JP2023016259A - 鞍乗り型車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】空力性能の向上と外観性の向上とを両立し易くすること。【解決手段】鞍乗り型車両のフロントサイドカバー31は、インナーカバー35と、アウターカバー36Aと、インナーカバー35とアウターカバー36Aとの間に設けられるダクト38とを備え、インナーカバー35には、走行風W1に対し、車幅方向外側に張り出すと共に上下方向に延出する第1リップ51と、第1リップ51の下方にて、車幅方向外側に張り出すと共に所定方向に延出する第2リップ52とが設けられている。【選択図】図2

Description

本発明は、鞍乗り型車両に関する。
鞍乗り型車両には、車体前部の左右を覆うフロントサイドカバーを備え、フロントサイドカバーを構成する第1のカウルと第2のカウルとの間に、走行風が通過する通路を設けた構成が開示されている(例えば特許文献1)。レッグシールドを有する鞍乗り型車両には、レッグシールドのインナー部に導風口が形成され、レッグシールドのアウター部に主排風口が形成された構成が開示されている(例えば特許文献2)。
特開2012-162094号公報 特許第5789125号公報
鞍乗り型車両は、空力性能の更なる向上によって燃費向上やCO削減に寄与し、エネルギー問題や環境改善に貢献することが望まれる。また、鞍乗り型車両は、外観性を向上することも望まれる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、空力性能の向上と外観性の向上とを両立し易くすることを目的とする。
車体前部の左右を覆うフロントサイドカバーを備える鞍乗り型車両において、前記フロントサイドカバーは、インナーカバーと、前記インナーカバー(35)の車幅方向外側に配置されるアウターカバー(36)と、インナーカバー(35)とアウターカバー(36)との間に設けられるダクト(38)とを備え、前記インナーカバーには、前記ダクトを通過した走行風に対し、車幅方向外側に張り出すと共に上下方向に延出する第1リップと、前記第1リップの下方にて、車幅方向外側に張り出すと共に所定方向に延出する第2リップとが設けられることを特徴とする。
第1リップによって、ダクトを通過した走行風を車幅方向外側に向けて案内し、第2リップによって、上記走行風よりも下方の走行風を、車幅方向外側に向けて案内することができる。したがって、フロントサイドカバーの後方にて、車幅方向内側に外気が流入する事態を抑制する、といった空力効果を得ながら、第1及び第2リップによってシャープな外観を得やすくなる。
本発明の実施の形態に係る鞍乗り型車両の側面図である。 右側フロントサイドカバーを周辺構成と共に示す側面図である。 右側フロントサイドカバーのインナーカバーを周辺構成と共に示す側面図である。 第1リップを周辺構成と共に車体前側から示した斜視図である。 右側フロントサイドカバーを周辺構成と共に車体前方から示した図である。 右側フロントサイドカバーを周辺構成と共に車体右後方から示した図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、説明中、前後左右および上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号LHは車体左方を示す。
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係る鞍乗り型車両10の側面図である。
鞍乗り型車両10は、車体フレーム11と、車体フレーム11に支持されるパワーユニット12と、前輪13を操舵自在に支持するフロントフォーク14と、後輪15を支持するスイングアーム16と、乗員用のシート17とを備える車両である。
鞍乗り型車両10は、乗員がシート17に跨るようにして着座する車両である。シート17は、車体フレーム11の後部の上方に設けられる。
車体フレーム11は、車体フレーム11の前端部に設けられるヘッドパイプ18と、ヘッドパイプ18の後方に位置するフロントフレーム19と、フロントフレーム19の後方に位置するリアフレーム20とを備える。フロントフレーム19の前端部は、ヘッドパイプ18に接続される。
シート17は、リアフレーム20に支持される。
フロントフォーク14は、ヘッドパイプ18によって左右に操舵自在に支持される。前輪13は、フロントフォーク14の下端部に設けられる車軸13aに支持される。乗員が把持する操舵用のハンドル21は、フロントフォーク14の上端部に取り付けられる。
スイングアーム16は、車体フレーム11に対して上下に揺動自在に支持される。後輪15は、スイングアーム16の後端部に設けられる車軸15aに支持される。パワーユニット12は、前輪13と後輪15との間に配置され、車体フレーム11に支持される。
車体フレーム11は、車体カバー22で覆われる。車体カバー22は、樹脂製であり、鞍乗り型車両10の外装部材を構成する。なお、車体カバー22は樹脂製に限定しなくてもよい。また、鞍乗り型車両10は、前輪13を上方から覆うフロントフェンダー23Fと、後輪15を上方から覆うリアフェンダー23Rと備える。
車体カバー22は、車体前部を覆うフロントカウル(フロントカバーと称される場合もある)24と、フロントカウル24の後下部から下方に延出するレッグシールド25と、車体下部を覆うアンダーカバー26と、車体後部の左右を覆うりリヤカバー27とを備える。アンダーカバー26は、レッグシールド25の後下方で左右に張り出し、シート17に着座した乗員(ライダーとも言う)が足を置く左右一対のステップ28の下方を覆う。レッグシールド25は乗員の主に下半身の前方を覆い、下半身への走行風を適度な範囲に抑える。
フロントカウル24は、シート17に着座した乗員の前方に位置し、乗員の主に上半身に向かう走行風を整流する整流部材として機能する。フロントカウル24には、後上方に延出するウインドシールド29が取り付けられる。ウインドシールド29は、透明材料により形成され、乗員の顔等に向かう走行風を乗員の上方等に向けて流す。
フロントカウル24は、車体前部の左右を覆う左右一対のフロントサイドカバー(フロントサイドカウルと称される場合もある)31を備える。左右一対のフロントサイドカバー31の間には、車体前方を照明可能な灯火ユニット(ヘッドライトユニットとも言う)32が配置される。なお、灯火ユニット32は、前照灯となる灯火器を備える構成に限定されず、ポジションランプ、ウインカー、及びデイライトいった任意の灯火器を備えてもよい。
左右一対のフロントサイドカバー31は、左右のインナーカバー35と、左右のアウターカバー36とを備える。インナーカバー35は、フロントサイドカバー31のうち、相対的に車幅方向内側に位置するカバーであり、車幅方向外側などから少なくとも一部を外観視可能である。アウターカバー36は、フロントサイドカバー31のうち、相対的に車幅方向外側に位置するカバーであり、車幅方向外側などから全体を外観視可能である。
左右のインナーカバー35及びアウターカバー36は、鞍乗り型車両10の車幅中心を前後方向に延びる前後中心面を基準にして左右対称形状である。但し、各カバー35,36によって得られる後述する走行風の流れに特に影響しない範囲であれば、各カバー35,36の一部の形状が左右で違っていてもよい。
図2は、右側のフロントサイドカバー31を周辺構成と共に示す側面図である。また、図3は、フロントサイドカバー31のインナーカバー35を周辺構成と共に示す側面図である。図3では、説明の便宜上、アウターカバー36については輪郭だけを二点鎖線で示している。
図2及び図3に示すように、インナーカバー35は、フロントサイドカバー31の前縁から後方に延出する板状のカバーに形成されている。以下の説明において、インナーカバー35を、このカバー35の前部を構成するインナーカバー前部35F(図3参照)と、このカバー35の後部を構成するインナーカバー後部35Rとに区別して適宜に表記する。
図3に示すように、インナーカバー前部35Fは、フロントサイドカバー31の前縁から略一定の上下長で後上方に延出し、アウターカバー36によって車幅方向外側から覆われる部分である。インナーカバー後部35Rは、車体後方に行くに従って上下長が狭くなる形状に形成され、本実施形態では、車体側面視で後上方に延出する三角形状のカバーに形成されている。
以下、説明の便宜上、アウターカバー36のうち、インナーカバー前部35Fを覆う箇所を「アウターカバー36A」と表記する。
インナーカバー前部35F、及びアウターカバー36Aについて説明する。
インナーカバー前部35Fは、車幅方向内側に凹む断面形状に形成され、アウターカバー36Aとの間に、車体前方からの走行風を後方に流すダクト(導風路と言うこともできる)38が形成される。
図2及び図3に示すように、インナーカバー前部35Fの前縁41は、車幅方向内側に凹むと共に、車体後方に凹む弓形状に形成される。この前縁41と、アウターカバー36Aの前縁42とによって、ダクト38の入口43が形成される。なお、アウターカバー36Aは、本発明の「アウターカバー側のダクト構成部」に相当し、インナーカバー前部35Fは、本発明の「インナーカバー側のダクト構成部」に相当する。
図2には、アウターカバー36A周辺の走行風W1,W2、W3の流れを矢印で示している。図2に示すように、ダクト38に流入した走行風W1は、インナーカバー前部35F及びインナーカバー後部35Rに沿って後上方に向けて流れる。本実施形態では、インナーカバー後部35Rの後下部に、走行風W1に対し、車幅方向外側に張り出すと共に上下方向に延出する第1リップ51が一体に設けられている。
図4は、第1リップ51を周辺構成と共に車体前側から示した斜視図である。
図4に示すように、第1リップ51は、インナーカバー後部35Rの後下部にて、後上方に延出すると共に車幅方向外側に張り出す羽根形状に形成されている。
図2には、第1リップ51の最も車幅方向外側に位置する稜線の箇所を太線で示している。この稜線の上端が、第1リップ51の上端P1に相当し、稜線の下端が、第1リップ51の下端P2に相当している。
第1リップ51の上端P1は、車体側面視で、インナーカバー後部35Rの後上端近傍に位置し、第1リップ51の下端P2は、アウターカバー36Aの下部近傍に位置する。上端P1は、ダクト38を通って後上方に流れる走行風W1の上端近傍に位置する。また、下端P2は、ダクト38を通って後上方に流れる走行風W1の下端近傍の位置に相当する。つまり、第1リップ51は、走行風W1の上下範囲に渡って延在している。
図2において、上端P1と下端P2を結ぶ線分よりも車体前側のハッチング領域R1Fは、第1リップ51の前側領域を示している。この前側領域R1Fは、車幅方向外側かつ車体後下方に向けて傾斜する傾斜面に形成されている。これによって、インナーカバー35に沿って流れる走行風W1が、第1リップ51によって、上下に渡って車幅方向外側に向けて案内される。
走行風W1が車幅方向外側に向けて案内されるので、フロントサイドカバー31の後方にて、車幅方向外側の外気が車幅方向内側に流入し難くなる。つまり、乗員及びその周囲空間に対し、左右外側から左右内側に流入する走行風を低減し、かつ、乱流の発生を抑制し易くなる。したがって、乗員空間を適度な風量に抑えて乗員の快適性が向上し、かつ、空気抵抗を低減し易くなる。また、走行風W1によって、ハンドル21周囲の風量等も適度に抑える効果も期待できる。
図2に示すように、インナーカバー後部35Rには、第1リップ51の下方にて車幅方向外側に張り出すと共に所定方向(本実施形態では上下方向)に延出する第2リップ52が更に設けられる。図2には、第2リップ52の最も外側に張り出す稜線を太線で示し、稜線の上端が、第2リップ52の上端P2に相当し、稜線の下端が、第2リップ52の下端P3に相当している。
図2において、上端P2と下端P3を結ぶ線分よりも車体前側のハッチング領域R2Fは、第2リップ52の前側領域に相当している。この前側領域R2Fは、車幅方向外側かつ車体後方に向けて傾斜する傾斜面に形成されている。これによって、走行風W1の下方を流れる走行風W2が、第2リップ52によって、車幅方向外側に向けて案内される。
ここで、走行風W2は、走行風W1の下方を、後上方に向けて流れる走行風であり、アウターカバー36Aの下部、かつ車幅方向外側を通過する。上端P2は、上記したように、走行風W1の下端近傍に位置するので、走行風W1の下方を流れる走行風W2の上端近傍に位置する。また、下端P3は、図2に示すように、アウターカバー36Aとレッグシールド25との境界箇所よりも上方を流れる走行風W2の下端近傍に位置する。
これによって、第2リップ52により、ダクト38よりも下方、かつ、アウターカバー36Aの車幅方向外側を流れる走行風W2を、上下に渡ってスムーズに車幅方向外側に向けて案内できる。
このように、走行風W1の下方を流れる走行風W2が、車幅方向外側に向けて案内されるので、フロントサイドカバー31の後方にて、車幅方向外側の外気が車幅方向内側に流入し難くなる範囲を下方に拡げることができる。したがって、乗員の下半身側への走行風の流入や乱流の発生を抑制でき、乗員の快適性の向上と空気抵抗の低減とに有利となる。
インナーカバー後部35Rには、第2リップ52の下方にて車幅方向外側に張り出すと共に所定方向(本実施形態では後下方)に延びる第3リップ53が更に設けられている。図2には、第3リップ53の最も外側に張り出す稜線を太線で示し、稜線の上端が、第3リップ53の上端P4に相当し、稜線の下端が、第3リップ53の下端P5に相当している。
図2において、上端P4と下端P5を結ぶ線分よりも車体前下方のハッチング領域R3Fは、第3リップ53の前側領域に相当している。この前側領域R3Fは、車幅方向外側かつ車体後上方に向けて傾斜する傾斜面に形成されている。これによって、走行風W2の下方を流れる走行風W3が、第3リップ53によって、車幅方向外側に案内される。
ここで、走行風W3は、走行風W2の下方を、後上方に向けて流れる走行風であり、アウターカバー36Aとレッグシールド25との境界箇所、かつ車幅方向外側を通過する。つまり、走行風W3は、フロントサイドカバー31の下部を通過する。換言すると、フロントサイドカバー31の下部を通過する走行風W3を車幅方向外側に案内できるように、第3リップ53の位置P4,P5が設定されている。
このように、走行風W2の下方を流れる走行風W3が、車幅方向外側に向けて案内されるので、フロントサイドカバー31の後方にて、車幅方向外側の外気が車幅方向内側に流入し難くなる範囲を下方により拡げることができる。したがって、乗員の快適性と空気抵抗の低減とにより有利となる。
したがって、本実施形態では、第1リップ51、第2リップ52、及び第3リップ53によって、乗員の左右外側から乗員側に巻き込む風を、上下に渡って広く低減することが可能となり、空気抵抗の低減にも有利である。また、これら第1リップ51、第2リップ52、及び第3リップ53によって、エッジが立った外観となり、シャープな外観を得やすくなる。
本実施形態では、図2に示すように、第1リップ51が、第2リップ52よりも長く、第2リップ52が、第3リップ53よりも長く形成される。つまり、第1リップ51の長さ>第2リップ52の長さ>第3リップ53の長さである。このため、フロントサイドカバー31の車幅方向外側を流れる走行風のうち、相対的に上方を流れる走行風を、最も長い第1リップ51で効果的に車幅方向外側に案内でき、かつ、最も長い第1リップ51が上方に配置されるので、最も長い第1リップ51からなるエッジを外観視させ易くなり、シャープな外観を得やすくなる。
また、第2リップ52が、第1リップ51の一部(下端P2)から異なる角度で延出するので、第1リップ51と第2リップ52とによって広い範囲の走行風を車幅方向外側に案内できるとともに、第1リップ51と第2リップ52とからなる連続するエッジを外観視させ易くなり、シャープな外観をより得やすくなる。
さらに、第3リップ53が、第1リップ51及び第2リップ52から離れているので、第1リップ51及び第2リップ52からなる連続するエッジと、このエッジから離れた独立したエッジを外観視させ易くなる。これによっても、シャープな外観を得やすくなる。なお、第1リップ51~第3リップ53の長さ、位置、及び形状等については、所望の空力特性が得られる範囲で適宜に変更してもよい。
また、本実施形態では、第1リップ51、第2リップ52及び第3リップ53からなる三つのリップを設けているので、これらリップの長さ、位置、及び傾きのそれぞれを独立して調整することによって、走行風W1、W2、W3のそれぞれの流れを独立して調整し易くなる。さらに、本実施形態では、第1リップ51の前側領域R1Fからなる傾斜面に対し、第2リップ52の前側領域R2Fからなる傾斜面が、車体下方に向けて車幅方向内側に傾斜した面に形成されるので、走行風W1及びW2のそれぞれを独立して調整しながら、傾斜方向が異なる平面が連続するデザインを実現でき、これによっても、シャープな外観を得やすくなる。
また、第2リップ52の前側領域R2Fからなる傾斜面に対し、第3リップ53の前側領域R3Fからなる傾斜面が、車体下方に向けてより車幅方向内側に傾斜した面に形成されるので、走行風W2及びW3のそれぞれを独立して調整しながら、傾斜方向が異なる平面が連続するデザインを実現でき、これによっても、シャープな外観を得やすくなる。
図5は、右側のフロントサイドカバー31を周辺構成と共に車体前方から示した図である。
図5に示すように、ダクト38の入口43は、前輪13及びフロントフェンダー23Fの上部かつ側方に位置し、車体前方から前輪13の周囲に向かって流れる走行風の一部(走行風W1)が流入する。これにより、車体前方からの走行風が車幅中央に溜まる事態を抑制でき、前輪13の周囲に走行風をスムーズに流し、前輪ブレーキ等を冷却し易くなる。
また、ダクト38に流入した走行風W1をレッグシールド25の車幅方向外側にて後上方に排出するので、車体前部を前下方に押さえる空力効果を得やすくなり、いわゆるフロントリフトを抑える効果や、ダウンフォース効果を期待できる。これらの効果により、鞍乗り型車両10の接地圧の改善を図り易くなる。
図6は、右側のフロントサイドカバー31を周辺構成と共に車体右後方から示した図である。図6に示すように、インナーカバー前部35Fの後縁44、及び、アウターカバー36Aの後縁45によって、ダクト38の出口46が形成される。ダクト38の出口46は、車幅方向内側に凸の半月形状に形成されている。
ダクト38の出口46は、ダクト38の入口43よりも幅が狭く、出口46の開口面積は、入口43の開口面積よりも狭くなっている。出口46の開口面積を入口43の開口面積よりも狭くすることによって、ダクト38の出口46の流速を高めてフロントサイドカバー31の後方に流すことができる。これによって、走行風W1によって得られる空力効果を向上させやすくなり、例えば、乗員空間に周囲の走行風が流入する事態を抑え、かつ、車両前部を前下方に抑える効果が向上する。
以上説明したように、本実施形態の鞍乗り型車両10は、フロントサイドカバー31を備え、フロントサイドカバー31は、インナーカバー35と、アウターカバー36Aと、インナーカバー35とアウターカバー36Aとの間に設けられるダクト38とを備えている。そして、インナーカバー35には、ダクト38を流れる走行風W1(図2)に対し、車幅方向外側に張り出すと共に上下方向に延出する第1リップ51と、第1リップ51の下方にて、車幅方向外側に張り出すと共に所定方向に延出する第2リップ52とが設けられている。
この構成によれば、第1リップ51によって、走行風W1を車幅方向外側に向けて案内し、第2リップ52によって、走行風W1よりも下方の走行風W2(図2)を、車幅方向外側に向けて案内することができる。これらにより、フロントサイドカバー31の後方にて、車幅方向内側に外気が流入する事態を抑制し、かつ、車幅中央に走行風が溜まる事態を抑制する、と言った空力効果を得やすくなり、燃費向上やCO削減を図り、エネルギー問題や環境改善に貢献することができる。さらに、各リップ51,52によってシャープな外観を得やすくなる。
また、インナーカバー35には、第2リップ52の下方に、車幅方向外側に張り出すと共に所定方向に延出する第3リップ53が設けられる。この構成によれば、第3リップ53によって、走行風W2よりも下方の走行風W3(図3)を、車幅方向外側に向けて案内することができる。したがって、フロントサイドカバー31の後方にて、車幅方向内側に外気が流入する事態を抑制する範囲を下方に拡げ、かつ、各リップ51~53によってシャープな外観を得やすくなる。
また、第1リップ51は、第2リップ52よりも長く、第2リップ52は、第3リップ53よりも長いので、ダクト38を通過した走行風W1を上下に広い範囲で車幅方向外側にコントールし易くなり、車幅方向外側から乗員側への走行風の流入を効果的に抑え易くなる。また、相対的に高い位置にあるリップほど長いので、外観視されやすい高い位置のリップが長くなり、シャープな外観を得やすくなる。
また、インナーカバー35は、車体後上方に向けて延出すると共に上下長が狭くなる形状に形成されているので、ダクト38を通過した走行風W1を車体後上方に向けて流すことができる。これによって、乗員の上半身側に車幅方向外側から外気が流入し難くなると共に、車体前部を前下方に押さえる空力効果を得て十分な接地圧を確保し易くなる。
また、ダクト38は、インナーカバー35側のダクト構成部として機能するインナーカバー前部35Fと、アウターカバー36側のダクト構成部として機能するアウターカバー36Aとで構成され、アウターカバー36Aは、インナーカバー前部35Fの前縁41を車幅方向外側から覆っている。この構成によれば、ダクト38の入口43を外観視し難くでき、外観性の向上に有利となる。
また、ダクト38の出口46(図6)の開口面積は、ダクト38の入口43(図2,図5)の開口面積よりも狭いので、ダクト38の出口46の流速を高め、ダクト38を通過した走行風W1によって得られる空力効果を向上させ易くなる。
さらに、第1リップ51の一部から第2リップ52が延出するので、上下に連続する広い範囲の走行風W1,W2を車幅方向外側に案内し易くなり、かつ、第1及び第2リップ51、52からなる連続するエッジ部を形成でき、シャープな外観を得やすくなる。
また、第3リップ53は、第1リップ51及び第2リップ52から離れているので、走行風W3の範囲に合わせて第3リップ53の位置を配置し易くなる。また、第1リップ51及び第2リップ52からなるエッジから離れた位置に、第3リップ53からなるエッジが設けられるので、シャープな外観を得やすくなる。
なお、上述の実施形態は本発明の一態様を示すものであり、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、フロントサイドカバー31を含む車体カバー22の形状や構造は適宜に変更してもよい。また、本発明を、図1に示すスクータ型の自動二輪車に適用する場合を説明したが、これに限定されず、本発明を、スクータ型以外の自動二輪車、三輪タイプや四輪タイプも含む鞍乗り型車両に適用してもよい。また、鞍乗り型車両は、内燃機関を駆動源とする車両に限定されず、モーターを駆動源とする電動車両でもよい。
[上記実施の形態によりサポートされる構成]
上記実施の形態は、以下の構成をサポートする。
(構成1)車体前部の左右を覆うフロントサイドカバーを備える鞍乗り型車両において、前記フロントサイドカバーは、インナーカバーと、前記インナーカバーとの間に、走行風を後方に流すダクトを空けて、前記インナーカバーの車幅方向外側に配置されるアウターカバーとを備え、前記インナーカバーには、前記ダクトを通過した走行風に対し、車幅方向外側に張り出すと共に上下方向に延出する第1リップと、前記第1リップの下方にて、車幅方向外側に張り出すと共に所定方向に延出する第2リップとが設けられることを特徴とする鞍乗り型車両。
この構成によれば、第1リップによって、ダクトを通過した走行風を車幅方向外側に向けて案内し、第2リップによって、上記走行風よりも下方の走行風を、車幅方向外側に向けて案内することができる。したがって、フロントサイドカバーの後方にて、車幅方向内側に外気が流入する事態を抑制し、かつ、車幅中央に走行風が溜まる事態を抑制する、と言った空力効果を得ながら、第1及び第2リップによってシャープな外観を得やすくなる。
(構成2)前記インナーカバーには、前記第2リップ52の下方に、車幅方向外側に張り出すと共に所定方向に延出する第3リップが設けられることを特徴とする構成2に記載の鞍乗り型車両。
この構成によれば、第3リップによって、フロントサイドカバーの後方にて、車幅方向内側に外気が流入する事態を抑制する範囲を下方に拡げることができると共に、シャープな外観を得やすくなる。
(構成3)前記第1リップは、前記第2リップよりも長く、前記第2リップは、前記第3リップよりも長いことを特徴とする構成2に記載の鞍乗り型車両。
この構成によれば、ダクトを通過した走行風を上下に広い範囲で車幅方向外側にコントールし易くなる。また、相対的に高い位置のリップが長くなるので、外観視されやすいリップが長くなり、シャープな外観をより得やすくなる。
(構成4)前記インナーカバーは、車体後上方に向けて延出すると共に上下長が狭くなる形状に形成されていることを特徴とする構成1から3のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。
この構成によれば、ダクトを通過した走行風を車体後上方に向けて流しやすくなり、乗員側に外気が流入する事態を十分に抑制し易くなり、かつ、車体前部を前下方に押さえる空力効果を得やすくなる。
(構成5)前記ダクトは、前記インナーカバー側のダクト構成部と、前記アウターカバー側のダクト構成部とで構成され、前記アウターカバー側のダクト構成部は、前記インナーカバー側のダクト構成部の前縁を車幅方向外側から覆うことを特徴とする構成1から4のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。
この構成によれば、ダクトの入口を外観視し難くでき、外観性の向上に有利となる。
(構成6)前記ダクトの出口の開口面積は、前記ダクトの入口の開口面積よりも狭いことを特徴とする構成1から5のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。
この構成によれば、ダクトの出口の流速を高め、ダクトを通過した走行風によって得られる空力効果を向上させやすくなる。
(構成7)前記第1リップの一部から前記第2リップが延出することを特徴とする構成1から6のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。
この構成によれば、上下に連続する広い範囲の走行風を車幅方向外側に案内し易くなり、かつ、第1及び第2リップからなる連続するエッジ部を形成でき、シャープな外観を得やすくなる。
(構成8)前記第3リップは、前記第1リップ及び前記第2リップから離れていることを特徴とする構成2に記載の鞍乗り型車両。
この構成によれば、第1及び第2リップからなるエッジから離れた位置に、第3リップからなるエッジを設けることができ、シャープな外観を得るのにより有利となる。
10 鞍乗り型車両
22 車体カバー
24 フロントカウル
31 フロントサイドカバー
35 インナーカバー
35F インナーカバー前部(インナーカバー側のダクト構成部)
36 アウターカバー
36A アウターカバーのうちインナーカバーを覆う箇所(アウターカバー側のダクト構成部)
38 ダクト
41 インナーカバー前部の前縁
43 ダクトの入口
46 ダクトの出口
51 第1リップ
52 第2リップ
53 第3リップ

Claims (8)

  1. 車体前部の左右を覆うフロントサイドカバー(31)を備える鞍乗り型車両において、
    前記フロントサイドカバー(31)は、インナーカバー(35)と、前記インナーカバー(35)の車幅方向外側に配置されるアウターカバー(36)と、インナーカバー(35)とアウターカバー(36)との間に設けられるダクト(38)とを備え、
    前記インナーカバー(35)には、前記ダクト(38)を通過した走行風に対し、車幅方向外側に張り出すと共に上下方向に延出する第1リップ(51)と、前記第1リップ(51)の下方にて、車幅方向外側に張り出すと共に所定方向に延出する第2リップ(52)とが設けられることを特徴とする鞍乗り型車両。
  2. 前記インナーカバー(35)には、前記第2リップ(52)の下方に、車幅方向外側に張り出すと共に所定方向に延出する第3リップ(53)が設けられることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両。
  3. 前記第1リップ(51)は、前記第2リップ(52)よりも長く、前記第2リップ(52)は、前記第3リップ(53)よりも長いことを特徴とする請求項2に記載の鞍乗り型車両。
  4. 前記インナーカバー(35)は、車体後上方に向けて延出すると共に上下長が狭くなる形状に形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。
  5. 前記ダクトは、前記インナーカバー(35)側のダクト構成部(35F)と、前記アウターカバー(36)側のダクト構成部(36A)とで構成され、
    前記アウターカバー(36)側のダクト構成部(36A)は、前記インナーカバー(35)側のダクト構成部(35F)の前縁(41)を車幅方向外側から覆うことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。
  6. 前記ダクト(38)の出口(46)の開口面積は、前記ダクト(38)の入口(43)の開口面積よりも狭いことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。
  7. 前記第1リップ(51)の一部から前記第2リップ(52)が延出することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。
  8. 前記第3リップ(53)は、前記第1リップ(51)及び前記第2リップ(52)から離れていることを特徴とする請求項2に記載の鞍乗り型車両。
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