JP2023079582A - クラッチアクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成で製造容易なクラッチアクチュエータを提供する。【解決手段】外側シール部材192は、ハウジング12に設けられ、ハウジング12とトルクカム2との間を液密に保持可能である。電動モータ20は、ハウジング12に設けられた環状のステータ21、および、ステータ21に対し相対回転可能に設けられたロータ23を有し、電力の供給によりロータ23からトルクを出力可能である。減速機30は、環状の第1リングギヤ34を有する。第1リングギヤ34は、ハウジング12に設けられ、プラネタリギヤ32に噛み合い可能である。ハウジング12は、筒状のハウジング外筒部123、および、ピールかしめ部13を有する。ピールかしめ部13は、ハウジング外筒部123から径方向内側へ延びて、第1リングギヤ34、ステータ21、または、外側シール部材192の少なくとも1つの軸方向の端部を係止する。【選択図】図1

Description

本発明は、クラッチアクチュエータに関する。
従来、相対回転可能な第1伝達部と第2伝達部との間に設けられ、第1伝達部と第2伝達部との間のトルクの伝達を許容する係合状態と、第1伝達部と第2伝達部との間のトルクの伝達を遮断する非係合状態とに状態が変化するクラッチの状態を変更可能なクラッチアクチュエータが知られている。
例えば、特許文献1のクラッチアクチュエータでは、2つのリングギヤを有する減速機を備えている。
特開2021-23092号公報
特許文献1のクラッチアクチュエータでは、電動モータのステータはハウジングに圧入により固定されている。また、減速機の2つのリングギヤの一方は、ハウジングに固定されている。ここで、リングギヤは、ハウジングに圧入されているステータに近接してハウジングに圧入されること等を回避するため、圧入ではなく、ボルトによりハウジングに固定されている。そのため、リングギヤは、段付きの複雑な形状となり、成形性が悪化するおそれがある。また、リングギヤをハウジングに固定するため、ボルト等の部品が必要となり、部品点数が増大するおそれがある。
本発明の目的は、簡単な構成で製造容易なクラッチアクチュエータを提供することにある。
本発明は、相対回転可能な第1伝達部(61)と第2伝達部(62)との間において、第1伝達部と第2伝達部との間のトルクの伝達を許容する係合状態と、第1伝達部と第2伝達部との間のトルクの伝達を遮断する非係合状態とに状態が変化するクラッチ(70)を備えるクラッチ装置(1)に用いられるクラッチアクチュエータであって、ハウジング(12)と電動モータ(20)と減速機(30)とトルクカム(2)と環状のシール部材(192、193)とを備える。電動モータは、ハウジングに設けられ、通電によりトルクを出力可能である。減速機は、電動モータからのトルクを減速し出力可能である。
トルクカムは、減速機からのトルクによる回転運動を、ハウジングに対する軸方向の相対移動である並進運動に変換し、クラッチの状態を係合状態または非係合状態に変更可能である。シール部材は、ハウジングに設けられ、ハウジングとトルクカムとの間を液密に保持可能である。電動モータは、ハウジングに設けられた環状のステータ(21)、および、ステータに対し相対回転可能に設けられたロータ(23)を有し、電力の供給によりロータからトルクを出力可能である。
減速機は、入力部(31)、プラネタリギヤ(32)、キャリア(33)、環状の第1リングギヤ(34)、および、環状の第2リングギヤ(35)を有する。入力部には、電動モータからのトルクが入力される。プラネタリギヤは、自転しながら入力部の周方向に公転可能である。キャリアは、プラネタリギヤを回転可能に支持し、入力部の周方向に回転可能である。第1リングギヤは、ハウジングに設けられ、プラネタリギヤに噛み合い可能である。第2リングギヤは、プラネタリギヤに噛み合い可能、かつ、第1リングギヤとは歯数が異なるよう形成され、トルクカムにトルクを出力する。
ハウジングは、筒状のハウジング筒部(123)、および、ピールかしめ部(13)を有する。ピールかしめ部は、ハウジング筒部から径方向内側へ延びて、第1リングギヤ、ステータ、または、シール部材の少なくとも1つの軸方向の端部を係止する。
そのため、第1リングギヤ、ステータまたはシール部材のうち、ピールかしめ部により係止されたものについて、圧入によらずハウジングに固定でき、圧入による部品の変形を回避できる。また、従来技術のように部品の固定にボルト等を必要としないため、部品を簡単な形状にでき、部品の成形性が向上するとともに、部品点数を低減できる。
第1実施形態によるクラッチアクチュエータおよびそれを適用したクラッチ装置を示す断面図。 第1実施形態によるクラッチアクチュエータおよびクラッチ装置の一部を示す断面図。 第1実施形態によるクラッチアクチュエータの一部を示す断面図。 第1実施形態によるクラッチアクチュエータのハウジングに第1リングギヤを組み付けた状態を示す図。 第1実施形態によるクラッチアクチュエータの第1リングギヤ突部およびその近傍を示す図。 第2実施形態によるクラッチアクチュエータの一部を示す断面図。 第3実施形態によるクラッチアクチュエータの一部を示す断面図。 第4実施形態によるクラッチアクチュエータの一部を示す断面図。
以下、複数の実施形態によるクラッチアクチュエータを図面に基づき説明する。なお、複数の実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
第1実施形態によるクラッチアクチュエータを適用したクラッチ装置を図1、2に示す。クラッチ装置1は、例えば車両の内燃機関と変速機との間に設けられ、内燃機関と変速機との間のトルクの伝達を許容または遮断するのに用いられる。
クラッチ装置1は、クラッチアクチュエータ10、クラッチ70、「制御部」としての電子制御ユニット(以下、「ECU」という)100、「第1伝達部」としての入力軸61、「第2伝達部」としての出力軸62等を備えている。
クラッチアクチュエータ10は、ハウジング12、「原動機」としての電動モータ20、ロータベアリング15、減速機30、「回転並進部」または「転動体カム」としてのトルクカム2、スラストベアリング16、状態変更部80等を備えている。
ECU100は、演算手段としてのCPU、記憶手段としてのROM、RAM等、入出力手段としてのI/O等を有する小型のコンピュータである。ECU100は、車両の各部に設けられた各種センサからの信号等の情報に基づき、ROM等に格納されたプログラムに従い演算を実行し、車両の各種装置および機器の作動を制御する。このように、ECU100は、非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行する。このプログラムが実行されることで、プログラムに対応する方法が実行される。
ECU100は、各種センサからの信号等の情報に基づき、内燃機関等の作動を制御可能である。また、ECU100は、後述する電動モータ20の作動を制御可能である。
入力軸61は、例えば、図示しない内燃機関の駆動軸に接続され、駆動軸とともに回転可能である。つまり、入力軸61には、駆動軸からトルクが入力される。
内燃機関を搭載する車両には、固定体11が設けられる(図2参照)。固定体11は、例えば筒状に形成され、車両のエンジンルームに固定される。固定体11の内周壁と入力軸61の外周壁との間には、ボールベアリング141が設けられる。これにより、入力軸61は、ボールベアリング141を介して固定体11により軸受けされる。
ハウジング12は、固定体11の内周壁と入力軸61の外周壁との間に設けられる。ハウジング12は、ハウジング内筒部121、ハウジング板部122、「ハウジング筒部」としてのハウジング外筒部123、シール溝部124、ハウジング段差面125、ハウジング側スプライン溝部127、ハウジング穴部128等を有している。
ハウジング内筒部121は、略円筒状に形成されている。ハウジング板部122は、ハウジング内筒部121の端部から径方向外側へ延びるよう環状の板状に形成されている。ハウジング外筒部123は、ハウジング板部122の外縁部からハウジング内筒部121と同じ側へ延びるよう略円筒状に形成されている。ここで、ハウジング内筒部121とハウジング板部122とハウジング外筒部123とは、例えば金属により一体に形成されている。
上述のように、ハウジング12は、全体としては、中空、かつ、扁平形状に形成されている。
シール溝部124は、ハウジング内筒部121の外周壁から径方向内側へ凹むよう環状に形成されている。ハウジング段差面125は、シール溝部124とハウジング板部122との間において、ハウジング板部122とは反対側を向くよう円環の平面状に形成されている。
ハウジング側スプライン溝部127は、ハウジング内筒部121の軸方向に延びるようハウジング内筒部121の外周壁に形成されている。ハウジング側スプライン溝部127は、ハウジング内筒部121の周方向に複数形成されている。ハウジング穴部128は、ハウジング板部122を板厚方向に貫くよう形成されている。
ハウジング12は、外壁が固定体11の壁面の一部に当接するよう固定体11に固定される(図2参照)。ハウジング12は、図示しないボルト等により固定体11に固定される。ここで、ハウジング12は、固定体11および入力軸61に対し同軸に設けられる。ここで、「同軸」とは、2つの軸が厳密に一致する同軸の状態に限らず、僅かに偏心している状態または傾いている状態を含むものとする(以下、同じ)。
ハウジング12は、「空間」としての収容空間120を有している。収容空間120は、ハウジング内筒部121とハウジング板部122とハウジング外筒部123との間に形成されている。
電動モータ20は、収容空間120に収容されている。電動モータ20は、ステータ21、コイル22、ロータ23、「永久磁石」としてのマグネット230、マグネットカバー24等を有している。
ステータ21は、ステータヨーク211、ステータティース212を有している。ステータ21は、例えば積層鋼板により形成されている。ステータヨーク211は、略円筒状に形成されている。ステータティース212は、ステータヨーク211の内周壁から径方向内側へ突出するようステータヨーク211と一体に形成されている。ステータティース212は、ステータヨーク211の周方向に等間隔で複数形成されている。コイル22は、複数のステータティース212のそれぞれに設けられている。ステータ21は、ステータヨーク211の外周壁がハウジング外筒部123の内周壁に嵌合するよう圧入によりハウジング12に固定されている。
ロータ23は、例えば鉄系の金属により形成されている。ロータ23は、ロータ本体231、ロータ筒部232を有している。ロータ本体231は、略円環状に形成されている。ロータ筒部232は、ロータ本体231の外縁部から筒状に延びるよう形成されている。
マグネット230は、ロータ23の外周壁に設けられている。マグネット230は、磁極が交互になるようロータ23の周方向に等間隔で複数設けられている。
マグネットカバー24は、マグネット230のロータ23の径方向外側の面を覆うようロータ23に設けられている。より詳細には、マグネットカバー24は、例えば非磁性の金属により形成されている。
クラッチアクチュエータ10は、ロータベアリング15を備えている。ロータベアリング15は、ハウジング段差面125に対しハウジング板部122側において、ハウジング内筒部121の径方向外側に設けられている。ロータベアリング15は、内輪151、外輪152、「軸受転動体」としての軸受ボール153等を有している。
内輪151、外輪152は、例えば金属により筒状に形成されている。外輪152は、内輪151の径方向外側に設けられている。軸受ボール153は、例えば金属により球状に形成されている。軸受ボール153は、内輪151の外周壁に環状に形成された溝部、および、外輪152の内周壁に環状に形成された溝部において、内輪151と外輪152との間で転動可能に設けられている。軸受ボール153は、内輪151および外輪152の周方向に複数設けられている。内輪151と外輪152との間で軸受ボール153が転動することにより、内輪151と外輪152とは相対回転可能である。軸受ボール153により、内輪151と外輪152との軸方向への相対移動が規制されている。
ロータベアリング15は、内輪151の内周壁がハウジング内筒部121の外周壁に当接し、内輪151の軸方向の一方の端面がハウジング板部122から所定距離離間した状態でハウジング内筒部121に設けられている。ロータ23は、ロータ本体231の内周壁がロータベアリング15の外周壁に嵌合するよう設けられている。これにより、ロータベアリング15は、ロータ23をハウジング12に対し相対回転可能に支持している。
ECU100は、コイル22に供給する電力を制御することにより、電動モータ20の作動を制御可能である。コイル22に電力が供給されると、ステータ21に回転磁界が生じ、ロータ23が回転する。これにより、ロータ23からトルクが出力される。このように、電動モータ20は、ステータ21、および、ステータ21に対し相対回転可能に設けられたロータ23を有し、電力の供給によりロータ23からトルクを出力可能である。
ここで、ロータ23は、ステータ21の径方向内側において、ステータ21に対し相対回転可能に設けられている。電動モータ20は、インナロータタイプのブラシレス直流モータである。
本実施形態では、クラッチアクチュエータ10は、回転角センサ104を備えている。回転角センサ104は、コイル22に対しハウジング板部122側に位置するよう電動モータ20に設けられている。
回転角センサ104は、ロータ23と一体に回転するセンサマグネットから発生する磁束を検出し、検出した磁束に応じた信号をECU100に出力する。これにより、ECU100は、回転角センサ104からの信号に基づき、ロータ23の回転角および回転数等を検出することができる。また、ECU100は、ロータ23の回転角および回転数等に基づき、ハウジング12および後述する従動カム50に対する駆動カム40の相対回転角度、ハウジング12および駆動カム40に対する従動カム50および状態変更部80の軸方向の相対位置等を算出することができる。
減速機30は、サンギヤ31、プラネタリギヤ32、キャリア33、第1リングギヤ34、第2リングギヤ35等を有している。
サンギヤ31は、ロータ23と同軸かつ一体回転可能に設けられている。つまり、ロータ23とサンギヤ31とは、異なる材料により別体に形成され、一体に回転可能なよう同軸に配置されている。
より詳細には、サンギヤ31は、サンギヤ基部310、「歯部」および「外歯」としてのサンギヤ歯部311、サンギヤ筒部312を有している。サンギヤ基部310は、例えば金属により略円環状に形成されている。サンギヤ筒部312は、サンギヤ基部310の外縁部から筒状に延びるようサンギヤ基部310と一体に形成されている。サンギヤ歯部311は、サンギヤ筒部312のサンギヤ基部310とは反対側の端部の外周壁に形成されている。
サンギヤ31は、サンギヤ基部310の外周壁がロータ筒部232の内周壁に嵌合するよう設けられている。これにより、サンギヤ31は、ロータベアリング15により、ロータ23とともに、ハウジング12に対し相対回転可能に支持されている。
ロータ23と一体回転するサンギヤ31には、電動モータ20のトルクが入力される。ここで、サンギヤ31は、減速機30の「入力部」に対応する。
プラネタリギヤ32は、自転しながらサンギヤ31の周方向に公転可能である。より詳細には、プラネタリギヤ32は、サンギヤ31の周方向に沿って複数設けられ、サンギヤ31に噛み合いつつ自転しながらサンギヤ31の周方向に公転可能である。プラネタリギヤ32は、例えば金属により略円筒状に形成され、サンギヤ31の径方向外側においてサンギヤ31の周方向に等間隔で複数設けられている。プラネタリギヤ32は、「歯部」および「外歯」としてのプラネタリギヤ歯部321を有している。プラネタリギヤ歯部321は、サンギヤ歯部311に噛み合い可能なようプラネタリギヤ32の外周壁に形成されている。
キャリア33は、プラネタリギヤ32を回転可能に支持し、サンギヤ31に対し相対回転可能である。
より詳細には、キャリア33は、キャリア本体331、ピン335を有している。キャリア本体331は、例えば金属により略円環の板状に形成されている。キャリア本体331は、軸方向においてはコイル22とプラネタリギヤ32との間に位置している。
ピン335は、例えば金属により略円柱状に形成されている。ピン335は、軸方向の端部がキャリア本体331に固定されるようにして設けられている。
減速機30は、プラネタリギヤベアリング36を有している。プラネタリギヤベアリング36は、ピン335の外周壁とプラネタリギヤ32の内周壁との間に設けられている。これにより、プラネタリギヤ32は、プラネタリギヤベアリング36を介してピン335により回転可能に支持されている。すなわち、ピン335は、プラネタリギヤ32の回転中心に設けられ、プラネタリギヤ32を回転可能に支持している。また、プラネタリギヤ32とピン335とは、プラネタリギヤベアリング36を介して所定の範囲で軸方向に相対移動可能である。言い換えると、プラネタリギヤ32とピン335とは、プラネタリギヤベアリング36により、軸方向の相対移動可能範囲が所定の範囲に規制されている。
第1リングギヤ34は、プラネタリギヤ32に噛み合い可能な歯部である第1リングギヤ歯部341を有し、ハウジング12に設けられている。第1リングギヤ34は、例えば金属により略円筒状に形成されている。第1リングギヤ34は、ステータ21に対しハウジング板部122とは反対側において、外周壁がハウジング外筒部123の内周壁に対向するようハウジング12に設けられている。第1リングギヤ34は、ハウジング12に対し相対回転不能である。
ここで、第1リングギヤ34は、ハウジング12、ロータ23、サンギヤ31に対し同軸に設けられている。「歯部」および「内歯」としての第1リングギヤ歯部341は、プラネタリギヤ32のプラネタリギヤ歯部321の軸方向の一方の端部側に噛み合い可能なよう第1リングギヤ34の内縁部に形成されている。第1リングギヤ34、および、その近傍のより詳細な構成については、後述する。
第2リングギヤ35は、プラネタリギヤ32に噛み合い可能な歯部であり第1リングギヤ歯部341とは歯数の異なる第2リングギヤ歯部351を有し、後述する駆動カム40と一体回転可能に設けられている。より詳細には、第2リングギヤ35は、例えば金属により略円筒状に形成されている。
ここで、第2リングギヤ35は、ハウジング12、ロータ23、サンギヤ31に対し同軸に設けられている。「歯部」および「内歯」としての第2リングギヤ歯部351は、プラネタリギヤ32のプラネタリギヤ歯部321の軸方向の他方の端部側に噛み合い可能なよう第2リングギヤ35の内縁部に形成されている。本実施形態では、第2リングギヤ歯部351の歯数は、第1リングギヤ歯部341の歯数よりも多い。より詳細には、第2リングギヤ歯部351の歯数は、第1リングギヤ歯部341の歯数よりも、プラネタリギヤ32の個数に整数を乗じた数分だけ多い。
また、プラネタリギヤ32は、同一部位において2つの異なる諸元をもつ第1リングギヤ34および第2リングギヤ35と干渉なく正常に噛み合う必要があるため、第1リングギヤ34および第2リングギヤ35の一方もしくは両方を転位させて各歯車対の中心距離を一定にする設計としている。
上記構成により、電動モータ20のロータ23が回転すると、サンギヤ31が回転し、プラネタリギヤ32のプラネタリギヤ歯部321がサンギヤ歯部311と第1リングギヤ歯部341および第2リングギヤ歯部351とに噛み合いつつ自転しながらサンギヤ31の周方向に公転する。ここで、第2リングギヤ歯部351の歯数が第1リングギヤ歯部341の歯数より多いため、第2リングギヤ35は、第1リングギヤ34に対し相対回転する。そのため、第1リングギヤ34と第2リングギヤ35との間で第1リングギヤ歯部341と第2リングギヤ歯部351との歯数差に応じた微小差回転が第2リングギヤ35の回転として出力される。これにより、電動モータ20からのトルクは、減速機30により減速されて、第2リングギヤ35から出力される。このように、減速機30は、電動モータ20のトルクを減速して出力可能である。本実施形態では、減速機30は、3k型の不思議遊星歯車減速機を構成している。
第2リングギヤ35は、後述する駆動カム40とは別体に形成され、駆動カム40と一体回転可能に設けられている。第2リングギヤ35は、電動モータ20からのトルクを減速して駆動カム40に出力する。ここで、第2リングギヤ35は、減速機30の「出力部」に対応する。
トルクカム2は、「回転部」としての駆動カム40、「並進部」としての従動カム50、「カム転動体」としてのカムボール3を有している。
駆動カム40は、駆動カム本体41、駆動カム特定形状部42、駆動カム板部43、「駆動カム筒部」としての駆動カム外筒部44、駆動カム溝400等を有している。駆動カム本体41は、略円環の板状に形成されている。駆動カム特定形状部42は、駆動カム本体41の外縁部から、駆動カム本体41の軸Ax1に対し傾斜して延びるよう形成されている。駆動カム板部43は、駆動カム特定形状部42の駆動カム本体41とは反対側の端部から径方向外側へ延びるよう略円環の板状に形成されている。駆動カム外筒部44は、駆動カム板部43の外縁部から駆動カム特定形状部42側へ延びるよう略円筒状に形成されている。ここで、駆動カム本体41と駆動カム特定形状部42と駆動カム板部43と駆動カム外筒部44とは、例えば金属により一体に形成されている。
駆動カム溝400は、駆動カム本体41の駆動カム特定形状部42側の面である一方の端面から他方の端面側へ凹みつつ、駆動カム本体41の周方向に延びるよう形成されている。駆動カム溝400は、駆動カム本体41の周方向において一方の端面からの深さが変化するよう形成されている。駆動カム溝400は、例えば駆動カム本体41の周方向に等間隔で3つ形成されている。
駆動カム40は、駆動カム本体41がハウジング内筒部121の外周壁とサンギヤ31のサンギヤ筒部312の内周壁との間に位置し、駆動カム板部43がプラネタリギヤ32に対しキャリア本体331とは反対側に位置するようハウジング内筒部121とハウジング外筒部123との間に設けられている。駆動カム40は、ハウジング12に対し相対回転可能である。
第2リングギヤ35は、外周壁が駆動カム外筒部44の内周壁に嵌合するよう圧入により駆動カム40に固定されている。第2リングギヤ35は、駆動カム40に対し相対回転不能である。すなわち、第2リングギヤ35は、「回転部」としての駆動カム40と一体回転可能に設けられている。そのため、電動モータ20からのトルクが、減速機30により減速され、第2リングギヤ35から出力されると、駆動カム40は、ハウジング12に対し相対回転する。すなわち、駆動カム40は、減速機30から出力されたトルクが入力されるとハウジング12に対し相対回転する。
従動カム50は、従動カム本体51、従動カム特定形状部52、従動カム板部53、カム側スプライン溝部54、従動カム溝500等を有している。従動カム本体51は、略円環の板状に形成されている。従動カム特定形状部52は、従動カム本体51の外縁部から、従動カム本体51の軸Ax2に対し傾斜して延びるよう形成されている。従動カム板部53は、従動カム特定形状部52の従動カム本体51とは反対側の端部から径方向外側へ延びるよう略円環の板状に形成されている。ここで、従動カム本体51と従動カム特定形状部52と従動カム板部53とは、例えば金属により一体に形成されている。
カム側スプライン溝部54は、従動カム本体51の内周壁において軸方向に延びるよう形成されている。カム側スプライン溝部54は、従動カム本体51の周方向に複数形成されている。
従動カム50は、従動カム本体51が駆動カム本体41に対しロータベアリング15とは反対側、かつ、駆動カム特定形状部42および駆動カム板部43の径方向内側に位置し、カム側スプライン溝部54がハウジング側スプライン溝部127とスプライン結合するよう設けられている。これにより、従動カム50は、ハウジング12に対し、相対回転不能、かつ、軸方向に相対移動可能である。
従動カム溝500は、従動カム本体51の駆動カム本体41側の面である一方の端面から他方の端面側へ凹みつつ、従動カム本体51の周方向に延びるよう形成されている。従動カム溝500は、従動カム本体51の周方向において一方の端面からの深さが変化するよう形成されている。従動カム溝500は、例えば従動カム本体51の周方向に等間隔で3つ形成されている。
なお、駆動カム溝400と従動カム溝500とは、それぞれ、駆動カム本体41の従動カム本体51側の面側、または、従動カム本体51の駆動カム本体41側の面側から見たとき、同一の形状となるよう形成されている。
カムボール3は、例えば金属により球状に形成されている。カムボール3は、3つの駆動カム溝400と3つの従動カム溝500との間のそれぞれにおいて転動可能に設けられている。すなわち、カムボール3は、合計3つ設けられている。
このように、駆動カム40と従動カム50とカムボール3とは、「転動体カム」としてのトルクカム2を構成している。駆動カム40がハウジング12および従動カム50に対し相対回転すると、カムボール3は、駆動カム溝400および従動カム溝500においてそれぞれの溝底に沿って転動する。
上述のように、駆動カム溝400および従動カム溝500は、駆動カム40または従動カム50の周方向において深さが変化するよう形成されている。そのため、減速機30から出力されるトルクにより駆動カム40がハウジング12および従動カム50に対し相対回転すると、カムボール3が駆動カム溝400および従動カム溝500において転動し、従動カム50は、駆動カム40およびハウジング12に対し軸方向に相対移動、すなわち、ストロークする。
このように、従動カム50は、駆動カム溝400との間にカムボール3を挟むようにして一方の端面に形成された複数の従動カム溝500を有し、駆動カム40およびカムボール3とともにトルクカム2を構成している。従動カム50は、駆動カム40がハウジング12に対し相対回転すると駆動カム40およびハウジング12に対し軸方向に相対移動する。ここで、従動カム50は、カム側スプライン溝部54がハウジング側スプライン溝部127とスプライン結合しているため、ハウジング12に対し相対回転しない。また、駆動カム40は、ハウジング12に対し相対回転するものの、軸方向には相対移動しない。
トルクカム2は、電動モータ20に対し軸方向の一方側に設けられ、電動モータ20からのトルクによる回転運動を、ハウジング12に対する軸方向の相対移動である並進運動に変換する。
本実施形態では、クラッチアクチュエータ10は、「付勢部材」としてのリターンスプリング55、リターンスプリングリテーナ56を備えている。リターンスプリング55は、例えばコイルスプリングであり、従動カム本体51の駆動カム本体41とは反対側において、ハウジング内筒部121の径方向外側に設けられている。リターンスプリング55は、一端が従動カム本体51の駆動カム本体41とは反対側の面に当接している。
リターンスプリングリテーナ56は、リテーナ内筒部561、リテーナ板部562、リテーナ外筒部563を有している。リテーナ内筒部561は、略円筒状に形成されている。リテーナ板部562は、リテーナ内筒部561の一方の端部から径方向外側に延びるよう環状の板状に形成されている。リテーナ外筒部563は、リテーナ板部562の外縁部からリテーナ内筒部561側へ延びるよう略円筒状に形成されている。リテーナ内筒部561とリテーナ板部562とリテーナ外筒部563とは、例えば金属により一体に形成されている。
リターンスプリングリテーナ56は、リテーナ内筒部561の内周壁がハウジング内筒部121の外周壁に嵌合するようハウジング内筒部121に固定されている。リターンスプリング55の他端は、リテーナ内筒部561とリテーナ外筒部563との間においてリテーナ板部562に当接している。
リターンスプリング55は、軸方向に伸びる力を有している。そのため、従動カム50は、駆動カム40との間にカムボール3を挟んだ状態で、リターンスプリング55により駆動カム本体41側へ付勢されている。
出力軸62は、軸部621、板部622、筒部623、摩擦板624を有している(図2参照)。軸部621は、略円筒状に形成されている。板部622は、軸部621の一端から径方向外側へ環状の板状に延びるよう軸部621と一体に形成されている。筒部623は、板部622の外縁部から軸部621とは反対側へ略円筒状に延びるよう板部622と一体に形成されている。摩擦板624は、略円環の板状に形成され、板部622の筒部623側の端面に設けられている。ここで、摩擦板624は、板部622に対し相対回転不能である。筒部623の内側には、クラッチ空間620が形成されている。
入力軸61の端部は、ハウジング内筒部121の内側を通り、従動カム50に対し駆動カム40とは反対側に位置している。出力軸62は、従動カム50に対し駆動カム40とは反対側において、入力軸61と同軸に設けられる。軸部621の内周壁と入力軸61の端部の外周壁との間には、ボールベアリング142が設けられる。これにより、出力軸62は、ボールベアリング142を介して入力軸61により軸受けされる。入力軸61および出力軸62は、ハウジング12に対し相対回転可能である。
クラッチ70は、クラッチ空間620において入力軸61と出力軸62との間に設けられている。クラッチ70は、内側摩擦板71、外側摩擦板72、係止部701を有している。内側摩擦板71は、略円環の板状に形成され、入力軸61と出力軸62の筒部623との間において、軸方向に並ぶよう複数設けられている。内側摩擦板71は、内縁部が入力軸61の外周壁とスプライン結合するよう設けられている。そのため、内側摩擦板71は、入力軸61に対し相対回転不能、かつ、軸方向に相対移動可能である。
外側摩擦板72は、略円環の板状に形成され、入力軸61と出力軸62の筒部623との間において、軸方向に並ぶよう複数設けられている。ここで、内側摩擦板71と外側摩擦板72とは、入力軸61の軸方向において交互に配置されている。外側摩擦板72は、外縁部が出力軸62の筒部623の内周壁とスプライン結合するよう設けられている。そのため、外側摩擦板72は、出力軸62に対し相対回転不能、かつ、軸方向に相対移動可能である。複数の外側摩擦板72のうち最も摩擦板624側に位置する外側摩擦板72は、摩擦板624に接触可能である。
係止部701は、略円環状に形成され、外縁部が出力軸62の筒部623の内周壁に嵌合するよう設けられる。係止部701は、複数の外側摩擦板72のうち最も従動カム50側に位置する外側摩擦板72の外縁部を係止可能である。そのため、複数の外側摩擦板72、複数の内側摩擦板71は、筒部623の内側からの脱落が抑制される。なお、係止部701と摩擦板624との距離は、複数の外側摩擦板72および複数の内側摩擦板71の板厚の合計よりも大きい。
複数の内側摩擦板71および複数の外側摩擦板72が互いに接触、つまり係合した状態である係合状態では、内側摩擦板71と外側摩擦板72との間に摩擦力が生じ、当該摩擦力の大きさに応じて内側摩擦板71と外側摩擦板72との相対回転が規制される。一方、複数の内側摩擦板71および複数の外側摩擦板72が互いに離間、つまり係合していない状態である非係合状態では、内側摩擦板71と外側摩擦板72との間に摩擦力は生じず、内側摩擦板71と外側摩擦板72との相対回転は規制されない。
クラッチ70が係合状態のとき、入力軸61に入力されたトルクは、クラッチ70を経由して出力軸62に伝達される。一方、クラッチ70が非係合状態のとき、入力軸61に入力されたトルクは、出力軸62に伝達されない。
このように、クラッチ70は、入力軸61と出力軸62との間でトルクを伝達する。クラッチ70は、係合している係合状態のとき、入力軸61と出力軸62との間のトルクの伝達を許容し、係合していない非係合状態のとき、入力軸61と出力軸62との間のトルクの伝達を遮断する。
本実施形態では、クラッチ装置1は、通常、非係合状態となる、所謂常開式(ノーマリーオープンタイプ)のクラッチ装置である。
状態変更部80は、「弾性変形部」としての皿ばね81、皿ばねリテーナ82、皿ばねスラストベアリング83を有している。皿ばねリテーナ82は、リテーナ筒部821、リテーナフランジ部822を有している。リテーナ筒部821は、略円筒状に形成されている。リテーナフランジ部822は、リテーナ筒部821の一端から径方向外側へ延びるよう環状の板状に形成されている。リテーナ筒部821とリテーナフランジ部822とは、例えば金属により一体に形成されている。皿ばねリテーナ82は、例えばリテーナ筒部821の他端が従動カム板部53の駆動カム40とは反対側の端面に接続するよう従動カム50に設けられている。ここで、リテーナ筒部821と従動カム板部53とは、例えば溶接により接続されている。
皿ばね81は、内縁部がリテーナ筒部821の径方向外側において、従動カム板部53とリテーナフランジ部822との間に位置するよう設けられている。皿ばねスラストベアリング83は、環状に形成され、リテーナ筒部821の径方向外側において、従動カム板部53と皿ばね81の内縁部との間に設けられている。
皿ばねリテーナ82は、リテーナフランジ部822が皿ばね81の軸方向の一端すなわち内縁部を係止可能なよう従動カム50に固定されている。そのため、皿ばね81および皿ばねスラストベアリング83は、リテーナフランジ部822により、皿ばねリテーナ82からの脱落が抑制されている。皿ばね81は、軸方向に弾性変形可能である。
図1、2に示すように、カムボール3が、駆動カム本体41の一方の端面から駆動カム溝400の駆動カム本体41の軸方向すなわち深さ方向に最も離れた部位である最深部に対応する位置(原点)、および、従動カム本体51の一方の端面から従動カム溝500の従動カム本体51の軸方向すなわち深さ方向に最も離れた部位である最深部に対応する位置(原点)に位置するとき、駆動カム40と従動カム50との距離は、比較的小さく、皿ばね81の軸方向の他端すなわち外縁部とクラッチ70との間には、隙間Sp1が形成されている(図1参照)。そのため、クラッチ70は非係合状態であり、入力軸61と出力軸62との間のトルクの伝達は遮断されている。
ここで、クラッチ70の状態を変更する通常作動時、ECU100の制御により電動モータ20のコイル22に電力が供給されると、電動モータ20が回転し、減速機30からトルクが出力され、駆動カム40がハウジング12に対し相対回転する。これにより、カムボール3が最深部に対応する位置から駆動カム溝400および従動カム溝500の周方向の一方側へ転動する。これにより、従動カム50は、リターンスプリング55を圧縮しながらハウジング12に対し軸方向に相対移動、すなわち、クラッチ70側へ移動する。これにより、皿ばね81は、クラッチ70側へ移動する。
従動カム50の軸方向の移動により皿ばね81がクラッチ70側へ移動すると、隙間Sp1が小さくなり、皿ばね81の軸方向の他端は、クラッチ70の外側摩擦板72に接触する。皿ばね81がクラッチ70に接触した後さらに従動カム50が軸方向に移動すると、皿ばね81は、軸方向に弾性変形しつつ、外側摩擦板72を摩擦板624側へ押す。これにより、複数の内側摩擦板71および複数の外側摩擦板72が互いに係合し、クラッチ70が係合状態となる。そのため、入力軸61と出力軸62との間のトルクの伝達が許容される。
このとき、皿ばね81は、皿ばねスラストベアリング83に軸受けされながら従動カム50および皿ばねリテーナ82に対し相対回転する。このように、皿ばねスラストベアリング83は、皿ばね81からスラスト方向の荷重を受けつつ、皿ばね81を軸受けする。
ECU100は、クラッチ伝達トルクがクラッチ要求トルク容量に達すると、電動モータ20の回転を停止させる。これにより、クラッチ70は、クラッチ伝達トルクがクラッチ要求トルク容量に維持された係合保持状態となる。このように、状態変更部80の皿ばね81は、従動カム50から軸方向の力を受け、ハウジング12および駆動カム40に対する従動カム50の軸方向の相対位置に応じてクラッチ70の状態を係合状態または非係合状態に変更可能である。
また、トルクカム2は、電動モータ20からのトルクによる回転運動を、ハウジング12に対する軸方向の相対移動である並進運動に変換し、クラッチ70の状態を係合状態または非係合状態に変更可能である。
出力軸62は、軸部621の板部622とは反対側の端部が、図示しない変速機の入力軸に接続され、当該入力軸とともに回転可能である。つまり、変速機の入力軸には、出力軸62から出力されたトルクが入力される。変速機に入力されたトルクは、変速機で変速され、駆動トルクとして車両の駆動輪に出力される。これにより、車両が走行する。
本実施形態では、クラッチ装置1は、オイル供給部5を備えている(図1、2参照)。オイル供給部5は、一端がクラッチ空間620に露出するよう、出力軸62において通路状に形成されている。オイル供給部5の他端は、図示しないオイル供給源に接続される。これにより、オイル供給部5の一端からクラッチ空間620のクラッチ70にオイルが供給される。
ECU100は、オイル供給部5からクラッチ70に供給するオイルの量を制御する。クラッチ70に供給されたオイルは、クラッチ70を潤滑および冷却可能である。このように、本実施形態では、クラッチ70は、湿式クラッチであり、オイルにより冷却され得る。
本実施形態では、「回転並進部」としてのトルクカム2は、「回転部」としての駆動カム40および第2リングギヤ35とハウジング12との間に収容空間120を形成している。ここで、収容空間120は、駆動カム40および第2リングギヤ35に対しクラッチ70とは反対側においてハウジング12の内側に形成されている。電動モータ20および減速機30は、収容空間120に設けられている。クラッチ70は、駆動カム40に対し収容空間120とは反対側の空間であるクラッチ空間620に設けられている。
スラストベアリング16は、「スラスト軸受転動体」としてのころ161、レース162、バックアッププレート163を有している。レース162は、例えば金属により環状の板状に形成されている。ころ161は、例えば金属により略円柱状に形成され、レース162の一方の端面に接触しながらレース162の周方向に転動可能に設けられている。ころ161は、レース162の周方向に複数設けられている。
バックアッププレート163は、軸方向の端部がハウジング段差面125に当接するようハウジング内筒部121の径方向外側に設けられている。レース162は、他方の端面がバックアッププレート163に当接するようハウジング内筒部121の径方向外側に設けられている。ころ161は、レース162と駆動カム本体41との間に設けられ、レース162の駆動カム本体41側の端面と駆動カム本体41のレース162側の面とに接触しつつ、レース162の周方向に転動可能である。
スラストベアリング16は、駆動カム40からスラスト方向すなわち軸方向の荷重を受けつつ駆動カム40を軸受けする。本実施形態では、クラッチ70側からの軸方向の荷重は、皿ばね81、皿ばねスラストベアリング83、従動カム50、カムボール3、駆動カム40を経由してスラストベアリング16に作用する。
本実施形態では、クラッチアクチュエータ10は、内側シール部材191、「シール部材」としての外側シール部材192を備えている。内側シール部材191および外側シール部材192は、例えばゴム等の弾性材料により環状に形成されたオイルシールである。
内側シール部材191は、ハウジング内筒部121に形成されたシール溝部124に設けられている。内側シール部材191は、外縁部が駆動カム本体41の内周壁と摺動可能なようシール溝部124に設けられている。
外側シール部材192は、ハウジング外筒部123に形成されたシール溝部170に設けられている。外側シール部材192は、内縁部が駆動カム外筒部44の外周壁と摺動可能なようシール溝部170に設けられている。
ここで、外側シール部材192は、内側シール部材191の軸方向から見たとき、内側シール部材191の径方向外側に位置するよう設けられている(図1、2参照)。
上述のように、駆動カム本体41の内周壁は、内側シール部材191と摺動可能である。すなわち、内側シール部材191は、「回転部」としての駆動カム40に接触するよう設けられている。内側シール部材191は、駆動カム本体41とハウジング内筒部121との間を気密または液密に保持可能にシールしている。
駆動カム外筒部44の外周壁は、外側シール部材192の内縁部と摺動可能である。すなわち、外側シール部材192は、「回転部」としての駆動カム40に接触するよう設けられている。外側シール部材192は、駆動カム外筒部44の外周壁とハウジング外筒部123との間を気密または液密に保持可能にシールしている。
上述のように設けられた内側シール部材191、および、外側シール部材192により、電動モータ20および減速機30を収容する収容空間120を気密または液密に保持可能であり、収容空間120と、クラッチ70が設けられたクラッチ空間620との間を気密または液密に保持可能である。これにより、例えばクラッチ70において摩耗粉等の異物が発生したとしても、当該異物がクラッチ空間620から収容空間120へ侵入するのを抑制できる。そのため、異物による電動モータ20または減速機30の作動不良を抑制できる。
以下、本実施形態の各部の構成について、より詳細に説明する。
図3~5に示すように、<1>ハウジング12は、ピールかしめ部13を有している。ピールかしめ部13は、ハウジング外筒部123から径方向内側へ延びて、第1リングギヤ34の軸方向の端部を係止する。
<2>第1リングギヤ34は、径方向外側へ突出する1つ以上の第1リングギヤ突部25を有する。ハウジング外筒部123は、第1リングギヤ突部25が入り込み可能なようハウジング外筒部123の内周壁から径方向外側へ凹む1つ以上のハウジング凹部18を有する。
より詳細には、第1リングギヤ34は、第1リングギヤ本体340、第1リングギヤ歯部341、第1リングギヤ突部25を有している。第1リングギヤ本体340は、略円筒状に形成されている。第1リングギヤ歯部341は、第1リングギヤ本体340の径方向内側に形成されている。
第1リングギヤ突部25は、第1リングギヤ本体340の外壁から径方向外側へ突出するよう第1リングギヤ本体340と一体に形成されている。第1リングギヤ突部25は、第1リングギヤ本体340の周方向に等間隔で3つ形成されている。第1リングギヤ突部25は、平面状の外壁である突部壁面251、突部壁面252を有している(図5参照)。突部壁面251と突部壁面252とは、互いに略平行となるよう形成されている。つまり、突部壁面251と突部壁面252とは、第1リングギヤ突部25の二面幅を構成している。ここで、突部壁面251、突部壁面252は、第1リングギヤ本体340の周方向に略直交する。
ハウジング凹部18は、ハウジング外筒部123の周方向に等間隔で3つ形成されている。ハウジング凹部18は、平面状の内壁である凹部壁面181、凹部壁面182を有している(図5参照)。凹部壁面181と凹部壁面182とは、互いに略平行となるよう形成されている。ここで、凹部壁面181、凹部壁面182は、ハウジング外筒部123の周方向に略直交する。
突部壁面251と突部壁面252との距離は、凹部壁面181と凹部壁面182との距離より小さい。第1リングギヤ34は、第1リングギヤ突部25がハウジング凹部18に入り込むようにしてハウジング12に設けられている。第1リングギヤ本体340の外径は、ハウジング外筒部123の内径より小さい。そのため、第1リングギヤ34は、ハウジング外筒部123に圧入されていない。
突部壁面251と凹部壁面181と、および、突部壁面252と凹部壁面182とは、互いに当接可能に対向している(図5参照)。そのため、第1リングギヤ34は、ハウジング外筒部123に対する相対回転が規制される。図5に示すように、減速機30の作動中、第1リングギヤ34に対し周方向に比較的大きなギヤトルクが作用する。このとき、凹部壁面181と突部壁面251とが当接することで、ハウジング外筒部123に対する第1リングギヤ34の相対回転が規制される。
第1リングギヤ突部25の第2リングギヤ35とは反対側の端面は、ハウジング外筒部123に形成された筒部段差面171に当接している。そのため、第1リングギヤ34は、ハウジング外筒部123に対し第2リングギヤ35とは反対側への移動が規制されている。
ハウジング外筒部123の筒部段差面171とシール溝部170との間には、略円環状の筒部段差面172が形成されている(図4参照)。本実施形態では、第1リングギヤ突部25がハウジング凹部18に入り込んだ状態で、筒部段差面172の凹部壁面181と凹部壁面182との間を潰すように変形させることでピールかしめ部13を形成している(図5参照)。ピールかしめ部13は、ハウジング凹部18に対応し、ハウジング外筒部123の周方向に等間隔で3つ形成されている。
ピールかしめ部13は、第1リングギヤ突部25の先端の角部を係止している(図3~5参照)。これにより、第1リングギヤ34は、ハウジング外筒部123からの抜けが規制されている。
以上説明したように、<1>本実施形態では、ハウジング12は、筒状のハウジング外筒部123、および、ピールかしめ部13を有する。ピールかしめ部13は、ハウジング外筒部123から径方向内側へ延びて、第1リングギヤ34の軸方向の端部を係止する。
そのため、第1リングギヤ34について、圧入によらずハウジング12に固定でき、圧入による第1リングギヤ34およびハウジング12の変形を回避できる。また、従来技術(特開2021-23092号)のように第1リングギヤ34の固定にボルト等を必要としないため、第1リングギヤ34を簡単な形状にでき、第1リングギヤ34の成形性が向上するとともに、部品点数を低減できる。
また、第1リングギヤ34を簡単な形状にできるため、クラッチアクチュエータ10の軸方向の体格を小さくできる。さらに、ハウジング外筒部123の軸方向において、ステータ21と第1リングギヤ34とが連続して圧入されることを回避でき、圧入部の変形が相互に影響するのを防ぐことができる。
また、<2>本実施形態では、第1リングギヤ34は、径方向外側へ突出する1つ以上の第1リングギヤ突部25を有する。ハウジング外筒部123は、第1リングギヤ突部25が入り込み可能なようハウジング外筒部123の内周壁から径方向外側へ凹む1つ以上のハウジング凹部18を有する。
そのため、第1リングギヤ34に対し周方向に所定のトルクが作用しても、このトルクを第1リングギヤ突部25とハウジング凹部18との係合部で受けることができ、耐トルク性を向上できる。また、第1リングギヤ34に作用するトルクを第1リングギヤ突部25とハウジング凹部18との係合部で受ける構成とすることにより、ピールかしめ部13は第1リングギヤ34の抜け荷重のみ考慮すればよいため、ピールかしめ部13を小さくすることができる。そのため、第1リングギヤ34のハウジング12への組み付け時の変形を抑制できる。特に本実施形態では、第1リングギヤ34のハウジング12への組み付け時、ピールかしめ部13は、第1リングギヤ34のうち第1リングギヤ突部25を係止するよう形成されるため、ピールかしめ部13を形成するときの変形が第1リングギヤ歯部341に影響するのを抑制できる。
(第2実施形態)
第2実施形態によるクラッチアクチュエータの一部を図6に示す。第2実施形態は、第2リングギヤ、駆動カム、「シール部材」としての外側シール部材の構成等が第1実施形態と異なる。
本実施形態では、第2リングギヤ歯部351は、第2リングギヤ35の第1リングギヤ34側の端部の内縁部に形成されている。第2リングギヤ35の第1リングギヤ34とは反対側の端部の内径は、第2リングギヤ35の第1リングギヤ34側の端部の内径より小さい。
駆動カム外筒部44は、駆動カム板部43の外縁部からプラネタリギヤ32とは反対側へ延びるよう略円筒状に形成されている。第2リングギヤ35は、第1リングギヤ34とは反対側の端部の内縁部が駆動カム板部43および駆動カム外筒部44の外縁部に嵌合するよう圧入により駆動カム40に固定されている。
本実施形態では、「シール部材」としての外側シール部材193は、例えばゴム等の弾性材料および金属環等により環状に形成されたオイルシールである。ハウジング外筒部123には、第1実施形態で示したシール溝部170は形成されていない。
外側シール部材193は、第2リングギヤ35に対し第1リングギヤ34とは反対側において、ハウジング外筒部123と駆動カム外筒部44との間に設けられている。外側シール部材193は、外周壁がハウジング外筒部123の内周壁に嵌合するよう圧入によりハウジング外筒部123に固定されている。外側シール部材193の内縁部のシールリップ部は、駆動カム外筒部44の外周壁と摺動可能である。
駆動カム外筒部44の外周壁は、外側シール部材193の内縁部であるシールリップ部と摺動可能である。すなわち、外側シール部材193は、「回転部」としての駆動カム40に接触するよう設けられている。外側シール部材193は、駆動カム外筒部44の外周壁とハウジング外筒部123の内周壁との間を気密または液密にシールしている。
<3>本実施形態では、第1リングギヤ34、ステータ21、または、外側シール部材193のうち、ピールかしめ部13により係止されていないものは、ハウジング外筒部123に圧入により固定されている。
より具体的には、第1リングギヤ34、ステータ21、または、外側シール部材193のうち、ピールかしめ部13により係止されていないものであるステータ21および外側シール部材193は、ハウジング外筒部123に圧入により固定されている。
以上説明したように、<3>本実施形態では、第1リングギヤ34、ステータ21、または、外側シール部材193のうち、ピールかしめ部13により係止されていないものは、ハウジング外筒部123に圧入により固定されている。
そのため、ハウジング外筒部123の軸方向において、ステータ21と第1リングギヤ34と外側シール部材193とが連続して圧入されることを回避でき、圧入部の変形が各部品に相互に影響するのを防ぐことができる。
ピールかしめ部13によるハウジング12への部品の固定には、ハウジング12側に段差面や回り止めが必要になるなど組み付け上の制約がある。一方、圧入によるハウジング12への部品の固定には、上述したような組み付け上の制約は少ない。そのため、本実施形態のように、ピールかしめ部13によるハウジング12への部品の固定と、圧入によるハウジング12への部品の固定を組み合わせることで、圧入による影響を抑えつつ、最適な製品および組付工程設計を行うことができる。
(第3実施形態)
第3実施形態によるクラッチアクチュエータの一部を図7に示す。第3実施形態は、ハウジング筒部、ステータ、第1リングギヤの構成等が第2実施形態と異なる。
本実施形態では、ハウジング外筒部123には、第2実施形態で示した筒部段差面172は形成されていない。一方、ハウジング外筒部123には、ステータ21のステータヨーク211の軸方向の一方の端面および他方の端面に対応する位置に筒部段差面173および筒部段差面174が形成されている。
ステータ21のステータヨーク211の外径は、ハウジング外筒部123の内径より小さい。そのため、ステータ21は、ハウジング外筒部123に圧入されていない。
ステータ21のステータヨーク211の第1リングギヤ34とは反対側の端面の外縁部は、筒部段差面173に当接している。そのため、ステータ21は、ハウジング外筒部123に対し第1リングギヤ34とは反対側への移動が規制されている。
本実施形態では、筒部段差面174の内縁部を部分的に潰すように変形させることでピールかしめ部13を形成している。ピールかしめ部13は、筒部段差面174の周方向に等間隔で3つ形成されている。
ピールかしめ部13は、ステータ21のステータヨーク211の第1リングギヤ34側の端部の角部を係止している。これにより、ステータ21は、ハウジング外筒部123からの抜けが規制されている。
本実施形態では、第1リングギヤ34は、第2実施形態で示した第1リングギヤ突部25を有していない。また、ハウジング外筒部123は、第2実施形態で示したハウジング凹部18を有していない。第1リングギヤ34は、第1リングギヤ本体340の外周壁がハウジング外筒部123の内周壁に嵌合するよう圧入によりハウジング外筒部123に固定されている。
<3>本実施形態では、第1リングギヤ34、ステータ21、または、外側シール部材193のうち、ピールかしめ部13により係止されていないものである第1リングギヤ34および外側シール部材193は、ハウジング外筒部123に圧入により固定されている。
本実施形態においても第2実施形態と同様の効果を奏することができる。
(第4実施形態)
第4実施形態によるクラッチアクチュエータの一部を図8に示す。第4実施形態は、ハウジング筒部、第1リングギヤ、「シール部材」としての外側シール部材の構成等が第2、3実施形態と異なる。
本実施形態では、ステータ21は、第2実施形態と同様、圧入によりハウジング外筒部123に固定されている。また、第3実施形態と同様、ハウジング外筒部123に筒部段差面172は形成されておらず、第1リングギヤ34は、圧入によりハウジング外筒部123に固定されている。
ハウジング外筒部123には、外側シール部材193の軸方向の一方の端面および他方の端面に対応する位置に筒部段差面175および筒部段差面176が形成されている。
外側シール部材193の外径は、ハウジング外筒部123の内径より小さい。そのため、外側シール部材193は、ハウジング外筒部123に圧入されていない。
外側シール部材193の第2リングギヤ35側の端面の外縁部は、筒部段差面175に当接している。そのため、外側シール部材193は、ハウジング外筒部123に対し第2リングギヤ35側への移動が規制されている。
本実施形態では、筒部段差面176の内縁部を部分的に潰すように変形させることでピールかしめ部13を形成している。ピールかしめ部13は、筒部段差面176の周方向に等間隔で3つ形成されている。
ピールかしめ部13は、外側シール部材193の第2リングギヤ35とは反対側の端部の角部を係止している。これにより、外側シール部材193は、ハウジング外筒部123からの抜けが規制されている。
<3>本実施形態では、第1リングギヤ34、ステータ21、または、外側シール部材193のうち、ピールかしめ部13により係止されていないものであるステータ21および第1リングギヤ34は、ハウジング外筒部123に圧入により固定されている。
本実施形態においても第2、3実施形態と同様の効果を奏することができる。
(他の実施形態)
上述の実施形態では、ピールかしめ部が、第1リングギヤ、ステータまたはシール部材のいずれか1つ、つまり、1部品の軸方向の端部を係止するよう形成される例を示した。これに対し、他の実施形態では、ピールかしめ部は、第1リングギヤ、ステータまたはシール部材のうち2つ、つまり、2部品の軸方向の端部を係止するよう形成されてもよい。また、他の実施形態では、ピールかしめ部は、第1リングギヤ、ステータおよびシール部材の全て、つまり、3部品の軸方向の端部を係止するよう形成されてもよい。
また、上述の第1、2実施形態では、ピールかしめ部が、第1リングギヤの第1リングギヤ突部を係止するよう形成される例を示した。これに対し、他の実施形態では、ピールかしめ部は、例えば第1リングギヤ本体340の外縁部等、第1リングギヤの第1リングギヤ突部以外の部位を係止するよう形成されていてもよい。
また、上述の実施形態では、ピールかしめ部が、第1リングギヤ、ステータまたはシール部材の周方向に等間隔で3つ形成される例を示した。これに対し、他の実施形態では、ピールかしめ部は、第1リングギヤ、ステータまたはシール部材の周方向にいくつ形成されていてもよい。ここで、ピールかしめ部が複数形成される場合は、各部品の周方向に等間隔で形成されることが望ましい。
また、上述の実施形態では、第1リングギヤ突部が互いに平行な平面状の突部壁面251と突部壁面252とを有する例を示した。これに対し、他の実施形態では、突部壁面251と突部壁面252とは平行な平面状に形成されていなくてもよい。
また、上述の実施形態では、ハウジング凹部が互いに平行な平面状の凹部壁面181と凹部壁面182とを有する例を示した。これに対し、他の実施形態では、凹部壁面181と凹部壁面182とは平行な平面状に形成されていなくてもよい。
また、上述の第1、2実施形態では、第1リングギヤに第1リングギヤ突部が3つ形成され、ハウジング筒部にハウジング凹部が3つ形成される例を示した。これに対し、他の実施形態では、第1リングギヤ突部は第1リングギヤの周方向にいくつ形成されてもよく、ハウジング凹部はハウジング筒部の周方向にいくつ形成されてもよい。ここで、第1リングギヤ突部およびハウジング凹部が複数形成される場合は、第1リングギヤまたはハウジング筒部の周方向に等間隔で形成されることが望ましい。また、他の実施形態では、第1リングギヤに第1リングギヤ突部が形成されず、ハウジング筒部にハウジング凹部が形成されなくてもよい。
また、上述の第1、2実施形態では、ピールかしめ部により、3k型の不思議遊星歯車減速機の第1リングギヤを係止する例を示した。これに対し、他の実施形態では、ピールかしめ部により、例えば2kh型の不思議遊星歯車減速機のリングギヤを係止することとしてもよい。この場合、減速機はサンギヤを有さず、電動モータのロータと一体に回転する部位が「入力部」に対応する。
また、本発明は、内燃機関からの駆動トルクによって走行する車両に限らず、モータからの駆動トルクによって走行可能な電気自動車やハイブリッド車等に適用することもできる。
また、他の実施形態では、「第2伝達部」からトルクを入力し、「クラッチ」を経由して「第1伝達部」からトルクを出力することとしてもよい。また、例えば、「第1伝達部」または「第2伝達部」の一方を回転不能に固定した場合、「クラッチ」を係合状態にすることにより、「第1伝達部」または「第2伝達部」の他方の回転を止めることができる。この場合、クラッチ装置をブレーキ装置として用いることができる。
このように、本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
1 クラッチ装置、2 トルクカム、10 クラッチアクチュエータ、12 ハウジング、13 ピールかしめ部、20 電動モータ、21 ステータ、23 ロータ、30 減速機、31 サンギヤ(入力部)、32 プラネタリギヤ、33 キャリア、34 第1リングギヤ、35 第2リングギヤ、61 入力軸(第1伝達部)、62 出力軸(第2伝達部)、70 クラッチ、123 ハウジング外筒部(ハウジング筒部)、192、193 外側シール部材(シール部材)

Claims (3)

  1. 相対回転可能な第1伝達部(61)と第2伝達部(62)との間において、前記第1伝達部と前記第2伝達部との間のトルクの伝達を許容する係合状態と、前記第1伝達部と前記第2伝達部との間のトルクの伝達を遮断する非係合状態とに状態が変化するクラッチ(70)を備えるクラッチ装置(1)に用いられるクラッチアクチュエータであって、
    ハウジング(12)と、
    前記ハウジングに設けられ、通電によりトルクを出力可能な電動モータ(20)と、
    前記電動モータからのトルクを減速し出力可能な減速機(30)と、
    前記減速機からのトルクによる回転運動を、前記ハウジングに対する軸方向の相対移動である並進運動に変換し、前記クラッチの状態を係合状態または非係合状態に変更可能なトルクカム(2)と、
    前記ハウジングに設けられ、前記ハウジングと前記トルクカムとの間を液密に保持可能な環状のシール部材(192、193)と、を備え、
    前記電動モータは、前記ハウジングに設けられた環状のステータ(21)、および、前記ステータに対し相対回転可能に設けられたロータ(23)を有し、電力の供給により前記ロータからトルクを出力可能であり、
    前記減速機は、
    前記電動モータからのトルクが入力される入力部(31)、
    自転しながら前記入力部の周方向に公転可能なプラネタリギヤ(32)、
    前記プラネタリギヤを回転可能に支持し、前記入力部の周方向に回転可能なキャリア(33)、
    前記ハウジングに設けられ、前記プラネタリギヤに噛み合い可能な環状の第1リングギヤ(34)、および、
    前記プラネタリギヤに噛み合い可能、かつ、前記第1リングギヤとは歯数が異なるよう形成され、前記トルクカムにトルクを出力する環状の第2リングギヤ(35)を有し、
    前記ハウジングは、
    筒状のハウジング筒部(123)、および、
    前記ハウジング筒部から径方向内側へ延びて、前記第1リングギヤ、前記ステータ、または、前記シール部材の少なくとも1つの軸方向の端部を係止するピールかしめ部(13)を有するクラッチアクチュエータ。
  2. 前記第1リングギヤは、径方向外側へ突出する1つ以上の第1リングギヤ突部(25)を有し、
    前記ハウジング筒部は、前記第1リングギヤ突部が入り込み可能なよう前記ハウジング筒部の内周壁から径方向外側へ凹む1つ以上のハウジング凹部(18)を有する請求項1に記載のクラッチアクチュエータ。
  3. 前記第1リングギヤ、前記ステータ、または、前記シール部材のうち、前記ピールかしめ部により係止されていないものは、前記ハウジング筒部に圧入により固定されている請求項1または2に記載のクラッチアクチュエータ。
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