JP2023021861A - 回転電機 - Google Patents

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敬史 押田
Takashi Oshida
正浩 角振
Masahiro Kadofuri
宙 兼重
Chu Kaneshige
俊久 坂本
Toshihisa Sakamoto
沙南 桐野
Sana Kirino
哲弘 西出
Tetsuhiro Nishide
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Abstract

【課題】固定子と回転子の階段形状の角部による吸引力の上昇を抑制すると共に、磁石の総数を減少させ、回転子の組立て性の向上を図ることができる回転電機を提供する。【解決手段】電機子コイルを巻回したステータコアを有する固定子と、前記固定子に対して径方向に所定のギャップを介して回転自在に配置されると共に、磁石および前記固定子に対向するロータコアを有する回転子とを備えた回転電機において、前記回転子及び前記ステータコアの互いの対向面は、前記回転子の回転軸方向に沿って径方向に広がる断面階段形状に形成され、前記磁石は、前記回転子の回転軸方向に沿って前記ロータコア内部に挿入されることを特徴とする。【選択図】図4

Description

本発明は、回転電機に関するものである。
従来、回転電機の低速及び高速での出力を調整することで、回転速度に応じた出力特性を得ることができる回転電機が知られている。このような回転電機は種々の構造が知られているが、例えば、固定子と、固定子に対して同軸をなして回転自在に設けられた回転子と、回転子に対する固定子の軸方向での相対位置を変化させる移動手段とを有し、固定子に電機子コイル及びコアが設けられ、コアに対峙するようにマグネットが設けられた回転電機が知られている。
このような回転電機によれば、低速回転時には、固定子と回転子の対向面積が大きくなるように移動機構によって固定子を軸方向に移動させて固定子を通過する有効磁束が大きくなるようにして高トルク化を図り、高速回転時には、固定子と回転子との対向面積を少なくするように固定子を移動させて固定子を通過する有効磁束が小さくなるようにして高速回転を実現している。
また、固定子の軸方向に沿った移動に伴って出力特性の可変範囲をより一層大きくするために、種々の形態が知られている。例えば、特許文献1に記載されているように、固定子が移動するに従い、固定子と磁石の相対する面積を減少させるために固定子と磁石の相対する面を階段状に構成することで、固定子の軸方向の移動に伴って固定子に作用する磁束を効果的に減少させて出力特性の可変範囲を大きくしている。
特開2008-141900号公報
しかし、従来の回転電機によれば、回転子の磁石を階段状に形成して固定子を移動機構によって回転子に対して抜き差しするように移動させると、抜き差しの動作中に固定子と磁石の角部が向かい合った状態となると吸引力が上昇することが分かった。
このような吸引力の上昇を抑制するため、回転子の磁石の角部をテーパ形状にして、固定子と磁石の角部同士の接近を防止する方法が従来知られている。また、回転子の構造として、図10に示す従来の回転子のように、テーパ面を有する複数の磁石101を、内径面が階段状に形成されたロータコアに貼り付けて構成されるロータコア構造が知られている。
しかしながら、従来の構造では、テーパ面を有する磁石の製造において複雑な加工が必要であり、また、貼り付ける磁石の総数が多いため、磁力のばらつきが大きいことや貼り付けの際の位置調整に手間と時間を要するという課題があった。
本発明は、上記課題を解決するために成されたものであって、階段形状の対向面を有する固定子及び回転子のいずれか一方を抜き差しするように移動可能な移動機構を有する回転電機であっても、固定子と回転子の階段形状の角部同士が対向することによる吸引力の上昇を抑制すると共に、磁石の総数を減少させ、回転子の組立て性の向上を図ることができる回転電機を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明に係る回転電機は、電機子コイルを巻回したステータコアを有する固定子と、前記固定子に対して径方向に所定のギャップを介して回転自在に配置されると共に、磁石および前記固定子に対向するロータコアを有する回転子とを備えた回転電機において、前記回転子及び前記ステータコアの互いの対向面は、前記回転子の回転軸方向に沿って径方向に広がる断面階段形状に形成され、前記磁石は、前記回転子の回転軸方向に沿って前記ロータコア内部に挿入されることを特徴とする。
また、上記課題を解決する本発明に係る回転電機は、電機子コイルを巻回したステータコアを有する固定子と、前記固定子に対して径方向に所定のギャップを介して回転自在に配置されると共に、磁石および前記固定子に対向するロータコアを有する回転子とを備えた回転電機において、前記回転子及び前記ステータコアの互いの対向面は、前記回転子の回転軸方向に沿って径方向に広がる断面階段形状に形成され、前記回転子の断面階段形状の軸方向の間隔は、前記ステータコアの断面階段形状の軸方向の間隔と異なる不等間隔に形成されていることを特徴とする。
本発明に係る回転電機によれば、断面が円弧形の板状の磁石を、内径面が階段状に形成されたロータコアに挿入して構成されるロータコア構造を有するため、磁石の製造を容易にすることができ、かつ、磁石総数を減少させて組立工数の削減をすることができる。
本発明の実施形態に係る回転電機の軸方向断面図。 本発明の実施形態に係る回転電機の固定子及び回転子の断面状態を示す断面斜視図。 本発明の実施形態に係る回転電機のロータコアの断面状態を示す断面斜視図。 本発明の実施形態に係る回転電機の磁石の取付方法を示す斜視図。 本発明の実施形態に係る回転電機の固定子の断面状態を示す断面斜視図。 図2におけるA部拡大断面図。 本発明の実施形態と従来の回転電機の吸引力を示すグラフ。 本発明の実施形態と従来の回転電機のトルクを示すグラフ。 本発明の実施形態と従来の回転電機のトルクの時間変化を示すグラフ。 従来の実施例における磁石の取付方法を示す斜視図。
以下、本発明に係る回転電機の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の実施形態に係る回転電機の軸方向断面図であり、図2は、本発明の実施形態に係る回転電機の固定子及び回転子の断面状態を示す断面斜視図であり、図3は、本発明の実施形態に係る回転電機のロータコアの断面状態を示す断面斜視図であり、図4は、本発明の実施形態に係る回転電機の磁石の取付方法を示す斜視図であり、図5は、本発明の実施形態に係る回転電機の固定子の断面状態を示す断面斜視図であり、図6は、図2におけるA部拡大断面図であり、図10は、従来の実施例における磁石の取付方法を示す斜視図である。
図1に示すように、本実施形態に係る回転電機10は、自動車等の車輪1に組み込まれる所謂インホイールモータとして用いられると好適である。車輪1は、自動車の車体に取り付けられると共に、車輪1を回転可能に支持する車軸4と、ホイール3とホイール3の外周面に取り付けられたゴムなどの弾性体からなるタイヤ2とを備えている。
本実施形態に係る回転電機10は、ホイール3の内部に配置されており、回転電機10の回転力をホイール3に伝達することで、当該回転電機10が取り付けられる自動車の駆動力を発生させている。
ホイールハウジング15は、一対の中空の円板状部材であって、ロータコア13を軸方向に挟み込むように組み付けられている。また、ホイールハウジング15の内部には、後述する移動機構20が収納されている。さらに、ホイールハウジング15は、軸方向の両端に組み付けられたハブ部材16によって車軸4に対して回転可能に組み付けられている。
また、固定子11は、車軸4の軸方向に移動可能な移動機構20に取り付けられている。移動機構20は、車軸4が固定子11の回転中心軸と同軸に配置され、車軸4の外周面に回転不能に組み付けられたボールスプラインナット部材24と、車軸4の外周面に回転可能に組み付けられたボールねじナット部材25とを備えている。
また、ボールねじナット部材25は、ホイールハウジング15内に収納されると共に、出力軸に歯車が取り付けられた駆動源としての図示しない駆動モータによって回転力が付与されるように構成されている。このように構成されることで、駆動モータが回転することにより出力軸に取り付けられた歯車が回転し、ボールねじナット部材25の外周面と歯合することでボールねじナット部材25へ駆動モータの回転力を伝達している。
また、車軸4は、軸方向に貫通孔21が形成された中空軸であり、外表面の軸方向一端側に軸方向に沿って形成される図示しないボールスプライン溝が形成され、他端側に螺旋状のボールねじ溝23が形成されている。ボールスプライン溝およびボールねじ溝23は、車軸4の中央近傍で互いに重複するように隣接して形成されている。
また、車軸4の外表面には、後述する転動体が転走可能な一対の転走溝29が形成されている。転走溝29は、車軸4の周方向に沿って形成されており、車軸4の軸方向端側に形成されている。すなわち、転走溝29は、ボールスプライン溝及びボールねじ溝23のそれぞれよりも軸端側に配置されており、一対の転走溝29の間にボールスプライン溝及びボールねじ溝23が配置されている。
ボールスプラインナット部材24は、円筒状の部材であって、内周に車軸4が挿通される。また、ボールスプラインナット部材24の内周面には、車軸4のボールスプライン溝に対応する第2ボールスプライン溝が形成されており、ボールスプライン溝及び第2ボールスプライン溝の間には、図示しない転動体等を介在させることで、車軸4の軸方向にボールスプラインナット部材24が移動可能に組み付けられている。また、ボールスプラインナット部材24は、固定子11に取り付けられている。
ボールねじナット部材25は、内周にボールねじ溝23に対応する図示しない螺旋状の第2ボールねじ溝が形成された環状部材であり、外周面に駆動モータの出力軸に取り付けた歯車が歯合する歯車が取り付けられている。第2ボールねじ溝とボールねじ溝23の間には図示しない転動体などを介在させることで、ボールねじナット部材25は車軸4に対して回転可能に組み付けられている。
また、ハブ部材16の車軸4が挿入される挿入孔の内周面には、車軸4の外表面に形成された転走溝29に対応する第2転走溝33が形成されており、転走溝29及び第2転走溝33の間には複数の転動体32が配列されている。
このように構成された本実施形態に係る回転電機10は、移動機構20の駆動モータを回転させて駆動モータの出力軸に取り付けられた歯車を介してボールねじナット部材25を回転させると、ボールねじナット部材25が車軸4に形成されたボールねじ溝23に沿って軸方向に移動する。ボールねじナット部材25は、ボールスプラインナット部材24に組み付けられているので、固定子11と共に軸方向に移動される。
このように、本実施形態に係る回転電機10は、移動機構20の駆動モータによってボールねじナット部材25を回転移動させることで、固定子11を回転子12に対して抜き差しするように軸方向に移動可能となっているため、固定子11の回転子12に対する相対位置に応じて出力特性を可変することができる。なお、本明細書において、固定子11の抜き差し方向は、図1の左側から右側に向かって固定子11が移動する方向を引き抜き方向、右側から左側に移動する方向を差込み方向と定義する。
回転子12は、図2に示すように、固定子11に対して所定のギャップを介して回転自在に配置され、導電性のある金属などからなるロータコア13と、磁石14を有する。ロータコア13は、図1に示すように、ホイール3に取り付けられたホイールハウジング15に組み付けられており、ホイール3は、回転子12の回転に伴って回転する。
ロータコア13は、固定子11との対向面が固定子11の軸方向に沿って径方向に広がる階段形状に形成されており、例えば、図3に示すように、回転側第1段部13a、回転側第2段部13b、回転側第3段部13c、回転側第4段部13d及び回転側第5段部13eからなる5段の階段形状となっている。この階段形状は、軸方向長さがそれぞれL1~L5となるように不等間隔に形成されている。ここで、ロータコア13の階段形状は、引き抜き方向に沿って広がるように形成されていると好適である。
また、ロータコア13には、図3に示すように、回転側第1段部13a、回転側第2段部13b、回転側第3段部13c及び回転側第4段部13dを貫通するスリット13fが形成されている。スリット13fは、磁石14の断面形状に対応する円弧状のスリットであって、径方向の外側に位置するスリット13fの内面は、回転側第5段部13eの内径面と繋がるように形成されている。
なお、ロータコア13の階段形状は、図3に示すように、内径の異なる複数の円環状リングを回転軸方向に積層して形成すると好適である。また、複数の円環状リングを積層することに限らず、例えば、鋳造や切削などによって階段形状を形成しても構わない。
磁石14は、図4に示すように、断面が回転子12と同軸の円弧形をなす板状の磁石であって、ロータコア13のスリット13fに挿入される。このように磁石14を取り付けることで、回転子12の内径面には、ロータコア13に形成された複数の段差部と、磁石14の一部が露出した面が組み合わさった階段形状が構成される。また、磁石14は、N極の磁石14NとS極の磁石14Sとがあり、ロータコア13の周方向に交互に配置されている。
ここで、本実施例では円弧形をなす板状の磁石14と円弧状のスリット13fを組み合わせて説明したが、磁石及びスリットの形状はこれに限定されず、直線形をなす板状の磁石と直線状のスリットを組み合わせても、同様の効果が得られる。
このように、磁石14の形状を板状にすることによって、磁石14の製造を容易にすることができる。また、従来の回転子の構成では、図10に示すように、一つの磁極につき複数の磁石101を必要とし、磁石101を貼り付ける際の位置調整が必要であったが、本実施形態においては、一つの磁極につき一枚の板状の磁石14をロータコア13に挿入する構成であるため、磁石の総数を減少させることができ、かつ、組立ての際の位置調整が不要となり、組立工数の削減を図ることができる。
また、ロータコア13の固定子11との対向面には、図4に示すように、N極の磁石14NとS極の磁石14Sの間に対応する位置に軸方向に延びる溝17が形成されている。この溝17によりN極の磁石14NとS極の磁石14Sの間に空気層を形成することで、磁束の短絡を防止している。
固定子11は、図2に示すように、ステータコア11aに巻回された電機子コイル11bが周方向に沿って配置される。なお、電機子コイルの巻回方法は、従来周知の種々の巻き方を採用することが可能である。
図5に示すように、ステータコア11aは、径方向に放射状に延びると共に、電機子コイル11bが巻回される複数のステータコア基部41と、各ステータコア基部41の端部から周方向に延設する鍔部42とを備えている。
鍔部42のロータコア13との対向面は、回転子12の階段形状と対応するように、軸方向に沿って径方向に広がる階段形状に形成されており、例えば、固定側第1段部42a、固定側第2段部42b及び固定側第3段部42cからなる3段の段付き形状となっている。なお、この階段形状は、軸方向長さL6~L8が略等間隔に形成されると好適である。ここで、鍔部42の階段形状は、ロータコア13の階段部と同様に、引き抜き方向に沿って広がるように形成されていると好適である。
なお、ステータコア11aの階段形状は、図5に示すように、鍔部42の形状が異なる複数のステータコア基部分割体を回転軸方向に積層して形成すると好適である。また、複数のステータコア基部分割体を積層することに限らず、例えば、鋳造や切削などによって階段形状を形成しても構わない。
このような回転子12と固定子11によれば、図6に示すように、回転子12の階段形状と固定子11の階段形状とは、形成される段数が異なり、かつ、回転子12の階段形状の各段の軸方向の長さL1~L5は、軸方向の長さがそれぞれ異なるように形成されているため、移動機構20による固定子11の軸方向への移動によっても、回転子12の階段形状の段差の各角部と、固定子11の階段形状の段差の各角部とが、複数の角部で同時に対向することを避けることができる。このように、固定子11と回転子12の階段形状の角部同士が対向するタイミングを異ならせることで、吸引力が上昇するタイミングを分散させて、吸引力の最大値を下げることが可能となる。
なお、本実施形態において、回転子12の階段形状をロータコア13と磁石14からなる5段の階段形状とし、固定子11の階段形状をステータコア11aからなる3段の階段形状としたが、各階段形状の段数は適宜増減しても構わない。また、回転子12の階段形状を少なく、固定子11の階段形状を多くするなど、回転子12の段数と固定子11の段数の大小関係を逆転させても構わない。また、本実施形態において、固定子11の階段形状の軸方向長さL6~L8は、略等間隔に形成されるとしたが、固定子11と回転子12の階段形状の角部同士が、固定子11の軸方向への移動の際に対向するタイミングが異なればよく、不等間隔に形成されても構わない。
このように移動機構20により固定子11を回転子12に対して軸方向に抜き差し可能に構成することで、固定子11を回転子12に対して最も挿入した状態においては、固定子11と回転子12の対向面積が最も大きく、固定子11と回転子12の間のギャップも最も小さい状態であることから、回転電機10の出力特性は、高トルク・低回転となる。このような状態では、自動車の発進時など速度は遅いが高トルクが必要な場合に最も出力特性が適した状態となる。
また、この状態では、逆起電力が上昇することから電機子コイル11bへの給電を停止し、車輪1を制動させる減速時には、逆起電力が上昇することで、効率的に発電を行うことができ、高効率の回生ブレーキとして作用させることが可能となる。
移動機構20の駆動モータを回転させてボールねじナット部材25に回転力を付与すると、ボールねじナット部材25の回転に伴って、ボールねじナット部材25が車軸4のボールねじ溝23に沿って回転しながら軸方向へ移動する。このように移動機構20を駆動させると、固定子11が回転子12から最も抜き出された状態となり、固定子11と回転子12の対向面積は最も小さく、固定子11と回転子12の間のギャップが最も大きな状態となる。この状態では、逆起電力が下降し、回転電機10の出力特性は、低トルク・高回転となる。このように固定子11を回転子12から最も抜き出した状態では、トルクを必要としない高速走行時に出力特性が適した状態となる。
本実施形態に係る回転電機10は、ホイール3の軸方向両端に配置されたハブ部材16によって車軸4に対して回転保持されているので、ハブ部材16を小型化することで回転電機10の軽量化を図ることができ、軽量化に伴って必要な回転数までの到達時間を早くして応答性能を向上させることができる。
また、本実施形態に係る回転電機10は、回転軸と駆動軸とを同軸に配置しているので、回転電機10の小型化を図ることが可能となる。さらに、ボールねじナット部材25と車軸4の外表面に形成されたボールねじ溝23による減速効果を有することに加え、移動機構20による固定子11の軸方向への移動の際に、移動方向への力に対抗する吸引力の上昇を抑えることができるため、駆動モータの出力を小さくすることが可能となり、当該駆動モータを小型化することで、回転電機10の更なる小型化を図ることが可能となる。
さらに、移動機構20は、ボールねじナット部材25及びボールスプラインナット部材24によって固定子11の移動を行っているため、少量のエネルギーで固定子11の移動制御を行うことが可能となる。また、移動機構20による移動量は、ボールねじナット部材25の回転量によって制御しているので、求められる出力特性に応じて固定子11の位置を任意に設定することで、最も適した出力特性で回転電機10を駆動させることが可能となる。
次に、本実施形態に係る回転電機10と従来の回転電機についての吸引力及びトルク測定の結果を参照して、本発明の効果について確認を行う。
図7は、固定子11の回転子12に対する軸方向への移動量(以下、引抜量という。)に対する、吸引力の関係を示したグラフである。本測定は、固定子11が回転子12に対して最も挿入した状態を引抜量0mmとして、徐々に固定子11を回転子12から抜き出すように軸方向へ移動させ、吸引力の測定を行った。
図7に示すグラフより明らかなように、本実施形態に係る回転電機10の測定値は、従来の回転電機の測定値と比較して、吸引力の最大値が低くなっていることが確認できる。また、本実施形態に係る回転電機10の測定値は、従来の回転電機の測定値よりも、吸引力の最小値と最大値の範囲が狭まっており、引抜量によって変化の少ない、より安定的な吸引力が発生していることが確認できる。
これにより、回転子12の階段形状の段差の各角部と、固定子11の階段形状の段差の各角部とが対向するタイミングを互いに異ならせるという本発明の特徴には、吸引力が上昇するタイミングを分散させて、吸引力の最大値を低減させる効果があることが確認できた。
図8は、固定子11の引抜量に対する、トルクの関係を示したグラフ、図9は、固定子11が引抜量0mmの位置にあるときのトルクの時間変化を示したグラフである。
図8及び図9に示すグラフより明らかなように、本実施形態に係る回転電機10のトルクは、従来の回転電機のトルクと同等であることが確認できる。これにより、階段状に形成されたロータコア13の内部に磁石14を挿入し、磁石14の一部を露出させて構成される本実施形態の回転子12の構成は、トルク性能に影響を与えず、階段状に磁石を貼り付けて、固定子との対向面が全面磁石となる従来の回転子の構成と、同等の性能を維持できることが確認できた。
なお、上述した実施形態においては、車軸4とボールスプラインナット部材24並びにボールねじナット部材25は、転動体を介して組み付けた場合について説明を行ったが、これらの部材は、転動体を介さずに互いに滑り合うように組み付けても構わない。また、上述した本実施形態に係る回転電機10においては、本実施形態に係る回転電機10を自動車の車輪1に適用した場合について説明を行ったが、その用途は自動車に限られず、例えば、風力発電機やプレス加工機などに適用しても構わない。
また、本実施形態に係る回転電機10は、移動機構を有し、固定子が回転子に対して回転軸方向に抜き差し可能な形態について説明を行ったが、このような移動機構を有さない回転電機にも同様に適用することが可能である。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれうることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
4 車軸, 10 回転電機, 11 固定子, 11a ステータコア, 11b 電機子コイル, 12 回転子, 13 ロータコア, 13f スリット, 14 磁石, 20 移動機構。

Claims (5)

  1. 電機子コイルを巻回したステータコアを有する固定子と、前記固定子に対して径方向に所定のギャップを介して回転自在に配置されると共に、磁石および前記固定子に対向するロータコアを有する回転子とを備えた回転電機において、
    前記回転子及び前記ステータコアの互いの対向面は、前記回転子の回転軸方向に沿って径方向に広がる断面階段形状に形成され、
    前記磁石は、前記回転子の回転軸方向に沿って前記ロータコア内部に挿入されることを特徴とする回転電機。
  2. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記回転子の前記ステータコアとの対向面となる断面階段形状の一部は、前記磁石が露出していることを特徴とする回転電機。
  3. 請求項1または2に記載の回転電機において、
    前記回転子の断面階段形状の軸方向の間隔は、前記ステータコアの断面階段形状の軸方向の間隔と異なる不等間隔に形成されていることを特徴とする回転電機。
  4. 請求項1から3のいずれは1項に記載の回転電機において、
    前記固定子は、回転軸方向に移動可能な移動機構に取り付けられることを特徴とする回転電機。
  5. 電機子コイルを巻回したステータコアを有する固定子と、前記固定子に対して径方向に所定のギャップを介して回転自在に配置されると共に、磁石および前記固定子に対向するロータコアを有する回転子とを備えた回転電機において、
    前記回転子及び前記ステータコアの互いの対向面は、前記回転子の回転軸方向に沿って径方向に広がる断面階段形状に形成され、
    前記回転子の断面階段形状の軸方向の間隔は、前記ステータコアの断面階段形状の軸方向の間隔と異なる不等間隔に形成されていることを特徴とする回転電機。
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