JP2023021862A - 回転電機及び回転電機のコギングトルク低減方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】固定子と回転子の階段形状の角部による吸引力を増加させることなく、コギングトルクの低減を図ることができる回転電機及びコギングトルクの低減方法を提供する。【解決手段】電機子コイルを巻回したステータコアを有する固定子と、前記固定子に対して径方向に所定のギャップを介して回転自在に配置されると共に、磁石および前記固定子に対向するロータコアを有する回転子とを備えた回転電機において、前記回転子及び前記ステータコアの互いの対向面は、前記回転子の回転軸方向に沿って径方向に広がる断面階段形状に形成され、前記ステータコアは、径方向に延びるとともに前記電機子コイルが巻回されるステータコア基部と、前記ステータコア基部の端部から周方向に延設する鍔部とを備え、前記鍔部の周方向端部は、前記階段形状の各段毎に異なる鍔角度を有する鍔角度面を有する。【選択図】図5
Description
本発明は、コギングトルクを低減した回転電機及び、回転電機のコギングトルク低減方法に関するものである。
従来、回転電機の低速及び高速での出力を調整することで、回転速度に応じた出力特性を得ることができる回転電機が知られている。このような回転電機は種々の構造が知られているが、例えば、固定子と、固定子に対して同軸をなして回転自在に設けられた回転子と、回転子に対する固定子の軸方向での相対位置を変化させる移動手段とを有し、固定子に電機子コイル及びコアが設けられ、コアに対峙するようにマグネットが設けられた回転電機が知られている。
このような回転電機によれば、低速回転時には、固定子と回転子の対向面積が大きくなるように移動機構によって固定子を軸方向に移動させて固定子を通過する有効磁束が大きくなるようにして高トルク化を図り、高速回転時には、固定子と回転子との対向面積を少なくするように固定子を移動させて固定子を通過する有効磁束が小さくなるようにして高速回転を実現している。
また、固定子の軸方向に沿った移動に伴って出力特性の可変範囲をより一層大きくするために、種々の形態が知られている。例えば、特許文献1に記載されているように、固定子が移動するに従い、固定子と磁石の相対する面積を減少させるために固定子と磁石の相対する面を階段状に構成することで、固定子の軸方向の移動に伴って固定子に作用する磁束を効果的に減少させて出力特性の可変範囲を大きくしている。
しかし、従来の回転電機によれば、回転子の磁石を階段状に形成して固定子を移動機構によって回転子に対して抜き差しするように移動させると、抜き差しの動作中に固定子と磁石の角部が向かい合った状態となると吸引力が上昇するため、これを防止するために固定子を回転子の階段形状よりも段数を多くまた、各段のピッチも不等間隔とするなど、複雑な階段形状として角部が向かい合った状態を少なくすることが考えられる。
このように、固定子の階段形状を複雑にすると、回転電機が回転する際にコギングトルクが大きくなるという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するために成されたものであって、階段形状の対向面を有する固定子及び回転子のいずれか一方を抜き差しするように移動可能な移動機構を有する回転電機であっても、固定子と回転子の階段形状の角部による吸引力を増加させることなく、コギングトルクの低減を図ることができる回転電機及びコギングトルクの低減方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明に係る回転電機は、電機子コイルを巻回したステータコアを有する固定子と、前記固定子に対して径方向に所定のギャップを介して回転自在に配置されると共に、磁石および前記固定子に対向するロータコアを有する回転子とを備えた回転電機において、前記回転子及び前記ステータコアの互いの対向面は、前記回転子の回転軸方向に沿って径方向に広がる断面階段形状に形成され、前記ステータコアは、径方向に延びるとともに前記電機子コイルが巻回されるステータコア基部と、前記ステータコア基部の端部から周方向に延設する鍔部とを備え、前記鍔部の周方向端部は、前記階段形状の各段毎に異なる鍔角度を有する鍔角度面を有することを特徴とする。
また、上記課題を解決する本発明に係る回転電機のコギングトルクの低減方法は、電機子コイルを巻回したステータコアを有する固定子と、前記固定子に対して径方向に所定のギャップを介して回転自在に配置されると共に、磁石および前記固定子に対向するロータコアを有する回転子とを備えた回転電機のコギングトルクの低減方法であって、前記回転子及び前記ステータコアの互いの対向面が、前記回転子の回転軸方向に沿って径方向に広がる断面階段形状に形成され、前記ステータコアは、径方向に延びるとともに前記電機子コイルが巻回されるステータコア基部と、前記ステータコア基部の端部から周方向に延設する鍔部とを備えており、前記各段で生じる各コギングトルクのうち、少なくとも2つの段で生じる最も大きなコギングトルクを生じる最大断面組を抽出する工程と、前記最大断面組の一方の鍔角度を、前記最も大きなコギングトルクの電気角の位相が互いに反転するように前記鍔角度の大きさを設定する第1の鍔角度調整工程とを備えることを特徴とする。
本発明に係る回転電機及び回転電機のコギングトルク低減方法によれば、固定子のステータコアの鍔部の周方向端部の鍔角度を階段形状の各段ごとに異なる鍔角度となるように鍔角度面を形成しているので、各段で生じるコギングトルクの位相を調整して互いに打ち消し合うように形成することができ、回転電機全体に生じるコギングトルクを低減することができる。
以下、本発明に係る回転電機の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の実施形態に係る回転電機の軸方向断面図であり、図2は、本発明の実施形態に係る回転電機の固定子及び回転子の断面状態を示す断面斜視図であり、図3は、本発明の実施形態に係る回転電機の回転子の部分拡大図であり、図4は、本発明の実施形態に係る回転電機のステータコアの部分拡大図であり、図5は、本発明の実施形態に係る回転電機の鍔部の拡大図であり、図6は、図2におけるA部拡大断面図であり、図7は、各断面におけるトルク振幅を示すグラフであり、図8は、第1の鍔角度調整工程による鍔角度調整前後のコギングトルクの波形を示すグラフであり、図9は、第2の鍔角度調整工程による鍔角度調整前後のコギングトルクの波形を示すグラフであり、図10は、本実施形態に係る回転電機と従来の回転電機のコギングトルクを比較したグラフである。
図1に示すように、本実施形態に係る回転電機10は、自動車等の車輪1に組み込まれる所謂インホイールモータとして用いられると好適である。車輪1は、自動車の車体に取り付けられると共に、車輪1を回転可能に支持する車軸4と、ホイール3とホイール3の外周面に取り付けられたゴムなどの弾性体からなるタイヤ2とを備えている。
本実施形態に係る回転電機10は、ホイール3の内部に配置されており、回転電機10の回転力をホイール3に伝達することで、当該回転電機10が取り付けられる自動車の駆動力を発生させている。
ホイールハウジング15は、一対の中空の円板状部材であって、ロータコア13を軸方向に挟み込むように組み付けられている。また、ホイールハウジング15の内部には、後述する移動機構20が収納されている。さらに、ホイールハウジング15は、軸方向の両端に組み付けられたハブ部材16によって車軸4に対して回転可能に組み付けられている。
また、固定子11は、車軸4の軸方向に移動可能な移動機構20に取り付けられている。移動機構20は、車軸4が固定子11の回転中心軸と同軸に配置され、車軸4の外周面に回転不能に組み付けられたボールスプラインナット部材24と、車軸4の外周面に回転可能に組み付けられたボールねじナット部材25とを備えている。
また、ボールねじナット部材25は、ホイールハウジング15内に収納されると共に、出力軸に歯車が取り付けられた駆動源としての図示しない駆動モータによって回転力が付与されるように構成されている。このように構成されることで、駆動モータが回転することにより出力軸に取り付けられた歯車が回転し、ボールねじナット部材25の外周面と歯合することでボールねじナット部材25へ駆動モータの回転力を伝達している。
また、車軸4は、軸方向に貫通孔21が形成された中空軸であり、外表面の軸方向一端側に軸方向に沿って形成される図示しないボールスプライン溝が形成され、他端側に螺旋状のボールねじ溝23が形成されている。ボールスプライン溝およびボールねじ溝23は、車軸4の中央近傍で互いに重複するように隣接して形成されている。
また、車軸4の外表面には、後述する転動体が転走可能な一対の転走溝29が形成されている。転走溝29は、車軸4の周方向に沿って形成されており、車軸4の軸方向端側に形成されている。すなわち、転走溝29は、ボールスプライン溝及びボールねじ溝23のそれぞれよりも軸端側に配置されており、一対の転走溝29の間にボールスプライン溝及びボールねじ溝23が配置されている。
ボールスプラインナット部材24は、円筒状の部材であって、内周に車軸4が挿通される。また、ボールスプラインナット部材24の内周面には、車軸4のボールスプライン溝に対応する第2ボールスプライン溝が形成されており、ボールスプライン溝及び第2ボールスプライン溝の間には、図示しない転動体等を介在させることで、車軸4の軸方向にボールスプラインナット部材24が移動可能に組み付けられている。また、ボールスプラインナット部材24は、固定子11に取り付けられている。
ボールねじナット部材25は、内周にボールねじ溝23に対応する図示しない螺旋状の第2ボールねじ溝が形成された環状部材であり、外周面に駆動モータの出力軸に取り付けた歯車が歯合する歯車が取り付けられている。第2ボールねじ溝とボールねじ溝23の間には図示しない転動体などを介在させることで、ボールねじナット部材25は車軸4に対して回転可能に組み付けられている。
また、ハブ部材16の車軸4が挿入される挿入孔の内周面には、車軸4の外表面に形成された転走溝29に対応する第2転走溝33が形成されており、転走溝29及び第2転走溝33の間には複数の転動体32が配列されている。
このように構成された本実施形態に係る回転電機10は、移動機構20の駆動モータを回転させて駆動モータの出力軸に取り付けられた歯車を介してボールねじナット部材25を回転させると、ボールねじナット部材25が車軸4に形成されたボールねじ溝23に沿って軸方向に移動する。ボールねじナット部材25は、ボールスプラインナット部材24に組み付けられているので、固定子11と共に軸方向に移動される。
このように、本実施形態に係る回転電機10は、移動機構20の駆動モータによってボールねじナット部材25を回転移動させることで、固定子11を回転子12に対して抜き差しするように軸方向に移動可能となっているため、固定子11の回転子12に対する相対位置に応じて出力特性を可変することができる。なお、本明細書において、固定子11の抜き差し方向は、図1の左側から右側に向かって固定子11が移動する方向を引き抜き方向、右側から左側に移動する方向を差込み方向と定義する。
図1に示すように、回転子12は、導電性のある金属などからなるロータコア13と、磁石14を有しており、ロータコア13はホイール3に取り付けられたホイールハウジング15に組み付けられており、ホイール3は、回転子12の回転に伴って回転する。
本実施形態に係る回転電機10は、図2に示すようにステータコア11aに巻回された電機子コイル11bが周方向に沿って配置される固定子11と、図1に示すように固定子11に対して所定のギャップを介して回転自在に配置される回転子12とを備えている。なお、電機子コイルの巻回方法は、従来周知の種々の巻き方を採用することが可能である。
図3に示すように、ロータコア13は、固定子11との対向面が固定子11の軸方向に沿って径方向に広がる階段形状に形成されており、例えば、回転側第1段部13a、回転側第2段部13b、回転側第3段部13c、回転側第4段部13d及び回転側第5段部13eからなる5段の段付き形状となっている。この階段形状は、軸方向長さがそれぞれL1~L5となるように不等間隔に形成されている。ここで、ロータコア13の階段形状は、引き抜き方向に沿って広がるように形成されていると好適である。
なお、ロータコア13の階段形状は、図6に示すように、内径の異なる複数の円環状リングを回転軸方向に積層して形成すると好適である。また、複数の円環状リングを積層することに限らず、例えば、鋳造や切削などによって階段形状を形成しても構わない。
このように、階段形状における各段の軸方向の長さL1~L5は、軸方向長さはそれぞれ異なるように形成されているので、移動機構20による固定子11の軸方向への移動に伴って、各角部が対向するタイミングを互いに異ならせることで、吸引力が上昇するタイミングを分散させて、吸引力の最大値を下げることが可能となる。
また、図3に示すように、ロータコア13には、磁石14が挿入されており、N極の磁石14NとS極の磁石14Sとが周方向に交互に配置されている。また、ロータコア13の固定子11との対向面には、N極の磁石14NとS極の磁石14Sの間に対応する位置に軸方向に延びる溝17が形成されている。この溝17によりN極の磁石14NとS極の磁石14Sの間に空気層を形成することで、磁束の短絡を防止している。
図4に示すように、ステータコア11aは、径方向に放射状に延びると共に、電機子コイル11bが巻回される複数のステータコア基部41と、各ステータコア基部41の端部から周方向に延設する鍔部42とを備えている。
鍔部42のロータコア13との対向面は、回転子12の階段形状と対応するように、軸方向に沿って径方向に狭まる階段形状に形成されており、その段数は、回転子12の階段形状と異なる3段に形成されている。なお、鍔部42の端面の階段形状は、略等間隔に形成されると好適である。
なお、ステータコア11aの階段形状は、図6に示すように、鍔部42の形状が異なる複数のステータコア基部分割体を回転軸方向に積層して形成すると好適である。また、複数のステータコア基部分割体を積層することに限らず、例えば、鋳造や切削などによって階段形状を形成しても構わない。
図5に示すように、鍔部42の周方向端部は、階段形状の各段ごとに異なる鍔角度を有する鍔角度面を有している。ここで、鍔角度とは、ステータコア11aの径方向から各鍔角度面までの傾斜角度である。具体的には、鍔部42の階段形状は、軸方向に沿って固定側第1段部42a、固定側第2段部42b及び固定側第3段部42cを有しており、それぞれの段部の周方向端面は、第1の鍔角度面43a、第2の鍔角度面43b及び第3の鍔角度面43cを有している。このとき、第1の鍔角度面43aの鍔角度θ1は、第2の鍔角度面43bの鍔角度θ2よりも小さく、第3の鍔角度面43cの鍔角度θ3は、第2の鍔角度面43bの鍔角度θ2よりも大きく形成されている。このように、鍔角度θ1、鍔角度θ2及び鍔角度θ3は、軸方向に沿って漸次大きくなるように形成されている。
このように、鍔角度を軸方向(固定子11の移動方向)に沿って漸次大きくなるように形成することで、各段で生じるコギングトルクの電気角の位相を調整することができ、例えば、最もコギングトルクが大きく生じる2カ所の段部において、互いの位相が反転するように鍔角度を設定することで、コギングトルクの低減を図ることが可能となる。
このように移動機構20により固定子11を回転子12に対して軸方向に抜き差し可能に構成することで、固定子11を回転子12に対して最も挿入した状態においては、固定子11と回転子12の対向面積が最も大きく、固定子11と回転子12の間のギャップも最も小さい状態であることから、回転電機10の出力特性は、高トルク・低回転となる。このような状態では、自動車の発進時など速度は遅いが高トルクが必要な場合に最も出力特性が適した状態となる。
また、この状態では、逆起電力が上昇することから電機子コイル11bへの給電を停止し、車輪1を制動させる減速時には、逆起電力が上昇することで、効率的に発電を行うことができ、高効率の回生ブレーキとして作用させることが可能となる。
移動機構20の駆動モータを回転させてボールねじナット部材25に回転力を付与すると、ボールねじナット部材25の回転に伴って、ボールねじナット部材25が車軸4のボールねじ溝23に沿って回転しながら軸方向へ移動する。このように移動機構20を駆動させると、固定子11が回転子12から最も抜き出された状態となり、固定子11と回転子12の対向面積は最も小さく、固定子11と回転子12の間のギャップが最も大きな状態となる。この状態では、逆起電力が下降し、回転電機10の出力特性は、低トルク・高回転となる。このように固定子11を回転子12から最も抜き出した状態では、トルクを必要としない高速走行時に出力特性が適した状態となる。
本実施形態に係る回転電機10は、ホイール3の軸方向両端に配置されたハブ部材16によって車軸4に対して回転保持されているので、ハブ部材16を小型化することで回転電機10の軽量化を図ることができ、軽量化に伴って必要な回転数までの到達時間を早くして応答性能を向上させることができる。
さらに、回転軸と駆動軸とを同軸に配置しているので、回転電機10の小型化を図ることが可能となる。さらに、本実施形態に係る回転電機10は、ボールねじナット部材25と車軸4の外表面に形成されたボールねじ溝23による減速効果を有することから駆動モータの出力を小さくすることが可能となり、当該駆動モータを小型化することで、回転電機10の更なる小型化を図ることが可能となる。
さらに、移動機構20は、ボールねじナット部材25及びボールスプラインナット部材24によって固定子11の移動を行っているため、少量のエネルギーで固定子11の移動制御を行うことが可能となる。また、移動機構20による移動量は、ボールねじナット部材25の回転量によって制御しているので、求められる出力特性に応じて固定子11の位置を任意に設定することで、最も適した出力特性で回転電機10を駆動させることが可能となる。
次に、図6から図10を参照して本実施形態に係る回転電機10のコギングトルクの低減方法について説明を行う。図6に示すように、固定子11が回転子12に対して最も挿入した状態が最もコギングトルクが大きくなることから、この状態でコギングトルクの低減方法を説明する。
図6に示すように、回転側第1段部13a、回転側第2段部13b、回転側第3段部13c、回転側第4段部13d及び回転側第5段部13eと固定側第1段部42a、固定側第2段部42b及び固定側第3段部42cは、固定子11を回転子12に対して最も挿入した状態では、回転側第1段部13aと固定側第1段部42aの対向する断面1、回転側第2段部13bと固定側第1段部42aの対向する断面2、回転側第3段部13cと固定側第1段部42aとが対向する断面3、回転側第3段部13cと固定側第2段部42bとが対向する断面4、回転側第4段部13dと固定側第2段部42bとが対向する断面5、回転側第5段部13eと固定側第2段部42bとが対向する断面6、回転側第5段部13eと固定側第3段部42cとが対向する断面7とを有している。
ここで、各断面ごとに各段で生じるコギングトルクを測定する。その結果、図7に示すように各断面におけるコギングトルクを比較して、最も大きなコギングトルクを生じる最大断面組を抽出する。ここでは、断面7と断面4とが最も大きなコギングトルクを生じているため、断面7及び断面4を抽出する。
次に、各断面に対応する固定側段部の鍔角度を調整する(第1の鍔角度調整工程)。具体的には、断面7は固定側第3段部42c、断面4は固定側第2段部42bに対応するため、固定側第3段部42cの鍔角度を断面4のコギングトルクの電気角の位相に対して断面7が反転するように第3の鍔角度面43cの鍔角度θ3を調整する。即ち、第3の鍔角度面43cの鍔角度θ3を断面4のコギングトルクの電気角と位相が反転するように鍔角度θ3を第2の鍔角度面43bの鍔角度θ2よりも大きく形成すると好適であり、このように形成することで、断面4及び断面7から生じるコギングトルクを互いに打ち消し合わせてコギングトルクを低減することが可能となる。なお、本実施形態に係る回転電機10では、鍔角度θ2を4度、鍔角度θ3を4.5度に調整した。
このように第3の鍔角度面43cの鍔角度θ3を調整することで、図8に示すように、断面3から断面7によって新たなコギングトルクが生じる場合がある。この第1の鍔角度調整工程による調整によって生じたコギングトルクを第2の鍔角度調整工程によって打ち消し合うように固定側第1段部42aの鍔角度θ1の調整を行う。
具体的には、断面1及び断面2は固定側第1段部42aに対応するため、固定側第1段部42aの鍔角度を第1の鍔角度調整工程による調整によって生じたコギングトルクの電気角の位相に対して断面7が反転するように第1の鍔角度面43aの鍔角度θ1を調整する。即ち、第1の鍔角度面43aの鍔角度θ1を調整することで、断面1及び断面2から生じるコギングトルクの合成波形の電気角と、第1の鍔角度調整工程による調整によって生じたコギングトルクの電気角の位相が反転するように調整することで、本実施形態に係る回転電機10全体のコギングトルクの低減を図ることができる。
なお、断面1及び断面2から生じるコギングトルクの合成波形の電気角と、第1の鍔角度調整工程による調整によって生じたコギングトルクの電気角の位相が反転するように調整するために、鍔角度θ1を第2の鍔角度面43bの鍔角度θ2よりも小さく形成すると好適であり、本実施形態に係る回転電機10では、鍔角度θ1を3.2度に調整した。
図10は、鍔角度の調整前の回転電機と本実施形態に係る回転電機10のコギングトルクを比較したグラフであり、本実施形態に係る回転電機10は、調整前と比較して大幅にコギングトルクが低減していることが確認できた。
なお、上述した実施形態においては、車軸4とボールスプラインナット部材24並びにボールねじナット部材25は、転動体を介して組み付けた場合について説明を行ったが、これらの部材は、転動体を介さずに互いに滑り合うように組み付けても構わない。また、上述した本実施形態に係る回転電機10においては、本実施形態に係る回転電機10を自動車の車輪1に適用した場合について説明を行ったが、その用途は自動車に限られず、例えば、風力発電機やプレス加工機などに適用しても構わない。
また、上述した実施形態においては、回転電機10の固定子11を5段、回転子12を3段の階段形状にそれぞれ形成した場合について説明を行ったが、その段数は適宜増減しても構わない。さらに、本実施形態に係る回転電機10は、移動機構を有し、固定子が回転子に対して回転軸方向に抜き差し可能な形態について説明を行ったが、このような移動機構を有さない回転電機にも同様に適用することが可能である。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれうることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
4 車軸, 10 回転電機, 11 固定子, 11a ステータコア, 11b 電機子コイル, 12 回転子, 14 磁石, 20 移動機構, 41 ステータコア基部, 42 鍔部, 43a,43b,43c 鍔角度面, θ1,θ2,θ3 鍔角度。
Claims (6)
- 電機子コイルを巻回したステータコアを有する固定子と、前記固定子に対して径方向に所定のギャップを介して回転自在に配置されると共に、磁石および前記固定子に対向するロータコアを有する回転子とを備えた回転電機において、
前記回転子及び前記ステータコアの互いの対向面は、前記回転子の回転軸方向に沿って径方向に広がる断面階段形状に形成され、
前記ステータコアは、径方向に延びるとともに前記電機子コイルが巻回されるステータコア基部と、前記ステータコア基部の端部から周方向に延設する鍔部とを備え、
前記鍔部の周方向端部は、前記階段形状の各段毎に異なる鍔角度を有する鍔角度面を有することを特徴とする回転電機。 - 請求項1に記載の回転電機において、
前記鍔角度面は、前記ステータコアおよび前記回転子の各段の断面のコギングトルクのうち、最も前記コギングトルクが大きい2箇所のコギングトルクの電気角の位相が反転するように設定されることを特徴とする回転電機。 - 請求項1または2に記載の回転電機において、
前記ステータコアの各鍔角度は、前記回転軸方向に沿って漸次大きくなることを特徴とする回転電機。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の回転電機において、
前記固定子は、前記回転軸方向に移動可能な移動機構に取り付けられることを特徴とする回転電機。 - 電機子コイルを巻回したステータコアを有する固定子と、前記固定子に対して径方向に所定のギャップを介して回転自在に配置されると共に、磁石および前記固定子に対向するロータコアを有する回転子とを備えた回転電機のコギングトルクの低減方法であって、
前記回転子及び前記ステータコアの互いの対向面が、前記回転子の回転軸方向に沿って径方向に広がる断面階段形状に形成され、
前記ステータコアは、径方向に延びるとともに前記電機子コイルが巻回されるステータコア基部と、前記ステータコア基部の端部から周方向に延設する鍔部とを備えており、
前記各段で生じる各コギングトルクのうち、少なくとも2つの段で生じる最も大きなコギングトルクを生じる最大断面組を抽出する工程と、
前記最大断面組の一方の鍔角度を、前記最も大きなコギングトルクの電気角の位相が互いに反転するように前記鍔角度の大きさを設定する第1の鍔角度調整工程とを備えることを特徴とする回転電機のコギングトルク低減方法。 - 請求項5に記載の回転電機のコギングトルク低減方法において、
前記各段のうち、前記最大断面組以外の段の鍔角度を、前記第1の鍔角度調整工程によって生じたコギングトルクの変化を打ち消しあうように調整する第2の鍔角度調整工程を備えることを特徴とする回転電機のコギングトルク低減方法。
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JP2021126999A Pending JP2023021862A (ja) | 2021-08-02 | 2021-08-02 | 回転電機及び回転電機のコギングトルク低減方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2023021862A (ja) |
-
2021
- 2021-08-02 JP JP2021126999A patent/JP2023021862A/ja active Pending
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