JP2023018971A - 増幅回路およびその製造方法 - Google Patents

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Tomoharu Kimura
武史 陶山
Takeshi Toyama
弥生 竹市
Yayoi TAKEICHI
毅 関谷
Tsuyoshi Sekitani
隆文 植村
Takafumi Uemura
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【課題】擬CMOSインバータ回路を用いた増幅回路において、ノイズ性能と製造コストとのバランスに優れた回路デザインを提供する。【解決手段】増幅回路は、半導体チャネルの伝導型が互いに同じである複数のトランジスタが電気的に接続されて構成された擬CMOSインバータ100を含む。擬CMOSインバータは、入力信号がゲートに入力される第1のトランジスタ101と、第1のトランジスタの能動負荷となる第2のトランジスタ102と、第1のトランジスタとは並列に入力信号がゲートに入力される第3のトランジスタ103と、第3のトランジスタと電気的に接続されてプッシュプル出力段を構成する第4のトランジスタ104と、を備える。ここで、トランジスタ101~104各々の実効的なチャネル長を夫々符号L1、L2、L3及びL4で表すとき、L1>L2≧L3=L4である。【選択図】図1

Description

この発明は、トランジスタを用いて構成される増幅回路に関し、例えば有機トランジスタなどの薄膜トランジスタを用いる増幅回路に適用可能なものである。
例えば表示装置やタッチパネル装置、ウェアラブル電子装置等を製造する目的で、ガラス板や樹脂板、樹脂シート等の基板の表面に薄膜トランジスタなどの薄膜半導体素子を形成するための技術が研究されている。特に近年では、その性能や生産技術の向上が著しく、また材料によっては印刷技術を利用したデバイス作成が可能であるとの観点から、このような薄膜半導体素子の材料として有機半導体が注目されている。
このような材料により形成される半導体デバイスでは、一般的にその伝導型は使用される半導体材料の種類に大きく依存し、特性の揃ったP型デバイスとN型デバイスとを混在させた、いわゆるコンプリメンタリ型の回路を構成することが困難である。このことに関して、P型またはN型の一方のみを用いてCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)回路と同等の機能を実現した回路も考案されている。
例えば特許文献1には、P型の薄膜トランジスタのみを用いてCMOSインバータと同等の機能を果たす回路が記載されており、このような回路は「擬CMOSインバータ」と称呼されている。また例えば特許文献2には、擬CMOSインバータ回路の入出力間に帰還抵抗を接続することで、該回路を増幅回路として利用することが提案されている。
特開2015-204702号公報(例えば、図10) 特開2017-217098号公報(例えば、図5)
このような増幅回路は、例えばウェアラブル電子装置に実装される生体センサの信号を増幅する目的に適用可能である。この場合、生体からの信号が基本的に微弱であることから、増幅回路のノイズ(雑音)を抑えることが求められる。詳しくは後述するが、低雑音化には各トランジスタのチャネル幅を大きくすることが有効である。しかしながら、これにより回路面積が増大することで、同一ロットで製造可能な回路の数が少なくなり、またプロセスエラーによる歩留まりの低下の原因ともなり得る。これらは回路の製造コストを上昇させる。
このように、増幅回路のノイズ性能と製造コストとの間にはトレードオフの関係があり、ノイズ性能とコストとのバランスを取ることのできる回路デザインが求められる。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、擬CMOSインバータ回路を用いた増幅回路において、ノイズ性能と製造コストとのバランスに優れた回路デザインを提供することを目的とする。
この発明の一の態様は、半導体チャネルの伝導型が互いに同じである複数のトランジスタが電気的に接続されて構成された擬CMOSインバータ回路を含む増幅回路である。また、この発明の他の一の態様は、そのような増幅回路の製造方法である。
これらの発明において、前記擬CMOSインバータ回路は、入力信号がゲートに入力される第1のトランジスタと、前記第1のトランジスタの能動負荷となる第2のトランジスタと、前記第1のトランジスタとは並列に前記入力信号がゲートに入力される第3のトランジスタと、前記第3のトランジスタと電気的に接続されてプッシュプル出力段を構成する第4のトランジスタとを備え、前記第1、第2、第3および第4のトランジスタ各々の実効的なチャネル長をそれぞれ符号L1、L2、L3およびL4で表すとき、次式:
L1>L2≧L3=L4
の関係が成立する。
ここでいう「実効的なチャネル長」とは、各トランジスタにおいてチャネルとして機能する半導体層のうち、ドレイン電極とソース電極とを電気的に接続し実際にチャネルとして有効に機能する部分の長さを指し、必ずしも当該半導体層の物理的な長さとは一致しない。
詳しくは後述するが、このように構成された発明では、回路面積の増大に対するノイズ性能の改善効果が大きい、あるいは同じ回路面積でよりノイズ性能の良好な増幅回路を構成することが可能である。したがって、増幅回路の製造コストの上昇を抑えつつ、ノイズ性能を改善することができる。
上記のように、本発明による増幅回路の回路デザインは、ノイズ性能と製造コストとのバランスに優れたものとなっている。
擬CMOSインバータの構成例を示す図である。 インバータ回路を増幅回路として使用した例を示す図である。 チャネル長およびチャネル幅の定義を示す図である。 チャネル長およびチャネル幅の定義を示す他の図である。 シミュレーション結果の一例を示すグラフである。 増幅回路の寸法およびノイズ計測結果を示す図である。 チャネル寸法を異ならせたトランジスタのパターン例を示す図である。 N型トランジスタによる擬CMOSインバータ回路の構成例を示す図である。
以下、本発明に係る増幅回路のいくつかの実施形態について、図面を参照しながら説明する。本発明の一実施形態は、伝導型が互いに同一であるトランジスタの組み合わせにより、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)インバータの回路構成および機能を模した、いわゆる擬CMOSインバータを使用した増幅回路である。CMOSインバータ、およびCMOSインバータを用いた増幅回路の回路構成およびその動作原理は公知であるので、ここでは説明を省略し、まず擬CMOSインバータ回路について説明する。
図1は擬CMOSインバータの構成例を示す図である。より具体的には、図1(a)は擬CMOSインバータの回路構成の一例を示す図であり、図1(b)はその動作特性例を示す図である。擬CMOSインバータ100は、同一基板上に形成された4つのトランジスタ101~104を備えている。これらのトランジスタ101~104はいずれも、P型の伝導型を有するデプレション型トランジスタであり、例えば全てのトランジスタ101~104が同一構造を有するものとすることができる。したがって、これらのトランジスタ101~104を同一の製造プロセスで同時に形成することが可能である。なお、以下の説明においては、「擬CMOSインバータ」を単に「インバータ」と称することがある。
第1のトランジスタ101のゲート(G)端子は入力端子Vi’に接続されている。また、そのソース(S)端子は図示しない電源に接続されて、適宜の正電位の電源電圧Vddが印加されている。ドレイン(D)端子はトランジスタ102のソース端子と接続されている。第2のトランジスタ102のゲート端子はソース端子に接続され、ドレイン端子には電源電圧Vs1が印加される。電源電圧Vs1は電源電圧Vddの電位より低く、例えば接地電位または適宜の負電位とすることができる。第2のトランジスタ102は、第1のトランジスタ101の能動負荷として機能している。
第3のトランジスタ103のゲート端子は、第1のトランジスタ101のゲート端子と接続されている。つまり、第1のトランジスタ101のゲート端子と第3のトランジスタ103のゲート端子とは互いに並列に、入力端子Vi’に接続されている。第3のトランジスタ103のソース端子には電源電圧Vddが印加されている。また、第3のトランジスタ103のドレイン端子は第4のトランジスタ104のソース端子に接続され、さらに出力端子Vo’に接続されている。つまり、第3のトランジスタ103と第4のトランジスタ104とがプッシュプル出力段を構成している。
第4のトランジスタ104のゲート端子は第1のトランジスタ101のドレイン端子、第2のトランジスタ102のソース端子およびゲート端子に接続されている。第4のトランジスタ104のドレイン端子には電源電圧Vs2が印加されている。電源電圧Vs2は電源電圧Vs1と共通とすることができる。なお、既に知られているように、擬CMOSインバータ回路の特徴として、これらの電源電圧Vs1、Vs2を異ならせることによりその動作特性を変調することが可能である。ただし、以下では最も簡単な例として電源電圧Vs1、Vs2を同電位、例えばいずれも接地電位とした場合で考える。
このように構成された擬CMOSインバータ100は、入力端子Vi’にHレベルの信号が入力されたときには出力端子Vo’にLレベルを出力する一方、入力端子Vi’にLレベルの信号が入力されたときには出力端子Vo’にHレベルを出力する反転回路として機能する。なお、以下の説明において特に区別する必要がない限り、入力端子およびこれに印加される入力電圧をいずれも符号Vi’により表す。同様に、出力端子およびこれに現れる出力電圧をいずれも符号Vo’により表す。
具体的には、図1(b)に示すように、入力電圧Vi’が接地電位(0V)に近いときには、出力電圧Vo’はほぼ電源電圧Vddに近い値となる。一方、入力電圧Vi’が電源電圧Vddに近いときには、出力電圧Vo’はほぼ電源電圧Vs2となり、Vs2=0とした本例ではほぼ接地電位となる。そして、接地電位と電源電圧Vddとの中間的な電圧V1~V2の範囲において、出力電圧Vo’は大きく変動する。言い換えれば、この電圧範囲では入力電圧Vi’の僅かな変化に対して出力電圧Vo’が大きく変動する。この性質を利用して、インバータ回路を反転増幅回路として利用することが可能である。以下の説明のために、電圧V1~V2の範囲内で、入力電圧Vi’と出力電圧Vo’とが等しくなるときの電位を、符号Vnにより表すこととする。
図2はインバータ回路を増幅回路として使用した例を示す図である。より具体的には、図2(a)はインバータ回路を用いた増幅回路の構成例を示し、図2(b)はそのより具体的な回路構成例を示す。図2(a)に示すように、前述した擬CMOSインバータ100の入力端子Vi’と出力端子Vo’との間に帰還素子Zfを接続することにより、擬CMOSインバータ100を反転増幅回路として動作させることができる。
出力端子Vo’から入力端子Vi’への電圧帰還により、無信号状態では両端子が同電位となる。より具体的には、入力電圧Vi’と出力電圧Vo’とがいずれも電圧Vnであるとき平衡状態となる。したがって入力端子Vi’に直流電位が現れることとなるので、増幅回路30の入力端子Viとインバータ100の入力端子Vi’との間には直流カット用の入力キャパシタCが設けられる。なお、以下の説明において特に区別する必要がない限り、増幅回路30の入力端子およびこれに印加される入力電圧をいずれも符号Viにより表す。同様に、出力端子およびこれに現れる出力電圧をいずれも符号Voにより表す。増幅回路30の出力端子Voは、インバータ100の出力端子Vo’と電気的には同一である。
増幅回路30の入力端子Viに信号が入力されると、インバータ100の入力端子Vi’の電位は電圧Vnを中心として信号に応じた変化を示す。これに応じてインバータ100の出力電圧Vo’が大きく変化することで、増幅された信号が増幅回路50の出力端子Voに現れる。図1(b)に示されるように、入力電圧Vi’の上昇に対し出力電圧Vo’は低下する方向に変化するから、増幅回路30は反転増幅回路として機能する。
図2(b)は、帰還素子Zfとして能動素子であるトランジスタ111を使用した例を示している。図2(b)に示すように、この事例の増幅回路50では、インバータ100の入出力端子間に接続する帰還素子として、トランジスタ111が用いられる。トランジスタ111は、インバータ100を構成するトランジスタ101~104と同じ伝導型を有している。この例では、伝導型がP型のデプレション型トランジスタが用いられる。
トランジスタ111では、ソース(S)端子がインバータ100の出力端子Vo’に、ドレイン(D)端子がインバータ100の入力端子Vi’に接続されている。したがって、P型チャネルを有するトランジスタ111においては、チャネルの順方向電流は、インバータ100の出力端子Vo’から入力端子Vi’に向かって流れる。また、ゲート(G)端子はドレイン端子と接続されており、トランジスタ111は二端子素子、具体的にはダイオードとして機能する。
このような回路構成では、電源投入直後はデプレション型トランジスタ111が低抵抗であるため、入力キャパシタCと帰還素子Zfとの時定数が小さく、回路が平衡状態に至るまでの時間が短い。すなわち、電源投入後に回路が定常状態に達するまでの起動時間が短くて済む。
一方、定常状態ではトランジスタ111は高抵抗となるため、入力キャパシタCとで作る時定数が大きくなりカットオフ周波数が低下する。これにより、入力キャパシタCによる低周波数領域での利得低下を抑えることができる。すなわち、利得の周波数特性を改善することができる。
図2(a)または図2(b)に示す増幅回路において、第1のトランジスタ101および第2のトランジスタ102の動作に着目するとき、図1(b)のような反転増幅特性を得るためには、入力電圧Vi’が電源電圧Vddに近いときに第1のトランジスタ101のチャネル抵抗R1が第2のトランジスタ102のチャネル抵抗R2よりも十分に大きい、つまり次式:
R1>>R2 … (式1)
の関係が成立していなければならない。第1のトランジスタ101と第2のトランジスタ102とが同一構造であればチャネル抵抗もほぼ同じとなるため、両者の構造に差を設ける必要がある。
一般的には、第1のトランジスタ101のチャネル幅を第2のトランジスタ102のチャネル幅よりも小さくすることで、上記関係が実現される。第1ないし第4のトランジスタ101~104のチャネル長をそれぞれL1、L2、L3、L4と表し、これらのチャネル幅をそれぞれW1、W2、W3、W4と表すとき、例えば次式:
L1=L2=L3=L4、ηW1=W2=W3=W4(η>1) … (式2)
の関係が成立するようなデザインルールが適用される。現実的には、比例定数ηを3程度に設定した報告事例が多い。
増幅回路のノイズ低減のためには、各トランジスタのチャネル幅を大きくすることが有効である。しかしながら、単にチャネル幅を大きくするだけでは、回路面積が増大することにより、同一サイズの基板から取れる回路数が少なくなってしまう。また、回路が大きくなることでプロセスエラーに起因する不良品の発生率が高まり、製品の歩留まりが低下するおそれがある。これらはいずれも製造コストの上昇の原因となる。このように、ノイズ性能と製造コストとの間にはトレードオフの関係があり、これらのバランスを取ることのできるデザインルールの確立が求められる。
ここで、本明細書における「チャネル長」および「チャネル幅」の用語は、各トランジスタにおける半導体チャネルの実効的な長さおよび幅を指すものとする。すなわち、トランジスタにおいてチャネルとなる半導体層のうち、チャネルとして実際に機能する部分の長さおよび幅を、「チャネル長」および「チャネル幅」と称する。したがって、トランジスタ素子における半導体層の物理的な寸法とは必ずしも一致しない。
図3はチャネル長およびチャネル幅の定義を示す図である。より具体的には、図3は有機薄膜半導体を用いたボトムコンタクト・トップゲート型トランジスタTRの構造例を示す図であり、図3(a)は上面図、図3(b)は側面断面図である。より詳しくは、図3(b)は図3(a)のA-A線断面図である。
図3(a)および図3(b)に示すように、トランジスタTRは、樹脂シート等の基板SBの表面に一定間隔を設けて配置されたドレイン電極Edおよびソース電極Esと、これらの間を埋めるように積層された半導体層SCと、半導体層SCを覆うように積層された絶縁体層IGと、薄い絶縁体層IGを介して半導体層SCと対向するゲート電極Egとを有している。
このような構造は、各機能層の材料物質を基板SB上に順次積層することにより形成可能である。各機能層は、塗布、真空蒸着、化学的気相成長、フォトリソグラフィ、印刷、めっき等、それぞれの材料に応じた適宜の成膜方法により形成することが可能である。これらの手法を用いた有機半導体デバイスの製造に関しては種々の技術が公知であり、本実施形態においてもこれらの手法から適宜選択して適用することが可能である。そのため、ここでは説明を省略する。
ドレイン電極Edとソース電極Esとの間を埋める半導体層SCの少なくとも一部が、チャネルとして機能し得る。具体的には、半導体層SCのうち、ドレイン電極Edとソース電極Esとの間に挟まれ、かつ絶縁層IGを介してゲート電極Egと対向する部分が、半導体チャネルCHとして機能する。ゲート電極Edへの印加電圧の大きさによりチャネルCHの断面積が変化することで、半導体チャネルCHを介してドレイン電極Edとソース電極Esとの間に流れる電流が変調される。これにより、この素子がトランジスタTRとして機能する。
実効的なチャネル長Lは、ドレイン電極Edとソース電極Esとの間を流れる電流の半導体層SC中における流路の長さとして定義することができる。すなわち、半導体層SCのうち実際に半導体チャネルCHとして機能する部分の、電流の流通方向に沿った方向における寸法がチャネル長Lである。より具体的には、ドレイン電極Edとソース電極Esとの間を埋める半導体層SCの長さ、つまり基板SB表面におけるドレイン電極Edとソース電極Esとの距離を、チャネル長Lとすることができる。図3(a)、図3(b)においては紙面の左右方向が電流の流通方向である。
一方、実効的なチャネル幅Wについては、半導体層SC中における流路の幅、つまり電流の流通方向に直交する幅方向における流路の広がりの大きさとして定義することができる。具体的には、半導体層SCのうち、図3(a)に示される上面視においてドレイン電極Edとソース電極Esとに挟まれ、かつゲート電極Egで覆われた部分の、幅方向に直交する方向における寸法を、チャネル幅Wとすることができる。図3(a)では紙面の上下方向、図3(b)では紙面に垂直な方向が幅方向である。
図3(a)に示す事例では、ゲート電極Egの幅(図における上下方向の長さ)がドレイン電極Edおよびソース電極Esの幅よりも大きく、ドレイン電極Edおよびソース電極Esの幅は半導体層SCの幅よりも大きいので、実質的には最も小さい半導体層SCの幅がチャネル幅Wとなる。
本明細書では、第1ないし第4のトランジスタ101~104各々のチャネル長Lを区別する必要がある場合には、それぞれに符号L1~L4を付すことにより区別している。また、第1ないし第4のトランジスタ101~104各々のチャネル幅Wを区別する必要がある場合には、それぞれに符号W1~W4を付すことにより区別している。
図4は異なる構造のトランジスタにおけるチャネル長およびチャネル幅の定義を示す図である。図4(a)は櫛型のドレイン電極およびソース電極を有するトランジスタTR2の上面図、図4(b)はその側面断面図である。より詳しくは、図4(b)は図4(a)のB-B線断面図である。なお、理解を容易にするために、図3に示すトランジスタTRと実質的に同等の機能を有する構成については同一符号を付し、詳しい説明を省略することとする。
電気的特性の向上や電流の分散等、デバイス製造上の目的によっては、図に示されるようにドレイン電極Edおよびソース電極Esの少なくとも一方が櫛型に形成されることがある。このような構造では、半導体チャネルCHは単一ではなく、複数のチャネルCHa~CHcに分割されることになる。図4(a)に示すようにチャネルCHa~CHcが電気的に並列接続と見なせる構造では、それらのチャネルの幅Wa~Wcの合計を実効的なチャネル幅Wとすることができる。ただしこの例では全てのチャネルCHa~CHcの幅が同じである。また、各チャネルCHa~CHcが電気的に直列接続と見なせる構造では、それらのチャネルの長さの合計を実効的なチャネル長Lとすることができる。
同一基板上に各材料を積層することで複数のトランジスタを同時に形成する製造プロセスにおいては、各トランジスタの構造を根本的に異ならせることは難しく、個別に調整可能なパラメータは主としてチャネル長Lおよびチャネル幅Wである。これらを最適化することにより、回路面積の増大を抑えつつノイズ低減を図る方法について、次に説明する。
本願発明者の知見によれば、図1(a)に示されるような擬CMOSインバータを用いた増幅回路において、入力信号が入力される第1のトランジスタ101およびその能動負荷となり第1のトランジスタ101とともに入力段を構成する第2のトランジスタ102のノイズ特性が、増幅回路全体のノイズ特性に大きく影響することがわかっている。
ここで、各トランジスタの構造に起因するノイズの大きさの指標の一例である電流ノイズ密度Sinは、次式:
Sin=αI2/(fN) … (式3)
により表すことができる。αは比例定数、Iはドレイン、ソース間を流れる電流、fは周波数、Nはチャネルにおけるキャリア数である。キャリア数はチャネルの長さおよび幅に比例する。つまり、電流ノイズ密度Sinは、チャネル長さLとチャネル幅Wとの積、すなわち実効的なチャネル面積に反比例する。
そうすると、(式2)で示されるように第1のトランジスタ101のチャネル幅W1だけを小さくするような回路デザインでは、第1のトランジスタ101が発生させるノイズが回路全体のノイズ特性に大きく影響を及ぼすことになる。(式1)の条件を実現しつつ第1のトランジスタ101のノイズを低減させるためには、例えば、
(1)チャネル幅W1を変えずにチャネル長L1を長くする、
(2)(L1/W1)を一定に維持しつつ、チャネル長L1を長くする、
との対応が考えられる。
そこで、本願発明者は、第1のトランジスタ101のチャネル長L1およびチャネル幅W1を種々に変化させたときの発生ノイズのシミュレーション実験を行った。具体的には、(式2)において、第1のトランジスタ101のチャネル長L1を5μm、比例定数ηを3とした場合の増幅回路を基準回路とし、この状態から第1のトランジスタ101のチャネル長L1を変化させた場合の電流ノイズ密度をシミュレーションにより評価した。
図5はシミュレーション結果の一例を示すグラフである。図5(a)は、チャネル寸法による電流ノイズ密度の変化を、上記した基準回路における電流ノイズ密度を1として電流ノイズ密度を正規化した「ノイズ指数」により表したときの結果である。また、図5(b)は、電流ノイズ密度に増幅回路の面積を乗じた値を、基準回路における電流ノイズ密度と面積との積を1として正規化した「ノイズ面積指数」により表したときの結果である。
図5(a)および図5(b)において、実線はチャネル長L1のみを変化させたときの結果を示している。一方、点線は、チャネル長L1の変化と連動させてチャネル幅W1を変化させ、両者の比(L1/W1)を一定に維持したときの結果を示している。
図5(a)からわかるように、第1のトランジスタ101のチャネル長L1を増加させることにより、ノイズを低減させることが可能である。この場合、チャネル長L1のみを増加させた場合、チャネル長L1とチャネル幅W1とをともに変化させた場合のいずれにおいても、チャネル長L1の増加によるノイズ低減効果が得られている。ただし、チャネル長L1とチャネル幅W1との両方を変化させた場合の方が、ノイズ低減効果は大きい。また、チャネル長L1が十分に大きくなるとノイズ低減効果は飽和する。
こうしてチャネル長L1を大きくすることがノイズ低減に効果があることは示されたが、チャネル長L1の増加は回路面積の増大につながる。回路面積の増大を抑えつつノイズ低減を図る、という目的を達成するためには、ノイズ低減効果と面積の増加とを総合的に評価する必要がある。例えば、チャネル長L1の増加に伴うノイズの減少率をp、面積増加率をqにより表すとすると、p・q<1であれば、面積の増加よりもノイズ低減効果の方が大きいということができる。これを示す指標として、ここでは「ノイズ面積指数」が導入されている。
図5(b)に示すように、ノイズ面積指数は単調に減少するのではなく、チャネル長の増加に対していったん減少してから上昇し、あるチャネル長において最小値を取る。したがって、図5(a)の結果からは単純に「第1のトランジスタ101のチャネル長L1が長いほどノイズ低減効果が高い」と言えるが、ある程度以上大きくしてもノイズ低減効果には限界があり、また面積増大に伴う弊害を考えると、図5(b)に示される最小値に近い値がチャネル長L1の最適値であると言える。
このように、ノイズ指数およびノイズ面積指数に着目してチャネル寸法を決定する回路デザインを採用することで、増幅回路の面積増大に起因する弊害を抑えつつ、ノイズ低減を図ることが可能である。例えば、チャネル長L1の増加に伴って回路面積が増大する場合であっても、ノイズ面積指数が1を下回っていれば、各部の寸法比を維持しつつ回路全体を縮小することで、回路面積を増やすことなくノイズ低減効果を得ることが可能となる。
次に、上記のような回路デザイン思想に基づく増幅回路におけるノイズ実測結果について説明する。本願発明者は、チャネル寸法を種々に変えて図1(a)に示す擬CMOSインバータ回路を試作し、そのノイズ特性を測定する実験を行った。試作回路は、ボトムコンタクト・トップゲート型有機薄膜トランジスタにより構成される擬CMOSインバータ回路である。
有機半導体層SCの材料としてはジナフトチエノチオフェン(Di-naphto thieno thiophene;DNTT)、絶縁体IGとしてはパリレン、ドレイン電極Edおよびソース電極Esとしては銀、ゲート電極Egとしては金を用いた。また、第2ないし第4のトランジスタ102~104のチャネル長L2~L4はいずれも5μm、チャネル幅W2~W4はいずれも48mmに固定し、第1のトランジスタ101のチャネル長L1およびチャネル幅W1を種々に変化させた。前記した基準回路においては、第1のトランジスタ101のチャネル長L1は他のトランジスタと同じ5μm、チャネル幅W1は他のトランジスタの(1/3)である16mmとした(η=3に相当)。
図6は増幅回路の寸法およびノイズ計測結果を示す図である。図6において、「面積比」、「ノイズ指数」および「ノイズ面積指数」は、基準回路における値を1としたときの相対値である。
回路例1は、基準回路に対し、第1のトランジスタ101のチャネル長L1のみを5μmから10μmに増加させたものである。この変更により、面積は僅かに(2.5%)増加するが、ノイズ低減効果はそれよりも十分に大きく、ノイズ面積指数は1を下回っている。回路例2は、第1のトランジスタ101のチャネル長L1をさらに15μmまで延長したものである。回路面積はさらに大きくなるが、ノイズ低減効果もさらに大きくなっている。
したがって、回路面積の僅かな増大を許容することができれば、高いノイズ低減効果を得ることができる。また、例えばこれらの寸法比を維持したまま回路パターンをスケーリングし、基準回路と同面積まで縮小すれば、十分なノイズ低減効果を確保しつつ、回路面積の増大を回避することが可能である。
また、回路例3は、回路例1の寸法から第1のトランジスタ101のチャネル幅W1を2倍の32mmまで拡大したものである。基準回路と比較すれば、(L1/W1)を一定に維持しつつ、チャネル長L1を2倍に延長したものと言える。この場合においても、回路面積の僅かな増大で良好なノイズ低減効果を得ることが可能となっている。
回路例4は、第1のトランジスタ101のチャネル長L1およびチャネル幅をそれぞれ基準回路の3倍としたものであり、(L1/W1)の値を維持しつつチャネル長L1を拡大したものに相当する。この場合、チャネル幅W1は第2のトランジスタ102のチャネル幅W2と同じになるが、チャネル長L1が大きくなっていることで(式1)の条件が充足される。このような寸法では回路面積の増大は比較的大きいものの、ノイズ指数は低く、高いノイズ低減効果が得られている。ただし、ノイズ面積指数が1であり、回路面積の増大を抑えるという点では効果が限定的である。
一方、「比較例」として示した事例は、ノイズ低減のための従来の設計手法、つまり「チャネル幅を増加させる」という変更を基準回路に対し施したものである。この例では、基準回路に比べて第1ないし第4のトランジスタ101~104のチャネル幅W1~W4が全て4倍に拡大されている。こうすることでノイズ指数は大きく低下し、高いノイズ低減効果が得られるものの、回路面積は大きく増大しており、ノイズ面積指数は1を上回っている。つまり、単にノイズ低減のみを志向した設計思想ではこのような事例は有効と言えるが、ノイズ低減効果と、回路面積増大に伴う製造コストの上昇とをバランスさせるという目的からは、必ずしも最適なものとは言えない。
この実験結果をノイズ低減効果と製造コストとのバランスという観点で評価すると、「回路面積の増大を抑えつつノイズ低減を図る」という目的は回路例1~4のいずれにおいても達成されているが、特に最も低いノイズ面積指数が得られた回路例2の構成が最も好ましいものであると言える。ノイズ面積指数が最も低いということは、回路面積が基準回路と同じになるように回路パターンの寸法をスケーリングしたときに、ノイズ低減効果が最も高いということを意味している。
なお、ここでは第2のトランジスタ102のチャネル寸法を、第3、第4のトランジスタ103、104と同じとしている。しかしながら、前記したように第2のトランジスタ102が発生するノイズも回路全体のノイズ特性に与える影響は大きい。このため、第2のトランジスタ102のチャネル寸法についても、第1のトランジスタ101におけるチャネル寸法の設計思想を適用することがより好ましい。すなわち、
L2>L3=L4 … (式4)
とすることが考えられる。
以上をまとめると、擬CMOSインバータを構成する各トランジスタ101~104それぞれのチャネル寸法について、製造コストの増大を抑えつつノイズ低減効果を確保するという目的のために好ましい条件については次式:
L1>L2≧L3=L4 … (式5)
により表すことができる。また、第1のトランジスタ101のチャネル長L1およびチャネル幅W1と、第2のトランジスタ102のチャネル長L2およびチャネル幅W2との好ましい関係は、(式1)を満たすために、次式:
L1/W1>L2/W2 … (式6)
で表すことができ、さらに好ましくは、次式:
L1/W1≧3L2/W2 … (式7)
の関係とすることができる。
図7はチャネル寸法を異ならせたトランジスタのパターン例を示す図である。ここではチャネル寸法をわかりやすく表示するために、トランジスタを構成する各部材のうちドレイン電極Edおよびソース電極Esと、半導体層SCのうちのチャネル部分のみを図示することとする。
図7の(a)欄に示す基準回路では、第1のトランジスタ101のチャネルCHは、ドレイン電極Edとソース電極Esとの間を埋める半導体層により構成される。ドレイン電極Edとソース電極Esとの間における電流の流通方向は図において横方向である。電流流通方向に沿ったチャネルCHの長さL1を符号L1s、これと直交する幅方向(図において上下方向)におけるチャネルCHの長さ、つまりチャネル幅W1を符号W1sと表すこととする。
一方、第2ないし第4のトランジスタ102~104については、例えばドレイン電極Edおよびソース電極Esを櫛形のものとし、複数チャネルを並列接続した構造とすることにより、平面サイズの拡大を抑えつつ、第1のトランジスタ101よりも大きなチャネル幅を確保することができる。この例では、それぞれ長さL1s、幅W1sのチャネルを3つ並列接続されている。したがって、第2ないし第4のトランジスタ102~104では、次式:
L2=L3=L4=L1
W2=W3=W4=3W1
の関係が成立する。つまり、(式2)においてη=3とした場合に相当する。
これに対し、本実施形態に係る回路デザインによる回路では、第1のトランジスタ101のチャネル長L1が基準回路のチャネル長L1sよりも大きくなっている。例えば(b)欄に示す回路例2では、チャネル長L1を次式:
L1=3L1s
により表すことができる。チャネル幅W1は基準回路と同じとすることができる。また、第2ないし第4のトランジスタ102~104の構造も、基準回路と同じとすることができる。
このように、第2ないし第4のトランジスタ102~104に比べて本来的にサイズが小さい第1トランジスタ101のチャネル長L1を変化させたとしても、増幅回路全体としての面積の増加は軽微である。しかしながら、先に説明したように、ノイズ低減という点では大きな効果を得ることが可能である。回路例1、3、4等についても同様である。
一方、チャネル幅を大きくすることでノイズ低減を図る従来の回路デザインにおいては、第1のトランジスタ101、第2ないし第4のトランジスタ102~104のいずれにおいても大きな面積増加を伴うこととなる。先に比較例として示した事例ではチャネル幅を基準回路の4倍としたが、回路面積も4倍となる。そこで、(c)欄に比較例として示す事例では、寸法のスケーリングにより第1のトランジスタ101のチャネル幅W1を基準回路の1.5倍まで縮小したケースを示している。すなわち、
W1=1.5W1s
である。第2ないし第4トランジスタ102~104についても同様にすることで、
W2=W3=W4=4.5W1s
の関係を得ることができる。
このようにすれば面積の増大を(基準回路の1.5倍にまで)抑制することが可能であるが、ノイズ低減効果も圧縮されてしまう。この事例の寸法ではノイズ指数は基準回路の0.75倍となり、図6に示した結果よりもノイズ低減効果が小さくなっている。
以上のように、この実施形態では、擬CMOSインバータ回路を増幅回路として用いるのに際して、回路面積の増大を抑えつつノイズ低減を図る、という目的を達成するために、入力段を構成する第1のトランジスタ101のチャネル長L1を長くする、という設計手法を採用している。
従来の技術ではチャネル幅を増加させることが一般的であり、これにより高いノイズ低減効果が得られるものの、回路面積が大幅に増大するという問題があった。これに対して、本実施形態では、軽微な面積増大で、あるいは面積の増大を伴うことなく、ノイズ特性を改善することが可能である。
回路面積の増大を抑えることで、プロセスエラーに起因する不良品の発生確率を抑え、歩留まりの向上を図ることができる。また、1つの基板から取れる回路数が減ることは1回路当たりの製造単価の上昇につながるが、本実施形態によればこの問題も解消することが可能である。
なお、上記実施形態の擬CMOSインバータ回路100は、P型かつデプレション型のトランジスタ101~104を組み合わせて構成されている。しかしながら、伝導型がN型であるトランジスタでも同様の回路を構成することが可能である。ただし、その動作特性の差異に起因して回路構成は部分的に異なる。
図8はN型トランジスタによる擬CMOSインバータ回路の構成例を示す図である。この擬CMOSインバータ回路200は、N型、デプレション型トランジスタにより構成された回路の例である。この回路200は、トランジスタ201~204により構成された擬CMOSインバータである。インバータの回路構成は、P型のインバータ回路100の極性を反転したものとなる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記した実施形態は、本発明に係る増幅回路を、有機半導体材料を用いた有機薄膜トランジスタの組み合わせにより実現したものである。しかしながら、本発明の増幅回路は、有機薄膜トランジスタに限定されず各種の半導体素子を用いて構成することが可能である。
特に、複数のトランジスタを、同一の基板上に同一の製造プロセスで同時に形成する場合、各トランジスタの構造や特性を大きく異ならせることは難しいが、一部トランジスタのチャネル長を変えることでノイズ特性の改善を図ることのできる本実施形態の設計思想は極めて有効なものとなる。
また、上記実施形態では、第1のトランジスタ101のチャネル幅W1を他のトランジスタのチャネル幅の3倍とすることを標準としている。しかしながら、(式1)の条件が満たされる限りにおいて、チャネル幅の関係はこれに限定されるものではない。
以上、具体的な実施形態を例示して説明してきたように、本発明に係る増幅回路においては、第1のトランジスタの実効的なチャネル幅を符号W1、第2のトランジスタの実効的なチャネル幅を符号W2で表すとき、例えば次式:
L1/W1>L2/W2
の関係が成立するようにすることができる。より好ましくは、
L1/W1≧3L2/W2
の関係が成立するようにすることができる。また例えば、第1のトランジスタの実効的なチャネル幅が、第2のトランジスタの実効的なチャネル幅以下となるようにすることができる。これらの構成によれば、反転増幅動作が可能な擬CMOSインバータ回路を構成することが可能である。
また例えば、第2、第3および第4のトランジスタの実効的なチャネル幅が互いに等しくてもよい。これらのチャネル幅に違いを設けることに特別な技術的意義はなく、チャネル幅を同一とするのが現実的である。
また例えば、第2のトランジスタのチャネル長が第3のトランジスタのチャネル長と等しくてもよい。第2のトランジスタが発生するノイズも回路全体のノイズに影響を及ぼすが、第1のトランジスタのノイズの方がより大きな問題である。このため、第2のトランジスタのチャネル長が第3のトランジスタのチャネル長と等しくても、実用上問題のないレベルにノイズを抑制することは可能である。
また、本発明は、第1ないし第4のトランジスタがデプレション型トランジスタである場合に特に有効であり、伝導型としてはP型、N型のいずれであってもよい。
また例えば、インバータ回路を構成するトランジスタは、有機半導体トランジスタであってよい。本発明では、単一の伝導型を有するトランジスタの組み合わせによって優れた特性を有する増幅回路を構成することが可能である。このような特徴は、同一材料で相補的な伝導型のトランジスタを形成することが困難である有機半導体を用いる場合に特に有効なものとなるからである。
また例えば、インバータ回路を構成するトランジスタは、同一基板上に互いに同一の製造プロセスにより同時に形成されたものであってよい。本発明に係る増幅回路では、インバータ回路を構成する複数のトランジスタが、互いに同一の伝導型を有する。また、各トランジスタの構造も、原理的には同一のものとすることができる。このため、1つのトランジスタを形成するための製造プロセスと同一の工程で、複数のトランジスタを同時に形成することが可能である。これにより、低い製造コストで優れた特性の増幅回路を製造することができる。
この発明に係る増幅回路は、例えば表示装置やタッチパネル装置、ウェアラブル電子装置等の各種電子装置に搭載可能である。特に、薄膜トランジスタを用いて増幅回路を構成することができるので、ガラス基板や柔軟な樹脂基板等の表面に増幅回路を実装する用途にも好適である。
30,50 増幅回路
100,200 擬CMOSインバータ
101,201 第1のトランジスタ
102,202 第2のトランジスタ
103,203 第3のトランジスタ
104,204 第4のトランジスタ
C 入力キャパシタ
CH チャネル
L1~L4 チャネル長
Vi 入力端子
Vi’ 入力部
Vo 出力端子
Vo’ 出力部
W1~W4 チャネル幅

Claims (10)

  1. 半導体チャネルの伝導型が互いに同じである複数のトランジスタが電気的に接続されて構成された擬CMOSインバータ回路を含む増幅回路であって、
    前記擬CMOSインバータ回路は、
    入力信号がゲートに入力される第1のトランジスタと、
    前記第1のトランジスタの能動負荷となる第2のトランジスタと、
    前記第1のトランジスタとは並列に前記入力信号がゲートに入力される第3のトランジスタと、
    前記第3のトランジスタと電気的に接続されてプッシュプル出力段を構成する第4のトランジスタと
    を備え、
    前記第1、第2、第3および第4のトランジスタ各々の実効的なチャネル長をそれぞれ符号L1、L2、L3およびL4で表すとき、次式:
    L1>L2≧L3=L4
    の関係が成立する、増幅回路。
  2. 前記第1のトランジスタの実効的なチャネル幅を符号W1、前記第2のトランジスタの実効的なチャネル幅を符号W2で表すとき、次式:
    L1/W1>L2/W2
    の関係が成立する、請求項1に記載の増幅回路。
  3. 前記第1のトランジスタの実効的なチャネル幅を符号W1、前記第2のトランジスタの実効的なチャネル幅を符号W2で表すとき、次式:
    L1/W1≧3L2/W2
    の関係が成立する、請求項1に記載の増幅回路。
  4. 前記第1のトランジスタの実効的なチャネル幅が、前記第2のトランジスタの実効的なチャネル幅以下である、請求項1ないし3のいずれかに記載の増幅回路。
  5. 前記第2、第3および第4のトランジスタの実効的なチャネル幅が互いに等しい、請求項1ないし4のいずれかに記載の増幅回路。
  6. 前記第2のトランジスタのチャネル長が前記第3のトランジスタのチャネル長と等しい、請求項1ないし5のいずれかに記載の増幅回路。
  7. 前記第1ないし第4のトランジスタがデプレション型トランジスタである、請求項1ないし6のいずれかに記載の増幅回路。
  8. 前記第1ないし第4のトランジスタが有機薄膜トランジスタである、請求項1ないし7のいずれかに記載の増幅回路。
  9. 前記第1ないし第4のトランジスタが、同一基板上に同一製造プロセスにより同時に形成された、請求項1ないし8のいずれかに記載の増幅回路。
  10. 同一の基板上に、半導体チャネルの伝導型が互いに同じである複数のトランジスタを含む擬CMOSインバータ回路を形成し、
    前記擬CMOSインバータ回路は、
    入力信号がゲートに入力される第1のトランジスタと、
    前記第1のトランジスタの能動負荷となる第2のトランジスタと、
    前記第1のトランジスタとは並列に前記入力信号がゲートに入力される第3のトランジスタと、
    前記第3のトランジスタと電気的に接続されてプッシュプル出力段を構成する第4のトランジスタと
    を備え、
    前記第1、第2、第3および第4のトランジスタ各々の実効的なチャネル長をそれぞれ符号L1、L2、L3およびL4で表すとき、次式:
    L1>L2≧L3=L4
    の関係が成立するように、前記第1ないし第4のトランジスタを形成する、増幅回路の製造方法。
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