JP2023018407A - 畜肉加工食品用品質改良剤 - Google Patents

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Ryuichi Yoshikawa
憲 古瀬
Ken Furuse
淳 藤井
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Abstract

【課題】歯ごたえのある食感を畜肉加工食品に付与できる畜肉加工食品用品質改良剤を提供する。【解決手段】下記条件(A)及び(B)を満たすポリグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする畜肉加工食品用品質改良剤。(A):ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリン中のトリグリセリンとテトラグリセリンとの割合がトリグリセリン/テトラグリセリン(質量比)=0.3~2.8;(B):エステル化率が17~45%。【選択図】 なし

Description

本発明は、畜肉加工食品用品質改良剤に関する。
食品用乳化剤は、多種多様の機能を有していることから、様々な食品の品質や製造工程の改良に使用されており、例えば、ハム、ソーセージ、ハンバーグ等の畜肉加工食品の食感を改良するためにも使用されている。
食品用乳化剤を用いて畜肉加工食品の食感を改良する方法としては、例えば、HLBが8以上のポリグリセリン脂肪酸エステルの粉末を含有することを特徴とする食肉加工品食感改良剤(特許文献1)、(a)セルロース、(b)α化澱粉及び(c)ポリグリセリン脂肪酸エステル及び/又はグリセリン有機酸脂肪酸エステルとを含有することを特徴とする惣菜食品用品質改良剤(特許文献2)、食用油脂およびジグリセリン不飽和脂肪酸エステルおよび/またはトリグリセリン不飽和脂肪酸エステルを含有する流動性油脂組成物と、粉末油脂とを必須成分として含むことを特徴とするピックル液(特許文献3)、食用油脂と多価アルコールと乳化剤を含むピックル液用食品用高油分乳化油脂組成物(特許文献4)、モノグリセリドあるいはジグリセリドとポリカルボン酸とのエステルを含有することを特徴とする食肉用水性調味液(特許文献5)、食用油脂中に、モノグリセリドあるいはジグリセリドとポリカルボン酸とのエステルが溶解又は分散されてなることを特徴とする食肉調理用油脂組成物(特許文献6)等が開示されている。これらの方法によれば、畜肉加工食品に柔らかくジューシーな食感を付与することができる。
しかし、近年の国内における「肉ブーム」の影響もあり、肉好きの消費者の嗜好を満足するため、柔らかくジューシーな食感よりも、肉らしい歯ごたえのある食感が畜肉加工食品に求められるようになってきている。このため、食品用乳化剤を有効成分とし、歯ごたえのある食感を畜肉加工食品に付与できる畜肉加工食品用品質改良剤が求められていた。
特開2013-183697号公報 特開2011-030429号公報 特開2007-267647号公報 特開2007-043949号公報 特開平8-196233号公報 特開平8-140629号公報
本発明は、食品用乳化剤を有効成分とし、歯ごたえのある食感を畜肉加工食品に付与できる畜肉加工食品用品質改良剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に対して鋭意検討を行った結果、特定の構造を有するポリグリセリン脂肪酸エステルを用いることにより、上記課題が解決されることを見出し、この知見に基づいて本発明を成すに至った。
すなわち、本発明は、下記の(1)及び(2)からなっている。
(1)下記条件(A)及び(B)を満たすポリグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする畜肉加工食品用品質改良剤。
(A):ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリン中のトリグリセリンとテトラグリセリンとの割合がトリグリセリン/テトラグリセリン(質量比)=0.3~2.8;
(B):エステル化率が17~45%。
(2)前記(1)に記載の畜肉加工食品用品質改良剤を含有することを特徴とする畜肉加工食品。
本発明の畜肉加工品用品質改良剤を添加した畜肉加工食品は、歯ごたえのある食感が付与される。
[条件(A)]
本発明に用いられるポリグリセリン脂肪酸エステルは、該ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリン中のトリグリセリンとテトラグリセリンとの割合がトリグリセリン/テトラグリセリン(質量比)=は0.3~2.8(より好ましく、0.5~2.0)のものである。該割合が0.3未満である又は2.8を超えると、歯ごたえのある食感を畜肉加工食品に付与する効果が十分に得られず、好ましくない。
上記ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリン中のトリグリセリンとテトラグリセリンの含有量の合計に特に制限はないが、例えば、60~92質量%(好ましくは67~75質量%)である。
上記ポリグリセリン中のトリグリセリンとテトラグリセリンの割合は、ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンの組成(即ち、ポリオール組成)を分析することにより求められる。その方法を、下記工程(1)~(3)に示す。
(1)試料の調製
先ず、被検試料を、けん化分解処理して脂肪酸とポリオールとに分解する。具体的には、被検試料2.0gをけん化用フラスコに量り取り、これに0.5mol/L水酸化カリウム-エタノール標準液30mLを加え、該フラスコに冷却器を付け、時々振り混ぜながら、還流するエタノールが冷却器の上端に達しないように約70~80℃の範囲内で温度を調節して穏やかに約1時間加熱した後、温水40~50mL、水40~50mL、ヘキサン100mLで順次フラスコを洗いながら分液漏斗に移す。この分液漏斗に10%塩酸約5mLを加えて分液漏斗を振り混ぜ、これにヘキサン50mLを加えて更に振り混ぜ、その後静置する。分離した下層をビーカーに採り、0.5mol/L水酸化カリウム溶液でpHを調製して中和し、60℃の通風乾燥機内にビーカーを静置し、脱水する。完全に脱水したらメタノール5~10mLを2~3回に分け入れて内容物をかき混ぜ、自然濾過する。得られた濾液をフラスコに移し、エバポレータにてメタノールを除去する。
(2)測定方法
次に、得られた濃縮物を50mg計量し、これにピリジン(試薬特級;富士フィルム和光純薬社製)1~2mg入れて混合し溶解する。これに1,1,1,3,3,3,-ヘキサメチルジシラザン(東京化成工業社製)を0.5mL加えて混合し、更にトリフルオロ酢酸(和光特級;富士フィルム和光純薬社製)0.1mLを加えて混合する。これを約1分間放置した後、GC(ガスクロマトグラフィー)を用いて下記条件でポリオール組成分析を行う。
<GC分析条件>
装置:ガスクロマトグラム(型式:GC-2010Plus;島津製作所社製)
データ処理ソフトウェア(型式:GCsolution バージョン2.4;島津製作所社製)
カラム(型式:Ultra ALLOY-TRG;P/N:UATRG-30M-0.1F;フロンティア・ラボ社製)
カラムオーブン条件:初期温度 100℃(1分間);昇温速度 15℃/分;最終温度 365℃(11分間)
サンプル注入量:1.0μL
キャリアガス:窒素
(3)定量
分析後、データ処理ソフトウェアによりクロマトグラム上に記録された被検試料の各成分に対応するピークについて積分計を用いてピーク面積を測定し、測定されたトリグリセリン及びテトラグリセリンのピーク面積の比(トリグリセリン/テトラグリセリン)を算出する。
[条件(B)]
本発明で用いられるポリグリセリン脂肪酸エステルのエステル化率は17~45%(好ましくは30~45%)である。エステル化率が17%未満である又は45%を超えると、歯ごたえのある食感を畜肉加工食品に付与する効果が十分に得られず、好ましくない。
前記エステル化率(%)は下記式により算出される。なお、下記式中のエステル価及び水酸基価は、「基準油脂分析試験法(I)」(社団法人 日本油化学会編)の[2.3.3-1996 エステル価]及び[2.3.6-1996 ヒドロキシル価]に準じて測定される。
Figure 2023018407000001
本発明で用いられるポリグリセリン脂肪酸エステルの好ましい製法の概略は次の通りである。例えば、撹拌機、加熱用のジャケット、邪魔板等を備えた通常の反応容器に、トリグリセリンとテトラグリセリンとの割合がトリグリセリン/テトラグリセリン(質量比)=0.3~2.8のポリグリセリンと脂肪酸とをモル比で1:0.8~1:2.5、好ましくは1:1.3~1:2.5で仕込み、必要に応じ触媒として水酸化ナトリウムを加えて撹拌混合し、窒素ガス雰囲気下で、エステル化反応により生成する水を系外に除去しながら、所定温度で加熱する。反応温度は、180~260℃の範囲、好ましくは200~250℃の範囲である。また、反応圧力条件は、減圧下又は常圧下で、反応時間は、0.5~15時間、好ましくは1~3時間である。反応の終点は、通常反応混合物の酸価を測定し、酸価2以下を目安に決められる。反応終了後、得られた反応液に酸を加えて触媒を中和し、120℃以上180℃未満に冷却し、未反応のポリオールが分離した場合はそれを除去する。以上の工程により、条件(A)及び(B)を満たすポリグリセリン脂肪酸エステルを得る。
上記製法で原材料として用いるポリグリセリンは、得られるポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリン中のトリグリセリンとテトラグリセリンとの割合がトリグリセリン/テトラグリセリン(質量比)=0.3~2.8となるものを適宜選択して用いれば良い。そのようなポリグリセリンは、1種のみを用いても良く、2種以上のポリグリセリンを組合せて用いても良い。
また、上記製法で原材料として用いる脂肪酸は、食用可能な動植物油脂を起源とする脂肪酸であれば特に制限はなく、例えば、炭素数6~24の直鎖の飽和脂肪酸(例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等)又は不飽和脂肪酸(例えば、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、γ-リノレン酸、α-リノレン酸、アラキドン酸、リシノール酸等)が挙げられ、好ましくは炭素数14~22の飽和又は不飽和脂肪酸(例えば、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸等)であり、より好ましくは炭素数14~18の飽和又は不飽和脂肪酸(例えば、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等)である。これら脂肪酸は1種類のみであっても、2種類以上を任意に組み合わせたものであっても良い。
上記のようにして得られたポリグリセリン脂肪酸エステルは、そのまま畜肉加工食品用品質改良剤として用いることができるが、本発明の目的・効果を阻害しない範囲で他の任意の成分を配合した畜肉加工食品用品質改良剤を調製しても良い。例えば、上記ポリグリセリン脂肪酸エステルを食用油脂に溶解し、油脂組成物の形態の畜肉加工食品用品質改良剤を調製することができる。本発明の畜肉加工食品用品質改良剤が油脂組成物であると、ポリグリセリン脂肪酸エステルをそのまま用いる場合に比べ、粘度が低下しハンドリングが向上するため好ましい。
上記油脂組成物の調製方法に特に制限はないが、例えば、上記ポリグリセリン脂肪酸エステルと食用油脂とを混合し、例えば60~90℃に加熱及び溶解し、室温まで冷却することにより調製することができる。該油脂組成物100質量%中のポリグリセリン脂肪酸エステル及び食用油脂の含有量に特に制限はないが、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステルが0.3~30質量%、好ましくは1~20質量%、より好ましくは2~15質量%、食用油脂が70~99.7質量%、好ましくは80~99質量%、より好ましくは85~98質量%である。
上記食用油脂としては、食用に適した動物性、植物性の油脂及びそれらのエステル交換油、分別油等であって、常温(15~25℃)で液状の食用油脂であることが好ましい。そのような食用油脂としては、例えばサフラワー油、大豆油、綿実油、コメ油、ナタネ油、コーン油、オリーブ油等が挙げられる他、中鎖脂肪酸トリグリセリド、グリセリンジ脂肪酸エステルもこれらに含まれる。これら食用油脂は、いずれか1種類のみを用いても良いし、2種類以上を任意に組み合わせて用いても良い。
本発明の畜肉加工食品用品質改良剤は、各種の畜肉加工食品に添加して使用できる。ここで、畜肉加工食品とは、畜肉を原料として調製される食品であり、例えば骨付きハム、ボンレスハム、ロースハム、ショルダーハム、ベリーハム、生ハム、ラックスハム、プレスハム、チョップドハム等のハム類、ベーコン、ロースベーコン、ショルダーベーコン、ミドルベーコン、サイドベーコン等のベーコン類、ボロニアソーセージ、フランクフルトソーセージ、ウィンナソーセージ、リオナソーセージ、セミドライソーセージ、ドライソーセージ等のソーセージ類、カツ、焼豚、サラダチキン、チキンナゲット、メンチカツ、ハンバーグ、肉団子、ミートローフ、シュウマイの具、餃子の具、春巻きの具、肉まんの具、肉そぼろ、コーンビーフ等が挙げられる。
上記畜肉としては、一般に畜肉加工食品に用いられるものであれば特に制限はなく、例えば牛肉、豚肉、馬肉、めん羊肉、山羊肉、家兎肉等の家畜等の肉、鶏肉、七面鳥、カモ等の家禽肉及びこれらの混合肉が挙げられ、好ましくは豚肉、牛肉、鶏肉等である。また、使用可能な部位に特に制限はなく、例えば豚肉の場合、肩肉、ロース肉、ばら肉、もも肉、ウデ肉、半丸枝肉、胴肉等何れの部位も用いることができる。
本発明の畜肉加工食品用品質改良剤の畜肉加工食品への添加方法に特に限定はなく、例えば畜肉に畜肉加工食品用品質改良剤を直接添加する方法、畜肉加工食品用品質改良剤と副原料とを予め混合したもの(例えば、ピックル液等)を畜肉に添加する方法等が挙げられる。
上記副原料としては、一般に畜肉加工食品に用いられる原料であれば特に制限はなく、例えば、食塩、糖類(砂糖、ブドウ糖、水あめ、乳糖、デキストリン等)、亜硝酸塩、アスコルビン酸ナトリウム、動植物性蛋白(大豆タンパク、卵白粉末、ホエータンパク、血清タンパク、コラーゲンタンパク等)、増粘安定剤(カラギナン、ローカストビーンガム、キサンタンガム、カードラン等)、調味料(アミノ酸系調味料、核酸系調味料、有機酸系調味料、無機酸系調味料等)、香辛料、でん粉、加工でん粉、穀粉類、酸化防止剤、β-アミラーゼ等の酵素、油脂、エキス類、色素、水等が挙げられる。
本発明の畜肉加工食品用品質改良剤の畜肉加工食品への添加量は、畜肉加工食品に含まれる畜肉に対し、好ましくは0.01~10.0質量%、より好ましくは0.2~1.0質量%である。
本発明の畜肉加工食品用品質改良剤並びに上記畜肉及び副原料を用いて本発明の畜肉加工食品を製造する方法に特に制限はなく、自体公知の方法を実施することができる。例えば、(1)本発明の畜肉加工食品用品質改良剤と副原料を含有するピックル液を畜肉の挽き肉に添加し、練り合わせて最終商品の形態に合わせてケーシング等に充填又は成形し、スモーク・スチーム等の加熱処理をする方法、(2)本発明の畜肉加工食品用品質改良剤と副原料を含有するピックル液をブロック状の畜肉に注入し、食肉用タンブラーを用いてピックル液成分を肉中に分散・浸透させた後、必要に応じてケーシング又はリテイナー等に充填し、スモーク・スチーム等の加熱処理をする方法、(3)本発明の畜肉加工食品用品質改良剤と副原料を畜肉の挽き肉に添加し、練り合わせて成形した生地をオーブン等で焼成する方法等を実施することにより本発明の畜肉加工食品を製造できる。
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[製造例1]
[ポリグリセリン脂肪酸エステル(試作品1)の製造]
撹拌機、温度計、ガス吹込管及び水分離器を取り付けた1Lの四つ口フラスコにポリグリセリン(商品名:R-PG3;阪本薬品工業社製)185.4g、ポリグリセリン(特注品;阪本薬品工業社製)344.2g、オレイン酸(商品名:ルナックO-V;花王社製)535.2gを仕込み、触媒として水酸化ナトリウム0.51gを加え、窒素ガス気流中235℃で、酸価2以下となるまで、約3時間エステル化反応を行った。得られた反応混合物にリン酸(85質量%)1.02gを添加して触媒を中和し、主構成脂肪酸がオレイン酸であるポリグリセリン脂肪酸エステル(試作品1)約758gを得た。得られたポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリン中のトリグリセリン及びテトラグリセリンの含有量は、それぞれ20.0質量%、45.9質量%であった。また、該ポリグリセリン脂肪酸エステルのエステル化率は、37.3%であった。
[製造例2]
[ポリグリセリン脂肪酸エステル(試作品2)の製造]
撹拌機、温度計、ガス吹込管及び水分離器を取り付けた1Lの四つ口フラスコにポリグリセリン(商品名:R-PG3;阪本薬品工業社製)136.8g、ポリグリセリン(特注品;阪本薬品工業社製)112.0g、オレイン酸(商品名:ルナックO-V;花王社製)551.2gを仕込み、触媒として水酸化ナトリウム0.51gを加え、窒素ガス気流中235℃で、酸価2以下となるまで、約3時間エステル化反応を行った。得られた反応混合物にリン酸(85質量%)1.02gを添加して触媒を中和し、主構成脂肪酸がオレイン酸であるポリグリセリン脂肪酸エステル(試作品2)約756gを得た。得られたポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリン中のトリグリセリン及びテトラグリセリンの含有量は、それぞれ28.2質量%、40.1質量%であった。また、該ポリグリセリン脂肪酸エステルのエステル化率は、38.5%であった。
[製造例3]
[ポリグリセリン脂肪酸エステル(試作品3)の製造]
撹拌機、温度計、ガス吹込管及び水分離器を取り付けた1Lの四つ口フラスコにポリグリセリン(商品名:R-PG3;阪本薬品工業社製)248.8g、オレイン酸(商品名:ルナックO-V;花王社製)551.2gを仕込み、触媒として水酸化ナトリウム0.51gを加え、窒素ガス気流中235℃で、酸価2以下となるまで、約3時間エステル化反応を行った。得られた反応混合物にリン酸(85質量%)1.02gを添加して触媒を中和し、主構成脂肪酸がオレイン酸であるポリグリセリン脂肪酸エステル(試作品3)約753gを得た。得られたポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリン中のトリグリセリン及びテトラグリセリンの含有量は、それぞれ46.5質量%、27.0質量%であった。また、該ポリグリセリン脂肪酸エステルのエステル化率は、38.1%であった。
[製造例4]
[ポリグリセリン脂肪酸エステル(試作品4)の製造]
撹拌機、温度計、ガス吹込管及び水分離器を取り付けた1Lの四つ口フラスコにポリグリセリン(商品名:TRIGLYCERIN;阪本薬品工業社製)77.3g、(商品名:R-PG3;阪本薬品工業社製)164.3g、オレイン酸(商品名:ルナックO-V;花王社製)558.4gを仕込み、触媒として水酸化ナトリウム0.51gを加え、窒素ガス気流中235℃で、酸価2以下となるまで、約3時間エステル化反応を行った。得られた反応混合物にリン酸(85質量%)1.02gを添加して触媒を中和し、主構成脂肪酸がオレイン酸であるポリグリセリン脂肪酸エステル(試作品4)約756gを得た。得られたポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリン中のトリグリセリン及びテトラグリセリンの含有量は、それぞれ55.2質量%、21.0質量%であった。また、該ポリグリセリン脂肪酸エステルのエステル化率は、35.3%であった。
[製造例5]
[ポリグリセリン脂肪酸エステル(試作品5)の製造]
撹拌機、温度計、ガス吹込管及び水分離器を取り付けた1Lの四つ口フラスコにポリグリセリン(商品名:R-PG3;阪本薬品工業社製)380.0g、オレイン酸(商品名:ルナックO-V;花王社製)420.0gを仕込み、触媒として水酸化ナトリウム0.51gを加え、窒素ガス気流中235℃で、酸価2以下となるまで、約3時間エステル化反応を行った。得られた反応混合物にリン酸(85質量%)1.02gを添加して触媒を中和し、主構成脂肪酸がオレイン酸であるポリグリセリン脂肪酸エステル(試作品5)約749gを得た。得られたポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリン中のトリグリセリン及びテトラグリセリンの含有量は、それぞれ46.5質量%、27.0質量%であった。また、該ポリグリセリン脂肪酸エステルのエステル化率は、18.3%であった。
[製造例6]
[ポリグリセリン脂肪酸エステル(試作品6)の製造]
撹拌機、温度計、ガス吹込管及び水分離器を取り付けた1Lの四つ口フラスコにポリグリセリン(商品名:R-PG3;阪本薬品工業社製)282.0g、オレイン酸(商品名:ルナックO-V;花王社製)468.0gを仕込み、触媒として水酸化ナトリウム0.51gを加え、窒素ガス気流中235℃で、酸価2以下となるまで、約3時間エステル化反応を行った。得られた反応混合物にリン酸(85質量%)1.02gを添加して触媒を中和し、主構成脂肪酸がオレイン酸であるポリグリセリン脂肪酸エステル(試作品6)約702gを得た。得られたポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリン中のトリグリセリン及びテトラグリセリンの含有量は、それぞれ46.5質量%、27.0質量%であった。また、該ポリグリセリン脂肪酸エステルのエステル化率は、28.1%であった。
[製造例7]
[ポリグリセリン脂肪酸エステル(試作品7)の製造]
撹拌機、温度計、ガス吹込管及び水分離器を取り付けた1Lの四つ口フラスコにポリグリセリン(商品名:R-PG3;阪本薬品工業社製)272.0g、オレイン酸(商品名:ルナックO-V;花王社製)528.0gを仕込み、触媒として水酸化ナトリウム0.51gを加え、窒素ガス気流中235℃で、酸価2以下となるまで、約3時間エステル化反応を行った。得られた反応混合物にリン酸(85質量%)1.02gを添加して触媒を中和し、主構成脂肪酸がオレイン酸であるポリグリセリン脂肪酸エステル(試作品7)約748gを得た。得られたポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリン中のトリグリセリン及びテトラグリセリンの含有量は、それぞれ46.5質量%、27.0質量%であった。また、該ポリグリセリン脂肪酸エステルのエステル化率は、32.7%であった。
[製造例8]
[ポリグリセリン脂肪酸エステル(試作品8)の製造]
撹拌機、温度計、ガス吹込管及び水分離器を取り付けた1Lの四つ口フラスコにポリグリセリン(商品名:R-PG3;阪本薬品工業社製)228.8g、オレイン酸(商品名:ルナックO-V;花王社製)571.2gを仕込み、触媒として水酸化ナトリウム0.51gを加え、窒素ガス気流中235℃で、酸価2以下となるまで、約3時間エステル化反応を行った。得られた反応混合物にリン酸(85質量%)1.02gを添加して触媒を中和し、主構成脂肪酸がオレイン酸であるポリグリセリン脂肪酸エステル(試作品8)約761gを得た。得られたポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリン中のトリグリセリン及びテトラグリセリンの含有量は、それぞれ46.5質量%、27.0質量%であった。また、該ポリグリセリン脂肪酸エステルのエステル化率は、43.9%であった。
[製造例9]
[ポリグリセリン脂肪酸エステル(試作品9)の製造]
撹拌機、温度計、ガス吹込管および水分離器を取り付けた1Lの四つ口フラスコにポリグリセリン(商品名:R-PG3;阪本薬品工業社製)249.2g、ミリスチン酸(商品名:NAA-142;日油社製)450.8gを仕込み、触媒として水酸化ナトリウム0.45gを加え、窒素ガス気流中235℃で、酸価2以下となるまで、約3時間エステル化反応を行った。得られた反応混合物にリン酸(85質量%)0.89gを添加して触媒を中和し、主構成脂肪酸がミリスチン酸であるポリグリセリン脂肪酸エステル(試作品9)約655gを得た。得られたポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリン中のトリグリセリン及びテトラグリセリンの含有量は、それぞれ46.5質量%、27.0質量%であった。また、該ポリグリセリン脂肪酸エステルのエステル化率は、37.7%であった。
[製造例10]
[ポリグリセリン脂肪酸エステル(試作品10)の製造]
撹拌機、温度計、ガス吹込管および水分離器を取り付けた1Lの四つ口フラスコにポリグリセリン(商品名:R-PG3;阪本薬品工業社製)212.0g、オレイン酸(商品名:ルナックO-V;花王社製)588.0gを仕込み、触媒として水酸化ナトリウム0.51gを加え、窒素ガス気流中235℃で、酸価2以下となるまで、約3時間エステル化反応を行った。得られた反応混合物にリン酸(85質量%)1.02gを添加して触媒を中和し、主構成脂肪酸がオレイン酸であるポリグリセリン脂肪酸エステル(試作品10)約747gを得た。得られたポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリン中のトリグリセリン及びテトラグリセリンの含有量は、それぞれ46.5質量%、27.0質量%であった。また、該ポリグリセリン脂肪酸エステルのエステル化率は、48.0%であった。
[製造例11]
[ポリグリセリン脂肪酸エステル(試作品11)の製造]
拌機、温度計、ガス吹込管および水分離器を取り付けた1Lの四つ口フラスコにポリグリセリン(特注品;阪本薬品工業社製)263.2g、オレイン酸(商品名:ルナックO-V;花王社製)536.8gを仕込み、触媒として水酸化ナトリウム0.51gを加え、窒素ガス気流中235℃で、酸価2以下となるまで、約3時間エステル化反応を行った。得られた反応混合物にリン酸(85質量%)1.02gを添加して触媒を中和し、主構成脂肪酸がオレイン酸であるポリグリセリン脂肪酸エステル(試作品11)約757gを得た。得られたポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリン中のトリグリセリン及びテトラグリセリンの含有量は、それぞれ5.8質量%、56.1質量%であった。また、該ポリグリセリン脂肪酸エステルのエステル化率は、34.9%であった。
[製造例12]
[ポリグリセリン脂肪酸エステル(試作品12)の製造]
撹拌機、温度計、ガス吹込管および水分離器を取り付けた1Lの四つ口フラスコにポリグリセリン(商品名:TRIGLYCERIN;阪本薬品工業社製)242.9g、オレイン酸(商品名:ルナックO-V;花王社製)457.1gを仕込み、触媒として水酸化ナトリウム0.51gを加え、窒素ガス気流中235℃で、酸価2以下となるまで、約3時間エステル化反応を行った。得られた反応混合物にリン酸(85質量%)1.02gを添加して触媒を中和し、ポリグリセリン脂肪酸エステル(試作品12)約663gを得た。得られたポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリン中のトリグリセリン及びテトラグリセリンの含有量は、それぞれ73.3質量%、8.1質量%であった。また、該ポリグリセリン脂肪酸エステルのエステル化率は、32.5%であった。
製造例1~12で得たポリグリセリン脂肪酸エステル(試作品1~12)について、ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリン中のトリグリセリン及びテトラグリセリンの含有量(質量%)及びこれらの割合〔トリグリセリン/テトラグリセリン(質量比)〕、エステル化率(%)並びに構成脂肪酸の種類を表1に示す。
Figure 2023018407000002
[畜肉加工食品用品質改良剤の調製]
(1)畜肉加工食品用品質改良剤の原材料
1)ポリグリセリン脂肪酸エステル(試作品1~12)
2)ナタネ油(ボーソー油脂社製)
(2)畜肉加工食品用品質改良剤の調製方法
60℃まで加温したナタネ油に対して、表2に示した配合割合に従ってポリグリセリン脂肪酸エステル(試作品1~12のいずれか)を入れ、手で1分間薬さじを用いて均一に撹拌し、畜肉加工食品用品質改良剤1~12を各100g得た。このうち、畜肉加工食品用品質改良剤1~9は本発明に係る実施例であり、畜肉加工食品用品質改良剤10~12はそれらに対する比較例である。
Figure 2023018407000003
[試験例1]
[チョップドハムによる評価試験]
(1)ピックル液の作製
ジューサーミキサー(型式:MX-152S;パナソニック社製)に1℃の水75.3質量部を入れ、これにラード(雪印乳業社製)0.9質量部及び畜肉加工食品用品質改良剤(1~12のうちいずれか)1.0質量部を加え、同ジューサーミキサーにて5分間撹拌・混合した。これに粉末状大豆蛋白質(商品名:ニューフジプロ1900;不二製油社製)6.0質量部、粉末状卵白(商品名:粉末卵白;キユーピー社製)5.0質量部、グラニュー糖(三井製糖社製)2.0質量部、デキストリン(商品名:TK16;松谷化学工業株式会社製)3.0質量部、食塩3.0質量部、トリポリリン酸ナトリウム1.0質量部、グルタミン酸ナトリウム(商品名:MSG;味の素社製)1.0質量部、カラギナン(商品名:Satiagel CG 30;ユニテックフーズ社製)0.9質量部、塩化カリウム0.6質量部、アスコルビン酸ナトリウム0.1質量部及び亜硝酸塩(商品名:亜硝酸ナトリウム製剤Z;亜硝酸ナトリウム10質量%含有;オルガノフードテック社製)0.2質量部を加え、同ジューサーミキサーにて5分間撹拌・混合し、これを冷蔵庫(庫内温度約4℃)中に1晩保存し、ピックル液を作製した。
(2)チョップドハムの作製
ブロック状の冷凍豚肉(豚MMロイン;ダニッシュクラウン社製)を解凍し余分な筋や皮を取り除いたものを9mmの目のついたプレートを装填したチョッパーを用いて挽肉とした。この挽肉100質量部をミキサー(型式:キッチンエイドKSM150WH;エフ・エム・アイ社製)に入れ、これに(1)で得たピックル液100質量部を添加し、同ミキサーにて、「1速」で30秒、「2速」で60秒、「4速」で30秒の順に撹拌した。これにアセチル化タピオカ澱粉(商品名;MT-01;日本食品化工社製)1.0質量部を添加し、同ミキサーにて、「1速」で30秒、「2速」で60秒、「4速」で30秒の順に撹拌した。得られた肉ペースト約1kgを約80~90kPaの減圧下で約60秒間脱気した後、充填器を用いて折径約3cmの塩化ビリニデンケーシング(呉羽化学社製)に充填し、たこ糸で結束して冷蔵庫(庫内温度約4℃)中に1晩保存した。
最後に、これを80℃で45分間蒸煮し、蒸煮後直ちに0℃の氷水で1時間冷却してチョップドハム1~12を各々得た。また、対照として、(1)のピックル液の作製において、畜肉加工食品用品質改良剤(1~12のうちいずれか)1.0質量部に替えてナタネ油1.0質量部を用いたこと以外は同様に実施して得たピックル液を用いて同様に実施し、チョップドハム13を得た。尚、これらチョップドハム1本の重さは約500gとした。
(3)チョップドハムの物性評価
(2)で得たチョップドハムを厚さ2cmにスライスし、塩化ビニリデン製袋に入れて密封し、約10℃の恒温器中に約1時間保持し試験片とした。この試験片について、クリープメーター(型式:RE2-33-5S;山電社製)により破断エネルギーを測定した。測定では、直径5mmの円柱状のプランジャーを装着し、プランジャースピードを1cm/分として、10個の試験片について行い、その平均値を求めた。得られた数値は、対照のチョップドハム13の数値を100とし、それに対する相対値として示した。この相対値が高いほど、チョップドハムの硬さ及び弾力が強く、歯ごたえのある食感が付与されているといえる。結果を表4に示す。
(4)チョップドハムの官能評価
(2)で得たチョップドハムを、厚さ2mmにスライスし、肉感(肉らしい歯ごたえのある食感)について官能評価を行った。官能試験では、チョップドハム13を対照とし、下記表3に示す評価基準に従い、10名のパネラーで評価を行い、評価点の平均点を求め、以下の基準に従って記号化した。結果を表4に示す。
◎:平均値1.5未満
○:平均値1.5以上2.5未満
△:平均値2.5以上3.5未満
×:平均値3.5以上
Figure 2023018407000004
Figure 2023018407000005
表4の結果から、本発明の畜肉加工品用品質改良剤(試作品1~9)を添加したチョップドハム1~9は、いずれも物性評価の数値が基準値の100を大きく上回っており、官能評価が「○」以上の結果であった。これに対し、比較例の畜肉加工品用品質改良剤(試作品10~12)を添加したチョップドハム10~12は、いずれも物性評価の数値が基準値と同程度であり、官能評価が「×」の結果であった。
[試験例2]
[焼豚による評価試験]
(1)ピックル液の作製
ジューサーミキサー(型式:MX-152S;パナソニック社製)に1℃の水54.7質量部を入れ、これに粉末状大豆蛋白質(商品名:ニューフジプロ1900;不二製油社製)6.0質量部、果糖ブドウ糖液糖(商品名:ハイフラクトM-75;日本コーンスターチ社製)6.0質量部、醤油(商品名:特選丸大豆しょうゆ;キッコーマン食品社製 )6.0質量部、粉末状卵白(商品名:粉末卵白;キユーピー社製)5.0質量部、グラニュー糖(三井製糖社製)5.0質量部、食塩3.0質量部、みりん(商品名:マンジョウ本みりん;キッコーマン食品社製)3.0質量部、葱風味オイル(商品名:シャン油S-505;理研ビタミン社製)2.0質量部、たん白加水分解物(商品名:HAP-L(F);理研ビタミン社製)0.5質量部、酵母エキス(商品名:酵母エキスRN20T;興人ライフサイエンス株式会社製)0.5質量部、ラード(雪印乳業社製)0.9質量部、コチニール色素(商品名:リケカラーCP-80T;理研ビタミン社製)の10.0質量%水溶液1.0質量部及び「畜肉加工食品用品質改良剤3」1.0質量部を加え、同ジューサーミキサーにて5分間撹拌・混合した。これにトリポリリン酸ナトリウム1.8質量部、加工でん粉(商品名:日食K-1;日本食品化工社製)1.5質量部、グルタミン酸ナトリウム(商品名:MSG;味の素社製)0.9質量部、カラギナン(商品名:Satiagel CG 30;ユニテックフーズ社製)0.6質量部、塩化カリウム0.3質量部、アスコルビン酸ナトリウム0.1質量部及び亜硝酸塩(商品名:亜硝酸ナトリウム製剤Z;亜硝酸ナトリウム10質量%含有;オルガノフードテック社製)0.2質量部を加え、同ジューサーミキサーにて5分間撹拌・混合し、これを冷蔵庫(庫内温度約4℃)中に1晩保存し、ピックル液を作製した。
(2)焼豚の作製
ブロック状の冷凍豚肉(豚MMロイン;ダニッシュクラウン社製)を解凍したもの50質量部に(1)で得たピックル液50質量部をインジェクションし、タンブラー(型式:タンブラー100;双葉電気工業社)を用いて、冷蔵庫(庫内温度約5℃)内で6時間タンブリングした。タンブリングは、「正転」55分、「休止」5分、「逆転」55分、「休止」5分を繰り返すサイクルにて行った。次に、径約13cmのファイブラスケーシングに原料肉を充填し、たこ糸で結束してスモークチャンバー(型式:ESH-40HC型;アイディー技研社製)内に移し、まず温度60℃、湿度40%で60分間乾燥し、次いで温度85℃、湿度100%で90分間蒸煮した。加熱調理した焼豚を冷蔵庫(庫内温度約4℃)内で冷却し、試験に供するまで保存した。また、対照として、(1)のピックル液の作製において、「畜肉加工食品用品質改良剤3」1.0質量部に替えてナタネ油1.0質量部を用いたこと以外は同様に実施して得たピックル液を用いて同様に実施し、焼豚を得た。尚、これら焼豚1本の重さは約2kgとした。
(3)焼豚の官能評価
(2)で得た焼豚を、厚さ2mmにスライスし、肉感(肉らしい歯ごたえのある食感)について官能評価を行った。官能試験では、下記表5に示す評価基準に従い、10名のパネラーで評価を行い、評価点の平均点を求め、以下の基準に従って記号化した。結果を表6に示す。
◎:平均値1.5未満
○:平均値1.5以上2.5未満
△:平均値2.5以上3.5未満
×:平均値3.5以上
Figure 2023018407000006
Figure 2023018407000007
表6の結果から、本発明の畜肉加工品用品質改良剤(試作品3)を添加した焼豚は、官能評価が「◎」の結果であった。従って、本発明の畜肉加工品用品質改良剤は、チョップドハムのみならず、焼豚についても肉らしい歯ごたえのある食感を付与できることが分かった。

Claims (2)

  1. 下記条件(A)及び(B)を満たすポリグリセリン脂肪酸エステルを有効成分とする畜肉加工食品用品質改良剤。
    (A):ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリン中のトリグリセリンとテトラグリセリンとの割合がトリグリセリン/テトラグリセリン(質量比)=0.3~2.8;
    (B):エステル化率が17~45%。
  2. 請求項1に記載の畜肉加工食品用品質改良剤を含有することを特徴とする畜肉加工食品。
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