JP2023014622A - 乗客コンベアの診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】診断の精度を向上させることができるエスカレーターの診断装置を得ることを目的とする。【解決手段】エスカレーターの診断装置4は、エスカレーターの据付後に取得対象検出器から取得された信号を、基準データとして記録する。診断装置4は、基準データが記録された後に取得対象検出器から取得された信号を、診断データとして記録する。診断装置4は、通常運転モードによる運転中に診断データと基準データとを比較することにより、対象機器の異常の有無を判定する。検出器群20は、速度検出器、状態検出器、電流検出器、電圧検出器のうちの少なくともいずれかを含む。【選択図】図3

Description

本開示は、乗客コンベアの診断装置に関するものである。
従来の異常診断システムにおいては、乗客コンベアの稼動音の音声データと、異音が含まれていない状態の基準データとが比較されることで、乗客コンベアの異常の有無が判定される(例えば、特許文献1参照)。
特開2010-18385号公報
上記のような従来の異常診断システムによる診断においては、乗客コンベアの外部から発せられる音も検出される。このため、異音周波数パターンとして定められた音と同質の音が外部から発せられると、乗客コンベアが正常であるにもかかわらず、診断結果が「異常」となるおそれがある。
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、診断の精度を向上させることができる乗客コンベアの診断装置を得ることを目的とする。
本開示に係る乗客コンベアの診断装置は、乗客コンベアに設けられている複数の機器のうち、少なくともいずれか1つの機器である診断対象機器の異常の有無を診断する診断装置本体を備える。診断装置本体は、少なくとも1つの取得対象検出器からの信号を取得する信号取得部を有する。診断装置本体は、乗客コンベアの据付後に信号取得部により取得された信号を、基準データとして記録する基準データ記録部を有する。診断装置本体は、基準データ記録部により基準データが記録された後に信号取得部によって取得された信号を、診断データとして記録する診断データ記録部を有する。診断装置本体は、乗客を搬送するモードである通常運転モードによる乗客コンベアの運転中に、診断データと基準データとを比較することにより、診断対象機器の異常の有無を判定する判定部を有する。少なくとも1つの取得対象検出器は、診断対象機器の速度を検出する速度検出器、診断対象機器の状態変化を検出する状態検出器、診断対象機器に流れている電流を検出する電流検出器、および診断対象機器に印加されている電圧を検出する電圧検出器の少なくともいずれか1つである。
本開示の乗客コンベアの診断装置によれば、診断の精度を向上させることができる。
実施の形態1によるエスカレーターの概略構成を示す側面図である。 実施の形態1によるエスカレーターの診断システムを示すブロック図である。 図2に示されている診断装置の詳細を示すブロック図である。 図3の診断装置本体による診断処理を示すフローチャートである。 図2に示されている踏段速度検出器によって検出された踏段速度の基準データを示す図である。 図2に示されている踏段速度検出器によって検出された踏段速度の診断データを示す図である。 図5に示されている基準データにおける時間経過と、図6に示されている診断データにおける時間経過とを一致させた図である。 実施の形態2による診断装置の詳細を示すブロック図である。 図8に示されている診断装置本体による診断処理の一例を説明する図である。 実施の形態1および2の診断装置の各機能を実現する処理回路の第1例を示す構成図である。 実施の形態1および2の診断装置の各機能を実現する処理回路の第2例を示す構成図である。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1によるエスカレーター100の概略構成を示す側面図である。図1において、トラス1は、下階と上階との間に架設されている。また、トラス1は、上階部、下階部、及び中間傾斜部を有している。上階部は、上階に位置している。下階部は、下階に位置している。中間傾斜部は、上階部と下階部とを繋いでいる。
トラス1には、複数の踏段7が設けられている。複数の踏段7は、図示しない一対の踏段チェーンを介して、無端状に連結されている。
トラス1の上階部には、診断装置4、駆動装置8、および上部スプロケット9が設けられている。トラス1の下階部には、下部スプロケット11が設けられている。各踏段チェーンは、上部スプロケット9および下部スプロケット11に巻き掛けられている。
駆動装置8は、図示しないモータ、ブレーキ8a、および駆動スプロケット8bを有している。モータは、駆動スプロケット8bを回転させる。駆動スプロケット8bの回転は、駆動チェーン15を介して、上部スプロケット9に伝達される。上部スプロケット9が回転することにより、複数の踏段7が移動する。一方、ブレーキ8aは、モータを制動する。
トラス1上には、一対の欄干5および一対の移動手摺6が設けられている。図1には、一対の欄干5のうちの一方、および一対の移動手摺6のうちの一方のみが示されている。各移動手摺6は、対応する欄干5に設けられている。
トラス1の中間傾斜部には、手摺駆動装置12が設けられている。上部スプロケット9の回転は、手摺駆動装置12に伝達される。手摺駆動装置12は、一対の移動手摺6を、複数の踏段7と同じ方向へ移動させる。
一対の欄干5のうちの一方には、複数の操作盤14が設けられている。各操作盤14には、起動キースイッチ、停止キースイッチ、および非常停止ボタンが設けられている。起動キースイッチは、エスカレーター100を起動させるスイッチである。停止キースイッチは、エスカレーター100を停止させるスイッチである。非常停止ボタンは、エスカレーター100を非常停止させるボタンである。
図2は、実施の形態1によるエスカレーター100の診断システムを示すブロック図である。診断システム200は、診断装置4、検出器群20、および通知装置3を有している。
診断装置4は、診断装置本体40を有している。診断装置本体40は、エスカレーター100に設けられている複数の機器のうち、少なくともいずれか1つの機器である診断対象機器の異常の有無を診断する。尚、実施の形態1においては、診断対象機器は、検出器群20の検出対象となる機器であり、複数の踏段7、駆動チェーン15、移動手摺6、モータ、ブレーキ8aなどである。
検出器群20には、複数の取得対象検出器が含まれている。各取得対象検出器は、速度検出器、状態検出器、電流検出器、および電圧検出器のいずれかに該当する。
速度検出器は、診断対象機器の速度を検出する検出器である。状態検出器は、診断対象機器の状態変化を検出する検出器である。電流検出器は、診断対象機器に流れている電流を検出する検出器である。電圧検出器は、診断対象機器に印加されている電圧を検出する検出器である。
図2には、速度検出器として、踏段速度検出器21、手摺速度検出器23、およびモータ回転数検出器24が示されている。また、図2には、状態検出器として、踏段状態検出器22、ブレーキ開放検出器28、昇降状態検出器29、停止検出器30、およびスイッチ状態検出器31が示されている。
また、図2には、電流検出器として、モータ電流検出器25、およびブレーキ電流検出器27が示されている。また、図2には、電圧検出器として、モータ電圧検出器26が示されている。
踏段速度検出器21は、複数の踏段7の移動速度を検出する。駆動スプロケット8b、上部スプロケット9、または下部スプロケット11のいずれかには、円周に沿って一定間隔ごとに複数の被検出体が設けられている。踏段速度検出器21は、センサを用いて被検出体の単位時間当たりの通過回数をカウントする。そして、踏段速度検出器21は、カウント値を規定の換算式に代入することにより、複数の踏段7の移動速度を得る。
踏段状態検出器22は、踏段7の欠落を検出する。踏段状態検出器22は、トラス1の内部に固定されているセンサであり、通過する複数の踏段7を照射することにより、各踏段7の有無を検出する。
手摺速度検出器23は、一対の移動手摺6の移動速度を検出する。手摺駆動装置12の手摺スプロケットには、円周に沿って一定間隔ごとに複数の被検出体が設けられている。手摺速度検出器23は、センサを用いて被検出体の単位時間当たりの通過回数をカウントする。そして、手摺速度検出器23は、カウント値を規定の換算式に代入することにより、一対の移動手摺6の移動速度を得る。
モータ回転数検出器24は、モータの回転数を検出する。駆動装置8には、モータの回転方向、位置、回転数を検出するロータリーエンコーダが設けられている。本例においては、ロータリーエンコーダがモータ回転数検出器24として機能する。
モータ電流検出器25は、モータに流れている電流を検出する。モータ電圧検出器26は、モータに印加されている電圧を検出する。
ブレーキ電流検出器27は、ブレーキ8aの制動動作時に、ブレーキ8aに流れる電流を検出する。ブレーキ開放検出器28は、ブレーキ8aの開放を制御するマイクロスイッチのオンまたはオフの状態変化を検出する。これにより、ブレーキ開放検出器28は、ブレーキ8aが開放されたことを検出する。
昇降状態検出器29は、操作盤14に設けられている起動キースイッチの回転方向を検出することにより、エスカレーター100の運転方向を検出する。停止検出器30は、操作盤14の停止キースイッチもしくは非常停止ボタンが操作されたかを検出する。
スイッチ状態検出器31は、安全装置16に設けられている。安全装置16は、駆動チェーン15が破断するなど、エスカレーター100に運転不能となる異常が発生した場合、複数の踏段7の移動を異常停止させる。スイッチ状態検出器31は、安全装置16内に設けられている異常停止用のリレースイッチの作動状態を検出する。このように、スイッチ状態検出器31は、駆動チェーン15が破断したことを検出する異常停止用のリレースイッチの状態を検出する。
各取得対象検出器は、診断装置4に接続されている。これにより、診断装置4は、各取得対象検出器から出力される検出信号を受けることができる。
そして、診断装置4は、診断対象機器に異常が生じていると診断装置本体40により判定された場合、通知装置3に通知指示を行う。
通知装置3は、診断装置4から通知指示を受けて、保守員、利用者などに異常状態を通知する。通知装置3は、例えば、表示用ディスプレイおよびパトランプなどの表示装置である。
図3は、図2に示されている診断装置本体40の詳細を示すブロック図である。
診断装置本体40は、機能ブロックとして、信号取得部41、基準データ記録部42a、診断データ記録部42b、判定部43、通知制御部44、および記憶部45を有している。
信号取得部41は、全ての取得対象検出器からの信号を取得する。
基準データ記録部42aは、エスカレーター100の据付後に信号取得部41により取得された各信号を、基準データとして記録する。各基準データは、記憶部45に記憶される。
ここで、基準データについて説明する。基準データは、エスカレーター100の据付後、通常運転モードによって運用されているときに得られた検出データである。基準データは、例えば、エスカレーター100の据付が完了し、エスカレーター100が最初に通常運転モードに切り替えられたときに得られた検出データである。
尚、エスカレーター100が1日以上通常運転モードによって運用された場合は、据付が完了したものとして扱ってもよい。このことから、基準データ記録部42aは、エスカレーター100が1日以上通常運転モードによって運用された場合、検出データを、自動的に基準データとして記録してもよい。
加えて、基準データは、エスカレーター100の停止状態と運転状態との切替時点を含む時間内に取得されたデータである。すなわち、基準データは、エスカレーター100の起動動作時、もしくは停止動作時に取得された検出データである。
診断データ記録部42bは、基準データ記録部42aにより各基準データが記録された後に信号取得部41によって取得された各信号を、診断データとして記録する。各診断データは、記憶部45に記憶される。
ここで、診断データについて説明する。診断データは、通常運転モードで運用されているときに得られるデータである。また、診断データは、エスカレーター100の停止状態と運転状態との切替時点を含む時間内に取得されるデータである。すなわち、診断データは、エスカレーター100の起動動作時、もしくは停止動作時に取得される検出データである。
通常運転モードによって運用されている場合において、エスカレーター100が停止するのは、主に、エスカレーター100の保守点検が行われる直前の停止処理のときである。また、エスカレーター100が起動するのは、主に、エスカレーター100の保守点検が行われた直後の起動処理のときである。よって、診断データは、主に、保守点検が行われるときに、診断データ記録部42bによって記録される。
判定部43は、乗客を搬送するモードである通常運転モードによるエスカレーター100の運転中に、各診断データと各基準データとを比較する。これにより、判定部43は、各診断対象機器の異常の有無を判定する。
通知制御部44は、判定部43によって、いずれかの診断対象機器に異常があると判定された場合、通知装置3に対し、判定結果を外部へ通知するように指示する。通知制御部44は、通知の指示とともに、通知データを通知装置3に出力する。通知データは、例えば、異常となった診断対象機器を特定する情報、診断データの値、診断データと基準データとの差分値、エスカレーター100を特定する情報である。
記憶部45は、運転状態情報、異常情報、時計情報を記憶する。また、記憶部45は、基準データ記録部42aによって取得された基準データを記憶する。記憶部45は、診断データ記録部42bによって取得された診断データを記憶する。
時計情報は、診断装置4の内蔵時計から取得された現在日付および現在時刻の情報である。
運転状態情報には、エスカレーター100の運転状態が変化したときに、時計情報とともに、変化の前後の各状態を示す情報が付される。また、運転状態情報には、今現在のエスカレーター100の運転状態を示す情報も付される。
尚、エスカレーター100の運転状態としては、「運転」および「停止」の2つがある。そして、「運転」は、「休止状態」「加速状態」「一定速運転状態」「減速状態」「待機運転状態」などのステータスに細分化される。また、「停止」は、「正常停止状態」「異常停止状態」「非常停止状態」などのステータスに細分化される。
異常情報には、エスカレーター100に異常が発生したときに、時計情報とともに異常特定コードが記録される。異常特定コードとは、異常の内容を特定するコード情報である。
引き続き、診断装置4による診断処理について説明する。図4は、図3の診断装置本体40による診断処理を示すフローチャートである。
判定部43は、ステップS101において、記憶部45から基準データと診断データとを取得する。そして、判定部43は、基準データにおける停止状態と運転状態との切替時点と、診断データにおける停止状態と運転状態との切替時点とを一致させる。これにより、判定部43は、基準データと診断データとの時間経過を合わせる。
ステップS101の処理を、図5~図7を用いて具体的に説明する。図5は、図2に示されている踏段速度検出器21によって検出された踏段速度の基準データを示す図である。図5において、横軸は時間軸であり、縦軸は複数の踏段7の速度を示している。また、図5には、エスカレーター100の内部状態も示されている。内部状態とは、エスカレーター100が停止状態であるか運転状態であるかを示した情報であり、運転状態情報として記憶部45に記録されている。
図5に示すように、エスカレーター100の状態が停止状態から運転状態に変化すると、複数の踏段7は、加速された後に、定格速度を維持して移動する。
図6は、図2に示されている踏段速度検出器21によって検出された踏段速度の診断データを示す図である。図6においては、各線が破線によって示されている。図6の診断データにおいても、複数の踏段7は、加速された後に、速度を維持して移動する。
図7は、図5に示されている基準データにおける時間経過と、図6に示されている診断データにおける時間経過とを一致させた図である。
判定部43は、基準データまたは診断データのいずれかの時間経過をスライドさせることで、切替時点を相互に一致させる。この操作により、判定部43は、基準データの時間経過と診断データの時間経過とを合わせる。
加えて、判定部43は、基準データと診断データとの位相のずれを修正する。電圧、電流、およびパルス波形など、周期的に変化する信号において、基準データと診断データとの位相がずれていると、誤診断となる可能性が高くなる。このため、判定部43は、周期のチェックを行って位相を合わせた状態にしてから、基準データと診断データとの比較を行う。判定部43は、正弦波の位相を合わせる場合は、ゼロクロス点をそれぞれ特定し、これらを一致させる。また、判定部43は、パルス波形の位相を合わせる場合、パルス波形のエッジの位置をそれぞれ特定し、これらを一致させる。
図4の説明に戻る。判定部43は、基準データ及び診断データの切替時点を相互に一致させた後、ステップS102において、基準データと診断データとの差を、時間ごとに算出する。そして、判定部43は、ステップS103において、基準データと診断データとの差の絶対値が閾値以上となる時点が存在するかを判定する。
基準データと診断データとの差の絶対値が閾値以上となる時点がある場合、通知制御部44は、ステップS104において、この判定結果を通知装置3に出力する。そして、診断装置本体40は、図4に示されているフローチャートの処理を終了させる。
一方、基準データと診断データとの差の絶対値が閾値以上となる時点が無い場合、診断装置本体40は、図4に示されているフローチャートの処理を終了させる。
図7において、基準データと診断データとの間に閾値D1以上の速度差が生じている。よって、判定部43は、複数の踏段7に異常があるものと判定する。そして、通知制御部44は、この判定結果を通知装置3に出力する。
このような診断装置4においては、速度検出器、状態検出器、電流検出器、及び電圧検出器から取得した信号を用いて基準データ及び診断データが作成される。よって、診断装置4は、例えば音声データを用いて診断するシステムよりも、外部からの影響を低減させることができ、診断の精度を向上させることができる。
また、判定部43は、乗客を搬送するモードである通常運転モードによるエスカレーター100の運転中に、診断データと基準データとを比較することにより、診断対象機器の異常の有無を判定する。すなわち、判定部43は、通常運転モードのときに診断を行う。このため、エスカレーター100の稼働率の低下を抑制することができる。
また、診断装置4においては、エスカレーター100の据付後に取得された検出データが基準データとして用いられている。すなわち、エスカレーター100自体から得られた検出データが、基準データとして用いられている。このため、エスカレーター100の号機ごとに生じている初期状態の差異に影響されず、診断をすることができる。
また、判定部43は、基準データにおける切替時点と、診断データにおける切替時点とを一致させてから、診断データと基準データとを比較する。これにより、誤診断の発生を低減させ、診断の精度を向上させることができる。
また、判定部43は、乗客がほとんど乗っていない起動動作時もしくは停止動作時の検出データを用いて診断する。このため、乗客の荷重の影響を低減させることができ、診断の精度を向上させることができる。
加えて、エスカレーター100の起動動作時においては、ほとんどの機器が作動して初期化処理を行う。また、エスカレーター100の停止動作時においては、ほとんどの機器が作動して停止処理を行う。よって、起動動作時もしくは停止動作時に、検出データを収集することにより、各種の検出データを容易に取得することができる。
また、記憶部45には、一定期間毎の過去数回分の診断データが蓄積されてもよい。この場合、判定部43は、蓄積された過去数回分の診断データを相互に比較することにより、劣化の進行速度を容易に得ることができる。
尚、実施の形態1においては、信号取得部41は、全ての取得対象検出器からの信号を取得するものとしているが、態様はこれに限定されない。すなわち、信号取得部41は、少なくとも1つの取得対象検出器からの信号を取得できればよい。
実施の形態2.
図8は、実施の形態2による診断装置の詳細を示すブロック図である。
実施の形態2における診断装置本体40は、機能ブロックとして、信号取得部41、基準データ記録部42a、診断データ記録部42b、判定部43、通知制御部44、および記憶部45に加えて、推定部46を有している。
実施の形態2における記憶部45には、異常対応データが記憶されている。異常対応データとは、少なくとも1つの異常特定コードと、2つ以上の信号特定情報とが対応付けられたデータである。尚、この異常対応データは、図8においては異常情報に含まれている。
また、実施の形態2における判定部43は、エスカレーター100が異常停止した場合、異常対応データを参照することで、診断の対象となる2つ以上の信号を特定する。実施の形態2における判定部43は、特定された2つ以上の信号に対して、異常の有無の判定を行う。
推定部46は、判定を受けた2つ以上の信号に応じた診断対象機器のうち、エスカレーター100の異常停止の原因となった原因機器を推定する。
また、実施の形態2における通知制御部44は、実施の形態1で説明した通知データに加え、推定部46によって推定された原因機器に関する情報も、通知装置3に出力する。
上記の事項を除いて、診断装置4の機能およびエスカレーター100の構成は、実施の形態1と同様である。
図9は、図8に示されている診断装置本体40による診断処理の一例を説明する図である。ここでは、エスカレーター100の起動後に、複数の踏段7が徐々に減速していき、t3の時点に異常停止したことを例にして説明する。
また、本例においては、異常対応データとして、エスカレーター100の異常停止を示す異常特定コードと、踏段速度、ブレーキ開放信号、および駆動チェーン破断信号の3つの信号とが対応付けられたデータが、記憶部45に記憶されている。
エスカレーター100が異常停止すると、判定部43は、異常対応データに基づき、踏段速度、ブレーキ開放信号、および駆動チェーンの破断信号に対し、異常の有無を判定する。尚、踏段速度は、踏段速度検出器21から取得される。ブレーキ開放信号は、ブレーキ開放検出器28から取得される。そして、駆動チェーンの破断信号は、安全装置16から取得される。
次いで、推定部46は、各信号における停止状態と運転状態との切替時点を一致させる。これにより、踏段速度の時間経過、ブレーキ開放信号の時間経過、および駆動チェーンの破断信号の時間経過が、いずれも一致する。
そして、推定部46は、2つ以上の診断対象機器のうち、最初に異常と判定された診断対象機器を、原因機器とする。
図9の例において、ブレーキ開放信号は、t1の時点に基準データと診断データとの絶対値の差が閾値D2以上となる。踏段速度は、t1の時点よりも遅いt2の時点に、基準データと診断データとの絶対値の差が閾値D1以上となる。一方、駆動チェーン15の破断は検出されていない。このことから、推定部46は、最初に異常となったブレーキ8aを、原因機器と推定する。
このような実施の形態2における診断装置本体40は、2つ以上の取得対象検出器から検出される信号を用いて、2つ以上の診断対象機器の異常の有無を診断する。そして、推定部46は、エスカレーター100が異常停止した場合に、2つ以上の診断対象機器のうち、最初に異常と判定された診断対象機器を原因機器とする。このため、診断装置本体40は、異常が発生した場合、容易に原因機器を絞り込むことができる。
また、実施の形態2における診断装置本体40は、エスカレーター100が異常停止した場合、複数の踏段7、複数の踏段7の移動を制動するブレーキ8a、および複数の踏段7に駆動力を伝達する駆動チェーン15の異常の有無を診断する。
そして、実施の形態2における推定部46は、複数の踏段7、ブレーキ8a、または駆動チェーン15のうち、最初に異常と判定された診断対象機器を、原因機器とする。このため、エスカレーター100が異常停止した場合、複数の踏段7、ブレーキ8a、または駆動チェーン15のいずれかに絞ることができる。
尚、診断装置4は、複数の踏段7の駆動を制御する駆動装置8の機能の一部としてもよい。
また、乗客コンベアは、動く歩道であってもよい。
また、実施の形態1、2において、判定部43は、エスカレーター100の停止状態と運転状態との切替時点を一致させて、診断を行っている。これに対し、判定部43は、これ以外の切替時点を一致させてもよい。例えば、判定部43は、休止状態から加速状態への切替時点を一致させてもよい。また、判定部43は、加速状態から一定速運転状態への切替時点を一致させてもよい。
また、実施の形態1、2において、診断装置4は、エスカレーター100の内部に据え付けられた装置となっている。これに対し、診断装置4は、持ち運び可能なノートPC、情報通信端末などでもよい。または、診断装置4は、管制センターなどに設けられたサーバとしてもよい。
また、実施の形態1の診断装置本体40の各機能は、処理回路によって実現される。図10は、実施の形態1の診断装置4の各機能を実現する処理回路の第1例を示す構成図である。第1例の処理回路50は、専用のハードウェアである。
処理回路50は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものに該当する。また、診断装置4の各機能それぞれを個別の処理回路50により実現してもよい。もしくは、診断装置4の各機能をまとめて処理回路50により実現してもよい。
また、図11は、実施の形態1の診断装置4の各機能を実現する処理回路の第2例を示す図である。第2例の処理回路60は、プロセッサ61およびメモリ62を備えている。
処理回路60において、診断装置4の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアおよびファームウェアは、プログラムとして記述される。そして、ソフトウェアおよびファームウェアは、メモリ62に格納される。プロセッサ61は、メモリ62に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。
メモリ62に格納されるプログラムは、上述した各部の手順あるいは方法を、コンピュータに実行させるものであるともいえる。ここで、メモリ62とは、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリが該当する。また、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等も、メモリ62に該当する。
上述した各部の機能について、一部が専用のハードウェアにより実現され、一部がソフトウェアまたはファームウェアにより実現されてもよい。
このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、上述した各部の機能を実現することができる。
4 診断装置、6 移動手摺(診断対象機器)、7 複数の踏段(診断対象機器)、8a ブレーキ(診断対象機器)、15 駆動チェーン(診断対象機器)、21 踏段速度検出器(取得対象検出器、速度検出器)、25 モータ電流検出器(取得対象検出器、電流検出器)、26 モータ電圧検出器(取得対象検出器、電圧検出器)、28 ブレーキ開放検出器(取得対象検出器、状態検出器)、31 スイッチ状態検出器(取得対象検出器、状態検出器)、40 診断装置本体、41 信号取得部、42a 基準データ記録部、42b 診断データ記録部、43 判定部、46 推定部、100 エスカレーター(乗客コンベア)。

Claims (4)

  1. 乗客コンベアに設けられている複数の機器のうち、少なくともいずれか1つの機器である診断対象機器の異常の有無を診断する診断装置本体
    を備え、
    前記診断装置本体は、
    少なくとも1つの取得対象検出器からの信号を取得する信号取得部、
    前記乗客コンベアの据付後に前記信号取得部により取得された信号を、基準データとして記録する基準データ記録部、
    前記基準データ記録部により前記基準データが記録された後に前記信号取得部によって取得された信号を、診断データとして記録する診断データ記録部、および
    乗客を搬送するモードである通常運転モードによる前記乗客コンベアの運転中に、前記診断データと前記基準データとを比較することにより、前記診断対象機器の異常の有無を判定する判定部
    を有し、
    前記少なくとも1つの取得対象検出器は、前記診断対象機器の速度を検出する速度検出器、前記診断対象機器の状態変化を検出する状態検出器、前記診断対象機器に流れている電流を検出する電流検出器、および前記診断対象機器に印加されている電圧を検出する電圧検出器の少なくともいずれか1つである乗客コンベアの診断装置。
  2. 前記基準データおよび前記診断データのそれぞれは、前記乗客コンベアの停止状態と運転状態との切替時点を含む時間内に取得されたデータであり、
    前記判定部は、前記基準データにおける前記切替時点と、前記診断データにおける前記切替時点とを一致させて、前記診断データと前記基準データとを比較する請求項1記載の乗客コンベアの診断装置。
  3. 前記診断装置本体は、2つ以上の前記診断対象機器の異常の有無を診断し、
    前記診断装置本体は、前記乗客コンベアが異常停止した場合に、前記2つ以上の前記診断対象機器のうち、前記乗客コンベアの異常停止の原因となった診断対象機器である原因機器を推定する推定部をさらに有しており、
    前記推定部は、前記2つ以上の前記診断対象機器のうち、最初に異常と判定された診断対象機器を前記原因機器とする請求項1または請求項2に記載の乗客コンベアの診断装置。
  4. 前記診断装置本体は、前記診断対象機器である複数の踏段、前記複数の踏段の移動を制動する前記診断対象機器であるブレーキ、および前記複数の踏段に駆動力を伝達する前記診断対象機器である駆動チェーンの異常の有無を診断し、
    前記信号取得部は、前記複数の踏段の移動速度を検出する前記速度検出器である踏段速度検出器からの信号、前記ブレーキが開放されたことを検出する前記状態検出器であるブレーキ開放検出器からの信号、および前記駆動チェーンが破断したことを検出するスイッチの状態を検出する前記状態検出器であるスイッチ状態検出器からの信号を取得する請求項3記載の乗客コンベアの診断装置。
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