JP2023022950A - 液体カートリッジ及び液体消費装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】センサの数を減らすことができ、衝撃により変形し難い液体カートリッジを提供する。【解決手段】インクカートリッジ30は、貯留室36に貯留されているインクを外部へ供給するインク供給部34と、装着姿勢において上方に露出する電極65を有するIC基板64と、装着姿勢において電極65の後方に位置しており、前後方向51,52に沿って延びる遮光板67と、装着姿勢において、電極65に対して上方であり且つ遮光板67の後方に位置する被検知部62と、を具備する。遮光板67は、軸68周りに回動可能であって、第1姿勢と第2姿勢とに姿勢変化する。第1姿勢の遮光板67と被検知部62との前後方向51,52の間に空間66を有する。【選択図】図6

Description

本発明は、液体が貯留される液体カートリッジ、及び当該液体カートリッジが装着される液体消費装置に関する。
従来より、インクカートリッジに貯留されたインクをノズルから吐出することによって、記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置が知られている。インクジェット記録装置において、インクが消費される毎に新たなインクカートリッジを装着可能に構成されたものがある。
インクカートリッジ30において、本体31の前壁140にインク供給部34が位置している。インクカートリッジ30がプリンタ10に装着される際に、プリンタ10が備えるインクニードル102がインク供給部34に挿入される。これにより、インクカートリッジ30がプリンタ10内において位置決めされる。また、本体31の上壁141には、IC基板64が位置する。インクカートリッジ30がプリンタ10に装着されると、IC基板64は、接点106と導通する。また、本体31の上壁141には、被検知部62及び遮光板67が位置する。インクカートリッジ30がプリンタ10に装着されると、残量センサ103及び装着センサ113にそれぞれ検知される。
特開2018-51907号公報
プリンタに設けられるセンサは、できるだけ少ないことが設計の自由度やコスト面から望ましい。また、インクカートリッジは、プリンタへの装着時や落下時の衝撃によって変形し難いことが望ましい。
本発明は、センサの数を減らすことができ、衝撃により変形し難い液体カートリッジを提供することにある。
(1) 本発明は、装着姿勢において、印刷装置に対して重力に沿った上下方向と交差する前後方向に移動されることによって印刷装置に装着可能な液体カートリッジに関する。液体カートリッジは、液体貯留室を有する筐体と、上記筐体の前面から前方へ突出しており、上記液体貯留室に貯留されている液体を外部へ供給する液体供給部と、上記装着姿勢において上方に露出する少なくとも3つの電極で構成される電極群を有する回路基板と、上記装着姿勢において、上記電極の後方に位置しており、前後方向に沿って延びるプレート部材と、上記装着姿勢において、上記電極に対して上方であり且つ上記プレート部材の後方に位置しており、上下方向及び前後方向と交差する左右方向に沿って進む光が照射される光アクセス部を有し、上記液体貯留室に貯留されている液体の量に応じて、光の状態が変化する残量検知部と、を具備する。上記プレート部材は、左右方向に沿った軸周りに回動可能であって、上記光アクセス部より上方に位置する第1姿勢と、上記第1姿勢より後方かつ上記光アクセス部より下方に位置する第2姿勢とに姿勢変化する。上記第1姿勢の上記プレート部材と上記残量検知部との前後方向の間に、上記光に対して上記プレート部材よりも透過する透光領域を有する。
第1姿勢のプレート部材と、透光領域と、残量検知部と、が左右方向に沿って進む光にを検知する同じセンサによって検知可能である。印刷装置への装着時や落下時の衝撃に対して、プレート部材が第2姿勢へ向けて回動することにより、プレート部材に変形が生じ難い。
(2) 好ましくは、上記電極群は、左右方向に並ぶ第1電極と、第2電極と、当該第1電極と当該第2電極との間に位置する第3電極と、を含み、それぞれが、装着姿勢において印刷装置に対して電気的に接続可能なものであり、上記第3電極はグランド電極であり、上記第1姿勢の上記プレート部材の上端部と上記第3電極とは、上下方向及び前後方向に平行な同一の仮想面と交差する。
上記により、新規な液体カートリッジが提供される。また、上記液体カートリッジによれば、次に挙げる作用効果の少なくとも一部を奏する。プレートの上端部と第3電極とは、上下方向及び前後方向に平行な同一の仮想面と交差する位置関係なので、プレートを光学的に検知するセンサと、第3電極とが干渉し難い。また、装着過程で液体カートリッジがガタついた結果として液体カートリッジが前後方向に対して傾いた状態で装着されても、グランド電極の電気的接続が安定して確保される。また、装着過程で液体カートリッジがガタついた結果として液体カートリッジが前後方向に対して傾いた状態で装着されても、プレートの前端又は後端の前後方向の位置ズレが小さい。
(3) 好ましくは、上記第1姿勢の上記プレート部材の上記上端部は、左右方向において、上記残量検知部の左端および右端の間に位置する。
(4) 好ましくは、上記透光領域は、空間である。
(5) 好ましくは、上記液体カートリッジは、上記プレート部材を上記第1姿勢へ向けて付勢する弾性部材を更に具備する。
(6) 好ましくは、上記プレート部材は、上記第1姿勢において上記電極より上方に位置するプレート部と、上記プレート部を上記第1姿勢へ向けて回動する錘と、を有する。
(7) 好ましくは、上記残量検知部は、液体と接触しているか否かによって反射が異なる反射面を有するプリズムと、上記光を上記プリズムへ反射する上記光アクセス部と、を有する。
(8) 好ましくは、上記光アクセス部は、左右方向に離れて位置する一対の反射板であり、上記プレート部材は、上記第1姿勢から上記第2姿勢に姿勢変化する過程において、少なくとも一部が上記一対の反射板の間に進入する。
(9) 好ましくは、上記プレート部材および上記残量検知部は、上記液体カートリッジが印刷装置に装着される過程において上記光が照射されるものである。
(10) 好ましくは、上記第2姿勢の上記プレート部材の上端は、上記光アクセス部よりも下方かつ上記電極よりも上方に位置する。
(11) 本発明に係る液体消費装置は、上記液体カートリッジと、上記液体カートリッジが前方へ挿入されて装着され、且つ上記液体カートリッジが後方へ脱抜される装着部と、上記装着部に装着された上記液体カートリッジに貯留された液体を消費する消費部と、を備える。上記装着部は、上記液体カートリッジが上記装着部に装着された装着状態において上記液体供給部に挿入されて上記液体供給部を位置決めし、上記液体供給部から供給された液体を上記消費部へ供給する液体供給管と、装着状態の上記液体カートリッジの上記電極と導通する接点と、装着状態の上記液体カートリッジの上記残量検知部を光学的に検知するセンサと、を備えている。上記センサは、上記液体カートリッジが上記装着部に挿入される過程において上記プレート部材および上記透光領域を検知する。
本発明によれば、印刷装置においてセンサの数を減らすことができ、衝撃により変形し難い液体カートリッジが実現される。
図1は、カートリッジ装着部110を備えたプリンタ10の内部構造を模式的に示す模式断面図である。 図2は、カートリッジ装着部110の外観構成を示す正面図である。 図3(A)は、インクカートリッジ30を後方且つ上方から視た状態の外観構成を示す斜視図である。図3(B)は、インクカートリッジ30を後方且つ下方から視た状態の外観構成を示す斜視図である。 図4(A)は、インクカートリッジ30を前方且つ上方から視た状態の外観構成を示す斜視図である。図4(B)は、インクカートリッジ30を前方且つ下方から視た状態の外観構成を示す斜視図である。 図5は、インクカートリッジ30の右側面図である。 図6は、インクカートリッジ30の上面図である。 図7は、インクカートリッジ30の前面図である。 図8は、インクカートリッジ30の後面図である。 図9は、インクカートリッジ30の内部構成を示す縦断面図である。 図10は、インクカートリッジ30及びカートリッジ装着部110を示す縦断面図であり、遮光板67がセンサ103に検出されている状態を示している。 図11は、インクカートリッジ30及びカートリッジ装着部110を示す縦断面図であり、インクニードル102がインク供給部34のインク供給口71に進入しており、センサ103の光路に空間66が位置する状態を示している。 図12は、インクカートリッジ30及びカートリッジ装着部110を示す縦断面図であり、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に位置決めされた状態を示している。 図13は、装着過程においてセンサ103が出力する信号を示す図である。 図14は、インクカートリッジ30及びカートリッジ装着部110を示す縦断面図であり、遮光板67が壁面107に当接した状態を示している。 図15(A)は、板バネ47に付勢されて遮光板67が第1姿勢となる状態を示す拡大図であり、図15(B)は、板バネ47の付勢力に抗して遮光板67が第2姿勢となる状態を示す拡大図である。 図16(A)は、板バネ49に付勢されて遮光板67が第1姿勢となる状態を示す拡大図であり、図16(B)は、板バネ49の付勢力に抗して遮光板67が第2姿勢となる状態を示す拡大図である。 図17(A)は、プリズム131の反射面が光を反射する状態のプリズム131及び反射板132を示しており、図17(B)は、プリズム131の反射面が光を反射しない状態のプリズム131及び反射板132を示している。 図18は、図17に示される変形例において、第1姿勢から第2姿勢へ回動する遮光板67が反射板132の間に進入する状態を示す拡大図である。 図19は、ダミー電極65Dを有するインクカートリッジ30の変形例を示す上面図である。 図20は、筐体33を有するインクカートリッジ30の変形例を示す斜視図である。 図21は、グランド電極65Cの寸法L1よりも遮光板67の寸法L2が大きい変形例を示すインクカートリッジ30の上面図である。
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明が具体化された一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
また、以下の説明では、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に挿入される方向が前方向51と定義される。また、前方向51と反対方向であって、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110から脱抜される方向が後方向52と定義される。本実施形態において、前方向51及び後方向52は重力方向と直交する水平方向と一致しているが、前方向51及び後方向52は水平方向と一致していなくてもよい。また、重力方向が下方向53と定義され、重力方向と反対方向が上方向54と定義される。また、前方向51及び下方向53と直交する方向が、右方向55及び左方向56と定義される。より具体的には、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110の装着位置まで挿入された状態、つまりインクカートリッジ30が装着姿勢にある状態(装着状態)において、インクカートリッジ30を前方から後方に視た場合において、右に延びる方向が右方向55と定義され、左に延びる方向が左方向56と定義される。
また、前方向51及び後方向52は、併せて前後方向51、52と定義される。また、上方向54及び下方向53は、併せて上下方向53、54と定義される。また、右方向55及び左方向56は、併せて左右方向55、56と定義される。
また、本明細書等において、「前方を向く」とは、前方の成分を含む方向を向くことを含み、「後方を向く」とは、後方の成分を含む方向を向くことを含み、「下方を向く」とは、下方の成分を含む方向を向くことを含み、「上方を向く」とは、上方の成分を含む方向を向くことを含む。例えば、「前面が前方を向く」とは、前面が前方を向いていてもよいし、前面が前方に対して傾斜した方向を向いていてもよい。
[プリンタ10の概要]
図1に示されるように、プリンタ10は、インクジェット記録方式に基づいて、用紙に対してインク滴を選択的に吐出することにより画像を記録するものである。プリンタ10(液体消費装置の一例)は、記録ヘッド21(消費部の一例)と、インク供給装置100と、記録ヘッド21及びインク供給装置100を接続するインクチューブ20とを備えている。インク供給装置100には、カートリッジ装着部110(装着部の一例)が設けられている。カートリッジ装着部110には、インクカートリッジ30(液体カートリッジの一例)が装着され得る。カートリッジ装着部110には、その一面に開口112が設けられている。インクカートリッジ30は、開口112を通じてカートリッジ装着部110に前方に挿入され、或いはカートリッジ装着部110から後方へ抜き出される。
インクカートリッジ30には、プリンタ10で使用可能なインク(液体の一例)が貯留されている。カートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着が完了した状態において、インクカートリッジ30と記録ヘッド21とは、インクチューブ20で接続されている。記録ヘッド21にはサブタンク28が設けられている。サブタンク28は、インクチューブ20を通じて供給されるインクを一時的に貯留する。記録ヘッド21は、インクジェット記録方式によって、サブタンク28から供給されたインクをノズル29から選択的に吐出する。具体的には、記録ヘッド21に設けられたヘッド制御基板から各ノズル29に対応して設けられたピエゾ素子29Aに選択的に駆動電圧が印加される。これにより、ノズル29から選択的にインクが吐出される。つまり、記録ヘッド21は、カートリッジ装着部110に装着されたインクカートリッジ30に貯留されたインクを消費する。
プリンタ10は、給紙トレイ15と、給紙ローラ23と、搬送ローラ対25と、プラテン26と、排出ローラ対27と、排紙トレイ16と、を備えている。給紙トレイ15から給紙ローラ23によって搬送路24へ給送された用紙は、搬送ローラ対25によってプラテン26上へ搬送される。記録ヘッド21は、プラテン26上を通過する用紙に対してインクを選択的に吐出する。これにより、用紙に画像が記録される。プラテン26を通過した用紙は、排出ローラ対27によって、搬送路24の最下流側に設けられた排紙トレイ16に排出される。
[インク供給装置100]
図1に示されるように、インク供給装置100は、プリンタ10に設けられている。インク供給装置100は、プリンタ10が備える記録ヘッド21にインクを供給するものである。インク供給装置100は、インクカートリッジ30を装着可能なカートリッジ装着部110を備えている。なお、図1においては、カートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着が完了した状態が示されている。つまり、図1において、インクカートリッジ30は装着状態である。
[カートリッジ装着部110]
図2及び図10に示されるように、カートリッジ装着部110は、ケース101と、インクニードル102と、センサ103と、3つの接点106と、ロック部145とを備えている。カートリッジ装着部110には、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色に対応する4つのインクカートリッジ30が収容可能である。また、インクニードル102、センサ103、3つの接点106、及びロック部145は、4つのインクカートリッジ30それぞれに対応して、4つずつ設けられている。
[ケース101]
図2及び図10に示されるように、カートリッジ装着部110の筐体を形成するケース101は、ケース101の内部空間の天部を確定している天面と、底部を確定している底面と、天部と底部とをつないでいる終面と、終面と前後方向51、52に対向する位置に設けられた開口112とを有する箱形状である。開口112は、ユーザがプリンタ10を使用するときに対面する面であるプリンタ10のユーザインタフェース面に露出し得る。
開口112を通じてケース101へインクカートリッジ30が挿抜される。インクカートリッジ30は、天面及び底面に設けられたガイド溝109に、インクカートリッジ30の上端部及び下端部が挿入されることによって、図10において前後方向51、52へ案内される。ケース101には、内部空間を上下方向53、54に長い4つの空間に仕切り分ける3つのプレート104が設けられている。このプレート104によって仕切り分けられた各空間それぞれにインクカートリッジ30が収容される。
[インクニードル102]
図10に示されるように、インクニードル102(液体供給管の一例)は、管状の樹脂からなり、ケース101の終面の下部に位置している。インクニードル102は、ケース101の終面において、カートリッジ装着部110に装着されたインクカートリッジ30のインク供給部34(液体供給部の一例)に対応する位置に配置されている。インクニードル102は、ケース101の終面から後方へ突出している。
インクニードル102の周囲には、円筒形状のガイド部105が設けられている。ガイド部105は、ケース101の終面から後方へ突出し、その突出端が開口している。インクニードル102は、ガイド部105の中心に配置されている。ガイド部105は、インクカートリッジのインク供給部34が内方に進入する形状である。
インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に前方へ挿入される過程において、つまりインクカートリッジ30が装着位置へ移動する過程において、インクカートリッジ30のインク供給部34がガイド部105に進入する(図11参照)。さらにインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に前方へ挿入されると、インクニードル102が、インク供給部34に形成されたインク供給口71に挿入される。これにより、インクニードル102とインク供給部34とは連結され、インク供給部34は位置決めされる。そして、インクカートリッジ30の内部に形成された貯留室36に貯留されたインクは、インク供給部34の内部に形成された筒壁73の内部空間及びインクニードル102の内部空間を通じてインクニードル102に接続されたインクチューブ20に流出される。なお、インクニードル102の先端は、平坦であってもよく、尖っていてもよい。
[ロック部145]
図10に示されるように、ロック部145が、ケース101の天面付近且つ開口112付近において、ケース101の左右方向55、56に延出されている。ロック部145は、左右方向55、56に沿って延びる棒状の部材である。ロック部145は、例えば、金属の円柱である。ロック部145の左右方向55、56の両端は、ケース101の左右方向55、56の両端を確定している壁に固定されている。したがって、ロック部145は、ケース101に対して回動等の相対移動をしない。ロック部145は、4つのインクカートリッジ30が収納可能な4つの空間に渡って左右方向55、56に延びている。インクカートリッジ30が収容される各空間において、ロック部145の周囲には空間が存在する。したがって、ロック部145に対して、上方へ向かって、また、後方へ向かってアクセスすることができる。
ロック部145は、カートリッジ装着部110に装着されたインクカートリッジ30を装着位置に保持するためのものである。インクカートリッジ30は、カートリッジ装着部110に挿入されて、装着姿勢に回動されることにより、ロック部145に係合され、また、ロック部145は、インクカートリッジ30のコイルバネ78がインクカートリッジ30を後方へ押す力に抗してインクカートリッジ30をカートリッジ装着部110内に保持する。
[接点106]
図2及び図10に示されるように、ケース101の天面における終面付近には3つの接点106が設けられている。各図には詳細に示されていないが、3つの接点106は、左右方向55、56に離れて配置されている。3つの接点106の配置は、後述されるインクカートリッジ30の電極群65(電源電極65A、信号電極65B、グランド電極65C)の配置(図3,4参照)に対応している。各接点106は、導電性及び弾性を有する部材で構成されており、上方へ弾性的に変形可能である。3つの接点106は、ケース101に収容可能な4つのインクカートリッジ30に対応して、4組が設けられている。
各接点106は、電気回路を介して制御部130(図1参照)に電気的に接続されている。制御部130は、例えばCPU,ROM,RAMなどからなるものであり、プリンタ10の制御部130として構成されていてもよい。接点106と電極群65とが電気的に導通されることによって、電圧Vcが電源電極65Aに印加されたり、信号電極65Bを通じて信号が読み書きされたり、グランド電極65Cがアースされたりする。接点106と対応する信号電極65Bとの電気的に導通により、インクカートリッジ30のICに格納されたデータにアクセス可能となる。電気回路からの出力は制御部130に入力される。
[センサ103]
図2及び図10に示されるように、ケース101の天面には、センサ103が配置されている。センサ103は、発光部及び受光部を備える。発光部は、受光部よりも右方または左方に、受光部と間隔を空けて配置されている。カートリッジ装着部110への装着が完了したインクカートリッジ30の被検知部62は、発光部及び受光部の間に配置される。換言すれば、発光部及び受光部は、カートリッジ装着部110への装着が完了したインクカートリッジ30の被検知部62を挟んで対向配置されている。
センサ103は、発光部から出力された光が受光部で受光されたか否かに応じて異なる検知信号を出力する。例えば、センサ103は、発光部から出力された光が受光部で受光できない(すなわち、受光強度が所定の強度未満である)ことを条件として、ローレベル信号(「信号レベルが閾値レベル未満の信号」を指す。)を出力する。一方、センサ103は、発光部から出力された光が受光部で受光できた(すなわち、受光強度が所定の強度以上である)ことを条件として、ハイレベル信号(「信号レベルが閾値レベル以上の信号」を指す。)を出力する。センサ103の出力は制御部130に入力される。
図2及び図14に示されるように、接点106より後方であってセンサ103より前方には、インクカートリッジ30の遮光板67が進入可能なスリット108が形成されている。スリット108は、ケース101の天面側に位置しており、ガイド溝109よりも左右方向55,56の幅が狭い。ガイド溝109とスリット108との境界には、後方を向く壁面107が位置する。壁面107における左右方向55,56の中央にスリット108が開口している。
[インクカートリッジ30]
図3~図9に示されるインクカートリッジ30はインクが貯留される容器である。インクカートリッジ30の内部に形成されている空間がインクを貯留する貯留室36(液体貯留室の一例)である。貯留室36は、インクカートリッジ30の外観を形成している後部カバー31及び前部カバー32に収納された内部フレーム35(筐体の一例)によって形成されている。
図3~図5及び図9に示されているインクカートリッジ30の姿勢は、インクカートリッジ30が装着姿勢にあるときの姿勢である。すなわち、インクカートリッジ30は、後述されるように、前面140と、後面41と、上面39,141と、下面42,142とを備えるが、図3~図6に示されているインクカートリッジ30の姿勢は、後面41から前面140に向かう方向が前方向51に一致し、前面140から後面41に向かう方向が後方向52に一致し、上面39,141から下面42,142に向かう方向が下方向53に一致し、下面42,142から上面39,141に向かう方向が上方向54に一致する姿勢である。また、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されるときに、前面140は前方を向き、後面41は後方を向き、下面42,142は下方を向き、上面39,141は、上方を向く。
図3~図9に示されるように、インクカートリッジ30は、略直方体形状の後部カバー31と、前面140を構成する前部カバー32と、貯留室36を区画する内部フレーム35とで構成される。後部カバー31に前部カバー32が組み付けられて、インクカートリッジ30の外形が構成されている。内部フレーム35は、組み付けられた後部カバー31及び前部カバー32の内部に収納される。インクカートリッジ30は、全体として、左右方向55、56に沿った寸法が細く、上下方向53、54及び前後方向51、52それぞれに沿った寸法が、左右方向55、56に沿った寸法よりも大きい扁平形状である。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110へ挿入されるときに前方を向く前部カバー32の面が前面140であり、後方を向く後部カバー31の面が後面41である。すなわち、後面41は、前部カバー32の前面140との間に貯留室36を挟んで配置されている。
[後部カバー31]
図3及び図4に示されるように、後部カバー31は、左右方向55、56において互いに隔てて配置された側面37、38と、後部カバー31の上端に位置しており上方を向く上面39、後部カバー31の下端に位置しており下方を向く下面42とが後面41から前方に延設されて構成されており、前方へ向かって開口された箱形である。後部カバー31の内部には、開口を通じて内部フレーム35が挿入される。すなわち、後部カバー31は、内部フレーム35の後部を覆っている。また、下面42は、内部フレーム35が挿入された状態において、上面39との間に貯留室36を挟んで配置されている。
図5に示されるように、後部カバー31は、装着姿勢において、前部カバー32よりも後方に位置している。本実施形態では、前部カバー32の後端部分が後部カバー31の前部の外表面に重なることでインクカートリッジ30の側面に前部カバー32と後部カバー31との境界が形成されているが、後部カバー31の前端部分が前部カバー32の後端部分の外表面に重なることでインクカートリッジ30の側面に前部カバー32と後部カバー31との境界が形成されてもよいし、後部カバー31の前端と前部カバー32の後端とが前後方向51、52において対向することで境界が形成されていてもよい。
図3及び図4に示されるように、後面41は、上部分41Uと下部分41Lとを有する。上部分41Uは、下部分41Lよりも上方に位置する。下部分41Lは、上部分41Uよりも前方に位置する。上部分41U及び下部分41Lは、いずれも平面であり、相互に直交せずに交差している。下部分41Lは、下面42に近づくほど前面140に近くなるように上下方向53、54に対して傾斜している。
図5に示されるように、下面42は、前端が後端よりも下方に位置するように、前後方向51、52に対して傾斜した傾斜面である。なお、図5では、下面42の前後方向51、52に対する傾斜を識別し易くするために、前後方向51、52が一点鎖線においても示されている。下面42(傾斜面)の前端は、後部カバー31の前端に位置している。また、下面42(傾斜面)の前端は、後述するロック面151よりも前方に位置している。下面42(傾斜面)の後端は、後面41の下部分41Lの下端と繋がっている。
図3及び図4に示されるように、後部カバー31の上面39には、凸部43が設けられている。凸部43は、上面39における左右方向55、56の中央において前後方向51、52に沿って延びている。凸部43において後方を向く面がロック面151である。ロック面151は、後部カバー31の下面42よりも上方に位置している。ロック面151は、上下方向53、54に沿って延びている。ロック面151は、カートリッジ装着部110にインクカートリッジ30が装着された状態において、ロック部145と後方へ向かって接触し得る面である。ロック面151がロック部145と後方へ向かって接触することにより、インクカートリッジ30がコイルバネ78の付勢力に抗してカートリッジ装着部110に保持される。
凸部43においてロック面151より前方には、水平面154がロック面151と連続して設けられている。水平面154は、左右方向55、56と前後方向51、52に沿って拡がる面である。水平面154より前方には、傾斜面155が水平面154と連続して設けられている。傾斜面155は、上方且つ前方を向いている。水平面154を介してロック面151と傾斜面155とが連続しているので、ロック面151と傾斜面155との境界が尖った山形状とならない。傾斜面155及び水平面154により、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に挿入される過程において、ロック部145が傾斜面155及び水平面154に当接しながらロック面151より後方まで円滑に案内される。
後部カバー31の上面39において、ロック面151より後方には、操作部90が設けられている。後部カバー31の上面39の後端には、上面39のその他の部分より下方に位置するサブ上面91が形成されている。サブ上面91の上方において空間を隔てて操作部90が配置されている。操作部90は、上面39のその他の部分とサブ上面91との境界付近から上方へ向けて凸部43より上方まで突出し、さらに後方且つ下方へ斜め下方向に折れ曲がった平板形状である。操作部90とサブ上面91との間には、操作部90及びサブ上面91に連続しており、且つ後方へ延びるリブ94が設けられている。図8に示されるように、左右方向55、56に沿ったリブ94の寸法は、左右方向55、56に沿った操作部90の寸法及びサブ上面91の寸法のそれぞれより小さい。
操作部90において、上方且つ後方を向く面が操作面92である。操作面92とサブ上面91とは、前後方向51、52に沿った方向における位置が重複している。換言すれば、インクカートリッジ30を下方に視たとき、操作面92とサブ上面91とは重複した位置にある。操作面92には、複数の突起、例えば、左右方向55、56に沿って延出する複数の突条93が、前後方向51、52に間隔を隔てて形成されている。複数の突起としての突条93により、ユーザが操作面92を認識しやすくなり、また、ユーザが操作面92を指で操作するときに、指が操作面92に対して滑りにくくなる。
図6及び図8に示されるように、操作面92は、インクカートリッジ30を下方に視たときに視認可能であり、且つ、インクカートリッジ30を前方に視たときに視認可能である。操作面92は、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着された状態からインクカートリッジ30を取り出すために、ユーザが操作するための面である。なお、操作部90は、後部カバー31と一体に成型されるなどして、後部カバー31に対して固定されており、後部カバー31に対して回動などの相対移動をしないように構成されている。したがって、操作面92にユーザから加えられる力は、方向を変えずに後部カバー31にそのまま伝達される。また、本実施形態では、操作部90は、内部フレーム35や貯留室36に対しても回動などの相対移動をしないように構成されている。
[前部カバー32]
図3及び図4に示されるように、前部カバー32は、左右方向55、56において互いに隔てて配置された側面143、144と、上下方向53、54において互いに隔てて配置された上面141及び下面142とが前面140から後方に延設されて構成されており、後方へ向かって開口された箱形である。前部カバー32の内部には、開口を通じて内部フレーム35が挿入される。すなわち、前部カバー32は、内部フレーム35のうちの後部カバー31によって覆われていない前部を覆っている。
前部カバー32及び後部カバー31が組み付けられた状態、すなわちインクカートリッジ30が組み立てられた状態において、前部カバー32の上面141は、後部カバー31の上面39と共にインクカートリッジ30の上面を構成する。前部カバー32の下面142、後部カバー31の下面42と共にインクカートリッジ30の下面を構成する。
詳細には、インクカートリッジ30が装着姿勢にあるときに、前部カバー32の下面142は前後方向51、52に沿って延びており、後部カバー31の下面42は、下方且つ後方を向いて傾斜している。前部カバー32の側面143、144は後部カバー31の側面37、38と共にインクカートリッジ30の側面を構成する。
また、インクカートリッジ30が組み立てられた状態において、インクカートリッジ30の前面を構成する前部カバー32の前面140と、インクカートリッジ30の後面を構成する後部カバー31の後面41とは、前後方向51、52において互いに隔てて配置されている。
なお、インクカートリッジ30の前面、後面、上面、下面、側面は、必ずしも1つの平面をなしている必要はない。すなわち、装着姿勢のインクカートリッジ30を後方に視たときに視認し得る面であり、且つ、装着姿勢のインクカートリッジ30の前後方向51、52の中心よりも前方に位置する面が前面である。装着姿勢のインクカートリッジ30を前方に視たときに視認し得る面であり、且つ、装着姿勢のインクカートリッジ30の前後方向51、52の中心よりも後方に位置する面が後面である。装着姿勢のインクカートリッジ30を下方に視たときに視認し得る面であり、且つ、装着姿勢のインクカートリッジ30の上下方向の中心よりも上方に位置する面が上面である。装着姿勢のインクカートリッジ30を上方に視たときに視認し得る面であり、且つ、装着姿勢のインクカートリッジ30の上下方向53、54の中心よりも下方に位置する面が下面である。側面に関しても同様である。
前部カバー32の前面140の下部には、後方へ貫通する孔97が形成されている。孔97は、前部カバー32に内部フレーム35が挿入された状態において、内部フレーム35のインク供給部34を外部へ露出させるための孔になる。したがって、孔97は、内部フレーム35のインク供給部34に対応する位置、寸法、及び形状に形成されている。
前部カバー32の前面140には、第1突出部85及び第2突出部86が形成されている。第1突出部85は、前部カバー32の上端において前方へ突出している。凹部96は、第1突出部85の先端に設けられている。第1突出部85の先端は前面140の一部をなす。
第2突出部86(突部の一例)は、前部カバー32の前面140の下端、すなわちインク供給部34より下方において、前面140から前方へ突出している。第2突出部86の前端86Aは、インク供給部34の前端34Aよりも前方に位置する。第2突出部86の下面には、前方及び下方に開口する凹部87が形成されている。凹部87の一部は、前部カバー32の下面142より下方へ突出している。
前部カバー32の上面141には、下方に貫通する孔98が形成されている。孔98は、前部カバー32に内部フレーム35が挿入された状態において、内部フレーム35の被検知部62を外部へ露出させるための孔になる。したがって、孔98は、内部フレーム35の被検知部62に対応する位置、寸法、及び形状に形成されている。
前部カバー32の上面141には、下方に貫通する孔99が形成されている。孔99は、前部カバー32に内部フレーム35が挿入された状態において、内部フレーム35の遮光板67を外部へ露出させるための孔になる。したがって、孔99は、内部フレーム35の遮光板67に対応する位置、寸法、及び形状に形成されている。
前部カバー32の上面141であって、第1突出部85の上方、すなわちインク供給部34の上方には、IC基板64(回路基板の一例)が設けられている。IC基板64は、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される途中において左右方向55、56に沿って3つが並ぶ接点106(図2参照)と導通し、かつインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着された状態においても接点106と導通する。
IC基板64には、IC(各図には現れていない)と、電極群65とが搭載されている。ICは、半導体集積回路であり、インクカートリッジ30に関する情報、例えば、ロット番号や製造年月日、インク色などの情報を示すデータが読み出し可能に格納されている。ICは、ガラスエポキシなどで形成されたリジッド基板に搭載されている。
電極群65は、基板の上面にアクセス可能に露出されている。電極群65はICや電源と電気的に接続されている。電極群65は、電源電極65A、信号電極65B、グランド電極65Cからなる。電源電極65A、信号電極65B、グランド電極65Cのそれぞれは、前後方向51、52に沿って延出されており、電源電極65A、信号電極65B、グランド電極65Cは、左右方向55、56に離間されて配置されている。グランド電極65Cは、左右方向55、56の中央に位置している。電源電極65Aと信号電極65Bとは、左右方向55、56の右方及び左方にそれぞれ位置する。電源電極65Aと信号電極65Bとは、いずれが右方又は左方であってもよい。電源電極65Aと信号電極65Bとは、電気的に接続されている。
[内部フレーム35]
各図には現れていないが、内部フレーム35は、左右方向55、56一対の端面が開放された環状に構成されている。内部フレーム35において、開放された一対の面がフィルム(不図示)によって封止されることにより、その内部にインクを貯留可能な貯留室36が形成されている。貯留室36を区画する前面40は、内部フレーム35が前部カバー32に挿入された際に、前部カバー32の前面140の裏面に対向する面であり、インク供給部34が設けられている。
後部カバー31は、内部フレーム35に固定されている。前部カバー32は、内部フレーム35に対して前後方向51、52及び上下方向53、54へ相対移動可能である。
図3から図5に示されるように、前部カバー32の側面143、144には、開口115が形成されている。内部フレーム35における開口115に対応する位置には、左右方向55、56に突出した凸部116が形成されている。凸部116は、開口115に進入している。開口115の前後方向51、52及び上下方向53、54の長さは、それぞれ凸部116の前後方向51、52及び上下方向53、54の長さよりも長い。凸部116が開口115内を前後方向51、52に移動することによって、前部カバー32は、内部フレーム35に対して前後方向51、52へ相対移動する。凸部116が開口115内を上下方向53、54に移動することによって、前部カバー32は、内部フレーム35に対して上下方向53、54へ相対移動する。
[インク供給部34]
図9に示されるように、インク供給部34は、前面140の下部において、内部フレーム35の前面40から前方へ突出している。すなわち、インク供給部34は、前後方向51、52に沿って延びている。インク供給部34は、円筒形状の外形をなしている。インク供給部34は、前部カバー32の前面140に設けられた孔97を貫通して外方へ突出している。インク供給部34は、内部空間を有する円筒形状の筒壁73と、筒壁73に取り付けられたシール部材76及びキャップ79とを備えている。
筒壁73は、貯留室36の内部から外部に亘って延設している。筒壁73の後端部は、貯留室36において開口している。筒壁73の前端部は、インクカートリッジ30の外部に開口している。これにより、筒壁73は、内部空間を介して貯留室36及びインクカートリッジ30の外部と連通している。つまり、インク供給部34は、貯留室36に貯留されたインクを筒壁73の内部空間を通じてインクカートリッジ30の外部に供給する。筒壁73の前端には、シール部材76及びキャップ79が取り付けられている。
筒壁73の内部空間には、弁体77及びコイルバネ78が収容されている。弁体77及びコイルバネ78は、インク供給部34の状態を、筒壁73の内部空間を通じて貯留室36からインクカートリッジ30の外部にインクが流出される状態(図12参照)と、筒壁73の内部空間からインクカートリッジ30の外部にインクが流出されない状態(図9参照)との間で選択的に切り換えるためのものである。
弁体77は、前後方向51、52に沿って移動することにより、シール部材76の中央に貫通されたインク供給口71を開閉する。コイルバネ78は弁体77を前方へ付勢している。したがって、外力が付与されていない状態において、弁体77は、シール部材76のインク供給口71を閉じている。
シール部材76は、筒壁73の先端に配置されている。シール部材76は、中央に貫通孔が形成された円盤形状の部材である。シール部材76は、例えば、ゴムやエラストマのような弾性材料から形成されている。シール部材76の中央が前後方向51、52に貫通されて筒状の内周面が形成され、その内周面によりインク供給口71が形成されている。インク供給口71の内径は、インクニードル102の外径より若干小さい。シール部材76は、筒壁73の外側に嵌め込まれたキャップ79によって、筒壁73の先端に液密に当接している。
弁体77がインク供給口71を閉じている状態において、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に挿入されると、インク供給口71にインクニードル102が進入する。インクニードル102には、シール部材76を弾性変形しつつ、その外周面がインク供給口71を画定する内周面に液密に接触する。インクニードル102の先端がシール部材76を通過して筒壁73の内部空間へ進入すると、弁体77に当接する。さらにインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110へ挿入されることにより、インクニードル102が弁体77をコイルバネ78の付勢力に抗して後方へ移動させる。これにより、貯留室36に貯留されているインクが筒壁73の内部空間を通じてインクニードル102の先端部分へ流通することが可能となる。各図には現れていないが、インクニードル102の先端部分に形成された貫通孔を通じて、筒壁73の内部空間からインクニードル102の内部空間へインクが流通する。これにより、貯留室36に貯留されたインクが、筒壁73の内部空間、インクニードル102を通じて外部へ流出可能となる。
なお、インク供給部34において、インク供給口71を閉じる弁体77は必ずしも設けられなくてもよい。例えば、インク供給口71がフィルムなどで閉塞されており、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されると、インクニードル102がフィルムを突き破ることによりインク供給口71を通じてインクニードル102の先端部分が筒壁73の内部空間へ進入する構成であってもよい。また、インク供給口71は、シール部材76の弾性により閉じており、インクニードル102が挿入されたときのみに、インクニードル102に押し拡げられるように形成されていてもよい。
[被検知部62]
図9に示されるように、内部フレーム35は、上面から上方へ突出する被検知部62(残量検知部の一例)を有している。被検知部62は、内部空間が貯留室36と連続する空間を有する凸部であり、左右方向55,56へ向かって光を透過する透光性を有する。被検知部62は、前部カバー32の孔98を通じて外部へ露出している。
内部フレーム35の貯留室36内には、被検知部材59が配置されている。被検知部材59は、左右方向55、56に沿って延びる回動軸61に支持されており、回動軸61周りに回動可能である。
被検知部材59は、フロート63を有している。フロート63は、貯留室36に貯留されたインクより比重が小さい。したがって、貯留室36内において、フロート63はインク中に存在する状態において浮力を生じさせる。貯留室36がインクでほぼ満たされている状態では、フロート63の浮力によって、被検知部材59は、図6における反時計回りに回動する。
被検知部材59は、遮光板60(光アクセス部の一例)を有している。遮光板60は、被検知部62内に進入しており、被検知部材59が被検知部62の前端を確定する壁に当接する第1位置に位置することによって、被検知部材59の姿勢が維持される。第1位置の遮光板60は、被検知部62を右方向55又は左方向56に進行するセンサ103の光を遮断等する。第1位置の遮光板60は、前部カバー32の上面141よりも上方に位置する。第1位置の遮光板60においてセンサ103の光を遮断する位置は、IC基板64の電極65から上方向54に第1距離L1を離れた位置にある。
より詳細には、遮光板60によって、センサ103の発光部から出力された光が被検知部62の右面及び左面の一方に到達したときに、被検知部62の右面及び左面の他方の面から出て受光部に到達する光の強度が所定の強度未満、例えば、ゼロとなる。遮光板60は、光が右方向55もしくは左方向56に進むのを完全に遮断してもよいし、光を部分的に吸収してもよいし、光の進行方向を曲げてもよいし、光を全反射させてもよい。
貯留室36においてインクが減り、遮光板60が被検知部62を進行する光を遮断等するときの被検知部材59の姿勢におけるフロート63の位置より、インクの液面が下降すると、フロート63がインクの液面と共に下降する。これにより、被検知部材59は、図6における時計回りに回動する。この時計回りの回動によって、被検知部62内に進入していた遮光板60は、センサ103の発光部から受光部への光路から外れた第2位置となる。これにより、センサ103の受光部に到達する光の強度が所定の強度以上となる。
図9に示されるように、内部フレーム35における被検知部62より前方には、壁44,45及び側壁46によって区画された空間が形成されており、この空間には、左右方向55,56に沿って延びる軸68が位置する。軸68は、壁44,45の左右方向55,56の両側に位置する側壁46に支持されている。
軸68には、2方向へ延びるアーム69が回転自在に取り付けられている。軸68から上方かつ後方へ延びる一方のアーム69の先端には遮光板67(プレート部の一例)が繋がっている。遮光板67は、前部カバー32の孔99を通じて上面141から上方へ突出する。遮光板67は、前後方向51、52に延びている。遮光板67は、被検知部62よりも前方に位置している。軸68から下方へ延びる他方のアーム69の先端には錘58が繋がっている。錘58は遮光板67より重量が重い。錘58が壁45に当接することによって、遮光板67は、遮光板60において光が照射される箇所よりも上端が上方に位置する第1姿勢となる(図9の実線参照)。遮光板67に後ろ向き52の外力が加わると、遮光板67は軸68周りに図9における時計回りに回転し、錘58が壁45から上方へ離れ、遮光板67は、遮光板60において光が照射される箇所よりも上端が下方に位置する第2姿勢となる(図9の破線参照)。第2姿勢の遮光板60に対して外力がなくなると、重力によって錘58が下方に移動し、遮光板60は軸68周りに図9における反時計回りに回動して第1姿勢となる。
第1姿勢の遮光板67の後端67Rと、被検知部62の前端62Fとの間には、前後方向51、52に沿った空間66(透光領域の一例)を有する。換言すれば、第1姿勢の遮光板67と被検知部62とは、空間66を介して、前後方向51、52に並んでいる。空間66は、左右方向55、56に連続している。第1姿勢の遮光板67は、IC基板64の各電極65よりも後方且つ上方に位置している。第1姿勢の遮光板67の上端は、左右方向55,56において、被検知部62の左端および右端の間に位置する。第2姿勢の遮光板67の上端は、IC基板64の各電極65よりも上方に位置する。
第1姿勢の遮光板67は、左右方向55、56に進行するセンサ103の光を遮断する。第1姿勢の遮光板67においてセンサ103の光を遮断する位置は、IC回路64の電極65から上方向54に第1距離L1だけ離れた位置にある。より詳細には、センサ103の発光部から出力された光が受光部に到達するまでの間に遮光板67に当たることによって、受光部に到達する光の強度が所定の強度未満、例えば、ゼロとなる。遮光板67は、光が左右方向55、56に進むのを完全に遮断してもよいし、光を部分的に減衰させてもよいし、光の進行方向を曲げてもよいし、光を全反射させてもよい。光を部分的に遮光したり減衰したりする場合、遮光板67の一部分が遮光部に相当する。
[被検知部62、電極群65、及び遮光板67の配置]
図6に示されるように、被検知部62、IC基板64、及び遮光板67は、前部カバー32の上面141に位置する。なお、被検知部62は、前部カバー32の孔98に挿通されることによって、上面141から上方に突出している。この状態も、被検知部62が上面141に位置すると定義される。また、第1姿勢の遮光板67は、前部カバー32の孔99に挿通されることによって、上面141から上方に突出している。この状態も、第1姿勢の遮光板67が上面141に位置すると定義される。
第1姿勢の遮光板67とグランド電極65Cとは、上下方向53、54及び前後方向51、52に平行な同一の仮想面180(図6に1点鎖線で示す。)と交差する。仮想面180は、前部カバー32の左右方向55、56の中央に位置する。また、仮想面180は、第1姿勢の遮光板67の左右方向55、56の中央に位置する。したがって、第1姿勢の遮光板67の左右方向55、56の中央は、前部カバー32の左右方向55、56の中央に合致する。
グランド電極65Cの左右方向55、56の中心は、仮想面180に含まれる。グランド電極65Cの左右方向55、56に沿った寸法L1は、第1姿勢の遮光板67の上面の左右方向55、56に沿った寸法L2よりも大きい(L1>L2)。
[インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110へ装着される動作]
以下、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される過程が説明される。
図9に示されるように、カートリッジ装着部110に装着される前のインクカートリッジ30において、弁体77は、シール部材76のインク供給口71を閉じている。これにより、貯留室36からインクカートリッジ30の外部へのインクの流通は遮断されている。
また、インクカートリッジ30が装着される前のカートリッジ装着部110において、センサ103の発光部と受光部との間には、他の部材が位置しないため、センサ103からプリンタ10の制御部130へハイレベル信号が出力される。なお、このときカートリッジ装着部110は、プリンタ10のカバー(図示されていない。)が開かれて、カートリッジ装着部110の開口112が外部へ露出した状態にある。
図10に示されるように、カートリッジ装着部110の開口112を通じてケース101へインクカートリッジ30が前方へ向かって挿入される。後部カバー31の後面41の上部分41Uは下部分41Lよりも後方に位置している、すなわち、ユーザの近くに位置しているので、ユーザは、上部分41Uを押しつつインクカートリッジ30をカートリッジ装着部110に対して前方へ挿入する。インクカートリッジ30の下部、すなわち前部カバー32及び後部カバー31のそれぞれ下部は、ケース101の下方のガイド溝109に進入した状態となる。
インクカートリッジ30が前方へ挿入されると、センサ103の発光部と受光部との間に、第1姿勢の遮光板67が位置する。第1姿勢の遮光板67の前端67Fがセンサ103の光路を前方へ通過することによって、プリンタ10の制御部130へ出力される信号がハイレベルからローレベルへ変わる。
図11に示されるように、インクカートリッジ30が前方へ更に挿入されると、センサ103の発光部と受光部との間に、空間66が位置する。第1姿勢の遮光板67の後端67Rがセンサ103の光路を前方へ通過することによって、プリンタ10の制御部130へ出力される信号がローレベルからハイレベルに変わる。
図11に示されるように、インクカートリッジ30が前方へ更に挿入されると、インク供給部34のキャップ79がガイド部105に進入し始める。そして、インク供給部34のキャップ79がガイド部105に進入し、かつインクニードル102がインク供給口71へ進入して、弁体77をコイルバネ78の付勢力に抗してシール部材76から離間させる。これにより、インク供給部34が位置決めされる。インクカートリッジ30には、コイルバネ78の付勢力が後方へ付与される。
また、第1突出部85において下方を向いている下面85Aが、カートリッジ装着部110のガイド部105の上方に位置し上方を向いている面170によって支持される。これにより、インクカートリッジ30が上下方向53、54に位置決めされる。なお、下面85Aは、上方から見たときにIC基板64と重複する位置に配置されている。
また、センサ103の発光部と受光部との間を通過して前方へ移動する第1姿勢の遮光板67は、スリット108に進入し始める。
接点106の下方にIC基板64が到達することにより、接点106を上方へ弾性変形させつつ電極群65の各電極が対応する接点106と電気的に接続される。
また、後部カバー31の凸部43がロック部145へ到達し、傾斜面155がロック部145に対して摺動する。インクカートリッジ30には、後面41の上部分41Uをユーザが前方へ押すことにより、図11における反時計回りに回転モーメントが加わっている。しかし、傾斜面155とロック部145との当接により、この回転モーメントに反して、インクカートリッジ30は、インクニードル102が挿入されたシール部材76のインク供給口71の中心を回動中心として、換言すれば、インクニードル102における、インク供給口71を画定するシール部材76の内周面が接触している部分の中心を回動中心として図11における時計回りに回動する。
なお、後部カバー31の下面42が前後方向51、52に対して傾斜した傾斜面であることにより、後部カバー31の下面42とカートリッジ装着部110の底面との間には、上述した回動(図11における時計回りの回動)のためのスペースがある。
図12に示されるように、コイルバネ78の付勢力に抗して、インクカートリッジ30が前方へ更に挿入されると、後部カバー31の凸部43の傾斜面155及び水平面154がロック部145よりケース101の終面に近い位置となる。インクカートリッジ30には、後面41の上部分41Uをユーザが前方へ押すことにより、図12における反時計回りに回転モーメントが加わっている。そのため、傾斜面155及び水平面154がロック部145と当接しなくなることにより、インクカートリッジ30は、インクニードル102が挿入されたシール部材76のインク供給口71の中心を回動中心として図12における反時計回りに回動する。
インクカートリッジ30が図12に示される姿勢にあるときに、ロック面151は、後方へ向かってロック部145と向かい合う。ユーザがインクカートリッジ30を前方へ押し込むことを止めると、インクカートリッジ30は、コイルバネ78の付勢力によって後方へ移動する。ロック面151は後方へ向かってロック部145と向かい合っているので、インクカートリッジ30が後方へ移動すると、ロック面151がロック部145と当接する。これにより、インクカートリッジ30が後方へ移動することが規制される。すなわち、インクカートリッジ30はカートリッジ装着部110内に位置決めされて装着が完了した状態となる。装着状態において、被検知部62は、センサ103の光路上に位置する。また、遮光板67は、スリット108内に位置する。
図13に示されるように、プリンタ10の制御部130は、インクカートリッジ30の装着過程で出力された信号の変化に基づき、カートリッジ装着部110にインクカートリッジ30が装着されたことを判定する。具体的には、制御部130は、第1姿勢の遮光板67によってセンサ103から出力される信号がハイレベル信号からローレベル信号に変化し、その後、空間66によってハイレベル信号に変化し、その後、被検知部62の遮光板60によってローレベル信号に変化したことに基づいて、正常なインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されたと判定する。ここで、正常とは、例えば、プリンタ10に対応したインクカートリッジ30であって、貯留室36にエンプティまたはニアエンプティでない量のインクが貯留されていることをいう。
制御部130は、センサ103から、前述した信号の変化と異なる信号の変化であるときには、正常でないインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されたと判定し、その判定に基づいて、例えばディスプレイにエラー表示を行うなど、ユーザへの報知を実行する。
なお、制御部130は、プリンタ10においてカートリッジ装着部110の開口111を外部に対して塞ぐカバーが閉じられたことをカバーセンサにより検知して、カバーセンサが出力する信号を受信したことをトリガーとして、IC基板64へのアクセスを行い、例えば、IC基板64が有する情報へのアクセス(読取り)が正常に行われたり、IC基板64への電気的な導通が行われたりすることを検知して、カートリッジ装着部110にインクカートリッジ30が装着されたと判定してもよい。
インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110から脱抜されるときには、ユーザは、操作面92を下方へ押す。インクカートリッジ30が図12に示される姿勢である状態において、操作面92は、上方かつ後方を向いているので、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に対して位置決めされた状態から解除する際に、ユーザが操作面92を操作すると、インクカートリッジ30には下方及び前方へ力が作用する。前方へ作用する力によって、ロック面151がロック部145から離れる。下方へ作用する力によって、インクカートリッジ30が図12における時計回りに回動する。
インクカートリッジ30が図12における時計回りに回動することにより、ロック面151がロック部145よりも下方に位置する。そうすると、コイルバネ78の付勢力によって、インクカートリッジ30はカートリッジ装着部110に対して後方へ移動する。これにより、ユーザは後部カバー31を挟み持ってインクカートリッジ30をカートリッジ装着部110から取り出すことができる。
インクカートリッジ30が後方へ移動すると、空間66及び第1姿勢の遮光板67がセンサ103の光路を後方へ通過する。これにより、センサ103からプリンタ10の制御部130へ出力される信号がハイレベルからローレベルに変わった後、ローレベルからハイレベルへ変わる。
センサ103が第1姿勢の遮光板67の前端67F及び後端67Rを検知することによる信号の変化は、例えば、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されたか否かを判定する目的で用いられてもよいし、カートリッジ装着部110に装着されたインクカートリッジ30の種類(例えば貯留されているインクの色)を識別する目的で用いられてもよい。
[遮光板67の回動]
インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される過程において、インクカートリッジ30の上部及び下部が、ケース101のガイド溝109に進入した状態でガタつくことにより、第1姿勢の遮光板67がスリット108に進入せずにスリット108が開口する壁面107(図2参照)に当接することが起こり得る。
図14に示されるように、第1姿勢の遮光板67がスリット108に進入せずに壁面107(図2参照)に当接した状態で、インクカートリッジ30が前方へ移動されると、第1姿勢の遮光板67が壁面107によって相対的に後方へ押される。その結果、第1姿勢の遮光板67は、軸68周りに図14における時計回りに回動して第2姿勢となる。第2姿勢の遮光板67は、前部カバー32の孔99より下方に位置するので、遮光板67がスリット108に進入しなくても、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される。
[本実施形態の作用効果]
本実施形態によれば、第1姿勢の遮光板67と、空間66と、被検知部62と、がセンサ103によって検知可能である。また、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110へ装着されるときやインクカートリッジ30が落下されたときの衝撃に対して、遮光板67が第2姿勢へ向けて回動することにより、遮光板67に変形が生じ難い。
インクカートリッジ30において、遮光板67とグランド電極65Cとが、同一の仮想面180と交差するので、センサ103と、グランド電極65Cとが干渉し難い。また、装着過程においてインクカートリッジ30がガタついた結果として、インクカートリッジ30が前後方向51、52に対して傾いた状態で装着されても、グランド電極65Cと接点106との電気的接続が安定して確保される。また、装着過程においてインクカートリッジ30がガタついた結果として、インクカートリッジ30が前後方向51、52に対して傾いた状態で装着されても、遮光板67の前端67F及び後端67Rの前後方向51、52の位置ズレが小さい。
また、遮光板67と被検知部62との前後方向51、52の間には、空間66があるので、遮光板67の後端67Rを光学的に検知しやすい。また、遮光板67の光学的な検知と、被検知部62の光学的な検知とが、センサ103の出力において明確に分離される。また、遮光板67の光学的な検知位置と、被検知部62の光学的な検知位置と、を上下方向53、54において重複させることができる。
また、グランド電極65Cの左右方向55、56に沿った寸法L1は、遮光板67の上面の左右方向55、56に沿った寸法L2よりも大きいので、装着状態においてインクカートリッジ30がガタついても、遮光板67がセンサ103に当接し難い。
[変形例]
上記実施形態では、遮光板67が連続されたアーム69には、錘58が繋がっていたが、錘58がなくてもよい。その場合、図15に示されるように、軸68から下方へ延びるアーム69の他方の前方に、板バネ47(弾性部材の一例)が設けられてもよい。板バネ47は、アーム69に当接して、アーム69を図14における反時計回りに付勢する。図15(A)に示されるように、板バネ47から付勢力を受けたアーム69は、壁45に設けられたストッパ48と当接することによって、遮光板67が第1姿勢となる回転位置に静止する。すなわち、板バネ47は、遮光板67を第1姿勢へ向けて付勢している。遮光板67に後方へ向かう外力が加わると、遮光板67は、板バネ47の付勢力に抗して板バネ47を弾性変形しつつ時計回りに回転して、図15(B)に示されるように第2姿勢となる。
また、図16に示されるように、板バネ47に代えて、アーム69に繋がれて上方へ向かって湾曲しつつ延びてる板バネ49が設けられてもよい。板バネ49は、前部カバー32の上面141を形成する壁50に当接することによって、アーム69を図16における反時計回りに付勢する。図16(A)に示されるように、板バネ49から付勢力を受けたアーム69は、壁45に設けられたストッパ48と当接することによって、遮光板67が第1姿勢となる回転位置に静止する。すなわち、板バネ49は、遮光板67を第1姿勢へ向けて付勢している。遮光板67に後方へ向かう外力が加わると、遮光板67は、板バネ49の付勢力に抗して時計回りに回転して、図16(B)に示されるように第2姿勢となる。
上記実施形態では、被検知部62は、回動軸61周りに回動する被検知部材59を有しているが、これに代えて、図17に示されるように、プリズム131及び反射板132を有するものであってもよい。
反射板132は、センサ103の発光部と受光部との間に位置するものであり、左右方向55,56に離れて一対が位置している。一対の反射板132の間は、左右方向55,56に拡がる空間である。左右方向55,56において、遮光板67は一対の反射板132の間に位置する。インクカートリッジ30を前方から視ると、遮光板67は、一対の反射板132の左右方向55,56の間の空間と重複する。一対の反射板132の間隔は、遮光板67の左右方向55,56に沿った寸法よりも広い。
図18に示されるように、遮光板67は、上記実施形態と同様に、軸68周りに回動する。遮光板67が第1姿勢から第2姿勢へ回動する軌跡において、遮光板67の一部が一対の反射板132の間の空間に進入する。なお、遮光板67は、一対の反射板132の先方において回動してもよい。また、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部103に装着されるときにセンサ103が出力する信号は、図13と同様であることが好ましい。
図17に示されるように、反射板132は、前部カバー32の上面141よりも上方において後部カバー31に支持されて、前後方向51,52にそれぞれ延びている。反射板132の下面は、左右方向55,56に対して45度の角度をなす反射面である。反射板132の下面は、IC回路64の電極65より上方向54に第1距離L1だけ離れた位置にある。反射板132の一方は、センサ103の発光部から照射されて左右方向55,56(図17では右方向55)に進む光を下方向53へ向けて反射する。反射板132の他方は、プリズム131から上方向54へ進む光をセンサ103の受光部へ向けて左右方向55,56(図17では右方向55)へ反射する。
プリズム131は、内部フレーム35に設けられており、貯留室36に貯留されたインクと接触可能な反射面を有する。プリズム131は、反射板132の下方に位置する。プリズム131は、例えば合成樹脂から構成されて、内部を光が透過可能である。プリズム131は、一対の反射面131A,131Bを有する。プリズム131の反射面131A,131Bは、一対の反射板132のそれぞれの下方に位置しており、各反射面131A,131Bは、左右方向55,56に対して例えば45度の角度をなしている。プリズム131は、各反射面131A,131Bにおいて、インクと接触している状態において光を屈折させる。一方、インクと接触していない状態において光を反射させる。つまり、プリズム131の反射面131A,131Bは、貯留室36のインクと接触しているか否かによって反射が異なる。換言すると、プリズム131の反射面131A,131Bは、貯留室36のインクと接触しているか否かによって、入射した光が向かう方向を変化させる。
図17(A)に示されるように、プリズム131の反射面131A,131Bに貯留室36のインクが接触していると、センサ103の発光部から照射された光は、一方の反射板132によりプリズム131へ向かって反射され、プリズム131の反射面131Aにおいて屈折して貯留室36へ向かって進む。したがって、センサ103は、発光部からの光を受光部で受光できないので、ローレベル信号を出力する。
図17(B)に示されるように、プリズム131の反射面131A,131Bよりも貯留室36のインクの液面が下方にあり、プリズム131の反射面131A,131Bにインクが接触していないと、センサ103の発光部から照射された光は、一方の反射板132によりプリズム131へ向かって反射され、プリズム131の反射面131Aに反射されて他方の反射面131Bに向かう。光は、反射面131Bにおいて上方へ向けて反射され、他方の反射板132へ向かい、他方の反射板132に反射されてセンサ103の受光部に到達する。したがって、センサ103はハイレベル信号を出力する。このように、プリズム131がインクに接触しているか否かによってセンサ103が出力する信号が異なるので、制御部130は、センサ103が出力する信号に基づいて、貯留室36のプリズム131の位置にインクがあるか否かを判定することができる。
また、上記実施形態では、遮光板67と被検知部62との前後方向51、52の間には、空間66があるが、空間66に代えて、例えば、透光性を有する部材が、遮光板67と被検知部62との前後方向51、52の間に位置してもよい。また、透光性を有する部材は、遮光板67の一部であってもよいし、被検知部62の一部であってもよいし、別途独立した部材であってもよい。
また、上記実施形態では、電極群65は、電源電極65A、信号電極65B、グランド電極65Cからなるが、図19に示されるように、電源電極65A又は信号電極65Bの外側に、ダミー電極65Dを有していてもよい。ダミー電極65Dと、グランド電極65Cとの間には、電源電極65Aが位置していてもよいし、信号電極65Bが位置していてもよい。
また、図20に示されるように,IC基板64は、基板80と、基板80の上面に配置された電極群65と、基板80の下面に配置された電気回路81及び電池82と、を有していてもよい。また、IC基板64は、上面の全部が外部に露出されておらず、電極群65を含む基板80の上面の一部が外部に対して露出されており、それ以外の部位は外部に対して露出されないように筐体33に覆われていてもよい。なお、図20の二点鎖線内には、IC基板64の下面側がしめされている。
また、内部フレーム35は任意の構成であり、インクカートリッジ30は内部フレーム35を有しておらず、後部カバー31及び前部カバー32のようなインクカートリッジ30の外表面を構成する部材(筐体の一例)の内部空間が貯留室36であってもよい。例えば、図20に示されるような箱形状の筐体33の内部空間が、貯留室36であってもよい。この場合、筐体33の上面33Aに、被検知部62、IC基板64、及び遮光板67がそれぞれ配置される。
また、図21に示されるように、第1姿勢の遮光板67の上面の左右方向55,56に沿った寸法L2は、グランド電極65Cの左右方向55,56に沿った寸法L1よりも大きくてもよい(L1<L2)。この場合、遮光板67の上面の左右方向55,56に沿った寸法L2が、スリット108の左右方向55,56に沿った寸法よりも大きければ、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される過程において、第1姿勢の遮光板67がスリット108に進入せず、図14に示されるように、遮光板67は第2姿勢に回動する。
また、スリット108の左右方向55,56に沿った寸法が、遮光板67の上面の左右方向55,56に沿った寸法L2よりも小さくすることによって、上記実施形態のように、寸法L2がグランド電極65Cの左右方向55,56に沿った寸法L1よりも小さい関係(L1>L2)において、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される過程において、第1姿勢の遮光板67がスリット108に進入せず、図14に示されるように、遮光板67が第2姿勢に回動するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、第2突出部86の前端86Aは、インク供給部34の前端34Aよりも前方に位置するが、第2突出部86の前端86Aは、インク供給部34の前端34Aよりも後方に位置してもよいし、前後方向51、52において同じ位置にあってもよい。
また、上記実施形態では、インクが液体の一例として説明されているが、例えば、インクに代えて、印刷時にインクに先立って用紙などに吐出される前処理液が液体カートリッジに貯留されていてもよい。また、記録ヘッド21を洗浄するための水が液体カートリッジに貯留されていてもよい。
10・・・プリンタ(印刷装置)
21・・・記録ヘッド(消費部)
30・・・インクカートリッジ(液体カートリッジ)
33・・・筐体
34・・・インク供給部(液体供給部)
36・・・貯留室(液体貯留室)
47,49・・・板バネ(弾性部材)
58・・・錘
60・・・遮光板(光アクセス部)
62・・・被検知部(残量検知部)
64・・・IC基板(回路基板)
65・・・電極
66・・・空間(透光領域)
67・・・遮光板(プレート部材、プレート部)
102・・・インクニードル(液体供給管)
103・・・センサ
106・・・接点
110・・・カートリッジ装着部
131・・・プリズム
132・・・反射板(光アクセス部)

Claims (11)

  1. 装着姿勢において、印刷装置に対して重力に沿った上下方向と交差する前後方向に移動されることによって印刷装置に装着可能な液体カートリッジであって、
    液体貯留室を有する筐体と、
    上記筐体の前面から前方へ突出しており、上記液体貯留室に貯留されている液体を外部へ供給する液体供給部と、
    上記装着姿勢において上方に露出する少なくとも3つの電極で構成される電極群を有する回路基板と、
    上記装着姿勢において、上記電極の後方に位置しており、前後方向に沿って延びるプレート部材と、
    上記装着姿勢において、上記電極に対して上方であり且つ上記プレート部材の後方に位置しており、上下方向及び前後方向と交差する左右方向に沿って進む光が照射される光アクセス部を有し、上記液体貯留室に貯留されている液体の量に応じて、光の状態が変化する残量検知部と、を具備しており、
    上記プレート部材は、左右方向に沿った軸周りに回動可能であって、上記光アクセス部より上方に位置する第1姿勢と、上記第1姿勢より後方かつ上記光アクセス部より下方に位置する第2姿勢とに姿勢変化し、
    上記第1姿勢の上記プレート部材と上記残量検知部との前後方向の間に、上記光に対して上記プレート部材よりも透過する透光領域を有する液体カートリッジ。
  2. 上記電極群は、左右方向に並ぶ第1電極と、第2電極と、当該第1電極と当該第2電極との間に位置する第3電極と、を含み、それぞれが、装着姿勢において印刷装置に対して電気的に接続可能なものであり、
    上記第3電極はグランド電極であり、
    上記第1姿勢の上記プレート部材の上端部と上記第3電極とは、上下方向及び前後方向に平行な同一の仮想面と交差する請求項1に記載の液体カートリッジ。
  3. 上記第1姿勢の上記プレート部材の上記上端部は、左右方向において、上記残量検知部の左端および右端の間に位置する請求項2に記載の液体カートリッジ。
  4. 上記透光領域は、空間である請求項1から3のいずれかに記載の液体カートリッジ。
  5. 上記プレート部材を上記第1姿勢へ向けて付勢する弾性部材を更に具備する請求項1から4のいずれかに記載の液体カートリッジ。
  6. 上記プレート部材は、
    上記第1姿勢において上記電極より上方に位置するプレート部と、
    上記プレート部を上記第1姿勢へ向けて回動する錘と、を有する請求項1から4のいずれかに記載の液体カートリッジ。
  7. 上記残量検知部は、
    液体と接触しているか否かによって反射が異なる反射面を有するプリズムと、
    上記光を上記プリズムへ反射する上記光アクセス部と、を有する請求項1から6のいずれかに記載の液体カートリッジ。
  8. 上記光アクセス部は、左右方向に離れて位置する一対の反射板であり、
    上記プレート部材は、上記第1姿勢から上記第2姿勢に姿勢変化する過程において、少なくとも一部が上記一対の反射板の間に進入する請求項7に記載の液体カートリッジ。
  9. 上記プレート部材および上記残量検知部は、上記液体カートリッジが印刷装置に装着される過程において上記光が照射されるものである請求項1から8のいずれかに記載の液体カートリッジ。
  10. 上記第2姿勢の上記プレート部材の上端は、上記光アクセス部よりも下方かつ上記電極よりも上方に位置する請求項1から9のいずれかに記載の液体カートリッジ。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載の液体カートリッジと、
    上記液体カートリッジが前方へ挿入されて装着され、且つ上記液体カートリッジが後方へ脱抜される装着部と、
    上記装着部に装着された上記液体カートリッジに貯留された液体を消費する消費部と、を備え、
    上記装着部は、
    上記液体カートリッジが上記装着部に装着された装着状態において上記液体供給部に挿入されて上記液体供給部を位置決めし、上記液体供給部から供給された液体を上記消費部へ供給する液体供給管と、
    装着状態の上記液体カートリッジの上記電極と導通する接点と、
    装着状態の上記液体カートリッジの上記残量検知部を光学的に検知するセンサと、を備えており、
    上記センサは、上記液体カートリッジが上記装着部に挿入される過程において上記プレート部材および上記透光領域を検知する液体消費装置。
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