JP2023009812A - 媒体収容カセット、記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】装着状態にある媒体収容カセットを引き抜く際、媒体の先端側に突出しようとする係止部と給送ローラーとで上層の媒体が挟まれ、装置内に残留する虞がある。【解決手段】媒体を給送する給送ローラーを備えた記録装置に対して第1方向への移動により装着状態となり、前記第1方向とは反対の第2方向への移動により離脱状態となる媒体収容カセットであって、前記第1方向への媒体の移動を規制する規制状態と、前記規制状態から前記第1方向に倒れる非規制状態とを切り換え可能な部材であって、前記装着状態において前記非規制状態をとり、前記離脱状態において前記規制状態をとる規制部材と、前記装着状態から前記離脱状態に切り換わる過程において、先端が前記規制部材より前記第1方向に位置する媒体に対し、前記第2方向の成分を含む方向の外力を付与する外力付与部とを備える。【選択図】図3

Description

本発明は、媒体を収容する媒体収容カセット、及びこれを備えた記録装置に関する。
プリンターに代表される記録装置において、媒体収容カセットに収容された媒体は、媒体の先端と対向する位置に設けられた傾斜面に沿って下流に給送されていく。媒体収容カセットには、特許文献1に示される様な係止部が媒体先端と対向する位置に設けられる場合がある。係止部は鋸歯形状を有するとともに、媒体収容カセットが装置本体に装着されていないときに前記傾斜面から媒体の先端側に突出して媒体の飛び出しを抑制する。そして媒体収容カセットが装置本体に装着されると、前記傾斜面から媒体の先端側に突出しない様に退避する。この様な係止部により、媒体が前記傾斜面を乗り上げることが抑制される。
特開2012-201443号公報
上記の様な構成を備えた記録装置において、装着状態にある媒体収容カセットを引き抜く際、媒体の先端側に突出しようとする係止部と給送ローラーとで上層の媒体が挟まれる場合があり、特に最上位の媒体が挟まれる場合がある。そして媒体収容カセットを更に引き抜こうとすると、上記の挟まれている媒体が装置内に残留してしまう虞がある。この状態にユーザーが気づかずに媒体収容カセットを装着しようとすると、残留している媒体にダメージを与え、また媒体収容カセットの装着後に媒体の給送が不可能となる虞がある。
上記課題を解決する為の、本発明の媒体収容カセットは、媒体を給送する給送ローラーを備えた記録装置に対して第1方向への移動により装着状態となり、前記第1方向とは反対の第2方向への移動により離脱状態となる媒体収容カセットであって、前記第1方向への媒体の移動を規制する規制状態と、前記規制状態から前記第1方向に倒れる非規制状態とを切り換え可能な部材であって、前記装着状態において前記非規制状態をとり、前記離脱状態において前記規制状態をとる規制部材と、前記装着状態から前記離脱状態に切り換わる過程において、先端が前記規制部材より前記第1方向に位置する媒体に対し、前記第2方向の成分を含む方向の外力を付与する外力付与部とを備えたことを特徴とする。
インクジェットプリンターの外観斜視図。 インクジェットプリンターにおける媒体給送経路と媒体搬送経路を示す図。 第1媒体収容カセットの外観斜視図。 第1媒体収容カセットの部分拡大斜視図。 規制部材の動作を示す図であって、規制部材の規制状態を示す図。 規制部材の動作を示す図であって、規制部材の状態切り換え途中を示す図。 規制部材の動作を示す図であって、規制部材の非規制状態を示す図。 給送ローラーを支持する支持部材を揺動させる機構を示す図。 第1媒体収容カセットの装着途中の状態を示す図。 第1媒体収容カセットが装着状態に切り換わった様子を示す図。 第1媒体収容カセットの引き抜きを開始した状態を示す図。 外力付与部がない場合に生じる課題を示す図。 外力付与部が機能する際の媒体の状態を示す図。 (a)は案内部の配置の比較例を示す図、(b)は本実施形態に係る案内部の配置を示す図。 案内部の他の実施形態を示す図。 案内部の他の実施形態を示す図。 外力付与部の他の実施形態を示す図。 外力付与部の他の実施形態を示す図。 外力付与部の他の実施形態を示す図。 外力付与部の他の実施形態を示す図。
以下、本発明を概略的に説明する。
第1の態様に係る媒体収容カセットは、媒体を給送する給送ローラーを備えた記録装置に対して第1方向への移動により装着状態となり、前記第1方向とは反対の第2方向への移動により離脱状態となる媒体収容カセットであって、前記第1方向への媒体の移動を規制する規制状態と、前記規制状態から前記第1方向に倒れる非規制状態とを切り換え可能な部材であって、前記装着状態において前記非規制状態をとり、前記離脱状態において前記規制状態をとる規制部材と、前記装着状態から前記離脱状態に切り換わる過程において、先端が前記規制部材より前記第1方向に位置する媒体に対し、前記第2方向の成分を含む方向の外力を付与する外力付与部とを備えたことを特徴とする。
本態様によれば、前記外力付与部により、前記媒体収容カセットを前記装着状態から前記離脱状態とする際に先端が前記規制部材より前記第1方向に位置する媒体を前記第2方向に移動させることができる。これにより前記記録装置の内部への媒体の残留を抑制できる。
第2の態様は、第1の態様において、前記外力付与部は、媒体の前記第1方向の先端に当接することで前記外力を媒体に付与することを特徴とする。
本態様によれば、前記外力付与部は、媒体の前記第1方向の先端に当接することで前記外力を媒体に付与するので、先端が前記規制部材より前記第1方向に位置する媒体を確実に前記第2方向に移動させることができる。
第3の態様は、第2の態様において、前記外力付与部は、媒体給送方向に沿って鋸歯状に形成された面で構成されることを特徴とする。
本態様によれば、前記外力付与部は、媒体給送方向に沿って鋸歯状に形成された面で構成されるので、媒体先端と前記外力付与部との間の滑りを抑制できる。これにより先端が前記規制部材より前記第1方向に位置する媒体をより確実に前記第2方向に移動させることができる。
第4の態様は、第1の態様において、前記外力付与部は、媒体の下面との間で摩擦力を生じさせることで前記外力を媒体に付与することを特徴とする。
本態様によれば、前記外力付与部が、媒体の下面との間で摩擦力を生じさせることで前記外力を媒体に付与する構成であるので、媒体の先端が前記外力付与部から前記第1方向に外れた場合でも、前記外力を媒体に付与でき、当該媒体を前記第2方向に移動させることができる。
第5の態様は、第1から第4の態様のいずれかにおいて、前記外力付与部の少なくとも一部は、媒体の積載方向において媒体の積載上限位置よりも高い位置に設けられていることを特徴とする。
本態様によれば、前記外力付与部の少なくとも一部は、媒体の積載方向において媒体の積載上限位置よりも高い位置に設けられているので、前記積載上限位置にまで媒体が積載されている場合であっても、前記外力を媒体に適切に付与できる。
第6の態様は、第1から第5の態様のいずれかにおいて、前記外力付与部の少なくとも一部は、媒体の積載方向において前記規制部材の動作領域よりも高い位置に設けられていることを特徴とする。
本態様によれば、前記外力付与部の少なくとも一部は、媒体の積載方向において前記規制部材の動作領域よりも高い位置に設けられているので、前記規制部材を前記第1方向に乗り越えている媒体がより確実に前記外力付与部と係わることができ、即ち媒体をより確実に前記第2方向に移動させることができる。
第7の態様は、第1から第6の態様のいずれかにおいて、前記規制部材に対し前記第1方向に、媒体を給送方向下流に案内する案内面を備え、前記外力付与部は、前記案内面を形成する案内部に設けられることを特徴とする。
本態様によれば、前記規制部材に対し前記第1方向に、媒体を給送方向下流に案内する案内面を備える構成において、前記外力付与部は、前記案内面を形成する案内部に設けられるので、前記外力付与部を設ける為の構成を簡素化でき、装置のコストアップを抑制できる。
第8の態様は、第7の態様において、前記外力付与部は、前記案内面に対し前記第1方向に位置することを特徴とする。
本態様によれば、前記外力付与部は、前記案内面に対し前記第1方向に位置するので、前記媒体収容カセットから媒体が送り出される際に、当該媒体が前記外力付与部に接触し難くなる。これにより前記外力付与部が媒体の給送を阻害することを抑制できる。
第9の態様は、第8の態様において、媒体の積載方向における前記案内部の上端部が、前記外力付与部の少なくとも一部を構成することを特徴とする。
本態様によれば、媒体の積載方向における前記案内部の上端部が、前記外力付与部の少なくとも一部を構成し、即ち前記積載方向において前記案内部の最も高い位置に前記外力付与部の少なくとも一部を配置するので、前記規制部材を乗り越えている媒体がより確実に前記外力付与部と係わることができ、即ち媒体をより確実に前記第2方向に移動させることができる。
第10の態様は、第1から第9の態様のいずれかにおいて、前記外力付与部は、媒体給送方向と交差する方向である媒体幅方向において、前記給送ローラーの両側に設けられることを特徴とする。
前記外力付与部が媒体に前記外力を付与する際、媒体と前記給送ローラーとの接触位置と、前記外力付与部が媒体に前記外力を付与する位置とが前記媒体幅方向にずれていると、媒体が回転する虞がある。
しかしながら本態様によれば、前記外力付与部は、媒体給送方向と交差する方向である媒体幅方向において、前記給送ローラーの両側に設けられるので、媒体の前記回転を抑制できる。
第11の態様は、第1から第10の態様のいずれかにおいて、前記装着状態から前記第2方向への移動の開始と同時に、前記規制部材が前記非規制状態から前記規制状態への状態切り換えを開始することを特徴とする。
本態様によれば、前記装着状態から前記第2方向への前記媒体収容カセットの移動の開始と同時に、前記規制部材が前記非規制状態から前記規制状態への状態切り換えを開始するので、前記媒体収容カセットを前記装着状態から前記離脱状態にする際の、カセット内部での媒体の乱れを抑制できる。
また前記装着状態から前記第2方向への前記媒体収容カセットの移動の開始と同時に、前記規制部材が前記非規制状態から前記規制状態への状態切り換えを開始する構成では、前記規制部材を乗り越えている媒体が前記規制部材と前記給送ローラーとで挟まれる期間が長くなり、前記記録装置の内部に媒体が残留し易くなる。しかしながら上述した第1の態様により、前記残留の発生を回避でき、或いは前記残留の程度を抑制できる。
第12の態様に係る記録装置は、媒体に記録を行う記録部と、前記記録部によって記録を行う媒体を収容する、第1から第11の態様のいずれかに係る前記媒体収容カセットとを備えたことを特徴とする。
本態様によれば、記録装置において、上述した第1から第11の態様のいずれかの作用効果が得られる。
以下、本発明を具体的に説明する。
尚、各図においてX軸方向は装置幅方向であり、媒体給送方向と交差する方向、即ち媒体幅方向でもある。X軸方向のうち-X方向は装置前面をユーザーと対面させた際にユーザーから見て右方向となり、また+X方向は同左方向となる。本実施形態において装置の周囲を構成する側面のうち操作部5が設けられた側面が装置前面となる。
Y軸方向は装置奥行き方向である。Y軸方向のうち-Y方向は装置前面から装置背面に向かう方向であり、後述する媒体収容カセットを装着する際のカセット移動方向(第1方向)となる。またY軸方向のうち+Y方向は装置背面から装置前面に向かう方向であり、後述する媒体収容カセットを離脱する際のカセット移動方向(第2方向)となる。
またZ軸方向は鉛直方向であり、後述する媒体収容カセットにおける媒体積載方向となる。Z軸方向のうち+Z方向は鉛直上方、-Z方向は鉛直下方となる。
図1において記録装置の一例であるインクジェットプリンター1は、装置本体2の上部に、スキャナー部3を備えて成る、所謂複合機である。以下では、インクジェットプリンターの用語は「プリンター」と略称する。
装置本体2は、記録用紙に代表される媒体に記録を行う機能を有し、スキャナー部3は、原稿を読み取る機能を有する。
装置本体2は、媒体を搬送する媒体搬送経路(後述)や記録部の一例である記録ヘッド9(図2)を備えている。また装置本体2は、二つの媒体収容カセット、具体的には第1媒体収容カセット50及び第2媒体収容カセット49を着脱可能に備えている。図1は、各媒体収容カセットを装置本体2に装着した装着状態を示している。図3は、装置本体2から取り外して離脱状態となった第1媒体収容カセット50を示している。各カセットは、装置本体2に設けられた不図示のガイド部によって、装置本体2においてY軸方向に案内される。
また装置本体2は、装置後方上部から媒体をセットし、給送することが可能に構成されている。図1において符号7は装置後方上部から媒体をセットする際の媒体セット口(不図示)を開閉するカバーである。
装置本体2は、装置前面に、プリンター1の各種操作を行う操作部5を備えている。操作部5は、表示部と複数の操作ボタンを備えて成るとともに、チルト可能に設けられている。
操作部5の下側には、記録が行われて排出される媒体を受ける排出トレイ6が設けられている。排出トレイ6は、図1に示すように装置本体2の内部に収容された状態と、装置本体2から+Y方向に引き出された状態(不図示)と、を取り得るように設けられている。
続いて図2を参照しつつ装置本体2における媒体搬送経路について説明する。尚、図2では第2媒体収容カセット49の図示は省略する。
プリンター1において、媒体は給送経路に拘わらず反転経路RRを構成する反転ローラー21を介して搬送駆動ローラー16に搬送される。そして媒体は搬送駆動ローラー16によって、記録ヘッド9による記録領域に搬送される。
より詳しくは、プリンター1は媒体給送経路として第1媒体収容カセット50から媒体を給送する為の媒体給送経路K1と、第1媒体収容カセット50の下の第2媒体収容カセット49から媒体を給送する為の媒体給送経路K2と、装置後方上部から手差しで媒体を給送する為の媒体給送経路K3と、を備えている。
またプリンター1は媒体搬送経路として、第1媒体搬送経路FR1、反転経路RR、第2媒体搬送経路FR2、及び第3媒体搬送経路FR3を備えている。
第1媒体搬送経路FR1は、記録ヘッド9と対向する媒体搬送経路であって、媒体に記録を行う際の媒体搬送方向である+Y方向及びその反対の-Y方向に媒体を搬送可能である。本実施形態において第1媒体搬送経路FR1は、搬送駆動ローラー16と第1排出駆動ローラー23との間の媒体搬送経路である。
また反転経路RRは、媒体の面を反転させる経路である。本実施形態において反転経路RRは、従動ローラー14aと従動ローラー14cとの間の媒体搬送経路である。
また第2媒体搬送経路FR2は、記録が行われた媒体を反転経路RRに案内する経路である。本実施形態において第2媒体搬送経路FR2は、従動ローラー14dを経由する経路であって、搬送駆動ローラー16と従動ローラー14aとの間の媒体搬送経路である。
また第3媒体搬送経路FR3は、第2媒体搬送経路FR2に対して鉛直下方に位置し、記録が行われた媒体を反転経路RRに案内する経路である。本実施形態において第3媒体搬送経路FR3は、反転駆動ローラー25を経由する経路であって、第2排出駆動ローラー27と従動ローラー14aとの間の媒体搬送経路である。
尚、図2において符号FR4は、従動ローラー14cと搬送駆動ローラー16との間の媒体搬送経路である。以下、この媒体搬送経路を第4媒体搬送経路FR4と称する。
媒体給送経路K1において、媒体は不図示のモーターにより駆動される給送ローラー11により給送される。給送ローラー11は揺動軸12aを中心に揺動する支持部材12に支持され、支持部材12の揺動により給送ローラー11が第1媒体収容カセット50に収容される媒体に対して進退する。符号Pは、第1媒体収容カセット50に収容された媒体を示している。
ここで、図8(a)、図8(b)を参照して支持部材12を揺動させる機構、即ち給送ローラー11を昇降させる機構について説明する。
図8(a)、図8(b)において支持部材12には、カム当接部12bが設けられている。支持部材12は、レリースカム33がカム当接部12bを押し上げることで図8(a)から図8(b)への変化で示す様に揺動し、これにより給送ローラー11が上昇する。レリースカム33は、X軸方向に延びる回転軸33aを中心に回転可能に設けられている。レリースカム33は、回転軸33aから延びる押し上げ部33bと、カセット当接部33cとを備えている。レリースカム33は、不図示のコイルばねによって図8の時計回り方向、即ち押し上げ部33bがカム当接部12bを押し上げる方向に押圧されている。
押し上げ部33bはX軸方向においてカム当接部12bと当接可能な位置に設けられている。回転軸33aはX軸方向において押し上げ部33bの位置から第1媒体収容カセット50の側壁の位置まで延びており、カセット当接部33cはX軸方向において第1媒体収容カセット50の側壁上面50cと当接可能な位置に設けられている。
第1媒体収容カセット50の装着状態においては、図8(a)に示す様にカセット当接部33cが第1媒体収容カセット50の側壁上面50cに押し当っている。これにより押し上げ部33bとカム当接部12bとの間に間隔が形成され、給送ローラー11は第1媒体収容カセット50に収容された媒体に押し当ることができる。
この状態から第1媒体収容カセット50を+Y方向に移動させると、図8(b)に示す様にカセット当接部33cが第1媒体収容カセット50の側壁上面50cから外れ、上述したコイルばねのばね力によってレリースカム33が図8の時計回り方向に回転する。これにより押し上げ部33bがカム当接部12bを押し上げ、支持部材12が揺動して給送ローラー11が上昇し、即ち給送ローラー11が第1媒体収容カセット50に収容された媒体から離間する。尚、図8(a)において距離X1は、カセット当接部33cが側壁上面50cから外れるまでの第1媒体収容カセット50の移動距離に相当する。即ち装着状態にある第1媒体収容カセット50を+Y方向に移動させても、給送ローラー11は直ちに上昇を開始せず、給送ローラー11の上昇開始までに多少のタイムラグが生じる構成である。
尚、第1媒体収容カセット50の下に設けられた第2媒体収容カセット49(図1参照)にも同様な給送機構(不図示)が設けられているが、この給送機構の図示及びその説明は省略する。
図2に戻り、給送ローラー11の下流に位置する反転ローラー21は他のローラーに比して最も大径に形成され、媒体を湾曲反転させる。反転ローラー21の周囲には従動ローラー14a、14b、14c、14d、が設けられている。媒体給送経路K1、K2を介して給送される媒体は、反転経路RR、及び第4媒体搬送経路FR4を介して搬送駆動ローラー16に送られる。
媒体給送経路K3を介して給送される媒体は、第4媒体搬送経路FR4を介して搬送駆動ローラー16に送られる。
第2媒体搬送経路FR2を介して-Y方向に沿って送られる媒体は、反転経路RR、及び第4媒体搬送経路FR4を介して搬送駆動ローラー16に送られる。
同様に第3媒体搬送経路FR3を介して-Y方向に沿って送られる媒体は、反転経路RR、及び第4媒体搬送経路FR4を介して搬送駆動ローラー16に送られる。
不図示の駆動源により駆動される搬送駆動ローラー16に送られた媒体は、この搬送駆動ローラー16と、従動回転する搬送従動ローラー17とによってニップされ、記録ヘッド9と対向する領域、即ち記録領域に送られ、記録が行われる。
記録ヘッド9を備えるキャリッジ8は、X軸方向に延びるキャリッジガイド軸19にガイドされつつ、不図示の動力源によってX軸方向に往復動する。記録部の一例である記録ヘッド9は、キャリッジ8の移動動作に伴い、媒体に対してインクを吐出する。
記録ヘッド9と対向する位置には媒体支持部材18が設けられており、記録ヘッド9により記録の行われる媒体は、媒体支持部材18によって支持される。
媒体支持部材18の下流には、回転駆動される第1排出駆動ローラー23と、従動回転する第1排出従動ローラー24とが設けられている。
第1排出駆動ローラー23の下流には、従動ローラー29が設けられ、更にその下流には、回転駆動される第2排出駆動ローラー27と、従動回転する第2排出従動ローラー28とが設けられている。
以上の媒体給送経路及び媒体搬送経路を備えたプリンター1において、給送ローラー11と反転ローラー21は、第1のモーター(不図示)により駆動され、搬送駆動ローラー16と第1排出駆動ローラー23は第2のモーター(不図示)により駆動され、第2排出駆動ローラー27と反転駆動ローラー25は第3のモーター(不図示)により駆動される。
尚、第1面に記録の行われた媒体の、前記第1面に対し反対側の第2面に記録を行う際、記録の行われた媒体を、反転経路RRに送る。その際の媒体搬送経路として、本実施形態では第2媒体搬送経路FR2及び第3媒体搬送経路FR3のいずれかを選択できる。揺動軸22aを中心に揺動可能なフラップ22は、媒体の搬送先を第2媒体搬送経路FR2及び第3媒体搬送経路FR3のいずれかに切り替える。
以上がプリンター1の媒体搬送経路であり、以下、第1媒体収容カセット50の構成について図3以降を参照して詳述する。尚、第2媒体収容カセット49の構成は第1媒体収容カセット50と同様であるので、以下においてその説明は省略する。
図3において第1媒体収容カセット50は、全体がトレイ状に形成されており、内側が媒体収容領域50aとして形成されている。媒体収容領域50aに収容された媒体は、載置面50bに載置され、上述した給送ローラー11によって-Y方向に送り出される。
媒体収容領域50aには後端エッジガイド51が設けられている。後端エッジガイド51は、媒体収容領域50aに収容された媒体の+Y方向の端部即ち後端と対向する様に設けられている。後端エッジガイド51はY軸方向に沿って変位可能に設けられ、また不図示の位置保持手段によって位置を保持できる様に設けられている。後端エッジガイド51により、媒体収容領域50aに収容された媒体の+Y方向の端部即ち後端の位置が規制される。
尚、以降において第1媒体収容カセット50に収容された媒体の端部について、「後端」と称する場合は+Y方向(第2方向)の端部を指し、「先端」と称する場合は-Y方向(第1方向)の端部を指すものとする。
媒体収容領域50aには側端エッジガイド52A、52Bが設けられている。側端エッジガイド52Aは、媒体収容領域50aに収容された媒体の+X方向の端部と対向する様に設けられ、側端エッジガイド52Bは、媒体収容領域50aに収容された媒体の-X方向の端部と対向する様に設けられている。
側端エッジガイド52A、52BはX軸方向に沿って変位可能に設けられ、また不図示のラックピニオン機構により、互いに接近し或いは離間する様に設けられている。側端エッジガイド52A、52Bは不図示の位置保持手段によって位置を保持できる様に設けられている。側端エッジガイド52A、52Bにより、媒体収容領域50aに収容された媒体のX軸方向の位置が規制される。
媒体収容領域50aに対し-Y方向には、複数の案内部55と、複数の規制部材58と、一つのストッパー53とが設けられている。尚、図3は規制部材58が規制状態にある様子を示しており、図4は規制部材58が非規制状態にある様子を示している。
図3において符号CLは、媒体収容領域50aにおけるX軸方向の中心位置を示している。上述した側端エッジガイド52A、52Bは、中心位置CLからの距離が同じになる様に変位する。
また第1媒体収容カセット50から媒体を送り出す給送ローラー11は、中心位置CLに設けられている。厳密には、図14に示す様に給送ローラー11は中心位置CLの近傍において、中心位置CLを挟んで左右に設けられている。2つの給送ローラー11は、中心位置CLからの距離が同じとなる様に設けられている。
図3に戻り、本実施形態において案内部55と規制部材58は、中心位置CLに対して+X方向と-X方向にそれぞれ一つずつ設けられている。本実施形態において中心位置CLに対して+X方向に位置する案内部55及び規制部材58の中心位置CLからの距離は、中心位置CLに対して-X方向に位置する案内部55及び規制部材58の中心位置CLからの距離と同じである。
一つのストッパー53は、中心位置CLに対し-X方向に僅かにずれた位置に設けられている。
図4に示す様にストッパー53は、媒体の先端と対向する面が-Y方向に向かって上る斜面状に形成されており、また媒体積載方向に沿って鋸歯状となる様に形成されている。ストッパー53により、サイズの小さい媒体の-Y方向への飛び出しが抑制される。
案内部55もストッパー53と同様に、媒体の先端と対向する面が-Y方向に向かって上る斜面状に形成されているとともに、内側に規制部材58を収容する為の空間55mが形成されている。空間55mの両側には、案内面55aが形成されている。案内面55aは、載置面50bから上方に立ち上がる様に形成されている。案内面55aは、本実施形態において平坦であって滑らかな面となる様に形成されている。
案内部55の上端部を含む領域には、後述する外力付与部55bが形成されている。外力付与部55bは、案内面55aの上端部に対し-Y方向にずれた位置から、-Y方向に向かって上る傾斜状に形成されている。本実施形態に係る外力付与部55bは、-Y方向成分と+Z方向成分とを含む方向、即ち媒体給送方向に沿って鋸歯状となる様に形成されている。
ここで図7を参照して第1媒体収容カセット50の装着状態における案内部55のY軸方向位置について説明する。図7は第1媒体収容カセット50の装着状態を示している。プリンター1の装置本体2には、給送経路形成部30が設けられている(図2も参照)。給送経路形成部30は+Y方向の側に経路形成面31を有している。第1媒体収容カセット50から送り出される媒体の先端は、経路形成面31に接しながら下流に進む。
給送経路形成部30は、案内部55との干渉を避けるように、案内部55に対しX軸方向に位置をずらして設けられている。従って第1媒体収容カセット50を装置本体2に装着すると、図7に示す様にX軸方向から見て給送経路形成部30と案内部55とが重なることとなる。
この状態では、案内部55の案内面55aが、経路形成面31よりも僅かに-Y方向に位置する。そして媒体先端の撓みによって、媒体先端は経路形成面31のみならず経路形成面31と案内面55aの両方に接しながら下流に進む場合もある。
またこの状態では、外力付与部55bは案内面55aより更に-Y方向に位置する。これにより給送される媒体の先端は、外力付与部55bに接することはない。
次に、図5、図6、図7を参照して規制部材58に動作について説明する。規制部材58は、第1媒体収容カセット50に収容された媒体の-Y方向への移動を規制する規制状態(図5の状態)と、この規制状態から-Y方向に倒れる非規制状態(図7の状態)とを切り換え可能に設けられている。第1媒体収容カセット50が離脱状態にあるとき、規制部材58は規制状態をとる。第1媒体収容カセット50が装着状態にあるとき、規制部材58は非規制状態をとる。規制部材58は、第1媒体収容カセット50の状態切り換えに伴って規制状態と非規制状態とを切り換える。
規制部材58は、回転軸59を中心に回転することで、規制状態と非規制状態とを切り換える。回転軸59は、軸中心線がX軸方向に平行な回転軸である。
規制部材58が図5に示す規制状態にあるとき、第1媒体収容カセット50に収容された媒体の先端が規制部材58の規制面58aに当接し、先端の位置が揃えられる。本実施形態において規制部材58が規制状態にあるとき、規制面58aは載置面50bに対し直交し、即ちZ軸方向に沿って平行となる。
規制部材58は、引っ張りばね60によって図5~図7における時計回り方向に押圧されている。案内部55にはレバー部材61が設けられており、レバー部材61が規制部材58の姿勢を切り換える。
より詳しくは、レバー部材61は回転軸62を中心に回転可能に設けられている。回転軸62は軸中心線がX軸方向に平行な回転軸である。レバー部材61は捩りばね63によって図5~図7における反時計回り方向に押圧されている。
レバー部材61は、回転軸62から径方向に延びる第1端部61aと、回転軸62から第1端部61aとは反対方向に延びる第2端部61bとを有している。
規制部材58には当接面58bが形成されており、当接面58bにレバー部材61の第1端部61aが当接することで、レバー部材61が規制部材58の姿勢を規定する。
引っ張りばね60と捩りばね63のばね力は、引っ張りばね60のばね力によって規制部材58が図5の時計回り方向に回転しようとする力が、捩りばね63のばね力によってレバー部材61が図5の反時計回り方向に回転しようとする力より小さくなる様に設定されている。これにより第1媒体収容カセット50が離脱状態にあるとき、規制部材58はレバー部材61によって規制状態が維持される。
次に、給送経路形成部30には当接部30aが形成されている。離脱状態にある第1媒体収容カセット50を装置本体2に対し-Y方向に押し込むと、当接部30aが、レバー部材61の第2端部61bに当接する。そして更に第1媒体収容カセット50が-Y方向に移動すると、図5から図6への変化、及び図6から図7への変化で示す様に当接部30aが第2端部61bを介してレバー部材61を図5~図7の時計回り方向に回転させる。これにより規制部材58が引っ張りばね60のばね力によって図5~図7の時計回り方向に回転し、規制部材58が図7に示す非規制状態に切り換わる。
尚、装着状態にある第1媒体収容カセット50を+Y方向に移動させると、図7から図6への変化、更に図6から図5への変化で示す様に規制部材58が非規制状態から規制状態に切り換わることとなる。
続いて図9~図13を参照して外力付与部55bについて詳述する。尚、図9以降では第1媒体収容カセット50の構成要素を便宜上簡略的に描いている。
先ず、図9~図12を参照して装着状態にある第1媒体収容カセット50を引き抜く際の課題について説明する。
図9において符号Pbは第1媒体収容カセット50に収容されている媒体束を示している。媒体束Pbは、一例として積載上限位置まで媒体が積載されて成る媒体束である。図9において積載上限位置は符号Zmで示されている。
図9において媒体束Pbは、規制状態にある規制部材58によって-Y方向への移動が規制されている。尚、第1媒体収容カセット50における媒体の積載上限位置は、一例として規制状態にある規制部材58のZ軸方向高さによって規定される。即ち規制部材58の上端から外れない限度が、媒体の積載上限位置となる。但し媒体の積載上限位置の規定はこれに限られず、例えば側端エッジガイド52A、52Bの少なくともいずれか一方に積載上限位置を規定する目印を設けても良いし、或いは側端エッジガイド52A、52Bの少なくともいずれか一方に積載上限位置を規定する庇を設けても良い。
第1媒体収容カセット50が装着状態になると、上述した様に規制部材58が非規制状態に切り換わる。ここで規制部材58は、第1媒体収容カセット50が完全な装着状態となる前に規制状態から非規制状態に向けて回転を開始する(図6参照)。従って第1媒体収容カセット50が完全な装着状態となる際、図10に示す様に媒体束Pbのうち上層の媒体が-Y方向に進み、整合が崩れた状態となる場合がある。
図10の状態から第1媒体収容カセット50を+Y方向に引き抜く際、規制部材58が直ちに反時計回り方向への回転を開始し、これにより図11に示す様に媒体P1の下に規制部材58が入り込む。換言すれば、媒体P1が規制部材58を-Y方向に乗り越えた状態となる。尚、媒体P1は媒体束Pbのうち最上位の媒体である。勿論、規制部材58を-Y方向に乗り越える媒体は最上位の媒体P1のみならず、媒体P1を含む上層の複数枚の媒体の場合もある。
この様に媒体P1が規制部材58を-Y方向に乗り越えると、規制部材58が更に回転することで、図12に示す様に媒体P1の先端が規制部材58より-Y方向に位置し、そして媒体P1が規制部材58と給送ローラー11とで挟まれた状態となる。
図12は比較例として、本実施形態に係る外力付与部55bを備えない第1媒体収容カセット50Aを示している。図12に示す状態から更に第1媒体収容カセット50が+Y方向に引き抜かれると、規制部材58と給送ローラー11とで挟まれている媒体P1が装置内部に残留してしまう虞がある。
この様な問題に鑑み、本実施形態に係る第1媒体収容カセット50は外力付与部55bを備えている。図13に示す様に媒体P1が規制部材58と給送ローラー11とで挟まれている状態で、第1媒体収容カセット50が更に+Y方向に引き抜かれると、媒体P1の先端に外力付与部55bが当接する。外力付与部55bは、第1媒体収容カセット50が装着状態から離脱状態に切り換わる過程において、規制部材58を-Y方向に乗り越えている媒体P1に対し、+Y方向の成分を含む方向の外力を付与する。外力付与部55bは、規制部材58を-Y方向に乗り越えている媒体P1の先端に当接する当接部と称することもできる。
これにより規制部材58を乗り越えている媒体P1を第1媒体収容カセット50とともに+Y方向に移動させることができ、ひいては装置内部への媒体P1の残留を抑制できる。
尚、規制部材58が+Y方向に位置するほど、規制部材58を乗り越えている媒体P1の先端と外力付与部55bとの距離が長くなり、媒体P1が装置内部に残留し易くなる。従ってY軸方向において規制部材58は極力-Y方向に設けることが好ましい。具体的には、規制部材58の規制面58aの位置が、図5における位置Ycの様に案内面55aと載置面50bとが交差する位置に一致するか、或いは位置Ycの近傍にあることが好ましい。
また外力付与部55bは、媒体P1の先端に当接することで前記外力を媒体に付与する。この様な構成により、媒体P1を確実に+Y方向に移動させることができる。
また外力付与部55bは、媒体給送方向に沿って鋸歯状に形成された面で構成されている。このことにより、媒体P1の先端と外力付与部55bとの間の滑りを抑制でき、媒体P1をより確実に+Y方向に移動させることができる。
また外力付与部55bの少なくとも一部(図9において範囲H1の部分)は、媒体積載方向において媒体の積載上限位置Zmよりも高い位置に設けられている。このことにより、媒体が積載上限位置Zmにまで積載されている場合であっても、前記外力を媒体P1に適切に付与できる。尚、本実施形態では外力付与部55bの一部が積載上限位置Zmよりも高い位置にあるが、外力付与部55bの全部が積載上限位置Zmよりも高い位置にあっても良い。
また外力付与部55bの少なくとも一部(図13において範囲H2の部分)は、媒体積載方向において規制部材58の動作領域Arよりも高い位置に設けられている。規制部材58の動作領域Arは、X軸方向から見て規制部材58が回転動作に伴って占有する領域である。このことにより、規制部材58を乗り越えている媒体P1がより確実に外力付与部55bと係ることができ、即ち媒体P1をより確実に+Y方向に移動させることができる。尚、本実施形態では外力付与部55bの一部が規制部材58の動作領域Arよりも高い位置にあるが、外力付与部55bの全部が規制部材58の動作領域Arよりも高い位置にあっても良い。
また本実施形態において外力付与部55bは、案内面55aを形成する案内部55に設けられる。これにより外力付与部55bを設ける為の構成を簡素化でき、装置のコストアップを抑制できる。
また外力付与部55bは、案内面55aに対し-Y方向に位置する。これにより第1媒体収容カセット50から媒体が送り出される際に、当該媒体が外力付与部55bに接触し難くなる。即ち外力付与部55bが媒体の給送を阻害することを抑制できる。
また本実施形態において媒体積載方向における案内部55の上端部が、外力付与部55bの少なくとも一部を構成する。即ち媒体積載方向において案内部55の最も高い位置に外力付与部55bの少なくとも一部が配置されるので、規制部材58を乗り越えている媒体P1がより確実に外力付与部55bと係わることができ、即ち媒体P1をより確実に+Y方向に移動させることができる。
尚、後に図18を参照して説明する他の実施形態の様に、媒体積載方向における案内部の上端部が、外力付与部の全部を構成しても良い。
また図13に示す様に媒体積載方向において案内部55の上端部55fは、規制部材58の動作領域Arより高い位置にある。
また案内部55即ち外力付与部55bは、媒体幅方向において図14(b)に示す様に給送ローラー11の両側に設けられる。以下、これによる作用効果について説明する。
外力付与部55bが媒体P1の先端に+Y方向の外力を付与する際、媒体P1と給送ローラー11との接触位置と、外力付与部55bが媒体P1に前記外力を付与する位置とが媒体幅方向においてずれていると、媒体P1が回転する虞がある。図14(a)は比較例として、媒体幅方向において案内部55を給送ローラー11に対し+X方向にのみ設けた例を示している。図14(a)において第1媒体収容カセット50が+Y方向に移動する際、媒体P1は外力付与部55bから+Y方向の力を受けるとともに、給送ローラー11から-Y方向の反力を受ける為、図の時計回り方向に回転しようとする。
しかしながら図14(b)に示す様に案内部55、即ち外力付与部55bは、媒体幅方向において給送ローラー11の両側に設けられるので、媒体P1は給送ローラー11の両側で+Y方向の力を受け、これにより上記の回転が抑制される。
尚、案内部55を媒体幅方向に複数設ける場合、全ての案内部55に対して外力付与部55bを設けても良いし、一部の案内部55に対して外力付与部55bを設けても良い。例えば図15において符号55Aは、外力付与部55bを備えない案内部を示している。案内部55Aにおいて案内面55aは、案内部55Aの下端から上端に渡って連続的に形成されている。案内部55Aの媒体積載方向の高さは、案内部55と同じである。この様な構成でも、媒体P1の先端が案内部55と案内部55Aに当接し、媒体P1は給送ローラー11の両側で+Y方向の力を受ける為、回転が抑制される。尚、外力付与部55bが一つも設けられておらず、例えば外力付与部55bを備えない案内部55Aのみが設けられている構成では、媒体P1の先端が案内面55aを乗り上げてしまう為、媒体P1を+Y方向に移動させることはできない。即ち外力付与部55bを備えない案内部55Aは、外力付与部55bを備える案内部55と協働して媒体P1の回転をある程度抑制する範囲で機能する。
また案内部は、媒体幅方向に沿って延設された構成としても良い。図16に示す案内部55Bは、媒体幅方向に沿って延設された形状を有しており、これにより案内面55aも媒体幅方向に沿って延設されている。外力付与部55bは、この様に構成された案内部55Bの一部に設けられている。この様な構成においても、外力付与部55bにより、媒体P1の先端に+Y方向の外力を付与することができる。
またこの様に媒体幅方向に沿って延設された案内部55Bにおいては、外力付与部55bを媒体幅方向に延設することもでき、特に外力付与部55bを案内部55Bにおける媒体幅方向の全域に設けることもできる。また本実施形態において外力付与部は、後に図17~図19を参照して説明する他の実施形態とすることもできる。
また媒体P1は、給送ローラー11との接触部位で生じる摩擦力によって装置内部に残留しようとする。従って外力付与部55bは、装置幅方向において給送ローラー11の配置位置に一致させるか、或いは給送ローラー11の配置位置に対して両側近傍に設けるとより好適である。
また本実施形態において、装着状態にある第1媒体収容カセット50の+Y方向への移動の開始と同時に、規制部材58が非規制状態から規制状態への状態切り換えを開始する構成である。これにより、第1媒体収容カセット50を装着状態から離脱状態にする際の、カセット内部での媒体の乱れを抑制できる。
またこの様な構成では、規制部材58を乗り越えている媒体が規制部材58と給送ローラー11とで挟まれる期間が長くなり、装置内部に媒体が残留し易くなる。しかしながら上述した外力付与部55bにより、前記残留の発生を回避でき、或いは前記残留の程度を抑制できる。
また本実施形態では、図8を参照して説明した様に装着状態にある第1媒体収容カセット50を+Y方向に移動させても、給送ローラー11は直ちに上昇を開始せず、給送ローラー11の上昇開始までに多少のタイムラグが生じる構成である。この様な構成によって、規制部材58を乗り越えている媒体が規制部材58と給送ローラー11とで挟まれる期間が長くなり易い。しかしながら上述した外力付与部55bにより、前記残留の発生を回避でき、或いは前記残留の程度を抑制できる。
続いて図17以降を参照して外力付与部の他の実施形態を説明する。図17に示す案内部55Bは、外力付与部55cを備えている。外力付与部55cはゴム、コルク等の、媒体との間の摩擦係数が案内面55aや経路形成面31よりも高い材料で形成されている。この様な構成によっても、媒体P1の先端に+Y方向の外力を付与することができる。
次に図18に示す案内部55Cは、上端部が外力付与部55dにより構成されている。外力付与部55dは、ゴム、コルク等の、媒体との間の摩擦係数が案内面55aや経路形成面31よりも高い材料で形成されている。外力付与部55dは、媒体P1の下面との間で摩擦力を生じさせることで媒体P1に+Y方向の外力を媒体に付与する。これにより、媒体P1の先端が外力付与部55dより-Y方向に位置する場合でも、媒体P1に対し+Y方向の外力を付与できる。
次に図19に示す案内部55Dは、図13等を参照して説明した外力付与部55bと、図18を参照して説明した外力付与部55dの双方を備えている。これにより、媒体P1の先端が外力付与部55bから-Y方向に外れても、外力付与部55dにより媒体P1に対し+Y方向の外力を付与できる。尚、外力付与部55bは、図17に示した外力付与部55cとしても良い。
次に図20に示す案内部55Eには、外力付与部55bが設けられておらず、外力付与部55bは案内部55Eとは別個に形成された先端部56に設けられている。この様に外力付与部55bは、案内面55aを形成する案内部55Eとは別個の部位に設けることもできる。
また本実施形態では、案内面55aを形成する案内部55Eに対しY軸方向にずれた位置に形成された先端部56に外力付与部55bを設けたが、案内部55Eに対しX軸方向にずれた位置に形成された部位(不図示)に外力付与部55bを設けても良い。
本発明は上記実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
1…インクジェットプリンター、2…装置本体、2a…装着部、3…スキャナー部、5…操作部、6…排出トレイ、7…カバー、8…キャリッジ、9…記録ヘッド、11…給送ローラー、12…支持部材、12a…揺動軸、12b…カム当接部、14a~14d…従動ローラー、16…搬送駆動ローラー、17…搬送従動ローラー、18…媒体支持部材、19…キャリッジガイド軸、21…反転ローラー、22…フラップ、23…第1排出駆動ローラー、24…第1排出従動ローラー、25…反転駆動ローラー、26…反転従動ローラー、27…第2排出駆動ローラー、28…第2排出従動ローラー、29…従動ローラー、30…給送経路形成部、30a…当接部、31…経路形成面、33…レリースカム、33a…回転軸、33b…押し上げ部、33c…カセット当接部、49…第2媒体収容カセット、50…第1媒体収容カセット、50a…媒体収容領域、50b…載置面、50c…側壁上面、50c…側壁上面、51…後端エッジガイド、52A、52B…側端エッジガイド、53…ストッパー、55、55A、55B、55C、55D、55E…案内部、55a…案内面、55b、55c、55d…外力付与部、55f…上端部、55m…空間、56…先端部、58…規制部材、58a…規制面、58b…当接面、59…回転軸、60…引っ張りばね、61…レバー部材、61a…第1端部、61b…第2端部、62…回転軸、63…捩りばね、
K1、K2、K3…媒体給送経路、FR1…第1媒体搬送経路、FR2…第2媒体搬送経路、FR3…第3媒体搬送経路、RR…反転経路

Claims (12)

  1. 媒体を給送する給送ローラーを備えた記録装置に対して第1方向への移動により装着状態となり、前記第1方向とは反対の第2方向への移動により離脱状態となる媒体収容カセットであって、
    前記第1方向への媒体の移動を規制する規制状態と、前記規制状態から前記第1方向に倒れる非規制状態とを切り換え可能な部材であって、前記装着状態において前記非規制状態をとり、前記離脱状態において前記規制状態をとる規制部材と、
    前記装着状態から前記離脱状態に切り換わる過程において、先端が前記規制部材より前記第1方向に位置する媒体に対し、前記第2方向の成分を含む方向の外力を付与する外力付与部と、
    を備えた媒体収容カセット。
  2. 請求項1に記載の媒体収容カセットにおいて、前記外力付与部は、媒体の前記第1方向の先端に当接することで前記外力を媒体に付与する、
    ことを特徴とする媒体収容カセット。
  3. 請求項2に記載の媒体収容カセットにおいて、前記外力付与部は、媒体給送方向に沿って鋸歯状に形成された面で構成される、
    ことを特徴とする媒体収容カセット。
  4. 請求項1に記載の媒体収容カセットにおいて、前記外力付与部は、媒体の下面との間で摩擦力を生じさせることで前記外力を媒体に付与する、
    ことを特徴とする媒体収容カセット。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の媒体収容カセットにおいて、前記外力付与部の少なくとも一部は、媒体の積載方向において媒体の積載上限位置よりも高い位置に設けられている、
    ことを特徴とする媒体収容カセット。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の媒体収容カセットにおいて、前記外力付与部の少なくとも一部は、媒体の積載方向において前記規制部材の動作領域よりも高い位置に設けられている、
    ことを特徴とする媒体収容カセット。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の媒体収容カセットにおいて、前記規制部材に対し前記第1方向に、媒体を給送方向下流に案内する案内面を備え、
    前記外力付与部は、前記案内面を形成する案内部に設けられる、
    ことを特徴とする媒体収容カセット。
  8. 請求項7に記載の媒体収容カセットにおいて、前記外力付与部は、前記案内面に対し前記第1方向に位置する、
    ことを特徴とする媒体収容カセット。
  9. 請求項7または請求項8に記載の媒体収容カセットにおいて、媒体の積載方向における前記案内部の上端部が、前記外力付与部の少なくとも一部を構成する、
    ことを特徴とする媒体収容カセット。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の媒体収容カセットにおいて、前記外力付与部は、媒体給送方向と交差する方向である媒体幅方向において、前記給送ローラーの両側に設けられる、
    ことを特徴とする媒体収容カセット。
  11. 請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の媒体収容カセットにおいて、前記装着状態から前記第2方向への移動の開始と同時に、前記規制部材が前記非規制状態から前記規制状態への状態切り換えを開始する、
    ことを特徴とする媒体収容カセット。
  12. 媒体に記録を行う記録部と、
    前記記録部によって記録を行う媒体を収容する、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の前記媒体収容カセットと、
    を備えた記録装置。
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