JP2023023551A - 研磨パッド及び研磨方法 - Google Patents

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康彦 上田
Yasuhiko Ueda
一郎 山岡
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Abstract

【課題】研磨効率を高めることのできる研磨パッド及び研磨方法を提供する。【解決手段】研磨パッド10の研磨層30は、積層方向に沿って突出する複数の突出部50を備える。突出部50は、積層方向における平面視において環状をなす環状壁60と、環状壁60に囲われる凹部51と、環状壁60の先端部を貫通し、凹部51と連通する連通溝52と、を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、研磨パッド及び研磨方法に関する。
特許文献1には、板ガラス等の研磨対象の表面を研磨する研磨パッドが開示されている。研磨パッドで研磨対象を研磨する際には、研磨パッドと研磨対象との間に、研磨用スラリーが供給される。研磨対象の表面は、研磨用スラリーに含まれる研磨材によって研磨される。
特開2003-145402号公報
上記のような研磨パッドにおいて、研磨効率を高めるためには、研磨中、研磨パッドと研磨対象との間に研磨用スラリーが潤沢に供給されることが好ましい。この点で、上記のような研磨パッドは改善の余地が残されていた。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する研磨パッドは、基材層と前記基材層の主面に積層される研磨層とを備え、研磨対象との相対回転によって前記研磨対象を研磨する研磨パッドであって、前記研磨層は、前記基材層及び前記研磨層の積層方向に沿って突出する複数の突出部を備え、前記突出部は、前記積層方向における平面視において環状をなす環状壁と、前記環状壁に囲われる凹部と、前記環状壁の先端部を貫通し、前記凹部と連通する連通溝と、を有する。
上記構成の研磨パッドの突出部を研磨対象に接触させると、凹部は、連通溝に連通している部分を除き閉じた空間となる。このため、研磨パッドで研磨対象を研磨する場合、研磨用スラリーは、連通溝を介して凹部に進入し、凹部に供給され続ける。その結果、研磨用スラリーは、研磨パッドと研磨対象との間に潤沢に供給されやすくなる。したがって、研磨パッドは、研磨対象の研磨効率を向上できる。
上記研磨パッドにおいて、前記環状壁の先端面を基準としたとき、前記積層方向における前記凹部の深さは、前記積層方向における前記連通溝の深さ以下であることが好ましい。
研磨パッドで研磨層よりも硬い研磨対象を研磨し続けていると、環状壁は先端から徐々に摩耗する。この点、上記構成の研磨パッドは、凹部の深さが連通溝の深さ以下であるため、凹部よりも先に連通溝が無くなることがない。つまり、研磨パッドは、連通溝を介して、凹部に研磨用スラリーを供給できなくなることがない。したがって、上記構成の研磨パッドは、継続使用に対して、研磨効率が低下しにくい。
上記研磨パッドにおいて、前記環状壁は、前記研磨対象に対する相対回転方向と交差し、前記凹部を挟んで向かい合う第1側壁及び第2側壁を有し、前記連通溝は、前記第1側壁及び前記第2側壁のうち一方の側壁に設けられていることが好ましい。
連通溝を第1側壁及び第2側壁の双方に設ける比較例の場合、研磨パッドで研磨対象を研磨する際、一方の側壁の連通溝を介して凹部に進入した研磨用スラリーが他方の側壁の連通溝を介して凹部から排出されやすくなる。この点、上記構成の研磨パッドにおいて、連通溝は一方の側壁に設けられている。したがって、研磨パッドは、連通溝が設けられる側壁を相対回転方向における前側とし、連通溝が設けられない側壁を相対回転方向における後側として、研磨対象を研磨することで、研磨用スラリーが凹部に供給されやすくなる。
上記研磨パッドにおいて、前記第1側壁及び前記第2側壁のうち前記連通溝が設けられる側壁は、前記主面に対する角度が鋭角となる外側面を含むことが好ましい。
連通溝が設けられる側壁の外側面の主面に対する角度が鈍角であると、連通溝が設けられる側壁を相対回転方向における前側とし、連通溝が設けられない側壁を相対回転方向における後側として、研磨対象を研磨する際に、突出部が研磨対象の表面に引っ掛かりやすくなる。この点、上記構成の研磨パッドは、外側面の主面に対する角度が鋭角であるため、上述した突出部の引っ掛かりを抑制できる。
前記積層方向における平面視において、前記連通溝の幅は、前記第1側壁及び前記第2側壁のうち前記連通溝が設けられる側壁の厚さの2倍未満であることが好ましい。
連通溝の設けられる側壁の厚さが薄い場合に、連通溝の幅を大きくすると、研磨時に突出部に作用する力によって側壁に過負荷が掛かりやすい。これに対し、上記構成の研磨パッドは、連通溝の幅を連通溝が設けられる側壁の厚さの2倍未満とする。このため、研磨時に連通溝の設けられる側壁に過負荷が掛かることを抑制できる。
上記課題を解決する研磨方法は、研磨パッドを研磨対象に接触させた状態で、前記研磨パッドを前記研磨対象に対して相対回転させることにより、前記研磨対象を研磨する研磨方法であって、前記研磨パッドとして、上述した研磨パッドを用いる。
上記研磨方法は、上述した研磨パッドの作用効果を得ることができる。
上記研磨パッドは、研磨効率の低下を抑制できる。
研磨パッドの平面図。 図1における細線で囲った部分の拡大斜視図。 図1における細線で囲った部分の拡大平面図。 図1における細線で囲った部分の拡大断面図。 研磨パッドの作用を説明する模式図。 研磨パッドの作用を説明する模式図。 第1の変更例に係る研磨パッドの拡大斜視図。 第2の変更例に係る研磨パッドの拡大斜視図。
以下、研磨パッド及び研磨パッドを用いた研磨方法の一実施形態について図面を参照して説明する。なお、図面では、説明の便宜上、一部の構成を誇張して示したり、一部の構成を省略したりする場合がある。
<研磨パッド10>
図1に示すように、研磨パッド10は、中央部に円形の孔の空いた円板状をなしている。図2に示すように、研磨パッド10は、基材層20と、基材層20に積層される研磨層30と、を有する。以降の説明では、基材層20と研磨層30とが積層される方向を「積層方向」ともいい、研磨対象を研磨するときの研磨パッド10の研磨対象に対する相対回転方向を「回転方向R」ともいう。積層方向は、研磨パッド10の厚さ方向であり、研磨パッド10の回転方向Rは研磨パッド10の周方向である。
<基材層20>
図2及び図4に示すように、基材層20は、金属層21と、弾性層22と、を備える。金属層21は、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼等から構成され、弾性層22は、ゴムなどのエラストマーから構成される。弾性層22は、非発泡体であってもよいし発泡体であってもよい。金属層21と弾性層22とは接着層を介して接着されている。以降の説明では、弾性層22の表面でもある基材層20の表面を主面20Sともいう。基材層20の主面20Sは、必ずしも平滑な面である必要はない。
<研磨層30>
図2及び図4に示すように、研磨層30は、基材層20に支持される平板状の支持部40と、支持部40から積層方向に沿って突出する複数の突出部50と、を備える。また、研磨層30は、複数の突出部50を区画する凹溝70を備える。支持部40と複数の突出部50とは、ウレタンゴム等の弾性材料によって一体に構成されている。研磨層30は、基材層20と不図示の接着層を介して接着されている。
図1に示すように、研磨層30は、突出部50の配置が異なる複数の領域A1~A6を有する。複数の領域A1~A6は、研磨層30の平面視において、中心角を60°として6等分した扇形の領域である。研磨パッド10は、図1における時計回りの順で領域A1,A2,A3,A4,A5,A6に区分される。以降の説明では、第1領域A1及び第6領域A6の境界であって第3領域A3及び第4領域A4の境界の延びる方向を第1径方向D1とする。また、第2領域A2及び第1領域A1の境界であって第4領域A4及び第5領域A5の境界の延びる方向を第2径方向D2とする。同様に、第3領域A3及び第2領域A2の境界であって第5領域A5及び第6領域A6の延びる方向を第3径方向D3とする。図1に示すように、第1径方向D1、第2径方向D2及び第3径方向D3は、研磨パッド10の回転方向Rと直交する方向である。
図1に示すように、領域A1,A4に属する複数の突出部50は、第1径方向D1に間隔をあけて並ぶとともに、第2径方向D2に間隔をあけて並んでいる。第1径方向D1における複数の突出部50の間隔は一定であり、第2径方向D2における複数の突出部50の間隔は一定である。また、領域A2,A5に属する複数の突出部50は、第2径方向D2に間隔をあけて並ぶとともに、第3径方向D3に間隔をあけて並んでいる。第2径方向D2における複数の突出部50の間隔は一定であり、第3径方向D3における複数の突出部50の間隔は一定である。また、領域A3,A6に属する複数の突出部50は、第3径方向D3に間隔をあけて並ぶとともに、第1径方向D1に間隔をあけて並んでいる。第3径方向D3における複数の突出部50の間隔は一定であり、第1径方向D1における複数の突出部50の間隔は一定である。
<突出部50>
図2及び図3に示すように、突出部50は、積層方向における平面視において環状をなす環状壁60を有する。また、突出部50は、環状壁60に囲われる空間である凹部51と、環状壁60を貫通する連通溝52と、を有する。環状壁60の高さ方向及び凹部51の深さ方向は、ともに積層方向である。
<環状壁60>
図3に示すように、積層方向における平面視において、環状壁60の外形は、矩形状をなしている。詳しくは、環状壁60の外形は、平行四辺形状をなしている。環状壁60の先端面50Sは、基材層20の主面20Sと略平行になっている。環状壁60は、凹部51を囲う第1側壁61、第2側壁62、第3側壁63及び第4側壁64を有する。
図1に示すように、第1領域A1及び第4領域A4において、第1側壁61及び第2側壁62は第1径方向D1に延び、第3側壁63及び第4側壁64は、第2径方向D2に延びている。第2領域A2及び第5領域A5において、第1側壁61及び第2側壁62は第2径方向D2に延び、第3側壁63及び第4側壁64は、第3径方向D3に延びている。第3領域A3及び第6領域A6において、第1側壁61及び第2側壁62は第3径方向D3に延び、第3側壁63及び第4側壁64は、第1径方向D1に延びている。
図3に示すように、第1側壁61及び第2側壁62は、凹部51を挟んで向き合って位置し、第3側壁63及び第4側壁64は、凹部51を挟んで向き合って位置している。第1側壁61及び第2側壁62は、回転方向Rと交差している。
図4に示すように、第1側壁61の外面である第1外側面61Sと基材層20の主面20Sとの間をなす角度(以下、「第1角度θ1」ともいう。)は、鋭角になっている。第1角度θ1は、例えば、80°以下であることが好ましく、より好ましくは70°以下であり、さらに好ましくは60°以下である。その一方で、第1角度θ1は、10°以上であることが好ましく、より好ましくは20°以上であり、さらに好ましくは30°以上である。第2側壁62の外面である第2外側面62Sと基材層20の主面20Sとの間をなす角度(以下、「第2角度θ2」ともいう。)は、第1角度θ1よりも大きくなっている。本実施形態において、第2角度θ2は、直角である。図示を省略するが、第3側壁63の外面である第3外側面63Sと基材層20の主面20Sとの間をなす角度及び第4側壁64の外面である第4外側面64Sと基材層20の主面20Sとの間をなす角度についても、第2角度θ2と同様である。
<凹部51>
図3に示すように、積層方向における平面視において、凹部51は、長円形状をなしている。凹部51の短手方向における長さ(以下、「幅W11」ともいう。)は、凹部51の長手方向における長さL11の10%~50%程度の長さであることが好ましい。凹部51の長手方向における長さL11は、同方向における環状壁60の長さの20%~90%程度の長さであることが好ましい。図4に示すように、先端面50Sを基準とする凹部51の深さD11は、積層方向における突出部50の高さHの50%~100%であることが好ましい。これにより、凹部51の形成に起因する突出部50の強度の過度の低下が抑制されて、突出部50が早期に壊れることを抑制できる。そのため、突出部50の数を増やした場合でも長期間の使用を可能とすることができる。
<連通溝52>
図3に示すように、連通溝52は、回転方向Rと交差する第1側壁61及び第2側壁62のうち、第1側壁61に設けられている。連通溝52は、少なくとも第1側壁61の先端部を貫通することにより、凹部51に連通している。本実施形態において、連通溝52は、第1側壁61の高さ方向にわたって、凹部51に連通している。連通溝52は、凹部51の長手方向における中央部に連通していることが好ましい。
連通溝52の幅W12は、第1側壁61の先端面50Sにおける厚さW1の200%未満であることが好ましく、凹部51の幅W11の200%未満であることが好ましい。連通溝52の幅W12の下限値は、研磨に用いる研磨用スラリーに含まれる砥粒の大きさに応じて決定したり、研磨パッド10の研磨対象に対する相対回転速度に応じて決定したりすることが好ましい。本実施形態において、連通溝52の幅W12は凹部51の幅W11と同等であるが、他の実施形態において、連通溝52の幅W12は凹部51の幅W11の50%程度としてもよい。なお、連通溝52の幅W12は、連通溝52が設けられることにより分離した第1側壁61の間隔ということもできる。図4に示すように、先端面50Sを基準とする連通溝52の深さD12は、凹部51の深さD11以上であることが好ましい。この点で、本実施形態において、連通溝52の底面は、支持部40の表面と面一となっているが、他の実施形態において、連通溝52の底面は、凹部51の底面と面一となっていてもよい。
<凹溝70>
図1に示すように、凹溝70は、研磨層30の表面の全体にわたって格子状に設けられている。凹溝70は、隣り合う2つの突出部50を区画している。凹溝70は、深さの異なる複数の第1凹溝71及び複数の第2凹溝72を有する。図1及び図3では、第1凹溝71と第2凹溝72と区別するために第2凹溝72を梨地模様で示している。
図1に示すように、第1凹溝71は、第1径方向D1、第2径方向D2及び第3径方向D3の何れかの方向に延びている。同様に、第2凹溝72は、第1径方向D1、第2径方向D2及び第3径方向D3の何れかの方向に延びている。図4に示すように、第1凹溝71の深さは、第2凹溝72の深さよりも深くなっている。第1凹溝71の底面は、基材層20の主面20Sとなり、第2凹溝72の底面は、支持部40の表面となっている。
<研磨パッド10の各寸法>
研磨パッド10、及び研磨パッド10の各部位の寸法は限定されないが、例えば、以下に記載する寸法とすることができる。
研磨パッド10の直径は、10~1000mm程度である。突出部50の大きさは、積層方向における平面視において、凹部51の長手方向の長さが6~50mm程度であり、凹部51の短手方向の長さが7.5~20mm程度であり、高さHが5~30mm程度である。突出部50の凹部51の長さL11は、3~44mm程度であり、凹部51の幅W11は、1.5~5mm程度であり、凹部51の深さD11は、3~8mm程度である。連通溝52の幅W12は、1.5~5mm程度であり、連通溝52の深さD12は、5~30mm程度である。
環状壁60の先端面50Sにおいて、第1側壁61の厚さW1及び第2側壁62の厚さW2は、3mm以上であり、第3側壁63の厚さW3及び第4側壁64の厚さW4は、1.5mm以上である。この場合には、突出部50の強度を確保することが容易である。また、環状壁60の先端面50Sにおいて、第1側壁61の厚さW1及び第2側壁62の厚さW2は、8mm以下であり、第3側壁63の厚さW3及び第4側壁64の厚さW4は、3mm以下である。この場合には、凹部51をより大きく形成することが容易である。
<研磨パッド10の作用>
研磨パッド10は、例えば、回転駆動装置を備えた周知の研磨機に取り付けられる。研磨対象の表面は、研磨パッド10と研磨対象との相対回転により研磨される。研磨対象としては、ガラス板、ステンレス板、アルミニウム板等の板材が挙げられる。こうした研磨では、砥粒を含む研磨用スラリーが用いられる。
以下、図5及び図6を参照して、研磨パッド10を用いた研磨方法について説明する。図6では、研磨に用いられる研磨用スラリーに含まれる砥粒を小さな丸で示している。
研磨パッド10は、研磨機の回転軸100に取り付けられる。研磨対象としてのガラス板Gは、支持台200上に固定される。研磨は、研磨パッド10の環状壁60の先端面50Sとガラス板Gとが接触した状態で行われる。
研磨用スラリーは、回転軸100の中空部及び研磨パッド10の中央の孔を通じてガラス板Gの上面と研磨層30との間に供給される。研磨パッド10は、研磨層30における複数の突出部50の第1外側面61Sが先頭になってガラス板Gに対して進行する方向に回転される。言い換えれば、突出部50の第1側壁61は、ガラス板Gに対する研磨パッド10の回転方向Rにおける前側となり、突出部50の第2側壁62は、ガラス板Gに対する研磨パッド10の回転方向Rにおける後側となる。これにより、ガラス板Gの上面が研磨される。このとき、研磨パッド10の有する凹溝70は、研磨用スラリーの流路となる。
ここで、ガラス板Gに対する突出部50による研磨は、突出部50の先端における回転方向Rの前方側の角部の付近にて強く行われる。図6に示すように、本実施形態の研磨パッド10の研磨層30における突出部50は、先端面50Sに開口する凹部51を有する。そのため、突出部50の先端には、回転方向Rの前方側の角部として、第1側壁61の角部C1及び第2側壁62の角部C2の二つの角部が存在することになり、これら二つの角部C1,C2の付近にて研磨が行われる。研磨が行われる部分が増加することにより、突出部50による研磨効率が向上する。
研磨パッド10でガラス板Gを研磨するとき、第1側壁61の連通溝52は、研磨パッド10の回転方向Rに開口している。このため、ガラス板Gの上面と研磨層30との間に供給された研磨用スラリーは、連通溝52を介して凹部51に入り込む。そして、突出部50の凹部51は、研磨用スラリーを一時的に保持するスラリーポケットとして機能する。これにより、突出部50における上記の角部C1,C2の付近とガラス板Gとの間に研磨用スラリーが留まりやすくなる。なお、本実施形態では、第1側壁61に連通溝52を設けることで、第1側壁61の角部C1の長さが減少するが、連通溝52の幅W12を狭くしたことで、角部C1が短くなることによる研磨効率の低下は最小限に抑えられる。
<研磨パッド10の効果>
(1)研磨パッド10で研磨対象を研磨する場合、研磨パッド10と研磨対象との間に供給される研磨用スラリーは、連通溝52を介して凹部51に進入しやすくなり、凹部51に供給され続ける。その結果、研磨用スラリーは、研磨パッド10と研磨対象との間に潤沢に供給されやすくなる。したがって、研磨パッド10は、研磨対象の研磨効率を向上できる。
(2)研磨パッド10で研磨対象を研磨し続けていると、突出部50は先端から徐々に摩耗する。この点、研磨パッド10は、凹部51の深さD11が連通溝52の深さD12以下であるため、凹部51よりも先に連通溝52が無くなることがない。つまり、研磨パッド10は、連通溝52を介して、凹部51に研磨用スラリーを供給できなくなることがない。したがって、上記構成の研磨パッド10は、継続使用に対して、研磨効率が低下しにくい。
(3)連通溝52を第1側壁61及び第2側壁62の双方に設ける比較例の場合、研磨パッド10で研磨対象を研磨する際、一方の側壁の連通溝52を介して凹部51に進入した研磨用スラリーが他方の側壁の連通溝52を介して凹部51から排出されやすくなる。この点、研磨パッド10において、連通溝52は第1側壁61だけに設けられている。したがって、研磨パッド10は、研磨対象を研磨する際に、研磨用スラリーが凹部51に供給されやすくなる。
(4)第1角度θ1が鈍角であると、研磨対象を研磨する際に、突出部50が研磨対象の表面に引っ掛かりやすくなる。この点、研磨パッド10は、第1角度θ1が鋭角であるため、上述した突出部50の引っ掛かりを抑制できる。
(5)連通溝52の幅W12を広くすると、連通溝52の設けられる第1側壁61の剛性が低下する。上記構成の研磨パッド10は、連通溝52の幅W12を環状壁60の厚さ、詳しくは、第1側壁61の先端面50Sにおける厚さW1の2倍未満とするため、連通溝52の設けられる第1側壁61の剛性が低下することを抑制できる。
<変更例>
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・図7に示すように、突出部50Xの環状壁60Xは、積層方向における平面視において、凹部51の長手方向と直交する方向に延びる連通溝52Xを有してもよい。この場合、連通溝52Xは、凹部51の長手方向における中央部に連通していることが好ましい。さらに、積層方向における平面視において、連通溝52Xの延びる方向は適宜に変更できる。例えば、連通溝52Xは、複数の突出部50Xにおいて、回転方向Rに沿うように設けてもよい。
・図8に示すように、突出部50Yの環状壁60Yは、積層方向における平面視において、凹部51の長手方向と直交する方向に延びる2つの連通溝52Yを有してもよい。この場合、2つの連通溝52Yは、凹部51の長手方向における両端部に連通していることが好ましい。さらに、積層方向における平面視において、2つの連通溝52Yの延びる方向は適宜に変更できる。このとき、2つの連通溝52Yの延びる方向は異なる方向であってもよい。
・突出部50は、2つの凹部51を備えてもよい。この場合、突出部50は、2つの凹部51にそれぞれ連通する2つの連通溝52を備えることが好ましい。さらに、突出部50は、3以上の凹部51と、3以上の連通溝52と、を備えてもよい。
・突出部50の環状壁60において、何れか2つの側壁に連通溝52を1つずつ設けてもよい。例えば、第1側壁61及び第2側壁62に連通溝52を設ける場合、第2側壁62に設けられる連通溝52の幅W12は、第1側壁61に設けられる連通溝52の幅W12未満であることが好ましい。これによれば、第1側壁61の連通溝52を介して凹部51に進入する研磨用スラリーの一部は、第2側壁62の連通溝52から排出され、当該研磨用スラリーの他の一部は、凹部51に留まる。つまり、凹部51に研磨用スラリーを留めつつも、凹部51に留まる研磨用スラリーを積極的に更新することが可能となる。
・図1に示すように、第1領域A1における第2領域A2との境界付近に位置する突出部50において、第3側壁63は回転方向Rと交差している。したがって、第1領域A1における第2領域A2との境界付近に位置する突出部50において、連通溝52は、第3側壁63に設けてもよい。
・環状壁60は、積層方向における平面視において、円形状又は楕円形状をなしていてもよいし、三角形状又は六角形状など多角形状をなしていてもよい。
・凹部51の深さD11は、連通溝52の深さD12よりも深くてもよい。
・積層方向における平面視において、凹部51の形状は適宜に変更可能である。例えば、凹部51は、楕円形状をなしていてもよいし、長方形状をなしていてもよい。
・研磨パッド10において、複数の突出部50の形状は同一である必要はない。例えば、領域A1~A6毎に突出部50を異なる形状としてもよいし、研磨パッド10の内周縁の近くに位置する突出部50及び外周縁の近くに位置する突出部50を異なる形状としてもよい。
・研磨パッド10は、6つの領域A1~A6に区分されていなくてもよい。つまり、研磨パッド10において、区分される領域の数及び形状は適宜に変更可能である。研磨パッド10において、領域A1~A6を設定することなく、複数の突出部50を周方向及び径方向に並べて配置することもできる。
・研磨パッド10に対して研磨対象を回転させることにより、研磨対象を研磨してもよい。
10…研磨パッド
20…基材層
20S…主面
30…研磨層
50,50X,50Y…突出部
50S…先端面
51…凹部
52,52X,52Y…連通溝
60,60X,60Y…環状壁
61…第1側壁
61S…第1外側面
62…第2側壁
62S…第2外側面
D11,D12…深さ
G…ガラス板(研磨対象の一例)
θ1…第1角度
θ2…第2角度
R…回転方向
W1,W2,W3,W4…厚さ
W11,W12…幅

Claims (6)

  1. 基材層と前記基材層の主面に積層される研磨層とを備え、研磨対象との相対回転によって前記研磨対象を研磨する研磨パッドであって、
    前記研磨層は、前記基材層及び前記研磨層の積層方向に沿って突出する複数の突出部を備え、
    前記突出部は、前記積層方向における平面視において環状をなす環状壁と、前記環状壁に囲われる凹部と、前記環状壁の先端部を貫通し、前記凹部と連通する連通溝と、を有する
    ことを特徴とする研磨パッド。
  2. 前記環状壁の先端面を基準としたとき、前記積層方向における前記凹部の深さは、前記積層方向における前記連通溝の深さ以下である
    請求項1に記載の研磨パッド。
  3. 前記環状壁は、前記研磨対象に対する相対回転方向と交差し、前記凹部を挟んで向かい合う第1側壁及び第2側壁を有し、
    前記連通溝は、前記第1側壁及び前記第2側壁のうち一方の側壁に設けられている
    請求項1又は請求項2に記載の研磨パッド。
  4. 前記第1側壁及び前記第2側壁のうち前記連通溝が設けられる側壁は、前記主面に対する角度が鋭角となる外側面を含む
    請求項3に記載の研磨パッド。
  5. 前記積層方向における平面視において、前記連通溝の幅は、前記第1側壁及び前記第2側壁のうち前記連通溝が設けられる側壁の厚さの2倍未満である
    請求項3又は請求項4に記載の研磨パッド。
  6. 研磨パッドを研磨対象に接触させた状態で、前記研磨パッドを前記研磨対象に対して相対回転させることにより、前記研磨対象を研磨する研磨方法であって、
    前記研磨パッドとして、請求項1~請求項5の何れか一項に記載の研磨パッドを用いる
    研磨方法。
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