JP2023016082A - カートリッジ - Google Patents
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Abstract
【課題】衝撃による液体供給部のカートリッジからの飛び出しを抑制したカートリッジを提供すること。【解決手段】液体導入部を備える液体噴射装置に着脱可能に装着されるカートリッジであって、前記液体導入部が挿入される開口部を有する筐体カバーと、液体を収容する液体収容部と、前記液体収容部と連通する液体供給部であって、中心軸を有し、前記筐体カバーに収容された液体供給部と、を備え、前記開口部と前記液体供給部とは、前記中心軸に沿った中心軸方向において対向し、前記開口部は、開口を区画する側面と、前記側面から内方側に突出する複数のリブであって、前記中心軸に沿った方向から視た平面視において、前記液体供給部の少なくとも一部と重なる位置に形成された複数のリブと、を有する、カートリッジ。【選択図】図3
Description
本開示は、カートリッジに関する。
従来、液体噴射装置に装着可能なカートリッジにおいて、液体を収容する液体収容部と、液体収容部に収容されている液体を液体噴射装置に向けて流通させる液体供給部とを備える構成が知られている(例えば、特許文献1)。
カートリッジが落下した場合、落下衝撃により液体供給部がカートリッジから飛び出し、液体がカートリッジから漏れるおそれがある。
本開示の一形態によれば、液体導入部を備える液体噴射装置に着脱可能に装着されるカートリッジが提供される。このカートリッジは、液体導入部を備える液体噴射装置に着脱可能に装着されるカートリッジであって、前記液体導入部が挿入される開口部を有する筐体カバーと、液体を収容する液体収容部と、前記液体収容部と連通する液体供給部であって、中心軸を有し、前記筐体カバーに収容された液体供給部と、を備え、前記開口部と前記液体供給部とは、前記中心軸に沿った中心軸方向において対向し、前記開口部は、開口を区画する側面と、前記側面から内方側に突出する複数のリブであって、前記中心軸に沿った方向から視た平面視において、前記液体供給部の少なくとも一部と重なる位置に形成された複数のリブと、を有する。
A.実施形態:
A-1.印刷システムの構成:
図1は、本開示の実施形態としての印刷システム1の構成を示す斜視図である。図1には、互いに直交する3つの空間軸であるXYZ軸が描かれている。X軸,Y軸,Z軸の矢印が向いている方向は、それぞれX軸,Y軸,Z軸に沿った正の方向を示している。X軸,Y軸,Z軸に沿った正の方向を、それぞれ+X方向,+Y方向,+Z方向とする。X軸,Y軸,Z軸の矢印が向いている方向と逆の方向が、それぞれX軸,Y軸,Z軸に沿った負の方向である。X軸,Y軸,Z軸に沿った負の方向を、それぞれ-X方向,-Y方向,-Z方向とする。X軸,Y軸,Z軸に沿った方向で正負を問わないものを、それぞれX方向,Y方向,Z方向とよぶ。これ以降に示す図及び説明についても同様である。
A-1.印刷システムの構成:
図1は、本開示の実施形態としての印刷システム1の構成を示す斜視図である。図1には、互いに直交する3つの空間軸であるXYZ軸が描かれている。X軸,Y軸,Z軸の矢印が向いている方向は、それぞれX軸,Y軸,Z軸に沿った正の方向を示している。X軸,Y軸,Z軸に沿った正の方向を、それぞれ+X方向,+Y方向,+Z方向とする。X軸,Y軸,Z軸の矢印が向いている方向と逆の方向が、それぞれX軸,Y軸,Z軸に沿った負の方向である。X軸,Y軸,Z軸に沿った負の方向を、それぞれ-X方向,-Y方向,-Z方向とする。X軸,Y軸,Z軸に沿った方向で正負を問わないものを、それぞれX方向,Y方向,Z方向とよぶ。これ以降に示す図及び説明についても同様である。
印刷システム1は、液体噴射装置としての印刷装置10と、印刷装置10に液体であるインクを供給する複数のカートリッジ4とを備える。本実施形態の印刷装置10は、液体としてのインクを吐出ヘッド22から吐出するインクジェットプリンターである。この印刷装置10は、ポスター等の大判の用紙に印刷を行う大型のプリンターである。印刷装置10は、カートリッジ装着部6と、キャリッジ20と、吐出ヘッド22と、駆動機構30とを備える。カートリッジ装着部6には、収納しているインクの色が互いに異なる複数のカートリッジ4がそれぞれ着脱可能に装着される。
印刷装置10は、+Y方向側の前面に交換用カバー13を有する。交換用カバー13の+Z方向側を+Y方向側である手前側に倒すと、カートリッジ装着部6の開口が現れて、カートリッジ4の着脱が可能となる。カートリッジ装着部6にカートリッジ4が装着されると、液体流通管としてのチューブ24を介してキャリッジ20に設けられた吐出ヘッド22にインクが供給可能となる。本実施形態では、水頭差を利用してカートリッジ4から吐出ヘッド22にインクが供給される。具体的には、液体貯留部699内のインクの液面と吐出ヘッド22との水頭差によってインクが吐出ヘッド22に供給される。なお、他の実施形態では、印刷装置10の図示しないポンプ機構によって、カートリッジ4内のインクを吸引することで、インクが吐出ヘッド22に供給されてもよい。なお、チューブ24は、インクの種類毎に設けられている。なお、カートリッジ4がカートリッジ装着部6に装着されて、液体としてのインクが印刷装置10に供給できる状態を装着状態とも呼ぶ。
吐出ヘッド22には、インクの種類毎にノズルが設けられている。吐出ヘッド22は、ノズルから印刷用紙2に向かってインクを吐出して文字や画像等のデータを印刷する。吐出ヘッド22はキャリッジ20に取り付けられている。なお、本実施形態では、印刷装置10は、カートリッジ装着部6がキャリッジ20の動きとは連動しない、いわゆる「オフキャリッジタイプ」と呼ばれるプリンターである。キャリッジ20にカートリッジ装着部6が設けられ、キャリッジ20と共にカートリッジ装着部6が移動する、いわゆる「オンキャリッジタイプ」と呼ばれるプリンターにも本開示は適用できる。
駆動機構30は、制御部からの制御信号に基づいてキャリッジ20を往復動させる。駆動機構30は、タイミングベルト32と、駆動モーター34とを備える。タイミングベルト32を介して駆動モーター34の動力をキャリッジ20に伝達することによって、キャリッジ20がX方向に沿った方向である主走査方向に往復移動する。また、印刷装置10は、印刷用紙2を+Y方向である副走査方向に移動させるための搬送機構を備える。印刷が行なわれる際には、搬送機構によって印刷用紙2が副走査方向に移動し、前面カバー11上に印刷完了後の印刷用紙2が出力される。
カートリッジ4は、印刷装置10に着脱可能に装着される。カートリッジ4は、カートリッジ装着部6の挿抜開口部674から-Y方向に向かって挿入され、カートリッジ装着部6に収納される。
本実施形態では、印刷システム1の使用状態において、印刷用紙2を搬送する副走査方向に沿った軸をY軸とし、重力方向に沿った軸をZ軸とし、キャリッジ20の移動方向に沿った軸をX軸とする。ここで、「印刷システム1の使用状態」とは、水平な面に印刷システム1が設置された状態をいう。また、本実施形態では、副走査方向を+Y方向、その逆方向を-Y方向とし、重力方向を-Z方向、反重力方向を+Z方向とする。X方向とY方向は水平方向に沿った方向である。また、印刷システム1を前面側から見たときに、右側から左側に向かう方向を+X方向とし、その逆方向を-X方向とする。また本実施形態では、装着のためにカートリッジ装着部6にカートリッジ4が挿入される挿入方向が-Y方向であり、カートリッジ4がカートリッジ装着部6から取り外される方向が+Y方向である。よって、カートリッジ装着部6のうち、-Y方向側を奥側とも呼び、+Y方向側を手前側とも呼ぶ。また、本実施形態では、複数のカートリッジ4の配列方向がX方向となる。
A-2.装着状態におけるカートリッジ装着部とカートリッジとの説明:
図2は、装着状態における、液体導入部642の中心軸CA1を通るYZ面を切断面とするカートリッジ4とカートリッジ装着部6との断面図である。図2に示すように、装着状態において、カートリッジ4は、カートリッジ装着部6の上方に配置された収容室61に収容される。
図2は、装着状態における、液体導入部642の中心軸CA1を通るYZ面を切断面とするカートリッジ4とカートリッジ装着部6との断面図である。図2に示すように、装着状態において、カートリッジ4は、カートリッジ装着部6の上方に配置された収容室61に収容される。
カートリッジ装着部6は、収容室61の下方に配置された液体貯留部699と、液体導入部642とを有する。収容室61の収容室底壁を形成する支持部材610は、カートリッジ4を下側から支持する。カートリッジ4の装着状態では、支持部材610の底部を形成する主壁613は、Y方向に対して傾斜する。具体的には、支持部材610の主壁613は、+Y軸方向に向かうに従って下側である-Z方向側に位置するように傾斜する。この主壁613は、カートリッジ4が装着されていないカートリッジ装着部6の初期配置状態では、Y方向に平行である。
液体貯留部699は、図1に示すチューブ24を介して吐出ヘッド22と連通すると共に、液体導入部642と連通する。液体貯留部699には、大気を取り込むための、図示しない大気導入口が形成されている。液体導入部642は、筒状の部材であり、内部に液体を流通させる導入部流路682を有する。カートリッジ4がカートリッジ装着部6の収容室61に装着された装着状態では、カートリッジ4の液体供給部442と、カートリッジ装着部6の液体導入部642とが接続される。
カートリッジ装着部6は、上記構成の他に、カートリッジ4の位置決めに用いられる装置側供給部位置決め部644を有する。装置側供給部位置決め部644は、略直方体形状である。カートリッジ4が有する凹形状の供給部位置決め部448に、カートリッジ装着部6が有する突起である装置側供給部位置決め部644が入り込むことで、液体供給部442による液体供給部442の中心軸CA2と交差する動きが規制される。これにより、液体供給部442の液体導入部642に対する位置決めが行われる。
カートリッジ4がカートリッジ装着部6に装着された装着状態では、カートリッジ4の液体供給部442と、カートリッジ装着部6の液体導入部642とが接続される。これにより、カートリッジ4の液体収容部450に収容されたインクが、液体供給部442を介して液体導入部642に供給される。また、本実施形態では、液体供給部442から液体導入部642にインクが供給される一方で、液体貯留部699に収容された空気が気泡となって液体導入部642、液体供給部442を流通して液体収容部450に流通する。これにより、液体収容部450の気液交換が行われる。なお、他の実施形態では、カートリッジ4が液体収容部450と外部とを連通させる大気連通路を有し、この大気連通路を介して気液交換が行われてもよい。この場合、大気連通路は液体供給部442とは異なる位置に配置されており、例えば、液体収容部450を形成する壁に形成される。
液体導入部642の中心軸CA1は、装着状態における液体供給部442の中心軸CA2と平行であり、Z方向に対して傾斜している。また、液体供給部442の中心軸CA2とは、液体供給部442が延びる方向に沿った方向である。
A-3.カートリッジの説明:
図3は、カートリッジ4の斜視図である。カートリッジ4の外形は、略直方体形状である。カートリッジ4について、Y方向は奥行方向、Z方向が高さ方向、X方向が幅方向である。図3以降に付したXYZ軸は、カートリッジ4が収容室61に挿入され、接続方向CD2に回転移動される前の状態である挿入完了状態を基準にしている。カートリッジ4の外形について、Y方向の寸法が最も大きく、Z方向の寸法、X方向の寸法の順に小さい。液体供給部442の中心軸CA2とは、Z方向に沿った方向である。カートリッジ4は、液体収容体401と、アダプター402とを備える。アダプター402は、液体収容体401に嵌合によって取り付けられる。
図3は、カートリッジ4の斜視図である。カートリッジ4の外形は、略直方体形状である。カートリッジ4について、Y方向は奥行方向、Z方向が高さ方向、X方向が幅方向である。図3以降に付したXYZ軸は、カートリッジ4が収容室61に挿入され、接続方向CD2に回転移動される前の状態である挿入完了状態を基準にしている。カートリッジ4の外形について、Y方向の寸法が最も大きく、Z方向の寸法、X方向の寸法の順に小さい。液体供給部442の中心軸CA2とは、Z方向に沿った方向である。カートリッジ4は、液体収容体401と、アダプター402とを備える。アダプター402は、液体収容体401に嵌合によって取り付けられる。
カートリッジ4は、前壁42と、後壁47と、上壁43と、カバー底壁44と、第1側壁45と、第2側壁46と、コーナー部89とを有する。前壁42と後壁47とは、Y方向において対向する。上壁43とカバー底壁44とは、Z方向において対向する。Z方向は、液体供給部442の延びる方向に沿った中心軸CA2と平行である。第1側壁45と第2側壁46とはX方向において対向する。上壁43は、+Z方向側に位置し、前壁42と後壁47とに交差する。カバー底壁44は、装着状態において重力方向側である-Z方向側に位置する。カバー底壁44は、前壁42と後壁47とに交差する。コーナー部89は、前壁42とカバー底壁44とが交差するコーナー部分に設けられている。
液体収容体401は、液体収容部450と、液体供給部442とを有する。液体収容部450は、液体収容体401の内部空間であり、液体を収容するために設けられている。液体収容部450と連通する液体供給部442は、液体収容体401のアダプター402が取り付けられる収容体底壁431からアダプター402側に突出する筒状部材である。
アダプター402は、筐体カバー432を有する。筐体カバー432は、液体収容体401が配置される面が開放された箱形状を有する。筐体カバー432の-Z方向側の面が、カバー底壁44である。筐体カバー432の内部に液体供給部442が収容されている。筐体カバー432は、供給部位置決め部448と、開口部446とを有する。供給部位置決め部448は、カバー底壁44から上壁43へ向かって延びる穴である。開口部446は、液体導入部642を挿通するためにカバー底壁44に形成された開口である。開口部446と液体供給部442とは、中心軸CA2に沿った中心軸方向において対向する。中心軸CA2に沿って、カバー底壁44から上壁43に向かってカートリッジ4を視た平面視において、開口部446と液体供給部442とは重なる位置関係にある。液体供給部442の中心軸CA2が開口部446を通るように、液体供給部442は配置される。
開口部446は、開口を区画する環状の側面44aと、6つのリブ490とを有する。リブ490は、開口部446の側面44aから内方側、すなわち中心軸CA2が位置する側に突出する。側面44aは、カバー底壁44の厚み方向に沿った面である。リブ490は、中心軸CA2に沿った方向から視た平面視において、液体供給部442の少なくとも一部と重なる位置に形成されている。これにより、後に詳述するように、衝撃による液体供給部442の飛び出しを抑制することができる。
A-4.カートリッジの装着方法の説明:
図4は、カートリッジ4のカートリッジ装着部6への装着過程を説明する図である。カートリッジ4がカートリッジ装着部6に装着される際には、まずカートリッジ4は、カートリッジ装着部6の挿抜開口部674から収容室61内に挿入される。これにより、図4に示すように、カートリッジ4の前壁42が位置決めされる。次に、カートリッジ4の後壁47側が、回転支点698を支点として矢印に示す接続方向CD2に回転移動される。これにより、カートリッジ4の液体供給部442と、カートリッジ装着部6の液体導入部642とが接続される。回転支点698は、カートリッジ装着部6の第2装置壁62近くに設けられている。なお、カートリッジ4が、カートリッジ装着部6から取り外れる場合には、上記の手順が逆行して行われる。すなわち、カートリッジ4は、回転支点698を支点として矢印に示す接続方向CD3に回転移動された後、収容室61から引き出される。図2に示す状態のように、カートリッジ4の液体供給部442と、カートリッジ装着部6の液体導入部642とが接続される状態を装着状態とも呼ぶ。対して、図4に示す状態や、単体でのカートリッジ4のように、カートリッジ4の液体供給部442と、カートリッジ装着部6の液体導入部642とが接続されていない状態を非装着状態とも呼ぶ。
図4は、カートリッジ4のカートリッジ装着部6への装着過程を説明する図である。カートリッジ4がカートリッジ装着部6に装着される際には、まずカートリッジ4は、カートリッジ装着部6の挿抜開口部674から収容室61内に挿入される。これにより、図4に示すように、カートリッジ4の前壁42が位置決めされる。次に、カートリッジ4の後壁47側が、回転支点698を支点として矢印に示す接続方向CD2に回転移動される。これにより、カートリッジ4の液体供給部442と、カートリッジ装着部6の液体導入部642とが接続される。回転支点698は、カートリッジ装着部6の第2装置壁62近くに設けられている。なお、カートリッジ4が、カートリッジ装着部6から取り外れる場合には、上記の手順が逆行して行われる。すなわち、カートリッジ4は、回転支点698を支点として矢印に示す接続方向CD3に回転移動された後、収容室61から引き出される。図2に示す状態のように、カートリッジ4の液体供給部442と、カートリッジ装着部6の液体導入部642とが接続される状態を装着状態とも呼ぶ。対して、図4に示す状態や、単体でのカートリッジ4のように、カートリッジ4の液体供給部442と、カートリッジ装着部6の液体導入部642とが接続されていない状態を非装着状態とも呼ぶ。
A-5.カートリッジ装着部とカートリッジとの詳細説明:
図5は、非装着状態における、液体供給部442の拡大断面図である。図5は、中心軸CA1および中心軸CA2を通るYZ平面を切断面とする断面図である。図6は、リブ490周辺の斜視図である。図7は、中心軸CA2に沿って、筐体カバー432の外側からカバー底壁44を視た場合のカバー底壁44の平面図である。便宜上、図7では、液体供給部442については、配置領域を破線の円で示している。液体供給部442は、図7の破線で示される円の内側に配置されている。図8は、筐体カバー432の内側からカバー底壁44を視た場合のカバー底壁44の斜視図である。
図5は、非装着状態における、液体供給部442の拡大断面図である。図5は、中心軸CA1および中心軸CA2を通るYZ平面を切断面とする断面図である。図6は、リブ490周辺の斜視図である。図7は、中心軸CA2に沿って、筐体カバー432の外側からカバー底壁44を視た場合のカバー底壁44の平面図である。便宜上、図7では、液体供給部442については、配置領域を破線の円で示している。液体供給部442は、図7の破線で示される円の内側に配置されている。図8は、筐体カバー432の内側からカバー底壁44を視た場合のカバー底壁44の斜視図である。
図5に示すように、液体供給部442は、液体収容部450と連通する供給部流路482を有する。液体供給部442は、液体収容部450の底壁である収容体底壁431に形成された収容体底壁開口部433に挿通されている。液体供給部442の形状は、中心軸CA2を有する概ね円筒形状である。液体供給部442の内部空間が供給部流路482である。装着状態において、供給部流路482は、開口部446に向かうに従い、重力方向側、すなわち下側に位置する。液体供給部442は、ハウジング480と、カートリッジ側弁機構484と、キャップ488とを有する。ハウジング480は、円筒形状を有する。
カートリッジ側弁機構484は、供給部流路482を開閉する。カートリッジ側弁機構484は、カートリッジ側弁座485と、カートリッジ側弁体486と、カートリッジ側付勢部材487とを有する。カートリッジ側弁座485は、開口部446近傍に配置されている。カートリッジ側弁座485は、円環状の部材である。カートリッジ側弁座485は、例えば、合成ゴムやエラストマーなどの弾性部材によって形成されている。カートリッジ側弁座485の外周面は、ハウジング480の内周面に対して気密に取り付けられている。装着時には、カートリッジ側弁座485に形成された、中心軸CA2に沿った方向に貫通する弁座挿入口485aに液体導入部642が挿入される。
カートリッジ側弁体486は、液体供給部442に中心軸CA2に沿った中心軸方向に摺動可能に取り付けられている。カートリッジ側弁体486は、中心軸方向に延びる棒状の部材である。カートリッジ側付勢部材487は、カートリッジ側弁体486をカートリッジ側弁座485に向かう方向に付勢する。カートリッジ側付勢部材487は、例えば、圧縮コイルばねである。カートリッジ側付勢部材487において、一端はカートリッジ側弁体486に当接し、他端は液体供給部442に当接する。ハウジング480の内周面およびカートリッジ側弁座485と、カートリッジ側弁体486との間の空間が、供給部流路482である。
カートリッジ側弁体486は、非装着状態において、カートリッジ側弁座485と当接して弁座挿入口485aを塞ぐ。これにより、カートリッジ側弁体486は閉弁状態となる。対して、装着時には、カートリッジ側弁機構484は、液体導入部642に押されてカートリッジ側弁体486がカートリッジ側弁座485から離れることで開弁する。装着状態において、液体収容部450に収容されている液体は、供給部流路482へ流入し、供給部流路482から、導入部流路682へ流れ、液体貯留部699へ供給される。
キャップ488は、中心軸CA2に沿った中心軸方向において、カートリッジ側弁座485よりも開口部446の近くに配置されている。キャップ488は、円環形状を有する。キャップ488は、中心軸方向について、液体供給部442の開口部446に近い端部を覆う。キャップ488は、ハウジング480に固定されている。
カートリッジ4は、さらに、液体を吸収するための液体吸収材470を有する。液体吸収材470は、中心軸CA2に沿った中心軸方向においてキャップ488とリブ490との間に配置されている。液体吸収材470は、シート状であり、毛管力によって液体を保持するための部材である。液体吸収材470として、ポリビニルアルコールで形成された多孔体や、例えばウレタンフォームのような発泡性部材や、不織布によって形成された部材を用いることができ、本実施形態では、液体吸収材470には、ポリビニルアルコールで形成された多孔体が用いられている。
A-6.リブの詳細説明:
本実施形態では、筐体カバー432には、リブ490が形成されている。上記のように、リブ490は、中心軸CA2に沿った中心軸方向において、液体供給部442よりも外方に位置する。そして、図7に示すように、リブ490は、中心軸CA2に沿った方向から視た平面視において、液体供給部442の少なくとも一部と重なる位置に形成されている。よって、衝撃により液体供給部442に外方へ向かう力が加えられた場合に、液体供給部442の外方への移動はリブ490により制限される。これにより、衝撃による液体供給部442の飛び出しを抑制することができる。そして、液体供給部442がカートリッジ4の外方へ飛び出すことによる液体の漏れを抑制することができる。例えば、カートリッジ4が落下した場合、落下衝撃により液体供給部442の一部が破損し、液体供給部442がカートリッジ4から飛び出し、液体がカートリッジ4から漏れるおそれがある。この点、本実施形態によれば、カートリッジ4は、リブ490を有することにより、衝撃による液体供給部442の飛び出しを抑制することができる。
本実施形態では、筐体カバー432には、リブ490が形成されている。上記のように、リブ490は、中心軸CA2に沿った中心軸方向において、液体供給部442よりも外方に位置する。そして、図7に示すように、リブ490は、中心軸CA2に沿った方向から視た平面視において、液体供給部442の少なくとも一部と重なる位置に形成されている。よって、衝撃により液体供給部442に外方へ向かう力が加えられた場合に、液体供給部442の外方への移動はリブ490により制限される。これにより、衝撃による液体供給部442の飛び出しを抑制することができる。そして、液体供給部442がカートリッジ4の外方へ飛び出すことによる液体の漏れを抑制することができる。例えば、カートリッジ4が落下した場合、落下衝撃により液体供給部442の一部が破損し、液体供給部442がカートリッジ4から飛び出し、液体がカートリッジ4から漏れるおそれがある。この点、本実施形態によれば、カートリッジ4は、リブ490を有することにより、衝撃による液体供給部442の飛び出しを抑制することができる。
図5に示すように、カバー底壁44は、側面44aに加え、外部に露出する表面44bと、裏面44cとを有する。裏面44cは、中心軸CA2に沿った中心軸方向について、表面44bよりも液体収容部450の近くに位置する。図6に示すように、リブ490は、平面形状が多角形、本実施形態では四角形の平板形状を有する。リブ490は、図6に示すリブ側面490aと、図5に示すリブ表面490bおよびリブ裏面490cとを有する。リブ表面490bは、開口部446を介して外部に露出する面である。リブ裏面490cは、リブ表面490bと対向し、中心軸方向について、リブ表面490bよりも液体収容部450の近くに位置する。リブ側面490aは、リブ表面490bとリブ裏面490cとを繋ぐ面である。リブ側面490aは、リブ490の厚みを形成する。図7に示すように、中心軸方向に沿って視た開口部446の平面形状は、概ね円形である。本実施形態において、中心軸方向に沿って視た開口部446の平面視での中心ACは、中心軸CA2と一致する。リブ490は、側面44aから開口部446の径方向に沿って内方に突出するように形成されている。図5に示すように、本実施形態において、表面44bと、リブ表面490bとは平行である。リブ表面490bは、中心軸方向について、表面44bよりも液体収容部450の近くに位置する。具体的には、図6に示すように、リブ表面490bから表面44bへ向かう経路には、側面44aによって段差が形成されている。これにより、次に説明するように、リブ表面490bから表面44bへの液体の広がりを抑制することができる。
カートリッジ4が印刷装置10に装着された場合、液体供給部442の供給部流路482を区画する内周面には液体が付着する。ここで、液体供給部442の内周面とは、ハウジング480、カートリッジ側弁座485、およびキャップ488の各々の内周面である。カートリッジ4を印刷装置10から取り外す過程において、液体導入部642が液体供給部442から引き抜かれた場合、液体供給部442の内周面に付着した液体は、下方に移動し、リブ490に濡れ広がる場合がある。ところで、カートリッジ4を印刷装置10から取り外す過程において、筐体カバー432の表面44bに液体が付着していた場合、付着した液体は、表面44bの挿入方向へ向かって広がる場合がある。印刷装置10から取り外される過程で、カートリッジ4が収容室61から引き出されるのに伴い、収容室61の底面と、カバー底壁44とが摺り合わされるからである。なお、上記のように、挿入方向とは、-Y方向である。この点、本実施形態によれば、リブ表面490bは、中心軸CA2に沿った中心軸方向について、表面44bよりも液体収容部450の近くに位置する。このため、例えば、リブ表面490bと表面44bとが面一である場合よりも、リブ表面490bから表面44bへ液体は濡れ広がりにくくなるため、液体の広がりを抑制することができる。さらに、カートリッジ4の取り外しの過程において、カバー底壁44における液体の広がりを抑制することができる。
図6に示すように、リブ側面490aと側面44aとは、角を有して接している。リブ側面490aと側面44aとの角によって形成される境界線BLは、液体吸収材470と接している。本実施形態では、図8に示すように、リブ裏面490cと裏面44cとが面一である。そして、リブ裏面490cおよび裏面44cに接して、液体吸収材470が配置されている。このように、境界線BLが液体吸収材470と接する構成が実現されている。これにより、境界線BLに沿って毛管力が働き、リブ表面490bに付着した液体は、境界線BLに沿って液体吸収材470に達するまで移動し、液体吸収材470に吸収される。
図7に示すように、本実施形態では、6つのリブ490は、等角度間隔で配置されている。リブ490は、中心軸CA2に沿った中心軸方向から視た平面視において、側面44aのうち、開口部446の中心ACに対して、挿入方向側の第1領域RA1とは異なる第2領域RA2に形成されている。より具体的には、平面視において、開口部446の中心ACから挿入方向に向かう線を基準線RLとして、開口部446の中心ACを回転中心として時計回りを正方向と規定した場合、第1領域RA1は-45度以上+45度以下の範囲であり、第2領域RA2は+90度以上+270度以下の範囲である。このように、第2領域RA2にリブ490が形成されていることで、外方への液体供給部442の飛び出しを抑制することができる。さらに、第1領域RA1には、リブ490が形成されていないことで、リブ490を伝っての液体の筐体カバー432の表面44bへの広がりを抑制することができる。発明者らは、液体供給部442から液体導入部642が引き抜かれた場合、開口部446の中心ACに対して挿入方向側の液体供給部442の内周面には、開口部446の中心に対して挿入方向と逆方向側の液体供給部442の内周面よりも液体が多く付着し易いことを見出した。これは、図2に示すように、装着状態において、中心軸CA1,CA2がZ方向に対して傾いていることに起因していると考えられる。さらに、挿入方向側の液体供給部442の内周面に付着する液体の量は、境界線BLを伝った液体吸収材470での吸収可能な量を超える場合がある。この場合、液体が、リブ490および側面44aを伝って、カバー底壁44の表面44bに濡れ広がるおそれがある。本実施形態では、第1領域RA1には、リブ490が形成されていない。これにより、挿入方向側の液体供給部442の内周面に付着する液体の量が、境界線BLを伝っての液体吸収材470に吸収可能な量を超える場合であっても、表面44bへの濡れ広がりを抑制することができる。
上記実施形態によれば、開口部446は、開口を区画する側面44aと、側面44aから内方側に突出する複数のリブ490を有する。リブ490は、中心軸CA2に沿った中心軸方向から視た平面視において、液体供給部442の少なくとも一部と重なる位置に形成されている。これにより、衝撃を受けた場合、または衝撃により液体供給部442の一部が破損した場合にも、筐体カバー432から外方への液体供給部442の飛び出しが抑制される。液体供給部442がカートリッジ4から飛び出すことによる、カートリッジ4からの液体の漏れを抑制することができる。
上記実施形態によれば、リブ表面490bは、中心軸方向について、筐体カバー432の表面44bよりも液体収容部450の近くに位置する。これにより、リブ表面490bを伝うことによる、液体供給部442の内周面に付着した液体の筐体カバー432の表面44bへの広がりを抑制することができる。
上記実施形態によれば、リブ側面490aと側面44aとの境界線BLは、液体吸収材470と接している。これにより、リブ表面490bに付着した液体は、毛管力により境界線BLを伝って液体吸収材470に吸収されるため、リブ表面490bから筐体カバー432の表面44bへの液体の広がりをさらに抑制することができる。
上記実施形態によれば、平面視において、複数のリブ490は、側面44aのうち、挿入方向側の第1領域RA1とは異なる第2領域RA2に形成されている。よって、第2領域RA2に形成されたリブ490により、筐体カバー432から外方への液体供給部442の飛び出しを抑制することができる。加えて、液体の境界線BLを伝った液体吸収材470での吸収可能な量を上回る量の液体が液体供給部442の内周面に付着した場合であっても、第1領域RA1にリブ490が形成されていないため、リブ490を伝っての液体の筐体カバー432の表面44bへの広がりを抑制することができる。
上記実施形態では、平面視において、開口部446の中心ACから挿入方向に向かう線を基準線RLとして、中心ACを回転中心として時計回りを正方向と規定した場合、第1領域RA1は-45度以上+45度以下の範囲であり、第2領域RA2は+90度以上+270度以下の範囲である。このように、平面視において、少なくとも側面44aの半分の領域にリブ490が形成されていることで、筐体カバー432から外方への液体供給部442の飛び出しを抑制することができる。また、少なくとも、基準線RL上に、リブ490が形成されていないことで、リブ490を伝っての液体の筐体カバー432の表面44bへの広がりを抑制することができる。
B.他の実施形態:
B-1.他の実施形態1:
上記実施形態では、リブ側面490aと側面44aとが角を有して接し、リブ裏面490cと裏面44cとが面一であることにより、境界線BLが液体吸収材470に接する構成が実現されている。境界線BLが液体吸収材470に接する構成は、上記に限られない。例えば、境界線BLが直線ではなく、折れ曲がっている場合であっても、液体吸収材470に接する構成であれば、液体を境界線BLに沿って、液体吸収材470まで導くことができる。なお、毛管力を働かせるため、上記実施形態のように、リブ側面490aと側面44aとは角を有して接することが好ましい。
B-1.他の実施形態1:
上記実施形態では、リブ側面490aと側面44aとが角を有して接し、リブ裏面490cと裏面44cとが面一であることにより、境界線BLが液体吸収材470に接する構成が実現されている。境界線BLが液体吸収材470に接する構成は、上記に限られない。例えば、境界線BLが直線ではなく、折れ曲がっている場合であっても、液体吸収材470に接する構成であれば、液体を境界線BLに沿って、液体吸収材470まで導くことができる。なお、毛管力を働かせるため、上記実施形態のように、リブ側面490aと側面44aとは角を有して接することが好ましい。
B-2.他の実施形態2:
上記実施形態では、カートリッジ4は、6つのリブ490を有する。リブ490の形状は、上記に限られないが、リブ表面490bの面積は小さい方が好ましい。液体供給部442から液体導入部642が引き抜かれた場合に、リブ490に付着する液体の量を少なくすることができるからである。また、リブ490は、複数形成することが好ましい。これにより、境界線BLを多く形成することができるため、リブ裏面490cに付着した液体を境界線BLに沿って移動させ、液体吸収材470に吸収させる液体の量を多くすることができるからである。
上記実施形態では、カートリッジ4は、6つのリブ490を有する。リブ490の形状は、上記に限られないが、リブ表面490bの面積は小さい方が好ましい。液体供給部442から液体導入部642が引き抜かれた場合に、リブ490に付着する液体の量を少なくすることができるからである。また、リブ490は、複数形成することが好ましい。これにより、境界線BLを多く形成することができるため、リブ裏面490cに付着した液体を境界線BLに沿って移動させ、液体吸収材470に吸収させる液体の量を多くすることができるからである。
B-3.他の実施形態3:
本開示は、インクジェットプリンター及びそのインクカートリッジに限らず、インク以外の他の液体を噴射する任意の印刷装置及びそのカートリッジにも適用することができる。例えば、以下のような各種の印刷装置及びそのカートリッジに適用可能である。
(1)ファクシミリ装置等の画像記録装置
(2)液晶ディスプレイ等の画像表示装置用のカラーフィルターの製造に用いられる色材を噴射する印刷装置
(3)有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイや、面発光ディスプレイ(Field Emission Display、FED)等の電極形成に用いられる電極材を噴射する印刷装置
(4)バイオチップ製造に用いられる生体有機物を含む液体を噴射する印刷装置
(5)精密ピペットとしての試料印刷装置
(6)潤滑油の印刷装置
(7)樹脂液の印刷装置
(8)時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する印刷装置
(9)光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂液等の透明樹脂液を基板上に噴射する印刷装置
(10)基板などをエッチングするために酸性又はアルカリ性のエッチング液を噴射する印刷装置
(11)他の任意の微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッドを備える印刷装置
本開示は、インクジェットプリンター及びそのインクカートリッジに限らず、インク以外の他の液体を噴射する任意の印刷装置及びそのカートリッジにも適用することができる。例えば、以下のような各種の印刷装置及びそのカートリッジに適用可能である。
(1)ファクシミリ装置等の画像記録装置
(2)液晶ディスプレイ等の画像表示装置用のカラーフィルターの製造に用いられる色材を噴射する印刷装置
(3)有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイや、面発光ディスプレイ(Field Emission Display、FED)等の電極形成に用いられる電極材を噴射する印刷装置
(4)バイオチップ製造に用いられる生体有機物を含む液体を噴射する印刷装置
(5)精密ピペットとしての試料印刷装置
(6)潤滑油の印刷装置
(7)樹脂液の印刷装置
(8)時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する印刷装置
(9)光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂液等の透明樹脂液を基板上に噴射する印刷装置
(10)基板などをエッチングするために酸性又はアルカリ性のエッチング液を噴射する印刷装置
(11)他の任意の微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッドを備える印刷装置
なお、「液滴」とは、印刷装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう「液体」とは、印刷装置が噴射させることができるような材料であれば良い。例えば、「液体」は、物質が液相であるときの状態の材料であれば良く、粘性の高い又は低い液状態の材料、及び、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属のような液状態の材料も「液体」に含まれる。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなども「液体」に含まれる。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種の液体状組成物を包含するものとする。
C.他の形態:
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、以下に記載する各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、以下に記載する各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
(1)本開示の第1形態によれば、液体導入部を備える液体噴射装置に着脱可能に装着されるカートリッジが提供される。このカートリッジは、前記液体導入部が挿入される開口部を有する筐体カバーと、液体を収容する液体収容部と、前記液体収容部と連通する液体供給部であって、中心軸を有し、前記筐体カバーに収容された液体供給部と、を備える。前記開口部と前記液体供給部とは、前記中心軸に沿った中心軸方向において対向する。前記開口部は、開口を区画する側面と、前記側面から内方側に突出する複数のリブであって、前記中心軸に沿った方向から視た平面視において、前記液体供給部の少なくとも一部と重なる位置に形成された複数のリブと、を有する。この形態によれば、カートリッジが衝撃を受けた場合、または衝撃により液体供給部の一部が破損した場合にも、複数のリブにより、筐体カバーから外方への液体供給部の飛び出しが制限される。液体供給部がカートリッジから飛び出すことによる、カートリッジからの液体の漏れを抑制することができる。
(2)上記形態において、前記筐体カバーは、外部に露出する表面を有するカバー底壁であって、前記側面が形成されたカバー底壁を有し、前記複数のリブの各々は、外部に露出するリブ表面を有し、前記リブ表面は、前記中心軸方向について、前記表面よりも前記液体収容部の近くに位置してもよい。この形態によれば、リブ表面を伝うことによる、液体供給部の内周面に付着した液体の筐体カバーの表面への広がりを抑制することができる。
(3)上記形態において、前記カバー底壁は、前記表面と対向する裏面と、前記表面と前記裏面とを繋ぐ前記側面と、を有する。前記カートリッジは、さらに、前記裏面と接する液体吸収材を有し、前記複数のリブの各々は、前記リブ表面と対向し、前記中心軸方向について前記リブ表面よりも前記液体収容部の近くに位置するリブ裏面と、前記リブ表面と前記リブ裏面とを繋ぐリブ側面と、を有し、前記リブ側面と前記側面との境界線は、前記液体吸収材と接していてもよい。この形態によれば、リブ表面に付着した液体は、毛管力により境界線を伝って液体吸収材に吸収されるため、リブ表面から筐体カバーの表面への液体の広がりをさらに抑制することができる。
(4)上記形態において、前記カートリッジは、前記液体噴射装置が有する収容室に挿入方向に沿って挿入されることにより装着され、前記平面視において、前記複数のリブは、前記側面のうち、前記挿入方向側の第1領域とは異なる第2領域に形成されていてもよい。この形態によれば、第2領域に形成されたリブにより、筐体カバーから外方への液体供給部の飛び出しが制限される。加えて、第1領域に液体の境界線を伝った液体吸収材への吸収を上回る量の液体がリブに付着した場合であっても、リブが形成されていないことで、リブを伝っての液体の筐体カバーの表面への広がりを抑制することができる。
(5)上記形態において、前記平面視において、前記開口部の中心から前記挿入方向に向かう線を基準線として、前記中心を回転中心として時計回りを正方向と規定した場合、前記第1領域は-45度以上+45度以下の範囲であり、前記第2領域は+90度以上+270度以下の範囲であってもよい。この形態によれば、少なくとも、平面視において、側面の半分の領域にリブが形成されていることで、筐体カバーから外方への液体供給部の飛び出しを抑制することができる。また、少なくとも、基準線上に、リブが形成されていないことで、リブを伝っての液体の筐体カバーの表面への広がりを抑制することができる。
本開示は、上記形態の他に、カートリッジの製造方法、カートリッジの液体供給部などの形態で実現することができる。
1…印刷システム、2…印刷用紙、4…カートリッジ、6…カートリッジ装着部、10…印刷装置、13…交換用カバー、20…キャリッジ、22…吐出ヘッド、24…チューブ、30…駆動機構、32…タイミングベルト、34…駆動モーター、42…前壁、43…上壁、44…カバー底壁、44a…側面、44b…表面、44c…裏面、45…第1側壁、46…第2側壁、47…後壁、61…収容室、62…第2装置壁、89…コーナー部、401…液体収容体、402…アダプター、431…収容体底壁、432…筐体カバー、433…収容体底壁開口部、442…液体供給部、446…開口部、448…供給部位置決め部、450…液体収容部、470…液体吸収材、480…ハウジング、482…供給部流路、484…カートリッジ側弁機構、485…カートリッジ側弁座、485a…弁座挿入口、486…カートリッジ側弁体、487…カートリッジ側付勢部材、488…キャップ、490…リブ、490a…リブ側面、490b…リブ表面、490c…リブ裏面、495a…内周面、610…支持部材、613…主壁、642…液体導入部、644…装置側供給部位置決め部、674…挿抜開口部、682…導入部流路、698…回転支点、699…液体貯留部、AC…中心、BL…境界線、CA1,CA2…中心軸、CD2,CD3…接続方向、RA1…第1領域、RA2…第2領域、RL…基準線
Claims (5)
- 液体導入部を備える液体噴射装置に着脱可能に装着されるカートリッジであって、
前記液体導入部が挿入される開口部を有する筐体カバーと、
液体を収容する液体収容部と、
前記液体収容部と連通する液体供給部であって、中心軸を有し、前記筐体カバーに収容された液体供給部と、を備え、
前記開口部と前記液体供給部とは、前記中心軸に沿った中心軸方向において対向し、
前記開口部は、
開口を区画する側面と、
前記側面から内方側に突出する複数のリブであって、前記中心軸に沿った方向から視た平面視において、前記液体供給部の少なくとも一部と重なる位置に形成された複数のリブと、を有する、カートリッジ。 - 請求項1に記載のカートリッジであって、
前記筐体カバーは、外部に露出する表面を有するカバー底壁であって、前記側面が形成されたカバー底壁を有し、
前記複数のリブの各々は、外部に露出するリブ表面を有し、
前記リブ表面は、前記中心軸方向について、前記表面よりも前記液体収容部の近くに位置する、カートリッジ。 - 請求項2に記載のカートリッジであって、
前記カバー底壁は、前記表面と対向する裏面と、前記表面と前記裏面とを繋ぐ前記側面と、を有し、
前記カートリッジは、さらに、
前記裏面と接する液体吸収材を有し、
前記複数のリブの各々は、前記リブ表面と対向し、前記中心軸方向について前記リブ表面よりも前記液体収容部の近くに位置するリブ裏面と、前記リブ表面と前記リブ裏面とを繋ぐリブ側面と、を有し、
前記リブ側面と前記側面との境界線は、前記液体吸収材と接している、カートリッジ。 - 請求項1から3の何れか一項に記載のカートリッジであって、
前記カートリッジは、前記液体噴射装置が有する収容室に挿入方向に沿って挿入されることにより装着され、
前記平面視において、前記複数のリブは、前記側面のうち、前記挿入方向側の第1領域とは異なる第2領域に形成されている、カートリッジ。 - 請求項4に記載のカートリッジであって、
前記平面視において、前記開口部の中心から前記挿入方向に向かう線を基準線として、前記中心を回転中心として時計回りを正方向と規定した場合、前記第1領域は-45度以上+45度以下の範囲であり、前記第2領域は+90度以上+270度以下の範囲である、カートリッジ。
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