JP2023020501A - 基板処理方法及び基板処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板を乾燥する際に、有機溶剤を使用することなく、基板のパターンを構成する構造物の倒壊を抑制することができる基板処理方法を提供する。【解決手段】基板処理方法において、複数の構造物23を含むパターンPTを有する基板Wを処理する。基板処理方法は、懸濁液供給工程S3と、純水排除工程S4と、粒子昇華工程S5とを含む。懸濁液供給工程S3では、純水251と複数の昇華性粒子252とが混在した懸濁液25を、基板Wの上面に供給することで、懸濁液25の液膜26を基板Wの上面に形成する。純水排除工程S4では、互いに隣り合う構造物23と構造物23との間に昇華性粒子252が残留するように、基板Wの上面から純水251を排除する。粒子昇華工程S5では、構造物23と構造物23との間に残留した昇華性粒子252を昇華させる。【選択図】図8

Description

本発明は、基板処理方法及び基板処理装置に関する。
特許文献1に記載されている洗浄方法では、ウエハを回転載置部に保持して80rpmで回転させ、先ずノズルからフッ酸溶液をウエハ表面に供給し、次いでノズルからウエハ表面に純水を供給して洗浄し、純水の供給停止の直前からIPA(イソプロピルアルコール)を供給する。IPAは純水に溶解して、純水がIPAにより、マランゴニー効果と回転による遠心力とによって押し出されて完全に置換され、これにより純水が除去される。この後回転数を300rpmで1秒間、次いで2000rpmで4秒間、最後に4000rpmで15秒間回転させてスピン乾燥を行なう。
特開平9-38595号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている洗浄方法では、基板を乾燥する際にIPAが使用される。その他、基板を乾燥する際に、疎水化剤による基板の表面改質を行ったり、超臨界流体を使用したりする場合があるが、いずれもIPAを使用する。
IPAは、基板を乾燥する際に、基板の凹凸パターンを構成する構造物の倒壊を抑制するためには有効である。しかしながら、IPAに含まれる微量金属が、基板から得られるデバイスの品質及び信頼性を低下させる場合があり得る。例えば、基板からイメージセンサーを作製する場合、イメージセンサーのカラーフィルター部周辺にあるディープトレンチの乾燥では、微量金属が白傷と呼ばれる画素欠陥の原因となり得る。また、地球環境への負荷を考慮すると、IPAの使用量を削減することが好ましい。IPAは有機溶剤の一例である。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、基板を乾燥する際に、有機溶剤を使用することなく、基板のパターンを構成する構造物の倒壊を抑制することのできる基板処理方法及び基板処理装置を提供することにある。
本発明の一局面によれば、基板処理方法において、複数の構造物を含むパターンを有する基板を処理する。基板処理方法は、懸濁液供給工程と、純水排除工程と、粒子昇華工程とを含む。懸濁液供給工程では、純水と複数の昇華性粒子とが混在した懸濁液を、前記基板の上面に供給することで、前記懸濁液の液膜を前記基板の上面に形成する。純水排除工程では、互いに隣り合う前記構造物と前記構造物との間に前記昇華性粒子が残留するように、前記基板の上面から前記純水を排除する。粒子昇華工程では、前記構造物と前記構造物との間に残留した前記昇華性粒子を昇華させる。
本発明の一態様においては、前記懸濁液の水素イオン指数は、4以下又は9以上であることが好ましい。
本発明の一態様においては、基板処理方法は、不活性ガス供給工程を更に含むことが好ましい。不活性ガス供給工程では、前記粒子昇華工程と並行して、前記基板の上面に不活性ガスを供給することが好ましい。
本発明の一態様においては、基板処理方法は、薬液供給工程と、リンス液供給工程とを更に含むことが好ましい。薬液供給工程では、前記懸濁液供給工程よりも前において、薬液を前記基板の上面に供給することが好ましい。リンス液供給工程では、前記薬液供給工程の次に、リンス液を前記基板の上面に供給することで、前記薬液を洗い流すことが好ましい。前記懸濁液供給工程は、前記リンス液供給工程の次に実行されることが好ましい。前記純水排除工程では、前記基板を回転させることで、前記基板から前記純水を排除することが好ましい。
本発明の一態様においては、前記昇華性粒子は、シクロヘキサノンオキシム、樟脳、ナフタレン、P-クレゾール、1,4-ベンゾキノン、2-クロロナフタレン、4-ニトロトルエン、ジフェニルエーテル、又は、2,6-ジニトロトルエンであることが好ましい。
本発明の他の局面によれば、基板処理装置は、複数の構造物を含むパターンを有する基板を処理する。基板処理装置は、基板保持部と、懸濁液供給部と、基板回転部とを備える。基板保持部は、前記基板を保持する。懸濁液供給部は、純水と複数の昇華性粒子とが混在した懸濁液を、前記基板の上面に供給することで、前記懸濁液の液膜を前記基板の上面に形成する。基板回転部は、前記基板保持部を回転させることで、前記液膜が形成された前記基板を回転させる。
本発明によれば、基板を乾燥する際に、有機溶剤を使用することなく、基板のパターンを構成する構造物の倒壊を抑制することのできる基板処理方法及び基板処理装置を提供できる。
本発明の実施形態1に係る基板処理装置の内部を示す平面図である。 実施形態1に係る処理ユニットの内部を示す側面図である。 (a)は、実施形態1に係る懸濁液の液膜が基板の上面を覆っている状態を示す側面図である。(b)は、(a)に示す懸濁液の一部及び基板の一部を拡大して示す側面図である。 (a)は、実施形態1に係る薬液が基板のパターンを覆っている状態を示す図である。(b)は、実施形態1に係る懸濁液が基板のパターンを覆っている状態を示す図である。(c)は、実施形態1に係る懸濁液から純水が減少し、パターンを構成する構造物間に昇華性粒子が堆積している状態を示す図である。 (a)は、実施形態1に係る懸濁液から純水が除去され、基板のパターンを構成する構造物間に昇華性粒子が堆積している状態を示す図である。(b)は、実施形態1に係る構造物間からの昇華性粒子の昇華中の状態を示す図である。(c)は、実施形態1に係る昇華性粒子が構造物間から除去された状態を示す図である。 (a)は、実施形態1に係る薬液が基板の別のパターンを覆っている状態を示す図である。(b)は、実施形態1に係る懸濁液が基板のパターンを覆っている状態を示す図である。(c)は、実施形態1に係る懸濁液から純水が減少し、パターンを構成する構造物間に昇華性粒子が堆積している状態を示す図である。 (a)は、実施形態1に係る懸濁液から純水が除去され、基板のパターンを構成する構造物間に昇華性粒子が堆積している状態を示す図である。(b)は、実施形態1に係る構造物間からの昇華性粒子の昇華中の状態を示す図である。(c)は、実施形態1に係る昇華性粒子が構造物間から除去された状態を示す図である。 実施形態1に係る基板処理方法を示すフローチャートである。 本発明の実施形態2に係る処理ユニットの内部を示す側面図である。 実施形態2に係る基板処理方法を示すフローチャートである。 (a)は、比較例に係るクーポン試料の乾燥後の状態を示す写真である。(b)~(d)は、本発明の実施例1~3に係るクーポン試料の乾燥後の状態を示す写真である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。また、図面には、説明の便宜のため、三次元直交座標系(X、Y、Z)を適宜記載している。そして、図中、X軸およびY軸は水平方向に平行であり、Z軸は鉛直方向に平行である。
(実施形態1)
図1~図8を参照して、本発明の実施形態1に係る基板処理装置100及び基板処理方法を説明する。まず、図1を参照して、基板処理装置100を説明する。図1は、基板処理装置100の内部を示す平面図である。図1に示す基板処理装置100は、複数の構造物を含むパターンを有する基板Wを処理する。
基板Wは、例えば、半導体ウェハ(例えば、シリコンウェハ)、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、電界放出ディスプレイ(Field Emission Display:FED)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、又は、太陽電池用基板である。以下、一例として、基板Wは、シリコンウェハである。
図1に示すように、基板処理装置100は、複数のロードポートLPと、インデクサーロボットIRと、センターロボットCRと、複数の処理ユニット1と、制御装置2と、複数の流体ボックス3と、薬液キャビネット4とを備える。
ロードポートLPの各々は、複数枚の基板Wを積層して収容する。インデクサーロボットIRは、ロードポートLPとセンターロボットCRとの間で基板Wを搬送する。センターロボットCRは、インデクサーロボットIRと処理ユニット1との間で基板Wを搬送する。処理ユニット1の各々は、薬液によって基板Wを処理する。流体ボックス3の各々は流体機器を収容する。薬液キャビネット4は薬液を収容する。
具体的には、所定数の処理ユニット1(図1の例では3つの処理ユニット1)が鉛直方向に積層されて1つのタワーTWを構成している。複数のタワーTWは、平面視においてセンターロボットCRを取り囲むように配置される。
複数の流体ボックス3は、それぞれ、複数のタワーTWに対応している。薬液キャビネット4内の薬液は、いずれかの流体ボックス3を介して、流体ボックス3に対応するタワーTWに含まれる全ての処理ユニット1に供給される。
制御装置2は、ロードポートLP、インデクサーロボットIR、センターロボットCR、処理ユニット1、流体ボックス3、及び、薬液キャビネット4を制御する。制御装置2は、例えば、コンピューターである。
制御装置2は、制御部21と、記憶部22とを含む。制御部21は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーを含む。記憶部22は、記憶装置を含み、データ及びコンピュータープログラムを記憶する。具体的には、記憶部22は、半導体メモリー等の主記憶装置と、半導体メモリー、ソリッドステートドライブ、及び/又は、ハードディスクドライブ等の補助記憶装置とを含む。記憶部22は、リムーバブルメディアを含んでいてもよい。記憶部22は、非一時的コンピューター読取可能記憶媒体の一例に相当する。
次に、図2を参照して、処理ユニット1を説明する。図2は、処理ユニット1の内部を示す側面図である。
図2に示すように、処理ユニット1は、チャンバー11と、スピンチャック12と、スピンモーター13と、薬液ノズル14と、ノズル移動部15と、複数のガード16と、懸濁液ノズル17と、ノズル移動部18とを含む。また、基板処理装置100は、バルブ6と、配管7と、バルブ8と、配管9とを更に備える。
スピンチャック12は、本発明の「基板保持部」の一例に相当する。スピンモーター13は、本発明の「基板回転部」の一例に相当する。薬液ノズル14は、本発明の「薬液供給部」の一例に相当する。懸濁液ノズル17は、本発明の「懸濁液供給部」の一例に相当する。
チャンバー11は略箱形状を有する。チャンバー11は、スピンチャック12、スピンモーター13、薬液ノズル14、ノズル移動部15、複数のガード16、懸濁液ノズル17、ノズル移動部18、配管7の一部、及び、配管9の一部を収容する。
スピンチャック12は基板Wを保持する。具体的には、スピンチャック12は、基板Wを略水平に保持する。
スピンモーター13は、基板Wを保持したスピンチャック12を回転させることで、基板Wを回転させる。具体的には、スピンモーター13は、スピンチャック12を回転軸線AXの周りに回転させる。従って、スピンチャック12は、基板Wを水平に保持しながら、回転軸線AXの周りに基板Wを回転させる。具体的には、スピンチャック12は、スピンベース121と、複数のチャック部材122とを含む。スピンベース121は、略円板状であり、水平な姿勢で複数のチャック部材122を支持する。複数のチャック部材122は基板Wを水平な姿勢で保持する。なお、スピンチャック12は、例えば、バキュームチャック、又は、ベルヌーイ効果を利用したベルヌーイチャックであってもよく、特に限定されない。
薬液ノズル14は、薬液を基板Wの上面に供給する。具体的には、配管7が薬液ノズル14に薬液を供給する。バルブ6は、配管7に配置される。そして、バルブ6は、配管7の流路を開閉し、薬液ノズル14に対する薬液の供給と供給停止とを切り替える。バルブ6が配管7の流路を開放すると、薬液ノズル14は、薬液を基板Wに向けて供給する。
薬液は、例えば、希フッ酸(DHF)、フッ酸(HF)、フッ硝酸(フッ酸と硝酸(HNO3)との混合液)、バファードフッ酸(BHF)、フッ化アンモニウム、HFEG(フッ酸とエチレングリコールとの混合液)、燐酸(H3PO4)、硫酸、酢酸、硝酸、塩酸、アンモニア水、過酸化水素水、有機酸(例えば、クエン酸、シュウ酸)、有機アルカリ(例えば、TMAH:テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)、硫酸過酸化水素水混合液(SPM)、アンモニア過酸化水素水混合液(SC1)、塩酸過酸化水素水混合液(SC2)、界面活性剤、又は、腐食防止剤である。
ノズル移動部15は、処理位置と退避位置との間で薬液ノズル14を移動する。処理位置は、基板Wの上方の位置を示す。退避位置は、基板Wよりも基板Wの径方向外側の位置を示す。
具体的には、ノズル移動部15は、アーム151と、回動軸152と、ノズル移動機構153とを含む。アーム151は略水平方向に沿って延びる。アーム151の先端部には薬液ノズル14が取り付けられる。アーム151は回動軸152に結合される。回動軸152は、略鉛直方向に沿って延びる。ノズル移動機構153は、回動軸152を略鉛直方向に沿った回動軸線のまわりに回動させて、アーム151を略水平面に沿って回動させる。その結果、薬液ノズル14が略水平面に沿って移動する。例えば、ノズル移動機構153は、回動軸152を回動軸線のまわりに回動させるアーム揺動モーター(例えばサーボモーター)を含む。また、ノズル移動機構153は、回動軸152を略鉛直方向に沿って昇降させて、アーム151を昇降させる。その結果、薬液ノズル14が略鉛直方向に沿って移動する。例えば、ノズル移動機構153は、ボールねじ機構と、ボールねじ機構に駆動力を与えるアーム昇降モーター(例えばサーボモーター)とを含む。
懸濁液ノズル17は、懸濁液を基板Wの上面に供給する。具体的には、配管9が懸濁液ノズル17に懸濁液を供給する。バルブ8は、配管9に配置される。そして、バルブ8は、配管9の流路を開閉し、懸濁液ノズル17に対する懸濁液の供給と供給停止とを切り替える。バルブ8が配管9の流路を開放すると、懸濁液ノズル17は、懸濁液を基板Wに向けて供給する。なお、例えば、配管9は、懸濁液を貯留する懸濁液タンクに接続されている。
本明細書において、懸濁液は、純水と複数の昇華性粒子(多数の昇華性粒子)とが混在した物質を示す。具体的には、懸濁液は、複数の昇華性粒子(多数の昇華性粒子)が純水中に分散した分散系を示す。純水が分散媒であり、昇華性粒子が分散質である。昇華性粒子は固体粒子である。
本明細書において、懸濁液の分散媒である純水は、広義に解され、脱イオン水(DIW:Deionized Water)、炭酸水、電解イオン水、水素水、オゾン水、又は、希釈濃度(例えば、10ppm~100ppm程度)の塩酸水を含む。また、純水は、有機溶剤と異なる物質(例えば、気体、液体、又は、固体)を含有していてもよい。本明細書において、有機溶剤は、水溶性であり、純水よりも表面張力が小さい。例えば、有機溶剤は、低炭素の1価アルコール、エチレングリコール、または、低級ケトンである。低炭素の1価アルコールは、例えば、メタノール、エタノール、または、IPA(イソプロピルアルコール)である。
本明細書において、懸濁液の分散質である昇華性粒子は、例えば、シクロヘキサノンオキシム、樟脳、ナフタレン、P-クレゾール、1,4-ベンゾキノン、2-クロロナフタレン、4-ニトロトルエン、ジフェニルエーテル、又は、2,6-ジニトロトルエンである。「昇華性」は、単体、化合物、又は、混合物が、液体を経ずに、固体から気体へと相転移する特性を有することを示す。「昇華性粒子」は、昇華性を有する粒子を示す。具体的には、「昇華性粒子」は、チャンバー11内の温度及び圧力の下で、昇華性を有する。例えば、「昇華性粒子」の沸点は、純水の沸点よりも高い。
ノズル移動部18は、処理位置と退避位置との間で懸濁液ノズル17を移動する。処理位置は、基板Wの上方の位置を示す。退避位置は、基板Wよりも基板Wの径方向外側の位置を示す。
具体的には、ノズル移動部18は、アーム181と、回動軸182と、ノズル移動機構183とを含む。ノズル移動機構183は、回動軸152を略鉛直方向に沿った回動軸線のまわりに回動させて、アーム181を略水平面に沿って回動させる。その結果、懸濁液ノズル17が略水平面に沿って移動する。また、ノズル移動機構183は、回動軸152を略鉛直方向に沿って昇降させて、アーム181を昇降させる。その結果、懸濁液ノズル17が略鉛直方向に沿って移動する。その他、アーム181、回動軸182、及び、ノズル移動機構183の構成は、それぞれ、アーム151、回動軸152、及び、ノズル移動機構153の構成と同様である。
次に、図3を参照して、基板Wの上面に形成される懸濁液25の液膜26を説明する。図3(a)は、懸濁液25の液膜26が基板Wの上面を覆っている状態を示す側面図である。図3(b)は、図3(a)に示す懸濁液25の液膜26の一部及び基板Wの一部を拡大して示す側面図である。
図3(a)に示すように、懸濁液ノズル17は、懸濁液25を、基板Wの上面に供給することで、懸濁液25の液膜26を基板Wの上面に形成する。
図3(b)に示すように、液膜26の厚みt1は、特に限定されないが、例えば、1mm以上4mm以下である。基板Wの厚みt0は、特に限定されないが、例えば、0.5mm以上1mm以下である。
引き続き図3(b)を参照して、懸濁液25を構成する純水が基板Wから除去されて、懸濁液25を構成する昇華性粒子が基板Wに残留する原理を説明する。懸濁液25から純水を除去する際は、懸濁液ノズル17から基板Wへの懸濁液25の供給を停止し、基板Wの回転を継続する。
基板Wの回転による遠心力によって、液膜26のうち領域261に存在する懸濁液25は流動する。従って、領域261の懸濁液25が基板Wから振り切られる。その結果、液膜26の液面が下降する。液面が下降して、液膜26のうち領域262に存在する懸濁液25は、基板Wの回転にも拘らず、ほとんど流動しない。従って、領域262では、懸濁液25中の純水が主に気化することで、液膜26の液面が下降する。よって、懸濁液25中の昇華性粒子は液面によって押し下げられる。従って、純水中に分散していた多数の昇華性粒子が基板Wの上面に堆積していく。更に純水の気化が進行すると、純水が基板Wから除去され、基板Wの上面には、堆積した多数の昇華性粒子が残留する。
例えば、領域261は、ミリメートルオーダーの領域である。例えば、領域262は、マイクロメートルオーダーの領域である。領域262は、領域261よりも基板Wに近接している。
次に、図1、図2、図4及び図5を参照して、本発明の実施形態1に係る基板処理方法を説明する。図4(a)は、薬液供給工程において、薬液27が基板WのパターンPTを覆っている状態を示す図である。図4(b)は、懸濁液供給工程において、懸濁液25が基板WのパターンPTを覆っている状態を示す図である。図4(c)は、純水排除工程において、懸濁液25から純水251が減少し、パターンPTを構成する構造物23間に昇華性粒子252が堆積している状態を示す図である。図5(a)は、純水排除工程の完了後において、懸濁液25から純水251が除去され、基板WのパターンPTを構成する構造物23間に昇華性粒子252が堆積している状態を示す図である。図5(b)は、粒子昇華工程において、構造物23間からの昇華性粒子252の昇華中の状態を示す図である。図5(c)は、粒子昇華工程の完了後において、昇華性粒子252が構造物23間から除去された状態を示す図である。
図4(a)に示すように、基板Wは、パターンPTを有する。つまり、基板Wの上面には、パターンPTが形成されている。パターンPTは、例えば、凹凸パターンである。パターンPTは、複数の構造物23を含む。構造物23は、例えば、微細構造物である。構造物23のアスペクト比ARは、例えば、10以上100以下である。アスペクト比ARは、長さLに対する長さHの比率を示す(AR=H/L)。長さLは、例えば、5nm以上50nm以下である。長さHは、例えば、50nm以上5000nm以下である。長さHは、構造物23の第1方向D1の長さを示す。長さLは、構造物23の第2方向D2の長さを示す。
第1方向D1は、基板Wに対して交差する方向を示す。図4(a)の例では、第1方向D1は、基板Wに対して略直交する方向を示す。第2方向D2は、第1方向D1に交差する。図4(a)の例では、第2方向D2は、第1方向D1に略直交する。
複数の構造物23のうち、互いに隣り合う構造物23と構造物23との間隔Gは、例えば、10nm以上100nm以下である。
構造物23は、一例として、第1方向D1に沿って延びている。なお、図4(a)は、構造物23を模式化して示しているに過ぎず、構造物23は、基板Wの使用目的に応じた任意の形状及び構成をとり得る。
例えば、構造物23は、単層または複数層によって構成される。構造物23が単層によって構成される場合、構造物23は、絶縁層、半導体層、又は、導体層である。構造物23が複数層によって構成される場合、構造物23は、絶縁層を含んでもよいし、半導体層を含んでもよいし、導体層を含んでもよいし、絶縁層と半導体層と導体層とのうちの2以上を含んでもよい。
絶縁層は、例えば、シリコン酸化膜又はシリコン窒化膜である。半導体層は、例えば、ポリシリコン膜又はアモルファスシリコン膜である。導体層は、例えば、金属膜である。金属膜は、例えば、チタン、タングステン、銅、及び、アルミニウムのうちの少なくとも1つを含む膜である。
図2及び図4(a)に示すように、まず、薬液供給工程において、薬液ノズル14は、基板Wの上面に薬液27を供給する。その結果、基板Wが薬液27によって処理される。
次に、図2及び図4(b)に示すように、懸濁液供給工程において、懸濁液ノズル17は、基板Wの上面に懸濁液25を供給する。その結果、基板Wの上面には、懸濁液25の液膜26が形成される。懸濁液25は、純水251と複数の昇華性粒子252(多数の昇華性粒子252)とが混在した物質である。懸濁液25において、複数の昇華性粒子252が純水251中に分散している。昇華性粒子252は、基板Wを乾燥させる際に構造物23が倒壊することを抑制する。この点の詳細は後述する。
昇華性粒子252の粒径(サイズ)は、互いに隣り合う構造物23と構造物23との間隔Gよりも小さい。従って、実施形態1によれば、構造物23と構造物23との間に昇華性粒子252を容易に進入させることができる。
昇華性粒子252の粒径(サイズ)は、例えば、数nm以上数十nm以下である。例えば、昇華性粒子252の粒径は、20nmである。
懸濁液25における昇華性粒子252の密度は、例えば、体積分率0.1以上0.9以下である。懸濁液25における昇華性粒子252の密度は、例えば、純水排除工程(図4(c))の完了時に、昇華性粒子252が構造物23と構造物23との間の空間SPの「M/10」以上を占めることの可能な値である。Mは実数である。Mは、例えば、「1」であり、「2」が好ましく、「3」が更に好ましく、「4」が更に好ましく、「5」が更に好ましく、「6」が更に好ましく、「7」が更に好ましく、「8」が更に好ましく、「9」が更に好ましく、「10」が最も好ましい。純水排除工程(図4(c))の完了時に、構造物23と構造物23との間の空間SPを占める昇華性粒子252が多いほど、効果的に構造物23の倒壊を抑制できるからである。この点の詳細は後述する。
次に、図4(c)に示すように、純水排除工程において、互いに隣り合う構造物23と構造物23との間に昇華性粒子252が残留するように、基板Wの上面から純水251を排除(除去)する。この場合、図3(b)に示す領域262において純水251が気化することによって、純水251(懸濁液25)の液面251aが下降している。そして、互いに隣り合う構造物23と構造物23との間に昇華性粒子252が残留している。従って、実施形態1によれば、基板Wから純水251を排除する際に、昇華性粒子252が構造物23を支持する。その結果、純水251の表面張力によって構造物23が倒壊することを抑制できる。
具体的には、少なくとも構造物23と構造物23との間の純水251が気化(除去)される期間(以下、「期間T」と記載する。)では、基板WのうちパターンPTが形成された領域全体にわたって、構造物23と構造物23との間に複数の昇華性粒子252が堆積している。換言すれば、少なくとも期間Tでは、構造物23と構造物23との間に複数の昇華性粒子252が敷き詰められている。更に換言すれば、少なくとも期間Tでは、構造物23と構造物23との間に複数の昇華性粒子252が充填されている。従って、複数の構造物23が複数の昇華性粒子252によって支持されている。その結果、基板Wから純水251を排除する際に、純水251の表面張力によって構造物23が倒壊することを抑制できる。
特に、実施形態1では、図4(b)に示すように、懸濁液25を基板Wの上面に供給する。この段階で既に、昇華性粒子252は、構造物23と構造物23との間に進入している。そして、図4(c)に示すように、懸濁液25から純水251を排除する。この場合、純水251(懸濁液25)の液面251aの下降によって、昇華性粒子252がパターンPTに向かって押し下げられる。その結果、基板WのパターンPTを構成する構造物23の倒壊を抑制するための昇華性粒子252を、構造物23と構造物23との間に容易に進入及び堆積させることができる。つまり、純水251によって、構造物23と構造物23との間に昇華性粒子252を容易に進入及び堆積させることができる。
具体的には、純水排除工程では、スピンモーター13は、スピンベース121を回転させることで、懸濁液25の液膜26が形成された基板Wを回転させる。つまり、純水排除工程では、懸濁液25の供給を停止した状態で基板Wを回転させることで、基板Wから純水251を排除する。従って、実施形態1によれば、簡素な構成によって基板Wから純水251を容易に排除できる。
また、一例として、純水排除工程の実行時間は、所定工程(以下、「所定工程ST」と記載する。)の実行時間よりも長い。所定工程STは、昇華性粒子252の混在しない純水を、回転によって基板から振り切る工程を示す。純水排除工程の実行時間が所定工程STの実行時間よりも長い理由は、純水251には昇華性粒子252が混在しているため、昇華性粒子が混在しない純水と比較して、純水251の排除に時間を要するからである。純水排除工程の実行時間が所定工程STの実行時間よりも長いと、より確実に基板Wから純水を排除できる。「所定工程ST」は、例えば、リンス工程(リンス液供給工程)であり、純水はリンス液として使用される。「リンス工程(リンス液供給工程)」は、薬液、薬液による処理後副産物、及び/又は、異物を、基板Wから洗い流す工程を示す。
具体的には、純水排除工程では、図2に示す制御部21が、純水排除制御を実行する。純水排除制御は、互いに隣り合う構造物23と構造物23との間に昇華性粒子252を残留させつつ、基板Wの上面から純水251を排除する制御を示す。この場合、制御部21は、スピンチャック12を回転するようにスピンモーター13を制御する。その結果、基板Wが回転する。この例では、純水排除制御は、スピンモーター13によって基板Wを回転させる制御を示す。そして、一例として、純水排除制御の実行時間は、所定工程STの実行時間よりも長い。
ここで、純水排除工程では、昇華性粒子252が構造物23と構造物23との間の空間SPの「M/10」以上を占めるように、昇華性粒子252を空間SPに残留させる。Mは実数である。Mは、例えば、「1」であり、「2」が好ましく、「3」が更に好ましく、「4」が更に好ましく、「5」が更に好ましく、「6」が更に好ましく、「7」が更に好ましく、「8」が更に好ましく、「9」が更に好ましく、「10」が最も好ましい。
次に、図5(a)に示すように、純水排除工程が完了すると、純水251が排除されて、互いに隣り合う構造物23と構造物23との間に昇華性粒子252が残留している。図5(a)の例では、構造物23と構造物23との間に複数の昇華性粒子252が堆積している。換言すれば、構造物23と構造物23との間に複数の昇華性粒子252が敷き詰められている。更に換言すれば、構造物23と構造物23との間に複数の昇華性粒子252が充填されている。
次に、図1及び図5(b)に示すように、粒子昇華工程において、構造物23と構造物23との間に残留した昇華性粒子252を昇華させる。つまり、構造物23と構造物23との間に堆積した昇華性粒子252を昇華させる。その結果、実施形態1では、基板Wの乾燥状態を維持したまま、基板Wから昇華性粒子252を除去できる。
次に、図5(c)に示すように、粒子昇華工程が完了すると、互いに隣り合う構造物23と構造物23との間から昇華性粒子252が除去されている。
以上、図4及び図5を参照して説明したように、実施形態1に係る基板処理装置100及び基板処理方法よれば、純水251と複数の昇華性粒子252とが混在した懸濁液25を基板Wの上面に供給する。そして、互いに隣り合う構造物23と構造物23との間に昇華性粒子252が残留(堆積)するように、基板Wの上面から純水251を排除する。従って、基板Wから純水251を排除する際に、昇華性粒子252が構造物23を支持する。その結果、純水251の表面張力によって構造物23が倒壊することを抑制できる。そして、構造物23と構造物23との間に残留(堆積)した昇華性粒子252を昇華させて、基板Wの乾燥を完了する。このように、基板Wを乾燥する際に、IPA等の有機溶剤を使用することなく、基板WのパターンPTを構成する構造物23の倒壊を抑制することができる。
特に、実施形態1では、基板Wを乾燥する際にIPA等の有機溶剤を使用していないため、微量金属による基板Wの金属汚染を防止できる。例えば、基板Wの上面内で、1E8(atoms/cm2)未満の金属汚染レベルを容易に実現できる。従って、基板Wから得られるデバイスの品質および信頼性を向上させることができる。例えば、基板Wからイメージセンサーを作製する場合、イメージセンサーのカラーフィルター部周辺にあるディープトレンチの乾燥においても、微量金属に起因する白傷と呼ばれる画素欠陥の発生を防止できる。
また、基板Wを乾燥する際にIPA等の有機溶剤を使用していないため、地球環境への負荷を低減できる。
ここで、図1、図2、図6及び図7を参照して、基板WのパターンPTの他の例を説明する。図6(a)は、薬液供給工程において、薬液27が基板WのパターンPTを覆っている状態を示す図である。図6(b)は、懸濁液供給工程において、懸濁液25が基板WのパターンPTを覆っている状態を示す図である。図6(c)は、純水排除工程において、懸濁液25から純水251が減少し、パターンPTを構成する構造物23間に昇華性粒子252が堆積している状態を示す図である。図7(a)は、純水排除工程の完了後において、懸濁液25から純水251が除去され、基板WのパターンPTを構成する構造物23間に昇華性粒子252が堆積している状態を示す図である。図7(b)は、粒子昇華工程において、構造物23間からの昇華性粒子252の昇華中の状態を示す図である。図7(c)は、粒子昇華工程の完了後において、昇華性粒子252が構造物23間から除去された状態を示す図である。以下、図4及び図5を参照して説明した内容と異なる点を主に説明する。
図6(a)に示すように、基板Wは、パターンPTを有する。パターンPTにおいて、複数の構造物23の各々は、構造体241と、複数の凸部242とを有する。
構造体241は、一例として、第1方向D1に沿って延びている。凸部242は、構造体241から第2方向D2に沿って突出する。複数の凸部242は、第1方向D1に間隔をあけて形成されている。従って、第2方向D2に互いに対向する凸部242と凸部242との間には空間SPXが存在する。なお、図6(a)は、構造物23を模式化して示しているに過ぎず、構造物23は、基板Wの使用目的に応じた任意の形状及び構成をとり得る。
図2及び図6(a)に示すように、まず、薬液供給工程において、薬液ノズル14は、基板Wの上面に薬液27を供給する。その結果、基板Wが薬液27によって処理される。
次に、図2及び図6(b)に示すように、懸濁液供給工程において、懸濁液ノズル17は、基板Wの上面に懸濁液25を供給する。その結果、基板Wの上面には、懸濁液25の液膜26が形成される。
昇華性粒子252の粒径(サイズ)は、互いに隣り合う構造物23と構造物23との間隔Gよりも小さい。従って、懸濁液供給工程において、構造物23と構造物23との間に昇華性粒子252が進入している。間隔Gは、例えば、第1方向D1に互いに隣り合う構造物23と構造物23とにおいて最も近接する部分の間隔を示す。
次に、図6(c)に示すように、純水排除工程において、互いに隣り合う構造物23と構造物23との間に昇華性粒子252が残留するように、基板Wの上面から純水251を排除(除去)する。例えば、純水排除工程では、懸濁液25の供給を停止した状態で基板Wを回転させることで、基板Wから純水251を排除(除去)する。
純水排除工程では、図3(b)に示す領域262において純水251が気化することによって、純水251(懸濁液25)の液面251aが下降する。そして、第1方向D1に互いに隣り合う構造物23と構造物23との間に昇華性粒子252が残留する。また、第2方向D2に隣り合う凸部242と凸部242との間にも、昇華性粒子252が残留する。従って、実施形態1によれば、基板Wから純水251を排除する際に、昇華性粒子252は、構造体241だけでなく、凸部242も支持する。その結果、純水251の表面張力によって構造体241及び凸部242が倒壊することを抑制できる。
具体的には、少なくとも構造物23と構造物23との間の純水251が気化(除去)される期間Tでは、基板WのうちパターンPTが形成された領域全体にわたって、第1方向D1に隣り合う構造物23と構造物23との間に複数の昇華性粒子252が堆積しているとともに、第2方向D2に隣り合う凸部242と凸部242との間に複数の昇華性粒子252が充填されている。換言すれば、少なくとも期間Tでは、構造物23と構造物23との間、及び、凸部242と凸部242との間に、複数の昇華性粒子252が敷き詰められている。従って、構造物23の構造体241及び凸部242が複数の昇華性粒子252によって支持されている。その結果、基板Wから純水251を排除する際に、純水251の表面張力によって構造体241及び凸部242が倒壊することを抑制できる。
特に、実施形態1では、図6(b)に示すように、懸濁液25を基板Wの上面に供給する。この段階で既に、昇華性粒子252は、第1方向D1に隣り合う構造物23と構造物23との間、及び、第2方向D2に隣り合う凸部242と凸部242との間に進入している。そして、図6(c)に示すように、懸濁液25から純水251を排除する。この場合、純水251(懸濁液25)の液面251aの下降によって、昇華性粒子252がパターンPTに向かって押し下げられる。その結果、昇華性粒子252を、構造物23と構造物23との間に昇華性粒子252を容易に進入及び堆積させることができるとともに、凸部242と凸部242との間に昇華性粒子252を容易に進入及び充填させることができる。
次に、図7(a)に示すように、純水排除工程が完了すると、純水251が排除されて、第1方向D1に隣り合う構造物23と構造物23との間、及び、第2方向D2に隣り合う凸部242と凸部242との間に昇華性粒子252が残留している。図7(a)の例では、構造物23と構造物23との間に複数の昇華性粒子252が堆積しているとともに、凸部242と凸部242との間に複数の昇華性粒子252が充填されている。換言すれば、構造物23と構造物23との間、及び、凸部242と凸部242との間に、複数の昇華性粒子252が敷き詰められている。
次に、図1及び図7(b)に示すように、粒子昇華工程において、パターンPTを構成する構造物23と構造物23との間、及び、凸部242と凸部242との間に残留した昇華性粒子252を昇華させる。その結果、実施形態1では、基板Wの乾燥状態を維持したまま、基板Wから昇華性粒子252を除去できる。
次に、図7(c)に示すように、粒子昇華工程が完了すると、構造物23と構造物23との間、及び、凸部242と凸部242との間から昇華性粒子252が除去されている。
以上、図4~図7を参照して説明したように、懸濁液供給工程、純水排除工程、及び、粒子昇華工程によって、有機溶剤を使用することなく、基板WのパターンPTを構成する構造物23の倒壊を抑制しつつ、薬液27による処理後の基板Wを乾燥できる。
次に、図1、図2、及び、図8を参照して、実施形態1に係る基板処理方法を説明する。基板処理装置100が基板処理方法を実行する。基板処理方法においては、複数の構造物23を含むパターンPTを有する基板Wが処理される。図8は、基板処理方法を示すフローチャートである。図8に示すように、基板処理方法は、工程S1~工程S6を含む。工程S1~工程S6は、制御部21による制御に従って実行される。
図1、図2、及び、図8に示すように、工程S1において、センターロボットCRは、基板Wを処理ユニット1に搬入する。そして、処理ユニット1において、スピンチャック12は基板Wを保持する。更に、スピンモーター13は、スピンチャック12を回転させることで、基板Wを回転させる。
次に、工程S2において、薬液ノズル14は、薬液27を、回転中の基板Wの上面に供給する。薬液ノズル14は、所定の薬液供給期間において薬液27の供給を実行すると、薬液27の供給を停止する。工程S2は、本発明の「薬液供給工程」の一例に相当する。
次に、工程S3において、懸濁液ノズル17は、懸濁液25を、回転中の基板Wの上面に供給することで、懸濁液25の液膜26を基板Wの上面に形成する。懸濁液ノズル17は、所定の懸濁液供給期間において懸濁液25の供給を実行すると、懸濁液25の供給を停止する。工程S3は、本発明の「懸濁液供給工程」の一例に相当する。
特に、懸濁液25は純水251を含むため、工程S3がリンス工程としても機能する。なぜなら、純水251によって薬液27が洗い流されるからである。従って、この場合、リンス工程を省略できるため、基板Wを処理する際の工数を削減できる。
次に、工程S4において、基板Wにおいて互いに隣り合う構造物23と構造物23との間に昇華性粒子252が残留するように、基板Wの上面から純水251を排除する。つまり、工程S4において、制御部21は純水排除制御を実行する。工程S4は、例えば、所定の純水排除期間において実行される。工程S4は、本発明の「純水排除工程」の一例に相当する。
具体的には、工程S4においても、スピンモーター13は、スピンチャック12及び基板Wを、工程S3から継続して回転させている。つまり、スピンモーター13は、液膜26の形成された基板Wを回転させることで、基板Wから純水251を排除する。この場合、図3(b)の領域261の範囲では、遠心力による懸濁液25の流動によって、基板Wから懸濁液25が排除される。そして、図3(b)の領域262の範囲では、懸濁液25を構成する純水251が気化することによって、基板Wから純水251が排除される。この場合、少なくとも純水251が構造物23と構造物23との間から気化する期間Tでは、構造物23と構造物23との間に昇華性粒子252が残留する。つまり、構造物23と構造物23との間に昇華性粒子252が堆積する。その結果、実施形態1によれば、昇華性粒子252によって構造物23が支持されるため、純水251の表面張力による構造物23の倒壊を抑制できる。また、実施形態1では、純水251によって、昇華性粒子252を構造物23と構造物23との間に容易に進入させることができる。
工程S4での基板Wの回転速度は、例えば、工程S2及び工程S3での基板Wの回転速度よりも大きい。回転速度は、例えば、単位時間当たりの基板Wの回転数を示す。工程S4での基板Wの回転速度は、例えば、実験的及び/又は経験的に定められる。
次に、工程S5において、基板Wの構造物23と構造物23との間に残留した昇華性粒子252を昇華させる。具体的には、工程S5においても、スピンモーター13は、スピンチャック12及び基板Wを、工程S4から継続して回転させている。つまり、スピンモーター13は、基板Wを回転させることで、昇華性粒子252の昇華を促進する。なお、基板Wの停止状態において、昇華性粒子252を自然昇華させてもよい。
工程S5での基板Wの回転速度は、例えば、工程S4での基板Wの回転速度と同じである。ただし、工程S5での基板Wの回転速度は、工程S4での基板Wの回転速度よりも大きくてもよいし、小さくてもよい。工程S5での基板Wの回転速度は、例えば、実験的及び/又は経験的に定められる。
スピンモーター13は、工程S5を第1所定期間実行すると、スピンチャック12の回転を停止させることで、基板Wの回転を停止させる。なお、スピンモーター13は、工程S4から工程S5までを第2所定期間実行すると、スピンチャック12の回転を停止させることで、基板Wの回転を停止させてもよい。なお、第1所定期間及び第2所定期間は、例えば、実験的及び/又は経験的に定められる。
次に、工程S6において、センターロボットCRは、基板Wを処理ユニット1から搬出する。そして、基板処理方法は終了する。
以上、図8を参照して説明したように、実施形態1に係る基板処理方法によれば、工程S3、工程S4、及び、工程S5を実行することで、薬液27による処理後の基板Wを乾燥する際に、IPA等の有機溶剤を使用することなく、基板WのパターンPTを構成する構造物23の倒壊を抑制することができる。
(変形例)
本発明の実施形態1の変形例を説明する。変形例では、懸濁液がpH調整剤を含有する点で、図1~図8を参照して説明した実施形態1と主に異なる。以下、変形例が実施形態1と異なる点を主に説明する。
変形例では、懸濁液ノズル17が基板Wに供給する懸濁液は、pH調整剤を含有する。pH調整剤は、懸濁液の水素イオン指数(pH)を調整する。
変形例の第1例では、懸濁液は、pH調整剤によって、アルカリ性を示す。好ましくは、懸濁液の水素イオン指数は、9以上である。この好ましい例によれば、マイナス電荷の粒子同士が反発するため、懸濁液中の昇華性粒子が凝集することを抑制できる。従って、昇華性粒子は、基板Wの構造物23と構造物23との間に円滑に進入できる。その結果、基板Wを乾燥する際に、より効果的に、構造物23の倒壊を抑制できる。第1例では、pH調整剤は、塩基である。塩基は、例えば、アンモニアである。
変形例の第2例では、懸濁液は、pH調整剤によって、酸性を示す。好ましくは、懸濁液の水素イオン指数は、4以下である。この好ましい例によれば、プラス電荷の粒子同士が反発するため、懸濁液中の昇華性粒子が凝集することを抑制できる。従って、昇華性粒子は、基板Wの構造物23と構造物23との間に円滑に進入できる。その結果、基板Wを乾燥する際に、より効果的に、構造物23の倒壊を抑制できる。第2例では、pH調整剤は、酸である。酸は、例えば、塩酸である。
(実施形態2)
図9及び図10を参照して、本発明の実施形態2に係る基板処理装置100を説明する。実施形態2に係る基板処理装置100が懸濁液供給工程の前にリンス液供給工程を実行する点で、実施形態2は実施形態1と主に異なる。その他、実施形態2に係る基板処理装置100の全体構成は、図1を参照して説明した実施形態1に係る基板処理装置100の全体構成と同様である。以下、実施形態2が実施形態1と異なる点を主に説明する。
図9は、実施形態2に係る処理ユニット1の内部を示す側面図である。図9に示すように、実施形態2に係る処理ユニット1は、図2に示す実施形態1に係る処理ユニット1の構成に加えて、リンス液ノズル31と、不活性ガス供給ユニット41と、ユニット動作部42とを含む。また、実施形態2に係る基板処理装置100は、図1に示す実施形態1に係る基板処理装置100の構成に加えて、配管43及びバルブ44を備える。チャンバー11は、リンス液ノズル31、不活性ガス供給ユニット41、ユニット動作部42、配管32の一部、及び、配管43の一部を収容する。
リンス液ノズル31は、リンス液を基板Wの上面に供給する。具体的には、配管32がリンス液ノズル31にリンス液を供給する。バルブ33は、配管32に配置される。そして、バルブ33は、配管32の流路を開閉し、リンス液ノズル31に対するリンス液の供給と供給停止とを切り替える。バルブ33が配管32の流路を開放すると、リンス液ノズル31は、リンス液を基板Wに向けて供給する。リンス液は、純水である。リンス液ノズル31は、本発明の「リンス液供給部」の一例に相当する。
なお、例えば、ノズル移動部15と同様の構成のノズル移動部(不図示)によって、リンス液ノズル31を昇降したり、リンス液ノズル31を水平回動させたりすることもできる。
不活性ガス供給ユニット41は、不活性ガスを基板Wに供給する。具体的には、不活性ガス供給ユニット41は、スピンチャック12の上方に位置する。不活性ガス供給ユニット41は、遮断板411と、支軸413と、ガスノズル415とを含む。
遮断板411は、例えば、略円板状である。遮断板411は、遮断板411の下面が略水平になるように配置されている。さらに、遮断板411は、遮断板411の中心軸線が回転軸線AX上に位置するように配置されている。遮断板411の下面は、スピンチャック12に保持された基板Wに対向している。遮断板411は、水平な姿勢で支軸413の下端に連結されている。
ユニット動作部42は、近接位置と退避位置との間で、不活性ガス供給ユニット41を上昇又は下降させる。近接位置は、遮断板411が下降して基板Wの上面に所定間隔をあけて近接する位置を示す。近接位置では、遮断板411は、基板Wの表面を覆って、基板Wの表面の上方を遮断する。つまり、近接位置では、遮断板411は、基板Wの表面と対向して、基板Wの表面の上方を覆う。退避位置は、近接位置よりも上方であって、遮断板411が上昇して基板Wから離隔している位置を示す。図9では、遮断板411は退避位置に位置する。また、ユニット動作部42は、近接位置において、不活性ガス供給ユニット41を回転させる。例えば、ユニット動作部42は、ボールねじ機構と、ボールねじ機構に駆動力を与える昇降モーター(例えば、サーボモーター)とを含む。例えば、ユニット動作部42は、モーターと、モーターの回転を不活性ガス供給ユニット41に伝達する伝達機構とを含む。
不活性ガス供給ユニット41のガスノズル415は、遮断板411および支軸413の内部に配置される。ガスノズル415の先端は遮断板411の下面から露出している。
ガスノズル415は、基板Wの上面に不活性ガスを供給する。具体的には、配管43がガスノズル415に不活性ガスを供給する。バルブ44は、配管43に配置される。そして、バルブ44は、配管43の流路を開閉し、ガスノズル415に対する不活性ガスの供給と供給停止とを切り替える。不活性ガス供給ユニット41が近接位置に位置するときに、バルブ44が配管43の流路を開放すると、ガスノズル415は、不活性ガスを基板Wの上面に向けて供給する。不活性ガスは、例えば、窒素、又は、アルゴンである。ガスノズル415は、本発明の「不活性ガス供給部」の一例に相当する。
なお、不活性ガス供給ユニット41は、少なくともガスノズル415を有していればよく、遮断板411及び支軸413を有していなくてもよい。
次に、図1、図9、及び、図10を参照して、実施形態2に係る基板処理方法を説明する。図10は、基板処理方法を示すフローチャートである。図10に示すように、基板処理方法は、工程S11~工程S18を含む。工程S11~工程S18は、制御部21による制御に従って実行される。
図1、図9、及び、図10に示すように、工程S11において、センターロボットCRは、基板Wを処理ユニット1に搬入する。その他、工程S11は、図8の工程S1と同様である。
次に、工程S12において、薬液ノズル14は、薬液27を、回転中の基板Wの上面に供給する。つまり、工程S13及び工程S14よりも前において、薬液ノズル14は、薬液27を、回転中の基板Wの上面に供給する。その他、工程S12は、図8の工程S2と同様である。工程S12は、本発明の「薬液供給工程」の一例に相当する。
次に、工程S13において、リンス液ノズル31は、リンス液を、回転中の基板Wの上面に供給することで、基板Wから薬液27を洗い流す。つまり、工程S12の次に、リンス液ノズル31は、リンス液を、回転中の基板Wの上面に供給することで、基板Wから薬液27を洗い流す。リンス液ノズル31は、所定のリンス液供給期間においてリンス液の供給を実行すると、リンス液の供給を停止する。工程S13は、本発明の「リンス液供給工程」の一例に相当する。
次に、工程S14において、懸濁液ノズル17は、回転中の基板Wの上面に懸濁液25を供給する。具体的には、懸濁液ノズル17は、懸濁液25を、回転中の基板Wの上面に供給することで、懸濁液25の液膜26を基板Wの上面に形成する。つまり、工程S14は工程S13の次に実行される。その他、工程S14は、図8の工程S3と同様である。工程S14は、本発明の「懸濁液供給工程」の一例に相当する。
特に、懸濁液25が純水251を含むため、工程S13と相俟って、より効果的に基板Wから薬液27を排出できる。
なお、実施形態2においても、懸濁液25は、実施形態1の変形例に係るpH調整剤を含有していてもよい。
次に、工程S15において、基板Wにおいて互いに隣り合う構造物23と構造物23との間に昇華性粒子252が残留するように、基板Wの上面から純水251を排除する。つまり、工程S15において、制御部21は純水排除制御を実行する。その他、工程S15は、図8の工程S4と同様である。工程S15は、本発明の「純水排除工程」の一例に相当する。
次に、工程S16と並行して工程S17が実行される。
すなわち、工程S16において、基板Wの構造物23と構造物23との間に残留した昇華性粒子252を昇華させる。その他、工程S16は、図8の工程S5と同様である。工程S16は、本発明の「粒子昇華工程」の一例に相当する。
一方、工程S17において、ガスノズル415は、回転中の基板Wの上面に不活性ガスを供給する。その結果、実施形態2によれば、昇華性粒子252の昇華をより促進できる。ガスノズル415は、所定の不活性ガス供給期間(例えば、第1所定期間)において不活性ガスの供給を実行すると、不活性ガスの供給を停止する。工程S17は、本発明の「不活性ガス供給工程」の一例に相当する。
なお、工程S17は、工程S15と並行して開始されてもよい。つまり、ガスノズル415は、工程S15及び工程S16の実行期間中、不活性ガスを基板Wの上面に供給してもよい。この場合、純水251の排除及び昇華性粒子252の昇華を、より促進できる。
次に、工程S18において、センターロボットCRは、基板Wを処理ユニット1から搬出する。そして、基板処理方法は終了する。
以上、図10を参照して説明したように、実施形態2に係る基板処理方法によれば、工程S12~工程S16を実行することで、薬液27による処理後の基板Wを乾燥する際に、IPA等の有機溶剤を使用することなく、基板WのパターンPTを構成する構造物23の倒壊を抑制することができる。なお、基板処理方法は、工程S13又は工程S17を含まなくてもよい。
次に、本発明が実施例に基づき具体的に説明されるが、本発明は以下の実施例によって限定されない。
図11を参照して、本発明の実施例1~3及び比較例を説明する。実施例1~3及び比較例では、1cm×1cmの正方形状のクーポン試料を使用した。クーポン試料は、シリコンであった。クーポン試料の上面には、多数のピラーを形成した。ピラーのアスペクト比AR(=H/L、図4(a))は、19~20であった。また、ピラーの高さHは約530nmであり、ピラーの幅Lは約27nmであった。ピラー同士の間隔Gは約56nmであった。
実施例1~3では、クーポン試料の上面に懸濁液の液膜を形成した。液膜の厚みt1は約1mm~2mmであった。懸濁液は、シクロヘキサノンオキシムがDIW中に分散した分散系であった。つまり、分散質である昇華性粒子として、シクロヘキサノンオキシムを使用した。また、分散媒である純水として、DIWを使用した。懸濁液におけるシクロヘキサノンオキシムの密度は、体積分率0.10%~3.12%であった。懸濁液は、IPA等の有機溶剤を含有しなかった。
そして、実施例1~3では、懸濁液の液膜が形成されたクーポン試料を放置することで、クーポン試料を乾燥させた。つまり、懸濁液に含有されるDIWを自然乾燥させるとともに、懸濁液に含有されるシクロヘキサノンオキシムを自然昇華させた。そして、乾燥後のクーポン試料をSEM(走査型電子顕微鏡)によって観察した。
一方、比較例では、クーポン試料の上面にDIWの液膜を形成した。DIWには、シクロヘキサノンオキシムは含有されなかった。また、DIWは、IPA等の有機溶剤を含有しなかった。そして、DIWの液膜が形成されたクーポン試料を放置することで、クーポン試料を乾燥させた。つまり、DIWを自然乾燥させた。乾燥後のクーポン試料をSEMによって観察した。
図11(a)は、比較例に係るクーポン試料の乾燥後の状態を示す写真である。図11(b)~(d)は、本発明の実施例1~3に係るクーポン試料の乾燥後の状態を示す写真である。図11(a)~図11(d)において、白色の斑点は、ピラーが倒壊している状態を示し、黒色(濃い灰色)の領域はピラーが倒壊していない状態を示した。
図11(a)に示すように、比較例では、クーポン試料の全域にわたって白色の斑点が存在した。つまり、比較例では、クーポン試料の全域にわたってピラーが倒壊していた。
一方、図11(b)~図11(d)に示すように、実施例1~3では、クーポン試料において部分的に黒色(濃い灰色)の領域が観察された。つまり、実施例1~3では、クーポン試料において、部分的ではあるが、ピラーが倒壊していなかった。よって、クーポン試料を乾燥させる際に、懸濁液(シクロヘキサノンオキシムが分散したDIW)を使用することで、ピラーの倒壊を抑制できることが確認できた。すなわち、基板Wを乾燥させる際に、IPA等の有機溶剤を使用することなく、懸濁液を使用することで、基板Wの構造物23の倒壊を抑制できることが推測できた。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、または、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
また、図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
本発明は、基板処理方法及び基板処理装置に関するものであり、産業上の利用可能性を有する。
12 スピンチャック(基板保持部)
13 スピンモーター(基板回転部)
17 懸濁液ノズル(懸濁液供給部)
100 基板処理装置
W 基板

Claims (6)

  1. 複数の構造物を含むパターンを有する基板を処理する基板処理方法であって、
    純水と複数の昇華性粒子とが混在した懸濁液を、前記基板の上面に供給することで、前記懸濁液の液膜を前記基板の上面に形成する懸濁液供給工程と、
    互いに隣り合う前記構造物と前記構造物との間に前記昇華性粒子が残留するように、前記基板の上面から前記純水を排除する純水排除工程と、
    前記構造物と前記構造物との間に残留した前記昇華性粒子を昇華させる粒子昇華工程と
    を含む、基板処理方法。
  2. 前記懸濁液の水素イオン指数は、4以下又は9以上である、請求項1に記載の基板処理方法。
  3. 前記粒子昇華工程と並行して、前記基板の上面に不活性ガスを供給する不活性ガス供給工程を更に含む、請求項1又は請求項2に記載の基板処理方法。
  4. 前記懸濁液供給工程よりも前において、薬液を前記基板の上面に供給する薬液供給工程と、
    前記薬液供給工程の次に、リンス液を前記基板の上面に供給することで、前記薬液を洗い流すリンス液供給工程と
    を更に含み、
    前記懸濁液供給工程は、前記リンス液供給工程の次に実行され、
    前記純水排除工程では、前記基板を回転させることで、前記基板から前記純水を排除する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の基板処理方法。
  5. 前記昇華性粒子は、シクロヘキサノンオキシム、樟脳、ナフタレン、P-クレゾール、1,4-ベンゾキノン、2-クロロナフタレン、4-ニトロトルエン、ジフェニルエーテル、又は、2,6-ジニトロトルエンである、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の基板処理方法。
  6. 複数の構造物を含むパターンを有する基板を処理する基板処理装置であって、
    前記基板を保持する基板保持部と、
    純水と複数の昇華性粒子とが混在した懸濁液を、前記基板の上面に供給することで、前記懸濁液の液膜を前記基板の上面に形成する懸濁液供給部と、
    前記基板保持部を回転させることで、前記液膜が形成された前記基板を回転させる基板回転部と
    を備える、基板処理装置。
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