、Lは、前述した値に限定する必要はないものとする。
図3(a)に示すように、プリント基板202の発光素子非実装面には、画像コントローラ部700(図7参照)から発光素子アレイチップを制御する制御信号と、電源ラインを接続するコネクタ305が配置されている。前記コネクタ305を介して各発光素子アレイチップ400は駆動される。
(発光素子アレイチップの構成)
図4に発光素子アレイチップ400の平面構成の概略を示す。なお、図中の矢印X方向は感光ドラム102の回転軸線方向(長手方向)であり、チップの第1の方向である。矢印Y方向は感光ドラム102の回転方向であり、チップの前記第1の方向に直交する第2の方向である。発光素子アレイチップ400は、発光基板402の上に複数の発光素子を含む発光部404、ワイヤボンディングパッド(WBパッド)408が形成されている。尚、発光基板402には発光部404を制御するための回路部406が内蔵されている。回路部406はアナログ駆動回路、デジタル制御回路の両方を含んだ構成となっている。回路部406の電源供給や発光素子アレイチップ400外からの信号などの入出力はワイヤボンディングパッド408を通じて行われる。
(発光部の構成)
発光部404について図5を用いて説明する。なお、図中の矢印Z方向は矢印X方向及び矢印Y方向に垂直で発光部404からの光が出射する方向である。図5は図4中のA-A部断面の一部、発光素子1つ分とその周囲の概略図である。発光基板402上に複数の下部電極504、発光層506、上部電極508が形成された構成である。下部電極504は独立電極であり、上部電極508は共通電極である。下部電極504は図5に示すように、図中の矢印X方向に幅W、また矢印X方向に隣接する下部電極504との間に所定の間隔dを空けて複数形成される。下部電極504と上部電極508の間に発光層506が形成される。尚、発光層506は連続して形成されていても、下部電極504とほぼ同等の大きさに分断されていても良い。発光素子602は、独立した下部電極504の1つと、発光層506、上部電極508で囲まれた部分で1素子を形成する。複数の下部電極504のうちの所望の電極を選択し、選択された下部電極504と上部電極508を通じて発光層506に通電する事で選択された下部電極504に対応する場所の発光層506を発光させ、上部電極508を通して出射光510として出射させる。下部電極504としては発光層506の発光波長に対して反射率の高い金属が好ましく、本実施例ではAgを用いる。他にもAlまたはその合金などを用いることができる。また、上部電極508としては発光層506の発光波長に対して透明である事が好ましく、本実施例では酸化インジウム錫(ITO)を用いる。本実施例では発光層506として、有機EL膜を用いるが、有機EL層以外でも無機EL層などでも良い。
(発光部の配列)
発光部404の配列について、図6(a)及び図6(b)を用いて説明する。図6(a)は発光部404における発光素子の配列を示す図である。図6(a)に示すように、発光部404は、複数の発光素子602を列状に配置して構成される。複数の発光素子602が図中の矢印X方向に所定の間隔(例えば1200dpiとして21.16μmピッチ)で矢印X方向に列状に配列され、かつ、矢印Y方向にも複数配列され、複数の発光素子列(図6(a)中の604-1~604-m)を形成する。
言い換えれば、発光部404は、第1の方向である矢印X方向に沿って配置した複数の発光素子602から形成される発光素子列604を、第1の方向と直交する第2の方向である矢印Y方向に順に配置して構成される。具体的には、発光部404は、個数nの発光素子602が矢印X方向に所定の間隔で矢印X方向に列状に配列され、発光素子列604を形成している。かつ、発光部404は、このように形成した列数mの発光素子列604(第1発光素子列604-1、第2発光素子列604-2、…第m発光素子列604-m)を矢印Y方向に順に配置して構成される。
図中、W1は矢印X方向の発光素子602の幅であり、d1は矢印X方向の発光素子602の隣接間隔である。発光層506が十分に薄い場合には発光素子602のサイズは実質的に下部電極504と同じであり、W1は図5中のW、d1は図5中のdと見なしてよい。発光素子602の矢印Y方向の幅W2、間隔d2、発光素子列604の列数mはそれぞれ矢印Y方向の走査速度や必要光量及び解像度を考慮して決定すればよい。本実施例においては幅W1を20.9μm、間隔d1を0.26μmとして、21.16μmピッチに配列した。また、幅W2を幅W1と同じく20.9μm、幅d2を幅d1と同じく0.26μmとして、21.16μmピッチに配列した。また、列数mは6とする。
図6(b)は発光素子列604-1の断面概略図である。図6(b)に示すように下部電極504を幅W1、間隔d1で図中矢印X方向に配置している。個々の発光素子602は、個々の下部電極504が上部電極508と対向する部分、及びその間の発光層506によって構成される。個々の発光素子の構成例として、発光素子602-13を図6(b)中、点線で囲んだ部分で示す。
なお、図6(a)の矢印Y方向に配列する発光素子は、同時に点灯した場合、感光ドラム102上においてW2+d2の距離間隔で、感光ドラム102の回転方向の異なる位置に露光する。感光ドラム102の回転速度に応じて、各発光素子の点灯タイミングを時間シフトすることで、感光ドラム102上に略同一位置で露光することが可能になる。前記略同一位置で矢印Y方向に配列した発光素子を露光する状態を多重露光と呼称する。例えば、図6(a)に示す第1発光素子列604-1で露光した露光位置(略同一位置)を第2発光素子列604-2で多重露光する。
図6(c)及び図6(d)に発光素子のスポットの様子を示す。ここでは、矢印Y方向に配置した2つの発光素子を感光ドラム上に露光した場合を例示して説明する。図6(c)は、矢印Y方向に配置した2つの発光素子を同時に点灯させた時のスポットの様子を示す図である。2つの発光素子602-m1、602-m2は矢印Y方向に配置されているため、同時に発光すると、感光ドラム102上でのスポットも矢印Y方向に並んで形成される。図6(d)は、感光ドラム102の回転方向と回転速度Vdr(mm/s)に応じて、回転方向下流の発光素子602の点灯タイミングを、式(1)に従い遅延させた時のスポットの様子を示す図である。なお、図6(d)では、感光ドラムに対して、発光素子602-m1で露光した露光位置に、発光素子602-m2で多重露光した場合を例示している。ここで、発光素子602の幅W2(μm)、発光素子602の間隔d2(μm)とすると、感光ドラム上でのスポット位置(露光位置)が一致するタイミングTdelay(s)は、式(1)で表される。
Tdelay=((W2+d2)÷1000)÷Vdr 式(1)
また本実施例では、各画素の発光時間の最大値Tw(s)は、矢印Y方向の1ライン時間に等しくなるように発光信号が生成され、解像度(例えば1200dpi)と回転速度Vdrより式(2)で表される。
Tw=(25.4÷1200)÷Vdr 式(2)
多重露光により、複数の発光素子により感光ドラムの同一位置での露光が可能となり、感光ドラム102が受光する光量は、矢印Y方向に配列する発光素子の数に比例して大きくすることが可能となる。本実施例では、1つの発光素子アレイチップが矢印Y方向に6つの発光素子(発光素子列)を配列し、感光ドラム上の同一位置で6回露光することで画素を形成する。
(制御ブロック)
図7に、画像コントローラ部700、プリント基板202のブロック図を示す。本実施例においては、説明を簡易化するために単色の処理について説明するが、同様の処理を4色同時に並列処理するものとする。
(画像コントローラ部)
画像コントローラ部700は、プリント基板202とは異なる装置側(ここでは画像形成装置)に設けられている。画像コントローラ部700は、プリント基板202に対してプリント基板202を制御するための信号を送信する。前記信号は、画像データの有効範囲を表すチップセレクト信号、クロック信号、画像データ、画像データの1ライン毎の区切りを表す信号(以降ライン同期信号と呼称)、CPU703との通信信号である。前記各々の信号は、チップセレクト信号線cs_x705、クロック信号線clk706、画像データ信号線data707、ライン同期信号線lsync_x708、通信信号線709を介してプリント基板202内の発光素子アレイチップ400に送信される。画像コントローラ部700では、画像データに対する処理と、印字タイミングに対する処理が行われる。画像コントローラ部700は、画像データ生成部701、チップデータ変換部702、CPU703、同期信号生成部704を有する。
画像データ生成部701では、スキャナ部100、あるいは、画像形成装置外部から受信した画像データに対して、CPU703により指示された解像度でディザリング処理を行いプリント出力のための画像データを生成する。本実施例では、1200dpiの解像度でディザリング処理を行うものとする。また、画像データは1bit幅で2階調を表すものとする。
同期信号生成部704は、ライン同期信号を生成する。CPU703は、事前に定められた感光ドラム102の回転速度に対して、感光ドラム102表面が回転方向に1200dpiの画素サイズ(約21.16μm)移動する周期を1ライン周期として、同期信号生成部704に信号周期の時間間隔を指示する。例えば紙搬送方向に200mm/sの速度で印字する場合、1ライン周期を105.8μs(小数点2桁以下省略)として時間間隔を指示する。紙搬送方向の速度については、感光ドラムの速度制御手段(不図示)に設定する印字速度の設定値(固定値)を用いてCPU703が算出するものとする。
チップデータ変換部702は、同期信号生成部704で生成したライン同期信号に同期して1ライン分の画像データを発光素子アレイチップ毎に分割し、クロック信号とチップセレクト信号とともにプリント基板202へ送る。
(プリント基板)
次にプリント基板202の構成について説明する。プリント基板202は、複数の発光素子アレイチップ400、ヘッド情報格納部710を有する。
ヘッド情報格納部710は各発光素子アレイチップ400の発光量や実装位置情報といったヘッド情報を格納する記憶装置であり、通信信号線709を介してCPU703と接続されている。クロック信号線706、画像データ信号線707、ライン同期信号線708、通信信号線709は発光素子アレイチップ400の全てに接続されている。チップセレクト信号線705は発光素子アレイチップ400-1の入力に接続されている。さらにチップセレクト信号線705は発光素子アレイチップ400-1の出力が信号線711-1を介して発光素子アレイチップ400-2の入力に接続されている。さらにチップセレクト信号線705は発光素子アレイチップ400-2の出力が信号線711-2を介して発光素子アレイチップ400-3の入力に接続されている。このようにチップセレクト信号線705はカスケード接続になっている。各発光素子アレイチップ400には、入力チップセレクト信号、クロック信号、ライン同期信号、画像データ信号、通信信号で設定された設定値を基に発光素子を発光させる。また、次チップ用のチップセレクト信号を生成する。
(チップ内部のデジタル回路ブロック)
図8に発光素子アレイチップ400内の回路ブロック図を示す。発光素子アレイチップ400内の回路部406はデジタル部800とアナログ部806から成る。デジタル部800はクロック信号に同期して、通信信号によって予め設定された設定値、チップセレクト信号、画像データ信号、ライン同期信号を基に発光素子を発光させるためのパルス信号を生成し、アナログ部806へ送る機能と、入力されてきたチップセレクト信号から次チップ用のチップセレクト信号を生成する機能を持つ。
通信IF部801はCPU703からの通信信号に基づいて、レジスタ部802に対する設定値のライト及びリードを制御する。
レジスタ部802は動作に必要な設定値を格納する。この設定値には、画像データ格納部804で使用する露光タイミング情報、パルス信号生成部805で生成するパルス信号の幅情報及び遅延情報、アナログ部806で設定する駆動電流の設定情報がある。
チップセレクト信号生成部803は入力されてきたチップセレクト信号を遅延させ、次チップ用のチップセレクト信号を生成する。
画像データ格納部804は、入力されてきたチップセレクト信号が有効な間の画像データを保持し、ライン同期信号に同期して画像データを点灯制御部807に出力する。詳細は後述する。
パルス信号生成部805(805-0~805-5)は発光素子列604(604-1~604-6)毎に設けられている。パルス信号生成部805はレジスタ部802で設定されたパルス信号の幅情報(パルス幅)及び遅延情報(遅延時間)を基に対応する発光素子列内の発光素子を点灯させる際に必要なパルス信号を生成し、点灯制御部807に出力する。詳細は後述する。
点灯制御部807は画像データ格納部804からの画像データを基に、発光素子毎にパルス信号生成部805からのパルス信号をアナログ部806に出力するか否かを制御する。詳細は後述する。
アナログ部806はデジタル部800で生成されたパルス信号を基に、発光素子を駆動する為に必要な信号を生成する。詳細は後述する。
次に画像データ格納部804の動作について説明する。図9は画像データ格納部804の回路構成図である。
本実施例ではチップセレクト信号をcs_x、ライン同期信号をlsync_xとし、負論理信号とするが、正論理であってもよい。また、クロック信号をclk、画像データ信号をdataとする。クロックゲート回路810はチップセレクト信号cs_xの反転信号とクロック信号clkの論理積を出力とし、cs_xが有効な時のみフリップフロップ回路811にクロック信号s_clkを出力する。フリップフロップ回路811は画像データ格納部804へ入力されてきた画像データ信号dataを大元の入力とし、発光素子アレイチップの長手方向に設けられた発光素子数と同じ数(本実施例では748)が直列接続されている。フリップフロップ回路811はクロックゲート回路810から送られてきたクロック信号s_clkで動作する。
以下、フリップフロップ回路について説明する。代表して、フリップフロップ回路812-000、813-000、814-000、815-000、816-000、817-000について説明する。他のフリップフロップ回路812-001~812-747、813-001~813-747、814-001~814-747、815-001~815-747、816-001~816-747、817-001~817-747についても同様である。
フリップフロップ回路812-000は、フリップフロップ回路811-000の出力(dly_data_000)を入力とし、ライン同期信号lsync_xで動作する。フリップフロップ回路812-000の出力(buf_data_0_000)は点灯制御部807とフリップフロップ回路813-000に入力される。フリップフロップ回路813-000はフリップフロップ回路812-000の出力(buf_data_0_000)を入力とし、ライン同期信号lsync_xで動作する。フリップフロップ回路813-000の出力(buf_data_1_000)はフリップフロップ回路814-000と点灯制御部807に入力される。フリップフロップ回路814-000、フリップフロップ回路813-000の出力(buf_data_1_000)を入力とし、ライン同期信号lsync_xで動作する。フリップフロップ回路814-000の出力(buf_data_2_000)はフリップフロップ回路815-000と点灯制御部807に入力される。フリップフロップ回路815-000はフリップフロップ回路814-000の出力(buf_data_2_000)を入力とし、ライン同期信号lsync_xで動作する。フリップフロップ回路815の出力(buf_data_3_000)はフリップフロップ回路816-000と点灯制御部807に入力される。フリップフロップ回路816-000はフリップフロップ回路815-000の出力(buf_data_3_000)を入力とし、ライン同期信号lsync_xで動作する。フリップフロップ回路816-000の出力(buf_data_4_000)はフリップフロップ回路817-000と点灯制御部807に入力される。フリップフロップ回路817-000はフリップフロップ回路816-000の出力(buf_data_4_000)を入力とし、ライン同期信号lsync_xで動作する。フリップフロップ回路817-000の出力(buf_data_5_000)は点灯制御部807に入力される。
図10は画像データ格納部804の感光ドラムの長手方向の動作を表すタイミングチャートである。図中の信号名は図9に示している。cs_x=0をclkの立上りでとらえた時刻T0から時刻T1の間、画像データはdata→dly_data_000→dly_data_001→…といった具合に順にシフトしていく。cs_x=0はクロック信号が感光ドラムの長手方向の発光素子数と同じ数、748だけ入力されるものとする。こうすることで、1ライン分の画像データがdly_data_000~dly_data_747に保持されることとなる。時刻T1以降はcs_x=1であるためにシフト動作は行われずに保持される。時刻T2でlsync_x=0をclkの立上りでとらえると、dly_data_000→buf_data_0_000、dly_data_001→buf_data_0_001、…といった具合に1ライン分の画像データが一斉にbuf_data_0_000~buf_data_0_747としてシフトし、点灯制御部807に出力される。
図11は画像データ格納部804の感光ドラムの回転方向の動作を表すタイミングチャートである。図11では、代表して図9に示すフリップフロップ回路812-000の出力buf_data_0_000、フリップフロップ回路813-000の出力buf_data_1_000、フリップフロップ回路814-000の出力buf_data_2_000、フリップフロップ回路815-000の出力buf_data_3_000、フリップフロップ回路816-000の出力buf_data_4_000、フリップフロップ回路817-000の出力buf_data_5_000について説明する。図9に示す他のフリップフロップ回路の出力buf_data_0_001~buf_data_0_747、buf_data_1_001~buf_data_1_747、buf_data_2_001~buf_data_2_747、buf_data_3_001~buf_data_3_747、buf_data_4_001~buf_data_4_747、buf_data_5_001~buf_data_5_747の全てにおいて同様である。
図示する通り、lsync_x=0が入力される毎に、dly_data_000→buf_data_0_000、buf_data_0_000→buf_data_1_000、・・・といった具合にシフトする。このため、時刻T0におけるdly_data_000の値B000の値が時刻T1でbuf_data_0_000、時刻T2でbuf_data_1_000、時刻T3でbuf_data_2_000、・・・といった具合に点灯制御部807に出力される。感光ドラム上で先に露光される方の発光素子から順にbuf_data_0_000、buf_data_1_000、buf_data_2_000、buf_data_3_000、buf_data_4_000、buf_data_5_000を接続することで、多重露光を実現する。
次にパルス信号生成部(パルス信号生成回路)805について説明する。パルス信号生成部805(805-0~805-5)は発光素子列数と同数存在するが、その構造は全て同じである。そのため、ここではパルス信号生成部805-0を例に挙げて説明する。図12(a)にパルス信号生成回路のブロック図、図12(b)にパルス信号生成回路の動作タイミングチャートを示す。
パルス信号生成部805-0は、出力決定部903と、カウンタ部904とを含む。
カウンタ部904ではクロックをカウントし、ライン同期信号の周期cごと(図12(b)中タイミングC1,タイミングC2)にカウントをリセットする。
出力決定部903ではカウント、パルス幅b及び遅延時間aに応じたパルス信号を生成する。出力決定部903は、カウンタ部904で生成したカウントが遅延時間aになるタイミング(図12(b)中タイミングA)で出力をHighとし、パルス幅bの時間だけ経過したカウントa+bになるタイミング(図12(b)中タイミングB)で出力をLowとするパルス信号を生成する。
遅延時間a、パルス幅bは、レジスタ部802より送信されており、レジスタ部802を書き換えることによりそれぞれクロック周期単位で値を変更することが可能である。遅延時間aは、ライン同期信号の周期ごとの発光開始タイミングを決定する時間にあたるものである。パルス幅bは、発光素子の点灯時間にあたるものであり、概ね発光素子の光量に比例する。そのため、感光ドラム面上の必要な積算光量となるようにパルス幅bを調整する。なお、発光開始タイミングを決定する遅延時間aとパルス幅bは、発光素子列毎のパルス信号生成部805-0~805-5で個別に設定が可能である。そこで、パルス信号生成部805-0に対する遅延時間aとパルス幅bをそれぞれa0、b0と表す。同様にパルス信号生成部805-1に対する遅延時間aとパルス幅bをa1、b1、パルス信号生成部805-2に対する遅延時間aとパルス幅bをa2、b2、パルス信号生成部805-3に対する遅延時間aとパルス幅bをa3、b3、パルス信号生成部805-4に対する遅延時間aとパルス幅bをa4、b4、パルス信号生成部805-5に対する遅延時間aとパルス幅bをa5、b5と表す。
各パルス信号生成部805は、ライン同期信号の入力タイミングから発光を開始する開始タイミングまでの遅延時間(遅延設定値a)と、前記開始タイミングから前記発光を終了する終了タイミングまでのパルス幅(パルス幅設定値b)とを基に発光素子列を発光するためのパルス信号(line_pulse)を発光素子列ごとに生成する。
言い換えれば、パルス信号生成部805は、前記遅延時間と前記パルス幅とを発光素子列ごとに設定する。ここで、発光素子列は、1つの発光素子アレイチップ内でドラム回転方向に順に配置した複数の発光素子列の、各発光素子列を指す。本実施例では、1つの発光素子アレイチップが、列数m=6の発光素子列(第1、第2、第3、第4、第5、第6発光素子列)をドラム回転方向に順に配置した構成を例示している。
パルス信号生成部805-0は、ライン同期信号の入力タイミングC1から発光を開始する第1開始タイミングまでの第1遅延時間(遅延設定値a0)と、前記第1開始タイミングから次のライン同期信号の入力タイミングC2までに前記発光を終了する第1終了タイミングまでの第1パルス幅(パルス幅設定値b0)とを基に第1発光素子列を発光させるための第1パルス信号(line_pulse_0)を生成する。
パルス信号生成部805-1は、ライン同期信号の入力タイミングC1から発光を開始する第2開始タイミングまでの前記第1遅延時間(遅延設定値a0)とは異なる第2遅延時間(遅延設定値a1)と、前記第2開始タイミングから次のライン同期信号の入力タイミングC2までに前記発光を終了する第2終了タイミングまでの前記第1パルス幅(パルス幅設定値b0)と同じ第2パルス幅(パルス幅設定値b1)とを基に第2発光素子列を発光させるための第2パルス信号(line_pulse_1)を生成する。
ここで、発光素子列ごとのパルス信号を設定する設定値は、第1発光素子列の第1遅延時間を遅延設定値a0、第1パルス幅をパルス幅設定値b0とし、第2発光素子列の第2遅延時間を遅延設定値a1、第2パルス幅をパルス幅設定値b1としたとき、a0≠a1、b0=b1、a0+b0≠a1+b1を満たす。
第3発光素子列の第3パルス信号(line_pulse_2)、第4発光素子列の第4パルス信号(line_pulse_3)、第5発光素子列の第5パルス信号(line_pulse_4)、第6発光素子列の第6パルス信号(line_pulse_5)も、第1発光素子列の第1パルス信号と第2発光素子列の第2パルス信号との関係と同様に生成する。
すなわち、各発光素子列の遅延時間aである遅延設定値は、同時に変化するパルス信号をずらすために、a0≠a1≠a2≠a3≠a4≠a5を満たす。また、パルス幅bであるパルス幅設定値は、b5=b4=b3=b2=b1=b0を満たす。また、遅延設定値a0~a5及びパルス幅設定値b0~b5は、a0+b0≠a1+b1≠a2+b2≠a3+b3≠a4+b4≠a5+b5を満たす。このように設定することで、多重露光時においても各パルス信号はLowからHighに遷移する開始タイミング(図12(b)中のタイミングA)が重ならず、HighからLowに遷移する終了タイミング(図12(b)中のタイミングB)が重ならない。この設定にしたがって、各発光素子列の発光を開始し、終了する。そのため、1つの発光素子アレイチップ内のドラム回転方向に並ぶ複数の発光素子列のパルス信号が一斉に変化するタイミングが無くなり、スイッチングノイズを低減することができる。
なお、本実施例では、ライン同期信号の周期ごとの各発光素子列の開始タイミング及び終了タイミングが重ならないパルス信号において、パルス幅は同じである。そのため、後述するアナログ部にて設定される駆動電流をパルス信号ごとに変更しなくても、各発光素子列の積分光量を均一に保つことができる。
次に点灯制御部807について図14を用いて説明する。図14は点灯制御部807のブロック図である。
点灯制御部807ではパルス信号生成部805-0~805-5で生成された発光素子列毎のパルス信号を、画像データ格納部804から入力された画像データに従い、発光素子毎にアナログ部806にパルス信号を出力するか否かを制御する。
出力パルス信号el_pulse_0_000~el_pulse_0_747は発光素子602-11~602-1748に対応している。出力パルス信号el_pulse_1_000~el_pulse_1_747は発光素子602-21~602-2748に対応している。出力パルス信号el_pulse_2_000~el_pulse_2_747は発光素子602-31~602-3748に対応している。出力パルス信号el_pulse_3_000~el_pulse_3_747は発光素子602-41~602-4748に対応している。出力パルス信号el_pulse_4_000~el_pulse_4_747は発光素子602-51~602-5748に対応している。出力パルス信号el_pulse_5_000~el_pulse_5_747は発光素子602-61~602-6748に対応している。
点灯制御部807にはANDゲート1200が発光素子数分設けられている。なお、本実施例では画像データ格納部804からの画像信号buf_data_0_000~buf_data_5_747、パルス信号生成部805(805-0~805-5)からのパルス信号line_pulse_0~line_pulse_5の両者が正論理であり、アナログ部への出力パルス信号el_pulse_0_000~el_pulse_5_747は1のとき点灯を表すものとしたためにANDゲートを用いたが、入出力のいずれかが負論理の場合はそれに応じた論理ゲートを使用すればよい。
ANDゲート1200-0-000~1200-0-747は、一方にパルス信号生成部805-0で生成したパルス信号line_pulse_0が共通に入力され、他方に画像信号buf_data_0_000~buf_data_0_747がそれぞれ入力される。ANDゲート1200-0-000~1200-0-747は、両者の論理積をel_pulse_0_000~el_pulse_0_747として出力する。
ANDゲート1200-1-000~1200-1-747は、一方にパルス信号生成部805-1で生成したパルス信号line_pulse_1が共通に入力され、他方に画像信号buf_data_1_000~buf_data_1_747がそれぞれ入力される。ANDゲート1200-1-000~1200-1-747は、両者の論理積をel_pulse_1_000~el_pulse_1_747として出力する。
ANDゲート1200-2-000~1200-2-747は、一方にパルス信号生成部805-2で生成したパルス信号line_pulse_2が共通に入力され、他方に画像信号buf_data_2_000~buf_data_2_747がそれぞれ入力される。ANDゲート1200-2-000~1200-2-747は、両者の論理積をel_pulse_2_000~el_pulse_2_747として出力する。
ANDゲート1200-3-000~1200-3-747は、一方にパルス信号生成部805-3で生成したパルス信号line_pulse_3が共通に入力され、他方に画像信号buf_data_3_000~buf_data_3_747がそれぞれ入力される。ANDゲート1200-3-000~1200-3-747は、両者の論理積をel_pulse_3_000~el_pulse_3_747として出力する。
ANDゲート1200-4-000~1200-4-747は、一方にパルス信号生成部805-4で生成したパルス信号line_pulse_4が共通に入力され、他方に画像信号buf_data_4_000~buf_data_4_747がそれぞれ入力される。ANDゲート1200-4-000~1200-4-747は、両者の論理積をel_pulse_4_000~el_pulse_4_747として出力する。
ANDゲート1200-5-000~1200-5-747は、一方にパルス信号生成部805-5で生成したパルス信号line_pulse_5が共通に入力され、他方に画像信号buf_data_5_000~buf_data_5_747がそれぞれ入力される。ANDゲート1200-5-000~1200-5-747は、両者の論理積をel_pulse_5_000~el_pulse_5_747として出力する。
以上のように、発光素子列毎に生成されたパルス信号をアナログ部806に出力するか否かを画像データ信号の値によって制御する。
次にアナログ部806について説明する。図13(a)に、アナログ部806のブロックを示す。本実施例では説明を簡略化するため、アナログ部806において、2つの発光素子(602-11、602-21)を駆動する駆動部1001-1,1001-2を図示して説明する。しかし、アナログ部806は、同様の駆動部が発光素子群201の全発光素子に対応して形成されているものとする。
点灯制御部807では、発光素子のONタイミングを制御するパルス信号が生成され、信号線1006-1,1006-2を介して駆動部1001-1,1001-2にパルス信号が入力する。DAC1002(デジタルアナログ変換器)は、レジスタ部802に設定されたデータに基づき信号線1003を介して、駆動電流を決定するアナログ電圧を駆動部1001-1,1001-2に供給する。駆動部選択部1007は、レジスタ部802に設定されたデータに基づき、駆動部を選択する駆動部セレクト信号を、信号線1004、1005を介して、駆動部1001-1,1001-2に供給する。駆動部セレクト信号は、選択された駆動部に接続されている信号のみがHighとなるように生成される。例えば、駆動部1001-1が選択される場合、信号線1004のみにHighが供給され、信号線1005など他の駆動部に接続されている信号線にはLowが供給される。駆動部1001-1,1001-2は、各々駆動部選択部1007によって選択されたタイミング(駆動部セレクト信号がHighになるタイミング)で、信号線1003を介して入力される前記アナログ電圧が設定される。CPU703(図7参照)はレジスタ部802を介して駆動部を順次選択し、選択した駆動部に対応した電圧を設定することで、1つのDAC1002で全ての駆動部のアナログ電圧を設定する。前述した動作により駆動部1001-1,1001-2には、駆動電流を決定するアナログ電圧とパルス信号が入力され、以降に説明する駆動回路により各発光素子(602-11、602-21)が独立して駆動電流と発光時間が制御される。
図13(b)に、駆動部1001-1の回路について示す。なお、他の発光素子に対する駆動部(例えば1001-2)についても、同様の回路で駆動するものとする。MOSFET1102は、ゲート電圧値に応じて発光素子602-11に駆動電流を供給し、ゲート電圧がLowレベル時は、駆動電流がオフ(消灯)するように電流を制御する。MOSFET1104のゲートには、パルス信号伝送線1006が接続しており、パルス信号がHighの時にコンデンサ1106に充電された電圧を、MOSFET1102に受け渡す。MOSFET1107は、駆動部選択部1007から送信された駆動部セレクト信号(信号線1004より伝送)がゲートに接続されている。MOSFET1107は、受信した駆動部セレクト信号がHighの時にオンし、DAC1002から出力されたアナログ電圧(信号線1003より伝送)を、コンデンサ1106に充電する。本実施例においては、画像形成前のタイミングで、DAC1002はコンデンサ1106にアナログ電圧を設定し、画像形成期間中はMOSFET1107をオフ状態にすることで、電圧レベルを保持し続けるものとする。上記動作により、設定されたアナログ電圧と、パルス信号に応じてMOSFET1102は、駆動電流を発光素子602-11に供給する。発光素子602-11の入力容量が大きく、オフ時の応答速度が遅い場合は、MOSFET1103によりオフの速度を速めることが可能である。MOSFET1103のゲートには、インバータ1105によりパルス信号を論理反転させた信号が入力している。パルス信号がLowの時に、MOSFET1103のゲートはHighになり、発光素子602-11の入力容量に充電された電荷を強制的に放電する。
ここで、各発光素子列に対応するパルス信号生成部805-0~805-5に設定される遅延時間aとパルス幅bについて、具体的に説明する。本実施例において、各発光素子列に対応するパルス信号生成部805-0~805-5に設定される遅延時間aとパルス幅bは、図15に示す表図に従って設定が行われる。なお、図15に示す設定値は例示であり、これに限定されるものではなく、必要に応じて適宜設定されるべきものである。
図15において、対象回路は、図8に示す各発光素子列に対応するパルス信号生成部805-0~805-5である。また、遅延時間aの設定値、パルス幅bの設定値は、レジスタ部802からの信号であり、各発光素子列に対応するパルス信号生成部にそれぞれ設定される。この図15に示される各発光素子列に対応するパルス信号生成部805-0~805-5に設定される遅延時間aとパルス幅bは、以下の条件を満たすように値が決定されている。
条件1である遅延時間aは、発光素子列ですべて異なる値である。すなわち、各発光素子列に対応するパルス信号生成部805に設定される遅延時間aの設定値は、a0≠a1≠a2≠a3≠a4≠a5を満たす。図15に示す遅延時間aの設定値10は、発光素子列604-1に対応するパルス信号生成部805-0に設定される遅延時間aの設定値a0である。遅延時間aの設定値20は、発光素子列604-2に対応するパルス信号生成部805-1に設定される遅延時間aの設定値a1である。遅延時間aの設定値30は、発光素子列604-3に対応するパルス信号生成部805-2に設定される遅延時間aの設定値a2である。遅延時間aの設定値40は、発光素子列604-4に対応するパルス信号生成部805-3に設定される遅延時間aの設定値a3である。遅延時間aの設定値50は、発光素子列604-5に対応するパルス信号生成部805-4に設定される遅延時間aの設定値a4である。遅延時間aの設定値50は、発光素子列604-6に対応するパルス信号生成部805-5に設定される遅延時間aの設定値a5である。
条件2である遅延時間aとパルス幅bを加算した結果は、各発光素子列ですべて異なる値である。すなわち、各発光素子列に対応する遅延時間aの設定値とパルス幅bの設定値を加算した結果は、a0+b0≠a1+b1≠a2+b2≠a3+b3≠a4+b4≠a5+b5を満たす。なお、パルス幅bの設定値は、b0=b1=b2=b3=b4=b5を満たす。
条件1は、ライン同期信号の周期ごとに、各発光素子列の発光開始タイミングをずらすための条件である。これにより異なる発光素子列の発光素子が同時に点灯することがなくなる。
また、条件2は、ライン同期信号の周期ごとに、各発光素子列の発光終了タイミングをずらすための条件である。これにより異なる発光素子列の発光素子が同時に消灯することがなくなる。
以上のように、本実施例では、2次元に配列された発光素子をいくつかの領域(本実施例の場合、発光素子列を1つの領域として6つの領域)に分け、各領域の発光素子の発光開始タイミング、及び消灯タイミングをずらす。これにより、ライン同期信号の周期ごとの同時スイッチング数を減らし、スイッチングノイズを軽減することができる。
〔実施例2〕
実施例2に係る露光ヘッドを備えた画像形成装置について説明する。本実施例において、画像形成装置全体の構成、露光ヘッドの基本構成は、実施例1と同様である。本実施例では、発光素子アレイチップ400内のデジタル部800におけるパルス信号生成部1405とその信号線の接続が、実施例1とは異なる。本実施例では、実施例1と比べて異なる部分の説明を行う。
実施例1では、各発光素子列の発光素子で同じ露光位置に多重に露光して各ラインの画素を形成しているが、発光開始タイミング、消灯タイミングが各発光素子列で異なる。そのため、各ライン(発光素子列)の画素は、感光ドラム102の回転方向に対し潜像を形成する位置が異なる。具体的には、図18(a)に示すように、第1発光素子列604-1の発光素子で形成した潜像に対して、第2発光素子列604-2の発光素子で形成した潜像は、遅延時間である遅延設定値a0と遅延設定値a1の差分だけドラム回転方向の位置が異なる。そのため、多重露光による潜像がぼける可能性がある。
そこで本実施例では、第1発光素子列604-1で露光した露光位置を第2発光素子列604-2で多重露光する際に、以下のようにしている。
すなわち、第2発光素子列604-2で多重露光するライン同期信号の周期に、その直前のライン同期信号の周期にて第1発光素子列604-1に対して設定した第1遅延時間Tを基に、第2発光素子列604-2を発光させるためのパルス信号を設定している。
さらに、前記直前のライン同期信号の周期にて第1発光素子列604-1に対して設定した第1遅延時間Tとは異なる遅延時間を基に、第1発光素子列604-1を発光させるためのパルス信号を設定している。
図16~図20を用いて、具体的に説明する。
図16は実施例2における発光素子アレイチップ400内の回路ブロック図を示す。実施例1に比べて、発光素子アレイチップにおける各発光素子列に対応するパルス信号生成部(パルス信号生成回路)1405の構成が異なる。本実施例では、各発光素子列のパルス信号生成部1405-0~1405-5は、前段のパルス信号生成部にて設定された遅延時間信号が次段のパルス信号生成部に伝送されるように、前段のパルス信号生成部と次段のパルス信号生成部とが遅延時間信号を伝送する信号線で接続されている。すなわち、前段のパルス信号生成部であるパルス信号生成部1405-0が次段のパルス信号生成部であるパルス信号生成部1405-1と信号線で接続されている。同様に、パルス信号生成部1405-1が次段のパルス信号生成部1405-2と接続され、パルス信号生成部1405-2が次段のパルス信号生成部1405-3と接続され、パルス信号生成部1405-3が次段のパルス信号生成部1405-4と接続され、パルス信号生成部1405-4が次段のパルス信号生成部1405-5と接続されている。この遅延時間信号の詳細は後述する。
図17(a)はパルス信号生成部(パルス信号生成回路)1405のブロック図である。パルス信号生成部1405(1405-0~1405-5)は発光素子列604(604-1~604-6)毎に設けられている。パルス信号生成部1405(1405-0~1405-5)は発光素子列数と同数存在するが、その構造は全て同じである。
パルス信号生成部1405は、出力決定部903と、カウンタ部904とを含む。カウンタ部904、及び出力決定部903の動作は実施例1と同様の動作である。
さらにパルス信号生成部1405は、乱数生成部1501と、前段遅延時間記憶部1502と、を有する。乱数生成部1501は、ライン同期信号の周期ごとに異なる遅延時間を生成する遅延時間生成部である。前段遅延時間記憶部1502は、発光素子列に対して設定した遅延時間を記憶する遅延時間記憶部である。
実施例1のパルス信号生成部805では、図12(a)の遅延時間aはレジスタ部802からの信号であり、レジスタ部802で任意の値が設定可能となっている。本実施例では、この遅延時間aに該当する信号は遅延時間Tであり、この遅延時間Tは以下の2種類の信号から選択可能となっている。この遅延時間Tの選択は遅延時間選択sで決定される。遅延時間選択sはレジスタ部802からの信号であり、レジスタ部802を書き換えることにより選択が可能となっている。
この遅延時間Tとして選択される2種類の信号に関して説明する。2種類の信号のうち一方の信号は乱数生成部1501が生成する乱数である。この乱数は、乱数生成部1501で生成され、ライン同期信号がアサートされる毎に値が更新される。乱数の生成方法は、予めメモリに乱数を書き込み、順次読み出す方法や、シフトレジスタと排他的論理和で構成されるM系列を用いた擬似乱数として生成する方法、などで実施できる。2種類の信号のうち他方の信号は前段の遅延時間信号である。ここで前段とは、第1発光素子列で露光した露光位置に第2発光素子列で多重露光する場合、第2発光素子列に対応するパルス信号生成部から見た第1発光素子列に対応するパルス信号生成部が前段である。したがって、図12(a)に示すパルス信号生成部1405が、第2発光素子列に対応するパルス信号生成部1405-1である場合、前段遅延時間信号と、次段遅延時間信号は、以下のようになる。
前段遅延時間信号は、第2発光素子列に対応するパルス信号生成部1405-1に対しては、第1発光素子列に対応するパルス信号生成部1401-0が出力する次段遅延時間信号である。同様に、前段遅延時間信号は、第3発光素子列に対応するパルス信号生成部1401-2に対しては、第2発光素子列に対応するパルス信号生成部1401-1が出力する次段遅延時間信号である。前段遅延時間信号は、第4発光素子列に対応するパルス信号生成部1401-3に対しては、第3発光素子列に対応するパルス信号生成部1401-2が出力する次段遅延時間信号である。前段遅延時間信号は、第5発光素子列に対応するパルス信号生成部1401-4に対しては、第4発光素子列に対応するパルス信号生成部1401-3が出力する次段遅延時間信号である。前段遅延時間信号は、第6発光素子列に対応するパルス信号生成部1401-5に対しては、第5発光素子列に対応するパルス信号生成部1401-4が出力する次段遅延時間信号である。ただし、パルス信号生成部1401-0は前段がないため、遅延時間選択sを0とする。パルス信号生成部1405-1以降の各前段遅延時間記憶部502は、入力される前段遅延時間信号(次段遅延時間信号)、つまり遅延時間Tをライン同期信号の入力(周期)ごとに更新する。
この2種類の信号をレジスタ部802からの信号である遅延時間選択sで選択することで遅延時間Tを決定することができる。具体的には、遅延時間選択sが0の時は乱数生成部1501にて生成した乱数を、遅延時間選択sが1の時は前段遅延時間記憶部1502に記憶した前段遅延時間信号を、遅延時間Tとして選択する。本実施例においては遅延時間選択sの設定値、及びパルス幅bの設定値は図17(b)に示す。すなわち本実施例において、各発光素子列に対応するパルス信号生成部1405-0~1405-5に設定される遅延時間選択sとパルス幅bは、図17(b)に示す表図に従って設定が行われる。なお、図17(b)に示す設定値は例示であり、これに限定されるものではなく、必要に応じて適宜設定されるべきものである。
図17(b)において、対象回路は、図16に示す各発光素子列に対応するパルス信号生成部(パルス信号生成回路)1405-0~1405-5である。また、遅延時間選択sの設定値、パルス幅bの設定値は、レジスタ部からの信号であり、各発光素子列に対応するパルス信号生成部1405-0~1405-5にそれぞれ設定される。
図19(a)及び図19(b)を用いてパルス信号生成部の動作を説明する。図19(a)は本実施例における図16に示すパルス信号生成部1405-0のタイミングチャートである。パルス信号生成部1405-0は、前述したように出力決定部903と、カウンタ部904と、乱数生成部1501と、前段遅延時間記憶部1502と、を有する。
カウンタ部904ではクロックをカウントし、ライン同期信号周期cごと(図19(a)中タイミングC1,タイミングC2)にカウントをリセットする。
出力決定部903ではカウント、パルス幅b、および遅延時間Tに応じたパルス信号を生成する。カウンタ部904で生成したカウントがR1になるタイミング(図19(a)中タイミングA)で出力をHighとし、パルス幅bの時間だけ経過したカウントR1+bになるタイミング(図19(a)中タイミングB)で出力をLowとすることでパルス信号を生成する。
パルス幅bはレジスタ部802より送信されており、レジスタ部802を書き換えることによりそれぞれクロック周期単位で値を変更することが可能である。遅延時間Tはライン同期信号がアサートされる度に乱数が更新される。
次に各発光素子列に対応するパルス信号生成部1405-0~1405-5の各遅延時間Tについて説明する。図19(b)はパルス信号生成部1405-0~1405-5の各回路の遅延時間Tの動作を示したタイミングチャートである。前段がないパルス信号生成部1405-0の遅延時間Tはライン同期信号がアサートする度に乱数が生成される。図19(b)では、R0、R1、R2と順次乱数が生成され、遅延時間Tとして用いられる。一方、前段があるパルス信号生成部1405-1以降は前段の遅延時間Tが用いられるため、ライン同期信号がアサートされる度にシフトレジスタの動作を行うことになる。
すなわち、ライン同期信号の周期ごとに、前段のパルス信号生成部1405-0の遅延時間Tが、次段のパルス信号生成部1405-1の前段遅延時間記憶部1502に記憶される。そして、次のライン同期信号の入力により、前段遅延時間記憶部1502に記憶した遅延時間Tを基に、第2発光素子列を発光させるためのパルス信号が、パルス信号生成部1405-1にて生成される。前段がある他のパルス信号生成部についても同様に、直前の同期信号の周期にて前段の遅延時間Tが記憶され、次のライン同期信号の入力により、前段遅延時間記憶部1502に記憶した前段の遅延時間Tを基に、パルス信号が生成される。
本実施例での各発光素子列604-1~604-6の発光する区間の推移を図20(a)、図20(b)、及び図20(c)に示す。
図20(a)はN回目のライン同期信号が入力された場合の各発光素子列604-1~604-6の発光区間を表している。ライン同期信号が入力されると、発光素子列604-1に対応するパルス信号生成部1405-0の乱数生成部1501にて乱数が生成され(図中乱数1)、発光素子列604-1の遅延時間T(発光開始タイミング)が決定する。また、発光素子列604-1の遅延時間T(乱数1)は、次段の発光素子列604-2に対応するパルス信号生成部1405-1に送られ、パルス信号生成部1405-1の前段遅延時間記憶部1502に記憶される。そして、各パルス信号生成部は、発光素子列ごとに異なる開始タイミングの遅延時間を基に、図20(a)に示す各発光素子列を発光させるためのパルス信号を生成する。
次に図20(b)はN+1回目のライン同期信号が入力された場合の各発光素子列604-1~604-6の発光区間を表している。ライン同期信号が入力されると、発光素子列604-1に対応するパルス信号生成部1405-0の乱数生成部1501にて乱数が生成され(図中乱数2)、発光素子列604-1の遅延時間T(発光開始タイミング)が決定する。このとき、乱数は、N回目のライン同期信号の時の乱数1とは異なる乱数2に変更される。言い換えれば、乱数生成部1501は、直前のライン同期信号であるN回目のライン同期信号の周期にて発光素子列604-1に対して設定した遅延時間T(乱数1)とは異なる遅延時間(乱数2)を生成する。また、発光素子列604-2は、前段遅延時間記憶部1502に記憶された遅延時間Tが、遅延時間選択sの信号である設定値1により選択される。ここで、前段遅延時間記憶部1502に記憶された遅延時間Tは、直前のライン同期信号であるN回目のライン同期信号の周期にて発光素子列604-1に設定した遅延時間T(乱数1)である。そのため、発光素子列604-2に対応するパルス信号生成部1405-1は、N回目のライン同期信号の時の発光素子列604-1と同タイミングで点灯区間が決定される。なお、発光素子列604-1の遅延時間T(乱数2)は、次段の発光素子列604-2に対応するパルス信号生成部1405-1に送られ、パルス信号生成部1405-1の前段遅延時間記憶部1502に記憶される。また、発光素子列604-2の遅延時間T(乱数1)は、次段の発光素子列604-3に対応するパルス信号生成部1405-2に送られ、パルス信号生成部1405-2の前段遅延時間記憶部1502に記憶される。そして、各パルス信号生成部は、発光素子列ごとに異なる開始タイミングの遅延時間を基に、図20(b)に示す各発光素子列を発光させるためのパルス信号を生成する。
次に図20(c)はN+2回目のライン同期信号が入力された場合の各発光素子列604-1~604-6の発光区間を表している。ライン同期信号が入力されると、発光素子列604-1に対応するパルス信号生成部1405-0の乱数生成部1501にて乱数が生成され(図中乱数3)、発光素子列604-1の遅延時間T(発光開始タイミング)が決定する。このとき、乱数は、N回目のライン同期信号の時の乱数1と異なり、N+1回目のライン同期信号の時の乱数2とも異なる乱数3に変更される。なお、乱数生成部1501は、少なくとも、1つの発光素子アレイチップが有する発光素子列の列数分は、異なる乱数を生成する。また、発光素子列604-2は、前段遅延時間記憶部1502に記憶された遅延時間Tが、遅延時間選択sの信号である設定値1により選択される。ここで、前段遅延時間記憶部1502に記憶された遅延時間Tは、直前のライン同期信号であるN+1回目のライン同期信号の周期にて発光素子列604-1に設定した遅延時間T(乱数2)である。そのため、発光素子列604-2に対応するパルス信号生成部1405-1は、N+1回目のライン同期信号の時の発光素子列604-1と同タイミングで点灯区間が決定される。同様に、発光素子列604-3は、前段遅延時間記憶部1502に記憶された遅延時間Tが、遅延時間選択sの信号である設定値1により選択される。ここで、前段遅延時間記憶部1502に記憶された遅延時間Tは、直前のライン同期信号であるN+1回目のライン同期信号の周期にて発光素子列604-2に設定した遅延時間T(乱数1)である。そのため、発光素子列604-3に対応するパルス信号生成部1405-2は、N+1回目のライン同期信号の時の発光素子列604-2と同タイミングで点灯区間が決定される。なお、発光素子列604-1の遅延時間T(乱数3)は、次段の発光素子列604-2に対応するパルス信号生成部1405-1に送られ、パルス信号生成部1405-1の前段遅延時間記憶部1502に記憶される。また、発光素子列604-2の遅延時間T(乱数2)は、次段の発光素子列604-3に対応するパルス信号生成部1405-2に送られ、パルス信号生成部1405-2の前段遅延時間記憶部1502に記憶される。また、発光素子列604-3の遅延時間T(乱数1)は、次段の発光素子列604-4に対応するパルス信号生成部1405-3に送られ、パルス信号生成部1405-3の前段遅延時間記憶部1502に記憶される。そして、各パルス信号生成部は、発光素子列ごとに異なる開始タイミングの遅延時間を基に、図20(c)に示す各発光素子列を発光させるためのパルス信号を生成する。
このようにすることで、発光素子列毎に発光タイミング、消灯タイミングを変更しながらも、各ライン(発光素子列)の画素は、感光ドラム102の回転方向に対し潜像を形成する位置が同一位置になる。具体的には、図18(b)に示すように、第1発光素子列604-1の発光素子で形成した潜像に対して、第2発光素子列604-2の発光素子で形成した潜像は、遅延時間が同じであるため、ドラム回転方向の露光位置が同一位置になる。これにより、多重露光による潜像のぼけを抑制でき、よりエッジの立った潜像を形成することが可能となる。
102 …感光ドラム
106 …露光ヘッド
201 …発光素子群
202 …プリント基板
400 …発光素子アレイチップ
604 …発光素子列
700 …画像コントローラ部
703 …CPU
710 …ヘッド情報格納部
800 …デジタル部
801 …通信IF部
802 …レジスタ部
803 …チップセレクト信号生成部
804 …画像データ格納部
805 …パルス信号生成部
806 …アナログ部
807 …点灯制御部
903 …出力決定部
904 …カウンタ部
1501 …乱数生成部
1502 …前段遅延時間記憶部

Claims (6)

  1. 感光体と、
    前記感光体の回転軸線方向である第1の方向に沿って配置した複数の発光素子から形成される第1発光素子列と、前記第1の方向に沿って配置した複数の発光素子から形成される第2発光素子列とを前記第1の方向と直交する第2の方向に順に配置したチップを有し、前記感光体に対して前記第1発光素子列で露光した露光位置を前記第2発光素子列で多重露光する露光装置と、
    前記露光装置に対して、前記露光装置を制御するための信号を送信するコントローラと、
    を備え、
    前記露光装置は、
    ライン同期信号の入力タイミングから発光を開始する第1開始タイミングまでの第1遅延時間と、前記第1開始タイミングから前記ライン同期信号の次のライン同期信号の入力タイミングまでに前記発光を終了する第1終了タイミングまでの第1パルス幅とを基に前記第1発光素子列を発光させるための第1パルス信号を設定し、
    ライン同期信号の入力タイミングから発光を開始する第2開始タイミングまでの前記第1遅延時間とは異なる第2遅延時間と、前記第2開始タイミングから前記ライン同期信号の次のライン同期信号の入力タイミングまでに前記発光を終了する第2終了タイミングまでの前記第1パルス幅と同じ第2パルス幅とを基に前記第2発光素子列を発光させるための第2パルス信号を設定し、
    設定にしたがって各発光素子列の発光を開始し、終了する、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記発光素子列ごとの設定値は、第1遅延時間をa0、第1パルス幅をb0とし、第2遅延時間をa1、第2パルス幅をb1としたとき、a0≠a1、b0=b1、a0+b0≠a1+b1を満たす、
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記露光装置は、ライン同期信号の入力タイミングから発光を開始する開始タイミングまでの遅延時間と、前記開始タイミングから前記発光を終了する終了タイミングまでのパルス幅とを基に発光素子列を発光させるためのパルス信号を生成するパルス信号生成部を有し、
    前記パルス信号生成部は、ライン同期信号の入力タイミングから発光を開始する第1開始タイミングまでの第1遅延時間と、前記第1開始タイミングから前記ライン同期信号の次のライン同期信号の入力タイミングまでに前記発光を終了する第1終了タイミングまでの第1パルス幅とを基に前記第1発光素子列を発光させるための第1パルス信号を生成し、ライン同期信号の入力タイミングから発光を開始する第2開始タイミングまでの前記第1遅延時間とは異なる第2遅延時間と、前記第2開始タイミングから前記ライン同期信号の次のライン同期信号の入力タイミングまでに前記発光を終了する第2終了タイミングまでの前記第1パルス幅と同じ第2パルス幅とを基に前記第2発光素子列を発光させるための第2パルス信号を生成する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記露光装置は、
    前記第1発光素子列で露光した露光位置を前記第2発光素子列で多重露光するライン同期信号の周期に、
    その直前のライン同期信号の周期にて前記第1発光素子列に対して設定した第1遅延時間を基に前記第2発光素子列を発光させるためのパルス信号を設定し、
    前記直前のライン同期信号の周期にて前記第1発光素子列に対して設定した第1遅延時間とは異なる遅延時間を基に前記第1発光素子列を発光させるためのパルス信号を設定する、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記露光装置は、
    ライン同期信号の周期ごとに異なる遅延時間を生成する遅延時間生成部と、
    発光素子列に対して設定した遅延時間を記憶する遅延時間記憶部と、を有し、
    前記遅延時間記憶部に記憶した、前記直前のライン同期信号の周期にて前記第1発光素子列に対して設定した第1遅延時間を基に前記第2発光素子列を発光させるためのパルス信号を設定し、
    前記遅延時間生成部により生成した、前記直前のライン同期信号の周期にて前記第1発光素子列に対して設定した第1遅延時間とは異なる遅延時間を基に前記第1発光素子列を発光させるためのパルス信号を設定する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記遅延時間生成部は、擬似乱数を用いてライン同期信号の周期ごとに異なる遅延時間を生成する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
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