JP2023023772A - 電流キャンセル装置およびインピーダンス測定装置 - Google Patents

電流キャンセル装置およびインピーダンス測定装置 Download PDF

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博之 戸谷
Hiroyuki Toya
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真 笠井
Makoto Kasai
智春 坂井
Tomoharu Sakai
浩一 柳沢
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Abstract

【課題】負荷に接続されている負荷接続ラインを流れる電流成分のレベルを低減すると共に負荷接続ラインに供給する交流信号のレベルを大きくしたときに負荷の故障を回避する。【解決手段】負荷Loadに接続されている負荷接続ラインLを流れる電流成分を負荷接続ラインLに対して非接触で検出する非接触型電流センサ3と、非接触型電流センサ3によって検出されるノイズ信号Snをキャンセルするキャンセル信号Skを生成すると共に生成したキャンセル信号Skを負荷接続ラインLに対して非接触で注入するキャンセル信号注入部4とを備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、負荷に接続されている負荷接続ラインを流れる電流成分をキャンセルする電流キャンセル装置、およびその電流キャンセル装置を備えて負荷接続ラインに直列接続されている測定対象のインピーダンスを測定するインピーダンス測定装置に関するものである。
この種のインピーダンス測定装置として、下記の特許文献に開示された電池用内部インピーダンス測定装置(以下、「測定装置」ともいう)が知られている。この測定装置は、交流電源供給部、交流電圧検出部、交流電流検出部および演算制御部を備え、一対の電源ラインを介して接続された負荷に直流電流を供給している状態における二次電池の内部インピーダンスを測定可能に構成されている。
この測定装置では、交流電流供給部が、二次電池に対して測定用の交流電流を供給する。この際に、交流電圧検出部が、交流電流の供給時における二次電池の両端子間に発生する交流電圧を検出し、交流電流検出部が、交流電流の供給時における二次電池に流れる交流電流を検出する。次いで、演算制御部が、交流電圧検出部によって検出された交流電圧と交流電流検出部によって検出された交流電流とに基づいて二次電池の内部インピーダンスを算出する。したがって、この測定装置では、導体で形成されている一対の電源ラインに測定用の交流信号が供給されている状態において、一対の電源ラインに直列接続されている測定対象としての二次電池のインピーダンスを測定することが可能となっている。
特開2004-251625号公報(第3-7頁、第1図)
ところが、上記の測定装置には、以下のような課題が存在する。具体的には、スイッチング電源装置などのスイッチングノイズを発生する装置を負荷としたときに、その負荷と二次電池とを接続する接続ライン(負荷接続ライン)にスイッチングノイズが重畳して、そのスイッチングノイズが二次電池内を通過する。その際には、交流電流検出部が二次電池を流れる交流電流だけでなくスイッチングノイズも検出し、交流電圧検出部も、交流電流が流れることによる電圧だけでなく、スイッチングノイズも検出することになるため、二次電池のインピーダンスを測定する測定精度が低下する。このため、この測定精度の低下を改善すべきとの要請が存在する。また、インピーダンス測定の測定精度を高めるべく、測定用の交流信号のレベルを大きくしたときには、耐圧の低い回路素子などを負荷としたときに、大きな電流値の交流信号が負荷を通過した際に、負荷を故障させるおそれがある。このため、この負荷の故障を回避すべきとの要請も存在する。
本発明は、かかる改善すべき課題に鑑みてなされたものであり、負荷に接続されている負荷接続ラインを流れる電流成分のレベルを低減すると共に負荷接続ラインに供給する交流信号のレベルを大きくしたときに負荷の故障を回避し得る電流キャンセル装置、およびそのような電流キャンセル装置を備えて負荷接続ラインに直列接続されている測定対象のインピーダンスを確実かつ正確に測定するインピーダンス測定装置を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明に係る電流キャンセル装置は、負荷に接続されている負荷接続ラインを流れる電流成分を当該負荷接続ラインに対して非接触で検出する電流成分検出部と、前記電流成分検出部によって検出される前記電流成分をキャンセルするキャンセル信号を生成すると共に当該生成したキャンセル信号を前記負荷接続ラインに対して非接触で注入するキャンセル信号注入部とを備えている。
この電流キャンセル装置によれば、負荷においてスイッチングノイズが発生していたとしても、負荷接続ラインを流れるノイズ電流を十分に低減させることができる。また、この電流キャンセル装置によれば、負荷接続ラインに大きな電流が流れたとしても、負荷接続ラインを流れる電流を十分に低減させるため、大きな電流値の電流が流れることに起因する負荷の故障を回避することができる。
また、本発明に係る電流キャンセル装置は、前記キャンセル信号注入部は、前記キャンセル信号を生成するキャンセル信号生成回路と、前記キャンセル信号生成回路によって生成された前記キャンセル信号を前記負荷接続ラインに注入する注入回路とを備えて構成され、前記キャンセル信号生成回路は、前記電流成分検出部によって検出された前記電流成分を増幅すると共に位相調整して前記キャンセル信号として前記注入回路に出力する。
この電流キャンセル装置によれば、例えば、発振器を備えて、電流成分検出部によって検出された電流成分とは逆位相で同じ信号レベルのキャンセル信号を発振器で生成する構成と比較して、簡易な構成でありながら、負荷接続ライン上の電流成分を確実にキャンセルすることができる。
また、本発明に係る電流キャンセル装置は、前記注入回路は、前記負荷接続ラインが挿通される環状の第1の磁気コアと、前記第1の磁気コアに巻回された第1の巻線とで構成されて、前記キャンセル信号生成回路によって生成された前記キャンセル信号が前記巻線の両端に供給されることで前記キャンセル信号を注入する。この電流キャンセル装置によれば、簡易な構成でありながら、負荷接続ライン上の電流成分を確実にキャンセルすることができる。
また、本発明に係る電流キャンセル装置は、前記第1の磁気コアは、ギャップが設けられている。この電流キャンセル装置によれば、第1の磁気コアにギャップを設けたことにより、負荷接続ラインに注入するキャンセル信号のレベルを大きくしたとしても第1の磁気コアの磁気飽和を有効に回避することができる。
また、本発明に係る電流キャンセル装置は、前記キャンセル信号注入部は、前記キャンセル信号を生成するキャンセル信号生成回路と、前記キャンセル信号生成回路によって生成された前記キャンセル信号を前記負荷接続ラインに注入する注入回路とを備えて構成され、前記注入回路は、前記負荷接続ラインが挿通される空芯コイルで構成され、前記キャンセル信号生成回路によって生成された前記キャンセル信号が前記空芯コイルの両端に供給されることで前記負荷接続ラインに前記キャンセル信号を注入する。この電流キャンセル装置によれば、簡易な構成でありながら、キャンセル信号を負荷接続ラインに確実に注入することができる。
また、本発明に係るインピーダンス測定装置は、上記の電流キャンセル装置を備えて、前記負荷接続ラインに直列接続されている測定対象のインピーダンスを測定するインピーダンス測定装置であって、測定用の交流信号を生成すると共に前記測定対象に前記交流信号を供給する測定用信号供給部と、前記測定対象の両端に生じている前記交流電圧の電圧値を当該両端に接触して検出して電圧検出信号を出力する電圧検出部と、前記電圧検出信号を入力すると共に前記測定用信号供給部から前記測定対象に供給される前記交流信号の電流値および当該当該電圧検出信号によって示される前記交流電圧の電圧値に基づいて前記測定対象のインピーダンスを測定する処理部とを備えて構成されている。
このインピーダンス測定装置によれば、電流検出信号および電圧検出信号に対する電流成分の影響が回避されるため、電流検出信号や電圧検出信号の雑音レベル(N)に対する信号レベル(S)の比率(S/N)を高めることができ、これにより、処理部によって行われるインピーダンスの演算処理(測定処理)において、精度良くインピーダンスを測定することができる。また、このインピーダンス測定装置によれば、負荷接続ラインに供給する交流信号のレベル(交流電流の電流値)を大きくしたとしても、電流キャンセル装置が、第1の閉ループを流れる交流電流を十分に低減させるため、大きな電流値の交流電流が流れることに起因する負荷の故障を回避することができる。
また、本発明に係るインピーダンス測定装置は、前記測定対象および前記負荷が前記負荷接続ラインで接続されて閉ループを形成し、前記測定用信号供給部は、前記測定対象の両端間に前記交流電流を供給する。このインピーダンス測定装置によれば、簡易な構成のため、安価にインピーダンス測定装置を構成することができる。
また、本発明に係るインピーダンス測定装置は、前記測定対象は電池であって、前記測定用信号供給部は、前記電池の畜電力を交流変換する交流電子負荷で構成されると共に当該交流変換によって生成される交流信号を前記測定用の交流信号として供給し、前記測定対象および前記測定用信号供給部は接続ラインで接続されて第1の閉ループを形成し、かつ前記測定用信号供給部および前記負荷は接続ラインで接続されて第2の閉ループを形成し、前記電流キャンセル装置は、前記第1の閉ループを形成する前記接続ラインと前記第2の閉ループを形成する前記接続ラインとの2つの接続点を結び、かつ前記第2の閉ループを形成する前記接続ラインを前記負荷接続ラインとして前記キャンセル信号を注入する。
このインピーダンス測定装置によれば、交流電子負荷によって交流信号の信号レベルを高めることができるため、電流検出信号や電圧検出信号の雑音レベル(N)に対する信号レベル(S)の比率(S/N)を高めることができる結果、処理部によって行われるインピーダンスの演算処理(測定処理)において、精度良くインピーダンスを測定することができる。
また、本発明に係るインピーダンス測定装置は、前記測定用信号供給部は、前記交流信号を生成するバイポーラ電源で構成され、前記測定対象および前記測定用信号供給部は接続ラインで接続されて第1の閉ループを形成し、かつ前記測定用信号供給部および前記負荷は接続ラインで接続されて第2の閉ループを形成し、前記電流キャンセル装置は、前記第1の閉ループを形成する前記接続ラインと前記第2の閉ループを形成する前記接続ラインとの2つの接続点を結び、かつ前記第2の閉ループを形成する前記接続ラインを前記負荷接続ラインとして前記キャンセル信号を注入する。
このインピーダンス測定装置によれば、交流バイポーラ電源によって交流信号の信号レベルを高めることができるため、電流検出信号や電圧検出信号の雑音レベル(N)に対する信号レベル(S)の比率(S/N)を高めることができる結果、処理部によって行われるインピーダンスの演算処理(測定処理)において、精度良くインピーダンスを測定することができる。
また、本発明に係るインピーダンス測定装置は、バイパスコンデンサを備え、前記測定対象および前記バイパスコンデンサは接続ラインで接続されて第1の閉ループを形成し、かつ前記バイパスコンデンサおよび前記負荷は接続ラインで接続されて第2の閉ループを形成し、前記電流キャンセル装置は、前記第1の閉ループを形成する前記接続ラインと前記第2の閉ループを形成する前記接続ラインとの2つの接続点を結び、かつ前記第2の閉ループを形成する前記接続ラインを前記負荷接続ラインとして前記キャンセル信号を注入する。
このインピーダンス測定装置によれば、バイパスコンデンサが、第1の閉ループを流れる電流成分を十分に低減させるため、電流検出信号および電圧検出信号に対する電流成分の影響が確実に回避される結果、処理部によって行われるインピーダンスの演算処理(測定処理)において、より精度良くインピーダンスを測定することができる。また、このインピーダンス測定装置によれば、バイパスコンデンサが2つの接続点の間を交流的に殆ど短絡した状態として交流電流を第2閉ループにだけ流すため、測定対象内に供給する交流電流の電流値を大きくすることができる結果、処理部によって行われるインピーダンスの演算処理(測定処理)において、雑音レベル(N)に対する信号レベル(S)の比率(S/N)を高めて、より精度良くインピーダンスを測定することができる。
また、本発明に係るインピーダンス測定装置は、前記測定用信号供給部は、前記2つの接続点を結び、かつ前記第1の閉ループを形成する前記接続ラインに対して非接触で前記交流信号を供給する。
また、本発明に係るインピーダンス測定装置は、前記測定用信号供給部は、前記交流信号を生成する交流信号生成回路と、前記交流信号生成回路によって生成された前記交流信号を供給する供給回路とを備え、前記供給回路は、前記2つの接続点を結び、かつ前記第1の閉ループを形成する前記接続ラインが挿通される環状の第2の磁気コアと、前記第2の磁気コアに巻回された第2の巻線とで構成されて、前記交流信号生成回路によって生成された前記交流信号が前記第2の巻線の両端に供給されることで前記交流信号を供給する。
上記のインピーダンス測定装置によれば、第1の閉ループを形成する接続ラインを絶縁被覆電線で構成した場合であっても、絶縁被覆電線の被覆を剥がすことなく交流信号を供給することができる。
また、本発明に係るインピーダンス測定装置は、前記第2の磁気コアは、ギャップが設けられている。このインピーダンス測定装置によれば、第2の磁気コアにギャップを設けたことにより、負荷接続ラインに供給する交流信号のレベル(交流電流の電流値)を大きくしたとしても、第2の磁気コアの磁気飽和を有効に回避することができる。
また、本発明に係るインピーダンス測定装置は、前記測定用信号供給部は、前記交流信号を生成する交流信号生成回路と、前記交流信号生成回路によって生成された前記交流信号を供給する供給回路とを備えて構成され、前記供給回路は、前記2つの接続点を結び、かつ前記第1の閉ループを形成する前記接続ラインが挿通される空芯コイルで構成され、前記交流信号生成回路によって生成された前記交流信号が前記空芯コイルの両端に供給されることで前記測定対象に前記交流信号を供給する。このインピーダンス測定装置によれば、簡易な構成でありながら、交流信号を負荷接続ラインに確実に供給することができる。
また、本発明に係るインピーダンス測定装置は、前記測定用信号供給部は、前記測定対象の両端間に前記交流電流を供給する。このインピーダンス測定装置によれば、簡易な構成のため、安価にインピーダンス測定装置を構成することができる。
また、本発明に係るインピーダンス測定装置は、前記測定対象に供給される前記交流信号の前記電流値を検出して電流検出信号として前記処理部に出力する電流検出部を備え、前記処理部は、前記交流信号を入力すると共に前記電流検出信号を直交検波して交流電流の同相成分および直交成分を生成する第1直交検波回路と、前記交流信号を入力すると共に前記電圧検出信号を直交検波して交流電圧の同相成分および直交成分を生成する第2直交検波回路と、前記第1直交検波回路から出力される前記交流電流の同相成分および直交成分と、前記第2直交検波回路から出力される前記交流電圧の同相成分および直交成分とに基づいて前記測定対象のインピーダンスを演算する演算回路とを備えている。
このインピーダンス測定装置によれば、負荷接続ラインに供給された交流信号の信号レベルが小さいときであっても、ノイズレベル(N)に対する信号レベル(S)の比率(S/N)を高めて精度良くインピーダンスを測定することができる。
また、本発明に係るインピーダンス測定装置は、前記電流キャンセル装置の前記キャンセル信号注入部は、終段としてのD級増幅回路を備え、当該D級増幅回路によって増幅した前記キャンセル信号を注入し、前記電流検出部によって検出された前記電流検出信号をアナログディジタル変換して電流データとして前記処理部に出力するA/D変換回路、および前記電圧検出部によって検出された電圧検出信号をアナログディジタル変換して電圧データとして前記処理部に出力するA/D変換回路を備え、前記各A/D変換回路は、前記測定用信号供給部の前記D級増幅回路の動作クロックと共通の動作クロックに同期して前記アナログディジタル変換を実行する。
このインピーダンス測定装置によれば、D級増幅回路の動作クロックが負荷接続ラインに重畳したり電波伝搬したりしたとしても、動作クロックに起因するノイズが各A/D変換回路によって十分に低減されるため、処理部によって行われるインピーダンスの演算処理(測定処理)において、さらに精度良くインピーダンスを測定することができる。
本発明に係る電流キャンセル装置によれば、負荷に接続されている負荷接続ラインを流れる電流成分のレベルを低減すると共に負荷接続ラインに供給する交流信号のレベルを大きくしたときに負荷の故障を回避することができる。また、本発明に係るインピーダンス測定装置によれば、そのような電流キャンセル装置を備えたことにより、負荷接続ラインに直列接続されている測定対象のインピーダンスを確実かつ正確に測定することができる。
インピーダンス測定装置1の構成を示す構成図である。 インピーダンス測定装置1の他の構成を示す構成図である。 キャンセル信号注入部4によるノイズ信号Snをキャンセルする能力を示す周波数特性図である。 インピーダンス測定装置1Aの構成を示す構成図である。 インピーダンス測定装置1Bの構成を示す構成図である。 インピーダンス測定装置1Cの構成を示す構成図である。 インピーダンス測定装置1Dの構成を示す構成図である。 注入回路44Aの構成を示す構成図である。 注入回路25Aの構成を示す構成図である。
以下、電流キャンセル装置およびインピーダンス測定装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
図1に示すインピーダンス測定装置1は、「電流キャンセル装置(本例では、電流キャンセル装置10)」を備えた「インピーダンス測定装置」の一例であって、例えば、負荷Loadが測定対象に接続されて閉ループLo1の状態となっているときの測定対象としての電池(バッテリー)Batのインピーダンス(本例では、内部インピーダンスZb)を測定可能に構成されている。この場合、測定対象の具体例としては、例えば、電池の両端電圧がDC650V程度と高い電圧の燃料電池車(FCV:Fuel Cell Vehicle)などに用いられる電池Bat(電池の一例)が挙げられる。また、インピーダンス測定装置1は、電池Batに正弦波信号である後述の交流信号Sacを供給してその周波数応答を測定可能なFRA(Frequency Response Analyzer )として構成されて、高精度なインピーダンス測定が可能となっている。
以下、例えば、回転時に電気ノイズを発生する燃料電池車のモータを負荷Loadとして、例えば導体である芯線が絶縁被覆された絶縁被覆ケーブル、エナメル線、および絶縁被覆されていない電線などの導体で形成されたパワーライン(以下、「負荷接続ラインL」ともいう)で電池Batと負荷Loadとを接続した状態で、電池Batの内部インピーダンスZbを測定する例について説明する。なお、電池Batは複数の電池セルを直列接続して構成されているが、図1では、全体として1つの電池で図示している。
インピーダンス測定装置1は、測定部2、非接触型電流センサ3、キャンセル信号注入部4、処理部5および出力部6を備えて構成されている。この場合、非接触型電流センサ3およびキャンセル信号注入部4によって電流キャンセル装置10が構成される。
測定部2は、交流電流供給回路21、交流電圧検出回路22、接触型の一対のプローブP1,P2および接触型の一対のプローブP3,P4を備えて構成されている。この場合、交流電流供給回路21は、「測定用信号供給部」および「電流検出部」を構成し、測定用の交流信号Sacを生成すると共に測定対象としての電池Batの両端にプローブP1,P2を介して交流信号Sacを印加することにより、電池Batおよび負荷Loadからなる閉ループLo1内、並びに電池Batおよび交流電流供給回路21からなる閉ループLo2内に交流電流Iacを供給する。また、交流電流供給回路21は、交流信号Sacの信号レベルおよび周波数を処理部5から出力される制御信号によって制御されて周波数をスイープ(例えば、1Hz~10MHz)させる。ただし、周波数のスイープは必須ではなく、スイープが不要の場合には、固定周波数の交流信号Sacを生成する構成を交流電流供給回路21に適用することもできる。また、交流電流供給回路21は、交流信号Sacの電圧値、周波数および位相を示す基準信号としての交流基準信号Srを出力する。また、交流電流供給回路21は、内部に備えたカレントトランスや電流検出用抵抗などにより、電池Bat(閉ループLo2)に流れている交流電流Iacを検出して、交流電流Iacの電流値、周波数および位相を示す電流検出信号S1を出力する。交流電圧検出回路22は、交流電流供給回路21から交流電流Iacが供給されているときに電池Batの両端に発生する両端電圧をプローブP3,P4を介して検出して、両端電圧の電圧値、周波数および位相を示す電圧検出信号S2として出力する。
非接触型電流センサ3は、いわゆるクランプ型の電流センサであって、非接触型の電流成分検出部として機能する。この非接触型電流センサ5は、負荷接続ラインLを流れる交流の電流成分を負荷接続ラインL(負荷接続ラインLの芯線(導線))に対して非接触で検出して、検出した電流成分をノイズ信号Snとしてキャンセル信号注入部4に出力する。具体的には、非接触型電流センサ5は、図1に示すように、図示しない半環状のケース内に、一対の磁気コア3a,3a、磁気コア3a,3aに巻回されて絶縁被覆電線で構成される1本の巻線、および電流検出回路を備えて構成されている。なお、同図では、巻線および電流検出回路の図示を省略している。この非接触型電流センサ5では、一対の磁気コア3a,3aが開閉可能に構成されており、負荷接続ラインLをクランプする際には、図外の操作スイッチを操作することで開状態にした磁気コア3a,3aの開口部位から負荷接続ラインLを進入させ、その後に、操作スイッチを操作して磁気コア3a,3aを閉状態(円環状)にすることで、磁気コア3a,3aによって負荷接続ラインLがクランプされる。負荷接続ラインLをクランプした状態では、負荷接続ラインLを流れる電流成分の大きさに応じて大きさが変化する磁束が磁気コア3a,3aに発生し、その磁束の大きさに応じて大きさが変化する電流が巻線から出力される。電流検出回路は、巻線から出力された電流を電圧に変換することによってノイズ信号Snを生成してキャンセル信号注入部4に出力する。
キャンセル信号注入部4は、増幅回路41、位相調整回路42、反転増幅回路43および注入回路44を備えて構成され、負荷接続ラインLを流れている電流成分をキャンセルするキャンセル信号Skを生成すると共に生成したキャンセル信号Skを負荷接続ラインLに対して非接触で注入する。この場合、増幅回路41、位相調整回路42および反転増幅回路43によって「キャンセル信号生成回路」が構成される。増幅回路41は、非接触型電流センサ3から出力されたノイズ信号Snを所定の利得で増幅して位相調整回路42に出力する。位相調整回路42は、入力したノイズ信号Snの位相を調整して、負荷接続ラインLを流れている電流成分と同じ位相となるようにノイズ信号Snの位相を調整して反転増幅回路43に出力する。具体的には、位相調整回路42は、入力したノイズ信号Snの信号レベルが最小となるように、ノイズ信号Snの位相を調整する。反転増幅回路43は、処理部5から出力されるクロック信号CL2に同期して作動するD級増幅回路が出力段に配置されて構成され、入力したノイズ信号Snを所定の利得でD級増幅すると共に反転増幅して注入回路44にキャンセル信号Skとして出力する。なお、反転増幅回路43および位相調整回路42の各利得は、負荷接続ラインL上を流れる電流成分の大きさと、非接触型電流センサ3によって検出された電流成分(ノイズ信号Sn)を位相調整回路42、反転増幅回路43および反転増幅回路43と通過して、注入回路44から負荷接続ラインLに注入されたときのキャンセル信号Skの大きさとが等しくなるように予め規定されている。また、反転増幅回路43には、後述するクロック信号CL2が処理部5から供給されており、このクロック信号CL2に同期してD級増幅動作を行う。したがって、反転増幅回路43は、終段としてのD級増幅回路を備えたことにより、負荷変動に対してもキャンセル信号Skの信号レベルを必要レベルに維持することができる。
また、「キャンセル信号生成回路」は、図3に示すように、直流電圧よりもやや高い周波数から、測定用の交流信号Sacよりも高い周波数までの範囲で、ほぼフラットな周波数特性となるように、広い周波数帯域に亘ってノイズ信号Snを検出すると共にノイズ信号Snをキャンセル可能なキャンセル信号Skを生成する能力を有している。なお、本例とは異なる構成として、反転増幅回路43に代えて非反転増幅回路を備え、位相調整回路42が負荷接続ラインLを流れている電流成分と逆位相となるようにノイズ信号Snの位相を調整する構成を採用することもできる。また、キャンセル信号注入部4において、各回路での必要な利得が確保されている場合には、増幅回路41の配設を省くことができる。
注入回路44は、第1の磁気コアとしての磁気コアMc1、および磁気コアMc1に巻回された第1の巻線としての巻線W1を備えて構成されて、反転増幅回路43から出力されたキャンセル信号Skに基づくキャンセル電流Ikを負荷接続ラインLの芯線に対して非接触で注入する。磁気コアMc1は、例えば、フェライト、パーマロイ、パーメンジュール、ケイ素鋼板および純鉄などの材料を用いて、負荷接続ラインLを挿通可能に、円形状、楕円形状、矩形状および多角形状状などの環状に形成されている。なお、磁気コアMc1には、ギャップG1が設けられており、磁気コアMc1の磁気飽和がし難くなっている。また、磁気コアMc1については、分割可能なクランプ型の構成を採用することもできる。この注入回路44では、巻線W1の両端にキャンセル信号Skを印加することにより、トランス方式(巻線W1が複数ターンの一次巻線で負荷接続ラインLが1ターンの二次巻線)でキャンセル信号Skを負荷接続ラインLに注入する。この際には、キャンセル信号Skに基づく電流が巻線W1を流れて、キャンセル信号Skに基づく磁束が磁気コアMc1に発生すると共にその磁束の大きさに応じた電流値のキャンセル電流Ikがノーマルモード信号として負荷接続ラインLに注入される(供給される)。
処理部5は、例えば、CPUで構成されて、図2に示すように、A/D変換回路51~53、移相回路54、直交検波回路55,56、演算回路57、内部メモリ58およびクロック生成回路59を備えて構成され、電流検出信号S1および電圧検出信号S2を入力すると共に電流検出信号S1および電圧検出信号S2に基づいて測定対象である電池Batの内部インピーダンスZbを測定する。この場合、A/D変換回路51は、交流電流供給回路21から出力された交流基準信号Srを入力すると共にA/D変換(アナログ/デジタル変換)して正弦波の交流信号Sacの電圧値、周波数および位相を示す信号データD11(sinωt)を移相回路54および直交検波回路55,56に出力する。A/D変換回路52は、交流電流供給回路21から出力された電流検出信号S1を入力すると共にA/D変換して電流検出信号S1(交流電流Iac)の電流値、周波数および位相を示す信号データD12を直交検波回路55に出力する。A/D変換回路53は、交流電圧検出回路22から出力された電圧検出信号S2を入力すると共にA/D変換して電圧検出信号S2の電圧値、周波数および位相を示す信号データD13を直交検波回路56に出力する。
移相回路54は、A/D変換回路51から出力された信号データD11(sinωt)を入力すると共に信号データD11で示される正弦波信号である交流信号Sacの位相を90°移相させて余弦波信号を生成すると共にその余弦波信号の電流値、周波数および位相を示す信号データD11(cosωt)を生成して直交検波回路55,56に出力する。直交検波回路55は、A/D変換回路52から出力された電流検出信号S1(交流電流Iacの交流電流値)を示す信号データD12を入力すると共に、A/D変換回路51から出力された正弦波の交流信号Sacを示す信号データD11(sinωt)および移相回路54から出力された余弦波の交流信号Sacを示す信号データD11(cosωt)で信号データD12を直交検波して、交流電流Iacの電流値の同相成分(I成分:In-phse 成分)および直交成分(Q成分:Quadrature 成分)を複素数で示す電流データDiを生成して演算回路57に出力する。直交検波回路56は、A/D変換回路53から出力された電圧検出信号S2(交流電流Iacが流れることに起因して電池Batの両端に発生する交流電圧の電圧値)を示す信号データD13を入力すると共に、A/D変換回路51から出力された正弦波の交流信号Sacを示す信号データD11(sinωt)および移相回路54から出力された余弦波の交流信号Sacを示す信号データD11(cosωt)で信号データD13を直交検波して、電圧検出信号S2の電圧値の同相成分(I成分:In-phse 成分)および直交成分(Q成分:Quadrature 成分)を複素数で示す電圧データDvを生成して演算回路57に出力する。
演算回路57は、直交検波回路55から出力された電流データDiを入力すると共に直交検波回路56から出力された電圧データDvを入力して、電流データDiおよび電圧データDvに基づいて電池Batの内部インピーダンスZbを演算する。また、演算回路57は、演算結果としての電池Batの内部インピーダンスZbを示すインピーダンスデータDzを内部メモリ58に出力して記憶させると共に出力部6に出力する。また、内部メモリ58は、半導体メモリやハードディスク装置などで構成されて、インピーダンスデータDzなどを記憶する。また、クロック生成回路59は、各A/D変換回路51~53の動作クロックとしてのクロック信号CL1を生成して出力すると共にキャンセル信号注入部4の反転増幅回路43における終段のD級増幅回路の動作クロックとしてのクロック信号CL2を生成して出力する。この場合、クロック生成回路59は、クロック信号CL1およびクロック信号CL2について、いずれか一方に対して他方がN(Nは1以上の整数)倍でかつ互いに同期するように生成する。
出力部6は、一例として、液晶パネルや有機ELパネルなどの表示装置(ディスプレイ)で構成されて、処理部5から出力されたインピーダンスデータDzを入力して電池Batの内部インピーダンスZbを画面上に表示する。なお、出力部6は、表示装置に代えて、外部装置とデータ通信を行うインターフェース装置で構成して、この外部装置にインピーダンスデータDzを出力する構成を採用することもできる。
次に、インピーダンス測定装置1による測定対象としての電池Batの内部インピーダンスZbを測定する測定処理について添付図面を参照して説明する。
最初に、注入回路44に負荷接続ラインLを挿通すると共に電池Batと負荷Loadとを負荷接続ラインLで接続する。この状態で負荷Loadが作動したときには、図1に示すように、電池Batから負荷接続ラインLを介して負荷Loadに直流電流Ibが流れる。この状態において、負荷接続ラインLに非接触型電流センサ3をクランプさせると共に電池Batの両端にプローブP1~P4を接触させる。
次いで、図外の測定開始スイッチを操作する。これにより、処理部5が、測定部2の交流電流供給回路21を制御して交流信号Sacを生成させる。この際には、交流電流供給回路21が、周波数をスイープさせつつ交流信号Sacを生成し、生成した交流信号SacをプローブP1,P2を介して電池Batの両端間に供給すると共に交流信号Sacに基づく交流基準信号Srを処理部5に出力する。この場合、交流信号Sacに基づく交流電流Iacが、電池Bat、負荷Load、並びに電池Batおよび負荷Loadを接続する負荷接続ラインLからなる閉ループLo1を流れると共に、プローブP1、電池Bat、プローブP2および交流電流供給回路21内の回路からなる閉ループLo2を流れる。
一方、負荷Loadは、回転時に電気ノイズを発生し、この電気ノイズは、ノイズ電流Inとなって閉ループLo1内の負荷接続ラインLを流れる。この場合、電流キャンセル装置10内では、非接触型電流センサ3が、負荷接続ラインLを流れている交流電流Iacおよびノイズ電流Inの電流成分を負荷接続ラインL(負荷接続ラインLの芯線(導線))に対して非接触で検出して、検出した電流成分をノイズ信号Snとしてキャンセル信号注入部4に出力する。キャンセル信号注入部4では、増幅回路41が、非接触型電流センサ3から出力されたノイズ信号Snを所定の利得で増幅して位相調整回路42に出力する。この際に、位相調整回路42は、負荷接続ラインLを流れている電流成分と同じ位相となるように、つまり入力したノイズ信号Snの信号レベルが最小となるように、入力したノイズ信号Snの位相を調整して反転増幅回路43に出力する。反転増幅回路43は、入力したノイズ信号Snを所定の利得でD級増幅すると共に反転増幅して注入回路44にキャンセル信号Skとして出力する。
この際に、注入回路44では、反転増幅回路43から出力されたキャンセル信号Skが巻線W1の両端間に供給されることにより、キャンセル信号Skに基づく磁束が磁気コアMc1に発生すると共にその磁束の大きさに応じた電流値のキャンセル電流Ikがノーマルモード信号として負荷接続ラインLに注入される。これにより、負荷接続ラインLでは、交流電流Iacおよびノイズ電流Inと、交流電流Iacおよびノイズ電流Inとは逆位相で同じ電流レベルのキャンセル電流Ikとが、互いに相殺し合うことで、負荷接続ラインL(閉ループLo1)を流れる交流電流Iacおよびノイズ電流Inの電流レベルが十分に低下する。したがって、電池Bat内を流れる交流電流は、電池Batおよび交流電流供給回路21からなる閉ループLo2を流れる交流電流Iacのみとなる。
測定部2では、交流電流供給回路21が、閉ループLo2を流れる交流電流Iacを検出して電流検出信号S1を処理部5に出力すると共に交流基準信号Srを処理部5に出力する。また、交流電圧検出回路22は、交流電流供給回路21から交流電流Iacが供給されているときに、電池Batの内部を流れる交流電流Iacに基づいて電池Batの両端に発生する両端電圧をプローブP3,P4を介して検出して電圧検出信号S2として処理部5に出力する。この場合、電池Bat内を流れる交流電流は、上記したように、閉ループLo2を流れる交流電流Iacのみのため、電流検出信号S1および電圧検出信号S2は、交流電流Iacのみに基づく検出信号となるため、後述する処理部5によるインピーダンス測定処理において、内部インピーダンスZbが精度良く測定される。
一方、処理部5では、A/D変換回路51が、交流基準信号Srを入力すると共にクロック信号CL1に同期してA/D変換して正弦波の交流信号Sacの電圧値、周波数および位相を示す信号データD11(sinωt)を移相回路54および直交検波回路55,56に出力する。また、A/D変換回路52が、電流検出信号S1を入力すると共にクロック信号CL1に同期してA/D変換して交流電流Iacの電流値、周波数および位相を示す信号データD12を直交検波回路55に出力する。また、A/D変換回路53が、電圧検出信号S2を入力すると共にクロック信号CL1に同期してA/D変換して電池Batの両端における交流信号Sacの電圧値、周波数および位相を示す信号データD12を直交検波回路56に出力する。また、移相回路54が、信号データD11を入力すると共に信号データD11で示される正弦波信号である交流信号Sacの位相を90°移相させて余弦波信号を生成すると共にその余弦波信号の電流値、周波数および位相を示す信号データD11(cosωt)を生成して直交検波回路55,56に出力する。
また、直交検波回路55は、電流検出信号S1を示す信号データD12を入力すると共に、正弦波の交流信号Sacを示す信号データD11(sinωt)および余弦波の交流信号Sacを示す信号データD11(cosωt)で信号データD12を直交検波して、電池Batを流れる交流電流Iacの電流値の同相成分および直交成分を複素数で示す電流データDiを生成して演算回路57に出力する。また、直交検波回路56は、電池Batの両端電圧(交流信号Sac)を示す信号データD13を入力すると共に、信号データD11(sinωt)および信号データD11(cosωt)で信号データD13を直交検波して、電池Batの両端電圧の電圧値の同相成分および直交成分を複素数で示す電圧データDvを生成して演算回路57に出力する。次いで、演算回路57が、電流データDiおよび電圧データDvを入力して、電流データDiおよび電圧データDvに基づいて電池Batの内部インピーダンスZbを演算してインピーダンスデータDzを内部メモリ58に出力して記憶させると共に出力部6に出力する。この際に、出力部6は、インピーダンスデータDzを入力して電池Batの内部インピーダンスZbを表示装置の画面上に表示する。なお、演算回路57は、交流信号Sacの周波数情報をインピーダンスデータDzに含めることにより、交流信号Sacの周波数に対する電池Batの内部インピーダンスZbの周波数特性を表示装置の画面上に表示させることもできる。また、演算回路57は、入力した電流データDi(A/D変換回路52から出力される信号データD12でもよい)に基づいて、負荷接続ラインLを流れる直流電流Ibの電流値情報を生成し、その電流値情報をインピーダンスデータDzに含めることにより、直流電流Ibの電流値に対する電池Batの内部インピーダンスZbの特性を表示装置の画面上に表示させることもできる。
また、演算回路57は、入力した電流データDi(A/D変換回路52から出力される信号データD12でもよい)に基づき、閉ループLo2を流れている交流電流Iacの電流値を監視しつつ、交流電流Iacの電流値がインピーダンス測定の際に必要な目標電流値範囲内に含まれるように交流電流供給回路21を制御する。これにより、交流電流Iacが目標電流値範囲内に含まれるため、電流検出信号S1や電圧検出信号S2のノイズ(雑音)レベル(N)に対する信号レベル(S)の比率(S/N)を高めることができる結果、演算回路57によって行われる内部インピーダンスZbの演算処理(測定処理)において、精度良く内部インピーダンスZbを測定することができる。
また、インピーダンス測定装置1では、負荷Loadにおいてスイッチングノイズが発生していたとしても、電流キャンセル装置10が、負荷接続ラインLを流れるノイズ電流Inを低減させるため、電流検出信号S1および電圧検出信号S2に対するノイズ電流Inの影響が回避される結果、電流検出信号S1や電圧検出信号S2の雑音レベル(N)に対する信号レベル(S)の比率(S/N)を高めることができ、これにより、演算回路57によって行われる内部インピーダンスZbの演算処理(測定処理)において、より精度良く内部インピーダンスZbを測定することができる。また、インピーダンス測定装置1では、各A/D変換回路51~53の動作クロックであるクロック信号CL1と、反転増幅回路43における終段のD級増幅回路の動作クロックであるクロック信号CL2とが互いに同期しているため、反転増幅回路43のクロック信号CL2が負荷接続ラインLに重畳したり電波伝搬したりしたとしても、クロック信号CL2に起因するノイズが各A/D変換回路51~53によって低減されるため、演算回路57によって行われる内部インピーダンスZbの演算処理(測定処理)において、さらに精度良く内部インピーダンスZbが測定される。これにより、インピーダンス測定装置1による電池Batの内部インピーダンスZbの測定が終了する。
次に、「インピーダンス測定装置」としてのインピーダンス測定装置1Aについて説明する。なお、以下に説明するインピーダンス測定装置1A~1Dの構成において、上記したインピーダンス測定装置1における各構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
インピーダンス測定装置1Aは、図4に示すように、測定部2A、非接触型電流センサ3、キャンセル信号注入部4、処理部5および出力部6を備えて構成されて、インピーダンス測定装置1と同様にして、電流検出信号S1および電圧検出信号S2に基づいて電池Batの内部インピーダンスZbを測定する。この場合、測定部2Aは、交流電圧検出回路22を備えると共に、インピーダンス測定装置1における交流電流供給回路21に代えて交流電子負荷23を備えて構成されている。
交流電子負荷23は、「測定用信号供給部」および「電流検出部」を構成し、電池Batの蓄電力を交流変換すると共にその交流変換によって生成される交流信号を測定用の交流信号Sacとして出力する。また、交流電子負荷23は、交流信号Sacの電圧値、周波数および位相を示す基準信号としての交流基準信号Sr、および出力した交流電流Iacの電流値、周波数および位相を示す電流検出信号S1を処理部5に出力する。この場合、インピーダンス測定装置1Aによるインピーダンス測定系では、電池Batおよび交流電子負荷23が接続ラインで接続されて閉ループLo3(第1の閉ループ)を形成し、かつ交流電子負荷23および負荷Loadが接続ラインで接続されて閉ループLo4(第2の閉ループ)を形成している。また、電流キャンセル装置10は、閉ループLo3を形成する接続ラインと閉ループLo4を形成する接続ラインとの2つの接続点(交点)Po1,Po2を結び、かつ閉ループLo4を形成する接続ラインを負荷接続ラインLとしてキャンセル信号Skを注入する。
次に、インピーダンス測定装置1Aの動作について説明する。なお、測定対象としての電池Batの内部インピーダンスZbを測定する測定処理自体はインピーダンス測定装置1と同様のため、重複した説明を省略して異なる処理について説明する。まず、測定開始に先立ち、交流電子負荷23の両出力部を接続点Po1,Po2に接続する。この場合、交流電子負荷23の両出力部を接続点Po1,Po2に直接接続してもよいし、図示しないプローブを利用して交流電子負荷23の両出力部を接続点Po1,Po2に接続してもよい。測定開始時には、交流電子負荷23が処理部5によって制御された周期で電池Batの蓄電力を交流変換すると共にその交流変換によって生成される交流信号を測定用の交流信号Sacとして出力する。この際には、交流信号Sacに基づく交流電流Iacは、両閉ループLo3,Lo4内に供給される。
この際に、インピーダンス測定装置1における電流キャンセル装置10と同様にして、反転増幅回路43から出力されたキャンセル信号Skが巻線W1の両端間に供給されることにより、キャンセル信号Skに基づく磁束が磁気コアMc1に発生すると共にその磁束の大きさに応じた電流値のキャンセル電流Ikがノーマルモード信号として負荷接続ラインL(閉ループLo4)に注入される。これにより、負荷接続ラインLでは、交流電流Iacおよびノイズ電流Inと、交流電流Iacおよびノイズ電流Inとは逆位相で同じ電流レベルのキャンセル電流Ikとが、互いに相殺し合うことで、負荷接続ラインL(閉ループLo4)を流れる交流電流Iacおよびノイズ電流Inの電流レベルが十分に低下する。したがって、電池Bat内を流れる交流電流は、電池Batおよび交流電流供給回路21からなる閉ループLo3を流れる交流電流Iacのみとなる。次いで、インピーダンス測定装置1Aにおいても、インピーダンス測定装置1と同様にして、処理部5によって内部インピーダンスZbの演算処理(測定処理)が行われる。
次に、「インピーダンス測定装置」としてのインピーダンス測定装置1Bについて説明する。インピーダンス測定装置1Bは、図5に示すように、測定部2B、非接触型電流センサ3、キャンセル信号注入部4、処理部5および出力部6を備えて構成されて、インピーダンス測定装置1と同様にして、電流検出信号S1および電圧検出信号S2に基づいて電池Batの内部インピーダンスZbを測定する。この場合、測定部2Bは、交流電圧検出回路22を備えると共に、インピーダンス測定装置1Aにおける交流電子負荷23に代えて交流バイポーラ電源24を備えて構成されている。
交流バイポーラ電源24は、「測定用信号供給部」および「電流検出部」を構成し、内部に備えている図示しない交流電圧源の交流電圧を高速で高圧増幅することによって生成される交流信号を測定用の交流信号Sacとして出力する。また、交流バイポーラ電源24は、交流信号Sacの電圧値、周波数および位相を示す基準信号としての交流基準信号Sr、および出力した交流電流Iacの電流値、周波数および位相を示す電流検出信号S1を処理部5に出力する。この場合、インピーダンス測定装置1Bによるインピーダンス測定系では、電池Batおよび交流バイポーラ電源24が接続ラインで接続されて閉ループLo5(第1の閉ループ)を形成し、かつ交流バイポーラ電源24および負荷Loadが接続ラインで接続されて閉ループLo6(第2の閉ループ)を形成している。また、電流キャンセル装置10は、閉ループLo5を形成する接続ラインと閉ループLo6を形成する接続ラインとの2つの接続点(交点)Po1,Po2を結び、かつ閉ループLo6を形成する接続ラインを負荷接続ラインLとしてキャンセル信号Skを注入する。
次に、インピーダンス測定装置1Bの動作について説明する。なお、測定対象としての電池Batの内部インピーダンスZbを測定する測定処理自体はインピーダンス測定装置1と同様のため、重複した説明を省略して異なる処理について説明する。まず、測定開始に先立ち、交流バイポーラ電源24の両出力部を接続点Po1,Po2に接続する。この場合、交流バイポーラ電源24の両出力部を接続点Po1,Po2に直接接続してもよいし、図示しないプローブを利用して交流バイポーラ電源24の両出力部を接続点Po1,Po2に接続してもよい。測定開始時には、交流バイポーラ電源24が処理部5によって制御されて内部の交流電圧源の交流電圧の周期を変更すると共に高速で高圧増幅することによって生成される交流信号を測定用の交流信号Sacとして出力する。この際には、交流信号Sacに基づく交流電流Iacは、両閉ループLo5,Lo6内に供給される。
この際に、インピーダンス測定装置1における電流キャンセル装置10と同様にして、反転増幅回路43から出力されたキャンセル信号Skが巻線W1の両端間に供給されることにより、キャンセル信号Skに基づく磁束が磁気コアMc1に発生すると共にその磁束の大きさに応じた電流値のキャンセル電流Ikがノーマルモード信号として負荷接続ラインL(閉ループLo6)に供給される。これにより、負荷接続ラインLでは、交流電流Iacおよびノイズ電流Inと、交流電流Iacおよびノイズ電流Inとは逆位相で同じ電流レベルのキャンセル電流Ikとが、互いに相殺し合うことで、負荷接続ラインL(閉ループLo6)を流れる交流電流Iacおよびノイズ電流Inの電流レベルが十分に低下する。したがって、電池Bat内を流れる交流電流は、電池Batおよび交流電流供給回路21からなる閉ループLo5を流れる交流電流Iacのみとなる。次いで、インピーダンス測定装置1Bにおいても、インピーダンス測定装置1と同様にして、処理部5によって内部インピーダンスZbの演算処理(測定処理)が行われる。
次に、「インピーダンス測定装置」としてのインピーダンス測定装置1Cについて説明する。インピーダンス測定装置1Cは、図6に示すように、測定部2、非接触型電流センサ3、キャンセル信号注入部4、処理部5、出力部6およびバイパスコンデンサCbを備えて構成されて、インピーダンス測定装置1と同様にして、電流検出信号S1および電圧検出信号S2に基づいて電池Batの内部インピーダンスZbを測定する。
バイパスコンデンサCbは、交流信号Sacやスイッチングノイズに対して十分に小さなインピーダンスとなるように、例えば、100μF程度の容量を有する積層コンデンサで構成されている、この場合、インピーダンス測定装置1Cによるインピーダンス測定系では、電池BatおよびバイパスコンデンサCbが接続ラインで接続されて閉ループLo7(第1の閉ループ)を形成し、かつバイパスコンデンサCbおよび負荷Loadが接続ラインで接続されて閉ループLo8(第2の閉ループ)を形成し、電流キャンセル装置10は、閉ループLo7を形成する接続ラインと閉ループLo8を形成する接続ラインとの2つの接続点Po1,Po2を結び、かつ閉ループLo8を形成する接続ラインを負荷接続ラインLとしてキャンセル信号Skを供給する。
次に、インピーダンス測定装置1Cの動作について説明する。なお、測定対象としての電池Batの内部インピーダンスZbを測定する測定処理自体はインピーダンス測定装置1と同様のため、重複した説明を省略して異なる処理について説明する。まず、測定開始に先立ち、バイパスコンデンサCbの両出力部を接続点Po1,Po2に接続する。この場合、バイパスコンデンサCbの両出力部を接続点Po1,Po2に直接接続してもよいし、図示しないプローブを利用してバイパスコンデンサCbの両出力部を接続点Po1,Po2に接続してもよい。
このインピーダンス測定装置1Cでは、インピーダンス測定装置1と同様にして、処理部5が、測定部2の交流電流供給回路21を制御して交流信号Sacを生成させる。この際には、交流電流供給回路21が、生成した交流信号SacをプローブP1,P2を介して電池Batの両端間に供給する。この場合、交流信号Sacに基づく交流電流Iacが、電池Bat、負荷Load、並びに電池Batおよび負荷Loadを接続する負荷接続ラインLからなる閉ループLo1と、電池BatおよびバイパスコンデンサCb並びに電池BatおよびバイパスコンデンサCbを接続する接続ラインからなる閉ループLo7と、プローブP1、電池Bat、プローブP2および交流電流供給回路21内の回路からなる閉ループLo2を流れる。しかしながら、交流電流Iac(交流信号Sac)の周波数に対するバイパスコンデンサCbのインピーダンスが十分に小さいため、接続点Po1および接続点Po2の間は、交流的に殆ど短絡した状態となる。したがって、交流電流Iacは、閉ループLo1,Lo7を殆ど流れず、閉ループLo2のみを流れることとなる。この結果、電池Bat内を流れる交流電流は、閉ループLo2を流れる交流電流Iacのみとなる。また、負荷Loadにおいてスイッチングノイズが発生していたとしても、ノイズ電流In(ノイズ信号)の周波数に対するバイパスコンデンサCbのインピーダンスが十分に小さいため、接続点Po1および接続点Po2の間は、交流的に殆ど短絡した状態となる。したがって、負荷Loadにおいて発生していたスイッチングノイズに基づくノイズ電流Inは、閉ループLo1を殆ど流れず、バイパスコンデンサCbおよび負荷Load並びにバイパスコンデンサCbおよび負荷Loadを接続する接続ラインからなる閉ループLo8も殆ど流れない。
この際に、インピーダンス測定装置1における電流キャンセル装置10と同様にして、反転増幅回路43から出力されたキャンセル信号Skが巻線W1の両端間に供給されることにより、キャンセル信号Skに基づく磁束が磁気コアMc1に発生すると共にその磁束の大きさに応じた電流値のキャンセル電流Ikがノーマルモード信号として負荷接続ラインL(閉ループLo8)に供給される。これにより、負荷接続ラインLでは、バイパスコンデンサCbによって電流レベルが十分に低下させられた交流電流Iacおよびノイズ電流Inと、交流電流Iacおよびノイズ電流Inとは逆位相で同じ電流レベルのキャンセル電流Ikとが、互いに相殺し合うことで、負荷接続ラインL(閉ループLo8)を流れる交流電流Iacおよびノイズ電流Inの電流レベルがさらに十分に低下する。したがって、電池Bat内を流れる交流電流は、閉ループLo2を流れる交流電流Iacのみとなる。次いで、インピーダンス測定装置1Cにおいても、インピーダンス測定装置1と同様にして、処理部5によって内部インピーダンスZbの演算処理(測定処理)が行われる。
次に、「インピーダンス測定装置」としてのインピーダンス測定装置1Dについて説明する。インピーダンス測定装置1Dは、図7に示すように、測定部2C、非接触型電流センサ3、キャンセル信号注入部4、処理部5および出力部6を備えて構成されて、インピーダンス測定装置1と同様にして、電流検出信号S1および電圧検出信号S2に基づいて電池Batの内部インピーダンスZbを測定する。この場合、測定部2Cは、交流電圧検出回路22を備えると共に、インピーダンス測定装置1における交流電流供給回路21に代えて、交流信号生成回路21A、供給回路25および非接触型電流センサ26を備えて構成されている。
交流信号生成回路21Aは、「交流信号生成回路」を構成すると共に供給回路25と相俟って「測定用信号供給部」を構成する。この交流信号生成回路21Aでは、交流信号Sacを生成する構成については、交流電流供給回路21と同様に構成され、生成した交流信号Sacを供給回路25に出力する構成、および電池Bat内を流れる交流電流Iacの電流値を測定しない構成だけが交流電流供給回路21と相違する。また、供給回路25は、上記の2つの接続点Po1,Po2を結び、かつ閉ループLo7(第1の閉ループ)を形成する負荷接続ラインL(接続ライン)が挿通される環状の磁気コアMc2(第2の磁気コア)と、磁気コアMc2に巻回された巻線W2(第2の巻線)とで構成されて、交流信号生成回路21Aによって生成された交流信号Sacが巻線W2の両端に供給されることで交流信号Sacを電池Batに供給する。この場合、磁気コアMc2は、上記した磁気コアMc1と同じ材料で構成されている。また、非接触型電流センサ26は、いわゆるクランプ型の電流センサであって、非接触型の電流検出部として機能する。この非接触型電流センサ26は、非接触型電流センサ3と同一に構成されており、負荷接続ラインLを流れる交流電流の電流値を負荷接続ラインL(負荷接続ラインLの芯線(導線))に対して非接触で検出して、検出した交流電流の電流値、周波数および位相を示すを示す電流検出信号S1を処理部5に出力する。
次に、インピーダンス測定装置1Dの動作について説明する。なお、測定対象としての電池Batの内部インピーダンスZbを測定する測定処理自体はインピーダンス測定装置1と同様のため、重複した説明を省略して異なる処理について説明する。まず、測定開始に先立ち、供給回路25,44に負荷接続ラインLを挿通すると共に電池Batと負荷Loadとを負荷接続ラインLで接続する。また、インピーダンス測定装置1Cを用いるときと同様にして、バイパスコンデンサCbの両出力部を接続点Po1,Po2に接続する。
このインピーダンス測定装置1Dでは、処理部5が、測定部2の交流信号生成回路21Aを制御して交流信号Sacを生成させて供給回路25に出力させる。この場合、交流信号Sacが供給回路25の巻線W2の両端に供給されることにより、磁気コアMc2に挿通されている負荷接続ラインLに交流電流Iacが流れる。この際には、交流電流Iacが、電池Bat、負荷Load、並びに電池Batおよび負荷Loadを接続する負荷接続ラインLからなる閉ループLo1と、電池BatおよびバイパスコンデンサCb並びに電池BatおよびバイパスコンデンサCbを接続する接続ラインからなる閉ループLo7とを流れる。しかしながら、交流電流Iac(交流信号Sac)の周波数に対するバイパスコンデンサCbのインピーダンスが十分に小さいため、接続点Po1および接続点Po2の間は、交流的に殆ど短絡した状態となる。したがって、交流電流Iacは、閉ループLo1を殆ど流れず、閉ループLo7のみを流れることとなる。この結果、電池Bat内を流れる交流電流は、閉ループLo7を流れる交流電流Iacのみとなる。また、負荷Loadにおいてスイッチングノイズが発生していたとしても、ノイズ電流In(ノイズ信号)の周波数に対するバイパスコンデンサCbのインピーダンスが十分に小さいため、接続点Po1および接続点Po2の間は、交流的に殆ど短絡した状態となる。したがって、負荷Loadにおいて発生していたスイッチングノイズに基づくノイズ電流Inは、閉ループLo1を殆ど流れず、バイパスコンデンサCbおよび負荷Load並びにバイパスコンデンサCbおよび負荷Loadを接続する接続ラインからなる閉ループLo8も殆ど流れない。
この際に、インピーダンス測定装置1における電流キャンセル装置10と同様にして、反転増幅回路43から出力されたキャンセル信号Skが巻線W1の両端間に供給されることにより、キャンセル信号Skに基づく磁束が磁気コアMc1に発生すると共にその磁束の大きさに応じた電流値のキャンセル電流Ikがノーマルモード信号として負荷接続ラインL(閉ループLo8)に供給される。これにより、負荷接続ラインLでは、バイパスコンデンサCbによって電流レベルが十分に低下させられた交流電流Iacおよびノイズ電流Inと、交流電流Iacおよびノイズ電流Inとは逆位相で同じ電流レベルのキャンセル電流Ikとが、互いに相殺し合うことで、負荷接続ラインL(閉ループLo8)を流れる交流電流Iacおよびノイズ電流Inの電流レベルがさらに十分に低下する。したがって、電池Bat内を流れる交流電流は、閉ループLo7を流れる交流電流Iacのみとなる。次いで、インピーダンス測定装置1Dにおいても、インピーダンス測定装置1と同様にして、処理部5によって内部インピーダンスZbの演算処理(測定処理)が行われる。
以上のように、電流キャンセル装置10では、負荷Loadに接続されている負荷接続ラインLを流れる電流成分(ノイズ電流Inおよび交流電流Iac)を負荷接続ラインLに対して非接触で検出する非接触型電流センサ3と、非接触型電流センサ3によって検出される電流成分をキャンセルするキャンセル信号Skを生成すると共に生成したキャンセル信号Skを負荷接続ラインLに対して非接触で注入するキャンセル信号注入部4とを備えて構成されている。したがって、この電流キャンセル装置10によれば、負荷Loadにおいてスイッチングノイズが発生していたとしても、負荷接続ラインLを流れるノイズ電流Inを十分に低減させることができる。また、この電流キャンセル装置10によれば、負荷接続ラインLに大きな電流が流れたとしても、負荷接続ラインLを流れる電流を十分に低減させるため、大きな電流値の電流が流れることに起因する負荷Loadの故障を回避することができる。
また、電流キャンセル装置10では、キャンセル信号注入部4が、キャンセル信号Skを生成するキャンセル信号生成回路(増幅回路41、位相調整回路42および反転増幅回路43)と、キャンセル信号生成回路によって生成されたキャンセル信号Skを負荷接続ラインLに注入する注入回路44とを備えて構成され、キャンセル信号生成回路が、非接触型電流センサ3によって検出された電流成分を反転増幅すると共に位相調整してキャンセル信号Skとして注入回路44に出力する。したがって、この電流キャンセル装置10によれば、例えば、発振器を備えて、非接触型電流センサ3によって検出された電流成分とは逆位相で同じ信号レベルのキャンセル信号を発振器で生成する構成と比較して、簡易な構成でありながら、負荷接続ラインL上の電流成分を確実にキャンセルすることができる。
また、電流キャンセル装置10によれば、注入回路44は、負荷接続ラインLが挿通される磁気コアMc1と、磁気コアMc1に巻回された巻線W1とで構成されて、キャンセル信号生成回路(増幅回路41、位相調整回路42および反転増幅回路43)によって生成されたキャンセル信号Skが巻線W1の両端に供給されることでキャンセル信号Skを注入することにより、簡易な構成でありながら、負荷接続ラインL上の電流成分を確実にキャンセルすることができる。
また、電流キャンセル装置10によれば、磁気コアMc1にギャップG1を設けたことにより、負荷接続ラインLに注入するキャンセル信号Skのレベルを大きくしたとしても磁気コアMc1の磁気飽和を有効に回避することができる。
また、インピーダンス測定装置1,1A,1B,1C,1Dでは、電流キャンセル装置10を備えて、測定対象(本例では、電池Bat)に交流信号Sacを供給する測定用信号供給部(交流電流供給回路21,21A、交流電子負荷23または交流バイポーラ電源24)と、電池Batの両端に生じている交流信号Sacの電圧値を検出して電圧検出信号S2を出力する交流電圧検出回路22と、測定用信号供給部から電池Batに供給される交流信号Sacの電流値(本例では、電流検出信号S1)および電圧検出信号S2によって示される交流信号Sacの電圧値に基づいて電池Batのインピーダンス(本例では、内部インピーダンスZb)を測定する処理部5とを備えて構成されている。したがって、このインピーダンス測定装置1,1A,1B,1C,1Dによれば、電流検出信号S1および電圧検出信号S2に対するノイズ電流Inの影響が回避されるため、電流検出信号S1や電圧検出信号S2の雑音レベル(N)に対する信号レベル(S)の比率(S/N)を高めることができ、これにより、演算回路57によって行われる内部インピーダンスZbの演算処理(測定処理)において、精度良く内部インピーダンスZbを測定することができる。また、このインピーダンス測定装置1,1A,1B,1C,1Dによれば、負荷接続ラインLに供給する交流信号Sacのレベル(交流電流Iacの電流値)を大きくしたとしても、電流キャンセル装置10が、閉ループLo1を流れる交流電流Iacを十分に低減させるため、大きな電流値の交流電流Iacが流れることに起因する負荷Loadの故障を回避することができる。
また、インピーダンス測定装置1,1Cによれば、電池Batおよび負荷Loadが負荷接続ラインLで接続されて閉ループLo1を形成し、交流電流供給回路21が、電池Batの両端間に交流信号Sacを供給するという簡易な構成のため、安価にインピーダンス測定装置1,1Cを構成することができる。
また、インピーダンス測定装置1Aによれば、交流電子負荷23で測定用信号供給部を構成し、電池Batおよび交流電子負荷23は接続ラインで接続されて閉ループLo3を形成し、かつ交流電子負荷23および負荷Loadは接続ラインで接続されて閉ループLo4を形成し、電流キャンセル装置10が、閉ループLo3を形成する接続ラインと閉ループLo4を形成する接続ラインとの2つの接続点Po1,Po2を結び、かつ閉ループLo4を形成する接続ラインを負荷接続ラインLとしてキャンセル信号Skを供給することにより、交流電子負荷23によって交流信号Sacの信号レベルを高めることができるため、電流検出信号S1や電圧検出信号S2の雑音レベル(N)に対する信号レベル(S)の比率(S/N)を高めることができる結果、演算回路57によって行われる内部インピーダンスZbの演算処理(測定処理)において、精度良く内部インピーダンスZbを測定することができる。
また、インピーダンス測定装置1Bによれば、交流バイポーラ電源24で測定用信号供給部を構成し、電池Batおよび交流バイポーラ電源24は接続ラインで接続されて閉ループLo5を形成し、かつ交流バイポーラ電源24および負荷Loadは接続ラインで接続されて閉ループLo6を形成し、電流キャンセル装置10が、閉ループLo5を形成する接続ラインと閉ループLo6を形成する接続ラインとの2つの接続点Po1,Po2を結び、かつ閉ループLo6を形成する接続ラインを負荷接続ラインLとしてキャンセル信号Skを供給することにより、交流バイポーラ電源24によって交流信号Sacの信号レベルを高めることができるため、電流検出信号S1や電圧検出信号S2の雑音レベル(N)に対する信号レベル(S)の比率(S/N)を高めることができる結果、演算回路57によって行われる内部インピーダンスZbの演算処理(測定処理)において、精度良く内部インピーダンスZbを測定することができる。
また、インピーダンス測定装置1C,1Dでは、バイパスコンデンサCbを備え、電池BatおよびバイパスコンデンサCbは接続ラインで接続されて閉ループLo7を形成し、かつバイパスコンデンサCbおよび負荷Loadは接続ラインで接続されて閉ループLo8を形成し、電流キャンセル装置10が、閉ループLo7を形成する接続ラインと閉ループLo8を形成する接続ラインとの2つの接続点Po1,Po2を結び、かつ閉ループLo8を形成する接続ラインを負荷接続ラインLとしてキャンセル信号Skを供給する。したがって、このインピーダンス測定装置1C,1Dによれば、バイパスコンデンサCbが、閉ループLo1を流れるノイズ電流Inを十分に低減させるため、電流検出信号S1および電圧検出信号S2に対するノイズ電流Inの影響が確実に回避される結果、演算回路57によって行われる内部インピーダンスZbの演算処理(測定処理)において、より精度良く内部インピーダンスZbを測定することができる。また、インピーダンス測定装置1C(またはインピーダンス測定装置1D)によれば、バイパスコンデンサCbが接続点Po1および接続点Po2の間を交流的に殆ど短絡した状態として交流電流Iacを閉ループLo2(または閉ループLo7)にだけ流すため、電池Bat内に供給する交流電流Iacの電流値を大きくすることができる結果、演算回路57によって行われる内部インピーダンスZbの演算処理(測定処理)において、雑音レベル(N)に対する信号レベル(S)の比率(S/N)を高めて、より精度良く内部インピーダンスZbを測定することができる。
また、インピーダンス測定装置1Dでは、測定用信号供給部(本例では、交流信号生成回路21Aおよび供給回路25)が、2つの接続点Po1,Po2を結び、かつ閉ループLo7を形成する接続ラインに対して非接触で交流信号Sacを供給する。また、インピーダンス測定装置1Dでは、測定用信号供給部(本例では、交流信号生成回路21Aおよび供給回路25)が、交流信号Sacを生成する交流信号生成回路21Aと、生成された交流信号Sacを供給する供給回路25とを備え、供給回路25が、2つの接続点Po1,Po2を結び、かつ閉ループLo7を形成する接続ラインが挿通される環状の磁気コアMc2と、磁気コアMc2に巻回された巻線W2とで構成されて、交流信号生成回路21Aによって生成された交流信号Sacが巻線W2の両端に供給されることで交流信号Sacを非接触で負荷接続ラインLに供給する。したがって、このインピーダンス測定装置1Dによれば、閉ループLo7を形成する接続ラインを絶縁被覆電線で構成した場合であっても、絶縁被覆電線の被覆を剥がすことなく交流信号Sacを供給することができる。
また、インピーダンス測定装置1Dによれば、磁気コアMc2にギャップG2を設けたことにより、負荷接続ラインLに供給する交流信号Sacのレベル(交流電流Iacの電流値)を大きくしたとしても、磁気コアMc2の磁気飽和を有効に回避することができる。
また、インピーダンス測定装置1,1A,1B,1C,1Dによれば、処理部5の演算回路57が、直交検波回路55から出力される交流信号Sac(電流検出信号S1)の同相成分および直交成分と、直交検波回路56から出力される交流信号Sac(電圧検出信号S2)の同相成分および直交成分とに基づいて測定対象としての電池Batの内部インピーダンスZbを演算することにより、負荷接続ラインLに供給された交流信号Sacの信号レベルが小さいときであっても、ノイズレベル(N)に対する信号レベル(S)の比率(S/N)を高めて精度良く内部インピーダンスZbを測定することができる。
また、インピーダンス測定装置1,1A,1B,1C,1Dによれば、各A/D変換回路51~53の動作クロックであるクロック信号CL1と、反転増幅回路43における終段のD級増幅回路の動作クロックであるクロック信号CL2とが互いに同期しているため、反転増幅回路43のクロック信号CL2が負荷接続ラインLに重畳したり電波伝搬したりしたとしても、クロック信号CL2に起因するノイズが各A/D変換回路51~53によって十分に低減されるため、演算回路57によって行われる内部インピーダンスZbの演算処理(測定処理)において、さらに精度良く内部インピーダンスZbを測定することができる。
なお、「電流キャンセル装置」および「インピーダンス測定装置」の構成については、上記の例に限らず、適宜変更が可能である、例えば、図8に示すように、注入回路44に代えて、空芯コイルACで注入回路44Aを構成することもできる。この場合、注入回路44Aは、負荷接続ラインLが挿通されて、反転増幅回路43によって生成されたキャンセル信号Skが空芯コイルACの両端に供給されることで負荷接続ラインLにキャンセル信号Skを供給する。この構成を有する電流キャンセル装置10およびインピーダンス測定装置1,1A,1B,1C,1Dによれば、簡易な構成でありながら、キャンセル信号Skを負荷接続ラインLに確実に注入することができる。
また、図9に示すように、注入回路25に代えて、空芯コイルACで注入回路25Aを構成することもできる。この場合、供給回路25Aは、上記の2つの接続点Po1,Po2を結び、かつ閉ループLo7を形成する接続ライン(負荷接続ラインL)が挿通されて、交流電流供給回路21Aによって生成された交流信号Sacが空芯コイルACの両端に供給されることで電池Batに交流信号Sac(交流電流Iac)を供給する。この構成を有するインピーダンス測定装置1Dによれば、簡易な構成でありながら、交流信号Sacを負荷接続ラインLに確実に供給することができる。
なお、電流キャンセル装置10は、インピーダンス測定装置への適用に限らず、負荷接続ラインLを流れる電流成分をキャンセルする必要のある各種の計測器に適用が可能である。また、インピーダンス測定装置は、電池Batの内部インピーダンスZbや電池Batの電池セルの内部インピーダンスの測定に限らず、各種の電池を初めとして、各種測定対象のインピーダンスを測定することができる。例えば、水を電気分解して水素を製造する水電解セルを測定対象として、水電解セルと、負荷Loadに代えて水電解セル用の電源とを負荷接続ラインLで接続した閉ループにおいて、水電解セルの陽極と陰極とに一対のプローブを接続して水電解セルの内部インピーダンスを測定することもできる。
また、非接触型電流センサ3や非接触型電流センサ26に代えて、負荷接続ラインL中にカレントトランスや電流検出用抵抗などを配設して電流成分や交流電流Iacの電流値を検出する構成を採用することができる。
また、インピーダンス測定装置1,1A,1B,1C,1Dにおいて、電池Batの内部インピーダンスZbなどのインピーダンスの演算をデジタル処理で行う例について説明したが、交流基準信号Sr、電流検出信号S1および電圧検出信号S2に基づいて、アナログ回路によるアナログ演算でインピーダンスを求める構成を採用することもできる。
なお、図示はしないが、インピーダンス測定装置1,1A,1B,1C,1Dにおいて、負荷接続ラインLを電池Batの直流電流などが流れて非接触型電流センサ3や非接触型電流センサ26の磁気飽和などを招くおそれのあるときには、負荷接続ラインLを流れる直流電流を相殺する直流電流キャンセル回路を備えて構成することもできる。
本願発明によれば、電流キャンセル装置は負荷に接続されている負荷接続ラインを流れる電流成分のレベルを低減すると共に負荷接続ラインに供給する交流信号のレベルを大きくしたときに負荷の故障を回避することができ、そのような電流キャンセル装置を備えたインピーダンス測定装置は負荷接続ラインに直列接続されている測定対象のインピーダンスを確実かつ正確に測定することができる。これにより、本願発明は、このような電流キャンセル装置や、インピーダンス測定を行うインピーダンス測定装置に広く適用することができる。
1,1A~1D インピーダンス測定装置
2,2A~2C 測定部
21,21A 交流電流供給回路
22 交流電圧検出回路
23 交流電子負荷
24 交流バイポーラ電源
25,25A 注入回路
26 非接触型電流センサ
3 非接触型電流センサ
4 キャンセル信号注入部
41 増幅回路
42 位相調整回路
43 反転増幅回路
44,44A 注入回路
5 処理部
51 A/D変換回路
52 A/D変換回路
53 A/D変換回路
54 移相回路
55 直交検波回路
56 直交検波回路
57 演算回路
58 内部メモリ
59 クロック生成回路
6 出力部
AC 空芯コイル
Bat 電池
CL1,CL2 クロック信号
G1,G2 ギャップ
Ik キャンセル電流
Load 負荷
Mc1,Mc2 磁気コア
S1 電流検出信号
S2 電圧検出信号
Sk キャンセル信号
Sn ノイズ信号
Sr 交流基準信号
Zb 内部インピーダンス
W1,W2 巻線

Claims (17)

  1. 負荷に接続されている負荷接続ラインを流れる電流成分を当該負荷接続ラインに対して非接触で検出する電流成分検出部と、前記電流成分検出部によって検出される前記電流成分をキャンセルするキャンセル信号を生成すると共に当該生成したキャンセル信号を前記負荷接続ラインに対して非接触で注入するキャンセル信号注入部とを備えている電流キャンセル装置。
  2. 前記キャンセル信号注入部は、前記キャンセル信号を生成するキャンセル信号生成回路と、前記キャンセル信号生成回路によって生成された前記キャンセル信号を前記負荷接続ラインに注入する注入回路とを備えて構成され、
    前記キャンセル信号生成回路は、前記電流成分検出部によって検出された前記電流成分を増幅すると共に位相調整して前記キャンセル信号として前記注入回路に出力する請求項1記載の電流キャンセル装置。
  3. 前記注入回路は、前記負荷接続ラインが挿通される環状の第1の磁気コアと、前記第1の磁気コアに巻回された第1の巻線とで構成されて、前記キャンセル信号生成回路によって生成された前記キャンセル信号が前記巻線の両端に供給されることで前記キャンセル信号を注入する請求項2記載の電流キャンセル装置。
  4. 前記第1の磁気コアは、ギャップが設けられている請求項3記載の電流キャンセル装置。
  5. 前記キャンセル信号注入部は、前記キャンセル信号を生成するキャンセル信号生成回路と、前記キャンセル信号生成回路によって生成された前記キャンセル信号を前記負荷接続ラインに注入する注入回路とを備えて構成され、
    前記注入回路は、前記負荷接続ラインが挿通される空芯コイルで構成され、前記キャンセル信号生成回路によって生成された前記キャンセル信号が前記空芯コイルの両端に供給されることで前記負荷接続ラインに前記キャンセル信号を注入する請求項2記載の電流キャンセル装置。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の電流キャンセル装置を備えて、前記負荷接続ラインに直列接続されている測定対象のインピーダンスを測定するインピーダンス測定装置であって、
    測定用の交流信号を生成すると共に前記測定対象に前記交流信号を供給する測定用信号供給部と、
    前記測定対象の両端に生じている前記交流電圧の電圧値を当該両端に接触して検出して電圧検出信号を出力する電圧検出部と、
    前記電圧検出信号を入力すると共に前記測定用信号供給部から前記測定対象に供給される前記交流信号の電流値および当該当該電圧検出信号によって示される前記交流電圧の電圧値に基づいて前記測定対象のインピーダンスを測定する処理部とを備えて構成されているインピーダンス測定装置。
  7. 前記測定対象および前記負荷が前記負荷接続ラインで接続されて閉ループを形成し、
    前記測定用信号供給部は、前記測定対象の両端間に前記交流電流を供給する請求項6記載のインピーダンス測定装置。
  8. 前記測定対象は電池であって、
    前記測定用信号供給部は、前記電池の畜電力を交流変換する交流電子負荷で構成されると共に当該交流変換によって生成される交流信号を前記測定用の交流信号として供給し、
    前記測定対象および前記測定用信号供給部は接続ラインで接続されて第1の閉ループを形成し、かつ前記測定用信号供給部および前記負荷は接続ラインで接続されて第2の閉ループを形成し、
    前記電流キャンセル装置は、前記第1の閉ループを形成する前記接続ラインと前記第2の閉ループを形成する前記接続ラインとの2つの接続点を結び、かつ前記第2の閉ループを形成する前記接続ラインを前記負荷接続ラインとして前記キャンセル信号を注入する請求項6記載のインピーダンス測定装置。
  9. 前記測定用信号供給部は、前記交流信号を生成するバイポーラ電源で構成され、
    前記測定対象および前記測定用信号供給部は接続ラインで接続されて第1の閉ループを形成し、かつ前記測定用信号供給部および前記負荷は接続ラインで接続されて第2の閉ループを形成し、
    前記電流キャンセル装置は、前記第1の閉ループを形成する前記接続ラインと前記第2の閉ループを形成する前記接続ラインとの2つの接続点を結び、かつ前記第2の閉ループを形成する前記接続ラインを前記負荷接続ラインとして前記キャンセル信号を注入する請求項6記載のインピーダンス測定装置。
  10. バイパスコンデンサを備え、
    前記測定対象および前記バイパスコンデンサは接続ラインで接続されて第1の閉ループを形成し、かつ前記バイパスコンデンサおよび前記負荷は接続ラインで接続されて第2の閉ループを形成し、
    前記電流キャンセル装置は、前記第1の閉ループを形成する前記接続ラインと前記第2の閉ループを形成する前記接続ラインとの2つの接続点を結び、かつ前記第2の閉ループを形成する前記接続ラインを前記負荷接続ラインとして前記キャンセル信号を注入する請求項6記載のインピーダンス測定装置。
  11. 前記測定用信号供給部は、前記2つの接続点を結び、かつ前記第1の閉ループを形成する前記接続ラインに対して非接触で前記交流信号を供給する請求項10記載のインピーダンス測定装置。
  12. 前記測定用信号供給部は、前記交流信号を生成する交流信号生成回路と、前記交流信号生成回路によって生成された前記交流信号を供給する供給回路とを備え、
    前記供給回路は、前記2つの接続点を結び、かつ前記第1の閉ループを形成する前記接続ラインが挿通される環状の第2の磁気コアと、前記第2の磁気コアに巻回された第2の巻線とで構成されて、前記交流信号生成回路によって生成された前記交流信号が前記第2の巻線の両端に供給されることで前記交流信号を供給する請求項11記載のインピーダンス測定装置。
  13. 前記第2の磁気コアは、ギャップが設けられている請求項12記載のインピーダンス測定装置。
  14. 前記測定用信号供給部は、前記交流信号を生成する交流信号生成回路と、前記交流信号生成回路によって生成された前記交流信号を供給する供給回路とを備えて構成され、
    前記供給回路は、前記2つの接続点を結び、かつ前記第1の閉ループを形成する前記接続ラインが挿通される空芯コイルで構成され、前記交流信号生成回路によって生成された前記交流信号が前記空芯コイルの両端に供給されることで前記測定対象に前記交流信号を供給する請求項11記載のインピーダンス測定装置。
  15. 前記測定用信号供給部は、前記測定対象の両端間に前記交流電流を供給する請求項10記載のインピーダンス測定装置。
  16. 前記測定対象に供給される前記交流信号の前記電流値を検出して電流検出信号として前記処理部に出力する電流検出部を備え、
    前記処理部は、前記交流信号を入力すると共に前記電流検出信号を直交検波して交流電流の同相成分および直交成分を生成する第1直交検波回路と、前記交流信号を入力すると共に前記電圧検出信号を直交検波して交流電圧の同相成分および直交成分を生成する第2直交検波回路と、
    前記第1直交検波回路から出力される前記交流電流の同相成分および直交成分と、前記第2直交検波回路から出力される前記交流電圧の同相成分および直交成分とに基づいて前記測定対象のインピーダンスを演算する演算回路とを備えている請求項6から15のいずれかに記載のインピーダンス測定装置。
  17. 前記電流キャンセル装置の前記キャンセル信号注入部は、終段としてのD級増幅回路を備え、当該D級増幅回路によって増幅した前記キャンセル信号を注入し、
    前記電流検出部によって検出された前記電流検出信号をアナログディジタル変換して電流データとして前記処理部に出力するA/D変換回路、および前記電圧検出部によって検出された電圧検出信号をアナログディジタル変換して電圧データとして前記処理部に出力するA/D変換回路を備え、
    前記各A/D変換回路は、前記測定用信号供給部の前記D級増幅回路の動作クロックと共通の動作クロックに同期して前記アナログディジタル変換を実行する請求項16記載のインピーダンス測定装置。
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KR102133498B1 (ko) * 2020-03-17 2020-07-13 울산과학기술원 병렬적 증폭부를 이용한 능동형 보상 장치

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