JP2023014721A - 回転動力伝達機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】一対の軸受に予圧を付与する際、これらの軸受の間に配置されたスペーサが偏心して変形した場合でも、両軸受に予圧を適切に付与することが可能な回転動力伝達機構を提供する。【解決手段】回転動力伝達機構3は、第1及び第2の軸受41,42と、ピニオンギヤシャフト30と、第1及び第2の軸受41,42のそれぞれの内輪411,421の間に配置されたスペーサ43と、ピニオンギヤシャフト30に螺合して第1及び第2の軸受41,42に軸方向の予圧を付与するナット部材44とを備える。スペーサ43は、第1の軸受41の内輪411に当接する第1の円筒部431と、第2の軸受42の内輪421に当接する第2の円筒部432との間に、変形部433を有する。ピニオンギヤシャフト30には、第2の円筒部432の内側に、第2の軸受42の内輪421が嵌合される第2の嵌合面31bよりも外径が小さい小径部312が形成されている。【選択図】図4

Description

本発明は、軸受支持された回転駆動軸によって回転動力を伝達する回転動力伝達機構に関する。
従来、例えば車両のプロペラシャフトからディファレンシャル装置に回転動力を伝達するピニオンギヤシャフトは、振動の発生を抑制するため、軸方向に予圧が付与された一対の軸受によってケース部材に支持されている(例えば、特許文献1,2参照)。
特許文献1,2に記載されたものは、ピニオンギヤシャフトにおける軸方向の2箇所が軸受(円錐ころ軸受)によって支持され、これらの軸受の間に環状のスペーサが配置されている。スペーサは、両端部が円筒状であり、中央部の内外径が両端部よりも大きく形成されている。ピニオンギヤシャフトには、外周面の一部に雄ねじが形成されており、この雄ねじに螺合するナットを締め付けることで、両軸受に軸方向の予圧が付与されている。
特開2013-194765号公報 特開2017-144940号公報
上記のように構成されたものにおいて、ナットを締め付けることにより発生する軸力によってスペーサが軸方向に押圧されると、スペーサの両端部における円筒状部分が互いに芯ずれするように偏心して変形してしまう場合があった。この場合には、何れかの円筒状部分が周方向の一部でシャフトの外周面に強く押し付けられて大きな摩擦力が発生し、両軸受に適切な予圧が付与されないおそれがある。
そこで、本発明は、一対の軸受に予圧を付与する際、これらの軸受の間に配置されたスペーサが偏心して変形した場合でも、両軸受に予圧を適切に付与することが可能な回転動力伝達機構を提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するため、内輪と外輪との間に複数の転動体を配置してなる第1及び第2の軸受と、前記第1及び第2の軸受に支持される軸部を有する回転駆動軸と、前記第1及び第2の軸受のそれぞれの前記内輪の間で前記軸部の外周に配置された環状のスペーサと、前記軸部に螺合して前記第1及び第2の軸受に軸方向の予圧を付与するナット部材とを備え、前記回転駆動軸によって回転動力を伝達する回転動力伝達機構であって、前記スペーサは、前記第1の軸受の前記内輪の側面に当接する第1の円筒部と、前記第2の軸受の前記内輪の側面に当接する第2の円筒部と、前記第1の円筒部と前記第2の円筒部との間に設けられ、前記予圧によって軸方向に圧縮されるように変形する変形部とを有し、前記回転駆動軸は、前記第1の軸受の前記内輪及び前記スペーサの前記第1の円筒部が嵌合された第1の嵌合面と、前記第2の軸受の前記内輪が嵌合された第2の嵌合面とを前記軸部の外周に有し、前記軸部における前記スペーサの前記第2の円筒部の内側に、前記第2の嵌合面よりも外径が小さい小径部が形成されており、前記第2の円筒部の内周面と前記小径部の外周面とが隙間を介して対向している、回転動力伝達機構を提供する。
本発明に係る回転動力伝達機構によれば、一対の軸受の間に配置されたスペーサが偏心して変形した場合でも、両軸受に予圧を適切に付与することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る回転動力伝達機構が搭載された四輪駆動車の概略の構成例を示す概略構成図である。 駆動力伝達装置、回転動力伝達機構、リヤディファレンシャル、及びデフキャリヤを示す断面図である。 駆動力伝達装置の一部を示す断面図である。 第1の軸受及び第2の軸受によるピニオンギヤシャフトの支持構造を示す構成図である。 (a)乃至(c)は、スペーサを第1の軸受の内輪及び第2の軸受の内輪の一部と共に拡大して示す断面図である。
[実施の形態]
本発明の実施の形態について、図1乃至図5を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する上での好適な具体例として示すものであり、技術的に好ましい種々の技術的事項を具体的に例示している部分もあるが、本発明の技術的範囲は、この具体的態様に限定されるものではない。
(四輪駆動車の全体構成)
図1は、本発明の実施の形態に係る回転動力伝達機構が搭載された四輪駆動車の概略の構成例を示す概略構成図である。この四輪駆動車1は、左右の前輪101,102を主駆動輪として備え、左右の後輪103,104を補助駆動輪として備えている。駆動源11の駆動力(回転動力)は、トランスミッション12で変速されて前輪101,102に常時伝達されると共に、車両状態に応じて後輪103,104にも伝達される。駆動源11は、例えばエンジンであるが、電動モータであってもよく、エンジンと電動モータとを組み合わせたものであってもよい。
四輪駆動車1は、トランスミッション12で変速された駆動源11の駆動力を左右の前輪101,102及び左右の後輪103,104に伝達する駆動力伝達系として、フロントディファレンシャル13及びリヤディファレンシャル14と、フロントディファレンシャル13と左右の前輪101,102との間に配置された前輪側の左右のドライブシャフト151,152と、リヤディファレンシャル14と左右の後輪103,104との間に配置された後輪側の左右のドライブシャフト161,162と、車両前後方向に駆動力を伝達するプロペラシャフト17と、フロントディファレンシャル13とプロペラシャフト17との間のギヤ機構18と、プロペラシャフト17とリヤディファレンシャル14との間に配置された駆動力伝達装置19とを有している。駆動力伝達装置19は、クラッチ装置2と、回転動力伝達機構3と、クラッチ装置2及び回転動力伝達機構3をリヤディファレンシャル14と共に収容する収容部材としてのデフキャリヤ5とを有している。
フロントディファレンシャル13は、フロントデフケース131と、フロントデフケース131に固定されたピニオンピン132と、ピニオンピン132に支承された一対のピニオンギヤ133と、一対のピニオンギヤ133に噛み合う一対のサイドギヤ134とを有し、一対のサイドギヤ134にそれぞれ左右のドライブシャフト151,152が固定されている。フロントデフケース131には、トランスミッション12から駆動源11の駆動力が伝達される。ギヤ機構18は、フロントデフケース131に固定されたリングギヤ181、及びリングギヤ181に噛み合うピニオンギヤ182からなる。
プロペラシャフト17は、前側シャフト部171及び後側シャフト部172と、前側シャフト部171とギヤ機構18のピニオンギヤ182とを連結する前側ユニバーサルジョイント173と、後側シャフト部172とクラッチ装置2のフロントハウジング21(後述)とを連結する後側ユニバーサルジョイント174と、前側シャフト部171と後側シャフト部172とを連結する摺動式等速ジョイント175とを有している。
リヤディファレンシャル14は、リヤデフケース141と、リヤデフケース141に固定されたピニオンピン142と、ピニオンピン142に支承された一対のピニオンギヤ143と、一対のピニオンギヤ143に噛み合う一対のサイドギヤ144と、リヤデフケース141の外周に締結されたリングギヤ145とを有し、一対のサイドギヤ144にそれぞれ左右のドライブシャフト161,162が固定されている。
クラッチ装置2は、制御装置9によって制御され、車両状態に応じてプロペラシャフト17から回転動力伝達機構3を経てリヤディファレンシャル14に伝達される駆動力を調節可能である。制御装置9は、左右の前輪101,102及び左右の後輪103,104の回転速度を検出する回転速センサS1~S4の検出値、ならびにアクセルペダル111の踏み込み量を検出するアクセルペダルセンサS5の検出値を取得可能であり、これらのセンサS1~S5の検出値等に基づいてクラッチ装置2を制御する。
図2は、クラッチ装置2、回転動力伝達機構3、リヤディファレンシャル14、及びデフキャリヤ5を示す断面図である。図3は、クラッチ装置2の一部を示す断面図である。
クラッチ装置2は、プロペラシャフト17と共に回転する有底円筒状のフロントハウジング21と、フロントハウジング21の開口側(車両後方側)の端部に固定されたリヤハウジング22と、フロントハウジング21に収容されたメインクラッチ23と、メインクラッチ22を押圧する推力を発生するカム機構24と、カム機構24を作動させるトルクを伝達するパイロットクラッチ25と、パイロットクラッチ25と軸方向に並んで配置されたアーマチャ26と、アーマチャ26をパイロットクラッチ25側に吸引する磁力を発生させる電磁コイル27と、電磁コイル27と一体に設けられたホルダ28と、電磁コイル27をデフキャリヤ5に対して支持するヨーク29とを有している。電磁コイル27には、ホルダ28に設けられたコネクタ部280のコネクタピン281を介して、制御装置9から励磁電流が供給される。
フロントハウジング21は、軸方向に延びる複数のスプライン突起211aが内周に形成された円筒部211と、プロペラシャフト17の後側ユニバーサルジョイント174との固定のためのボルト挿通孔212bが形成された底部212とを一体に有している。フロントハウジング21の底部212には、ボルト挿通孔212bに挿通されたボルト60によって後側ユニバーサルジョイント174のフランジヨーク171aが固定される。
リヤハウジング22は、図3に示すように、電磁コイル27が発生する磁束の磁路となる磁性体金属からなる外側円筒部材221及び内側円筒部材222と、外側円筒部材221と内側円筒部材222との間に配置された非磁性リング223とを有している。非磁性リング223は、外側円筒部材221及び内側円筒部材222に溶接されている。外側円筒部材221は、フロントハウジング21の円筒部211における底部212側とは反対側の端部に螺合して固定されている。フロントハウジング21及びリヤハウジング22は、後述するピニオンギヤシャフト30の支持部34に支持される回転体としてのクラッチハウジング20を構成する。
メインクラッチ23は、複数のメインアウタクラッチプレート231と複数のメインインナクラッチプレート232とを交互に配置してなる多板クラッチである。複数のメインアウタクラッチプレート231は、フロントハウジング21の複数のスプライン突起211aに係合し、フロントハウジング21の円筒部211に対して軸方向に相対移動可能かつ相対回転不能である。
カム機構24は、メインクラッチ23と対向するメインカム241と、メインカム241と軸方向に並ぶパイロットカム242と、メインカム241とパイロットカム242の間に配置された複数のカムボール243とを有している。メインカム241及びパイロットカム242には、軸方向の深さが中央部ほど深くなる複数の円弧溝241a,242aがそれぞれ形成されている。メインクラッチ23及びメインカム241が相対回転してカムボール243がこれらの円弧溝241a,242aを転動すると、メインカム241がパイロットカム242に対して接近及び離間する。パイロットカム242のメインクラッチ23から離れる方向への軸方向移動は、リヤハウジング22の内側円筒部材222との間に配置されたスラスト軸受61によって規制されている。
パイロットクラッチ25は、フロントハウジング21にスプライン係合した複数のパイロットアウタクラッチプレート251と、パイロットカム242にスプライン係合した複数のパイロットインナクラッチプレート252とを有し、複数のパイロットアウタクラッチプレート251と複数のパイロットインナクラッチプレート252とが交互に配置されている。パイロットアウタクラッチプレート251及びパイロットインナクラッチプレート252には、径方向の中央部に複数の円弧状のスリット251a,252aがそれぞれ形成されており、外周部と内周部との間での磁束の短絡を防いでいる。
アーマチャ26は、フロントハウジング21にスプライン係合し、フロントハウジング21の円筒部211に対して軸方向に相対移動可能かつ相対回転不能である。パイロットクラッチ25は、アーマチャ26とリヤハウジング22との間に配置されており、電磁コイル27に通電されると、アーマチャ26がパイロットクラッチ25をリヤハウジング22側に押圧する。
回転動力伝達機構3は、回転駆動軸としてのピニオンギヤシャフト30と、ピニオンギヤシャフト30をデフキャリヤ5に対して回転可能に支持する軸受部4とを有している。軸受部4は、軸方向に並ぶ第1の軸受41及び第2の軸受42と、第1の軸受41と第2の軸受42との間に配置された環状のスペーサ43と、ピニオンギヤシャフト30に螺合したナット部材44とを有している。ナット部材44は、第1の軸受41及び第2の軸受42に軸方向の予圧を付与している。
ピニオンギヤシャフト30は、第1の軸受41及び第2の軸受42に支持された軸部31と、軸部31よりも大径のギヤ部32と、複数のスプライン突起33aが外周に形成されたスプライン係合部33と、クラッチ装置2のクラッチハウジング20を支持する支持部34とを一体に有している。ギヤ部32は、ピニオンギヤシャフト30の車両後方側にあたる軸方向の一端部に設けられ、リヤディファレンシャル14のリングギヤ145に噛み合っている。支持部34は、ピニオンギヤシャフト30の車両前方側にあたる軸方向の他端部に設けられている。スプライン係合部33は、軸部31と支持部34との間に設けられており、複数のスプライン突起33aにメインカム241及び複数のメインインナクラッチプレート232が係合している。ピニオンギヤシャフト30及び軸受部4の構成の詳細については後述する。
デフキャリヤ5は、車両前方側の本体51と車両後方側の蓋体52とが複数のボルト53によって締結されており、四輪駆動車1の車体100に支持されている。リヤデフケース141は、本体51と蓋体52との間に配置された一対の円錐ころ軸受62,63によってデフキャリヤ5に対して回転可能に支持されている。
デフキャリヤ5の本体51は、軸受部4及びピニオンギヤシャフト30の軸部31を収容する支持筒部511、及び支持筒部511から内方に向かって突出した環状突起512を一体に有している。支持筒部511における車両前方側の端部とリヤハウジング22の内側円筒部材222との間には、玉軸受64が配置されている。玉軸受64は、内輪641、外輪642、複数の転動体643、及び保持器644を有している。外輪642は、支持筒部511及びヨーク29に内嵌されている。内輪641は、内側円筒部材222に外嵌されており、リヤハウジング22が玉軸受64を介して支持筒部511に支持されている。
フロントハウジング21の底部212には、軸方向の貫通孔210が形成されており、貫通孔210の内面210aとピニオンギヤシャフト30の支持部34の外周面34aとの間に玉軸受65が配置されている。玉軸受65は、内輪651、外輪652、複数の転動体653、及び保持器654を有し、内輪651が止め輪66によって支持部34から抜け止めされている。
貫通孔210の内側には、外輪652と軸方向に並んで一対の皿ばね671,672、及びワッシャ68が配置され、ワッシャ68がフロントハウジング21の底部212に設けられた鍔部212aに係止されている。外輪652は、皿ばね671,672の復元力によって軸方向に付勢されている。貫通孔210の開口は、円盤状のキャップ69によって閉塞されている。
デフキャリヤ5には、不図示のデフオイルが収容され、フロントハウジング21には、デフオイルよりも粘度が低いクラッチオイルが収容されている。デフオイルの漏出は、デフキャリヤ5の本体51及び蓋体52とドライブシャフト161,162との間に配置されたシール部材71,72、ならびに支持筒部511の内側に配置されたシール部材73によって抑止されている。クラッチオイルの漏出は、リヤハウジング22の内側円筒部材222とピニオンギヤシャフト30の軸部31との間に配置されたシール部材74、及びキャップ69によって抑止されている。また、デフキャリヤ5とフロントハウジング21との隙間からの異物の侵入が、デフレクタ75、シール部材76、及びスリンガ77によって抑止されている。
以上のように構成されたクラッチ装置2及び回転動力伝達機構3において、四輪駆動車1の加速時等に制御装置9から電磁コイル27に電流が供給されると、磁力によってリヤハウジング22側に吸引されたアーマチャ26がパイロットクラッチ25を押圧し、フロントハウジング21の回転トルクがパイロットクラッチ25によってパイロットカム242に伝達される。これにより、パイロットカム242がメインカム241に対して相対回転してメインカム241がメインクラッチ23を押圧し、メインクラッチ23によってフロントハウジング21からピニオンギヤシャフト30に駆動力が伝達される。ピニオンギヤシャフト30に伝達された駆動力は、ギヤ部32からリヤディファレンシャル14に伝達され、左右の後輪103に配分される。
図4は、第1の軸受41及び第2の軸受42によるピニオンギヤシャフト30の支持構造を示す構成図である。第1の軸受41及び第2の軸受42は、ピニオンギヤシャフト30の軸部31に外嵌された内輪411,421と、内輪411,421の外側に配置された外輪412,422と、内輪411,421と外輪412,422との間に配置された複数の転動体413,423と、複数の転動体413,423を保持する保持器414,424と、をそれぞれ有している。
本実施の形態では、一例として、第1の軸受41が円錐ころ軸受であり、第2の軸受42がアンギュラ玉軸受であるが、これに限らず、第1の軸受41がアンギュラ玉軸受であってもよく、第2の軸受42が円錐ころ軸受であってもよい。
第1の軸受41は、第2の軸受42よりもギヤ部32側(車両後方側)に配置されている。第1の軸受41の外輪412と第2の軸受42の外輪422とは、デフキャリヤ5の本体51に設けられた環状突起512を軸方向に挟んでいる。環状突起512は、支持筒部511からピニオンギヤシャフト30の軸部31に向かって内方に突出している。ナット部材44は、第2の軸受42よりも支持部34側(車両前方側)に配置されている。スペーサ43は、第1及び第2の軸受41,42のそれぞれの内輪411,421の間で、ピニオンギヤシャフト30の軸部31の外周に配置されている。
以下、第1の軸受41の内輪411の両側面のうち、車両前方側の側面を第1の前側内輪側面411aとし、車両後方側の側面を第1の後側内輪側面411bとする。また、第2の軸受42の内輪421の両側面のうち、車両前方側の側面を第2の前側内輪側面421aとし、車両後方側の側面を第2の後側内輪側面421bとする。第1の後側内輪側面411bとギヤ部32の背面32aとの間には、ワッシャ45が配置されている。第2の前側内輪側面421aには、ナット部材44が当接している。
スペーサ43は、金属製であり、第1の前側内輪側面411aに当接する第1の円筒部431と、第2の後側内輪側面421bに当接する第2の円筒部432と、第1の円筒部431と第2の円筒部432との間に設けられ、ナット部材44によって付与される予圧によって軸方向に圧縮されるように変形する変形部433とを有している。変形部433は、軸方向に沿った断面において径方向外方に向かって山型に突出し、その内外径が第1及び第2の円筒部431,432よりも大きく形成されている。なお、予圧による変形部433の変形は、弾性変形であってもよく、塑性変形であってもよい。
本実施の形態では、第1の円筒部431の内径及び外径と、第2の円筒部432の内径及び外径とが等しい。また、第1の円筒部431の軸方向長さと第2の円筒部432の軸方向長さとが同じである。これにより、スペーサ43は、何れの方向からピニオンギヤシャフト30への組み付けを行ってもよく、誤組み付けの発生を防ぐことができる。すなわち、スペーサ43の軸方向両端における二つの円筒部のうち、第1の軸受41側に配置された円筒部が第1の円筒部431となり、第2の軸受42側に配置された円筒部が第2の円筒部432となる。
ピニオンギヤシャフト30は、第1の軸受41の内輪411及びスペーサ43の第1の円筒部431が嵌合された第1の嵌合面31aと、第2の軸受42の内輪421が嵌合された第2の嵌合面31bとを軸部31の外周に有している。第1の軸受41の内輪411は、第1の嵌合面31aに圧入嵌合されている。また、軸部31には、第2の嵌合面31bよりも支持部34側に、ナット部材44が螺合する雄ねじ部311が形成されており、この雄ねじ部311に螺合するナット部材44を締め付けることで、第1及び第2の軸受41,42に軸方向の予圧が付与されている。
本実施の形態では、第1の嵌合面31aの外径Dと第2の嵌合面31bの外径Dとが同等である。ここで、同等とは、第1の嵌合面31aの外径Dと第2の嵌合面31bの外径Dとの径差が0.5mm以下であることをいう。なお、一般的なディファレンシャル装置のピニオンギヤシャフトは、例えば特許文献1,2に記載されているように、一対の軸受のうちギヤ部側の一方の軸受の内輪が嵌合される部分の外径が他方の軸受の内輪が嵌合される部分の外径よりも大きく形成されている。これは、駆動力の伝達時におけるギヤ部側の荷重が大きいことを考慮したものである。しかし、本実施の形態では、ギヤ部32とは反対側の端部である支持部34がクラッチ装置2のクラッチハウジング20を支持するため、支持部34が受ける荷重が一般的なディファレンシャル装置のピニオンギヤシャフトよりも大きい。このため、本実施の形態では、第1の嵌合面31aの外径Dと第2の嵌合面31bの外径Dとを同等としている。
また、本実施の形態では、ギヤ部32が軸部31よりも大径であるため、第1の軸受41、スペーサ43、第2の軸受42、及びナット部材44が、この順序で軸部31の外周に支持部34側から配置される。このため、第2の嵌合面31bの外径Dは、組み付け性を考慮して、第1の嵌合面31aの外径D以下とされている。すなわち、第1の軸受41の内輪411が第2の嵌合面31bを軸方向に通過しやすくなっている。
また、本実施の形態では、上記のように第1の軸受41の内輪411が第1の嵌合面31aに圧入嵌合されるため、第1の嵌合面31aと第2の嵌合面31bとの径差は、第1の軸受41の内輪411の圧入代(締め代)以上であることが望ましい。この径差が第1の軸受41の内輪411の圧入代以上であれば、第1の軸受41の内輪411が第2の嵌合面31bを通過する際に第1の軸受41を押圧する荷重が小さくてよく、組み付け性が向上するためである。内輪411の圧入代は、直径で例えば0.03mmである。
またさらに、本実施の形態では、ピニオンギヤシャフト30の軸部31におけるスペーサ43の第2の円筒部432の内側に、第2の嵌合面31bよりも外径が小さい小径部312が形成されている。第2の円筒部432の内周面432aと、小径部312の外周面312aとは、隙間を介して対向している。この小径部312は、ナット部材44を締め付けることにより発生する軸力によってスペーサ43が軸方向に押圧された際、第1の円筒部431と第2の円筒部432が互いに芯ずれするように偏心して変形しても、第2の円筒部432が軸部31の外周面に強く押し付けられないようにするためのものである。
図5(a)乃至(c)は、スペーサ43を第1の軸受41の内輪411及び第2の軸受42の内輪421の一部と共に拡大して示す断面図である。図5(a)は、ナット部材44を締め付ける前の状態を示している。図5(b)は、ナット部材44の締め付け時に第1の円筒部431と第2の円筒部432が芯ずれすることなくスペーサ43が変形した状態を示している。図5(c)は、ナット部材44の締め付け時に第1の円筒部431と第2の円筒部432が芯ずれしてスペーサ43が変形した状態の一例を示している。
ピニオンギヤシャフト30への第1の軸受41、スペーサ43、第2の軸受42、及びナット部材44の組み付けは、ピニオンギヤシャフト30を鉛直方向沿ってギヤ部32が下方となるように配置して行う。スペーサ43は、第1の円筒部431が第1の嵌合面31aに嵌合されることにより、ピニオンギヤシャフト30と同軸配置される。
図5(a)に示すように、小径部312の軸方向の幅Wは、第2の円筒部432の軸方向の幅Wよりも広い。ここで、小径部312の軸方向の幅Wは、第2の嵌合面31bよりも外径が小さい部分の全体の幅である。また、第2の円筒部432の軸方向の幅Wは、第2の円筒部432の内周面432aが軸方向に沿ったスペーサ43の断面において直線状に形成された部分の幅である。小径部312は、ナット部材44を締め付けることによるスペーサ43の変形前及び変形後の何れにおいても、幅Wの範囲に第2の円筒部432の幅Wの範囲の全体が含まれるように形成されている。
図5(a)に示す状態では、第1の円筒部431の軸方向端面431bが第1の前側内輪側面411aに接触し、第2の円筒部432の軸方向端面432bが第2の後側内輪側面421bに接触しているが、ナット部材44の締め付けによる軸力は発生しておらず、スペーサ43は変形していない。この状態からナット部材44を締め付けると、図5(b)や図5(c)に示すように、スペーサ43の変形部433が軸方向に圧縮されるように変形し、第2の円筒部432が第1の円筒部431側に移動する。
このようにスペーサ43が変形する際、図5(b)に示すように、第1の円筒部431と第2の円筒部432とが同軸性を保ちながら変形することが理想的であるが、本実施の形態では、図5(c)に示すように第2の円筒部432が第1の円筒部431に対して偏心して変形しても、第2の円筒部432の内側にあたる部位に小径部312が形成されているため、例えば第2の円筒部432における内周面432aと軸方向端面432bとの角部が軸部31に強く押し付けられて摩擦が発生することが抑制されている。
なお、軸部31における小径部312の深さD(第2の嵌合面31bの外径Dと小径部312の外径との差によって形成される環状溝の深さ)は、第2の円筒部432が径方向に大きく変位しても第2の円筒部432が小径部312の外周面312aに接触しない程度の深い寸法に設定してもよいが、第2の円筒部432が小径部312の外周面312aに接触した場合でも、小径部312が形成されていない場合に比較して、第2の円筒部432が軸部31に押し付けられたときの摩擦を減らすことができる。
(実施の形態の効果)
以上説明した本発明の実施の形態によれば、ナット部材44を締め付けて第1及び第2の軸受41,42に予圧を付与する際、スペーサ43が偏心して変形した場合でも、第1及び第2の軸受41,42に予圧を適切に付与することが可能となる。また、本実施の形態では、スペーサ43の第1の円筒部431の内径と第2の円筒部432の内径とが等しいので、スペーサ43の組み付け方向の制約がなく、組み付け性が向上する。また、本実施の形態では、ピニオンギヤシャフト30の第1の嵌合面31aの外径Dと第2の嵌合面31bの外径Dとが同等であるので、支持部34によってクラッチハウジング20を高い剛性で支持することができる。またさらに、本実施の形態によれば、小径部312の軸方向の幅Wがスペーサ43の第2の円筒部432の軸方向の幅Wよりも広いので、第2の円筒部432とピニオンギヤシャフト30との干渉を避けやすくなる。
(付記)
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、この実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で、一部の構成を省略し、あるいは構成を追加もしくは置換して、適宜変形して実施することが可能である。例えば、上記の実施の形態では、本発明の回転動力伝達機構を車両の駆動力を伝達するために用いた場合について説明したが、これに限らず、例えば産業機械等に用いられる回転動力伝達機構にも本発明を適用することができる。
3…回転動力伝達機構 30…ピニオンギヤシャフト(回転駆動軸)
31…軸部 312…小径部
312a…外周面 314…支持部
31a…第1の嵌合面 31b…第2の嵌合面
32…ギヤ部 34…支持部
41…第1の軸受 42…第2の軸受
411,421…内輪 412,422…外輪
413,423…転動体 414,424…保持器
43…スペーサ 431…第1の円筒部
432…第2の円筒部 433…変形部
44…ナット部材

Claims (5)

  1. 内輪と外輪との間に複数の転動体を配置してなる第1及び第2の軸受と、前記第1及び第2の軸受に支持される軸部を有する回転駆動軸と、前記第1及び第2の軸受のそれぞれの前記内輪の間で前記軸部の外周に配置された環状のスペーサと、前記軸部に螺合して前記第1及び第2の軸受に軸方向の予圧を付与するナット部材とを備え、前記回転駆動軸によって回転動力を伝達する回転動力伝達機構であって、
    前記スペーサは、前記第1の軸受の前記内輪の側面に当接する第1の円筒部と、前記第2の軸受の前記内輪の側面に当接する第2の円筒部と、前記第1の円筒部と前記第2の円筒部との間に設けられ、前記予圧によって軸方向に圧縮されるように変形する変形部とを有し、
    前記回転駆動軸は、前記第1の軸受の前記内輪及び前記スペーサの前記第1の円筒部が嵌合された第1の嵌合面と、前記第2の軸受の前記内輪が嵌合された第2の嵌合面とを前記軸部の外周に有し、
    前記軸部における前記スペーサの前記第2の円筒部の内側に、前記第2の嵌合面よりも外径が小さい小径部が形成されており、
    前記第2の円筒部の内周面と前記小径部の外周面とが隙間を介して対向している、
    回転動力伝達機構。
  2. 前記スペーサは、前記第1の円筒部と前記第2の円筒部とが等しく、前記回転駆動軸の前記第1の嵌合面の外径と前記第2の嵌合面の外径とが同等である、
    請求項1に記載の回転動力伝達機構。
  3. 前記小径部の軸方向の幅が前記第2の円筒部の軸方向の幅よりも広い、
    請求項1又は2記載の回転動力伝達機構。
  4. 前記回転駆動軸は、軸方向の一端部に前記軸部よりも大径のギヤ部を有すると共に、軸方向の他端部に回転体を支持する支持部を有している、
    請求項1乃至3の何れか1項に記載の回転動力伝達機構。
  5. 前記第1の軸受が前記第2の軸受よりも前記ギヤ部側に配置され、前記第1の軸受の前記内輪が前記第1の嵌合面に圧入嵌合されており、
    前記第2の嵌合面の外径が前記第1の嵌合面の外径以下である、
    請求項4に記載の回転動力伝達機構。
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