JP2023079625A - クラッチアクチュエータ - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成で寸法精度の高いクラッチアクチュエータを提供する。【解決手段】電動モータ20は、ハウジング12に設けられ、通電によりトルクを出力可能である。減速機30は、電動モータ20からのトルクを減速し出力可能である。トルクカム2は、減速機30から出力されたトルクが入力されるとハウジング12に対し相対回転する駆動カム40、および、駆動カム40がハウジング12に対し相対回転するとハウジング12に対し軸方向に相対移動しクラッチ70の状態を係合状態または非係合状態に変更可能な従動カム50を有する。減速機30は、減速した電動モータ20からのトルクを駆動カム40に出力する環状の第2リングギヤ35を有する。駆動カム40は、筒状の駆動カム外筒部44を有する。第2リングギヤ35は、外周壁が駆動カム外筒部44の内周壁に対向するようにして設けられた環状の第2リングギヤ本体350を有する。【選択図】図1
Description
本発明は、クラッチアクチュエータに関する。
従来、相対回転可能な第1伝達部と第2伝達部との間に設けられ、第1伝達部と第2伝達部との間のトルクの伝達を許容する係合状態と、第1伝達部と第2伝達部との間のトルクの伝達を遮断する非係合状態とに状態が変化するクラッチの状態を変更可能なクラッチアクチュエータが知られている。
例えば、特許文献1のクラッチアクチュエータは、電動モータ、減速機、トルクカムを備えている。減速機は、電動モータのトルクを減速してトルクカムに出力するリングギヤを有している。
トルクカムは、駆動カム溝が形成された駆動カム、駆動カム溝を転動するボール、および、従動カム溝と駆動カムの駆動カム溝との間にボールを挟みボールの転動により軸方向に移動可能な従動カムを有している。従動カムが軸方向に移動することで、クラッチの状態を係合状態または非係合状態に変更可能である。
特許文献1のクラッチアクチュエータでは、減速機のリングギヤと駆動カムとが一体に形成されている。ここで、止りギヤ構造のリングギヤは、駆動カムを構成する部材の電動モータ側に形成されている。一方、駆動カム溝は、駆動カムを構成する部材のクラッチ側に形成されている。そのため、切削やプレス等の塑性加工など、いずれの方法を採用したとしても、製造難度が高く、減速機やトルクカムに求められる寸法精度を高精度かつ安価に実現するのが困難になるおそれがある。
本発明の目的は、簡単な構成で寸法精度の高いクラッチアクチュエータを提供することにある。
本発明は、相対回転可能な第1伝達部(61)と第2伝達部(62)との間において、第1伝達部と第2伝達部との間のトルクの伝達を許容する係合状態と、第1伝達部と第2伝達部との間のトルクの伝達を遮断する非係合状態とに状態が変化するクラッチ(70)を備えるクラッチ装置(1)に用いられるクラッチアクチュエータであって、ハウジング(12)と電動モータ(20)と減速機(30)とトルクカム(2)とを備える。
電動モータは、ハウジングに設けられ、通電によりトルクを出力可能である。減速機は、電動モータからのトルクを減速し出力可能である。トルクカムは、減速機から出力されたトルクが入力されるとハウジングに対し相対回転する駆動カム(40)、および、駆動カムがハウジングに対し相対回転するとハウジングに対し軸方向に相対移動しクラッチの状態を係合状態または非係合状態に変更可能な従動カム(50)を有する。
減速機は、減速した電動モータからのトルクを駆動カムに出力する環状のリングギヤ(35)を有する。駆動カムは、筒状の駆動カム筒部(44)を有する。リングギヤは、外周壁が駆動カム筒部の内周壁に対向するようにして設けられた環状のリングギヤ本体(350)を有する。
本発明では、減速機のリングギヤと駆動カムとを別体に形成している。そのため、両者をそれぞれ製造難度の低い方法で加工および製造できる。その結果、切削後の加工必要箇所を減らすことができ、安価に高寸法精度を実現できる。また、減速機のリングギヤと駆動カムとを別体に形成することにより、減速比の異なる製品バリエーション仕様への対応を容易にすることができる。
以下、複数の実施形態によるクラッチアクチュエータを図面に基づき説明する。なお、複数の実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
第1実施形態によるクラッチアクチュエータを適用したクラッチ装置を図1、2に示す。クラッチ装置1は、例えば車両の内燃機関と変速機との間に設けられ、内燃機関と変速機との間のトルクの伝達を許容または遮断するのに用いられる。
第1実施形態によるクラッチアクチュエータを適用したクラッチ装置を図1、2に示す。クラッチ装置1は、例えば車両の内燃機関と変速機との間に設けられ、内燃機関と変速機との間のトルクの伝達を許容または遮断するのに用いられる。
クラッチ装置1は、クラッチアクチュエータ10、クラッチ70、「制御部」としての電子制御ユニット(以下、「ECU」という)100、「第1伝達部」としての入力軸61、「第2伝達部」としての出力軸62等を備えている。
クラッチアクチュエータ10は、ハウジング12、「原動機」としての電動モータ20、ロータベアリング15、減速機30、「回転並進部」または「転動体カム」としてのトルクカム2、スラストベアリング16、状態変更部80等を備えている。
ECU100は、演算手段としてのCPU、記憶手段としてのROM、RAM等、入出力手段としてのI/O等を有する小型のコンピュータである。ECU100は、車両の各部に設けられた各種センサからの信号等の情報に基づき、ROM等に格納されたプログラムに従い演算を実行し、車両の各種装置および機器の作動を制御する。このように、ECU100は、非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行する。このプログラムが実行されることで、プログラムに対応する方法が実行される。
ECU100は、各種センサからの信号等の情報に基づき、内燃機関等の作動を制御可能である。また、ECU100は、後述する電動モータ20の作動を制御可能である。
入力軸61は、例えば、図示しない内燃機関の駆動軸に接続され、駆動軸とともに回転可能である。つまり、入力軸61には、駆動軸からトルクが入力される。
内燃機関を搭載する車両には、固定体11が設けられる(図2参照)。固定体11は、例えば筒状に形成され、車両のエンジンルームに固定される。固定体11の内周壁と入力軸61の外周壁との間には、ボールベアリング141が設けられる。これにより、入力軸61は、ボールベアリング141を介して固定体11により軸受けされる。
ハウジング12は、固定体11の内周壁と入力軸61の外周壁との間に設けられる。ハウジング12は、ハウジング内筒部121、ハウジング板部122、ハウジング外筒部123、シール溝部124、ハウジング段差面125、ハウジング側スプライン溝部127、ハウジング穴部128等を有している。
ハウジング内筒部121は、略円筒状に形成されている。ハウジング板部122は、ハウジング内筒部121の端部から径方向外側へ延びるよう環状の板状に形成されている。ハウジング外筒部123は、ハウジング板部122の外縁部からハウジング内筒部121と同じ側へ延びるよう略円筒状に形成されている。ここで、ハウジング内筒部121とハウジング板部122とハウジング外筒部123とは、例えば金属により一体に形成されている。
上述のように、ハウジング12は、全体としては、中空、かつ、扁平形状に形成されている。
シール溝部124は、ハウジング内筒部121の外周壁から径方向内側へ凹むよう環状に形成されている。ハウジング段差面125は、シール溝部124とハウジング板部122との間において、ハウジング板部122とは反対側を向くよう円環の平面状に形成されている。
ハウジング側スプライン溝部127は、ハウジング内筒部121の軸方向に延びるようハウジング内筒部121の外周壁に形成されている。ハウジング側スプライン溝部127は、ハウジング内筒部121の周方向に複数形成されている。ハウジング穴部128は、ハウジング板部122を板厚方向に貫くよう形成されている。
ハウジング12は、外壁が固定体11の壁面の一部に当接するよう固定体11に固定される(図2参照)。ハウジング12は、図示しないボルト等により固定体11に固定される。ここで、ハウジング12は、固定体11および入力軸61に対し同軸に設けられる。ここで、「同軸」とは、2つの軸が厳密に一致する同軸の状態に限らず、僅かに偏心している状態または傾いている状態を含むものとする(以下、同じ)。
ハウジング12は、「空間」としての収容空間120を有している。収容空間120は、ハウジング内筒部121とハウジング板部122とハウジング外筒部123との間に形成されている。
電動モータ20は、収容空間120に収容されている。電動モータ20は、ステータ21、コイル22、ロータ23、「永久磁石」としてのマグネット230、マグネットカバー24等を有している。
ステータ21は、ステータヨーク211、ステータティース212を有している。ステータ21は、例えば積層鋼板により形成されている。ステータヨーク211は、略円筒状に形成されている。ステータティース212は、ステータヨーク211の内周壁から径方向内側へ突出するようステータヨーク211と一体に形成されている。ステータティース212は、ステータヨーク211の周方向に等間隔で複数形成されている。コイル22は、複数のステータティース212のそれぞれに設けられている。ステータ21は、ステータヨーク211の外周壁がハウジング外筒部123の内周壁に嵌合するよう圧入によりハウジング12に固定されている。
ロータ23は、例えば鉄系の金属により形成されている。ロータ23は、ロータ本体231、ロータ筒部232を有している。ロータ本体231は、略円環状に形成されている。ロータ筒部232は、ロータ本体231の外縁部から筒状に延びるよう形成されている。
マグネット230は、ロータ23の外周壁に設けられている。マグネット230は、磁極が交互になるようロータ23の周方向に等間隔で複数設けられている。
マグネットカバー24は、マグネット230のロータ23の径方向外側の面を覆うようロータ23に設けられている。より詳細には、マグネットカバー24は、例えば非磁性の金属により形成されている。
クラッチアクチュエータ10は、ロータベアリング15を備えている。ロータベアリング15は、ハウジング段差面125に対しハウジング板部122側において、ハウジング内筒部121の径方向外側に設けられている。ロータベアリング15は、内輪151、外輪152、「軸受転動体」としての軸受ボール153等を有している。
内輪151、外輪152は、例えば金属により筒状に形成されている。外輪152は、内輪151の径方向外側に設けられている。軸受ボール153は、例えば金属により球状に形成されている。軸受ボール153は、内輪151の外周壁に環状に形成された溝部、および、外輪152の内周壁に環状に形成された溝部において、内輪151と外輪152との間で転動可能に設けられている。軸受ボール153は、内輪151および外輪152の周方向に複数設けられている。内輪151と外輪152との間で軸受ボール153が転動することにより、内輪151と外輪152とは相対回転可能である。軸受ボール153により、内輪151と外輪152との軸方向への相対移動が規制されている。
ロータベアリング15は、内輪151の内周壁がハウジング内筒部121の外周壁に当接し、内輪151の軸方向の一方の端面がハウジング板部122から所定距離離間した状態でハウジング内筒部121に設けられている。ロータ23は、ロータ本体231の内周壁がロータベアリング15の外周壁に嵌合するよう設けられている。これにより、ロータベアリング15は、ロータ23をハウジング12に対し相対回転可能に支持している。
ECU100は、コイル22に供給する電力を制御することにより、電動モータ20の作動を制御可能である。コイル22に電力が供給されると、ステータ21に回転磁界が生じ、ロータ23が回転する。これにより、ロータ23からトルクが出力される。このように、電動モータ20は、ステータ21、および、ステータ21に対し相対回転可能に設けられたロータ23を有し、電力の供給によりロータ23からトルクを出力可能である。
ここで、ロータ23は、ステータ21の径方向内側において、ステータ21に対し相対回転可能に設けられている。電動モータ20は、インナロータタイプのブラシレス直流モータである。
本実施形態では、クラッチアクチュエータ10は、回転角センサ104を備えている。回転角センサ104は、コイル22に対しハウジング板部122側に位置するよう電動モータ20に設けられている。
回転角センサ104は、ロータ23と一体に回転するセンサマグネットから発生する磁束を検出し、検出した磁束に応じた信号をECU100に出力する。これにより、ECU100は、回転角センサ104からの信号に基づき、ロータ23の回転角および回転数等を検出することができる。また、ECU100は、ロータ23の回転角および回転数等に基づき、ハウジング12および後述する従動カム50に対する駆動カム40の相対回転角度、ハウジング12および駆動カム40に対する従動カム50および状態変更部80の軸方向の相対位置等を算出することができる。
減速機30は、サンギヤ31、プラネタリギヤ32、キャリア33、第1リングギヤ34、「リングギヤ」としての第2リングギヤ35等を有している。
サンギヤ31は、ロータ23と同軸かつ一体回転可能に設けられている。つまり、ロータ23とサンギヤ31とは、異なる材料により別体に形成され、一体に回転可能なよう同軸に配置されている。
より詳細には、サンギヤ31は、サンギヤ基部310、「歯部」および「外歯」としてのサンギヤ歯部311、サンギヤ筒部312を有している。サンギヤ基部310は、例えば金属により略円環状に形成されている。サンギヤ筒部312は、サンギヤ基部310の外縁部から筒状に延びるようサンギヤ基部310と一体に形成されている。サンギヤ歯部311は、サンギヤ筒部312のサンギヤ基部310とは反対側の端部の外周壁に形成されている。
サンギヤ31は、サンギヤ基部310の外周壁がロータ筒部232の内周壁に嵌合するよう設けられている。これにより、サンギヤ31は、ロータベアリング15により、ロータ23とともに、ハウジング12に対し相対回転可能に支持されている。
ロータ23と一体回転するサンギヤ31には、電動モータ20のトルクが入力される。ここで、サンギヤ31は、減速機30の「入力部」に対応する。
プラネタリギヤ32は、自転しながらサンギヤ31の周方向に公転可能である。より詳細には、プラネタリギヤ32は、サンギヤ31の周方向に沿って複数設けられ、サンギヤ31に噛み合いつつ自転しながらサンギヤ31の周方向に公転可能である。プラネタリギヤ32は、例えば金属により略円筒状に形成され、サンギヤ31の径方向外側においてサンギヤ31の周方向に等間隔で複数設けられている。プラネタリギヤ32は、「歯部」および「外歯」としてのプラネタリギヤ歯部321を有している。プラネタリギヤ歯部321は、サンギヤ歯部311に噛み合い可能なようプラネタリギヤ32の外周壁に形成されている。
キャリア33は、プラネタリギヤ32を回転可能に支持し、サンギヤ31に対し相対回転可能である。
より詳細には、キャリア33は、キャリア本体331、ピン335を有している。キャリア本体331は、例えば金属により略円環の板状に形成されている。キャリア本体331は、軸方向においてはコイル22とプラネタリギヤ32との間に位置している。
ピン335は、例えば金属により略円柱状に形成されている。ピン335は、軸方向の端部がキャリア本体331に固定されるようにして設けられている。
減速機30は、プラネタリギヤベアリング36を有している。プラネタリギヤベアリング36は、ピン335の外周壁とプラネタリギヤ32の内周壁との間に設けられている。これにより、プラネタリギヤ32は、プラネタリギヤベアリング36を介してピン335により回転可能に支持されている。すなわち、ピン335は、プラネタリギヤ32の回転中心に設けられ、プラネタリギヤ32を回転可能に支持している。また、プラネタリギヤ32とピン335とは、プラネタリギヤベアリング36を介して所定の範囲で軸方向に相対移動可能である。言い換えると、プラネタリギヤ32とピン335とは、プラネタリギヤベアリング36により、軸方向の相対移動可能範囲が所定の範囲に規制されている。
第1リングギヤ34は、プラネタリギヤ32に噛み合い可能な歯部である第1リングギヤ歯部341を有し、ハウジング12に設けられている。第1リングギヤ34は、例えば金属により略円筒状に形成されている。第1リングギヤ34は、ステータ21に対しハウジング板部122とは反対側において、外周壁がハウジング外筒部123の内周壁に対向するようハウジング12に設けられている。第1リングギヤ34は、ハウジング12に対し相対回転不能である。
ここで、第1リングギヤ34は、ハウジング12、ロータ23、サンギヤ31に対し同軸に設けられている。「歯部」および「内歯」としての第1リングギヤ歯部341は、プラネタリギヤ32のプラネタリギヤ歯部321の軸方向の一方の端部側に噛み合い可能なよう第1リングギヤ34の内縁部に形成されている。
ハウジング外筒部123には、ピールかしめ部13が形成されている。ピールかしめ部13は、ハウジング外筒部123から径方向内側へ延びて、第1リングギヤ34の軸方向の端部を係止する。ピールかしめ部13は、ハウジング外筒部123の周方向に等間隔で3つ形成されている。第1リングギヤ34は、ピールかしめ部13により、軸方向の電動モータ20とは反対側への抜けが規制されている。
「リングギヤ」としての第2リングギヤ35は、プラネタリギヤ32に噛み合い可能な歯部であり第1リングギヤ歯部341とは歯数の異なる第2リングギヤ歯部351を有し、後述する駆動カム40と一体回転可能に設けられている。第2リングギヤ35は、例えば金属により略円筒状に形成されている。
ここで、第2リングギヤ35は、ハウジング12、ロータ23、サンギヤ31に対し同軸に設けられている。「歯部」および「内歯」としての第2リングギヤ歯部351は、プラネタリギヤ32のプラネタリギヤ歯部321の軸方向の他方の端部側に噛み合い可能なよう第2リングギヤ35の内縁部に形成されている。本実施形態では、第2リングギヤ歯部351の歯数は、第1リングギヤ歯部341の歯数よりも多い。より詳細には、第2リングギヤ歯部351の歯数は、第1リングギヤ歯部341の歯数よりも、プラネタリギヤ32の個数に整数を乗じた数分だけ多い。
また、プラネタリギヤ32は、同一部位において2つの異なる諸元をもつ第1リングギヤ34および第2リングギヤ35と干渉なく正常に噛み合う必要があるため、第1リングギヤ34および第2リングギヤ35の一方もしくは両方を転位させて各歯車対の中心距離を一定にする設計としている。
上記構成により、電動モータ20のロータ23が回転すると、サンギヤ31が回転し、プラネタリギヤ32のプラネタリギヤ歯部321がサンギヤ歯部311と第1リングギヤ歯部341および第2リングギヤ歯部351とに噛み合いつつ自転しながらサンギヤ31の周方向に公転する。ここで、第2リングギヤ歯部351の歯数が第1リングギヤ歯部341の歯数より多いため、第2リングギヤ35は、第1リングギヤ34に対し相対回転する。そのため、第1リングギヤ34と第2リングギヤ35との間で第1リングギヤ歯部341と第2リングギヤ歯部351との歯数差に応じた微小差回転が第2リングギヤ35の回転として出力される。これにより、電動モータ20からのトルクは、減速機30により減速されて、第2リングギヤ35から出力される。このように、減速機30は、電動モータ20のトルクを減速して出力可能である。本実施形態では、減速機30は、3k型の不思議遊星歯車減速機を構成している。
第2リングギヤ35は、後述する駆動カム40とは別体に形成され、駆動カム40と一体回転可能に設けられている。第2リングギヤ35は、電動モータ20からのトルクを減速して駆動カム40に出力する。ここで、第2リングギヤ35は、減速機30の「出力部」、「リングギヤ」に対応する。
トルクカム2は、「回転部」としての駆動カム40、「並進部」としての従動カム50、「カム転動体」としてのカムボール3を有している。
駆動カム40は、駆動カム本体41、駆動カム特定形状部42、駆動カム板部43、「駆動カム筒部」としての駆動カム外筒部44、駆動カム溝400等を有している。駆動カム本体41は、略円環の板状に形成されている。駆動カム特定形状部42は、駆動カム本体41の外縁部から、駆動カム本体41の軸Ax1に対し傾斜して延びるよう形成されている。駆動カム板部43は、駆動カム特定形状部42の駆動カム本体41とは反対側の端部から径方向外側へ延びるよう略円環の板状に形成されている。駆動カム外筒部44は、駆動カム板部43の外縁部から駆動カム特定形状部42側へ延びるよう略円筒状に形成されている。ここで、駆動カム本体41と駆動カム特定形状部42と駆動カム板部43と駆動カム外筒部44とは、例えば金属により一体に形成されている。
駆動カム溝400は、駆動カム本体41の駆動カム特定形状部42側の面である一方の端面から他方の端面側へ凹みつつ、駆動カム本体41の周方向に延びるよう形成されている。駆動カム溝400は、駆動カム本体41の周方向において一方の端面からの深さが変化するよう形成されている。駆動カム溝400は、例えば駆動カム本体41の周方向に等間隔で3つ形成されている。
駆動カム40は、駆動カム本体41がハウジング内筒部121の外周壁とサンギヤ31のサンギヤ筒部312の内周壁との間に位置し、駆動カム板部43がプラネタリギヤ32に対しキャリア本体331とは反対側に位置するようハウジング内筒部121とハウジング外筒部123との間に設けられている。駆動カム40は、ハウジング12に対し相対回転可能である。
第2リングギヤ35は、外周壁が駆動カム外筒部44の内周壁に嵌合するよう圧入により駆動カム40に固定されている。第2リングギヤ35は、駆動カム40に対し相対回転不能である。すなわち、第2リングギヤ35は、「回転部」としての駆動カム40と一体回転可能に設けられている。そのため、電動モータ20からのトルクが、減速機30により減速され、第2リングギヤ35から出力されると、駆動カム40は、ハウジング12に対し相対回転する。すなわち、駆動カム40は、減速機30から出力されたトルクが入力されるとハウジング12に対し相対回転する。
従動カム50は、従動カム本体51、従動カム特定形状部52、従動カム板部53、カム側スプライン溝部54、従動カム溝500等を有している。従動カム本体51は、略円環の板状に形成されている。従動カム特定形状部52は、従動カム本体51の外縁部から、従動カム本体51の軸Ax2に対し傾斜して延びるよう形成されている。従動カム板部53は、従動カム特定形状部52の従動カム本体51とは反対側の端部から径方向外側へ延びるよう略円環の板状に形成されている。ここで、従動カム本体51と従動カム特定形状部52と従動カム板部53とは、例えば金属により一体に形成されている。
カム側スプライン溝部54は、従動カム本体51の内周壁において軸方向に延びるよう形成されている。カム側スプライン溝部54は、従動カム本体51の周方向に複数形成されている。
従動カム50は、従動カム本体51が駆動カム本体41に対しロータベアリング15とは反対側、かつ、駆動カム特定形状部42および駆動カム板部43の径方向内側に位置し、カム側スプライン溝部54がハウジング側スプライン溝部127とスプライン結合するよう設けられている。これにより、従動カム50は、ハウジング12に対し、相対回転不能、かつ、軸方向に相対移動可能である。
従動カム溝500は、従動カム本体51の駆動カム本体41側の面である一方の端面から他方の端面側へ凹みつつ、従動カム本体51の周方向に延びるよう形成されている。従動カム溝500は、従動カム本体51の周方向において一方の端面からの深さが変化するよう形成されている。従動カム溝500は、例えば従動カム本体51の周方向に等間隔で3つ形成されている。
なお、駆動カム溝400と従動カム溝500とは、それぞれ、駆動カム本体41の従動カム本体51側の面側、または、従動カム本体51の駆動カム本体41側の面側から見たとき、同一の形状となるよう形成されている。
カムボール3は、例えば金属により球状に形成されている。カムボール3は、3つの駆動カム溝400と3つの従動カム溝500との間のそれぞれにおいて転動可能に設けられている。すなわち、カムボール3は、合計3つ設けられている。
このように、駆動カム40と従動カム50とカムボール3とは、「転動体カム」としてのトルクカム2を構成している。駆動カム40がハウジング12および従動カム50に対し相対回転すると、カムボール3は、駆動カム溝400および従動カム溝500においてそれぞれの溝底に沿って転動する。
上述のように、駆動カム溝400および従動カム溝500は、駆動カム40または従動カム50の周方向において深さが変化するよう形成されている。そのため、減速機30から出力されるトルクにより駆動カム40がハウジング12および従動カム50に対し相対回転すると、カムボール3が駆動カム溝400および従動カム溝500において転動し、従動カム50は、駆動カム40およびハウジング12に対し軸方向に相対移動、すなわち、ストロークする。
このように、従動カム50は、駆動カム溝400との間にカムボール3を挟むようにして一方の端面に形成された複数の従動カム溝500を有し、駆動カム40およびカムボール3とともにトルクカム2を構成している。従動カム50は、駆動カム40がハウジング12に対し相対回転すると駆動カム40およびハウジング12に対し軸方向に相対移動する。ここで、従動カム50は、カム側スプライン溝部54がハウジング側スプライン溝部127とスプライン結合しているため、ハウジング12に対し相対回転しない。また、駆動カム40は、ハウジング12に対し相対回転するものの、軸方向には相対移動しない。
トルクカム2は、電動モータ20に対し軸方向の一方側に設けられ、電動モータ20からのトルクによる回転運動を、ハウジング12に対する軸方向の相対移動である並進運動に変換する。
本実施形態では、クラッチアクチュエータ10は、「付勢部材」としてのリターンスプリング55、リターンスプリングリテーナ56を備えている。リターンスプリング55は、例えばコイルスプリングであり、従動カム本体51の駆動カム本体41とは反対側において、ハウジング内筒部121の径方向外側に設けられている。リターンスプリング55は、一端が従動カム本体51の駆動カム本体41とは反対側の面に当接している。
リターンスプリングリテーナ56は、リテーナ内筒部561、リテーナ板部562、リテーナ外筒部563を有している。リテーナ内筒部561は、略円筒状に形成されている。リテーナ板部562は、リテーナ内筒部561の一方の端部から径方向外側に延びるよう環状の板状に形成されている。リテーナ外筒部563は、リテーナ板部562の外縁部からリテーナ内筒部561側へ延びるよう略円筒状に形成されている。リテーナ内筒部561とリテーナ板部562とリテーナ外筒部563とは、例えば金属により一体に形成されている。
リターンスプリングリテーナ56は、リテーナ内筒部561の内周壁がハウジング内筒部121の外周壁に嵌合するようハウジング内筒部121に固定されている。リターンスプリング55の他端は、リテーナ内筒部561とリテーナ外筒部563との間においてリテーナ板部562に当接している。
リターンスプリング55は、軸方向に伸びる力を有している。そのため、従動カム50は、駆動カム40との間にカムボール3を挟んだ状態で、リターンスプリング55により駆動カム本体41側へ付勢されている。
出力軸62は、軸部621、板部622、筒部623、摩擦板624を有している(図2参照)。軸部621は、略円筒状に形成されている。板部622は、軸部621の一端から径方向外側へ環状の板状に延びるよう軸部621と一体に形成されている。筒部623は、板部622の外縁部から軸部621とは反対側へ略円筒状に延びるよう板部622と一体に形成されている。摩擦板624は、略円環の板状に形成され、板部622の筒部623側の端面に設けられている。ここで、摩擦板624は、板部622に対し相対回転不能である。筒部623の内側には、クラッチ空間620が形成されている。
入力軸61の端部は、ハウジング内筒部121の内側を通り、従動カム50に対し駆動カム40とは反対側に位置している。出力軸62は、従動カム50に対し駆動カム40とは反対側において、入力軸61と同軸に設けられる。軸部621の内周壁と入力軸61の端部の外周壁との間には、ボールベアリング142が設けられる。これにより、出力軸62は、ボールベアリング142を介して入力軸61により軸受けされる。入力軸61および出力軸62は、ハウジング12に対し相対回転可能である。
クラッチ70は、クラッチ空間620において入力軸61と出力軸62との間に設けられている。クラッチ70は、内側摩擦板71、外側摩擦板72、係止部701を有している。内側摩擦板71は、略円環の板状に形成され、入力軸61と出力軸62の筒部623との間において、軸方向に並ぶよう複数設けられている。内側摩擦板71は、内縁部が入力軸61の外周壁とスプライン結合するよう設けられている。そのため、内側摩擦板71は、入力軸61に対し相対回転不能、かつ、軸方向に相対移動可能である。
外側摩擦板72は、略円環の板状に形成され、入力軸61と出力軸62の筒部623との間において、軸方向に並ぶよう複数設けられている。ここで、内側摩擦板71と外側摩擦板72とは、入力軸61の軸方向において交互に配置されている。外側摩擦板72は、外縁部が出力軸62の筒部623の内周壁とスプライン結合するよう設けられている。そのため、外側摩擦板72は、出力軸62に対し相対回転不能、かつ、軸方向に相対移動可能である。複数の外側摩擦板72のうち最も摩擦板624側に位置する外側摩擦板72は、摩擦板624に接触可能である。
係止部701は、略円環状に形成され、外縁部が出力軸62の筒部623の内周壁に嵌合するよう設けられる。係止部701は、複数の外側摩擦板72のうち最も従動カム50側に位置する外側摩擦板72の外縁部を係止可能である。そのため、複数の外側摩擦板72、複数の内側摩擦板71は、筒部623の内側からの脱落が抑制される。なお、係止部701と摩擦板624との距離は、複数の外側摩擦板72および複数の内側摩擦板71の板厚の合計よりも大きい。
複数の内側摩擦板71および複数の外側摩擦板72が互いに接触、つまり係合した状態である係合状態では、内側摩擦板71と外側摩擦板72との間に摩擦力が生じ、当該摩擦力の大きさに応じて内側摩擦板71と外側摩擦板72との相対回転が規制される。一方、複数の内側摩擦板71および複数の外側摩擦板72が互いに離間、つまり係合していない状態である非係合状態では、内側摩擦板71と外側摩擦板72との間に摩擦力は生じず、内側摩擦板71と外側摩擦板72との相対回転は規制されない。
クラッチ70が係合状態のとき、入力軸61に入力されたトルクは、クラッチ70を経由して出力軸62に伝達される。一方、クラッチ70が非係合状態のとき、入力軸61に入力されたトルクは、出力軸62に伝達されない。
このように、クラッチ70は、入力軸61と出力軸62との間でトルクを伝達する。クラッチ70は、係合している係合状態のとき、入力軸61と出力軸62との間のトルクの伝達を許容し、係合していない非係合状態のとき、入力軸61と出力軸62との間のトルクの伝達を遮断する。
本実施形態では、クラッチ装置1は、通常、非係合状態となる、所謂常開式(ノーマリーオープンタイプ)のクラッチ装置である。
状態変更部80は、「弾性変形部」としての皿ばね81、皿ばねリテーナ82、皿ばねスラストベアリング83を有している。皿ばねリテーナ82は、リテーナ筒部821、リテーナフランジ部822を有している。リテーナ筒部821は、略円筒状に形成されている。リテーナフランジ部822は、リテーナ筒部821の一端から径方向外側へ延びるよう環状の板状に形成されている。リテーナ筒部821とリテーナフランジ部822とは、例えば金属により一体に形成されている。皿ばねリテーナ82は、例えばリテーナ筒部821の他端が従動カム板部53の駆動カム40とは反対側の端面に接続するよう従動カム50に設けられている。ここで、リテーナ筒部821と従動カム板部53とは、例えば溶接により接続されている。
皿ばね81は、内縁部がリテーナ筒部821の径方向外側において、従動カム板部53とリテーナフランジ部822との間に位置するよう設けられている。皿ばねスラストベアリング83は、環状に形成され、リテーナ筒部821の径方向外側において、従動カム板部53と皿ばね81の内縁部との間に設けられている。
皿ばねリテーナ82は、リテーナフランジ部822が皿ばね81の軸方向の一端すなわち内縁部を係止可能なよう従動カム50に固定されている。そのため、皿ばね81および皿ばねスラストベアリング83は、リテーナフランジ部822により、皿ばねリテーナ82からの脱落が抑制されている。皿ばね81は、軸方向に弾性変形可能である。
図1、2に示すように、カムボール3が、駆動カム本体41の一方の端面から駆動カム溝400の駆動カム本体41の軸方向すなわち深さ方向に最も離れた部位である最深部に対応する位置(原点)、および、従動カム本体51の一方の端面から従動カム溝500の従動カム本体51の軸方向すなわち深さ方向に最も離れた部位である最深部に対応する位置(原点)に位置するとき、駆動カム40と従動カム50との距離は、比較的小さく、皿ばね81の軸方向の他端すなわち外縁部とクラッチ70との間には、隙間Sp1が形成されている(図1参照)。そのため、クラッチ70は非係合状態であり、入力軸61と出力軸62との間のトルクの伝達は遮断されている。
ここで、クラッチ70の状態を変更する通常作動時、ECU100の制御により電動モータ20のコイル22に電力が供給されると、電動モータ20が回転し、減速機30からトルクが出力され、駆動カム40がハウジング12に対し相対回転する。これにより、カムボール3が最深部に対応する位置から駆動カム溝400および従動カム溝500の周方向の一方側へ転動する。これにより、従動カム50は、リターンスプリング55を圧縮しながらハウジング12に対し軸方向に相対移動、すなわち、クラッチ70側へ移動する。これにより、皿ばね81は、クラッチ70側へ移動する。
従動カム50の軸方向の移動により皿ばね81がクラッチ70側へ移動すると、隙間Sp1が小さくなり、皿ばね81の軸方向の他端は、クラッチ70の外側摩擦板72に接触する。皿ばね81がクラッチ70に接触した後さらに従動カム50が軸方向に移動すると、皿ばね81は、軸方向に弾性変形しつつ、外側摩擦板72を摩擦板624側へ押す。これにより、複数の内側摩擦板71および複数の外側摩擦板72が互いに係合し、クラッチ70が係合状態となる。そのため、入力軸61と出力軸62との間のトルクの伝達が許容される。
このとき、皿ばね81は、皿ばねスラストベアリング83に軸受けされながら従動カム50および皿ばねリテーナ82に対し相対回転する。このように、皿ばねスラストベアリング83は、皿ばね81からスラスト方向の荷重を受けつつ、皿ばね81を軸受けする。
ECU100は、クラッチ伝達トルクがクラッチ要求トルク容量に達すると、電動モータ20の回転を停止させる。これにより、クラッチ70は、クラッチ伝達トルクがクラッチ要求トルク容量に維持された係合保持状態となる。このように、状態変更部80の皿ばね81は、従動カム50から軸方向の力を受け、ハウジング12および駆動カム40に対する従動カム50の軸方向の相対位置に応じてクラッチ70の状態を係合状態または非係合状態に変更可能である。
また、トルクカム2は、電動モータ20からのトルクによる回転運動を、ハウジング12に対する軸方向の相対移動である並進運動に変換し、クラッチ70の状態を係合状態または非係合状態に変更可能である。
出力軸62は、軸部621の板部622とは反対側の端部が、図示しない変速機の入力軸に接続され、当該入力軸とともに回転可能である。つまり、変速機の入力軸には、出力軸62から出力されたトルクが入力される。変速機に入力されたトルクは、変速機で変速され、駆動トルクとして車両の駆動輪に出力される。これにより、車両が走行する。
本実施形態では、クラッチ装置1は、オイル供給部5を備えている(図1、2参照)。オイル供給部5は、一端がクラッチ空間620に露出するよう、出力軸62において通路状に形成されている。オイル供給部5の他端は、図示しないオイル供給源に接続される。これにより、オイル供給部5の一端からクラッチ空間620のクラッチ70にオイルが供給される。
ECU100は、オイル供給部5からクラッチ70に供給するオイルの量を制御する。クラッチ70に供給されたオイルは、クラッチ70を潤滑および冷却可能である。このように、本実施形態では、クラッチ70は、湿式クラッチであり、オイルにより冷却され得る。
本実施形態では、「回転並進部」としてのトルクカム2は、「回転部」としての駆動カム40および第2リングギヤ35とハウジング12との間に収容空間120を形成している。ここで、収容空間120は、駆動カム40および第2リングギヤ35に対しクラッチ70とは反対側においてハウジング12の内側に形成されている。電動モータ20および減速機30は、収容空間120に設けられている。クラッチ70は、駆動カム40に対し収容空間120とは反対側の空間であるクラッチ空間620に設けられている。
スラストベアリング16は、「スラスト軸受転動体」としてのころ161、レース162、バックアッププレート163を有している。レース162は、例えば金属により環状の板状に形成されている。ころ161は、例えば金属により略円柱状に形成され、レース162の一方の端面に接触しながらレース162の周方向に転動可能に設けられている。ころ161は、レース162の周方向に複数設けられている。
バックアッププレート163は、軸方向の端部がハウジング段差面125に当接するようハウジング内筒部121の径方向外側に設けられている。レース162は、他方の端面がバックアッププレート163に当接するようハウジング内筒部121の径方向外側に設けられている。ころ161は、レース162と駆動カム本体41との間に設けられ、レース162の駆動カム本体41側の端面と駆動カム本体41のレース162側の面とに接触しつつ、レース162の周方向に転動可能である。
スラストベアリング16は、駆動カム40からスラスト方向すなわち軸方向の荷重を受けつつ駆動カム40を軸受けする。本実施形態では、クラッチ70側からの軸方向の荷重は、皿ばね81、皿ばねスラストベアリング83、従動カム50、カムボール3、駆動カム40を経由してスラストベアリング16に作用する。
本実施形態では、クラッチアクチュエータ10は、「シール部材」としての内側シール部材191、外側シール部材192を備えている。内側シール部材191および外側シール部材192は、例えばゴム等の弾性材料により環状に形成されたオイルシールである。
内側シール部材191は、ハウジング内筒部121に形成されたシール溝部124に設けられている。内側シール部材191は、外縁部が駆動カム本体41の内周壁と摺動可能なようシール溝部124に設けられている。
外側シール部材192は、ハウジング外筒部123に形成されたシール溝部170に設けられている。外側シール部材192は、内縁部が駆動カム外筒部44の外周壁と摺動可能なようシール溝部170に設けられている。
ここで、外側シール部材192は、内側シール部材191の軸方向から見たとき、内側シール部材191の径方向外側に位置するよう設けられている(図1、2参照)。
上述のように、駆動カム本体41の内周壁は、内側シール部材191と摺動可能である。すなわち、内側シール部材191は、「回転部」としての駆動カム40に接触するよう設けられている。内側シール部材191は、駆動カム本体41とハウジング内筒部121との間を気密または液密に保持可能にシールしている。
駆動カム外筒部44の外周壁は、外側シール部材192の内縁部と摺動可能である。すなわち、外側シール部材192は、「回転部」としての駆動カム40に接触するよう設けられている。外側シール部材192は、駆動カム外筒部44の外周壁とハウジング外筒部123との間を気密または液密に保持可能にシールしている。
上述のように設けられた内側シール部材191、および、外側シール部材192により、電動モータ20および減速機30を収容する収容空間120を気密または液密に保持可能であり、収容空間120と、クラッチ70が設けられたクラッチ空間620との間を気密または液密に保持可能である。これにより、例えばクラッチ70において摩耗粉等の異物が発生したとしても、当該異物がクラッチ空間620から収容空間120へ侵入するのを抑制できる。そのため、異物による電動モータ20または減速機30の作動不良を抑制できる。
以下、本実施形態の各部の構成について、より詳細に説明する。
<1>減速機30は、減速した電動モータ20からのトルクを駆動カム40に出力する環状の「リングギヤ」としての第2リングギヤ35を有する。駆動カム40は、筒状の「駆動カム筒部」としての駆動カム外筒部44を有する。第2リングギヤ35は、外周壁が駆動カム外筒部44の内周壁に対向するようにして設けられた環状の「リングギヤ本体」としての第2リングギヤ本体350を有する。第2リングギヤ35は、駆動カム40と一体に回転可能に設けられている。
<2>第2リングギヤ本体350と駆動カム外筒部44とは、圧入により一体に回転可能に設けられている。
<4>第2リングギヤ35は、第2リングギヤ本体350の外周壁から径方向内側に凹むよう、第2リングギヤ本体350の周方向に複数形成されたリングギヤ凹部352を有する。
より具体的には、リングギヤ凹部352は、第2リングギヤ本体350の周方向に等間隔で6つ形成されている。これにより、隣り合うリングギヤ凹部352の間に、第2リングギヤ本体350の径方向外側へ突出するリングギヤ凸部353が形成されている。リングギヤ凸部353の第2リングギヤ本体350の径方向外側の面は、第2リングギヤ本体350の外周壁と一致する。
図3、4に示すように、本実施形態では、第2リングギヤ35は、第2リングギヤ本体350の外周壁、すなわち、リングギヤ凸部353の第2リングギヤ本体350の径方向外側の面が駆動カム外筒部44の内周壁に嵌合するよう圧入により駆動カム40に固定されている。リングギヤ凹部352と駆動カム外筒部44の内周壁との間には、円弧状の隙間S1が形成されている。このように、第2リングギヤ35と駆動カム40とは、周方向に部分的に圧入されている。
図5に示すように、第2リングギヤ本体350の駆動カム板部43側の外径は、第2リングギヤ本体350の駆動カム板部43とは反対側の外径より小さい。これにより、第2リングギヤ本体350の駆動カム板部43側にリングギヤ縮径部354が形成されている。また、駆動カム外筒部44の駆動カム板部43側の端部には、内周壁から径方向外側へ凹むようにして逃げ溝部441が形成されている。これにより、第2リングギヤ35を駆動カム外筒部44に確実かつ円滑に圧入することができる。
以上説明したように、<1>本実施形態では、減速機30は、減速した電動モータ20からのトルクを駆動カム40に出力する環状の第2リングギヤ35を有する。駆動カム40は、筒状の駆動カム外筒部44を有する。第2リングギヤ35は、外周壁が駆動カム外筒部44の内周壁に対向するようにして設けられた環状の「リングギヤ本体」としての第2リングギヤ本体350を有する。
本実施形態では、減速機30の第2リングギヤ35と駆動カム40とを別体に形成している。そのため、両者をそれぞれ製造難度の低い方法で加工および製造できる。その結果、切削後の加工必要箇所を減らすことができ、安価に高寸法精度を実現できる。また、減速機30の第2リングギヤ35と駆動カム40とを別体に形成することにより、減速比の異なる製品バリエーション仕様への対応を容易にすることができる。
また、<2>本実施形態では、第2リングギヤ本体350と駆動カム外筒部44とは、圧入により一体に回転可能に設けられている。
そのため、比較的簡易な方法である圧入により、第2リングギヤ35と駆動カム40とを一体に回転可能に設けることができる。
また、<4>本実施形態では、第2リングギヤ35は、第2リングギヤ本体350の外周壁から径方向内側に凹むよう、第2リングギヤ本体350の周方向に複数形成されたリングギヤ凹部352を有する。
このように、第2リングギヤ35と駆動カム40とを、周方向に部分的に圧入することにより、第2リングギヤ35の内径、すなわち、歯先円の径が変化することを抑制でき、第2リングギヤ35とプラネタリギヤ32との噛み合い精度の悪化を抑制できる。また、駆動カム外筒部44の外径が変化することを抑制でき、外側シール部材192によるシール性能の低下を抑制できる。したがって、ギヤ効率悪化、シール機能の喪失といった製品機能への影響を抑制できる。
(第2実施形態)
第2実施形態によるクラッチアクチュエータの一部を図6に示す。第2実施形態は、第2リングギヤの構成等が第1実施形態と異なる。
第2実施形態によるクラッチアクチュエータの一部を図6に示す。第2実施形態は、第2リングギヤの構成等が第1実施形態と異なる。
本実施形態では、第2リングギヤ35は、第1実施形態で示したリングギヤ凹部352を有していない。第2リングギヤ35は、第2リングギヤ本体350の外周壁が駆動カム外筒部44の内周壁に対向するよう駆動カム40に設けられている。第1リングギヤ本体340の外径は、駆動カム外筒部44の内径より小さい。つまり、第2リングギヤ35は、駆動カム40に圧入されていない。
<3>第2リングギヤ本体350と駆動カム外筒部44とは、溶接により一体に回転可能に設けられている。
より具体的には、第2リングギヤ本体350と駆動カム外筒部44とは、周方向に等間隔で6箇所溶接されている。これにより、第2リングギヤ本体350の外周壁と駆動カム外筒部44の内周壁との境界に、第2リングギヤ本体350と駆動カム外筒部44とが溶けて冷え固まった溶融部M1が形成されている。溶融部M1は、第2リングギヤ本体350および駆動カム外筒部44の周方向に等間隔で6つ形成されている。
以上説明したように、<3>本実施形態では、第2リングギヤ本体350と駆動カム外筒部44とは、溶接により一体に回転可能に設けられている。
そのため、第2リングギヤ35と駆動カム40とを圧入する場合と比べ、第2リングギヤ35および駆動カム40の変形を抑制できる。これにより、第2リングギヤ35の内径、および、駆動カム40の外径の変化を抑制し、ギヤ効率悪化、シール機能の喪失といった製品機能への影響を抑制できる。
(第3実施形態)
第3実施形態によるクラッチアクチュエータの一部を図7~10に示す。第3実施形態は、第2リングギヤ、駆動カムの構成等が第1実施形態と異なる。
第3実施形態によるクラッチアクチュエータの一部を図7~10に示す。第3実施形態は、第2リングギヤ、駆動カムの構成等が第1実施形態と異なる。
本実施形態では、<5>第2リングギヤ35は、第2リングギヤ本体350を軸方向に貫くリングギヤ穴部355を有する。駆動カム40は、周方向においてリングギヤ穴部355に対応する位置に形成された駆動カム穴部431を有する。減速機30は、リングギヤ穴部355を通り駆動カム穴部431に嵌合するピン18を有する。
より具体的には、リングギヤ穴部355は、第2リングギヤ本体350の周方向に1つ形成されている(図7参照)。<6>リングギヤ穴部355は、リングギヤ穴部355の軸方向から見て、第2リングギヤ本体350の径方向に延びるよう長穴状に形成されている(図8参照)。リングギヤ穴部355は、第2リングギヤ本体350の周方向において、リングギヤ凸部353の中央に対応する位置に形成されている。そのため、リングギヤ穴部355の形成箇所における第2リングギヤ本体350の径方向の肉厚を確保できる。
駆動カム穴部431は、駆動カム板部43の第2リングギヤ35側の面から円形に凹むよう形成されている。
ピン18は、ピン本体180を有している。ピン本体180は、円柱状に形成されている。ピン本体180の外径は、駆動カム穴部431の内径よりやや大きい。ピン18は、リングギヤ穴部355を通り駆動カム穴部431に嵌合するよう圧入により駆動カム40に固定されている。
リングギヤ穴部355の短径は、ピン本体180の外径と略同じである。リングギヤ穴部355の長径、すなわち、第2リングギヤ本体350の径方向における内径は、ピン本体180の外径より大きい。そのため、第2リングギヤ本体350の径方向において、ピン本体180の外周壁とリングギヤ穴部355の内周壁との間には、隙間S2が形成されている(図8、10参照)。
次に、第2リングギヤ35、駆動カム40、ピン18の組み付け手順を説明する。
まず、ピン18を駆動カム穴部431に圧入する。その後、リングギヤ穴部355にピン18を挿入しつつ、第2リングギヤ35を駆動カム40の駆動カム外筒部44の内側に圧入する。リングギヤ穴部355が長穴状に形成されているため、このとき、第2リングギヤ35は、駆動カム40に対し、径方向の位置を調整可能である。
以上説明したように、<5>本実施形態では、第2リングギヤ35は、第2リングギヤ本体350を軸方向に貫くリングギヤ穴部355を有する。駆動カム40は、周方向においてリングギヤ穴部355に対応する位置に形成された駆動カム穴部431を有する。減速機30は、リングギヤ穴部355を通り駆動カム穴部431に嵌合するピン18を有する。
そのため、クラッチアクチュエータ10の作動時に第2リングギヤ35に作用するギヤトルクをピン18で受けることができる。これにより、第2リングギヤ35と駆動カム40との圧入部が満たすべきトルク保持力を小さくすることができる。したがって、圧入部の圧入代および圧入長を小さくすることができる。よって、第2リングギヤ35と駆動カム40とを圧入して組み付ける際の、第2リングギヤ35および駆動カム40の変形を抑制できる。
また、<6>本実施形態では、リングギヤ穴部355は、第2リングギヤ本体350の径方向に延びるよう長穴状に形成されている。
そのため、ピン18をリングギヤ穴部355に挿入しながら、第2リングギヤ35を駆動カム外筒部44に圧入するとき、駆動カム40に対する第2リングギヤ35の径方向の位置を調整することができる。そのため、減速機30にピン18を設ける構成において、第2リングギヤ35を駆動カム40に容易に圧入することができる。
(第4実施形態)
第4実施形態によるクラッチアクチュエータの一部を図11、12に示す。第4実施形態は、ピンの構成等が第3実施形態と異なる。
第4実施形態によるクラッチアクチュエータの一部を図11、12に示す。第4実施形態は、ピンの構成等が第3実施形態と異なる。
<7>ピン18は、一端が駆動カム穴部431に嵌合する円柱状のピン本体180、および、ピン本体180の他端から径方向外側へ延び第2リングギヤ本体350を係止するラジアルかしめ部181を有する。
より具体的には、ラジアルかしめ部181は、ピン本体180の駆動カム穴部431とは反対側の端部から径方向外側に環状に拡がるようにして形成されている(図11、12参照)。ラジアルかしめ部181は、第2リングギヤ本体350の駆動カム板部43とは反対側の面のリングギヤ穴部355の周囲を係止している。ラジアルかしめ部181は、ピン本体180の他端から径方向外側へ延び第2リングギヤ本体350を係止することで、駆動カム40に対する第2リングギヤ35の軸方向への移動を規制可能である。これにより、第2リングギヤ35は、駆動カム外筒部44からの抜けが規制されている。
次に、ラジアルかしめ部181の形成方法について説明する。
図13に示すように、ラジアルかしめ部181は、ピン本体180の軸に対し軸が傾斜する円柱状の「かしめパンチ7」の先端部を、リングギヤ穴部355から突出するピン本体180の端部に押し付けながら回転させることにより変形させ、すなわち、かしめることで形成する。
図13に示すように、かしめパンチ7によるかしめ前に第2リングギヤ本体350の端面から突出するピン本体180の突出高さである「かしめ前高さh1」とかしめ後の突出高さである「かしめ後高さh3」との差h2が、かしめ量である。
以上説明したように、<7>本実施形態では、ピン18は、一端が駆動カム穴部431に嵌合する円柱状のピン本体180、および、ピン本体180の他端から径方向外側へ延び第2リングギヤ本体350を係止するラジアルかしめ部181を有する。
そのため、車両振動、および、プラネタリギヤ32と第2リングギヤ35との噛み合い荷重の軸方向成分など、第2リングギヤ35と駆動カム40との圧入部にかかるストレスをラジアルかしめ部181で受けることができ、駆動カム40からの第2リングギヤ35の抜けを抑制することができる。
(第5実施形態)
第5実施形態によるクラッチアクチュエータの一部を図14、15に示す。第5実施形態は、第2リングギヤの構成等が第4実施形態と異なる。
第5実施形態によるクラッチアクチュエータの一部を図14、15に示す。第5実施形態は、第2リングギヤの構成等が第4実施形態と異なる。
本実施形態では、第2リングギヤ35は、リングギヤ軸方向凹部356を有している。リングギヤ軸方向凹部356は、リングギヤ穴部355に対応する位置において第2リングギヤ本体350の駆動カム板部43とは反対側の端面から駆動カム板部43側へ凹むよう形成されている。
本実施形態では、ピン本体180の駆動カム板部43とは反対側の端部、および、ラジアルかしめ部181は、リングギヤ軸方向凹部356内に収まっており、第2リングギヤ本体350の駆動カム板部43とは反対側の端面から突出していない。そのため、軸方向の近傍に位置する第1リングギヤ34にピン18が干渉することを抑制できる。
(他の実施形態)
上述の第1、3~5実施形態では、リングギヤ本体と駆動カム筒部とを、圧入により一体に回転可能に設ける例を示した。また、上述の第2実施形態では、リングギヤ本体と駆動カム筒部とを、溶接により一体に回転可能に設ける例を示した。これに対し、他の実施形態では、リングギヤ本体と駆動カム筒部とを、圧入および溶接により一体に回転可能に設けてもよい。
上述の第1、3~5実施形態では、リングギヤ本体と駆動カム筒部とを、圧入により一体に回転可能に設ける例を示した。また、上述の第2実施形態では、リングギヤ本体と駆動カム筒部とを、溶接により一体に回転可能に設ける例を示した。これに対し、他の実施形態では、リングギヤ本体と駆動カム筒部とを、圧入および溶接により一体に回転可能に設けてもよい。
また、上述の第1、3~5実施形態では、リングギヤが6つのリングギヤ凹部を有する例を示した。これに対し、他の実施形態では、リングギヤは、リングギヤ凹部をいくつ有していてもよい。また、リングギヤは、リングギヤ凹部を有していなくてもよい。
また、上述の第3~5実施形態では、リングギヤ本体に1つのリングギヤ穴部が形成され、駆動カムに1つの駆動カム穴部が形成され、リングギヤ穴部を通り駆動カム穴部に嵌合する1つのピンが設けられる例を示した。これに対し、他の実施形態では、リングギヤ穴部、駆動カム穴部、ピンは、それぞれ、複数設けてもよい。この場合、リングギヤ穴部、駆動カム穴部、ピンは、リングギヤ本体の周方向に等間隔で設けることが望ましい。
また、上述の第3~5実施形態では、リングギヤ穴部が、リングギヤ穴部の軸方向から見て、リングギヤ本体の径方向に延びるよう長穴状に形成される例を示した。これに対し、他の実施形態では、リングギヤ穴部は、リングギヤ穴部の軸方向から見て、正円状に形成されていてもよい。
また、本発明は、内燃機関からの駆動トルクによって走行する車両に限らず、モータからの駆動トルクによって走行可能な電気自動車やハイブリッド車等に適用することもできる。
また、他の実施形態では、「第2伝達部」からトルクを入力し、「クラッチ」を経由して「第1伝達部」からトルクを出力することとしてもよい。また、例えば、「第1伝達部」または「第2伝達部」の一方を回転不能に固定した場合、「クラッチ」を係合状態にすることにより、「第1伝達部」または「第2伝達部」の他方の回転を止めることができる。この場合、クラッチ装置をブレーキ装置として用いることができる。
このように、本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
1 クラッチ装置、2 トルクカム、10 クラッチアクチュエータ、12 ハウジング、20 電動モータ、30 減速機、35 第2リングギヤ(リングギヤ)、40 駆動カム、44 駆動カム外筒部(駆動カム筒部)、50 従動カム、61 入力軸(第1伝達部)、62 出力軸(第2伝達部)、70 クラッチ、350 第2リングギヤ本体(リングギヤ本体)
Claims (7)
- 相対回転可能な第1伝達部(61)と第2伝達部(62)との間において、前記第1伝達部と前記第2伝達部との間のトルクの伝達を許容する係合状態と、前記第1伝達部と前記第2伝達部との間のトルクの伝達を遮断する非係合状態とに状態が変化するクラッチ(70)を備えるクラッチ装置(1)に用いられるクラッチアクチュエータであって、
ハウジング(12)と、
前記ハウジングに設けられ、通電によりトルクを出力可能な電動モータ(20)と、
前記電動モータからのトルクを減速し出力可能な減速機(30)と、
前記減速機から出力されたトルクが入力されると前記ハウジングに対し相対回転する駆動カム(40)、および、前記駆動カムが前記ハウジングに対し相対回転すると前記ハウジングに対し軸方向に相対移動し前記クラッチの状態を係合状態または非係合状態に変更可能な従動カム(50)を有するトルクカム(2)と、を備え、
前記減速機は、減速した前記電動モータからのトルクを前記駆動カムに出力する環状のリングギヤ(35)を有し、
前記駆動カムは、筒状の駆動カム筒部(44)を有し、
前記リングギヤは、外周壁が前記駆動カム筒部の内周壁に対向するようにして設けられた環状のリングギヤ本体(350)を有するクラッチアクチュエータ。 - 前記リングギヤ本体と前記駆動カム筒部とは、圧入により一体に回転可能に設けられている請求項1に記載のクラッチアクチュエータ。
- 前記リングギヤ本体と前記駆動カム筒部とは、溶接により一体に回転可能に設けられている請求項1または2に記載のクラッチアクチュエータ。
- 前記リングギヤは、前記リングギヤ本体の外周壁から径方向内側に凹むよう、前記リングギヤ本体の周方向に複数形成されたリングギヤ凹部(352)を有する請求項1~3のいずれか一項に記載のクラッチアクチュエータ。
- 前記リングギヤは、前記リングギヤ本体を軸方向に貫く1つ以上のリングギヤ穴部(355)を有し、
前記駆動カムは、周方向において前記リングギヤ穴部に対応する位置に形成された1つ以上の駆動カム穴部(431)を有し、
前記減速機は、前記リングギヤ穴部を通り前記駆動カム穴部に嵌合する1つ以上のピン(18)を有する請求項1~4のいずれか一項に記載のクラッチアクチュエータ。 - 前記リングギヤ穴部は、前記リングギヤ本体の径方向に延びるよう長穴状に形成されている請求項5に記載のクラッチアクチュエータ。
- 前記ピンは、一端が前記駆動カム穴部に嵌合する円柱状のピン本体(180)、および、前記ピン本体の他端から径方向外側へ延び前記リングギヤ本体を係止するラジアルかしめ部(181)を有する請求項5または6に記載のクラッチアクチュエータ。
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