JP2023023117A - 電解コンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】電解液の残液量が低下しても静電容量が急減し難い電解コンデンサを提供することにある。【解決手段】電解コンデンサは、陽極箔と陰極体と電解液とを備える。陽極箔は、弁金属により成り、箔表面に形成された誘電体酸化皮膜を有する。陰極体は、弁金属の陰極箔と、当該陰極箔上に形成されたカーボン層とを有する。陽極箔の誘電体酸化皮膜に電解液の液滴を付着させたときの接触角Aと、陰極体のカーボン層に電解液の液滴を付着させたときの接触角Bとを、A<Bに設定する。【選択図】図1

Description

本発明は、電解コンデンサに関する。
電解コンデンサは、静電容量により電荷の蓄電及び放電を行う受動素子である。この電解コンデンサは、タンタルあるいはアルミニウム等のような弁金属箔に誘電体酸化皮膜を形成した陽極箔と、同種または他の金属の箔によりなる陰極箔とを対向させて備えている。陽極箔と陰極箔との間には、ショート防止のためにセパレータが介在している。陽極箔と陰極箔とセパレータには、電解液が含浸している。
電解液は、陽極箔と陰極箔とセパレータに含浸することで、陽極箔の誘電体酸化皮膜と陰極箔との間に介在し、陽極の凹凸面に密接する。これにより、電解液は、真の陰極として機能している。従って、陽極箔の誘電体酸化皮膜と電解液との接触面積が増えることで、電解コンデンサの静電容量は大きくなる。
電解液が電解コンデンサ外に蒸散することを抑制するため、陽極箔、陰極箔、セパレータ及び電解液から成るコンデンサ素子は、外装ケースに収納され、封口体で封止されている。尚、陽極箔及び陰極箔には引出端子が接続されており、封口体から、これら引出端子が引き出され、外部回路に実装可能となっている。
但し、電解コンデンサは、車載用途等のような最高使用温度が85~150℃といった高温度環境下で長時間使用されることもあり、電解液を外装ケース内に完全に密閉してしまうと、電解コンデンサの内圧が高まって、電解コンデンサの破裂に至るという問題点を有する。そこで、例えば封口体にゴム製等の透過性を有する素材を適用したり、外装ケースに圧力弁を設けるなどして、電解コンデンサの内圧と電解液の蒸散をコントロールしている。
特開2005-93941号公報
電解液が電解コンデンサ外に蒸散していくと、電解コンデンサ内の電解液の残液量が低下していく。電解液の残液量が低下すると、電解コンデンサの静電容量も減少してしまい、ついには電解コンデンサが所望の下限性能を下回って寿命を迎える。電解コンデンサを長寿命化するには、電解液の残液量の低下に比して、電解コンデンサの静電容量の減少を抑制することが求められる。
本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであり、その目的は、電解液の残液量が低下しても静電容量が急減し難い電解コンデンサを提供することにある。
上述の課題を解決すべく、本発明の電解コンデンサは、陽極箔と陰極体と電解液とを備える電解コンデンサであって、前記陽極箔は、弁金属により成り、箔表面に形成された誘電体酸化皮膜を有し、前記陰極体は、弁金属の陰極箔と、当該陰極箔上に形成されたカーボン層とを有し、前記陽極箔の前記誘電体酸化皮膜に前記電解液の液滴を付着させたときの接触角Aと、前記陰極体の前記カーボン層に前記電解液の液滴を付着させたときの接触角Bとは、A<Bであること、を特徴とする。
これにより、陰極体よりも陽極箔側に電解液が多く存在する。そのため、電解コンデンサ内の電解液の残液量が少なくとも、誘電体酸化皮膜を電解液で十分に満たすことができる。換言すると、誘電体酸化皮膜と電解液との接触面積が減少に転じる電解液の残液量は下がり、電解コンデンサの静電容量が急減し始めるタイミングを遅らせることができる。従って、電解コンデンサの寿命を延ばすことができる。
前記カーボン層はプレス加工されているようにしてもよい。これにより、カーボン層は密になり、カーボン層に電解液が染み込み難くなり、陰極体が保持する電解液量が減少する。その結果、陽極箔側に電解液を多く存在させることができ、より誘電体酸化皮膜を電解液で十分に満たすことができる。
前記陽極箔は、箔表面に拡面層を有し、前記誘電体酸化皮膜は、前記拡面層に形成されているようにしてもよい。拡面層によって陽極箔に含浸する電解液の量が多くなり、電解液は陰極体よりも陽極箔側により多く存在する。従って、誘電体酸化皮膜と電解液との接触面積が減少に転じる電解液の残液量は更に下がり、電解コンデンサの寿命を更に延ばすことができる。
本発明によれば、静電容量が急減する電解液の残液量が下がり、電解液の蒸散に起因する電解コンデンサの寿命を延ばすことができる。
実施例及び各比較例の陰極体並びに誘電体酸化皮膜が形成された陽極箔に対する電解液1の液滴の各接触角の平均値を示すグラフである。 実施例及び各比較例の陰極体並びに誘電体酸化皮膜が形成された陽極箔に対する電解液2の液滴の各接触角の平均値を示すグラフである。 実施例及び各比較例の陰極体並びに誘電体酸化皮膜が形成された陽極箔に対する電解液3の液滴の各接触角の平均値を示すグラフである。 実施例及び各比較例の陰極体並びに誘電体酸化皮膜が形成された陽極箔の電解液の含浸量を示すグラフである。 実施例及び各比較例の電解コンデンサの電解液の残液量と静電容量との関係を示すグラフである。 実施例及び各比較例の電解コンデンサの経時的な静電容量の変化を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態に係る電解コンデンサ及び製造方法について説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものでない。
(全体構成)
電解コンデンサは、誘電体酸化皮膜の誘電分極作用により静電容量を得て静電容量により電荷の蓄電及び放電を行う受動素子である。この電解コンデンサは、誘電体酸化皮膜が表面に形成された陽極箔、陰極体、電解液及びセパレータを備えている。陽極箔と陰極体とはセパレータを介して対向配置される。電解液は、陽極箔、陰極箔及びセパレータに含浸することで、陽極箔上の誘電体酸化皮膜に密着し、陽極箔の誘電体酸化皮膜と陰極体との間を電気的に繋ぎ、箔の電界を伝達する真の陰極となる。
陽極箔と陰極体とは、セパレータを挟んで交互に積層される積層型により配置され、又はセパレータを挟みつつ巻回される巻回型により配置される。この積層型又は巻回型のコンデンサ素子は、例えばアルミニウム製で有底筒形状の外装ケースに収容される。外装ケースの底面には、圧力弁が設けられている。外装ケースの開口は封口体によって封止されている。封口体は、ゴム製等である。封口体は、例えば、外装ケースの開口が加締め加工によって内側に折り曲げて潰されることにより、外装ケースと密着する。尚、陽極箔と陰極体には、導体である引出端子が接続されており、引出端子は封口体を介して導出している。
(陽極箔)
陽極箔は、弁金属を延伸した箔体である。弁金属は、アルミニウム、タンタル、ニオブ、酸化ニオブ、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス及びアンチモン等である。純度は、陽極箔に関して99.9%以上が望ましいが、ケイ素、鉄、銅、マグネシウム、亜鉛等の不純物が含まれていてもよい。
陽極箔は、箔一面又は箔両面に拡面構造を有する拡面層が形成されている。陽極箔の箔一面又は箔両面にも拡面層が形成されることが好ましい。拡面層によって、陽極箔の比表面積が大きくなるとともに、陽極箔に含浸する電解液の量が多くなり、電解液が減っても、陽極箔の誘電体酸化皮膜と電解液との接触面積を維持することができる。
拡面層は、電解エッチング、ケミカルエッチング若しくはサンドブラスト等により形成され、又は箔体に金属粒子等を蒸着若しくは焼結することにより形成される。即ち、拡面層は、トンネル状のピット、海綿状のピット、又は密集した粉体間の空隙により成る。電解エッチングとしては塩酸等のハロゲンイオンが存在する酸性水溶液中で直流又は交流を印加する直流エッチング又は交流エッチングが挙げられる。また、ケミカルエッチングでは、金属箔を酸溶液やアルカリ溶液に浸漬させる。尚、トンネル状のピットは、箔を貫通する長さで形成されていてもよいし、箔の中心に未達の長さで形成されていてもよい。
陽極箔の誘電体酸化皮膜は、典型的には、陽極箔の表層に形成される酸化皮膜である。この誘電体酸化皮膜は、例えば、陽極箔がアルミニウム箔であれば拡面層の表層を酸化させた酸化アルミニウムである。誘電体酸化皮膜は、アジピン酸、ホウ酸又はリン酸等の水溶液等のハロゲンイオン不在の溶液中で電圧印加する化成処理により意図的に形成される。
(陰極体)
陰極体は陰極箔を備えている。陰極箔は、陽極箔と同種又は異種の弁金属を延伸した箔体である。純度は、陰極箔に関して99%以上が望ましいが、ケイ素、鉄、銅、マグネシウム、亜鉛等の不純物が含まれていてもよい。例えば、陰極箔は、JIS規格H0001で規定される調質記号がHであるアルミニウム材、いわゆるH材や、JIS規格H0001で規定される調質記号がOであるアルミニウム材、いわゆるO材である。H材からなる剛性が高い金属箔を用いると、プレス加工による陰極箔の変形を抑制できる。
陰極箔の表面にも必要に応じて拡面層が形成されていてもよい。また、陰極箔の表層にも、この化成処理によって意図的に酸化皮膜が形成され、又は自然的に酸化皮膜が形成されていてもよい。陰極箔の表層に自然的に発生する自然酸化皮膜は、陰極箔が空気中の酸素と反応することにより形成される。
更に、陰極体は陰極箔上に形成されたカーボン層を備えており、陰極体の表面はカーボン層となっている。カーボン層は炭素材を含有する層である。炭素材は、繊維状炭素、炭素粉末、又はこれらの混合である。繊維状炭素や炭素粉末は、賦活処理や孔を形成する開口処理などの多孔質化処理が施されていることが好ましい。
炭素粉末は、例えば、やしがら等の天然植物組織、フェノール等の合成樹脂、石炭、コークス又はピッチ等の化石燃料由来のものを原料とする活性炭、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック又はサーマルブラック等のカーボンブラック、カーボンナノホーン、無定形炭素、天然黒鉛、人造黒鉛、黒鉛化ケッチェンブラック、メソポーラス炭素等である。繊維状炭素は、例えば、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバ等である。カーボンナノチューブは、グラフェンシートが1層である単層カーボンナノチューブでも、2層以上のグラフェンシートが同軸状に丸まり、チューブ壁が多層をなす多層カーボンナノチューブ(MWCNT)でもよい。
このカーボン層は、真空蒸着、スパッタ、イオンプレーティング、CVD法、塗布、電解めっき、無電解めっき等によって、陰極箔上に形成される。塗布による場合、炭素材を分散溶媒中に分散させてスラリーを作製し、スラリーキャスト法、ドクターブレード法又はスプレー噴霧法等によって陰極箔にスラリーを塗布及び乾燥させる。真空蒸着による場合、真空中で炭素材を通電加熱することで蒸発させ、又は真空中で炭素材に電子ビームを当てて蒸発させ、陰極箔上に炭素材を成膜する。また、スパッタ法による場合、炭素材により成るターゲットと陰極箔とを真空容器に配置し、真空容器内に不活性ガスを導入して電圧印加することによって、プラズマ化した不活性ガスをターゲットに衝突させ、ターゲットから叩き出された炭素材の粒子を陰極箔に堆積させる。
この陰極体は、陽極箔の誘電体酸化皮膜の表面に電解液の液滴を付着させたときの陽極側の接触角Aと、陰極体の表面に電解液の液滴を付着させたときの陰極側の接触角Bとが、A<Bとなるように調整されている。陽極側の接触角A及び陰極側の接触角Bは、陽極箔の誘電体酸化皮膜や陰極体の表面と液滴の接線とのなす角度である。陽極側の接触角A及び陰極側の接触角Bは、θ/2法を用いて測定される。即ち、液滴の高さを半径で除した結果の逆正接を求め、その2倍を接触角とする。または、液滴の縁と頂点を結ぶ線分と陽極箔の誘電体酸化皮膜や陰極体の表面との角度を測定し、測定結果を2倍して接触角としてもよい。
陰極側の接触角Bを陽極側の接触角Aよりも大きくすると、陰極体は陽極箔よりも電解液を弾き易くなり、陰極体に対する電解液の含浸量が陽極箔よりも相対的に低下する。陰極体に対する電解液の含浸量が低下した分、電解液は、陰極体側よりも陽極箔側に多く分布する。つまり、陽極箔側には余剰の電解液が多く存在する。そのため、電解コンデンサから電解液が蒸散し、電解液の残液量が減少しても、陽極箔側の電解液の余剰分は尽き難くなる。
電解液の余剰分が尽きなければ、陽極箔の誘電体酸化皮膜の表面を電解液で満たし続けることができる。換言すれば、誘電体酸化皮膜と電解液との接触面積が減少に転じる電解液の残液量は下がる。接触面積を維持する電解液の下限が下がった分、誘電体酸化皮膜と電解液との接触面積の減少に伴う静電容量の急減は遅れる。従って、陰極側の接触角Bを陽極側の接触角Aよりも大きくすると、電解液の蒸散に伴う静電容量の急減を遅らせることができ、電解コンデンサが長寿命化する。
陰極側の接触角Bは各種手法によって調整すればよい。例えば、陰極体の表面にカーボン層を形成すると、陰極体の接触角Bは大きくなる。また、カーボン層に含まれる炭素材やバインダー等の種類や含有量を、電解液の組成との親和性の観点から陰極側の接触角Bが高くなるように選択する。また、カーボン層に存在する細孔の直径や数を少なくなるように調整する。
カーボン層に存在する細孔の直径や数は、例えばプレス加工によって調整すればよい。プレス加工では、カーボン層と陰極箔の積層体をプレスローラで挟んで、プレス線圧を加える。プレス線圧は0.01~100t/cm程度が望ましい。プレス加工によってカーボン層は圧縮され、カーボン層内の細孔が潰れる。またプレス加工によってカーボン層と陰極箔との界面に生じている隙間が潰れる。これにより、カーボン層に電解液が染み込み難く、電解液を弾き易くなり、陰極側の接触角Bは大きくなる。
また、炭素材としては、球状炭素であるカーボンブラックが好ましい。一次粒子径が平均100nm以下である球状のカーボンブラックを用いることにより、カーボン層は密になり、カーボン層に電解液が染み込み難く、電解液を弾き易くなり、陰極側の接触角Bは大きくなる。
また、カーボン層に含有する炭素材は、鱗片状又は鱗状の黒鉛と球状炭素であるカーボンブラックであってもよい。鱗片状又は鱗状の黒鉛は、短径と長径とのアスペクト比が1:5~1:100の範囲であることが好ましい。この組み合わせの炭素材を含有するカーボン層を陰極箔に積層してプレス加工すると、黒鉛は、変形しながら整然と陰極箔上に積み重なり、カーボン層は密になる。また、カーボンブラックは、黒鉛間の隙間を埋め、カーボン層は更に密になる。そのため、カーボン層に電解液が染み込み難く、電解液を弾き易くなり、陰極側の接触角Bは大きくなる。
(電解液)
電解液の溶媒は、プロトン性の有機極性溶媒又は非プロトン性の有機極性溶媒であり、単独又は2種類以上が組み合わせられる。溶質は、アニオン及びカチオンの成分が含まれる。溶質は、典型的には、有機酸の塩、無機酸の塩、又は有機酸と無機酸との複合化合物の塩であり、単独又は2種以上を組み合わせて用いられる。アニオンとなる酸及びカチオンとなる塩基を溶質成分として別々に電解液に添加してもよい。
プロトン性の有機極性溶媒としては、一価アルコール類、多価アルコール類及びオキシアルコール化合物類などが挙げられる。一価アルコール類としては、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等が挙げられる。多価アルコール類及びオキシアルコール化合物類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メトキシプロピレングリコール、ジメトキシプロパノール等が挙げられる。
非プロトン性の有機極性溶媒としては、スルホン系、アミド系、ラクトン類、環状アミド系、ニトリル系、スルホキシド系などが代表として挙げられる。スルホン系としては、ジメチルスルホン、エチルメチルスルホン、ジエチルスルホン、スルホラン、3-メチルスルホラン、2,4-ジメチルスルホラン等が挙げられる。アミド系としては、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N-エチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-エチルアセトアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックアミド等が挙げられる。ラクトン類、環状アミド系としては、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、δ-バレロラクトン、N-メチル-2-ピロリドン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、イソブチレンカーボネート等が挙げられる。ニトリル系としては、アセトニトリル、3-メトキシプロピオニトリル、グルタロニトリル等が挙げられる。スルホキシド系としてはジメチルスルホキシド等が挙げられる。
有機酸としては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、アジピン酸、安息香酸、トルイル酸、エナント酸、マロン酸、1,6-デカンジカルボン酸、1,7-オクタンジカルボン酸、アゼライン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸等のカルボン酸、フェノール類、スルホン酸が挙げられる。また、無機酸としては、ホウ酸、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、炭酸、ケイ酸等が挙げられる。有機酸と無機酸の複合化合物としては、ボロジサリチル酸、ボロジ蓚酸、ボロジグリコール酸等が挙げられる。
これら有機酸の塩、無機酸の塩、ならびに有機酸と無機酸の複合化合物の少なくとも1種の塩としては、アンモニウム塩、四級アンモニウム塩、四級化アミジニウム塩、アミン塩、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。四級アンモニウム塩の四級アンモニウムイオンとしては、テトラメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム等が挙げられる。四級化アミジニウムとしては、エチルジメチルイミダゾリニウム、テトラメチルイミダゾリニウムなどが挙げられる。アミン塩のアミンとしては、一級アミン、二級アミン、三級アミンが挙げられる。一級アミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミンなど、二級アミンとしては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、エチルメチルアミン、ジブチルアミンなど、三級アミンとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、エチルジメチルアミン、エチルジイソプロピルアミン等が挙げられる。電解液中には、これら有機酸、無機酸、有機酸と無機酸の複合化合物であるアニオンとなる成分と、これら塩基であるカチオンとなる成分とを有するイオン解離性の塩を添加すればよい。
さらに、電解液には他の添加剤を添加することもできる。添加剤としては、ポリエチレングリコール、ホウ酸と多糖類(マンニット、ソルビットなど)との錯化合物、ホウ酸と多価アルコールとの錯化合物、ホウ酸エステル、ニトロ化合物、リン酸エステル、コロイダルシリカなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。ニトロ化合物は、電解コンデンサ内の水素ガスの発生量を抑制する。ニトロ化合物としては、o-ニトロ安息香酸、m-ニトロ安息香酸、p-ニトロ安息香酸、o-ニトロフェノール、m-ニトロフェノール、p-ニトロフェノール等が挙げられる。
この電解液は、調製後にコンデンサ素子に含浸させる。コンデンサ素子は、誘電体酸化皮膜が形成された陽極箔と、カーボン層を陰極箔上に積層した陰極体とをセパレータを介して対向させて成る。コンデンサ素子への電解液の含浸時には、含浸を促進させるべく、必要に応じて減圧処理や加圧処理を行ってもよい。含浸工程は複数回繰り返してもよい。尚、電解コンデンサは、電解液に加えて固体電解質層を備えるようにしてもよく、固体電解質層を併用する場合、電解液は、固体電解質層が形成されたコンデンサ素子に含浸させる。
この固体電解質層は、導電性高分子を含む。導電性高分子は、公知のものを特に限定なく使用することができ、例えば、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアセン、ポリチオフェンビニレンなどが挙げられ、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)等が好ましい。ドーパントとしては、公知のものを特に限定なく使用することができ、ドーピングされた共役系高分子としては、例えば、ポリスチレンスルホン酸(PSS)がドープされたPEDOTと呼称されるポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)が挙げられる。導電性高分子は、単独で用いられてもよく、2種類以上を組み合わせても良く、更に2種以上のモノマーの共重合体であってもよい。
(セパレータ)
セパレータは、固体電解質層及び電解液の保持及び陽極箔と陰極体とのショート阻止を担う。クラフト、マニラ麻、エスパルト、ヘンプ、レーヨン等のセルロースおよびこれらの混合紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、それらの誘導体などのポリエステル系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、ビニロン系樹脂、脂肪族ポリアミド、半芳香族ポリアミド、全芳香族ポリアミド等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、トリメチルペンテン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等が挙げられ、これらの樹脂を単独で又は混合して用いることができる。
以下、実施例に基づいて本発明の電解コンデンサをさらに詳細に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(実施例)
実施例の電解コンデンサに用いられる陰極体は、厚み20μmのアルミニウム箔を陰極箔として備える。この陰極箔には、交流エッチング処理を施し、海綿状のエッチングピットにより成る拡面層を箔両面に形成した。交流エッチング処理では、液温25℃及び約8重量%の塩酸を主たる電解質とする酸性水溶液に陰極箔を浸し、交流10Hz及び電流密度0.14A/cmの電流を基材に約5分間印加した。
この陰極箔の表面には、塗布法により炭素材料としてカーボンブラックを含むカーボン層を積層した。このとき、カーボンブラックの粉末、バインダーであるスチレンブタジエンゴム(SBR)、及び分散剤含有水溶液としてカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)水溶液を混合して混練することでスラリーを作製し、このスラリーを陰極箔に均一に塗布した。そして、スラリーを加熱乾燥させて溶媒を揮発させた。
カーボン層を陰極箔に積層した後、陰極体をプレス成形した。即ち、陰極体をプレスローラで挟み込み、プレス線圧をかけた。プレス線圧は0.01~100t/cm程度が望ましい。また、プレス時のプレスローラの温度であるプレス温度は0~200℃程度が望ましい。
また、実施例の電解コンデンサに用いられる陽極箔は、厚み110μmのアルミニウム箔である。この陽極箔には、交流エッチング処理を施し、海綿状のエッチングピットにより成る拡面層を箔両面に形成した。交流エッチング処理では、液温25℃及び約8重量%の塩酸を主たる電解質とする酸性水溶液に陰極箔を浸し、交流10Hz及び電流密度0.14A/cmの電流を基材に約5分間印加した。
拡面層を形成した陽極箔には、化成処理を施し、陽極箔の拡面層の表面に誘電体酸化皮膜を形成した。化成処理では、リン酸水溶液で交流エッチング処理の際に付着した塩素を除去した後、リン酸二水素アンモニウムの水溶液内で電圧を印加した。
次に、この実施例と比較する比較例1及び2の陰極体を作製した。比較例1の陰極体は、陰極箔のみを備え、カーボン層は未形成とした。比較例1の陰極箔は、実施例の陰極箔と同じ厚みを有し、同じ条件で拡面層が形成されており、実施例の陰極箔と同一である。比較例2の陰極体が備える陰極箔についても、実施例の陰極箔と同じ厚みを有し、同じ条件で拡面層が形成されており、実施例の陰極箔と同一である。比較例2の陰極体は、この陰極箔の表面に窒化チタンを蒸着した。窒化チタンは、真空アーク蒸着法により蒸着された。但し、比較例2の陰極体に対してプレス成形は未実施とした。
(接触角の確認)
3種類の電解液が調製され、本実施例の陰極体及び陽極箔、並びに比較例1及び2の陰極体に対する電解液ごとの液滴の各接触角を測定した。第1種類目の電解液1の溶媒は、γ-ブチロラクトンとスルホランとを重量比で1:1の割合で混合した混合液であり、第2種類目の電解液2の溶媒はγ-ブチロラクトンを主体とし、第3種類目の電解液3の溶媒は、エチレングリコールを主体とする。電解液1乃至3の溶質はフタル酸である。
各電解液が液滴となるように、本実施例の陰極体及び陽極箔、並びに比較例1及び2の陰極体に同量滴下した。接触角は、自動接触角計(協和界面科学株式会社製、型番DM-301)を用いて、θ/2法により測定された。また、接触角は、本実施例の陰極体及び陽極箔、並びに比較例1及び2の陰極体を3枚ずつ用意して測定された。
接触角の測定結果を下表1に示す。また、下表1に基づき、本実施例の陰極体及び陽極箔、並びに比較例1及び2の陰極体に対する電解液1の液滴の各接触角の平均値を図1のグラフに電解液2の液滴の各接触角の平均値を図2のグラフに、電解液3の液滴の各接触角の平均値を図3のグラフに纏めた。
(表1)
Figure 2023023117000002
表1及び図1~図3に示すように、電解液1~3の何れについても、カーボン層を陰極箔に形成した実施例の陰極体は、接触角に関し、誘電体酸化皮膜が形成された実施例の陽極箔を上回った。一方、陰極箔のみでカーボン層が未形成の比較例1の陰極体及び陰極箔に窒化チタンを蒸着した比較例2の陰極体は、接触角に関し、電解液1~3の何れについても、誘電体酸化皮膜が形成された実施例の陽極箔を下回った。
このように、カーボン層を陰極箔に形成することにより、陰極体の接触角を大きくし、実施例の陰極体の接触角のみを、誘電体酸化皮膜が形成された実施例の陽極箔より大きくした。また、このような傾向は、溶媒種によらず、各種溶媒を用いた電解液に共通する傾向であることが認められた。
(含浸量の確認)
実施例の陽極箔と比べて接触角が大きかった実施例の陰極体と、実施例の陽極箔と比べて接触角が小さかった比較例1及び2の陰極体に対する、電解液の含浸量を確認した。各陰極体から5cm×4cmの試験片を2枚ずつ切り出し、電解液を試験片に含浸した。電解液は、γ-ブチロラクトンとスルホランとを重量比で1:1の割合で混合した電解液1である。含浸の際には、20℃の電解液に試験片を完全に沈め、2分経過後に電解液から試験片を取り出した。電解液から取り出した試験片の表面をシリコンゴムシートで擦ることで、試験片の表面から電解液を除去した。電解液の含浸前後に試験片の重量を測定しておき、含浸前後の重量差を電解液の含浸量とした。
実施例の陰極体並びに比較例1及び2の陰極体の含浸量を下表2に示す。また、下表2に基づき、本実施例の陰極体並びに比較例1及び2の陰極体に対する電解液の含浸量を図4のグラフに纏めた。
(表2)
Figure 2023023117000003
表2及び図4に示すように、比較例1の陰極体は、比較例2の陰極体の含浸量と比べて、含浸量が3分の1以下となっている。比較例1の陰極体は陰極箔のみで、比較例2の陰極体は陰極箔上に窒化チタンの層を有しており、比較例1の陰極体は、比較例2の窒化チタンの層のように、陰極箔以外に電解液を受け入れる余地がない。そのため、比較例1の陰極体に対する含浸量は少なくなったものである。
表2及び図4に示すように、このような比較例1の陰極体と比べて、実施例の陰極体は、陰極箔以外にカーボン層という電解液を受ける素地があるにも関わらず、更に含浸量が少なくなっている。このように、表2及び図4から、実施例の陽極箔よりも接触角を大きくすることで、陰極体に対する電解液の含浸量を少なくできることが確認された。
(静電容量の変化)
実施例の陰極体と実施例の陽極箔により実施例の電解コンデンサを作製した。また、比較例1の陰極体と実施例の陽極箔により比較例1の電解コンデンサを作製し、比較例2の陰極体と実施例の陽極箔により比較例2の電解コンデンサを作製した。
実施例並びに比較例1及び2の電解コンデンサにおいて、陽極箔と陰極体は同幅及び同長の帯形状である。陽極箔と陰極体のそれぞれに、アルミニウム製のタブ形状の引出端子をステッチ接続しておいた。陽極箔と陰極体との間にセパレータを挟んで巻回し、陽極箔と陰極体とセパレータを備えるコンデンサ素子を作製した。セパレータは、クラフト製であり、実施例並びに比較例1及び2の電解コンデンサにおいて同種及び同形同大同重量のものが用いられた。このコンデンサ素子には、γ-ブチロラクトンとスルホランとを重量比で1:1の割合で混合した混合液にフタル酸を添加した電解液1を同量含浸させた。
このコンデンサ素子を有底筒状の外装ケースに挿入し、開口端部に封口体を装着して、加締め加工によって封止した。外装ケース及び封口体は、実施例並びに比較例1及び2の電解コンデンサにおいて同種及び同形同大である。そして、電解コンデンサは、115℃の温度環境下に45分間晒されてエージング処理された。
これら電解コンデンサの電解液の残液量と静電容量との関係を測定した。残液量と静電容量は次の通り、測定した。まず、作製直後の電解コンデンサの重量と静電容量を測定する。次に、電解コンデンサを150℃の温度環境下に静置し、一定時間経過ごとに静電容量と電解コンデンサの重量を測定する。残液量については、そのとき測定した電解コンデンサの重量と作製直後の電解コンデンサの重量との差が電解液の蒸散量とし、電解コンデンサの作製時に含浸した電解液から差し引いた量を残液量とみなした。静電容量については、20℃の温度環境下で120Hzの交流信号を加えて静電容量を測定した。重量と静電容量を測定した後は、次の一定時間が経過するまで、150℃の温度環境下に電解コンデンサを戻しておいた。
測定結果を図5に示す。図5は、実施例及び比較例1及び2の電解コンデンサの電解液の残液量と静電容量との関係を示すグラフである。図5において、丸のプロットは、カーボン層を備え、陰極体の接触角が陽極箔の接触角より大きい実施例の電解コンデンサに関する。三角のプロットは、陰極体は陰極箔のみを備え、カーボン層がなく、陰極体の接触角が陽極箔より小さい比較例1の電解コンデンサに関する。菱形のプロットは、窒化チタンが蒸着され陰極体の接触角が陽極箔の接触角より小さい比較例2の電解コンデンサに関する。
図5に示すように、実施例の電解コンデンサについては、電解液の単位減少量当たりの静電容量の変化が変わるグラフ上の屈曲点が104.7mgとなっている。即ち、実施例の電解コンデンサは、電解液の残液量が104.7mg以下になるまでは、静電容量の減少が緩やかな状態を維持できている。
一方、比較例1の電解コンデンサについては、グラフ上の屈曲点が106.8mgとなっている。これより、実施例の電解コンデンサは、比較例1と比べて、静電容量が急減する電解液の残液量の下限が約2mg分下がっていることが確認できる。また、比較例2の電解コンデンサについては、グラフ上の屈曲点が110.7mgとなっている。これより、実施例の電解コンデンサは、比較例1と比べて、静電容量が急減する電解液の残液量の下限が約6mg分下がっていることが確認できる。
即ち、実施例、比較例1及び比較例2の電解コンデンサを電解液の減少が等しい環境下及び使用状況に置いたとき、実施例の電解コンデンサが最も寿命が長くなることが推測できる。
(ライフ評価)
これら実施例及び比較例2の電解コンデンサの経時的な静電容量の変化を測定した。測定に際し、実施例及び比較例2の電解コンデンサを150℃の温度環境下に置き、定期的に静電容量を測定した。静電容量は、20℃の温度環境下で電解コンデンサに測定周波数120Hzの交流信号を流して測定した。
測定結果を図6に示す。図6は、実施例及び比較例2の電解コンデンサの電解液の静電容量と放置時間の関係を示すグラフである。図6において、丸のプロットは、カーボン層を備え、陰極体の接触角が陽極箔の接触角より大きい実施例の電解コンデンサに関する。菱形のプロットは、窒化チタンが蒸着され陰極体の接触角が陽極箔の接触角より小さい比較例2の電解コンデンサに関する。
図6に示すように、比較例2は、約400時間で静電容量の減少率が20%に到達した。一方、実施例は、静電容量の減少率が20%になるまで、比較例2よりも200時間長い約600時間に伸びた。実施例の電解コンデンサは、陰極体の接触角を陽極箔の接触角よりも大きくし、これにより陽極箔に対する電解液の含浸量を陰極体の含浸量よりも多くしたものである。これにより、陰極体の接触角を陽極箔の接触角よりも大きくすることで、静電容量が急減し始める電解液の残液量が下がり、電解液の蒸散に起因する電解コンデンサの寿命を延ばせることが確認された。

Claims (3)

  1. 陽極箔と陰極体と電解液とを備える電解コンデンサであって、
    前記陽極箔は、弁金属により成り、箔表面に形成された誘電体酸化皮膜を有し、
    前記陰極体は、弁金属の陰極箔と、当該陰極箔上に形成されたカーボン層とを有し、
    前記陽極箔の前記誘電体酸化皮膜に前記電解液の液滴を付着させたときの接触角Aと、前記陰極体の前記カーボン層に前記電解液の液滴を付着させたときの接触角Bとは、A<Bであること、
    を特徴とする電解コンデンサ。
  2. 前記カーボン層はプレス加工されていること、
    を特徴とする請求項1記載の電解コンデンサ。
  3. 前記陽極箔は、箔表面に拡面層を有し、
    前記誘電体酸化皮膜は、前記拡面層に形成されていること、
    を特徴とする請求項1又は2記載の電解コンデンサ。
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