JP2023011129A - 内燃機関の可変動弁機構 - Google Patents

内燃機関の可変動弁機構 Download PDF

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Abstract

【課題】カムレールの溝壁面とピンとの接触面圧を低くして、摩耗減少・耐久性向上を図る。【解決手段】カムと共に回転する溝状のカムレール5,6と、カムレール5,6に係入したピン15,16との、前記回転に伴うスラスト方向の相対変位を、可変動弁に利用する内燃機関の可変動弁機構において、ピン15,16の断面形状は、カムレール5,6の溝壁面との接触部pの曲率半径が該断面形状に内接する最大の仮想円tの半径よりも大きいことを含む、非円形である。前記接触部の曲率半径は前記仮想円tの半径の1.5倍以上であることが好ましい。【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の可変動弁機構に関する。
カムと共に回転する溝状のカムレールと、カムレールに係入したピンとの、前記回転に伴うスラスト方向の相対変位を、バルブリフトを切り替える可変動弁に利用する機構が知られている(特許文献1~5)。
独国特許出願公開第102004024219A1号明細書 特開2010-249123号公報 特開2014-224496号公報 特開2013-133809号公報 特開2020-139428号公報
従来の同機構において、バルブリフト切替時の内燃機関回転数を上げようとすると、カムレールのアール箇所の溝側面とピンとの接触面圧が高くなり、異常摩耗等の不具合につながる。そこで、本発明者は先に、カムレールの所定区間の溝壁面を単一アールにすることにより接触面圧を低くすることを発案したが(特願2021-3837号(本出願時において未公開))、さらに接触面圧を下げることを目指している。
そこで、本発明の目的は、カムレールの溝壁面とピンとの接触面圧を低くして、摩耗減少・耐久性向上を図ることにある。
本発明者は、カムレールに続いて、ピンの形状に着目した。従来の同機構においてピンは円柱状であり、ピンの直径はカムレールの溝幅よりも小さいという関係がある。このピン側の制約が接触面圧低下の限界となっていることに着目するとともに、ピンはそれを支える部材(アーム等)に回転しないように設けられることに着目し、さらに検討を重ねて本発明に至った。
[1]カムと共に回転する溝状のカムレールと、カムレールに係入した柱状のピンとの、前記回転に伴うスラスト方向の相対変位を、可変動弁に利用する内燃機関の可変動弁機構において、
ピンの断面形状は、カムレールの溝壁面との接触部の曲率半径が該断面形状に内接する仮想円の半径よりも大きい、非円形であることを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
[2]上記[1]において、前記接触部の曲率半径が前記仮想円の半径の1.5倍以上であることが好ましく、より好ましくは2倍以上であり、最も好ましくは3倍以上である。
前記接触部の曲率半径の上限は、特に限定されないが、カムレールの溝壁面のアールまでとすることが好ましい。よって、前記接触部がカムレールの直線状の溝壁面にのみ接触する側であれば、該接触部の曲率半径は無限大(すなわち直線であって平らな面を形成する)であってもよい。
[3]上記[1]又は[2]において、カムレールは、回転角の進行によりスラスト方向にずれない第一区間と、第一区間に続いて、回転角の進行によりスラスト方向に進む第二区間と、第二区間に続いて、回転の進行によりスラスト方向にずれない第三区間とを含み、
第二区間の開始点から第二区間の前半を越えた箇所までの、第三区間から遠い側の溝壁面が、第一区間の終了点に傾きなく続く単一アールであることが好ましい。
単一アールの曲率半径は、第二区間(b)の周方向長さの1/2以上であることが好ましい。
単一アールの曲率半径は、30mm以上であることが好ましく、より好ましくは40mm以上であり、最も好ましくは50mm以上である。
前記曲率半径の上限は、特に限定されないが、敢えていえば80mmである。
本発明によれば、カムレールの溝壁面とピンとの接触面圧を低くして、摩耗減少・耐久性向上を図ることができる。
図1は実施例1の可変動弁機構を正面側から見た斜視図である。 図2(a)は実施例1の可変動弁機構の要部を背面側から見た斜視図、(b)は第一ピン及び第二ピンの断面形状を示す図である。 図3は同可変動弁機構の右側面図であり、(a)はローラが駆動用カムに当接する状態の図、(b)はローラが休止用カムに当接する状態の図である。 図4は同可変動弁機構の平面図であり、(a)はローラが駆動用カムに当接する状態から第一ピンがスラスト移動を開始するときの図、(b)はローラが休止用カムに当接するように第一ピンがスラスト移動を終えたときの図である。 図5は図4(a)から(b)へと回転する第一カムレールを平らに展開して第一ピンと共に示す展開図であり、(a)は第一ピンが第一区間にあるときの図、(b)は第一ピンが第一区間の第三区間から遠い溝壁面に沿って第二区間の開始点にきたときの図、(c)は第一ピンが第一区間の第三区間から近い溝壁面に沿って第二区間の途中にきたときの図、(d)は第一ピンが第二区間の出口付近にきたときの図である。 図6は同可変動弁機構の右側面図であり、(a)はローラが休止用カムに当接する状態の図、(b)はローラが駆動用カムに当接する状態の図である。 図7は同可変動弁機構の平面図であり、(a)はローラが休止用カムに当接する状態から第二ピンがスラスト移動を開始するときの図、(b)はローラが駆動用カムに当接するように第二ピンがスラスト移動を終えたときの図である。 図8は図7(a)から(b)へと回転する第二カムレールを平らに展開して第二ピンと共に示す展開図であり、(a)は第二ピンが第一区間にあるときの図、(b)は第二ピンが第一区間の第三区間から遠い溝壁面に沿って第二区間の開始点にきたときの図、(c)は第二ピンが第一区間の第三区間から近い溝壁面に沿って第二区間の途中にきたときの図、(d)は第二ピンが第二区間の出口付近にきたときの図である。 図9は実施例2の可変動弁機構の平面図であり、(a)はローラが休止用カムに当接する状態からカムキャリアがスラスト移動を開始するときの図、(b)はローラが駆動用カムに当接するようにカムキャリアがスラスト移動を終えたときの図である。
1.カムレールとピンとのスラスト方向の相対変位
カムレールとピンとのスラスト方向の相対変位は、ピン側がスラスト変位してカムレール側がスラスト変位しない態様でもよいし、カムレール側がスラスト変位してピン側がスラスト変位しない態様でもよい。
2.スラスト方向の相対変位を可変動弁に利用する態様
スラスト方向の相対変位を可変動弁に利用する態様としては、特に限定されないが、スラスト方向に並ぶ駆動用カムと休止用カムとを切り換えてバルブの駆動状態と休止状態とを切り換える態様、スラスト方向に並ぶ高リフトカムと低リフトカムとを切り換えてバルブの高リフト駆動状態と低リフト駆動状態とを切り換える態様等を例示できる。
次に、本発明の実施例を図面を参照して説明する。なお、実施例の各部の構造、形状、数等は例示であり、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更できる。
<実施例1>
図1~図8に示す実施例1の可変動弁機構1は、ピン側がスラスト変位してカムレール側がスラスト変位しない態様であって、カムレールの構成以外は、特許文献2の実施例1の可変動弁機構と共通するものである。可変動弁機構1は、一つの気筒に設けられた2本の吸気用又は排気用のバルブVに対して設けられており、該2本のバルブVの駆動と休止とを切り換える。
以下において、カムシャフト2の軸線方向と平行な方向をスラスト方向という。スラスト方向は、図1、図4、図7での左右方向である。左、右というときは、図1、図4、図7での左、右をいう。
カムシャフト2には、左から右へ順に、駆動用カム3、休止用カム4、第一カムレール5、第二カムレール6、駆動用カム3及び休止用カム4が、並んで設けられており、これらはカムシャフト2と共にカムシャフト2の軸線回りに回転する。
駆動用カム3は、ベース円とノーズを備えるものである。
休止用カム4は、ベース円のみを備えてノーズを備えないものである。
第一カムレール5は、図5等に示すように、回転角の進行によりスラスト方向にずれない第一区間aと、第一区間aに続いて、回転角の進行によりスラスト方向(右方向)に進む第二区間bと、第二区間bに続いて、回転の進行によりスラスト方向にずれない第三区間cとを含む。
第一区間aは、後述する第一ピン15を係入させ易くするためのものである。
第二区間bは、カムノーズがロッカアーム8に当接しない時に、後述する第一ピン15に当接する位相に設けられている。
第二区間bの開始点から第二区間bの前半を越えた箇所(図示例では第二区間bの約75~85%)までの、第三区間cから遠い側の溝壁面は、第一区間aの終了点に傾きなく続く単一アール(第三区間cから遠い方へ凸)である。単一アールの曲率半径は、第二区間(b)の周方向長さ(図5のbの矢印間長)の1/2以上であり、かつ、50~70mmから選ばれる値である。第二区間bの単一アールが終わってから第二区間bの終了点までの(すなわち第二区間bの出口付近の)、第三区間cから遠い側の溝壁面は、前記単一アールよりも曲率半径が小さいアール(第三区間cから遠い方へ凹)であり、さらに直線部を含んでいてもよい。
第三区間cは、後述するリンクアーム11を軸長方向に移動しないように係止するための環状溝であり、次の第二カムレール6の第三区間cと共用である。
第二カムレール6は、図8等に示すように、回転角の進行によりスラスト方向にずれない第一区間aと、第一区間aに続いて、回転角の進行によりスラスト方向(左方向)に進む第二区間bと、第二区間bに続いて、回転の進行によりスラスト方向にずれない第三区間cとを含む。
第一区間aは、後述する第二ピン16を係入させ易くするためのものである。
第二区間bは、カムノーズがロッカアーム8に当接しない時に、後述する第二ピン16に当接する位相に設けられている。
第二区間bの開始点から第二区間bの前半を越えた箇所(図示例では第二区間bの約75~85%)までの、第三区間cから遠い側の溝壁面は、第一区間aの終了点に傾きなく続く単一アール(第三区間cから遠い方へ凸)である。単一アールの曲率半径は、第二区間(b)の周方向長さ(図8のbの矢印間長)の1/2以上であり、かつ、50~70mmから選ばれる値である。第二区間bの単一アールが終わってから第二区間bの終了点までの(すなわち第二区間bの出口付近の)、第三区間cから遠い側の溝壁面は、前記単一アールよりも曲率半径が小さいアール(第三区間cから遠い方へ凹)であり、さらに直線部を含んでいてもよい。
第三区間cは、後述するリンクアーム11を軸長方向に移動しないように係止するための環状溝であり、上記の第一カムレール5の第三区間cと共用である。
左右方向に延びるロッカシャフト7には、左右二つのロッカアーム8と、両ロッカアーム8の間に配されたリンクアーム11と、これらのアームを一緒に左右方向に変位可能に連結する連結部材19とが、揺動可能かつ左右方向に変位可能に支持されている。
ロッカアーム8は、前後方向中間部に駆動用カム3及び休止用カム4に択一的に当接するローラ9を備え、先端部にバルブVに当接する当接面を備えている。ロッカシャフト7は、ラッシュアジャスタ10に支持されている。
リンクアーム11は、筒状基部12と、筒状基部12から側面視でV字をなするように延びた第一アーム13及び第二アーム14を備えている。第一アーム13の先端部には、第一カムレール5に係入する柱状の第一ピン15が、該先端部に対して回転しないように設けられている。第二アーム14の先端部には、第二カムレール6に係入する柱状の第二ピン16が該先端部に対して回転しないように設けられている。第一アーム13が電磁アクチュエータ17により押圧されると、リンクアーム11が回動して、第一ピン15が第一カムレール5に係入し、第二ピン16が第二カムレール6から外れる。また、第二アーム14がリターンスプリング18により押圧されると、リンクアーム11が回動して、第二ピン16が第二カムレール6に係入し、第一ピン15が第一カムレール5から外れる。
図2(b)等に示すように、第一ピン15及び第二ピン16の断面形状は、それぞれ第一カムレール5及び第二カムレール6の溝壁面との接触部p,qの曲率半径が該断面形状に内接する最大の仮想円tの半径よりも大きい、非円形(異形)である。仮想円tの半径を例えば5mmとすると、該非円形の詳細は次のとおりである。
・第一区間a及び第二区間bの両溝壁面のうち第三区間cから遠い側の溝壁面と接触する第一ピン15及び第二ピン16の接触部pの曲率半径は、例えば15~20mmであり、該接触部pは第二区間bの単一アールと同じ方向に傾いており、
・第一カムレール5の第一区間a及び第二区間bの両溝壁面のうち第三区間cに近い側の溝壁面と接触する、第一ピン15及び第二ピン16の接触部qの曲率半径が無限大(すなわち直線であって平らな面を形成する)であり、
・単一アールが接近してくる側及びその反対側の、第一ピン15及び第二ピン16の溝横断部r,sは直線であり、
・接触部pと溝横断部r,sとの間、接触部qと溝横断部r,sとの間は、微小な曲率半径(例えば1~3mm)である。
第一カムレール5及び第二カムレール6の溝幅は、第一ピン15及び第二ピン16をスムーズに摺接させるために、第一ピン15及び第二ピン16の最大横幅よりも、例えば0.5~1mm大きい。
そのため、図5(a)に示すように、第一ピン15は、第一カムレール5の第一区間aにあるときに、第一区間aの両溝壁面のうち第三区間cから遠い左側の溝壁面に沿うこともあるし、第三区間cに近い右側の溝壁面に沿うこともある。
同様に、図8(a)に示すように、第二ピン16は、第二カムレール6の第一区間aにあるときに、第一区間aの両溝壁面のうち第三区間cから遠い右側の溝壁面に沿うこともあるし、第三区間cに近い左側の溝壁面に沿うこともある。
連結部材19は、両ロッカアーム8の間にリンクアーム11が配された状態で、両ロッカアーム8を抱持するコ字状の部材である。
以上のように構成された実施例1の可変動弁機構の動作を説明する。
[1]駆動状態から休止状態に切り換えるとき
図3(a)に示すように、第一ピン15が第一カムレール5から抜出し、第二ピン16が第二カムレール6の第三区間cに係入しているとき、図4(a)に示すように、駆動用カム3がローラ9に当接するバルブ駆動状態である。この状態から、電磁アクチュエータ17を作動させてリンクアーム11を回動させ、図4(a)に示すように、第一ピン15を第一カムレール5の第一区間aに係入させ、第二ピン16を第二カムレール6の第三区間cから抜出させる。すると、カムシャフト2の回転により、第一ピン15が、第一カムレール5の第一区間aから第二区間bに移り、第二区間bに沿ってスラスト方向(右方向)に変位するため、それと共にリンクアーム11及びロッカアーム8も右方向にスラスト移動し、さらに第一ピン15が第三区間cに移って、図3(b)及び図4(b)に示すように、休止用カム4がローラ9に当接するバルブ休止状態に切り換わる。
図5は、図4(a)から(b)へと回転する第一カムレール5を平らに展開して第一ピン15と共に示す展開図である。
まず、第一ピン15が、図5(a)に実線で示すように、第一区間aにおける第三区間cから遠い左側の溝壁面に沿った場合、図5(b)に示すように、第二区間bの左側の溝壁面の開始点に滑らかに移行し、その後も左側の溝壁面に沿って滑らかに摺接してスラスト変位する。この間の第二区間bと第一ピン15との接触面圧の増加は低い。これは、第一ピン15の接触部pの曲率半径が大きく、また、第二区間bの開始点から第二区間bの前半を越えた箇所までの、第三区間cから遠い側の溝壁面が、第一区間aの終了点に傾きなく続く、曲率半径が大きい単一アールだからである。こうして、スラスト移動で接触面圧が特に高くなる第二区間bの前半での接触面圧を、低くキープすることができる。続いて、第一ピン15が、図5(d)に示すように、第二区間bの出口付近の小さいアールにきたとき、第二区間bと第一ピン15との接触面圧は高くなる。しかし、第二区間bの出口付近では、上記リンクアーム11及びロッカアーム8のスラスト移動が終了側にあり、移動させるための荷重は殆どかからないため、悪影響はない。このスラスト移動の慣性力により、図5(d)の直後に、第一ピン15の接触部qは第三区間cの右側の溝壁面に当たるが、接触部qは上記のとおり直線であって面接触するため耐久性が高い。
次に、第一ピン15が、図5(a)に鎖線で示すように、第一区間aにおける第三区間cから遠い右側の溝壁面に沿った場合、図5(c)に示すように、第二区間bの開始点からやや進んだ途中部の左側の溝壁面に衝突する。しかし、第一ピン15の接触部pの曲率半径が大きく、また、その溝壁面は曲率半径が大きい単一アールであるから、第一ピン15は緩く衝突し、接触面圧のピークはさほど高くならない。衝突後の第一ピン15は、上記と同様に溝壁面に沿って滑らかに摺接してスラスト変位する。
[2]休止状態から駆動状態に切り換えるとき
図6(a)は、図3(b)と同じくバルブ休止状態である。この状態から、電磁アクチュエータ17を停止させてリターンスプリング18の復元力によりリンクアーム11を回動させ、図7(a)に示すように、第一ピン15を第一カムレール5の第三区間cから抜出させ、第二ピン16を第二カムレール6の第一区間aに係入させる。すると、カムシャフト2の回転により、第二ピン16が、第二カムレール6の第一区間aから第二区間bに移り、第二区間bに沿ってスラスト方向(左方向)に変位するため、それと共にリンクアーム11及びロッカアーム8も左方向にスラスト移動し、さらに第二ピン16が第三区間cに移って、図6(b)及び図7(b)に示すように、駆動用カム3がローラ9に当接するバルブ駆動状態に切り換わる。
図8は、図7(a)から(b)へと回転する第二カムレール6を平らに展開して第二ピン16と共に示す展開図である。
まず、第二ピン16が、図8(a)に実線で示すように、第一区間aにおける第三区間cから遠い右側の溝壁面に沿った場合、図8(b)に示すように、第二区間bの右側の溝壁面の開始点に滑らかに移行し、その後も右側の溝壁面に沿って滑らかに摺接してスラスト変位する。この間の第二区間bと第二ピン16との接触面圧の増加は低い。これは、第二ピン16の接触部pの曲率半径が大きく、また、第二区間bの開始点から第二区間bの前半を越えた箇所までの、第三区間cから遠い側の溝壁面が、第一区間aの終了点に傾きなく続く、曲率半径の大きい単一アールだからである。こうして、スラスト移動で接触面圧が特に高くなる第二区間bの前半での接触面圧を、低くキープすることができる。続いて、第二ピン16が、図8(d)に示すように、第二区間bの出口付近の小さいアールにきたとき、第二区間bと第二ピン16との接触面圧は高くなる。しかし、第二区間bの出口付近では、上記リンクアーム11及びロッカアーム8のスラスト移動が終了側にあり、移動させるための荷重は殆どかからないため、悪影響はない。このスラスト移動の慣性力により、図8(d)の直後に、第二ピン15の接触部qは第三区間cの左側の溝壁面に当たるが、接触部qは上記のとおり直線であって面接触するため耐久性が高い。
次に、第二ピン16が、図8(a)に鎖線で示すように、第一区間aにおける第三区間cから遠い左側の溝壁面に沿った場合、図8(c)に示すように、第二区間bの開始点からやや進んだ途中部の右側の溝壁面に衝突する。しかし、第二ピン16の接触部pの曲率半径が大きく、また、その溝壁面は曲率半径の大きい単一アールであるから、第二ピン16は緩く衝突し、接触面圧のピークはさほど高くならない。衝突後の第二ピン16は、上記と同様に溝壁面に沿って滑らかに摺接してスラスト変位する。
<実施例2>
次に、図9に示す実施例2の可変動弁機構は、カムレール側がスラスト変位してピン側がスラスト変位しない態様であって、カムレールの構成以外は、特許文献2の実施例2の可変動弁機構と共通するものである。
実施例2は、カムシャフト2に筒状のカムキャリア20が左右方向に変位可能かつ周方向に相対回動不能に外挿され、そのカムキャリア20に駆動用カム3、休止用カム4、第一カムレール5、第二カムレール6が形成されている点と、カムシャフト2にロッカアーム8及びリンクアーム11が左右方向に変位不能に設けられている点において実施例1と相違し、その他は実施例1と共通である。よって、実施例1と同様に、各カムレール5,6の溝壁面と各ピン15,16との接触面圧を低くすることができる。
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、発明の要旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することができる。
(1)ピン側がスラスト変位してカムレール側がスラスト変位しない態様として、実施例1のほか、例えば特許文献3の実施例のような構成を採用すること。
(2)カムレール側がスラスト変位してピン側がスラスト変位しない態様として、実施例2のほか、例えば特許文献4の実施例のような構成を採用すること。
1 可変動弁機構
2 カムシャフト
3 駆動用カム
4 休止用カム
5 第一カムレール
6 第二カムレール
7 ロッカシャフト
8 ロッカアーム
9 ローラ
10 ラッシュアジャスタ
11 リンクアーム
12 筒状基部
13 第一アーム
14 第二アーム
15 第一ピン
16 第二ピン
17 電磁アクチュエータ
18 リターンスプリング
19 連結部材
20 カムキャリア
V バルブ
a 第一区間
b 第二区間
c 第三区間
p 接触部
q 接触部
t 仮想円

Claims (3)

  1. カム(3,4)と共に回転する溝状のカムレール(5,6)と、カムレール(5,6)に係入した柱状のピン(15,16)との、前記回転に伴うスラスト方向の相対変位を、可変動弁に利用する内燃機関の可変動弁機構において、
    ピン(15,16)の断面形状は、カムレール(5,6)の溝壁面との接触部(p,q)の曲率半径が該断面形状に内接する最大の仮想円(t)の半径よりも大きい、非円形であることを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
  2. 前記接触部(p,q)の曲率半径が前記仮想円(t)の半径の1.5倍以上である請求項1記載の内燃機関の可変動弁機構。
  3. カムレール(5,6)は、回転角の進行によりスラスト方向にずれない第一区間(a)と、第一区間(a)に続いて、回転角の進行によりスラスト方向に進む第二区間(b)と、第二区間(b)に続いて、回転の進行によりスラスト方向にずれない第三区間(c)とを含み、
    第二区間(b)の開始箇所から第二区間(b)の前半を越えた箇所までの、第三区間(c)から遠い側の溝壁面が、第一区間(a)の終了箇所に傾きなく続く単一アールである請求項1又は2記載の内燃機関の可変動弁機構。
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