JP2023017236A - 光ファイバの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光ファイバの長手方向における外径変動を抑制できる光ファイバの製造方法を提供する。【解決手段】光ファイバの製造方法は、光ファイバ製造装置を用いた光ファイバの製造方法であって、前記光ファイバ製造装置は、下端に光ファイバ母材が固定されるロッドと、前記ロッドを取り囲むシールドパイプと、前記シールドパイプ内において前記シールドパイプとの間に隙間をもって配置されるとともに、前記ロッドが貫通するシール部と、前記光ファイバ母材を加熱するヒータを有するとともに、中空容器状に形成された紡糸炉と、前記紡糸炉に設けられるガス導入口と、を備え、前記光ファイバ母材を加熱して前記光ファイバ母材を溶融紡糸する際に、ガスを前記ガス導入口から前記紡糸炉内に導入し、少なくとも一部の前記ガスを前記隙間から前記シールドパイプの外に排出し、前記隙間において前記ガスに生じる圧力損失が95Pa以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、光ファイバの製造方法に関する。
特許文献1には、光ファイバ製造装置を用いた光ファイバの製造方法が開示されている。光ファイバ製造装置は、光ファイバ母材が取り付けられるロッド(送出ロッド)と、ロッドを取り囲むシールドパイプと、ロッドが貫通するシール部(シール部材)と、紡糸炉(紡糸用加熱炉)と、紡糸炉に設けられるガス導入口と、を備える。
特開2015-6960号公報
紡糸炉内部において光ファイバ母材を溶融紡糸する際には、一般的に、紡糸炉内部に不活性ガスが導入される。特許文献1に記載の光ファイバの製造方法において、紡糸炉内部に導入された不活性ガスの少なくとも一部は、紡糸炉内部からシールドパイプ内部へと流動する。その後、当該不活性ガスは、シール部とシールドパイプとの間に形成された隙間を通じて光ファイバ製造装置の外部へと排出される。
このような光ファイバの製造方法においては、シール部とシールドパイプとの間に形成された隙間を通過して光ファイバ製造装置の外部へ排出されていく不活性ガスの量が不安定になる可能性があった。排出される不活性ガスの量が不安定になると、紡糸炉内部における不活性ガスの流れが乱れ、光ファイバ母材の溶融が不均一となりやすくなる。光ファイバ母材の溶融の不均一は、光ファイバの外径変動の原因となり得る。
本発明は、このような事情を考慮してなされ、光ファイバの外径変動を抑制できる光ファイバの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る光ファイバの製造方法は、光ファイバ製造装置を用いた光ファイバの製造方法であって、前記光ファイバ製造装置は、下端に光ファイバ母材が固定されるロッドと、前記ロッドを取り囲むシールドパイプと、前記シールドパイプ内において前記シールドパイプとの間に隙間をもって配置されるとともに、前記ロッドが貫通するシール部と、前記光ファイバ母材を加熱するヒータを有するとともに、中空容器状に形成された紡糸炉と、前記紡糸炉に設けられるガス導入口と、を備え、前記ヒータによって前記光ファイバ母材を加熱して前記光ファイバ母材を溶融紡糸する際に、ガスを前記ガス導入口から前記紡糸炉内に導入し、少なくとも一部の前記ガスを前記隙間から前記シールドパイプの外に排出し、前記隙間において前記ガスに生じる圧力損失が95Pa以上である。
本発明の上記態様によれば、光ファイバの外径変動を抑制可能な光ファイバの製造方法を提供できる。
第1実施形態に係る光ファイバの製造方法で用いられる光ファイバ製造装置を示す一部断面図である。 第2実施形態に係る光ファイバの製造方法で用いられる光ファイバ製造装置を示す一部断面図である。 実施例および比較例に係る光ファイバの製造方法において設定された各製造条件を示す図である。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態に係る光ファイバの製造方法、および光ファイバ製造装置について図面に基づいて説明する。
図1に示すように、光ファイバ製造装置1Aは、ロッド10と、ロッド10を取り囲むシールドパイプ20と、ロッド10が貫通するシール部30と、紡糸炉40と、を備える。ロッド10は、第1端部10aおよび第2端部10bを有する。ロッド10の第1端部10aには、光ファイバ母材Mが固定される。
(方向定義)
ここで、本実施形態では、ロッド10の中心軸線Oと平行な方向(Z方向)を軸方向Zと称する。軸方向Zに沿って、ロッド10の第1端部10aから第2端部10bへと向かう方向(+Z方向)を上方と称し、上方と反対の方向(-Z方向)を下方と称する。軸方向Zに垂直な断面を横断面と称する。ロッド10の中心軸線Oに直交する方向を径方向と称する。径方向に沿って、中心軸線Oに接近する方向を径方向内側と称し、中心軸線Oから離反する方向を径方向外側と称する。軸方向Zから見て、中心軸線Oまわりに周回する方向を周方向と称する。
(光ファイバ製造装置)
ロッド10は、軸方向Zに沿って延在している。本実施形態に係るロッド10は、横断面視において、略円形状である。ロッド10の第1端部10aには、光ファイバ母材Mが取り付けられる。ロッド10の第2端部10bは、支持機構50(支持部51)によって支持されている。以降、本明細書では、ロッド10の第1端部10aをロッド10の下端10aと称し、ロッド10の第2端部10bをロッド10の上端10bと称する場合がある。
支持機構50は、ロッド10を支持する支持部51と、支持部51に連結された昇降機構52を有する。昇降機構52は、支持部51を介して、ロッド10(およびシール部30)を軸方向Zに沿って移動させることができる。なお、支持部51を軸方向Zに沿って動かせる構成であれば、昇降機構52の構成は、適宜変更してもよい。
光ファイバ母材Mは、主としてガラスによって形成されている。光ファイバ母材Mを溶融紡糸することで光ファイバFが得られる。光ファイバ母材Mは、光ファイバFのコアとなる部分およびクラッドになる部分を有する。光ファイバ母材Mは、例えば、未処理母材(ガラス多孔質体)に対して焼結、脱水、ドープ等の処理を行うことによって形成することができる。
シールドパイプ20は、軸方向Zに沿って延在する円筒状である。シールドパイプ20は、ロッド10の径方向外側に位置し、ロッド10を取り囲んでいる。本実施形態において、シールドパイプ20の内径は、軸方向Zに沿って略一定である。
シール部30は、シールドパイプ20の内部に配置されている。本実施形態において、シール部30は、不図示の固定機構によってロッド10に固定されている。なお、シール部30をロッド10に固定できる構造であれば、固定機構の構成は、適宜変更してもよい。
シール部30は、シール本体部33と、第1スリーブ31と、第2スリーブ32と、を有する。本実施形態において、シール本体部33は円柱状に形成されている。シール本体部33の径方向における中央部には、シール本体部33を軸方向Zに沿って貫通する貫通孔33aが形成されている。ロッド10は、シール本体部33の貫通孔33aを貫通している。
第1スリーブ31および第2スリーブ32は、各々筒状の部材であり、ロッド10を径方向における外側から取り囲んでいる。第1スリーブ31は、シール本体部33から上方に向けて延びている。第2スリーブ32は、シール本体部33から下方に向けて延びている。図1の例においては特に、シール部30の外径は、軸方向Zに沿って略一定である。
図1の例において、第1スリーブ31および第2スリーブ32と、シール本体部33とは、別体に形成されている。第1スリーブ31および第2スリーブ32の材質は、例えばカーボンであってもよい。なお、第1スリーブ31および第2スリーブ32と、シール本体部33とは、一体に形成されていてもよい。
シール部30とシールドパイプ20との径方向における間には、隙間G1が設けられている。本実施形態において、隙間G1の寸法は、軸方向Zにおけるシール部30の全体にわたって略一定である。また、隙間G1の寸法は、周方向において略一定である。ただし、軸方向Zおよび周方向における隙間G1の寸法は、略一定でなくてもよい。
シール部30は、シールドパイプ20から上方に排出されるガスの流量を調整する役割を有する。シール部30とシールドパイプ20との間に隙間G1が存在することにより、ガスの一部は、隙間G1を通ってシール部30から上方に向けて漏出する。
紡糸炉40は、シールドパイプ20の下端に連結されている。紡糸炉40は、中空円柱容器状に形成されている。本実施形態において、シールドパイプ20によって囲まれる空間S2のうちシール部30よりも下方に位置する部分は、紡糸炉40内の空間S4に連通している。なお、空間S2と空間S4とは互いに連通していなくてもよい。例えば、紡糸炉40の上端に第2のシール部が設けられ、第2のシール部によって空間S2と空間S4とが区画されていてもよい。第2のシール部は、シールドパイプ20の下端に設けられてもよい。
紡糸炉40は、光ファイバ母材Mを加熱するヒータ41を有する。光ファイバ母材Mは、ヒータ41によって加熱され、下方に向けて溶融紡糸される。本実施形態において、ヒータ41の形状は円筒状であり、紡糸炉40内の空間S4を周方向において取り囲むように配置されている。ヒータ41は、例えば電気ヒータ等であってもよい。なお、本実施形態においてヒータ41は1つのみ設けられているが、複数のヒータ41が設けられていてもよい。この場合、複数のヒータ41が空間S4を周方向において取り囲んでいてもよい。また、複数のヒータ41が軸方向Zに並べて配置されていてもよい。
紡糸炉40には、紡糸炉40内の空間S4に不活性ガス(アルゴン等)を導入するためのガス導入口42が設けられている。図1の例において、ガス導入口42は2つ設けられている。なお、ガス導入口42の数は適宜変更可能であり、1つ以上であればガス導入口42の数は限定されない。
紡糸炉40には、溶融紡糸された光ファイバ母材M(光ファイバF)を引き出すための引出口43が形成されている。本実施形態において、引出口43は紡糸炉40の下面に形成されている。
本実施形態に係る光ファイバ製造装置1Aは、上記した構成のほかに、不図示の外径測定部、冷却部、コーティング部、硬化部、引取り部、巻取部等を備えていてもよい。位置測定部は、光ファイバFの外径を測定する。冷却部は、光ファイバFを冷却する。コーティング部は、光ファイバFに被覆材を塗布(コーティング)することで光ファイバFの外周に被覆層を形成する。硬化部は、光ファイバFに塗布された被覆材が紫外線硬化型樹脂であった場合に、当該樹脂に紫外線を照射することで被覆層を硬化させる。引取り部は、光ファイバFを引き取り、巻取部に向かわせる。巻取部は、ドラムに光ファイバを巻き取る。なお、上記した外径測定部、冷却部、コーティング部、硬化部、引取り部としては、各々公知の構成を採用できる。
なお、本明細書において、例えば、「略円形状」には、製造誤差を取り除けば円形状とみなせる場合も含まれる。同様に、「略同一」には、製造誤差を取り除けば同一とみなせる場合も含まれる。
(光ファイバの製造方法)
次に、本実施形態に係る光ファイバの製造方法の一例について説明する。本実施形態に係る光ファイバの製造方法においては、以上のように構成された光ファイバ製造装置1Aを用いて光ファイバFを製造する。
まず、ロッド10の下端に光ファイバ母材Mが固定される。例えばロッド10を出発部材として用い、ロッド10の周囲に直接ガラス微粒子を堆積させてもよい。あるいは、ロッド10とは別体の光ファイバ母材Mを用意し、光ファイバ母材Mをロッド10に取り付けてもよい。
次に、昇降機構52によって、ロッド10(光ファイバ母材M)が上方から紡糸炉40内に挿入される。
次に、光ファイバ母材Mが、紡糸炉40内において溶融紡糸される。このとき、昇降機構52によって光ファイバ母材Mを軸方向Zに沿って移動させることができる。これにより、ヒータ41と光ファイバ母材Mとの間の相対距離を調節し、光ファイバ母材Mに加わる熱の量を調節することができる。光ファイバ母材Mを溶融紡糸することにより、光ファイバFが得られる。
光ファイバ母材Mを溶融紡糸する際には、紡糸炉40内の空間S4に対して、ガス導入口42から不活性ガスが導入される。不活性ガスの導入は、継続的に行われる。これにより、紡糸炉40の劣化を抑制したり、紡糸炉40内への不純物の混入を抑制したり、紡糸炉40内のガスの流れを保ったりすることができる。
空間S4に供給された不活性ガスは、以下に示す第1の経路または第2の経路のうちいずれかを通って光ファイバ製造装置1Aの外部へと排出される。第1の経路は、空間S4から上方に流動して空間S2に到達し、シール部30とシールドパイプ20の間に形成された隙間G1を通って外部へと排出される経路である。一方、第2の経路は、空間S4から下方に流動して、引出口43を取って外部へと排出される経路である。なお、シール本体部33の貫通孔33aとロッド10との間の摺動面から漏れ出るガスの量は、上記した2つの経路を通って排出されるガスの量に比べて無視できるほど小さい。
ところで、光ファイバ製造装置1Aの外部へと排出されるガスの量が不安定になると、紡糸炉40内の空間S4においてガスの流れが乱れる。空間S4内においてガスの流れが乱れると、光ファイバ母材Mの溶融が不均一になりやすくなる。このような光ファイバ母材Mの溶融の不均一は、光ファイバFの外径変動の原因となり得る。本願発明者らが鋭意検討した結果、特に第1の経路(隙間G1)を取って外部に排出されていくガスの量が不安定になることが、光ファイバFの外径変動を生じやすいということが判った。
そこで本実施形態に係る光ファイバの製造方法では、光ファイバ母材Mを溶融紡糸する際に、隙間G1においてガスに生じる圧力損失を95Pa以上とする。このように、隙間G1がガスに対して生じさせる圧力損失をある程度大きくすることにより、隙間G1を通って外部へ排出されるガスの量が減少し、隙間G1を通って外部へと排出されるガスの量の時間変化が抑制される。したがって、空間S4においてガスの流れが乱れることが抑制され、光ファイバFの外径変動が抑制される。
なお、隙間G1においてガスに生じる圧力損失が95Pa以上となるように、シールドパイプ20の内径、シール本体部33の外径、シール部30の軸方向Zにおける寸法等を検討するとよい。同様に、ガス導入口42から導入される不活性ガスの流量を調整してもよい。もしくは、隙間G1における圧力損失の実測値をもとに、ガス導入口42から導入される不活性ガスの流量が制御されてもよい。この場合、隙間G1または隙間G1の近傍に不図示の圧力計測器(圧力センサ等)が設けられてもよい。
ここで、シール本体部33から上方に向けて第1スリーブ31が延びていることにより、隙間G1から上方に排出されてゆくガスの流れを整えることができる。言い換えれば、ガスが空間S2のうちシール部30よりも上方に位置する部分において乱流を形成するのを抑制することができる。同様に、シール本体部33から下方に向けて第2スリーブ32が延びていることにより、隙間G1に流入してゆくガスの流れを整えることができる。言い換えれば、ガスが空間S2のうちシール部30よりも下方に位置する部分において乱流を形成するのを抑制することができる。これにより、隙間G1を通過してゆくガスの量がより安定し、光ファイバFの外径変動をより抑制することができる。
また、隙間G1から上方に流出したガスは、大気によって冷却される。このため、一度流出したガスは、冷却されることで下降し、空間S2のうちシール部30よりも上方に位置する部分に滞留する可能性がある。これに対して本実施形態に係る光ファイバ製造装置1Aにおいては、シール本体部33から上方に向けて第1スリーブ31が延びているため、冷却されたガスは、第1スリーブ31の内周面とロッド10とが対向する領域に滞留しやすくなる。これにより、滞留したガスが隙間G1から逆流することが抑制される。したがって、光ファイバFの外径変動をより確実に抑制することができる。
光ファイバ母材Mを溶融紡糸して得られた光ファイバFは、引出口43を介して紡糸炉40の外に引き出される。その後、光ファイバFに対して外径測定、冷却、コーティング、硬化、引取り等が行われてもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る光ファイバの製造方法は、光ファイバ製造装置1Aを用いて光ファイバFを製造する光ファイバの製造方法であって、光ファイバ製造装置1Aは、下端10aに光ファイバ母材Mが固定されるロッド10と、ロッド10を取り囲むシールドパイプ20と、シールドパイプ20内においてシールドパイプ20との間に隙間G1をもって配置されるとともに、ロッド10が貫通するシール部30と、光ファイバ母材Mを加熱するヒータ41を有するとともに、中空容器状に形成された紡糸炉40と、紡糸炉40に設けられるガス導入口42と、を備え、ヒータ41によって光ファイバ母材Mを加熱して光ファイバ母材Mを溶融紡糸する際に、ガスをガス導入口42から紡糸炉40内に導入し、少なくとも一部のガスを隙間G1からシールドパイプ20の外に排出し、隙間G1においてガスに生じる圧力損失が95Pa以上である。
このように、隙間G1におけるガスの圧力損失をある程度大きくすることで、隙間G1を通って外部へと排出されるガスの流量が小さくなる。そして、ガスの流量が小さいことで、流量の時間変化も小さくすることができる。したがって、空間S4においてガスの流れが乱れることが抑制され、光ファイバFの外径変動が抑制される。
また、シール部30は、ロッド10が貫通するシール本体部33と、シール本体部33から上方に向けて延びる第1スリーブ31と、を有する。この構成により、隙間G1から排出されてゆく不活性ガスが乱流を形成するのを抑制することができる。また、不活性ガスが隙間G1から逆流するのを抑制することができる。これにより、光ファイバFの外径変動がより抑制される。
また、シール部30は、ロッド10が貫通するシール本体部33と、シール本体部33から下方に向けて延びる第2スリーブ32と、を有する。この構成により、隙間G1へと流入してゆく不活性ガスが乱流を形成するのを抑制することができる。したがって、光ファイバFの外径変動がさらに抑制される。
また、シールドパイプ20によって囲まれる空間S2のうちシール部30よりも下方に位置する部分は、紡糸炉40内の空間S4に連通している。この構成により、例えば紡糸炉40の上端に第2のシール部が設けられている場合と比較して、光ファイバ製造装置1Aの構造をシンプルにすることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明するが、第1実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図2に示す光ファイバ製造装置1Bにおいて、支持機構50は調心機構53を有する。また、シール部30は、不図示の固定機構によってロッド10に固定されている。なお、シール部30とシールドパイプ20との間には、第1実施形態と同様に隙間G1が設けられている。ロッド10とシール部30(シール本体部33)との間には、径方向における隙間G2が形成されている。また、シール部30には、補助シール部60が設けられている。
調心機構53は、支持部51を介して、ロッド10を軸方向Zに垂直な方向(径方向)に沿って移動させることができる。より詳しくは、調心機構53は、隙間G2の範囲内において、ロッド10を軸方向Zに垂直な方向に沿って移動させることができる。
補助シール部60は、ロッド10を径方向外側から取り囲んでいる。補助シール部60は、シール部30から軸方向Zにおいて離反しないように構成されている。一方、補助シール部60は、シール部30に対して軸方向Zに垂直な方向(径方向)に相対移動可能に構成されている。したがって、ロッド10が軸方向Zに垂直な方向に移動した場合には、補助シール部60はロッド10およびシール部30に対して移動する。
本実施形態において、補助シール部60はガイド部61および摺動部62を有する。ガイド部61は、摺動部62から上方に向けて延びている。なお、補助シール部60はガイド部61を有していなくてもよい。ガイド部61の内周面および摺動部62の内周面は、各々ロッド10に当接している。ロッド10が軸方向Zに沿って移動するとき、ロッド10は、ガイド部61の内周面および摺動部62の内周面と摺動する。なお、ロッド10と摺動部62との間の摺動面およびロッド10とガイド部61との間の摺動面から漏れ出るガスの量は、隙間G1を通って排出されるガスの量と比べて無視できるほど小さい。
摺動部62の上面は、シール本体部33の下面に当接している。ロッド10が軸方向Zに垂直な方向に沿って移動するとき、摺動部62の上面は、シール本体部33の下面と摺動する。なお、摺動部62とシール本体部33との間の摺動面から漏れ出るガスの量は、隙間G1を通って排出されるガスの量と比べて無視できるほど小さい。
以上のように構成された光ファイバ製造装置1Bを用いることで、光ファイバ母材Mを溶融紡糸する際に、ロッド10を軸方向Zに垂直な方向において動かすことで光ファイバ母材Mの位置を調節することができる。このようにロッド10の位置を調節することで、光ファイバFの屈曲やコアの偏心を抑制することができる。また、引出口43の近傍に光ファイバFの位置を計測する位置計測器(位置センサ等)が設けられ、当該位置計測器によって得られた光ファイバFの位置の計測値をもとに、ロッド10の位置を調節してもよい。この場合、より確実に光ファイバFの屈曲やコアの偏心を抑制することができる。
なお、本実施形態ではロッド10がシール部30に対して固定されているが、必ずしもロッド10とシール部30とが固定されていなくてもよい。例えば、ロッド10とシール部30とが軸方向Zに相対移動可能であり、かつ、隙間G2の範囲でロッド10とシール部30とが径方向に相対移動可能であってもよい。
以下、具体的な実施例を用いて、上記実施形態を説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。
製造条件が互いに異なる光ファイバの製造方法を用いて、比較例1、2、および実施例1~14に係る計16本の光ファイバFを製造した。製造条件には、隙間G1の軸方向Zにおける寸法(長さ)、隙間G1の横断面における面積、および隙間G1において不活性ガスに生じる圧力損失が含まれる。図3は、実施例および比較例における各製造条件を表した図である。なお、隙間G1の長さを変化させるに当たっては、シール本体部33および第2スリーブ32の長さを固定し、第1スリーブ31の長さを変化させた。
本願発明者らは、16本の光ファイバFの各々について、外径変動(光ファイバFの外径の最大値と最小値との差)を計測した。また、各光ファイバFの外径変動について、計測値が0.5μm以下であった場合を「良好」と判断し、0.5μmを超えた場合を「不良」と判断した。表1は、以上の判断結果をまとめた表である。
Figure 2023017236000002
表1に示すように、隙間G1において不活性ガスに生じる圧力損失が95Pa以上である実施例1~14は、第1スリーブ31の長さおよび隙間G1の断面積の大小に関わらず、全て外径変動の判断結果が「良好」となっている。一方で、隙間G1において不活性ガスに生じる圧力損失が95Pa未満である比較例1、2は、第1スリーブ31の長さおよび隙間G1の断面積の大小に関わらず、いずれも外径変動の判断結果が「不良」となっている。このように、隙間G1において不活性ガスに生じる圧力損失を95Pa以上とすることで、光ファイバFの外径変動を抑制することができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、ロッド10、シールドパイプ20、シール部30、紡糸炉40の形状は、横断面視において円形状でなくてもよい。例えば、上記した各形状は横断面視において楕円形状や多角形状であってもよい。
また、シール部30は第1スリーブ31および第2スリーブ32を有していなくてもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態や変形例を適宜組み合わせてもよい。
1A、1B…光ファイバ製造装置 10…ロッド 20…シールドパイプ 30…シール部 31…第1スリーブ 32…第2スリーブ 33…シール本体部 40…紡糸炉 41…ヒータ 42…ガス導入口 G1…隙間

Claims (5)

  1. 光ファイバ製造装置を用いた光ファイバの製造方法であって、
    前記光ファイバ製造装置は、
    下端に光ファイバ母材が固定されるロッドと、
    前記ロッドを取り囲むシールドパイプと、
    前記シールドパイプ内において前記シールドパイプとの間に隙間をもって配置されるとともに、前記ロッドが貫通するシール部と、
    前記光ファイバ母材を加熱するヒータを有するとともに、中空容器状に形成された紡糸炉と、
    前記紡糸炉に設けられるガス導入口と、を備え、
    前記ヒータによって前記光ファイバ母材を加熱して前記光ファイバ母材を溶融紡糸する際に、ガスを前記ガス導入口から前記紡糸炉内に導入し、少なくとも一部の前記ガスを前記隙間から前記シールドパイプの外に排出し、
    前記隙間において前記ガスに生じる圧力損失が95Pa以上である、光ファイバの製造方法。
  2. 前記シール部は、前記ロッドが貫通するシール本体部と、前記シール本体部から上方に向けて延びる第1スリーブと、を有する、請求項1に記載の光ファイバの製造方法。
  3. 前記シール部は、前記ロッドが貫通するシール本体部と、前記シール本体部から下方に向けて延びる第2スリーブと、を有する、請求項1または2に記載の光ファイバの製造方法。
  4. 前記光ファイバ母材を溶融紡糸する際に、前記ロッドを前記ロッドの軸方向に垂直な方向において動かすことで前記光ファイバ母材の位置を調節する、請求項1から3のいずれか一項に記載の光ファイバの製造方法。
  5. 前記シールドパイプによって囲まれる空間のうち前記シール部よりも下方に位置する部分は、前記紡糸炉内の空間に連通している、請求項1から4のいずれか一項に記載の光ファイバの製造方法。
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