JP2015082921A - 回転電機 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転電機の高速化、高トルク化を安価シンプルで信頼性の高い手法で実現させる。【解決手段】固定子と、前記固定子に対して回転軸方向にエアギャップを介して回転可能に配置された回転子と、前記回転子の軸心と同軸心に回転する1次側機構を備えた回転電機において、前記1次側機構は、回転軸方向に移動不能に配置された定位置回転プーリと、前記定位置回転プーリに対して前記回転軸方向に沿って移動可能に配置された可変位置プーリとを備え、記可変位置プーリが、前記回転子と一体に回転且つ軸方向に移動するものである。【選択図】図6
Description
本発明は回転電機に係り、特に、電動機や発電機として用いられる可変エアギャップを有するアキシャルギャップ式回転電機、あるいは更に変速機を組み合わせたものに関する。
電動機や発電機である回転電機は、市場より軽薄短小化の要求が強く、また最近は地球温暖化対策として、省エネルギー化や高効率化の要求も増加してきている。更に、低振動化、低騒化、そして安価であることも強く要求されている。その中で、回転軸方向にエアギャップを有するアキシャルギャップ式回転電機は扁平で薄型に有利な構造であり、回転子を円盤状にすれば慣性も小さくできるので、一定速度運転にも、可変速度運転にも適した回転電機であり、近年注目されだした回転電機の形態である。
一方、関係する従来技術として上記の特許文献がある。
回転電機はラジアルギャップ式とアキシャルギャップ式があるが、その回転原理は同一である。
従来の一般的なラジアルギャップ式の回転電機で回転子に永久磁石を用いるブラシレスDCモータ(以下BLDCMと略す)や同期発電機、あるいは回転子に永久磁石を用いないで磁性体の歯を有したスイッチドレラクタンスモータ(以下SRMと略す)の場合の技術は、固定子鉄心を珪素鋼鈑で積層して構成し、安価と効率を重視する場合は巻き線は主に集中巻き方式を採用する。
分布巻き方式ではトルク発生に寄与しないコイルエンド部が大きくなり銅損が増大し効率が低下するためと集中巻き方式では巻き線がシンプルでスロットへの直接巻き込が可能となり巻き線が安価となるためである。
一方、アキシャルギャップ式のBLDCMやSRMも近年、ハイブリッド車や電気自動車用の駆動用車載モータとして検討されている。その理由はエンジンに併設したり、インホイールモータとする場合、扁平形状が都合がよいためである。その場合、特にアキシャルBLDCモータでは始動時および低速回転時は高トルクを得るように強め界磁制御を行い、また高速回転時は高速回転を得るため弱め界磁制御を行うことが知られている。このような界磁制御を行っている理由は、界磁磁束が大きいと、低速時は大トルクが得られるが、高速度時は界磁磁束が大きいと起電力定数も大きくなり、電源電圧にモータ内部誘起電圧が近づくことで電流が流れなくなり、トルクもダウンしてしまうためである。また、これを回避するために多極永久磁石界磁モータで界磁制御することも考えられるが、多極永久磁石界磁モータで界磁制御するにはベクトル制御技術を駆使する等、制御が複雑で高価となる。その点、アキシャルギャップ式BLDCモータ等では回転子を軸方向に移動させて、低速回転時は固定子と回転子間のエアギャップである距離を狭め、高速回転時は距離を大きくすれば、界磁磁束を強め、あるいは弱め制御したことと同様な特性となることが知られている。
またアキシャルギャップ式モータを電気自動車(以下EVと略す)の動力用に使用する場合、界磁制御のみでの対応では、大きな始動時負荷トルクが必要となる。ダイレクト駆動ではモータサイズが大きくなり、経済的にも、重量的にも問題があり、減速体を介して負荷を駆動することが必要となる。減速体としては、特にVベルトとテーパープーリを組み合わせた無段変速機構(以下CVTと略す)が広く使用されている。
図14は典型的な従来技術によるアキシャルギャップ式BLDCMに無段変速機構、所謂CVTを取り付けた断面図である。固定子鉄心19は一般に珪素鋼鈑の積層方式で形成され、例えば6個で3相巻き線2が設けられ、回転子は4極の例が一般的である。尚ホール素子等の図示は省略してある。回転子は、永久磁石18を備えており、永久磁石18は、4個の扇形セグメント磁石が軸方向に磁化されて、交互に異極性に周方向に配置され、軸方向にエアギャップを介して固定子鉄心19と平面対向するように配置されている。即ち図14に記載した従来のアキシャルギャップ式BLDCMは、プレーンエアギャップ式となっている。そして回転子は、バックヨーク17を備えており、バックヨーク17により、磁気回路を形成する。回転子は、回転軸7を備えており、回転軸7は先端がテーパ状のテーパ面を有する軸体であり、スラスト方向には固定され軸受け11を介して固定子鉄心19に対して回転自在に保持されている。このように、バックヨーク17,永久磁石18とは一体に構成されて回転子を形成する。以上が駆動部即ちモータとなる。
回転子は、さらにプーリ8を備えている。プーリ8はスラスト方向に移動可能で且つ回転軸7とともに回転自在に配置されると共に、回転軸7のテーパ面と対応して形成されたテーパ所謂傾斜面を有する。回転軸7とプーリ8の互いに対向するテーパ面でV字型溝ができて、その溝でV字状ベルト15がサンドイッチ状に挟持されている。通常はプーリ8は図示は省略するが油圧やバネ圧等でV字状ベルト15を加圧するように制御されている。以上が駆動側であり、説明の便宜上、これらを1次側とよぶ。そして巻き線2に3相交流電流を流すことで、モータは回転磁界が発生して、V字状ベルト15は駆動される。V字状ベルト15は負荷軸20を駆動するが、負荷軸20は回転軸7と類似形状でその先端はテーパ状のテーパ面を有する軸体である。また負荷軸20に回転自在に設けられたプーリ21はプーリ8と同様の形状を有しており、スラスト方向に移動可能で且つ負荷軸20と共に回転自在に設けられたテーパ面を有している。また、上述した1次側と同様に、負荷軸20とプーリ21のテーパ面でサンドイッチ状に前述のV字状ベルト15を挟持している。なお、プーリ21は、負荷軸20に固着されたストッパ22を力点としてスプリングバネ23によって常にV字状ベルト15を加圧している。そして負荷軸20の右端に負荷が接続される。これらを説明の便宜上2次側とよぶ。例えばEVの場合は1次側がモータで、2次側が駆動輪タイヤとなる。この様な構成では無段変速機構が形成される。即ち、モータが始動開始すればV字状ベルト15の張力が大きくなるため、プーリ8は図14において右側に移動して、V字状ベルト15の1次側の径は小さくなり、反対に2次側ではV字状ベルト15がたわむのでスプリングバネ23の加圧でプーリ21がV字状ベルト15の内周にもぐりこみ、ベルト径は大きくなる。即ち減速機が形成され、大きな負荷トルクを駆動可能になる。即ち図14と反対の状態となる。逆に、高回転時は負荷トルクは低減されるので、V字状ベルト15の張力が駆動側で緩むため、あるいは、前述のプーリ8に加えられている油圧やバネ圧等の制御でプーリ8がV字状ベルト15の内周にもぐりこみV字状ベルト15は駆動側で径大、負荷側で径小になり増速機能を有したものとなる。即ち図14に図示した状態となる。このように無段変速が可能となる。
しかし、特にEV用途等のように低速から高速まで広範囲に速度制御を必要とする場合は速度制御を十分に効率よく行うにはCVTのみでは不十分で高速時は弱め界磁制御、低速時は強め界磁制御が必要であった。この弱め、強め界磁制御をおこなうには、界磁制御用の余分な電力や複雑なベクトル制御が必要であった。しかし、アキシャルギャップ式モータでは回転子と固定子間のエアギャップ長を可変にすることで比較的簡単に高速時の弱め界磁制御、低速時の強め界磁制御と同等の効果が得られることが知られている。
その典型的なアキシャルギャップ式BLDCモータに更にギャップ長を外力で強制的に可変させる先行技術として上述した特開2012−130086がある。しかし上記の図10、図11を含めた上述の先行技術に記載された方法では次のような欠点があった。即ち、界磁磁石と固定子鉄心が平面で対向するプレーンエアギャップ式ではラジアルギャップモータと比較して、最小エアギャップが小さく出来ないこと等によりトルクが小さく実用性に問題があった。すなわち、ラジアルギャップ式に対してアキシャルギャップ式では回転子面振れを考慮して、エアギャップ長が概略2倍必要となり、その分トルクが低下してしまうという問題もあった。さらに、エアギャップ長対トルク特性がエアギャップ長に対して線形変化でなく、非線形となるため制御性がよくないといった問題があった。
そこで、本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、上述したCVTに適したモータ構造である立体エアギャップモータを採用することで、アキシャルギャップ式でエアギャップ可変回転子とCVTの位置可変プーリを合体させてモータとCVTを融合させたコンパクトな、CVTを有したアキシャル可変ギャップモータを提供するものである。本発明は以上の問題を解決して安価で高性能なアキシャルモータを提供するものである。
本発明に係る回転電機は、固定子と、前記固定子に対して回転軸方向にエアギャップを介して回転可能に配置された回転子と、前記回転子の軸心と同軸心に回転する1次側機構を備えた回転電機において、前記1次側機構は、回転軸方向に移動不能に配置された定位置回転プーリと、前記定位置回転プーリに対して前記回転軸方向に沿って移動可能に配置された可変位置プーリとを備え、記可変位置プーリが、前記回転子と一体に回転且つ軸方向に移動するものであることを特徴とする。
また、本発明に係る回転電機において、前記可変位置プーリは、前記回転子との間に円錐体内部状空間部を有し、その空間部内で軸方向に移動不能に設けられた前記円錐体内部と逆方向に傾斜面を有するプレートとでできる空間内で前記回転軸の周方向に1個または複数に分割配置された錘を備え、前記錘は、必要により縮径方向に付勢する弾性部材によって一連に組み付けられると好適である。
また、本発明に係る回転電機において、前記回転子は、偶数極で周方向に異極性に磁化された永久磁石を備えることとすることができる。
また、本発明に係る回転電機において、前記回転子は、永久磁石を備えないこととすることができる。
また、本発明に係る回転電機において、前記固定子は、同心円弧的で軸方向に第1の歯部を突き出して有した複数の巻き線用突極鉄心を有するとともに、巻き線軸が前記回転軸と平行に形成された前記巻き線用突極鉄心を周方向に複数分布配置した固定子鉄心部を備え、前記回転子は、複数の磁性体による回転子磁極が周方向に分布されて各々の回転子磁極は同心円的で軸方向に前記第1の歯部と前記エアギャップを介して噛み合うように対向配置された第2の歯部を突き出して有すると好適である。
また、本発明に係る回転電機において、前記1次側機構及び2次側機構の定位置及び可変位置プーリで可変幅V溝を形成してV字状ベルトを架け渡して無段変速機構を構成することができる。
また、本発明に係る回転電機において、前記固定子又は前記回転子の何れかの巻き線を有する方へ電力を入力して前記1次側機構を回転させて前記2次側機構から出力を得ることができる。
また、本発明に係る回転電機において、前記2次側機構に風力、水力又はエンジンなどの外力によって駆動力を入力し、1次側機構に設けられた回転電機を発電機として用いることができる。
本発明に係るアキシャル可変ギャップ式の回転電機の回転子を軸方向に移動する手段とCVTの可変位置プーリを直結させれば、両者とも同じ動きで、低速時大トルクで高速時高回転で高出力の特性がモータとCVTで相乗効果をうむ。
また、本発明に係るアキシャルギャップ式BLDCMは固定子に形成された第1の歯部と回転子に形成された第2の歯部同士がかみ合い回転できるので、鎖交磁束がプレーンギャップの2倍以上と大きくなり、始動時および低速時のトルクも2倍以上が得られる。また従来のアキシャルギャップ式モータに比べ本モータは凹凸噛み合い部がラジアルギャップも有しているので低騒音である。
さらに、固定子に形成された第1の歯部と回転子に形成された第2の歯部の間のエアギャップ対向部がかみ合い対向なので、対向面積が増大しエアギャップ部パーミアンスの大きな高効率回転電機にして、エアギャップの増加に対して、そのアキシャル方向吸引力及びトルクはエアギャップ長にほぼ比例するのでギャップ長制御でトルク制御が容易に行える。
さらに、固定子に形成された第1の歯部と回転子に形成された第2の歯部の間のエアギャップ対向部がかみ合い対向なので、対向面積が増大しエアギャップ部パーミアンスの大きな高効率回転電機にして、エアギャップの増加に対して、そのアキシャル方向吸引力及びトルクはエアギャップ長にほぼ比例するのでギャップ長制御でトルク制御が容易に行える。
また、本発明に係るアキシャルギャップ式SRMも凹凸状に固定子に形成された第1の歯部と回転子に形成された第2の歯部同士がかみ合い回転できるので、従来技術に比較して優れたものとなる。
さらに、本発明に係るアキシャルギャップ式の回転電機を電気自動車の駆動主機に応用すれば、低速時の強め界磁や高速時の弱め界磁に要する電力が不要で効率を高めることができる。
また、本発明に係るアキシャルギャップ式の回転電機においてCVTの2次側軸を風力で駆動するように構成すれば、微風時は増速とし、大風時は減速制御して、ほぼ一定電力が得られる発電装置を構成することができる。
以下図面によって説明する。
[第一の実施形態]
本発明のアキシャルギャップ式モータの固定子鉄心1や回転子磁極4あるいは永久磁石5のバックヨーク6等は軟磁性鉄粉をプレスすることで簡単安価に製作できる。珪素鋼鈑の積層式の場合において、従来のラジアルギャップ式の場合は2次元形状の鉄心を軸方向に積層して、界磁磁束も軸と垂直平面磁路で用いられる。しかしアキシャルギャップ式モータでは界磁磁束磁路は立体的になるので珪素鋼鈑の積層方式を採用するには積層方式では積層方向には磁束が通過困難であるという問題があり、これがアキシャルギャップモータがラジアルギャップに比べて普及しない別の理由でもあった。この点、圧粉鉄心は無方向性であるので立体的な形状を構成するのに適したものとなる。圧粉鉄心とは軟磁性鉄粉を樹脂コーテングして加圧後熱処理したもので、プレス型で複雑な形状品を製作できる。また、透磁率は珪素鋼鈑の圧延方向には劣るが、磁束通過方向は無方向性である。さらに鉄粉が個々に樹脂で絶縁されているので渦電流が発生せず、鉄損が小さい鉄心とすることができる。
本発明のアキシャルギャップ式モータの固定子鉄心1や回転子磁極4あるいは永久磁石5のバックヨーク6等は軟磁性鉄粉をプレスすることで簡単安価に製作できる。珪素鋼鈑の積層式の場合において、従来のラジアルギャップ式の場合は2次元形状の鉄心を軸方向に積層して、界磁磁束も軸と垂直平面磁路で用いられる。しかしアキシャルギャップ式モータでは界磁磁束磁路は立体的になるので珪素鋼鈑の積層方式を採用するには積層方式では積層方向には磁束が通過困難であるという問題があり、これがアキシャルギャップモータがラジアルギャップに比べて普及しない別の理由でもあった。この点、圧粉鉄心は無方向性であるので立体的な形状を構成するのに適したものとなる。圧粉鉄心とは軟磁性鉄粉を樹脂コーテングして加圧後熱処理したもので、プレス型で複雑な形状品を製作できる。また、透磁率は珪素鋼鈑の圧延方向には劣るが、磁束通過方向は無方向性である。さらに鉄粉が個々に樹脂で絶縁されているので渦電流が発生せず、鉄損が小さい鉄心とすることができる。
図1は本発明の構成の一部を示したものであり、軸回転式のアキシャル可変シングルギャップ式回転電機とCVTの1次側部品を示したものである。図2は図1の回転電機のA−A断面矢視図、図3は図1の回転電機のB−B断面矢視図である。図1〜3を参照して第一の本発明例を説明する。
図2に示すように固定子鉄心1は圧粉鉄心等によって構成された巻き線用突極鉄心1bが円盤状に配列されており、巻き線用突極鉄心1bは、図1に示すように軸線方向に同心的に複数の第1の歯部1aが突き出して円弧状に形成されている。本図の場合は固定子鉄心1は6個の略扇形溝つきの巻き線突極用鉄心1bあるいは6個の分割鉄心で構成され、3相巻き線、回転子は4極の例である。例えばこの他に固定子が12スロットで回転子が8,10,14極あるいは、固定子が9スロットで回転子が8,10極等多数の組合せを適用可能である。
なお、固定子鉄心1の外周面には、巻き線2が巻かれており、この場合、6個の巻き線が、図2に示したように周方向に配置されて、固定子鉄心1の6個の溝部に略扇形に設けられている。回転子は図3に示したように回転子磁極4が4個でそれらの裏側には磁化された永久磁石5があり、4極でN極、S極が交互に配置されている。
永久磁石5は4個の磁石片を軸方向で磁石厚み方向に交互に異極性となるように磁化しバックヨーク6をその裏面に配置するのが望ましいが、1枚の円盤状磁石をN極S極交互に磁化し、軸方向に重ねて4個の回転子磁極4を固着させてもよい。永久磁石5の裏側にはバックヨーク6あるいは回転子支持体があり、定位置回転プーリ7の1次側鍔つき回転軸部に固着されている。そして固定子鉄心1及び回転子磁極4には同心的に軸方向に突き出た第1の歯部1a及び第2の歯部4aを有して、固定子と回転子が凹凸状にエアギャップを介してかみ合いながら軸受け11及びスベリ軸受け10で回転自在に対向している。ラジアルギャップ式回転電機に、この凹凸エギャップを適用すると、固定子鉄心1を分割して、回転子と組み合わせないと、回転電機として組みあがらない。しかしアキシャルギャップ式であれば、組み立ては容易である。また固定子及び回転子は凹凸かみ合いの第1の歯部1a及び第2の歯部4aがあっても、圧粉鉄心製法なら簡単安価にできる。なお、軸受け11は一対配置されており、軸受け11の間及び定位置回転プーリ7の回転軸には、スペーサ3及び9が介在している。即ち図1で回転子磁極4,永久磁石5,バックヨーク6及び可変位置プーリ8はお互いに固着合体されて1個の回転子を形成し、この回転子は、スベリ軸受け10を介して1次側鍔つき回転軸を有する定位置回転プーリ7とは回転もスラスト移動も可能としてある。定位置回転プーリ7は軸受け11に回転可能に保持されているので、固定子に対してスラスト方向には定位置で固定される。尚ホール素子等の図示は省略してある。
次に、図1の動作を説明する。この回転電機が負荷を始動させる場合はBLDCMの特性から始動負荷トルクに見合った最大電流が流れる。アキシャルギャップモータはラジアルギャップモータと比較して大きなアキシャル方向の吸引力がしかも電流に比例した大きさで発生するので図1図示の如く回転子は固定子鉄心1に最小の所定エアギャップで吸引されて始動を開始する。また回転子の可変位置プーリ8はV字状ベルト15の張力が始動時は大きいため該張力によって回転子磁極4は一層固定子鉄心1とのエアギャップが小さくなる方向に力を受けた状態で始動する。即ち定位置回転プーリ7と可変位置プーリ8の間のV溝間隔が開いた状態で始動する。此のときV字状ベルト15の径は最小状態で、負荷側の2次軸を減速するレシオである。
次にデューティ制御や印加電圧制御等でモータ速度を増加させると、回転電機でエアギャップが小さいことによる大トルクが生じ、これにCVTの減速レシオによるトルク増加が加わることで、相乗効果で負荷を始動加速しやすく出来る。そして加速が終わり、定速度運転あるいは高速運転となった場合では負荷が加速時より大幅に減少するのでV字状ベルト15の張力も減少する。またBLDCMの速度―トルク特性の関係から、速度が増加すると、負荷電流は減少していくので、ギャップ間の吸引力も減少していく。此のとき、定位置回転プーリ7の回転軸を保持するスペーサ9の代わりにこの場所にコイルバネ圧や油圧等の付勢手段を設けておけば、可変位置プーリ8のテーパ部がV字状ベルト15の内周に回転しながらもぐりこみV字状ベルト15の径は拡大する。V字状ベルト15の径が拡大することで、固定子と回転子間のエアギャップは拡大し、弱め界磁効果が発生し回転数を増加させ、CVT側でも増速レシオとなり相乗効果が生まれる。尚、図1の回転子は定位置回転プーリ7には発生トルクがV字状ベルト15の摩擦力を介して伝達されている。またギャップ長と発生トルクが線形に変化することが重要であるが、これは後述する図11及び12に記載した例を適用することで解決することができる。
図1が回転電機の対速度での電流変化やバネ圧、あるいは油圧により回転電機のエアギャップを増減させるのに対し、図4(a)は遠心力を利用した一例である。図4(a)でモータ部は図1とほぼ同じであるのでその説明は省略する。CVT部が図1とは異なり、図1での可変位置プーリ8はむくの円錐部材であったが、図4(a)では空洞円錐体30を設けてバックヨーク(回転子支持体)にその外周で固着して、バックヨーク6と空洞円錐体30で囲まれた空間部を作りスラスト方向に移動を固定した空洞円錐体30の内壁面とは逆斜面を有したプレート12を設ける。空洞円錐体30の中心部は定位置回転プーリ7とは図示しないスベリ軸受けを介した回転及びスラスト移動可能にしてある。その内部すなわちプレート12と空洞円錐体30の内壁による空間部に、1個またはドーナツ状体を複数個に分割した錘13を配置する。錘13は、その中心穴部に錘13を必要により縮径方向に付勢する弾性部材14を有し定位置回転プーリ7なる1次軸の周りに配置される。弾性部材14は、例えば弾性紐、環状スプリングあるいは弾性リング体である。そして空洞円錐体30と定位置回転プーリ7と傾斜面でできるV溝にはV字状ベルト15を設けたものである。尚錘13の形状はドーナツ状体に限らず、球体状錘を弾性部材14で連結する等、適宜適応可能である。
その動作を以下説明する。
この回転電機が負荷を始動させる場合はBLDCMの特性から始動負荷トルクに見合った最大電流が流れる。アキシャルギャップモータはラジアルギャップモータと比較して大きなアキシャル方向の吸引力が発生し、その吸引力は電流に比例するので図4(a)に図示の如く回転子は固定子鉄心1に最小の所定エアギャップで吸引されて始動を開始する。また回転子の空洞円錐体30はV字状ベルト15の張力が始動時大きいため張力に負けて回転子磁極4は一層固定子鉄心1とのエアギャップが小さくなる方向に力を受けた状態、即ち定位置回転プーリ7と空洞円錐体30間のV溝間隔が開いた状態で始動する。此のときV字状ベルト15の径は最小状態で、負荷側の2軸を減速するレシオである。
次にデューティ制御や印加電圧制御等でモータ速度を増加させると、回転電機ではエアギャップ小による大トルクに、CVTの減速レシオによるトルク増加が加わり相乗効果で負荷を始動加速しやすく出来る。この状態の図示が図4(a)の横軸中心線の上半分に示した図である。そして加速が終わり、定速度運転あるいは高速運転では負荷が加速時より大幅に減少するのでV字状ベルト15の張力も減少する。またBLDCMの速度―トルク特性の関係から、速度が増加すると、負荷電流は減少していくので、ギャップ吸引力も減少していく。
此のとき、錘13は速度が増加するにつれて、遠心力が発生し回転軸の径方向の遠方に力を受けて図4(a)の下半分の図示状態となる。即ち、錘13は空洞円錐体30とプレート12の内部壁を外方向に遠心力で押し上げるがプレート12は定位置回転プーリ7の回転軸にスラスト方向には固定されているので、空洞円錐体30が図4(a)の右方向に移動し、V字状ベルト15の位置を外周方向に押し上げV字状ベルト15の径を大きくし、増速レシオとなる。此のとき同時に回転子である回転子磁極4,永久磁石5及びバックヨーク6も右に同量移動して固定子鉄心1と回転子磁極4の間のエアギャップを拡大し界磁弱め効果が生じ益々高速型モータに変身する。錘13が遠心力で外周の位置にいるときは弾性部材14は伸びている。そして再び速度を減らすモードになると、回転速度の減速時は錘13には遠心力がなくなるので空洞円錐体30を右側に押す力が消滅し、同時に負荷側からV字状ベルト15に張力が加えられるので、V字状ベルト15の張力で空洞円錐体30は左側に移動させられて、回転子である回転子磁極4,永久磁石5及びバックヨーク6も同時に左に移動して、エアギャップも小さくなり、弾性部材14は収縮して、図4(a)の上半分の図の状態に戻る。弾性部材14が収縮して定位置回転プーリ7の回転軸の周りに位置している状態の図が図5である。
図4(b)は、図4(a)と同様に遠心力でエアギャップを開閉するものである。図4(b)の固定子及び回転子の構成は図1と同じなので説明は省略する。回転子はバックヨーク25の外周で第1のプレート26を固着している。第1のプレート26は軸心に向かって空洞円錐体形状をなし固定子に固定された軸50とは非接触あるいはスベリ軸受け10を介して軸50に対し回転及び軸方向に移動可能にして回転子と一体的に動けるものである。第1のプレート26と軸50で囲まれた空間部にはスラスト方向に移動を固定した第1のプレート26の内壁面とは逆斜面を有した第2のプレート27を設ける。その内部すなわち第2のプレート27と第1のプレート26の内壁による空間部に1個またはドーナツ状体を複数個に分割した錘13を配置する。錘13は、その中心穴部に、錘13を必要により縮径方向に付勢する弾性部材14を有し、軸50の周りに配置する。ドーナツ状体を複数に分割した錘13は複数球体でもよく、その形状はこの限りでない。1個の球体でもよいが複数の方が遠心力が第1のプレート26と第2のプレート27に均等に作用するので好適である。なお、図4(b)の第1のプレート26は、図4(a)の空洞円錐体30、あるいは図1の可変位置プーリ8に相当し同様な可変ギャップ機能を持つが、電動機の出力はV字状ベルト15で2次側機構へ伝達されるのと異なり、回転体28に伝達される1次側機構を構成する。尚錘13の形状はドーナツ状体に限らず、球体状錘を弾性部材14で連結する等、適宜適応可能である。
その動作は以下のようになる。
この回転電機が負荷を始動させる場合はBLDCM等の特性から始動負荷トルクに見合った最大電流が流れる。アキシャルギャップモータはラジアルギャップモータと比較して大きなアキシャル方向の吸引力が発生し、その吸引力は電流に比例するので図4(b)の軸50の軸心線の上半図に図示の如く回転子は固定子鉄心1に最小の所定エアギャップで吸引されて始動を開始する。
この回転電機が負荷を始動させる場合はBLDCM等の特性から始動負荷トルクに見合った最大電流が流れる。アキシャルギャップモータはラジアルギャップモータと比較して大きなアキシャル方向の吸引力が発生し、その吸引力は電流に比例するので図4(b)の軸50の軸心線の上半図に図示の如く回転子は固定子鉄心1に最小の所定エアギャップで吸引されて始動を開始する。
次にデューティ制御や印加電圧制御等でモータ速度を増加させると、内部誘導電圧が増加して電流が減るので固定子と回転子間に働くスラスト吸引力も減少する。
このとき、錘13は速度が増加するにつれて、遠心力が発生し回転軸の径方向の遠心力を受けて図4(b)の下半分の図示状態となる。即ち、錘13は第1のプレート26と第2のプレート27の内部壁を外方向に遠心力で押し上げるが第2のプレート27は固定軸50に軸方向移動は固定されているので、第1のプレート26のみが右方向に移動し、回転子も同時に移動してエアギャップは拡大される。そして再び速度を減らすモードになると、回転数の減速時は錘13には遠心力がなくなるので第1のプレート26を右側に押す力が消滅し、また低速回転時は電流も増大するのでアキシャルギャップ特有の強力なスラスト吸引力でエアギャップは最小位置まで縮小する。図4(b)で前記回転子あるいは第1のプレート26の外周にはエクスターナルギヤが形成され、軸方向に定位置で回転する回転体28の内周には軸方向に伸びるインターナルギヤが噛み合うように形成され、回転子が軸方向に移動しても、それらのギヤは常にかみ合い回転力を回転体28に伝達できる。インホイール式電気自動車駆動に用いる場合は、回転体28の外周にタイヤを装着すればよい。以下の説明は図1と同じなので省略する。
このとき、錘13は速度が増加するにつれて、遠心力が発生し回転軸の径方向の遠心力を受けて図4(b)の下半分の図示状態となる。即ち、錘13は第1のプレート26と第2のプレート27の内部壁を外方向に遠心力で押し上げるが第2のプレート27は固定軸50に軸方向移動は固定されているので、第1のプレート26のみが右方向に移動し、回転子も同時に移動してエアギャップは拡大される。そして再び速度を減らすモードになると、回転数の減速時は錘13には遠心力がなくなるので第1のプレート26を右側に押す力が消滅し、また低速回転時は電流も増大するのでアキシャルギャップ特有の強力なスラスト吸引力でエアギャップは最小位置まで縮小する。図4(b)で前記回転子あるいは第1のプレート26の外周にはエクスターナルギヤが形成され、軸方向に定位置で回転する回転体28の内周には軸方向に伸びるインターナルギヤが噛み合うように形成され、回転子が軸方向に移動しても、それらのギヤは常にかみ合い回転力を回転体28に伝達できる。インホイール式電気自動車駆動に用いる場合は、回転体28の外周にタイヤを装着すればよい。以下の説明は図1と同じなので省略する。
図6と図7はCVTの1次側と2次側を同時に図示して説明する図である。モータ部は図1、図4と異なり、固定子と回転子との間のエアギャップが凹凸状にかみ合ってないがアキシャル型回転子とCVTの可変位置プーリ8は合体して同時にスラスト方向に移動できるメリットは有している。なお、回転子は、固定子19、永久磁石18及びバックヨーク17を備えている。その他の部材は図1と同じなので図1と同じ符号を付して説明は省略する。図6は回転電機が始動時においてV字状ベルト15の張力が増大することで可変位置プーリ8は右側に寄せられて永久磁石18と固定子19間のエアギャップは最小となっている。この状態では、大きな起動トルクでしかもCVTの1次軸のプーリ間V溝間は開いた状態なのでV字状ベルト15の径は小さく、減速レシオで起動容易状態である。
CVTの2次側鍔つき回転軸20の鍔部はテーパ状形状で、プーリ21は回転軸20の軸部を中心軸として回転し、スラスト方向への位置移動を固定すれば、V字状ベルト15をバネ23で加圧し、回転軸20のテーパ状形状部とで挟持する。バネ23は、回転軸20に取り付けたバネストッパ22によって保持されている。CVTの1次軸と2次軸間距離は一定なので、1次側でプーリ間V溝が開けば2次側でベルトがたわむのでバネ23のバネ加圧力で回転軸20のテーパ状形状部がV字状ベルト15の内周部にもぐりこみ図6の状態で始動加速に適した状態となる。
図7は一定速度の軽負荷あるいは高速回転に適した状態である。加速が終わり、定速度運転あるいは高速運転では負荷が加速時より大幅に減少するのでV字状ベルト15の張力も減少する。またBLDCMの速度―トルク特性の関係から、速度が増加すると、負荷電流は減少していくので、ギャップ吸引力も減少していく。するとバネ16等の加圧により可変位置プーリ8がV字状ベルト15内部にもぐりこむ。同時にV字状ベルト15の張力が2次側に加わり、プーリ21はスラスト方向に定位置に固定されているので、回転軸20のテーパ状形状部はV字状ベルト15の張力で左に移動して、V溝間隔が開き、図の高速回転に適した状態になる。
また図6、図7でCVTの2次側軸に風車等を取り付けるとCVT1次側についている回転電機は発電機として使用できる。図6が微風時対応で2次側軸は低速回転なので1次側軸の発電機を増速して回転数を増加させて発電量を大きく出来る。また図7は強風時対応で2次側軸は高速回転するので1次側軸回転を減速して発電量を抑えたり発電機の高速回転による破損を防止したりできる。
[第2の実施形態]
図8と図9は第2の実施形態に係る回転電機をCVTの1次側と2次側を同時に図示して説明する図である。モータ部は図1、図4と同じく、固定子鉄心24と回転子磁極25の間のエアギャップが凹凸状にかみ合っているが、凹凸のかみ合う歯数は図を簡素にするために少なく図示してある。アキシャル型回転子とCVTの可変位置プーリは合体して同時にスラスト方向に移動できるメリットを有しているのは同じである。なお、回転子磁極25は永久磁石18が取り付けられており、可変位置プーリ8を磁性体で構成してバックヨークをそれで代用した例である。その他の部材は図1と同じなので同一の符号を付して説明は省略する。
図8と図9は第2の実施形態に係る回転電機をCVTの1次側と2次側を同時に図示して説明する図である。モータ部は図1、図4と同じく、固定子鉄心24と回転子磁極25の間のエアギャップが凹凸状にかみ合っているが、凹凸のかみ合う歯数は図を簡素にするために少なく図示してある。アキシャル型回転子とCVTの可変位置プーリは合体して同時にスラスト方向に移動できるメリットを有しているのは同じである。なお、回転子磁極25は永久磁石18が取り付けられており、可変位置プーリ8を磁性体で構成してバックヨークをそれで代用した例である。その他の部材は図1と同じなので同一の符号を付して説明は省略する。
また図8と図9の動作は図6と図7の場合と同じなので動作説明は省略するが、図8は回転電機のエアギャップが最小でCVTのV溝が最大で、1次側のV字状ベルトの径が最小、従ってCVT2次側のV字状ベルト径が最大であり、始動時あるいは加速時の図を示している。図9は逆に回転電機のエアギャップが最大でCVTのV溝が最小で、1次側のV字状ベルト径が最大、従ってCVT2次側のV字状ベルト径が最小であり、高速回転時の図である。
また図8、図9でCVTの2軸に風車等を取り付けるとCVT1次側軸についている回転電機は発電機として使用できる。図8が微風時対応で2次側軸は低速回転なので1次側軸の発電機を増速して回転数を増加させて発電量を大きく出来る。また図9は強風時対応で2次側軸は高速回転するので1次側軸回転を減速して発電量を抑えたり発電機の高速回転による破損を防止したりできる。なお、図4(b)に記載した回転電機を適用する場合には、2次側軸を設けずに直接回転体28に風車等を取り付けて発電機として使用することもできる。
また図10はモータの固定子鉄心24及び回転子磁極25は図8、図9の場合とおなじで、第1の歯部及び第2の歯部を有した凹凸エアギャップであるが、図8、図9のBLDCMの場合のような永久磁石18を用いない場合の図である。所謂レラクタンス式回転電機であり、近年、SRMとして注目されている回転電機の場合である。軸方向から見たエアギャップ対向部の固定子及び回転子は図2及び図3と同じ図示となる。本機は吸引力で回転するが、エアギャップが小さいほど、またエアギャップ対抗面積が大きいほど、発生トルクも大きくなる。またBLDCMと比較して永久磁石がない分、コストは安価であるが、発生トルクは小さいので、EV用途などには凹凸ギャップ式が必要となる。そしてBLDCMほど顕著ではないが、エアギャップが大きい方が高速回転となる。従ってアキシャルギャップ式SRMに本発明のCVTのデバイスを適用することは有効である。図10はエアギャップを大きくした高速回転対応の図で示したものである。
回転電機のトルクは鎖交磁束に比例する。鎖交磁束はギャップパーミアンスPに比例し、Pは次式で与えられる。
P=μ0S/L (1)
ここで、μ0:真空の透磁率、S:ギャップ対向面積、L:エアギャップ長
しかるに、図1、図8等はモータのエアギャップは凹凸ギャップのため、(1)式より考察すれば、対向面積Sは容易に従来型の2倍〜3倍になる。従ってパーミアンスPも2から3倍でトルクもPに比例して増加できる。従って、ラジアルギャップ式モータに比べて、アキシャルギャップ式モータの欠点であったエアギャップ大によるトルク小が改善される。ラジアルギャップ式モータに凹凸エアギャップを適用しようとすると固定子と回転子の組み立てが容易にはできないがアキシャルギャップ式モータなら簡単であることは前述した。本発明は圧粉鉄心を用いるが、圧粉の珪素鋼鈑に比べた透磁率の悪さも、この凹凸ギャップ効果でカバーされる。ここで固定子と回転子が平面で対抗する所謂プレーンギャップ式アキシャルモータに対して凹凸ギャップ式アキシャルギャップモータの特徴を述べる。
P=μ0S/L (1)
ここで、μ0:真空の透磁率、S:ギャップ対向面積、L:エアギャップ長
しかるに、図1、図8等はモータのエアギャップは凹凸ギャップのため、(1)式より考察すれば、対向面積Sは容易に従来型の2倍〜3倍になる。従ってパーミアンスPも2から3倍でトルクもPに比例して増加できる。従って、ラジアルギャップ式モータに比べて、アキシャルギャップ式モータの欠点であったエアギャップ大によるトルク小が改善される。ラジアルギャップ式モータに凹凸エアギャップを適用しようとすると固定子と回転子の組み立てが容易にはできないがアキシャルギャップ式モータなら簡単であることは前述した。本発明は圧粉鉄心を用いるが、圧粉の珪素鋼鈑に比べた透磁率の悪さも、この凹凸ギャップ効果でカバーされる。ここで固定子と回転子が平面で対抗する所謂プレーンギャップ式アキシャルモータに対して凹凸ギャップ式アキシャルギャップモータの特徴を述べる。
ギャップ長Lを変化させた時のトルクTとの特性を比較すると図11及び図12の如くなる。図11(A)(B)はプレーンギャップ式であり、回転子の永久磁石18がエアギャップを保持して直接固定子19と対向している。(A)はエアギャップがL1と狭い場合、(B)はL2に拡大された場合の図である。これに対して、図11の(C),(D)は凹凸ギャップ式アキシャルギャップモータの場合であり、(C)はエアギャップがL1と狭い場合、(D)はL2に拡大された場合の図である。図12を参照して、エアギャップが同じL1でも、凹凸ギャップ式はプレーンギャップ式のトルクの2倍程度でエアギャップLを増加していくと、プレーンギャップ式はギャップ距離Lの自乗に反比例してトルクが減少するが、凹凸ギャップ式はギャップLがL2までは常に固定子と回転子の第1及び第2の歯部がラジアル方向で対向しているので、トルクは図示の如くほぼ線形に減少する。線形に減少することはギャップLの可変制御でトルクを線形に制御できるものであり、EV用モータとして使用した場合、車の低速から高速までの制御が容易となる。さらに試作した結果から判明したことであるが、本発明モータはアキシャルギャップ式モータでありながら、ラジアルギャップ式の対向部が存在しているので、騒音がプレーンギャップ式アキシャルモータに対して、大幅に低いメリットもある。
図13はBLDCMのアキシャル可変ギャップ式モータのエアギャップを可変した時の特性を説明するための図である。エアギャップが最小の場合の速度―負荷トルク特性が実線(1)でそのときの電流―負荷トルク特性が点線(2)である。エアギャップを最小で実線(1)の速度―負荷トルクカーブにおいて始動トルクT1、速度N1で始動する時、電流I1は最大電流に近く、アキシャル方向吸引力が大きくなり、予圧バネ力より大きく設定されていれば、最小エアギャップを保持して大トルクで始動後、モータは増速していく。増速するに伴い、負荷トルクが減少し、負荷電流も減少していく。するとアキシャル方向吸引力も減少するので、エアギャップはバネ予圧の方が大きくなり、エアギャップが増大していく。そして所定のエアギャップまでギャップ長が増加した最大エアギャップ時の速度―負荷トルク特性が実線(3)でそのときの電流―負荷トルク特性が点線(4)である。そのときの負荷トルクがT2で電流がI2となる。即ち、本発明モータの速度―負荷トルク特性は実線(1)から実線(3)へと無段階に連続変化して負荷を始動、加速させる。もし速度―負荷トルク特性がエアギャップ固定で実線(1)のみであれば負荷トルクT2時、速度はN2までしか、増加しないが、本発明の可変エアギャップモータで速度―負荷トルク特性(3)上のN3まで増速できるものである。これを強め界磁で(1)とし、弱め界磁制御で(3)となるように行えば、余分な励磁コイルや界磁制御電力、あるいは複雑なベクトル制御回路等が必要になる。
以上の説明は主にアキシャルギャプ式BLDCMで固定子と回転子の対向面を凹凸かみ合いの場合で説明したが円弧あるいは3角状の歯対向にしても十分な効果を有する。また永久磁石を使用しないSRMでも固定子と回転子の対向面を凹凸や円弧あるいは3角状の歯対向にすれば十分な効果を有する。SRMの場合は、図13に示した速度―トルク曲線がBLDCMほどきれいな直線とはならないが、エアギャップを増加していけば特性曲線は概略(1)から(3)への傾向で変化する。従って本発明のSRMへの展開も永久磁石不要の安価なモータで行えるため有益である。
本発明によるアキシャルギャップ式回転電機は、安価で堅牢で軽薄短小、高トルク化、高効率化、さらに低騒音に適した、シンプルにして、きわめて実用的なものである。従って工業的に大きな貢献が期待される。
1、19、24 固定子鉄心
2 巻き線
3、9 スペーサ
4 回転子磁極
5、18 永久磁石
6、17、25 バックヨーク、または回転子支持体、
7 定位置回転プーリ
8 可変位置プーリ
10 スベリ軸受け
11 軸受
12、26,27 プレート
13 錘
14 弾性部材
15 V字状ベルト
16、23 コイルバネ
20 2次側鍔つき回転軸
21 2次側プーリ
22 バネストッパ
28 回転体
30 空洞円錐体
50 軸
2 巻き線
3、9 スペーサ
4 回転子磁極
5、18 永久磁石
6、17、25 バックヨーク、または回転子支持体、
7 定位置回転プーリ
8 可変位置プーリ
10 スベリ軸受け
11 軸受
12、26,27 プレート
13 錘
14 弾性部材
15 V字状ベルト
16、23 コイルバネ
20 2次側鍔つき回転軸
21 2次側プーリ
22 バネストッパ
28 回転体
30 空洞円錐体
50 軸
Claims (8)
- 固定子と、
前記固定子に対して回転軸方向にエアギャップを介して回転可能に配置された回転子と、
前記回転子の軸心と同軸心に回転する1次側機構を備えた回転電機において、
前記1次側機構は、回転軸方向に移動不能に配置された定位置回転プーリと、前記定位置回転プーリに対して前記回転軸方向に沿って移動可能に配置された可変位置プーリとを備え、
前記可変位置プーリが、前記回転子と一体に回転且つ軸方向に移動するものであることを特徴とする回転電機。 - 請求項1に記載の回転電機において、
前記可変位置プーリは、前記回転子との間に円錐体内部状空間部を有し、その空間部内で軸方向に移動不能に設けられた前記円錐体内部と逆方向に傾斜面を有するプレートとでできる空間内で前記回転軸の周方向に1個または複数に分割配置された錘を備え、
前記錘は、必要により縮径方向に付勢する弾性部材によって一連に組み付けられることを特徴とする回転電機。 - 請求項1又は2に記載の回転電機において、
前記回転子は、偶数極で周方向に異極性に磁化された永久磁石を備えることを特徴とする回転電機。 - 請求項1又は2に記載の回転電機において、
前記回転子は、永久磁石を備えないことを特徴とする回転電機。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の回転電機において、
前記固定子は、同心円弧的で軸方向に第1の歯部を突き出して有した複数の巻き線用突極鉄心を有するとともに、巻き線軸が前記回転軸と平行に形成された前記巻き線用突極鉄心を周方向に複数分布配置した固定子鉄心部を備え、
前記回転子は、複数の磁性体による回転子磁極が周方向に分布されて各々の回転子磁極は同心円的で軸方向に前記第1の歯部と前記エアギャップを介して噛み合うように対向配置された第2の歯部を突き出して有することを特徴とする回転電機。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の回転電機において、
前記1次側機構及び2次側機構の定位置及び可変位置プーリで可変幅V溝を形成してV字状ベルトを架け渡して無段変速機構を構成したことを特徴とする回転電機。 - 請求項6に記載の回転電機において、
前記固定子又は前記回転子の何れかの巻き線を有する方へ電力を入力して前記1次側機構機を回転させて前記2次側機構から出力を得ることを特徴とする回転電機。 - 請求項6に記載の回転電機において、
前記2次側機構に風力、水力又はエンジンなどの外力によって駆動力を入力し、1次側機構に設けられた回転電機を発電機として用いることを特徴とする回転電機。
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