JP2023013600A - 面格子壁 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造が容易であって、高い初期剛性を有し、小変形時と大変形時の何れにおいても耐力壁として機能する面格子壁を提供する。【解決手段】交差して組まれた木製の格子材からなり格子材に囲まれた複数の開口部を有する格子本体と、薄鋼板からなる補強材を備え、一部の開口部が、補強材が取り付けられて塞がれた補強領域となっており、残りの開口部が、補強材が取り付けられておらず開口した開口領域となっている。格子材は、直交する縦材と横材からなり、開口部が矩形である。補強材は、開口部と同一形状の閉塞部と、閉塞部の周縁から閉塞部と直交する向きに延出する固定部を有し、閉塞部が開口部を塞いでおり、固定部が開口部を囲む格子材の内周面に当接して固定されている。閉塞部の各辺から延出する固定部は、閉塞部に対して同じ向きに延出しており、隣接する固定部同士が接合されている。補強材は、1枚の薄鋼板を折り曲げて形成されたものである。【選択図】図1

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 日本建築学会、2020年度日本建築学会大会学術講演梗概集、令和2年7月20日 椙山女学園大学生活科学部生活環境デザイン学科、椙山女学園大学生活科学部生活環境デザイン学科2020年度卒業研究発表梗概集、令和3年1月22日 椙山女学園大学生活科学部生活環境デザイン学科2020年度卒業研究発表会、令和3年1月24日 https://sugiyama-u-sotsuten.com/、https://sugiyama-u-sotsuten.com/wp-content/uploads/2021/02/3755e7a48fd754e7661f6b25d207732c.pdf、令和3年2月 椙山女学園大学大学院生活科学研究科生活環境学専攻2020年度修士研究発表会、令和3年2月16日 https://www.sugiyama-u.ac.jp/univ/academics/g-nutr/life/、https://www.sugiyama-u.ac.jp/univ/assets/docs/mas20_kawamoto.pdf、令和3年2月
本発明は、耐力壁として用いられる面格子壁に関する。
近年、通風や採光を確保できる耐力壁として、面格子壁が注目されている。一般に、面格子壁は、複数の木材(縦材と横材)を相欠き仕口(一対の縦材と横材の対向面にそれぞれ切欠部を形成して相互に嵌め合わせる構造)により接合して構成したものであり、多数の仕口における木材のめり込み挙動によって、大変形時において安定した高耐力を得られる。しかし、加工精度の低さや経年による木材の乾燥収縮により仕口に隙間が生じることが原因となって、小変形時には木材のめり込みが生じず、耐力壁として機能しない。よって、初期剛性が低く設定されており、壁倍率は最大0.9(仕様規定)である。
そこで、本件発明者らは、この初期剛性が低いという課題を解決するものとして、特許文献1に示す面格子壁を提案している。この面格子壁は、仕口の隙間に圧縮木材からなる隙間埋め材を挿入したものであり、隙間埋め材が形状回復することで隙間が埋められ、高い初期剛性が得られるものである。
特許第6337257号公報
しかしながら、特許文献1の面格子壁の隙間埋め材は、木材を加熱してからプレス機で圧縮したものであり、こうした加工に手間がかかる点が問題であった。
本発明は、このような事情を鑑みたものであり、製造が容易であって、高い初期剛性を有し、小変形時と大変形時の何れにおいても耐力壁として機能する面格子壁を提供することを目的とする。
本発明は、交差して組まれた木製の格子材からなり該格子材に囲まれた複数の開口部を有する格子本体と、薄鋼板からなる補強材を備え、一部の前記開口部が、前記補強材が取り付けられて塞がれた補強領域となっており、残りの前記開口部が、前記補強材が取り付けられておらず開口した開口領域となっていることを特徴とする。なお、開口部には、全周を格子材に囲まれた開口部分に加えて、格子本体の周縁部において、格子材とその他の部材とに囲まれた開口部分も含む。また、薄鋼板とは、厚さが3mm以下の鋼板のことをいう。
また、本発明は、前記補強材が、前記開口部と同一形状の閉塞部と、該閉塞部の周縁から該閉塞部と直交する向きに延出する固定部を有するものであり、前記閉塞部が前記開口部を塞いでおり、前記固定部が前記開口部を囲む前記格子材の内周面に当接して固定されているものであってもよい。
また、本発明は、前記開口部および前記閉塞部が、多角形状であり、前記閉塞部の各辺から延出する前記固定部が、前記閉塞部に対して同じ向きに延出しており、隣接する前記固定部同士が接合されているものであってもよい。
また、本発明は、前記補強材が、1枚の薄鋼板を折り曲げて形成されたものであってもよい。
また、本発明は、前記格子材が、垂直向きに延びる縦材と、水平向きに延びる横材からなり、前記縦材と前記横材が直交していて、前記開口部が矩形のものであってもよい。
本発明によれば、開口領域により、通風や採光が確保され、補強領域により、高い耐力が確保される。すなわち、小変形時には、薄鋼板からなる補強材の初期剛性により応答することで高耐力が得られ、大変形時には、格子材同士の接合部分における木材のめり込み挙動に加えて、薄鋼板からなる補強材の靭性により応答することで、高耐力が得られる。よって、小変形時と大変形時の何れにおいても耐力壁として機能するものである。
また、補強材が格子材に当接して固定される固定部を有するものであれば、補強材が格子材に対して確実に固定されるので、耐力壁としてより耐力が高いものとなる。
また、補強材の閉塞部が多角形状であって隣接する固定部同士が接合されているものであれば、補強材が箱形で剛性が高いものとなるので、耐力壁としてより耐力が高いものとなる。
また、補強材が1枚の薄鋼板を折り曲げたものであれば、より剛性が高いものとなるとともに、閉塞部と固定部を容易に形成することができる。
また、格子材が縦材と横材からなるものであれば、既存の縦横格子に補強材を取り付けることで本発明の面格子壁とすることもできる。
面格子壁の斜視図である。 面格子壁の正面図である。 (a)は縦材と横材の接合部の説明図であり、(b)は横材と柱の接合部の説明図である。 (a)は補強材の斜視図、(b)は補強材の展開図である。 (a)、(b)は補強材の取付方法の説明図である。 試験体の説明図であり、(a)は試験体A、(b)は試験体B、(c)は試験体Cを示す。 各試験体の荷重変位関係を示すグラフである。 各試験体の初期剛性の比較を示すグラフである。 変形角1/300radのときの各試験体の包絡線を示すグラフである。 各試験体のエネルギ吸収量の比と変形角の関係を示すグラフである。
以下、本発明の面格子壁の具体的な内容について説明する。なお、以下において上下左右とは、図2に示すように、この面格子壁を正面から見たときの上下左右方向を示すものとする。図1および図2に示すように、この面格子壁は、複数の開口部11を有する木製の格子本体1と、格子本体1の左右に取り付けられた木製の柱12と、格子本体1および柱12の上下に取り付けられた木製の梁13と、薄鋼板からなる補強材2を備え、一部の開口部11が、補強材2が取り付けられて塞がれた補強領域100となっており、残りの開口部11が、補強材2が取り付けられておらず開口した開口領域200となっている。
格子本体1は、交差して組まれた格子材3からなるものであって、格子材3は、垂直向きに延びる縦材31と、水平向きに延びる横材32からなる。図1および図2に示す例では、4本の縦材31と、6本の横材32を備えており、縦材31は左右に間隔を空けて配置され、横材32は上下に間隔を空けて配置されている。縦材31同士の間隔と横材32同士の間隔は同じであり、縦材31と横材32に囲まれた開口部11は正方形である。縦材31と横材32は、何れも木製の角材からなり、接合部において互いに直交している。その接合部は、図3(a)に示すように、縦材31と横材32のそれぞれの対向面に断面コ字形の切欠部311,321が形成されていて、切欠部311,321を相互に嵌め合わせるように組まれた相欠き仕口となっている。
格子本体1の左右には、柱12が取り付けられている。柱12は、格子材3よりも太い木製の角材からなり、左右に延びる横材32の端部が上下に延びる柱12の側面に当接して接合されている。その接合部は、図3(b)に示すように、横材32の端部にほぞ322が形成され、柱12の側面にほぞ穴121が形成されていて、柱12のほぞ穴121に横材32のほぞ322が挿入されて組まれている。さらに、格子本体1と左右の柱12の上下には、梁13が取り付けられている。梁13は、柱12と同等以上の太さの木製の角材からなり、上下に延びる縦材31と柱12の上端部が上側の梁13の下面に当接して接合されており、縦材31と柱12の下端部が下側の梁13の上面に当接して接合されている。その接合部は、縦材31および柱12の端部にほぞが形成され、梁13の上下面にほぞ穴が形成されていて、梁13のほぞ穴に縦材31および柱12のほぞが挿入されて組まれている(図示省略)。さらに、柱12の上下の端部と梁13とは、ホールダウン金物14により接合されている(図1ではホールダウン金物14について図示省略)。このホールダウン金物14以外に、格子材3、柱12および梁13の接合部において、ネジや釘などの金物は使用されていない。
なお、格子本体1において、開口部11は、左右の縦材31と上下の横材32に囲まれた開口部分(すなわち、全周を格子材3に囲まれた開口部分)に加えて、格子本体1の周縁部において、縦材31および横材32と、柱12および/または梁13に囲まれた開口部分(すなわち、格子材3とその他の部材とに囲まれた開口部分)も含む。何れの開口部11も同じ大きさの正方形であり、図1および図2に示す例では、35個の開口部11が形成されている。
補強材2は、薄鋼板からなるものである。なお、薄鋼板とは、厚さが3mm以下の鋼板のことをいう。この補強材2は、図4(a)に示すように、格子本体1の開口部11と同一形状(同じ大きさの正方形)の1枚の平板状の閉塞部21と、閉塞部21の各辺から閉塞部21と直交する向きに延出する4枚の矩形平板状の固定部22を有する。固定部22は何れも閉塞部21に対して同じ向きに延出しており、隣接する固定部22同士が内側から溶接されて接合されている。すなわち、補強材2は、閉塞部21を底面とし、固定部22を四周の側面とする箱形のものである。ただし、固定部22の延出幅(閉塞部21を底面としたときの高さ)は、格子本体1の見込幅(格子材3の太さ)よりも短い。なお、固定部22には、この補強材2を格子材3にビス止めするためのビスを通すビス孔221が形成されている。また、この補強材2は1枚の薄鋼板を折り曲げて形成されたものであり、図4(b)に示すのが、折り曲げる前の状態である。閉塞部21と固定部22の境界は、薄鋼板の折目である。
そして、このように形成された補強材2は、図5に示すように、格子本体1の開口部11に取り付けられている。すなわち、閉塞部21が開口部11と同一形状であって、図5(a)に示すように、閉塞部21が開口部11を塞ぐようにして、補強材2が開口部11に挿入される。この際、閉塞部21が、格子材3の見付面(図5における奥側の面)と面一となる。そして、図5(b)に示すように、上下左右の固定部22が、それぞれ開口部11を囲む格子材3(縦材31と横材32)の内周面に当接しており、ビス222をビス孔221に通して、それぞれの固定部22が当接している格子材3にビス止めして固定される。また、格子本体1の周縁部の開口部11に取り付けられる補強材2は、その固定部22の一部が柱12および/または梁13に当接して固定されている。よって、どの開口部11に取り付けられる補強材2も、その四周の固定部22が、格子材3、柱12または梁13の何れかに固定される。
なお、1つの格子本体1には、1つまたは複数の補強材2が取り付けられるが、補強材2の数は開口部11の数よりも少ない。すなわち、一部の開口部11に補強材2が取り付けられて補強領域100となっており、残りの開口部11には補強材2が取り付けられず開口したままの状態の開口領域200となっている。
次に、このように構成された面格子壁の性能を確認する試験について説明する。試験に用いた面格子壁は実物大のものであって、格子本体1を構成する格子材3(縦材31と横材32)は90mm角のスギからなり、1つの開口部11は縦横300mmの正方形である。補強材2は、板厚0.6mmの薄鋼板からなり、閉塞部21は開口部11と同じ縦横300mmの正方形であって、固定部22の延出幅(閉塞部21を底面としたときの高さ)は65mmである。そして、この補強材2を取り付けない面格子壁を試験体A(図6(a))、1つの補強材2を取り付けた面格子壁を試験体B(図6(b))、2つの補強材2を取り付けた面格子壁を試験体C(図6(c))とした。なお、試験体Bにおいて、1つの補強材2は、上から5番目で左から4番目の開口部11に取り付けられている。また、試験体Cにおいて、2つの補強材2は、上から5番目で左から4番目および5番目の開口部11に取り付けられている。
これらの試験体A~試験体Cに対して、壁試験機により荷重を作用させた。より詳しくは、各試験体の下側の梁13を床面に固定し、上側の梁13に対して左右方向の力を作用させた。加力方法は、左右方向の一方を正方向、他方を負方向として、正負交番3回繰り返し載荷とし、載荷履歴は、変形角(=変位/高さ)を1/450、1/300、1/200、1/150、1/100、1/75、1/50、1/30radとした後、単調載荷に切り替えて引き切ることとした。
これらの条件に基づく試験の結果、何れの試験体においても、格子本体1においてほぞの抜けや接合部の隙間の広がりが見られたが、局部的な破壊は生じなかった。一方、補強材2は、閉塞部21の対角線上に×印を描くような波状の変形が生じた。そして、各試験体の荷重変位関係は、図7のグラフのとおりであった。このグラフは、横軸を変形角(rad)、縦軸を荷重(kN)としたものである。これによれば、補強材2の数が増えるほど、各変形角における最大荷重が大きくなっており、耐震性能が向上していることが確認された。また、各試験体の小変形時(変形角が小さい範囲)における荷重変位関係は、図8のグラフのとおりであった。このグラフも、横軸を変形角(rad)、縦軸を荷重(kN)としたものである。これによれば、補強材2の数が増えるほど、曲線の傾きが大きくなっており、すなわち同じ大きさの荷重を受けた際により変形しにくくなっていて、初期剛性が向上していることが確認された。
そして、図8のグラフの変形角1/120radのときの荷重の値に基づいて壁倍率を算出すると、試験体Aが0.8、試験体Bが1.2、試験体Cが1.8となった(なお、壁倍率1倍とは、壁長1mあたり、1.96kNの水平荷重に抵抗できることをいう)。よって、補強材2を1つ増やすごとに、壁倍率が1.5倍に向上することが確認された。
また、図7のグラフにおいて、各試験体についての包絡線に囲まれた部分の面積は、エネルギ吸収量を表す。たとえば、図9のグラフは、変形角1/300radのときの各試験体の包絡線を示すものである(横軸は変位(mm)を示す)。ここで、補強材2を取り付けることによってエネルギ吸収量がどのように変化したのかを確認するため、各変形角における、試験体A(補強材2なし)のエネルギ吸収量に対する、試験体B(補強材2が1つ)と試験体C(補強材2が2つ)のエネルギ吸収量の比を算出した。その結果を示すのが、図10のグラフである。これによれば、概ね変形角が小さいほど、比の値は大きくなっており、かつ試験体Bについての値と試験体Cについての値の差も大きい(試験体Cについての値の方が大きい)。これはすなわち、補強材2により面格子壁の小変形時の初期剛性が向上しており、かつ補強材2の数を増やすことで初期剛性がさらに顕著に向上していることを示している。また、変形角が大きくなると、比の値は小さくなっているが1よりは大きく、かつ試験体Bについての値と試験体Cについての値の差も小さくなっている。すなわち、補強材2が面格子壁の大変形時の靭性能に及ぼす影響は、小変形時の初期剛性に及ぼす影響よりも小さいものであるが、補強材2により面格子壁の大変形時の靭性能もある程度は向上していることを示している。
なお、この面格子壁の耐力は、格子材3の各接合部(仕口)のモーメント抵抗と、補強材2のモーメント抵抗の足し合わせによるものであり、モーメントの位置の影響は受けないものである。すなわち、補強材2の数が同じであれば、補強材2を取り付ける開口部11の位置によらず、面格子壁の耐力は同じである。よって、補強材2の配置については、複数の補強材2を組み合わせて図柄や文字を表したり、目線の高さの位置に取り付けることで目隠しにしたりするなど、耐震性能以外の観点に基づいて自在に設定できる。
また、上記の試験のように、面格子壁が受ける荷重がある程度以下の大きさであれば、補強材2が変形しても、格子本体1、柱12および梁13は損傷しない。このような状態であれば、補強材2のみを交換することで、面格子壁を継続して使用することができる。補強材2の交換に際しては、元々補強材2が取り付けられていた開口部11の格子材3などにはビス穴が形成されているので、新たな補強材2を取り付けて確実に固定することができないおそれもあるが、上記のとおり、補強材2の位置は耐震性能に影響しないので、新たな補強材2を元の補強材2とは異なる位置に取り付ければよい。
このように構成された本発明の面格子壁によれば、開口領域200により、通風や採光が確保され、補強領域100により、高い耐力が確保される。すなわち、小変形時には、薄鋼板からなる補強材2の初期剛性により応答することで高耐力が得られ、大変形時には、格子材3同士の接合部分における木材のめり込み挙動に加えて、薄鋼板からなる補強材2の靭性により応答することで、高耐力が得られる。よって、小変形時と大変形時の何れにおいても耐力壁として機能するものである。また、補強材2が格子材3、柱12および梁13に当接して固定される固定部22を有するものであり、補強材2が格子材3、柱12および梁13に対して確実に固定されるので、耐力壁としてより耐力が高いものとなる。また、補強材2の閉塞部21が正方形であって隣接する固定部22同士が接合されているので、補強材2が箱形で剛性が高いものとなり、耐力壁としてより耐力が高いものとなる。また、補強材2が1枚の薄鋼板を折り曲げたものなので、より剛性が高いものとなるとともに、閉塞部21と固定部22を容易に形成することができる。なお、既存の縦横格子に薄鋼板からなる補強材2を取り付けることで、本発明の面格子壁とすることもできる。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨の範囲内で適宜変更できる。たとえば、格子材の太さ、本数、間隔などは、設置場所の状況などに応じて適宜変更できる。また、補強材の数を増やして補強領域を広げれば、より耐震性能が向上し、補強材の数を減らして開口領域を広げれば、より通風・採光性能が向上するものであり、その数も設置場所の状況などに応じて適宜変更できる。さらに、格子材同士の接合部は相欠き仕口のものに限られず、格子材に切欠部が形成されない重ね継手などのものであってもよい。また、縦材同士の間隔と横材同士の間隔が異なっていて、開口部および補強材の閉塞部が長方形となっているものであってもよいし、格子材同士が直角以外の角度で交差していて、開口部および補強材の閉塞部が平行四辺形や菱形となっているものであってもよい。さらに、上記の実施形態では柱と梁がホールダウン金物により接合されているが、木材同士の接合にこのような金物を一切使用しないものであってもよい。また、補強材は、平板状であって格子本体の見付面に固定されるもの、閉塞部と固定部を有するものであって各辺から延出する固定部が閉塞部に対して異なる向きに延出しているもの、閉塞部と固定部が別部材からなり両者が溶接やネジ止めなどの手段により接合されているものなどであってもよい。
1 格子本体
2 補強材
3 格子材
11 開口部
21 閉塞部
22 固定部
31 縦材
32 横材
100 補強領域
200 開口領域

Claims (5)

  1. 交差して組まれた木製の格子材からなり該格子材に囲まれた複数の開口部を有する格子本体と、薄鋼板からなる補強材を備え、
    一部の前記開口部が、前記補強材が取り付けられて塞がれた補強領域となっており、残りの前記開口部が、前記補強材が取り付けられておらず開口した開口領域となっていることを特徴とする面格子壁。
  2. 前記補強材は、前記開口部と同一形状の閉塞部と、該閉塞部の周縁から該閉塞部と直交する向きに延出する固定部を有するものであり、
    前記閉塞部が前記開口部を塞いでおり、前記固定部が前記開口部を囲む前記格子材の内周面に当接して固定されているものであることを特徴とする請求項1記載の面格子壁。
  3. 前記開口部および前記閉塞部は、多角形状であり、
    前記閉塞部の各辺から延出する前記固定部は、前記閉塞部に対して同じ向きに延出しており、隣接する前記固定部同士が接合されているものであることを特徴とする請求項2記載の面格子壁。
  4. 前記補強材は、1枚の薄鋼板を折り曲げて形成されたものであることを特徴とする請求項2または3記載の面格子壁。
  5. 前記格子材は、垂直向きに延びる縦材と、水平向きに延びる横材からなり、前記縦材と前記横材が直交していて、前記開口部が矩形であることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の面格子壁。

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