JP2023020218A - 仮設ユニット用ドアおよび仮設ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】出入りする際の妨げになり難く、開閉操作を簡単に行うことができる、仮設ユニット用ドアおよび仮設ユニットを提供する。【解決手段】仮設ユニット10は、仮設ユニット用ドア12を備える。ドア12は、第1扉46および第2扉48と、第1扉46の幅方向一方端部46aを第1縦辺部50に取り付けるための第1蝶番80と、第2扉48の幅方向一方端部48aを第1扉46の幅方向他方端部46bに取り付けるための第2蝶番82と、固定部84とを備える。閉状態における第1扉46の位置を第1位置とし、閉状態における第2扉48の位置を第2位置としたとき、ドア12は、第1位置から外側へ向かう第1扉46の回動を阻止する第1回動阻止部86と、第2位置から外側へ向かう第2扉48の回動を阻止する第2回動阻止部88とを備える。したがって、出入口28を開くときには、第1扉46および第2扉48を共に内側へ回動させることができる。【選択図】図8

Description

本発明は、仮設ユニットの出入口を開閉するための仮設ユニット用ドアおよびそれを備える仮設ユニットに関する。
従来の仮設ユニット用のドアとして、扉を仮設ユニットの内側へ回動させることによって出入口を開く内開き方式のドアがある。内開き方式のドアでは、仮設ユニットの外側にいる人に扉がぶつかることがないため、安全性に優れるという利点がある。しかし、一般的な内開き方式のドアでは、使用者は、仮設ユニットの内部にある物品や扉を避けながら出入りしなければならないため、仮設トイレのような室内空間が狭い仮設ユニットに用いた場合には、出入りが困難になるという問題があった。
この問題を解決できるドアの一例が、下記特許文献1に開示されている。特許文献1のドアは、幅方向において互いに連結された第一扉および第二扉を備えている。第二扉は、出入口を開くときに仮設ユニットの内側へ回動するように、その幅方向一方端部に設けられた第二蝶番を介して出入口の側枠に取り付けられている。第一扉は、出入口を開くときに仮設ユニットの外側へ回動するように、その幅方向一方端部に設けられた第一蝶番を介して第二扉の幅方向他方端部に取り付けられている。また、第一扉の幅方向他方端部には、把手(ドアノブ)が取り付けられている。
特許文献1のドアを仮設ユニットの外側から開くとき、使用者は、第一扉と第二扉との連結部を仮設ユニットの内側へ押し込む。すると、第二扉が内側へ回動されるとともに、第一扉が外側へ回動され、これらが仮設ユニットの内部で重なるように折り畳まれて出入口が開かれる。したがって、室内空間が狭い場合でも、第一扉および第二扉は、使用者が出入りする際の妨げになり難い。
特開平6-66069号
しかしながら、特許文献1のドアでは、第一扉および第二扉が、第一蝶番および第二蝶番を中心として互いに逆方向に回動されるため、その開閉操作が容易ではないという問題があった。つまり、特許文献1のドアに不慣れな使用者は、把手(ドアノブ)を握って、第一扉を室内側へ押そうとするが、そのような単純な操作では、ドアを開くことができなかった。
本発明は、使用者が出入りする際の妨げになり難く、かつ、開閉操作を簡単に行うことができる、仮設ユニット用ドアおよびそれを備える仮設ユニットを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る仮設ユニット用ドアの特徴は、仮設ユニットの矩形の出入口を塞ぐための第1扉および第2扉と、前記第1扉の幅方向一方端部を、前記出入口の一方の縦辺を構成する第1縦辺部に回動可能に取り付けるための第1蝶番と、前記第2扉の幅方向一方端部を、前記第1扉の幅方向他方端部に回動可能に取り付けるための第2蝶番と、前記第2扉の幅方向他方端部を、前記出入口の他方の縦辺を構成する第2縦辺部に離脱可能に固定するための固定部と、前記出入口を塞いだ閉状態における前記第1扉の前記第1縦辺部に対する相対的な位置を第1位置としたとき、前記第1位置から前記仮設ユニットの外側へ向かう前記第1扉の回動を阻止する第1回動阻止部と、前記出入口を塞いだ閉状態における前記第2扉の前記第1扉に対する相対的な位置を第2位置としたとき、前記第2位置から前記仮設ユニットの外側へ向かう前記第2扉の回動を阻止する第2回動阻止部とを備えることにある。
この構成によれば、第1扉および第2扉を、仮設ユニットの内側へ回動させて折り曲げることができるので、第1扉および第2扉は、使用者が出入りする際の妨げになり難い。また、第1扉および第2扉を、第1蝶番および第2蝶番を中心として互いに同じ方向へ回動させることができるので、出入口を簡単に開くことができる。つまり、使用者は、第2扉の幅方向他方端部を仮設ユニットの内側に押すだけで、一般的な内開き方式のドアと同様に、第1扉および第2扉の全体を内側へ回動させて出入口を開くことができる。
本発明に係る仮設ユニット用ドアの他の特徴は、前記第1回動阻止部は、前記第1扉の外周部に設けられた第1当たり部と、前記出入口の内周部に設けられた第2当たり部とを有し、前記第1当たり部が前記第2当たり部に当たることによって、前記第1位置から前記仮設ユニットの外側へ向かう前記第1扉の回動が阻止されることにある。
この構成によれば、第1当たり部が第2当たり部に当たることによって、第1位置から仮設ユニットの外側へ向かう第1扉の回動を確実に阻止できるので、仮設ユニットの外側にいる人に第1扉がぶつかることを確実に防止できる。
本発明に係る仮設ユニット用ドアの他の特徴は、前記第2回動阻止部は、前記第2扉の幅方向一方端部に設けられた第3当たり部と、前記第1扉の幅方向他方端部に設けられた第4当たり部とを有し、前記第3当たり部が前記第4当たり部に当たることによって、前記第2位置から前記仮設ユニットの外側へ向かう前記第2扉の回動が阻止されることにある。
この構成によれば、第3当たり部が第4当たり部に当たることによって、第2位置から仮設ユニットの外側へ向かう第2扉の回動を確実に阻止できるので、仮設ユニットの外側にいる人に第2扉がぶつかることを確実に防止できる。
本発明に係る仮設ユニット用ドアの他の特徴は、前記第1蝶番は、前記第1縦辺部に設けられた第1下側篏合片と、前記第1扉の幅方向一方端部に設けられ、前記第1下側篏合片に対して上方から離脱可能に篏合される第1上側篏合片とを有することにある。
この構成では、第1縦辺部に対して第1扉を上方へ持ち上げることによって、第1上側篏合片を第1下側篏合片から離脱させることができ、第1扉を第1縦辺部から取り外すことができる。
本発明に係る仮設ユニット用ドアの他の特徴は、前記第2蝶番は、前記第1扉の幅方向他方端部に設けられた第2下側篏合片と、前記第2扉の幅方向一方端部に設けられ、前記第2下側篏合片に対して上方から離脱可能に篏合される第2上側篏合片とを有することにある。
この構成では、第1扉に対して第2扉を上方へ持ち上げることによって、第2上側篏合片を第2下側篏合片から離脱させることができ、第2扉を第1扉から取り外すことができる。
本発明に係る仮設ユニット用ドアの他の特徴は、前記出入口を開いた開状態における前記第1扉の前記第1縦辺部に対する相対的な位置を第3位置としたとき、前記第3位置から前記仮設ユニットの内側へ向かう前記第1扉の回動を阻止する第3回動阻止部を備え、前記第3回動阻止部は、前記第1扉の外周部に設けられた第5当たり部と、前記仮設ユニットの内部に設けられた第6当たり部とを有し、前記第5当たり部が前記第6当たり部に当たることによって、前記第3位置から前記仮設ユニットの内側へ向かう前記第1扉の回動が阻止されるとともに、前記第1扉の奥側に前記第2扉を収容する収容空間が構成されることにある。
この構成において、第2扉の幅方向他方端部を仮設ユニットの内側に押して、第1扉および第2扉の全体を内側へ回動させると、第5当たり部が第6当たり部に当たることによって、第1扉の回動が阻止される。その後、第2扉の幅方向他方端部をさらに押すと、第2扉が第1扉に対して折り曲げられて、使用者が出入りするための通路が広げられる。したがって、使用者は、第2扉を第1扉に対して折り曲げる作業を別途行う必要がなく、第1扉および第2扉の操作を簡単に行うことができる。また、出入口を開放した状態で仮設ユニットを使用する場合には、第1扉の奥側に構成された収容空間に、第2扉を収容することができる。
本発明に係る仮設ユニット用ドアの他の特徴は、前記第1扉を前記仮設ユニットの内側へ回動させるときに前記第1蝶番に作用する抵抗力を第1抵抗力とし、前記第2扉を前記仮設ユニットの内側へ回動させるときに前記第2蝶番に作用する抵抗力を第2抵抗力としたとき、前記第2抵抗力は、前記第1抵抗力よりも大きく定められることにある。
この構成では、第2抵抗力が第1抵抗力よりも大きく定められるので、第1扉および第2扉の全体を第1蝶番において回動させる際には、第1扉および第2扉の折り曲げが抑制される。したがって、第1扉および第2扉の全体の回動操作を容易に行うことができる。
本発明に係る仮設ユニット用ドアの他の特徴は、前記第1扉の幅は、前記第2扉の幅よりも広く定められていることにある。
この構成では、第1扉の幅が第2扉の幅よりも広く定められているので、通常の使用時には、主に、幅の狭い(サイズが小さい)第1扉を回動させることによって、出入口を簡単に開くことができる。一方、体調不良を生じた使用者を救出する場合などの緊急時には、第1扉および第2扉の全体を回動させて出入口を大きく開くことによって、使用者を容易に救出することができる。
上記目的を達成するため、本発明に係る仮設ユニットの特徴は、上記のいずれかの仮設ユニット用ドアを備えることにある。
この構成によれば、上記の仮設ユニット用ドアが奏する効果をそのまま奏することができる。
第1実施形態に係る仮設ユニットの構成を示す正面図である。 (A)は、図1におけるII-II線断面図、(B)は、(A)の一部を拡大した部分拡大図である。 第1実施形態に係る仮設ユニットの構成を示す右側面図である。 (A)は、第1縦辺部、第1蝶番および第1回動阻止部の構成を示す断面図、(B)は、第2縦辺部および固定部の構成を示す断面図、(C)は、第2蝶番および第2回動阻止部の構成を示す断面図である。 第1扉および第2扉を仮設ユニットの内側へ回動させて出入口を開いた状態を示す斜視図である。 図5の一部を拡大した部分拡大図である。 第1蝶番の構成を示す斜視図である。 第1扉および第2扉を仮設ユニットの内側へ回動させて出入口を開いた状態を示す断面図である。 (A)は、第2扉を収容空間に収容する工程を示す断面図、(B)は、第2扉を収容空間に収容した状態を示す断面図である。 (A)は、第1扉および第2扉を第1縦辺部から取り外した状態を示す断面図、(B)は、第2扉を第1扉から取り外した状態を示す断面図である。
以下、本発明に係る仮設ユニット用ドアおよび仮設ユニットの実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明で用いる「上・下・左・右・前・後」の各方向は、図面において矢印で示す各方向と一致する。
(仮設ユニットの構成)
図1は、第1実施形態に係る仮設ユニット10の構成を示す正面図である。図2(A)は、図1におけるII-II線断面図、図2(B)は、図2(A)の一部を拡大した部分拡大図である。図3は、仮設ユニット10の構成を示す右側面図である。
図1~図3に示す仮設ユニット10は、イベント会場、工事現場および建設現場などで使用される可搬型の仮設トイレであり、図示しない車両の荷台に載せられて現場に搬入される。仮設ユニット10は、荷台に載せられたまま使用されてもよいし、フォークリフトなどで所定の場所に据え付けられてもよい。仮設ユニット10に用いられる仮設ユニット用ドア12は、内開き方式である。したがって、仮設ユニット10の外側にいる人に仮設ユニット用ドア12がぶつかることがなく、荷台に載せられたまま使用される場合でも、安全を確保できる。なお、仮設ユニット10は、仮設トイレに限定されるものではなく、例えば、仮設更衣室、仮設シャワー室、仮設休憩室(仮眠室を含む)、仮設事務所および仮設ハウスなどであってもよい。なお、本願発明は、仮設トイレのほかに、常設の個室トイレ、更衣室、シャワー室または休憩室(仮眠室を含む)の扉に採用することもできる。
図2(A)に示すように、仮設ユニット10の室内空間Sには、その用途に応じた設備が設けられている。本実施形態では、室内空間Sの後部に大便器14および手洗い台16が設けられており、室内空間Sの右部に小便器18が設けられている。
図1および図3に示すように、仮設ユニット10は、上方へ向けて開かれた開口部20を有する平面視で四角形の箱状の本体部22と、開口部20を塞ぐように本体部22の上端部に被せられる屋根24とを有している。図1に示すように、本体部22の前方に向けられた前壁部26aには、使用者が出入りするための出入口28が設けられており、出入口28には、仮設ユニット用ドア12が開閉可能に取り付けられている。
図3に示すように、屋根24は、平面視で四角形の天井壁32と、天井壁32に対して垂直となるように、天井壁32の周縁部から下方へ延びて形成された前板部34aおよび後板部34bを有している。また、図1に示すように、屋根24は、天井壁32の周縁部から下方へ延びて形成された左板部34cおよび右板部34dを有している。本実施形態では、屋根24の全体が光透過性を有する合成樹脂で形成されており、天井壁32の全体が採光部となっている。屋根24が本体部22の上端部に被せられた状態において、屋根24の後端部は、左右方向へ延びる回動中心を有する回動軸(図示省略)を介して、本体部22に対して回動可能に取り付けられている。
図3中の二点鎖線で示すように、搬送時における仮設ユニット10では、天井壁32は水平に配置されており、前板部34aおよび後板部34bは、本体部22の前側壁26aおよび後側壁26bに対して外側から対向するように配置されている。また、図1に示す左板部34cおよび右板部34dは、本体部22の左側壁26cおよび右側壁26dに対して外側から対向するように配置されている。図3に示すように、前板部34aの上下方向長さは、後板部34bの上下方向長さよりも十分に長くなるように定められており、左板部34cおよび右板部34dのそれぞれの下端縁は、前板部34aの下端縁と後板部34bの下端縁とを直線的につなぐように傾斜している。図2(A)に示す仮設ユニット10の床部26eは、平坦に形成されている。
図3に示すように、本体部22と屋根24とは、ガスダンパー38を介して接続されている。ガスダンパー38は、シリンダー38aおよびピストン38bを有しており、シリンダー38aの前端部が屋根24に取り付けられるとともに、ピストン38bの後端部が本体部22に取り付けられている。図示していないが、搬送時には、ガスダンパー38が圧縮されており、屋根24は、ガスダンパー38によって上方へ向けて付勢されている。
図1に示すように、屋根24を構成する前板部34aの左右方向中央部には、作業者(図示省略)によって握られる把手40が取り付けられている。本体部22を構成する前側壁26aの上部には、2つのパッチン錠42が左右方向に間隔を隔てて取り付けられている。また、屋根24を構成する前板部34aの下部には、パッチン錠42の引掛け部(図示省略)が引っ掛けられる2つのフック部材44が左右方向に間隔を隔てて取り付けられている。
図3中の二点鎖線で示すように、搬送時における仮設ユニット10では、屋根24の前板部34aが、パッチン錠42およびフック部材44を介して本体部22の前側壁26aにつなげられており、これによって、ガスダンパー38の付勢力による屋根24の上方への回動が阻止されている。図1および図3に示すように、使用時における仮設ユニット10では、室内空間S(図2(A))を広く確保するために、屋根24が上昇される。屋根24を上昇させるとき、作業者は、パッチン錠42の引掛け部(図示省略)をフック部材44から離脱させる。すると、ガスダンパー38が伸長することによって、屋根24が持ち上げられる。
(仮設ユニット用ドアの構成)
図4(A)は、第1縦辺部50、第1蝶番80および第1回動阻止部86の構成を示す断面図、図4(B)は、第2縦辺部52および固定部84の構成を示す断面図、図4(C)は、第2蝶番82および第2回動阻止部88の構成を示す断面図である。図5は、第1扉46および第2扉48を仮設ユニット10の内側へ回動させて出入口28を開いた状態を示す斜視図である。図6は、図5の一部を拡大した部分拡大図である。図7は、第1蝶番80の構成を示す斜視図である。
図1に示す仮設ユニット用ドア12は、仮設ユニット10の出入口28を開閉する内開き方式のドアであり、出入口28を塞ぐための第1扉46および第2扉48を備えている。
図1に示すように、出入口28は、緊急時に室内空間S(図2(A))から使用者を救出できるように、十分な広さで矩形(四角形)に形成されている。出入口28の内周部の右側部には、出入口28の一方の縦辺を構成する第1縦辺部50が設けられており、左側部には、出入口28の他方の縦辺を構成する第2縦辺部52が設けられている。また、出入口28の内周部の上部には、出入口28の上側の横辺を構成する上辺部54が設けられている。
図4(A)に示すように、第1縦辺部50は、出入口28の内周部の右側部を表裏(前後方向)から挟んで補強するための第1補強部58と、第1補強部58の前端部に設けられた第2当たり部60とを有している。第1補強部58は、上下方向へ延びる溝状に形成されており、第2当たり部60は、閉状態における第1扉46の幅方向一方端部46aに前方(外側)から対向するように板状に形成されている。第1補強部58と第2当たり部60とは、アルミニウムおよび合成樹脂などを用いて一体に形成されている。
図4(B)に示すように、第2縦辺部52は、出入口28の内周部の左側部を表裏(前後方向)から挟んで補強するための第2補強部62と、第2補強部62の前端部に設けられた戸当たり部64とを有している。第2補強部62は、上下方向へ延びる溝状に形成されており、戸当たり部64は、閉状態における第2扉48の幅方向他方端部48bに前方(外側)から対向するように板状に形成されている。第2補強部62と戸当たり部64とは、アルミニウムおよび合成樹脂などを用いて一体に形成されている。
図6に示すように、上辺部54は、出入口28の内周部の上部を表裏(前後方向)から挟んで補強するための第3補強部66と、第3補強部66の前端部に設けられた第2当たり部68とを有している。第3補強部66は、左右方向へ延びる溝状に形成されており、第2当たり部68は、閉状態における第1扉46および第2扉48のそれぞれの上端部46c,48cに前方(外側)から対向するように板状に形成されている。第3補強部66と第2当たり部68とは、アルミニウムおよび合成樹脂などを用いて一体に形成されている。
図5に示すように、第1扉46は、上下方向に長い四角形(矩形)の板状に形成された第1扉本体70と、閉状態における第1扉本体70(図示省略)の右端部、左端部、上端部および下端部のそれぞれを表裏(前後方向)から挟んで補強するための4つの補強部72a~72dと、補強部72bの前端部に設けられた第4当たり部74とを有している。4つの補強部72a~72dのそれぞれは、アルミニウムおよび合成樹脂などを用いて一体に形成されており、補強部72bと第4当たり部74とは、同じ材料を用いて一体に形成されている。
図5に示すように、第2扉48は、上下方向に長い四角形(矩形)の板状に形成された第2扉本体76と、閉状態における第2扉本体76(図示省略)の右端部、左端部、上端部および下端部のそれぞれを表裏(前後方向)から挟んで補強するための4つの補強部78a~78dとを有している。4つの補強部78a~78dのそれぞれは、アルミニウムおよび合成樹脂などを用いて一体に形成されている。第1扉46および第2扉48のそれぞれの幅は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、第2扉48の幅が、第1扉46の幅よりも広く定められている。
図2(B)に示すように、仮設ユニット用ドア12は、上記の第1扉46および第2扉48に加えて、第1蝶番80、第2蝶番82、固定部84、第1回動阻止部86、第2回動阻止部88および第3回動阻止部90を備えている。
図4(A)に示すように、第1蝶番80は、第1扉46の幅方向一方端部46aを、出入口28の一方の縦辺を構成する第1縦辺部50に回動可能に取り付けるためのものである。図7に示すように、本実施形態の第1蝶番80は、抜き差し蝶番であり、第1縦辺部50に設けられた第1下側篏合片92と、第1扉46の幅方向一方端部46aに設けられ、第1下側篏合片92に対して上方から離脱可能に篏合される第1上側篏合片94とを有している。
第1下側篏合片92は、第1縦辺部50に対して3つのビス96で固定される板状の基体92aと、基体92aに設けられた上下方向へ延びる円筒状の軸受け部92bとを有している。第1上側篏合片94は、第1扉46の幅方向一方端部46aに対して3つのビス98で固定される板状の基体94aと、基体94aに設けられた上下方向へ延びる円筒状の筒体94bと、筒体94bの中心部から下方に突出して設けられた円形断面を有する棒状の回動軸94cとを有している。第1上側篏合片94の回動軸94cが第1下側篏合片92の軸受け部92bに上方から篏合されることによって、第1蝶番80が構成されている。
図4(C)に示すように、第2蝶番82は、第2扉48の幅方向一方端部48aを、第1扉46の幅方向他方端部46bに回動可能に取り付けるためのものである。本実施形態の第2蝶番82は、抜き差し蝶番であり、図4(A)に示す第1蝶番80と同様に構成されている。つまり、図示していないが、第2蝶番82は、第1扉46の幅方向他方端部46bに設けられた第2下側篏合片と、第2扉48の幅方向一方端部48aに設けられ、第2下側篏合片に対して上方から離脱可能に篏合される第2上側篏合片とを有している。
図4(B)に示すように、固定部84は、第2扉48の幅方向他方端部48bを、出入口28の他方の縦辺を構成する第2縦辺部52に離脱可能に固定するためのものである。本実施形態の固定部84は、第2扉48の幅方向他方端部48bに設けられたラッチ100と、第2縦辺部52に設けられたラッチ受け102とを有している。第2扉48の幅方向他方端部48bにおけるラッチ100の近傍には、ドアノブ104が設けられており、ラッチ100は、ドアノブ104の動作に連動して出没するように構成されている。
図4(A)に示すように、出入口28を塞いだ閉状態における第1扉46の第1縦辺部50に対する相対的な位置を第1位置P1としたとき、第1回動阻止部86は、第1位置P1から仮設ユニット10の外側へ向かう第1扉46の回動を阻止するものである。第1回動阻止部86は、第1扉46の外周部に設けられた第1当たり部106と、出入口28の内周部に設けられた第2当たり部60,68(図6)とを有しており、第1当たり部106が第2当たり部60,68(図6)に当たることによって、第1位置P1から仮設ユニット10の外側へ向かう第1扉46の回動が阻止される。図5に示すように、本実施形態では、第1扉本体70の右端部および上端部を補強する補強部72a,72cで第1当たり部106が構成されている。
図4(C)に示すように、出入口28を塞いだ閉状態における第2扉48の第1扉46に対する相対的な位置を第2位置P2としたとき、第2回動阻止部88は、第2位置P2から仮設ユニット10の外側へ向かう第2扉48の回動を阻止するものである。第2回動阻止部88は、第2扉48の幅方向一方端部48aに設けられた第3当たり部108と、第1扉46の幅方向他方端部46bに設けられた第4当たり部74とを有しており、第3当たり部108が第4当たり部74に当たることによって、第2位置P2から仮設ユニット10の外側へ向かう第2扉48の回動が阻止される。図5に示すように、本実施形態では、第2扉本体76の右端部を補強する補強部78aで第3当たり部108が構成されている。
図6に示すように、出入口28を開いた開状態における第1扉46の第1縦辺部50に対する相対的な位置を第3位置P3としたとき、第3回動阻止部90は、第3位置P3から仮設ユニット10の内側へ向かう第1扉46の回動を阻止するものである。第3回動阻止部90は、第1扉46の外周部に設けられた第5当たり部110と、仮設ユニット10の内部に設けられた第6当たり部112とを有しており、第5当たり部110が第6当たり部112に当たることによって、第3位置P3から仮設ユニット10の内側へ向かう第1扉46の回動が阻止されるとともに、第1扉46の奥側に第2扉48を収容する収容空間Qが構成される。図5に示すように、本実施形態では、第1扉本体70の上端部を補強する補強部72cで第5当たり部110が構成されている。
図6に示す第6当たり部112は、仮設ユニット10を構成する前壁部26aの内面から内側へ突出するように設けられた基体112aと、基体112aの先端部から下方へ突出するように設けられた突起部112bとを有している。基体112aは、第1扉46の上端よりも上方において前壁部26aの上部に固定されている。突起部112bは、その下端が、第1扉46の上端よりも下方に配置されるように構成されている。
図7に示すように、第1蝶番80を第1下側篏合片92と第1上側篏合片94とに分割するためには、第1扉46を持ち上げて、回動軸94cを軸受け部92bから離脱させる必要がある。そのため、基体112aの位置は、第1扉46を回動軸94cの長さ以上に持ち上げることができるように定められている。つまり、図3に示すように、第1扉46(図3)の上端の高さをH1とし、基体112a(図6)の下面の高さをH2とし、第1扉46の上端から基体112aの下面までの距離をD1としたとき、図6に示す基体112aの位置は、距離D1(図3)が図8に示す回動軸94cの長さD2よりも長くなるように定められている。
(仮設ユニット用ドアの作動)
図8は、第1扉46および第2扉48を仮設ユニット10の内側へ回動させて出入口28を開いた状態を示す断面図である。図8に示すように、仮設ユニット10の出入口28を開くとき、使用者は、ドアノブ104を回して、固定部84の固定状態を解除するとともに、第2扉48の幅方向他方端部48bを仮設ユニット10の内側へ押す。すると、第1扉46および第2扉48の全体が内側へ回動される。図6に示す第1扉46の第5当たり部110が、図6に示す第6当たり部112の突起部112bに当たった状態から第2扉48をさらに回動させると、図8中の二点鎖線で示すように、第2扉48が第1扉46に対して折り曲げられ、使用者が出入りするための通路が広げられる。
図9(A)は、第2扉48を収容空間Qに収容する工程を示す断面図であり、図9(B)は、第2扉48を収容空間Qに収容した状態を示す断面図である。出入口28を開放した状態で仮設ユニット10を使用する場合には、第2扉48が邪魔になることがある。例えば、図2(A)に示す小便器18を使用する場合には、第2扉48が邪魔になる。そこで、図9(A)に示すように、二点鎖線で示した状態から、第1扉46および第2扉48をさらに折り曲げた後、図9(B)に示すように、第2扉48を小便器18の前側の収容空間Qに収容する。
図10(A)は、第1扉46および第2扉48を第1縦辺部50から取り外した状態を示す断面図であり、図10(B)は、第2扉48を第1扉46から取り外した状態を示す断面図である。本実施形態では、第1蝶番80および第2蝶番82として、分割可能な抜き差し蝶番(図7)が用いられているので、体調不良を生じた使用者を救出する場合などの緊急時には、図10(A)に示すように、第1扉46および第2扉48を第1縦辺部50から取り外すことができる。また、出入口28を開放した状態で仮設ユニット10を使用する場合において、第2扉48が邪魔であれば、図10(B)に示すように、第2扉48を第1扉46から取り外すことができる。この場合には、残された第1扉46を目隠しとして用いることができる。
(実施形態の効果)
本実施形態によれば、上記構成により以下の各効果を奏することができる。すなわち、図8に示すように、第1扉46および第2扉48を、仮設ユニット10の内側へ回動させて折り曲げることができるので、第1扉46および第2扉48は、使用者が出入りする際の妨げになり難い。また、第1扉46および第2扉48を、第1蝶番80および第2蝶番82を中心として互いに同じ方向へ回動させることができるので、出入口28を簡単に開くことができる。つまり、使用者は、第2扉48の幅方向他方端部48bを仮設ユニット10の内側に押すだけで、一般的な内開き方式のドアと同様に、第1扉46および第2扉48の全体を内側へ回動させることができる。
図4(A)に示すように、第1当たり部106が第2当たり部60,68に当たることによって、第1位置P1から仮設ユニット10の外側へ向かう第1扉46の回動を確実に阻止できるので、仮設ユニット10の外側にいる人に第1扉46がぶつかることを確実に防止できる。また、図4(C)に示すように、第3当たり部108が第4当たり部74に当たることによって、第2位置P2から仮設ユニット10の外側へ向かう第2扉48の回動を確実に阻止できるので、仮設ユニット10の外側にいる人に第2扉48がぶつかることを確実に防止できる。
図6に示すように、出入口28を開くときには、第5当たり部110を第6当たり部112に当てることによって、第2扉48を折り曲げる作業を自動的に行うことができるので、第1扉46および第2扉48の操作を簡単に行うことができる。また、出入口28を開放した状態で仮設ユニット10を使用する場合には、第1扉46の奥側に構成された収容空間Qに、第2扉48を収容することができる。
(変形例)
本発明の実施にあたっては、上記の第1実施形態に限定されず、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、図1に示す第2扉48の幅が、第1扉46の幅よりも広く定められているが、第1扉46の幅が、第2扉48の幅よりも広く定められてもよい。この構成によれば、通常の使用時には、主に、幅の狭い(サイズが小さい)第1扉46を回動させることによって、出入口28を簡単に開くことができる。一方、体調不良を生じた使用者を救出する場合などの緊急時には、第1扉46および第2扉48の全体を回動させて出入口28を大きく開くことができる。
上記実施形態では、第1蝶番80および第2蝶番82として、分割可能な抜き差し蝶番が用いられているが、これらに代えて、分割できない通常の蝶番が用いられてもよい。また、回動させるときに抵抗力が作用する蝶番が用いられてもよい。
第1扉46を仮設ユニット10の内側へ回動させるときに第1蝶番80に作用する抵抗力を「第1抵抗力」とし、第2扉48を仮設ユニット10の内側へ回動させるときに第2蝶番82に作用する抵抗力を「第2抵抗力」としたとき、「第2抵抗力」は、「第1抵抗力」よりも大きく定められてもよい。この構成によれば、第1扉46および第2扉48の全体を第1蝶番80において回動させる際に、第1扉46および第2扉48の折り曲げを抑制できる。したがって、第1扉46および第2扉48の全体の回動操作を容易に行うことができる。なお、「第1抵抗力」および「第2抵抗力」は、第1蝶番80および第2蝶番82に対して摩擦力として作用してもよいし、ばねの弾性力として作用してもよい。
上記実施形態では、図6に示す第3回動阻止部90の基体112aが、仮設ユニット10を構成する前壁部26aの上部に固定されているが、基体112aを固定する位置は、適宜変更されてもよい。例えば、基体112aは、図2(A)に示す仮設ユニット10を構成する後側壁26b、左側壁26c、右側壁26d、床部26eおよび天井壁32(図1)のいずれかに設けられてもよい。また、第3回動阻止部90は省略されてもよい。
上記実施形態では、図3に示す距離D1が図7に示す長さD2よりも長くなるように、図6に示す基体112aの位置が定められているが、基体112aと干渉しない位置で第1扉46を持ち上げる場合には、距離D1は長さD2よりも短くなっていてもよい。
図4(B)に示す固定部84の構成は、上記実施形態に限定されるものではなく、第2扉48の幅方向他方端部48bを第2縦辺部52に離脱可能に固定するための他の構成が用いられてもよい。例えば、単純な引掛け構造などが用いられてもよい。
P1…第1位置、P2…第2位置、P3…第3位置、Q…収容空間、S…室内空間、10…仮設ユニット、12…仮設ユニット用ドア、28…出入口、46a…幅方向一方端部、46b…幅方向他方端部、46…第1扉、48a…幅方向一方端部、48b…幅方向他方端部、48…第2扉、50…第1縦辺部、52…第2縦辺部、80…第1蝶番、82…第2蝶番、84…固定部、86…第1回動阻止部、88…第2回動阻止部、90…第3回動阻止部、104…ドアノブ、106…第1当たり部、60,68…第2当たり部、108…第3当たり部、74…第4当たり部、110…第5当たり部、112…第6当たり部。

Claims (9)

  1. 仮設ユニットの矩形の出入口を塞ぐための第1扉および第2扉と、
    前記第1扉の幅方向一方端部を、前記出入口の一方の縦辺を構成する第1縦辺部に回動可能に取り付けるための第1蝶番と、
    前記第2扉の幅方向一方端部を、前記第1扉の幅方向他方端部に回動可能に取り付けるための第2蝶番と、
    前記第2扉の幅方向他方端部を、前記出入口の他方の縦辺を構成する第2縦辺部に離脱可能に固定するための固定部と、
    前記出入口を塞いだ閉状態における前記第1扉の前記第1縦辺部に対する相対的な位置を第1位置としたとき、前記第1位置から前記仮設ユニットの外側へ向かう前記第1扉の回動を阻止する第1回動阻止部と、
    前記出入口を塞いだ閉状態における前記第2扉の前記第1扉に対する相対的な位置を第2位置としたとき、前記第2位置から前記仮設ユニットの外側へ向かう前記第2扉の回動を阻止する第2回動阻止部とを備える、仮設ユニット用ドア。
  2. 前記第1回動阻止部は、前記第1扉の外周部に設けられた第1当たり部と、前記出入口の内周部に設けられた第2当たり部とを有し、
    前記第1当たり部が前記第2当たり部に当たることによって、前記第1位置から前記仮設ユニットの外側へ向かう前記第1扉の回動が阻止される、請求項1に記載の仮設ユニット用ドア。
  3. 前記第2回動阻止部は、前記第2扉の幅方向一方端部に設けられた第3当たり部と、前記第1扉の幅方向他方端部に設けられた第4当たり部とを有し、
    前記第3当たり部が前記第4当たり部に当たることによって、前記第2位置から前記仮設ユニットの外側へ向かう前記第2扉の回動が阻止される、請求項1または2に記載の仮設ユニット用ドア。
  4. 前記第1蝶番は、前記第1縦辺部に設けられた第1下側篏合片と、前記第1扉の幅方向一方端部に設けられ、前記第1下側篏合片に対して上方から離脱可能に篏合される第1上側篏合片とを有する、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の仮設ユニット用ドア。
  5. 前記第2蝶番は、前記第1扉の幅方向他方端部に設けられた第2下側篏合片と、前記第2扉の幅方向一方端部に設けられ、前記第2下側篏合片に対して上方から離脱可能に篏合される第2上側篏合片とを有する、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の仮設ユニット用ドア。
  6. 前記出入口を開いた開状態における前記第1扉の前記第1縦辺部に対する相対的な位置を第3位置としたとき、前記第3位置から前記仮設ユニットの内側へ向かう前記第1扉の回動を阻止する第3回動阻止部を備え、
    前記第3回動阻止部は、前記第1扉の外周部に設けられた第5当たり部と、前記仮設ユニットの内部に設けられた第6当たり部とを有し、
    前記第5当たり部が前記第6当たり部に当たることによって、前記第3位置から前記仮設ユニットの内側へ向かう前記第1扉の回動が阻止されるとともに、前記第1扉の奥側に前記第2扉を収容する収容空間が構成される、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の仮設ユニット用ドア。
  7. 前記第1扉を前記仮設ユニットの内側へ回動させるときに前記第1蝶番に作用する抵抗力を第1抵抗力とし、前記第2扉を前記仮設ユニットの内側へ回動させるときに前記第2蝶番に作用する抵抗力を第2抵抗力としたとき、
    前記第2抵抗力は、前記第1抵抗力よりも大きく定められる、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の仮設ユニット用ドア。
  8. 前記第1扉の幅は、前記第2扉の幅よりも広く定められている、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の仮設ユニット用ドア。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の仮設ユニット用ドアを備える、仮設ユニット。

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