JP2023013814A - 静電型スピーカー - Google Patents
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Abstract
【課題】静電型スピーカーにおいて、より可撓性を高くする技術を提供する。【解決手段】静電型スピーカー101は、導電性の織布である第1の導電布111と、第1の導電布111を挟むように配置された導電性の織布であり、第1の導電布と絶縁された第2の導電布121および第3の導電布131と、第1の導電布111、第2の導電布121および第3の導電布131を覆うように配置され、絶縁性の織布で構成された第1の外装布140および第2の外装布150とを有している。これら第1の導電布111、第2の導電布121および第3の導電布131と、第1の外装布140および第2の外装布150とは、絶縁性の糸によって縫い付けられている。【選択図】図3
Description
この発明は、静電型スピーカーに関する。
電気信号に応じた音声を発生するスピーカーとして、静電型スピーカーが知られている。この静電型スピーカーは、間隔を開けて向かい合う一対の電極と、当該一対の電極の間に挿入された導電性を有するシート状の振動体とから構成される。そして、振動体に所定のバイアス電圧を印加した状態で、電極に印加する電圧を電気信号に応じて変化させることにより、振動体が電気信号に応じて変位し、音声が発生する。そして、近年では、このような静電型スピーカーにおいて、屈曲させることを可能にする様々な技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1で提案されている静電型スピーカーでは、導電布からなる一対の電極と、振動体との間に弾性部材が挿入されるため、得られる静電型スピーカーの可撓性は必ずしも十分ではない。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、静電型スピーカーにおいて、より可撓性を高くする技術を提供することを目的とする。
上記目的の少なくとも一部を達成するために、本発明は、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
静電型スピーカーであって、導電性の織布である第1の導電布と、前記第1の導電布を挟むように配置された導電性の織布であり、前記第1の導電布と絶縁された第2と第3の導電布と、前記第1ないし第3の導電布を覆うように配置され、絶縁性の織布で構成された第1と第2の外装布と、を備え、前記第1ないし第3の導電布および前記第1と第2の外装布とは、絶縁性の糸によって縫い付けられている、静電型スピーカー。
静電型スピーカーであって、導電性の織布である第1の導電布と、前記第1の導電布を挟むように配置された導電性の織布であり、前記第1の導電布と絶縁された第2と第3の導電布と、前記第1ないし第3の導電布を覆うように配置され、絶縁性の織布で構成された第1と第2の外装布と、を備え、前記第1ないし第3の導電布および前記第1と第2の外装布とは、絶縁性の糸によって縫い付けられている、静電型スピーカー。
この適用例によれば、第1ないし第3の導電布および第1と第2の外装布とが、それらの変形や伸縮と縫い付ける糸のたわみとで許容される範囲で、面方向に対して移動可能となるので、静電型スピーカーの可撓性をより高くすることができる。
[適用例2]
前記第1の導電布の両面には、絶縁フィルムが貼り付けられている、適用例1記載の静電型スピーカー。
前記第1の導電布の両面には、絶縁フィルムが貼り付けられている、適用例1記載の静電型スピーカー。
この適用例によれば、振動膜となる第1の導電布の振動で発生した音声の外部への放出がより容易とし、かつ、第1の導電布の振動の抑圧をより抑制するように構成することができる。
[適用例3]
前記第2と第3の導電布の前記第1の導電布側の面には、絶縁フィルムが貼り付けられている、適用例2記載の静電型スピーカー。
前記第2と第3の導電布の前記第1の導電布側の面には、絶縁フィルムが貼り付けられている、適用例2記載の静電型スピーカー。
この適用例によれば、絶縁フィルムの損傷によって、第1の導電布と第2の導電布や第3の導電布との間が短絡する可能性を低減することができる。
[適用例4]
前記第1ないし第3の導電布は、金属を鍍金した原糸を織り上げた織布である、適用例1ないし3のいずれか記載の静電型スピーカー。
前記第1ないし第3の導電布は、金属を鍍金した原糸を織り上げた織布である、適用例1ないし3のいずれか記載の静電型スピーカー。
この適用例によれば、導電布の可撓性の低下を抑制することができるので、静電型スピーカーの可撓性をより高くすることができる。
[適用例5]
適用例1ないし4のいずれか記載の静電型スピーカーを投影面として使用するプロジェクタースクリーン。
適用例1ないし4のいずれか記載の静電型スピーカーを投影面として使用するプロジェクタースクリーン。
この適用例によれば、静電型スピーカーを含むプロジェクタースクリーンを巻き取る際の曲率半径をより小さくすることができるので、収納時におけるプロジェクタースクリーンの大きさをより小さくし、プロジェクタースクリーンの可搬性や収納性をより高くすることができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、静電型スピーカー、その静電型スピーカーと静電型スピーカーのドライブユニットとを含むスピーカーシステム、その静電型スピーカーを利用したプロジェクタースクリーン、衣服・寝具・ぬいぐるみ用布地、それらの静電型スピーカーやスピーカーシステムを利用した防音システム、等の態様で実現することができる。
以下、本発明を実施するための形態を以下の順序で説明する。
A.スピーカーシステムの利用態様:
B.スピーカーシステムの電気的構成:
C.静電型スピーカーの具体的構成:
D.変形例:
A.スピーカーシステムの利用態様:
B.スピーカーシステムの電気的構成:
C.静電型スピーカーの具体的構成:
D.変形例:
A.スピーカーシステムの利用態様:
図1は、本発明の一実施形態としてのスピーカーシステム10の利用態様を示す説明図である。図1に示すように本実施形態のスピーカーシステム10は、プロジェクタースクリーン100(以下、単に「スクリーン」とも呼ぶ)と、スクリーン100に接続されたドライブユニット200とを有している。
図1は、本発明の一実施形態としてのスピーカーシステム10の利用態様を示す説明図である。図1に示すように本実施形態のスピーカーシステム10は、プロジェクタースクリーン100(以下、単に「スクリーン」とも呼ぶ)と、スクリーン100に接続されたドライブユニット200とを有している。
図1に示す利用態様では、ドライブユニット200には、映像を記録したビデオディスクを再生するビデオディスクプレイヤー900から、音声信号ASが供給される。また、ビデオディスクプレイヤー900から図示しないプロジェクターには、映像信号VSが供給される。そして、プロジェクターからスクリーン100の投影面101に映像信号VSで変調された変調光が照射されることにより、スクリーン100の投影面101には、投影映像PIMが表示される。
一方、詳細については後述するが、ドライブユニット200は、供給された音声信号ASに基づいてスクリーン100の投影面101を振動駆動する。これにより、ビデオディスクプレイヤー900から供給された音声信号ASに応じた音声が、スクリーン100の投影面101から、投影面101の法線方向に向かって放射される。
B.スピーカーシステムの電気的構成:
図2は、本実施形態のスピーカーシステム10の電気的構成を示す説明図である。図2に示すように、スピーカーシステム10において、音声を放射するスクリーン100(図1)の投影面101には、ドライブユニット200が接続されている。
図2は、本実施形態のスピーカーシステム10の電気的構成を示す説明図である。図2に示すように、スピーカーシステム10において、音声を放射するスクリーン100(図1)の投影面101には、ドライブユニット200が接続されている。
投影面101は、振動することにより音声を放射する振動膜110と、空隙を挟んで振動膜110と対向するように配置された2つの電極膜120,130とを有している。スクリーン100の投影面101に接続されるドライブユニット200は、増幅回路210と、トランス出力回路220と、高電圧発生回路230とを有している。
増幅回路210は、入力されたシングルエンド信号を増幅し、+と-の逆極性の信号を組み合わせた差動信号を出力する差動増幅器U1によって構成される。増幅回路210に入力されたシングルエンドの音声信号ASは、差動増幅器U1によって増幅され、差動音声信号DASとして、増幅回路210からトランス出力回路220に供給される。
なお、本実施形態では、増幅回路210において、差動信号を出力する差動増幅器U1を使用しているが、入力された音声信号ASと同様のシングルエンド信号を出力する増幅器を使用することも可能である。但し、ドライブユニット200を構成する高電圧発生回路230は、後述するようにチョッパ回路を有しているため、大きなノイズが発生する可能性がある。このように高電圧発生回路230において発生するノイズの影響を低減するため、増幅回路210としては、差動信号を出力する差動増幅器を使用し、差動音声信号DASを出力するようにするのが好ましい。
トランス出力回路220は、同一構成の2つのトランスT1,T2を有している。これら2つのトランスT1,T2は、増幅回路210に接続される1次側においては、並列に接続されている。一方、スクリーン100の投影面101に接続される2次側においては、2つのトランスT1,T2は直列に接続されている。また、トランスT1,T2の2次側の巻数は、1次側の巻数よりも高く設定されている。これにより、増幅回路210から供給された差動音声信号DASは、直列接続されたトランスT1,T2の両端において、トランスT1,T2の巻線比の2倍の電圧まで昇圧され、投影面101を構成する2つの電極膜120,130に伝達される。
高電圧発生回路230は、電源電圧Vddよりも高電圧の直流電圧を発生する回路であり、発生した高圧直流電圧は、高電圧発生回路230に接続されたトランス出力回路220に供給される。本実施形態では、高電圧発生回路230として、発振器OSCが発生する矩形波によってMOS型電界効果トランジスタQ1のドレイン-ソース間をオン/オフし、チョークコイルLの逆起電力により高圧を発生させる昇圧型チョッパ回路と、ダイオードD1~D6およびコンデンサC1~C6を用いて昇圧するコッククロフト・ウォルトン回路とを組み合わせた昇圧回路を使用している。但し、高電圧発生回路としては、昇圧型チョッパ回路あるいはコッククロフト・ウォルトン回路を単独で使用した昇圧回路や、発振器とフライバックトランスを使用した昇圧回路等、種々の昇圧回路を使用することも可能である。
高電圧発生回路230によって発生された高圧直流電圧は、トランス出力回路220において直列接続された2つのトランスT1,T2の間に供給される。そして、直列接続されたトランスT1,T2の両端を投影面101の2つの電極膜120,130に接続するとともに、振動膜110をトランス出力回路220の接地電極に接続して接地することにより、2つの電極膜120,130には、振動膜110を基準として高圧直流電圧が印加された状態となる。
一方、上述の通り、差動音声信号DASは、直列接続されたトランスT1,T2の両端において昇圧され、投影面101を構成する2つの電極膜120,130に伝達される。そのため、電極膜120,130には、振動膜110を基準として、差動音声信号DASあるいは音声信号ASに応じた互いに逆極性の電圧が印加され、振動膜110に対する2つの電極膜120,130の電圧は、互いに逆方向に変動する。振動膜110は、この電極膜120,130の電圧変動に応じて、その全体が電極膜120,130の対向方向に振動し、振動膜110からは、差動音声信号DAS(音声信号AS)に応じた音声が放射される。なお、このように、振動膜110および2つの電極膜120,130からなる投影面101は、静電的な作用により音声を放射する機能を有しているので、「静電型スピーカー」とも謂うことができる。
C.静電型スピーカーの具体的構成:
図3は、静電型スピーカー101(以下、単に「スピーカー101」と呼ぶ)の具体的な構成を示す説明図である。スピーカー101は、上述の通り、電気的な構成として、振動膜110と、空隙を挟んで振動膜110と対向するように配置された2つの電極膜120,130とを有している。スピーカー101は、また、これら振動膜110および電極膜120,130の他、スクリーン100(図1)において投影映像PIMが表示される表層布140と、スクリーン100においてスピーカー(投影面)101が取り付けられる下地としての下地布150とを有している。
図3は、静電型スピーカー101(以下、単に「スピーカー101」と呼ぶ)の具体的な構成を示す説明図である。スピーカー101は、上述の通り、電気的な構成として、振動膜110と、空隙を挟んで振動膜110と対向するように配置された2つの電極膜120,130とを有している。スピーカー101は、また、これら振動膜110および電極膜120,130の他、スクリーン100(図1)において投影映像PIMが表示される表層布140と、スクリーン100においてスピーカー(投影面)101が取り付けられる下地としての下地布150とを有している。
振動膜110は、導電性を有する織布である導電布111と、導電布111の両面に接着された絶縁フィルム112,113とから構成される。導電布111は、原糸に銅やアルミ等の金属を鍍金し、鍍金された原糸を周知の製織技術を用いて織り上げることにより形成される。
導電布111を織り上げるための原糸としては、ポリエステルやアクリル等の化学繊維、木綿やウール等の自然繊維、あるいは、複数種類の繊維を混合した混紡繊維を使用することができる。但し、難燃性を確保するため、原糸としては、難燃性のポリアミド繊維やアラミド繊維、あるいは、難燃化処理を施した各種繊維を用いるのが好ましい。
なお、導電布111としては、鍍金された原糸を織り上げた織布の他、銅などの金属細線を含む原糸を織り上げた織布や、炭素繊維等の導電性の繊維を原糸として織り上げた炭素繊維織布を用いることも可能である。但し、導電布111の可撓性の低下を抑制することができる点で、導電布111としては、鍍金された原糸を織り上げた織布を用いるのが好ましい。
導電布111に接着される絶縁フィルム112,113としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、エポキシ、ポリイミドあるいはアラミド等の種々の樹脂からなるフィルムを用いることができる。これらの絶縁フィルム112,113は、導電布111に接着されるため、それ自体で強度を担保する必要がない。そのため、電極膜120,130に印加される高圧直流電圧に対して十分な耐圧を有していれば、より薄いものを用いるのが好ましい。
電極膜120,130は、それぞれ、導電性を有する織布である導電布121,131と、振動膜110側に接着された絶縁フィルム122,132とから構成される。導電布121,131は、振動膜110を構成する導電布111と同様に形成される。また、絶縁フィルム122,132も、振動膜110を構成する絶縁フィルム112,113と同様に形成される。
なお、導電布121,131は、振動膜110の振動で発生した音声の電極膜120を通した外部への放出を容易にし、また、振動膜110における振動が、振動膜110と電極膜130との間の背圧により抑圧されることを抑制するため、その織密度を、振動膜110の導電布111の織密度よりも低く設定するのが好ましい。
表層布140と下地布150とは、スクリーン100(図1)としての機能が実現可能となるように、強度等の機械的特性やその他の特性に基づいて適宜選択された絶縁性の織布である。スクリーン100としての機能を実現するため、例えば、表層布140には、その外表面、すなわち、電極膜120とは反対側の表面に、照射された光を良好に反射するための各種加工が施される。なお、表層布140および下地布150としては、種々の繊維を用いることが可能であるが、高圧直流電圧が印加される電極膜120,130と外部との間の絶縁性を確保するため、アクリル繊維やポリアミド繊維等の吸湿性の低い繊維を用いるのが好ましい。また、これらの表層布140および下地布150は、振動膜110および電極膜120,130を覆うように、それらの外部に設けられる織布であるため、「外装布」とも呼ぶことができる。
このようにスピーカー101を構成する振動膜110、電極膜120,130、表層布140および下地布150は、これらの積層方向(図3の紙面における上下方向)に、絶縁性の糸によって縫い付けられる。これにより、振動膜110、電極膜120,130、表層布140および下地布150が一体となったスピーカー101が形成される。
このように形成されたスピーカー101と、ドライブユニット200との間の接続は、トランス出力回路220(図2)の接地電極および直列接続されたトランスT1,T2の両端とから伸びる配線119,129,139を、振動膜110および電極膜120,130にそれぞれ縫い付けることにより行われる。なお、図3の例では、配線119,129,139は、振動膜110および電極膜120,130の端部に縫い付けられているが、配線を縫い付ける箇所は適宜変更可能である。
また、本実施形態では、トランス出力回路220から伸びる配線119,129,139を、振動膜110および電極膜120,130にそれぞれ縫い付けているが、他の方法によってスピーカー101とドライブユニット200とを接続することも可能である。例えば、トランス出力回路220から伸びる配線119,129,139を、導電性ペースト等を用いて振動膜110および電極膜120,130に取り付けることによって、スピーカー101とドライブユニット200とを接続するものとしても良い。但し、配線119,129,139と、振動膜110および電極膜120,130との接続をより確実にするとともに、接続部分の強度をより高くすることができる点で、配線119,129,139は、振動膜110および電極膜120,130に縫い付けるのが好ましい。
このように構成された本実施形態のスピーカー101では、振動膜110、電極膜120,130、表層布140および下地布150は、互いに縫い付けられた状態となっている。そのため、振動膜110、電極膜120,130、表層布140および下地布150は、それらの変形や伸縮と縫い付ける糸のたわみとで許容される範囲で、面方向、すなわち、積層方向と直交方向に対して移動可能となっている。このように振動膜110、電極膜120,130、表層布140および下地布150が面方向に移動可能となっているため、スピーカー101の可撓性が高くなるので、スピーカー101を含むスクリーンの布部分を巻き取る際の曲率半径をより小さくすることができる。そのため、収納時におけるスクリーン100の大きさをより小さくし、スクリーン100の可搬性や収納性をより高くすることができる。
また、本実施形態のスピーカー101を用いることにより、図1に示すように、スクリーン100の投影面101には、ビデオディスクプレイヤー900から供給された映像信号VSに応じた投影映像PIMが表示されるとともに、ビデオディスクプレイヤー900から供給された音声信号ASに応じた音声が投影面(スピーカー)101から放射される。そのため、スクリーン100とは別個のスピーカーを用意することなく、プレゼンテーション動画の放映や、遠隔会議の実施を行うことができる。
そして、本実施形態のスピーカー101では、振動膜110の全体が振動することによって音声が放射されるので、振動膜110および電極膜120,130の積層方向、すなわち、スピーカー101の法線方向に平面波として音声が放射される。これにより、音声がスピーカー101の法線方向に集中的に放射されるため、本実施形態のスピーカー101によれば、プレゼンテーション動画の放映等に際して、対象とする視聴者を限定することが可能となる。
さらに、音声信号ASに応じた音声は、投影映像PIMが表示される投影面(スピーカー)101から放射されるので、図1に示すように投影映像PIMに話者等の画像が含まれている場合には、投影映像PIMの視聴者は、あたかも当該話者が音声を発しているように感じることができる。そのため、プレゼンテーション動画や、遠隔会議の臨場感をより高くすることができる。
なお、図1に示す本実施形態では、プレゼンテーションや遠隔会議に使用する可搬型のスクリーン100を用いているが、本発明は、ホームシアター等で使用される据置型のスクリーンに適用することも可能である。この場合においても、動画が表示されるスクリーンから音声が放射されることによって臨場感より高くなるので、動画の視聴者に対して良好に没入感を感じさせることができる。
加えて、本発明を適用したスクリーン(スピーカー)を、サラウンド方式で音声の再生を行うホームシアター等で使用する場合、スクリーン自体をスクリーン側に配置されるセンタースピーカーとして使用することができる。この場合、別個のセンタースピーカーの配置が省略できるので、スクリーンの配置の自由度をより高くすることができる。
さらに、振動膜110および電極膜120,130を構成する導電布111,121,131と、表層布140および下地布150との織密度を適宜調整することにより、下地布150側から表層布140側に音声を良好に透過させることが可能となる。このようにすれば、スクリーン側の上方に配置されるセンターハイスピーカをスクリーンの後方に配置することができるので、スクリーンの配置の自由度をさらに高くすることができる。
D.変形例:
本発明は上記各実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
本発明は上記各実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
D1.変形例1:
上記実施形態では、電極膜120,130のそれぞれに絶縁フィルム122,132を設けているが、これらの絶縁フィルム122,132を省略することも可能である。この場合、振動膜110の振動で発生した音声の外部への放出がより容易となり、振動膜110の振動の抑圧がより抑制される。
上記実施形態では、電極膜120,130のそれぞれに絶縁フィルム122,132を設けているが、これらの絶縁フィルム122,132を省略することも可能である。この場合、振動膜110の振動で発生した音声の外部への放出がより容易となり、振動膜110の振動の抑圧がより抑制される。
また、振動膜110に設けられる絶縁フィルム112,113を省略し、電極膜120,130のそれぞれに絶縁フィルム122,132を設けるものとしても良い。一般的には、振動膜110と、電極膜120,130との間が絶縁可能であれば良く、絶縁フィルムは、振動膜110と一方の電極膜120との少なくとも一方、および、振動膜110と他方の電極膜120との少なくとも一方に、それぞれ設けられていれば良い。
但し、振動膜110の両面に絶縁フィルム112,113を設けるとともに、電極膜120,130のそれぞれに絶縁フィルム122,132を設けることにより、これらの絶縁フィルム112,113,122,132の損傷によって、振動膜110と電極膜120,130とが短絡する可能性を低減できる点で、上記実施形態のように、振動膜110の両面に絶縁フィルム112,113を設けるとともに、電極膜120,130のそれぞれに絶縁フィルム122,132を設けるのが好ましい。
D2.変形例2:
上記実施形態では、本発明をスクリーン100に適用しているため、照射された光を良好に反射するための各種加工が施された表層布140を電極膜120側の外方に配し、スクリーン100の下地となる下地布150を電極膜130側の外方に配している。しかしながら、本発明に係るスピーカーとしての機能は、必ずしもプロジェクタースクリーンに対してのみに適用されるものではない。
上記実施形態では、本発明をスクリーン100に適用しているため、照射された光を良好に反射するための各種加工が施された表層布140を電極膜120側の外方に配し、スクリーン100の下地となる下地布150を電極膜130側の外方に配している。しかしながら、本発明に係るスピーカーとしての機能は、必ずしもプロジェクタースクリーンに対してのみに適用されるものではない。
例えば、本発明に係るスピーカーは、衣類に取り付けることもできる。この場合、ヘッドセットに替えて、衣服自体をハンズフリー通話に使用することができる。また、枕やぬいぐるみ等において、外皮の少なくとも一部を本発明に係るスピーカーにして、音声を発生させることもできる。枕やぬいぐるみ等に使用する場合、一般的なスピーカーではその形状を小さくすることが困難であり、また、スピーカー自体が硬いため、枕やぬいぐるみ等の使用感が低下するが、本発明に係るスピーカーでは、主として織布で構成されているので、スピーカーを取り付けることによる使用感の低下を抑制することができる。
さらに、本発明に係るスピーカーは、建築物の壁紙として使用することも可能である。この場合、壁紙全体で音声を発生させることが可能となるので、集合住宅における隣戸からの騒音を打ち消すように音声を発生させれば、隣戸からの騒音を良好に除去する防音システムを構築することができる。この場合においても、主として織布で構成されている本発明に係るスピーカーによれば、壁面の凹凸に合わせて施工することが容易であり、より適切に壁紙として使用することができる。
10…スピーカーシステム
100…スクリーン(プロジェクタースクリーン)
101…スピーカー(投影面)
110…振動膜
111…導電布
112,113…絶縁フィルム
119…配線
120,130…電極膜
121,131…導電布
122,132…絶縁フィルム
129,139…配線
140…表層布
150…下地布
200…ドライブユニット
210…増幅回路
220…トランス出力回路
230…高電圧発生回路
900…ビデオディスクプレイヤー
AS…音声信号
C1~C6…コンデンサ
D1~D6…ダイオード
DAS…差動音声信号
L…チョークコイル
OSC…発振器
PIM…投影映像
Q1…MOS型電界効果トランジスタ
T1,T2…トランス
U1…差動増幅器
VS…映像信号
100…スクリーン(プロジェクタースクリーン)
101…スピーカー(投影面)
110…振動膜
111…導電布
112,113…絶縁フィルム
119…配線
120,130…電極膜
121,131…導電布
122,132…絶縁フィルム
129,139…配線
140…表層布
150…下地布
200…ドライブユニット
210…増幅回路
220…トランス出力回路
230…高電圧発生回路
900…ビデオディスクプレイヤー
AS…音声信号
C1~C6…コンデンサ
D1~D6…ダイオード
DAS…差動音声信号
L…チョークコイル
OSC…発振器
PIM…投影映像
Q1…MOS型電界効果トランジスタ
T1,T2…トランス
U1…差動増幅器
VS…映像信号
Claims (5)
- 静電型スピーカーであって、
導電性の織布である第1の導電布と、
前記第1の導電布を挟むように配置された導電性の織布であり、前記第1の導電布と絶縁された第2と第3の導電布と、
前記第1ないし第3の導電布を覆うように配置され、絶縁性の織布で構成された第1と第2の外装布と、
を備え、
前記第1ないし第3の導電布および前記第1と第2の外装布とは、絶縁性の糸によって縫い付けられている、
静電型スピーカー。 - 前記第1の導電布の両面には、絶縁フィルムが貼り付けられている、請求項1記載の静電型スピーカー。
- 前記第2と第3の導電布の前記第1の導電布側の面には、絶縁フィルムが貼り付けられている、請求項2記載の静電型スピーカー。
- 前記第1ないし第3の導電布は、金属を鍍金した原糸を織り上げた織布である、請求項1ないし3のいずれか記載の静電型スピーカー。
- 請求項1ないし4のいずれか記載の静電型スピーカーを投影面として使用するプロジェクタースクリーン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021118244A JP2023013814A (ja) | 2021-07-16 | 2021-07-16 | 静電型スピーカー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021118244A JP2023013814A (ja) | 2021-07-16 | 2021-07-16 | 静電型スピーカー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023013814A true JP2023013814A (ja) | 2023-01-26 |
Family
ID=85129413
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021118244A Pending JP2023013814A (ja) | 2021-07-16 | 2021-07-16 | 静電型スピーカー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023013814A (ja) |
-
2021
- 2021-07-16 JP JP2021118244A patent/JP2023013814A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20240227 |