JP2023010410A - 真空ポンプ - Google Patents

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Tsuyoshi Kabasawa
春樹 鈴木
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Abstract

【課題】組立・分解が容易で、かつ、回転体を十分に冷却することができる真空ポンプを提供する。【解決手段】一端側が吸気口101に通じ、他端側が排気口133に通じているハウジング126と、ハウジング126に配設された冷却手段130と、ハウジング126内に配設された回転体103と、回転翼間に配設された複数の固定翼123と、固定翼123を支持する複数の固定翼スペーサ125と、を備え、固定翼125と固定翼スペーサ125の外周面125Oとハウジング126の内周面126Iとの嵌め合い構造が、組立作業時の温度以下では固定翼123側の外周面とハウジング126の内周面との間に隙間が形成され、組立作業時の温度より高温の目標温度では固定翼123の外周面123Oとハウジング126内周面126Iとの間が締まり嵌めとなるようにした。【選択図】図1

Description

本発明は、低真空から超高真空に亘る圧力範囲で利用可能な真空ポンプに関するものであり、特に、ハウジング側に冷却機構を有する真空ポンプに関するものである。
従来、メモリや集積回路等の半導体を製造する際、空気中の塵等による影響を避けるために、高真空状態のチャンバ内で高純度の半導体基板(ウエハ)にドーピングやエッチングを行う必要がある。また、ここで使用したプロセスガスは、例えばターボ分子ポンプとネジ溝ポンプとを組み合わせた複合ポンプ等の真空ポンプによって排気している。
このような真空ポンプは、例えば、互いに入れ子状に配置されている回転翼と固定翼とで構成される排気機構を円筒状のハウジング内に備え、吸気口側からハウジング内に吸入したプロセスガス(以下、単に「ガス」という)を排気口側に移送させて、ハウジング内から排気するようになっている。この真空ポンプでは、回転翼は、ロータ軸に取り付けられて、ロータ軸と共に回転体として高速で回転をする。また、回転体が高速回転している際に、回転翼が気体分子と衝突すると、その衝突エネルギーが回転翼に摩擦熱として発生する。この摩擦熱は、回転翼から固定翼を介してハウジング側に伝達される。
又、回転翼を有する回転体が摩擦熱により高温になると、クリープの速度が速くなるので、ハウジング側に冷却管等を有する冷却機構を設け、冷却管内に冷却冷媒を冷却させて真空ポンプ内を冷却する構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、近年、半導体装置の製造において、ウエハが大型化してきており、プロセスチャンバ内に導入するガスの流量が増大する傾向となっている。ガスの流量が増大すると、回転翼における摩擦熱も大きくなり、回転体が高温となる。このため、ハウジング側に冷却管等を有する冷却機構を設けただけでは、回転体が許容温度を超え、クリープの温度が速くなっている。
そこで、ハウジング内に収容されて、多段に配列された回転翼を有する回転体と、回転翼間に入れ子状に配設された複数の固定翼と、各固定翼を支持する複数の固定翼スペーサと、を備えるとともに、複数の固定翼スペーサの1つを上方または下方に隣接する少なくとも1つの固定翼スペーサの外周側面を覆う円筒(水冷スペーサ)を設け、水冷スペーサの内部に、冷却媒体が循環する冷却管を設けた構造の真空ポンプも知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平2002-180988号公報 特許第6069981号公報
特許文献2に記載の発明は、固定翼スペーサの外周面を水冷スペーサの内周面で覆うことが特徴となっている。しかし、実際には、固定翼スペーサの外周面を水冷スペーサの内周面で覆っても、両者が接していない場合には、魔法瓶などで良く知られる真空断熱構造となり、ほとんど放熱ができない。発明の効果を得るには、両者を接触させるため、次の条件(1)を満たす必要がある。
( 固定翼スペーサの外径 > 水冷スペーサの内径 ) ・・・条件(1)
したがって、条件(1)を満たすためには、固定翼スペーサと水冷スペーサの組み立ては、少なくとも次の何れか1つの方法で組み立てることが必要となる。
(1)固定翼スペーサを冷やして、収縮した状態で組み立てる。
(2)水冷スペーサを熱して、水冷スペーサを膨張させた状態で組み立てる。
(3)固定翼スペーサまたは水冷スペーサに軸力をかけて圧入する。
これら(1)~(3)の方法では、固定翼スペーサと水冷スペーサとの間を、後から分解したい場合、容易に分解できないという問題点があった。
そこで、組立・分解が容易で、かつ、回転体を十分に冷却することができる真空ポンプを提供するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1に記載の発明は、一端側が吸気口に通じ、他端側が排気口に通じているハウジングと、前記ハウジングに配設された冷却機構と、前記ハウジング内に配設されたロータ軸と、多段状に配列された複数の回転翼を有して、前記ロータ軸に締結された回転体と、前記ハウジングの内面に設けられ、前記回転翼間に配設された複数の固定翼と、前記固定翼を支持する複数の固定翼スペーサと、を備え、前記固定翼と前記固定翼スペーサの少なくとも一つの前記外周面と前記ハウジングの前記内周面が嵌め合い構造である真空ポンプであって、前記嵌め合い構造が、組立作業時の温度以下では前記固定翼と前記固定翼スペーサの少なくとも一方の前記外周面と前記ハウジングの前記内周面との間に隙間が形成され、前記組立作業時の温度より高温の目標温度では前記固定翼と前記固定翼スペーサの少なくとも一方の前記外周面と前記ハウジングの前記内周面との間が締まり嵌めとなる、真空ポンプを提供する。
この構成によれば、固定翼と固定翼スペーサの少なくとも一方の外周面とハウジングの内周面が嵌め合い構造であり、その嵌め合い構造が、組立作業時の温度以下では、固定翼と固定翼スペーサの少なくとも一方の外周面とハウジングの内周面との間に隙間が形成される。これにより組立・分解作業時には、組立作業時の温度以下の環境化で作業を行うと、固定翼と固定翼スペーサとハウジングとの間の組立・分解作業をスムーズに行うことができる。
一方、組立・分解作業が終わり、真空ポンプの運転が開始されると、回転翼で生じた摩擦熱やヒータ等により、固定翼や固定翼スペーサが、組立作業時の温度より高温の目標温度を超え、固定翼と固定翼スペーサの少なくとも一方の外周面とハウジングの内周面との間が締まり嵌めとなる。そして、固定翼と固定翼スペーサの少なくとも一方の外周面とハウジングの内周面との間が締まり嵌めとなると、固定翼と固定翼スペーサの少なくとも一方とハウジングとの間が一体化された状態になる。これにより、回転体で発生した摩擦熱は、固定翼と固定翼スペーサを通して効率良くハウジング側に伝えられ、さらにハウジング側に配設された水冷管等の冷却機構を介して外部に放出され、回転体を十分に冷却することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成において、前記固定翼スペーサの少なくとも一つが、前記ハウジングと一体構造化されている、真空ポンプを提供する。
この構造によれば、固定翼スペーサの一つがハウジングと一体構造化されることにより、固定翼スペーサとハウジング間の熱伝導効率がさらに向上し、回転体側で発生した摩擦熱を外部に放出することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成において、前記固定翼と前記固定翼スペーサの少なくとも一方の前記外周面と前記ハウジングの前記内周面との間における嵌め合い公差が、前記吸気口側と前記排気口側で異なる値に設定されている、真空ポンプを提供する
この構造によれば、固定翼と固定翼スペーサの少なくも一方の外周面とハウジングの内周面との間における嵌め合い公差を、吸気口側と排気口側で異なる値に設定しておくと、吸気口側と排気口側での固定翼の外周面と固定翼スペーサの内周面との間における締まり嵌めが、運転を開始してから略同じ時間に形成され、効率良く放熱することができる。また、積層された固定翼や固定翼スペーサの温度分布を任意に設定することもできる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の構成において、前記嵌め合い構造において、前記固定翼または前記固定翼スペーサのうち前記吸気口側の段のみが、前記目標温度で締まり嵌めとなる、真空ポンプを提供する。
この構造によれば、締まり嵌めとなる吸気側(上段側)を積極的に冷却し、排気口側(下段側)を冷却しないことで、圧力が高い排気口側における反応生成物の堆積を防止できる。
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の構成において、前記嵌め合い構造において、前記固定翼または前記固定翼スペーサのうち前記排気口側の段のみが、前記目標温度で締まり嵌めとなる、真空ポンプを提供する。
この構成によれば、発熱源である排気口側の下段を直接冷却できるため、過熱を防止できる。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載の構成において、前記ハウジングは、前記固定翼と前記固定翼スペーサの少なくともいずれか一方より線膨張係数が小さい材料である、真空ポンプを提供する。
この構成によれば、冷却機構を設けるハウジング側を線膨張係数が小さい、例えばステンレスとし、固定翼又は固定翼スペーサを線膨張係数が大きいアルミ合金とするとよい。
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか1項に記載の構成において、前記嵌め合い構造の前記隙間が次式で設定されている真空ポンプを提供する。
0<隙間<R×(α1×ΔT1-α2×ΔT2)
ここで、Rは前記ハウジング内径の半径、α1は前記固定翼または前記固定翼スペーサの線膨張係数、α2は前記ハウジングの線膨張係数、ΔT1は前記固定翼または前記固定翼スペーサの温度上昇、ΔT2は前記ハウジングの温度上昇である。
この構成によれば、各部品が所定の温度まで上昇したときの隙間の減少量よりも、隙間の初期値を小さくする。そして、所定の温度に上昇したら、隙間がなくなり、接触して締まり嵌め合いとなる。
本発明によれば、固定翼と固定翼スペーサの少なくとも一方の外周面とハウジングの内周面の嵌め合い構造が、組立作業時の温度以下では固定翼と固定翼スペーサの少なくとも一方の外周面とハウジングの内周面との間に隙間が形成されるようにしている。したがって、組立・分解作業時には、組立作業時の温度以下の環境化で作業を行うと、固定翼と固定翼スペーサの少なくとも一方とハウジングの内周面との間の組立・分解作業をスムーズに行うことができる。
一方、組立・分解作業が終わり、真空ポンプの運転が開始されると、回転翼で生じた摩擦熱やヒータ等により、固定翼や固定翼スペーサが、組立作業時の温度より高温の目標温度を超え、固定翼と固定翼スペーサの少なくとも一方の外周面とハウジングの内周面との間が締まり嵌めとなり、固定翼と固定翼スペーサの少なくとも一方の外周面とハウジングとの間が一体化される。したがって、一体化された固定翼と固定翼スペーサの少なくとも一方とハウジングとの間の伝熱量が上がり、回転体で発生した摩擦熱は回転翼と固定翼スペーサを通して効率良くハウジング側に伝えられて外部に放出される。これにより、回転体を十分に冷却することができ、回転体のクリープの速度を遅くすることができる。
本発明の実施の形態に係る真空ポンプの一実施例として示すターボ分子ポンプの縦断面図である。 同上ターボ分子ポンプにおけるアンプ回路の一例を示す図である。 同上ターボ分子ポンプにおけるアンプ回路で検出した電流指令値が検出値より大きい場合の一制御例を示すタイムチャートである。 同上ターボ分子ポンプにおけるアンプ回路で検出した電流指令値が検出値より小さい場合の一制御例を示すタイムチャートである。 図1に示した同上ターボ分子ポンプにおける水冷スペーサと固定翼スペーサの間の伝熱量を説明する図である。 同上ターボ分子ポンプにおける水冷スペーサと固定翼スペーサの間に隙間を設けていない場合と隙間を設けている場合とでの伝熱効果を調べた結果を表す図である。 本発明の実施の形態に係る真空ポンプの一変形例として示すターボ分子ポンプの縦断面図である。 本発明の実施の形態に係る真空ポンプの更に他の変形例として示すターボ分子ポンプの縦断面図である。
本発明は、組立・分解が容易で、かつ、回転体を十分に冷却することができる真空ポンプを提供するという目的を達成するために、一端側が吸気口に通じ、他端側が排気口に通じているハウジングと、前記ハウジングに配設された冷却機構と、前記ハウジング内に配設されたロータ軸と、多段状に配列された複数の回転翼を有して、前記ロータ軸に締結された回転体と、前記ハウジングの内面に設けられ、前記回転翼間に配設された複数の固定翼と、前記固定翼を支持する複数の固定翼スペーサと、を備え、前記固定翼と前記固定翼スペーサの少なくとも一つの前記外周面と前記ハウジングの前記内周面が嵌め合い構造である真空ポンプであって、前記嵌め合い構造が、組立作業時の温度以下では前記固定翼と前記固定翼スペーサの少なくとも一方の前記外周面と前記ハウジングの前記内周面との間に隙間が形成され、前記組立作業時の温度より高温の目標温度では前記固定翼と前記固定翼スペーサの少なくとも一方の前記外周面と前記ハウジングの前記内周面との間が締まり嵌めとなる、構成にしたことにより実現した。
以下、本発明の実施形態に係る一実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例において、構成要素の数、数値、量、範囲等に言及する場合、特に明示した場合及び原理的に明らかに特定の数に限定される場合を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも構わない。
また、構成要素等の形状、位置関係に言及するときは、特に明示した場合及び原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似又は類似するもの等を含む。
また、図面は、特徴を分かり易くするために特徴的な部分を拡大する等して誇張する場合があり、構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。また、断面図では、構成要素の断面構造を分かり易くするために、一部の構成要素のハッチングを省略することがある。
また、以下の説明において、上下や左右等の方向を示す表現は、絶対的なものではなく、本発明のウエハ研磨装置の各部が描かれている姿勢である場合に適切であるが、その姿勢が変化した場合には姿勢の変化に応じて変更して解釈されるべきものである。また、実施例の説明の全体を通じて同じ要素には同じ符号を付している。
このターボ分子ポンプ100の縦断面図を図1に示す。図1において、ターボ分子ポンプ100は、円筒状の外筒127の上端に吸気口101が形成されている。そして、外筒127の内方には、ガスを吸引排気するためのタービンブレードである複数の回転翼102(102a、102b、102c・・・)を周部に放射状かつ多段に形成した回転体103が備えられている。この回転体103の中心にはロータ軸113が取り付けられており、このロータ軸113は、例えば5軸制御の磁気軸受により空中に浮上支持かつ位置制御されている。
上側径方向電磁石104は、4個の電磁石がX軸とY軸とに対をなして配置されている。この上側径方向電磁石104の近接に、かつ上側径方向電磁石104のそれぞれに対応されて4個の上側径方向センサ107が備えられている。上側径方向センサ107は、例えば伝導巻線を有するインダクタンスセンサや渦電流センサなどが用いられ、ロータ軸113の位置に応じて変化するこの伝導巻線のインダクタンスの変化に基づいてロータ軸113の位置を検出する。この上側径方向センサ107はロータ軸113、すなわちそれに固定された回転体103の径方向変位を検出し、図示せぬ制御装置に送るように構成されている。
この制御装置においては、例えばPID調節機能を有する補償回路が、上側径方向センサ107によって検出された位置信号に基づいて、上側径方向電磁石104の励磁制御指令信号を生成し、図2に示すアンプ回路150(後述する)が、この励磁制御指令信号に基づいて、上側径方向電磁石104を励磁制御することで、ロータ軸113の上側の径方向位置が調整される。
そして、このロータ軸113は、高透磁率材(鉄、ステンレスなど)などにより形成され、上側径方向電磁石104の磁力により吸引されるようになっている。かかる調整は、X軸方向とY軸方向とにそれぞれ独立して行われる。また、下側径方向電磁石105及び下側径方向センサ108が、上側径方向電磁石104及び上側径方向センサ107と同様に配置され、ロータ軸113の下側の径方向位置を上側の径方向位置と同様に調整している。
さらに、軸方向電磁石106A、106Bが、ロータ軸113の下部に備えた円板状の金属ディスク111を上下に挟んで配置されている。金属ディスク111は、鉄などの高透磁率材で構成されている。ロータ軸113の軸方向変位を検出するために軸方向センサ109が備えられ、その軸方向位置信号が制御装置に送られるように構成されている。
そして、制御装置において、例えばPID調節機能を有する補償回路が、軸方向センサ109によって検出された軸方向位置信号に基づいて、軸方向電磁石106Aと軸方向電磁石106Bのそれぞれの励磁制御指令信号を生成し、アンプ回路150が、これらの励磁制御指令信号に基づいて、軸方向電磁石106Aと軸方向電磁石106Bをそれぞれ励磁制御することで、軸方向電磁石106Aが磁力により金属ディスク111を上方に吸引し、軸方向電磁石106Bが金属ディスク111を下方に吸引し、ロータ軸113の軸方向位置が調整される。
このように、制御装置は、この軸方向電磁石106A、106Bが金属ディスク111に及ぼす磁力を適当に調節し、ロータ軸113を軸方向に磁気浮上させ、空間に非接触で保持するようになっている。なお、これら上側径方向電磁石104、下側径方向電磁石105及び軸方向電磁石106A、106Bを励磁制御するアンプ回路150については、後述する。
一方、モータ121は、ロータ軸113を取り囲むように周状に配置された複数の磁極を備えている。各磁極は、ロータ軸113との間に作用する電磁力を介してロータ軸113を回転駆動するように、制御装置によって制御されている。また、モータ121には図示しない例えばホール素子、レゾルバ、エンコーダなどの回転速度センサが組み込まれており、この回転速度センサの検出信号によりロータ軸113の回転速度が検出されるようになっている。
さらに、例えば下側径方向センサ108近傍に、図示しない位相センサが取り付けてあり、ロータ軸113の回転の位相を検出するようになっている。制御装置では、この位相センサと回転速度センサの検出信号を共に用いて磁極の位置を検出するようになっている。
回転翼102(102a、102b、102c・・・)とわずかの空隙を隔てて複数枚の固定翼123a、123b、123c・・・が配設されている。回転翼102(102a、102b、102c・・・)は、それぞれ排気ガスの分子を衝突により下方向に移送するため、ロータ軸113の軸線に垂直な平面から所定の角度だけ傾斜して形成されている。
また、固定翼123も、同様にロータ軸113の軸線に垂直な平面から所定の角度だけ傾斜して形成され、かつ外筒127の内方に向けて回転翼102の段と互い違いに配設されている。そして、固定翼123の外周端は、複数の段積みされた固定翼スペーサ125(125a、125b、125c・・・)の間に嵌挿された状態で支持されている。
固定翼スペーサ125はリング状の部材であり、例えばアルミニウム、鉄、ステンレス、銅などの金属、又はこれらの金属を成分として含む合金などの金属によって構成されている。固定翼スペーサ125の外周には、わずかの空隙を隔てて外筒127が固定されている。外筒127の底部にはベース部129が配設されている。ベース部129には排気口133が形成され、外部に連通されている。チャンバ側から吸気口101に入ってベース部129に移送されてきた排気ガスは、排気口133へと送られる。
さらに、ターボ分子ポンプ100の用途によって、固定翼スペーサ125の下部とベース部129の間には、ネジ付スペーサ131が配設される。ネジ付スペーサ131は、アルミニウム、銅、ステンレス、鉄、又はこれらの金属を成分とする合金などの金属によって構成された円筒状の部材であり、その内周面に螺旋状のネジ溝131aが複数条刻設されている。ネジ溝131aの螺旋の方向は、回転体103の回転方向に排気ガスの分子が移動したときに、この分子が排気口133の方へ移送される方向である。回転体103の回転翼102(102a、102b、102c・・・)に続く最下部には円筒部102dが垂下されている。この円筒部102dの外周面は、円筒状で、かつネジ付スペーサ131の内周面に向かって張り出されており、このネジ付スペーサ131の内周面と所定の隙間を隔てて近接されている。回転翼102および固定翼123によってネジ溝131aに移送されてきた排気ガスは、ネジ溝131aに案内されつつベース部129へと送られる。
ベース部129は、ターボ分子ポンプ100の基底部を構成する円盤状の部材であり、一般には鉄、アルミニウム、ステンレスなどの金属によって構成されている。ベース部129はターボ分子ポンプ100を物理的に保持すると共に、熱の伝導路の機能も兼ね備えているので、鉄、アルミニウムや銅などの剛性があり、熱伝導率も高い金属が使用されるのが望ましい。
かかる構成において、回転翼102がロータ軸113と共にモータ121により回転駆動されると、回転翼102と固定翼123の作用により、吸気口101を通じてチャンバから排気ガスが吸気される。吸気口101から吸気された排気ガスは、回転翼102と固定翼123の間を通り、ベース部129へ移送される。このとき、排気ガスが回転翼102に接触する際に生ずる摩擦熱や、モータ121で発生した熱の伝導などにより、回転翼102の温度は上昇するが、この熱は、輻射又は排気ガスの気体分子などによる伝導により固定翼123側に伝達される。
固定翼スペーサ125は、外周部で互いに接合しており、固定翼123が回転翼102から受け取った熱や排気ガスが固定翼123に接触する際に生ずる摩擦熱などを外部へと伝達する。
なお、上記では、ネジ付スペーサ131は回転体103の円筒部102dの外周に配設し、ネジ付スペーサ131の内周面にネジ溝131aが刻設されているとして説明した。しかしながら、これとは逆に円筒部102dの外周面にネジ溝が刻設され、その周囲に円筒状の内周面を有するスペーサが配置される場合もある。
また、ターボ分子ポンプ100の用途によっては、吸気口101から吸引されたガスが上側径方向電磁石104、上側径方向センサ107、モータ121、下側径方向電磁石105、下側径方向センサ108、軸方向電磁石106A、106B、軸方向センサ109などで構成される電装部に侵入することのないよう、電装部は周囲をステータコラム122で覆われ、このステータコラム122内はパージガスにて所定圧に保たれる場合もある。
この場合には、ベース部129には図示しない配管が配設され、この配管を通じてパージガスが導入される。導入されたパージガスは、保護ベアリング120とロータ軸113間、モータ121のロータとステータ間、ステータコラム122と回転翼102の内周側円筒部の間の隙間を通じて排気口133へ送出される。
ここに、ターボ分子ポンプ100は、機種の特定と、個々に調整された固有のパラメータ(例えば、機種に対応する諸特性)に基づいた制御を要する。この制御パラメータを格納するために、上記ターボ分子ポンプ100は、その本体内に電子回路部141を備えている。電子回路部141は、EEP-ROM等の半導体メモリ及びそのアクセスのための半導体素子等の電子部品、それらの実装用の基板143等から構成される。この電子回路部141は、ターボ分子ポンプ100の下部を構成するベース部129の例えば中央付近の図示しない回転速度センサの下部に収容され、気密性の底蓋145によって閉じられている。
ところで、半導体の製造工程では、チャンバに導入されるプロセスガスの中には、その圧力が所定値よりも高くなり、或いは、その温度が所定値よりも低くなると、固体となる性質を有するものがある。ターボ分子ポンプ100内部では、排気ガスの圧力は、吸気口101で最も低く排気口133で最も高い。プロセスガスが吸気口101から排気口133へ移送される途中で、その圧力が所定値よりも高くなったり、その温度が所定値よりも低くなったりすると、プロセスガスは、固体状となり、ターボ分子ポンプ100内部に付着して堆積する。
例えば、Alエッチング装置にプロセスガスとしてSiCl4が使用された場合、低真空(760[torr]~10-2[torr])かつ、低温(約20[℃])のとき、固体生成物(例えばAlCl3)が析出し、ターボ分子ポンプ100内部に付着堆積することが蒸気圧曲線からわかる。これにより、ターボ分子ポンプ100内部にプロセスガスの析出物が堆積すると、この堆積物がポンプ流路を狭め、ターボ分子ポンプ100の性能を低下させる原因となる。そして、前述した生成物は、排気口付近やネジ付スペーサ131付近の圧力が高い部分で凝固、付着し易い状況にあった。
そのため、この問題を解決するために、従来はベース部129等の外周に図示しないヒータや環状の水冷管149を巻着させ、かつ例えばベース部129に図示しない温度センサ(例えばサーミスタ)を埋め込み、この温度センサの信号に基づいてベース部129の温度を一定の高い温度(設定温度)に保つようにヒータの加熱や水冷管149による冷却の制御(以下TMSという。TMS;Temperature Management System)が行われている。
次に、このように構成されるターボ分子ポンプ100に関して、その上側径方向電磁石104、下側径方向電磁石105及び軸方向電磁石106A、106Bを励磁制御するアンプ回路150について説明する。このアンプ回路150の回路図を図2に示す。
図2において、上側径方向電磁石104等を構成する電磁石巻線151は、その一端がトランジスタ161を介して電源171の正極171aに接続されており、また、その他端が電流検出回路181及びトランジスタ162を介して電源171の負極171bに接続されている。そして、トランジスタ161、162は、いわゆるパワーMOSFETとなっており、そのソース-ドレイン間にダイオードが接続された構造を有している。
このとき、トランジスタ161は、そのダイオードのカソード端子161aが正極171aに接続されるとともに、アノード端子161bが電磁石巻線151の一端と接続されるようになっている。また、トランジスタ162は、そのダイオードのカソード端子162aが電流検出回路181に接続されるとともに、アノード端子162bが負極171bと接続されるようになっている。
一方、電流回生用のダイオード165は、そのカソード端子165aが電磁石巻線151の一端に接続されるとともに、そのアノード端子165bが負極171bに接続されるようになっている。また、これと同様に、電流回生用のダイオード166は、そのカソード端子166aが正極171aに接続されるとともに、そのアノード端子166bが電流検出回路181を介して電磁石巻線151の他端に接続されるようになっている。そして、電流検出回路181は、例えばホールセンサ式電流センサや電気抵抗素子で構成されている。
以上のように構成されるアンプ回路150は、一つの電磁石に対応されるものである。そのため、磁気軸受が5軸制御で、電磁石104、105、106A、106Bが合計10個ある場合には、電磁石のそれぞれについて同様のアンプ回路150が構成され、電源171に対して10個のアンプ回路150が並列に接続されるようになっている。
さらに、アンプ制御回路191は、例えば、制御装置の図示しないディジタル・シグナル・プロセッサ部(以下、DSP部という)によって構成され、このアンプ制御回路191は、トランジスタ161、162のon/offを切り替えるようになっている。
アンプ制御回路191は、電流検出回路181が検出した電流値(この電流値を反映した信号を電流検出信号191cという)と所定の電流指令値とを比較するようになっている。そして、この比較結果に基づき、PWM制御による1周期である制御サイクルTs内に発生させるパルス幅の大きさ(パルス幅時間Tp1、Tp2)を決めるようになっている。その結果、このパルス幅を有するゲート駆動信号191a、191bを、アンプ制御回路191からトランジスタ161、162のゲート端子に出力するようになっている。
なお、回転体103の回転速度の加速運転中に共振点を通過する際や定速運転中に外乱が発生した際等に、高速かつ強い力での回転体103の位置制御をする必要がある。そのため、電磁石巻線151に流れる電流の急激な増加(あるいは減少)ができるように、電源171としては、例えば50V程度の高電圧が使用されるようになっている。また、電源171の正極171aと負極171bとの間には、電源171の安定化のために、通常コンデンサが接続されている(図示略)。
かかる構成において、トランジスタ161、162の両方をonにすると、電磁石巻線151に流れる電流(以下、電磁石電流iLという)が増加し、両方をoffにすると、電磁石電流iLが減少する。
また、トランジスタ161、162の一方をonにし他方をoffにすると、いわゆるフライホイール電流が保持される。そして、このようにアンプ回路150にフライホイール電流を流すことで、アンプ回路150におけるヒステリシス損を減少させ、回路全体としての消費電力を低く抑えることができる。また、このようにトランジスタ161、162を制御することにより、ターボ分子ポンプ100に生じる高調波等の高周波ノイズを低減することができる。さらに、このフライホイール電流を電流検出回路181で測定することで電磁石巻線151を流れる電磁石電流iLが検出可能となる。
すなわち、検出した電流値が電流指令値より小さい場合には、図4に示すように制御サイクルTs(例えば100μs)中で1回だけ、パルス幅時間Tp1に相当する時間分だけトランジスタ161、162の両方をonにする。そのため、この期間中の電磁石電流iLは、正極171aから負極171bへ、トランジスタ161、162を介して流し得る電流値iLmax(図示せず)に向かって増加する。
一方、検出した電流値が電流指令値より大きい場合には、図3に示すように制御サイクルTs中で1回だけパルス幅時間Tp2に相当する時間分だけトランジスタ161、162の両方をoffにする。そのため、この期間中の電磁石電流iLは、負極171bから正極171aへ、ダイオード165、166を介して回生し得る電流値iLmin(図示せず)に向かって減少する。
そして、いずれの場合にも、パルス幅時間Tp1、Tp2の経過後は、トランジスタ161、162のどちらか1個をonにする。そのため、この期間中は、アンプ回路150にフライホイール電流が保持される。
ところで、本実施例に係る真空ポンプ、すなわちターボ分子ポンプ100のように、多段に配列された回転翼102と、回転翼102間に入れ子状に配設された複数の固定翼123と、各固定翼123を支持する複数の固定翼スペーサ125と、を外筒127内に備え、かつ、回転翼102をロータ軸113と共に回転させ、吸気口101側から外筒127内に吸入したプロセスガスを排気口133側に移送し、排気口133から外筒127外に排気する構造のターボ分子ポンプ100では、回転翼102は、回転体103としてロータ軸113と共に高速で回転をする。また、回転体103が高速回転している際に、回転翼102がプロセスガスの気体分子と衝突すると、その衝突エネルギーが回転翼102に摩擦熱として発生する。この摩擦熱は、回転翼102から固定翼123、固定翼スペーサ125を介して外筒127側に伝達される。
そこで、本実施例では、冷却スペーサとして、リング状をした固定翼スペーサ125jの外周部(以下、この外周部を「冷却スペーサ128」と言う)を鍔状に延長させ、外筒127と冷却スペーサ128とベース部129を順に軸方向に積み重ね、更に、これらの間をボルト等の締結部材134で連結して、密封構造の一体化された筒体であるハウジング126として形成している。そして、そのハウジング126の内部に回転体103、モータ121、及び、回転翼102と固定翼123で構成される排気機構などを配設している。そして、冷却スペーサ128の外周側面には、冷却水等の冷却媒体が循環する冷却手段130としての水冷管130aが設けられている。なお、本実施例のターボ分子ポンプ100では、固定翼123の材質及び固定翼スペーサ125の材質は、それぞれアルミ合金(Al)であり、外筒127の材質はステンレス(SUS)である。しかし、この材質に限定されるものではない。
そして、本実施例のハウジング126では、外筒127と冷却スペーサ128とベース部129を軸方向に順に積み重ねて一体化する際、冷却スペーサ128を設けている固定翼スペーサ125gの部分の外周部面を除く、他の固定翼スペーサ125a、125b、125c、125d、125e、125f、125h、125i、125jの各外周面125Oを、環状をしている外筒127の内周面127Iと冷却スペーサ128の内周面128Iとベース部129の内周面129Iにそれぞれ対向させて挿入配置し、固定翼スペーサ125gを除く他の各固定翼スペーサ125を、外筒127の内周面127Iと冷却スペーサ128の内周面128Iとベース部129の内周面129Iにより、ハウジング126に対して位置決め保持した状態にしている。
また、外筒127の内周面127Iと冷却スペーサ128の内周面128Iとベース部129の内周面129Iが、固定翼スペーサ125をそれぞれ保持する際、各固定翼スペーサ125の外周面125Oとハウジング126の内周面との間、すなわち、固定翼スペーサ125と、外筒127の内周面127Iと冷却スペーサ128の内周面128Iとベース部129の内周面129Iとの各間に、ある程度の遊びがないと、組立・分解作業がしづらいことになる。したがって、ターボ分子ポンプ100の組立・分解時には、固定翼スペーサ125と冷却スペーサ128との間には、上記条件(1)、すなわち
( 固定翼スペーサの外径 < 冷却スペーサの内径 )
を備える必要がある。
そこで、固定翼スペーサ125と冷却スペーサ128との間に、隙間を設けていない場合と隙間を設けた場合とでの伝熱量Qを比較すると、図6に示すような結果が得られた。
伝熱量Qの比較にあたって、図1の一部を拡大した図5を参照して説明すると、図6における各符号の中、Di1は固定翼スペーサ125の内径、Do1は固定翼スペーサ125の外径、Di3は冷却スペーサ128の内径、Do3は冷却スペーサ128の外径、Lは管(ハウジング126)の長さである。また、固定翼スペーサ125の温度が100℃、冷却スペーサ128の温度が40℃とすると、多重円管の半径方向の熱伝導の理論式は、一般に次式で表される。
Q[W]=2πL×(T1-T2)/Σ(fn)・・・式(1)
但し、fn=1/λn×In(Don/Din)
そして、隙間を設けていない場合(CASE1)と0.5mmの隙間を設けた場合(CASE2)と、5mmの隙間を設けた場合(CASE3)とでの各伝熱量を比較すると、隙間を設けていない場合(CASE1)の伝熱量Qは14,248[W]であるのに対して、0.5mmの隙間を設けた場合(CASE2)及び5mmの隙間を設けた場合(CASE3)は、何れも0.6[W]であった。すなわち、真空中において、固定翼スペーサ125と冷却スペーサ128との間に、隙間を設けていないときの伝熱量を1とした場合、固定翼スペーサ125と冷却スペーサ128との間に隙間があるときの伝熱量は、0.004%に過ぎず、さらに隙間がある以上は隙間の長短に拘わらず伝熱効果はほとんどない。このように、分子流領域の真空中での伝熱量は、隙間の大小の影響を受けないことは良く知られており、真空断熱技術として利用されている。
そこで、本実施例のターボ分子ポンプ100の構造では、固定翼123の外周面123Oと固定翼スペーサ125の内周面125Iとの間と、固定翼スペーサ125の外周面125Oと冷却スペーサ128の内周面128I(又は、固定翼スペーサ125の外周面125Oと外筒127の内周面127I)との間、の各嵌め合い構造を、それぞれ次のように設定した。
(1)組立・分解作業時の温度以下では、固定翼123の外周面123Oと固定翼スペーサ125の内周面125Iとの間、及び、固定翼スペーサ125の外周面125Oと冷却スペーサ128の内周面128Iとの間(又は、固定翼スペーサ125の外周面125Oと外筒127の内周面127oとの間)に、各々隙間が形成できるようにした。
(2)組立・分解作業後には、組立・分解作業時の温度より高い目標温度で、固定翼123の外周面123Oと固定翼スペーサ125の内周面125I、及び、固定翼スペーサ125の外周面125Oとハウジング126である冷却スペーサ128の内周面128Iとの間(又は、固定翼スペーサ125の外周面125Oとハウジング126である外筒127の内周面127Iとの間)が、各々締まり嵌め、すなわち隙間が0で互に接触するように設定した。
したがって、本実施例のターボ分子ポンプ100の構造では、組立・分解作業をするときには、作業環境を所定の温度以下にすると、固定翼123の外周面123Oと固定翼スペーサ125の内周面125I、及び、固定翼スペーサ125の外周面125Oとハウジング126である冷却スペーサ128の内周面128Iとの間(又は、固定翼スペーサ125の外周面125Oとハウジング126である外筒127の内周面127oとの間)に各々隙間ができ、固定翼123と固定翼スペーサ125と冷却スペーサ128(又は外筒127)との組立・分解作業を、簡単、かつ、スムーズに行うことができる。
一方、組立後の嵌め合い構造は、組立・分解作業が終わり、ターボ分子ポンプ100の運転が開始されると、回転翼102で生じる摩擦熱などにより、固定翼123もしくは固定翼スペーサ125が、組立作業時の温度より高温の目標温度を超える。そして、固定翼123の外周面123oと固定翼スペーサ125の内周面125Iとの間、及び、固定翼スペーサ125の外周面125Oとハウジング126である冷却スペーサ128の内周面128Iとの間(又は、固定翼スペーサ125の外周面125Oとハウジング126である外筒127の内周面127oとの間)がそれぞれ締まり嵌めとなる。これにより、固定翼123と固定翼スペーサ125と冷却スペーサ128(又は、外筒127)の間が一体化される。これにより、回転体103で発生した摩擦熱は、回転翼102と固定翼123と固定翼スペーサ125を通してハウジング126である冷却スペーサ128(又は外筒127)側に効率良く伝えられ、さらにハウジング126側、すなわち本実施例では冷却スペーサ128に設けた冷却機構である、水冷管130aを有する冷却手段130を介してハウジング126の外部に放出され、回転体103を十分に冷却することができる。これにより、回転体103のクリープの速度を遅くすることができる。
なお、嵌め合い構造の隙間の設定は、次式(2)で設定するのが好ましい。
0<隙間<R×(α1×ΔT1-α2×ΔT2) ・・・(2)
ここで、Rは外筒127の内周における半径、α1は固定翼123または固定翼スペーサ125の線膨張係数、α2は外筒127の線膨張係数、ΔT1は固定翼123または固定翼スペーサ125の温度上昇、ΔT2は外筒127の温度上昇である。すなわち、ここでの設定は、外筒127、固定翼123、固定翼スペーサ125等の各部品が所定の温度まで上昇したときにおける隙間の減少量より、全体の隙間の初期値を小さくする。これにより、所定の温度に上昇したら、隙間がなくなり、接触して締まり嵌め合いとなる。
(具体例1)
具体例を示すと、外筒127の内周における半径Rが100ミリ、固定翼123または固定翼スペーサ125をアルミ合金(Al)で製作すると、そのアルミ合金の線膨張係数α1は0.000024、外筒127をステンレス(SUS)で製作すると、そのステンレスの線膨張係数α2は0.000017、固定翼123又は固定翼スペーサ125の温度上昇ΔT1を100℃(120℃まで上昇)、外筒127が20℃(40℃まで上昇)とすると、
隙間 = 100×(0.000024×100-0.000017×20)=0.206mm
となる。したがって、隙間は0.206未満に設定して実施すればよいことになる。すなわち、本実施例では、冷却機構を設ける外筒127(又は冷却スペーサ128側)側を線膨張係数が小さい、例えばステンレスとし、固定翼123又は固定翼スペーサ125を線膨張係数が大きいアルミ合金とした場合である。
なお、本実施例のターボ分子ポンプ100の構造では、全ての固定翼123と固定翼スペーサ125との間を対象としたが、全ての固定翼123と固定翼スペーサ125との間を対象とすることなしに、少なくとも1つ以上の固定翼123と固定翼スペーサ125との間を対象としたものであってもよい。
また、回転体103で発生した摩擦熱を、固定翼123、固定翼スペーサ125を通してハウジング126での外部に熱放出する冷却手段130として、水冷管130aを設けた冷却スペーサ128の場合で説明したが、冷却手段130としては、これ以外の例えば冷却フィンを用いた冷却機構等を使用してもよい。さらに、一部の固定翼スペーサ125と外筒127とが一体化された構造、又は、及び一部の固定翼スペーサ125とベース部129とが一体化された構造にしてもよい。
また、嵌め合い構造は固定翼123と固定翼スペーサ125の全てが目標温度に応じて同時に締まり嵌めとなる構造を開示した。しかし、これも、固定翼123の外周面123Oと固定翼スペーサ125の内周面125Iとの間における嵌め合い公差を、例えば吸気口101側の固定翼123a~123fと固定翼スペーサ125a~125fの上段側と、排気口133側の固定翼123g~123jと固定翼スペーサ125g~125jの下段側とで、異なる値となるように設定してもよい。このような構造にすると、吸気口101側と排気口133側での固定翼123の外周面123Oと固定翼スペーサ125の内周面125Iとの間における締まり嵌めが、運転を開始してから略同じ時間に形成され、効率良く放熱することができる。
また、嵌め合い構造は、固定翼123と固定翼スペーサ125の全てについて締まり嵌めとなる構造を開示したが、排気口133側(下段側)の、例えば固定翼123g~123jと固定翼スペーサ125g~125jのみを所定の温度(目標温度)で締まり嵌めとなるようにしてもよい。この構造の場合では、発熱源である排気口133側の下段を直接冷却できるため、過熱を防止できる。
また、逆に、吸気口101側(上段側)の、例えば固定翼123a~123fと固定翼スペーサ125a~125fのみ、所定の温度(目標温度)で締まり嵌めとなるようにしてもよい。この構造では、排気口133側(下段側)を冷却しないことで、圧力が高い排気口133側の下段への反応生成物の堆積を防止できる。
また、上記実施例では、固定翼123の外周面123oは、固定翼スペーサ125を介して外筒127の内周面125I、又は、冷却スペーサ128の内周面128I、ベース部129の内周面129Iの何れかに締まり嵌めする構造を開示した。しかし、この構造に変えて、例えば図7に示すように、固定翼123の外周側の上下に固定翼スペーサ125を各々配置し、軸方向の位置決め固定を固定翼スペーサ125で行い、固定翼123の外周面123Oを、外筒127の内周面127I、又は、冷却スペーサ128の内周面128I、ベース部129の内周面129Iの何れかで直接締まり嵌めする構造にしてもよい。
また、上記実施例では、ハウジング126として、外筒127と、冷却スペーサ128とベース部129とを積み重ねて筒状に形成し、水冷管130aを冷却スペーサ128に設けた構造を開示した。しかし、この構造に変えて、例えば図8に示すように、冷却スペーサ128を一体化した外筒127を形成し、外筒127の下端部にベース部129を締結部材134で固定して、筒状をしたハウジング126としてもよい。この構造では、固定翼123の外周面123oは、固定翼スペーサ125を介して外筒127の内周面127I、又は、ベース部129の内周面129Iの何れかに締まり嵌めされる。
なお、本発明の実施形態および各変形例は、各々を適宜組み合わせても構わない。
また、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を成すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
100 :ターボ分子ポンプ
101 :吸気口
102 :回転翼
102d :円筒部
103 :回転体
113 :ロータ軸
123 :固定翼
125 :固定翼スペーサ
125O :外周面
126 :ハウジング
127 :外筒(ハウジング)
128 :冷却スペーサ(ハウジング)
128I :内周面
129 :ベース部(ハウジング)
129I :内周面
130 :冷却手段
130a :水冷管
133 :排気口

Claims (7)

  1. 一端側が吸気口に通じ、他端側が排気口に通じているハウジングと、
    前記ハウジングに配設された冷却機構と、
    前記ハウジング内に配設されたロータ軸と、
    多段状に配列された複数の回転翼を有して、前記ロータ軸に締結された回転体と、
    前記ハウジングの内面に設けられ、前記回転翼間に配設された複数の固定翼と、
    前記固定翼を支持する複数の固定翼スペーサと、を備え、
    前記固定翼と前記固定翼スペーサの少なくとも一つの外周面と前記ハウジングの内周面が嵌め合い構造である真空ポンプであって、
    前記嵌め合い構造が、組立作業時の温度以下では前記固定翼と前記固定翼スペーサの少なくとも一方の前記外周面と前記ハウジングの前記内周面との間に隙間が形成され、前記組立作業時の温度より高温の目標温度では前記固定翼と前記固定翼スペーサの少なくとも一方の前記外周面と前記ハウジングの前記内周面との間が締まり嵌めとなる、ことを特徴とする真空ポンプ。
  2. 前記固定翼スペーサの少なくとも一つが、前記ハウジングと一体構造化されている、ことを特徴とする請求項1に記載の真空ポンプ。
  3. 前記固定翼と前記固定翼スペーサの少なくとも一方の前記外周面と前記ハウジングの前記内周面との間における嵌め合い公差が、前記吸気口側と前記排気口側で異なる値に設定されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の真空ポンプ。
  4. 前記嵌め合い構造において、前記固定翼または前記固定翼スペーサのうち前記吸気口側の段のみが、前記目標温度で締まり嵌めとなる、ことを特徴とする請求項3に記載の真空ポンプ。
  5. 前記嵌め合い構造において、前記固定翼または前記固定翼スペーサのうち前記排気口側の段のみが、前記目標温度で締まり嵌めとなる、ことを特徴とする請求項3に記載の真空ポンプ。
  6. 前記ハウジングは、前記固定翼と前記固定翼スペーサの少なくともいずれか一方より線膨張係数が小さい材料である、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の真空ポンプ。
  7. 前記嵌め合い構造の前記隙間が次式で設定されている、ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の真空ポンプ。
    0<隙間<R×(α1×ΔT1-α2×ΔT2)
    ここで、Rは前記ハウジング内径の半径、α1は前記固定翼または前記固定翼スペーサの線膨張係数、α2は前記ハウジングの線膨張係数、ΔT1は前記固定翼または前記固定翼スペーサの温度上昇、ΔT2は前記ハウジングの温度上昇である。
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