JP2023020612A - パンツ型吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】排便後のパンツ型吸収性物品を、便が飛び散りにくいように処理することが可能なパンツ型吸収性物品に関する。【解決手段】本発明の一形態に係るパンツ型吸収性物品は、吸収体と外装体とを備える。外装体は、腹側部と、背側部と、腹側部の横方向における側縁部と背側部の横方向における側縁部とがそれぞれ接合された一対のサイド接合部とを含むウエスト部を有する。ウエスト部は、ウエスト開口部からレッグ開口部に向かって順に位置する第1領域と、第2領域と、第3領域と、第4領域と、を有する。サイド接合部は、第1領域に対応する第1接合領域と、第2領域に対応する第2接合領域と、第3領域に対応する第3接合領域と、第4領域に対応する第4接合領域と、を有する。サイド接合部の少なくとも一方は、第1接合領域の接合強度をa、第2接合領域の接合強度をb、第3接合領域の接合強度をc、第4接合領域の接合強度をdとすると、 a>b<c>d である。【選択図】図3

Description

本発明は、使い捨ておむつ等のパンツ型吸収性物品に関する。
パンツ型使い捨ておむつ等のパンツ型吸収性物品では、着用者の腰回りに位置するウエスト部が腹側部と背側部とから構成されている。このようなパンツ型吸収性物品は、腹側部の両側縁部と背側部の両側縁部とがそれぞれ熱シール等の熱溶着により接合されたサイド接合部を有している。
特許文献1には、使用時にはサイド接合部が剥がれにくく、使用後においてはサイド接合部を容易に剥がすことができる使い捨ておむつとすることを目的とし、サイド接合部において、上端部を最も剥がれやすい部分とし、次いで下端部を剥がれやすい部分とし、これらの間の中間部を最も剥がれにくくしたおむつが開示されている。
特開2002-291801号公報
パンツ型吸収性物品では、パンツ型吸収性物品の交換時等に、サイド接合部を引き裂いて着用者からパンツ型吸収性物品を外す場合がある。排便後のパンツ型吸収性物品のサイド接合部を引き裂く際、サイド接合部が一気に破け、便が飛び散ることがあった。
本発明の課題は、排便後のパンツ型吸収性物品を、便が飛び散りにくいように処理することが可能なパンツ型吸収性物品に関する。
本発明の一形態に係るパンツ型吸収性物品は、吸収体と、外装体と、を備える。
上記外装体は、熱可塑性繊維を有する複数のシートを含み、ウエスト開口部と一対のレッグ開口部を有する。
上記パンツ型吸収性物品は、着用者の腹側から股間部を通って背側に延びる縦方向と、前記縦方向に直交する横方向と、を有する。
上記外装体は、上記ウエスト開口部を有するウエスト部を有する。該ウエスト部は、着用者の腹側に配置される腹側部と、着用者の背側に配置される背側部と、前記腹側部の前記横方向における側縁部と前記背側部の前記横方向における側縁部とがそれぞれ接合された一対のサイド接合部とを含む。
上記ウエスト部は、上記ウエスト開口部から上記レッグ開口部に向かって順に上記横方向に平行な仮想境界線により区分された第1領域と、第2領域と、第3領域と、第4領域と、を有する。
上記第2領域と上記第3領域との仮想境界線は、上記吸収体の上記縦方向における後端縁部を通る仮想線である。
上記サイド接合部は、上記第1領域に対応する第1接合領域と、上記第2領域に対応する第2接合領域と、上記第3領域に対応する第3接合領域と、上記第4領域に対応する第4接合領域と、を有する。
上記サイド接合部の少なくとも一方は、上記縦方向に離間して配置された複数のシール部を有し、上記第1接合領域の接合強度をa、上記第2接合領域の接合強度をb、上記第3接合領域の接合強度をc、上記第4接合領域の接合強度をdとすると、
a>b<c>d である。
本発明によれば、排便後のパンツ型吸収性物品を、便が飛び散りにくいように処理することが可能である。
本発明の実施形態に係る使い捨ておむつの腹側からみた斜視図である。 上記使い捨ておむつのサイド接合部を引きはがして展開し、引き伸ばした状態を肌側面からみた使い捨ておむつの展開平面図である。 上記使い捨ておむつを構成するウエスト部を引き延ばした状態の部分平面図であり、ウエスト部を4つの第1~第4領域に区分することを説明するとともに、サイド接合部における接合強度の分布状態を説明する図である。 接着剤及び弾性部材の図示を省略した、上記使い捨ておむつのウエスト部のサイド接合部の積層構造例を示す模式図である。 (A)~(C)の各図は、接着剤及び弾性部材の図示を省略した、ウエスト部のサイド接合部の他の積層構造例を示す模式図である。 (A)~(C)の各図は、接着剤及び弾性部材の図示を省略した、ウエスト部のサイド接合部の他の積層構造例を示す模式図である。 (A)~(D)の各図は、おむつを構成するウエスト部を引き延ばした状態の部分平面図であり、ウエスト部のサイド接合部におけるシール部の配置例を説明する図である。 (A)及び(B)の各図は、おむつを構成するウエスト部を引き延ばした状態の部分平面図であり、ウエスト部のサイド接合部における弾性部材の配置例を説明する図である。 外装体を構成するシートを説明する模式図である。 図2のX-X線矢視図であり、弾性部材と接着剤の構成を加えた図4のサイド接合部の部分模式図に対応する。 上記使い捨ておむつを背側からみた図である。
以下、図面を参照しながら、本発明のパンツ型吸収性物品としてのパンツ型の使い捨ておむつの実施形態を説明する。以下、パンツ型使い捨ておむつを単におむつという。
図面には、必要に応じて相互に直交するX軸、Y軸、及びZ軸が示されている。
おむつ1において、X軸方向とは、平面に展開させかつ伸長させた状態で、腹側部W1から背側部W2にわたる方向、言い換えると着用時に着用者の前後方向のことであり、以下、縦方向Xという。Y軸方向とは、縦方向Xに直交し、平面に展開させかつ伸長させた状態のおむつ1の幅方向のことであり、以下、横方向Yという。Z軸方向は、おむつの厚み方向を示し、以下、厚み方向Zという。
本明細書において、「肌側」又は「内側」とは、おむつ又はその構成部材における、着用時に着用者の肌側に向けられる側を示す。「非肌側」又は「外側」とは、おむつ又はその構成部材における、着用時に着用者の肌側とは反対側に向けられる側をいう。
本明細書において、「ウエスト側」とは、縦方向Xにおいて、ウエスト開口部WHのウエスト開口端Waに近づく側を意味し、「レッグ側」とは、縦方向Xにおいて、ウエスト開口端Waから遠ざかる側を意味する。ウエスト部Wにおいて、「ウエスト側」は、着用者が起立状態で使い捨ておむつ1を着用したときの使い捨ておむつ1の上側に相当する。「レッグ側」は、着用者が起立状態で使い捨ておむつ1を着用したときの使い捨ておむつ1の下側に相当する。
本明細書において、「横方向Y内側」とは、横方向Yにおいて、おむつ1を横方向Yに2等分する縦中心線CLに近づく側を意味し、「横方向Y外側」とは、縦中心線CLから遠ざかる側を意味する。
本明細書において、「平面視」とは展開伸長形態のおむつ1を厚み方向Zから見た平面視を意味する。
本明細書において、各部位の寸法は、特に説明のない限り、各部の弾性部材を伸長させた状態において測定したものとする。
おむつ1は、図2に示す、縦方向Xに延びる、おむつ1を横方向Yに二分する縦中心線CLに対して左右対称形となっている。
[おむつの全体構成]
おむつ1は、着用者の排泄物を捕捉するためのパンツ型吸収性物品である。
図1及び図2に示すように、おむつ1は、外装体5と、吸収性本体2と、を備える。外装体5は、使い捨ておむつ1の外装を構成する。吸収性本体2は、外装体5の内側に保持されている。
外装体5は、ウエスト部W及び股下部Cから構成される。外装体5は、ウエスト開口部WHとレッグ開口部LHを有する。
ウエスト部Wは、ウエスト開口部WHを有し、着用時、着用者の胴回りに配置される。ウエスト部Wは、着用者の胴回りにフィットするように、胴周方向に亘って伸縮可能に構成される。
股下部Cは、図1において、ウエスト部Wの下側に位置し、着用時、着用者の股下に配置される。股下部Cは、腹側部W1と背側部W2との間に位置する。股下部Cは、着用者の脚が挿通される一対のレッグ開口部LHを形成する。
ウエスト部Wは、着用時に腹側に配置される腹側部W1と、背側に配置される背側部W2と、を有する。
腹側部W1の縦方向Xに沿う両側縁部(左右両側縁部)W1bそれぞれと、背側部の縦方向Xに沿う両側縁部(左右両側縁部)W2bそれぞれとが接合されて一対のサイド接合部8が形成される。これにより、ウエスト部Wが筒状となり、腹側部W1と背側部W2との間にウエスト開口部WHが形成される。また、股下部Cが筒状となって、レッグ開口部LHが形成される。
サイド接合部8の詳細については後述する。
股下部Cには、レッグ開口部LHに沿って配置された弾性部材12aを含むレッグギャザー12が設けられている。レッグギャザー12は、弾性部材12aの伸縮によって、レッグ開口部LHに挿通された着用者の脚にフィットする。
吸収性本体2は、便等の排泄物を捕捉するとともに、排泄物に含まれる液体を吸収可能に構成されている。
吸収性本体2は、外装体5の肌側面に固定されている。
図2に示すように、吸収性本体2は、腹側部W1から股下部Cを通って背側部W2にまで亘って延在する縦方向Xに相対的に長い縦長形状を有する。このように、おむつ1では、着用者の股下を広い範囲にわたって吸収性本体2で覆うため、着用者が動いても排泄物が漏れにくくなっている。
[吸収性本体の構成]
図2に示すように、吸収性本体2は、肌側面を形成する液透過性の表面シート21と、非肌側面を形成する液難透過性(撥水性も含む)の裏面シート(図示せず)と、表面シート21と裏面シート22との間に配置された液保持性の吸収体23と、を備える。
吸収体23と表面シート21とは接着剤により貼りあわされている。吸収体23と裏面シートとは接着剤により貼りあわされている。
吸収性本体2の縦方向Xに沿う両側部それぞれには、縦方向Xに伸長状態で配された防漏カフ形成用弾性部材25を有する防漏カフ24が設けられている。防漏カフ24は、液不透過性又は撥水性で且つ通気性の素材から構成される。防漏カフ形成用弾性部材25は、防漏カフ24の自由端部近傍に設けられる。おむつ1の着用時には、防漏カフ形成用弾性部材25の収縮により防漏カフの自由端部側が起立して、横方向Yへの体液の流出が阻止される。
(吸収体の構成)
おむつ1において、吸収体23の縦方向の全長は、吸収性本体2の縦方向の全長と同じである。吸収体23の前端縁部と吸収性本体2の前端縁部は同じ位置にあり、吸収体23の後端縁部23aと吸収性本体2の後端縁部とは同じ位置にある。
吸収体23は、吸収性コア(図示せず)と、コアラップシート(図示せず)を有する。
コアラップシートは、少なくとも吸収性コアの肌側面を覆う液透過性のシートである。コアラップシートは、典型的には、吸収性コアの肌側面と非肌側面を含む表面全域を覆うように構成される。コアラップシートとしては、例えば親水性繊維からなる薄葉紙や、液透過性を有する不織布などを用いることができる。
コアラップシートに不織布を用いることが特に好ましい。コアラップシートに不織布を用いることにより、尿吸収後においても、吸収体23と表面シート21との接着強度、吸収体23と裏面シートとの接着強度の低下を抑制することができる。これにより、吸収体23の外表面を構成するコアラップシートから表面シート21や裏面シートがはがれにくくなり、吸収性本体2により保持されていた尿が外装体5にまで広がるのが抑制される。
吸収性コアは、例えばパルプ繊維をはじめとするセルロース等の親水性繊維の集合体、該親水性繊維と高吸収性ポリマーとの集合体、二枚の吸収性シート間に高吸収性ポリマーが担持された積層構造体などから構成される。
[外装体の構成]
外装体5は、複数の熱可塑性シートを含む。熱可塑性シートは、熱可塑性繊維を含むシートである。
図4に示す例では、外装体5は、熱可塑性シートである第1シート51と第2シート52との積層体として構成される。第1シート51と第2シート52とは接着剤(後述する図10に示す第1接着剤S1。)により貼り合わせされて一体型の複合シートとなっている。
第1シート51は、外装体5の外側に位置しておむつ1の外面を形成する。第2シート52は、外装体5の内側に位置する。
上記熱可塑性シートは、熱可塑性樹脂を主体とするシート材である。
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド;ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸アルキルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。熱可塑性樹脂は、短繊維でも長繊維でも良い。熱可塑性樹脂(以下、熱可塑性繊維ということもある。)としては、芯鞘型又はサイド・バイ・サイド型等の複合繊維、分割繊維、異形断面繊維、熱収縮繊維等を用いることもできる。
サイド接合部8を構成する第1シート51及び第2シート52は、引き裂き容易性を向上させる観点から、スパンボンド不織布で構成されることが好ましい。スパンボンド不織布は、シート形成性の観点から、上述の熱可塑性樹脂のうち、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを含んでいることが好ましく、より好ましくは、ポリプロピレンを含んでいることがより好ましい。ポリプロピレンとしては、α-オレフィン等が挙げられる。
図9に示すように、第1シート51及び第2シート52に用いられるスパンボンド不織布は、繊維同士を確実に融着してシートを形成する観点から、複数のエンボス部55を含むことが好ましい。エンボス部55は、繊維が圧着されて融着した部分である。エンボス部55は、例えば、エンボス凸ロールとフラットロールなどによる熱圧着により間欠的に形成されたもの、超音波融着により形成されたもの、間欠的に熱風を加えて部分融着させて形成されたものなどが挙げられる。高い生産性と低い装置コストという観点から、エンボス部55は熱圧着により形成されたものが好ましい。
エンボス部55の平面形状は、円形状、楕円形状、多角形状、又はこれらに類似する形状等の任意の形状を採り得る。図9に示す例では、エンボス部55は正方形状である。
エンボス部55は、一定のパターンで形成されることが好ましいが、ランダムなパターンで形成されていてもよい。図9において、エンボス部55は、縦方向X及び横方向Yにおいて略一定の間隔(ピッチ)で配置され、かつ、横方向Yに沿った各列が隣接する列と相互に半ピッチずつずれて配置されている。
図4に示すように、本実施形態のおむつ1では、ウエスト部Wのウエスト開口端Wa側が、外装体5を構成する第1シート51及び第2シート52が内側に折り返された折り返し部53を有する形態となっている。
折り返し部53は、第1シート51の一部が折り返された部分である第1折り返し部51aと、第2シート52の一部が折り返された部分である第2折り返し部52aを有する。外装体5において、第1シート51の縦方向Xの端部は、第2シートの縦方向Xの端部より縦方向Xに延出しており、折り返し部53では、第1折り返し部51aは第2折り返し部52aの縦方向Xの長さが長くなっている。
尚、外装体5の腹側部W1と背側部W2におけるシートの積層構造は上記形態に限定されない。他の例については後述する。
サイド接合部8の一部を構成する背側部W2を図4よりも詳細に図示した図10に示すように、折り返し部53と、該折り返し部53と厚み方向Zに重なる外装体5の一部とは、第2接着剤S2によって接着固定される。
また、図10に示すように、第1シート51と第2シート52とは、第1接着剤S1により接着固定される。
第1接着剤S1及び第2接着剤S2としては、吸収性物品に用いられる接着剤を制限なく用いることができる。例えばホットメルト接着剤、ポリウレタン系素剤、石油系樹脂等を用いることができ、典型的にはホットメルト接着剤である。ホットメルト接着剤としては、例えば、スチレン系(SIS、SBS、SEBS)、又はポリオレフィン系の材料を用いることができる。
腹側部W1においても、背側部W2と同様に第1接着剤S1及び第2接着剤S2により第1シート51及び第2シート52が接着固定される。
図2及び図10に示すように、ウエスト部Wにおいて、第1シート51と第2シート52との間には、複数本の横方向Yに延びる弾性部材4が固定して縦方向Xに間欠配置されている。弾性部材4は、伸長状態で、横方向Yに沿って配される。
ウエスト部Wに弾性部材4を配することにより、おむつ1の胴周りに伸縮性が発揮され、着用動作が容易になるとともに、着用時のフィット性が維持される。
弾性部材4と第1シート51、又は、弾性部材4と第2シート52とを接着する接着剤は、コームガン等を用いて、弾性部材4上に該弾性部材4に沿って直線状に塗工される。
弾性部材4をシートに固定するために用いられる接着剤は、典型的にはホットメルト接着剤である。ホットメルト接着剤としては、例えば、スチレン系(SIS、SBS、SEBS)、又はポリオレフィン系の材料を用いることができる。
弾性部材4及び前述したレッグ開口部LHに沿って配置される弾性部材12aは、断面が矩形、正方形、円形、多角形状等の糸状(糸ゴム等)若しくは紐状(平ゴム等)のもの、又はマルチフィラメントタイプの糸状のもの等を好ましく用いることができる。弾性部材4、12aの材料は、使い捨ておむつ等の吸収性物品に従来用いられるもの等を特に制限なく用いることができ、例えば、スチレン-ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、天然ゴム、EVA、伸縮性ポリオレフィン、ポリウレタン等を挙げることができる。
腹側部W1及び背側部W2各々の弾性部材4の横方向Y外側の端部は、胴周り全体の伸縮性を確保する観点から、サイド接合部8又はその近傍に位置していることが好ましい。具体的に、当該端部は、サイド接合部8との横方向Yにおける距離が10mm以下であることが好ましく、サイド接合部8内に位置していることがより好ましい。
[サイド接合部の構成]
上述したように、おむつ1は、一対のサイド接合部8を有する。一対のサイド接合部8は、腹側部W1の縦方向Xに沿う両側縁部W1bそれぞれと、背側部W2の縦方向Xに沿う両側縁部(左右両側縁部)W2bそれぞれとが、厚み方向Zに重ねられて接合された構成を有する。
サイド接合部8を形成する接合の手段としては、熱シールや超音波シールなどを用いることができ、シートを構成する熱可塑性繊維が溶融されることによって腹側部W1と背側部W2とが接合される。一定の伸長率で腹側部W1と背側部W2とを伸張させた状態で熱シールや超音波シールにより溶融接合されてサイド接合部8は形成される。
例えば図7に示すように、サイド接合部8は、腹側部W1と背側部W2とが溶融接合された複数の略矩形状のシール部80が縦方向Xに沿って間欠配置されて構成される。
また、ウエスト部Wのサイド接合部8を形成する部位は、熱可塑性繊維の他、セルロース系繊維を含んだシートで構成されていてもよい。
ここで、パンツ型おむつにおいて、サイド接合部8は、着用時及び着用中においては剥がれを防止でき、廃棄時においては容易に引き裂ける構成を有することが好ましい。
着用時或いは着用中におけるサイド接合部8における破れ防止性と、使用後の脱衣時における引き裂き容易性との両立の観点から、サイド接合部8が熱可塑性繊維に加えてセルロース系繊維を含むことが好ましい。サイド接合部8にセルロース系繊維を含めた場合、おむつ1の着用中において、例えば体液である汗がサイド接合部8で吸収されると、体液の吸収によって、サイド接合部8での腹側部W1と背側部W2との接合強度が変化する。より具体的には、体液吸収後のサイド接合部8は、セルロース系繊維を含むことに起因して、腹側部W1と背側部W2との接合強度が、吸収前よりも低くなる。その結果、使用後のおむつを着用者から外す際、サイド接合部8を引き裂きやすくすることができる。
セルロース系繊維としては、例えば、コットン、パルプ等の天然セルロース系繊維、レーヨン、キュプラ等の再生セルロース系繊維等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
セルロース系繊維は、短繊維でも長繊維でもよい。使用後の脱衣時におけるサイド接合部8の引き裂きやすさの観点からは、天然セルロース系繊維の単繊維であることが好ましい。特に、セルロース系繊維としてコットンを用いれば、サイド接合部8の横方向Yへの裂けやすさを防止でき、不意な破れを防止することができる。また、セルロース系繊維としてパルプを用いれば、使用後の脱衣時におけるサイド接合部8を均一な力で引き裂くことができる。
また、汗をかきやすいウエスト部を構成するシートとして、コットンなどのセルロース系繊維を含むシートを用いることにより、着用者の汗が吸収され、さらっとした着け心地を提供することができる。
[サイド接合部における接合強度の分布状態及びその作用効果]
おむつ1のウエスト部Wは、図3に示すように、横方向Yに平行な第1~第4仮想境界線41~44により区分された、ウエスト開口部WHからレッグ開口部LHに向かって順に位置する第1領域31と、第2領域32と、第3領域33と、第4領域34を有する。
第1領域31は、ウエスト開口端Waと第1仮想境界線41との間の領域である。第1領域31の縦方向Xの長さを2cmとする。
第2領域32は、第1仮想境界線41と第2仮想境界線42との間の領域である。第2領域32と第3領域33の第2仮想境界線42は、吸収体23の縦方向Xにおける後端縁部23aを通る横方向に平行な仮想線である。
第3領域33は、第2仮想境界線42と第3仮想境界線43との間の領域である。第3領域33の縦方向Xの長さは2cmとする。
第4領域34は、第3仮想境界線43と第4仮想境界線44との間の領域である。第4仮想境界線44は、ウエスト部Wと股下部Cとの境界に対応する。おむつ1をウエスト側からレッグ側にむかってみたとき、ウエスト部Wは、ウエスト開口端Waから、外装体5の横方向Yの長さが減少するまでの部分である。
第1領域31のうちサイド接合部8に対応する領域を第1接合領域81という。
第2領域32のうちサイド接合部8に対応する領域を第2接合領域82という。
第3領域33のうちサイド接合部8に対応する領域を第3接合領域83という。
第4領域34のうちサイド接合部8に対応する領域を第4接合領域84という。
サイド接合部8は、縦方向Xに延びる矩形状を有する。
第1接合領域81の接合強度をa、第2接合領域82の接合強度をb、第3接合領域83の接合強度をc、第4接合領域84の接合強度をdとする。
接合強度は、腹側部W1と背側部W2との接合強度を示す。図3において、第1接合領域81、第2接合領域82、第3接合領域83及び第4接合領域84をドットで示す。相対的に接合強度が高い領域を密のドットで示し、低い領域を粗のドットで示す。尚、第1接合領域81と第3接合領域83とでは、ドットの密度が同じとなるように図示しているが、これは接合強度が必ずしも同じであること示すものではなく、異なってもよい。同様に、第2接合領域82と第4接合領域84とでは、ドットの密度が同じとなるように図示しているが、これは接合強度が必ずしも同じであること示すものではなく、異なってもよい。おむつ1では、第1接合領域81及び第3接合領域83それぞれが、隣りあう接合領域よりも接合強度が高い構成となっている。
接合強度(シール強度)の測定方法については、後述する。
本発明のおむつ1は、一対のサイド接合部8のうち、少なくとも一方のサイド接合部8における、第1接合領域81の接合強度a、第2接合領域82の接合強度b、第3接合領域83の接合強度c、第4接合領域84の接合強度dは、以下の式(1)の関係を満たすように構成される。
a>b<c>d …(1)
すなわち、図3に示すように、サイド接合部8は、ウエスト側からレッグ側に向かって接合強度が高い領域、低い領域、高い領域、低い領域の順に並んで構成される。
接合強度が高い領域は、接合強度が低い領域よりも、サイド接合部8を引き裂く際の引き裂きに必要な力がより多く必要な領域であり、サイド接合部8を引き裂く介助者においては、引き裂き時に引き裂く力に対する抵抗をおむつ1からより大きく感じる領域である。
ここで、おむつ1の着用時、吸収体23の縦方向Xの後方側に着用者の肛門が位置する。図2において、肛門が位置する部分3を破線の楕円で示している。排便後のおむつ1では、便は吸収体23の後端縁部23aから股下にかけて多く存在し、背側部W2において第3領域33及び第4領域34に便が存在することが多い。このように、第3領域33及び第4領域34は、便が主に保持される便保持領域といえる。また、一部の便が吸収体23からウエスト開口端Waの方にまでもれてはみ出し、第1領域31や第2領域32にまで便が存在することがある。
サイド接合部8の接合領域の分布状態を上記式(1)とすることによる作用効果について説明する。
おむつ1では、サイド接合部8がウエスト側からレッグ側に向かって引き裂かれる際、サイド接合部8における第1接合領域81付近の腹側部W1と背側部W2とが介助者の指によって掴まれて、引き裂かれる。
おむつ1では、第1接合領域81の接合強度を相対的に高くしているため、介助者に対して、ウエスト開口端Waに近い第1接合領域81の引き裂きを慎重にゆっくり行うことを促すことができる。これにより、便が吸収体23からはみ出し第1領域31や第2領域32に存在している場合であっても、引き裂き時の便の飛び散りが抑制される。
第1接合領域81が引き裂かれた後、続いて第2接合領域82、第3接合領域83が順に引き裂かれる。
おむつ1では、第2接合領域82は第1接合領域81よりも接合強度が低いため、介助者は、第1接合領域81の引き裂き後、第2接合領域82を引き裂き始めると、引き裂き時のおむつ1から受ける抵抗が減少するように感じる。更に、第3接合領域83は第2接合領域82よりも接合強度が高いため、介助者は、第2接合領域82の引き裂き後、第3接合領域83を引き裂き始めると、引き裂き時のおむつ1から受ける抵抗が増加するように感じる。
このように、引き裂き時のおむつ1から受ける抵抗がいったん減少した後、増加することによって、介助者は、便が多く保持される便保持領域である第3領域33に差し掛かっていることを直感的に把握することができ、便が飛び散らぬよう慎重にサイド接合部8を引き裂くように意識することができる。また、第1接合領域81と第3接合領域83との間に接合強度が低い第2接合領域82が位置することにより、第1接合領域81から第3接合領域83までの引き裂き時、第3接合領域83が引き裂きの勢いを抑えるストッパ的な役割を担う。これにより、引き裂き時に第1接合領域81から第3接合領域83まで勢いよく一気に破けにくくなり、便の飛び散りを抑制することができる。
第3接合領域83の引き裂き後、続いて第4接合領域84が引き裂かれる。おむつ1では、第4接合領域84は第3接合領域83よりも接合強度が低いため、介助者は、第3接合領域83の引き裂き後、第4接合領域84を引き裂き始めると、引き裂き時のおむつ1から受ける抵抗が減少するように感じる。
介助者は第4接合領域84の引き裂きが始まり抵抗が低減するように感じることで、それまでよりもより小さな力で第4接合領域84を引き裂くよう意識するようになる。また、第4接合領域84は接合強度が低いため、速やかに引き裂かれ易くなる。
このように、第1接合領域81、第3接合領域83を、それぞれが隣り合う第2接合領域82、第2接合領域82及び第4接合領域84よりも接合強度を高めることで、サイド接合部8がウエスト側からレッグ側まで一気に勢いよく破けることが抑制され、一気に破けた勢いでおむつ1に保持されていた便が飛び散るといったことが発生しにくくなる。また、引き裂き時に、便保持領域(第3領域33)に差し掛かる付近で介助者がおむつ1から受ける抵抗が変化することで、介助者に対して、引き裂き時による便の飛び散りへの注意喚起を行うことができ、慎重な作業を促すことができる。
以上のように、本発明のおむつ1では、サイド接合部8における接合強度の分布状態が上記式(1)を満たすように構成されているので、使用後の脱衣時におけるサイド接合部8の引き裂き時の便の飛び散り発生を効果的に抑制することができる。
また、おむつ1は、サイド接合部8における各第1~第4接合領域81~84の接合強度a~dが、以下の式(2)~(4)の全ての関係を満たすように構成されることがより好ましい。
c≧1.2×b …(2)
c≧1.2×d …(3)
a≧1.2×b …(4)
このように第1接合領域81及び第3接合領域83の接合強度を、それぞれの接合領域が隣り合う接合領域の接合強度の1.2倍以上とすることにより、介助者の、サイド接合部8の引き裂き時のおむつ1から受ける抵抗の増減の変化への感度を向上させることができる。これにより、介助者に対して引き裂き時による便の飛び散りへの注意喚起をより確実に行うことができ、慎重な作業を促すことができる。
また、第1接合領域81と第3接合領域83の縦方向Xの長さは、第2接合領域82の縦方向Xの長さよりも短いことがより好ましい。このように、接合強度が高い第1接合領域81及び第3接合領域83の縦方向Xの長さを短くし、接合強度の低い第2接合領域82の縦方向Xの長さを長くすることで、引き裂き時における介助者に与える触覚において、接合強度の高い部位(第1接合領域81及び第3接合領域83)の存在が際立つ。これにより、介助者に対し、接合強度の高い部位を特別な部位であると意識させることができ、より慎重な引き裂き作業を促すことができる。
[接合強度の調整方法]
サイド接合部8において、部位によって接合強度を異ならせる方法1~方法9について以下説明する。これらの方法は単独で用いてもよいし、複数組み合わせてもよく、サイド接合部8における接合強度の分布を所望の分布とすることができる。
以下の各方法で、構成の具体的な寸法を挙げるが、この寸法はあくまでも一例である。どの部位をどの方法を採用して接合強度を異ならせるかによって、各構成の寸法は適宜設定され得る。
以下、各方法1~9を説明した後、複数組み合わせた具体例について説明する。
(方法1)
外装体5のウエスト部Wを構成するシートの積層枚数、ひいてはサイド接合部8を構成するシートの積層枚数により、サイド接合部8の接合強度を調整することができる。
積層枚数が多いほど、接合強度は高くなる傾向にある。これは、シール部80の形成時、シートに含まれる熱可塑性繊維が溶融されてシール部が形成されるので、積層枚数が多いことにより相対的に溶融する熱可塑性繊維量が多くなるためである。
方法1においては、第1シート51及び第2シート52の熱可塑性繊維の坪量はいずれも同じであるものとする。
図4~図6を用いてサイド接合部8における積層構造例を説明するが、これらの積層構造に限定されない。図4~図6に示すウエスト部を構成する腹側部W1及び背側部W2はいずれも、第1シート51と第2シート52が貼り合わせてなる複合シートから構成されている。図4~図6では、便宜上、部分的に腹側部W1及び背側部W2が離間しているように図示しているが、実際には腹側部W1と背側部W2とは接合されている。
図4に示すサイド接合部8は、外装体5を構成する第1シート51及び第2シート52が内側に折り返された折り返し部53を有する形態となっている。
折り返し部53は、第1シート51の一部が折り返された部分である第1折り返し部51aと、第2シート52の一部が折り返された部分である第2折り返し部52aを有する。折り返し部53において、第1折り返し部51aは第2折り返し部52aよりも縦方向Xの長さが長くなっている。
図4に示す形態において、第1接合領域81は8枚のシートが積層された構成となる。第2接合領域82及び第3接合領域83は、6枚のシートが積層された構成となる。第4接合領域84は4枚のシートが積層された構成となる。
これにより、積層枚数のみの観点では、接合強度は、第1接合領域81が最も高く、第4接合領域84が最も低く、第2接合領域82領域及び第3接合領域83が中間となる。このように積層枚数を異ならせることにより接合強度を異ならせることができる。そして、この構成に加え、例えば第2接合領域82と第3接合領域83とを他の方法により接合強度を異ならせることにより、各第1~第4接合領域81~84の接合強度a~dの関係が上記式(1)を満たすように調整することができる。
図4に示す積層構造において、第1接合領域、第2接合領域82及び第3接合領域83において、最も内側に位置するシートは第1シート51であり、これに隣接する隣接シートは第2シート52である。第4接合領域84において、最も内側に位置するシートは第2シート52であり、これに隣接する隣接シートは第1シート51である。
本実施形態では、各第1~第4領域31~34において、該第1~第4領域31~34に含まれる第1~第4接合領域81~84における積層構造は、接合領域81~84以外の領域に位置する腹側部と背側部とを重ねた積層構造と同じとなる。従って、各接合領域81~84における「最も内側に位置するシート」は、該接合領域を含む第1~第4領域31~34の、接合領域以外の領域における最も肌側に近いシートといえる。
図5(A)に示す積層構造は、図4の積層構造に加え、折り返し部53に位置する第1シート51の端部を更に折り返した構造となっている。
図5(A)に示す形態において、第1接合領域81は8枚のシートが積層された構成となる。第2接合領域82は、6枚のシートが積層された構成となる。第3接合領域83は8枚のシートが積層された構成となる。第4接合領域84は、4枚のシートが積層された構成となる。
これにより、積層枚数のみの観点では、接合強度は、第1接合領域81及び第3接合領域83が最も高く、第4接合領域84が最も低く、第2接合領域82が中間となる。このように積層枚数を異ならせることにより、各第1~第4接合領域81~84の接合強度a~dの関係が上記式(1)を満たすように調整することができる。
図5(A)に示す積層構造において、第1接合領域81及び第2接合領域82において、最も内側に位置するシートは第1シート51であり、これに隣接する隣接シートは第2シート52である。第3接合領域83において、最も内側に位置するシートは第1シート51であり、これに隣接する隣接シートは第1シート51である。第4接合領域84において、最も内側に位置するシートは第2シート52であり、これに隣接する隣接シートは第1シート51である。
図5(B)に示す積層構造は、図4の積層構造に加え、第3シート54が追加された構成となっている。第3シート54は、第3領域33に対応して配置される。第3シート54は、熱可塑性繊維を含む不織布である。
図5(B)に示す形態において、第1接合領域81は8枚のシートが積層された構成となる。第2接合領域82は、6枚のシートが積層された構成となる。第3接合領域83は8枚のシートが積層された構成となる。第4接合領域84は、4枚のシートが積層された構成となる。
これにより、積層枚数のみの観点では、接合強度は、第1接合領域81及び第3接合領域83が最も高く、第4接合領域84が最も低く、第2接合領域82が中間となる。このように積層枚数を異ならせることにより、各第1~第4接合領域81~84の接合強度a~dの関係が上記式(1)を満たすように調整することができる。
図5(B)に示す積層構造において、第1接合領域81及び第2接合領域82において、最も内側に位置するシートは第1シート51であり、これに隣接する隣接シートは第2シート52である。第3接合領域83において、最も内側に位置するシートは第1シート51であり、これに隣接する隣接シートは第3シート54である。第4接合領域84において、最も内側に位置するシートは第2シート52であり、これに隣接する隣接シートは第1シート51である。
図5(C)に示す積層構造は、図5(A)の積層構造に対し、第2シート52による第2折り返し部52aがなく、第1折り返し部51aのみから折り返し部53が構成された形態となっている。
図5(C)に示す形態において、第1接合領域81及び第2接合領域82は6枚のシートが積層された構成となる。第3接合領域83は8枚のシートが積層された構成となる。第4接合領域84は、4枚のシートが積層された構成となる。
これにより、積層枚数のみの観点では、接合強度は、第3接合領域83が最も高く、第4接合領域84が最も低く、第1接合領域81及び第2接合領域82領域が中間となる。このように積層枚数を異ならせることにより接合強度を異ならせることができる。そして、この構成に加え、例えば第1接合領域81と第2接合領域82とを他の方法により接合強度を異ならせることにより、各第1~第4接合領域81~84の接合強度a~dの関係が上記式(1)を満たすように調整することができる。
図5(C)に示す積層構造において、第1接合領域81及び第2接合領域82において、最も内側に位置するシートは第1シート51であり、これに隣接する隣接シートは第2シート52である。第3接合領域83において、最も内側に位置するシートは第1シート51であり、これに隣接する隣接シートは第1シート51である。第4接合領域84において、最も内側に位置するシートは第2シート52であり、これに隣接する隣接シートは第1シート51である。
図6(A)に示す積層構造は、図4の積層構造に対し、第2折り返し部52aと第1折り返し部51aの縦方向Xの長さを同じにした形態となっている。
図6(A)に示す形態において、第1接合領域81、第2接合領域82及び第3接合領域83は8枚のシートが積層された構成となる。第4接合領域84は、4枚のシートが積層された構成となる。
これにより、積層枚数のみの観点では、接合強度は、第1接合領域81、第2接合領域82及び第3接合領域83が最も高く、第4接合領域84が最も低くなる。このように積層枚数を異ならせることにより接合強度を異ならせることができる。そして、この構成に加え、例えば第1接合領域81及び第3接合領域83と、第2接合領域82との接合強度の関係を他の方法により異ならせることにより、各第1~第4接合領域81~84の接合強度a~dの関係が上記式(1)を満たすように調整することができる。
図6(A)に示す積層構造において、第1接合領域81、第2接合領域82及び第3接合領域83において、最も内側に位置するシートは第1シート51であり、これに隣接する隣接シートは第2シート52である。第4接合領域84において、最も内側に位置するシートは第2シート52であり、これに隣接する隣接シートは第1シート51である。
図6(B)に示す積層構造は、図4の積層構造に対し、第2シート52による第2折り返し部52aがなく、第1折り返し部51aのみから折り返し部53が構成された形態となっている。更に、図6(B)に示す積層構造は、図4の積層構造に対し、第1折り返し部51aの縦方向Xの長さが短い形態となっている。尚、第1折り返し部51aの縦方向Xの長さが、例えば図4の積層構造の第1折り返し部51aと同様に、第3接合領域83まで延在した形態となっていてもよい。
図6(B)に示す形態において、第1接合領域81は6枚のシートが積層された構成となる。第2接合領域82、第3接合領域83及び第4接合領域84は4枚のシートが積層された構成となる。
これにより、積層枚数のみの観点では、接合強度は、第1接合領域81が最も高く、第2接合領域82、第3接合領域83及び第4接合領域84が最も低くなる。このように積層枚数を異ならせることにより接合強度を異ならせることができる。そして、この構成に加え、例えば第3接合領域83と、第2接合領域82及び第4接合領域84との接合強度の関係を他の方法により異ならせることにより、各第1~第4接合領域81~84の接合強度a~dの関係が上記式(1)を満たすように調整することができる。
図6(B)に示す積層構造において、第1接合領域81において、最も内側に位置するシートは第1シート51であり、これに隣接する隣接シートは第2シート52である。第2接合領域82、第3接合領域83及び第4接合領域84において、最も内側に位置するシートは第2シート52であり、これに隣接する隣接シートは第1シート51である。
これまで説明した積層構造は折り返し部53を有する積層構造を例にあげたが、図6(C)に示すように折り返し部53のない積層構造としてもよい。
図6(C)に示す形態において、第1接合領域81、第2接合領域82、第3接合領域83及び第4接合領域84は、いずれも4枚のシートが積層された構成となる。
これにより、積層枚数のみの観点では、接合強度は、第1接合領域81、第2接合領域82、第3接合領域83及び第4接合領域84で同じとなる。この場合、他の方法を用いて、各第1~第4接合領域81~84の接合強度a~dの関係が上記式(1)を満たすように調整することができる。
図6(C)に示す積層構造において、第1接合領域81、第2接合領域82、第3接合領域83及び第4接合領域84において、最も内側に位置するシートは第2シート52であり、これに隣接する隣接シートは第1シート51である。
(方法2)
サイド接合部8におけるシール部80の面積により、接合強度を調整することができる。
図7に示すように、サイド接合部8は、複数のシール部80が縦方向Xに間欠配置されて構成される。シール部80は、厚み方向Zに腹側部W1と背側部W2とをシールによって、熱可塑性繊維が溶融接合した部分である。接合領域に対する該接合領域に位置するシール部80の占める割合(シール面積率という。)が大きいほど、接合強度が高くなる。
以下、図7を用いて、シール部80の配置例を説明する。
図7(A)に示すように、縦方向Xの長さがeの同じ大きさの矩形状のシール部80を複数、縦方向Xに沿って、接合領域毎にピッチを異ならせて間欠配置してもよい。ピッチは、縦方向Xにおける隣り合うシール部80の中心間距離である。
図7(A)に示す例では、第1接合領域81におけるピッチg1及び第3接合領域83におけるピッチg3は、第2接合領域82におけるピッチg2及び第4接合領域84におけるピッチg4よりも狭くなっている。これにより、第1接合領域81及び第3接合領域83は、第2接合領域82及び第4接合領域84よりも、シール面積率が高くなる。
このような構成とすることにより、シール面積率のみの観点では、第1接合領域81及び第3接合領域83の接合強度を、第2接合領域82及び第4接合領域84よりも高くすることができ、各第1~第4接合領域81~84の接合強度a~dの関係が上記式(1)を満たすように調整することができる。
図7(B)に示すように、複数のシール部80のピッチfを変えることなく等間隔となるように配置し、矩形状のシール部80の横方向Yの長さは同じとし、縦方向Xの長さを接合領域毎に異ならせてもよい。言い換えると、接合領域毎に該接合領域に位置する1つのシール部80の面積を異ならせてもよい。
図7(B)に示す例では、第1接合領域81におけるシール部80の縦方向Xの長さh1及び第3接合領域83におけるシール部80の縦方向Xの長さh3は、第2接合領域82におけるシール部80の縦方向Xの長さh2及び第4接合領域84におけるシール部80の縦方向Xの長さh4よりも長くなっている。これにより、第1接合領域81及び第3接合領域83は、第2接合領域82及び第4接合領域84よりも、シール面積率が高くなる。
このような構成とすることにより、シール面積率のみの観点では、第1接合領域81及び第3接合領域83の接合強度を、第2接合領域82及び第4接合領域84よりも高くすることができ、各第1~第4接合領域81~84の接合強度a~dの関係が上記式(1)を満たすように調整することができる。
図7(C)に示すように、複数のシール部80のピッチfを変えることなく等間隔となるように配置し、矩形状のシール部80の縦方向Xの長さeは同じとし、横方向Yの長さを接合領域毎に異ならせてもよい。言い換えると、接合領域毎に該接合領域に位置する1つのシール部80の面積を異ならせてもよい。
図7(C)に示す例では、第1接合領域81におけるシール部80及び第3接合領域83におけるシール部80の横方向Yの長さjは、第2接合領域82及び第4接合領域84におけるシール部80の横方向Yの長さkよりも長くなっている。これにより、第1接合領域81及び第3接合領域83は、第2接合領域82及び第4接合領域84よりも、シール面積率が高くなる。
このような構成とすることにより、シール面積率のみの観点では、第1接合領域81及び第3接合領域83の接合強度を、第2接合領域82及び第4接合領域84よりも高くすることができ、各第1~第4接合領域81~84の接合強度a~dの関係が上記式(1)を満たすように調整することができる。
図7(D)に示すように、縦方向Xの長さがeの同じ大きさの矩形状のシール部80を複数、縦方向Xに沿ってピッチfで等間隔に間欠配置してもよい。この場合、第1接合領域81、第2接合領域82、第3接合領域83、第4接合領域84それぞれにおけるシール面積率は同じである。
図7(D)に示す例では、シール面積率のみの観点では、接合強度は、第1接合領域81、第2接合領域82、第3接合領域83及び第4接合領域84で同じとなる。この場合、他の方法を用いて、各第1~第4接合領域81~84の接合強度a~dの関係が上記式(1)を満たすように調整することができる。
各接合領域81~84におけるシール面積率の算出について説明する。
接合領域81~84全体に位置する複数のシール部のうち最も横方向Y内側の位置にあるシール端部からおむつ1の横方向側縁部までの距離をシール領域幅とする。図7の各図に示す例では、仮想線45とおむつ1の横方向側縁部までの横方向Yの距離がシール領域幅となる。各接合領域81~84の縦方向Xの長さをシール領域長さとする。各接合領域81~84の面積をシール領域幅とシール領域長さの積により求める。
次に、各接合領域81~84に位置する実際に接合されている複数のシール部80の合計面積を求める。
そして、上記シール部80の面積値を、上記接合領域の面積値で除することにより、シール面積率を算出する。
尚、シール部80の配置例は図7に示す配置例に限定されない。例えば、接合領域毎にピッチと1つのシール部80の面積の双方を異ならせてもよい。
また、図7において、シール部80の形状が矩形である例をあげているが、形状はこれに限定されず、例えば円形状等でもよい。
また、図7(A)~(C)では、シール面積率によって上記(1)式の関係を満たす例をあげたが、シール面積率によって上記(1)式の一部の関係を満たすように構成してもよい。例えば、第3接合領域のシール面積率のみを、第1、第2及び第4接合領域のシール面積率よりも高くし、b<c>dとするようにしてもよい。
シール部80の寸法としては、着用動作時及び着用時の剥がれ防止と引き裂き容易性とを両立させる観点から、以下の例が挙げられる。
矩形状のシール部80の横方向Yの長さは、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1mm以上であり、また好ましくは10mm以下、より好ましくは4mm以下であり、また好ましくは0.5mm以上10mm以下、より好ましくは1mm以上4mm以下である。
シール部80の縦方向Xの長さは、好ましくは0.1m以上、より好ましくは0.3mm以上であり、また好ましくは2mm以下、より好ましくは0.6mm以下であり、また好ましくは0.1mm以上2mm以下、より好ましくは0.3mm以上0.6mm以下である。
シール部80の横方向Yの長さは、シール部80の縦方向Xの長さに対して、好ましくは100%以上、より好ましくは400%以上であり、また好ましくは1000%以下、より好ましくは800%以下であり、また好ましくは100%以上1000%以下、より好ましくは400%以上800%以下である。
隣り合うシール部80間の縦方向Xのピッチは、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは1mm以上であり、また好ましくは10mm以下、より好ましくは4mm以下であり、また好ましくは0.1mm以上10mm以下、より好ましくは1mm以上4mm以下である。
第1接合領域81及び第3接合領域83のシール面積率は、好ましくは1.5%以上、より好ましくは2%以上であり、また好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下である。
第2接合領域82及び第4接合領域84のシール面積率は、好ましくは1%以上、より好ましくは1.5%以上であり、また好ましくは15%以下、より好ましくは13%以下である。
(方法3)
サイド接合部8における弾性部材4の固定に用いられる接着剤の塗工面積により、接合強度を調整することができる。
上述したように、ウエスト部Wにおいて、弾性部材4と第1シート51又は弾性部材4と第2シート52とは、弾性部材4上に該弾性部材4に沿って直線状に塗工された接着剤によって接着される。おむつ1の製造工程では、第1シート51と第2シート52との間に接着剤によって弾性部材4が固定配置された状態で、腹側部W1と背側部W2とのシールによる接合が行われ、サイド接合部8が形成される。弾性部材4をシートに固定する際に用いる接着剤は、シール部80の接合強度を弱める作用を有する。従って、接合領域における単位面積当たりの弾性部材4の配置数、より厳密には弾性部材4の固定に用いられる接着剤の塗工面積率によって、接合強度を調整することができる。単位面積当たりの弾性部材4の配置数が多いほど、シール部80と弾性部材4を固定する接着剤とが平面視で重なる率が高くなるため、接合強度が弱まる傾向になる。
以下、図8を用いて、弾性部材4の配置例について説明する。
図8(A)に示すように、サイド接合部8において、複数の弾性部材4を、縦方向Xに沿って、接合領域毎にピッチを異ならせて間欠配置して構成してもよい。
図8(A)に示す例では、第3接合領域83におけるピッチn3は、第1接合領域81におけるピッチn1、第2接合領域82におけるピッチn2及び第4接合領域84におけるピッチn4よりも広くなっている。これにより、第3接合領域83は、第1接合領域81、第2接合領域82及び第4接合領域84よりも、弾性部材4の固定に用いられる接着剤の塗工面積率が低くなる。ピッチは、縦方向Xにおける隣り合う弾性部材4の中心間距離である。
このような構成とすることより、弾性部材の配置のみの観点では、第3接合領域83の接合強度を、第1接合領域81、第2接合領域82及び第4接合領域84よりも高くすることができ、第2~第4接合領域82~84の接合強度b~dの関係をb<c>dとすることができる。このように弾性部材の配置を異ならせることに加え、例えば第1接合領域81と第2接合領域82との接合強度の関係を他の方法により異ならせることにより、各第1~第4接合領域81~84の接合強度a~dの関係が上記式(1)を満たすように調整することができる。
図8(B)に示すように、サイド接合部8において、複数の弾性部材4を縦方向Xに沿ってピッチmで等間隔に間欠配置してもよい。この場合、第1接合領域81、第2接合領域82、第3接合領域83、第4接合領域84それぞれにおける弾性部材4の固定に用いられる接着剤の塗工面積率は同じとなる。
図8(B)に示す形態では、弾性部材の配置のみの観点では、接合強度は、第1接合領域81、第2接合領域82、第3接合領域83及び第4接合領域84で同じとなる。この場合、他の方法を用いて、各第1~第4接合領域81~84の接合強度a~dの関係が上記式(1)を満たすように調整することができる。
(方法4)
図9に示すように、サイド接合部8を構成する第1シート51及び第2シート52がエンボス部55を含んで構成される場合、各第1~第4接合領域における、接合領域に対して最も内側に位置するシートに含まれるエンボス部55の占める割合、すなわちエンボス面積率を調整することにより、接合強度を調整することができる。
エンボス部55では、形成時の加熱処理及び/又は加工処理によって繊維が切れやすいため、シール部80のエンボス部55と重なる領域は、重なっていない領域よりも接合強度が低下し得る。すなわち、エンボス面積率が相対的に低い接合領域は、高い接合領域よりも、接合強度が高い傾向となる。
第3接合領域83の最も内側に位置するシートに含まれるエンボス部55のエンボス面積率を、第2接合領域82又は第4接合領域84の最も内側に位置するシートに含まれるエンボス部55のエンボス面積率よりも、低くする。
これにより、各第1~第4接合領域81~84の接合強度a~dの関係を、b<c又はc>dとすることができる。
例えば、第1シート51におけるエンボス面積率を、第2シート52におけるエンボス間の面積率よりも低くする。このような第1シート51及び第2シート52を用いて、例えば図4に示す積層構造で外装体5を構成した場合、最も内側に位置するシートのエンボス面積率のみの観点では、最も内側に位置するシートが第1シート51で構成される第1接合領域81、第2接合領域82及び第3接合領域83は、最も内側に位置するシートが第2シート52で構成される第4接合領域84よりも接合強度を高くすることができる。
例えば、第1シート51におけるエンボス面積率は、好ましくは5%以上、より好ましくは7%以上であり、好ましくは20%以下、より好ましくは17%以下である。
第2シート52におけるエンボス面積率は、好ましくは3%以上、より好ましくは5%以上であり、好ましくは17%以下、より好ましくは15%以下である。
エンボス面積率は、各第1~第4接合領域81~84に対応する第1~第4領域31~34それぞれの最も内側に位置するシートを所定の大きさに切り出し、この切り出したサンプルに含まれるエンボス部55の合計面積をサンプルの面積で除して求める。
(方法5)
サイド接合部8の各第1~第4接合領域81~84における、最も内側に位置するシートに含まれる高融点の熱可塑性繊維(熱可塑性樹脂)の含有量を異ならせる、又は、シートに含まれる熱可塑性繊維の融点を異ならせることにより、接合強度を調整することができる。
高融点の熱可塑性繊維の含有量を異ならせる、又は、シートに含まれる熱可塑性繊維の融点を異ならせることによって、シートの融点を異ならせることが出来る。融点の高いシートは、融点の低いシートと比較して、同一の条件のシール工程を実施した場合に熱融着しにくくなり、接合強度が低下しやすくなる。
第3接合領域83の最も内側に位置するシートの融点を、第2接合領域82又は第4接合領域84の最も内側に位置するシートの融点よりも低くすることにより、各第2~第4接合領域82~84の接合強度a~dを、b<c又はc>dとすることができる。
例えば、第1シート51に含まれる高融点の熱可塑性繊維の含有量を第2シート52よりも低くする、又は、第1シート51に含まれる熱可塑性繊維の融点を第2シート52よりも低くすることにより、第1シート51の融点を第2シート52の融点よりも低くすることができる。
このような第1シート51及び第2シート52を用いて、例えば図4に示す積層構造で外装体5を構成した場合、最も内側に位置するシートの融点のみの観点では、最も内側に位置するシートが第1シート51で構成される第1接合領域81、第2接合領域82及び第3接合領域83は、最も内側に位置するシートが第2シート52で構成される第4接合領域84よりも接合強度が高くなる。
第1シート51の融点は、好ましくは125℃以上、より好ましくは155℃以上であり、好ましくは260℃以下、より好ましくは250℃以下である。
第2シート52の融点は、好ましくは123℃以上、より好ましくは125℃以上であり、好ましくは180℃以下、より好ましくは170℃以下である。
(方法6)
サイド接合部8の各第1~第4接合領域81~84における、最も内側に位置するシートの坪量、すなわちシートに含まれる熱可塑性繊維の坪量を異ならせることにより、接合強度を調整することができる。
熱シールや超音波シールによりシートに含まれる熱可塑性繊維が溶融されてシール部80が形成されるので、熱可塑性繊維の坪量が高いほど溶融する繊維量が多くなるため接合強度が高くなる傾向になる。
第3接合領域83の最も内側に位置するシートの坪量を、第2接合領域82又は第4接合領域84の最も内側に位置するシートの坪量よりも、低くする。これにより、各第1~第4接合領域81~84の接合強度a~dを、b<c又はc>dとすることができる。
例えば、第1シート51の坪量を第2シート52の坪量よりも低くする。坪量が高いと熱可塑性繊維の量も多くなり、同じ大きさのシール部80であっても該シール部80における接合強度が高くなりやすい。このような第1シート51及び第2シート52を用いて、例えば図4に示す積層構造で外装体5を構成した場合、最も内側に位置するシートが第1シート51で構成される第1接合領域81、第2接合領域82及び第3接合領域83では、最も内側に位置するシートが第2シート52で構成される第4接合領域84よりも、サイド接合部8の腹側部W1と背側部W2との接合界面の近傍に位置する熱可塑性繊維の量が多くなる。これにより、最も内側に位置するシートの坪量のみの観点では、第1接合領域81、第2接合領域82及び第3接合領域83は、第4接合領域84よりも接合強度が高くなる。
第1シート51の坪量は、好ましくは10g/m以上、より好ましくは12g/m以上であり、好ましくは30g/m以下、より好ましくは25g/m以下である。
第2シート52の坪量は、好ましくは12g/m以上、より好ましくは14g/m以上であり、好ましくは40g/m以下、より好ましくは30g/m以下である。
(方法7)
最も内側に位置するシートとこれに隣接する隣接シートとを接着する接着剤の塗布量によって、接合強度を調整することができる。接着剤は、シール部の接合強度を弱める作用を有するため、接着剤の塗布量を少なくすることにより接合強度を高くすることができる。
第3接合領域83における最も内側に位置するシートとこれに隣接する隣接シートとを接着する接着剤の塗布量を、第2接合領域82又は第4接合領域84における最も内側に位置するシートとこれに隣接する隣接シートとを接着する接着剤の塗布量よりも少なくすることにより、各第1~第4接合領域81~84の接合強度a~dの関係において、b<c又はc>dを実現することができる。
(方法8)
サイド接合部8にセルロース系繊維が含まれる場合、接合領域における最も内側に位置するシートに含まれる、セルロース系繊維の含有率によって、接合強度を調整することができる。セルロース系繊維の含有率は、接合領域における熱可塑性繊維とセルロース系繊維との合計に対するセルロース系繊維の割合を示す。算出方法については後述する。
セルロース系繊維は熱可塑性繊維ではないため、セルロース系繊維の含有率が高いと、接合強度が低くなる傾向となる。従って、第2接合領域82におけるセルロース系繊維の含有率を、第3接合領域83よりも大きくすることにより、第3接合領域83の接合強度を高くすることができる。
尚、「第2接合領域82におけるセルロース系繊維の含有率を、第3接合領域83よりも大きくする」という形態には、第3接合領域83におけるセルロース系繊維がゼロ、すなわち存在しない形態も含まれる。
第2接合領域82における最も内側に位置するシートに含まれる、セルロース系繊維の含有率は好ましくは15%以上、より好ましくは20%以上であり、好ましくは60%以下、より好ましくは50%以下である。
第3接合領域83における最も内側に位置するシートに含まれる、セルロース系繊維の含有率は好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下である。セルロース系繊維を含むことにより接合強度が低下するため、第3接合領域83のセルロース系繊維の含有率は少ないことがより好ましい。尚、第3領域33は、吸収体と重なる構成となるため、セルロース系繊維が尿を吸収することによる肌荒れの発生を抑制する観点から、第3領域33における最も内側に位置するシートに含まれるセルロース系繊維の含有率は、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下であることが好ましい。
(具体例)
図10は、上記のシート積層数による方法1及び弾性部材の配置による方法3を用いて接合強度を調整したウエスト部Wの背側部W2のサイド接合部8の図である。なお、本例は一例であり、これに限定されない。上記方法を単独或いは複数組み合わせて、各第1~第4接合領域81~84の接合強度a~dの関係が、上記式(1)となるように調整することができる。
図10に示すサイド接合部8の背側部W2は、外装体5を構成する第1シート51及び第2シート52が内側に折り返された折り返し部53を有する形態となっている。
折り返し部53は、第1シート51の一部が折り返された部分である第1折り返し部51aと、第2シート52の一部が折り返された部分である第2折り返し部52aを有する。折り返し部53において、第1折り返し部51aは第2折り返し部52aよりも縦方向Xの長さが長くなっている。
図10に示す背側部W2と、腹側部W1が接合されたサイド接合部8において、第1接合領域81は8枚のシートが積層された構成となる。第2接合領域82及び第3接合領域83は、6枚のシートが積層された構成となる。第4接合領域84は、4枚のシートが積層された構成となる。積層枚数の観点では、接合強度は、第1接合領域81が最も高く、第4接合領域84が最も低く、第2接合領域82領域及び第3接合領域83が中間となる。加えて、第3接合領域83における弾性部材4のピッチn3を、第2接合領域82におけるピッチn2よりも広くとることにより、上記式(1)を満たす構成としている。
[その他の構成]
(図柄)
図11に示すように、おむつ1は、背側から視認可能な図柄7を有している。該図柄7は外装体5に印刷されていてもよいし、吸収性本体2の一部を構成する裏面シートに印刷され、外装体5を介して透けて裏面シートに印刷された図柄が視認可能であってもよい。
図11に示す例では、図柄7は、第2領域32、第3領域33、第4領域34に亘って配される。第2領域32における図柄7の占有面積率よりも、第3領域33及び第4領域34それぞれにおける図柄7の占有面積率の方が高くなっている。
ここで、上述したように、吸収性本体2が位置する第3領域33及び第4領域34に便が存在することが多い。このため、第2領域32、第3領域33及び第4領域34の図柄7の占有面積率の関係を上記のように設定することにより、介助者は、サイド接合部8の引き裂き時、図柄が少ない領域から多い領域に引き裂き箇所が差し掛かったのを見て、便が存在する可能性の高い領域に差し掛かっていることを把握することができ、便が飛び散らぬよう慎重にサイド接合部8を引き裂くように意識することができる。
このように、本実施形態のおむつ1では、介助者に対して、引き裂き時による便の飛び散りへの注意喚起を、サイド接合部8の上記式(1)を満たす接合強度分布によって触覚的に行うとともに、第2領域32、第3領域33及び第4領域34の図柄7の占有面積率の関係を上記のように設定することによって視覚的に行うことができる。その結果、使用後の脱衣時におけるサイド接合部8の引き裂き時の便の飛び散り発生が効果的に抑制される。
(廃棄用テープ)
図2及び図4に示すように、おむつ1は、吸収性本体2と平面視で重なるように、背側部W2に配置された廃棄用テープ6を更に備える。
廃棄用テープ6は、外装体5の外面に固定されている。廃棄用テープ6は、縦中心線CL上に配置されている。
廃棄用テープ6は、例えば、固定部と伸長部とを有する。固定部は外装体5の外面に固定される。伸長部は、伸長可能に構成される。伸長部は、固定部に接続され、固定部上に剥離可能に配置される。
廃棄用テープ6は、持ち手部分である摘み部6aを有する。摘み部6aは、伸長部に設けられ、廃棄用テープ6を展開及び伸長する際に介助者が把持するための部分である。
摘み部6aは、おむつ1の廃棄時に、廃棄用テープ6の位置をより視認しやすくするために着色されていてもよい。これにより、おむつ1の廃棄時の作業が速やかに行われ得る。
摘み部6aの色と、第3領域33に位置する図柄に用いられる色とは、マンセル表色系にて色相が同じ色で着色されていてもよい。
上述したように第3領域33は便が存在する可能性が高い領域である。第3領域33に位置する図柄7に用いる色のうち少なくとも一部の色に、便の廃棄を連想させる廃棄用テープ6の摘み部6aの色と同じ色相の色を用いることにより、サイド接合部8の引き裂き時に、介助者は、図柄の色から便の存在を意識しやすく、便の飛び散りが生じないように意識することができる。また、介助者は、おむつ1を丸めて廃棄用テープ6でおむつ1を丸めて廃棄する際、摘み部6aの色から便を想起し、おむつ1に便が付着していることを意識しながら、慎重に廃棄することができる。
「マンセル表色系において色相が同じ」とは、R(赤)、YR(黄赤)、Y(黄)、GY(黄緑)、G(緑)、BG(青緑)、B(青)、PB(青紫)、P(紫)、RP(赤紫)の10種の色相に分けられたマンセル表色系において、当該色が属する色相範囲が同じことを意味する。
(吸収性コアの構成)
吸収性コアは、高吸収性ポリマーとパルプ繊維を含む。
尿の背側への拡散を抑制する観点から、吸収性コアの、背側部W2における第3領域33と平面視で重なる部分の高吸収性ポリマーに対するパルプ繊維比率を、質量比で10%以下としてもよい。そして、吸収性コアの背側部W2における第3領域33と平面視で重なる部分が、吸収性コアを含む吸収体23を縦方向Xの中央で二等分したときの腹側部分における吸収性コアよりも、高吸収性ポリマーに対するパルプ繊維比率が低くなるように、吸収性コアを構成してもよい。
ここで、排便後のおむつ1では、尿と便の両方が排泄されていることが多い。尿は吸収性コアを構成するパルプ繊維によって拡散していく。尿が背側まで拡散した場合、おむつと着用者との間に便が保持される空間が確保されにくくなり、便が吸収体23からはみ出して漏れる場合がある。
このため、おむつ1では、吸収性コアにおいて、吸収性コアの背側部W2における第3領域33と重なる部分のパルプ繊維比率を低くすることにより、おむつ1の着用時、背側まで尿が拡散されにくくなり、便が保持される空間を確保しやすくなる。従って、おむつ1の背側において、吸収体23が存在する部分に便が保持されやすくなり、吸収体23から便がもれにくくなる。その結果、サイド接合部8の引き裂き時に便が飛び散りにくくなる。
(外装体の収縮応力)
ウエスト部Wの第3領域33の収縮応力を第2領域32よりも低くしてもよい。上述したように、背側部W2において、第3領域33は第2領域32よりも便を保持する可能性が高い便保持領域である。このため、第3領域33の収縮応力を第2領域32よりも低くすることにより、便を保持する可能性が高い第3領域33が過度に圧迫されることがなく、便が安定して、第3領域33までの位置で保持されやすくなる。
ウエスト部Wにおける収縮応力は、例えば、弾性部材4の数や伸長率によって、調整することが可能である。
弾性部材4の伸張率は、おむつ1から取り出された自然長における弾性部材の長さに対する、おむつ1の展開伸長状態において伸長された弾性部材の長さの割合を意味する。つまり、伸張率が低いほど、弾性部材を引っ張った際の弾性力がより小さくなる傾向となり、収縮応力を低くすることができる。
なお、弾性部材4の伸張率は、製造時において、外装体5に配置される弾性部材4の伸張の度合いを調整することで、調整することができる。
[補足説明]
以下に記載する寸法等の数値はあくまで一例である。数値は、例えば、着用者の身体の大きさに応じたおむつのサイズに応じて適宜設定される。
(第1~第4領域の縦方向Xの長さ)
第1領域31、第2領域32、第3領域33及び第4領域34の縦方向Xの具体的な寸法について説明する。
例えば体重9kg~14kg程度の幼児による着用が想定されるおむつ1では、サイド接合部8の縦方向Xの長さは約12cmである。
第1領域31の縦方向Xの長さ、すなわち第1接合領域81の縦方向Xの長さは、2cmである。
第2領域32の縦方向Xの長さ、すなわち第2接合領域82の縦方向Xの長さは、2.5cmである。
第3領域33の縦方向Xの長さ、すなわち第3接合領域83の縦方向Xの長さは、2cmである。
第4領域34の縦方向Xの長さ、すなわち第4接合領域84の縦方向Xの長さは、5.5cmである。
第2領域32と第3領域33の第2仮想境界線42を吸収体23の縦方向Xにおける後端縁部23aを通る横方向に平行な仮想線とし、第1領域31及び第3領域33の縦方向Xの長さを2cmとすることにより、第2領域32及び第4領域34の縦方向Xの長さは決定される。
尚、上述したように、サイド接合部8において、接合強度の高い第1接合領域81及び第3接合領域83の縦方向Xの長さは、これらが特別な部位であると介助者により意識させやすくする観点から、第2接合領域82の縦方向Xの長さよりも短いことが好ましい。例えば、その差が0.5cm以上あると特別な部位であることをより介助者に意識させやすい。
(第1~第4接合領域の接合強度)
第1接合領域81の接合強度は、好ましくは8N/20mm以上、より好ましくは10N/20mm以上であり、好ましくは13N/20mm以下、より好ましくは22N/20mm以下である。
第2接合領域82の接合強度は、好ましくは7N/20mm以上、より好ましくは8N/20mm以上であり、好ましくは23N/20mm以下、より好ましくは22N/20mm以下である。
第3接合領域83の接合強度は、好ましくは8N/20mm以上、より好ましくは10N/20mm以上であり、好ましくは27N/20mm以下、より好ましくは22N/20mm以下である。
第4接合領域84の接合強度は、好ましくは6N/20mm以上、より好ましくは7N/20mm以上であり、好ましくは22N/20mm以下、より好ましくは20N/20mm以下である。
(接合強度の測定法)
おむつのウエスト部から、サイド接合部を破断せず、背側部と腹側部とが重なった状態で、サイド接合部を含む横方向Yに50mmの長さに切り取り、縦方向Xに20mmの長さに切り取り測定サンプルを得る。尚、縦方向Xが20mmより短い場合は、測定長から20mm長さに換算する。
切り出したサンプルを、サイド接合部を中央にして、腹側部と背側部をそれぞれORIENTEC社製のテンシロン万能試験機(RTC-1210A)の一対のチャック間に固定する。サンプルの固定は、サンプルの端縁から幅20mmの部分をチャックに挟んで留める。チャック間隔は10mmとする。尚、チャック間隔はサンプル片の長さに応じて適宜調整する。そして、そのサンプルを10mm/minで、横方向Yと同じ方向に引っ張り、サイド接合部が破断して、背側部W2と腹側部W1とが剥離するまで測定を行う。測定結果で得られる、縦方向Xに沿った剥離強度分布から、各第1~第4接合領域81~84の平均剥離強度を求め、これを、各第1~第4接合領域81~84の接合強度a~dとする。
(セルロース系繊維の含有率の測定方法)
第2接合領域及び第3接合領域におけるセルロース系繊維の含有率は次のように測定することができる。
純水200gに赤色1号を1g溶解させた赤色溶液を作成する。この赤色溶液にサイド接合部を含むウエスト部を5分間含浸させる。その後、70℃の電乾にて24時間ウエスト部を乾燥させる。これにより、セルロース系繊維のみが赤色に染色したウエスト部を作成する。
次に、染色したウエスト部から、第2領域32における最も肌側に近いシートを剥がし、該シートの第2接合領域82を含む10mm×10mmのサンプルを切り取る。第3領域33における最も肌側に近いシートを剥がし、該シートの第3接合領域83を含む10mm×10mmのサンプルを切り取る。
次に各サンプルのサイド接合部における平面拡大画像をKEYENCE社製のマイクロスコープVHX1000において倍率200倍にて撮影する。赤色に染色した繊維をOHPフィルムに写し取り、その面積を株式会社ローパー製のImage-Pro plus6.2 Installationを用いて画像解析を行い測定する。同様に、赤色でない繊維をOHPに写し取り同様に面積を測定する。全体の赤色と白色の繊維の面積合計に対する赤色の繊維面積合計をセルロース繊維の含有率とする。測定は5点測定し、その平均値を含有率とする。
(収縮応力値)
外装体5における好ましい収縮応力値は以下の通りである。
第1領域31の収縮応力は、好ましくは0.01N/mm以上、より好ましくは0.02N/mm以上であり、好ましくは0.05N/mm以下、より好ましくは0.04N/mm以下である。
第2領域32の収縮応力は、好ましくは0.03N/mm以上、より好ましくは0.04N/mm以上であり、好ましくは0.07N/mm以下、より好ましくは0.06N/mm以下である。
第3領域33の収縮応力は、好ましくは0.007N/mm以上、より好ましくは0.01N/mm以上であり、好ましくは0.04N/mm以下、より好ましくは0.035N/mm以下である。
第4領域34の収縮応力は、好ましくは0.005N/mm以上、より好ましくは0.007N/mm以上であり、好ましくは0.037N/mm以下、より好ましくは0.033N/mm以下である。
尚、上述したように、便の保持位置を安定させる観点から、第3領域33の収縮応力は、第2領域32の収縮応力よりも小さいことがより好ましい。
ウエスト部Wの第1~第4領域31~34の収縮応力は、以下のようにして測定することができる。
(収縮応力測定用サンプルの作成方法)
おむつを、展開して平面上に拡げ、該おむつを、おむつ幅方向(横方向)と平行な著空戦に沿って切断して、腹側部W1及び背側部W2それぞれから第1~第4領域31~34をそれぞれ切り出す。この切り出しの際には、外装体5のみならず、吸収性本体2等を含むおむつ全体を切断する。
(測定方法)
切り出した各領域(測定サンプル)の長手方向の両端(サイド接合部を形成していた部分のすぐ内側)をテンシロン引張試験機(ORIENTEC社製「RTC-1210A」)のチャックに挟んだ。チャック間隔は63.5mmとし、サンプルは、自然状態(外力を加えずに自然に収縮させた状態)で固定する。尚、チャック間隔はサンプル片の長さに応じて適宜調整する。そして、その測定サンプルを300mm/minの速度で、長手方向(横方向Y)に伸長させ、外装体5の内寸〔弾性部材により外装体のシートが収縮していない状態(換言すれば弾性部材を配さずに外装体のみを伸展させた状態)で測定した外装体のサイド接合部間の長さ〕を100%としたときの、80%相当の長さまで伸長させた後に、65%相当の長さまで収縮させたときの横方向Yの単位長さ(1mm)あたりの引張り荷重(N)を収縮応力とする。65%を指標としたのは、パンツ型使い捨ておむつ1を着用した時のサンプルの伸長状態を再現するためである。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明に係るパンツ型吸収性物品は、乳幼児用の使い捨ておむつでなくてもよく、例えば、大人用や子供用の使い捨ておむつであってもよい。更に、本発明に係るパンツ型吸収性物品は、下半身に着用するタイプの吸収性物品であれば、使い捨ておむつでなくてもよい。このようなパンツ型吸収性物品としては、例えば、パンツ型の生理用ナプキンやパンツ型の尿漏れパッドなどが挙げられる。
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の吸収性物品を開示する。
<1>
吸収体と、ウエスト開口部と一対のレッグ開口部を有する外装体と、を備え、着用者の腹側から股間部を通って背側に延びる縦方向と、前記縦方向に直交する横方向と、を有するパンツ型吸収性物品であって、
前記外装体は、前記ウエスト開口部を有するウエスト部を有し、該ウエスト部は、着用者の腹側に配置される腹側部と、着用者の背側に配置される背側部と、前記腹側部の前記横方向における側縁部と前記背側部の前記横方向における側縁部とがそれぞれ接合された一対のサイド接合部と、を含み、前記外装体は熱可塑性繊維を有する複数のシートを含み、
前記ウエスト部は、前記ウエスト開口部から前記レッグ開口部に向かって順に前記横方向に平行な仮想境界線により区分された第1領域と、第2領域と、第3領域と、第4領域と、を有し、
前記第2領域と前記第3領域との仮想境界線は、前記吸収体の前記縦方向における後端縁部を通る仮想線であり、
前記サイド接合部は、前記第1領域に対応する第1接合領域と、前記第2領域に対応する第2接合領域と、前記第3領域に対応する第3接合領域と、前記第4領域に対応する第4接合領域と、を有し、
前記サイド接合部の少なくとも一方は、
前記縦方向に離間して配置された複数のシール部を有し、
前記第1接合領域の接合強度をa、前記第2接合領域の接合強度をb、前記第3接合領域の接合強度をc、前記第4接合領域の接合強度をdとすると、
a>b<c>d である
パンツ型吸収性物品。
<2>
前記パンツ型吸収性物品は背側から視認可能な図柄を有し、前記第2領域よりも前記第3領域及び前記第4領域の方が前記図柄の占有面積率が高い
<1>に記載のパンツ型吸収性物品。
<3>
前記第3接合領域は、前記第2接合領域又は前記第4接合領域よりも、前記シートの積層枚数が多い
<1>又は<2>に記載のパンツ型吸収性物品。
<4>
前記第3接合領域では、前記第2接合領域又は前記第4接合領域でよりも、最も内側に位置するシートと該シートと隣接する隣接シートとの間に配置される接着剤の塗布量が少ない
<1>~<3>のいずれか1つに記載のパンツ型吸収性物品。
<5>
前記第3接合領域における最も内側に位置するシートは、前記第2接合領域又は前記第4接合領域における最も内側に位置する前記シートよりも、高融点の熱可塑性繊維を少なく含む、又は、シートに含まれる熱可塑性繊維の融点が低い
<1>~<4>のいずれか1つに記載のパンツ型吸収性物品。
<6>
前記サイド接合部は、セルロース系繊維を有する前記シートを含み、前記第2接合領域における最も内側に位置するシートは、前記第2接合領域又は前記第3接合領域における最も内側に位置するシートよりも、前記セルロース系繊維の含有率が高い
<1>~<5>のいずれか1つに記載のパンツ型吸収性物品。
<7>
前記第2接合領域、前記第3接合領域及び前記第4接合領域には、それぞれ前記横方向に平行に延在する複数の弾性部材が配され、
前記弾性部材には接着剤が塗工され、
前記第3接合領域は、前記第2接合領域又は前記第4接合領域よりも、接合領域に位置する複数の前記弾性部材の配置間隔が広い
<1>~<6>のいずれか1つに記載のパンツ型吸収性物品。
<8>
前記第3接合領域は、前記第2接合領域又は前記第4接合領域よりも、前記シール部のシール面積率が高い
<1>~<7>のいずれか1つに記載のパンツ型吸収性物品。
<9>
前記第3接合領域における最も内側に位置するシートは、前記第2接合領域又は前記第4接合領域における最も内側に位置するシートよりも、坪量が高い
<1>~<8>のいずれか1つに記載のパンツ型吸収性物品。
<10>
前記サイド接合部は、複数のエンボス部を有する前記シートを含み、
前記第3接合領域における最も内側に位置するシートは、前記第2接合領域又は前記第4接合領域における最も内側に位置するシートよりも、前記エンボス部のエンボス面積率が低い
<1>~<9>のいずれか1つに記載のパンツ型吸収性物品。
<11>
前記背側部に配置された廃棄用テープを更に備え、
前記第3領域は背側から視認可能な図柄を有し、
前記廃棄用テープの持ち手部分は、前記第3領域の図柄とマンセル表色系にて色相が同じ色で着色される
<1>~<10>のいずれか1つに記載のパンツ型吸収性物品。
<12>
前記第1接合領域、前記第2接合領域、前記第3接合領域及び前記第4接合領域の接合強度の関係は、
c≧1.2×b、c≧1.2×d、及び、a≧1.2×bである
<1>~<11>のいずれか1つに記載のパンツ型吸収性物品。
<13>
前記吸収体は、高吸収性ポリマーとパルプ繊維を含み、
前記吸収体の前記背側部における前記第3領域と重なる部分は、前記高吸収性ポリマーに対する前記パルプ繊維の質量比が、前記吸収体を前記縦方向の中央で二等分したときの前記腹側部分よりも低く、10%以下である
<1>~<12>のいずれか1つに記載のパンツ型吸収性物品。
<14>
前記吸収体の肌側に位置する表面シートと、前記吸収体の非肌側に位置する裏面シートと、を更に備え、
前記吸収体は、吸収性コアと、前記吸収性コアを覆うコアラップシートと、を有し、
前記コアラップシートは不織布である
<1>~<13>のいずれか1つに記載のパンツ型吸収性物品。
<15>
前記ウエスト部において、前記第3領域は前記第2領域よりも前記横方向における収縮応力が低い
<1>~<14>のいずれか1つに記載のパンツ型吸収性物品。
<16>
前記第1領域及び前記第3領域は、前記第2領域よりも前記縦方向の長さが短い
<1>~<15>のいずれか1つに記載のパンツ型吸収性物品。
1…使い捨ておむつ(パンツ型吸収性物品)
8…サイド接合部
23…吸収体
23a…後端縁部
31…第1領域
32…第2領域
33…第3領域
34…第4領域
41…第1仮想境界線
42…第2仮想境界線(第2領域と第3領域の仮想境界線)
43…第3仮想境界線
44…第4仮想境界線
81…第1接合領域
82…第2接合領域
83…第3接合領域
84…第4接合領域
C…股下部
L…レッグ部
LH…レッグ開口部
W…ウエスト部
WH…ウエスト開口部
W1…腹側部
W1b…腹側部の側縁部
W2…背側部
W2b…背側部の側縁部

Claims (11)

  1. 吸収体と、ウエスト開口部と一対のレッグ開口部を有する外装体と、を備え、着用者の腹側から股間部を通って背側に延びる縦方向と、前記縦方向に直交する横方向と、を有するパンツ型吸収性物品であって、
    前記外装体は、前記ウエスト開口部を有するウエスト部を有し、該ウエスト部は、着用者の腹側に配置される腹側部と、着用者の背側に配置される背側部と、前記腹側部の前記横方向における側縁部と前記背側部の前記横方向における側縁部とがそれぞれ接合された一対のサイド接合部と、を含み、前記外装体は熱可塑性繊維を有する複数のシートを含み、
    前記ウエスト部は、前記ウエスト開口部から前記レッグ開口部に向かって順に前記横方向に平行な仮想境界線により区分された第1領域と、第2領域と、第3領域と、第4領域と、を有し、
    前記第2領域と前記第3領域との仮想境界線は、前記吸収体の前記縦方向における後端縁部を通る仮想線であり、
    前記サイド接合部は、前記第1領域に対応する第1接合領域と、前記第2領域に対応する第2接合領域と、前記第3領域に対応する第3接合領域と、前記第4領域に対応する第4接合領域と、を有し、
    前記サイド接合部の少なくとも一方は、
    前記縦方向に離間して配置された複数のシール部を有し、
    前記第1接合領域の接合強度をa、前記第2接合領域の接合強度をb、前記第3接合領域の接合強度をc、前記第4接合領域の接合強度をdとすると、
    a>b<c>d である
    パンツ型吸収性物品。
  2. 前記パンツ型吸収性物品は背側から視認可能な図柄を有し、前記第2領域よりも前記第3領域及び前記第4領域の方が前記図柄の占有面積率が高い
    請求項1に記載のパンツ型吸収性物品。
  3. 前記第3接合領域における最も内側に位置するシートは、前記第2接合領域又は前記第4接合領域における最も内側に位置する前記シートよりも、高融点の熱可塑性繊維を少なく含む、又は、シートに含まれる熱可塑性繊維の融点が低い
    請求項1又は2に記載のパンツ型吸収性物品。
  4. 前記第3接合領域は、前記第2接合領域又は前記第4接合領域よりも前記シール部のシール面積率が高い
    請求項1~3のいずれか1項に記載のパンツ型吸収性物品。
  5. 前記サイド接合部は、複数のエンボス部を有する前記シートを含み、
    前記第3接合領域における最も内側に位置するシートは、前記第2接合領域又は前記第4接合領域における最も内側に位置するシートよりも、隣り合う前記エンボス部間の距離が広い
    請求項1~4のいずれか1項に記載のパンツ型吸収性物品。
  6. 前記第3接合領域における最も内側に位置するシートは、前記第2接合領域又は前記第4接合領域における最も内側に位置するシートよりも、坪量が高い
    請求項1~5のいずれか1項に記載のパンツ型吸収性物品。
  7. 前記サイド接合部は、複数のエンボス部を有する前記シートを含み、
    前記第3接合領域における最も内側に位置するシートは、前記第2接合領域又は前記第4接合領域における最も内側に位置するシートよりも、前記エンボス部のエンボス面積率が低い
    請求項1~6のいずれか1項に記載のパンツ型吸収性物品。
  8. 前記第1接合領域、前記第2接合領域、前記第3接合領域及び前記第4接合領域の接合強度の関係は、
    c≧1.2×b、c≧1.2×d、及び、a≧1.2×bを満たす
    請求項1~7のいずれか1項に記載のパンツ型吸収性物品。
  9. 前記吸収体は、高吸収性ポリマーとパルプ繊維を含み、
    前記吸収体の前記背側部における前記第3領域と重なる部分は、前記高吸収性ポリマーに対する前記パルプ繊維の質量比が、前記吸収体を前記縦方向の中央で二等分したときの前記腹側部分よりも低く、10%以下である
    請求項1~8のいずれか1項に記載のパンツ型吸収性物品。
  10. 前記吸収体の肌側に位置する表面シートと、前記吸収体の非肌側に位置する裏面シートと、を更に備え、
    前記吸収体は、吸収性コアと、前記吸収性コアを覆うコアラップシートと、を有し、
    前記コアラップシートは不織布である
    請求項1~9のいずれか1項に記載のパンツ型吸収性物品。
  11. 前記第1領域及び前記第3領域は、前記第2領域よりも前記縦方向の長さが短い
    請求項1~10のいずれか1項に記載のパンツ型吸収性物品。
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