JP2023012291A - 介護を支援する情報を提供するためにコンピューターによって実行される方法、当該方法をコンピューターに実行させるプログラム、および、介護支援情報提供装置 - Google Patents

介護を支援する情報を提供するためにコンピューターによって実行される方法、当該方法をコンピューターに実行させるプログラム、および、介護支援情報提供装置 Download PDF

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Abstract

【課題】介護を支援するための情報を提供する技術を提供する。【解決手段】CPU1が実行する処理は、施設の入居者情報を取得するステップ(S910)と、システム以外の外部システム(たとえば、LIFE)から情報を受信するステップ(S920)と、入居者の状態を分析して、当該入居者の現状を把握するステップ(S930)と、入居者個人の状態の変化または施設全体の傾向の変化を検知するステップ(S940)と、変化の検知に応答して、当該施設のデータと、外部システムからの情報に基づく平均データとの比較表を提示するステップ(S950)と、比較の結果に基づき、入居者の状態を改善するための推奨プログラムを選択するステップ(S960)と、当該推奨プログラムをモニターに表示するステップ(S960)とを含む。【選択図】図9

Description

本開示は情報の提示に関し、より特定的には、介護施設において取得される情報の提示に関する。
介護施設では、入居者の回復を支援するために様々な介護サービスやリハビリテーションの支援が行なわれている。
リハビリテーションの支援に関し、例えば、特開2015-159935号公報(特許文献1)は、「各リハビリ施設の情報をスムーズに伝達し、かつ共有化してリハビリテーションの連携を効率的に行うリハビリテーション支援装置」を開示している。このリハビリテーション支援装置は、「自施設でリハビリを受ける訓練者のモーション情報を取得し、モーション情報をもとにリハビリの評価指標を算出する算出部27と、モーション情報及び評価指標を、複数の施設で共用のデータベースに送信する送信部29,30と、訓練者の他施設におけるモーション情報及び評価指標をデータベースから受信する受信部21,22と、算出部で算出した第1の評価指標と、受信部で受信した第2の評価指標の形式が異なる場合に、受信したモーション情報を利用して、第2の評価指標を第1の評価指標の形式に変換する変換部23と、同一形式の第1、第2の評価指標を比較し比較結果をもとにリハビリ計画を作成するリハビリ計画作成部28と、を備える。」というものである([要約])。
特開2015-159935号公報
介護の領域においてデータを活用した科学的介護情報システムLIFE(Long-term care Information system For Evidence)の導入が進められている。各施設は独自のデータに限らず、LIFEのような外部システムから得られるデータも活用して、より効果的な介護サービスやリハビリテーションサービスを提供することが望まれている。
本開示は上記のような背景に鑑みてなされたものであって、ある局面において介護を支援するための情報を提供する技術が開示される。
ある実施の形態に従うと、介護を支援する情報を提供するためにコンピューターによって実行される方法が提供される。この方法は、他の情報システムから、複数の種類の施設の種類毎に集計された各施設の入居者の状態を分類した集計データを受信するステップと、居室毎に配置されてコンピューターに接続されている各センサーボックスから、当該居室の入居者の状態をセンシングすることにより得られた一つ以上の項目の各々のデータを受信するステップと、各センサーボックスから受信した各データを用いて、当該施設の各入居者の状態を分類した個別データを算出するステップと、個別データと、複数の種類のいずれかの種類の施設についての集計データとを、コンピューターに接続されたモニターに対比可能に表示するステップとを含む。
ある局面において、入居者の状態は、要支援または要介護の程度、栄養レベル、または、日常生活動作の状態を含む。
ある局面において、表示するステップは、個別データと、個別データが集計された施設の種類と同じ種類の施設についての集計データとを表示することを含む。
ある局面に従う方法は、複数の種類のいずれかを他の種類に変更するための入力を受け付けるステップと、個別データと、変更後の種類の施設についての集計データとを表示するステップとをさらに含む。
ある局面に従う方法は、個別データと、いずれかの種類の施設の利用者数に応じて集計データを分類することにより得られたデータとを表示するステップをさらに含む。
ある局面に従う方法は、個別データと、いずれかの種類の施設のスタッフの構成に応じて集計データを分類することにより得られたデータとを表示するステップをさらに含む。
他の実施の形態に従うと、介護を支援する情報を提供するためにコンピューターによって実行される方法が提供される。この方法は、居室毎に配置されてコンピューターに接続されている各センサーボックスから、当該居室の入居者の状態をセンシングすることにより得られた複数の項目の各々のデータを受信するステップと、各データを記録するステップと、各項目のうち予め指定された項目について、当該項目のデータの昇順または降順に、各入居者に関連付けられる複数の情報を、コンピューターに接続されたモニターに表示するステップとを含む。
他の実施の形態に従うと、介護を支援する情報を提供するためにコンピューターによって実行される方法が提供される。この方法は、居室毎に配置されてコンピューターに接続されている各センサーボックスから、当該居室の入居者の状態をセンシングすることにより得られた複数の項目の各々のデータを受信するステップと、各データを記録するステップと、第1タイミングで取得された各データと、第2タイミングで取得された各データとの変化量が予め設定された基準を超えたことに基づいて、当該データが取得された入居者について取得された他の情報を、コンピューターに接続されたモニターに表示するステップとを含む。
ある局面にしたがう方法は、各入居者のうちのいずれかの選択を受け付けるステップをさらに含む。モニターに表示するステップは、選択された入居者の居室を撮影した画像を表示するステップを含む。
他の実施の形態に従うと、上記のいずれかに記載の方法をコンピューターに実行させるプログラムが提供される。
さらに他の実施の形態に従うと、上記のプログラムを格納したメモリーと、当該プログラムを実行するプロセッサーとを備える介護支援情報提供装置が提供される。
この発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解されるこの発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
LIFEの導入前後の介護業務の流れを表わす図である。 ある実施の形態に従うシステム100の構成の一例を示す図である。 システム100の構成の概要を示すブロック図である。 センサーボックス119を用いたシステム100の概略を示す図である。 コンピューターシステム400のハードウェア構成を表わすブロック図である。 システム100のハードディスク5に格納されているデータベースの一例を表わす図である。 当該施設のデータの比較対象となるデータの一例を表わす図である。 入居者に応じたリハビリメニューその他のメッセージを介護スタッフに提示するためにハードディスク5に格納されるデータベースの一例を表わす図である。 システム100のCPU1が実行する処理の一部を表わすフローチャートである。 システム100のモニター8に表示される画面の一例を表わす図である。 スタッフ数による施設の規模ごとの支援/介護レベルの状態を表わすデータベースの一例を表わす図である。 当該データベースに基づいてモニター8に表示される画面の一例を表わす図である。 各入居者毎に取得された各種のデータベースの格納の一態様を例示する図である。 当該データベースに基づいてモニター8に表示される画面の他の一例を表わす図である。 複数種類のスコアのうち二種類の指標の値がハードディスク5に格納されている一例を概念的に表わす図である。 二種類の指標の値の分布を表わす図である。 施設におけるある居室の様子を撮影した画像を表わす図である。 ある入居者の一週間の生活パターンを表わす図である。 システム100がルールベースでモニター8に表示するレコメンドの画面の一例を表わす図である。 システム100が人工知能を用いて作成したレコメンドをモニター8に表示する画面の一例を表わす図である。 低栄養リスクレベルについて、当該事業所と平均値との対比を表わす図である。 日常生活動作の状況について、当該事業所と平均値との対比を表わす図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
まず、図1を参照して、科学的介護情報システムLIFEを用いた情報収集および活用について説明する。図1は、LIFEの導入前後の介護業務の流れを表わす図である。図1(A)は、LIFEの導入前の介護業務の流れを表わす。図1(B)は、LIFEの導入後の介護業務の流れを表わす。
図1(A)に示されるように、LIFEが導入される前では、ステップS110にて、ケアプラン/リハビリテーション(以下「リハビリ」という)の実施計画が作成される。ステップS120にて、ケア/リハビリが実施される。ステップS130にて、介護記録/リハビリの実施記録がシステムに入力される。ステップS170にて、介護報酬の請求処理が行なわれる。
図1(B)を参照して、LIFEが導入された後では、ステップS110にて、ケアプラン/リハビリの実施計画が作成される。ステップS120にて、ケア/リハビリが実施される。ステップS130にて、介護記録/リハビリの実施記録がシステムに入力される。
その後、ステップS140にて、情報収集が行なわれる。ステップS150にて、収集された情報がシステム(LIFE)に入力される。ステップS160にて、データが送付される。
ステップS170にて、介護報酬の請求処理が行なわれる。ステップS180にて、介護記録、リハビリの実施記録および介護報酬の分析結果がダウンロードされる。ステップS190にて、分析結果がケアプラン/リハビリの実施計画の作成(ステップS110)にフィードバックされる。
<システムの概要>
図2を参照して、介護あるいはリハビリテーションに関する情報を取得可能なシステム100について説明する。図2は、ある実施の形態に従うシステム100の構成の一例を示す図である。見守り対象の一例は、施設180の居室領域に設けられた各居室内の入居者である。図2のシステム100では、居室領域に、居室110,120が設けられている。居室110は、入居者111に割り当てられている。居室120は、入居者121に割り当てられている。
システム100は、ゲートウェイサーバー130と、交換装置135と、アクセスポイント140と、管理サーバー200と、センサーボックス119と、センサーボックス119と通信する各種機器と、携帯端末161,162,163,164とを含む。
ゲートウェイサーバー130は、施設180の内部ネットワーク(イントラネット)と、施設180の外部ネットワーク16とを互いに接続する。外部ネットワーク16は、たとえば、インターネットや公衆電話回線網である。また、外部ネットワーク16には、クラウドサーバー150と、プッシュサーバー160と、無線基地局195とが接続されている。
交換装置135は、施設180の内部ネットワークの各機器を互いに接続する。ある局面において、ルーターやスイッチが交換装置135として使用されてもよい。図2に示される例では、交換装置135の数は2であるが、当該数はこれに限定されない。施設180の内部ネットワークは、複数の交換装置135の組み合わせによって構成されてもよい。
アクセスポイント140は、携帯端末161,162を施設180の内部ネットワークに接続するために使用される。ある局面において、Wi-Fi(登録商標)(Wireless Fidelity)ルーターが、アクセスポイント140として使用され得る。
管理サーバー200は、施設180の中のセンサーボックス119からイベント情報を受信し、各居室の入居者の情報を管理する。また、管理サーバー200は、携帯端末161,162とも通信し、当該携帯端末を保持するスタッフを管理すると共に、各携帯端末に各種の通知を送信する。なお、管理サーバー200は、携帯端末161,162に通知を送信する場合、外部のプッシュサーバー160を使用してもよい。また、外部のクラウドサーバー150が、管理サーバー200の一部または全ての機能を備えていてもよい。
センサーボックス119は、その筐体に内蔵されたカメラおよびセンサーと、居室110,120内の他の各種センサーと連携することにより、居室110,120内の入居者111,121に関する情報をそれぞれ取得する。当該情報は、各入居者の歩行を示す画像、体温や脈拍その他のバイタル情報等を含み得る。また、センサーボックス119は、内部ネットワークを介して、管理サーバー200に、取得した入居者111,121に関する情報を送信する。センサーボックス119の詳細は後述する。
携帯端末161,162は、施設180で介護に従事する介護者その他のスタッフにより使用される。スタッフは、携帯端末161,162を用いて、介護記録等を入力できる。携帯端末161,162は、当該介護記録を管理サーバー200に送信する。また、入居者111,121に問題が発生した場合には、スタッフは、携帯端末161,162を用いて、管理サーバー200から通知を受信する。携帯端末161,162は、施設180の中ではアクセスポイント140と接続され、内部ネットワークを介して管理サーバー200と通信する。本明細書の例では、介護者141,142,143,144がそれぞれ携帯端末161,162,163,164を保持している。
携帯端末163,164は、施設180の外からは、無線基地局195等を介して、ゲートウェイサーバー130を経由して管理サーバー200と通信することができる。携帯端末163,164が施設180の外から管理サーバー200と通信する場合、管理サーバー200から携帯端末163,164に提供されるサービスの一部は、入居者の情報を保護するために制限される場合がある。
なお、携帯端末161,162、アクセスポイント140、交換装置135等の他の装置の数は、図2に例示される数に限定されない。
居室110,120は、それぞれ、設備として、家具112、ベッド113、および、トイレ114を含む。居室110,120のドアには、当該ドアの開閉を検出するドアセンサー118がそれぞれ設置されている。トイレ114のドアには、トイレ114の開閉を検出するトイレセンサー116が設置されている。ベッド113には、入居者111の排泄情報を取得する臭いセンサー117が設置されている。入居者111は、当該入居者111のバイタル情報を検出するバイタルセンサー290を装着している。検出されるバイタル情報の一例は、入居者の体温である。他の例は、入居者の呼吸である。さらに他の例は、入居者の心拍数である。さらに他の例は、これらの情報の中の2以上の種類の情報である。居室110では、入居者111はケアコール子機115を操作することができる。入居者111がケアコール子機115を操作すると、ケアコール子機115は、呼び出し信号を発信し、呼び出し信号は、センサーボックス119により受信される。センサーボックス119は、その受信した呼び出し信号を管理サーバー200に送信する。管理サーバー200は、入居者111から呼び出しを受けていることを通知する信号を携帯端末220に送信する。
センサーボックス119は、居室110,120内の物体の挙動を検出するためのセンサーを内蔵する。センサーの一例は、物体の動作を検出するためのドップラーセンサーである。他の例は、カメラである。さらに他の例は、ケアコール子機115、ドアセンサー118、トイレセンサー116、臭いセンサー117、または、バイタルセンサー290である。センサーボックス119は、センサーとして、これらのセンサー中の少なくとも一つを含み得る。
図3を参照して、システム100の構成について説明する。図3は、システム100の構成の概要を示すブロック図である。
[センサーボックス119]
センサーボックス119は、制御装置101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、通信インターフェイス104と、カメラ105と、ドップラーセンサー106と、無線通信装置107と、記憶装置108とを備える。
制御装置101は、センサーボックス119を制御する。制御装置101は、たとえば、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)その他のプロセッサー、少なくとも1つのASIC(Application Specific Integrated Circuit)、少なくとも1つのFPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらの組み合わせなどによって構成される。
通信インターフェイス104には、アンテナ(図示しない)などが接続される。センサーボックス119は、当該アンテナを介して、外部の通信機器との間でデータをやり取りする。外部の通信機器は、たとえば、管理サーバー200、携帯端末161,162,163,164その他の端末、アクセスポイント140、クラウドサーバー150、その他の通信端末などを含む。
カメラ105は、一実現例では、近赤外カメラである。近赤外カメラは、近赤外光を投光するIR(Infrared)投光器を含む。近赤外カメラが用いられることにより、夜間でも居室110,120の内部を表わす画像が撮影され得る。他の実現例では、カメラ105は、可視光のみを受光する監視カメラである。さらに他の実現例では、カメラ105として、3Dセンサやサーモグラフィーカメラが用いられてもよい。センサーボックス119およびカメラ105は、一体として構成されてもよいし、個別の装置の組み合わせとして構成されてもよい。
ドップラーセンサー106は、体動センサーとして機能する。ドップラーセンサー106は、マイクロ波、超音波その他の電波を発信及び受信して、居室110,120内の物体(例えば入居者111や介護スタッフ等)の挙動(動作)を検出する。これにより、居室110,120の入居者111,121の生体情報が検出され得る。
より具体的には、ドップラーセンサー106は、制御装置101に接続され、制御装置101の制御に従って、入居者111の呼吸に伴う胸部の体表の動きを測定する。ドップラーセンサー106は、マイクロ波や超音波を送信し(以下「送信波」ともいう。)、物体で反射されたマイクロ波や超音波(すなわち「反射波」)を受信し、送信波と反射波とに基づいて、ドップラー周波数成分のドップラー信号を出力する。物体が動いている場合、反射波の周波数が所謂ドップラー効果により当該物体の動いている速度に比例してシフトする。そのため、送信波の周波数と反射波の周波数とに差(ドップラー周波数成分)が生じる。ドップラーセンサー106は、このドップラー周波数成分の信号をドップラー信号として所定のサンプリングレートで生成し、制御装置101に当該ドップラー信号を出力する。制御装置101は、ドップラーセンサー106からドップラー信号を受信すると、この受信したドップラー信号を時系列に記憶装置108に格納する。なお、マイクロ波が送信波として使用されると、当該マイクロ波は、着衣を透過して入居者111の体表で反射する。そのため、入居者111が衣服を着ていても体表の動きを検知できる。
一例では、各ドップラーセンサー106は、24GHz帯のマイクロ波を各居室110,120のベッド113に向けて放射し、入居者111,121等で反射した反射波を受信する。反射波は、入居者111,121の動作により、ドップラーシフトしている。ドップラーセンサー106は、当該反射波から、入居者111,121の呼吸状態や心拍数を検出し得る。
無線通信装置107は、ケアコール子機115、ドアセンサー118、トイレセンサー116、臭いセンサー117、および、バイタルセンサー290からの信号を受信し、当該信号を制御装置101へ送信する。ケアコール子機115は、ケアコールボタン241を備える。ケアコールボタン241が操作されると、ケアコール子機115は、当該操作があったことを示す信号(例えば呼び出し信号)を発信する。発信された信号は、無線通信装置107によって受信される。ドアセンサー118、トイレセンサー116、臭いセンサー117、および、バイタルセンサー290は、それぞれの検出結果を送信すると、送信された信号は、無線通信装置107によって受信される。
記憶装置108は、たとえば、フラッシュメモリーまたはハードディスク等の固定記憶装置、あるいは、外付けの記憶装置などの記録媒体である。記憶装置108は、制御装置101によって実行されるプログラム、および、当該プログラムの実行に利用される各種のデータを格納する。各種のデータは、入居者111,121の行動情報を含んでいてもよい。行動情報の詳細は後述する。
上記のプログラムおよびデータのうち少なくとも一方は、制御装置101がアクセス可能な記憶装置であれば、記憶装置108以外の記憶装置(たとえば、制御装置101の記憶領域(たとえば、キャッシュメモリーなど)、ROM102、RAM103、外部機器(たとえば、管理サーバー200や携帯端末161,162,163,164等)に格納されていてもよい。
[行動情報]
次に、本実施の形態における行動情報について、説明する。行動情報は、たとえば入居者111,121が所定の行動を実行したことを表わす情報である。一例では、所定の行動は、入居者111,121が起きたことを表わす「起床」、入居者111,121がベッド(寝具)113から離れたことを表わす「離床」、入居者111,121がベッド(寝具)113から落ちたことを表わす「転落」、および、入居者111,121が倒れたことを表わす「転倒」の4つの行動を含む。
さらに、行動情報は、入居者が介護を受けることを拒否するために行なう動作を含み得る。例えば、行動情報は、手で介護者を振り払う動作、脚で介護者を蹴ろうとする動作、ベッド113にしがみついて着替えを拒否する動作等を含み得る。
ある実施の形態では、制御装置101が、各居室110,120に設置されたカメラ105が撮像した画像に基づいて、各居室110,120に関連付けられた入居者111,121の各行動情報を生成する。制御装置101は、たとえば、上記画像から入居者111,121の頭部を検出し、この検出した入居者111,121の頭部における大きさの時間変化に基づいて、入居者111,121の「起床」、「離床」、「転倒」および「転落」の通常の情報に加えて、「介護拒否」という情報を検出する。以下、行動情報の生成の一具体例を、より詳細に説明する。
まず、記憶装置108に、居室110,120における各ベッド113の所在領域、第1閾値Th1、第2閾値Th2、および、第3閾値Th3が格納される。第1閾値Th1は、ベッド113の所在領域内において、横臥姿勢にあるときと座位姿勢にあるときとの間で入居者の頭部の大きさを識別する。第2閾値Th2は、ベッド113の所在領域を除く居室110,120内において、入居者の頭部の大きさに基づいて、当該入居者が立位姿勢にあるか否かを識別する。第3閾値Th3は、ベッド113の所在領域を除く居室110,120内において、入居者の頭部の大きさに基づいて、当該入居者が横臥姿勢にあるか否かを識別する。
制御装置101は、対象画像から、例えば背景差分法やフレーム差分法によって、入居者111,121の人物の領域として、動体領域を抽出する。制御装置101は、さらに、当該抽出した動体領域から、例えば円形や楕円形のハフ変換によって、予め用意された頭部のモデルを用いたパターンマッチングによって、頭部検出用に学習したニューラルネトワークによって導出された閾値を用いて、入居者111,121の頭部領域を抽出する。制御装置101は、当該抽出された頭部の位置および大きさから、「起床」、「離床」、「転倒」および「転落」を検知する。
制御装置101は、上記のように抽出された頭部の位置がベッド113の所在領域内にあり、かつ、上記のように抽出された頭部の大きさが第1閾値Th1を用いることによって横臥姿勢の大きさから座位姿勢の大きさへと変化したことを検出した場合に、行動「起床」が発生したことを決定してもよい。
制御装置101は、上記のように抽出された頭部の位置がベッド113の所在領域内からベッド113の所在領域外へ移動した場合において、上記のように抽出された頭部の大きさに対して第2閾値Th2を適用することにより、頭部がある大きさから立位姿勢の大きさへと変化したことを検出したときには、行動「離床」が発生したと判定してもよい。
制御装置101は、上記のように抽出された頭部の位置がベッド113の所在領域内からベッド113の所在領域外へ移動した場合において、上記のように抽出された頭部の大きさに対して第3閾値Th3を適用することにより、頭部がある大きさから横臥姿勢の大きさへと変化したことを検出したときには、行動「転落」が発生したと判定してもよい。
制御装置101は、上記のように抽出された頭部の位置がベッド113の所在領域を除く居室110,120内に位置し、かつ、抽出された頭部の大きさが第3閾値Th3を用いることによって或る大きさから横臥姿勢の大きさへと変化したことを検出した場合には、行動「転倒」が発生したと決定してもよい。
さらに、制御装置101は、画像データから入居者に加えて介護者を検出し、入居者と介護者との間隔を推定する。制御装置は、当該間隔が予め定められた通常の間隔よりも短いと推定すると、介護拒否行動が行なわれていると判断し得る。さらに、制御装置101は、入居者の動作が通常と違う動きを示していると判断すると、当該入居者は介護者に対して、介護拒否行動を示していると判断し得る。
以上のようにして、一具体例では、センサーボックス119の制御装置101が、入居者111,121の各行動情報を生成する。なお、他の局面に従うシステム100では、居室110,120内の画像を用いて、制御装置101以外の他の要素(例えば、クラウドサーバー150)が入居者111,121の行動情報を生成してもよい。
[携帯端末220]
携帯端末220は、制御装置221と、ROM222と、RAM223と、通信インターフェイス224と、ディスプレイ226と、記憶装置228と、入力デバイス229とを含む。ある局面において、携帯端末161,162,163,164は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、腕時計型端末その他のウェアラブル装置等として実現される。
制御装置221は、携帯端末161,162,163,164を制御する。制御装置221は、たとえば、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU、少なくとも1つのASIC、少なくとも1つのFPGA、またはそれらの組み合わせなどによって構成される。
通信インターフェイス224には、アンテナ(図示しない)などが接続される。携帯端末161,162,163,164は、当該アンテナおよびアクセスポイント140を介して、外部の通信機器との間でデータをやり取りする。外部の通信機器は、たとえば、センサーボックス119、管理サーバー200などを含む。
ディスプレイ226は、たとえば、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、液晶ディスプレイ等によって実現される。入力デバイス229は、たとえばディスプレイ226に設けられたタッチセンサーによって実現される。当該タッチセンサーは、携帯端末161,162,163,164に対するタッチ操作を受け付け、当該タッチ操作に応じた信号を制御装置221へ出力する。
記憶装置228は、たとえば、フラッシュメモリー、ハードディスクその他の固定記憶装置、あるいは、着脱可能なデータ記録媒体等により実現される。
ある局面において、制御装置101は、入床、臥床、起床、離床、転落、転倒および微体動異常を、例えば、以下のように識別する。なお、対象画像中におけるベッド113が配置されている領域(ベッド113の所在領域)は、各種データの1つとしてROM102に予め記憶されている。また、各閾値や継続判定時間は、複数のサンプルから適宜設定され、各種データの1つとしてROM102に予め記憶されている。
[入床]
入床の判定では、制御装置101は、前回の状態変数(行動判定結果を格納する変数)が「離床」であって、今回、カメラ105から取得した対象画像から例えば背景差分法によって抽出した人物領域がベッド113の所在領域に完全に重なる場合(人物領域が完全にベッド113の所在領域内となる場合)、入床と暫定的に判定し、その完全重畳状態の継続時間が入床継続判定時間を超えて継続している場合に、入床有りと最終的に判定し、入床を検知する。制御装置101は、状態変数を「入床」として更新する。入床継続判定時間は、抽出した人物領域とベッド113の所在領域との完全に重なりによって暫定的に判定された入床を、最終的に入床であると判定するための閾値として使用される。
[臥床]
臥床とは、入居者(監視対象者)がベッド113で横たわっている状態のことをいう。例えば、制御装置101は、画像内において入居者が占める領域がベッド113の領域に含まれており、かつ当該入居者の移動量が予め定められた量以下である場合に、入居者の行動情報として「臥床」を検出する。
[起床]
起床の判定では、制御装置101は、前回の状態変数が「臥床」であって、今回、カメラ105から取得した対象画像から抽出した人物領域がベッド113の所在領域からはみ出している領域が起床判定閾値以上であって離床判定閾値未満である場合、起床と暫定的に判定する。制御装置101は、当該領域が当該起床判定閾値以上であって離床判定閾値未満である状態の当該領域の継続時間が起床継続判定時間を超えている場合に、起床有りと最終的に判定し、起床を検知する。制御装置101は、状態変数を「起床」で更新する。起床判定閾値は、当該領域の大きさによって起床であるか否かを判定するために使用される。離床判定閾値は、当該領域の大きさによって離床であるか否かを判定するために使用される。離床判定閾値は、起床判定閾値より大きな値に設定される。起床継続判定時間は、当該領域と起床判定閾値との比較によって仮に判定された起床を、最終的に起床であると判定するための閾値として使用される。
[離床]
離床の判定では、制御装置101は、前回の状態変数が「入床」および「起床」のうちのいずれかであって、今回、カメラ105から取得した対象画像から抽出した人物領域がベッド113の所在領域からはみ出している領域が離床判定閾値以上である場合、離床と暫定的に判定する。制御装置101は、当該領域が当該離床判定閾値以上である状態の当該領域の継続時間が離床継続判定時間を超えている場合に、離床有りと最終的に判定し、離床を検知する。制御装置101は、状態変数を「離床」で更新する。離床継続判定時間は、当該領域と離床判定閾値との比較によって仮に判定された離床を最終的に離床であると判定するための閾値として使用される。
[転落]
転落の判定では、制御装置101は、今回、カメラ105から取得した対象画像から抽出した人物領域の頭部領域の大きさが横臥姿勢判定閾値以下であって、頭部領域の大きさの変化速度が転落判定速度閾値以上であって、人物領域がベッド113の所在領域の周囲に設定された転落判定領域内に在る場合に、転落有りと判定し、転落を検知する。横臥姿勢判定閾値は、横臥姿勢における頭部領域の大きさであるか否かを判別するために使用される。横臥姿勢であるか座位姿勢であるかは、当該頭部領域の大きさに基づいて判断される。転落判定速度閾値は、頭部領域の大きさの変化速度によって転落であるか否かを判別するために使用される。
[転倒]
転倒の判定では、制御装置101は、今回、カメラ105から取得した対象画像から抽出した人物領域の頭部領域の大きさが横臥姿勢判定閾値以下であって、頭部領域の大きさの変化速度が転倒判定速度閾値以上であって、人物領域がベッド113の所在領域および転落判定領域を除く領域に在る場合に、転倒有りと判定し、転倒を検知する。転倒判定速度閾値は、頭部領域の大きさの変化速度によって転倒であるか否かを判別するために使用される。
[微体動異常]
微体動異常は、ドップラーセンサー106から出力されるドップラー信号に基づいて検出される。より具体的には、制御装置101は、測定時点から過去へ、予め定められた時間内に測定されたドップラー信号を例えば高速フーリエ変換(FFT)し、このFFTで得られたスペクトルから、一般的な呼吸の周波数に対応する周波数帯における振幅の平均値を求める。制御装置101は、この求めた平均値と、微体動異常であるか否かを判定するための閾値とを比較し、求めた平均値が当該閾値以下である場合、微体動異常と暫定的に判定し、平均値が当該閾値以下である状態の継続時間が予め定められた判定時間を超えて継続している場合に、微体動異常有りと最終的に判定し、微体動異常を検知する。制御装置101は、状態変数を「微体動異常」で更新する。当該判定時間は、求めた平均値と微体動異常判定閾値との比較によって仮に判定された微体動異常を、最終的に微体動異常であると判定するための閾値として使用される。
制御装置101は、このように入居者の行動から当該予め定められた行動を検知すると、入居者に関わる所定のイベントの内容を表すイベント情報を含むイベント通知信号を通信インターフェイス104からで管理サーバ-200に送信する。より詳しくは、制御装置101は、センサーボックス119のセンサーID、イベントの内容を表すイベント情報、入床、起床、離床、転落および転倒の検知の際に用いられた対象画像を含むイベント通知信号を、通信インターフェイス104を介して管理サーバ-200に送信する。
イベント情報は、ある実施の形態では、入床、臥床、起床、離床、転落、転倒、微体動異常およびケアコールのうちの1または複数を含む。ここでは、制御装置101は、検知した入床、起床、離床、転落、転倒および微体動異常のうちの1または複数をイベント情報として当該イベント通知信号に収容する。画像は、静止画および動画のうちの少なくとも一方を含み得る。ある実施の形態では、後述するように、例えば、まず静止画がセンサーボックス119から管理サーバー200に送信され、ユーザー(例えば介護者、管理者、医師その他のスタッフ)の要求に応じて動画が配信され得る。なお、他の局面において、まず、動画が配信されてもよい。また、静止画および動画が管理サーバー200に送信され、携帯端末220は、管理サーバー200から送られる信号に基づいて、当該静止画あるいは動画を、画面分割の状態でディスプレイ226に表示してもよい。
制御装置101は、ケアコール子機115がナースコールを受け付けた場合にその旨を所定のイベントの他の一例として含むイベント通知信号を管理サーバー200に送信し、スピーカー(図示しない)等を用いることで、携帯端末220との間で音声通話を行う。より具体的には、ケアコールボタン241が操作されると、その操作に応じた信号が無線通信装置107によって受信される。センサーボックス119は、そのセンサーIDおよびイベント情報としてナースコールを含むイベント通知信号を生成し、当該イベント通知信号を通信インターフェイス104を介して管理サーバ-200に送信する。制御装置101は、無線通信装置107を介して、ケアコール子機115のマイク(図示しない)およびスピーカー(図示しない)と、携帯端末220との間で、例えばVoIP(Voice over Internet Protocol)によって音声通話を実現する。
制御装置101は、通信インターフェイス104を介して管理サーバー200、クラウドサーバー150、携帯端末220等の画像表示装置から動画の配信の要求を受信した場合に、当該要求に応答して、カメラ105の撮影によって得られた動画(例えばライブの動画)をストリーミング再生して、当該画像表示装置に動画を配信する。
[見守りの概要]
図4を参照して、システム100を用いた見守りについて説明する。図4は、センサーボックス119を用いたシステム100の概略を示す図である。
システム100は、見守り対象者(監視対象者)である入居者111,121その他の入居者を見守るために利用される。居室110の天井には、センサーボックス119が取り付けられている。他の居室にも同様にセンサーボックス119が取り付けられている。
範囲31は、センサーボックス119による検出範囲を表わす。センサーボックス119が前述のドップラーセンサーを有する場合、当該ドップラーセンサーは、範囲31内で生じた人の挙動を検出する。センサーボックス119がセンサーとしてカメラを有する場合、当該カメラは、範囲31内の画像を撮影する。
センサーボックス119は、たとえば、介護施設、医療施設、宅内などに設置される。図4の例では、センサーボックス119は、天井に取り付けられており、入居者111およびベッド113を天井から撮影している。センサーボックス119の取り付け場所は天井に限られず、居室110の側壁に取り付けられてもよい。
システム100は、カメラ105から得られた一連の画像(すなわち、映像)に基づいて入居者111に生じている危険を検知する。一例として、検知可能な危険は、入居者111の転倒や、危険個所(たとえば、ベッドの柵など)に入居者111がいる状態などを含む。
システム100は、入居者111に危険が生じていることを検知した場合に、そことを介護者141,142等に報知する。報知方法の一例として、システム100は、入居者111の危険を介護者141,142の携帯端末161,162に通知する。携帯端末161,162は、当該通知を受信すると、入居者111の危険をメッセージ、音声、振動等で介護者141,142に報知する。これにより、介護者141,142は、入居者111に危険が生じていることを即座に把握でき、入居者111の元に素早く駆け付けることができる。
さらに、システム100は、無線基地局195を介して、施設の外部にいる介護者143,144の携帯端末163,164にも、当該危険を通知し得る。
なお、図4には、システム100が1つのセンサーボックス119を備えている例が示されているが、他の局面において、システム100は、複数のセンサーボックス119を備えてもよい。また、図4には、システム100が複数の携帯端末161,162を備えている例が示されているが、他の局面において、システム100は、一つの携帯端末でも実現され得る。
[コンピューターシステムの構成]
図5を参照して、情報処理装置の一態様であるコンピューターシステム400の構成について説明する。図5は、コンピューターシステム400のハードウェア構成を表わすブロック図である。コンピューターシステム400は、ゲートウェイサーバー130、クラウドサーバー150、プッシュサーバー160、または管理サーバー200として機能する。
コンピューターシステム400は、主たる構成要素として、プログラムを実行するCPU1と、コンピューターシステム400の使用者による指示の入力を受けるマウス2およびキーボード3と、CPU1によるプログラムの実行により生成されたデータ、又はマウス2若しくはキーボード3を介して入力されたデータを揮発的に格納するRAM4と、データを不揮発的に格納するハードディスク5と、光ディスク駆動装置6と、通信インターフェイス(I/F)7と、モニター8とを含む。各構成要素は、相互にデータバスによって接続されている。光ディスク駆動装置6には、CD-ROM9その他の光ディスクが装着される。
コンピューターシステム400における処理は、各ハードウェアおよびCPU1により実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、ハードディスク5に予め記憶されている場合がある。また、ソフトウェアは、CD-ROM9その他の記録媒体に格納されて、コンピュータープログラムとして流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なアプリケーションプログラムとして提供される場合もある。このようなソフトウェアは、光ディスク駆動装置6その他の読取装置によりその記録媒体から読み取られて、あるいは、通信インターフェイス7を介してダウンロードされた後、ハードディスク5に一旦格納される。そのソフトウェアは、CPU1によってハードディスク5から読み出され、RAM4に実行可能なプログラムの形式で格納される。CPU1は、そのプログラムを実行する。
図5に示されるコンピューターシステム400を構成する各構成要素は、一般的なものである。したがって、本開示に係る技術思想の本質的な部分の一つは、RAM4、ハードディスク5、CD-ROM9その他の記録媒体に格納されたソフトウェア、あるいはネットワークを介してダウンロード可能なソフトウェアであるともいえる。記録媒体は、一時的でない、コンピューター読取可能なデータ記録媒体を含み得る。なお、コンピューターシステム400の各ハードウェアの動作は周知であるので、詳細な説明は繰り返さない。
なお、記録媒体としては、CD-ROM、FD(Flexible Disk)、ハードディスクに限られず、磁気テープ、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、IC(Integrated Circuit)カード(メモリーカードを含む)、光カード、マスクROM、EPROM(Electronically Programmable Read-Only Memory)、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュROMなどの半導体メモリー等の固定的にプログラムを担持する媒体でもよい。
ここでいうプログラムとは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
[データ構造]
図6~図8を参照して、システム100のデータ構造について説明する。図6は、システム100のハードディスク5に格納されているデータベースの一例を表わす図である。ハードディスク5は、テーブル610,620を保持している。
テーブル610は、システム100を利用する施設における各入居者に関する情報を管理する。一例として、テーブル610は、入居者ID(Identification)611と、入居者名612と、支援/介護レベル613とを含む。入居者ID611は、システム100を利用する施設に入居している入居者を識別する記号または番号である。入居者名612は、当該入居者の氏名を表わす。支援/介護レベル613は、当該入居者が必要とする支援または介護の程度を表わす。
テーブル620は、当該施設の入居者に関するデータを集約したデータを保持する。一例として、テーブル620は、支援/介護レベル621と、割合622とを含む。支援/介護レベル621は、LIFEで考慮される「支援あるいは介護が必要とされる程度」を網羅する。割合622は、各支援/介護レベルに分類される入居者の人数比を表わす。したがって、各割合の合計は、略100%となる。割合622は、他の施設の割合と比較され得る。
図7は、当該施設のデータの比較対象となるデータの一例を表わす図である。ハードディスク5は、テーブル710と、テーブル720とを保持している。
テーブル710は、当該施設を含む全国の各施設における支援/介護レベルの全国平均値を格納している。テーブル710は、支援/介護レベル711と、割合712とを含む。支援/介護レベル711は、支援/介護レベル621と同様に、LIFEで考慮される「支援あるいは介護が必要とされる程度」を網羅する。割合712は、各支援/介護レベルに分類される入居者の人数比を表わす。
テーブル720は、他の比較対象である特別養護老人ホームのデータベースを保持している。テーブル720は、支援/介護レベル721と、割合722とを含む。支援/介護レベル721は、支援/介護レベル711と同様に、LIFEで考慮される「支援あるいは介護が必要とされる程度」を網羅する。割合722は、各支援/介護レベルに分類される入居者の人数比を表わす。
図7に示される比較対象のデータベース(テーブル710,720)は、比較対象が選定されるごとに、他のシステムからダウンロードされて、システム100における比較対象に使用される。なお、比較対象として図7に示される施設あるいは特別養護老人ホームは例示であって、他の介護施設(例えば、有料老人ホーム、介護老人保健施設)が比較対象とされてもよい。
図8は、入居者に応じたリハビリメニューその他のメッセージを介護スタッフに提示するためにハードディスク5に格納されるデータベースの一例を表わす図である。ハードディスク5は、テーブル800を保持している。テーブル800は、判定結果ID810と、推奨メニュー820とを含む。判定結果ID810は、介護スタッフの介護記録等により判定される介護者の程度を分類する。推奨メニュー820は、各入居者の現状や入居者にとって好ましいリハビリメニューを提示する。システム100は、介護スタッフにより入力される介護記録と、各居室に設けられたセンサーボックス119から送信される各センサーによる検知結果とを用いて、予め定められた判定基準に従って当該入居者の現状を判定し、当該入居者に判定結果IDを関連付ける。介護スタッフが、当該入居者の現状を確認するために入居者IDをシステム100に入力すると、システム100は、その判定結果IDに関連付けられている推奨メニュー820を読み出して、モニター8に推奨メニュー820を表示する。
[制御構造]
図9を参照して、システム100の制御構造について説明する。図9は、システム100のCPU1が実行する処理の一部を表わすフローチャートである。
ステップS910にて、CPU1は、施設の入居者情報を取得する。入居者情報は、入居者ID、入居者名、支援/介護レベル等を含む。
ステップS920にて、CPU1は、システム100以外の外部システム(たとえば、LIFEとして機能しているシステム)から情報を受信する。受信する情報は、支援/介護レベルについて、各介護施設の全国平均値、あるいは、有料老人ホームや特別養護老人ホームといった施設の種類ごとの平均値等を含む。
ステップS930にて、CPU1は、入居者の状態を分析して、当該入居者の現状を把握する。入居者の状態は、例えば、要支援レベルまたは要介護レベルといった包括的な状態と、より詳細な状態とを含む。詳細な状態は、栄養状態、認知機能の状態、BI(Barthel Index)スコア、活動時間、リハビリ内容等を含む。
ステップS940にて、CPU1は、入居者個人の状態の変化または施設全体の傾向の変化を検知する。たとえば、CPU1は、ステップS930にて今回取得した入居者の状態(栄養状態、認知機能の状態、BIスコア、活動時間、リハビリ内容等)と、前回取得した同じ入居者の状態とを比較することにより差異を算出し、当該入居者の個人としての状態の変化を検知する。さらに、CPU1は、当該施設に入居している全ての入居者の各々について、今回取得した当該入居者の状態と前回取得した当該入居者の状態とを比較することにより差異を算出し、当該差異の合計を計算し、施設全体の傾向の変化を検知する。ある局面において、CPU1は、当該比較の結果を判定結果IDとして出力する(図8)。
ステップS950にて、CPU1は、変化の検知に応答して、当該施設のデータと、外部システムからの情報に基づく平均データとの比較表をモニター8に提示する。たとえば、CPU1は、当該施設の入居者のうちのいずれか一人の状態が改善したこと又は悪化したことを検知した時に、当該施設の平均値と、外部システムから取得した全国平均値とを比較可能な態様で表示する。たとえば、CPU1は、要支援/介護レベルの割合について、当該施設の平均値と全国平均値とを表示する。
ステップS960にて、CPU1は、比較の結果に基づき、入居者の状態を改善するための推奨プログラムを選択する。たとえば、CPU1は、入居者の要支援/介護の各レベルの各々について予め規定された推奨プログラムのデータベースに基づいて、当該入居者の現在の状態を改善するための推奨プログラムを選択する。
ステップS970にて、CPU1は、当該推奨プログラムをモニター8に表示する。
[画面の表示例]
図10を参照して、ある実施の形態に従うシステム100における画面の表示態様について説明する。図10は、システム100のモニター8に表示される画面の一例を表わす図である。
図10(A)は、ある施設と、当該施設と同じ種類の全国の施設の平均値との比較を表わす図である。ある施設(「貴事業所」)についての棒グラフは、図9を参照して説明した処理により取得された各入居者の要支援/介護レベルの割合を表わす。「全国平均」についての棒グラフは、システム100が接続している外部システム(たとえば、施設を管理監督する当局によって管理されるサーバー等)から取得された全国にある同種の施設について、要支援/介護レベルの割合を表わす。
図10(B)は、ある施設と、当該施設と同じ種類の全国の特別養護老人ホームの平均値との比較を表わす図である。ある施設(「貴事業所」)についての棒グラフは、図10(A)に示される棒グラフと同様に、図9を参照して説明した処理により取得された各入居者の要支援/介護レベルの割合を表わす。「全国平均」についての棒グラフは、システム100が接続している外部システム(たとえば、施設を管理監督する当局によって管理されるサーバー等)から取得された全国にある特別養護老人ホームについて、要支援/介護レベルの割合を表わす。
モニター8がこのような対比可能な棒グラフを示すことにより、当該施設(=貴事業所)のスタッフは、その施設の平均値と、同種の全国の他の施設との平均値または他の種類の施設(たとえば、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、老人保健施設など)の平均値とを比較できるので、現状を知ることができ、また、改善のための施策(=要支援または要介護の割合を改善すること)を適時に採用しやすくなる。
[施設規模やスタッフ配置による比較]
図11および図12を参照して、他の比較例について説明する。図11は、スタッフ数による施設の規模ごとの支援/介護レベルの状態を表わすデータベースの一例を表わす。図12は、当該データベースに基づいてモニター8に表示される画面の一例を表わす図である。当該データベースは、外部システムから取得されてシステム100のハードディスク5に格納されている。
図11を参照して、より具体的には、ハードディスク5は、テーブル1100を保持している。テーブル1100は、データ領域1110,1120,1130,1140,1150とを含む。データ領域1110には、支援/介護レベル1110を規定するデータが格納されている。データ領域1120には、スタッフ数が30人未満の施設について、各支援または介護レベルの平均値が格納されている。データ領域1130には、スタッフ数が30人以上60人未満の施設について、各支援または介護レベルの平均値が格納されている。データ領域1140には、スタッフ数が60人以上100人未満の施設について、各支援または介護レベルの平均値が格納されている。データ領域1130には、スタッフ数が100人以上の施設について、各支援または介護レベルの平均値が格納されている。
図12を参照して、システム100のモニター8は、図11に示されるデータベースに基づいて画面を表示する。具体的には、グラフ(A)は、当該施設における支援/介護レベルの分布の割合を表わす。グラフ(A)は、テーブル620(図6(B))に基づいて表示される。
グラフ(B)は、利用者数が30人以下の施設における支援/介護レベルの分布の割合を表わす。グラフ(C)は、利用者数が30人以上60人以下の施設における支援/介護レベルの分布の割合を表わす。グラフ(D)は、利用者数が60人以上100人未満の施設における支援/介護レベルの分布の割合を表わす。グラフ(E)は、利用者数が100人以上の施設における支援/介護レベルの分布の割合を表わす。
図12に示されるような棒グラフが表示されることで、当該施設の管理者またはスタッフ若しくはケアマネジャーは、施設の規模別の現状と比較することで、改善策の検討のきっかけを見つけることができる。
[入居者の属性値別の表示]
図13および図14を参照して、他の態様について説明する。図13は、各入居者毎に取得された各種のデータベース(「スコア」ともいう。)の格納の一態様を例示する図である。図14は、当該データベースに基づいてモニター8に表示される画面の他の一例を表わす図である。
図13を参照して、ハードディスク5は、複数のテーブル1310,1320,1330・・・を保持している。各テーブルは、各入居者について取得されたADL(Activity of Daily Living)スコアと睡眠時間と活動時間と歩行動画数と体重とを含む。より具体的には、各テーブルは、データ領域1311,1312,1313,1314,1315,1316,1317,1318を含む。データ領域1311には、入居者IDが記憶されている。データ領域1312には、入居者名が格納されている。データ領域1313には、取得日時が格納されている。データ領域1314には、ADLスコアが格納されている。データ領域1315には、睡眠時間が格納されている。データ領域1316には、活動時間が格納されている。データ領域1317には、歩行動画数が格納されている。データ領域1318には、体重が格納されている。
各テーブル1310,1320,1330等は、取得日時(データ領域1313)に示されるタイミングで取得されたデータを保持しており、各入居者の状態を表わす情報の履歴を構成する。データを取得する間隔は、例えば、毎日、毎週、隔週、一ヶ月毎等である。この間隔は、施設の管理者によって任意に設定され、また、適宜変更され得る。
図14(A)を参照して、ある局面において、システム100のモニター8は、ADLスコアの降順に、入居者を表示している。より具体的には、図13に示されるデータが取得された時に、ADLスコアの降順に、入居者のデータが並べ替えられて、一覧がモニター8に表示される。
図14(B)を参照して、他の局面において、モニター8は、ADLスコアに変化があった入居者の一覧を表示する。例えば、システム100は、今回取得したADLスコア(例えば、テーブル1310のデータ領域1314)と、前回取得したADLスコア(例えば、テーブル1320のデータ領域1314)との差分を算出し、当該差分の降順に入居者の名前を表示する。これにより、システム100のユーザーである管理者やケアマネジャーは、ADLの評価値が変化した入居者を容易に見つけることができる。
なお、図14には、ADLスコア自体の降順にあるいはADLスコアの差の降順に入居者が表示されているが、入居者の配列を変える基準はADLスコアに限られない。ADLスコア以外のデータについても、同様に、当該データ自体の降順に、あるいは、当該データの変化量の差分の降順に入居者の記録が並べ替えられて表示されてもよい。ADLスコア以外のデータは、例えば、栄養状態(例えば、血清アルブミン値)、認知症評価(例えば、認知症行動障害尺度DBD(Dementia Behavior Scale)13、Vitality Index(意欲の指標)、長谷川式認知症スケール)等である。
また、配列の基準は、降順に限られず、昇順に表示されてもよい。また、表示の形態はソートされた状態で表示される態様に限られず、各指標(ADLスコア、睡眠時間、活動時間、歩行動画数等)が予め設定された基準値を下回った(または上回った)入居者から表示されてもよい。
さらに他の局面において、居室内の睡眠状態、活動量(立位保持の時間、座位保持の時間など)、シーンにタグ付けされた動画、動画数(歩行、離床、移乗など)が、さらに表示されてもよい。図14(A)または図14(B)に例示されるリストと共にこれらの情報が追加で表示されることで、介護スタッフやケアマネジャーは、施設における実際の生活面を確認しつつ、各データの意味を検証することができる。
[複数のスコアの掛け合わせ]
図15および図16を参照して、他の局面について説明する。図15は、複数種類のスコアのうち二種類の指標の値がハードディスク5に格納されている一例を概念的に表わす図である。図16は、二種類の指標の値の分布を表わす図である。
図15に示されるように、ハードディスク5は、テーブル1500を保持している。テーブル1500は、入居者ID1510と、入居者名1520と、第1指標の今回の値1530と、第1指標の前回の値1540と、第2指標の今回の値1550と、第2指標の前回の値1560とを含む。
入居者ID1510は、当該施設の入居者を識別する。入居者名1520は、当該入居者の氏名を表わす。第1指標の今回の値1530は、複数の指標のうちの一つの指標、たとえば、バーセルインデックス(BI)について、最新に取得された最新の値である。第1指標の前回の値1540は、当該一つの指標について前回取得された値である。第2指標の今回の値1550は、複数の指標のうちの他の指標、たとえば、長谷川式スケールの値である。第2指標の前回の値1560は、当該他の指標について前回取得された値である。
各指標が取得されるタイミングは、たとえば、1か月毎、2か月毎、四半期ごと、半年ごと、のように予め定められた一定間隔であってもよいし、システム100のユーザーの指示に応答して都度取得されてもよい。
図16に示されるように、モニター8は、分布図1600を表示する。分布図1600は、二種類の指標の一例として、バーセルインデックス総合点と、長谷川式スケール総合点とから構成されている。二種類の指標がモニター8に表示されることで、ケアマネジャーや介護スタッフは、当該施設における入居者の状態について二つの指標の相関関係の有無または程度を把握することができる。
ある局面において、分布図1600は、ユーザインターフェイス機能を有する。具体的には、分布図1600にプロットされる各点には、当該指標の値が算出された入居者に関する情報が関連付けられている。当該情報は、入居者の氏名、今回取得された各指標の値、および、前回取得された各指標の値を含む。この場合、施設の管理者やケアマネジャーその他のシステム100のユーザーが、分布図1600のいずれかの点、例えば、点1610をマウスで選択すると、あるいは、タッチパネル式のモニター8に対して点1610を選択するタッチ操作を行なうと、モニター8は、点1610に関連付けられた画面1620をポップアップ表示する。これにより、ユーザーは、分布図1600を用いて二種類の指標の相関など全体の傾向を把握しつつ、顕著な傾向を示すような個別の点について、具体的に入居者を容易に特定することができる。
[動画のタグ付]
図17を参照して他の例について説明する。図17は、施設におけるある居室の様子を撮影した画像を表わす図である。ある局面において、モニター8は、複数の画像1710,1720,1730を表示し得る。画像1710は、2020年4月に撮影されたある居室の状態を表わす。画像1720は、2020年5月に撮影されたある居室の状態を表わす。画像1730は、2020年6月に撮影されたある居室の状態を表わす。
ある入居者について、観察項目に変化が検知された場合、システム100は、その項目のデータを表示すると共に、そのデータが検知された時を含む動画像をハードディスク5のデータベースから読み出し、モニター8に表示する。動画像の内容は、居室内の移動に加えて、たとえば、行動情報としての起床、離床、転落、転倒を含み得る。
ケアマネジャー又は介護スタッフは、データと共に動画像を視聴することで、当該入居者の様子の変化の原因を探求することができる。なお、読み出される動画像は、上記のものに限られず、例えば、変化が検知された最近のデータに加えて、半年前あるいは1年前といったそれ以前のデータも読み出されてもよい。複数の動画像が対比可能に表示されることで、当該入居者の状態がどのように変わってきたかをより的確に確認することができる。
[生活パターンの表示]
図18を参照して、他の例について説明する。図18は、ある入居者の一週間の生活パターンを表わす図である。センサーボックス119が備えるカメラ105は、居室の天井から撮影している。居室の状態は解析されて、睡眠1810、覚醒1820、ベッド外1830、不在1840のように分類される。
システム100のCPU1は、そのように分類されたデータを用いて、各分類された項目についての時間を積算し、当該居室の入居者の活発度または不活発度を判定する。たとえば、ある居室の入居者の夜間睡眠の時間(例、9時間)が予め定められた基準時間(例、8時間)を超えている場合において、日中(例、7~19時)に居室内にいる時間の割合(滞在率)が予め定められた時間(割合)を超えているとき、CPU1は、当該入居者は不活発な状態にあると判定し得る。
他方、他の入居者について、夜間睡眠の時間が標準的であり(例、7~9時間)、かつ、日中の滞在率が予め定められた割合の範囲内であるとき、CPU1は、当該他の入居者は、居室に滞在しがちであると判定し得る。
[ケア・リハビリテーション計画のレコメンド]
図19および図20を参照して、システム100によって提示されるレコメンドについて説明する。図19は、システム100がルールベースでモニター8に表示するレコメンドの画面の一例を表わす図である。例えば、CPU1がステップ970の処理を実行すると、当該画面がモニター8に表示される。あるいは、システム100により選択されたレコメンドは、携帯端末220に送信されて、各スタッフが使用する携帯端末220のディスプレイ226に表示されてもよい。
図19(A)に示される画面は、ある入居者について、栄養状態が悪化していると推測されるので食事内容の見直しを推奨している。
図19(B)に示される画面は、他の入居者について、認知機能の低下が認められるので、認知機能の低下を防止するためのリハビリの導入を推奨している。
図19(C)に示される画面は、他の入居者について、BIスコアが低下したので、もう少しリハビリを積極的に取り入れることを推奨している。
ある局面において、システム100は、判定に使用する項目として予め設定された項目(たとえば、栄養状態、認知機能、BIスコア等)について、前回取得したデータと今回取得したデータとの差を算出する。システム100は、当該差が予め設定された変化量よりも大きい場合、すなわち、指標が悪化したと判断した場合には、当該項目について予め準備されているレコメンドをデータベースから読み出し、そのレコメンドをモニター8に表示する。
図20は、システム100が人工知能を用いて作成したレコメンドをモニター8に表示する画面の一例を表わす図である。
他の局面において、システム100が、ある入居者について、複数の項目(たとえば、LIFEその他の他のシステムからのフィードバックの値、および、センサーボックス119により取得された睡眠時間や活動時間等)に変化を検知した場合には、人工知能を用いて総合的に判断したレコメンドを出してもよい。この場合、システム100は、当該入居者についてお勧めのリハビリメニューについても、人工知能を用いて当該入居者の状態に適したレコメンドを決定し、そのレコメンドをモニター8に表示する。
施設のスタッフは、図19または図20に示される上記のリコメンドを見ることで、ケアプランやリハビリテーションの計画書において変更すべき部分を容易に特定し、入居者の現状に応じた内容に最適化できる。
[分析項目の他の例]
図21および図22を参照して、他の項目の分析結果の表示例について説明する。図21は、低栄養リスクレベルについて、当該事業所と平均値との対比を表わす図である。図22は、ADL(排泄)の状況について、当該事業所と平均値との対比を表わす図である。
図21(A)に示されるように、モニター8は、低栄養リスクのレベル(低リスク、中リスク、高リスク)毎に、システム100を使用する施設(=貴事業所に相当)と、全国平均との対比を示す。全国平均のデータは、システム100が接続する外部のシステム、たとえば、官公庁や団体によって運営されるサーバーから取得される。図21(A)に示されるようなグラフにより、当該施設の管理者や介護スタッフは、当該施設の現状を知ることができるので、指標の改善につながる施策を検討しやすくなる。
なお、当該施設の比較対象は、全国平均以外にユーザーが選択し得る。例えば、ユーザーは、比較対象として特別養護老人ホームを選択し得る。その場合、図21(B)に示されるように、システム100は、モニター8に、当該施設の比較対象として、特別養護老人ホームについて外部システムから取得されたデータを表示する。したがって、当該施設自体が特別養護老人ホームである場合には、同じ種類の施設の平均値との比較が可能になるので、当該施設の管理者や介護スタッフは、改善のための施策(ケアプランやリハビリテーションなど)を的確に検討しやすくなる。
次に、図22(A)は、ADLの一つとして排泄の状況について、当該施設と全国平均とを対比可能に表示している。図21(A)の場合と同様に、当該施設の管理者や介護スタッフは、当該施設の現状を知ることができるので、指標の改善につながる施策を検討しやすくなる。
図22(B)は、当該施設の比較対象として特別養護老人ホームが選択された場合の対比を示している。この場合も、図21(B)に示される場合と同様に、当該施設自体が特別養護老人ホームである場合には、同じ種類の施設の平均値との比較が可能になるので、当該施設の管理者や介護スタッフは、改善のための施策(ケアプランやリハビリテーションなど)を的確に検討しやすくなる。
以上のようにして開示された技術的特徴の一部は、以下のように要約され得る。
[構成1]介護を支援する情報を提供するシステム100のCPU1は、他の情報システム(たとえば、LIFE)から、複数の種類の施設の種類毎に集計された各施設の入居者の状態を分類した集計データ(たとえば、要支援、要介護のレベルの割合の全国平均、特別養護老人ホームその他の施設の種類毎の平均値)を受信する。CPU1は、居室毎に配置されてコンピューターに接続されている各センサーボックス119から、当該居室の入居者の状態をセンシングすることにより得られた一つ以上の項目の各々のデータを受信する。CPU1は、各センサーボックス119から受信した各データを用いて、当該施設の各入居者の状態を分類した個別データを算出する。CPU1は、個別データと、複数の種類のいずれかの種類の施設についての集計データとを、コンピューターに接続されたモニターに対比可能に(たとえば、棒グラフや折れ線グラフ等で)表示する。
[構成2]ある局面において、入居者の状態は、要支援または要介護の程度(要支援1、要介護1等)、栄養レベル(低リスク、中リスク、高リスク等)、または、日常生活動作の状態(排泄の場合、居室外のトイレを使用するか、居室内のトイレを使用するか、ポータブルトイレを使用するか、おむつを使用するか等)を含む。
[構成3]ある局面において、CPU1は、個別データと、個別データが集計された施設の種類と同じ種類の施設についての集計データとをモニター8に表示する。例えば、ある施設が特別養護老人ホームである場合、比較対象として、全国の特別養護老人ホームのデータの平均値が集計データとして表示される。
[構成4]ある局面に従う方法において、CPU1は、複数の種類のいずれか(たとえば、比較対象として表示されている特別養護老人ホーム)を他の種類(介護老人保健施設)に変更するための入力を受け付ける。CPU1は、個別データと、変更後の種類の施設についての集計データとを表示する。
[構成5]ある局面に従う方法において、CPU1は、個別データと、いずれかの種類の施設の利用者数に応じて集計データを分類することにより得られたデータとをモニター8に表示する。
[構成6]ある局面に従う方法において、CPU1は、個別データと、いずれかの種類の施設のスタッフの構成に応じて集計データを分類することにより得られたデータとをモニター8に表示する。
[構成7]他の実施の形態に従う方法において、CPU1は、居室毎に配置されている各センサーボックス119から、当該居室の入居者の状態をセンシングすることにより得られた複数の項目の各々のデータを受信する。CPU1は、各データをハードディスク5に記録する。CPU1は、各項目のうち予め指定された項目について、当該項目のデータの昇順または降順に、各入居者に関連付けられる複数の情報を、モニター8に表示する。
[構成8]他の実施の形態に従う方法において、CPU1は、居室毎に配置されている各センサーボックス119から、当該居室の入居者の状態をセンシングすることにより得られた複数の項目の各々のデータを受信する。CPU1は、各データをハードディスク5に記録する。CPU1は、第1タイミング(たとえば、最後に取得された時)で取得された各データと、第2タイミング(たとえば、前回取得された時、半年前に取得された時、等)で取得された各データとの変化量が予め設定された基準を超えたことに基づいて、当該データが取得された入居者について取得された他の情報を、モニター8に表示する。
[構成9]ある局面にしたがう方法において、CPU1は、各入居者のうちのいずれかの選択を受け付ける。CPU1は、選択された入居者の居室を撮影した画像をモニター8に表示する。
[構成10]ある局面において、CPU1は、モニター8に、各入居者の各々について二つの項目の各々のデータをプロットして表示する。二つの項目は、例えば、ADL評価(バーゼルインデックス)と認知症評価、栄養状態(血清アルブミン値)とADL評価、ADL評価と睡眠時間、栄養状態と活動時間、等であるが、その他の二種類の項目のデータセットが表示されてもよい。さらに他の局面において、項目の変化が検知された場合にタグ付けされた動画の数と、他の項目とが指標としてプロットされてもよい。
[構成11]ある局面において、CPU1は、表示されているプロットの選択を検知する。CPU1は、選択されたプロットに対応する入居者の情報を表示する。
[構成12]ある局面において、CPU1は、各入居者のうちのいずれかの選択を受け付ける。CPU1は、選択された入居者の状態に応じた推奨メニューを表示する。
以上のようにして、ある実施の形態に従うと、施設において取得された各入居者の状態を表わす情報と、施設の外部から取得された他の施設の状態を表わす情報の平均値とが対比可能に表示されるので、介護スタッフやケアマネジャーは、当該施設の入居者に対して改善のためのケアプランやリハビリテーションメニューを検討しやすくなる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2 マウス、3 キーボード、4,103,223 RAM、5 ハードディスク、6 光ディスク駆動装置、7,104,224 通信インターフェイス、8 モニター、9,102,222 ROM、16 外部ネットワーク、31 範囲、100 システム、101,221 制御装置、105 カメラ、106 ドップラーセンサー、107 無線通信装置、108,228 記憶装置、110,120 居室、111,121,ID,ID611,ID1510 入居者、112 家具、113 ベッド、114 トイレ、115 ケアコール子機、116 トイレセンサー、117 センサー、118 ドアセンサー、119 センサーボックス、130 ゲートウェイサーバー、135 交換装置、140 アクセスポイント、141,142,143,144 介護者、150 クラウドサーバー、160 プッシュサーバー、161,162,163,164,220 携帯端末、180 施設、195 無線基地局、200 管理サーバー、226 ディスプレイ、229 入力デバイス、241 ケアコールボタン、290 バイタルセンサー、400 コンピューターシステム、610,620,710,720,800,1100,1310,1320,1330,1500 テーブル。

Claims (14)

  1. 介護を支援する情報を提供するためにコンピューターによって実行される方法であって、
    他の情報システムから、複数の種類の施設の種類毎に集計された各施設の入居者の状態を分類した集計データを受信するステップと、
    居室毎に配置されて前記コンピューターに接続されている各センサーボックスから、当該居室の入居者の状態をセンシングすることにより得られた一つ以上の項目の各々のデータを受信するステップと、
    各前記センサーボックスから受信した各データを用いて、当該施設の各入居者の状態を分類した個別データを算出するステップと、
    前記個別データと、前記複数の種類のいずれかの種類の施設についての前記集計データとを、前記コンピューターに接続されたモニターに対比可能に表示するステップとを含む、方法。
  2. 前記入居者の状態は、要支援または要介護の程度、栄養レベル、または、日常生活動作の状態を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記表示するステップは、前記個別データと、前記個別データが集計された施設の種類と同じ種類の施設についての前記集計データとを表示することを含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記複数の種類のいずれかを他の種類に変更するための入力を受け付けるステップと、
    前記個別データと、前記変更後の種類の施設についての前記集計データとを表示するステップとをさらに含む、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記個別データと、前記いずれかの種類の施設の利用者数に応じて前記集計データを分類することにより得られたデータとを表示するステップをさらに含む、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記個別データと、前記いずれかの種類の施設のスタッフの構成に応じて前記集計データを分類することにより得られたデータとを表示するステップをさらに含む、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
  7. 介護を支援する情報を提供するためにコンピューターによって実行される方法であって、
    居室毎に配置されて前記コンピューターに接続されている各センサーボックスから、当該居室の入居者の状態をセンシングすることにより得られた複数の項目の各々のデータを受信するステップと、
    各前記データを記録するステップと、
    各前記項目のうち予め指定された項目について、当該項目のデータの昇順または降順に、各入居者に関連付けられる複数の情報を、前記コンピューターに接続されたモニターに表示するステップとを含む、方法。
  8. 介護を支援する情報を提供するためにコンピューターによって実行される方法であって、
    居室毎に配置されて前記コンピューターに接続されている各センサーボックスから、当該居室の入居者の状態をセンシングすることにより得られた複数の項目の各々のデータを受信するステップと、
    各前記データを記録するステップと、
    第1タイミングで取得された各前記データと、第2タイミングで取得された各前記データとの変化量が予め設定された基準を超えたことに基づいて、当該データが取得された入居者について取得された他の情報を、前記コンピューターに接続されたモニターに表示するステップとを含む、方法。
  9. 各入居者のうちのいずれかの選択を受け付けるステップをさらに含み、
    前記モニターに表示するステップは、選択された入居者の居室を撮影した画像を表示するステップを含む、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
  10. 各入居者の各々について二つの項目の各々のデータをプロットして表示するステップをさらに含む、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
  11. 表示されているプロットの選択を検知するステップと、
    選択されたプロットに対応する入居者の情報を表示するステップとをさらに含む、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
  12. 各入居者のうちのいずれかの選択を受け付けるステップと、
    選択された入居者の状態に応じた推奨メニューを表示するステップとをさらに含む、請求項1~11のいずれかに記載の方法。
  13. 請求項1~12のいずれかに記載の方法をコンピューターに実行させる、プログラム。
  14. 請求項13に記載のプログラムを格納したメモリーと、
    前記プログラムを実行するプロセッサーとを備える、介護支援情報提供装置。
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