JP2023019502A - 充電コネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】外装部材に対する電線の干渉を避けつつ、当該電線を外装部材内に配索することが可能な充電コネクタを提供する。【解決手段】充電コネクタ10は、複数のシグナル端子のそれぞれに電気的に接続される複数の信号線42と、グランド端子13に電気的に接続され、信号線42よりも太いグランド線43と、外部充電コネクタの挿抜方向(X方向)に沿って見てグランド端子13から離れた位置で、グランド線43の長手方向の一部がグランド端子13の長手方向と交差する方向に沿うように、グランド線43の長手方向の一部を保持するグランド線保持部38と、を備え、グランド線43は、グランド端子13とグランド線保持部38との間に位置し、グランド端子13の長手方向からグランド端子13の長手方向と交差する方向に曲げられた曲げ部43aを有する。【選択図】図7

Description

本開示は、充電コネクタに関する。
電気自動車等の車両には、電気スタンド側の外部充電コネクタと接続されて充電を受けるための充電コネクタが搭載される。このような充電コネクタと外部充電コネクタとの接続部分には接続端子が備えられる。
このような充電コネクタとして、特許文献1に記載のような装置が知られている。特許文献1に記載の充電コネクタは、外部充電コネクタに嵌着される筒状部を備えている。筒状部の内部には、外部充電コネクタの端子と電気的に接続される複数の端子が設けられる。
特開2020-83130号公報
ここにおいて、端子から延び出る電線が太くなると、曲げ難くなる。この場合、曲げ難い電線を、外装部材(例えば、プロテクタやグロメット)との干渉を避けつつ外装部材内に配策することが望まれる。
そこで、外装部材に対する電線の干渉を避けつつ、当該電線を外装部材内に配索することが可能な充電コネクタを提供することを目的とする。
本開示の充電コネクタは、車両に搭載され、前記車両の外部電源に接続される外部充電コネクタが挿抜され、前記車両に備えられるバッテリの充電に用いられる充電コネクタであって、複数の第1端子と、前記第1端子よりも太い第2端子と、前記外部充電コネクタを挿抜可能な開口部と、前記外部充電コネクタの挿抜方向から見た場合に、前記開口部の内側に位置し、前記複数の第1端子と前記第2端子とを収容する複数の端子収容部を有するハウジング本体と、前記端子収容部に対して前記開口部とは反対側の端部に取付けられ、前記ハウジング本体と共に前記第1端子および第2端子を保持するリテーナと、前記複数の第1端子のそれぞれに電気的に接続される複数の第1電線と、前記第2端子に電気的に接続され、前記第1電線よりも太い第2電線と、前記挿抜方向に沿って見て前記第2端子から離れた位置で、前記第2電線の長手方向の一部が前記第2端子の長手方向と交差する方向に沿うように、前記第2電線の長手方向の一部を保持する電線保持部と、前記第1端子、前記第2端子、前記リテーナおよび前記電線保持部を前記開口部とは反対側から覆う外装部材と、を備え、前記第2電線は、前記第2端子と前記電線保持部との間に位置し、前記第2端子の長手方向から前記第2端子の長手方向と交差する方向に曲げられた曲げ部を有する。
本開示によれば、外装部材に対する電線の干渉を避けつつ、当該電線を外装部材内に配索することができる。
図1は充電コネクタを備える車両を外部電源とともに示す概略図である。 図2は実施形態1にかかる充電コネクタ及びその組付態様を示す平面図である。 図3は実施形態1にかかる充電コネクタを背面から示す斜視図である。 図4は実施形態1にかかる充電コネクタを示す分解斜視図である。 図5は実施形態1にかかる充電コネクタを示す正面図である。 図6は図5のVI-VI線に沿った断面図である。 図7はハウジングと各電線の配策とを背面から示す説明図である。 図8はハウジングとカバー部材とを各電線およびグロメットの電線引出口とともに側面から示す説明図である。 図9はハウジングの一部とカバー部材とを分解した状態で背面から拡大して示す部分拡大図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の充電コネクタは、次の通りである。
(1)車両に搭載され、前記車両の外部電源に接続される外部充電コネクタが挿抜され、前記車両に備えられるバッテリの充電に用いられる充電コネクタであって、複数の第1端子と、前記第1端子よりも太い第2端子と、前記外部充電コネクタを挿抜可能な開口部と、前記外部充電コネクタの挿抜方向から見た場合に、前記開口部の内側に位置し、前記複数の第1端子と前記第2端子とを収容する複数の端子収容部を有するハウジング本体と、前記端子収容部に対して前記開口部とは反対側の端部に取付けられ、前記ハウジング本体と共に前記第1端子および前記第2端子を保持するリテーナと、前記複数の第1端子のそれぞれに電気的に接続される複数の第1電線と、前記第2端子に電気的に接続され、前記第1電線よりも太い第2電線と、前記挿抜方向に沿って見て前記第2端子から離れた位置で、前記第2電線の長手方向の一部が前記第2端子の長手方向と交差する方向に沿うように、前記第2電線の長手方向の一部を保持する電線保持部と、前記第1端子、前記第2端子、前記リテーナおよび前記電線保持部を前記開口部とは反対側から覆う外装部材と、を備え、前記第2電線は、前記第2端子と前記電線保持部との間に位置し、前記第2端子の長手方向から前記第2端子の長手方向と交差する方向に曲げられた曲げ部を有する、充電コネクタである。
本開示によると、電線保持部によって第2電線が曲った状態に保たれる。外装部材に対する第2電線の干渉を避けつつ、当該第2電線を外装部材内に配索することができる。これにより、例えば、グロメット等の外装部材の取付を容易に実施できる。また、電線保持部は、第2端子から遠い位置で、第2電線を保持しているため、曲げ部全体を保持する構成と比較して、構成の簡易化が図られる。
(2)前記電線保持部に、前記第2電線に対して壁部を介して隔てられた位置で前記第1電線のうちの少なくとも1つを案内する案内部が設けられてもよい。本開示によると、電線保持部に設けられた案内部により第1電線も案内されることから、第1電線の車両内での配策経路がまとめられ簡素化する。第1電線とは壁部を介して隔てた状態で第2電線が保持されるため、電線保持部は当該第2電線をしっかりと一定位置に保持できる。
(3)前記案内部は、前記第1電線の長さ方向に交差する方向に開口し、前記第1電線の長手方向に沿う保持溝を有してもよい。本開示によると、第1電線を案内部へ容易に配置できる。
(4)前記ハウジング本体に前記第2電線に沿って延びる腕部が一体形成されており、前記電線保持部は、前記腕部に一体形成されており、前記電線保持部に保持された前記第2電線を覆うように前記電線保持部に着脱可能に取付けられるカバー部材をさらに備えてもよい。本開示によると、ハウジングの腕部に電線保持部が設けられるので、電線保持部を第2端子から離すことができる。また、電線保持部にカバー部材が取り付けられることによってで、第2電線の抜けが防止される。
(5)前記外装部材は可撓性を有してもよい。本開示によると、グロメットが可撓性を有することから、グロメットを容易に装着することができる。また、前記第2電線の曲げ部がグロメットに当接した場合でも、第2電線の曲げ部を緩やかに押圧することができる。
(6)前記外装部材は、前記複数の第1電線と前記第2電線とを共に外側へ引き出す引出口を有し、前記電線保持部は、前記第2電線を前記引出口の方向へ案内し、前記案内部は、前記第1電線を前記引出口の方向へ案内してもよい。本開示によると、第1電線と第2電線とを保持する構成を簡素化できる。
(7)前記外部充電コネクタにおいて前記バッテリへ電力を供給する端子と接続されるパワー端子と、前記パワー端子のうち前記開口部とは反対側の端部に取り付けられ、前記パワー端子の長手方向と交差する方向に延びる中継端子と、前記中継端子を介して前記パワー端子に電気的に接続され、前記パワー端子の長手方向に交差する方向に延出する電力線と、をさらに備えてもよい。本開示によると、パワー端子の長手方向と交差する方向に延びる中継端子を備えるため、電力線をパワー端子の長手方向に交差する方向に延出させることができる。このため、車両内の他部品との干渉を回避できる。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の充電コネクタの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されず、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内におけるすべての変更が含まれることが意図される。
各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張または簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率については各図面で異なる場合がある。また、本明細書における「平行」や「直交」は、厳密に平行や直交の場合のみでなく、本実施形態における作用ならびに効果を奏する範囲内で概ね平行や直交の場合も含まれる。
[実施形態1]
以下、実施形態1にかかる充電コネクタ10について説明する。図1は、充電コネクタ10を備える車両1を外部電源9とともに示す概略図である。
<車両1について>
車両1は、ボディ2と、バッテリ3と、PCU(Power Control Unit)4と、電動発電機5と、充電器6と、充電コネクタ10と、を含む。
バッテリ3は、二次電池であり、例えばリチウムイオン電池である。PCU4は、インバータおよびコンバータを含む。電動発電機5は、駆動用のモータと発電機としての機能を有する回転電機である。PCU4は、バッテリ3から供給される直流電力を交流電力に変換して、電動発電機5に供給する。電動発電機5は、PCU4から供給される交流電力(または直流電力)によって駆動して、駆動輪を駆動させる。また、車輪の減速時等に電動発電機5が発電する。PCU4は、電動発電機5によって発電された交流電力を直流電力に変換してバッテリ3を充電する。
ボディ2は、車両1の外観を構成する部分である。ボディ2には、蓋が設けられている。蓋が開けられると、充電コネクタ10が外部に露出する。充電コネクタ10が設けられる位置は任意である。例えば、充電コネクタ10は、ボディ2の前部に設けられてもよいし、側部における後方部分に設けられてもよい。
充電器6は、充電コネクタ10およびバッテリ3に接続されている。充電器6は、たとえば、充電コネクタ10から供給される交流電力を直流電力に変換し、あるいは、充電コネクタ10から供給される直流電力を電圧変換して、バッテリ3に供給する。
車両1におけるバッテリ3の充電態様として、一般に、普通充電及び急速充電がある。急速充電は、普通充電よりも大きな電流を流すことによって、普通充電よりも短時間での充電を可能にする。普通充電は、家庭用電源又はそれと同等の外部電源が用いられることが想定される。急速充電では、例えば充電スタンドなどの専用の電源が用いられることが想定される。本開示の充電コネクタ10は、急速充電に対応した充電コネクタであるものとして説明される。
<車両1における充電コネクタ10>
充電コネクタ10は、車両1に備えられるバッテリ3の充電に用いられる。充電コネクタ10は、車両1に搭載される。充電コネクタ10には、車両1の外部電源9に接続される外部充電コネクタ7が挿抜される。具体的には、充電コネクタ10は、外部充電コネクタ7と嵌合することにより、外部充電コネクタ7の端子と接続される。本実施形態においては、外部充電コネクタ7のピン状の端子が、充電コネクタ10の筒状の端子に嵌合して接続される。なお、外部充電コネクタ7の筒状の端子に、充電コネクタ10のピン状の端子が嵌合して接続されても良い。外部充電コネクタ7は、変換器8を介して外部電源9に接続されている。
変換器8は、外部電源9から供給される電力電流および電圧等を調整して、バッテリ3に供給する。車両1は、バッテリ3の電力によってモータが駆動されることによって走行する。車両1は、駆動源としてモータのみを備える電気自動車であってもよいし、モータとエンジンとを備えるハイブリッド自動車であってもよい。
図2は、実施形態1にかかる充電コネクタ10及びその組付態様を示す平面図である。充電コネクタ10は、外部充電コネクタ7(図1参照)が嵌合されて電気的に接続されることが可能に構成される。充電コネクタ10は、例えば、車両1におけるボディ2に設けられた取付部100に取付けられる。図2には、取付部100の一例が示されている。取付部100は、例えば、ボディ2をなすパネル102の一部が車両の内側に凹む凹状に形成された部分である。このパネル102の凹部の開口が外部充電コネクタを受入可能な開口部を形成する。取付部100のうち底部のパネル102には貫通孔104が形成される。
充電コネクタ10の外部充電コネクタ7の挿抜方向における車両1の外側には、外部充電コネクタ7との接続部分が設けられる。接続部分は、外部充電コネクタ7が挿し込まれて電気的に接続される部分を含む。充電コネクタ10における接続部分を含む一部は、貫通孔104を貫通してパネル102の外側に露出する。充電コネクタ10の他の一部は、パネル102よりも車両の内側に配置される。通常、取付部100には、車体側カバー106が設けられる。車体側カバー106は、ヒンジ等によって開閉可能にパネル102に取付けられる。車体側カバー106が閉じた状態で、車体側カバー106がパネル102の開口部を覆う。車体側カバー106が開いた状態で、充電コネクタ10が露出し、外部から充電コネクタ10へのアクセスが可能となる。
本開示において、図2に示されるように、互いに直交するX方向、Y方向及びZ方向のうち、X方向が、充電コネクタ10がパネル102の貫通孔104を貫通する方向に平行な方向とされる。充電コネクタ10と外部充電コネクタ7とは、X方向に接続される。本明細書においては、X方向のことを、外部充電コネクタ7の挿抜方向と表現している。Y方向は一対のパワー端子の並列方向である。Z方向は、X方向及びY方向の両方に直交する方向である。例えば、充電コネクタ10が車両1の側面に設けられる場合、X方向は車両の左右方向であり、Y方向は車両の前後方向であり、Z方向は鉛直方向となる。例えば、充電コネクタ10が車両1の前面又は後面に設けられる場合、X方向は車両の前後方向であり、Y方向は車両の左右方向であり、Z方向は鉛直方向となる。
<全体構成について>
図2に加えて、図3から図6を参照しつつ、充電コネクタ10の全体構成について説明する。図3は実施形態1にかかる充電コネクタ10を背面から示す斜視図である。図4は実施形態1にかかる充電コネクタ10を示す分解斜視図である。図5は実施形態1にかかる充電コネクタ10を示す正面図である。図6は図5のVI-VI線に沿った断面図である。また、図7はハウジング30と各電線の配策とを背面から示す説明図である。なお、図4において電力線41は省略されている。
充電コネクタ10は、ハウジング30と、各端子11~14と、各電線41~43と、カバー部材15,16と、リテーナ60と、リッドユニット80と、外装部品としてのグロメット90とを備える。
<端子11~14について>
図4、図5、および図6に示すように、端子は、例えば、一対のパワー端子11、シグナル端子12、グランド端子13、および中継端子14を含む。パワー端子11、シグナル端子12、およびグランド端子13は、ハウジング30に収容される。パワー端子11、シグナル端子12、およびグランド端子13は、充電時に上述の外部充電コネクタ7の端子(図示しない)と接続される。より具体的には、一対のパワー端子11は、車両1の外部側からバッテリ3へ電力を供給する外部充電コネクタ7の端子と接続される。また、シグナル端子12は、車両1の外部側と車両1の制御部(PCU4)との間で信号を伝送する外部充電コネクタ7の端子と接続される。
図4および図5に示すように、各端子11~14の数や種類は、充電コネクタ10の規格よって適宜設定される。本実施形態においては、一対のパワー端子11、6つのシグナル端子12、および1つのグランド端子13が設けられる。中継端子14は、パワー端子11と電力線41(図5参照)との間に介在する。そして、中継端子14は、パワー端子11と電力線41とを電気的に接続する。中継端子14は、パワー端子11と同数(ここでは2つ)設けられる。各端子11~14は、例えば金属板をプレス加工(曲げ加工)して形成される。
<各電線について>
図6に示すように、各電線の一端部は、例えば、各端子11~14に電気的に接続される。各電線の他端部は、グロメット90から外部に延び出る。充電コネクタ10が車両に搭載された状態では、各電線の他端部は、車両に搭載された別の機器に接続される。かかる機器は、電線の種類などに応じて適宜設定され、例えば、バッテリ、電子制御ユニット(ECU(Electronic Control Unit))などが想定される。電線の数及び種類は、各端子11~14の数及び種類に対応する。本実施形態の例では、各電線40は、2本の電力線41、6本の信号線42、及び1本のグランド線43を含む。また、各電線には、端子の温度を計測するセンサに接続される電線等も含まれる。電力線41の一端部は、中継端子14に接続される。電力線41は、中継端子14を介してパワー端子11と接続される(図7参照)。信号線42の一端部は、シグナル端子12に接続される。グランド線43の一端部は、グランド端子13に接続される。本実施形態においては、シグナル端子12は第1端子の一例であり、信号線42は第1電線の一例である。グランド端子13はシグナル端子12よりも太い第2端子の一例であり、グランド線43は、信号線42よりも太い第2電線の一例である。
各電線は、被覆電線である。被覆電線は、芯線と芯線を覆う被覆とを有する。芯線は、例えば、金属製の複数の素線が撚られて形成される。被覆は、例えば、絶縁性を有する樹脂が芯線の周りに押出成形されて形成される。各電線として、互いに太さが異なる複数種類の電線が用いられてもよい。各電線の太さは、許容電流値などに応じて設定される。通常、許容電流値を大きくするには、導体断面積を大きくする必要があり、その分、電線の太さが太くなる。また電線の太さは、通常、電線の曲りにくさと相関関係にあり、電線が太くなるにつれて、電線が曲りにくくなる。例えば、曲りやすい電線と曲りにくい電線とが同じ角度分曲げられたときに、曲りにくい電線の曲率半径は、曲りやすい電線の曲率半径よりも大きくなり、その分、大きな配置スペースが必要となる。
図7に示すように、本例では、電力線41は、信号線42やグランド線43よりも太い。このため、電力線41は、信号線42やグランド線43よりも曲がりにくい。また、グランド線43は、信号線42よりも太い。このため、グランド線43は、信号線42よりも曲がりにくい。特に近年は、急速充電の要請から電力線41に大電流が流れるため、電力線41の大径化が進んでいる。電力線41として、例えば70スクエア~95スクエア、またはそれ以上のサイズの電線が採用される。また、近年の急速充電の要請に応じて、大電流を許容するために、グランド線43の大径化も進んでいる。グランド線43として、例えば、20スクエア、またはそれ以上のサイズの電線が採用される。なお、グランド端子13は、シグナル端子12よりも太い。
<中継端子14および電力線41について>
図4、図6、及び図7に示すように、一対の中継端子14は、パワー端子11それぞれにおいて外部充電コネクタ7と接続される側と反対側の端部(つまり、開口部36Aとは反対側の端部)に取り付けられる。各中継端子14は、例えば、外部充電コネクタ7の挿抜方向(X方向)に直交する方向に延びる。また、図7ないし図9に示すように、一対の電力線41は、外部充電コネクタ7の挿抜方向に直交する方向に延びるように、各中継端子14に固定される。このような構成により、外部充電コネクタ7の挿抜方向(X方向)での充電コネクタ10のスペースが縮小される。なお、本実施形態においては、各中継端子14および電力線41が外部充電コネクタ7の挿抜方向(X方向)に直交する方向に延びる構成としているが、直交する方向に限定されず、交差する方向に延びてもよい。ただし、外部充電コネクタ7の挿抜方向(X方向)での充電コネクタ10の省スペース化の観点からは、外部充電コネクタ7の挿抜方向(X方向)に直交する方向に延びる構成であることが好ましい。このように、パワー端子11の長手方向(外部充電コネクタ7の挿抜方向)と交差する方向に延びる中継端子14を備えるため、電力線41をパワー端子11の長手方向(X方向)に交差する方向に延出させることができる。このため、車両1内の他部品との干渉を回避できる。
また、電力線41は、中継端子14に接続され、中継端子14から電力線保持部37まで直線状に延びる。このように電力線41が直線状に延びると、中継端子14の延びる方向によって電力線41の延びる方向を規制することができる。つまり、中継端子14によって、電力線41の配線方向の自由度が高くなる。電力線41は、グロメット90内において、電力線保持部37からさらに直線状に延びてグロメット90の電線引出口95から引出される。電力線41がグロメット90内を直線状に延びることで、グロメット90内において曲げた電力線41を収容するスペースを設ける必要がなくなり、充電コネクタ10の小型化が図られる。
<ハウジング30について>
図7は、ハウジング30と中継端子14とを示す背面図である。図8は、ハウジング30と中継端子14とを示す側面図である。なお、図7および図8において、各電線が仮想線で示されている。
図2~図8に示すように、ハウジング30は、例えば合成樹脂により形成される。ハウジング30は、ハウジング本体31と、車両取付部32とを含む。ハウジング本体31には、一対のパワー端子収容部33、複数のシグナル端子収容部34、およびグランド端子収容部35が形成されている。一対のパワー端子収容部33は、一対のパワー端子11をそれぞれに収容可能である。複数のシグナル端子収容部34は、複数のシグナル端子12をそれぞれに収容可能である。グランド端子収容部35は、グランド端子13を収容可能である。各端子収容部33,34,35は、それぞれ対応する各端子11,12,13を収容可能な筒状に形成される。
本実施形態においては、パワー端子収容部33はY方向に並列しており、一対のパワー端子11もまたY方向に並列している。このようなパワー端子11の配置関係は、充電規格で定められている。複数のシグナル端子収容部34及び複数のシグナル端子12は、パワー端子11の中心軸の並列方向を境界として、当該パワー端子11の軸方向及び並列方向に直交する方向において両側に分れて位置する。グランド端子13及びグランド端子収容部35は、パワー端子11の中心軸の並列方向を境界とする一方側に位置する。シグナル端子12およびグランド端子13の配置関係も、同様に充電規格で定められており、それに従ってシグナル端子収容部34およびグランド端子収容部35が形成される。
また、ハウジング本体31は、外枠部36を有する。外枠部36は、上記各端子収容部33,34,35の周りを囲う筒状に形成される。各端子収容部33,34,35の中間部において、各端子収容部33,34,35及び外枠部36が例えば平板状の連結部によってつながっている(図5及び図6参照)。外枠部36のうち当該平板状の連結部よりも車両外側部分が、外部充電コネクタ7を挿抜可能な開口部36Aを構成する(図5及び図6参照)。前記挿抜方向に沿って見て、上記パワー端子収容部33、シグナル端子収容部34及びグランド端子収容部35は、開口部36Aの内側に位置する。ハウジング本体31の前方にリッドユニット80が取付けられる。ハウジング本体31の後方(つまり、ハウジング本体31に対して開口部36Aとは反対側)にリテーナ60が取付けられる。
車両取付部32は、充電コネクタ10を取付部100(図1参照)に取付けるための部分である。車両取付部32は、ハウジング本体31の軸方向中間部において、外枠部36の周囲に突出する板状に形成されている。車両取付部32は、取付部100に対して、例えばねじなどによって取付けられる。
図7および図8に示すように、ハウジング30は、さらに電力線保持部37とグランド線保持部38とを備える。すなわち、電力線保持部37およびグランド線保持部38は、ハウジング30に含まれる。電力線保持部37およびグランド線保持部38を含むハウジング30は、一体成型により形成される。このように電力線保持部37やグランド線保持部38がハウジング30と一体成型される場合は、電力線保持部37やグランド線保持部38が別部品である場合と比較して、加工工数や部品点数を削減できる点で、有益である。また、車両の振動によって電力線保持部37が振動しても、電力線保持部37は車両に固定されたハウジング本体31と同位相で振動する。このため、ハウジング本体31に保持された中継端子14と電力線保持部37との振動の位相ずれに起因して、中継端子14周りに電力線41が振られることが抑制される。
なお、本実施形態においては、外枠部36からY方向に向かって板状の腕部39が突出する。腕部39は、電力線41およびグランド線43が延設される方向に延びる(図7参照)。電力線保持部37は、腕部39において、腕部39の突出方向に沿った先端部に設けられる。また、同様に、グランド線保持部38も、腕部39に設けられる。つまり、本実施形態において、ハウジング本体31に腕部39が一体形成され、腕部39の先端部にグランド線保持部38が一体形成されている。ハウジング30は、ハウジング本体31と腕部39とグランド線保持部38とが、同じ樹脂で金型一体成型された部材であると把握され得る。また、腕部39の先端部に電力線保持部37がさらに一体形成されてもよい。
<電力線保持部37について>
図9は、電力線保持部37とグランド線保持部38とを背面斜方から拡大して示す部分拡大図である。図4および図7に示すように、電力線保持部37は、例えば腕部39の先端部(外枠部36から離間した位置)に設けられる。これにより、電力線保持部37は、挿抜方向に沿って見て、端子14から離れた位置で、電力線を保持することができる。また、電力線保持部37は、2つの電力線41(図7参照)それぞれを固定するように、2つ設けられる。
電力線保持部37は、パワー端子11から延びる電力線41の中間部を保持する。このような構成により、電力線保持部37とパワー端子11とが離れて配置される。これにより、電力線41のうち電力線保持部37に保持されている部分又は電力線保持部37が振動したとしても、その振動はパワー端子11に伝わりにくくなる。これにより、パワー端子11自体が振動し難くなり、パワー端子11とハウジング本体31とが擦れることが抑制される。なお、電力線保持部37とパワー端子11との間の好ましい距離は、例えば80mm~100mmである。80mmよりも大きい場合は、電力線41の振動がパワー端子11へ伝わることが効果的に抑制される。また、100mmよりも小さい場合は、電力線保持部37の電力線41の重さを支えるために必要な強度を上げる必要がないため、ハウジングの製造コストが低減される。
電力線保持部37は、電力線41の長手方向において異なる少なくとも二以上の位置で電力線41に接触して、電力線41を保持する(図7参照)。本実施形態においては、電力線保持部37は、電力線41との複数の接触部371等を有する。本実施形態においては、各電力線保持部37は、それぞれ一対の接触部371,372(または373,374)を有する(以下、「接触部373,374」については、接触部371,372の説明と同じであるため、説明を省略する。)。
より具体的には、電力線保持部37は、底部37aと当該底部37aの両側部から立設された一対の側壁部37bとを有する。一対の側壁部37bの間隔は電力線41の直径と同じか当該直径よりも大きい。一対の側壁部37bの突出寸法は、電力線41の直径と同じか当該直径よりも大きい。底部37aと一対の側壁部37bの間に電力線41を収容可能な溝状の空間が形成される。
図9に示すように、接触部371,372は、一対の側壁部37bの内面に、電力線41の延在方向において位置を変えて設けられる。ここでは、接触部371が一方の側壁部37bの内面に形成され、接触部372が他方の側壁部37bの内面に形成される。これにより、接触部371,372が電力線41に対してその長手方向に沿って異なる位置で、互いに反対側から接触することができる。この場合、接触部371,372が電力線41の長手方向において異なる位置で一対の側壁部37bの先端縁間の距離を狭めるため、一対の接触部が前記長手方向において同じ位置に設けられる場合と比較して、電力線41を一対の側壁部37bの間に容易に挿入できる。接触部371,372は、同じ側壁部37bの内面に形成されていてもよい。
接触部371,372は、側壁部37bの内面から突出する形状に形成されている。接触部371,372の突出端部と当該接触部371,372に対向する側壁部37bの内面との距離は、電力線41の直径よりも小さく設定される。これにより、電力線41が一対の側壁部37b間に配置された状態で、接触部371,372により抜け止される。
また、電力線保持部37のうち底部37aと側壁部37bとで形成される部分は、電力線41の周方向に沿う弧形面を有している(図8参照)。接触部371,372の弧状面のうち底部37aから遠い側の端部は、底部37aとは反対側から電力線41に接している。一対の側壁部37bの突出方向において、電力線41が底部37aと弧状面の先端部との間に挟まれ、当該方向において一定位置に位置決め保持され、当該方向における電力線41の振動が有効に抑制される。なお、一対の側壁部37bの距離が電力線41の直径と同じか小さければ(僅かに小さければ)一対の側壁部37bを結ぶ方向においても電力線41が位置決めされ当該方向の振動が有効に抑制される。
また、接触部371,372が、電力線41の長手方向において、異なる二点で電力線41に接触することから、電力線41を媒体として伝わる横方向の振動の伝達が抑制される。例えば、電力線が1点接触で保持されている場合は、当該接触箇所を節とするような振動は伝わってしまう可能性がある。電力線がその長手方向に異なる2点で接触して保持されている場合には、いずれか1点を節とする振動についても他方の保持箇所によって伝播を抑制できる可能性がある。このため、電力線41の振動がパワー端子11に伝播することが効果的に抑制される。本実施形態では、電力線41の長手方向に沿って所定範囲に延在する一対の側壁部37bが電力線41を挟み込むことによって、一対の側壁部37bを結ぶ方向における振動が抑制される。また、2つの接触部371,372が底部37aとは反対側から電力線41に接触する。これにより、一対の側壁部37bが立ち上がる方向における振動が、電力線41の長手方向において異なる2点で有効に抑制される。なお、この接触部371,372の(中央部の)二点間の距離は、効果的な振動の伝播抑制の観点から、20mm程度であるとよい。
<カバー部材15について>
図4及び図8に示すように、カバー部材15は、腕部39、電力線保持部37に着脱可能に取付けられる。カバー部材15は、電力線41を覆い、電力線41が電力線保持部37から抜けることを抑制する。カバー部材15と電力線保持部37とによって、電力線41の周囲全体が覆われる。本実施形態では、2つの電力線保持部37に対して、一つのカバー部材15が設けられる。カバー部材15は、2本の電力線41を押さえる。図4に示すように、カバー部材15は、電力線保持部37に形成された突起部375に対して、嵌合する係合部151を備える。
より具体的には、一対の側壁部37bの少なくとも1つの外面に突起部375が形成されている(図9も参照)。ここでは、2つの電力線保持部37において、内側に位置する2つの側壁部37bの対向面に突起部375が形成されている。
カバー部材15は、覆い部15aと、一対の側壁部15bとを有する。覆い部15aは、2つの電力線保持部37のうち底部37aとは反対側の開口を覆う板状に形成されている。一対の側壁部15bは、覆い部15aの両側部から当該覆い部15aの一方主面側に突出している。一対の側壁部15bは、2つの電力線保持部37において最も外側に位置する側壁部37bの外面に被さることができる。
覆い部15aの幅方向中間部に板状の係合部15cが突出している(図8参照)。係合部15cに上記突起部375が嵌ることができる係合孔が形成されている。
そして、覆い部15aが2つの電力線保持部37の開口を覆い、かつ、一対の側壁部15bが両外側の側壁部37bに被さる。この際、係合部15cが弾性変形することで、突起部375が当該係合部15cに形成された係合孔に係合することができる。また、係合部15cを弾性変形させることで、当該係合部15cに形成された係合孔に対する突起部375の係止を解除することができる。これにより、カバー部材15が電力線保持部37に対して着脱可能に取付けられる。なお、カバー部材15と電力線保持部37との固定方法は、他の公知の方法を含む各種方法が適用できる。カバー部材15と電力線保持部37とは、ヒンジ等により開閉可能に取り付けられてもよい。また、カバー部材15は、各電力線保持部37毎に別々の2つのカバー部材15として取り付けられてもよい。
<グランド線保持部38について>
図4および図7に示すように、グランド線保持部38は、例えば腕部39の一側部の延在方向中間部に、当該腕部39の幅方向外側に突出するように設けられる。このため、腕部39は外枠部36から離間した位置に設けられる。これにより、グランド線保持部38は、挿抜方向に沿って見て、グランド端子13から離れた位置で、グランド線43を保持することができる。
グランド線保持部38は、グランド端子13から延びるグランド線43の中間部を保持する。このような構成により、グランド線保持部38とグランド端子13とが離れて配置される。これにより、グランド線43のうちグランド線保持部38に保持されている部分又はグランド線保持部38が振動したとしても、その振動はグランド端子13に伝わりにくくなる。これにより、グランド端子13自体が振動し難くなり、グランド端子13とハウジング本体31とが擦れることが抑制される。なお、グランド線保持部38とグランド端子13との間の好ましい距離は、例えば50mm~70mmである。50mmよりも大きい場合は、グランド線43の振動がグランド端子13へ伝わることが効果的に抑制される。また、70mmよりも小さい場合は、グランド線保持部38のグランド線43の重さを支えるために必要な強度を上げる必要がないため、ハウジング30の製造コストが低減される。グランド線保持部38とグランド端子13との間の距離は、電力線保持部37とパワー端子11との間の距離よりも短くてもよい。グランド線43は、電力線41よりも細いことが多く、振動が電力線41の場合ほど問題とならないためである。
グランド線保持部38は、グランド線43の長手方向において異なる少なくとも二以上の位置でグランド線43に接触して、グランド線43を保持する(図7参照)。本実施形態においては、グランド線保持部38は、グランド線43との一対の接触部381、382を有する。
より具体的には、グランド線保持部38は、底部38aと当該底部38aの両側部から立設された一対の側壁部38bとを有する。一対の側壁部38bの間隔はグランド線43の直径と同じか当該直径よりも大きい。一対の側壁部38bの突出寸法は、グランド線43の直径と同じか当該直径よりも大きい。底部38aと一対の側壁部38bの間にグランド線43を収容可能な溝状の空間が形成される。
図9に示すように、接触部381,382は、一対の側壁部38bの内面に、グランド線43の延在方向において位置を変えて設けられる。ここでは、接触部381が一方の側壁部38bの内面に形成され、接触部382が他方の側壁部38bの内面に形成される。これにより、接触部381,382がグランド線43に対してその長手方向に沿って異なる位置で、互いに反対側から接触することができる。この場合、接触部381,382がグランド線43の長手方向において異なる位置で一対の側壁部38bの先端縁間の距離を狭めるため、一対の接触部が前記長手方向において同じ位置に設けられる場合と比較して、グランド線43を一対の側壁部38bの間に容易に挿入できる。接触部381,382は、同じ側壁部38bの内面に形成されていてもよい。
接触部381,382は、側壁部38bの内面から突出する形状に形成されている。接触部381,382の突出端部と当該接触部381,382に対向する側壁部38bの内面との距離は、グランド線43の直径よりも小さく設定される。これにより、グランド線43が一対の側壁部38b間に配置された状態で、接触部381,382により抜け止される。
また、グランド線保持部38のうち側壁部38bと接触部381、側壁部38bと接触部382で形成される部分は、側断面形状が、グランド線43の周方向に沿う弧形面を有している(図8参照)。接触部381,382の弧状面のうち底部38aから遠い側の端部は、底部38aとは反対側からグランド線43に接している。一対の側壁部38bの突出方向において、グランド線43が底部38aと弧状面の接触部381、382との間に挟まれ、当該方向において一定位置に位置決め保持され、当該方向におけるグランド線43が確実に固定される。なお、一対の側壁部38bの距離がグランド線43の直径と同じか小さければ(僅かに小さければ)一対の側壁部38bを結ぶ方向においてもグランド線43が位置決めされ、当該方向におけるグランド線43が確実に固定される。なお、グランド線43の近年の大径化の傾向により、充電コネクタ10外におけるグランド線43の振動がグランド端子13に伝わらないようにする対策も課題となっているが、このような構成はグランド線43の振動の伝播抑制効果も有する。
また、接触部381,382が、グランド線43の長手方向において、異なる二点でグランド線43に接触することから、電力線保持部37と同様に、グランド線43をより確実に固定することができる。また、グランド線43を媒体として伝わる横方向の振動の伝達が抑制される。例えば、グランド線43が1点接触で保持されている場合は、当該接触箇所を節とするような振動は伝わってしまう可能性がある。グランド線43がその長手方向に異なる2点で接触して保持されている場合には、いずれか1点を節とする振動についても他方の保持箇所によって伝播を抑制できる可能性がある。このため、グランド線43の振動がグランド端子13に伝播することが効果的に抑制される。本実施形態では、グランド線43の長手方向に沿って所定範囲に延在する一対の側壁部38bがグランド線43を挟み込むことによって、一対の側壁部38bを結ぶ方向における振動が抑制される。また、2つの接触部381,382が、グランド線保持部38の鉛直方向(Z方向)およびグランド線43の延出方向(Y方向)において異なる位置に配置される。これにより、鉛直方向にのみ異なる配置(つまり2つの接触部381,382が、グランド線43の延出方向において同じ位置で鉛直方向に対向している配置)である場合と比較して、グランド線43のグランド線保持部38への嵌め込みが簡易となる。また、2つの接触部381,382が、底部38aとは反対側からグランド線43に接触する。これにより、一対の側壁部38bが立ち上がる方向における振動が、グランド線43の長手方向において異なる2点で有効に抑制される。なお、この接触部381,382の(中央部の)二点間の距離は、効果的な振動の伝播抑制の観点から、20mm程度であるとよい。
以上のようにして、グランド線43がグランド線保持部38によって保持されることにより、後に説明するグロメット90内で、グランド線43が曲った状態に保たれる。これにより、グランド線43が外装部材(車両1内の他部品)に干渉し難くなる。これにより、例えば、外装部材の取付を容易に実施できる。また、電線の保持構造の簡素化が可能となる。
<カバー部材16について>
図4、図8、及び図9に示すように、カバー部材16は、グランド線保持部38に着脱可能に取付けられる。カバー部材16は、グランド線43を覆い、グランド線43がグランド線保持部38から抜けることを抑制する。カバー部材16とグランド線保持部38とによって、グランド線43の周囲全体が覆われる。カバー部材16は、グランド線43を押さえる。図4及び図9に示すように、カバー部材16は、グランド線保持部38に形成された突起部383に対して、嵌合する係合部16bを備える。
より具体的には、図9に示すように、一対の側壁部38bの少なくとも1つの外面(ここでは両外面)に突起部383が形成されている。カバー部材16は、覆い部16aと、一対の係合部16bと、覆い部16aと対向する面側に形成される案内部としての保持溝16dとを有する。図7に示すように、保持溝16dは、信号線42の長さ方向に交差する方向(X方向)に開口する。また、保持溝16dは、信号線42の長手方向(Y方向)に沿って形成される。保持溝16dの深さ及び幅は、保持溝16dにより案内される電線の種類や数によって変更される。保持溝16dの深さ及び幅は、信号線42が複数本(本実施形態においては6本)収容可能な大きさであってもよい。充電コネクタ10には、複数のシグナル端子12が収容される。したがって、シグナル端子12に接続された複数の信号線42が車両1内へ引き出される。このように、多数の電線が引き出されるため、車両1内での電線の配策が複雑化しやすい。このため、簡素な配策の観点から、シグナル端子12に接続される信号線42のうち、より多くの信号線42が保持溝16dに案内されることが好ましい。なお、このように保持溝16dが形成されていることから、電線を組み付ける作業において、保持溝16dが電線配策箇所であることが作業者により直感的に判断される。このため、このような保持溝16dが形成されると、作業性が向上する。
一対の係合部16bが、覆い部16aの幅方向両側部から突出している(図9参照)。係合部16bには、突起部383が嵌ることができる係合孔16cが形成される。
覆い部16aは、グランド線保持部38のうち底部38aとは反対側の開口を覆う板状に形成されている。グランド線保持部38と覆い部16aとによって囲まれる空間とその反対側の面に形成される保持溝16dとは、覆い部16aの板厚分だけ隔てられている。つまり、覆い部16aは、グランド線保持部38によって保持されるグランド線43と保持溝16dによって保持される信号線42とを隔てる壁部の一例である。覆い部16aのうちグランド線保持部38側の面は、グランド線43の周面に対応するような弧状溝を有していてもよい。一対の係合部16bは、覆い部16aの両側部から当該覆い部16aの一方主面側に突出している。一対の係合部16bは、グランド線保持部38において側壁部38bの外面に形成される一対の突起部383に係合する。グランド線保持部38においては、一対の係合部16bにより、係合部16bのそれぞれに対応する突起部383が係合されるため、グランド線43がグランド線保持部38とカバー部材16とによって、周囲を囲まれる形で保持される。また、覆い部16aの幅方向両側の延長部16eが一対の側壁部38bのうち接触部381,382が形成された部分の外側から接していてもよい。これにより、カバー部材15が被さった状態で、接触部381,382が外向けに変位し難くなり、グランド線保持部38からのグランド線43の脱出が抑制される。また、
このようなグランド線保持部38とカバー部材16とが係合するときには、まず、一対の係合部16bが側壁部38bの外側に被さる。この際、係合部16bが弾性変形することで、突起部383が当該係合部16bに形成された係合孔16cに係合することができる。また、係合部16bを弾性変形させることで、当該係合部16bに形成された係合孔16cに対する突起部383の係止を解除することができる。これにより、カバー部材16がグランド線保持部38に対して着脱可能に取付けられる。一対の係合部16bと一対の突起部383との係合箇所は、側壁部38bと腕部39又は補助カバー39aとの間に形成された隙間39bに配置されているとよい。これにより、一対の係合部16bと一対の突起部383との係合状態が解除され難い。なお、カバー部材16とグランド線保持部38との固定方法は、他の公知の方法を含む各種方法が適用できる。カバー部材16とグランド線保持部38とは、ヒンジ等により開閉可能に取り付けられてもよい。
このようにカバー部材16に対して、グランド線保持部38に、グランド線43に対して壁部を介して隔てられた位置で信号線42を案内する案内部が設けられるので、複数の電線がまとめられて配索されることになり、電線の配索経路が簡素化する。また、信号線42とは壁部を介して隔てた状態でグランド線43が保持されるため、グランド線保持部38はグランド線43をしっかりと一定位置に保持できる。また、グランド線43と壁部を介して隔てて配策されつつ、グランド線43の近傍に配策されることが可能であるので、外装部材の同一の電線引出口95から引き出されることができる。これにより、外装部材の外側での電線の配策経路も簡素化する。
<曲げ部43aについて>
グランド線43は、グランド端子13とグランド線保持部38との間に位置する曲げ部43aを有する。図2に示すように、グランド線43は、曲げ部43aにより、グランド端子13の長手方向(X方向)からグランド端子13の長手方向(外部充電コネクタの挿抜方向)と直交する方向(Y方向)に曲げられる。グランド線43は、電力線41と比較して細径であり、可撓性が高いことが多い。したがって、グランド線43の場合は、電力線41のように中継端子14を利用することなく、延出方向が変更可能である。このため、この曲げ部43aによって、グランド端子13の長手方向(外部充電コネクタの挿抜方向)と直交する方向に曲げられたグランド線43は、グランド線保持部38により、上記のとおり、グランド端子13と直交する方向に保持される。本実施形態においては、曲げ部43aにより、グランド端子13の長手方向(外部充電コネクタの挿抜方向)と直交する方向(Y方向)にグランド線43が曲げられるが、曲げられる方向は直交する方向に限定されない。交差する方向あればよい。ただし、グランド線43の延伸方向がグロメット90の電線引出口95方向と一致することが好ましい。
このように、曲げ部43aにより、グランド端子13から遠い位置で、グランド線43を保持しているため、曲げ部全体を保持する構成と比較して、特に電線の配策の面で、構成の簡易化が図られる。
<曲げ部42aについて>
信号線42は、グランド線43と同様に、シグナル端子12とカバー部材16との間に位置する曲げ部42aを有する。信号線42もまた、グランド線43と同様に、中継端子14を利用することなく、延出方向が変更可能である。このため、この曲げ部42aによって、シグナル端子12と交差する方向(外部充電コネクタの挿抜方向)に曲げられた信号線42は、カバー部材16の保持溝16dにより上記のとおり、グランド端子13と交差する方向に保持される。
<リテーナ60>
図4および図6に示すように、リテーナ60は、ハウジング30からの各端子11等の抜けを抑制する。リテーナ60は、端子押え部61(図6参照)と、リブ65、66とを含む。端子押え部61は、ハウジング30に収容された端子11,12の後方を押さえる。これにより、端子11,12がハウジング30から後方に抜けることを抑制する。つまり、リテーナ60は、ハウジング本体31と共に、端子11、12を保持する。端子押え部61は、後方カバー部62と、複数の突出筒部63とを含む。
後方カバー部62は、外枠部36の後方の開口部を塞ぐ。後方カバー部62には、複数の貫通孔62a(図7参照)が形成されている。複数の貫通孔62aは、各端子収容部33,34,35に対応する位置に形成されている。パワー端子11に対応する貫通孔を通じて、パワー端子11及び中継端子14が接触しつつねじ止めされている。中継端子14は、後方カバー部62の背面上に配置される。シグナル端子12及びグランド端子13に対応する貫通孔から信号線42及びグランド線43が引き出されている。
図6に示すように、複数の突出筒部63は、後方カバー部62から前方(ハウジング30側)に向けて突出する。複数の突出筒部63は、各端子収容部33,34,35に対応する位置に形成されている。各突出筒部63は、各貫通孔62aと連通する。各突出筒部63の先端が、対応する端子収容部33,34,35に挿入されて、対応する各端子11,12,13を後方から押える。
図4に示すように、ハウジング30及びリテーナ60には、係止部30p、60pが設けられている。本実施形態の例では、係止部として、ハウジング30に形成された係止突起とリテーナ60に形成された係止片とが設けられている。係止片が係止突起に係止することによって、ハウジング30及びリテーナ60が、互いに取付けられた状態に維持される。
<グロメット90について>
図4および図6に示すように、グロメット90は、ハウジング30およびカバー部材15,16を開口部36A(図5および図6参照)とは反対側から覆う。より具体的には、図4に示すように、グロメット90は、ハウジング30とカバー部材15,16を車両1の内側から覆う。図3および図4に示すように、グロメット90は、第1保護部91と、第2保護部94とを含む。第1保護部91は、ハウジング30の外枠部36(外枠部36の内側に配置されるパワー端子11,シグナル端子12,およびグランド端子13)と中継端子14とを覆う。グロメット90は、これらの端子11、12、13を押付けるリテーナ60をも覆っている。第2保護部94は、電力線保持部37、グランド線保持部38、およびカバー部材15,16を覆う。グロメット90は、可撓性を有する材料で形成される。グロメット90は、例えば、エチレンプロピレンジエンゴムなどのエラストマ製である。
グロメット90のハウジング引出口92の外面には、結束バンド98が取付けられている。グロメット90は、結束バンド98によって電力線保持部37およびグランド線保持部38を含むハウジング30に取付けられている。
図5に示すように、第2保護部94には、電線引出口95が形成されている。電線引出口95を通じてパワー端子11から中継端子14(図4および図6参照)を介して接続される電力線41の他端部がグロメット90の外部に延び出る。1つのグロメット90に3つの電線引出口95が設けられている。3つの電線引出口95のうち2つの電線引出口95は、2つの電力線41用に設けられる。2つの電線引出口95それぞれに1本の電力線41が通されている。3つの電線引出口95のうち残りの1つの電線引出口95に、信号線42やグランド線43がまとめて通されている。これらの信号線42やグランド線43は、グランド線保持部38やカバー部材16の保持溝16dに案内された各電線40である。
なお、信号線42は、電力線41よりも細径の電線が用いられることが多い。したがって、電力線41のように振動が端子に伝播するという問題も生じにくい。このため、信号線42においては、カバー部材16の保持溝16dではなく、グランド線保持部38の外側の経路に沿って配索されることも可能である。この場合、グランド線保持部38の側壁部38bを介して配策されていれば、グランド線保持部38はグランド線43をしっかりと一定位置に保持できる。
[付記]
本実施形態では、第1端子及び第1電線がシグナル端子12及び信号線42であり、それらよりも太い第2端子及び第2電線がグランド端子13及びグランド線43である例が説明された。しかしながら、第1端子及び第1電線、それらよりも太い第2端子及び第2電線は、上記例に限られない。例えば、第1端子及び第1電線がシグナル端子12及び信号線42であり、それらよりも太い第2端子及び第2電線が電源用の端子及び電力線であってもよい。
上述の実施形態においては、電力線保持部37とグランド線保持部38が、ハウジング30と一体で形成される構成が採用されているが、電力線保持部37とグランド線保持部38とがハウジング30と別部材で構成されていてもよい。この場合、電力線保持部37とグランド線保持部38とは、ねじ止、嵌め合わせ構造等によってハウジング30に取付けられてもよい。この場合も、電力線41からパワー端子11への振動の伝播の抑制の観点から、電力線保持部37とパワー端子11との距離はある程度(例えば80mm~100mm程度)離れているとよい。
1 車両
2 ボディ
3 バッテリ
5 電動発電機
6 充電器
7 外部充電コネクタ
8 変換器
9 外部電源
10 充電コネクタ
11 パワー端子
12 シグナル端子
13 グランド端子
14 中継端子
15 カバー部材
15a 覆い部
15b 側壁部
15c 係合部
16 カバー部材
16 覆い部
16a 覆い部
16b 係合部
16c 係合孔
16d 保持溝
16e 延長部
30 ハウジング
30p 係止部
31 ハウジング本体
32 車両取付部
33 パワー端子収容部
34 シグナル端子収容部
35 グランド端子収容部
36 外枠部
36A 開口部
37 電力線保持部
37 グランド線保持部
37a 底部
37b 側壁部
38 グランド線保持部
38a 底部
38b 側壁部
39 腕部
39a 補助カバー
39b 隙間
41 電力線
42 信号線
42a 曲げ部
43 グランド線
43a 曲げ部
60 リテーナ
60p 係止部
61 端子押え部
62 後方カバー部
62a 貫通孔
63 突出筒部
65 リブ
66 リブ
80 リッドユニット
90 グロメット
91 第1保護部
92 ハウジング引出口
94 第2保護部
95 電線引出口
98 結束バンド
100 取付部
102 パネル
104 貫通孔
106 車体側カバー
371,372,373,384 接触部
375 突起部
381,382 接触部
383 突起部

Claims (7)

  1. 車両に搭載され、前記車両の外部電源に接続される外部充電コネクタが挿抜され、前記車両に備えられるバッテリの充電に用いられる充電コネクタであって、
    複数の第1端子と、
    前記第1端子よりも太い第2端子と、
    前記外部充電コネクタを挿抜可能な開口部と、前記外部充電コネクタの挿抜方向から見た場合に、前記開口部の内側に位置し、前記複数の第1端子と前記第2端子とを収容する複数の端子収容部を有するハウジング本体と、
    前記端子収容部に対して前記開口部とは反対側の端部に取付けられ、前記ハウジング本体と共に前記第1端子および前記第2端子を保持するリテーナと、
    前記複数の第1端子のそれぞれに電気的に接続される複数の第1電線と、
    前記第2端子に電気的に接続され、前記第1電線よりも太い第2電線と、
    前記挿抜方向に沿って見て前記第2端子から離れた位置で、前記第2電線の長手方向の一部が前記第2端子の長手方向と交差する方向に沿うように、前記第2電線の長手方向の一部を保持する電線保持部と、
    前記第1端子、前記第2端子、前記リテーナおよび前記電線保持部を前記開口部とは反対側から覆う外装部材と、
    を備え、
    前記第2電線は、前記第2端子と前記電線保持部との間に位置し、前記第2端子の長手方向から前記第2端子の長手方向と交差する方向に曲げられた曲げ部を有する、充電コネクタ。
  2. 請求項1に記載の充電コネクタにおいて、
    前記電線保持部に、前記第2電線に対して壁部を介して隔てられた位置で前記第1電線のうちの少なくとも1つを案内する案内部が設けられる、充電コネクタ。
  3. 請求項2に記載の充電コネクタにおいて、
    前記案内部は、前記第1電線の長さ方向に交差する方向に開口し、前記第1電線の長手方向に沿う保持溝を有する、充電コネクタ。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一つに記載の充電コネクタにおいて、
    前記ハウジング本体に前記第2電線に沿って延びる腕部が一体形成されており、
    前記電線保持部は、前記腕部に一体形成されており、
    前記電線保持部に保持された前記第2電線を覆うように前記電線保持部に着脱可能に取付けられるカバー部材をさらに備える、充電コネクタ。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一つに記載の充電コネクタにおいて、
    前記外装部材は可撓性を有する充電コネクタ。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか一つに記載の充電コネクタにおいて、
    前記外装部材は、前記複数の第1電線と前記第2電線とを共に外側へ引き出す引出口を有し、
    前記電線保持部は、前記第2電線を前記引出口の方向へ案内する、充電コネクタ。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか一つの充電コネクタにおいて、
    前記外部充電コネクタにおいて前記バッテリへ電力を供給する端子と接続されるパワー端子と、
    前記パワー端子のうち前記開口部とは反対側の端部に取り付けられ、前記パワー端子の長手方向と交差する方向に延びる中継端子と、
    前記中継端子を介して前記パワー端子に電気的に接続され、前記パワー端子の長手方向に交差する方向に延出する電力線と、
    をさらに備える、充電コネクタ。
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