JP2023012116A - ウェッブコーナータイプの紙容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、食品の販売時、流通時には折り畳んだ状態であり、使用時には、拡げて食品容器として使用可能なウェッブコーナータイプの紙容器を提供する。【解決手段】 紙層と樹脂層を備えた積層体のウェッブコーナータイプの紙容器において、第3折り畳み線が形成された底板、Y字状折り畳み線と線状の第2折り畳み線が形成された前側板及び後側板、左側板、右側板がそれぞれ連設され、各側板は両側辺に三角形状の折込み片が連設されたウェッブコーナー部を有し、前側板と後側板には第1折り畳み線が形成されたフラップが、左側板と右側板には左半上板と右半上板が連設され、これを折り曲げ、係合させ上面を閉鎖する構造を有し、第1折り畳み線とY字状折り畳み線の直線部と第2折り畳み線と第3折り畳み線が直線状に配列されることにより扁平状に折り畳むこと、且つ、箱に起立させることができる。【選択図】 図1
Description
本発明は、紙層の内面に樹脂層を備えた積層体により形成されるウェッブコーナータイプの紙容器に関し、詳しくは扁平状に折り畳むことができ、且つ、箱形状に起立させることができるウェッブコーナータイプの紙容器に関する。
従来、油、調味料等が付着した食品あるいは煮物等の汁が出る食品等は液漏れを防止するためにウェッブコーナータイプの紙容器が多用されている。その主な理由として、ウェッブコーナータイプの紙容器は、一枚のブランクからなり、例えば、中央部に矩形状の底板を設け、その周囲を辺に沿って折り曲げて側板を起立させ四隅を外側に折り込み側板の外面に貼り合わせた構造となっているため、優れた液漏れ防止効果が得られることが挙げられる。
さらに近年、ウェッブコーナータイプの紙容器は、側板に連結する上面板を設け、電子レンジ調理用食品を収容し上面板で蓋をすることにより電子レンジ加熱用紙容器に使用することも知られている(例えば、特許文献1参照)。
前記ウェッブコーナータイプの紙容器は、液漏れ防止効果のある優れた紙容器である。しかし、このような紙容器を例えば、パウチにカレー等を収容し密封包装したパウチ入り食品にウェッブコーナータイプの紙容器を添付し販売をする場合、ウェッブコーナータイプの紙容器が嵩張るという問題がある。
本発明は、上記問題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、食品の販売時、流通時には折り畳んで状態であり、使用時においては、折り畳まれた状態のウェッブコーナータイプの紙容器を拡げて食品を入れ、食品容器として使用可能なウェッブコーナータイプの紙容器を提供することにある。
本発明は、上記課題を達成するためになされたものであり、請求項1に記載の本発明は、紙層の内面に樹脂層を備えた積層体により形成されるウェッブコーナータイプの紙容器において、矩形状の底板の上下左右の辺に折り線を介して前側板、後側板、左側板、右側板がそれぞれ連設されており、それらの各側板には両側辺に折り線を介して三角形状の折込み片がそれぞれ連設されており、隣接する前記折込み片どうしが前記底板の隅から外方に向けて延びる放射状の折り線を介して連結されウェッブコーナー部を形成しており、前記前側板と前記後側板にはその上辺に折り線を介してフラップがそれぞれ連設されており、前記左側板と前記右側板にはその上辺に折り線を介して左半上板と右半上板がそれぞれ連設され、それらの前記左半上板と前記右半上板の先端に相互に係合する形状の係合部が形成されており、各ウェッブコーナー部を外側に折り込んだ状態で側板の外側に貼り合わせることで箱形状としてから、前記左半上板と前記右半上板を内側に折り曲げ、それらの先端に形成された前記係合部どうしを係合させることで上面を閉鎖する構造になっており、前記前側板と前記後側板の上辺に連設されたフラップには直線状の第1折り畳み線が形成され、前記前側板と前記後側板には3つに分岐するY字状折り畳み線と線状の第2折り畳み線が形成され、前記Y字状折り畳み線は分岐点から底板の隅に向かって延びる斜線部と前記フラップに向かって延びる直線部で形成されており、前記第2折り畳み線は前記Y字状折り畳み線の分岐点と前記底板の間に直線状に形成されており、前記底板には前記前側板と前記後側板が対向する方向に第3折り畳み線が形成されており、前記第1折り畳み線と前記Y字状折り畳み線の前記直線部と前記第2折り畳み線と前記底板の前記第3折り畳み線が前記底板の側から見たとき、平面視、直線状に配列されており、前記前側板、前記後側板、前記底板及び前記フラップが、前記第1折り畳み線、前記Y字状折り畳み線、前記第2折り畳み線、及び前記第3折り畳み線で扁平状に折り畳むことができ、且つ、箱形状に起立させることができることを特徴とするウェッブコーナータイプの紙容器である。
請求項2に記載の本発明は、紙層の内面に樹脂層を備えた積層体により形成されるウェッブコーナータイプの紙容器において、矩形状の底板の上下左右の辺に折り線を介して前側板、後側板、左側板、右側板がそれぞれ連設されており、それらの各側板には両側辺に折り線を介して三角形状の折込み片がそれぞれ連設されており、隣接する前記折込み片どうしが前記底板の隅から外方に向けて延びる放射状の折り線を介して連結されウェッブコーナー部を形成しており、前記前側板と前記後側板にはその上辺に折り線を介してフラップがそれぞれ連設されており、前記左側板と前記右側板にはその上辺に折り線を介して左半上板と右半上板がそれぞれ連設され、それらの前記左半上板と前記右半上板の先端に相互に係合する形状の係合部が形成されており、各ウェッブコーナー部を外側に折り込んだ状態で側板の外側に貼り合わせることで箱形状としてから、前記左半上板と前記右半上板を内側に折り曲げ、それらの先端に形成された前記係合部どうしを係合させることで上面を閉鎖する構造になっており、前記前側板と前記後側板の上辺に連設されたフラップには直線状の第1折り畳み線が形成され、前記前側板と前記後側板には3つに分岐するY字状折り畳み線と線状の第2折り畳み線と線状の第4折り畳み線が形成され、前記Y字状折り畳み線は分岐点から底板の隅に向かって延びる斜線部と前記フラップに向かって延びる直線部で形成されており、前記第2折り畳み線は前記Y字状折り畳み線の分岐点と前記底板の間に直線状に形成されており、前記第4折り畳み線はY字状折り畳み線の分岐点と隣接する前記右側板の側の前記折込み片の間に直線状に形成されており、前記底板には前記前側板と前記後側板が対向する方向に第3折り畳み線が形成されており、前記第1折り畳み線と前記Y字状折り畳み線の前記直線部と前記第2折り畳み線と前記底板の前記第3折り畳み線が前記底板の側から見たとき、平面視、直線状に配列されており、前記右側板には前記第3折り畳み線と平行する第4折り畳み線が形成され、前記右側板と前記前側板の間、及び前記右側板と前記後側板の間に隣接する前記折込み片には第4折り畳み線が形成され、前記右側板の前記第4折り畳み線で前記底板と前記右側板の前記第4折り畳み線から前記底板に至る部分を折り曲げ前記右側板に重ねたとき、前記前側板と前記後側板の前記第4折り畳み線、及び前記折込み片の前記第4折り畳み線が、前記右側板の前記第4折り畳み線の折り曲げ操作に同調して折り曲がるように形成されており、前記前側板、前記後側板、前記底板及び前記フラップが、前記第1折り畳み線、前記Y字状折り畳み線、前記第2折り畳み線、及び前記第3折り畳み線で扁平状に折り畳むことができ、且つ、箱形状に起立させることができることを特徴とするウェッブコーナータイプの紙容器である。
請求項3に記載の本発明は、請求項1または請求項2に記載のウェッブコーナータイプの紙容器において、前記係合部が、前記左半上板と前記右半上板の先端に一方の外端から中央にかけて外方に膨出する膨出部を備え、前記膨出部の中央側に切り欠きが形成された構造であり、前記左半上板と前記右半上板が内側に折り曲げられており、それらの先端に形成された前記係合部の前記切り欠きどうしが係合され上面が閉鎖されていることを特徴とするものである。
請求項4に記載の本発明は、請求項2に記載のウェッブコーナータイプの紙容器において、前記膨出部が前記切り欠きと反対側の外端側に突出部が形成されており、前記フラップには前記突出部が差し込まれるスリットが形成されていることを特徴とするものである。
本発明のウェッブコーナータイプの紙容器は、食品の販売時、流通時には折り畳んで状態であり、使用時においては、折り畳まれた状態から容易に拡げて食品容器として使用できる。
上記の本発明について、図面等を用いて以下に詳述する。
図1は本発明の第一実施形態のウェッブコーナータイプの紙容器を示す斜視図、図2は図1のウェッブコーナータイプの紙容器を組み立てるブランクの展開図、図3は図2のブランクよりウェッブコーナータイプの紙容器を組み立てる中間状態を示す説明図、図4は図3の組み立て中間状態のウェッブコーナータイプの紙容器を第1折り畳み線で折り畳んだ状態を示す説明図、図5は図4のウェッブコーナータイプの紙容器を第2折り畳み線及び第3折り畳み線で折り畳んだ状態を示す説明図、図6は本発明のウェッブコーナータイプの紙容器のブランクの積層体の層構成を示す断面図、図7は本発明の第二実施形態のウェッブコーナータイプの紙容器を組み立てるブランクの展開図、図8は本発明の第二実施形態のウェッブコーナータイプの紙容器を第4折り畳み線で折り畳んだ状態を示す説明図であり、図中のCはウェッブコーナータイプの紙容器、1は底板、2は前側板、2a、3a、4a、5aは折込み片、2b、3bは三角形部分、3は後側板、4は左側板、5は右側板、6、7はフラップ、6a、7aはスリット、8は左半上板、8a、9aは膨出部、8b、9bは切り欠き、8c、9cは突出部、8d、9dは重合部、9は右半上板、10はY字状折り畳み線、10aは分岐点、10bは斜線部、10cは直線部、11は第1折り畳み線、12は第2折り畳み線、13は第3折り畳み線、14は第4折り畳み線、20、20’はブランク、21は紙層、22は樹脂層、Wはウェッブコーナー部、a、b、cは折り線をそれぞれ示す。
図1は本発明に係る第一実施形態のウェッブコーナータイプの紙容器を示す斜視図であり、ウェッブコーナータイプの紙容器Cは図2に展開図で示すブランク20を組み立てることにより形成される。
図2に示すブランク20は、板紙からなる紙層の内面に樹脂層を備えた積層体を所定の形状に打ち抜き形成され、矩形状の底板1の上下(図2では左右)の辺に折り線を介して前側板2、後側板3が連設され、底板1の左右(図2では上下)の辺に折り線を介して左側板4、右側板5がそれぞれ連設されている。それらの前側板2、後側板3、左側板4、右側板5には両側辺に折り線を介して三角形状の折込み片2a、3a、4a、5aがそれぞれ連設されており、隣接する折込み片どうしが底板1の隅から外方に向けて延びる放射状の折り線aを介して連結されており、ウェッブコーナー部Wを形成するものである。
前側板2と後側板3にはその上辺に折り線bを介してフラップ6、フラップ7がそれぞれ連設されており、左側板4と右側板5にはその上辺に折り線bを介して左半上板8と右半上板9がそれぞれ連設されており、それらの左半上板8と右半上板9の先端に相互に係合する形状の係合部が形成されている。図2には係合部が左半上板8と右半上板9の先端に折り線cを介して外方に膨出する形状の膨出部8a、9aが形成され、膨出部8a、9aは一方の外端から中央にかけて左半上板8、右半上板9の図2における左右方向の長さの約半分の長さの横長であり、膨出部8a、9aの中央側に溝状の切り欠き8b、9bを備え、この切り欠き8b、9bと反対側の外端側に突出部8c、9cが形成された構造である。膨出部8a、9aは点対称に形成されており、溝状の切り欠き8b、9bが相互にかみ合い、係合するものであり、左半上板8と右半上板9を内側に折り曲げ、溝状の切り欠き8b、9bどうしを係合させることで上面を閉鎖させるためのものである。係合部は左半上板8と右半上板9がかみ合い係合する構造であれば図2に限定されるものではない。なお膨出部8a、9a、切り欠き8b、9b、突出部8c、9cを含めて係合部と呼ぶこととする。また、ブランク20の中心から見て外側の辺を上辺と呼ぶことがある。図2において、便宜上、時計回りに90°回転させており、上下方向とは図面において左右をさし、左右方向とは図面において上下をさす。以下、図面にしたがい上下方向、左右方向と呼ぶ。
前側板2と後側板3に折り線bを介して連設されたフラップ6、フラップ7には突出部8c、9cが差し込まれるスリット6a、7aが形成されており、スリット6a、7aは左右方向にブランク20を貫通するスリットであり、そのスリット6a、7aは歯止めを備えた切込みで楕円形に囲まれており、スリット6a、7aは外周を切込みで囲まれた楕円形の長径に位置している。
第一実施形態のウェッブコーナータイプの紙容器Cは、前側板2と後側板3の上辺に連設されたフラップ6、7には直線状の第1折り畳み線11が形成され、前側板2と後側板3には3つに分岐するY字状折り畳み線10と線状の第2折り畳み線12が形成され、Y字状折り畳み線10は分岐点10aから底板1の隅に向かって延びる斜線部10bとフラップ6、7に向かって延びる直線部10cで形成されており、第2折り畳み線12はY字状折り畳み線10の分岐点10aと底板1の間に直線状に形成されており、底板1には前側板2と後側板3が対向する左右方向に第3折り畳み線13が形成されている。
フラップ6、7に形成された第1折り畳み線11と前側板2、後側板3に形成されたY字状折り畳み線10の直線部10c及び第2折り畳み線12と底板1に形成された第3折り畳み線13の配列が、フラップ6、前側板2、底板1、後側板3、フラップ7の中央を横断する想定一直線を描いたとき、その想定一直線の上に位置するように配されている。紙容器に組み立てたときには底板1側から見たとき、平面視、これらの折り畳み線は線状に配列されている。このような構成とすることにより、後述するが、ウェッブコーナータイプの紙容器Cが第1折り畳み線11、Y字状折り畳み線10、第2折り畳み線12、第3折り畳み線13で扁平状に折り畳むことができ嵩張ることがなく、且つ、箱形状に起立させることが可能となるものである。
図2に点線で示した折り線は、例えば、折り線a等は押罫が施されるものであり、破線で示した折り線bはミシン目で形成されることが好ましく、一点鎖線で示した折り線cは押罫と切込みからなるリード罫等が好ましいものである。
つぎに図2、図3を参照しながらブランク20の組み立て方法を説明する。底板1に対して前側板2、後側板3、左側板4、右側板5を折り線で折り曲げ起立させるとともに折込み片2a、3a、4a、5aを外側に引き出し折り線aを外側に山折りして折り込むことにより、ウェッブコーナー部Wを形成し、各ウェッブコーナー部Wを外側に折り込んだ状態で折込み片4aの外側を左側板4の外側に重ね、折込み片5aの外側を右側板5の外側にそれぞれ重ねて貼り合わせることで図3に示す箱形状とする。箱形状の各側板は上底が下底より長い等脚台形であることから上方に向かい拡開するテーパーを有する箱が形成される。
つぎに図3に示す上方に向かい拡開するテーパーを有する箱形状を折り畳む方法について説明する。まず、図4に示すように上面が開口された状態でフラップ6と前側板2及びフラップ7と後側板3を外側に引き出しながら第1折り畳み線11及びY字状折り畳み線10の直線部10cを分岐点10aまで外側に山折りする。この操作に同調して斜線部10bを山折りすることにより分岐点10aから底板1の隅に至る尾根をそれぞれ形成する。図4はその状態を示しており、底板1側から見たものである。この操作により前側板2及び後側板3は2つの四辺形部分と三角形部分が形成され、分岐点10aを中心とする立体形状になっている。
つぎに前側板2が連設された底板1の稜線部分の中央と、後側板3が連設された底板1の稜線部分の中央を内側に押し込みながら第2折り畳み線12及び第3折り畳み線13を内側に谷折りすると、底板1、前側板2及び後側板3に形成された三角形部分2b、3bが二つ折りされそれぞれの外面がお互いに対向した状態になる。図5(イ)はその状態を示す側面図であり、図5(ロ)は底面図を示している。図5(イ)に示すように側面から見た折り畳まれた状態は略帆掛け船の形状を呈し、扁平状に折り畳むことができる。そうすることにより、嵩張ることがない。図5(ロ)の底面図は前側板2の三角形部分2bに形成された第2折り畳み線12、底板1の第3折り畳み線13、後側板3の三角形部分3bに形成された第2折り畳み線12で折り込まれ、底板1、前側板2及び後側板3に形成された三角形部分2b、3bが二つ折りされそれぞれの外面がお互いに対向し接近している状態を示している。
図5に示す折り畳まれたウェッブコーナータイプの紙容器を使用するときは、二つ折りされた底板1、前側板2及び後側板3に形成された三角形部分2b、3bを外側に展開させながら前側板2及び後側板3の直線部10c辺りを内側に押し込むと底板1の前側板2及び後側板3と接する左右の辺が外側に押し出され、矩形の底板1、台形の前側板2及び後側板3が展開されることにより元の状態に復元され、図3に示す上面が開口したウェッブコーナータイプの紙容器が得られる。ウェッブコーナータイプの紙容器Cのブランク20の紙層21(図6参照)に板紙を用いることにより積層体の剛性が得られことから箱形状の復元が容易となるものである。
つぎに図3、図1を参照しながらウェッブコーナータイプの紙容器Cの使用方法を説明する。図3に示すウェッブコーナータイプの紙容器Cの中へ内容物を収容し、左半上板8と右半上板9を内側に折り曲げ、さらに左半上板8と右半上板9のそれぞれの先端に形成された膨出部8aと膨出部9aを折り線cで谷折りし起立させた状態で切り欠き8b、9bを相互にかみ合わせする。このとき、切り欠き8bに対して膨出部8aの反対側に位置する左半上板8の上辺部分は切り欠き8bが形成されることにより少し外方に延出された状態の重合部8dとなっており、この延出された状態の重合部8dは右半上板9の内側に潜り込んで重合されており、同様に切り欠き9bに対して膨出部9aの反対側に位置する右半上板9の上辺部分は切り欠き9bが形成されることにより少し外方に延出された状態の重合部9dとなっており、この延出された状態の重合部9dは左半上板8の内側に潜り込んで重合されており、切り欠き8b、9bどうしを係合させることで箱の上面が閉鎖され、蓋がされる。
つぎにフラップ6、7を内側に折り曲げ、スリット6aに突出部9cを差し込み、スリット7aに突出部8cを差し込むことにより左半上板8、右半上板9で上面を閉鎖した蓋を確実に固定することができる。また、起立した膨出部8a、膨出部9aは摘み部となるのでウェッブコーナータイプの紙容器Cに収容された内容物を電子レンジで加熱調理する場合、庫内から安全に取り出せる電子レンジ適性を備えた形態となる。膨出部8a、膨出部9aに突出部8c、突出部9cを設け、フラップ6、7にスリット6a、7aを設ける構造は必須ではないが、突出部9c、突出部8cをスリット6a、7aに差し込むことにより蓋が確実に固定でき、さらに膨出部8a、9aは電子レンジから取り出すとき、摘み部となるので好ましい態様である。スリット6a、7aを設けない場合には左半上板8、右半上板9の内面と重合するようにフラップ6、7を先に内側に折り曲げればよい。
このようにウェッブコーナータイプの紙容器Cは、扁平状に折り畳むことができ、嵩張ることがなく、使用するときには容易に組み立てることができる。さらに組み立てたウェッブコーナータイプの紙容器Cに内容物を収容して電子レンジで加熱調理後、そのまま食品容器として使用でき、喫食できる。また、内容物を食した後、紙容器は前記手順で容易に扁平状に折り畳むことができ、嵩張ることがないので廃棄物の減容化が図れる。なお、係合部を構成する膨出部8a、9aは切り欠き8b、9b側においてそれぞれ外方に突出しており、切り欠き8b、9b側の膨出部8a、9aの突出部分は内面が相互に重なり合っており、折り畳む際、当該突出部分において膨出部8a、9aの突出部分の外面どうしが相互に重なり合うようにして、切り欠き8b、9bで係合することが好ましく、より減容化できる。
多様な効果が得られるウェッブコーナータイプの紙容器Cは、折り畳むことにより嵩張らないので特に通販の食品、例えばパウチ入りレトルトカレーと共に添付できる電子レンジ適性のある喫食容器として使用できる。詳しくは、近年、発送業者の配送サービスの多様化が進み、種々の輸送・配送が行われるようになり、例えばヤマト運輸株式会社が提供するネコポス(登録商標)のように小さい荷物をポストに投函するサービスも利用されている。このような配送サービスにはポストに投函できるようにネコポス(登録商標)の規定サイズに上限が設けられている。本発明のウェッブコーナータイプの紙容器Cは折り畳むことにより扁平状になるために厚み方向の高さを抑制することができる。例えば通販の食品にウェッブコーナータイプの紙容器Cを折り畳んで添付しても高さ制限内におさまるのでネコポス(登録商標)便の配送サービスにも対応できるものである。
このような効果が得られるブランク20を構成する積層体の層構成を図6に示す。ブランク20は紙層21の内面側に樹脂層22が積層された積層体であり、紙層21には折り畳まれたウェッブコーナータイプの紙容器Cを起立させるための剛度を有する板紙が用いられ、コートボール、ノーコートボール、クラフトボール、マニラボール等が使用でき、坪量としては例えば、220g/m2 以上550g/m2 以下が好ましく、350g/m2 以上450g/m2 以下がより好ましい。紙層21の外面は無地でもよいが、通常はデザイン、文字等が印刷される。
樹脂層22にはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の樹脂が用いられ、これらの樹脂を熱溶融押出して紙層21にラミネートされる。あるいはこれらの樹脂をフィルムにし、紙層21の内面にウレタン系接着剤等を用いてドライラミネートされる。樹脂層22の厚さとしては通常12μm以上60μm以下である。また、樹脂層22は、耐油性、耐水性、耐熱性のある樹脂組成物を紙層21の内面にコーティングし表面コーティング層として設けてもよい。樹脂層22を設けることにより内容物が、油、調味料等が付着した食品あるいは煮物等の汁が出る食品等であっても液漏れを防止することができる。さらにポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の樹脂を用いることにより耐熱性が得られ、内容物をウェッブコーナータイプの紙容器Cに収容したまま電子レンジで加熱調理することができる。
図1のウェッブコーナータイプの紙容器Cは、扁平状に折り畳めるので嵩張らず、使用時には拡げて内容物を収容でき、そのまま喫食することができ、電子レンジによる加熱調理もでき、特に通販用の食品と共に添付される通販用のウェッブコーナータイプの紙容器に適している。さらに使用後、折り畳み廃棄できるので廃棄物の減容化が可能となる。
図7は本発明の第二実施形態のウェッブコーナータイプの紙容器を組み立てるブランク20’の展開図である。第二実施形態のウェッブコーナータイプの紙容器は図示しないが、図1に示す第一実施形態のウェッブコーナータイプの紙容器Cと同じ外観であり、第4折り畳み線を備える点と折り畳まれた形態が異なるが、その他は同じであり、同符号を付して説明を省略する。図7に示すように第二実施形態のウェッブコーナータイプの紙容器を組み立てるブランク20’は、右側板5には前側板2と後側板3が対向する方向に第4折り畳み線14が形成されており、底板1の第3折り畳み線13と平行している。前側板2には第4折り畳み線14が、Y字状折り畳み線10の分岐点10aと前側板2に隣接する折込み片2aの間に形成されており、後側板3には第4折り畳み線14が、Y字状折り畳み線10の分岐点10aと後側板3に隣接する折込み片3aの間に形成されている。右側板5と前側板2の間に隣接する折込み片2a、5a及び右側板5と後側板3の間に隣接する折込み片5a、3aにも第4折り畳み線14が直線状に形成されている。そして、これらの第4折り畳み線14をそれぞれ延長させた想定延長線を描くと例えば前側板2の第4折り畳み線14と折込み片2aの第4折り畳み線14の想定延長線は前側板2と折込み片2aを区画する点線で示した折り線で交わる。同様にそれぞれの第4折り畳み線14の想定延長線は隣接する点線で示した折り線で交わる。
ブランク20’の組み立て方法は図2、図3で示したブランク20と同じ方法で組み立てることができる。折り畳む方法は第一実施形態のウェッブコーナータイプの紙容器Cと同じ方法で図4、図5に示したように側面から見た折り畳まれた状態は略帆掛け船の形状を呈し、扁平状に折り畳む。この状態から第二実施形態のウェッブコーナータイプの紙容器は、さらに第4折り畳み線14で折り畳むことができる。図8は本発明の第二実施形態のウェッブコーナータイプの紙容器を第4折り畳み線で折り畳んだ状態を示す説明図である。図8(イ)は図5(イ)に示すように扁平状に折り畳んだ状態を示し、図8(ロ)はさらに第4折り畳み線14で折り畳んだ状態を示す。図8(イ)に示すように第1折り畳み線11、第2折り畳み線12、第3折り畳み線13で折り畳むと前側板2、折込み片2a、5a、右側板5、折込み片5a、3a、後側板3に形成された第4折り畳み線14は左右に一直線上に整列した状態となっている。
各第4折り畳み線が左右に一直線上に配された直線は、前側板2の三角形部分2b及び後側板3の三角形部分3bを折り畳む第2折り畳み線12と、底板1を折り畳む第3折り畳み線13が左右に一直線上に配された直線と、平面視同じ位置に存在することになる。第1折り畳み線11と第2折り畳み線12と第3折り畳み線13で描く想定直線状に第4折り畳み線14が配されることから、第1折り畳み線11と第2折り畳み線12と第3折り畳み線13で折り畳まれた右側板5側の前側板2の三角形部分2bと底板1と折込み片2a、5aと右側板5と後側板3の三角形部分3bを第4折り畳み線14で折り曲げることができる。すなわち、右側板5の第4折り畳み線14で底板1と右側板5の第4折り畳み線14から底板1に至る部分を折り曲げ右側板5に重ねたとき、前側板2と後側板3の第4折り畳み線14、及び折込み片2a、5a、3a、5aの第4折り畳み線14が、右側板5の第4折り畳み線14の折り曲げ操作に同調して折り曲がり、図8(ロ)に示す折り畳まれた状態となるものである。また、係合部を構成する膨出部8a、9aの切り欠き8b、9b側の突出部分は第一実施形態のウェッブコーナータイプの紙容器Cと同様に折り畳む際、突出部分の外面どうしが相互に重なり合うようにして、切り欠き8b、9bで係合することが好ましい。
なお、今まで説明してきた実施形態は、本発明に係るウェッブコーナータイプの紙容器の代表的な実施形態を挙げたものであって、本発明に係るウェッブコーナータイプの紙容器はこれに限るものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範疇のものも含まれる。
C ウェッブコーナータイプの紙容器
1 底板
2 前側板
2a 折込み片
2b 三角形部分
3 後側板
3a 折込み片
3b 三角形部分
4 左側板
4a 折込み片
5 右側板
5a 折込み片
6、7 フラップ
6a、7a スリット
8 左半上板
8a、9a 膨出部
8b、9b 切り欠き
8c、9c 突出部
8d、9d 重合部
9 右半上板
10 Y字状折り畳み線
10a 分岐点
10b 斜線部
10c 直線部
11 第1折り畳み線
12 第2折り畳み線
13 第3折り畳み線
14 第4折り畳み線
20、20’ ブランク
21 紙層
22 樹脂層
W ウェッブコーナー部
a、b、c 折り線
1 底板
2 前側板
2a 折込み片
2b 三角形部分
3 後側板
3a 折込み片
3b 三角形部分
4 左側板
4a 折込み片
5 右側板
5a 折込み片
6、7 フラップ
6a、7a スリット
8 左半上板
8a、9a 膨出部
8b、9b 切り欠き
8c、9c 突出部
8d、9d 重合部
9 右半上板
10 Y字状折り畳み線
10a 分岐点
10b 斜線部
10c 直線部
11 第1折り畳み線
12 第2折り畳み線
13 第3折り畳み線
14 第4折り畳み線
20、20’ ブランク
21 紙層
22 樹脂層
W ウェッブコーナー部
a、b、c 折り線
Claims (4)
- 紙層の内面に樹脂層を備えた積層体により形成されるウェッブコーナータイプの紙容器において、
矩形状の底板の上下左右の辺に折り線を介して前側板、後側板、左側板、右側板がそれぞれ連設されており、
それらの各側板には両側辺に折り線を介して三角形状の折込み片がそれぞれ連設されており、隣接する前記折込み片どうしが前記底板の隅から外方に向けて延びる放射状の折り線を介して連結されウェッブコーナー部を形成しており、
前記前側板と前記後側板にはその上辺に折り線を介してフラップがそれぞれ連設されており、
前記左側板と前記右側板にはその上辺に折り線を介して左半上板と右半上板がそれぞれ連設され、それらの前記左半上板と前記右半上板の先端に相互に係合する形状の係合部が形成されており、
各ウェッブコーナー部を外側に折り込んだ状態で側板の外側に貼り合わせることで箱形状としてから、前記左半上板と前記右半上板を内側に折り曲げ、それらの先端に形成された前記係合部どうしを係合させることで上面を閉鎖する構造になっており、
前記前側板と前記後側板の上辺に連設されたフラップには直線状の第1折り畳み線が形成され、
前記前側板と前記後側板には3つに分岐するY字状折り畳み線と線状の第2折り畳み線が形成され、前記Y字状折り畳み線は分岐点から底板の隅に向かって延びる斜線部と前記フラップに向かって延びる直線部で形成されており、前記第2折り畳み線は前記Y字状折り畳み線の分岐点と前記底板の間に直線状に形成されており、
前記底板には前記前側板と前記後側板が対向する方向に第3折り畳み線が形成されており、
前記第1折り畳み線と前記Y字状折り畳み線の前記直線部と前記第2折り畳み線と前記底板の前記第3折り畳み線が前記底板の側から見たとき、平面視、直線状に配列されており、
前記前側板、前記後側板、前記底板及び前記フラップが、前記第1折り畳み線、前記Y字状折り畳み線、前記第2折り畳み線、及び前記第3折り畳み線で扁平状に折り畳むことができ、且つ、箱形状に起立させることができることを特徴とするウェッブコーナータイプの紙容器。 - 紙層の内面に樹脂層を備えた積層体により形成されるウェッブコーナータイプの紙容器において、
矩形状の底板の上下左右の辺に折り線を介して前側板、後側板、左側板、右側板がそれぞれ連設されており、
それらの各側板には両側辺に折り線を介して三角形状の折込み片がそれぞれ連設されており、隣接する前記折込み片どうしが前記底板の隅から外方に向けて延びる放射状の折り線を介して連結されウェッブコーナー部を形成しており、
前記前側板と前記後側板にはその上辺に折り線を介してフラップがそれぞれ連設されており、
前記左側板と前記右側板にはその上辺に折り線を介して左半上板と右半上板がそれぞれ連設され、それらの前記左半上板と前記右半上板の先端に相互に係合する形状の係合部が形成されており、
各ウェッブコーナー部を外側に折り込んだ状態で側板の外側に貼り合わせることで箱形状としてから、前記左半上板と前記右半上板を内側に折り曲げ、それらの先端に形成された前記係合部どうしを係合させることで上面を閉鎖する構造になっており、
前記前側板と前記後側板の上辺に連設されたフラップには直線状の第1折り畳み線が形成され、
前記前側板と前記後側板には3つに分岐するY字状折り畳み線と線状の第2折り畳み線と線状の第4折り畳み線が形成され、前記Y字状折り畳み線は分岐点から底板の隅に向かって延びる斜線部と前記フラップに向かって延びる直線部で形成されており、前記第2折り畳み線は前記Y字状折り畳み線の分岐点と前記底板の間に直線状に形成されており、前記第4折り畳み線はY字状折り畳み線の分岐点と隣接する前記右側板の側の前記折込み片の間に直線状に形成されており、
前記底板には前記前側板と前記後側板が対向する方向に第3折り畳み線が形成されており、
前記第1折り畳み線と前記Y字状折り畳み線の前記直線部と前記第2折り畳み線と前記底板の前記第3折り畳み線が前記底板の側から見たとき、平面視、直線状に配列されており、
前記右側板には前記第3折り畳み線と平行する第4折り畳み線が形成され、
前記右側板と前記前側板の間、及び前記右側板と前記後側板の間に隣接する前記折込み片には第4折り畳み線が形成され、
前記右側板の前記第4折り畳み線で前記底板と前記右側板の前記第4折り畳み線から前記底板に至る部分を折り曲げ前記右側板に重ねたとき、
前記前側板と前記後側板の前記第4折り畳み線、及び前記折込み片の前記第4折り畳み線が、前記右側板の前記第4折り畳み線の折り曲げ操作に同調して折り曲がるように形成されており、
前記前側板、前記後側板、前記底板及び前記フラップが、前記第1折り畳み線、前記Y字状折り畳み線、前記第2折り畳み線、及び前記第3折り畳み線で扁平状に折り畳むことができ、且つ、箱形状に起立させることができることを特徴とするウェッブコーナータイプの紙容器。 - 前記係合部が、前記左半上板と前記右半上板の先端に一方の外端から中央にかけて外方に膨出する膨出部を備え、前記膨出部の中央側に切り欠きが形成された構造であり、
前記左半上板と前記右半上板が内側に折り曲げられており、それらの先端に形成された前記係合部の前記切り欠きどうしが係合され上面が閉鎖されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のウェッブコーナータイプの紙容器。 - 前記膨出部が前記切り欠きと反対側の外端側に突出部が形成されており、前記フラップには前記突出部が差し込まれるスリットが形成されていることを特徴とする請求項3に記載のウェッブコーナータイプの紙容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021115580A JP2023012116A (ja) | 2021-07-13 | 2021-07-13 | ウェッブコーナータイプの紙容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021115580A JP2023012116A (ja) | 2021-07-13 | 2021-07-13 | ウェッブコーナータイプの紙容器 |
Publications (1)
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2021115580A Pending JP2023012116A (ja) | 2021-07-13 | 2021-07-13 | ウェッブコーナータイプの紙容器 |
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Country | Link |
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