JP2023016514A - エンジンのオイル通路構造 - Google Patents

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勇真 山賀
Yuma Yamaga
勇馬 宮内
Yuma Miyauchi
芳尚 乃生
Yoshihisa Noo
健太郎 河口
Kentaro Kawaguchi
寛一 山口
Kanichi Yamaguchi
克年 谷中
Katsutoshi Yanaka
祐輔 小池
Yusuke Koike
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Abstract

【課題】オイルの温度上昇を抑制可能なエンジンのオイル通路構造を提供する。【解決手段】エンジン本体10のシリンダブロック3の下方に配置されたオイルパン30に貯留されたオイルを、オイルポンプ31によって輸送して被潤滑部17,18に供給した後にオイルパン30に戻って循環するエンジン1のオイル通路構造は、エンジン本体10に設けられると共に、エンジン本体10のシリンダヘッド4側からオイルパン30へとオイルを戻すためのオイルリターン通路22を備え、オイルリターン通路22は、エンジン本体10の冷却部19に隣接するオイルリターン通路22の所定領域43aにオイルを一時的に貯留するオイル通路開閉弁50を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、自動車等の車両に搭載されるエンジンのオイル通路構造に関する。
車両に搭載されるエンジンは、一般に、エンジンのシリンダブロックの下側に設けられたオイルパン内に貯留されているオイルが、オイルポンプによって吸い出され、エンジンの被潤滑部(例えば、シリンダ、ピストン、カム等)に供給されるように構成されている。
被潤滑部に供給されたオイルは、被潤滑部を潤滑すると共に、被潤滑部から摩擦熱等の熱を受熱(吸収)し、エンジン本体に設けられたオイルリターン通路を介してオイルパンに戻される。
被潤滑部に供給されたオイルは、被潤滑部の温度に応じて被潤滑部から受熱して温度が上昇する場合がある。この場合、オイルの温度上昇によってオイルの粘度が下がって潤滑性が低下するため、オイルを冷却することが好ましい。
特許文献1には、シリンダを備えたシリンダブロックとその上面に配置されたシリンダヘッドとに形成されたエンジンのオイルリターン通路構造が開示されている。オイルリターン通路は、シリンダヘッドとシリンダブロックに形成されると共に互いに連通されたヘッド側リターン通路とブロック側リターン通路とを備える。
ブロック側リターン通路は、シリンダブロックのシリンダを囲う冷却部としてのウォータジャケットの外側に設けられている。ブロック側リターン通路の上部にウォータジャケット側の内面側に複数のフィン等を設け、ウォータジャケットの冷却水を利用してオイルリターン通路を通過するオイルの放熱が促進されてオイルの昇温を抑制するように構成されている。
特開2019-148227号公報
燃費の向上を目的に通常の粘度を備えたオイルよりも上限温度が低い低粘度オイルを採用する場合や、コスト及び部品点数の削減を目的にオイルクーラを廃止する場合、オイル自体の温度上昇の抑制がさらに求められている。
本発明は、オイルの温度上昇を抑制可能なエンジンのオイル通路構造を提供する。
本発明は、エンジン本体のシリンダブロックの下方に配置されたオイルパンに貯留されたオイルを、オイルポンプによって輸送して被潤滑部に供給した後に前記オイルパンに戻って循環するエンジンのオイル通路構造であって、
前記エンジン本体に設けられると共に、前記エンジン本体のシリンダヘッド側から前記オイルパンへとオイルを戻すためのオイルリターン通路を備え、
前記オイルリターン通路は、前記エンジン本体に設けられた冷却部に隣接する前記オイルリターン通路の所定領域にオイルを一時的に貯留するオイル通路開閉弁を備えるエンジンのオイル通路構造を提供する。
本発明によれば、冷却部に隣接した所定領域にオイルを一時的に貯留させることができるので、所定領域にオイルが貯留されずに通過する場合に比べて、オイルリターン通路壁への放熱が促進され、オイルの温度上昇を抑制できる。
オイルリターン通路の所定領域にオイルが貯留された状態では、所定領域がオイルで満たされるので、オイルリターン通路の一部がオイルで満たされる場合に比べてオイルリターン通路壁への放熱が促進される。
これにより、例えば、上限温度が低い低粘度オイルの採用による燃費の向上や、オイルクーラの廃止によるコストの削減等が可能となる。
前記オイル通路開閉弁は、前記所定領域の下部に設けられることが好ましい。
本構成によれば、オイル通路開閉弁を所定領域の中間部や上部に設ける場合に比べて、より多くのオイルを所定領域に貯留することができ、より多くのオイルの熱がオイルリターン通路壁に放熱されて、オイルの温度上昇を抑制できる。
前記オイル通路開閉弁を閉じ方向に付勢する付勢部材を備えてもよい。
本構成によれば、オイル通路開閉弁を閉じ方向に付勢する付勢部材を用いた簡素な構造でオイルリターン通路壁への放熱を促進できる。例えば、付勢部材の付勢力を所定領域に貯留されるオイルの量に対応させることで、オイルの自重によってオイル通路開閉弁が開放される。
前記オイル通路開閉弁は、前記オイルリターン通路内に一時的に貯留されたオイルの自重によって開放されてもよい。
本構成によれば、オイル通路開閉弁がオイルの自重によって解放されるので、オイル通路開閉弁を開放するためのセンサ及び機構等を設ける必要がなく、簡素な構造でオイルリターン通路壁への放熱を促進できる。
前記オイルリターン通路は、前記オイル通路開閉弁を備えた第1リターン通路と、第2リターン通路とを備え、
前記第1リターン通路と前記第2リターン通路とは、互いに並列に配置され、
前記第1リターン通路は、前記第2リターン通路よりも前記冷却部側に位置してもよい。
本構成によれば、オイルが一時的に貯留される第1リターン通路の反冷却部側となるエンジン本体の外壁側に、第2リターン通路が設けられているので、例えば、エンジン本体の外壁側に排気管等の熱源が配置される場合に、第1リターン通路に貯留されるオイルがエンジン本体の外壁側から受熱することが抑制できる。
前記エンジン本体には、ウォータポンプからの冷却水を流すウォータジャケットが設けられ、
前記冷却部は、前記ウォータジャケットで構成されることが好ましい。
オイルリターン通路がウォータジャケットに隣接する所定領域に配置されているので、ウォータジャケットに流れる冷却水によってオイルリターン通路壁を冷却することができる。これにより、オイルの放熱が促進されて、オイルの温度上昇が抑制できる。
本発明にかかるエンジンのオイル通路構造によれば、オイルの温度上昇を抑制することができる。
本発明の第1実施形態に係るエンジンの構成を示す概略図である。 本発明の第1実施形態に係るエンジンのオイル供給通路を示す概略図である。 本発明の第1実施形態に係るエンジンのオイル通路を示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係るエンジンのオイル通路を示す他の断面図である。 図3における矢印Vのオイルリターン通路の模式的断面図である。 図5における要部拡大断面図である。 オイル通路開閉弁が開かれた状態を示す断面図である。 本発明の第2実施形態におけるオイルリターン通路の模式的断面図である。 図8における要部拡大断面図である。 オイル通路開閉弁が開かれた状態を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
本発明のオイル通路構造は、エンジン1に適用されている。図1に示すように、本発明の実施形態に係るエンジン1は、自動車等の車両に搭載され、クランク軸が車体幅方向に延びるいわゆる横置き式のエンジン1である。エンジン1は、エンジン本体10を備え、エンジン本体10は、シリンダ2が形成されたシリンダブロック3と、シリンダ2上に配設されるシリンダヘッド4とを備える。
シリンダ2内には、ピストン5が往復動可能に配置されている。ピストン5は、シリンダブロック3の下部に回転自在に支持されたクランクシャフト6にコンロッド7を介して連結され、ピストン5の往復運動がクランクシャフト6の回転運動に変換されるようになっている。
シリンダヘッド4には、吸気ポート15及び排気ポート16が形成されている。各シリンダ2に2つの吸気ポート15及び排気ポート16が設けられ、2つの吸気ポート15及び排気ポート16はそれぞれ、シリンダ2の中心軸2aと直交するクランク軸6aの軸方向に離間して設けられている。
シリンダヘッド4には、吸気ポート15及び排気ポート16をそれぞれ開閉する吸気弁及び排気弁(図示せず)が配設されている。吸気弁は、クランクシャフト6に駆動連結された吸気カムシャフト17によって所定のタイミングで吸気ポート15を開閉し、吸気行程において空気を燃焼室8に供給するようになっている。排気弁は、クランクシャフト6に駆動連結された排気カムシャフト18によって所定のタイミングで排気ポート16を開閉し、排気行程において燃焼室8から排気ガスを排出するようになっている。
シリンダブロック3内には、冷却水が流通する冷却部としてのウォータジャケット19がシリンダ2の外周でシリンダ2を取り囲むように設けられている。ウォータジャケット19は、シリンダ2列のシリンダ2径方向外側を囲う閉ループ構造を有している。ウォータジャケット19は、上向きに開口するように形成されている。ウォータジャケット19は、シリンダ2間に向かって入り込んだ部分を有する。
ウォータジャケット19のうちクランク軸6aの軸線方向を挟んで両側に位置した部分は、シリンダ2を部分的に囲う弧状部分が連続して形成されている。ウォータジャケット19は、シリンダブロック3の上端から下方に向かって後述のメインギャラリ37aの上方近傍まで延びる深さで形成されている。
本実施形態において、シリンダブロック3は、上側に位置するシリンダブロックアッパ3aとシリンダブロックアッパ3aの下方に位置するシリンダブロックロア3bとを備える。シリンダブロックロア3bの下端には、ピストン5、クランクシャフト6、カムシャフト17,18等の被潤滑部を潤滑するためのオイルを貯留するためのオイルパン30が配置されている。
本実施形態では、エンジン1は、図1に示すように、シリンダ2の中心軸2aが垂直方向から10度などの所定角度θ1排気側に傾斜した方向に延びるように配置された状態で車体フレームに支持されて車両に搭載されている。
エンジン1には、図2~図4に示すように、被潤滑部(ピストン5、クランクシャフト6、カムシャフト17,18等を潤滑するオイルをエンジン1内で循環させるオイル通路20が備えられている。オイル通路20は、被潤滑部にオイルを供給するオイル供給通路21と、被潤滑部に供給したオイルをオイルパンに戻すためのオイルリターン通路22とを有する。
オイル供給通路21は、オイルパン30に貯留されているオイルを吸い上げるオイルポンプ31と、オイルポンプ31から吐出されるオイルを濾過するオイルフィルタ32と、オイルポンプ31から吐出されるオイルを冷却するオイルクーラ33と、エンジン本体10に設けられた供給油路35とを備える。
供給油路35は、オイルパン30側に設けられた第1供給油路36と、シリンダブロックに設けられた第2供給油路37と、シリンダヘッド4に設けられた第3供給油路38と、第1供給油路36と第2供給油路37とを連通させる第1連通油路39と、第2供給油路37と第3供給油路38とを連通させる第2連通油路40とを備える。
図1及び図2に示すように、オイルポンプ31は、クランクシャフト6により駆動され、オイルポンプ31から吐出されたオイルは、第1供給油路36を通ってオイルフィルタ32へ流入して濾過された後、オイルクーラ33へ流入して冷却される。オイルクーラ33で冷却されたオイルは、第1連通油路39を通ってシリンダブロック3の第2供給油路37に供給される。
図1~図3に示すように、第1供給油路36は、オイルパン30内に設けられると共にオイルポンプ31とオイルフィルタ32とを接続する油路36aと、オイルパン30の排気側の側面に隣接して設けられると共にオイルフィルタ32とオイルクーラ33とを接続する油路36bと、オイルクーラ33から上方に延びると共にシリンダブロックに設けられた第1連通油路39に接続される36cとを備える。
図2及び図3に示すように、第1連通油路39は、シリンダブロックロア3bに設けられると共に排気側に開口してシリンダ2の径方向(エンジン本体10の幅方向)に延びる油路39aと、油路39aの径方向内側の端部から上方に延びてシリンダブロックロア3bを上方に開口する油路39bと、シリンダブロックアッパ3aに設けられると共に油路39bに連通させて上方に延びる油路39cとを備える。
第2供給油路37は、油路39cが接続されると共に気筒列方向に延びるメインギャラリ37aと、メインギャラリ37aから分岐してクランク軸6a側に向かって下方に延びてクランクシャフト6の被潤滑部にオイルを供給するための複数の分岐油路37bとを備える。
メインギャラリ37aは、シリンダブロック3の気筒列方向に直交する幅方向においてシリンダブロック3の排気側の位置であってシリンダ2の下端部近傍に位置している。複数の分岐油路37bのそれぞれの下流端は、シリンダブロック3のクランク軸6aに向かって開口している。
図2及び図4に示すように、第2供給油路37は、メインギャラリ37aの一方側の端部から分岐して幅方向に延びて第2連通油路40に連通する油路37cをさらに備える。
第2連通油路40は、シリンダブロックアッパ3aに設けられると共に油路37cのメインギャラリ37a側の端部から上方に延びる油路40aと、シリンダヘッド4に設けられて油路40aに連通すると共に上方に延びる油路40bとを備える。
第3供給油路38は、油路40bの上端から幅方向両側に延びる油路38aと、油路38aの排気側と吸気側から上方に延びる一対の油路38bと、油路38bから気筒列方向に延びるヘッド側ギャラリ38cとを備える。ヘッド側ギャラリ38cは、ヘッド側ギャラリ38cからカムシャフト17,18の吸気側及び排気側それぞれのカムジャーナル等にオイルを供給するように形成された複数の分岐油路38dを備える。
なお、オイル供給油路21は、上述の構成以外にも、例えば、ピストンを冷却するためのオイルジェット等にオイルを供給するように形成されている。
オイル供給油路21を介してエンジン1の被潤滑部に供給されたオイルは、被潤滑部の冷却や潤滑を終えて後、オイルリターン通路22を通ってオイルパン30に戻される。
図3に示すように、オイルリターン通路22は、被潤滑部としてのカムシャフト17,18に供給されたオイルが排気ポート16側と吸気ポート15側に分かれて流れる複数の排気側リターン通路41と吸気側リターン通路45とを備える。排気側リターン通路41及び吸気側リターン通路45は、シリンダヘッド4に設けられたヘッド側リターン通路42,46と、シリンダブロック3に設けられたブロック側リターン通路43,47とを備える。排気側リターン通路41と吸気側リターン通路45とは、同様の構成を備えるため、排気側リターン通路41について説明する。
ヘッド側リターン通路42は、略円形状に形成されて上下方向に延びている。ヘッド側リターン通路42は、シリンダヘッド4の排気側に複数備えられると共にブロック側リターン油路43に連通されるようになっている。ヘッド側リターン通路42は、各シリンダ2間で、各シリンダ2と気筒列方向にずれた位置に配置されている。
ブロック側リターン通路43は、略円形状に形成されてシリンダブロックアッパ3aの上端から下端にかけて上下方向に延びるアッパ側通路43a,43bと、シリンダブロックロア3bの上端から下方に延びてオイルパン30に開口するロア側通路43fを備えている。
アッパ側リターン通路43a,43bは、シリンダブロックアッパ3aの上側に位置する上側リターン通路43aと、シリンダブロックアッパ3aの下側に位置する下側リターン通路43bとを備える。
上側リターン通路43aは、ウォータジャケット19に隣接すると共に、ウォータジャケット19に沿って設けられている。上側リターン通路43aは、シリンダブロック3の上端からウォータジャケット19の下端近傍まで延びている。上側リターン通路43aは、ウォータジャケット19と略同じ程度の深さで形成されている。
上側リターン通路43aは、ウォータジャケット19の弧状部分間で、シリンダ間に入り込んだ部分の外側に位置している。上側リターン通路43aは、シリンダ2間で、各シリンダ2と気筒列方向にずれた位置に配置されている。
下側リターン通路43bは、オイル供給油路21の第1連通油路39の油路39cの外側に隣接すると共に、油路39cに沿って設けられている。下側リターン通路43bは、メインギャラリ37aの近傍からシリンダブロックアッパ3bの下端まで延びている。
上側リターン通路43aと下側リターン通路43bとは、気筒列方向に直交する幅方向位置がオフセットしており、下側リターン通路43bは、上側リターン通路43aよりもエンジン本体10の外壁側に配置されている。上側リターン通路43aと下側リターン通路43bとの間には、上側リターン通路43aと下側リターン通路43bとを連通させるための径方向油路43cが設けられている。
径方向油路43cは、略円形状を有し、シリンダブロック3の外壁部からウォータジャケット19の下方側に向かって、上側リターン通路43a及び下側リターン通路43bに直交する方向に延びている。上側リターン通路43aの下端部が径方向油路43cに連通され、下側リターン通路43bの上端部が径方向油路43cに連通されることで、上側リターン通路43aと下側リターン通路43bが径方向油路43cを介して連通されている。
ロア側通路43fは、シリンダブロックロア3bの上端から下端に向かって上下方向に延びている。ロア側通路43fは、下側リターン通路43bに連通すると共に、オイルパン30に開口するように形成されている。
エンジン1の運転が開始されると、クランクシャフト6の回転に伴ってオイルポンプ31が駆動される。そして、図2に矢印で示すように、オイルポンプ31は、オイルパン30に貯留されているオイルをオイルポンプ31の吸込口31aから吸入し、吸入されたオイルを、第1供給油路36、第1連通油路39、第2供給油路37、第2連通油路40、第3供給油路38を順次経由して、エンジン本体10内の被潤滑部に供給する。
このようにして被潤滑部に供給されたオイルは、オイル供給油路21を介して被潤滑部を潤滑すると共に、被潤滑部の動作時に生じる摩擦熱等の熱を吸収した後にオイルリターン通路22を介してオイルパン30に戻される。
オイルリターン通路22に流入するオイルは、被潤滑部の被潤滑部の動作時に生じる摩擦熱等の熱を吸収することで温められているため、ウォータジャケット19に隣接して設けられた上側リターン通路43aでオイルの熱を放熱することで冷却されて、オイルパン30に戻される。
被潤滑部に供給されてオイルリターン通路22に流入するオイルの量は、オイルポンプ31の回転数に概ね比例するため、エンジン1の所定回転数未満となる低回転数時には、オイルリターン通路22に流入するオイルの量が、エンジン1の所定回転数以上となる高回転数時に比べて少ない低油流量の状態となる。
低油流量の状態では、上側リターン通路43aを流下するオイルの量が少なく、上側リターン通路43a内を流下するオイルを上側リターン通路43a内の壁部に接触しない場合があるが、本実施形態においては、オイルを上側リターン通路43aの壁部に接触することで低油流量においてもオイルの熱を上側リターン通路43a内に放熱させるためのエンジンのオイル通路構造が備えられている。
図5には、本発明の実施形態におけるオイルリターン通路の模式的断面図が示されている。図5に示すように、ブロック側リターン通路42には、オイルの流れを制限して、オイルを一時的に貯留するオイル通路開閉弁50が備えられている。より詳しくは、オイル通路開閉弁50は、冷却部としてのウォータジャケット19に隣接することでヘッド側リターン通路42及び下側リターン通路43bよりも低温となる所定領域としての上側リターン通路43aに設けられている。
オイル通路開閉弁50は、上側リターン通路43aの下部で、ウォータジャケット19の下端部近傍に設けられている。本実施形態においては、オイル通路開閉弁50は、上側リターン通路43a内における径方向油路43cとの境界となる位置に設けられている。
オイル通路開閉弁50は、上側リターン通路43aを径方向油路43cに対して開閉する弁体51と、弁体51を閉じ方向に付勢する付勢部材52と、付勢部材52を保持する保持プレート53を備える。
図6には、(a)図5における要部拡大断面図および(b)図6(a)のb-b線に沿った断面図が示されている。図6(b)に示すように、上側リターン通路43aは、上下方向に延びる円筒状に形成されており、弁体51は、上側リターン通路43aの直径よりもわずかに小さな直径を有する円盤状で形成されている。弁体51は、ブロック側リターン通路43内において、上側リターン通路43aの下端部から下方に向かって上下方向に摺動可能に構成されている。弁体51の外周には、シール部材(図示せず)が取り付けられており、弁体51と上側リターン通路43aとの間がシールされている。
付勢部材は、例えば上下方向に延びるコイルスプリング52で構成されている。コイルスプリング52の上端は、弁体51の下面に設けられると共に円筒状に突出するスプリングガイド(図示せず)に装着されている。コイルスプリング52の下端は、後述の保持プレート53の保持部53aの上面に設けられると共に円筒状に突出するスプリングガイド(図示せず)に装着されている。
保持プレート53は、図6に示すように、幅方向に延びると共にコイルスプリング52の一端部を保持する保持部53aと、幅方向に延びると共にシリンダブロック3に取り付けられる取付部53bと、保持部53aの幅方向内側の端部から上方に立ち上がると共に取付部53bの幅方向外側の端部に連結される連結部53cとを備える。なお、オイル通路開閉弁は、これに限られるものではない。
上側リターン通路43aの下端部には、シリンダブロック3を外側に向かって開口する凹部43cが設けられている。凹部43cは、内壁部43dと底面部43eとを備える筒状に形成されている。取付部53bが内壁部43dの上端部に固定されることで、保持プレート53がシリンダブロック3に固定されている。なお、本実施形態においては、凹部が径方向油路43cによって構成されている。
コイルスプリング52は、弁体51が上側リターン通路43aよりも下方側に位置するときに圧縮されるようになっている。弁体51が上側リターン通路43aよりも下方に位置する場合、弁体51には、コイルスプリング52によって弁体51を上方に付勢する付勢力が作用している。
コイルスプリング52のばね定数は、オイルリターン通路41の所定領域(上側リターン通路)の上端までオイルが貯留されたときのオイルの荷重と、ばね荷重が概ね一致するように設定されている。本実施形態においては、上側リターン通路43aの上端までオイルが貯留されたときに、オイルの荷重によってコイルスプリング52が圧縮されて、図7に示すように、オイル通路開閉弁50の弁体51が上側リターン通路43aよりも下方に移動する。
弁体51が下方に移動すると、上側リターン通路43aと凹部(径方向油路)43cとが連通されると共に、上側リターン通路43aが凹部43cを介して、下側リターン通路43bと連通された状態となる。上側リターン通路43aの上端までオイルが貯留されるまでの間、上側リターン通路43aから下側リターン通路43bへのオイルの流れが制限されるので、上側リターン通路43aに流入するオイルは、一時的に貯留させる滞留時間が設けられることになる。
以上の構成により、冷却部としてのウォータジャケット19に隣接した所定領域としての上側リターン通路43aにオイルを一時的に貯留させることができるので、所定領域にオイルが貯留されずに通過する場合に比べて、上側リターン通路43aの壁へオイルの熱の放熱が促進され、オイルの温度上昇を抑制できる。
上側リターン通路43aにオイルが貯留された状態では、上側リターン通路43aがオイルで満たされるので、上側リターン通路43aの一部がオイルで満たされる場合に比べて上側リターン通路43aの壁へオイルの熱の放熱が促進される。
これにより、例えば、上限温度が低い低粘度オイルの採用による燃費の向上や、オイルクーラの廃止によるコストの削減等が可能となる。
オイル通路開閉弁50が、上側リターン通路43aがオイルで満たされたときに開放されるように設定されるので、上側リターン通路43aがオイルで満たされる前にオイル通路開閉弁50が開放される場合に比べて、より広範囲でウォータジャケット19に隣接する上側リターン通路43aの壁にオイルの熱を放熱することができる。
一方、上側リターン通路43aの上端までオイルが貯留された状態が維持される高流油量時には、オイル通路開閉弁が常時開放された状態となるので、高油流量には、オイルのリターン性能を阻害することがない。したがって、上側リターン通路43aにオイルが満たされるまでの所定時間オイル通路開閉弁50が閉鎖された状態となる低油流量時におけるオイルとオイルリターン通路壁との間の熱交換の促進と、高油流量時のオイルリターン性能の両立を図ることができる。
オイル通路開閉弁50は、上側リターン通路43aの下部に設けられているので、オイル通路開閉弁50を上側リターン通路43aの中間部や上部に設ける場合に比べて、より多くのオイルを上側リターン通路43aに貯留することができ、より多くのオイルの熱が上側リターン通路43aの壁に放熱されて、オイルの温度上昇を抑制できる。
オイル通路開閉弁50を閉じ方向に付勢する付勢部材52を用いた簡素な構造で上側リターン通路43aの壁への放熱を促進できる。
オイル通路開閉弁50は、一時的に貯留されたオイルの自重によって開放されるので、オイル通路開閉弁50を開放するためのセンサ及び機構等を設ける必要がなく、簡素な構造で上側リターン通路43aの壁への放熱を促進できる。
図8~10は、本発明の第2実施形態に係るオイルリターン通路の断面図である。第2実施形態に係るエンジンのオイルリターン通路は、上側リターン通路が異なることを除き、第1実施形態に係るエンジンのオイルリターン通路と同様であるので、同様の構成については説明を省略する。
図8に示すように、第2実施形態に係るシリンダブロック3には、第1実施形態と同様に、シリンダブロック3の冷却部としてのウォータジャケット19に隣接する上側リターン通路43aが形成されている。
本実施形態では、上側リターン通路43aは、ウォータジャケット19側に位置する第1リターン通路44aと、第1リターン通路44aよりもシリンダブロック3の外壁側(排気側)に位置する第2リターン通路44bとを備える。図9には、(a)図8における要部拡大断面図および(b)図9(a)のb-b線に沿った断面図が示されている。本実施形態では、第1リターン通路44aと第2リターン通路44bとは、上側リターン通路43a内の幅方向の中央に仕切り壁44cを設けて仕切ることで形成されている。図9(b)に示すように、第1リターン通路44a及び第2リターン通路44bは、略半円形状の断面を有する。なお、第1リターン通路と第2リターン通路とは、上記の構成に限られるものではなく、例えば、気筒列に直交するシリンダ2の径方向に並べて配置される2本の筒状の通路で形成されてもよい。
本実施形態において、図9に示すように、第1リターン通路44aの下部には、第1実施形態の上側リターン通路43aと同様に、オイル通路開閉弁60が備えられている。オイル通路開閉弁60の弁体61は、第1リターン通路44aの断面形状に対応した半円形状で形成されている。第2リターン通路44bには、オイル通路開閉弁は備えられていない。
コイルスプリング62のばね定数は、第1リターン通路44aの上端までオイルが貯留されたときのオイルの荷重と、ばね荷重が概ね一致するように設定されている。第1リターン通路44aの上端までオイルが貯留されたときに、オイルの荷重によってコイルスプリング62が圧縮されて、図10に示すように、オイル通路開閉弁60の弁体61が上側リターン通路43aよりも下方に移動する。
弁体61が下方に移動すると、第1リターン通路44aと凹部(径方向油路)43cとが連通されると共に、第1リターン通路44aが凹部43cを介して、下側リターン通路43bと連通された状態となる。これにより、第1実施形態同様に、オイルが第1リターン通路44aの上端まで貯留されるまでの間、第1リターン通路44aに流入するオイルは、一時的に貯留される滞留時間が設けられて、オイルリターン通路壁へのオイルの熱の放熱が促進されることになる。
さらに、第2実施形態においては、第1リターン通路44aとエンジン本体10の外壁との間に第2リターン通路44bが設けられているので、エンジン本体10の外壁側に排気管が配置される場合のように第1リターン通路44aに貯留されるオイルが、排気管の熱によって暖められた外壁から受熱することが抑制でき、さらにオイルの温度上昇が抑制できる。
本実施形態においては、オイル通路開閉弁50が上側リターン通路43aの上端までオイルが貯留されたときに開放する構成について説明したが、これに限られるものではなく、例えば、オイル通路開閉弁50は、オイルが上側リターン通路43aの所定位置まで貯留されたときに開放するように構成されてもよい。
本実施形態においては、オイル通路開閉弁50が複数の上側リターン通路43aにそれぞれ設けられる構成について説明したが、これに限られるものではなく、オイル通路開閉弁50は複数の上側リターン通路43aのうち少なくとも1つに設けられていればよい。
本発明は、例示された実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能である。
以上のように、本発明によれば、オイルの温度上昇を抑制可能なエンジンのオイル通路構造を提供することができるので、エンジンの製造産業分野において好適に利用される可能性がある。
1 エンジン
3 シリンダブロック
4 シリンダヘッド
5 ピストン
6 クランクシャフト
10 エンジン本体
17 吸気カムシャフト
18 排気カムシャフト
19 ウォータジャケット
20 オイル通路
22 オイルリターン通路
30 オイルパン
31 オイルポンプ
43a 上側リターン通路
44a 第1リターン通路
44b 第2リターン通路
50 オイル通路開閉弁
52 コイルスプリング
60 オイル通路開閉弁
62 コイルスプリング

Claims (6)

  1. エンジン本体のシリンダブロックの下方に配置されたオイルパンに貯留されたオイルを、オイルポンプによって輸送して被潤滑部に供給した後に前記オイルパンに戻って循環するエンジンのオイル通路構造であって、
    前記エンジン本体に設けられると共に、前記エンジン本体のシリンダヘッド側から前記オイルパンへとオイルを戻すためのオイルリターン通路を備え、
    前記オイルリターン通路は、前記エンジン本体に設けられた冷却部に隣接する前記オイルリターン通路の所定領域にオイルを一時的に貯留するオイル通路開閉弁を備えるエンジンのオイル通路構造。
  2. 前記オイル通路開閉弁は、前記所定領域の下部に設けられている請求項1に記載のエンジンのオイル通路構造。
  3. 前記オイル通路開閉弁を閉じ方向に付勢する付勢部材を備える請求項1または請求項2に記載のエンジンのオイル通路構造。
  4. 前記オイル通路開閉弁は、一時的に貯留されたオイルの自重によって開放される請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のエンジンのオイル通路構造。
  5. 前記オイルリターン通路は、前記オイル通路開閉弁を備えた第1リターン通路と、第2リターン通路とを備え、
    前記第1リターン通路と前記リターン通路とは、互いに並列に配置され、
    前記第1リターン通路は、前記第2リターン通路よりも前記冷却部側に位置する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のエンジンのオイル通路構造。
  6. 前記エンジン本体には、ウォータポンプからの冷却水を流すウォータジャケットが設けられ、
    前記冷却部は、前記ウォータジャケットで構成される請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のエンジンのオイル通路構造。
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