JP2023020481A - 水洗大便器 - Google Patents

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【課題】機能部の小型化と被水防止性能とを両立させることができる水洗大便器を提供する。【解決手段】本発明の水洗大便器1は、便器本体4と、この便器本体に設けられた機能部6と、を有し、機能部は、便器本体に対して固定された基部48と、この基部に設けられた防水区域を含む開口部54bと、基部に配置された電装部を含む作動部36と、この作動部の操作又は機能部以外の操作を可能にする操作部50,52と、開口部の上方を開閉可能に覆う上側カバー部材56と、備えており、開口部は、操作部と電装部36とを隔離するように設けられた周壁部54aを備えており、この周壁部は、操作部の周囲に対して離間して設けられて操作部を配置可能にする防水区域A1を形成しており、機能部は、さらに、機能部の外部と連通して水抜きを可能にする水抜き開口部58を備えている。【選択図】図7

Description

本発明は、水洗大便器に係り、特に、洗浄水により洗浄されて汚物を排出する水洗大便器に関する。
従来から、洗浄水により洗浄されて汚物を排出する水洗大便器として、例えば、特許文献1、2に記載されているように、陶器製の便器本体のボウル部及び排水トラップ部のそれぞれの側面よりも外側に形成されたスカート部が便器本体の全周に亘って形成されている、いわゆる、「フルスカート型」又は「総袴型」と呼ばれる水洗大便器が知られている。
このような従来の「フルスカート型」又は「総袴型」の水洗大便器においては、便器本体のボウル部への洗浄水の吐止水を制御する機能を含む機能部が設けられており、この機能部は、便器本体のボウル部よりも後方側の収納領域に収納されている。
また、上述した特許文献1に記載されている従来の水洗大便器においては、機能部が、停電対応時に給水弁の開閉操作を可能にする停電対応用の手動レバーと、この手動レバーを含む機能部全体の上方を覆うカバー部材とを備えている。停電時において、機能部の上方を覆うカバー部材を取り外した状態で停電対応用の手動レバーを操作することにより、手動で給水弁を開閉することができ、給水源から機能部に供給される洗浄水が便器本体側に給止水可能となっている。
また、このような特許文献1に記載されている従来の水洗大便器においては、機能部全体の上方がカバー部材によって覆われている状態では、機能部が収納される領域は防水区域となっている。
しかしながら、カバー部材を取り外した状態で機能部が被水した場合や、カバー部材によって覆われている機能部の開口部から水が浸入した場合には、水が浸入しても影響のない部材の間や隙間等を通り、便器本体側に排出されるようになっている。
同様に、上述した特許文献2に記載されている従来の水洗大便器においても、機能部が、停電対応ユニットと、この停電対応ユニットを含む機能部全体の上方を覆うカバー部材とを備えている。停電時において、機能部の上方を覆うカバー部材を取り外した状態で停電対応ユニットを操作することにより、便器本体のボウル部への洗浄水の供給を可能にしている。
特開2020-169537号公報 特開2014-163186号公報
ここで、従来の水洗大便器の機能部には、湿気や結露に対して脆弱な電気部品が設けられているため、停電対応時等において、カバー部材を取り外して機能部の上方を開放させた状態では、電気部品が被水するおそれがある。
よって、このようなリスクを軽減するために、電気部品に隣接する停電操作の操作部が配置される領域やその周辺部等に対して、防水壁を設けた防水区域とする工夫がなされている。
しかしながら、このような防水区域であっても、機能部に対して多量の水が被水することにより防水区域に水が溜まってしまった場合には、その後、防水区域内の水が漏出し、電気部品への被水や浸水が生じるおそれがあるという問題がある。
また、このような被水した水を蒸発するまで溜めておく場所や逃がす場所等のスペースを設けることは、機能部全体の大型化にもつながるため、機能部自体のスリム化や小型化に反し、機能部全体の大型化にもつながるため、機能部を収納する便器本体側の収納スペースのスリム化や小型化も難しくなるという問題もある。
したがって、機能部の小型化と被水防止性能とをいかに両立させるかが要請された課題ともなっている。
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題点や要請されている課題を解決するためになされたものであり、機能部の小型化と被水防止性能とを両立させることができる水洗大便器を提供すること目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明は、洗浄水により洗浄されて汚物を排出する水洗大便器であって、汚物を受けるボウル部を備えた便器本体と、この便器本体に設けられた機能部と、を有し、上記機能部は、上記便器本体に対して固定された基部と、この基部に設けられた防水区域を含む開口部と、上記基部に配置された電装部を含む作動部と、この作動部の操作又は上記機能部以外の操作を可能にする操作部と、上記開口部の上方を開閉可能に覆う上側カバー部材と、備えており、上記開口部は、上記操作部と上記電装部とを隔離するように設けられた周壁部を備えており、この周壁部は、上記操作部の周囲に対して離間して設けられて上記操作部を配置可能にする上記防水区域を形成しており、上記機能部は、さらに、上記機能部の外部と連通して水抜きを可能にする水抜き開口部を備えていることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、機能部の基部には、防水区域を含む開口部が設けられており、この開口部が、操作部と作動部の電装部とを隔離する周壁部を備えているため、この周壁部により、操作部を配置可能な防水区域を設けることができた。
これにより、上側カバー部材により開口部の上方が開放された状態で、万一、この開口部の上方から防水区域内の操作部が被水したとしても、防水区域内の操作部と作動部の電装部とが周壁部により互いに隔離されているため、操作部における被水が防水区域を超えて電装部に及ぼす影響を抑制することができる。
また、万一、操作部への被水が防水区域内に溜まったとしても、機能部の外部と連通する水抜き開口部から機能部の外部へ確実に水抜きすることができるため、操作部の被水が防水区域を超えて電装部にまで及ぶことを防ぐことができる。これにより、電装部が被水して不具合が発生することも防ぐことができる。
さらに、機能部の基部の開口部の周辺部分や上側カバー部材において、被水した水を蒸発するまで溜めておく場所や逃がす場所等のスペースが不要となるため、機能部のスリム化や小型化を実現することができる。
これらの結果、機能部の小型化と被水防止性能とを両立させることができる。
本発明において、好ましくは、上記水抜き開口部は、上記防水区域に設けられた上記周壁部に配置されている。
このように構成された本発明においては、水抜き開口部が、機能部の基部の防水区域に設けられた周壁部に配置されていることにより、万一、操作部への被水が防水区域内に溜まったとしても、周壁部に配置された水抜き開口部から機能部の外部に確実に水抜きすることができる。
よって、操作部の被水が防水区域を超えて電装部にまで及ぶリスクを確実に低減させることができる。
本発明において、好ましくは、さらに、上記水抜き開口部の下方に凹状に形成され且つ上記防水区域内の水を上記水抜き開口部から上記機能部の外部へ誘導可能に設けられた誘導溝を有する。
このように構成された本発明においては、水抜き開口部の下方に凹状に形成された誘導溝により、操作部が被水した防水区域内の水は、水抜き開口部から水抜きされた後、水抜き開口部の下方の誘導溝から機能部の外部へ確実に誘導することができる。
本発明において、好ましくは、上記水抜き開口部は、上記電装部に対して離間するように上記便器本体の左右方向の中心に対して左右一方側に配置されている。
このように構成された本発明においては、水抜き開口部が、電装部に対して離間するように便器本体の左右方向の中心に対して左右一方側に配置されているため、水抜き開口部と電装部との距離を比較的大きく確保することができる。よって、水抜き開口部から水抜きされる水が電装部に被水することを確実に防ぐことができる。
また、機能部の基部の開口部の周辺部分の限られたスペースに水抜き開口部を配置することができるため、被水した水を蒸発するまで溜めておく場所や逃がす場所等のスペースを削減することができる。よって、機能部の基部の開口部の周辺部分のスリム化や機能部全体の小型化を実現することができる。
さらに、水抜き開口部から機能部の外部へ水抜きされた水を便器本体の左右方向の中心と干渉させることなく、便器本体又は機能部の外部に確実に排出することができる。
本発明において、好ましくは、上記水抜き開口部は、上記防水区域の底面を形成する上記基部に設けられ、この基部の水抜き開口部は、上記誘導溝を上方から覆うように設けられている。
このように構成された本発明においては、水抜き開口部が誘導溝を上方から覆うように設けられているため、水抜き開口部が水抜きされた水を逆流させることなく確実に誘導溝へ誘導することができる。
したがって、機能部の外部の誘導溝に誘導された水を便器本体の内部又は外部へ確実に排出することができる。
本発明において、好ましくは、さらに、上記便器本体に設けられて上記機能部を背面側から覆う背面側カバー部材を有し、上記誘導溝は、上記背面側カバー部材に設けられている。
このように構成された本発明においては、水抜き開口部から水抜きされた水を背面側カバー部材の誘導溝に誘導し、機能部の外部へ確実に排出した後、便器本体の内部又は外部へ排出させることができる。
また、機能部の外部に排出された水は、その後、便器本体の外部に排出された場合には、視認されやすくなるため、機能部側から便器本体の外部への漏水等に対しても迅速に対処することができる。
本発明の水洗大便器によれば、機能部の小型化と被水防止性能とを両立させることができる。
本発明の一実施形態による水洗大便器の全体構成図である。 本発明の一実施形態による水洗大便器の平面図である。 本発明の一実施形態による水洗大便器を後方かつ斜め上方から見た分解斜視図である。 本発明の一実施形態による水洗大便器の背面図である。 本発明の一実施形態による水洗大便器の後方部分を斜め上方から見た部分拡大斜視図である。 本発明の一実施形態による水洗大便器の洗浄水供給装置の内部構造を示す斜視図である。 図6のVII-VII線に沿った断面図である。 図6に示す本発明の一実施形態による水洗大便器の洗浄水供給装置における水抜き開口部付近を拡大した部分拡大斜視図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態による水洗大便器について説明する。
まず、図1~図3により、本発明の一実施形態による水洗大便器の全体構成について概略的に説明する。
図1は、本発明の一実施形態による水洗大便器の全体構成図である。また、図2は、本発明の一実施形態による水洗大便器の平面図である。さらに、図3は、本発明の一実施形態による水洗大便器を後方かつ斜め上方から見た分解斜視図である。また、本発明の一実施形態による水洗大便器の背面図である。
まず、図1~図4に示すように、本発明の一実施形態による水洗大便器1は、水道等の主給水源W0から供給された洗浄水が通水する給水路(主給水路2)と、陶器製の便器本体4と、洗浄水供給装置6と、を備えている。
つぎに、図1~図3に示すように、便器本体4は、汚物を受けるボウル部8と、このボウル部8の上縁に形成されるリム部10と、ボウル部8の底部から延びる排水トラップ部12と、を備えている。
また、図1~図4に示すように、洗浄水供給装置6は、詳細については後述するが、便器本体4のボウル部8よりも後方側に設けられており、主給水路2から供給された洗浄水を便器本体4に供給可能にする機能部である。この機能部は、より具体的には、電力により作動し、便器本体4のボウル部8への洗浄水の吐止水を制御する機能を含む。
つぎに、図2に示すように、便器本体4の左右一方側(便器本体4を前方側から見て右側)のリム部10の内部には、リム導水路14が形成されている。
このリム導水路14は、便器本体4の左右一方側(便器本体4を前方側から見て右側)のリム部10の内部において、便器本体4の後方側から前方に向かって延びた後、その途中から後方側に向かって屈曲する、いわゆる、Uターン形状となっている。また、このリム導水路14の下流端(下流側後端)には、リム吐水口14aが設けられている。
さらに、便器本体4のリム導水路14の上流側には、詳細は後述する洗浄水供給装置6のリム側給水路2aが接続されている。このリム側給水路2aからリム吐水口14aに供給された洗浄水は、リム吐水口14aから後方に向けてボウル部8内に吐出され、リム吐水が行われるようになっている。
つぎに、図1及び図2に示すように、便器本体4のボウル部8の外側面から底部かけてジェット導水路16が形成されている。このジェット導水路16の下流側は、ボウル部8の底部における排水トラップ部12の入口部12aに向かって指向しており、ジェット導水路16の下流端には、ジェット吐水口16aが設けられている。
また、便器本体4のジェット導水路16の上流側には、詳細は後述する洗浄水供給装置6のジェット側給水路2bが設けられている。このジェット側給水路2bから便器本体4のジェット導水路16に供給された洗浄水は、ジェット吐水口16aから排水トラップ部12の入口部12aに向けて吐出され、ジェット吐水が行われるようになっている。
ここで、図1に示すように、洗浄水供給装置6のリム側給水路2aの上流側は、主給水路2の分岐部Bの切替弁18に接続されている。
一方、図1に示すように、洗浄水供給装置6のジェット側給水路2bの上流側は、洗浄水供給装置6の貯水タンク20の下流側に設けられた洗浄水供給装置6の加圧ポンプ22に接続されている。
つぎに、便器本体4の排水トラップ部12は、ボウル部8の底部に設けられた入口部12aと、この入口部12aから上昇する上昇管12bと、この上昇管12bから下降する下降管12cとからなり、上昇管12bと下降管12cとの間が頂部12dとなっている。
また、図1に示すように、排水トラップ部12の下降管12cの出口部12eは、便器本体4の後方かつ下方に配置された排水ソケットSの入口部に接続されている。
さらに、図1に示すように、排水ソケットSの後方側の出口部は、便器本体4の後方の壁(図示せず)側から延びる排水管Dの入口部に接続されている。これにより、便器本体4の排水トラップ部12の出口部12eから排出された排水が排水ソケットSから便器本体4の底面の設置面(床面F)の下側の排水管に排出される、いわゆる、「床側排水」の排水形態となっている。
なお、本実施形態の水洗大便器1においては、このような「床側排水」の排水形態に限られず、便器本体4の排水トラップ部12の出口部12eから排出された排水が排水ソケットSから壁側の排水管Dに排出される、いわゆる、「壁側排水」の排水形態に対しても適用可能である。
つぎに、図1により、本実施形態による水洗大便器1の洗浄水供給装置6の各構成について概略的に説明する。
まず、図1に示すように、洗浄水供給装置6は、主給水路2の上流側から下流側に向かって、止水栓24、分岐金具26、バルブユニット28、及び、切替弁18をそれぞれ備えている。
つぎに、バルブユニット28は、定流量弁30、ダイヤフラム式の主弁32、及び、ソレノイドバブル等の電磁弁34をそれぞれ備えている。
また、洗浄水供給装置6は、コントローラ36を備えている。このコントローラ36は、バルブユニット28の開閉弁(電磁弁34)の開閉操作、切替弁18の切替操作、及び、加圧ポンプ22の回転数や作動時間等を制御する制御部として機能することができるようになっている。
さらに、バルブユニット28の定流量弁30は、主給水路2における止水栓24から分岐金具26を通過した洗浄水について、所定の流量以下に絞るためのものである。
ちなみに、分岐金具26においては、水洗大便器1に対して局部衛生洗浄装置(図示せず)が設けられた形態では、局部衛生洗浄装置(図示せず)に洗浄水を供給するための給水管(図示せず)が接続可能にもなっている。
さらに、バルブユニット28においては、電磁弁34がコントローラ36の制御により開弁操作されると、主弁32が開弁し、定流量弁30から主弁32を通過した洗浄水が、主給水路2の下流側の分岐部Bの切替弁18に供給されるようになっている。
ここで、切替弁18は、主給水路2の洗浄水をリム側給水路2aとタンク側給水路2cの双方に同じタイミングで洗浄水を供給可能であり、リム側とタンク側への給水量の割合を任意に変更することができるようになっている。
つぎに、洗浄水供給装置6は、主給水路2から供給された洗浄水を便器本体4に供給可能にするタンク装置Tを備えている。このタンク装置Tは、便器本体4の後方に連結されて主給水路2から供給された洗浄水を貯水する貯水タンク20と、この貯水タンク20内の洗浄水を便器本体4に圧送するポンプ(加圧ポンプ22)と、を備えている。
さらに、主給水路2の下流側の分岐部Bの下流側には、便器本体4のリム導水路14に連通するリム側給水路2a、及び、貯水タンク20に接続されるタンク側給水路2cがそれぞれ設けられている。
これにより、主給水源W0から主給水路2の分岐部Bに供給された洗浄水は、リム側給水路2aへのリム給水及びタンク側給水路2cへのタンク給水の少なくともいずれか一方の給水として利用されるようになっている。
また、洗浄水供給装置6には、タンク側給水路2cの下流側から加圧ポンプ22まで延びるポンプ給水路2d、及び、加圧ポンプ22から下流側に延びるジェット側給水路2bがそれぞれ設けられている。
これらにより、本実施形態の水洗大便器1では、主給水路2から供給された水道直圧の洗浄水が、洗浄水供給装置6のリム側給水路2aから便器本体4のリム導水路14を経てリム吐水口14aに供給され、リム吐水口14aからの吐水(いわゆる、「リム吐水」)が可能になっている。
さらに、主給水路2から洗浄水供給装置6に供給された洗浄水は、洗浄水供給装置6のタンク側給水路2c、貯水タンク20、ポンプ給水路2d及び加圧ポンプ22を経た後、ジェット側給水路2bから便器本体4のジェット導水路16を経てジェット吐水口16aに供給され、ジェット吐水口16aからの吐水(いわゆる、「ジェット吐水」)が可能になっている。
すなわち、本実施形態の水洗大便器1は、主給水路2から供給された水道直圧の洗浄水によるリム吐水と、貯水タンク20から加圧ポンプ22により加圧された洗浄水によるジェット吐水とを併用することができる、いわゆる、ハイブリット式の水洗大便器1として機能するようになっている。
つぎに、貯水タンク20の内部には、上側フロートスイッチ38及び下側フロートスイッチ40がそれぞれ配置されている。これらのフロートスイッチ38,40により貯水タンク20内の水位を検出することができるようになっている。
例えば、上側フロートスイッチ38は、貯水タンク20内の水位が所定の貯水水位に達するとオンに切り替わり、この上側フロートスイッチ38のオン状態をコントローラ36が検知して、電磁弁34を閉弁させるようになっている。
一方、下側フロートスイッチ40においては、貯水タンク20内の水位が、上側フロートスイッチ38が検知する所定の貯水水位よりも低い所定の水位まで低下するとオンに切り替わり、この下側フロートスイッチ40のオン状態をコントローラ36が検知して、加圧ポンプ22を停止させるようになっている。
また、加圧ポンプ22は、貯水タンク20に貯水された洗浄水をポンプ給水路2dに吸引し、このポンプ給水路2dから洗浄水をジェット側給水路2bに加圧することにより、ジェット吐水口16aから吐出させるためのものである。
これらの構造により、通常の便器洗浄時においては、コントローラ36が、使用者による便器洗浄スイッチ(図示せず)の操作等を検知し、電磁弁34、切替弁18、加圧ポンプ22を順次作動させるようになっている。
これにより、リム吐水口14a及びジェット吐水口16aからの吐水が順次開始されて、ボウル部8内を洗浄した洗浄水は、ボウル部8内の汚物と共に排水トラップ部12から排出されるようになっている。
さらに、コントローラ36は、洗浄終了後、電磁弁34を開放し、切替弁18がタンク側給水路2c側に切り替えられ、主給水路2内の洗浄水が貯水タンク20に補給されるようになっている。
そして、貯水タンク20内の水位が上昇し、上側フロートスイッチ38が規定の貯水量を検出すると、コントローラ36が電磁弁34を閉弁させることにより、主弁32が主給水路2を閉鎖し、給水が停止されるようになっている。
また、これらの洗浄水供給装置6(機能部)の各機器は、便器本体4のボウル部8よりも後方側の領域内における後方機能収納部V0に収納されるようになっている。
また、洗浄水供給装置6は、停電時において、手動操作により便器本体4への給止水を可能にする停電時給止水用操作装置U1と、手動操作により排水ソケットSの内部流路S1を開閉操作可能する停電時排水用操作装置U2とを備えている。
なお、これらの停電時の操作装置U1,U2の具体的な構造については後述する。
つぎに、図2~図4に示すように、便器本体4は、そのボウル部8及び排水トラップ部12のそれぞれの側面よりも外側に形成されたスカート部42を備えている。
また、便器本体4の後方機能収納部V0は、便器本体4のボウル部8よりも後方側の領域におけるスカート部42の後壁部42a及び側壁部42bの上端よりも下方、かつ、スカート部42の後壁部42a及び側壁部42bよりも内側に設けられている。
これにより、便器本体4の後方機能収納部V0は、洗浄水供給装置6(機能部)の少なくとも一部を収納可能にする収納領域を形成している。
つぎに、図3及び図4に示すように、本実施形態の水洗大便器1は、洗浄水供給装置6の背面側及び底面側を覆うカバー部材44を備えている。
洗浄水供給装置6が便器本体4の後方機能収納部V0内に収納される際に、まず、カバー部材44単体のみが便器本体4の後方機能収納部V0に対して固定して取り付けられた状態となる。そして、このように便器本体4に対して固定された状態のカバー部材44に対して洗浄水供給装置6に取り付けられることにより、洗浄水供給装置6は、カバー部材44によって保持されると共に、このカバー部材44を介して便器本体4の後方機能収納部V0に対しても固定されるようになっている。
また、カバー部材44は、洗浄水供給装置6の背面側及び底面側を覆うと共に、便器本体4の背面(後壁部42a)に設けられた上方開口部46の開口断面46aを閉鎖する背面側カバー部材としても機能するようになっている。
つぎに、図1及び図3~図8を参照して、洗浄水供給装置6(機能部)における停電時給止水用操作装置U1及び停電時排水用操作装置U2、並びに、これらの周辺部に関する具体的な構造について説明する。
図5は、本発明の一実施形態による水洗大便器の後方部分を斜め上方から見た部分拡大斜視図である。つぎに、図6は、本発明の一実施形態による水洗大便器の洗浄水供給装置の内部構造を示す斜視図である。また、図7は、図6のVII-VII線に沿った断面図である。
まず、図1及び図5~図7に示すように、洗浄水供給装置6は、その貯水タンク20の外側の上方に固定された薄板状の基部(ベース部材48)を備えている。
また、ベース部材48上には、電気部品等の電装部を含む作動部(コントローラ36等)が配置されている。
さらに、ベース部材48上には、停電時給止水用操作装置U1及び停電時排水用操作装置U2のそれぞれの操作部(バルブ操作リング50、フラッパー操作リング52)を配置可能にする操作部収納室54が設けられている。
ここで、図5~図7に示すように、操作部収納室54は、その側方の取り囲むように形成された底面54cから上方向に延びる周壁部54aを備えている。この周壁部54aは、各操作部(バルブ操作リング50、フラッパー操作リング52)と作動部(コントローラ36等)とを隔離するように設けられている。
さらに、操作部収納室54の周壁部54aには、その上方及び後方が開口する上方開口部54bが設けられている。
また、洗浄水供給装置6は、少なくとも上方開口部54bの上方を覆う上側カバー部材56を備えている。この上側カバー部材56については、少なくとも上方開口部54bに対して取り外し可能に設けられている。例えば、停電時において上側カバー部材56を取り外すことにより、操作部収納室54の上方側及び背面側が開放された状態となり、使用者は、停電時給止水用操作装置U1及び停電時排水用操作装置U2のそれぞれの操作部(バルブ操作リング50、フラッパー操作リング52)に対してアクセスが可能になっている。
なお、上側カバー部材56の内側、かつ、操作部収納室54の左右両側には、内側カバー部材56aがそれぞれ設けられており、各内側カバー部材57により、操作部収納室54の左右両側に区画されたスペースの上方が覆れている。すなわち、例えば、停電時において、上側カバー部材56を取り外した状態であっても、操作部収納室54の上方開口部54bのみが開放された状態となり、上方開口部54b以外の場所については、内側カバー部材57によって覆われた状態になっている。
さらに、操作部収納室54は、万一、上方開口部54bが開放されている状態で被水したとしても、操作部収納室54内の被水が周壁部54aにより堰き止められ、操作部収納室54の外側に配置された作動部(コントローラ36等)に漏水しないようになっている。
すなわち、操作部収納室54は、その周壁部54aにより形成される内側の区域が防水区域A1となっている。この防水区域A1は、作動部(コントローラ36等)が配置される外側領域A2とは周壁部54aによって区画されており、互いに隔離されている。
また、周壁部54aについては、内側カバー部材57と嵌合するように上方向に延ばした構造にしてもよいし、或いは、内側カバー部材57において下方に延びる壁部材(図示せず)を設け、この壁部材(図示せず)を周壁部54aに対してオフセットさせることにより操作部収納室54を隔離するようにしてもよい。
さらに、操作部収納室54の底面54cには、周壁部54aを設けずに、内側カバー部材57に下方に延びる壁部材(図示せず)を設けることにより、壁部材(図示せず)と底面54cを嵌合させて、操作部収納室54を隔離するようにしてもよい。
なお、周壁部54aによって外側領域A2と完全に隔離されている必要はなく、後述する水抜き開口部58の排水能力の範囲で周壁部54aの高さを設定するようにしてもよい。
つぎに、図5~図7に示すように、操作部収納室54における後方側の周壁部54aの基端面(操作部収納室54の底面54c)及び後端面には、水抜き開口部58の主穴58a、補助穴58b、及び、水抜き穴58cのそれぞれが設けられている。
また、図8は、図6に示す本発明の一実施形態による水洗大便器の洗浄水供給装置における水抜き開口部付近を拡大した部分拡大斜視図である。
図7及び図8に示すように、水抜き開口部58の主穴58a及び補助穴58bは、操作部収納室54の底面54cを上下方向に貫くように形成され、また、水抜き開口部58の水抜き穴58cは、周壁部54aの後端壁を前後方向に貫くように形成されており、各穴58a,58b,58cは、洗浄水供給装置6の外部と連通している。これにより、防水区域A1内に溜まった水は、水抜き開口部58(主穴58a、補助穴58b、水抜き穴58c)から水抜き水w1として、便器本体4或いは洗浄水供給装置6の外部に排出されるようになっている。
また、図6に示すように、水抜き開口部58(主穴58a、補助穴58b、水抜き穴58c)は、便器本体4の左右方向の中心軸線C1(図2、図6参照)に対して左右一方側(便器本体4を後方側から見て中心軸線C1よりも左側)に配置されている。
これにより、水抜き開口部58(主穴58a、補助穴58b、水抜き穴58c)は、便器本体4の左右方向の中心軸線C1に対して左右他方側(便器本体4を後方側から見て中心軸線C1よりも右側)に配置された電装部(コントローラ36等)に対して離間しており、水抜き開口部58と電装部(コントローラ36等)との距離を比較的大きく確保することができるようになっている。これらの結果、水洗大便器1の左右方向から操作部(バルブ操作リング50、フラッパー操作リング52)へのアクセスがしやすいようにもなっている。
つぎに、図5及び図6に示すように、停電時給止水用操作装置U1は、固定チューブ60、操作ワイヤ62、及び、バルブ操作リング50をそれぞれ備えている。
まず、固定チューブ60は、その一端側がバルブユニット28の一部に固定される一方、他端側が操作部収納室54の周壁部54aの一部に固定されている。
つぎに、操作ワイヤ62は、固定チューブ60内に挿通可能に設けられている。この操作ワイヤ62のバルブユニット28側の一端部は、ダイヤフラム式の主弁32を開閉可能にする機構(図示せず)の一部に連結されており、操作ワイヤ62の他端部はバルブ操作リング50に連結されている。
また、図6~図8に示すように、通常使用時には、停電時排水用操作装置U2のフラッパー操作リング52は、操作部収納室54内の上下方向に延びる柱部54dの上方部分が挿入された状態で、この柱部54dに対して取り外し可能に取り付けられている。
一方、停電時給止水用操作装置U1のバルブ操作リング50は、操作部収納室54内の上下方向に延びる柱部54dに対して取り外し可能に取り付けられたフラッパー操作リング52の中に挿入されて取り付けられている。
これらにより、停電時給止水用操作装置U1のバルブ操作リング50と、操作ワイヤ62のバルブ操作リング50側の一部については、操作部収納室54の防水区域A1内に配置されている。
例えば、停電時に停電時給止水用操作装置U1を操作する際には、まず、上側カバー部材56を取り外すことにより、操作部収納室54の上方開口部54bを開放させた状態にすることが可能になっている。
そして、バルブ操作リング50を手動で引っ張ることにより操作ワイヤ62を所定長さだけ引き上げた後、再び操作ワイヤ62を元の位置まで戻すと、開閉機構(図示せず)を介して主弁32が開弁し、バルブユニット28による給水が手動で実行されるようになっている。
その後、再び、バルブ操作リング50を手動で引っ張ることにより操作ワイヤ62を所定長さだけ引き上げた後、再び操作ワイヤ62を元の位置まで戻すと、開閉機構(図示せず)を介して主弁32が閉弁し、バルブユニット28による止水が手動で実行されるようになっている。
つぎに、図5~図8に示すように、停電時排水用操作装置U2は、固定チューブ64、操作ワイヤ66、保持具68、フラッパー装置70、及び、フラッパー操作リング52をそれぞれ備えている。
まず、図1に示すように、フラッパー装置70は、排水ソケットSの内部流路S1に開閉可能に設けられたフラッパー弁70aを備えている。このフラッパー弁70aは、通常使用時には、排水ソケットSの内部流路S1を開放した状態となっている。
また、固定チューブ64は、その一端側がフラッパー装置70の一部に固定されている一方、他端側が保持具68に固定されている。
つぎに、図7及び図8に示すように、保持具68は、概ね円筒状の部材であり、ほぼ円筒状の主軸部68aと、この主軸部68aの外周に環状に設けられたフランジ部68bと、このフランジ部68bから外側に突出する突起68cと、を備えている。
また、保持具68は、その主軸部68aがベース部材48の水抜き開口部58の主穴58aに挿入された状態で、フランジ部68bが水抜き開口部58の主穴58aによって同軸状に嵌合された状態で保持されている。
なお、フランジ部68bと主穴58aの嵌合部から水が誘導溝72などへ排出できる程度の隙間を設けてもよい。主穴58aの下方から保持具68は、挿入されており、主軸部68aの周りには、主穴58aによって底面54cよりも低い環状の溝が形成されている。
操作部収納室54内の水w1は、水抜き穴58cから誘導溝72内に直接的に排出されるか、もしくは、主穴58aと保持具68とにより形成される上述した環状の溝によって、主穴58aから補助穴58bへ誘導されて、誘導溝72内に排出されるようになっている。
さらに、保持具68の係止突起68cは、フランジ部68bの後端から後方側に突出し、水抜き開口部58の補助穴58bの下端側に当接した状態で保持されている。
ここで、保持具68の主軸部68a及びフランジ部68bと水抜き開口部58の主穴58aとの嵌合部分、並びに、保持具68の係止突起68cと水抜き開口部58の補助穴58bとの当接部分のそれぞれについては、防水区域A1内の水を水抜き開口部58の主穴58a及び補助穴58bのそれぞれから便器本体4又は洗浄水供給装置6の外部に水抜きすることができる程度の隙間が形成されている。しかしながら、このような隙間については、少なくとも水抜き穴58cが主たる水抜き穴として機能しているため、省略してもよい。
つぎに、操作ワイヤ66は、固定チューブ64内に挿通可能に設けられている。この操作ワイヤ66のフラッパー装置70側の一端部は、フラッパー装置70を開閉可能にする機構(図示せず)の一部に連結されており、操作ワイヤ66の他端部は、連結ループ52aを介してフラッパー操作リング52に連結されている。
また、通常使用時には、停電時排水用操作装置U2のフラッパー操作リング52は、操作部収納室54内の柱部54dに対して取り外し可能に取り付けられている。これにより、停電時排水用操作装置U2のフラッパー操作リング52、操作ワイヤ66のフラッパー操作リング52側の一部、及び、保持具68の上方側の一部については、操作部収納室54の防水区域A1内に配置されている。
例えば、停電時に停電時排水用操作装置U2を操作する際には、まず、上側カバー部材56を取り外すことにより、操作部収納室54の上方開口部54bを開放させた状態にする。
また、通常時においては、フラッパー装置70のフラッパー弁70aが開弁状態になっているため、フラッパー操作リング52を手動で引っ張ることにより操作ワイヤ66を所定長さだけ引き上げた後、再び操作ワイヤ66を元の位置まで戻すと、開閉機構(図示せず)を介してフラッパー弁70aが閉弁可能になっている。
その後、再び、フラッパー操作リング52を手動で引っ張ることにより操作ワイヤ66を所定長さだけ引き上げた後、再び操作ワイヤ66を元の位置まで戻すと、開閉機構(図示せず)を介してフラッパー弁70aが開弁し、排水ソケットS内の内部流路S1が開放され、便器本体4の排水トラップ部12から排水ソケットSを経て排水管Dへの排水が可能になっている。
なお、通常時においては、フラッパー装置70のフラッパー弁70aが開弁状態になっているため、フラッパー操作リング52を手動で引っ張ることにより操作ワイヤ66を所定長さだけ引き上げている間、開閉機構(図示せず)を介してフラッパー弁70aが閉弁可能になっていてもよい。
さらに、再び操作ワイヤ66を元の位置まで戻す(フラッパー操作リング52を手動で引っ張ることにより操作ワイヤ66を所定長さだけ引き上げている操作を終了させる)と、開閉機構(図示せず)を介してフラッパー弁70aが開弁し、排水ソケットS内の内部流路S1が開放され、便器本体4の排水トラップ部12から排水ソケットSを経て排水管Dへの排水が可能になっている。
つぎに、図4~図8に示すように、水抜き開口部58の下方かつカバー部材44の背面側には、凹状に形成されて上下方向に延びる誘導溝72が形成されている。
また、図7及び図8に示すように、水抜き開口部58を形成する操作部収納室54の周壁部54a及び底面54cにおける後端部分は、誘導溝72の上端開口部72aを上方から覆うように、後方側に突出している。
これにより、水抜き開口部58(主穴58a、補助穴58b)の下方と誘導溝72とが互いに上下方向に連通可能にもなっている。言い換えれば、誘導溝72の内部に保持具68が設けられている。
さらに、図8に示すように、誘導溝72の左右幅方向の長さは、保持具68の左右幅方向の長さよりも大きく設定されており、上方開口部54bの左右幅方向の長さよりも小さく設定されている。これにより、停電時や非停電時においても、誘導溝72が水洗大便器1の全体の美観に及ぼす影響を抑制することができるようになっている。
なお、誘導溝72については、美観への影響を抑えるために、誘導溝72の外側からカバー部材(図示せず)を設けることにより、隠蔽するようにしてもよい。
また、図4及び図5に示すように、誘導溝72は、背面側カバー部材44の下端部まで設けられており、被水した水を水洗大便器1の便器本体4の下方に誘導することができるようになっている。
さらに、図3~図5に示すように、誘導溝72の下端部に開口部(下端開口部72b)が設けられていると共に、カバー部材44の誘導溝72の前壁面72cにおける下端開口部72bよりも下方側に延出した下側部分と、この下側部分と対向する便器本体4の後方機能収納部V0の内壁面との間には、隙間が設けられている。この隙間により、被水した水w1を誘導溝72から便器本体4の後方機能収納部V0の内部に誘導することができるようになっている。
また、図4及び図7に示すように、誘導溝72は、その前壁面72cが上方から下方に向かって前方側(水洗大便器1の便器本体4側)に傾斜した形状となっている。これにより、操作部収納室54内に被水した水を誘導溝72から水洗大便器1の便器本体4の後方機能収納部V0の内部へ誘導しやすくすることができるようになっている。
また、図4及び図5に示すように、誘導溝72の左右の側壁面72dについては、上方から下方に向かって左右幅方向の長さが大きくなるようにテーパー状に設けられている。これにより、誘導溝72を通る被水した水が誘導溝72で停滞することなく、下方へ誘導することができるようになっており、被水した水の飛び散り等を抑制することができるようになっている。
なお、誘導溝72の下端開口部72bを水洗大便器1の便器本体4の外部との接触部まで延出させて、背面側カバー部材44と水洗大便器1の便器本体4のとの隙間をなくすことにより、被水した水を誘導溝72から便器本体4の後方機能収納部V0の内部に誘導することなく、便器本体4の外部に誘導するようにしてもよい。
つぎに、図1及び図5~図8を参照して、停電時における停電時給止水用操作装置U1及び停電時排水用操作装置U2の手動操作の一例について説明する。
まず、上側カバー部材56を取り外すことにより、操作部収納室54の上方開口部54bを開放した状態にする。
そして、バルブ操作リング50を手動で引っ張ることにより操作ワイヤ62を所定長さだけ引き上げた後、再び操作ワイヤ62を元の位置まで戻すと、開閉機構(図示せず)を介して主弁32が開弁し、バルブユニット28による給水動作が手動で実行される。
これにより、主給水路2からリム側給水路2aを経て便器本体4のリム吐水口14aからボウル部8内への吐水(リム吐水)が開始される。
つぎに、停電時排水用操作装置U2のフラッパー操作リング52を手動で引っ張ることにより操作ワイヤ66を所定長さだけ引き上げた後、再び操作ワイヤ66を元の位置まで戻すと、開閉機構(図示せず)を介してフラッパー弁70aが閉弁する。
これにより、便器本体4のボウル部8内において溜水が開始され、フラッパー弁70aよりも上流側の排水ソケットSの内部流路S1や、便器本体4の排水トラップ部12内においても封水が開始される。
つぎに、便器本体4のボウル部8内の水位が、オーバーフローしない程度の所定水位でかつ便器洗浄可能な水位、すなわち、排水トラップ部12内でサイホン作用を発生させる水位まで上昇すると、再び、停電時排水用操作装置U2のフラッパー操作リング52を手動で引っ張ることにより操作ワイヤ66を所定長さだけ引き上げる。その後、再び操作ワイヤ66を元の位置まで戻すと、開閉機構(図示せず)を介してフラッパー弁70aが開弁する。
これにより、排水ソケットS内の内部流路S1が開放され、便器本体4の排水トラップ部12内でサイホン作用が発生し、ボウル部8内の洗浄水が排水トラップ部12から排水ソケットSを経て排水管Dへ排水される。
そして、バルブ操作リング50を手動で引っ張ることにより操作ワイヤ62を所定長さだけ引き上げた後、再び操作ワイヤ62を元の位置まで戻す。
これにより、開閉機構(図示せず)を介して主弁32が閉弁し、バルブユニット28による止水動作が手動で実行され、主給水路2からリム側給水路2aを経て便器本体4のリム吐水口14aからボウル部8内への吐水(リム吐水)が停止される。
これらの結果、停電時における一連の便器洗浄に関する給排水動作が完了する。
つぎに、図1~図14を参照して、上述した本発明の一実施形態による水洗大便器1の作用について説明する。
まず、本発明の一実施形態による水洗大便器1によれば、機能部(洗浄水供給装置6)の基部(ベース部材48)には、防水区域A1を含む開口部54bが設けられている。また、この開口部54bは、操作部(バルブ操作リング50、フラッパー操作リング52)と作動部(コントローラ36等)の電装部(図示せず)とを隔離する周壁部54aを備えている。
これらにより、操作部(バルブ操作リング50、フラッパー操作リング52)を配置可能な防水区域A1を洗浄水供給装置6のベース部材48に設けることができた。
これにより、上側カバー部材56により開口部54bの上方が開放された状態で、万一、この開口部54bの上方から防水区域A1内やその内部の操作部(バルブ操作リング50、フラッパー操作リング52)が被水したとしても、防水区域A1内の操作部(バルブ操作リング50、フラッパー操作リング52)と作動部(コントローラ36等)の電装部とが周壁部54aにより互いに隔離されている。よって、防水区域A1内やその内部の操作部(バルブ操作リング50、フラッパー操作リング52)における被水が防水区域A1を超えて外側領域A2の電装部(コントローラ36等)に及ぼす影響を抑制することができる。
また、万一、操作部50,52への被水w1が防水区域A1内に溜まったとしても、洗浄水供給装置6の外部と連通する水抜き開口部58(主穴58a、補助穴58b、水抜き穴58c)から洗浄水供給装置6の外部へ確実に水抜きすることができるため、操作部50,52の被水w1が防水区域A1を超えて電装部(コントローラ36等)にまで及ぶことを防ぐことができる。これにより、電装部(コントローラ36等)が被水して不具合が発生することも防ぐことができる。
さらに、洗浄水供給装置6のベース部材48の開口部54bの周辺部分や上側カバー部材56において、被水した水を蒸発するまで溜めておく場所や逃がす場所等のスペースが不要となるため、洗浄水供給装置6のスリム化や小型化を実現することができる。
これらの結果、洗浄水供給装置6の小型化と被水防止性能とを両立させることができる。
また、本実施形態による水洗大便器1によれば、水抜き開口部58(主穴58a、補助穴58b、水抜き穴58c)が、洗浄水供給装置6のベース部材48の防水区域A1に設けられた周壁部54aの基端面(操作部収納室54の底面54c)及び後端面に配置されている。これにより、万一、操作部50,52への被水が防水区域A1内に溜まったとしても、周壁部54aの基端面(操作部収納室54の底面54c)及び後端面に配置された水抜き開口部58(主穴58a、補助穴58b、水抜き穴58c)から便器本体4及び洗浄水供給装置6の外部に確実に水抜きすることができる。
よって、操作部50,52の被水w1が防水区域A1を超えて電装部(コントローラ36等)にまで及ぶリスクを確実に低減させることができる。
さらに、本実施形態による水洗大便器1によれば、水抜き開口部58(主穴58a、補助穴58b、水抜き穴58c)の下方には、凹状に形成された誘導溝72が設けられているため、操作部50,52が被水した防水区域A1内の水w1が水抜き開口部58(主穴58a、補助穴58b、水抜き穴58c)から水抜きされた後、水抜き開口部58(主穴58a、補助穴58b、水抜き穴58c)の下方の誘導溝72から洗浄水供給装置6の外部へ確実に誘導することができる。
また、本実施形態による水洗大便器1によれば、水抜き開口部58(主穴58a、補助穴58b、水抜き穴58c)が、電装部(コントローラ36等)に対して離間するように便器本体4の左右方向の中心軸線C1に対して左右一方側(便器本体4を後方側から見て中心軸線C1よりも左側)に配置されている。
これにより、水抜き開口部58(主穴58a、補助穴58b、水抜き穴58c)と電装部(コントローラ36等)との距離を比較的大きく確保することができるため、水抜き開口部58(主穴58a、補助穴58b、水抜き穴58c)から水抜きされる水w1が電装部(コントローラ36等)に被水することを確実に防ぐことができる。
また、洗浄水供給装置6のベース部材48の開口部54bの周辺部分の限られたスペースに水抜き開口部58(主穴58a、補助穴58b、水抜き穴58c)を配置することができるため、被水した水を蒸発するまで溜めておく場所や逃がす場所等のスペースを削減することができる。よって、洗浄水供給装置6のベース部材48の開口部54bの周辺部分のスリム化や洗浄水供給装置6全体の小型化を実現することができる。
さらに、水抜き開口部58(主穴58a、補助穴58b、水抜き穴58c)から洗浄水供給装置6の外部へ水抜きされた水w1を便器本体4の左右方向の中心軸線C1と干渉させることなく、便器本体4又は洗浄水供給装置6の外部に確実に排出することができる。
さらに、本実施形態による水洗大便器1によれば、水抜き開口部58(主穴58a、補助穴58b、水抜き穴58c)が誘導溝72の上端開口部72aを上方から覆うように設けられているため、水抜き開口部58(主穴58a、補助穴58b、水抜き穴58c)が水抜きされた水w1を逆流させることなく確実に誘導溝72へ誘導することができる。
したがって、洗浄水供給装置6の外部の誘導溝72に誘導された水w1を洗浄水供給装置6の外部へ確実に排出することができる。
さらに、本実施形態による水洗大便器1によれば、水抜き開口部58(主穴58a、補助穴58b、水抜き穴58c)から水抜きされた水w1を背面側カバー部材44の誘導溝72に誘導し、洗浄水供給装置6の外部へ確実に排出した後、便器本体4の内部又は外部へ排出させることができる。
また、洗浄水供給装置6の外部に排出された水w1は、その後、便器本体4の外部に排出された場合には、視認されやすくなるため、洗浄水供給装置6側から便器本体4の外部への漏水等に対しても迅速に対処することができる。
上述した本発明の一実施形態による水洗大便器1においては、洗浄水供給装置6の基部(ベース部材48)の防水区域A1内に配置される操作部の例として、停電時給止水用操作装置U1のバルブ操作リング50や停電時排水用操作装置U2のフラッパー操作リング52を採用した停電対応用の操作部の形態について説明したが、このような形態に限定されず、停電対応用の操作部以外の操作部や機能部(洗浄水供給装置6)以外の操作を行う操作部を採用した他の形態についても適用可能である。
例えば、停電対応用の操作部以外の操作部を採用した他の形態の操作部として、機能部(洗浄水供給装置6)以外の局部洗浄装置(図示せず)に関連する操作を行うための操作部を適用してもよい。
或いは、機能部(洗浄水供給装置6)以外の操作を行う操作部を採用した他の形態の操作部として、寒冷地仕様としてヒータ装置(図示せず)等を設けた水洗大便器において、このようなヒータ装置等を操作するための操作部を適用してもよい。
1 本発明の一実施形態による水洗大便器(ハイブリット式の水洗大便器)
2 主給水路
2a リム側給水路
2b ジェット側給水路
2c タンク側給水路
2d ポンプ給水路
4 便器本体
6 洗浄水供給装置(機能部)
8 ボウル部
10 リム部
12 排水トラップ部
12a 排水トラップ部の入口部
12b 排水トラップ部の上昇管
12c 排水トラップ部の下降管
12d 排水トラップ部の頂部
12e 排水トラップ部の出口部
14 リム導水路
14a リム吐水口
16 ジェット導水路
16a ジェット吐水口
18 切替弁
20 貯水タンク
22 加圧ポンプ
24 止水栓
26 分岐金具
26a 停電切替弁
28 バルブユニット
30 定流量弁
32 ダイヤフラム式の主弁
34 電磁弁
36 コントローラ(作動部、電装部)
38 上側フロートスイッチ
40 下側フロートスイッチ
42 スカート部
42a スカート部の後壁部
42b スカート部の側壁部
44 カバー部材(背面側カバー部材)
46 便器本体の上方開口部
46a 開口断面
48 ベース部材(基部)
50 バルブ操作リング(操作部)
52 フラッパー操作リング(操作部)
52a 連結ループ
54 操作部収納室(防水区域)
54a 操作部収納室の周壁部
54b 操作部収納室の上方開口部(機能部の開口部)
54c 操作部収納室の底面
54d 操作部収納室内の柱部
56 上側カバー部材
57 内側カバー部材
58 水抜き開口部
58a 主穴
58b 補助穴
58c 水抜き穴
60 固定チューブ
62 操作ワイヤ
64 固定チューブ
66 操作ワイヤ
68 保持具
68a 主軸部
68b フランジ部
68c 係止突起
70 フラッパー装置
70a フラッパー弁
72 誘導溝
72a 上端開口部
72b 下端開口部
72c 誘導溝の前壁面
72d 誘導溝の左右の側壁面
A1 防水区域
A2 外側領域
B 分岐部
C1 便器本体の左右方向の中心軸線
D 排水管
F 床面
S 排水ソケット
T タンク装置(洗浄水供給装置)
U 停電操作装置
V0 後方機能収納部
W0 主給水源
w1 水抜き水

Claims (6)

  1. 洗浄水により洗浄されて汚物を排出する水洗大便器であって、
    汚物を受けるボウル部を備えた便器本体と、
    この便器本体に設けられた機能部と、を有し、
    上記機能部は、上記便器本体に対して固定された基部と、この基部に設けられた防水区域を含む開口部と、上記基部に配置された電装部を含む作動部と、この作動部の操作又は上記機能部以外の操作を可能にする操作部と、上記開口部の上方を開閉可能に覆う上側カバー部材と、備えており、
    上記開口部は、上記操作部と上記電装部とを隔離するように設けられた周壁部を備えており、この周壁部は、上記操作部の周囲に対して離間して設けられて上記操作部を配置可能にする上記防水区域を形成しており、
    上記機能部は、さらに、上記機能部の外部と連通して水抜きを可能にする水抜き開口部を備えていることを特徴とする水洗大便器。
  2. 上記水抜き開口部は、上記防水区域に設けられた上記周壁部に配置されている請求項1記載の水洗大便器。
  3. さらに、上記水抜き開口部の下方に凹状に形成され且つ上記防水区域内の水を上記水抜き開口部から上記機能部の外部へ誘導可能に設けられた誘導溝を有する請求項1又は2に記載の水洗大便器。
  4. 上記水抜き開口部は、上記電装部に対して離間するように上記便器本体の左右方向の中心に対して左右一方側に配置されている請求項1乃至3の何れか1項に記載の水洗大便器。
  5. 上記水抜き開口部は、上記防水区域の底面を形成する上記基部に設けられ、この基部の水抜き開口部は、上記誘導溝を上方から覆うように設けられている請求項3記載の水洗大便器。
  6. さらに、上記便器本体に設けられて上記機能部を背面側から覆う背面側カバー部材を有し、上記誘導溝は、上記背面側カバー部材に設けられている請求項3又は5に記載の水洗大便器。
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