JP2023017479A - 基板処理装置及び基板処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板に対する基板処理の不均一を抑制しつつ、生成物の堆積を抑制する。【解決手段】減圧可能に構成された処理容器と、前記処理容器の内部に設けられ、基板が載置される基板載置面を有する載置台と、前記基板が前記基板載置面に載置された際に前記基板の外周を囲み得るように設けられた、矩形枠状の整流壁と、を備え、前記整流壁の四隅それぞれに対し、前記整流壁の内側から貫通するガス流路が設けられ、前記整流壁の四隅の内周面は、曲面で構成される、基板処理装置である。【選択図】図2

Description

本開示は、基板処理装置及び基板処理方法に関する。
特許文献1には、真空チャンバの内部にFPD基板を載置するための載置台が設けられたエッチング処理装置が開示されている。このエッチング処理装置では、基板の周囲を囲むように高さ50~150mm程度の整流部材を設け、基板の外周領域近傍のエッチングガスの流れを整流部材により遮ることにより基板の周囲にガス溜まりを形成している。これにより当該領域におけるエッチングガス流速を低下させ、基板面内におけるエッチングレートの均一性を高めることを図っている。
特開2009-54720号公報
本開示にかかる技術は、基板に対する基板処理の不均一を抑制しつつ、生成物の堆積を抑制する。
本開示の一態様は、減圧可能に構成された処理容器と、前記処理容器の内部に設けられ、基板が載置される基板載置面を有する載置台と、前記基板が前記基板載置面に載置された際に前記基板の外周を囲み得るように設けられた、矩形枠状の整流壁と、を備え、前記整流壁の四隅それぞれに対し、前記整流壁の内側から貫通するガス流路が設けられ、前記整流壁の四隅の内周面は、曲面で構成される、基板処理装置である。
本開示によれば、基板に対する基板処理の不均一を抑制しつつ、生成物の堆積を抑制することができる。
本実施形態にかかる基板処理装置としてのプラズマ処理装置の構成の概略を示す縦断面図である。 本実施形態にかかる基板処理装置としてのプラズマ処理装置の構成の概略を示す横断面図である。 整流壁及び壁部材の構成の概略を示す部分拡大平面図である。 整流壁及び壁部材の構成の概略を示す部分拡大断面図である。 比較の形態にかかる整流壁及び壁部材の構成の概略を示す部分拡大平面図である。 比較の形態にかかる整流壁及び壁部材の構成の概略を示す部分拡大断面図である。 本実施形態における処理ガスの流れを説明するための図である。
液晶表示装置(LCD)等のフラットパネルディスプレイ(FPD)の製造工程では、ガラス基板等の基板に対し、エッチング処理や成膜処理等の基板処理が行われる。これらの基板処理には、処理対象の基板が収容される処理容器等を有する基板処理装置が用いられる。
ところで、基板処理装置による基板処理が、基板の中央部と周縁部とで異なり、面内不均一になる場合がある。例えば、プラズマを用いたエッチング処理では、エッチングを抑制する要因となる、処理時に発生した反応生成物が、基板の周縁部の方が中央部に比べて排出されやすいこと等から、エッチングレートが基板の周縁部において中央部に比べて高くなる。そのため、特許文献1では、基板の周囲を囲むように整流部材を設け、基板の外周領域近傍のエッチングガスの流れを整流部材で遮ることで基板の周囲にガス溜まりを形成し、当該領域におけるエッチングガス流速を低下させ、エッチングレートが均一になるようにしている。
しかし、上述のように整流部材を設けた場合、基板処理時に発生した反応生成物に含まれる堆積性の物質が整流部材に付着して徐々に堆積し、パーティクルの原因となる場合がある。
そこで、本開示にかかる技術は、基板に対する基板処理の不均一を抑制しつつ、生成物の堆積を抑制する。
以下、本実施形態にかかる基板処理装置及び基板処理方法について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<プラズマ処理装置1>
図1及び図2はそれぞれ、本実施形態にかかる基板処理装置としてのプラズマ処理装置の構成の概略を示す縦断面図及び横断面図である。
図1及び図2のプラズマ処理装置1は、基板としての、矩形のガラス基板G(以下、「基板G」という)に対し、処理ガスのプラズマを用いた基板処理すなわちプラズマ処理を行う。プラズマ処理装置1が行うプラズマ処理は、例えばFPD用のエッチング処理、成膜処理、アッシング処理等である。これらの処理により、基板G上に、発光素子や発光素子の駆動回路等の電子デバイスが形成される。
プラズマ処理装置1は、有底の角筒形状の容器本体10を備える。容器本体10は、導電性材料、例えばアルミニウムから形成され、電気的に接地されている。プラズマ処理にはしばしば腐食性のガスが用いられるため、容器本体10の内壁面は、耐腐食性を向上させる目的で、陽極酸化処理等の耐腐食コーティング処理が施されていてもよい。また、容器本体10の上面には開口が形成されている。この開口は、容器本体10と絶縁されて設けられた矩形状の金属窓20によって気密に塞がれ、具体的には、金属窓20及び後述の金属枠14によって気密に塞がれる。容器本体10及び金属窓20によって囲まれた空間は、プラズマ処理の処理対象の基板Gがプラズマ処理時に位置する処理空間K1となり、金属窓20の上方側の空間は、後述の高周波アンテナ(プラズマアンテナ)100が配置されるアンテナ室K2となる。容器本体10のX方向負側(図2の左側)の側壁には、処理空間K1内に基板Gを搬入出するための搬入出口11及び搬入出口11を開閉するゲートバルブ12が設けられている。
容器本体10の底壁10a上には、図1に示すように、金属窓20と対向するように、載置台30が設けられている。載置台30は、その上面が、基板Gが載置される基板載置面31aとなる台本体31を有し、台本体31が、絶縁性の材料で形成された脚部32を介して、容器本体10の底壁10a上に設置されている。載置台30は、例えば全体として平面視矩形状に形成されている。
台本体31は、導電性材料、例えばアルミニウムから形成されている。台本体31の表面は、絶縁性及び耐腐食性を向上させるため、陽極酸化処理若しくはセラミック溶射処理等のコーティング処理が施されていてもよい。また、台本体31に載置された基板Gは、載置台30が有する静電チャック(図示せず)により吸着保持される。
さらに、台本体31には、整合器40を介して高周波電源41が接続されている。高周波電源41は、バイアス用の高周波電力、例えば周波数が3.2MHzの高周波電力を台本体31に供給する。これにより、処理空間K1内に生成されたプラズマ中のイオンを基板Gに引き込むことができる。
また、載置台30の周囲には、基板載置面31aを囲むように(具体的には基板載置面31aを含む載置台30の上部側面を囲むように)、リング部材としての、シールドリング50が設けられている。シールドリング50は、プラズマを載置台30の上方に均一に形成するためのものであり、絶縁性の材料、例えばセラミックスから形成されている。シールドリング50は、例えば、平面視矩形の環状に形成されている。また、載置台30の側面(具体的には載置台30の下部側面)及び脚部32の側面を囲むように絶縁リング51が設けられ、絶縁リング51の上面と、台本体31の肩部とにわたってシールドリング50が載置されている。絶縁リング51は、容器本体10の底壁10aに支持されている。なお、脚部32と絶縁リング51は一体にされていてもよい。また、台本体31は肩部を設けていなくてもよく、その場合、シールドリング50が絶縁リング51と一体化されてもよい。
一実施形態において、シールドリング50は、後述の整流壁60を成す壁部材61を支持する部材支持部を構成し、シールドリング50の上面は、載置台30の基板載置面31aの外周を囲み壁部材61が載置される部材載置面50aとなる。例えば、部材載置面50aは平坦に形成され、その高さが、基板載置面31aの高さと略等しい。
また、載置台30の基板載置面31aに基板Gが載置された際に、基板Gの外周を囲み得るように、平面視矩形の枠体状すなわち矩形枠状の整流壁60が設けられている。整流壁60は、載置台30に載置された基板Gの周縁部のガスの流れを遮ることで基板Gの周縁部にガス溜まりを形成するためのものであり、例えば、セラミックス等の絶縁性の材料から形成されている。
整流壁60は、例えば、矩形枠状の壁部材61をシールドリング50の部材載置面50aに載置することにより成される。壁部材61の詳細については後述する。
なお、図の例では、基板Gより基板載置面31aの方が大きく、基板載置面31a内に基板Gが収まっているが、基板Gより基板載置面31aの方が小さく、基板Gの周縁部が、平面視において基板載置面31aから迫り出しシールドリング50の部材載置面50aの内周部と重なってもよい。その場合、基板Gの裏面とシールドリング50の部材載置面50aとが離間し接触しないよう、基板載置面31aに対し部材載置面50aをわずかに低くすることが望ましい。
さらに、容器本体10の底壁10aには、排気口13が形成されている。排気口13は、複数設けられており、例えば、図2に示すように、平面視矩形状の載置台30の各角部に1つ設けられている。排気口13には、図1に示すように、真空ポンプ等を有する排気部70が接続されている。処理空間K1は、この排気部70によって減圧される。排気部70は、複数の排気口13のそれぞれに設けられてもよいし、複数の排気口13に共通に設けられてもよい。また、排気口13は、平面視矩形状の載置台30の各辺に、当該辺に沿って複数(例えば2つ)設けられていてもよい。
容器本体10の側壁の上面側には、アルミニウム等の金属材料から形成された矩形状の枠体である金属枠14が設けられている。容器本体10と金属枠14との間には、処理空間K1を気密に保つためのシール部材15が設けられている。また、本実施形態において、容器本体10と金属枠14と金属窓20とが、減圧可能に構成された処理容器を成す。
金属窓20は、例えば平面視矩形状に形成されている。また、金属窓20は、処理空間K1に処理ガスを供給するシャワーヘッドとして機能する。例えば、金属窓20には、処理ガスを下方に吐出する多数のガス吐出孔21と、処理ガスを拡散させる拡散室22が形成されており、ガス吐出孔21と拡散室22とが連通している。
拡散室22は、ガス供給管80を介して処理ガス供給部81に接続されている。処理ガス供給部81は、流量調整弁(図示せず)や開閉弁(図示せず)等を備え、エッチング処理、成膜処理、アッシング処理等に必要な処理ガスを拡散室22に供給する。
なお、金属窓20は、絶縁部材23によって金属枠14から電気的に絶縁されている。
上述の金属窓20、側壁部91及び天板部90にて囲まれた空間はアンテナ室K2を構成し、アンテナ室K2の内部には、金属窓20に面するように高周波アンテナ100が配置されている。
高周波アンテナ100は、例えば、絶縁材料から形成されるスペーサ(図示せず)を介して金属窓20から離間して配置される。
高周波アンテナ100には、整合器42を介して高周波電源43が接続されている。高周波アンテナ100には、高周波電源43から整合器42を介して、例えば13.56MHzの高周波電力が供給される。これにより、プラズマ処理の間、処理空間K1の内部に誘導電界が形成され、ガス吐出孔21から吐出された処理ガスが誘導電界によってプラズマ化される。
さらに、プラズマ処理装置1には制御部Uが設けられている。制御部Uは、例えばCPUやメモリ等を備えたコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、プラズマ処理装置1における基板Gの処理を制御するプログラムが格納されている。上述のプログラムは、コンピュータに読み取り可能な非一時的な記憶媒体に記録されていたものであって、当該記憶媒体から制御部Uにインストールされたものであってもよい。プログラムの一部または全ては専用ハードウェア(回路基板)で実現してもよい。
<整流壁60及び壁部材61>
続いて、整流壁60及び壁部材61の構成について図1及び図2を参照し、図3及び図4を用いて説明する。図3及び図4はそれぞれ、整流壁60及び壁部材61の構成の概略を示す部分拡大平面図及び部分拡大断面図であり、矩形枠状の整流壁60及び壁部材61の四隅の1つを示している。
前述のように、整流壁60は、平面視矩形状の枠体である。そして、整流壁60の四隅それぞれに対し、図2に示すように、当該整流壁60の内側から貫通するガス流路200が設けられている。具体的には、整流壁60の四隅それぞれに対し、整流壁60の内周面から貫通するガス流路200が設けられている。ガス流路200は、図3に示すように、当該ガス流路200が設けられた整流壁60の隅部の内周面から、平面視において当該隅部の厚さ方向に沿って延びるように形成されている。より具体的には、ガス流路200は、図3及び図4に示すように、当該ガス流路200が設けられた整流壁60の隅部の内周面から、当該隅部の厚さ方向且つ水平方向に沿って延び、整流壁60の外周面に至るように形成されている。
一実施形態において、ガス流路200は、壁部材61の四隅それぞれの下面に設けられた溝部62と、シールドリング50の部材載置面50aによって形成される。溝部62は、例えば、壁部材61の四隅それぞれに1つずつ、当該ガス流路200が設けられた隅部の壁部材61の厚さ方向に沿って延びるように形成されている。
また、整流壁60の四隅の内周面は、図3に示すように、曲面63で形成されている。具体的には、整流壁60を成す壁部材61の四隅の内周面は、外側に凹むような曲面63で形成されている。
なお、整流壁60の内周面すなわち壁部材61の内周面は、例えば、部材載置面50aに対して垂直となるように形成されている。ただし、整流壁60の内周面すなわち壁部材61の内周面は、整流壁60の機能を果たし得る範囲で、部材載置面50aに対して垂直より外側または内側に傾いていてもよい。なお、以下の説明では、整流壁60の内周面すなわち壁部材61の内周面は、部材載置面50aに対して垂直であるものとする。
壁部材61は、複数に分割されていてもよい。例えば、壁部材61は、各隅部の部材と各辺部の部材とに分割されていてもよい。
なお、上述のようなガス流路200は、整流壁60の四隅に対してのみ設けられており、整流壁60の辺部には設けられていない。
<基板処理>
次に、プラズマ処理装置1における基板処理について、プラズマを用いたエッチング処理すなわちプラズマエッチング処理の例で説明する。なお、以下の基板処理は、制御部Uの制御の下、行われる。
まず、載置台30上に基板Gが載置される。
具体的には、ゲートバルブ12が開かれ、基板Gが、搬入出口11を介して処理空間K1内に搬入され、載置台30の基板載置面31aに、整流壁60に囲まれるように載置される。その後、ゲートバルブ12が閉じられる。
そして、処理空間K1に導入した処理ガスが基板載置面31a上の基板Gに供給され、当該基板Gに処理が施される。具体的には、上記処理ガスがプラズマ化され、該プラズマによって基板Gに処理が施される。
より具体的には、処理ガス供給部81から、拡散室22及びガス吐出孔21を介して処理空間K1内に処理ガスが供給される。また、排気部70による処理空間K1の排気が行われ、処理空間K1内が所望の圧力に調節される。
次いで、高周波電源43から高周波アンテナ100に高周波電力が供給され、これにより金属窓20を介して処理空間K1内に均一な誘導電界が生じる。その結果、誘導電界により、処理空間K1内の処理ガスがプラズマ化し、高密度の誘導結合プラズマが生成される。そして、高周波電源41から載置台30の台本体31に供給されたバイアス用の高周波電力により、プラズマ中のイオンが基板Gに引き込まれ、基板Gに対しエッチング処理が施される。
上述のように、プラズマ処理装置1には、四隅それぞれにガス流路200が形成された整流壁60が設けられている。上記エッチング処理の際、処理空間K1内に導入され基板Gに供給された処理ガスは、整流壁60の上側及びガス流路200を介して、排気口13に導かれ、排出される。エッチング処理時に生じた反応生成物は、基板Gの処理に寄与しなかった処理ガスと共に整流壁60の上側及びガス流路200を介して排気口13に導かれ排出される。
エッチング処理の終了後、高周波電源41、43からの電力供給、処理ガス供給部81からの処理ガス供給が停止され、搬入時とは逆の順序で基板Gが搬出される。
これにより一連の基板処理が終了する。
<本実施形態の主な作用効果>
ところで、本実施形態と異なり整流壁60がない場合、エッチングレートが、基板Gの周縁部において中央部に比べて高くなることがある。これは、エッチングを抑制する要因となる、処理時に発生した反応生成物が、基板Gの周縁部において中央部に比べて排出されやすいこと等が原因である。反応生成物が基板Gの表面からのみ発生するのに対し処理ガスは処理空間K1から供給されるという違いがあるため、基板Gの周縁部では速やかに排気が進むと新鮮な処理ガスに置き換わりやすいためである。そこで、載置台30上の基板Gを囲む整流壁60を設け、基板Gに供給された処理ガスを整流壁60の内周面及び上面に沿って排出させることで、基板Gの周縁部近傍の処理ガスの流れを整流壁60で遮り、基板Gの周囲にガス溜まりを形成するようにしている。これにより、プラズマ中の未反応の反応種(反応に寄与するラジカルやイオン等)等の割合が、基板Gの中央部近傍と周縁部近傍とで近くなるため、エッチングレートの面内均一性を図ることができる。
しかし、整流壁60を設けたとしても、本実施形態と異なり、整流壁60の四隅にガス流路200が形成されていない場合、反応生成物に含まれる堆積性の物質が、整流壁60に付着して徐々に堆積してしまう。特に、整流壁60の矩形枠状という構造上、反応生成物に含まれる堆積性の物質が整流壁60の隅部に堆積し、堆積した生成物がパーティクルの原因となる場合がある。
そこで、本実施形態では、整流壁60の四隅にガス流路200を設け、隅部近傍の反応生成物を、処理ガスと共に、ガス流路200を介して排出するようにしている。
なお、以下において、簡略化のため「反応生成物が堆積する」といった表現を用いる場合があるが、反応生成物に含まれる全物質が堆積することを意味せず、上記と同様、反応生成物に含まれる堆積性の物質が堆積することを意味するものとする。
また、本実施形態と異なる比較の形態として、図5及び図6に示すものが考えられる。図5及び図6に示す比較の形態では、基板Gの外周を囲み得る、矩形状枠体の整流壁500を成す壁部材510と、部材載置面50aとの間に支持柱511を設け、壁部材510を、支持柱511により部材載置面50aとの間に隙間512を設けて支持している。また、上記比較の形態では、矩形枠状の整流壁500の辺それぞれに対し、複数の支持柱511を設け、整流壁500の各隅部を含め、複数個所に隙間512を設けている。
この形態の場合、基板Gの処理に伴い発生した反応生成物を、処理ガスと共に、隙間512を介して排出することができる。
しかし、この比較の形態では、図6に示すように、支持柱511の基板G側に反応生成物Qが堆積する場合がある。特に、整流壁500の辺部中央付近に設けられた支持柱511の基板G側に反応生成物Qが堆積する場合がある。その理由としては、以下が考えられる。比較の形態における、処理ガスの排出経路は、整流壁500の上側を介するものを除けば、隙間512を介する経路、すなわち、隣接する支持柱511同士の間を介する経路である。言い換えれば、支持柱511は、隙間512を通過する処理ガスの流れの中に存在する。したがって、基板G側から支持柱511に向かう処理ガスの流れ(図5の矢印F10参照)が強い。このため、支持柱511に到達する反応生成物の数が多く、また、支持柱511に到達した反応生成物がその処理ガスの流れにより支持柱511に押し付けられ、反応生成物に含まれる堆積性物質が堆積してしまうと考えられる。
そこで、本実施形態では、図7に示すように、整流壁60の四隅にのみガス流路200を設け、整流壁60の辺部に沿って四隅に向かう処理ガスの流れF1が形成されるようにし、基板G側から整流壁60の辺部に向かう処理ガスの流れF2を弱めるようにしている。これにより、整流壁60の辺部に到達する反応生成物の(単位面積あたりの)数を少なくすることができ、また、整流壁60の辺部に到達した反応生成物が当該辺部に押し付けられにくくすることができる。したがって、整流壁60に反応生成物が辺部に堆積するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、整流壁60の四隅の内周面が曲面63で形成されている。そのため、当該四隅に至った処理ガスは、当該四隅に滞留せずに曲面63に沿って流れやすい。したがって、当該四隅での処理ガスの停滞を抑制することができ、当該四隅におけるガス流路200が形成されていない部分に反応生成物が堆積するのを抑制することができる。
以上のように、本実施形態によれば、基板に対するプラズマエッチング処理の不均一性を抑制しつつ、プラズマエッチング処理時に生じた反応生成物の堆積(特に隅部への堆積)を抑制することができる。なお、上述の点は、プラズマエッチング処理以外のプラズマ処理及びプラズマ処理以外の処理ガスを用いた基板処理においても同様である。つまり、本実施形態によれば、基板処理の不均一を抑制しつつ、基板処理時に生じた反応生成物の堆積(特に隅部への堆積)を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、反応生成物が整流壁60に堆積しにくいため、堆積物を取り除くための整流壁60のメンテナンスの周期を長くすることができ、生産性の低下を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、整流壁60の四隅のみにガス流路200が設けられているため、ガス流路200を通過する際の処理ガスの流速が高い。したがって、堆積物の原因物質を含む反応生成物が、ガス流路200に留まらずに排出される。つまり、反応生成物がガス流路200に堆積するのを抑制することができる。
<整流壁60及び壁部材61の寸法及び配設位置>
図3及び図4を参照し、整流壁60及び壁部材61の寸法及び配設位置の一例を説明する。これらは、反応生成物の種類や処理ガスの種類(当該反応生成物を排気するのに必要なガス流路200のコンダクタンス等に反映される)や、基板Gの大きさ、処理圧力等に応じて定められる。
基板載置面31aに載置された基板Gの側端(具体的にはその設計値)と整流壁60及び壁部材61の辺部の内周面との間の距離L1が8mm、基板Gの厚さが0.5mm~0.7mmの場合、整流壁60及び壁部材61の寸法及び配設位置は例えば以下の通りである。
整流壁60及び壁部材61の高さH1:20mm~80mm
整流壁60の厚さT:5mm~36mm
ガス流路200の高さH2:1mm~10mm
基板Gの角部からガス流路200の側端までの距離L2:0mm~20mm
ガス流路200の側面の角度(当該側面が形成された整流壁60の辺部に対して垂直な角度を基準とする。)θ:0°~45°
なお、上記角度θが45°とは、ガス流路200が、該ガス流路200が設けられた整流壁60の隅部の厚さ方向に沿って延び、且つ、厚さ方向に沿って均等な太さを有するように形成されていることを意味する。
また、上記角度θが0°以上で45°未満の場合、ガス流路200が、当該ガス流路200が設けられた整流壁60の隅の厚さ方向に沿って延び、且つ、外側に向けて開く形状に形成されていることを意味する。
上記角度θを0°未満とした場合、すなわち負の値である場合、ガス流路200は0°の場合よりもさらに外側に向かって開く形状に形成され、ガス流路200の入り口付近において、処理ガスの回り込みが発生し、反応生成物の堆積が生じるおそれがある。上記角度θを0°以上とすることで、これを防ぐことができる。また、上記角度θを0°未満とした場合、ガス流路200を介して排気側から基板G側にガスが逆拡散する可能性が高くなる。上記角度θを0°以上とすることで、この逆拡散を抑制することができる。
一方、上記角度θが45°を超える場合、ガス流路200の内面に衝突する、処理ガス及びそれに含まれる反応生成物の割合が増加するおそれ、すなわち、反応生成物の排出性能が低下するおそれがある。上記角度θを45°以下とすることで、この反応生成物の排出性能の低下を防ぐことができる。
また、基板Gの角部からガス流路200の側端までの距離L2が負の値の場合、すなわち基板Gの角部の位置がガス流路200の側端よりも壁部材61の辺部側にある場合も、反応生成物の排出性能が低下するおそれがある。したがって、上記距離L2を0mm以上とすることで、この反応生成物の排出性能の低下を防ぐことができる。
一方、上記距離L2が20mmを超える場合、基板Gの角部とそれ以外の部分とで、処理ガスの排出効率が異なり、基板処理の均一性に影響が及ぶおそれがある。上記L2を20mm以下とすることで、このように基板処理の均一性に影響が及ぶのを抑制することができる。
さらに、整流壁60及び壁部材61は、曲面63の曲率半径rが、例えば、基板載置面31aに載置された基板Gの側端と整流壁60及び壁部材61の辺部の内周面との間の距離L2に等しくなるように形成されることが好ましい。
曲面63が上述のように形成されることにより、いずれの場所においても、基板Gの側端と整流壁60及び壁部材61の辺部の内周面との距離を一定に保つことができる。したがって、基板Gの角部における基板処理の均一性を向上させることができる。
なお、上記曲面63の曲率半径rは、基板載置面31aに載置される基板Gの寸法に合わせて設定されることが好ましいが、基板Gは、本実施形態の必須の構成要件とされるものではない。
(変形例)
以上の例では、壁部材61の底面に設けられた溝部62と部材載置面50aとによりガス流路200が形成されていた。ガス流路200の形態はこれに限られず、例えば、ガス流路200は、壁部材61を貫通する孔であってもよい。また、ガス流路200は、壁部材61の平坦な底面とシールドリング50の部材載置面50aに設けた溝部とにより形成されていてもよく、さらに、ガス流路200は、シールドリング50の部材載置面50aにおける壁部材61より内側から当該シールドリング50を貫通する孔であってもよい。
ただし、部材載置面50aに設けられた溝部と壁部材61の平坦な底面とによりガス流路200を形成した場合には、壁部材61より内側の部材載置面50aとガス流路200との間に段差が生じる。これに対し、壁部材61の底面に設けられた溝部62と部材載置面50aとによりガス流路200を形成した場合、壁部材61より内側の部材載置面50aとガス流路200との間に段差がない。そのため、段差の無い構成により、壁部材61より内側の部材載置面50aに沿ってガス流路200に向かった処理ガスを、ガス流路200を介してスムーズに、壁部材61の外側に排出することができる。したがって、反応生成物の排出性能が高いので、反応生成物の堆積を抑制することができる。
また、以上の例では、ガス流路200は、水平方向に延びるように形成されていたが、所望の反応生成物の排出性能が得られれば、下流端(整流壁の外側)が上流端(整流壁の内側)より上方または下方に位置するよう、水平方向から傾くように形成されていてもよい。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
1 プラズマ処理装置
10 容器本体
14 金属枠
20 金属窓
30 載置台
31a 基板載置面
60 整流壁
63 曲面
200 ガス流路
G ガラス基板

Claims (8)

  1. 減圧可能に構成された処理容器と、
    前記処理容器の内部に設けられ、基板が載置される基板載置面を有する載置台と、
    前記基板が前記基板載置面に載置された際に前記基板の外周を囲み得るように設けられた、矩形枠状の整流壁と、を備え、
    前記整流壁の四隅それぞれに対し、前記整流壁の内側から貫通するガス流路が設けられ、
    前記整流壁の四隅の内周面は、曲面で構成される、基板処理装置。
  2. 前記基板は矩形状であり、
    前記曲面の曲率半径は、前記基板が前記基板載置面に載置された際に前記基板の側端と前記整流壁の辺部の内周面との間の距離に等しい、請求項1に記載の基板処理装置。
  3. 前記基板載置面の外周を囲む部材載置面を有する部材支持部と、
    前記部材載置面に載置されて前記整流壁を成す壁部材と、を備え、
    前記ガス流路は、前記壁部材の下面に設けられた溝部と前記部材載置面によって形成される、請求項1または2に記載の基板処理装置。
  4. 前記基板載置面を囲むように設けられたリング部材をさらに備え、
    当該リング部材及びその上面はそれぞれ前記部材支持部及び前記部材載置面を構成する、請求項3に記載の基板処理装置。
  5. 前記ガス流路は、当該ガス流路が設けられた前記整流壁の隅部の厚さ方向に沿って延び、且つ、前記厚さ方向に沿って均等な太さを有するように形成される、請求項1~4のいずれか1項に記載の基板処理装置。
  6. 前記ガス流路は、当該ガス流路が設けられた前記整流壁の隅部の厚さ方向に沿って延び、且つ、外側に向けて開く形状に形成される、請求項1~4のいずれか1項に記載の基板処理装置。
  7. 処理容器の内部に設けられた載置台の基板載置面に、四隅の内周面が曲面で形成された矩形枠状の整流壁に囲まれるように、基板を載置する工程と、
    前記処理容器内に導入した処理ガスを前記基板載置面上の前記基板に供給し当該基板に処理を施す工程と、
    前記基板載置面上の前記基板に供給された処理ガスを、前記整流壁の前記四隅のそれぞれに対し設けられた前記整流壁の内周面から貫通するガス流路及び前記整流壁の上側を介して排出する工程と、を含む基板処理方法。
  8. 前記処理を施す工程は、前記処理ガスをプラズマ化し該プラズマによって前記基板に処理を施す、請求項7に記載の基板処理方法。
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