JP2023015994A - 金属微粉末の製造方法及び金属粉末 - Google Patents

金属微粉末の製造方法及び金属粉末 Download PDF

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Abstract

【課題】粗大粒子の個数が極めて少ない、体積基準の累積50%粒子径D50が0.1μm以上5.0μm以下の範囲内にある金属微粉末を高い生産性で製造できる、金属微粉末の製造方法を提供すること、また、気相中での分散性が高い金属粉末を提供すること。【解決手段】本発明の金属微粉末の製造方法は、体積基準の累積50%粒子径D50が0.1μm以上5.0μm以下の範囲内にある金属微粉末の製造方法であって、D50が0.1μm超10.0μm以下の範囲内にある金属粉末を乾式分級する分級工程を有し、前記金属粉末が、複数個の金属粒子を含むとともに、当該金属粒子の表面の少なくとも一部に、沸点が80℃以上300℃以下の範囲内にあるケトン、及び、沸点が130℃以上180℃以下の範囲内にありかつ分子量が80以上120以下の範囲内にあるアルコールよりなる群から選択される少なくとも1種からなる特定化合物を有する。【選択図】なし

Description

本発明は、金属粉末及び当該金属粉末を用いた金属微粉末の製造方法に関する。
従来から、電子部品の導電材料として、導電性金属粉末が用いられている。積層セラミックコンデンサにおいては、セラミック層、内部電極層ともに薄層化が急速に進んでいるため、金属粉末が内部電極用として用いられる場合、平均粒子径が小さいだけでなく、均一な厚みの電極層を形成するために粉末の粒度分布が狭く、かつ、誘電体層を挟んで隣り合う内部電極の両方に接触して電極を短絡させる原因となり得る粗大粒子を含まないことが求められている。
これまで、所望の粒度分布の粉末を製造する方法として、種々の製造方法で製造された粉末を分級する方法が用いられてきた。この分級方法としては、例えば、気相又は液相中で粒子の沈降速度の差を利用して、粉末を粒子径の違いにより分級する方法がある。気相中で行う分級は乾式分級、液相中で行う分級は湿式分級と呼ばれている。湿式分級は、分級精度が優れているものの、分散媒として液体を使用する必要があり、また、分級後に乾燥及び解砕を行う必要がある。したがって、乾式分級の方が圧倒的に低コストである。
しかしながら、従来、この乾式分級を行うと、粉末が分級機の内部各所に付着して粉末の供給口や配管内部等が閉塞するため、長時間運転することが困難であり、また、分級精度が低いため、収率が低いという問題があった。
このような問題を解決することを目的とする方法として、特許文献1には、粉体と、エタノール等の沸点が200℃未満のアルコール類からなる助剤とを混合し、助剤を気化させながら粉体を乾式分級する方法が開示されている。
また、特許文献2には、粉体と、エタノール等のアルコールを10~50質量%含むアルコール水溶液からなる助剤とを混合し、助剤を気化させながら粉体を乾式分級する方法が開示されている。
また、特許文献3には、ニッケルからなる粉体と、ジエチレングリコール等の引火点が80℃以上である有機溶媒からなる助剤とを混合し、助剤を気化させながら粉体を乾式分級する方法が開示されている。また、ニッケルからなる粉体と、水からなる助剤とを混合し、助剤を気化させながら粉体を乾式分級する方法が開示されている。
また、特許文献4には、粉体と、液体助剤であるジエチレングリコールモノメチルエーテルとを混合し、粉体を乾式分級する方法が開示されている。
国際公開第2010/047175号公報 国際公開第2010/057206号公報 国際公開第2010/106716号公報 国際公開第2012/124453号公報
しかしながら、本願発明者が検討を行ったところ、例えば、エタノール等の助剤を粉末に吸着させて乾式分級を行うことで、分級機を長時間運転できるようにはなるものの、得られた粉末には多数の粗大粒子が含まれており、この粗大粒子の数を減らすために何度も分級を繰り返さなければならないという問題を見出した。また、何度も分級を繰り返すことで粗大粒子を減らせる場合があるものの、時間とコストがかかるため生産性が低下し、さらには、得られる粉末の収率が著しく低下するという問題を見出した。
したがって、本発明の目的は、粗大粒子の個数が極めて少ない、体積基準の累積50%粒子径D50が0.1μm以上5.0μm以下の範囲内にある金属微粉末を高い生産性で製造できる、金属微粉末の製造方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、気相中での分散性が高い金属粉末を提供することにある。
このような目的は、下記(1)~(21)に記載の本発明により達成される。
(1) 体積基準の累積50%粒子径D50が0.1μm以上5.0μm以下の範囲内にある金属微粉末の製造方法であって、
50が0.1μm超10.0μm以下の範囲内にある金属粉末を乾式分級する分級工程を有し、
前記金属粉末が、複数個の金属粒子を含むとともに、当該金属粒子の表面の少なくとも一部に、沸点が80℃以上300℃以下の範囲内にあるケトン、及び、沸点が130℃以上180℃以下の範囲内にありかつ分子量が80以上120以下の範囲内にあるアルコールよりなる群から選択される少なくとも1種からなる特定化合物を有する、金属微粉末の製造方法。
(2) 前記分級工程の前に、気相中に分散した金属原料粉末に前記特定化合物を接触させることで前記金属粉末を得る接触工程を有する、上記(1)に記載の金属微粉末の製造方法。
(3) 気体状態の前記特定化合物を含む雰囲気中に前記金属原料粉末を分散させることで、気相中に分散した前記金属原料粉末に前記特定化合物を接触させる、上記(2)に記載の金属微粉末の製造方法。
(4) 前記金属原料粉末が分散した気相中に気体状態の前記特定化合物を供給することで、気相中に分散した前記金属原料粉末に前記特定化合物を接触させる、上記(2)に記載の金属微粉末の製造方法。
(5) 生成時に気相中において分散状態にある前記金属原料粉末が当該気相中に分散した状態で、当該気相中に気体状態の前記特定化合物を供給することで、気相中に分散した前記金属原料粉末に前記特定化合物を接触させる、上記(4)に記載の金属微粉末の製造方法。
(6) 前記接触工程と前記分級工程との間に、前記金属粉末を回収する回収工程を有する、上記(2)ないし(5)のいずれかに記載の金属微粉末の製造方法。
(7) 前記分級工程の前に、前記金属粉末を気相中に分散させる分散工程を有する、上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の金属微粉末の製造方法。
(8) 前記ケトンは、分子量が70以上200以下の範囲内、及び/又は、炭素数が4以上13以下の範囲内にある、上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の金属微粉末の製造方法。
(9) 前記ケトンがアセチルアセトン、メチルイソブチルケトン、ヘキサノン、ヘプタノン及びオクタノンよりなる群から選択される少なくとも1種である、上記(8)に記載の金属微粉末の製造方法。
(10) 前記アルコールは、炭素数が5以上7以下の範囲内にある、上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の金属微粉末の製造方法。
(11) 前記アルコールがペンタノール、ヘキサノール及びヘプタノールよりなる群から選択される少なくとも1種である、上記(10)に記載の金属微粉末の製造方法。
(12) 前記金属粉末が有する前記特定化合物の量が、前記金属粒子の表面積1mあたり60μg以上600μg以下の範囲内にある、上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の金属微粉末の製造方法。
(13) 前記金属粒子が、ニッケル、銀及びパラジウム、並びに、これらの金属から選ばれる少なくとも1種を含有する合金よりなる群から選択される少なくとも1種を含む、上記(1)ないし(12)のいずれかに記載の金属微粉末の製造方法。
(14) 前記分級工程を、60℃以上300℃以下の気相中で行う、上記(1)ないし(13)のいずれかに記載の金属微粉末の製造方法。
(15) 複数個の金属粒子を含むとともに、体積基準の累積50%粒子径D50が0.1μm超10.0μm以下の範囲内にある金属粉末であって、
前記金属粒子の表面の少なくとも一部に、沸点が80℃以上300℃以下の範囲内にあるケトン、及び、沸点が130℃以上180℃以下の範囲内にありかつ分子量が80以上120以下の範囲内にあるアルコールよりなる群から選択される少なくとも1種からなる特定化合物を有する、金属粉末。
(16) 前記ケトンは、分子量が70以上200以下の範囲内、及び/又は、炭素数が4以上13以下の範囲内にある、上記(15)に記載の金属粉末。
(17) 前記ケトンがアセチルアセトン、メチルイソブチルケトン、ヘキサノン、ヘプタノン及びオクタノンよりなる群から選択される少なくとも1種である、上記(16)に記載の金属粉末。
(18) 前記アルコールは、炭素数が5以上7以下の範囲内にある、上記(15)ないし(17)のいずれかに記載の金属粉末。
(19) 前記アルコールがペンタノール、ヘキサノール及びヘプタノールよりなる群から選択される少なくとも1種である、上記(18)に記載の金属粉末。
(20) 前記特定化合物の量が、前記金属粒子の表面積1mあたり60μg以上600μg以下の範囲内にある、上記(15)ないし(19)のいずれかに記載の金属粉末。
(21) 前記金属粒子が、ニッケル、銀及びパラジウム、並びに、これらの金属から選ばれる少なくとも1種を含有する合金よりなる群から選択される少なくとも1種を含む、上記(15)ないし(20)のいずれかに記載の金属粉末。
本発明によれば、粗大粒子の個数が極めて少ない、体積基準の累積50%粒子径D50が0.1μm以上5.0μm以下の範囲内にある金属微粉末を高い生産性で製造できる、金属微粉末の製造方法を提供すること、また、気相中での分散性が高い金属粉末を提供することができる。
本発明の金属微粉末の製造方法で用いられる分級機の一構成例を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
[1]金属粉末
まず、本発明の金属粉末について説明する。
本発明の金属粉末は、複数個の金属粒子を含むとともに、体積基準の累積50%粒子径D50が0.1μm超10.0μm以下の範囲内にある金属粉末であって、前記金属粒子の表面の少なくとも一部に、沸点が80℃以上300℃以下の範囲内にあるケトン、及び、沸点が130℃以上180℃以下の範囲内にありかつ分子量が80以上120以下の範囲内にあるアルコールよりなる群から選択される少なくとも1種からなる特定化合物を有するものである。言い換えると、本発明の金属粉末は、母粒子としての金属粒子の表面に、沸点が80℃以上300℃以下の範囲内にあるケトン、及び、沸点が130℃以上180℃以下の範囲内にありかつ分子量が80以上120以下の範囲内にあるアルコールよりなる群から選択される少なくとも1種からなる特定化合物が吸着した特定化合物吸着金属粒子を含むものである。
これにより、気相中での分散性が高い金属粉末を提供することができる。すなわち、上記の条件を満たす特定化合物を含むことで、金属粉末の凝集を好適に抑制でき、気相中での金属粉末の分散性を優れたものとすることができ、また、金属粉末の構成粒子の平均粒径が前記範囲内にあることで、金属粉末の凝集を好適に抑制でき、気相中での金属粉末の分散性を優れたものとすることができる。また、このような金属粉末は、気相中での分散性が優れていることにより、乾式分級により、好適に粗大粒子を除去することができ、また、例えば、乾式分級により、優れた収率で、粒度分布がシャープな金属微粉末を好適に得ることができる。また、このような金属粉末や、乾式分級を経て得られた金属微粉末は、有機溶媒等と混合しペーストの形成に用いた場合に当該ペースト中での分散性が優れており、当該ペーストを用いて形成される塗膜の平滑性を優れたものにすることができる。また、乾式分級を経て得られた金属微粉末にも前記特定化合物が吸着しており気相中での分散性が優れているため、さらに分級を行う場合であっても好適に乾式分級を行うことができる。また、本発明の金属粉末の製造時においては、原料としての特定化合物を好適に液体状態で取り扱うことができ、ハンドリング性が向上するとともに、特定化合物を気体状態で金属粒子に接触させる場合に、金属粒子に対して特定化合物をより好適な状態で吸着させることができる。
上記のように、特定化合物が吸着することで、金属粉末の分散性が高まる理由は定かではないが、発明者等は以下のように推測している。
特定化合物が前述したケトンを含む場合には、金属粒子表面の水酸基等の官能基が存在する部分において、当該官能基とケトンのカルボニル基とが相互作用することで、ケトンが金属粒子の表面に吸着し、ケトンの炭化水素部分が金属粒子の表面に位置するようになり、その結果、金属粉末の表面に存在する水酸基等の極性基に起因する金属粉末の凝集が抑えられるため、金属粉末の分散性が向上すると発明者等は推測している。また、金属粒子表面の金属が露出している部分において、ケトンのカルボニル基が金属粉末表面の金属原子に配位結合を形成することでケトンが金属粒子表面に吸着し、その結果、金属粒子表面における水酸基等の極性基の生成を抑制でき、それにより金属粉末の表面に存在する水酸基等の極性基に起因する凝集が抑えられるため、金属粉末の分散性が向上すると発明者等は推測している。
また、特定化合物が前述したアルコールを含む場合には、金属粒子表面の金属が露出している部分において、アルコールの水酸基が金属に作用することでアルコールが金属粒子表面に吸着し、金属粉末の凝集が抑えられるため、金属粉末の分散性が向上すると発明者等は推測している。
なお、本明細書において、体積基準の累積50%粒子径(D50)とは、特に断りのない限り、分散媒に分散させた粉末を、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した粒度分布の体積基準の積算分率50%値を指し、例えば、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置LA-960(HORIBA社製)を用いた測定により求めることができる。前記分散媒としては、粉末を分散できるものであれば特に限定されず、例えば、水、0.2%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液、エタノール等を適宜用いることができ、適宜分散剤を組合せて用いることができる。
また、本明細書において、「沸点」とは、特に断りのない限り、1気圧下での沸点、すなわち、標準沸点のことを指す。
金属粉末は、少なくとも1種の特定化合物を含んでいればよく、特定化合物に加えてさらに特定化合物以外のケトンやアルコールを含んでいてもよいが、金属粉末中に含まれる全ケトン及び全アルコールのうち、最も含有率の高いものが上記の条件を満たす特定化合物であるのが好ましく、金属粉末中に含まれる全ての種類のケトン及びアルコールが上記の条件を満たしている特定化合物であるのがより好ましい。また、金属粉末中に含まれる全ケトン及び全アルコールのうち、上記の条件を満たす特定化合物が50質量%以上であるのが好ましく、60質量%以上であるのがより好ましく、70質量%以上であるのがより好ましく、80質量%以上であるのがより好ましく、90質量%以上であるのがより好ましく、95質量%以上であるのがより好ましく、99質量%以上であるのがより好ましく、100質量%であるのが特に好ましい。
また、本明細書において、粗大粒子とは、対象となる粉末、例えば、上記のような分級による得られる粉末の体積基準の累積50%粒子径(D50)に対して、十分に大きい粒子径の粒子のことを指し、例えば、粒子径が、対象となる粉末のD50の1.5倍以上の粒子とすることができ、また、例えば、対象となる粉末のD50の2.0倍以上の粒子とすることができ、また、例えば、対象となる粉末のD50の2.5倍以上の粒子とすることができる。
上記のように、本発明の金属粉末の構成粒子の体積基準の累積50%粒子径D50は、0.1μm超10.0μm以下であればよいが、0.2μm超5.0μm以下であるのが好ましく、0.3μm以上2.0μm以下であるのがより好ましく、0.3μm以上1.0μm以下であるのがさらに好ましい。これにより、前述した効果がより顕著に発揮される。
[1-1]金属粒子(母粒子)
母粒子としての金属粒子は、本発明の金属粉末の主成分をなすものであり、主として金属で構成されたものである。
金属粒子中における金属以外の成分の含有率は、10質量%以下であるのが好ましく、1.0質量%以下であるのがより好ましく、0.5質量%以下であるのがさらに好ましく、0.1質量%以下であるのが特に好ましい。
金属粒子を構成する金属としては、例えば、銀、金、白金、銅、パラジウム、ニッケル、タングステン、亜鉛、錫、鉄、コバルトや、これらのうちから選択される1種以上を含む合金等が挙げられる。中でも、金属粒子(母粒子)は、ニッケル、銀及びパラジウム、並びに、これらの金属から選ばれる少なくとも1種を含有する合金よりなる群から選択される少なくとも1種を含むものであるのが好ましい。これにより、上記の条件を満たす特定化合物がより好適に作用し、金属粉末の気相中での分散性、本発明の金属粉末を乾式分級して得られる金属微粉末のペースト中での分散性をさらに向上させることができる。また、本発明の金属粉末を金属微粉末の製造に用いる場合に、分級工程での分級精度がさらに向上し、粗大粒子の個数がさらに少ない金属微粉末をさらに高い生産性で製造することができる。
金属粒子の形状は、特に限定されないが、例えば、球状、フレーク状、粒状等、種々の形状が挙げられ、これらから選択される1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、本明細書における球状粒子は、長径/短径の比率が2以下であり、フレーク状粒子は、長径/短径の比率が2超である。
金属粒子の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、電解法、アトマイズ法、機械的粉砕法、湿式還元法、噴霧熱分解法、化学気相析出法、物理気相析出法等が挙げられる。
[1-2]特定化合物
本発明の金属粉末は、前述した金属粒子に加えて、沸点が80℃以上300℃以下の範囲内にあるケトン、及び、沸点が130℃以上180℃以下の範囲内にありかつ分子量が80以上120以下の範囲内にあるアルコールよりなる群から選択される少なくとも1種からなる特定化合物を含んでいる。以下、上記の条件を満たすケトンを「特定ケトン」、上記の条件を満たすアルコールを「特定アルコール」ともいう。
本発明の金属粉末は、特定化合物として、特定ケトン及び特定アルコールよりなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含んでいればよいが、少なくとも、特定ケトンを含んでいるのが好ましく、特定化合物として特定ケトンのみを含んでいるのがより好ましい。
本発明の金属粉末中に含まれる特定化合物の大部分は、母粒子としての金属粒子の表面に吸着している。言い換えると、本発明の金属粉末中に含まれる特定化合物の大部分は、特定化合物吸着金属粒子の構成成分として含まれている。
特定化合物の金属粒子に対する吸着の形式としては、物理吸着と化学吸着のいずれも有り得る。
本発明において、特定ケトンの沸点は、80℃以上300℃以下であればよいが、90℃以上250℃以下であるのが好ましく、100℃以上200℃以下であるのがより好ましく、110℃以上180℃以下であるのがさらに好ましく、115℃以上155℃以下であるのが特に好ましく、115℃以上145℃以下であるのが最も好ましい。これにより、前述した効果がより顕著に発揮される。
特定ケトンは、例えば、脂肪族ケトンでもよいし、芳香族ケトンでもよい。また、特定ケトンは、カルボニル基に加えて、例えば、水酸基等のカルボニル基以外の官能基を有するものであってもよい。特定ケトンが分子内に有するカルボニル基の数は特に限定されないが、1個又は2個有することが好ましい。これにより、本発明の金属粉末の気相中での分散性、本発明の金属粉末を乾式分級して得られる金属微粉末のペースト中での分散性をより優れたものとすることができる。
特定ケトンの分子量は、70以上200以下であるのが好ましく、80以上140以下であるのがより好ましく、90以上120以下であるのがさらに好ましく、100以上110以下であるのが特に好ましい。これにより、本発明の金属粉末の気相中での分散性、本発明の金属粉末を乾式分級して得られる金属微粉末のペースト中での分散性をより優れたものとすることができる。また、本発明の金属粉末を金属微粉末の製造に用いる場合に、分級工程での分級精度がさらに向上し、粗大粒子の個数がさらに少ない金属微粉末をさらに高い生産性で製造することができる。
特定ケトンの炭素数は、4以上13以下であるのが好ましく、5以上10以下であるのがより好ましく、5以上8以下であるのがさらに好ましく、5以上7以下であるのが特に好ましく、5以上6以下であるのが最も好ましい。これにより、本発明の金属粉末の気相中での分散性、本発明の金属粉末を乾式分級して得られる金属微粉末のペースト中での分散性をより優れたものとすることができる。また、本発明の金属粉末を金属微粉末の製造に用いる場合に、分級工程での分級精度がさらに向上し、粗大粒子の個数がさらに少ない金属微粉末をさらに高い生産性で製造することができる。
特定ケトンとしては、沸点が80℃以上300℃以下であり、カルボニル基を有する化合物であれば、特に限定されないが、例えば、アセチルアセトン;2,4-ヘキサンジオン、2,5-ヘキサンジオン等のヘキサンジオン;メチルイソブチルケトン;ジエチルケトン;ジイソブチルケトン;2-ペンタノン、3-ペンタノン等のペンタノン;2-ヘキサノン、3-ヘキサノン等のヘキサノン;2-ヘプタノン、3-ヘプタノン、4-ヘプタノン等のヘプタノン;2-オクタノン、3-オクタノン、4-オクタノン等のオクタノン;2-ノナノン、3-ノナノン等のノナノン;2-デカノン、3-デカノン等のデカノン;2-ウンデカノン等のウンデカノン;2-ドデカノン等のドデカノン;2-ペンタデカノン等のペンタデカノン;アセトフェノン;シクロヘキサノン;ダイアセトンアルコール等が挙げられ、これらから選択される1種又は2種以上を組み合わせて用いることができるが、アセチルアセトン、メチルイソブチルケトン、ヘキサノン、ヘプタノン及びオクタノンよりなる群から選択される少なくとも1種であるのが好ましく、アセチルアセトン、メチルイソブチルケトン及びヘキサノンよりなる群から選択される少なくとも1種であるのがより好ましい。これにより、本発明の金属粉末の気相中での分散性、本発明の金属粉末を乾式分級して得られる金属微粉末のペースト中での分散性をより優れたものとすることができる。また、本発明の金属粉末を金属微粉末の製造に用いる場合に、分級工程での分級精度がさらに向上し、粗大粒子の個数がさらに少ない金属微粉末をさらに高い生産性で製造することができる。
本発明において、特定アルコールの沸点は、130℃以上180℃以下であればよいが、140℃以上170℃以下であるのが好ましく、150℃以上160℃以下であるのが特に好ましい。これにより、前述した効果がより顕著に発揮される。
また、本発明において、特定アルコールの分子量は、80以上120以下であればよいが、90以上110以下であるのが特に好ましい。これにより、前述した効果がより顕著に発揮される。
特定アルコールは、例えば、脂肪族アルコールでもよいし、芳香族アルコールでもよい。また、特定アルコールは、水酸基に加えて、例えば、カルボニル基等の水酸基以外の官能基を有するものであってもよい。
また、特定アルコールが分子内に有する水酸基の数は特に限定されないが、1個又は2個有することが好ましい。これにより、本発明の金属粉末の気相中での分散性、本発明の金属粉末を乾式分級して得られる金属微粉末のペースト中での分散性をより優れたものとすることができる。
特定アルコールの炭素数は、5以上7以下であるのが好ましく、6であるのが特に好ましい。これにより、本発明の金属粉末の気相中での分散性、本発明の金属粉末を乾式分級して得られる金属微粉末のペースト中での分散性をより優れたものとすることができる。また、本発明の金属粉末を金属微粉末の製造に用いる場合に、分級工程での分級精度がさらに向上し、粗大粒子の個数がさらに少ない金属微粉末をさらに高い生産性で製造することができる。
特定アルコールとしては、沸点が130℃以上180℃以下であり、かつ、分子量が80以上120以下であれば、特に限定されないが、例えば、1-ペンタノール、2-ペンタノール等のペンタノール;1-ヘキサノール、2-ヘキサノール等のヘキサノール;1-ヘプタノール、2-ヘプタノール等のヘプタノール等が挙げられ、これらから選択される1種又は2種以上を組み合わせて用いることができるが、ペンタノール、ヘキサノール及びヘプタノールよりなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、ヘキサノールであることがより好ましい。これにより、本発明の金属粉末の気相中での分散性、本発明の金属粉末を乾式分級して得られる金属微粉末のペースト中での分散性をより優れたものとすることができる。また、本発明の金属粉末を金属微粉末の製造に用いる場合に、分級工程での分級精度がさらに向上し、粗大粒子の個数がさらに少ない金属微粉末をさらに高い生産性で製造することができる。
本発明の金属粉末中における特定化合物の量は、特に限定されないが、金属粒子(母粒子)の表面積1mあたりの特定化合物の含有量が、60μg以上600μg以下であるのが好ましく、80μg以上500μg以下であるのがより好ましく、100μg以上400μg以下であるのがさらに好ましい。これにより、本発明の金属粉末の気相中での分散性、本発明の金属粉末を乾式分級して得られる金属微粉末のペースト中での分散性をより優れたものとすることができる。また、本発明の金属粉末を金属微粉末の製造に用いる場合に、分級工程での分級精度がさらに向上し、粗大粒子の個数がさらに少ない金属微粉末をさらに高い生産性で製造することができる。なお、金属粒子(母粒子)の表面積1mあたりの特定化合物の含有量は、CS(炭素・硫黄)分析装置(例えば、HORIBA社製、EMIA-320V等)を用いた測定により求めることができる。
[1-3]金属粉末の用途
本発明の金属粉末の用途は、特に限定されないが、導電性粉末として用いることができる。特に、本発明の金属粉末を有機溶媒等と混合して得られたペーストを用いて形成される塗膜の平滑性を優れたものにすることができるため、導電性ペースト用として好適に用いることができる。また、特に、本発明の金属粉末は、後述するような本発明の金属微粉末の製造方法に供された後に、導電性粉末として用いられるものであるのが好ましく、導電性ペースト用の導電性粉末として用いることがより好ましい。また、本発明の金属粉末は流動性が高く、ハンドリング性に優れるため、種々の用途に供する場合において容易に取り扱うことができる。
これにより、後に詳述するように、平均粒子径が小さく、粒度分布が狭く、かつ、粗大粒子をほとんど含まない金属微粉末を好適に得ることができる。また、このような金属微粉末は、分級前の本発明の金属粉末に比べて粒度分布が狭いため平滑性がより優れた塗膜を形成でき、前記金属微粉末が内部電極に用いられた場合にはより均一な厚みの電極層を形成することができる。また、粗大粒子をほとんど含まないため、導電性粉末粒子が内部電極の双方に接触して短絡することが好適に防止される。したがって、このような特に高い信頼性が求められる用途であっても、十分に満足のいく効果が得られる。したがって、前記金属微粉末が、積層セラミックコンデンサや積層セラミックインダクタ、積層圧電アクチュエータといった積層セラミック電子部品の内部導体(内部電極)や端子電極の形成に用いられるものである場合に、上記のような効果がより顕著に発揮される。
導電性粉末(特に、本発明の金属粉末を乾式分級して得られる金属微粉末)は、例えば、ガラスフリット及び有機ビヒクルと混合することにより導電性ペーストとして、電子部品の導電性を有する部位の形成に用いられてもよい。
[2]金属粉末の製造方法
次に、上述した金属粉末の製造方法について説明する。
上述した本発明の金属粉末は、例えば、液体状態の特定化合物を金属粒子の集合体である金属原料粉末に接触させることにより製造してもよいが、噴霧等により霧状となった液体状態の特定化合物を金属原料粉末に接触させることにより製造することが好ましく、気体状態の特定化合物を金属原料粉末に接触させることにより製造することがさらに好ましい。
また、本発明の金属粉末は、静置した状態の金属原料粉末に前述の通り特定化合物を接触させることにより製造しても良いが、気相中に分散した金属原料粉末に特定化合物を接触させることにより製造することが好ましく、気相中に分散した金属原料粉末に気体状態の特定化合物を接触させることにより製造することが特に好ましい。これにより、金属粉末の気相中での分散性をより優れたものとすることができる。特に、気相中に分散した金属原料粉末に気体状態の特定化合物を接触させる場合、静置した状態の金属原料粉末に液体状態や気体状態の特定化合物を接触させる場合と比べて、特定化合物の濃度が低く、かつ、圧倒的に短い時間で金属粉末の表面に特定化合物を吸着させることができるため、特定化合物の消費量や時間短縮の点で好ましい。
上記のような気相中に分散した金属原料粉末に気体状態の特定化合物を接触させる工程を有する方法としては、例えば、気体状態の特定化合物を含む雰囲気中に、複数個の金属粒子の集合体である金属原料粉末を分散させる方法を採用することができる。
また、上記のような気相中に分散した金属原料粉末に気体状態の特定化合物を接触させる工程を有する方法としては、例えば、複数個の金属粒子の集合体である金属原料粉末が分散した気相中に気体状態の特定化合物を供給する方法を採用してもよい。
また、上記のような気相中に分散した金属原料粉末に気体状態の特定化合物を接触させる工程を有する方法としては、例えば、生成時に気相中において分散状態にある前記金属原料粉末が当該気相中に分散した状態で、当該気相中に気体状態の特定化合物を供給する方法を採用してもよい。
このように、生成時に気相中において分散状態にある金属原料粉末を回収する前に気体状態の特定化合物を供給することで、分散状態がより良好な金属原料粉末に気体状態の特定化合物を接触させることができるため、より均一に特定化合物を吸着させることができる。
生成時に気相中において分散状態にある前記金属原料粉末を生成させる方法としては、例えば、化学気相析出法、物理気相析出法等の気相法や、アトマイズ法、噴霧熱分解法等が挙げられる。特に、気相法や噴霧熱分解法を用いて前記金属原料粉末を生成することにより、前記金属原料粉末の粒子径が好適な条件となるように、より容易に調整することができる。
[3]金属微粉末の製造方法
次に、本発明の金属微粉末の製造方法について説明する。
本発明の金属微粉末の製造方法は、体積基準の累積50%粒子径D50が0.1μm以上5.0μm以下の範囲内にある金属微粉末の製造方法であって、D50が0.1μm超10.0μm以下の範囲内にある金属粉末を乾式分級する分級工程を有し、前記金属粉末が、複数個の金属粒子を含むとともに、当該金属粒子の表面の少なくとも一部に、沸点が80℃以上300℃以下の範囲内にあるケトン、及び、沸点が130℃以上180℃以下の範囲内にありかつ分子量が80以上120以下の範囲内にあるアルコールよりなる群から選択される少なくとも1種からなる特定化合物を有する。言い換えると、本発明の金属微粉末の製造方法は、前述した本発明の金属粉末を乾式分級する分級工程を有し、体積基準の累積50%粒子径D50が0.1μm以上5.0μm以下の範囲内にある金属微粉末を得る方法である。
これにより、粗大粒子の個数が極めて少ない、体積基準の累積50%粒子径D50が0.1μm以上5.0μm以下の範囲内にある金属微粉末を高い生産性で製造できる、金属微粉末の製造方法を提供することができる。すなわち、上記の条件を満たす特定化合物を含むことで、金属粉末の凝集を好適に抑制でき、気相中での金属粉末の分散性を優れたものとすることができ、また、金属粉末の構成粒子の平均粒径が前記範囲内にあることで、金属粉末の凝集を好適に抑制でき、気相中での金属粉末の分散性を優れたものとすることができる。また、本発明の金属微粉末の製造方法により得られる金属微粉末は、粒度分布がシャープであり、有機溶媒等と混合して得られたペーストを用いて形成される塗膜の平滑性を優れたものにすることができる。また、得られた金属微粉末にも特定化合物が吸着しており気相中での分散性が優れているため、さらに分級を行う場合であっても好適に乾式分級を行うことができる。
本発明の金属微粉末の製造方法において、金属粉末としては、上記[1]で説明したのと同様の条件を満たすものを好適に用いることができる。
本発明の金属微粉末の製造方法では、分級工程の前に、気相中に分散した金属原料粉末に特定化合物を接触させることで金属粉末を得る接触工程をさらに有しているのが好ましい。
これにより、金属原料粉末の表面、すなわち、母粒子としての金属粒子の表面に、より均一に特定化合物を吸着させることができ、得られる金属粉末の気相中での分散性をより優れたものとすることができる。その結果、分級工程での分級精度がさらに向上し、粗大粒子の個数がさらに少ない金属微粉末をさらに高い生産性で製造することができる。
以下、本発明の金属微粉末の製造方法について、接触工程と分級工程とを有する形態について中心的に説明する。
[3-1]接触工程
接触工程は、気相中に分散した金属原料粉末に特定化合物を接触させることで金属粉末を得る工程であればよいが、例えば、気体状態の特定化合物を含む雰囲気中に金属原料粉末を分散させることで、気相中に分散した金属原料粉末に特定化合物を接触させることにより行うことができる。これにより、金属原料粉末の各部位での特定化合物の吸着量のばらつきをより効果的に抑制することができ、得られる金属粉末の気相中での分散性をより優れたものとすることができる。その結果、分級工程での分級精度がさらに向上し、粗大粒子の個数がさらに少ない金属微粉末をさらに高い生産性で製造することができる。また、雰囲気中の特定化合物濃度を制御することで金属粉末中の特定化合物の吸着量を容易に制御できるため、前述の金属微粉末がより簡便に得られる。
また、接触工程は、金属原料粉末が分散した気相中に気体状態の特定化合物を供給することで、気相中に分散した金属原料粉末に特定化合物を接触させることにより行うことができる。これにより、金属原料粉末の各部位での特定化合物の吸着量のばらつきをより効果的に抑制することができ、得られる金属粉末の気相中での分散性をより優れたものとすることができる。その結果、分級工程での分級精度がさらに向上し、粗大粒子の個数がさらに少ない金属微粉末をさらに高い生産性で製造することができる。また、特定化合物の供給量を制御することで金属粉末中の特定化合物の吸着量を容易に制御できるため、前述の金属微粉末がより簡便に得られる。
上記のように、金属原料粉末が分散した気相中に気体状態の特定化合物を供給することで、気相中に分散した金属原料粉末に特定化合物を接触させることにより、接触工程を行う場合、生成時に気相中において分散状態にある金属原料粉末が当該気相中に分散した状態で、当該気相中に気体状態の特定化合物を供給することで、気相中に分散した金属原料粉末に特定化合物を接触させることが好ましい。これにより、金属原料粉末の各部位での特定化合物の吸着量のばらつきをより効果的に抑制することができ、得られる金属粉末の気相中での分散性をさらに優れたものとすることができる。その結果、分級工程での分級精度がさらに向上し、粗大粒子の個数がさらに少ない金属微粉末をさらに高い生産性で製造することができる。
また、金属原料粉末は、気相中で生成し、気相中での分散状態を保ったまま、金属原料粉末に特定化合物を接触させることにより、金属原料粉末の生成後に回収しその後気相中に分散させる場合に比べて、金属微粉末の生産性をより優れたものとすることができる。
本発明の金属微粉末の製造方法において、金属原料粉末としては、例えば、上記[1-1]で説明したのと同様の条件を満たすものを好適に用いることができる。
また、本発明の金属微粉末の製造方法において、特定化合物としては、例えば、上記[1-2]で説明したのと同様の条件を満たすものを好適に用いることができる。
[3-2]回収工程
本発明の金属微粉末の製造方法では、前述した接触工程と後述する分級工程との間に、金属粉末を回収する回収工程を有していていもよい。これにより、例えば、製造された金属粉末を好適に保管することができ、例えば、要求される仕様に応じて、後の分級工程の条件を好適に調整することができる。なお、本発明においては、本工程を省略してもよい。
[3-3]分散工程
本発明の金属微粉末の製造方法では、分級工程の前に、金属粉末を気相中に分散させる分散工程を有していていもよい。これにより、例えば、前述した回収工程を行う場合や、前述した接触工程を行わずに予め特定化合物を吸着させた金属粉末(例えば、溶媒中に分散した金属原料粉末に特定化合物を接触させることにより得られた金属粉末等)を用意する場合でも、本発明の金属微粉末の製造方法を好適に実施することができる。また、例えば、前述した接触工程を行って気相中に分散した金属粉末を得た後、前述した回収工程を行わない場合であっても、分級工程の前に分散工程を行うことで、金属粉末をより良好に気相中に分散させることができ、本発明の金属微粉末の製造方法を好適に実施することができる。
[3-4]分級工程
分級工程では、D50が0.1μm超10.0μm以下の範囲内にある金属粉末を乾式分級する。
表面に特定化合物が吸着している金属粉末は、気相中で好適に分散されるので、分級工程における分級精度が向上する。このため、最終的に得られる金属微粉末に含まれる粗大粒子の個数を極めて少なくすることができる。また、分級精度が向上することで、分級回数を少なくすることができるため、生産性が向上する。また、金属粉末の流動性が高まることで、金属粉末の分級機内への付着が減少し、収率が向上する。また、分級機内への付着が減少することで、分級機の粉末の供給口や配管内部等が閉塞しにくくなるため、分級機の運転時間が長くなり、生産性が向上する。これにより、粗大粒子の個数が極めて少ない金属微粉末を、高い生産性で製造できる。
分級工程を行う気相温度は、特に限定されないが、60℃以上300℃以下であるのが好ましく、60℃以上150℃以下であるのがより好ましく、80℃以上120℃以下であるのがさらに好ましい。これにより、熱による粒子の変形や粒子の構成材料の変質等の問題をより効果的に防止しつつ、気流の速度が上がることで遠心力が高まり、また、水蒸気の粒子への付着を防ぎ、分級精度をさらに高めることができる。また、生産性をさらに向上させることができる。また、金属微粉末中の粗大粒子の個数を特に少なくすることができる。
図1は、本発明の金属微粉末の製造方法で用いられる分級機の一構成例を示す図である。なお、以下の説明では、図1における上側を「上」とし、下側を「下」として説明する。
分級機1は、粉末に作用する遠心力を利用して分級を行う気流式分級機であり、分級室10を形成するケーシング3を備える。分級室(分級ゾーン)10よりも上流側には、分級に先立って金属粉末を分散する分散ゾーン11が設けられている。分級室10は、分散された金属粉末を分級する領域である。また、分級機1は、分散ゾーン11内に金属粉末を導入する導入口4と、分散ゾーン11内に高圧エアー(一次エアー)を噴射するエアノズル5と、分級室10内に二次エアーを流入させて分級室10内に旋回気流を形成するガイドベーン6と、分級室10の上部中央に開口する微粉排出口7と、分級室10の下部外周に沿って開口する粗粉排出口8とを有している。
次に、このような分級機1を用いて、金属粉末を分散・分級する方法について説明する。
金属粉末は、導入口4から分散ゾーン11に導入される。分散ゾーン11に噴射された一次エアーにより、金属粉末は、分散力を与えられ、分散される。そして、金属粉末は、分散された状態で分級室10へ導入される。分級室10では、ガイドベーン6から分級室10内に二次エアーを流入させることによって、気流が、分級室10で旋回し、分級室10の上部中央より排気される。この気流の旋回により作用する外向きの遠心力と中心向きに移動する気体の流れとによって、固気混合流体中の金属粉末を粗粉と微粉に分離する。すなわち、粗粉は、気流の旋回による外向きの遠心力により分級室10内を径方向外側に移動して、分級室10の下部外周の粗粉排出口8から回収される。一方、微粉は、中心向きに移動する気体の流れにより分級室10内を径方向内側に移動して、分級室10の上部中央の微粉排出口7から回収される。微粉排出口7には、図示しない吸引ポンプが接続されており、微粉は、分級室10内のエアー(排気)とともに、排出、回収される。
なお、上述した説明では、旋回気流による遠心力を利用して分級を行う気流式分級機を例に挙げて説明したが、分級機の分級方式については、特に限定されない。例えば、ローターの回転による遠心力を利用して分級を行う方式や、重力を利用して分級を行う方式、慣性力を利用して分級を行う方式であってもよい。
分級工程を行う際の吸引風量、すなわち、例えば、図1に示す分級機1において、微粉排出口7に接続された吸引ポンプによる吸引風量は、特に限定されないが、5.0m/分以上30m/分以下であるのが好ましく、6.0m/分以上20m/分以下であるのがより好ましく、7.0m/分以上9.0m/分以下であるのがさらに好ましい。これにより、金属粉末の分級をより効率よく行うことができる。
乾式分級を行う吸引圧力、すなわち、例えば、図1に示す分級機1において、微粉排出口7に接続された吸引ポンプによる吸引圧力は、特に限定されないが、-60kPa以上-5kPa以下であるのが好ましく、-50kPa以上-10kPa以下であるのがより好ましく、-40kPa以上-15kPa以下であるのがさらに好ましい。これにより、金属粉末の分級をより好適に行うことができる。
金属粉末を乾式分級することにより、金属粉末は、微粉と粗粉とに分級される。金属粉末は、例えば、体積基準の累積50%粒子径D50が0.1μm以上5.0μm以下の範囲内にある微粉と、微粉よりもD50が大きい粗粉とに分級される。このうち、微粉を、本発明で製造される金属微粉末として回収する。
以上のようにして、体積基準の累積50%粒子径D50が0.1μm以上5.0μm以下の範囲内にある金属微粉末が製造される。
このようにして製造された金属微粉末は、粗大粒子の個数が極めて少ない。また、金属微粉末には、特定化合物が吸着していることにより、二次的な凝集も好適に防止される。
さらに、上述したような方法によれば、分級精度が高まるため分級回数を少なくすることができる。また、金属粉末の分級機内への付着が減少する。これにより収率が向上する。また、分級機内への付着が減少することで、分級機の粉末の供給口や配管内部等が閉塞しにくくなるため、分級機の運転時間が長くなり、生産性が向上する。
なお、分級工程は、1回のみ行ってもよいが、複数回繰り返してもよい。これにより、分級精度をさらに高めることができる。
分級工程における金属微粉末の収率は、特に限定されないが、70%以上であるのが好ましく、72%以上であるのがより好ましく、74%以上であるのがより好ましく、76%以上であるのがより好ましく、78%以上であるのがより好ましく、80%以上であるのがさらに好ましい。これにより、本発明の効果がさらに顕著なものとなる。
なお、本明細書において、分級工程における金属微粉末の収率は、分級前の粉末重量、すなわち、金属粉末の重量、及び、1回又は複数回の分級後の粉末重量、すなわち、金属微粉末の重量から、下記式:
収率(%)=(1回又は複数回の分級後の粉末重量/分級前の粉末重量)×100
によって求められた値である。
上述した本発明の方法により製造された金属微粉末は、体積基準の累積50%粒子径D50が0.1μm以上5.0μm以下の範囲内であればよいが、金属微粉末のD50は、0.2μm以上2.0μm以下であるのが好ましく、0.2μm以上1.5μm以下であるのがより好ましく、0.2μm以上0.8μm以下であるのがさらに好ましい。これにより、より理想的な粒度分布を有する金属微粉末を得ることができる。また、従来においては、D50がこのような範囲内の値である場合に、粗大粒子が問題になりやすく、また、粗大粒子による悪影響が特に生じやすかった。これに対し、本発明では、D50がこのような範囲内の値である場合であっても、上記のような問題の発生をより効果的に防止することができる。すなわち、金属微粉末のD50が前記範囲内の値である場合に、本発明による効果がより顕著に発揮される。
上述した本発明の方法により製造された金属微粉末は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した粒度分布の体積基準の積算分率10%値をD10[μm]とし、積算分率50%値をD50[μm]とし、積算分率90%値をD90[μm]としたときの(D90-D10)/D50の値が、0.30以上1.0以下であるのが好ましく、0.35以上0.90以下であるのがより好ましく、0.40以上0.80以下であるのがさらに好ましい。これにより、金属微粉末は、粒度がより均一なものとなり、各種用途において好適に用いられる。なお、(D90-D10)/D50は、粒度分布の均一性を表す指標であり、(D90-D10)/D50の値が小さいほど、粒度分布が狭いこと、すなわち、粒度がより均一なものであることを示す。
また、本発明の金属微粉末の製造方法では、以下のような測定で求められる粗大粒子の個数が、20個以下であるのが好ましく、15個以下であるのがより好ましく、5個以下であるのがさらに好ましい。これにより、金属微粉末中に粗大粒子が含まれることによる種々の問題の発生をより効果的に防止することができる。
上記の粗大粒子の個数の測定は、例えば、以下のようにして行うことができる。まず、金属微粉末1.0gを20mLのエタノールと混合した後に、超音波洗浄機(例えば、本田電子株式会社製、W-113)を用いて1分間処理し、分散液を調製する。このようにして調製した分散液から30μL秤取し、アルミ製試料台に滴下し、乾燥させて分散媒を除去することで測定用試料を作製する。この測定用試料について、走査型電子顕微鏡(例えば、日立ハイテクノロジーズ社製、SU-1510)を用いて、10000倍の倍率で50視野の観察を行う。金属微粉末の体積基準の累積50%粒子径D50の1.5倍以上の粒径を有する粒子の総数を求め、この数を粗大粒子の個数とする。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されない。例えば、本発明の金属微粉末の製造方法に適用する装置は、前述した実施形態で説明した物に限定されない。
以下に具体的な実施例をあげて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に温度条件、湿度条件を示していない処理は、室温(25℃)、相対湿度50%において行ったものである。また、各種測定条件についても、特に温度条件、湿度条件を示していないものは、室温(25℃)、相対湿度50%における数値である。また、金属原料粉末、金属粉末、金属微粉末についての体積基準の積算分率10%値D10、積算分率50%値D50、積算分率90%値D90は、特に断りのない限り、分散媒に分散させた粉末を、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置LA-960(HORIBA社製)を用いて測定することにより求めた。また、このレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置LA-960(HORIBA社製)を用いた測定では、母粒子の構成材料がニッケルの場合には分散媒として水とアルキルアミン系分散剤を組合せたものを用い、母粒子の構成材料が銀の場合及び銀-パラジウム合金の場合にはエタノールを用いた。
また、以下に述べる各実施例及び各比較例で用いたケトン及びアルコールの沸点、分子量及び炭素数を表1にまとめて示す。
Figure 2023015994000001
[4]金属粉末の製造
(実施例A1-1)
まず、金属原料粉末として、D10が0.21μm、D50が0.31μm、D90が0.48μm、(D90-D10)/D50の値が0.87であるニッケル粉末を用意した。このニッケル粉末を、ケトンとしてのアセチルアセトンを含む雰囲気中に静置することで、金属粒子(母粒子)であるニッケル粒子の表面にケトンが吸着した粒子の集合体である金属粉末を得た。なお、アセチルアセトンは、純度100%に近いもの(富士フイルム和光純薬株式会社製、特級99.0+%)を用いた。
(実施例A1-2)
アセチルアセトンの代わりにメチルイソブチルケトン(富士フイルム和光純薬株式会社製、特級99.5+%)を用いた以外は、前記実施例A1-1と同様にして金属粉末を製造した。
(実施例A1-3)
アセチルアセトンの代わりに2-ヘキサノン(富士フイルム和光純薬株式会社製、1級95.0+%)を用いた以外は、前記実施例A1-1と同様にして金属粉末を製造した。
(実施例A1-4)
アセチルアセトンの代わりに2-ヘプタノン(富士フイルム和光純薬株式会社製、特級98.0+%)を用いた以外は、前記実施例A1-1と同様にして金属粉末を製造した。
(実施例A1-5)
アセチルアセトンの代わりに3-オクタノン(富士フイルム和光純薬株式会社製)を用いた以外は、前記実施例A1-1と同様にして金属粉末を製造した。
(実施例A1-6)
まず、金属原料粉末として、D10が0.29μm、D50が0.52μm、D90が0.93μm、(D90-D10)/D50の値が1.23であるニッケル粉末を用意した。このニッケル粉末を、ケトンとしてのアセチルアセトンを含む雰囲気中に静置することで、金属粒子(母粒子)であるニッケル粒子の表面にケトンが吸着した粒子の集合体である金属粉末を得た。なお、アセチルアセトンは、純度100%に近いもの(富士フイルム和光純薬株式会社製、特級99.0+%)を用いた。
(実施例A1-7)
まず、金属原料粉末として、D10が0.84μm、D50が1.47μm、D90が3.21μm、(D90-D10)/D50の値が1.61である銀粉末を用意した。この銀粉末を、ケトンとしてのアセチルアセトンを含む雰囲気中に静置することで、金属粒子(母粒子)である銀粉末の表面にケトンが吸着した粒子の集合体である金属粉末を得た。なお、アセチルアセトンは、純度100%に近いもの(富士フイルム和光純薬株式会社製、特級99.0+%)を用いた。
(実施例A1-8)
まず、金属原料粉末として、D10が0.56μm、D50が0.67μm、D90が0.94μm、(D90-D10)/D50の値が0.57である銀-パラジウム合金粉末(銀:パラジウム=7:3(重量比))を用意した。この銀-パラジウム合金粉末を、ケトンとしてのアセチルアセトンを含む雰囲気中に静置することで、金属粒子(母粒子)である銀-パラジウム合金粉末の表面にケトンが吸着した粒子の集合体である金属粉末を得た。なお、アセチルアセトンは、純度100%に近いもの(富士フイルム和光純薬株式会社製、特級99.0+%)を用いた。
(実施例A2-1)
まず、金属原料粉末として、D10が0.21μm、D50が0.31μm、D90が0.48μm、(D90-D10)/D50の値が0.87であるニッケル粉末を用意した。このニッケル粉末を、アルコールとしての1-ペンタノールを含む雰囲気中に静置することで、金属粒子(母粒子)であるニッケル粒子の表面にアルコールが吸着した粒子の集合体である金属粉末を得た。なお、1-ペンタノールは、純度100%に近いもの(富士フイルム和光純薬株式会社製、特級98.0+%)を用いた。
(実施例A2-2)
1-ペンタノールの代わりに1-ヘキサノール(富士フイルム和光純薬株式会社製、特級97.0+%)を用いた以外は、前記実施例A2-1と同様にして金属粉末を製造した。
(実施例A2-3)
1-ペンタノールの代わりに1-ヘプタノール(富士フイルム和光純薬株式会社製、1級98.0+%)を用いた以外は、前記実施例A2-1と同様にして金属粉末を製造した。
(実施例A2-4)
まず、金属原料粉末として、D10が0.29μm、D50が0.52μm、D90が0.93μm、(D90-D10)/D50の値が1.23であるニッケル粉末を用意した。このニッケル粉末を、アルコールとしての1-ヘキサノールを含む雰囲気中に静置することで、金属粒子(母粒子)であるニッケル粒子の表面にアルコールが吸着した粒子の集合体である金属粉末を得た。
(実施例A2-5)
まず、金属原料粉末として、D10が0.84μm、D50が1.47μm、D90が3.21μm、(D90-D10)/D50の値が1.61である銀粉末を用意した。この銀粉末を、アルコールとしての1-ヘキサノールを含む雰囲気中に静置することで、金属粒子(母粒子)である銀粉末の表面にアルコールが吸着した粒子の集合体である金属粉末を得た。
(実施例A2-6)
まず、金属原料粉末として、D10が0.56μm、D50が0.67μm、D90が0.94μm、(D90-D10)/D50の値が0.57である銀-パラジウム合金粉末(銀:パラジウム=7:3(重量比))を用意した。この銀-パラジウム合金粉末を、アルコールとしての1-ヘキサノールを含む雰囲気中に静置することで、金属粒子(母粒子)である銀-パラジウム合金粉末の表面にアルコールが吸着した粒子の集合体である金属粉末を得た。
(比較例A1)
本比較例では、前記実施例A1-1で用いたニッケル粉末を、ケトン及びアルコールのいずれも吸着させることなくそのまま金属粉末として用いた。すなわち、本比較例の金属粉末は、D10が0.21μm、D50が0.31μm、D90が0.48μm、(D90-D10)/D50の値が0.87であるニッケル粉末そのものである。
(比較例A2)
アセチルアセトンの代わりにエタノールを用いた以外は、前記実施例A1-1と同様にして金属粉末を製造した。
(比較例A3)
アセチルアセトンの代わりに2-プロパノールを用いた以外は、前記実施例A1-1と同様にして金属粉末を製造した。
(比較例A4)
アセチルアセトンの代わりにアセトンを用いた以外は、前記実施例A1-1と同様にして金属粉末を製造した。
(比較例A5)
1-ペンタノールの代わりに1-ノナノールを用いた以外は、前記実施例A2-1と同様にして金属粉末を製造した。
(比較例A6)
本比較例では、前記実施例A1-7で用いた銀粉末を、ケトン及びアルコールのいずれも吸着させることなくそのまま金属粉末として用いた。すなわち、本比較例の金属粉末は、D10が0.84μm、D50が1.47μm、D90が3.21μm、(D90-D10)/D50の値が1.61である銀粉末そのものである。
(比較例A7)
本比較例では、前記実施例A1-8で用いた銀-パラジウム合金粉末を、ケトン及びアルコールのいずれも吸着させることなくそのまま金属粉末として用いた。すなわち、本比較例の金属粉末は、D10が0.56μm、D50が0.67μm、D90が0.94μm、(D90-D10)/D50の値が0.57である銀-パラジウム合金粉末そのものである。
前記各実施例及び各比較例の金属粉末の条件を表2、表3にまとめて示す。金属粒子(母粒子)の表面積1mあたりの有機化合物の含有量は、CS(炭素・硫黄)分析装置(HORIBA社製、EMIA-320V)を用い、(1)有機化合物を吸着させる処理をする前の金属原料粉末中の炭素量と、(2)有機化合物を吸着させる処理を行った後の金属粉末の炭素量を測定し、(2)から(1)を引いた値を、有機化合物を吸着させる処理によって増加した炭素量とし、この値と、有機化合物中の炭素の割合と、有機化合物を吸着させる処理をする前の金属原料粉末の比表面積とを用いて求め、この値を表中の吸着量の欄に示した。また、前記実施例A1-1~実施例A1-5、前記実施例A2-1~実施例A2-3、比較例A1~比較例A5については、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(HORIBA社製、LA-960)乾式測定ユニットを用いて、所定の条件で、粒度分布の体積基準の積算分率50%値(乾式粒度分布のD50)[μm]を測定した。乾式粒度分布のD50の数値が小さいほど、気相中での分散性に優れていると言える。これらの結果を表2にあわせて示す。
Figure 2023015994000002
Figure 2023015994000003
表2に示した結果から明らかなように、比較例A1~比較例A5と比べて、実施例A1-1~実施例A1-5、実施例A2-1~実施例A2-3の乾式粒度分布のD50の値が小さく、気相中での分散性が優れていた。
[5]金属微粉末の製造
(実施例B1-1)
前記実施例A1-1で得られた金属粉末を図1に示す乾式分級機に1時間あたり10kg投入し、供給分散圧力を0.6MPaに設定して、金属粉末を分散させた。次に、分散させた金属粉末を、分級室に導入し、分級機内部の温度を25℃、吸引風量を8.5m/min、吸引圧力を-35kPaに設定して、乾式分級を行った。このような乾式分級を2回行い、金属微粉末を製造した。
(実施例B1-2~実施例B1-5)
乾式分散に供する金属粉末として、前記実施例A1-1で得られた金属粉末の代わりに、前記実施例A1-2~実施例A1-5で得られた金属粉末を用いた以外は、前記実施例B1-1と同様にして金属微粉末を製造した。
(実施例B1-6)
前記実施例A1-6で得られた金属粉末を図1に示す乾式分級機に1時間あたり10kg投入し、供給分散圧力を0.6MPaに設定して、金属粉末を分散させた。次に、分散させた金属粉末を、分級室に導入し、分級機内部の温度を25℃、吸引風量を8.5m/min、吸引圧力を-35kPaに設定して、乾式分級を行った。このような乾式分級を2回行い、金属微粉末を製造した。
(実施例B1-7)
乾式分級の際の分級機内部の温度を60℃に設定した以外は、前記実施例B1-6と同様にして金属微粉末を製造した。
(実施例B1-8)
乾式分級の際の分級機内部の温度を100℃に設定した以外は、前記実施例B1-6と同様にして金属微粉末を製造した。
(実施例B1-9)
まず、酢酸ニッケル四水和物の粉末を用意した。この酢酸ニッケル四水和物の粉末を噴霧し、気相中で1500℃に加熱することで、気相中に分散した金属原料粉末としてのニッケル粉末を得た。このニッケル粉末が気相中に分散した状態で気相を150℃に冷却し、この冷却後の気相中に気体状態のアセチルアセトンを供給することで金属粉末としてのアセチルアセトン吸着ニッケル粉末を得た。得られた金属粉末としてのアセチルアセトン吸着ニッケル粉末を図1に示す乾式分級機に1時間あたり10kgとなるように導入し、分級機内部の温度を25℃、吸引風量を8.5m/min、吸引圧力を-35kPaに設定して、乾式分級を行った。このような乾式分級を2回行い、金属微粉末を製造した。
(実施例B1-10)
前記実施例A1-7で得られた金属粉末を図1に示す乾式分級機に1時間あたり10kg投入し、供給分散圧力を0.6MPaに設定して、金属粉末を分散させた。次に、分散させた金属粉末を、分級室に導入し、分級機内部の温度を25℃、吸引風量を6.0m/min、吸引圧力を-15kPaに設定して、乾式分級を行った。このような乾式分級を2回行い、金属微粉末を製造した。
(実施例B1-11)
乾式分散に供する金属粉末として、前記実施例A1-7で得られた金属粉末の代わりに、前記実施例A1-8で得られた金属粉末を用いた以外は、前記実施例B1-10と同様にして金属微粉末を製造した。
(実施例B1-12)
まず、金属原料粉末として、D10が0.21μm、D50が0.31μm、D90が0.48μm、(D90-D10)/D50の値が0.87であるニッケル粉末を用意した。この金属原料粉末を図1に示す乾式分級機に1時間あたり10kg投入しつつ、さらに、分散ゾーンにアセチルアセトンを供給し、供給分散圧力を0.6MPaに設定して、金属原料粉末を、アセチルアセトンを含む雰囲気中に分散させることで、金属粉末としてのアセチルアセトン吸着ニッケル粉末を得た。このとき、アセチルアセトンの供給量は、アセチルアセトン吸着ニッケル粉末(金属粉末)が有するアセチルアセトンの量がニッケル製の母粒子の表面積1mあたり40μgとなるように調整した。次に、このアセチルアセトン吸着ニッケル粉末(金属粉末)を分級室に導入し、分級機内部の温度を25℃、吸引風量を8.5m/min、吸引圧力を-35kPaに設定して乾式分級を行った。このような乾式分級を2回行い、金属微粉末を製造した。
(実施例B1-13~実施例B1-18)
アセチルアセトン吸着ニッケル粉末(金属粉末)が有するアセチルアセトンの量が表6に示すようになるように、アセチルアセトンの供給量を変更した以外は、前記実施例B1-12と同様にして金属微粉末を製造した。
(実施例B1-19)
アセチルアセトンの代わりに2-ヘキサノンを用いた以外は、前記実施例B1-12と同様にして、2-ヘキサノン吸着ニッケル粉末(金属粉末)、金属微粉末を製造した。
(実施例B1-20~実施例B1-25)
2-ヘキサノン吸着ニッケル粉末(金属粉末)が有する2-ヘキサノンの量が表6に示すようになるように、2-ヘキサノンの供給量を変更した以外は、前記実施例B1-19と同様にして金属微粉末を製造した。
(実施例B2-1)
前記実施例A2-1で得られた金属粉末を図1に示す乾式分級機に1時間あたり10kg投入し、供給分散圧力を0.6MPaに設定して、金属粉末を分散させた。次に、分散させた金属粉末を、分級室に導入し、分級機内部の温度を25℃、吸引風量を8.5m/min、吸引圧力を-35kPaに設定して、乾式分級を行った。このような乾式分級を2回行い、金属微粉末を製造した。
(実施例B2-2、実施例B2-3)
乾式分散に供する金属粉末として、前記実施例A2-1で得られた金属粉末の代わりに、前記実施例A2-2、実施例A2-3で得られた金属粉末を用いた以外は、前記実施例B2-1と同様にして金属微粉末を製造した。
(実施例B2-4)
前記実施例A2-4で得られた金属粉末を図1に示す乾式分級機に1時間あたり10kg投入し、供給分散圧力を0.6MPaに設定して、金属粉末を分散させた。次に、分散させた金属粉末を、分級室に導入し、分級機内部の温度を25℃、吸引風量を8.5m/min、吸引圧力を-35kPaに設定して、乾式分級を行った。このような乾式分級を2回行い、金属微粉末を製造した。
(実施例B2-5)
乾式分級の際の分級機内部の温度を60℃に設定した以外は、前記実施例B2-4と同様にして金属微粉末を製造した。
(実施例B2-6)
乾式分級の際の分級機内部の温度を100℃に設定した以外は、前記実施例B2-4と同様にして金属微粉末を製造した。
(実施例B2-7)
まず、酢酸ニッケル四水和物の粉末を用意した。この酢酸ニッケル四水和物の粉末を噴霧し、気相中で1500℃に加熱することで、気相中に分散した金属原料粉末としてのニッケル粉末を得た。このニッケル粉末が気相中に分散した状態で気相を150℃に冷却し、この冷却後の気相中に気体状態の1-ヘキサノールを供給することで金属粉末としての1-ヘキサノール吸着ニッケル粉末を得た。得られた金属粉末としての1-ヘキサノール吸着ニッケル粉末を図1に示す乾式分級機に1時間あたり10kgとなるように導入し、分級機内部の温度を25℃、吸引風量を8.5m/min、吸引圧力を-35kPaに設定して、乾式分級を行った。このような乾式分級を2回行い、金属微粉末を製造した。
(実施例B2-8)
まず、金属原料粉末として、D10が0.21μm、D50が0.31μm、D90が0.48μm、(D90-D10)/D50の値が0.87であるニッケル粉末を用意した。この金属原料粉末を図1に示す乾式分級機に1時間あたり10kg投入しつつ、さらに、分散ゾーンに1-ヘキサノールを供給し、供給分散圧力を0.6MPaに設定して、金属原料粉末を、1-ヘキサノールを含む雰囲気中に分散させることで、金属粉末としての1-ヘキサノール吸着ニッケル粉末を得た。次に、この1-ヘキサノール吸着ニッケル粉末(金属粉末)を分級室に導入し、分級機内部の温度を25℃、吸引風量を8.5m/min、吸引圧力を-35kPaに設定して乾式分級を行った。このような乾式分級を2回行い、金属微粉末を製造した。
(実施例B2-9)
前記実施例A2-5で得られた金属粉末を図1に示す乾式分級機に1時間あたり10kg投入し、供給分散圧力を0.6MPaに設定して、金属粉末を分散させた。次に、分散させた金属粉末を、分級室に導入し、分級機内部の温度を25℃、吸引風量を6.0m/min、吸引圧力を-15kPaに設定して、乾式分級を行った。このような乾式分級を2回行い、金属微粉末を製造した。
(実施例B2-10)
乾式分散に供する金属粉末として、前記実施例A2-5で得られた金属粉末の代わりに、前記実施例A2-6で得られた金属粉末を用いた以外は、前記実施例B2-9と同様にして金属微粉末を製造した。
(比較例B1~比較例B5)
乾式分散に供する金属粉末として、前記実施例A1-1で得られた金属粉末の代わりに、前記比較例A1~比較例A5で得られた金属粉末を用いた以外は、前記実施例B1-1と同様にして金属微粉末を製造した。
(比較例B6、B7)
乾式分散に供する金属粉末として、前記実施例A1-7で得られた金属粉末の代わりに、前記比較例A6、比較例A7で得られた金属粉末を用いた以外は、前記実施例B1-10と同様にして金属微粉末を製造した。
[6]金属微粉末の評価
[6-1]収率
前記実施例B1-1~実施例B1-25、実施例B2-1~実施例B2-10、比較例B1~比較例B7について、分級前の粉末重量すなわち金属粉末の重量、及び、2回分級後の粉末重量すなわち2回の分級処理を行うことにより得られた金属微粉末の重量を測定し、次式によって収率を求めた。
収率(%)=(分級後の粉末重量/分級前の粉末重量)×100
[6-2]粒度分布の評価
前記実施例B1-1~実施例B1-25、実施例B2-1~実施例B2-10、比較例B1~比較例B7について、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置LA-960(HORIBA社製)を用いた計測により、得られた金属微粉末の粒径分布を求め、その結果から、粒度分布の体積基準の積算分率10%値(D10)[μm]、積算分率50%値(D50)[μm]、積算分率90%値(D90)[μm]をそれぞれ求めた。また、上記のようにして求められたD10[μm]、D50[μm]、D90[μm]の値から、(D90-D10)/D50を算出した。
[6-3]粗大粒子数の評価
前記実施例B1-1~実施例B1-25、実施例B2-1~実施例B2-10、比較例B1~比較例B7について、それぞれ、得られた金属微粉末1gに分散媒としてエタノールを20mL混合し、超音波洗浄機(本田電子株式会社製、W-113)を用いて1分間処理し、分散液を調製した。調製した分散液から30μL秤取し、アルミ製試料台に滴下し、乾燥させて分散媒を除去することで測定用試料を作製した。走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製、SU-1510)を用いて前述の試料を10000倍に拡大し、50視野観察した。粒径が、上記[6-2]で求めた、対象の金属微粉末のD50の2.0倍以上である粒子を粗大粒子として、粗大粒子数を求めた。
これらの結果を表4、表5、表6にまとめて示す。なお、前記実施例B1-1~実施例B1-25、実施例B2-1~実施例B2-10で得られた金属微粉末について、上記[6-3]に示す方法で、各金属微粉末についての体積基準の累積50%粒子径D50の3.0倍以上の粒径を有する粒子の個数を求めたところ、いずれの実施例でもこのような粒子は含まれていなかった。
Figure 2023015994000004
Figure 2023015994000005
Figure 2023015994000006
表4、表5、表6から明らかなように、実施例B1-1~実施例B1-25、実施例B2-1~実施例B2-10では、D50が0.1μm以上5.0μm以下の範囲内にあり、粗大粒子の個数が極めて少ない金属微粉末を、高い収率で、好適に製造できた。
また、母粒子の表面に吸着させる特定化合物として、前記各実施例で用いたケトン及びアルコールのうち2種以上を組み合わせて用い、これらの特定化合物の合計吸着量が前記各実施例での範囲と同様になるようにした以外は、前記各実施例と同様にして、金属粉末及び金属微粉末の製造を行い、得られた金属微粉末について、前記と同様の評価を行ったところ、前記と同様に優れた結果が得られた。特に、複数種の特定ケトンを組み合わせて用いた場合、複数種の特定アルコールを組み合わせて用いた場合、特定ケトンと特定アルコールとを組み合わせて用いた場合のいずれにおいても、優れた結果が得られた。
本発明の金属微粉末の製造方法は、体積基準の累積50%粒子径D50が0.1μm以上5.0μm以下の範囲内にある金属微粉末の製造方法であって、D50が0.1μm超10.0μm以下の範囲内にある金属粉末を乾式分級する分級工程を有し、前記金属粉末が、複数個の金属粒子を含むとともに、当該金属粒子の表面の少なくとも一部に、沸点が80℃以上300℃以下の範囲内にあるケトン、及び、沸点が130℃以上180℃以下の範囲内にありかつ分子量が80以上120以下の範囲内にあるアルコールよりなる群から選択される少なくとも1種からなる特定化合物を有する。そのため、粗大粒子の個数が極めて少ない、体積基準の累積50%粒子径D50が0.1μm以上5.0μm以下の範囲内にある金属微粉末を高い生産性で製造できる、金属微粉末の製造方法を提供することができる。したがって、本発明の金属微粉末の製造方法は、産業上の利用可能性を有する。また、本発明の金属粉末は、複数個の金属粒子を含むとともに、体積基準の累積50%粒子径D50が0.1μm超10.0μm以下の範囲内にある金属粉末であって、前記金属粒子の表面の少なくとも一部に、沸点が80℃以上300℃以下の範囲内にあるケトン、及び、沸点が130℃以上180℃以下の範囲内にありかつ分子量が80以上120以下の範囲内にあるアルコールよりなる群から選択される少なくとも1種からなる特定化合物を有する。そのため、気相中での分散性が高い金属粉末を提供することができる。したがって、本発明の金属粉末は、産業上の利用可能性を有する。
1…分級機
3…ケーシング
4…導入口
5…エアノズル
6…ガイドベーン
7…微粉排出口
8…粗粉排出口
10…分級室(分級ゾーン)
11…分散ゾーン

Claims (13)

  1. 体積基準の累積50%粒子径D50が0.1μm以上5.0μm以下の範囲内にある金属微粉末の製造方法であって、
    50が0.1μm超10.0μm以下の範囲内にある金属粉末を乾式分級する分級工程を有し、
    前記金属粉末が、複数個の金属粒子を含むとともに、当該金属粒子の表面の少なくとも一部に、沸点が80℃以上300℃以下の範囲内にあるケトン、及び、沸点が130℃以上180℃以下の範囲内にありかつ分子量が80以上120以下の範囲内にあるアルコールよりなる群から選択される少なくとも1種からなる特定化合物を有する、金属微粉末の製造方法。
  2. 前記分級工程の前に、気相中に分散した金属原料粉末に前記特定化合物を接触させることで前記金属粉末を得る接触工程を有する、請求項1に記載の金属微粉末の製造方法。
  3. 気体状態の前記特定化合物を含む雰囲気中に前記金属原料粉末を分散させることで、気相中に分散した前記金属原料粉末に前記特定化合物を接触させる、請求項2に記載の金属微粉末の製造方法。
  4. 前記金属原料粉末が分散した気相中に気体状態の前記特定化合物を供給することで、気相中に分散した前記金属原料粉末に前記特定化合物を接触させる、請求項2に記載の金属微粉末の製造方法。
  5. 生成時に気相中において分散状態にある前記金属原料粉末が当該気相中に分散した状態で、当該気相中に気体状態の前記特定化合物を供給することで、気相中に分散した前記金属原料粉末に前記特定化合物を接触させる、請求項4に記載の金属微粉末の製造方法。
  6. 前記ケトンは、分子量が70以上200以下の範囲内、及び/又は、炭素数が4以上13以下の範囲内にある、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の金属微粉末の製造方法。
  7. 前記アルコールは、炭素数が5以上7以下の範囲内にある、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の金属微粉末の製造方法。
  8. 前記金属粉末が有する前記特定化合物の量が、前記金属粒子の表面積1mあたり60μg以上600μg以下の範囲内にある、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の金属微粉末の製造方法。
  9. 前記分級工程を、60℃以上300℃以下の気相中で行う、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の金属微粉末の製造方法。
  10. 複数個の金属粒子を含むとともに、体積基準の累積50%粒子径D50が0.1μm超10.0μm以下の範囲内にある金属粉末であって、
    前記金属粒子の表面の少なくとも一部に、沸点が80℃以上300℃以下の範囲内にあるケトン、及び、沸点が130℃以上180℃以下の範囲内にありかつ分子量が80以上120以下の範囲内にあるアルコールよりなる群から選択される少なくとも1種からなる特定化合物を有する、金属粉末。
  11. 前記ケトンは、分子量が70以上200以下の範囲内、及び/又は、炭素数が4以上13以下の範囲内にある、請求項10に記載の金属粉末。
  12. 前記アルコールは、炭素数が5以上7以下の範囲内にある、請求項10に記載の金属粉末。
  13. 前記特定化合物の量が、前記金属粒子の表面積1mあたり60μg以上600μg以下の範囲内にある、請求項10ないし12のいずれか1項に記載の金属粉末。
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