JP2023010185A - 消火栓装置及び架台 - Google Patents

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Hiroshi Umehara
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Abstract

【課題】トンネル壁面を箱抜きすることなく、監視員通路の幅の制約を最小限に抑えて設置場所の監視員通路上の適切な高さに消火栓装置を設置可能として施工性を向上させる。【解決手段】トンネルの監視員通路34に、トンネル壁面26に寄せて架台28を設置し、この架台28上に消火栓装置10の筐体11a,11bを取付け固定する。架台28は第1架台30と第2架台32で構成され、第1架台30はトンネル壁面26の湾曲形状に沿うように、奥行方向の側面が底辺に対し上辺が長い逆台形の形状を呈する。消火栓装置10は筐体底部の奥行方向の最小幅を内部に収納される消火器の外径に対応した所定の幅として薄型化する。【選択図】図1

Description

本発明は、消火用ホース、消火器等を収納してトンネル内に設置された消火栓装置及び架台に関する。
従来、高速道路や自動車専用道路などのトンネル内には、トンネル非常用設備として消火栓装置が設置されている。消火栓装置は、消火栓扉を備えた筐体の消火栓収納部に、先端にノズルを装着したホースとバルブ類が収納され、また、消火器扉を備えた消火器収納部に、例えば、2本の消火器が収納されている。また、消火栓装置は、一般的に、トンネル長手方向に、例えば、50メートル間隔でトンネル壁面を箱抜きして埋込み設置されている。
ところで、シールド工法等により作られたトンネルにあっては、トンネル躯体の構造上、トンネル壁面を箱抜きして消火栓装置を埋込み設置することがコストや手間の関係から困難であることから、監視員通路に消火栓装置を露出した状態で設置する必要がある。
また、消火栓装置をトンネル壁面に箱抜きすることなく設置するため、トンネル壁面に消火栓装置を設置する壁掛け構造の架台が提案されており、この場合、架台は壁面に固定される主支持部と消火栓装置の姿勢を保持する姿勢保持部材等から構成されている(特許文献2)。
特開2016-055073号公報 特開2020-078429号公報
しかしながら、トンネル壁面に消火栓装置を設置する壁掛け構造にあっては、消火栓装置を監視員通路から所定の高さに設置するため、トンネル壁面の躯体に複数のインサートアンカーを埋め込み、架台をこのインサートアンカーに固定する。その後、重量物である消火栓装置を押し上げて所定のボルト穴に一旦ボルトを通した後に架台に固定していく必要があり、その場合、消火栓装置の裏面側に形成されたボルト穴の場所を探らなければならず、消火栓の構造を考えると、化粧パネル、前傾扉、上扉、消火器扉等が閉じられた状態にあるため手探りとならざるを得ず、壁面への取付けは相当やり難いものとなる。
また、トンネル壁面の躯体に複数のインサートアンカーを埋め込むために工数と時間が多く取られ、さらに、消火栓装置の背面に複数のボルト固定用の穴が開けられることから、トンネル内の雨水やトンネル壁面への漏水等があった場合、消火栓筐体内に浸水して内部機器に影響を及ぼすことが想定されるので、極力穴の数を少なくすることが望まれる等の多くの課題が残されている。
このような壁掛け構造によるトンネル壁面への消火栓装置の問題を解消するためには、監視員通路上に消火栓装置を露出した状態で設置する、いわゆる据置き構造とすることが考えられる。しかしながら、消火栓装置の設置により監視員通路の幅が制約されることとなり、監視員通路の幅を確保するために、消火栓装置の奥行きを極力小さくすることが求められ、消火栓装置の薄型化が解決課題として残されている。なお、この課題は壁掛け構造においても同様である。
また、消火栓装置に設けられた通報装置扉には、火災通報を行うための発信機が設けられており、非常時の通報を確実に行えることが考慮され、消防法においては、監視員通路の路面など人が操作する場合に立つ面から、800mm~1500mmの間の高さに発信機を取り付けることが規定され、この規定を満たすべく路面より高い位置に消火栓装置を設置する構造が解決課題として残されている。
本発明は、トンネル壁面を箱抜きすることなく、監視員通路の幅の制約を最小限に抑えて設置場所の監視員通路上の適切な高さに設置可能とすると共に、施工性を向上させる消火栓装置及び架台を提供することを目的とする。
(第1発明:消火栓装置)
本発明は、道路を有するトンネルの内部に設置され、筐体内に消火用ホース及び消火器が収納された消火栓装置であって、
筐体は、トンネルの監視員通路に、当該トンネルの壁面に寄せて設置された架台上に取付け固定されたことを特徴とする。
(架台内部の収納空間)
架台は、外形の内部側に収納空間を有する。
(架台の高さ)
架台は、トンネルの壁面が円形断面を有する場合、円形断面の水平中心線に、筐体の高さ方向の中心線が一致するか、又は、両中心線の間隔が所定寸法以下に近接するように、高さが設定される。
(架台の構成)
架台は、設置場所の路面上に設置された状態で、奥行方向の側面が底辺に対し上辺が長い逆台形の形状を呈する。
(筐体の形状)
筐体は、背面の下端と前面の下端との幅が、内部に収納される消火器の外径に対応した所定の最小幅である。
(筐体の高さと横幅)
筐体は、消火用ホース及び消火器を含む所定の機器を収納可能とする所定の収納容積を有し、当該所定の収納容積を満たすように、高さと横幅が設定される。
(筐体上部のトンネル壁面支承)
筐体は、上部側をトンネルの壁面に取付けて支承する壁面固定部材を備える。
(架台を通した給水配管の引込み)
架台は、収納空間に、給水配管を通して筐体に引き込む配管支持部を備える。
(架台を通した給水配管の凍結防止)
配管支持部は、給水配管に、保温材又は保温加熱体を用いた凍結防止構造を備える。
(架台を通したケーブルの引込み)
架台は、収納空間に、ケーブルを通して筐体に引き込こむケーブルラックを備える。
(第2発明:消火栓装置の架台)
本発明は、道路を有するトンネルの内部に、消火栓装置の筐体を取付け固定する架台であって、
外形の内部側に収納空間を有し、トンネルの監視員通路に、当該トンネルの壁面に寄せて設置されたことを特徴とする。
(架台の高さ)
架台は、トンネルの壁面が円形断面を有する場合、円形断面の水平中心線に、筐体の高さ方向の中心線が一致するか、又は、両中心線の間隔が所定寸法以下に近接するように、高さが設定される。
(架台の構成)
架台は、設置場所の路面上に設置された状態で、奥行方向の側面が底辺に対し上辺が長い逆台形の形状を呈する。
(架台を通した給水配管の引込み)
架台は、収納空間に、給水配管を通して筐体に引き込む配管支持部を備える。
(架台を通した給水配管の凍結防止)
配管支持部は、給水配管に、保温材又は保温加熱体を用いた凍結防止構造を備える。
(架台を通したケーブルの引込み)
架台は、収納空間に、ケーブルを通して筐体に引き込むケーブルラックを備える。
(第1発明:消火栓装置の効果)
本発明の消火栓装置によれば、筐体が、トンネルの監視員通路に、当該監視員通路上の通行スペースを確保しつつ(通行を妨げにならないようにして)トンネルの壁面に寄せて設置された架台上に取付け固定されることで、トンネル壁面を箱抜きして消火栓装置を埋込み設置することができない構造であっても、監視員通路の路面上への突出量(つまり、トンネル壁面から道路側への突出量)を最小限に抑えた消火栓装置の設置を可能とする。
また、架台は監視員通路に埋め込まれたアンカーボルトにより路面上に固定されるが、路面に対するアンカーボルトの埋め込みは簡単で、アンカーボルトへ架台底部のボルト穴を嵌め込んで固定することも容易であることから、架台設置の施工性が向上する。また、架台の高さの設定により、消火栓装置に設けられた発信機の高さを法的に定められた高さの範囲に簡単且つ容易に設定可能とする。また、消火栓装置を架台上に取付け固定するボルト穴は消火栓装置の底部に形成されていることから、トンネル内の雨水やトンネル壁面への漏水等があった場合、消火栓筐体内に浸水して内部機器に影響を及ぼすことを確実に防止可能とする。
(架台内部の収納空間による効果)
架台は、外形の内側に収納空間を有する。この収納空間に、例えば消火栓装置に対する配線や配管類等を収納することにより、スペースを有効に活用することが可能になる。このため、消火栓装置や消火栓装置に付属する配線(ケーブル)類、配管類その他の設置スペース全体を薄くすることが出来、監視員通路の路面上への突出量を抑制することが出来る。
(架台の高さによる効果)
また、トンネルの壁面が円形断面を有する場合、円形断面の水平中心線に、筐体の高さ方向の中心線が一致するか、又は、両中心線の間隔が所定寸法以下に近接するように、架台の高さが設定されることで、円弧となるトンネル壁面の湾曲形状に最も近付いた筐体の配置となり、消火栓装置の監視員通路への突出量を最小とし、路幅の制限を低減可能とする。また、円形断面の水平中心線に、筐体の高さ方向の中心線が可能な限り近付く架台の所定高さとなることで、消火栓装置の監視員通路への突出(出っ張り)を低減し、路幅の制限を低減可能とする。
(架台の構成による効果)
また、消火栓装置を取付け固定する架台は、トンネル壁面と対向する側の縦断面形状(側面から見た上下方向断面形状)をトンネル壁面の屈曲に対応させ、具体的には、奥行方向の側面が底辺に対し上辺が長い逆台形の形状を呈することで、架台の側面形状を矩形とした場合に比べ、架台を壁面により近付けて設置することが可能となり、これにより架台の上に取付け固定される消火栓装置の筐体も壁面に近付いた配置となり、消火栓装置の設置による監視員通路の制約を低減可能とする。
(筐体の形状による効果)
また、消火栓装置の筐体は、背面の下端と前面の下端との幅が、内部に収納される消火器の外径に対応した所定の最小幅であることで、例えば、筐体の奥行寸法が従来の半分程度となり、従来の壁面を箱抜きして設置する場合の消火栓装置に比べて大幅に薄型化し、監視員通路の路幅の制約を低減可能とする。
(筐体の高さと横幅による効果)
また、消火栓装置の筐体は、消火用ホース及び前記消火器を含む所定の機器を収納可能とする所定の収納容積を有し、当該所定の収納容積を満たすように、高さと横幅が設定されたことで、筐体を薄型化しても、薄型化した分、高さと横幅を大きくすることで、必要とする機器の収納を可能とする。
(筐体上部のトンネル壁面支承による効果)
また、筐体は、上部側を壁面支承部材によってトンネルの壁面に取付けて支承されたことで、薄型化により倒れ易くなっても、トンネル壁面に確実に支承可能とする。
(架台を通した給水配管の引込みの効果)
また、架台は、外形の内側に収納空間を有し、当該収納空間内に給水配管を通して筐体に引き込む配管支持部を備えることで、消火栓装置の横や背後に配管の設置スペースを確保する必要がなく、監視員通路の制約をより少なくすることを可能とする。また、消火栓装置の周囲に配管が露出しないことから、設備の仕上がり具合が適切で見栄えを損なうこともない。更に、配管配置スペースの少なくとも一部を架台の収納空間に設けているので、消火栓装置内部配管配置スペースも小さくすることが出来、消火栓装置自体も薄型にすることが出来る。
(架台に通した給水配管の凍結防止の効果)
また、配管支持部は、給水配管に、保温材又は保温加熱体を用いた凍結防止構造を備えることで、寒冷地のトンネルに設置した場合の凍結防止が確実に行われ、また、架台に設けていることから、保温材又は保温加熱体の取付けが容易で、維持管理も簡単になる。
(架台を通したケーブルの引込みの効果)
また、架台は、外形の内側に収納空間を有し、当該収納空間内にケーブルを通して消火栓装置に引き込こむケーブルラックを備えることで、消火栓装置の横や背後にケーブルを通すためスペースを確保する必要がなく、監視員通路の制約をより少なくすることを可能とする。また、消火栓装置の周囲にケーブルが露出しないことから、設備の仕上がり具合が適切で見栄えを損なうこともない。更に、ケーブル配線に要するスペースの少なくとも一部を架台の収納空間内に設けているので、消火栓装置内部のケーブル配線スペースも小さくすることが出来、消火栓装置自体も薄型にすることが出来る。
(第2発明:架台の効果)
本発明による消火栓装置をトンネル内に取付け固定する架台の効果については、前述した消火栓装置における架台の効果と同様であることから、その説明は省略する。
監視員通路上に設置した消火栓装置の実施形態を示した説明図である。 消火栓装置の架台による設置高さを示した説明図である。 消火栓装置の内部構造を、消火栓扉を開いて正面から示した説明図である。 消火栓装置の内部構造を平面で示した説明図である。 消火栓装置の内部構造を側面から示した説明図である。 架台を取り出して示した斜視図である。 架台の平面、正面、側面を示した説明図である。 配管支持部を備えた架台により設置された消火栓装置を示した説明図である。 図8の架台を取り出して示した斜視図である。 図8の配管支持部を取り出して示した斜視図である。 図8の配管支持部を正面、側面及び平面で示した斜視図である。 凍結防止構造を備えた架台を示した説明図である。 図12の配管支持部の片側を取り出して組立分解構造を示した説明図である。 ケーブルラックを備えた架台を示した斜視図である。
以下に、本発明に係る消火栓装置及び架台の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態により、本発明が限定されるものではない。
[実施形態の基本的な概念]
まず、実施形態の基本的概念について説明する。実施形態は、概略的に、トンネル用の消火栓装置及びその架台に関するものである。
ここで、「消火栓装置」とは、高速道路や自動車専用道路などのトンネル内に設置するトンネル非常用設備の一種であり、トンネル内に設置された筐体内に消火用ホース及び消火器が収納されたものであり、消火栓設備を含む概念である。
また、「架台」とは、柱と梁などによって物を支える構造を指すものであり、支持台、土台、基台、台座、ベースなどの概念を含むものである。本実施形態の架台は、シールド工法などにより構築された湾曲したトンネル壁面の長手方向に沿った監視員通路上で、トンネル壁面に寄せて設置され、監視員通路上の所定の高さに消火栓装置の筐体を取付け固定するものである。また、本実施形態の架台は、設置場所となる監視員通路の路面上に設置された場合に、トンネル壁面の湾曲形状に沿うように、奥行き方向の側面が底辺に対し上辺が長い逆台形の形状を呈するものでる。
また、本実施形態による架台は、消火栓装置を監視員通路側への突出量を低減する高さに設置するものであり、トンネル壁面が円形断面を有する場合、円形断面の水平中心線に、筐体の高さ方向の中心線が一致するように、又は、両中心線の間隔が所定寸法以下に近接するように、架台の高さを設定するものである。ここで、円形断面の水平中心線に、筐体の高さ方向の中心線が一致するように、架台の高さが設定された場合には、監視員通路側への突出量を最小として路幅の制約を低減可能とし、また、円形断面の水平中心線に筐体高さ方向の中心線が可能な限り近付く架台の所定高さとされた場合には、近づけた分、監視員通路側への突出量を低減して路幅の制約を低減可能とする。
また、本実施形態による消火栓装置の筐体は、背面の下端と前面の下端との幅が、内部に収納される消火器の外径に対応した所定の最小幅とすることで薄型化したものであり、架台による消火栓装置の設置高さと相まって、監視員通路の路面幅の制約を抑えることを可能とするものである。
また、筐体が薄型化されても、消火用ホース及び消火器を含む所定の機器を収納可能とする所定の収納容積を満たすように、筐体の高さ及び又は横幅を大きくするように設定するものである。
更に、筐体の薄型化に伴い架台による支持が不安定になることから、筐体の上部側を壁面支承部材によってトンネル壁面に取付けて支承するものである。
また、本実施形態の架台は、給水配管を通して筐体に引き込む配管支持部を備えるものであり、寒冷地に設置される場合、配管支持部は、給水配管に、保温材又は保温加熱体を用いた凍結防止構造を備えるものである。また、本実施形態の架台は、ケーブルを通して筐体に引き込こむケーブルラックを備えるものである。これにより架台内部のスペースを有効に活用し、消火栓装置の周囲に配管やケーブルを引き込むためのスペースの確保を不要とする。
以下、具体的な実施形態を説明する。以下に示す具体的な実施形態では、「消火栓装置の架台」が「監視員通路に固定される逆台形状の第1架台」と「その上に載置されて筐体を取付け固定する第2架台」とで構成されるものであり、「筐体は、背面の下端と前面の下端との幅を、内部に収納される消火器の外径に対応した所定の最小幅とすることで薄型化する」ものである場合について説明する。
[実施形態の具体的内容]
消火栓装置の消火栓装置及び架台について、より詳細に説明する。その内容については以下のように分けて説明する。
a.消火栓装置
a1.消火栓装置の概要
a2.消火栓装置の設置
a3.消火栓装置の設置高さと薄型化
a4.消火栓装置の内部構造
b.消火栓装置の架台
c.配管支持部を備えた架台
c1.第2架台
c2.配管支持部
c3.凍結防止構造を備えた配管支持部
c4.凍結防止構造を備えた配管支持部の取付け手順
d.ケーブルラックを備えた架台
e.本発明の変形例
[a.消火栓装置]
本実施形態によるトンネル用の消火栓装置及び架台について、より詳細に説明する。図1は、トンネル内における消火栓装置の設置を示した説明図であり、図1(A)にトンネル横断面で見た消火栓装置の設置を示し、図1(B)にトンネル壁面方向に見た消火栓装置の設置を示している。
(a1.消火栓装置の概要)
消火栓装置について、概要を説明する。図1(B)に示すように、消火栓装置10は、消火栓収納部側の筐体11aと消火器収納部側の筐体11bに分割された構造であり、筐体11a,11bの前面には化粧枠13a,13bが装着されている。
ここで、図1の説明では、X-Y-Z方向が互いに直交する方向であり、具体的には、図1(A)(B)のように消火栓装置の前面を正面に見て、X方向が左右方向とし、Y方向が上下方向とし、Z方向が前後方向とする。また、X方向における+X側は右側、-X側は左側とし、Y方向における+Y側は上側、-Y側は下側とし、Z方向における+Z側は前側とし、-Z側は後側とする。この点は本発明の実施形態となる図2~図28においても同様となる。
消火栓収納部側の化粧枠13aの扉開口部は上下に分割され、扉開口部の下側にヒンジ12aにより下向きに開く前傾式の消火栓扉12が設置され、扉開口部の上側にヒンジ14aにより上向きに開く保守扉14が設置され、その内部である消火栓収納部には消火用ホースと消火栓弁を含むバルブ類が収納されている。
消火器収納部側に装着された化粧枠13bの扉開口部の左側には、ヒンジ16aにより左向きに横開きする消火器扉16が設けられ、内部である消火器収納部に、例えば、2本の消火器を収納可能としている。また、消火器扉16の下側には覗き窓17が設けられ、外部から消火器の収納状態の有無を確認可能としている。
化粧枠13bの扉開口部の右側には、ヒンジ18aにより右向きに横開きする電装扉18が設けられている。電装扉18には、電装機器として、例えば、赤色表示灯20、発信機22及び応答ランプ24が設けられ、また電装扉18の筐体内側には電話ジャック25(図3参照)が設けられている。
赤色表示灯20は常時点灯し、消火栓装置10の設置場所が遠方から確認できるようになっている。火災が発生し、発信機22が押されて押し釦スイッチがオンすると、発信信号が送信され、これを受信した防災受信盤から火災警報が出力される。消火栓装置10は、防災受信盤からの応答信号を受信して、赤色表示灯22が点滅し、応答ランプ24が点灯する。
(a2.消火栓装置の設置)
トンネル内の消火栓装置の設置について、より詳細に説明する。シールド工法により構築された円筒状(円形断面)のトンネル躯体の下部には道路36がトンネル長手方向に構築され、道路36の片側に沿ったトンネル壁面26の下側に、道路36に対し所定高さの監視員通路34が構築されている。
シールド工法によるトンネル壁面26は、消火栓装置10を設置するための箱抜きが困難であることから、監視員通路34上のトンネル壁面26に寄せて架台28が設置され、架台28上に消火栓装置10の筐体11a,11bが取付け固定されている。ここで、監視員通路34の路面から消火栓装置10に設けられた発信機22までの高さが、法的に定められた800mm~1500mmの間に入るように、架台28の高さH1が設定されている。
また、本実施形態の架台28は、第1架台30と第2架台32で構成されている。第1架台30は、図1(A)に示すように、側面形状を底辺に対し上辺が長い逆台形とし、トンネル壁面26の湾曲形状に沿って後側が斜め下向きの勾配面となるようにしている。第2架台32は第1架台30の上に固定され、消火栓装置10の筐体11a,11bを取付け固定するものである。
(a3.消火栓装置の設置高さと薄型化)
消火栓装置の設置高さと薄型化について、より詳細に説明する。架台28により監視員通路34上に設置された消火栓装置10の突出(出っ張り)による通路幅の制約を低減するため、消火栓装置10の設置高さを最適化し、併せて、消火栓装置10を可能な限り薄型化する。
まず、架台28の高さH1の最適化について、より詳細に説明する。図2はトンネル横断面における消火栓装置の設置状態を概略的に示している。消火栓装置10が設置されるトンネル壁面26は円形断面となっており、図2(A)にあっては、トンネル中心(円形断面の中心)Pからの水平方向のトンネル中心線SL1に対し、監視員通路34上に設置された消火栓装置10は、その高さ方向の中心を通る水平方向の筐体中心線SL2が可能な限り近付くように、架台28の高さH1が設定されている。なお、消火栓装置10は、側面形状を縦長の矩形とした場合を例にとっている。
この場合、筐体中心線SL2をトンネル中心線SL1に近づけるほど、消火栓装置10がトンネル壁面26から飛び出す度合いを低減することができ、路幅の制約を低減可能とする。
図2(B)は、筐体中心線SL2をトンネル中心線SL1に一致させるように架台28の高さH1が設定された場合を示す。この場合には、消火栓装置10がトンネル壁面26から飛び出す度合いを最小とすることができ、監視員通路の路幅の制約を更に低減可能とする。ただし、消火器の取出し等を踏まえ、可能な範囲での調整となる。
次に、消火栓装置10の薄型化について、より詳細に説明する。消火栓装置10を薄型化するためには、消火栓装置10の筐体背面をトンネル壁面26に沿った形状とすることが有効である。消火栓装置10の筐体11a,11bを薄型化するための形状は任意であるが、例えば、図1(A)に示すように、筐体11a,11blの側面形状として、上側の高さH3の部分については、前面及び背面15aを鉛直面となっているが、下側の高さH4の部分については、前面は鉛直面であるが、背面15bがトンネル壁面34の湾曲形状に沿った前方下向きの傾斜面となっており、筐体11a,11bの底部で最小幅となっている。なお、背面15bを傾斜面とせず、鉛直面としても良い。
ここで、筐体11a,11bの底部の最小幅(最小奥行幅)は、消火器収納部となる筐体11bに消火器が収納できればよいことから、収納する消火器の直径に合わせた幅とする。消火器の直径は、概ね150mmを超えないことから、筐体11a,11bの底部の最小幅は、消火器案内部の設置を考慮して、例えば、180~200mm程度とする。これに対しトンネル壁面の箱抜きに設置されている公知の消火栓装置の筐体幅は、概ね300mm程度であることから、本実施形態の筐体最小幅は、従来の約半分程度に薄くできる。また、傾斜面となる背面15bの上部及び背面15aまでの筐体幅は、概ね200mmとなり、従来の筐体幅の2/3程度に薄型化される。
このような筐体11a,11bの薄型化に対し、消火用ホース、バルブ類、電装機器、消火器等を収納する収納容積は変わらないことから、所定の収納容積が得られるように、筐体11a,11bの横幅Wや高さH2を増加させた寸法に設定される。ここで、本実施形態では、消火栓扉12、保守扉14、消火器扉16及び電装扉18として、箱抜き設置した従来の消火栓装置と同じサイズのものが使用されている。その結果、本実施形態にあっては、横幅Wに変化はないが、高さH2が従来装置より増加した縦長のサイズに変更されている。勿論、所定の収納容積が得られるように、横幅Wと高さH2の両方を増加させてもよい。
監視員通路34の内部はダクト40となっており、そこに給水本管42が敷設され、消火栓装置10の設置場所ごとに分岐管44が引き出され、仕切弁46(例えば、ボール弁)を介して給水配管48が架台28の中を通して筐体11aの内部に引き込まれている。また、図示を省略しているが、ダクト40には、消火栓装置10に接続される各種のケーブルも施設されており、消火栓装置10の設置場所ごとに下から架台28を通して筐体11a内に引き込まれている。このため、消火栓装置10の左右又は背後に、給水配管やケーブルを引き込むためのスペースを確保する必要がなく、見栄えも良くなる。
(a4.消火栓装置の内部構造)
消火栓装置の内部構造について、より詳細に説明する。図3乃至図5は消火栓装置の内部構造を示しており、図3は消火栓扉を開いて正面から、図4は平面で、図5は側面から示している。図3乃至図5に示すように、消火栓収納部となる筐体11aの内部(消火栓扉12の内側)は、バルブ類収納部50aとホース収納部50bに分けられている。
バルブ類収納部50aには、架台28を通して下から給水配管48が引き込まれて給水栓54に接続され、また、給水配管48は下向きに分岐し、消火栓弁56及び自動調圧弁58が設けられ、続いてホース62が接続されている。消火栓弁56は、消火栓弁開閉レバー60により開閉操作されるものであり、消火栓弁開閉レバー60が開閉操作されると公知のワイヤーリンク機構により消火栓弁56が遠隔的に開閉する。また、消火栓弁開閉レバー60が開閉操作されると、操作ボックスに設けられたポンプ起動連動スイッチが操作に連動してオン、オフする。また、給水栓54の右上には、消防隊が使用するポンプ起動スイッチ65が設けられている。
ホース収納部50bには、ホース収納フレーム64が設けられ、下側から引き込まれたホース62が右回りの内巻き状態で収納されている。また、ホースガイド66を通して引き出されたホース62の先端にはノズル68が装着され、ノズルホルダー70に着脱自在に保持されている。
ここで、筐体11aの薄型化に伴い、高さH2を従来装置より増加させたため、図3に示すように、ホース収納フレーム64の高さも増加している。これによりホース62の1ターン当り(1巻き当り)の長さが増加し、ホース62を重ね巻きするターン数が減少することで、筐体11aを薄型化しても所定長のホース62、例えば、30mのホース62を内巻き状態で収納可能としている。なお、ホース収納部の高さがホース収納時の操作を阻害する場合は、筐体11aの高さH2ではなく、横幅Wを長くする。
筐体11bの内部(消火器扉16の内側)は消火器収納部52であり、図4に示すように、2本の消火器74が収納されている。ここで、筐体11a,11bの背面下側は、図1(A)及び図5に示すように、前方に向けて斜め下向きの傾斜面15bとなっており、鉛直面15aとなる上部の幅D2に対し底部の奥行幅D1は最小幅となっている。底部の最小幅D1は、消火器74を収納可能であればよいことから、前述したように、消火器74の直径に対応して、例えば、D1=180~200mm程度となっている。
また、消火器収納部52の背面には、端子箱72a,72bが設置されている。端子箱72aには、電装扉18に設けられた赤色表示灯20が接続され、端子箱72bには、電装扉18に設けられた発信機22、応答ランプ24及び電話ジャック25が接続され、更に、バルブ類収納部50aに設けられたポンプ起動スイッチ65とポンプ起動連動スイッチが接続されている。
端子箱72a,72bは、筐体11bの薄型化に伴い、従来装置のように消火器74の後部の筐体背面に設置することができないので、薄型化に伴い増加した消火器収納部52の上部の空きスペースの筐体背面に設置されている。
[b.消火栓装置の架台]
消火栓装置の架台について、より詳細に説明する。図6は架台の斜視図であり、図7(A)(B)(C)に平面、正面及び側面を示している。
図6及び図7に示すように、架台28は、第1架台30と第2架台32で構成されている。第1架台30は、例えば、アングル材等を所定長さに切断して箱形に溶接固定したものであり、側面から見て底辺に対し上辺が長い逆台形となるようにアングル材等が配置されている。
第2架台32は、例えば、所定の長さに切断したアングル材を箱形に配置して溶接固定したものであり、前後の2つをペアとする取付穴76が上面の長手方向の3箇所に分けて形成されている。取付穴76は、消火栓装置10の筐体底部の取付穴に対応した位置に形成されており、両者の取付穴を位置合せした状態でボルトを通してナットにより締め付け固定される。また、第1架台30と第2架台32は、任意の固定手段、例えば、通しボルトとナット、或いは、溶接等により固定される。
なお、本実施形態は、架台28をトンネル壁面の湾曲形状に合わせるための第1架台30と、筐体11a,11bを取付け固定するための第2架台32に分けられているが、両者を一体構造とした架台28であってもよい。
[c.配管支持部を備えた架台]
配管支持部を備えた架台を用いた消火栓装置について、より詳細に説明する。図8は、トンネル内における消火栓装置の設置を示した説明図であり、図8(A)にトンネル横断面で見た消火栓装置の設置を示し、図8(B)にトンネル壁面方向に見た消火栓装置の設置を示している。
図8に示すように、監視員通路34のトンネル壁面26に寄せて架台28が設置され、消火栓装置10が所定の高さに取付け固定されている。本実施形態の架台28は、図1に示した側面が逆台形となる第1架台30と、配管支持部122を備えた第2架台120で構成されている。ダクト40内に敷設された給水本管42からの分岐管44は、仕切弁46を介して給水配管48として立ち上げられ、第2架台に設けられた配管支持部122を通して消火栓装置10の筐体11a内に引き込まれている。それ以外の構造は、図1の実施形態と同様になる。
(c1.第2架台)
配管支持部122を備えた第2架台120について、より詳細に説明する。図9は、図8の第2架台120を取り出して示している。第2架台120は、アングル材やチャンネル材を箱形に配置して溶接固定した構造であり、上面の長手方向の両側に3箇所に分けて、消火栓装置10の筐体底部に取付け固定するための取付穴121が形成され、また、筐体底部の配管引込み位置に対応して右端側に配管支持部122が固定されている。
(c2.配管支持部)
配管支持部122について、より詳細に説明する。配管支持部122は、ダクト40側から立上げられた給水配管48を第2架台120側で支持し、第2架台120に取付け固定されている消火栓装置10の筐体11a内に立ち上げるものであり、その構造や種類は任意であるが、例えば、左右に分割された箱形状であり、上面中央に上下に貫通して配管通し穴124が形成されている。
図10及び図11は、配管支持部を取り出しており、図10(A)に斜視図を示し、図10(B)に分離した片側を示し、図11(A)に正面、図11(B)に側面、図11(C)に平面を示している。
配管支持部122は、左右に分割可能な支持ケース126,128で構成され、支持ケース128の側面から挿入された通しボルト134のネジ部が、反対側の開口に溶接固定されたナット136にねじ込まれることで連結固定している。
片側の支持ケース126は、図10(B)に示すように、内側に開いた、例えば、ステンレス製の箱体の開口部にゴムシート130が接着固定などにより配置されている。ゴムシート130は、通しボルト134が挿入される通し穴135を有し、中央上下方向には、配管通し穴124の片側を構成する半円筒壁124aが形成されている。また、ゴムシート130の半円筒壁124aの中央には、Uボルト140の通し穴141が形成されている。
Uボルト140は、図11に示すように、配管通し穴124に給水配管48が配置された状態で、支持ケース126の外側に固定した固定板142を通して外部に取り出されたネジ部がナット144で締め込まれることで、給水配管48を支持ケース126側に締め付け固定している。
支持ケース128も、図10(B)に示す支持ケース126と同様な構造であるが、ゴムシート132に形成された半円筒壁に、Uボルト140の通し穴141に替えてUボルト140の円弧部の逃げ(図示せず)が形成されている点で相違している。更に、支持ケース126,128の下部コーナーとなる4箇所には取付部138が形成され、第2架台120の内部にボルト等により取付け固定される。
このように、第2架台120に設けられた管支持部122を通して給水配管48が筐体11aに引き込まれることで、消火栓装置10の横や背後に配管の設置スペースを確保する必要がなく、監視員通路34の制約をより少なくすることを可能とする。また、消火栓装置10の周囲に配管が露出しないことから、設備の仕上がり具合が適切で見栄えを損なうこともない。
(c3.凍結防止構造を備えた配管支持部)
第2架台120の凍結防止構造を備えた配管支持部について、より詳細に説明する。寒冷地のトンネルに設置される消火栓装置に引き込まれる給水配管には、保温材や保温加熱体を用いた凍結防止構造が設けられる。
図12は、凍結防止構造を備えた架台を示した説明図であり、図12(A)に凍結防止構造を備えた第2架台120の配管支持部を示し、図12(B)に配管支持部を取り出して示す。また図13に配管支持部の片側を取り出して組立分解構造を示している。
本実施形態の配管支持部148は、凍結防止対象とする配管部分を収納するに十分な内部スペースを備えた収納空間120aを有する箱体であり、ダクト40からの給水配管48が入口配管48aとして箱体の片側底部の配管入口穴160から立ち上がり、給水配管48が横方向に延びて仕切弁46に接続され、仕切弁46から延びた給水配管48に接続された出口配管48bが配管出口穴162から立ち上がり、筐体側の配管に接続されている。配管支持部148は、縦割りで分割可能な支持ケース150,152で構成され、左右の端面に設けられた蝶番掛金部材158aとロック部材158bにより連結固定される。
片側の支持ケース150は、図13に示すように、ステンレス等で形成されたコ字形の側壁を形成するケース本体150aに、ステンレス製の底部プレート155が溶接等により固定され、ケース本体150aの上部にはゴムシート154がねじ168により着脱自在に装着されている。底部プレート155の左端側には、配管入口穴160の片側160aが形成され、また、ケース本体150aと底部プレート155の合わせ部分には、ゴムシール151,157が接着等により固着されている。また、上部のゴムシート154の右端側には、配管出口穴162の片側162aが形成されている。ゴムシール151,157は、図12(B)のように支持ケース150,152を合せた場合に、合わせ面を密閉する。
支持ケース150に連結される反対側の支持ケース152も同様な構造であり、前者にロック部材158bが設けられ、後者に蝶番掛金部材158aが設けられている点で相違している。
(c4.凍結防止構造を備えた配管支持部の取付け手順)
次に、第2架台120に対する配管支持部148の取付け手順について、より詳細に説明する。まず、図12(B)に示す支持ケース150,152を準備し、ゴムシート154,156のねじ止めを外して上部を開いた状態とし、両端のロック部材158bに蝶番掛金部材158aを嵌め入れてロックする。この状態で図12(A)に示すように、第2架台120の右側に組み込み、底部側をボルト等により固定する。
続いて、配管支持部148の配管入口穴160に入口配管48aを配置し、また、配管出口穴162に出口配管48bを配置し、その間に給水配管48により仕切弁46を接続する。
配管支持部148内に組み込まれた入口配管48a、給水配管48、仕切弁46及び出口配管48bに対しては、保温材又は保温加熱体を用いた凍結防止構造(図示せず)が設けられる。凍結防止に使用する保温材の種類や構造は任意であるが、例えば、ポリスチレンフォームにより配管形状、仕切弁形状の保温材割型を作成して配管支持部148の内部に配置されている入口配管48a、給水配管48、仕切弁46、出口配管48bに装着することで、保温層を形成する。また、幅広のテープ状に形成されたポリエチレンフォーム、グラスウール、ロックウール等を、配置されている入口配管48a、給水配管48、仕切弁46、出口配管48bに巻き付けることで、保温層を形成してもよい。
また、保温だけでは凍結を防止できない場合には、通電により発熱する自己制御ヒータ線を内部に布設した保温加熱体が設けられる。自己制御ヒータ線とは、平行に配置した2本の導線を自己制御性の発熱抵抗体で埋め込み連結した構造であり、通電により一方の導線から他方の導線に発熱抵抗体を通って流れる電流により100℃を超えない温度で安定して発熱する。
配管支持部148の中の作業が完了したら、外しているゴムシート154,156を取付けてねじ168により固定する。なお、図8(B)に示したように、ダクト40から立ち上げられた給水配管48は、第1架台30を通って第2架台120の配管支持部148に引き込まれることから、第1架台30を通る配管部分にも保温層又は保温加熱体が設けられる。
このように、第2架台120に設けられた配管支持部148内を通る給水配管48や仕切弁46に、保温材又は保温加熱体が設けられることで、消火栓装置10が寒冷地のトンネルに設置された場合の凍結防止が確実に行われ、また、凍結防止構造が架台に設けられることから、保温材又は保温加熱体の取付けが容易で、維持管理も簡単になる。
[d.ケーブルラックを備えた架台]
ケーブルラックを備えた架台について、より詳細に説明する。図14は、収納空間28aの内部にケーブルラック及び配管支持部が設けられた架台を示している。本実施形態の架台28は、側面を底辺に対し上辺が長い逆台形としており、架台28の片側に配管通し穴174を貫通した配管支持部172が配置され、架台28の高さ方向の中段長手方向に梯子形状を呈するケーブルラック170が配置されている。
架台28のケーブルラック170には、ダクト40から立ち上げられたケーブルが左側から引き込まれ、ケーブルラック170上に敷設された後に、配管支持部172の手前から立ち上げられて、架台28の上部に取付け固定されている消火栓装置10の筐体内に引き込まれる。
このように、架台28にケーブルラック170が設けられ、ケーブルラック170を通してケーブルが消火栓装置10の筐体内に引き込こまれることで、消火栓装置10の横や背後にケーブルを通すためスペースを確保する必要がなく、監視員通路の制約をより少なくすることを可能とする。また、消火栓装置10の周囲にケーブルが露出しないことから、設備の仕上がり具合が適切で見栄えを損なうこともない。
[e.本発明の変形例]
本発明による消火栓装置及び架台は、上記の実施形態以外に、以下の変形を含むものである。
(逆台形以外の形状)
上記の実施形態における架台は、設置場所となる監視員通路の路面上に設置された場合に、トンネル壁面の湾曲形状に沿うように、奥行き方向の側面が底辺に対し上辺が長い逆台形の形状を呈するものでるが、逆台形に限らず、例えば、逆三角形に形成したり、トンネル壁面側が壁面湾曲に対応した弧状になるように形成したりしても良い。
(トンネル壁面が円形断面以外の場合)
上記の実施形態におけるトンネル断面形状は円形となっているが、トンネル断面が円形以外、例えば、三心円等の場合には、トンネル断面形状の水平方向の幅が最も広い位置の水平線を、上記の説明におけるトンネル中心線SL1とすることで、本発明を適用することができる。
(その他)
また、本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10:消火栓装置
11a,11b:筐体
12:消火栓扉
13a,13b:化粧枠
14:保守扉
16:消火器扉
17:覗き窓
18:電装扉
20:赤色表示灯
22:発信機
24:応答ランプ
25:電話ジャック
26:トンネル壁面
28:架台
30:第1架台
32,120:第2架台
34:監視員通路
36:道路
38:壁面支承部材
40:ダクト
42:給水本管
44:分岐管
46:仕切弁
48:給水配管
50a:バルブ類収納部
50b:ホース収納部
52:消火器収納部
54:給水栓
56:消火栓弁
58:自動調圧弁
60:消火栓弁開閉レバー
62:ホース
64:ホース収納フレーム
65:ポンプ起動スイッチ
66:ホースガイド
68:ノズル
70:ノズルホルダー
72a,72b:端子箱
74:消火器
76,76A,76b:取付穴
122,148,172:配管支持部
124,174:配管通し穴
126,128,150,152:支持ケース
130,132,154,156:ゴムシート
134:通しボルト
135:通し穴
136,144:ナット
138:取付部
140:Uボルト
142:固定支持板
151,157:ゴムシール
158a:蝶番掛金部材
158b:ロック部材
160:配管入口穴
162:配管出口穴
170:ケーブルラック

Claims (16)

  1. 道路を有するトンネルの内部に設置され、筐体内に消火用ホース及び消火器が収納された消火栓装置であって、
    前記筐体は、前記トンネルの監視員通路に、当該トンネルの壁面に寄せて設置された架台上に取付け固定されたことを特徴とする消火栓装置。
  2. 請求項1記載の消火栓装置に於いて、
    前記架台は、外形の内部側に収納空間を有することを特徴とする消火栓装置。
  3. 請求項1記載の消火栓装置に於いて、
    前記架台は、前記トンネルの壁面が円形断面を有する場合、前記円形断面の水平中心線に、前記筐体の高さ方向の中心線が一致するか、又は、両中心線の間隔が所定寸法以下に近接するように、高さが設定されたことを特徴とする消火栓装置。
  4. 請求項1記載の消火栓装置に於いて、
    前記架台は、設置場所の路面上に設置された状態で、奥行方向の側面が底辺に対し上辺が長い逆台形の形状を呈することを特徴とする消火栓装置。
  5. 請求項1記載の消火栓装置に於いて、
    前記筐体は、背面の下端と前面の下端との幅が、前記消火器の外径に対応した所定の幅であることを特徴とする消火栓装置。
  6. 請求項5記載の消火栓装置に於いて、
    前記筐体は、消火用ホース及び前記消火器を含む所定の機器を収納可能とする所定の収納容積を有し、当該所定の収納容積を満たすように、高さと横幅が設定されたことを特徴とする消火栓装置。
  7. 請求項1乃至6の何れかに記載の消火栓装置に於いて、
    前記筐体は、上部側を前記トンネルの壁面に取付けて支承する壁面支承部材を備えたことを特徴とする消火栓装置。
  8. 請求項2記載の消火栓装置に於いて、
    前記架台は、前記収納空間に、給水配管を通して前記筐体に引き込む配管支持部を備えたことを特徴とする消火栓装置。
  9. 請求項8記載の消火栓装置に於いて、
    前記配管支持部は、前記給水配管に、保温材又は保温加熱体を用いた凍結防止構造を備えたことを特徴とする消火栓装置。
  10. 請求項2記載の消火栓装置に於いて、
    前記架台は、前記収納空間に、ケーブルを通して前記筐体に引き込こむケーブルラックを備えたことを特徴とする消火栓装置。
  11. 道路を有するトンネルの内部に、消火栓装置の筐体を取付け固定する架台であって、
    外形の内部側に収納空間を有し、前記トンネルの監視員通路に、当該トンネルの壁面に寄せて設置されたことを特徴とする架台。
  12. 請求項11記載の架台に於いて、
    前記トンネルの壁面が円形断面を有する場合、前記円形断面の水平中心線に、前記筐体の高さ方向の中心線が一致するか、又は、両中心線の間隔が所定寸法以下に近接するように、高さが設定されたことを特徴とする架台。
  13. 請求項11記載の架台に於いて、
    設置場所の路面上に設置された状態で、奥行方向の側面が底辺に対し上辺が長い逆台形の形状を呈することを特徴とする架台。
  14. 請求項11記載の架台に於いて、
    前記収納空間に、給水配管を通して前記筐体に引き込む配管支持部を備えたことを特徴とする架台。
  15. 請求項14記載の架台に於いて、
    前記配管支持部は、前記給水配管に、保温材又は保温加熱体を用いた凍結防止構造を備えたことを特徴とする架台。
  16. 請求項11記載の架台に於いて、
    前記収納空間に、ケーブルを通して前記筐体に引き込むケーブルラックを備えたことを特徴とする架台。
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